神輿は軽くてバカが良い編 第5章 世界と命を天秤に掛けて

  • 1◆VLlUGaOg9c24/06/27(木) 20:20:43

    前スレまでのあらすじ

    カナたちアリウス分派は見事テストに合格し、トリニティに自分たちの居場所を作り出す第一歩を踏み出した。

    そんな中、カナはナギサの許可を経て、トリニティへの恩返しの為に他組織へ出向しての用心棒を始める。

    やって来たのは科学と技術のミレニアムサイエンススクール、
    そこで彼女たちは世界を滅ぼしうる1年生、天童アリスの生死を賭けた攻防に身を投じるのであった・・・・・・

  • 2◆VLlUGaOg9c24/06/27(木) 20:22:12

    これまでの詳しい経緯は前スレを参照ください。


    https://bbs.animanch.com/board/3368108/?res=196

  • 3二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:23:56

    たておつです

  • 4二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:26:59

    建て乙です!

  • 5◆VLlUGaOg9c24/06/27(木) 20:39:35

    ズダダッ(銃声)

    ネル「待ちやがれぇ!」

    足首を狙おう!衝撃で転ばせればいい!

    トキ「くっ・・・しつこいですねっ!」

    ナレーション
     リオが差し向けた増援のドローンは非常に数が多く、またミレニアムの会長であるリオの作であるが故に優秀だ。
     しかし、その頼もしい味方を経ても尚、C&Cとアリウス分派を引き剥がすのは至難の業。
     突出した武力を持つネルが目立つが、その僅かな隙間を埋められる他のC&Cメンバーもかなりの実力者。加えて、
     そのエリート集団を支援しているのは幼い頃から闘争の世界で生き続けてきた歴戦の少女兵たちである。
     如何に優秀であったとしても、恐怖すら持たないドローン程度では分が悪いとしか言いようが無かった。

    リオ『トキ、B-11区画を動かすわ』

    トキ「イエス、マム!」

    ナレーション
     しかし、トキとリオも負けてはいない。このエリドゥは彼女たちのホーム、リオは街の支配権を持っているのだ。
     リオは溢れんばかりの才覚を持ってトキをサポートしつつ、エリドゥの区画を操作してトキと敵を引き剥がす。
     
    ネル「チッ!次はどっちだ!」

    多分、こっちだ!

    ナレーション
     しかし、視覚を頼りにしていたならば、カナたちはエリドゥの迷宮を攻略出来ていない。
     カナとサオリは各々の能力を駆使して、素早くトキの下へとルートを組み上げてC&Cをナビゲートする。

  • 6二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 20:46:25

    立て乙です

  • 7◆VLlUGaOg9c24/06/27(木) 21:25:37

    >>5

    トキ(区画移動に対する対処が早過ぎる・・・っ!このままでは・・・・・・っ!)


    ナレーション

     トキは焦る。このままいけば、リオの下に辿り着くことは出来てもC&Cとアリウスを引き離すことは出来ない。

     それは即ち、主の下へと刺客を案内するようなもの。トキの心情としてはとても許容しがたい。


    ヒヨリ「えへへ・・・これ勝てちゃうんじゃないですか?」

    ミサキ「言ってないで、手動かして。相手は数が多いんだから」


    アカネ「油断は禁物ですよ?相手もC&Cなんですから」


    ナレーション

     大量のドローンも無限にある訳ではない。にも関わらず、その限りある増援が次々と撃破されていく。

     せめて、あの掃討役だけでも分断出来れば・・・・・・と、苦虫を噛み潰すトキ。


    リオ「トキ、次はCー25、Cー27、Cー30」


    トキ「イエスマム!」


    サオリ「・・・・・・・・・右だ!」


     またリオが手を加えた区画の向こうへと逃れるが、ほんの数秒でまた攻略されてしまう。

     だが、この繰り返しがトキに充分なヒントを与える。


    トキ(また錠前サオリ。やはり、エリドゥの攻略能力があるのは全員ではありませんね。

       神子柴カナ、錠前サオリ、それから・・・・・・合流した時の言葉を考えるにアスナ先輩辺りも怪しいです)


