【🎲、⚓️、ss】どうしよう……④

[1 スレ主 24/06/24(月) 11:21:16]

スレ主です
次スレで、終わらせたいですね……

あらすじ
製作者の遊び心（本人モデルエネミー）がC&Cを襲う
撃破後、大福×4
ライブラのネームド［調律］に決定！

[2 スレ主 24/06/24(月) 11:21:41]

前③

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……③｜あにまん掲示板

最初

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……｜あにまん掲示板

前シリーズはこちらから

【🎲、ss？】やばいやばいやばいやばい……｜あにまん掲示板

前シリーズ感想スレはこちらから

【🎲、ss？】やばいやばいやばいやばい……（感想スレ）｜あにまん掲示板

[3 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:22:12]

たておつ

[4 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:24:40]

たておつ

[5 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:24:41]

立て乙、二つ名調律か

[6 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:24:57]

立て乙とりあえず10まで

[7 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:28:20]

アスナが怯えてんのヤバ過ぎる
何創ってんだ開発部…

[8 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:30:38]

盾乙です！
あぁ遂に大福が生産されてしまった…

[9 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:31:34]

とりあえず、称号設定は絶対に人心無みたいなものはある

[10 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:37:19]

調律か…人とAIが再び手を取りあえるように奔走するのだろうか…

[11 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 11:55:13]

>>9

［滑稽な人形］みたいな精神を逆撫でする心無い称号がありそう…

[12 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 14:00:18]

保守

[13 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 16:33:45]

大福キターーーーー！

[14 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 17:23:45]

心折か心鉄はありそう

[15 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:18:46]

>>7

なにって…ただの神ロボゲーだが

[16 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:18:54]

ライブラの【ネームド設定】の画面が開いた為、とりあえずアスナはなんとなく［調律］というネームドを設定し、早くセーブ画面に行こうと思ったが、また新たに武器が解放されたようで……

「……先に見た方がダメージ少ない、かな」

恐らく明日にネル達が改めてダメージを受ける事になるのだろうが、今回自分はダメージを受けた面々の介助の方にまわった方がいい気がしたアスナは、前もって今回のボスモチーフの武器を見る事にした。
新しく追加されたのはライフルが2丁。

【ライト・グランパス】というライフルはシンプルな白多めのモノクロデザインに蛍光色の緑色のラインが一筋入っており、射程範囲と一定数のダメージにボーナスの入ったもの。
【レフト・グランパス】という方のライフルは黒多めのモノクロ塗装に蛍光色の桃色が一筋入ったデザインをしていて連写速度とリロード速度にボーナスが入っていた。

強くはある。だが……

「なん、でっ？……この組み合わせで両手持ちすると、デバフ発生するの…？」

どうやらこの2丁を同時持ちすると、それぞれのダメージボーナスとリロード速度のボーナスは消えてしまうらしい…なんでだ。
普通に一緒に使わせてあげて欲しい……だが、恐らくデバフ無しに両手持ち出来たらゲームバランスが崩壊するのはすぐに理解出来てしまう。
多分自分達のリーダーとしてはデバフを鑑みても購入して両手持ちを試したい武器だろうな、とアスナは遠くを見つめた。

そうして少しだけダメージを喰らいつつも無事セーブを行えたアスナはそのままゲームの電源を切り、明日の任務を皆がきちんと行える様にと、祈る事にした。

[17 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:21:15]

人の心！！！！（n回目）

[18 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:25:36]

>>16

二人一緒じゃないとダメなんだ…一人じゃダメなんだ

[19 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:30:19]

開発者的にはボスドロップな武器は強くしたかったがゲームバランスを考えると離れ離れにするしかなかったんだろうな……
お陰で「機体でも武器でもモモミドを引き裂くプレイヤー」になっちゃうわけですが……ちょっと寝込むわ

[21 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:34:13]

>>19

そしてそもそもユズの武器は使うことすらできないという

[22 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:36:23]

>>19 >>21

仕方無いから、終盤の再生怪人枠として左右グランパスを装備してグレラン持ちの赤いサブアームを搭載した機体を出そう

折角だし残ったサブアームにレールガンも付けて開発部特盛セットや！

仲良し！

[23 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:36:52]

だが待ってほしいデバック担当がこの装備を両方装備してバフが消えるのを全パターン検証できてるだろうか?
プログラム担当が優秀だとしても案外意外な抜け道があるのでは?
具体的には右にレフト・グランパス装備で左にライト・グランパス装備で

[24 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 19:43:27]

終盤で才羽ニコイチちゃんが出てくるかもしれないから……

[25 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 20:01:30]

アリスとケーフィ神父で使ったらバフ掛かるとか、無い…？

[26 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 20:31:34]

その日、任務対象…もとい掃除対象であった者達はそれはそれは恐ろしい目に遭ったらしい。ネルを含めてメンバーが一切笑わないC&Cに追い詰められたら普通はそうだ。
同情の余地は無いが…まさかそれが自分達とは何の関係もない、とあるゲームが原因などとは分かりようもないだろう。
その点だけは少し哀れかもしれない。

そうして急ぎで任務を終わらせた面子はトキとあたたかい飲み物に迎えられながら、いそいそと画面前に集合する。
違うのは昨日と違い最初から毛布もバスタオルも美味しいお菓子も手の届く範囲に人数分揃えたところである。

まるでこのゲーム攻略の方が過酷な任務の様な顔持ちをしているネル達だったが…昨日の後輩モチーフのボス戦があんまりな辛さだったのだから、しょうがないのだ。

「前回、なんか見つかったんだっけか…」
「あ、そうなんだ？」
「そういえばアスナ先輩はいなかったな…」

なんとなく知り合いモチーフの敵が出た位を察していたアスナだが、その時に見つかった物がある事までは知らないらしい。
今回はその辺りの正体を…知りたくもあるが、知りたくもないという二つの感情で揺れていた。

[27 二次元好きの匿名さん 24/06/24(月) 21:53:29]

回収したものなんだろうただの危険物ならもろとも吹き飛ばせばいいし…
一番精神ダメージが小さいのは汚染物質あたりか

[28 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 01:17:20]

プレイヤーが(と言うか自分らも)一番ダメージがデカそうなものは、
AI側が新たに生まれ落ちてた幼子のアイノコを育てていて、
その育て親を自分らが既に落としていたとかかな……

[29 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 02:05:05]

……ラストは報われるんだよね？
ちゃんと報われるんだよね？？
そうなんだよね？？？

[30 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 02:05:14]

ヤバい続きがクッソ気になる！！

[31 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 03:19:41]

２週目があるとしたら。AI勢力側に与して、この「左舷・右舷・隠者」とも仲良くなって。1週目で倒すだけじゃ見れない普段の言動や仲睦まじい関係を理解した上で、例えば神父さんに撃墜されちゃったりするんでしょうか？

調律のネームド面白い。最終的にAIを敵対的でないものに説得したりするのかな？　愛の子とは別の和平の象徴になったり。

[32 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 06:18:34]

>>29

ユウカさんのリクエスト的に最終的には報われるだろうから、逆に言えば過程は幾らでも曇らされることに…これHAPPY ENDの解放条件がBAD END全回収とかだったらエグいなぁ（DODのEエンド的な）

[33 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 06:49:38]

>>31

1週目でリディさんや神父の人間性を知った上で2週目敵対して撃破することになるよ！

ちょっと大福になってくる

[34 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 10:48:42]

これ開発に協力してるしエンジニア部もノリノリで自分たちモチーフの敵作ったりしてない？

[35 ｽﾚ主 24/06/25(火) 11:25:32]

少し深呼吸をして、ネルはゲームの電源を入れる。その後、アスナが昨日見た新しい機能である【ネームド設定】を見つけた。

「あ、ごめんリーダー…それ私が」
「アスナが、か…なら別にいい。少しはご利益ありそうだしな……」

アスナの強運に縋りたい気持ちだったネルは素直に［調律］を受け入れる。しかし、当のアスナは「…どうだろう？」と言いたげに目を泳がせていた。

そしてそのまま武器選択で新しく追加された［左舷］［右舷］モチーフの武器にアスナ以外がダメージを少し受けた後…ストーリーを進めようとネルがボタンを押した時である。

プツッ、と画面が暗転する。一瞬、本当に電源が落ちたかと焦ったが如何やら演出らしく画面にまた何かが映り出す。
それを見たネル達は固まった。

真っ暗の画面……そこに浮かぶ一つの金の天秤。
白文字で、その表示は出てきた。

[36 ｽﾚ主 24/06/25(火) 11:29:22]

【Warning.....】

これより先、物語の一部が変化する［選択］が存在します
慎重に、お選びください

[37 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 11:38:59]

「…んだ、これ……」
「ルート分岐…？でも一部って事は終わりは変わらないって事でしょうか…？」

選択……それを聞いて、なんとなく全員の視線がアスナに向かうが

「おいアスナ！！はやい！！まだ今日始めたばっかだろうが！？」

いそいそと毛布を被ろうとしているアスナがいたので止めた。何が【分かった】んだろうと思ったが、聞きたくないのが強い。
代わりに、あまりにもハッキリとした拒絶が返ってきた。

「私絶対選ばないからね！！これは！！」
「そんなにか…」
「そんなにだよリーダー！！！」

いやいやと首を横に振るアスナ。
まぁ仕方ない……確かに酷な役割だし、そもそもこのゲームのプレイヤーはあくまで自分である、とネルは割り切る事にした。

[38 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 11:45:04]

うわぁ…

[39 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 11:45:56]

ルート分岐…誰を殺すか自分で…ｳｯｱﾀﾏｶﾞ

[40 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 11:55:33]

