- 1二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 19:59:59
一部安価とダイス有。さっぱり後味良い戦争にしような!
各陣営のサーヴァントはこちら
『赤』
剣:リチャード 義仲と初戦を飾る。Fakeの記憶はない。これから花屋のバイトに行く。
弓:アーラシュ 狂儲の説得に成功した。これから酒屋のバイトに行く。
槍:クー・フーリン 結界はったり探索したり。これから居酒屋のバイトに行く。
騎:マルタ 何らかの啓示が降りてる?これから100均のバイトに行く。
術:ニコラ・テスラ マスターの身体構造に興味津々。これからwebライターのバイトをする。
殺:狂儲 聖杯戦争ぶっ壊す気満々だったが陣営に合流。Fakeの記憶があり家出中。
狂:坂田金時 前スレではあまり出てこれず。これから工事現場に行く。
『黒』
剣:源義仲 リチャードと初戦を飾る。悪鬼の気配を察知。
弓:オデュッセウス 冒険野郎の大軍師。小太郎に警戒されている?
槍:ビーマ 早速飯を作る。今夜あたりに小太郎と合流予定。
騎:ケツァルコアトル 不明。
術:太公望 糸目の大軍師。赤のマスター達を知っている?
殺:風魔小太郎 太公望を「マスター」と呼ぶ。今夜あたりにビーマと合流予定。
狂:フランシス・ドレイク 飯を食う。黒陣営を自分の船員だと思っている。
ルーラー:アストライア 不明。 - 2124/06/27(木) 20:02:02
各陣営のマスターはこちら
『赤』
剣~狂:S19、A16、L17、R30、C77、A19、B51
機械交じりのホムンクルス。左から女-男-男-男-女-女-女。
S19は外装がピンクの鎧武者。他の個体も独自のギミックがあるかもしれないが不明。
『黒』
剣:不明
弓:不明
槍:不明
騎:ヴァン・ロズブローク 巻き込まれた頭ヴァイキング蛮族なヒールレスラー。
術:波多芙蓉 メカ大好きな心は少年の黒髪長髪の和服美人。セカンドオーナーの息子。
殺:太公望?
狂:不明
ルーラー:サフィア・レブナント 巻き込まれたギャル。 - 3124/06/27(木) 20:02:33
- 4124/06/27(木) 20:03:16
- 5二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:04:12
支援保守
- 6124/06/27(木) 20:04:37
日本のとある地方都市。
誰もが寝静まる深い夜に、異質な音が鳴り響いた。
それは激しく打ち合う鋼、戦馬の嘶き。
空を裂く闘志、大地を割る気炎。
あるいは遠く忘れ去られた呪文か、未だ人知及ばぬ機体の駆動か。
七対七。
赤と黒。
聖杯の寄るべに従い、新たに召喚された計十四騎の英霊。
二つの陣営が争うその大戦、その初戦が行われる少し前。 - 7黒陣営・ライダー24/06/27(木) 20:05:11
運命のマッチ、というものがある。
背広どもの書いたアングルではない。ファンが望むカードでもない。
リングに踏み入った瞬間に、破滅的に始まるような。
拳を交わす寸前に、致命的に生まれるような。
そういう、人生を暴力的に変えるマッチが、プロレスにはある。
少なくとも、ヴァン・ロズブロークはその存在を信じてきたし、
―――今、その相手に巡り合った。
「ムーチョグスト!出番と聞いて駆け付けたわ!抑止力ってやつかしらね?アナタは神官ではないようだけど……そのマスク!ワタシのタッグとしてこれ以上はありまセーン!!」
身長、181cm。体重、64kg。
黄金の肉体が、そこにはあった。 - 8黒陣営・ライダー24/06/27(木) 20:05:40
ヴァン「ケツァルコアトル?メキシコのか?」
ケツァルコアトル「んー、スィ!【翼ある蛇】ともよばれマース」
ヴァン「そういや団体のベビーフェイスにそんなんがいたな。ありゃルチャ帰りの野郎だったか」
ケツァルコアトル「アナタはルチャドールではないのですか?」
ヴァン「俺は違う。俺はな、偉大なエインヘリャルの魂を継いだ、現代のヴァイキングだ。ベビーフェイスどものケツの毛まで毟る、リング最大の略奪者だ。……だった」
ケツァルコアトル「過去形?どうして?」
ヴァン「試合中にヘマしたんだ。えらい怪我だった。ワルキューレに連れてってもらえるんならよかったが、実際は観客に冷や水を浴びせただけだった。冬のバルト海より冷てえ、しょっぱい試合になっちまった。
リハビリ中に筋肉もずいぶん痩せちまった。団体に無理言って日本興業にもくっついてきたが、正直落ち目だ。このままろくな試合も出来ず沈んでいくもんだと思ってた。……だが!」
ヴァンはケツァルコアトルの手をガシリとつかむ。 - 9黒陣営・ライダー24/06/27(木) 20:06:03
ヴァン「俺は運命に出会った!!」
ケツァルコアトル「オー!情熱的!」
ヴァン「聖杯だかなんだか知らねえが、これは真の戦いだ!チンケなシナリオもギミックも必要ねえ、ガチンコ勝負だ!!俺はお前とどこまでも戦うぜ、ライダー!!」
ケツァルコアトル「素晴らしいわ、ルードとはいえその意義やよし!共に自由なる闘争を楽しみまショウ!!」
ヴァン「よし、よし、よし!!そうと決まれば酒だ、酒を飲むぞ!現代のヴァイキングとメキシコの女神の偉大なる船出だ、盛大に酒を飲むぞ!!」
ケツァルコアトル「ええ、お酒!! お酒、最高デース!是非飲みましょう!……あ、でも飲みすぎは注意、一応聞くけど、アナタ妹とかいないわよね?」 - 10二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:07:58
たて乙
- 11124/06/27(木) 20:12:51
2スレ目です!よろしくお願いします!
一日目は赤陣営がバイトしたり、黒陣営が調査したり、狂儲ちゃんが引っ搔き回したり、ケツァ姉さんのルチャに巻き込まれたりする予定
やっとこさケツァ姉と蛮族マスターを出せました!蛮族マスターが悪鬼になるかはダイスや安価次第かも - 12二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:34:07
立ておつ
余計なお世話かもだけど前スレ早めに埋めるか過去ログ送りしたほうがいいと思うよ - 13124/06/27(木) 21:32:45
ありゃ、そうか よく考えたら乱立になるのか 次スレ立てる時は気を付ける!ありがとう!
次の展開について、どこにフォーカスするか dice1d3=2 (2)
1.赤陣営
2.黒陣営
3.その他
- 141日目・黒①24/06/27(木) 21:36:04
視点主ダイス 義仲様と太公望は初戦で頑張ったからお休み
1.オデュッセウス 2.ビーマ 3.小太郎 4.ドレイク
dice1d4=2 (2)
- 151日目・黒①24/06/27(木) 21:40:39
ビーマは1日目夜には小太郎と合流予定なので、それまでの行動
dice1d4=1 (1)
1.大量に作り置き
2.現代の味を食べ歩き
3.買い出し
4.拠点でほかの奴と会話
- 16二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 21:42:42
このレスは削除されています
- 17124/06/27(木) 21:43:19
明日はビーマの大量作り置きのターンだ!
料理番組みたいになりそう - 18二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 07:04:43
保守
- 191日目・黒・ランサー24/06/28(金) 13:41:37
料理人の朝は早い。
というより、サーヴァントは眠らないから、ビーマはずっと厨房に立っていた。
ドレイクが拠点の倉庫から酒を探し当てたのをきっかけに、料理を作り始めたら止まらなくなってしまったのだ。
拠点の備蓄は日本家屋らしくスパイス少な目、豆と出汁多め。
それでも聖杯の知識から現代日本でもできるレシピを引っ張り出し、あれこれ作って見せれば、ドレイクはあっという間に上機嫌になった。
その後も飯を作り、ドレイクに食わせ、自分も食い、帰ってきた義仲に食わせ、作戦会議を終えたオデュッセウスにも食わせた。
皆最初は「サーヴァントに食事は必要ない」と遠慮するが、それでもエネルギーの足しにはなる。
それに、食べ終わってどこか満ち足りた顔をするのを見ると、仮初の生とはいえ重要なことだとビーマは思う。 - 201日目・黒・ランサー24/06/28(金) 13:42:18
ビーマ「ようアサシン。腹減ってねえか?あんま根を詰めすぎんなよ」
小太郎「あれ、ランサー。もしかしてずっと料理を?」
明け方近く、座敷にふらりと現れた風魔小太郎は、どうにも張り詰めているように見える。
そもそもが少年のようなナリなので、無暗に食わせたくなるのはもう仕方がない。
小太郎「いえ、僕は……というか、サーヴァントに食事の必要はないのでは?」
ビーマ「いいから遠慮すんな。どういうのが気分だ」
小太郎「(これは答えないと逃げられないな…)米、かな。米を食べたいです」
ビーマ「よしきた。丁度いい、今ビリヤニを蒸し終わったところだ。鶏もあるから一緒に盛ってやる」
小太郎「えっ、これ屋敷の備蓄で作ったんですか?」
ビーマ「おう!……あ、ヤバかったか?」
小太郎「あ、いえ。予想外に本格的で、驚いたんです。あの材料だけでここまでできるんですね。すごい」
一口頬張り、目を白黒させて混乱した後、「あ、これ香辛料の炊き込みご飯なんですね」と合点がいった様子で残りを完食した。
日本式の所作で食事の礼をした小太郎は、「キャスターが出てきたら同じものを食べさせてあげて下さい、多分お腹を空かせていますから」と言い残し、早朝拠点を出て行った。 - 211日目・黒・ランサー24/06/28(金) 13:43:49
その言葉通り、当主居間を出てきたところを捕まえると、意外に健啖な太公望はビリヤニをおかわりしてペロリと平らげ、
「次はカレーが食べたいなあ」
とリクエストを寄越した。
こうなると、ビーマを止められる者はどこにもいない。
ビーマは太公望に金を借り、現代の料理本を買い、食料を買い、スパイスを買い、百均をハシゴしタッパ―を大量に買い込んだ。流石に散財がすぎたので、どこかで働いて返さなければならない。 - 221日目・黒・ランサー24/06/28(金) 13:44:54
途中ちょっとしたトラブルもあったが、拠点に戻るとすぐさま品物を仕分けし、洗って下処理する。
でかい寸胴鍋で玉ねぎを大量に炒め、スパイスを合わせ、肉をヨーグルトに漬け込む。
カレーごとに食材をわけ、同時並行で複数鍋を煮込んでいると、後ろから声がかかった。
オデュッセウス「くるくるとよく働くなあ、お前は。バーサーカーじゃないが、俺の船にも欲しかったな」
ビーマ「誘ってくれんのは良いがな、俺は人の七倍は食うんだぜ。お前の船が保つか分かんねえぞ」
オデュッセウス「はは、それはなかなか。船長としての甲斐性が試されるな」
ビーマ「……それ、バーサーカーの前で言うなよ?『砲手』殿」
オデュッセウス「わかっているさ。
だが、俺も弓兵であると同時に船乗りだからな。いずれ航海士、欲を言うなら副船長あたりに任命してくれんものか」
ビーマ「キャスターは手を焼いてるって話だが、お前はそうでもねえのか?」
オデュッセウス「苦労するとも。だが、今の彼女は嵐の王そのものだ。なら、冒険者としては厄介な古馴染みのようなものだろう?」 - 231日目・黒・ランサー24/06/28(金) 13:46:08