    ナレーション

     トキは勝利の糸口へと辿り着いた。

  • 8二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 21:29:19

    伊達にエージェントじゃないな

  • 9◆VLlUGaOg9c24/06/27(木) 21:44:48

    >>7

    トキ「リオ様、区画移動ですが神子柴カナ・錠前サオリ・一之瀬アスナとそれ以外を分断するように・・・・・・

       Cー45、Dー01、B-50、をお願い出来ますでしょうか?」


    リオ『何か考えがあるのね。やってみるわ』


    ナレーション

     トキの提案通り、エリドゥの迷宮が変形を始める。

     

    ネル「はっ!バカの1つ覚えかよっ!


    あ、やばっ!


    ナレーション

     ミレニアムの勝利のサイン、美甘ネルの欠点を上げるとするならば頭に血が上りやすいことだろう。

     それは滾る戦意の源でもあるが、この時ばかりは悪い面が出てしまった。

     

    ネル「おいっ!次はどっちだっ!・・・・・・・・・おい!」


    ナレーション

     ネルが振り返ると、そこには誰も居ない。

     カナが焦りの声を上げながらビルの向こうへ消えていったことに、前しか見てないないネルは気がつけなかった。


    ネル「・・・っ!やられたっ!!」


    ナレーション

     ネルには己の弱点を補って有り余る戦闘センスを有するが、それは飽くまでも戦いの才能。

     たった1人の彼女には、エリドゥの迷宮を攻略してトキを追跡する術はない。

  • 10二次元好きの匿名さん24/06/27(木) 21:46:47

    たておつ
    トキちゃん流石

  • 11二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 02:44:55

    前スレでスズミがばにたす設定があったとかいう豆知識を得た
    それはそれとして立て乙

  • 12二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 06:41:26

    >>11

    スズミはアズサの初期案説があるんですよね。

  • 13二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 12:44:31

    さっきまで多勢で追い詰めたぜって雰囲気だったのに

  • 14二次元好きの匿名さん24/06/28(金) 20:56:48

    保守

  • 15◆VLlUGaOg9c24/06/28(金) 23:53:20

    >>9

    AMAS「・・・・・・」


    サオリ「案内役は数で止めるか・・・・・・合理的だな」


    掃討は出来るが時間が掛かるな!これはもう間に合わん!


    ナレーション

     当代のミレニアムにおいて最高の才媛、調月リオはキヴォトス最高峰の技術者にして研究者である。

     いかに歴戦の少女兵であるカナやサオリであったとしても、いかにAMASが所詮はドローンだと言っても、

     リオの作品の完成度は尋常ではない。それが大軍で包囲網を築いているとあれば突破は容易ではない。

     

    モモイ「あれ?先生と一緒に来てくれたアリウスの人・・・?」

    ミドリ「本当だ、でも人数が少ないね」


    "カナにサオリっ!?もしかして君たちも迷わされたの?"


    ナレーション

     と、2人が奮闘しているところに先生とゲーム開発部の面々が現われた。

     アヴァンギャルド君というトンチキロボットを打ち倒したはいいものの、区画変動により方向感覚を狂わされ、

     リオの手によりヴェリタスからの通信も切断されたことで目的地を見失って彷徨ったいたのである。


    すまない!道は分かるんだが、分断されてメイドの人を取り逃した!


    サオリ「すまない、先生。私たちを信じて任せてくれたというのに・・・・・・」


    ナレーション

     自分たちの失態を詫びる2人だが、先生の関心は別の所にあった。


    "まって?道が分かるの?"

  • 16二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 05:35:05

    エヴァみたいな要塞都市っていいよね

  • 17二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 13:15:58

    エリドゥのためみたいな臨時メンバー

  • 18二次元好きの匿名さん24/06/29(土) 21:48:29

    人手が増えるってやっぱりいいな

  • 19◆VLlUGaOg9c24/06/29(土) 23:43:06

    >>15

    お前で最期だなっ!