アスナがこんだけの反応とか……
覚悟しよ（毛布にくるまる）

[41 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 12:13:34]

こっわ……何があるんだよ…

[42 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 12:24:46]

神様にお祈りは？
部屋のスミでガタガタふるえて毛布を被る心の準備はOK？

[43 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 12:28:22]

>>42

神なんて都合のいい存在がいればこうはなっていない

それこそ幼子が両親を失い、悲壮な覚悟を決めてしまえるようなことは

なかったはずなのに

[44 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 13:36:53]

改めてボタンを押せばムービーが始まる。ヴィックの会議室らしき場所…そこにはリディやアリスだけでなくケーフィ神父も同席しており、他の人物はチラチラとそちらを見ていた。

「そういや神父は反AIの人間だったな…」
「機械だらけのこの街にいるのは確かに周りの人は落ち着きませんよね。以前来た時は、アリスちゃんの救護もありましたし……」

寧ろ世界がこんな状況下では、ヴィックの方が珍しい考えなのかも知れないが…そんな風に考えていた時だ。軍帽を整えてリディが口を開く。

「倉庫で見つかったのは大きく分けて２つ…１つは大量のメモリーデータだ。恐らくAI達のものだと推測しているよ」
「メモリーデータ？」
「一体なんの…」

ざわつく周りにリディは少し遠い目をしながら話を続ける。

「中身は、彼等彼女等の記憶だな。基本的には同じ内容だよ……アリス、歴史の問題だ」
「え、は…はい！」
「肩の力は抜いて欲しい。ロボット同士の戦争が起きて…暫くすればそれぞれ国力の差が出たのは知ってるね？」
「はい、もっと強力な物…今私達が戦っている大型の機体、シンプルな物量戦も行われたと」

素晴らしい、とリディは拍手するが、それを茶番でも見ている様に冷めた目をしているのが、一人。
ケーフィ神父だった。

[45 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 13:49:58]

「此処は学舎ではなく、作戦立案を行う場所だと思いましたがね…」
「まぁ、そうつれない事を言わないでくれよ？続きだアリス……そうして武力が劣る国は最終的にはどの様な行動に出たかな？」
「それ、は……」

急にアリスが口籠もり始める。周りも何か察した様子だが、この世界の事を知らないプレイヤー側のネル達は首を傾げる。

「不利な相手にする行動だあ？」
「不意打ちとか…戦略系の攻略では？」
「若しくはとんでもなく、やけっぱちな行動でしょうか…？」

皆が考察する中、そっとアスナは毛布を被り直した。気付いたトキが触れるが、ガタガタと震えている事が分かり、続きを聞くのが怖くて仕方なくなった。
しかし、幾ら怖がろうと画面の向こうで話は進んでいくのである。
アリスが、少し震えた声で話した。

「…ばく…です……自爆特攻作戦、です」

ひゅ、とネル達は息を呑んだ。
自爆？特攻？そんな作戦あってたまるか…というか、それは、その作戦で自爆ってもしや…
ぐらり、と揺れる思考、リディが少し悲しい顔で続けた。

「そうだ。作戦というのも悍ましい…AI達に爆弾をくくりつけて、戦場に投下。後は各自適切なタイミングで自爆しろとかいう……あのクソみたいな特攻作戦さ」

ゔ…と誰かが口を押さえた。
リディの言う通り、そんな、そんな悍ましい事……どうして出来たと言うんだ。

[46 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:01:39]

だって、今まで戦ってきた敵達は、意思があるか不明の者もいた。
ただ命令を遂行している様にも…だが、だが違う。明らかに人の様に心を持つ者が確かにいた。

ヤモリの街を守るという本懐への執着は
［右舷］が［左舷］を失った嘆きは
同胞を失い泣いてるだろう［落涙］の涙が

アリスを想い助けてきたAIの優しさが

心じゃなければ、なんなんだ……

どうして、そんな者達に爆弾を括り付けた？
いや違う、もっと前……そんな者達に戦争の肩代わりをさせた？
それまで、共に歩んできた存在じゃないのか？

ゲームを始めてまだ30分と経っていないがネル達の心がガリガリ削られる音がする。
因みにこの事に関してはモモイもまた先生から取材した際にしっかりとダメージを受けている。ゲームの中では無いだけモモイの方が辛かったかも知れないが、それを知る者はいない。
ただモモイは、話を聞いた結果「争いを起こす気概をへし折る作品にしよう」となった。
とんでもない決意である。

その決意でC&Cは、本日分のゲームが始まって早々にダウンしかけていた。

[47 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:07:24]

争いを起こす気概は確かに折れるけども！！けども！！！

[48 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:07:57]

そっかぁ…モモイも大福になってたんだぁ…

ほな仕方ないとはならねぇ！！？
これモモイも手癖のハッピーエンドが先生の話聞いてポキッてなったタイプだろ！！！
何してんだ先生！？

[49 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:09:48]

もしかして落涙がクソ強いのは右舷が壊れた左舷を取り込んだように壊れた仲間を何度も取り込んだからでは？

[50 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:11:28]

>>49

まって

ちょっと待って

それ想像しただけで涙止まんなくなりそうだから

[51 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:12:18]

>>50

お前も［落涙］になるんだよ

[52 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:16:28]

>>51

涙が落ちないように上向かなきゃ…

[53 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:19:26]

>>52

でも戦場で上を向いていたら誰も守れないだよ…。

[54 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:19:59]

>>53

しかも、上を向いたところで別に流れないわけでは…

[55 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:20:30]

震えて泣いているC&Cは置き去りに話は進んでいく。リディはメモリーチップを一つ摘む。

「このメモリーにはその辺りの酷い記憶が多く保存されていた…恐らくだが相手側のAIにとってもノイズが大きくなる記憶なんだろう」
「…人でいう、トラウマ、ですか？」

恐る恐る聞くアリスにリディは頷く。

「かもね……戦わねばならない、だが記憶を人と違い忘れられない彼らにとって強烈な地獄の記憶が戦闘を拒む」
「…故に、メモリーから抜いてしまおうと。純粋な使命感で戦える様に」

腕を組み座るケーフィ神父が口を開く。その顔は、何か酷く悩んでいる様に見えた。

「しかし…あの倉庫から回収しただけでもこの量だ。どれ程の被害者がいるのだろうね？あのAI達にも……だが、それでも看過しきれない問題が次だ」

そうして全員に配られたのは何かの資料。何が書いてあるかは読み取れないが、資料の上に何か厳重な管理をされてるらしき液体があった。

[56 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:29:24]

もうこれ以上地獄を増やすな……C&Cとトキで一つの大きな大福を形成している中コントローラーを持っているネルは悲しきかな、画面を見なきゃいけないのである。

「これは…」
「アリス…君が以前言っていた［落涙］が降らせようとしている雨…それがコレさ」
「雨…？」

どういう事かと騒ぐ者達がいる中、クシャ…とケーフィ神父が資料に皺をいれる。
その顔はかなり険しいものだった。

「兵器を、毒を、空から降らせる気か…！？」
「なっ？！」

驚くアリス、勿論プレイヤー側のネル達もだが…もうずっと余裕が無いのでどういうリアクションを取ればいいかも分からないのだ。
頷くリディもまた同じ様な顔をしている。

「この兵器は人体には有毒でね…浴びて何もせずなら1時間で命を奪うだろう」
「そんな、そんなもの…！人だけの被害じゃ済まない…！」
「そうだろうね、その土地は暫く草も生えないだろうよ…そうすれば彼らAIは両手を振るって人の居ない世界を歩けるって訳さ…！」

とんでもない兵器も出てきた……ネルは頭を抱える他ない。
そんな物、そもそもこの世に存在させてはいけないじゃないか…なんであるんだ。やっぱりいい、聞きたくもない。

[57 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:37:02]

放射性降下物(死の灰や黒い雨)のメタファーかな？

[59 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 14:41:55]

>>56

みんなでひでー顔しながら布団にくるまってる絵面想像して不覚にも口角がバグった

そして>>57で残酷な現実が降ってきて現在インジアビス

[60 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 15:03:17]

そりゃよほどの事がない限り外傷で死ぬ事がないので「死」の重みが増しているキヴォトス人に、我々地球人の戦争の記録…しかも太平洋戦争のものであろう「それ」を間接的にでも見せつけられたらねぇ？
モモイはよく頑張ったよ

[61 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 15:18:05]

もうこの空気どうするんだ……そうネルがぺしょぺしょになった顔で見ていると、机に資料を叩きつける者がいた。リディである。

「これがどれ程の範囲で降り、どれ程の被害をもたらすか…そもそも倉庫で回収した分がまさか全部では無いだろうが、では何処で製造し、空に放とうとしているか…」

淡々ととした口調。アイノコである彼女がほんの少し機械らしさを見せる。
しかしそれも一瞬だった。

「これを我々が阻止できるか。そんな事は分からない……だが」

軍帽のツバを持ち、顔を上げた彼女の目は間違いなく強い意志を宿した人の眼をしていた。

「戦う前から、負け犬を気取れると思うなよ諸君？彼奴等もだ…まだ勝ち誇らせるな」

ニッ、と彼女は不敵に笑ってみせる。

「まだ逆境に立ち向かい走る脚も、チャンス掴む両の手だって君達は持っているのだからな」

それは、機械の手脚を持つ、彼女なりの皮肉なのかもしれない。笑えはしない。
…だが、空気は変わった。

「そうです、まだ！まだ何処にも降ってないなら止められるかもしれない…！！」
「こんな大掛かりなもの、そう何度も連発だって出来はしない筈です…互いに物資は少ないくらいなんですから」