オデュッセウス「しかしそんなに作ってどうするんだ?お前が大食漢なのは知っているが、今全部食う訳でもないだろう」
ビーマ「作り置きってやつだ。その辺は冷凍。これから『赤』の連中とやり合う機会が増えるなら、すぐに料理に取りかかれんかもしれん。こうやってタッパーに詰めておけば、死ぬ気で帰って来さえすればすぐに美味い飯が食えるだろ」
オデュッセウス「なるほどな。冒険と戦争の大敵は、疲労と飢餓だ。お前はよく分かってるよ。
……この危機を切り抜けて、仲間と、あるいは家族と、温かい食事をする。そう思えばこそ、俺たちは無茶を通して、戦うことができたんだろう」
ビーマ「良いこと言うじゃねえか。手が空いてるんなら手伝ってくれ。
そっちにヨーグルト漬けの肉がある。タンドリーチキンにしようと思ってたんだが……サービスだ。ギリシャ風に仕上げてやるよ」 - 24124/06/28(金) 13:48:07
簡単に済ませようと思ったのに長くなってしまった…
この調子だと黒陣営の日常パートが全部ビーマさんちの今日のご飯になりかねないぞ
夜は赤か単独行動組の安価を取りたいけど、ちょっと遅れそうです ご容赦をば - 25二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 14:58:35
>この調子だと黒陣営の日常パートが全部ビーマさんちの今日のご飯になりかねないぞ
それはそれでちょっと見てみたいぐらいビーマさんのご飯描写が美味そうで和む
- 26二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 17:05:33
おつです
トラブルってなんだろ - 27二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 22:07:48
あげ
- 281日目・赤24/06/28(金) 23:08:48
遅くなりました!ひびちかにひっくりかえっていたらこんな時間
1日目同時刻の赤陣営の様子をダイス
1.うまくいった 2.ぼちぼち 3.トラブル発生
リチャード dice1d3=1 (1)
アーラシュ dice1d3=2 (2)
クー・フーリン dice1d3=3 (3)
マルタ dice1d3=3 (3)
テスラ dice1d3=1 (1)
金時 dice1d3=1 (1)
- 29124/06/28(金) 23:12:24
- 30124/06/28(金) 23:21:24
1に近いほど軽い、100に近いほど重い(戦闘、陣営の動向に関わる)
クー・フーリン dice1d100=16 (16)
マルタ dice1d100=75 (75)
- 31124/06/28(金) 23:23:16
兄貴はニアピン、マルタさんはメンチ切ったくらいかな? 戦闘には発展していなさそう
よーしちょっと書いてくるぞ!明日朝までに展開思いつかなければ昼安価するのでよろしくお願いします - 32二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 07:33:50
保守
- 33二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 14:34:32
ほしゅ
- 341日目・赤・ランサー24/06/29(土) 18:32:50
店主「いやあ、ランサーさんが来てくれて助かった!
昨日の客が凄くてさあ、ゴツい二人組の外人さんで、飲むわ歌うわ投げるわ食うわ。ホールどころかキッチンのバイトまで逃げちゃったもんだから、今日は閉めるしかないかと思ってたんだよ」
クー・フーリン「早朝即日即決でバイトが決まるなんておかしいと思ったんだよ、まさか店が半壊してやがるとはなあ。どうすんだこれ」
店主「今日のところはランチは無理かもなあ。夜もしばらく立ち飲みで」
クー・フーリン「営業すんのかよ!」
店主「ランサーさん力仕事もテキパキやってくれるし、この調子ならいけるいける!
幸いキッチン設備と酒は無事だしね」 - 351日目・赤・ランサー24/06/29(土) 18:33:44
クー・フーリン「そら頑張るがよ。しかしえらく派手にやられたもんだ。その二人組の客ってのはどういう奴らだったんだ?」
店主「陽気な南の姉さんと、豪気な北の兄さんって感じ?悪い人たちじゃなかったよ、うちの常連さんも最後まで楽しく飲んでたし」
クー・フーリン「バイトには逃げられたんだろ?」
店主「若いからねえ。お客さんがヒートアップして、プロレス技の応酬になった時点で怖くなったんだろうなあ」
クー・フーリン「アンタも呑気なもんだ。いや豪胆と言ったほうがいいか?」
クー・フーリンは半ば呆れ、半ば見た目に似合わず肝の据わった店主を気に入りつつ、店の復旧作業を行なっていた。
割れた食器類や壊れた椅子を片付け、穴の空いた壁を補修し、ゴリゴリと掃除機をかける。
そうこうしている間に来客があったのか、店主は表に出て行った。 - 361日目・赤・ランサー24/06/29(土) 18:34:15
手持ち無沙汰になったクー・フーリンは改めて店の破壊の跡を見る。
例えば椅子。木の座面が砕け、下のパイプ部分も握りつぶされるように歪んでいる。
例えば壁。メニューのバインダーが突き刺さり、その横には拳大のエッジの綺麗な穴が開いている。
酔った勢いの破壊には見えないが、腕相撲やプロレス技など遊びの範疇だったと言う。
周りの客を楽しませながらの遊びでこうなるのなら、素の身体能力の高さを思わざるを得ない。
クー・フーリンがつらつらとそんな事を考えていた、その時。
ビリッとうなじの毛が逆立つような感覚があった。
戦士の勘。強者の気配だ。
エーテル体ではなお鋭敏に捉えられる。
即ち、サーヴァント。 - 371日目・赤・ランサー24/06/29(土) 18:35:28
クー・フーリン「店主!」
クー・フーリンはモップを掴んで表に飛び出した。
店主「お、ランサーさん。掃除終わった?」
クー・フーリン「呑気か!今なんかあったか!?」
店主「昨日のお客さんがお詫びの挨拶に来てたくらいかなあ」
あくまでのんびりと言う店主。周囲に人影はない。
逃げられた、と直感する。クー・フーリンがサーヴァントの気配を感じ取ったのと同じく、相手もまたこちらの存在を察知したらしい。 - 381日目・赤・ランサー24/06/29(土) 18:35:55
クー・フーリン(あれがビビって逃げるようなヤツの気配か?だが、実際姿はねえ。顔を見られる前に隠れて偵察のつもりかね。
……アサシンってのもしっくりこねえが。クソ、早速居場所が割れちまうとは、ついてねえこった)
そこで思考を打ち切る。今は少しでもそのサーヴァントの情報を掴むべきだ。
クー・フーリン「なあ店主。多分二人同時には来なかったよな?後から一人合流したはずだ。
男と女。どっちが後から来た方だ?」 - 39124/06/29(土) 18:37:29
出先で昼の更新が出来なかった 危なかった…
保守ありがとう!!
マルタさん分は今夜に書きます! - 40二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 21:11:01
おつです
店壊滅したのに動じないの店主大物すぎて草 - 411日目・赤・ライダー24/06/29(土) 23:20:02
彼女自身も意外だったが、聖女マルタは結構100円均一ショップのバイトを楽しんでいた。
品質としては安かろう悪かろう。多少の粗は気合とアイデアで強引にごまかした大量生産品。
いろいろとグレーなコピー品などもあるから全肯定はしかねるものの、色鮮やかな品々にはどうしてもぐっと来てしまう。
その中には担当者が本気で心を砕いたであろう入魂の一品もあり、陳列をしていて飽きないのだ。
マルタ(これなにかしら……ワインの栓抜き、じゃないのよね。……はあ!?林檎の芯抜き!?で、こっちは芯を抜くのと等分するのをいっぺんにやる機!?なによそれは!)
客「すみません、パイナップルの芯抜きってどこにありますか?」
マルタ「パイナップルもあるの!?」
思わず声が出た。驚いた客相手に愛想笑いで誤魔化しながら、マルタは手元の陳列表を高速でめくる。
マルタ「し、失礼しました。ご案内しますね!」
まさか果物ごとに専用の芯抜きがあるんじゃないでしょうね、というぼやきは内心で留めておく。 - 421日目・赤・ライダー24/06/29(土) 23:20:41
店内を歩き回り、商品の位置を覚えながら、マルタは必要物品をリストアップしていく。
衛生用品。タオル。掃除用品。食器類。
マスター達に与えなければならないもの。
マルタは自分の信条にかけて、彼らの生活をないがしろにする気は一切ない。
彼らの願いを聞くまでもなく、主婦の守護聖人は全霊をもって、慎ましくとも清潔で秩序だった家庭をホムンクルス達にもたらすのだ。
その障害となるものは、何であろうとこの拳で打ち砕くまで。
―――そう、気合を入れたのが良くなかったのかもしれない。
???「ああ、すまん。ちょっといいか。この店で一番デカいタッパーってこれか?」
一般主婦に見合わぬその闘気は、否応なく強者を呼び寄せるものなのだから。 - 431日目・赤・ライダー24/06/29(土) 23:30:06
ビーマ「……サー、」
マルタ「ヴァント……」
ビーマ「マジか、こんな白昼堂々」
マルタ「こっちの台詞よそれは。昼間に実体化してれば、万が一ならすれ違うかもしれないけど。百均に買い物しに来る英霊がいるなんて思わないわよ!」
ビーマ「こっちだって百均で働いてる英霊がいるとは思わねえよ!」
マルタ「それは……そうです、が!」
言いながらマルタは歯噛みする。
現在の状況は非常にまずい。
相手が一般人を巻き込むタイプには思えなかったが、それでも楽観はできない。戦闘に発展した場合、マルタは既に人質をとられているにも等しいからだ。
マルタ(ああっもう!ルーラークラスで召喚されていれば、真名看破で一撃なのに!) - 441日目・赤・ライダー24/06/29(土) 23:40:13
両者の緊張が高まり、否応なくはじけようとした、その時。
マルタは視界の端で妙なものを捉えた。
正確に言えば、不自然極まりない動き。棚から摘まみ上げた品物を、こっそり懐にしまう動作。
つまり万引きである。
マルタは素早く目の前のサーヴァントとアイコンタクトをとった。
一瞬目を瞬かせた男は、了承の意で眉を上げ、くるりと背中を向けた。
マルタ「すみませんお客様、そこになければありません」
ビーマ「おう、仕事中に悪かった」
礼を言ってマルタは素早く移動する。盗みは悔い改めなければならない。
鉄拳制裁が必要かどうかは、相手次第だ。 - 45124/06/29(土) 23:44:10
なんとか今日中に上げられた…!ビーマはこの時すでに荷物を大量に抱えているので、戦闘は無理ですね
ただ両者ともそう甘くはないので、この後陣営にはちゃんと報告しているし、拠点に帰還する時は結構気を使っていると思います - 46二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 23:46:06
この聖杯戦争こう言う日常パートもいい感じに読み応えあってすごい
完結まで見てみたい - 47124/06/29(土) 23:49:37
- 48124/06/29(土) 23:52:57
- 49124/06/29(土) 23:56:09
・リチャードの報酬 深夜の怪異、酔うと体を溶かす酒について
・テスラ、金時の報酬 昨夜のコンテナについて
中身は明日の更新で…!