    AMAS「・・・・・・っ!」


    ガンッ!(銃剣が刺さる音)ズダダッ!(銃声)


    モモイ「す、スタイリッシュスニーキングアクション・・・っ!」


    ミドリ「凄い、リアル忍者だ・・・」


    ナレーション

     歴戦のカナとサオリに加え、ミレニアムの生徒会を襲撃した経験を持つゲーム開発部、

     更には、拳銃の豆鉄砲1発でさえ大怪我となる身体でキヴォトス各地の問題を解決してきたシャーレの先生の指揮、

     それらが合わさったとなれば、さしもの機兵の軍勢も無惨な残骸を晒す他に道はなかった。


    サオリ「それで先生、目的地は1番高い建物で良いのか?」


    "うん、案内お願い出来るかな?"


    任せろ!私はバカだからな、バカと煙は何とやらだ!


    ミドリ「その理屈だとリオ会長も「バカ」になるんですが・・・・・・」


    モモイ「おバカさんだよっ!こっちの話をちっとも聞かないんだからっ!!」


     ナレーション

     そうなれば、機兵の軍勢も、変幻の都市迷宮も攻略されたとなれば、もはや彼女たちの道を阻めるものはなかった。

  • 20二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 07:57:45

    いけいけだぜ

  • 21二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 14:43:29

    ちゃんと考えがあっての事ではあるんだけどな…

  • 22◆VLlUGaOg9c24/06/30(日) 14:52:15

    >>21

    代理モブ「会長が考え無しではないことはみんな分かってます。

         その上で強引過ぎ過ぎてアリスとの話し合いも出来ないままで納得出来ないのがモモイ、

         極力人死には出したくないからギリギリまで抗いたいのがカナ。という感じです」

  • 23二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 20:52:38

    話し合っても平行線だろうね

  • 24◆VLlUGaOg9c24/06/30(日) 22:45:49

    >>19

    サオリ「先生、目的地に着いたら用心して欲しい」


    "勿論、本気で挑むつもりだけど・・・・・・何かあったの?"


    サオリ「最終的に逃してしまったが、私たちはあのメイド・・・飛鳥馬トキを終始追い詰めていた。

        だが、追い詰められてる筈の彼女の振る舞いには少し違和感があってな」


    追い詰められてるのに余裕な感じがした。手を抜いてるとかじゃないんだが、なんていうか、こう・・・・・・


    "出してない切札があるってこと?"


    それだ!その「切札」を使えば何時でも勝てるって思ってた・・・気がする!


    ナレーション

     先生とゲーム開発部はカナたち2人の忠告に絶句した。

     囮役・・・・・・つまりトキの相手には、ミレニアム最強のネル率いるC&Cに歴戦のアリウス分派の生徒たち、

     先生たち側の戦力の大部分を投入した。にも拘わらず、その全員に「何時でも勝てる切札がある」というのは、

     先生たちに決して少なくない衝撃を与えた。

     先生もゲーム開発部員たちも、今更諦めるつもりは毛頭無いが、本当に勝てるのか?という疑問が頭を過った。

     

    "分かった、気をつけるよ。だけど、アリスを迎えに行くまでは脚を止められない"


    ナレーション

     それでも、先生は自らに言い聞かせ、ゲーム開発部も先生の言葉に勇気を受け取って奮起した。

     無理・無茶・無謀は最初から百も承知。それでも彼女たちがエリドゥへと乗り込んだのは、

     大切な唯一無二の友人を迎えに行く為なのだから。

  • 25二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 06:56:02

    本編でも結構頭おかしい勝負してたしな
    あれはやばい

  • 26二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 07:24:58

    速くて手数が多いインファイターのネル以外での攻略法は真面目にわからんし…

  • 27二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 15:28:50

    保守

  • 28二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:29:36

    改めて言われると勝てるか不安になる

  • 29◆VLlUGaOg9c24/07/01(月) 22:57:01

    >>24

    ・・・っ!右に跳べ!