アリスが立ち上がり、ケーフィ神父も資料に向き直る。そうだ、まだ始まってさえいない。その恐ろしい兵器を、雨を止める必要がある。

[62 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 15:27:32]

そうだ、まだ諦める事はない。あの倉庫での過去の流通ルートを探そう。
寧ろこの情報を前もって知れたのは幸運だ。
次々と部屋にいた大人がアリスに続き立ち上がる。自分達がすべき事を探る為。

それを見て満足そうな顔のリディは、アリスに向いて話しかける。

「アリス、これは大きな作戦だ。人類の存亡をかけてると言っていい」
「…望むところです」
「いい返事だ！さあ諸君、人類を守るぞ！！」

こんな世界でそれはあまりにも眩しい、抗う者達の姿であった。ムービーはここで終わるが、ネルは最初の様に息を整える。

「…そうだな。まだ、あたしも…折れる訳にはいかねえ…！！」

バスタオルで強引に涙を拭い、近くの飲み物を飲み干したネルは気合いを入れ直す。
どんな［選択］が来るかも分からない。何が起きるか分からない…だがこのキャラクター達が、主人公のアリスが戦うと決めたなら、それを踏まえて操作して戦うのがプレイヤーである自分である。

コントローラーを壊さない程度にだが握りしめて、ネルは画面に向き直り、装備の整理を始めた。

[63 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 15:30:02]

自爆特攻→日の丸特攻隊
毒の雨→核兵器
romroの近い言葉にromeroが合ってスペイン語で巡礼って意味があったけど…アリスとライブラは人とAIどちらの巡礼者になるんだろうね…

[64 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 15:32:06]

そういえばリディの声って誰が担当してるんだろう…?
まさかリオ会長…？

[65 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 17:46:38]

音信不通の会長は流石に難しいと思う
キャラ的にウタハパイセンじゃない？

ただ登場人数の多い作品だから、cvには先生繋がりでRabbitやヒナも参加してるかも
ミリタリーアドバイザーも出来るし

[66 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 17:56:46]

>>64

だったらアスナが既に気付いてそうだから違うと思う、そうであって欲しいけども

[67 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 18:00:10]

ピーチ天気予報思い出したわ……

[68 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 18:29:44]

>>65

RABBIT小隊にはこの辺の「外の世界の歴史」教育はかなり有効かもね

カルバノグ編でカヤや先輩方がやろうとした事を考えると……己の使命の重さを再認識する代わりに大福4つ追加

[69 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 19:40:47]

まじでこのゲームやりたい…いや心はバッキバキになるだろうけど
ACとかのモデルになった物じゃなくこのゲームをやりたい……

[70 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 20:06:24]

先生に教えてもらった諸々の知識でダメージ受けつつも
ゲームにその知識を還元してより良いゲームにしようとするモモイはえらいなぁ(現実逃避)
(モモイがセルフで追い詰められた分シナリオも大福量産しまくってるのはもう笑うしかないが)

[71 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 22:49:09]

念の為保守

[72 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 23:04:16]

改めて聞かされると太平洋戦争って酷い戦争だよね

[73 二次元好きの匿名さん 24/06/25(火) 23:33:56]

特攻と聞いて日本を連想している人がいるので一応書いとく。
大前提の戦争が悪かどうかは置いておいて、特攻について語るなら特攻は悪い事ではないよ。
強要していた場面があったのが問題であり、日本の歴史文化遺産をよく勉強すればわかる。それを悪と決めつけるのは散った命に失礼だからね。

今回書かれているのはAIの自爆特攻なので、近い未来起き得る事かもしれない。
今はリモコン操作でドローンや照準用AI搭載の誘導弾を目標に投げつけている戦場が存在するが、いつしか感情を持ち得るレベルのハイスペックなAIを戦場に駆り出してしまうかもしれない。
万物に宿し八百万の神と信仰ある日本人としては、心持ち得る可能性の「もの」を強制的に兵器にしてしまうのは胸が痛くなるね。

[74 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 00:51:40]

保守

[75 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 05:00:42]

ほ

[76 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 06:19:26]

この自爆特攻って大戦中の桜花的な人力ミサイル誘導装置じゃなくて
爆弾抱えて一般AIのふりして町に入って起爆とか、負傷兵のふりして助けてーって人集めた後ちゅどーんする感じか？

[77 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 06:32:56]

>>76

その場合は無敵超人ザンボット3の人間爆弾だな

[78 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 10:52:56]

保守

[79 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 14:07:38]

ほす

[80 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 14:48:04]

>>68

「私はあなたのような大人が嫌いです（涙声）」

[81 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 14:55:57]

そうして任務の選択画面になると、いきなりAIが話しかけてきた。

【アリス、ケーフィ神父とリディ・パーフからそれぞれ個人依頼が複数入っています】
「え？」

ん？とネルもアリスと似た反応をする。わざわざその2人が何故…？というより、リディはそもそも彼女からの依頼で知り合ったが、ケーフィ神父は本当に分からない…そう思いつつもAIに続きを促す。

【ではまず、ケーフィ神父の個人依頼と共に寄せられたメッセージを再生させて頂きます】
『……ああ、アリス君、上手く依頼は受け取れましたか？強制はしません、手が空いてる時にでも……ですが、大きな作戦前に連携を取れる様になるのは大事ですから…無論、達成時の報酬は考えていますので。それでは』

【次に、リディ・パーフからのメッセージです】
『お！アリスー！聞こえてるかな？先程の会議が終わった後にでも話しかけるべきだったかもだけど許して欲しい！…さて、久しぶりに私からの個人依頼だ！手透きの時にでも進めてくれれば嬉しいけど、全部達成した時の報酬は期待して良いよ！！では！！』

ネルは顎に手を当て考える…もしやこれは、先程聞かされた［選択］というものではないだろうかと。だとしたら…少しずつ何方も進めるにしても、最後はどちらかを選ばねばならないのだろうか？

「はぁ〜…どっちにすっかな……」

中々難しい［選択］が来たものだとネルは天井を仰ぎ見た。

[82 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:01:28]

個人依頼が複数ってことは規定の依頼達成数に到達したときにどっちの依頼を多く達成していたかで分岐するって感じかな

[83 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:09:08]

>>32

それ報われてねぇ！

[84 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:22:41]

悩みに悩んだが選びきれず…2人からのではない普通の依頼もこなしてみるが、どうやら何方かを熟すまではストーリーは進まない仕様らしい。
画面右上の【ケーフィの個人依頼を達成しろ】と【リディの個人依頼を達成しろ】がずっとあるのだから間違いないだろう。

しょうがないか…と気を取り直し、とりあえず先にアリスと出会ったのはケーフィ神父だからという理由でケーフィ神父から出された個人依頼の最初の依頼を受注する事にした。

内容は小さな集落の奪還らしく、戦闘が始まると同時に少しだけケーフィ神父から短い声掛けが流れる。

『来てくれましたか、難しい任務ではありませんが…油断はしないでください』

それだけだが、やはりアリスを戦場から遠ざけようとした時と比べて彼との関係が変化しつつある気がしてネルは初期の様な、嫌な奴という印象がすっかり無くなったのを感じる。

「でもまだ、信用とかはされて無さそうなんだよなぁ……実力、認めさせてやりてぇけど…」

ただ今は、彼の言う通り油断せず任務をこなして行こうとネルは集中して任務を進めていった。

[85 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:23:48]

しまいの時同様、複数のエンドシナリオ書いて欲しい……！

[86 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:28:54]

うわぁ、どうなるぅ…？
acとかのルート分岐だろうけど……

[87 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 15:39:45]

NieRオートマタとかだとエンド分岐はネタエンド含めて26個も有ったけども、Romroは果たして・・・

[88 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 16:12:24]

任務が終わると、ムービーが始まったのでネルは静かに見ている。
少し回復したのか他の面子もそれを見ていた。
奪還した土地に、人が戻ってきているのか沢山の積み荷を載せた車や人々を遠巻きに見ているケーフィ神父とアリスがいた。

「手伝ってくださり、感謝します」
「…私がいなくても、なんとかなったのでは」
「そうかも知れませんし、そうじゃないかも知れません……ですが」

そうしてケーフィ神父が言葉を区切り指を刺した方向をアリスが向くと、子供達が自分達に手を振っていた。ただの愛嬌か、それとも土地を取り返した事への感謝か……だが、親と思われる大人によってさっさと連れて行かれてしまう。
最後まで手を振る子供達に、ケーフィ神父とアリスは軽く振り返した。

「私一人で解決したとて、彼等の中に「AIは敵である」意識はそのままです」
「…？」
「貴方の様にAIの補助を受けて戦うパイロットもいる事を、学ばせる必要がありますから」
「？貴方は反AIなのでは……」

その理論では、まるでAIを認めている様なものじゃないか？アリスと同じ疑問を持っていたカリンも飲み物を飲みつつ首を傾げている。
ケーフィ神父は、少し目を伏せて答えた。

「嫌いですよ、AIなんか……しかし、それがあるから助かっている。今日まで生きている……そんな人達がヴィックには多くいましたから」

どうやら、あのヴィックで見た人と機械が未だ共生している景色は、ケーフィ神父にとっても何か思う所があったらしい。

「私自身の信条で、誰かが不便に生きるのも考えものだ…そう思っただけです……」

そう言いながら十字架とドッグタグを手慰みに触るケーフィ神父をただ見ているアリスで、ムービーは終わった。

[89 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 17:42:43]

アスナが察したのケーフィ神父かなぁ…
どんな過去かわからないけど心を抉るのは間違いない

[90 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 17:50:40]