元スレの「昼間はバイトして夜爽やかに戦ってそう」というレスを形にしたくてこのスレを建てたので、日常パートも楽しんでもらえてうれしいです!でもそろそろバトルがしたい!
- 50二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 07:20:45
ほ
- 51二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 07:43:28
黒塗りの情報が増えてく感じ、ゲームブックとかミステリーみたいで面白いな…凄い発想だ
- 52二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 14:16:04
ほしゅ
- 531日目・赤・セイバー24/06/30(日) 14:56:09
・リチャードの報酬 深夜の怪異、酔うと体を溶かす酒について
少女A「わ、お兄さんうまーい!」
少女B「本当に新人?」
リチャード「うん?ああ、こういうのを習うのは昔から得意なんだよな、俺。お見舞いの花ならあんまり派手には出来ないが、サービスで君らの先生の誕生花を添えておこう」
少女A「めっちゃ良い!ありがとー!」
*
リチャード「火傷?酔って転んだんじゃないのか?」
少女B「火傷っていっても、火じゃないっぽい。薬品で被れたみたいって」
少女A「そもそもうちらの先生、あんまお酒飲まないのに。白昼夢?目眩?で、一瞬ふらふらっとして、気づいたら片足ズタズタになってるってさあ、怖すぎる」
少女B「でもそういうの、最近たまに聞くんだよ。———夜道に湧く、人を蕩かす酒の沼、ってさ」 - 54124/06/30(日) 14:58:32
- 55二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 15:02:37
このレスは削除されています
- 561日目・赤・アサシン24/06/30(日) 16:39:01
・狂儲の調査報酬 セカンドオーナーについて①
主婦A「でね、あすこの旦那さんと娘さん、最近姿を見ないでしょう。お引越しなさったのかしらって思ってたんだけど、どうも息子さんが戻ってこられたらしいのよね」
主婦B「息子さんって、ああ、隣県の良いとこに養子に出されたっていう?」
主婦A「そうそう。ええと、お名前はなんていったかしら…やだ、ど忘れしちゃった」
- 57124/06/30(日) 16:40:02
ちょっと分かりにくかったので訂正しました
金ちゃんとテスラの報酬は夜の行動方針決めと一緒に出します! - 58二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 17:24:14
おつです
この怪異現象?も関わってくるのかしら - 59二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 18:49:56
これ、逸れ鯖も居る…?
- 60二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 18:59:12
元ネタスレ通りなら逸れ鯖いるよ
- 61124/06/30(日) 21:31:13
元スレの聖杯戦争の物語を読みたいがために始めたスレとだけ言っておくぜ
そしてすみません、今日は仕事が押しててにっちもさっちもいかないので更新は無理だ
月末月初の強制出勤ほど悪い文明はないよ - 62二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 07:27:46
ほしゅ
- 631日目・赤②24/07/01(月) 12:27:38
アーラシュ「お前さん達、ちょっと色々起こりすぎじゃないか?」
せいぜい各々の労働の成果と購入品を共有する程度だと思っていたアーラシュの発言であった。
マルタ「悪かったわね!人騒がせでー!」
金時「クール、ビークールだぜ姐さん」
テスラ「ははははは、それにしたって酷い。初日で二人も活動圏が割れるとは。『黒』には余程の軍師か諜報員がいるのではないかね?」
クー・フーリン「悪かったなあ!目立つ店でよ!」
L17「その、考えようによっては早い段階で分かって良かったのではないだろうか。相手の人となりや容姿の手がかりは得たんだろう?」 - 641日目・赤②24/07/01(月) 12:28:14
A19「ランサーとライダーから念話を貰ってからすぐに、アサシンに現場に向かってもらった。どうだった?」
狂儲「偉大な長のお歴々ならば同時に二箇所の調査も出来るだろうが、未熟な私には難しかった。
ライダーの店に現れた男は途中までは追えたが、あれはそこそこ気配を消すことに長けている。ただそれだけで見失う事はないだろうが、おそらくマスターか『黒』のサーヴァントの追跡妨害もあっただろう。半ばで足取りを掴めなくなった」
己の信仰の未熟さを悔い噛み締めながら、暗殺者は言う。 - 651日目・赤②24/07/01(月) 12:30:25
アーラシュ「ランサーはどうだった?何か不自然な点はあったか?」
クー・フーリン「ルーンの自動偵察じゃ限界があるかもな。ダメ元のつもりではあったが、気配が拡散して追いきれなかった。
……うちの召喚の痕跡が消えかかってた事といい、使い魔の類が見当たらない事といい、ちときな臭いが」
金時「それなんだがよ。やっぱり何処かで見られているとは思うぜ。オレの現場じゃ、昨日のセイバーのバトルの噂で持ちきりだった。『白い鎧武者とゴールデンな騎士が飛んだり跳ねたりしながら、穀物コンテナをぶっ壊し回ってた』…ってよ」
リチャード「え」 - 661日目・赤②24/07/01(月) 12:31:43
テスラ「ああ、それならば私も見た。主にネット上の噂、SNSによる投稿だったがね。都市伝説というには詳細だったように思う」
リチャード「ま、待て待て。あの一帯は人避けの結界を張ってあっただろう?」
S19「僕たちの魔術の腕はたかが知れていると思うが、それでも隠蔽と一般人を遠ざける程度の効果はあった…はずだ」
アーラシュ「なら『黒』の奴らが喧伝してるか?ただ、それをして何になるかってのが問題だよな」
マルタ「流石にそこまで派手に一般人を巻き込むような方針なら、ルーラーが黙っていないでしょう。
……あら?ええと、今回、ルーラーって…いるのよね?」
「「「………………」」」 - 671日目・赤②24/07/01(月) 12:33:19
C77「まとめよう。
今までに接近したサーヴァントは三騎。
『黒』のセイバー、ライダーが遭遇した男性、ランサーが察知した女性。
これは恐らく『黒』の陣営内でも共有はされているはずだ。
不自然な点もいくつかある。
セイバーとアサシンが聞いた噂も、サーヴァントの魂喰いの可能性がある。
この街で何が起こっているのか。今夜はこれの調査にあたるのが良いと思うが、どうだろう」 - 68124/07/01(月) 12:34:39
- 69二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 12:39:02
クー・フーリン
- 70二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 13:03:39
狂儲ちゃん
- 71124/07/01(月) 17:06:26
1日目夜の赤陣営
調査偵察組はアーラシュ&金時とクー・フーリン&狂儲
前者がコンテナと酒、後者がサーヴァントを偵察に回るのが自然かな
では次、黒陣営
ビーマ&小太郎は決まっているので、他の視点主ダイス
dice1d4=2 (2)
1.義仲 2.オデュッセウス 3.太公望 4.ドレイク
- 72124/07/01(月) 17:09:56
1日目夜 オデュッセウスの行動
dice1d2=2 (2)
1.単独 2.誰かと
誰かと行動する場合
dice1d3=2 (2)
1.義仲 2.太公望 3.ドレイク
- 73二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 17:17:07
このレスは削除されています
- 74二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 17:18:31
このレスは削除されています
- 75124/07/01(月) 17:20:44
- 76二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:30:24
- 77二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 19:07:45
怪異(逸れ鯖)に遭遇する
- 78二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 19:38:37
戦闘を探して見つけ次第乱入
- 79二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 19:44:04
ルーラー探しってあり?
- 80二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 20:09:42
- 81124/07/01(月) 20:52:56
- 82二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 20:54:05
頭いい人の会話って大変だよな
スレ主頑張れ - 83124/07/01(月) 20:54:51
よっしゃがんばるぞ!ひとまずサーヴァント戦から書いてきます!