    モモイ「え?」


    サオリ「先生っ!」


    ズガがッ!(銃声)


    ナレーション

     カナの忠告に間の抜けた声を上げるモモイを他所に、サオリは近くの先生を突き飛ばすようにして待避させる。

     直後、何処からともなく放たれた重厚な銃撃が残されたゲーム開発部の部員たちを襲った。


    ミドリ「つぅぅ・・・っ!」


    モモイ「痛たた・・・・・・一体何ごとっ!?」


    敵襲だ、、右に跳べと言っただろう。


    トキ「・・・・・・やはり、気づくのは貴女でしたか。神子柴カナ」


    ナレーション

     銃撃の向こうから現われたのは、リオ会長の右腕たるエージェント飛鳥馬トキ。

     しかし、その両目がバイザーに覆われ、背部にはジェットユニットを背負い、

     両腕にはミレニアムの校章が刻まれたアームから伸びるガトリング砲、両脚を分厚い装甲が覆っている。

     リオ会長が作り上げた機構の鎧、勝利のサインを撃ち貫く為の必勝の切札、決戦兵装『アビ・エシェフ』である。

  • 30二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 07:21:12

    いよいよ来たか

  • 31二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 15:30:54

    このレスは削除されています

  • 32二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:23:21

    勝てるかな

  • 33◆VLlUGaOg9c24/07/02(火) 23:18:51

    >>29

    トキ「・・・最初にここに辿り着くなら、カナかアスナ先輩のどちらか・・・予測通りの結果です」


    ナレーション

     大仰な鎧を身に纏いながら、しかし、トキは武器を構えながら言葉を紡いだ。

     今でも信じられないという驚愕、その衝撃を受け入れた上で、ここまで辿り着いたことへの称賛。そして敬意。

     複雑な感情が入り交じった瞳は、カナの姿をジッと捉えていた。


    "それはカナならエリドゥを攻略出来るから?"


    トキ「・・・監視カメラの記録映像から、エリドゥの迷宮を攻略した方が複数居ることを確認しました。

       ですが、その中ではアスナ先輩とカナは別格でした。

       神子柴カナ・・・・・・貴女は視覚情報を頼りにしていないのではないですか?」


    ああ、目以外で見れなかったら、爆煙の中に突っ込こめないからな!


    ナレーション

     それはトキが拠点へと撤退した後、改めてゲーム開発部、C&C、アリウス分派の戦力を分析する為、

     エリドゥ内に仕掛けられた監視カメラや警備ドローンの録画映像を分析した末に導き出した結論。

     移動する区画を目で追いながら、時折考え込む仕草をしていたサオリやアズサとも、

     最初から第六感のみをアテにした規格外の幸運娘であるアスナとも違う、余りに素早く、しかし確信を持った歩み。

     記録越しにその姿を見たトキは、カナの持つ人間離れした特異な技能の存在を確信していた。


    トキ「やはり、そうでしたか。俄には信じがたいことですが、私の予測は正しかったようですね。

       なら、私の勝ちです。正面先頭において、その力は迷宮攻略ほどの無法さを発揮出来ない」


    でも、だからって、諦めてはやれない!


    ナレーション

    彼女たちの瞳に焔が宿る。天童アリス・・・そして、キヴォトスの命運を賭けた戦いは最終局面へと差し掛かっていた。

  • 34◆VLlUGaOg9c24/07/03(水) 06:53:24

    >>33

    トキ「(カナが視界を頼りにしていない以上、目に見えない範囲からの攻撃であっても奇襲になり得ない。ならば、)

       真正面から打ち破ればいい」


    ズダダッ!(銃声)


    うぐっ!正面戦闘もまったく下手くそじゃないんだがな・・・っ!


    ナレーション

     満を持して出てきただけあって、アビ・エシェフを使い熟すトキは強かった。

     本来は力自慢が両手で扱うような巨大なガトリング砲を2丁軽々と振り回す規格外のパワー、

     そのパワーで大地を蹴り、ジェットユニットの推進力を借りることで発揮される凄まじいスピード、

     そして何よりもコンピューターによる高速演算が導き出した近未来予測。

     


    ミドリ「うぐ・・・つ、強すぎる」


    サオリ「ああ、それに異様に反応が早い。まるで此方がどう動くのか分かっているかのようだ」


    モモイ「はぁっ!?未来予知なんてチートじゃんっ!!」


    ナレーション

     ゲーム開発部の3人にカナとサオリを加えた5人掛かりでも、アビ・エシェフの性能を超えられない。

     優秀な戦術指揮官である先生の指揮も、未来予知が相手では余りにも無力。瞬く間に、5人は追い詰められる。

  • 35二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 11:14:32

    ネル先輩ー!
    早く来てくれー!