「なんというか…融通のきかない人ではないんですよね、神父さんって」
「不器用な感じはするがな……」

ほんの少し、彼という人物にまた理解を深められた気がしている面々はその後もう一つだけケーフィ神父の任務を終わらせたが特にムービーや台詞は無かった。そこで今度は、リディの方の依頼を進めてみようと選択をしてみる。
分かっていたが、任務開始と同時にリディから短く通信が入った。

『やあアリス！受けてくれて嬉しいよ！君なら問題ない依頼だろうから思い切り暴れるといい！』

そうして始まるのは物資を載せた護送車の護衛任務。なんだか、あの列車の任務を思い出させる。そういえばあの列車はリディが作ったものだったか…

「あの頃よりアタシは、ずっと強くなったからな？」

ほんの少しの懐かしさにネルはニッとしつつ、彼女からの依頼を遂行する事にした。
その言葉通り敵戦力はあの頃に近くはあるが、武装や装甲があの頃よりも協力になり、操作に慣れてきたネルからするとどうとでもなる相手であった。

[91 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 21:42:12]

保守

[92 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 22:18:05]

【Romro】って1スレ目でネル先輩が呟いてたロムロ読みでいいんすかね？
ロ(6)ム(6)ロ(6)…　不吉だというメイドロボットの番号でタイトル回収なのかな
ところで黙示録に曰く、『ここに知恵が必要である。思慮のある者は獣の数字を解くがよい。その数字とは人間をさすものである。そしてその数字は六百六十六である。』

その数字とは人間をさすものである――ホントにロボットなんですか…？（小声）

[93 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 22:56:02]

リディからの最初の依頼を達成すると、此方も同様にムービーが挟まる。基地に帰ってライブラから降りているアリスにリディが声をかけてきた。

「アリス！依頼達成ありがとう！…っと、そういえばネームド昇格のお祝いもしなきゃだったね！！改めてそちらもおめでとう！！」
「え、あ…ありがとう、ございます…？」
「おや、疑問系なんだねえ…素直に祝福されておいた方がいいぞ？まぁ今の情勢じゃ、ケーキなんて途轍もない高級品な訳だが…」

ケーキ、と聞いて慌てるアリス。どうやら本当に高級品らしい……ただでさえ親がアレだったアリスからすればケーキというのは縁遠いものかも知れないが…なんとなくネル達からすると切ないものがある。
おめでたい日でも無いのに、当たり前に誰かとケーキが食べられる事はもしかしたら…本当はとても幸せな事なのかも知れない…
そんな風に感じていた。

遠慮するアリスに、リディは苦笑していた。

「子供が遠慮なんかするもんじゃ無い。ほら、見なよ…あの子達」

そうしてリディが見ている先では子供達が大人が作っている料理をくすねようとして、早々にバレて叱られている。
見ている景色は違うが、子供を見ている、という点でなんとなくケーフィ神父を思い起こさせた。だかその目は彼と違う。
柔らかい、あたたかな目をしていた。

「子供は我儘で自由でいて欲しいんだよ、私としてはね……君を雇い、報酬を払ってるとはいえ戦わせている私が言うべきじゃ無いかもだがね？」
「そんなことないです…！」

寧ろリディに雇われる事も戦う事自体もアリス自身が決めた事だというのを理解しているネル達も頷くが…リディは苦笑を崩さない。

[94 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 23:26:15]

「ケーフィ神父はともかく、コイツも子供好きなのか？」
「うーん、アリスに前にチョコバー？みたいなのあげてましたし、優しい方なんでしょうけど…」
「年齢からして…失礼かもですが、老婆心とかもあり得るのでは？」

ネルに続き、アカネやトキが推測し、カリンも頭を悩ませていると……アスナが口を開いた。

「おばあちゃん心、とは少し違うかな…」
「そうなんですか…？」
「うん……でも、本当に優しい人なんだと私は思うよ」

何処かに寂しそうに見ているアスナに、周囲は何も言えなかった。
そのまま画面に視線は戻る。リディは軍帽を外してアリスに向き直る。

「私はね、アイノコであるから色々と人と感性は違うかも知れない。世間一般的なAI達への感情とも恐らくズレている……だけどね？」
「私は、私は子供達が…いや人が好きなんだよ。故郷のエントルングだって好きだ……だから彼等を助けたいし、故郷も取り戻したい。敵性のAIと戦う覚悟もとうにしている」

柔らかく笑うリディ…ケーフィ神父が、父や師の様であると感じるならば彼女は母や、友の様な感覚を持たせてくる。

そう思う面々の中で、アスナだけは理解していた。周りが傷付くので言わなかった。
リディの身体は右腕と右脚以外は何処が機械かハッキリ分からない。
だが……きっと彼女は子孫をのこせる身体では無い事。つくれたとて、自分より先に老いていく子供を見るのはきっと哀しく、寂しいだろう事も、アスナはなんとなく察していた。

[95 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 23:42:18]

リディは軍帽を外したまま、アリスを見る。恐らく今この時、彼女はヴィックの長としてではなく、一人のリディ・パーフとして話している。そんな風にアスナが思いながら見ていると…

「アリス、叶えられる範囲かはその時によって違うかもだが…我儘を言える人間でいるといい」
「我儘…」
「君は子供なのに苦手な様だからね！なに、絶対譲りたくない。という意思の力は割と侮れない！というだけの話さ！！改めておつかれ様！」

キチンと休むんだよ、そう手を振りつつ、リディはアリスの元を去っていき…ムービーは終わった。

「……なんつうかさ、このゲームのチビは、親にも、軍学校時代の時も…大人に恵まれなかった奴だなって思うんだけどよ」
「うん、なに？リーダー？」
「…コイツにも漸く、神父とか、リディとか…頼れる大人が出来たんだなって思うと…ちょっと安心するよな……」

その言葉に、誰も反論はしない。
だが、このゲームが此処に至るまであまりにも地獄が過ぎたので…油断出来ないというのが悲しい現状なのであった。

[96 二次元好きの匿名さん 24/06/26(水) 23:56:30]

＞絶対譲りたくない という意思の力は割と侮れない

パヴァーヌ2章やん

[97 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 06:36:09]

面白い　保守

[98 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 10:54:22]

長寿だと、その分だけ出会いと別れを繰り返すのだろうけど……言い換えれば、難度も大切な人のﾀﾋに対面するってことなんだよね。
長生きし過ぎると、その内、精神を守るために心を無くす、ていうのは割りとありがちな展開だと思うけど……逆に、リディさんは、心を無くさないために、傷つくと分かっていながらも人を愛するのかな、てちょっと思った

[99 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 13:05:06]

>>94

やっぱり内臓も機械化してるのか…

[100 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:10:42]

その後、ケーフィ神父とリディの依頼を交互に進めていくが…特に何かイベントが起こる事はない。依頼をこなしては報酬を貰い、それでライブラを強化する事を繰り返す……

「そろそろどっちのを先に終わらせるか考えねえといけねぇか……」
「でも前に見た［選択］ってのが気になるな」
「下手をしたらまたとんでもない事になりそうで不安でしかないんですが…」

しかし選ばねばゲームは進む事は無いのだろう。葛藤しつつ…それぞれの個人依頼を残り一つまでに進めていると、最初に進めたケーフィ神父からメッセージが入ったらしい。

【アリス、ケーフィ神父よりメッセージです。再生してよろしいですか？】

肯定をアリスが返すと、AIはボイス再生を行い、コックピットにケーフィ神父の声がした。

『アリス君、我々も随分と連携が取れる様になったと思います。しかし…最後にどうしても試さねばならない事があります。待っていますよ』

そうして音声は切れる。
一体なんだったのかと思いつつも、今度はリディの方の依頼を進めれば、同じ様にAIがリディからメッセージだと再生される。

『アリス！ここまでお疲れ様！！残す私からの依頼もあと一つ……最後の依頼を終わらせたら約束通り、凄い物をあげるから、しっかり準備して挑んでくれ』

……最後の依頼、自分達はどちらを選ぶべきなのだろうか？

[101 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:14:30]

どちらを選択しますか？

>>106

1.ケーフィ神父の任務

2.リディからの任務

[102 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:17:40]

どちらとも落涙撃破がクエスト達成条件そうだけどその過程やその後がアリスにとって大変な事になっていそう

[103 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:21:45]

母や友と行った存在であり
人と機械がまだ手を取り合えるって
信じているリディか
父や師と言った存在であり
恐らく機械に仲間を殺されて、でも
それでも歩み寄ろうとしている
ケーフィ神父か……悩ましいね

[104 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:46:58]

これ、両方の選択肢を選んだセーブデータで3周目をプレイすると第3の選択肢とか出てもおかしくなさそうですね・・・

[105 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 16:50:13]

装備強化→神父で行くべき?