- 84二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:23:43
太公望はオデュッセウスをバックギャモンに誘う台詞あったし、オデュッセウスも(太公望に限らないが)東方の軍師に興味を示してたし、お互い相性は悪くなさそうだよな
- 85二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 07:22:55
保守
- 86二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 10:11:26
一応保守
- 871日目・夜①24/07/02(火) 17:49:48
小太郎「アサシン、到着しました。人避けの礼装も起動済み。そちらに通信は届きますか?」
太公望〔〔良好ですよ。ランサーの方は問題ありませんか?〕〕
ビーマ「届いてる届いてる。しかしいちいち礼装を介さなきゃならんとなると、ちと面倒だな」
オデュッセウス〔〔仕方がないさ。何せ、俺たちは念話が使えんからな。
勢いあまって壊すなよ?キャスターが泣く〕〕
太公望〔〔いやいや、泣きませんて。そんな格好悪い事言わないでください。
これ以上仕事を増やされると、まあ、ええ、ちょっと大変ですけども〕〕
小型の通信用礼装を仕込んだ『黒』のランサー、アサシンの二騎がいるのは、なんの変哲もない100円均一ショップの前。
とっぷりと日の暮れた深夜。既にシャッターの降りた店には、店員どころか周囲にも人気がない。 - 881日目・夜①24/07/02(火) 17:50:13
ビーマ「妙な風なし。アサシン、いいぞ」
小太郎「はい。スキャン用礼装を起動します」
小太郎が香炉型の礼装に火をつけると、煙が薄く立ち上り、シャッターの隙間に吸い込まれていく。
太公望〔〔これは…ふむふむ?なるほどー〕〕
オデュッセウス〔〔外層を突破するのは骨が折れるが、逆に言うとそれだけだな。特に攻性の呪詛や迎撃システムは存在しない。ただひたすらに悪意のあるモノを中に入れない為の防壁ということか〕〕
太公望〔〔魔術というよりは加護の類かな?籠城向きの作りではないようですがね。ランサー、君が遭遇したのは店員に扮した女性サーヴァントでしたね?〕〕
ビーマ「おう。明らかにただモンじゃなかったが、反面妙に店に馴染んでやがった。どこのサーヴァントかまでは分からんが」
小太郎「あの、このまま潜入してみますか?」
太公望〔〔いや、ここまでで充分。特に敵の本拠地というわけでもないでしょうからね。それに、ほら―――来ますよ〕〕 - 891日目・夜①24/07/02(火) 17:50:46
小太郎「ッ!!」
小太郎は咄嗟に虚空にクナイを放つ。
最小の動き、最高の速度で電灯の上まで到達したクナイは、一薙ぎの風で全て叩き落とされた。
クー・フーリン「なんでぇ、バレちまったか。お前らがノコノコ入店して、おっかねえ加護に折檻されるのを、ちっと期待してたんだが」
電灯の上にはサーヴァントが一人。
これまでルーンで気配を殺していた、『赤』の一騎。
クー・フーリン「見ねえ顔だ。ルーラーって面でもねえ。
となりゃ―――そこの兄さんと坊主。アンタらはオレの敵って事でいいんだな?」 - 90124/07/02(火) 17:51:17
悩んだ挙句軍師会議は戦闘と同時並行で進めることにしました 実況解説方式
- 91二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 18:53:32
実況解説方法とはスレ主賢い
戦闘楽しみ - 921日目・夜①24/07/02(火) 22:11:37
ビーマ「アサシン、ここは」
小太郎「はい。ご武運を」
クナイを払いのけた動きを警戒し、ビーマが前に歩み出る。
小太郎が後方に飛び退るのを見てわずかに首を竦めたクー・フーリンは、重力と衝撃を感じさせない動きで地面に降り立った。
クー・フーリン「アンタ、獲物は旗槍か?」
ビーマ「そうらしいな」
クー・フーリン「なんだよ、つれねえな。初戦が槍使いとは、オレにしちゃ幸先が良いと思ったんだが」
ビーマ「あいにく武器にはこだわりのない性分なんだよ。長物ならなんでも構わねえ。ま、こいつには少々思い入れがあるがな」 - 931日目・夜①24/07/02(火) 22:12:01
返答を聞いたクー・フーリンが獰猛に笑う。
クー・フーリン「そうかい。―――ならば、槍兵としての真価は、貴様自身の腕に問うべきか」
穂先を中段やや下に構え、足を前後に開く。獣のような突進の姿勢。
ビーマ「来るか―――『赤』のランサー!」
対するビーマは防御体勢をとる。突っ込んできたクー・フーリンをいなし、カウンターを叩きこむための構え。
その視界の中でクー・フーリンが消えた。 - 941日目・夜①24/07/02(火) 22:13:15
ビーマ「おっと!」
目で追える限界を軽々超えた速度で、朱槍が急所に迫る。
研ぎ澄まされた戦士の勘と、それに着いて行ける肉体の性能のみで、ビーマは強引に槍の穂先を跳ね上げた。
並の敵対者ならそれだけで腕が使い物にならなくなる斥力だが、クー・フーリンは即座に槍をしならせ衝撃を殺す。そのまま朱槍を後ろにめぐらせ、ポールのように地面に突き立てた。
クー・フーリンが棒高跳びの要領で空中に伸び上がるのと同時、ビーマの旗槍が横薙ぎに振り抜かれた。
暴風のような一撃は、当たれば何物も砕き散らす。大気を裂くその余波だけで、街路樹をへし折ることさえできた。
が、ビーマに手応えはない。
クー・フーリン「いいねえその剛力!気に入ったぜ!」
宙返り一つ。それだけで、クー・フーリンは5メートルほど離れた場所に着地していた。
【仕切直し】のスキル。空中の不安定な姿勢から予備動作もなく、瞬きの間に旗槍の間合いを抜けたのは、この技術があるからだ。 - 951日目・夜①24/07/02(火) 22:14:35
ビーマ「お前こそ。正直、先の一撃でそちらの槍は砕いたと思ったんだがな。たいした身体捌きだ」
ビーマの旗槍は持ち主の身の丈を優に超える。怪力により重さが問題にならない以上、その長さは単純にリーチの優位を生む。
当然、朱槍の間合いまで踏み込んできたクー・フーリンは射程圏内。本人を捉えられなかったのはともかく、地に突き立った槍に当たらないのは不可解だ。
ビーマ(俺の薙ぎ払いより上に身体を持ち上げ、旗槍が通過する瞬間に朱槍を放り投げた、か?手品みてえな真似しやがる)
体勢を崩されても動じず、相手の次の動きを見切る冷静さ。跳躍の溜めも許されないと知るや、即座に曲芸じみた回避を選択できる胆力。
正しく最上位の戦士の立ち回りだが、それだけでは無い、とビーマは判断した。
ビーマ「やけにエーテル体に慣れてんな。お前、聖杯戦争常連か?もしくは生前からそういう性質か?」
クー・フーリン「さてねえ。どちらにせよ相手には不足ない、だろ?『黒』のランサーよ」
ビーマ「は、違いねえ!」 - 961日目・夜①24/07/02(火) 23:19:02
L17〔偵察中すままない、アサシン。今ランサーが『黒』のランサー・アサシンと交戦に入った。援護に向かえるだろうか?〕
狂儲「分かった。貴方の願いなら、叶えよう」
クー・フーリン〔おいこらアサシン!オレの念話には全然答えねえくせに!〕
狂儲「私が守るのはマスターの望みだけだ」
クー・フーリン〔分かったからはよ来い!国道沿いを移動しながら槍試合中だ、遅れんな!〕
暗殺者は返答の代わりに溜息を一つ寄越して、居酒屋から戦場へ移動する。
「昨夜半壊したと聞いていたし、ところどころ修繕しきれていないが、その割に結構客が入っていたな」と、余計なことを考えながら。 - 97124/07/02(火) 23:20:40
ここからどんどん集合していくぞー!
明日は軍師会議とアーラシュ&金時の予定 - 98二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 06:01:07
大英雄バトル好き
このナチュラルボーン英雄どもめ - 991日目・夜①24/07/03(水) 11:10:19
槍兵同士の戦闘が始まる少し前。
オデュッセウスと太公望は、『黒』の拠点である日本家屋の当主居間に詰めていた。
机の上には大小の織物が並べられ、複雑な染物のように色付いている。
オデュッセウス「こちらのスクロールは霊脈を表しているわけか。色が違うのはあれか、結界や未掌握部か?あとこのエリア、妙に霊脈が欠落しているように思えるが」
太公望「ご名答。欠落が多いのはご容赦ください、この土地はどうしても把握と制御ができない地脈が多いといいますか。
魔力の澱み……仮に魔力溜りとでも呼ぼうかな、そういうものが各所にあって、解析の邪魔をしているんです。直接土地に触れないと掌握は難しいでしょうね」
オデュッセウス「使い魔の類はないのか?掌握はともかく、状況の把握はできるだろう」
太公望「あいにくと在庫を切らしていまして。実をいうと昨夜から放っていたんですが、いずれも接続が途絶えました」
オデュッセウス「ふむ。乗っ取られたか破壊された、というところか。途絶えた地点は分かるか?」 - 1001日目・夜①24/07/03(水) 11:10:49
太公望「ええ、今表示させます。―――ほら」
オデュッセウス「これは……全て魔力溜りの1km以内で消息を断っているのか!」
太公望「敵の拠点か、それだと分かりやすすぎるから、罠の起点あたりか。
昨日から何度かこの魔力溜りが異様に膨れ上がったり萎んだりを繰り返していまして、何かが行われていることは確実なんですが」
オデュッセウス「待てよ、こちらの魔力溜り……穀物コンテナ港だな。昨日セイバーが何らかの気配を察知して急行したエリアだ」
太公望「そうなんです。だから、最初は『赤』のサーヴァント召喚の形跡かと思ったんですけども」
オデュッセウス「それにしては明らかに数が多いものな。ちなみに、このスクロールでサーヴァントの情報は感知できるか?」
太公望「それに関しては難しいですね。せいぜい、各自に持たせた礼装に反応する程度です」
オデュッセウス「そういうもんか。なら、やはり昼間の手掛かりに懸けるしかないな。
そして、そこで釣れたサーヴァント次第で―――」 - 101二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 12:53:41
スレ主は大変だろうけど軍師2人だとやっぱ安定感あるな
- 1021日目・夜①24/07/03(水) 15:06:46
深夜の穀物コンテナには、やはり人気はない。しかし昨夜の戦闘の痕も生々しく、そこかしこに立ち入り禁止テープが張られていた。
アーラシュ「ははあ、こりゃすごい。セイバーの奴、ずいぶんと張り切ったな」
金時「おうおう、アスファルトがこーんな抉れちまってよ。これじゃパパラッチもオーディエンスも腰抜かすぜ」
アーラシュ「そのパパ……あー、野次馬連中はどこから見てたんだろうな?」
金時「セーフゾーンってなると、ちょうどこの辺か?連中、噂っていうにはやけに気合入った描写だったぜ。
『金髪の騎士がコンテナの上から降ってきて白馬の鎧武者に襲い掛かる、あわや大ピンチってタイミングで騎士の短剣が折れちまって攻守逆転』ってな具合だ」
アーラシュ「そいつは如何にもおかしな話だ。俺ならば視えるが……人間の目でサーヴァントの戦いをそこまで捉えられるもんかね」
金時「加えて深夜、草木も眠るミッドナイトだ。オレっちもグラサンかけてると厳しいぜ」 - 1031日目・夜①24/07/03(水) 15:07:29
アーラシュ「目隠しみてえなもんだろ、それ。お前さんがかけたいならいいが……」
金時「悪ィが、オレのオキニなんでな。現界のたびにコイツは持ってくるって決めてんだ。
ゴールデンなマイブームってヤツ」
アーラシュ「すまんすまん、野暮なこと聞いちまった。野暮ついでにもひとつ、いいか?」
金時「応よ、ドンと来い」
アーラシュ「コンテナの方でよかったのか?先に『酒の沼』の調査に行きたかったんだろう?」
金時「……オイオイ、お見通しかよ。まずったぜ。オレってそんなに分かりやすいか?」
アーラシュ「はは、いやすまん、これについちゃズルみたいなもんだ。なんとなく、内心が視えちまったから」
金時「……そりゃあな、ちょいと引っかかる。昔馴染みがタチの悪ィヘビードランカーでよ。またなんかやらかしてねえか、気になっちまうのよ。
だが、今日は先にコッチだ。何せオレのバイト仲間(ツレ)が情報源だ。連中がトラブルに首突っ込む前に、ヤベエもんは全部クラッシュしてやんねえとな」
金時が気合を入れ、バシンと両手を打ち鳴らす。
と、その時。
アーラシュ「―――人影?」
金時「何っ」
金時が慌てるが、アーラシュは静かに首を振る。
アーラシュ「確かにさっきまでは居なかった。集中してねえならともかく、コンテナ周りは特に気を付けて視てたんだ。居たら気づかんはずがない。
―――バーサーカー。妙なもんが湧いてる。気をつけろ」 - 104124/07/03(水) 15:10:02
金時の台詞を考えるのは楽しい! エミュるのに体力を使うけど……
夜までに軍師会議とアーラシュ金時組の戦闘シーンまで書きたいぜ - 105二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 18:30:05
このレスは削除されています
- 106二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 18:44:09
おつです
そっか金時は勝手に霊衣だと思ってたけど通常ならそっちだよね
他の鯖も基本はスレ画だと思っていいのかな
ビーマとか再臨でめっちゃ変わるけど - 1071日目・夜①24/07/03(水) 20:27:50
ヴァン「それでよぉ、ライダー。俺たちの試合はいつになる?昼間の奴じゃダメだったのか?」
ケツァルコアトル「いけまセン、あそこには私たちが壊しちゃったお店と、何も知らない店主さんがいるんだもの。確かに歯ごたえのありそうな相手だったから、顔も見なかったのはちょっともったいなかったけれど。
でも……血沸き肉躍る相手であればあるほど、抑えが効かなくなるものデショウ?」
ヴァン「わはは!そうかライダー、お前はベビーだが、同時にリングの闘争者でもある!普段の俺なら鼻持ちならねえとマイクを奪ってパフォーマンスをするところだが、今回はお前の流儀に譲ってやる。
いつまでも休んでいるつもりはないんだろう?今夜のカードはどうやって決める?」
ケツァルコアトル「ンー、昨日のお店の周辺で誰か誘えればと思ったのですけど……
残念、一足遅かったみたい。となれば当然、追いかけマース!」
ヴァン「おお、ということは……乱入!!参戦!!!だな!!!」
ケツァルコアトル「あんまりルードじみた演出はできまセンが、ええ!武器を使った無骨な戦士たちに、自由なる闘争を教えてあげましょう!」 - 1081日目・夜①24/07/03(水) 20:29:50
時間は戻り、クー・フーリンとビーマの戦闘が始まったころ。
二人の軍師はどこか嬉々としながら盤面を見つめていた。
太公望「あちゃあ、『赤』のランサーも飛び道具避け持ちでしたか!」
オデュッセウス「うちのランサーの宝具開帳に合わせて、アサシンの援護で押し切る。そういう運用を想定していたが、敵も人理に名を刻んだ猛者。中々上手くはいかんな。
であれば、戦地を変えるべきだ―――ランサー、聞こえるな?ルートはこちらで指示する。『赤』のサーヴァントを誘導してほしい」
ビーマ〔〔忙しいな。小細工を挟む余裕のある相手ならいいが、中々油断ならんぜ。『赤』のランサーは〕〕
太公望「であれば、アサシンに適宜ちょっかいをかけて貰うとしましょう。大幅なショートカットは避けて、常に少しだけ先行する形で。ランサーは速度を調整するだけで構いません」
小太郎〔〔承知!〕〕
オデュッセウス「到達ポイントへのトラップはどうする?セイバーとバーサーカーを向かわせるか?」
太公望「あそこの地脈は僕が掌握済ですよ。何、サーヴァント一騎の拘束程度ならこなしてみせましょう!」 - 109124/07/03(水) 20:34:50
1日目夜の各キャラの動き出しはこれで終了 元スレのランサーVSランサーを書けたのでかなり満足
明日はアサシンVSアサシン、ケツァ姉本格参戦、怪異戦あたりを書きたい
平安武者霊衣の金時……その手があったか……現代ゴールデンのエミュ結構難しいからな……
いやーでもせっかく書いたのでこのままでいきます!