[107 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 17:33:44]

悩みに悩んだネルは、依頼開始時と同じ様に…先に出会ったから、そんな理由でケーフィ神父の依頼を行う事にした。
［選択］したのだ。

「といっても…一体どんな内容なのか分かんねえんだけどよ……」

飲み物を飲みつつ、画面を見ていたネル。
画面にミッション名が現れて、固まる。

【Mission：青き英雄への挑戦】

「まさか…」

何か言い切る前にムービーが始まる。規模は小さいながらもエントルングを思わせる人がいない街。
ライブラに乗りそこへ現れたアリスは周りを見渡しすっかり見慣れた青い機体を見つける。

『……来ましたか、アリス君』
「はい……その、依頼内容は？」
『…恐らく［落涙］との戦闘、私か貴方が担当する事になるでしょう』
「…？あの、言ってる意味が」

そこまで言いかけたアリスは何かに気付きライブラを動かす。マリアが放った弾丸がライブラが先程までいた場所を軽く穿つ。

[108 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 17:37:34]

「何を…！」
【…アリス、ケーフィ神父は恐らく貴方と戦いたいのだと思います】
「そんな事言われても…！」
『別に殺し合おうというわけじゃありません。ある程度まで互いの機体を損傷させた方の勝ちです…それとも』

マリアがダブルバレルショットガンの銃口を改めてライブラに向ける。
本気なのだと、いやでも伝わる。

『私に勝てずして［落涙］にも勝てるなんて…甘い事考えてませんか』
「っ！…分かりました。全力でいきます！！」

そうして、ネルにも予想出来なかった…まさかの［青鷲］戦が始まったのである。

「うっそだろ…！？戦わなきゃなのかよ…」

今までのストーリーで、どれ程相手が強いのかはよくよく知っている。
思わず緊張が走る、が…ネルは笑った。

「…面白え、遅くなったが」

思い出したのは、あの列車護衛の任務後…なぁなぁになったが、思い出せばずっとリベンジの機会を伺っていたはずだった。

「見返してやるぜ…！！」

漸く来た挽回チャンス、逃す手などコールサイン00には存在しなかった。

[109 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 18:53:23]

ぼくしってる！
これで負けると「私の見込み違いだったようです」とか
「アリス君なら或いは、と思ったのですが」
なんて言われるやつだ。

[110 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 19:13:10]

>>109

言い方はきつい感じだけど声色が悲しそうだけどどこか嬉しそうな感じなんだよね

[111 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 19:55:00]

神父さんそのうちアリス庇って死んじゃわない？大丈夫？

[112 二次元好きの匿名さん 24/06/27(木) 20:12:42]

神父…ネームドでも強い方なんだろうな……こういう形で成長感じさせるゲーム好き

[113 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:29:54]

先生（ゲームだけど）と戦えるんですか！？
ノリノリで音声とってそう

[114 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:42:57]

保守

[115 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 08:59:10]

「だぁぁあ！？くっそ！！」

10分後、ネルの前の画面にあるのは【任務失敗　Game Over】の文字……これでもここまで下手なりに頑張って勝利してきたが、ここに来て初めてのゲームオーバーであった。

「さすが作中最強格…」
「どうしたものか…」
「遠、中距離辺りになるともはや此方は的でしか無かったですね」
「リーダー、一旦休憩する？」

色々周りが言うが、実のところネルはあまり聞こえてない。負けイベの［落涙］戦とは違う。ハッキリとした敗北が心の底から悔しかった。

「まだだ…！！ぜってぇ勝つ…！！」

こうなると、今更リディの依頼に切り替えようとはならない。なんとしても勝ってやる。
そんなネルの様子を見て、やっぱりか、とでも言いたげにC&Cとトキは少しだけ微笑ましい雰囲気になりながらも見守る事にした。

[116 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 09:04:11]

保守

[117 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 09:34:39]

そうして格闘するネルだが、中々上手くはいかない。というのも、遠距離ならばスナイパーライフル、中距離ならばショットガン、近距離ならばあの鳥の爪を思わせる手で殴ってくる。
ハッキリ言えば殺意が高い。

戦っている間もケーフィ神父…否、［青鷲］のセリフが時折流れる。
『まだいけるでしょう？』
『ふむ…』
『今のは悪くないですね』
余裕を感じさせる声。
対して此方は赤子の手をひねるが如くやられるのでその差は歴然である。

「あ、くそっ！」

焦りで先程よりも相手の耐久値を削るよりも前にやられてしまう事もしばしば…もはや執念でネルは喰いついていた。

「装備見直すか…」

これはただの特攻でなんとかなる相手ではないと理解して武器や装甲を見直すが、試行錯誤とは時折迷走してしまう物で、今のネルを後のネルが見たならばおかしいと言える組み合わせもあった。

だが、それでも…

「っしゃ！やっと6割削るとこまで来たぞ！！」

試行錯誤した末の成果は、間違いなくネルのモチベーションを上げていった。

[118 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 15:46:13]

今までと比べて難易度が跳ね上がってる割には普通にゲームオーバーになるイベントなのか
勝敗で分岐したり勝つとご褒美パーツもらえるけど勝っても負けてもシナリオ進行はできるイベントかと思った

[119 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 15:48:49]

フフロムゲーかな？

[120 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 16:23:20]

リディの任務があるしそっちは簡単とか？
２週目前提難易度とかはありそう

[121 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 16:42:09]

そういえばこれ、ブレード二丁装備とか
できないのかな？それやれば近接しかできなくなるが

[122 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 18:38:57]

その後30分、1時間…1時間半と経ち、ネルは遂にあと一歩のところまで進むことが出来た。焦るとボタンをガチャガチャしてしまいそうになるのも必死に抑えてやってきた。

「だぁぁあ！？あとちょっとだったのによ…！」
「でもリーダー、本当に頑張ってるよ！」

残り1割が見えたところでまたダメだったネルに対してアスナも素直に褒める。ネルの腕前で此処まで出来ている事がそもそもすごい事なのだ。

「とはいえ、手詰まり感は否めませんね…」
「何かあと一押しする分の耐久があればいける？」
「いや、それでは今度は攻撃力や機動力が…」

他の面子もどうしたものか考えるが、当のネルはもう落ち着きを取り戻そうと深呼吸をしていた。正直ストーリー以外で心が折れそうになったのは初めてだが、勝つ事への執念でそうはならない。

「…とりあえず、次ダメなら1回休憩挟むか」

手首や指をほぐしつつ、ネルは再度挑戦を始めた。

[123 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 19:02:51]

白黒のガトリングとスナイパーライフル
隠者のグレネードは絶対に外さない
そのうえで激つよ神父に勝つには…

一番最初に買った武器とかでフラグが立つとか？
本気の神父を下してよっしゃあしたいネル先輩としては不服だろうけど。

[124 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 19:12:17]

そういう一押しって、プレイヤースキル向上によって突破できること、ままあるよね〜。
最初は、無理ゲーだろ、て思っていたステージでも、やってる内に慣れていって、何十、何百と繰り返した所で「………あれ？ 行けちゃった……？」てなるパターン（クリアした本人にクリアの自覚がない感じ）

[125 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 19:29:56]

そうして始まる何度目かも忘れた［青鷲］戦。流れてくるBGMもすっかり覚えてしまった気がするが、今はそれどころではない。

「リーダーは今どんな攻略を？」
「ライフルやショットガンのリロード時にダメージ与えて、その後は回避に徹する戦法だってさ」
「ヒットアンドアウェイ、というヤツですね」
「地道ですが確かなやり方ですし、変に欲張らなければなんとかなるかも知れません」

アカネの言う通り、事実ここまで来てるので間違った戦法ではない。寧ろ王道と言えた。そしてアカネの言う通り、ダメージを与える際に「もう少しいけるか？」と欲張って負ける事も繰り返してきた。
もう同じ手で負ける訳にはいかない。

「ふぅ………回避して、その後は…」

集中しているらしく、ネルは小さく呟きながら、次の行動を立てている。
思わず周りも静かに見守っていると…

「よし、よし…！」

少しずつだが、確実に［青鷲］の耐久を減らしている。此方の耐久も削られてはいるものの、今まででは一番余裕があると言っていい。

[126 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 19:54:59]

とはいえ、ネルの集中も切れかけている。だからこれがダメだったならば素直に休憩を挟むつもりだが正直ここまでもう一度いける気は無かった。
逃せない、絶好の機会である。

焦るな、欲張るな…慎重に……何度も心の中で唱えて実践する。失敗して耐久値が削られても冷静さを欠かない様に……
緊張で汗が出てきている気がする。
だが今は拭く手間さえ惜しかった。

周りもあとちょっとだと応援したい気持ちと、今声をかけたら集中が途切れそうだから我慢せねばという気持ちがある。

「あと数回…あと数回、当てれば…」

とうとう見えてきた。何度もやってどの位のダメージが入るかも大体覚えた。恐らくあと3、4回攻撃を当てられれば……もはや此方の耐久値も余裕は殆ど無い。失敗は、出来ない。

「2回目……避け、って…！」

3回目ではギリギリいかなそうと理解して、少し気が遠くなるが、まだ絶望する事でもない。冷静に、3回目の攻撃チャンスを待ち…

「3回目…！ラスト…！」

頼む、ここまで来たらいってくれ。
全員がそう思う中…待ち望んだ［青鷲］のリロードの瞬間が来た。

「今…！！」

何度もやったタイミング、逃しようがなかった。最後の一撃を加えた時…

『……よくできました』

顔は映っていない筈なのに、不思議と彼が穏やかに笑った様な気がした。
【任務達成】の文字に、ネル達はそれはもう久しぶりに沸いたのだった。

[127 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 19:59:58]

やったああああ！！！

[128 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 21:16:08]

勝った！第3部完！

[129 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 22:03:05]

自分がプレイしてたらここで「…先生っ！（神父）」と涙ぐみながら感動する。
この「よくできました」は先生すぎる。ぜったい漏れ出してるよ！優しい声で言ってるよ！

[130 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 23:10:25]

追いついたが、、、熱い展開になってきてるな

[131 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 23:53:48]

一応保守

[132 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 05:20:51]

ほしゅ

[133 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 10:19:37]

保守

[134 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 10:51:01]

［青鷲］戦法を勝利したネル達が食い入る様に画面を見ているとムービーが始まり、何処かのドックで修理を受けてるらしきマリアと、それを見つめるケーフィ神父だった。

「…無理をさせてすまないな」

そう優しくマリアの装甲に触れるケーフィ神父の元にアリスが来る。

「あの、大丈夫でしょうか…？」
「これ位の損傷ならすぐに修理出来ますよ。気にする事はありません」
「いえ、その…それもですが……」

そうしてアリスは周りを見る。ライブラも修理を受けているが遠巻きに見ている人々の顔はヴィックのそれとは違い、どこか暗かった。

「私達もここに来て大丈夫でしたか…？」
「それも気になさらないで下さい。いつか皆、慣らさねばと思ってもいましたし…」
「そう、ですか……」

意図を図りかねていたネル達だったが、その後すぐにケーフィ神父が口を開く。

「私の担当地区とはいえ、此処は反AIの地区の中ではまだ穏やかな方ですから…まず何かされる事はないでしょう」

そう言われて漸く合点がいく。どうやら此処はいつか聞いたケーフィ神父の担当地区、それも反AIの考えがあるところなのだ。

[135 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 11:11:41]

「そりゃチビが居心地悪そうな訳だわ…」
「何かされないにしても、目線とか色々あるでしょうからね…」

だが、ケーフィ神父もアリスの機体もそれなりに損傷をしているのだから修復をしない訳にはいかない。その為、こうしてケーフィ神父の担当地区に来るしかなかったのだろう。
とはいえ…

「…修理、多分一日とかじゃ終わらないですよね？」
「ですね…私も年甲斐なく暴れてしまいました」

暴れた結果がアレか……ネルは先程の連続ゲームオーバーを思い出してこめかみを押さえる。それはそうと、このAIを良く思わない街でアリスはどうしたものかと悩んでいた。

「ああ、なるほど」

それに何か気付いたケーフィ神父は少し考え…

「ウチの教会で寝泊まりして良いですよ」
「え、いやでも他の人とか…」
「……昔は孤児院も兼任してました。が、今はひとっ子一人いませんから…部屋は余ってます」
「…じゃあ、お言葉に甘えて」

どうやらアリスはケーフィ神父が提案した通り、教会で寝泊まりする事になるらしい。

「…孤児院ねぇ……子供好きな理由はそれか？」
「今は誰もいない、というのが少し気がかりではありますね……」

その理由が分かる時が来たとしたら、多分、また地獄なんだろうなぁ……そう察した面々はいそいそと、それぞれが自分の近くにティッシュボックスを一つずつ寄せていた。

[136 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 16:31:59]

穏やかな方…過激派みたいなのもいるんだろうな……
怖い世界だよ……

[137 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 18:04:53]

アンデルセン神父思い出した

[138 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 18:43:21]

もし、反AI派の拠点に連れてきた理由が、機体修復のためだけでなく、反AI派の思想を教えることも含まれているとしたら………神父、マジで不器用だけど、めっちゃ優しいな。

アリスみたいな子が悪意の理由を知る時、絶対苦悩するやろ。でも、それを伝えるのが、悪意しかない者と一定の理解を示す者とじゃ、精神的なストレスのかかり方に雲泥の差が出る。神父があらかじめ伝えることで、気持ちの整理をつける時間もできるしな。

………んまぁ、ただ単に戦闘訓練の地から1番近かったのが反AI派の拠点だった、てだけかもしれんけど

[139 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 19:24:53]

アリスを教会へと案内しているらしき場面にて、アリスはきょろきょろと辺りを見渡す。ヴィックと違い、機械は殆ど見当たらず、男性よりは女性や子供が多い印象を受ける。
ヴィックが特異な場所なだけで、これがこの世界ではおかしくない光景なのかもしれない。

ケーフィ神父について行き歩くアリスの耳に話し声が入ってくる。そちらに視線を向けると、シスター服の女性が2人で話している。

「彼女達はケーフィ神父の教会とは違う人達なのでしょうか？」
「知り合いなら声かけそうなものだろうし…」

不安そうな顔のシスター達の声は小さいながらもアリスには聞こえている。

「あの子、AIが載った機体を連れてきたって…」
「大丈夫なのかしら、あのロボットが勝手に動いて街で暴れたりとか…」
「ケーフィッヒさんもケーフィッヒさんよ…！街の人達を不安にさせる様な事…」

ケーフィッヒ、そう言えば、最初にケーフィと呼べと言われていたから忘れていたが、彼の名前は元はそうだったなとネル達は思い出していた。
失礼だな、とは思わない。不安は分かるし、何よりAIはその気になると動けてしまうので否定も出来ないのだ。

「しかし、ケーフィ神父も肩身が狭そうに見えるけどなんでだ？」
「一応英雄レベルで強いのにね？」

疑問は尽きない。そんな時、最後にシスター達がこう言っているのが聞こえた。

「やっぱり、悪魔つきに関わると不安でしかないわね……」
「幾ら街を守ってくれてるとはいえ、ねぇ？」

悪魔つき…その言葉の意味はあまり分からなかったが、きっと碌な意味じゃあないのだろうと、ネル達は身構えた。

[140 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 19:57:25]

この言葉尻を捕らえると
ケーフィ神父は脳にＡＩチップを埋め込んでいる
ないし、もしかすると脳そのものをＡＩチップにしている可能性。

[141 二次元好きの匿名さん 24/06/29(土) 21:56:49]

保守

[142 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 00:45:15]

危ない

[143 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 03:21:48]

保守

[144 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 08:04:11]

そういやケーフィ神父ってCV先生なんだよな
ゲーム部と先生以外にも出演してそう
全てを洗い流す雨ってノアの方舟連想しない？
落涙のCVノアだったらビビる

[145 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 11:32:35]

アリス達がついた教会は、良くて古き良き雰囲気がある…悪く言えば寂れていると言ってよかった。流石に窓が割れたりはしてないが、壁に大きく蔦が伸びている。

「では、私は少し行くところがありますが、好きに休んでいてください」
「は、はい」

そうして一人アリスが教会の扉を開き聖堂に入ると、中もやはり寂れていたが、清掃されているのか汚れてはいない様子だった。

「随分と作り込んでるみたいだが、あいつらまさかトリニティに取材とか行ってねえよな？」
「今回のモモイちゃん達は本気ですからね。どうなんでしょう？」

もしそうならば、あまり他校を巻き込むなとも言いたくなるが…キチンとクオリティとして成果を出しているので叱りにくいのが少しタチが悪いとネルは思った。

聖堂に並ぶ木製の長椅子の間をゆっくりと歩くアリス。彼女もまたこういう場所には慣れていない様で、色々見て回っていた時だ。

「…？」

アリスが何かを見つける。
最前列の長椅子、その上に写真立てが一つ、伏せた状態で置かれていた。

[146 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 11:45:43]

突然、アスナが泣き出した。驚く面々だがもうアスナは知った事ではない。

「なんでぇ…？もうやだぁ…っ」
「お、おい大丈夫かアスナ」
「アスナ先輩、その、紅茶飲みます…？」

気遣う周りにだがアスナはもう取り繕う余裕も無い。例えばケーフィ神父の声が先生でなければ、自分がそれを知る事が無ければ、少しは…少しは違ったかも知れないのに……
もうこれはティッシュだけじゃ無理だ…とアスナが毛布とバスタオルに手を伸ばしてる間にもムービーは進む。

「これ、は……」

そう写真立てにアリスが手を伸ばす。嫌な予感がしているアスナ以外の面子は見たい様な見たく無い様な気分でそれを見なければならない。
アリスが、写真立てを手に取り裏返した。

「……ケーフィ神父、と…？」

横長の写真立てに2枚の縦長の写真が入っているらしきそれは、どちらもこの教会の前で撮ったらしき写真だった。

片方は眼帯もしていない、今よりも若そうなケーフィ神父と彼に車椅子を押してもらっているらしき少女。もう一枚はその少女が成長した様な雰囲気の女性が軍服を着て立ち、敬礼をしながら神父と並んでいる写真だった。

[147 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 11:52:06]

ワァ、、、、、ァ、、、

[148 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 11:59:12]

まさか…と、少し嫌な予感がネル達に過ぎる。否、もはや予感よりも確信に近かった。
タイミングが良いのか悪いのか、教会のドアが開かれる。あ…っとアリスが声をもらすのと同時に、驚いた様子のケーフィ神父とアリスの目が合ってしまった。

「あ、あの…すみません、これは…！」
「……いえ、そこに置いたままにした私に責任がありますから、気にしないでください」

思ったよりも穏やかに対応されてアリスもだが此方も少し驚き、遅れてホッとする。これで彼との関係性に大きな溝が出来ては［落涙］と戦うどころではなかっただろうから。
ケーフィ神父が口を開く。

「…その子が気になりますか？」
「え、と……聞いても大丈夫、なんですか？」

今更ですよ。と近寄って来たケーフィ神父がアリスから写真立てを受け取り、長椅子に座る。

「ついでに、つまらない男の話にもなりますがね……この子は、血の繋がりはありませんが…お察しの通り私の娘です」

やっぱりかぁ…！と全員が予感が的中してしまい崩れ落ちた。というか更に嫌な予感もこれから当たるのだろうと分かってアスナ程では無いが泣きそうだった。
だって、彼は今まで娘の存在を一つも匂わせなかった。
それだけじゃない、少し前に彼はこの教会に「人1人いない」と言ったのだ…つまりは……

しかし、写真立てを優しく撫でるケーフィ神父が続けて言った言葉は、更に驚くものだった。

「名前を……マリア、と言います」

[149 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 12:27:34]

あっ（絶命）

[150 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 15:03:20]

※このゲームはハッピーエンドになる予定です

[151 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 15:11:14]

やっぱ重ねてたのかぁ…
最初にあった時もマリアとアリスを
重ねてしまって、死なせたくないゆえに
「親元に帰りなさい」って言ったのか…
落涙の時のがお労しくなるんやが