金ちゃんに限らずエミュについては常に自身がないから、ヒントとかくれると嬉しい - 110二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 01:41:35
英雄たちの戦闘&軍師たちの解説はテンション上がるな
楽しみ - 111二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 07:10:29
保守
- 112二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 16:29:46
まだ1日目だってのに濃いねえ
いいよいいよー - 113二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:37:29
そういえばまだ1日目だったな
エミュうまいし戦闘シーンが楽しみだ - 1141日目・夜②24/07/04(木) 23:13:40
青い閃光が幹線道路を疾走する。
足元で爆ぜる妨害をものともせず、強引にアスファルトを踏み締め進む。
鋭く繰り出される槍の穂先が、テールランプのように赤く閃く。
その騎士は『赤』のランサー。
クランの猛犬。光の御子。
―――【クー・フーリン】の真名を持つサーヴァント。
反対車線には白衣の暴風。
クー・フーリンに並んで駆け抜けながら、時折地面を踏み抜くような急停止で不意をつく。
敵を薙ぎ倒すべく旋回する旗槍が、トルネードのように蟠を巻く。
その騎士は『黒』のランサー。
恐るべき者。ヴァーユプトラ。
―――【ビーマ】の真名を持つサーヴァント。
カーチェイスのような超高速戦が行われる頭上では、アサシン同士の高層戦闘がはじまっていた。 - 1151日目・夜②24/07/04(木) 23:14:04
地上13階。
幹線道路に面したオフィスビルの壁面を一気に駆けのぼる風魔小太郎。それを追うのは名もなき暗殺者である。
時折放たれる暗器は正確に互いの眉間を狙っているが、それで致命傷を負う程双方間抜けではない。
小太郎(これ以上は……埒が明かない。既にランサー殿の戦場から離されている。なんとかして持ち場に戻らねば)
小太郎が黒衣の暗殺者に急襲されたのは、道々で罠を張っていた最中だった。すんでのところで傷は避けたものの、攻撃動作に入っていない己を見つけ出す相手を警戒し、逃走を選んだ。
誘導の役目を負っていた小太郎が離脱しても、現状槍兵達に大幅なコースアウトは見られない。ただ、このままビーマの気が削がれ続ければ、一気に勝負がつきかねない。そうなれば本末転倒であり、仕事を請け負った忍としては絶対に許容できないことだった。 - 1161日目・夜②24/07/04(木) 23:15:09
小太郎は意を決する。ノールックで暗器を下に投げると同時に、ビルの大窓をたたき割り、転がるように入室する。
すぐさま体勢を整えオフィスのドアに走り寄るも、それをくぐる前に黒衣の暗殺者に追いつかれた。
小太郎「チィ……!」
即座に煙幕。廊下に飛び込み、続けざまにオフィス内に火薬玉を放り込む。このまま逃げ切れるとは思わないが、逃げる方向を一瞬でも攪乱できれば構わない。その混乱と時間が、小太郎の武器と言っていい。
小太郎は廊下を駆けながら即席の罠を仕掛けると、霊体化してエレベーターの扉をすり抜け、細長い空間の壁を蹴って上を目指し始めた。 - 1171日目・夜②24/07/04(木) 23:16:14
一方の暗殺者は思案する。無論傷を負ってはいないが、このまま追いすがるだけでは、忍の優位は覆せないだろう。
破壊工作を得手とする相手を戦場に引きずり出せたことだけでも重畳とすべきか。
狂儲(いや、ここで潰さなければ。逃がした時間の分だけこちらが不利になる。あの軽薄男を助けるわけではないが……)
狂儲〔マスター。宝具を使用する。衝撃に備えられよ〕
言うだけ言って、暗殺教団の名もなき狂信 者は、己の宝具を開帳した。
狂儲「―――【瞑想神経(ザバーニーヤ)】」 - 1181日目・夜②24/07/04(木) 23:18:01
最上階でエレベーターを降り屋上へ出た小太郎は、軍師たちの情報と照らし合わせ、一瞬で槍兵らとの合流ルートを割り出した。
黒衣の暗殺者が罠を突破し追いつくまで、もう少しの猶予がある。
その間に距離を稼ぎたい。
小太郎は分銅縄を取り出し、手近なビルへと飛び移ろうとしたところで、
狂儲「【狂想閃影(ザバーニーヤ)】」
突如現れた黒い刃に足場を崩された。
身体を貫かれなかったのは、とっさに呼び出した身代わりの木偶が間に合ったから。
しかし、体勢の圧倒的不利はどうしようもない。
小太郎は屋上の夜空に広がる闇のごとき刃と、己の背面遥か下の地面を見比べ、
全速で落下することを選んだ。 - 119124/07/04(木) 23:24:04
進捗ここまで!!!
すみません、ケツァ姉と怪異戦は明日に回します 飲み会は悪い文明
自分でもびっくりしてるんですがまだ1日目なんですね もう2スレ目の半分も使ったのに…
でもこれくらいイベント詰めないと軍師どもの手が空いてプロットをRTAしていきそうだしな、しゃーないか - 120二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 08:50:03
保守
- 121二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 08:51:18
保守
- 122二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 11:43:51
話動いてないわけじゃなくてきちんと描写してくれてるからスレ消費は気にしなくていいんじゃないかな
むしろどんどんやってほしい - 123二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 13:24:28
なんか面白い聖杯戦争やってるー!