[152 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 18:52:31]

ハッピーエンドに至るための鬱要素がとんでもなく多い

[153 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:07:43]

機体名の由来が娘の名前だった。
勿論驚く事だが…それよりもネルは先程必死になって修復が必要になるまで壊したそれが、この男にとって最愛の名前を冠すると知って思わず心が痛んだ。
違う、そんなつもりはなかったんだ…そう思ったとてもうどうしようもないのだが…

「そういえばムービーの最初に「無理をさせたな」ってマリアに言ってましたね」
「ゔぅっ…！」

遠い目をしたトキにそう付け加えられて思わず胸を押さえた。罪悪感がエグい。
ケーフィ神父が口を開く。

「マリアは生まれながら脚が動かないらしく…それが理由かある日、教会の前に置いて行かれていたのです」
「…でも、立てる様になったん、ですよね？」
「………そうですね」

写真の彼女は確かに車椅子だが、成長した姿では自身の足でキチンと立っている。しかし、神父の顔は曇ったままであった。

「マリアは、あまり我儘を言わない子でした。自分の身体に負い目があったからか…そんな自分を世話しながら他の子供の世話をしている私を困らせたくなかったのかは分かりませんが」

我儘、ふとリディの言葉を思い出す。大人にとって、子供の我儘は本来可愛いものでしかないのだろう。
アリスの親が例外だっただけで…

「でも、どうしても……私は嫌でした」

そうして少しの回想が流れる。
子供達が庭らしき場所でボールを追いかけ走り回っている姿…それを遠く、車椅子から見ているマリアに眼帯をしていないケーフィ神父が近寄る。

「あんなに焦がれた顔をして、私の前では寂しそうに笑って誤魔化すだけの、あの子に何も出来ないなんて……」

神父に気付いて、そちらを向き、にこりと微笑うマリアの顔に、なんとも言えない声を出して涙を流すのはアカネである。
こんなの親じゃなくても悲しいに決まってる。

[154 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:22:56]

マリアの『マリ』って超天才清楚系病弱美少女･･･

[155 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:23:15]

>>154

あっ

[156 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:24:44]

回想は終わり、ケーフィ神父の話は続く、場所が教会で、彼が神職者であるからか…なんとなく懺悔という言葉がよく似合う気がした。

「だから、周りの意見など押し切って…私は、マリアに提案したんです。あの子が皆と同じ様に歩ける様になるかもしれない方法を」

それは何か、を答えたのは意外にもケーフィ神父本人ではなく、アリスだった。

「……神経補助AIの移植、ですね？」

誰かが息を大きく吸った。この世界観でAI。それの移植という…間違いない様で、外れて欲しい嫌な予感がまた居座りだした。
ケーフィ神父は頷く。アリスは少し距離を置きつつも、彼の隣に座った。

「首の後ろ辺り、脊椎に移植する型のそれは…リスクが無いと言えば嘘です。それでも…他ならぬ私はその希望に縋りたかった」

詰まる所、マリアもまたリディと同じアイノコであったのだ。身体の殆どは生身であるが、その生身の脚を動かす為の補助の為に……

「施術後、厳しいリハビリも挟みましたが自分で立ち上がって歩くマリアは本当に生き生きとしていて…やっと本当の笑顔を見れたと思えたんです」

こんなに優しく語る彼は正しく一人の父親そのもので、だけどこの父親の顔を向けるべき人はもう写真と思い出の中なのだと察してしまえるのが嫌で仕方なかった。

[157 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:24:51]

>>154やめて

[158 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:28:36]

>>154

神父は神職者だし、「マリ」ーも…もしかしたら

[159 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 19:43:17]

「明るくなったマリアは、以前よりずっと明るくなりました。静かな子だと勝手に思っていましたが、枷でも外れた様にお転婆で、庭の木に登ったり、私に飛びついて来たり……」

やめて欲しい。本当に、やめて欲しい…
きっともういないその子との温かな日々を丁寧に教えるのは……アスナはとっくに2枚目のバスタオルを手に取っていた。

カリンもトキもとっくに泣いている。この後どんな地獄をもって娘を失わなきゃなのかとか全く知りたくない。なのに主人公のアリスが、真剣に聞くものだからケーフィ神父も告白を続けるのだ。

「そんなあの子が軍人になると聞いた時は流石に止めましたが…「私が外で役立てば皆AIへの恐怖が軽くなるかもしれないから」と聞きませんでした」

AIへの恐怖…偏見などではなく、それは間違いなくこの街に生きてる人間達に根ざした記憶なのだろう。ゲームのオープニングで燃えた街を見たネル達は納得するしかない。

「ただ、元々マリアが目指していたパイロットになるには埋め込まれたAIが引っかかりましてね…あの子は軍医としての戦いに身を投じました」
「…優しい子なんですね」
「…ええ、自慢の娘なんです」

また写真を撫でるケーフィ神父。写真がアップされて、マリーの胸元に見覚えのあるドッグタグが見えてもう駄目だとネルはティッシュを開けた。
神父が十字架と共に下げているのと同一の物だと分かってしまったからだ。

[160 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 20:14:28]

愛機に名前を付けようと、彼の愛したマリアはもういないのだろう。
それだけしか分からなくともこの惨状なのに、まだ地獄の釜の蓋が開こうとしていると分かったのは次のケーフィ神父の言葉だった。

「マリアは、戦場で死ぬ事はありませんでした。無論……無事では、なかった」
「………」
「…あの子に埋め込まれたAIは、寄生型に侵食を受けていました」

寄生型、今まで名前は聞いたがとうとう出てきてしまった。そしてもうエグい話になるのが分かりきっていたので皆で身を寄せた。
驚いた様子のアリスが口を開く。

「本来、寄生型は人が捨て置いた無人機に寄生し暴走を起こすのが普通ですが……マリアさんの場合は」
「ええ、当たり前ですがマリア本人の自我と拮抗し乗っとるとはいきません。そもそもマリアはロボットではなく人間ですから…」

もう怖い。その説明が全部怖い。寄生されるとどうなるかよく分からないけど、碌な目に遭う代物じゃない事だけがよく分かる。
ですが…と暗く、ケーフィ神父は話し続ける。

「脊椎のAIを取り除くリスクが高過ぎて寄生型に碌な対処も出来ないままのあの子の苦痛は此方の想像をいつだって超えてきた」
「……」
「神経に無いはずの激痛の信号を全身に送られ、理由の分からない苛つきや嫌悪が遅い……帰って来たマリアは人が変わった様に暴れる日がありました」

辛いにも程がある。マリアとケーフィ神父が何をしたというんだ。皆で顔をびしゃびしゃにしながら見る事しか出来ず、早くこのムービーが終わる事を願うしかなかった。

[161 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 20:16:32]

あくまつきって　そういう...
うわぁ...

[162 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 20:33:08]

「暴れない日もありますが、その時は……私の事はおろか、水を飲む方法も分からない様子で…家に帰りたいと泣く事もありましたね……此処が家だと言っても分からない様子で…」

やめてください！！！それウチだと刺さる人がいるんです！！！アカネは心の中で絶叫しつつアスナを抱きしめた。皆考える事は同じだった様で、アスナに抱きついてきた。
それでアスナが少しメンタル回復が出来るかと思えばそうでもなく、もしかして自分がボンヤリしてるのって周りから見るとこうなのかと思い怖くなってとりあえず近くにいたネルに抱きついた。

「…時折、昔のマリアに戻る事もありました。そんな時は決まって、私に謝るのです」

回想が挟まり、ベッドで状態を起こしながらケーフィ神父に抱きつくマリアが描写される。ケーフィ神父は優しく抱きしめているが、その優しさがどこまで彼女に届いているか分からない。

「ごめんなさい、お父さんごめんなさい……そんな風に謝って欲しくて私は、あの子に補助AIを、提案した訳ではないのに……」

そんなの分かってるよ、貴方は優しい父親だよと言いたいが嗚咽が止まらずもう上手く声が出ない面々をおいて地獄は進む。

「ある日、マリアに言われました。泣きながら懇願されたと言った方が良いのでしょうが…」
「……なんて、言われたんですか？」
「…殺して欲しい、と」

カリンは軽く気絶した。
だが、すぐに覚醒してしまう。いっそこのまま今日は眠っていられたら幸せだっただろうに…

[163 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 20:59:36]

なんて丁寧な地獄の作り方なんだぁ…

[164 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 21:00:54]

自死を選ぶなんてキヴォトスでは本当にあり得ない事なので、ショックが大き過ぎるのだ。
アリスが恐る恐る聞いた。

「……なんと、答えたんですか？」
「…馬鹿な事言わないでくれ、ですかね？」

その言葉には安堵するが展開には、何一つ安堵出来ない。
苦笑した顔のまま、ケーフィ神父は続ける。

「……その次の日でした。いつも以上にマリアが暴れ、なんとか止めようとした私は」

そ…と、彼は眼帯を撫でる。
理解した、してしまった。戦場であれ程強い彼にその傷を付けたのは誰かと思っていなかったと言えば嘘だが、こんなのあんまりだ。
ネルは、もうこんな物役に立たねえよとティッシュボックスを投げてバスタオルを手に取った。ムービー中だからコントローラーを持たなくて良いのが唯一の救いだった。

「怪我をした私を見て正気に戻ったのか、マリアはまた泣きながら謝りました」

当たり前だ。
捨て子だった自分を拾ってくれて、きっと安くない手術をさせてくれて、戦場から帰って来た自分の介助もしてくれてる。
そんな父親に大怪我をさせる様な事があったらどれ程の罪悪感に苛まれるか…想像も出来ない。

「私は、自分の怪我なんか少しも気にもしてなかった。そんな事よりもあの子がずっと大事だったから…きっと、それが駄目だった」

ケーフィ神父がゆっくりと目を閉じると同時に、画面も暗転する……そして

「あんな優しい子が、自分のせいで誰かが不幸になる事を…どれだけ恐れていたか、私は分かってなかったんだ」


暗い画面のまま、一つの銃声が流れた。

[165 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 21:04:57]

モモイ……いやね？終わりがハッピーならいいとは言ったよ？ただ途中は曇らせ祭していいとは言ってないのよ
いや死ぬほど良いシナリオだけどほんとに（心が）死んじゃったら元も子もないのよ……
ゲーム開発部が大福量産してどうすんの和菓子屋かあんたらは

[166 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 21:08:22]

>>165

>和菓子屋かあんたらは

不覚にも笑った

[167 二次元好きの匿名さん 24/06/30(日) 23:47:30]

>>165

甘いストーリーを下さい……

[168 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 00:54:07]

過去は変えられない、過去をどん底にしておくことで相対的に今がハッピーになるんですね。ピースピース

[169 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 01:36:10]

このゲームのデバッグした人っていたっけ？
声やモーションとかモデルとか音楽に協力した組以外でアリス以外でデバッグした人もこれ大福ってない？

[170 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 05:13:36]

>>169

まぁ他の子もシナリオチェックぐらいはしてるだろうしなぁ……

[171 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 06:04:54]

なんでこんな、精神崩壊者の苦悩をありありと分かるレベルで書けるんだモモイィ！

[172 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 08:47:17]

ユウカさんが『しまい』に脳を焼かれた状態で、「最終的に救いがあるなら鬱ゲーでも」なんて次回作リクエスト送ったら、フロムゲーあるあるな地獄のオンパレードが・・・

[173 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 10:23:44]

>>172

たぶんユウカ的には少しぐらいなら鬱も物語を彩る一部よね。って脳を焼かれた感覚を反芻しつつ言ったが、それをちゃんと言語化しなかったばっかりにモモイは全力でやった

[174 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 10:55:46]

>>173

ブルアカ名物、ちゃんと話し合え案件──☆

[175 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 11:49:25]

ほしゅ

[176 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 14:54:51]

え……と、声を漏らしたのはトキだった。この世界はキヴォトスとは違う。たった一つの弾丸で致命傷を負う人々しかいないのに…この状況でその音が示す事象はたった一つなのに、脳がその理解を拒絶した。

「あの子は、自らこの世を去ってしまった…いや、あの子だけではない」

目を開けて、どこか遠くを見つめるケーフィ神父。見つめる先は悲劇の起きた日の事か、それとも…最愛の娘との平和だった日々か…

「元々此処にいた子供達も、マリアの豹変に怯えて他の所へと移っていった…私は、止めなかった」
「もう私には、いやきっと元から…誰かを育てる資格も、守る力もなかったんだ」

アスナは抱きしめているネルのジャケットに染みてしまうと分かっていても涙が止まらなかった。

なんとなく、ドッグタグで誰か大切な人を失くしている人は分かっていた。AIへの恨みも、その関連だろうと…だからアリスがヤモリの少女に近寄った時、「子供がAIと近過ぎる」状況が…彼もまたトラウマじみた過去のせいで耐えられなかったのだろう。
それでも、AIからしか愛を貰えていないアリスを見て、マリアを愛した自分なりに優しくしようと努めていたのだろう。

そんな優しい人が、そんなにも寂しくて悲しい事…先生の声で言わないで欲しい…そう言ってあげたい。抱きしめてあげたい。
そんな風に「どうしたい」は浮かぶのに「どうしたらいいか」がアスナには分からなかった。

ただただ「なんで？なんでそんな事言うの？」と年相応に泣きじゃくるしか出来なかった。

[177 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 17:03:16]

ケーフィ神父が顔を片手で覆う。
声に滲むのは酷い罪悪感と、後悔だった。

「私は…あの子が、マリアがただ笑顔であればそれでよかったのになぁ…」
「何が「我儘を言って欲しかった」だ…あの子に歩いて欲しかったのも、死んで欲しくなかったのだって私の我儘だった…」

そんな事ねえよぉ…と泣きながら零すネル。もう言葉を発するのも難しい程泣いているがネルの言葉に頷く一同。
娘の為にやれる事をやりきった筈だ。
その上でこんな理不尽に奪われて不幸になって…彼が悪い訳がない。だが、その言葉は画面向こうには届かない。

自分達は彼に、どうしたら、どんな言葉を尽くせばいいのだろう？そうプレイヤー側が悩む中、アリスが口を開く。

「マリアさんは、貴方に恨みを吐きましたか？」
「……それは」
「…私は、育ちがその、特殊な方ですし上手く言えないですけど」

アリスはケーフィ神父の方を向くでもなく、手を握っては開くを繰り返す。彼女なりに言葉を選んでいるのがわかった。

「子供って、親にはやっぱり何処か甘えてしまうものだから…隠しても態度とか言葉にいろんな事が滲んじゃうと思うんです」

そこまで話して、アリスはケーフィ神父の手の中にあるマリアを見た。

「……お父さんとそんな風に笑って写真が撮れたなら、私は、マリアさんにとってケーフィ神父は間違いなく良いお父さんで、一緒にいられた事は…ちゃんと幸せだったんじゃないかなって」

ケーフィ神父がアリスを見て、ほんの少し目を開き…また俯く。目元に手をやってから数秒程して顔を上げた。
その時には既にケーフィ神父はいつもの様で、何処か軽く、柔くなった様な雰囲気をしていた様に思えた。

[178 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 17:30:08]

「えっと…す、すみません…偉そうに…！」

いや、アリスありがとう。ネル達は心の中で異口同音で同じ事を思った。
多分そこら辺の誰かに貴方は立派に父親していたと言われたとて、きっとケーフィ神父には何も響きはしなかっただろう。

マリアの様に戦場を経験し、こうして［青鷲］ではない…一人の父親としてのケーフィ神父にアリスが娘の視点として言う事で、ようやく響いたのだろうと理解している面々は本当に空気が軽くなった事に胸を撫で下ろした。

ケーフィ神父が、笑んで応える。

「構いませんよ……此処まで話したついでですが、察しの通り、私はそういう理由で貴方に色々と声を掛けさせて頂いていました」
「………」
「ですが貴方は強くなりました。それも私に勝てる程…ならばもう守られるべき子供と思うのも無礼でしょう」

いつの間にか口調が戻っているケーフィ神父が、アリスの方に手を伸ばした。なんだろうとアリスが神父と手を交互に見てるのを苦笑しながら彼は教える。

「握手ですよ、一人のネームドパイロットとして貴方に敬意を表するという事です」
「！……はい、改めてよろしくお願いします」

そうしてアリスとケーフィ神父が握手を交わした。リディの機械の腕と違い、アリスと同じ人の手ではあるが…きっとこの握手だって同じくらいの重みがあるのだとネルは頷いていた。

すっかり濡れたバスタオルの小山からは目を逸らして、漸く果たせたリベンジをやっと素直に喜ぶのだった。

[179 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 20:06:59]

保守

[180 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 21:04:47]

これ選択式なんだよなぁ…
まだ、まだリディが残ってんだよなぁ…

[181 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 21:17:22]

先生も収録しながら泣いてそう

[182 二次元好きの匿名さん 24/07/01(月) 23:59:58]

最終章ボスと相性が悪くなさそうならケーフィ神父のガトリング＆ショットガンスタイルで挑みたい

[183 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 01:14:03]

鬱展開の後には一筋の希望を差し込む事によって展開に深みが出るんですね
加減しろ馬鹿！！！！！！

[184 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 02:44:20]

言うてブルアカ本編も似た所あるし（最終編とか特に）

[185 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 03:57:50]

右舷左舷のモーション作成するとき、双子のモーションキャプチャして作ってると動作の端々に見知った癖を見つけてノアさんが他の人以上にダメージ受けそう

[186 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 04:03:12]

ワイ……知ってるんだ……
こうやって、最初はあまり関係良好ではなかった相手と打ち解けた後は、決まって、その相手は……

[187 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 05:42:14]

>>185

完全記憶ってやっぱ辛いなぁ……

[188 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 05:52:02]

右舷・左舷って片方倒すともう片方が吸収するけどさ
同時に倒したら隠者がやってきて両方吸収するのでは？

それでケーフィ神父合流して共闘するけどここでケーフィ神父撃墜されると特殊分岐が

[189 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 06:18:15]

このシナリオ書いたのモモイじゃなくてクロイかヤバイだろ

[190 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 08:26:10]

>>189

というか鬱ゲー製作中限定で神秘が恐怖に反転して、テラってそうですよね、このモモイさん・・・

[191 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 11:30:51]

（第一作から追いかけて一気読みしました。スレ主のストーリー作りと文章作りのレベル高すぎ！！）

[192 スレ主 24/07/02(火) 12:42:40]

スレ主です

無事モモイと同じくらい好きなアスナを大福に出来て個人的には良かったです

次スレを立てさせていただきました

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……⑤｜あにまん掲示板

[193 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 12:50:28]

……まあ、可哀そうは可愛いだし、仕方ないかぁ()

[194 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 13:23:17]

埋めかな

[195 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 13:25:35]

埋めるか

[196 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 13:55:09]

うめうめ

[197 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 14:37:17]

立て乙埋め

[198 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 14:38:26]

今作は全プレイヤーの何割が大福になるのやら

[199 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 16:56:42]

10割いきそう

[200 二次元好きの匿名さん 24/07/02(火) 17:00:20]

最悪が最高になることを望みます