バイトしながらお客さんと話して情報収集いいな
すごく地に足つけた感が好き - 124二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 21:03:39
一応保守
- 125124/07/05(金) 22:37:10
今日はちょっと筆が遅くて更新は無理そう!!悔しいぜ
- 126二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 07:20:40
保守
- 127二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 11:11:59
このスレ好きだから最近の楽しみ
でも無理しないでね - 1281日目・夜②24/07/06(土) 16:47:42
太公望「アサシン!」
オデュッセウス「まさかここで宝具とは!まだ一日目だぞ、『赤』は短期決戦のつもりなのか?」
太公望「…………、……。いや、先ずは状況の確認を。アサシン、生きていますか?礼装は無事?」
小太郎〔〔………ッ……生………、申……せん〕〕
太公望「あ、良かった!生きてますね。礼装は使えないようですが」
オデュッセウス「耐久性に難ありだな。ともあれ、これ以上の無理はさせられん。アサシン、聞こえるか?ひとまず撤退だ。幸いお前の残したトラップで、ランサー達は概ね当初の予定通り移動している。仕事は十分だ」
小太郎〔〔……、…知!〕〕 - 1291日目・夜②24/07/06(土) 16:48:16
オデュッセウス「さて、流石にこの序盤で宝具を切ってくるとは予想外だ。ザバーニーヤ、というからにはハサン・サッバーハの一人だろうが」
太公望「ええ。しかし相手も見誤りましたね。確実に仕留め切るつもりの宝具でしょうに、逆にいえば逃してしまえば暗殺のタネが割れたも同然」
オデュッセウス「あるいはブラフということもあるか。いや、セオリーを無視してこの序盤に撃ってくるんだ、勝算があったんだろう。遅効性の効力が付随しているかもしれん。油断はできんな」 - 1301日目・夜②24/07/06(土) 16:48:39
太公望「その辺りはアサシンが帰ってきてからおいおい。今は———ランサー!聞いてました?」
ビーマ〔〔聞こえん!もっとデカい声だせ!〕〕
太公望「向こうが煩いんだと思うなあ!?」
オデュッセウス「あの移動速度なら風音も凄まじいだろうしなあ。——ランサー!!もう少し一人で頑張れ!!」
ビーマ〔〔無茶苦茶な注文をしやがる!帳尻は合うんだろうな!?〕〕
オデュッセウス「無論だ!!キャスターを信じろ!!」
太公望「ちょっ……いや、当然!当然成功させますとも!」 - 1311日目・夜②24/07/06(土) 16:49:04
オデュッセウス(……やはり、違和感があるな。東方、神代の大軍師、か)
オデュッセウス(いや、分からん。あらゆる可能性を想定すべきだ。違和感「だけ」に目を曇らせるな)
オデュッセウス(これから先、俺自身がどうするにせよ。奴が抱えるものが何だったとしても。選択する瞬間を間違えるわけにはいかんな) - 132二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 19:00:16
オデュッさん、太公望の隠し事に勘付きつつも疑い一辺倒じゃないのがらしくていいな
大軍師同士の水面下の探り合いも面白い - 133二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 22:55:53
宝具がたくさんあるのは普通にめちゃくちゃ強いよね狂信ちゃん
シンプルに手数が多いし不意打ちもしやすい - 1341日目・夜②24/07/06(土) 22:59:53
クー・フーリン〔アサシン、手応えは?〕
狂儲〔確かに貫いた……が、身代わりかもしれない。どちらにせよ足場は砕いたから、今夜はもう出て来れないだろう〕
クー・フーリン〔そりゃあいい、いい加減イライラしてたところだ。しかしお前、気のせいじゃなければ宝具二回撃ってなかったか?〕
狂儲〔撃った。マスターの承諾は得た〕
マルタ〔事後承諾でしょう、もう!〕
A19〔だが、覚悟していたより身体へのフィードバックは少ない。キャスターが補強してくれたおかげだ〕
テスラ〔とはいえ、そうバカスカ撃つものでもない。彼らの構造にはまだ補強すべきポイントがいくつも残っているからね。魔力消費を考えると、今夜は一、二発までが限度だ〕
金時〔そういうことならよ、悪いがこっちに譲ってくれや!ちょいと忙しくなってきやがった!〕
アーラシュ〔数が多くてな。いっぺんに蹴散らして本体を追いかけにゃならん相手だ。悪いな、ランサー〕
クー・フーリン〔マジかよ、ここまで走ったからには決着をつけてえんだが〕
リチャード〔必要なら俺も加勢に行くぞ、どうだ?〕
テスラ〔ああいや、ならこちらで都合しよう。ランサーの宝具はさほど魔力の消費が激しくなかったはずだ。マスター、昼間作った変換器を試したいんだが、いいかね?〕
クー・フーリン〔あー、なんだ?つまり―――向こうのランサーをブッ殺して帰ってきていい、ってこったな?〕 - 135二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 23:07:46
そうか赤の方はホムンクルスマスターズが並列で繋がっている様なもんだから
念話で全員会話出来るのか - 1361日目・夜②24/07/06(土) 23:53:50
対向車線を突っ走る相手のランサーの様子が変わったのを、どちらともなく察していた。
もとより不毛な競りあいだ。走っているのは互いに隙を見せないため。逆に言えば、その間は勝負がつかない。
幹線道路はまもなく大きな交差点に差し掛かる。結界により、既に邪魔な車や歩行者はない。
潮時だ。
クー・フーリン「よう、『黒』のランサー!!いい加減小競り合いは飽きたろ、ここらで決着をつけようや!!」
ビーマ「は!そう言われちゃ仕方がねえ!!予定より少し早えが―――この手でブチのめす!『赤』のランサー!!」
駆け抜ける二筋の殺意が、十字路を目掛けて交差する。
クー・フーリン「初戦が貴様で幸運だった。手向けとして受け取るがいい!!」
ビーマ「開幕から楽しませてもらったぜ。冥土の土産に食らっていきなァ!!」
赤と黒。相対する陣営の槍兵が、己の殺戮の人生を開帳した。
クー・フーリン「【刺し穿つ
ビーマ「【風神の子、
その瞬間である。
「エントリィィィイイイイイイーーーーーーーーッ!!!!ライダ――――!!!!ケツァル・コアトルッッッ!!!!!!」
空を裂く男の絶叫と共に、メキシコの女神が入場した。 - 137124/07/06(土) 23:55:27
今日はいったんここまで!
待たせた割に話進んでなくて申し訳ないけど、キャラ同士の会話文だけでも盛り込んだ内容に気づいてくれる人がいるのはうれしいね - 138二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:04:10
保守
- 139二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 18:51:46
保守
- 140二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 19:32:29
このレスは削除されています
- 141二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 22:18:35
ケツ姐の乱入待ってました!口上もノリノリで草
- 1421日目・夜②24/07/07(日) 23:37:03
少し前の時間。
『黒』のライダーとそのマスターが槍兵達の戦場に追いついたのは、丁度目前に交差点を控えた地点だった。
居酒屋からは少しばかり離れた場所だが、この短時間で間に合ったのはケツァルコアトルの宝具、【翼ある蛇(ケツァル・コアトル)】で召喚された翼竜に乗ってきたためである。
ヴァン「あれか!今日のお前の相手は!ウハハハハハ!!とんでもねえ殺気だ―――真の戦いを潜り抜けた英雄ってのは!ここに居ても心臓が震える!!」
ケツァルコアトル「ええ!でも困ったわね、もう決着をつける所のよう。ううん、宝具の撃ち合いとなると、ちょっとまずいデース」
ヴァン「何故だ?お前は言ったぞ、ライダー。宝具とは英雄の人生の開示であり、真の戦いにおいて切り札となるものであると。
奴らはこの高さから見ても、ヴァルハラ入り間違いなしの真の英雄だ。なら撃ち合わん道理がないんじゃないか?」
ケツァルコアトル「通常の聖杯戦争ならそれでいいと思いマス。でも……今どちらかが脱落すると、とっても良くない事が起こりそう」
ヴァン「わからん、そりゃなんだ?」
ケツァルコアトル「ンー、ごめんなさいマスター。ワタシもまだこの聖杯戦争の全容を掴めている訳ではないのです。
でも、『黒』のライダーであるワタシがこうしてアナタに召喚されていることを考えると……『アノヤロウ』が好みそうな展開は、極力避けなくちゃ、ね?」
ヴァン「俺には相変わらずわからんが、お前自身は何をすべきか理解しているんだな。ならば良い!今夜の俺はリングの中の戦士ではなく、お前というルチャドーラのマネージャーだ。
リクエストを寄越せ!入場曲と煽りは完璧に仕上げてやる!!」 - 1431日目・夜②24/07/07(日) 23:38:01
ヴァン「エントリィィィイイイイイイーーーーーーーーッ!!!!ライダーーーーー!!!!ケツァル・コアトルッッッ!!!!!!」
マスターのコールと共に、ケツァルコアトルは翼竜からダイブした。
ケツァルコアトル「私は蛇!私は炎!【炎、神をも灼き尽くせ(シウ・コアトル)】―――!!!」
上空100メートルから繰り出されたキックは、隕石のように地面を抉りぬき、その衝撃波は今まさに宝具の真名解放をしようとするランサー達を吹き飛ばした。
クー・フーリン「げぇ!?」
ビーマ「んなっ!?」
双方の宝具が不発に終わる。彼らが体勢を整え直した時には、もはや交差点はケツァルコアトルのフィールドだった。
ケツァルコアトル「横槍をごめんなさいね。でも―――お姉さんはやっぱり、自由なる闘争を愛しているのデス!!今宵の勝負は、ええ!ルチャリブレで決着をつけマショウ!」 - 144124/07/07(日) 23:44:41
参考にと思ってルチャの試合の動画とか見たけど、あれを文章に起こすのは中々難しいぜ……
明日中にまとまらなければ交差点組の戦闘はいったんおいて、アーラシュ金時組の方の描写に移ります!
あと毎度のことだけど保守ありがとう!! - 145二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 00:30:46
アノヤロウってポカニキか?因縁の相手枠で逸れで現界してるとかかな?
さらに面白くなってきたぞこれ - 146二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 08:09:37
保守
- 147二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 11:50:42
もんげえおもろい聖杯戦争スレを見つけてしまった……!
- 148二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 19:55:53
保守
- 1491日目・夜②24/07/08(月) 20:14:20
交差点は混沌を極めていた。
そこにいるのはいずれも高位の戦士達。ゆえに、戦いを楽しみ、戦いにより理解り合うことを何より尊ぶアステカの主神のテンションは最高潮に達していた。
クー・フーリン「テメェの所のライダーだろうが!何まんまと投げられてやがる!」
プランチャ・スイシーダを食らったクー・フーリンがビーマに文句を言う。
ビーマ「俺が聞きてえ!それに俺が投げられたのはお前が手四つの最中に蹴りかましてきたからだろうが!」
パイルドライバーを食らったビーマが負けじと言い返す。
ケツァルコアトル「ハアイ、お兄さん達!ワタシ、このラウンドで善く解り合えました!
『赤』のランサーは蹴り技がとっても素敵。きっといくつも戦場を駆け抜けて、フフ、時には脚で武器を使ったこともあったかしら?
『黒』のランサーは素手の格闘のプロフェッショナル!きっとその腕で何人も捻じ伏せてきたのでショウ!
もっともっと、ワタシにアナタたちの事を教えてくだサーイ!」 - 1501日目・夜②24/07/08(月) 20:15:41
無論、彼女も無傷ではない。この場のルールを徒手空拳のみに縛り、それを最大限楽しんでいるだけである。
殴り、殴られ、蹴り、蹴られ、投げられては落とされる。
その泥臭い有様に、彼らの頭上を飛ぶヴァンの実況にも熱が入る。
ヴァン「低い位置からのタックル!倒れない!相手もよく耐える!よく耐えるが、既にライダーが後ろに回っている!コブラツイストが決まる!!抜け出せない!この体制から―――ウオオオーーーッ!!!華麗な投げ上げだァーーーッ!!!ライダーは相手を追って空中へジャンプ!!そして足首を掴み……そのまま強烈なフォール!!脳天を直撃する衝撃ーーーッ!!」
それを通信礼装越しに聞きながら、『黒』の軍師達は頭を抱えていた。
太公望「なんでかなァ!!なんでよりにもよって、神霊が離反するかなァ!!」
オデュッセウス「どうも『赤』に組したというわけではない……が、それ以前の問題だなこれは!
この際だ、『赤』のランサーでも『黒』のライダーでも、いったん捕らえて場を治めんことにはどうにもならないぞ!」
太公望「そうしたいのはやまやまなんですが、場に二騎以上いると効果が分散されてしまうんですよね!アッハハハ!どうしたもんかな!」
ビーマ〔ヤケになってんな!訳が分からんのはこっちだ!〕
オデュッセウス「仕方がない、術の理屈は分かった。ランサー、一人を場外にブン投げて、お前も追って離脱!合図を忘れるなよ、その隙にキャスターが術の起動!これでいいな!」
ビーマ〔おう!〕
太公望「くっ……仕方がない!頼みますよランサー!」
誰もが交差点の攻防に釘付けになる。
そのタイミングで、スクロール上にあらわされた地脈に、ひっそりと異変が起こっていた。 - 1511日目・夜②24/07/08(月) 20:29:40
『赤』のアーチャー・アーラシュと、『赤』のバーサーカー・坂田金時。
二騎が人影を追い、コンテナの角を曲がった先は、一面の泥地となっていた。
金時「ああ!?なんだこりゃ!」
アーラシュ「どうも様子がおかしいな!―――おい、そこの奴!悪いが無理やり止めるぞ!」
数度の呼びかけにも耳を傾ける気配のない人影――上背からしておそらく男だろう――に、アーラシュは躊躇いなく矢を放つ。もっとも、彼の腕をもってすれば、服の端を引っかけて手近なコンテナに縫い留めることは十分に可能だ。
そのつもりで威力を絞って撃たれた矢は、人影に到達する前に壁に阻まれた。
より正確に言えば、射線を切るように、突然泥塊がせり上がったのだ。
それは撃たれた衝撃で一瞬ビクリと痙攣したかと思うと、急速な律動と共に一気に人型に膨れ上がった。 - 1521日目・夜②24/07/08(月) 20:30:15
アーラシュ「こいつは……!」
金時「シット!囲まれてんぜアーチャー!」
顔のない泥人形達は、今もぼこぼこと泥地から湧き上がり、数を増やしている。中には泥塊同士が癒着し、巨人のようにそそり立つものもあった。
ひときわ大きいその泥塊が、二騎に向かって腕らしき部分を振り下ろす。掠めただけでコンテナの角を削り落としたその腕は、
金時「ゴォー…ッルデン!!」
金時の一刀に砕き散らされた。
ブン、とマサカリをふるって土くれを払う金時。崩れた腕がもぞもぞと震え、再び泥の巨人に戻って行くのを見て、めんどくせえな、と一人ごちる。 - 1531日目・夜②24/07/08(月) 20:32:45
金時「シケってやがんぜ。『黒』の使い魔かなんかか?」
アーラシュ「さてなあ。こうやって妨害できるなら、セイバーの時にもやってんじゃねえか。
今わざわざこうして出てきたのは」
金時「さっきの人影がボスってことか!なら、早いとこ蹴散らして追いかけねえとな。
オレがあのデカブツをぶった斬るから、アーチャー」
アーラシュ「おう。俺が小せえのを片付ける。
バーサーカー、ありゃ一度に全部蒸発させるか、核を砕かなきゃならんタイプだ。気張っていけよ!」
言うが早いが、アーラシュは己のスキルを発動させた。
【弓矢作成】。生前女神アールマティにより授けられた加護は、発動とともに空を矢で埋め尽くす。
アーラシュ本人が弓引くのと同じ精度で放たれる無数の矢が、正確に泥人形を貫く様は、まさに一騎当千というべきだ。 - 1541日目・夜②24/07/08(月) 20:33:21
人形達が再び動き出す前に、金時は巨人に一直線に駆ける。
知性はないに等しいが、先ほどの一撃で脅威を感じたらしい巨人は、金時を捕らえるために土の腕を伸ばした。指先から泥が滴り、牢のように獲物をその場に押しとどめる。
が、あまり意味はない。
金時「ゴールデン・タイフーン!!」
金時のマサカリから黄金の電撃が迸り、泥の檻を焼き切った。
彼はマサカリを振り回し、迫る指を全て切り落とすと、その遠心力をもって一気に巨人のもとに迫る。
金時「いくぜデカブツ!ゴォォオルデン・スマッシュ!!」
体重を乗せたマサカリの一撃。ダメ押しで叩きこんだ雷が、泥の巨人を隅々まで破壊する。
粘性を失い、灰のように崩れていく巨人。
一瞬で勝負をつけた二騎は、元凶と思しき男を追い始めた。 - 1551日目・夜③24/07/08(月) 21:23:05
時折現れる泥の人形たちを蹴散らしながら、男を追って辿り着いた住宅街。その場所の意味に気がついた金時は眉を顰めた。
金時「アーチャー、やられたぜ。此処はセイバーが言ってた場所だ」
アーラシュ「あれか、『酒の沼』か!匂いがしねえから気が付かなかったが、そういや湧いたり消えたりするらしいな。
俺は酔わねえが、お前はそうでもないだろ?気をつけろよ」
金時「心配ご無用、ってな!」
言いながら無造作にマサカリを振るう。追いすがろうとした人形たちが、まとめてなぎ倒される。
アーラシュ「そうさな。先ずはあいつの正体を確かめなけりゃ話にならん。
というわけで、バーサーカー。頼まれごとをしてくれるか?」
金時「へえ。オレに何をさせようって?」
アーラシュ「何、ほんのちょっとで良いんで、人形達を相手してくれ。
ちょいと集中してあいつと話して視てえんだが、こう使い魔が多いと隙が無い」
金時「OKOK、そういうことならお安い御用だ。どの道オレがやることは変わらねえらしいしよ!」 - 1561日目・夜③24/07/08(月) 21:24:10
金時はマサカリを高く掲げる。
それを合図に、アーラシュは大きく跳躍し、民家の屋根の上に陣どった。
夜闇に目を凝らす。見通しはさほど良くないはずだが、アーラシュの目は特別製の千里眼である。例え障害物があっても、対象の位置を割り出すことが可能だ。
アーラシュ「そこか!」
牽制の一矢。男の足が止まる。その隙に、アーラシュは屋根伝いに走り出した。
男も再度身を翻すが、まもなくアーラシュに追いつかれた。
屋根から飛び降りた弓兵は、落下の勢いのまま男の首根っこを掴み、地面に押し倒す。
アーラシュ「よお兄さん、手荒な真似して悪いな。だがこの状況だ。あの泥人形どもの関係者だと踏んで、追いかけてきたんだよ。どうか話を聞かせちゃくれねえか?」 - 1571日目・夜③24/07/08(月) 21:24:43
腕一本で男をうつ伏せに押さえつけながら、アーラシュは鷹揚に笑う。
実のところ、男が答えようが答えまいが、アーラシュにとっては同じことだ。集中さえしていれば、彼の高ランクの千里眼は読心すら可能とする。質問を投げかけられた相手の胸中に過るものがあれば、読み取れるはずだった。
だが、ない。
何もない。 - 1581日目・夜③24/07/08(月) 21:30:05
アーラシュ(ブロックされた?いや、違う。これは……!)
アーラシュが違和感を覚えた瞬間、男がぐるりと首を回した。
表情は見えない。男は黒い仮面をつけている。
何故この段階まで気が付かなかったのか。異質ではあるが、今やはっきりと、手に取るように分かる。
男はサーヴァントだ。 - 1591日目・夜③24/07/08(月) 21:30:41
警戒度を一気に引き上げる。念話で陣営の仲間に報告する。サーヴァントを組み伏せる腕に力を込めつつ、周囲の敵を探る。
アーラシュの行動は理にかなっていた。戦場において最適化された対応。読心の眼を閉じなかったのも、相手の次の一手を知るためだ。
だが、それこそが間違いだった。 - 1601日目・夜③24/07/08(月) 21:31:24
精神汚染
1.成功 2.失敗
dice1d2=1 (1)
対魔力による抵抗
対魔力C=70以下の数値で抵抗成功
dice1d100=14 (14)
- 161124/07/08(月) 21:32:12
今日はここまでです
- 162二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:08:11
持ってて良かった対魔力!!
前半のテンションアゲアゲルチャリブレからの不穏なオチが怖い
演出かどうかわからないがスレ主の今までにないシンプルなレスが不穏さを引き立てている… - 163二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:17:21
結構大事な部分もダイスで分岐させたりするんだね
ヒヤヒヤして面白い - 164124/07/09(火) 00:34:41
dice1d4=2 (2)
1.武器を持った覆面
2.■■■■に流れる■■(今夜は不在)
3.酔うと身体を溶かす酒
4.■■■■
- 165二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 07:17:33
保守
- 166二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 11:00:04
太公望が「なんでかなァ!」してもすかさずフォローするオデュッセウス
その間に盤面を整えつつ、そのオデュッセウスにも隠して何か進めてるらしい太公望…
軍師コンビが補い合いつつ探り合ってるのが面白いし、彼らすら手を焼くケツ姐たちの想定外も読めなくて楽しみだな - 167二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 13:17:27
元スレで名前が上がってた逸れならヨダナかな?
成功失敗ダイス振るの容赦無いなあ TRPGっぽい - 168二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:14:08
保守
- 169二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 21:14:40
保守
- 1701日目・夜③24/07/09(火) 23:42:45
アーラシュ「ぐっ……!」
遠見の眼から津波のような情報群が押し寄せてきて、アーラシュは思わずよろめき膝をついた。
霊基を丸ごと書き換えかねない、強烈な悪徳と不義の泥。
腐食性の高いシュプレヒコールのような呪いを流し込まれて、まだ自我を保っていたのは、アーラシュ自身の精神力と運の賜物だった。
情報群の源であるサーヴァントは、一瞬力の抜けたアーラシュを突き飛ばしマウントから脱すると、無防備な腹を蹴り飛ばした。
その内面に情動はない。が、何らかの目的に従っていることは明白だった。
アーラシュは頭を振って情報群の名残を追い出しながら、まんまと誘い出されたことを悟った。
目の前には広大な泥地。
そして、
【■より■■■し■■■(ジ■■・カ■ラ■■)】。
その性質を受け継いだ、歪な固有結界が展開されていた。 - 1711日目・夜③24/07/09(火) 23:43:14
正確に言えば、それは完全な固有結界にはほど遠い。
本来は外界と内界を入れ替える大魔術であるが、住宅街に展開されたそれは、極めて出来の悪いパッチワークのようなものだ。
かつて古代■■■で起こった大戦争の再現は、ところどころノイズが走り、閑静な住宅街を垣間見せている。
しかし、アーラシュの前に立ちはだかる一軍は、確かにサーヴァントを傷つけうる神秘を持っている。
アーラシュ「お前たち、多分まともなサーヴァントじゃねえよな。どういう経緯でここにいる?」
ダメ元でかけた言葉は、当然のように黙殺される。
アーラシュ(まあ、そうなるよな。多対一には慣れちゃいるが……さっきのドロついた呪いのことを考えると、さて。どう戦ったもんね) - 172二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 02:10:34
シャドウサーヴァント的な?
仮面つけてるの99の弟だけど長男どこだ - 173二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 10:39:14
保守
- 1741日目・夜③24/07/10(水) 13:55:29
金時〔アーチャー!無事か!〕
アーラシュ「今んとこ無事だ!つっても決め手に欠けるな。魔力切れまで粘れば出られるだろうが、そもそもそんなもんが奴さんにあるか、ちょっと怪しい」
近づいてきた仮面の兵を大弓で殴り飛ばしながら、アーラシュは言う。
接近戦も臨むところだが、アーラシュの本領は多対一。先程コンテナで展開した女神の矢雨を使い、一時は相手の足を止めた。
しかし、どうにも痛覚が鈍いのか搭載されていないのか、しばらくするとまた進軍が始まってしまう。
ならばとより精密な射撃に切り替え急所を射抜いてみせても、絶命とともに泥中に倒れ伏し、同時に蘇生し襲いかかってくる。
姿形と性能こそ違うが、性質的には泥人形の同類なのだろう。
不可解なことはもう一つある。仮にも固有結界に似た魔術であるならば、内部に起点となる術者が必要だ。しかし、アーラシュの前にいるのは似たり寄ったりの仮面の男ばかり。特に性質の違う者が見当たらないのだ。
その為、アーラシュは一人ずつ殴りつけ、どうにか攻略の糸口を見出そうとしていた。 - 1751日目・夜③24/07/10(水) 13:56:33
一方、アーラシュからの切羽詰まった念話を受けた金時は、合流を目指して四苦八苦していた。
泥人形は住宅街の路地をみっちりと埋め、今もぼこぼこと湧き続けている。
何よりもまず数が多い。潰しても潰しても湧いてくるからキリがない。
かといって無視していくわけにもいかない。下手に寄り集まってまた巨人になってしまうと、周辺の民家に被害が及ぶ。
金時「クソ、ライダーで召喚されてりゃ、相棒でぶっちぎって即参上なのによ!」
金時が自前のモンスターマシンを想い、らしくない無いものねだりをした時。
「―――悪鬼、必滅」
旭の輝きがあった。 - 176二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 15:10:40
なるほどわし様はまあまあ悪鬼寄りだから察知できるのか
- 177二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:11:36
保守
- 1781日目・夜③24/07/11(木) 00:15:03
蹄の音が近づいてくる。
それを合図に、アーラシュは今一度、空が煙る程の矢を放つ。
仮面の戦士達は一斉に急所を貫かれ、糸が切れたように足元の泥に沈んだ。
それだけなら今まで通り。徒にマスターの魔力を消費して、仮面の戦士達が再び起き上がってくるまでの時間稼ぎにしかならない。
だが、今は。
アーラシュ「ブッコめ!!バーサーカー!」
結界のノイズから黄金の輝きがあふれ出る。
輝きに耐えきれなくなった霊壁はミシミシと軋みをあげ、やがて耐えきれず弾けるように崩壊した。
金時「オオオオオオッ!!!行くぜ!!!【黄 金 衝 撃(ゴォォオルデン・スパァァァァク)】ッッ!!!!」
轟音とともに男が降ってくる。
彼は規格外のマサカリを振り被り、稲妻のように地面に襲い掛かる。
固有結界、何するものぞ。
その騎士は『赤』のバーサーカー。
源頼光四天王。ゴールデン。
―――【坂田金時】の真名を持つサーヴァント。
雷撃が地面に叩きつけられる。
光と熱が泥を焼き、爆風が地平を舐めた。 - 1791日目・夜③24/07/11(木) 00:17:49
それが凪いだころ、辺りはすっかり深夜の住宅街に戻っていた。
不自然な泥地も、神代の戦場の名残もどこにもない。
しかし、固有結界を破った功労者である金時は、どこか不満そうに鼻を鳴らした。
金時「抜かったぜ。逃がしちまった」
倒すべき標的は突入前に分かっていた。
衝撃で殺し、雷撃で焼き切る算段だったのだが、それを成し遂げる前に、敵がするりと消えていくのを、サングラスの奥の眼が捉えていたのだった。
アーラシュ「そういうな。俺は助かったぜ。あんがとな。そこの兄さんも」
義仲「礼には及ばん。私の目的は悪鬼を追うことのみ。悪鬼を倒さんとするのであれば、共にその道を開く。そこに『赤』も『黒』もない」
金時「マジでツーカーだったからな。特にアレ、葦毛の突進で丸ごと轢いていくヤツ。有難かったぜ。
そんでアンタの言う悪鬼ってのは、アレだな。泥人形ども……だけじゃねえか」
アーラシュ「多分な。お前さんがさっきぶっ壊した固有結界、あれの術者は、地べたにいたのさ。戦士共をどれだけ倒しても違いがねえわけだ」
義仲「現れては消える、悪しき泥。衆生を惑わし、平穏を乱す輩。
此度の現界で私が追うべき者が、これで定まった」
貴殿らもゆめゆめ気を付けられよ、と言い残して、『黒』のセイバーは颯爽と去っていった。 - 180124/07/11(木) 00:21:18
なんとか2スレ目に1日目夜の話を収めきれそうで安心しています
サムレムの印象深いシーンが脳に焼き付いているせいで、どうしても悪鬼スレイヤー兼ピンチに助太刀してくれる旭仮面様みたいな動かし方をしてしまう - 181二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 09:07:11
保守
- 182二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 17:32:27
キャー旭仮面様!
共闘早くやってくれて嬉しい - 183二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 22:08:44
全員格好良くて読んでて笑顔になる
- 184124/07/11(木) 23:46:00
いけねえ寝落ちしてた!!!!!明日の更新で一日目終わる予定です!!!!
- 185二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:35:48
保守
- 186二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 14:07:33
まだ1日目とは思えないほどの内容の濃さですげぇぞこの聖杯大戦
- 1871日目・夜③24/07/12(金) 17:05:04
住宅街の戦闘が終了する、少し前。
三者一歩も譲らない、激しい膠着状態の交差点で、軍師達の指示を受けたビーマはタイミングを見計らっていた。
ケツァルコアトルの絞め技から抜け出し、辛うじて突き飛ばす。その隙をついて突っ込んできたクー・フーリンを、体勢を崩しながらも大きく躱す。
ビーマに躱されたクー・フーリンだが、即座に標的を切り替える。勢いをそのままに鋭角に折りたたんだ膝をケツァルコアトルの胴に叩きこむ。
もろに膝蹴りを食らって咳込みながらも、腕をマカナのように振り上げ、蹴りの追撃を止めるケツァルコアトル。そのままクー・フーリンの足首を掴み、振り回して投げる。
一瞬の攻防の中で、乱闘から距離を取ったビーマ。
そこから近い位置にいるのは―――投げ飛ばされつつ跳ね起きたクー・フーリン。
ターゲットは決まった。
ビーマ「我は風神の子、剛力無双を示す者!嵐の力よ、集いて我が手に!」
口上。声は通信用礼装を介し、拠点の軍師たちにも届いているはずだ。
ビーマ「【風神の子、此処に在り(マールティ・ヴァーユプトラ)】!」
真名解放と共に、荒れ狂う暴風が交差点を駆け抜ける。神性の活性で上昇した筋力と敏捷により、シンプルに敵をブチのめす宝具。
ビーマ「歯ァ食い縛れッ!!!『赤』のランサー!!」
クー・フーリン「ぐ……ッ!!テメエ!!!」
ビーマの渾身の拳が、クー・フーリンの鳩尾にクリーンヒットする。抉りこむような一撃とともに、ランサー達は交差点の外まで吹き飛んでいく。
そう、外。
突然の場外戦に目を輝かせるケツァルコアトルが交差点から跳躍する前に、
太公望「―――今!!」
『黒』のキャスターの拘束陣が起動した。 - 1881日目・夜③24/07/12(金) 17:06:01
当主居間のスクロールが太公望の術に反応してひときわ強く輝く。
太公望「荒ぶるもの、逸脱したもの。あらゆる暴れん坊を神に封じた…僕ですからね!
こと神性にはてきめんに効く封鎖の術。そう簡単に抜け出せると思わないように!!」
交差点に集まる地脈が急速に隆起し、虚空に現れた無数の帯がケツァルコアトルに向かって勢いよく折りたたまれる。
ケツァルコアトル「トペ・スイシーダー!?客席からの椅子投げは御法度デース!?」
ヴァン「なーっ!?これは……デスマッチ!?ライダー!!」
帯の間を跳ね回るようにすり抜け、なんとか躱すケツァルコアトル。しかし、帯は地から空から現れ、女神を捕らえようと閉じ始める。
逃げ切れないならば、と迫る帯に渾身の打撃を与える。物理的な拘束具ならばたやすく粉砕させる威力だが、変化はない。
『黒』のキャスターの編んだ術は、神性を伴う攻撃に対してより強固に変化する。帯は触れた腕をそのまま「閉じ」、その機能をロックした。 - 189二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 17:08:49
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- 1901日目・夜③24/07/12(金) 17:10:53
太公望「『黒』のライダー!!お覚悟を!事の経緯は捕らえた後、拠点で聞かせていただきます!」
閉じよ―――!
太公望の命のもと、術は最終工程に入る。ケツァルコアトルに打つ手はなく、軍師に油断はない。
このまま勝者が決定すると思われた、その時。
スクロールに現わされた『魔力だまり』が、爆発するように蠢いた。
それはちょうど、住宅街でアーラシュが泥の結界に取り込まれたのと同時。
あまりに急速な変化に、地脈を通じた術の操作を行う太公望の意識が逸らされる。
そして、奇しくもその瞬間。
ヴァン「背広野郎の好きにさせんな!!自由に飛べ、逃げるぞライダー!!!」
『黒』のライダーのマスターは令呪をもって命じた。 - 1911日目・顛末24/07/12(金) 18:11:47
朝日が昇り始めている。
『黒』のライダー陣営を乗せたケツァル・コアトルスが、白む空に飛び去って行く。
ビーマ「追うか?―――そうか、了解。一度戻る」
彼の周囲には、既に『赤』のランサーの姿はない。
宝具を使用しての渾身の一撃は、クー・フーリンの持つ全ルーンの守りによって防がれた。
しかし、致命傷にはならずともある程度のダメージは与えられた。このまま畳み掛けるつもりのビーマと、好戦的な笑みを隠しもしないクー・フーリン。両者が再度ぶつかろうとした時である。
クー・フーリンは一瞬目を見開き、次いで空を睨み、最後にビーマを見て気まずげに顔をしかめた。
クー・フーリン「いや、仕方ねえ。―――おう、『黒』のランサー、今夜はこのへんでお開きだ」
ビーマ「んだよ、こっから面白くなる所だろうが。今更二度目の生が惜しくなったってか?」
クー・フーリン「阿呆が。ここまで撃ち合って、まだオレがそんなタマに見えるかよ。マスターの命令だ。悪く思うなよ」
ビーマ「なら尚更見逃がせねえだろ。なんなら拠点まで追いかけてやってもいいぜ。こっちもそういう命令なんでな」
クー・フーリン「やれるもんなら、な!」
言い終わるか終わらないかというタイミングで、ビーマの死角から暗器が放たれた。
宝具で風を纏う現在のビーマに、飛び道具は届かない。しかし、突然の殺気に意識を逸らされた一瞬で、クー・フーリンはその場から撤退していた。
クー・フーリン「じゃあな!結構楽しかったぜ!お前さんが生きてたら、また戦ろうや!」
そういう、明るい言葉を残して。 - 192124/07/12(金) 18:28:30
- 193二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 18:35:01
おつおつ!
盛りだくさんで楽しいよ!!
三つ巴も共闘も良かった
今後も楽しみ - 194二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 00:00:04
あげ
- 195二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 08:23:30
保守
- 196二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 17:38:39
保守
- 197124/07/13(土) 21:25:05
- 198二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 21:27:54
建て乙
埋め - 199二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 21:28:48
埋め
- 200二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 21:28:59
たておつうめ