  • 36二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:28:44

    耐えきれるか

  • 37◆VLlUGaOg9c24/07/03(水) 22:46:32

    >>34

    ミドリ「分かってたけど強い・・・っ!」


    モモイ「な、何かないのっ!?こう、凄い必勝の策みたいなの!」


    "簡単に言ってくれるなぁ!?"


    ナレーション

     カナの十八番である奇襲は多機能センサーに封殺され、正面から戦えば違い過ぎる基本スペックの差に阻まれる。

     手数、速度、パワー、その全てで上回る相手が一切の油断なく、飛行能力と未来予知まで駆使しているのだから、

     その脅威の程は推して知るべしだろう。


    サオリ「兎にも角にも、あの予知能力と高機能センサーが厄介だな。

        あれらさえ無ければ、ゲリラ戦に移行する手もあるのだが・・・・・・」


    視界の外から撃っても反応するからなぁ・・・・・・・・・物凄く強い私を相手にしてるみたいだ。


    ユズ「こ、このままじゃあ・・・・・・・・・」


    ("今は人数差で何とか堪えているけど、このままじゃあ、アリスを迎えに行くどころかここで・・・・・・っ!)


    トキ「みなさんの力は身を以て知りました。ですから、

       私とこのアビ・エシェフの全てを以て・・・・・・・・・貴女たちを排除します」


    ナレーション

     1度逃げることすら難しい防戦一方にまで追い込まれたが故に、トキは油断しない。

     冷静に冷徹に、一切の油断も慢心もなく、最大限の警戒と敬意を以て、カナ・サオリとゲーム開発部を追い詰める。

  • 38二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:46:23

    >>33

    カナは何か神秘持ちなのかな?

  • 39◆VLlUGaOg9c24/07/04(木) 06:49:18

    前スレ>>187 その頃、トリニティ


    スズミ「・・・・・・」


    ナレーション

     ホストとしてもてなしていた少女が立ち去った後、茶会の席でスズミは1人座り込んでいた。

     何をするわけでもなく、ただ俯いたまま、誰にも見えないようにキュッと下唇を噛んだ彼女の口から、

     ポツリと小さな声が漏れ出す。


    スズミ「・・・今更、どんな顔をして会いに行くんですか・・・・・・・・・」


    トリモブ「その、きったない泣き面見せて笑って貰えばいいカス」


    ナレーション

     声に反応して、スズミが上を向くとそこには去ったはずの少女が1人の生徒を伴って立っていた。

     少女と連れ立っている生徒に、スズミは見覚えがあった。

     遠い、遠い、昔の記憶。ある1人のお人好しが戦火に散った後、散り散りになった妹分たちの1人、

     ほんの短い間とはいえ肩を寄せ合い、ともに生きた掛け替えのない戦友。


    トリモブ「お客さんカスよ」


    アズサ「久し振り、スズミ」


    ナレーション

     白州アズサがそこに居た。

  • 40二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 13:52:17

    ここで拾われるのか

  • 41二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 21:30:09

    珍しい二人

  • 42◆VLlUGaOg9c24/07/04(木) 22:56:59

    スズミ「あ、アズサ?どうしてここに・・・」

    トリモブ「私が教えたカス。何か、人手が必要とか言っていたので丁度いいので推薦しておいたカスよ」

    ナレーション
     あっさりと言い放った学友にスズミは愕然とする。
     彼女が冷たい目で立ち去って、てっきりもう、見捨てられたと・・・否、見捨てられていて欲しいと思っていたからだ。

    アズサ「久し振りで悪いけれど・・・・・・力を貸して欲しい。スズミなら信じて任せられる」

    スズミ「・・・ないですか」

    アズサ「スズミ・・・?」

    スズミ「信じていい訳ないじゃないですか!私は、アズサたちを見捨てたんですよっ!?
        私1人が逃げたら、アズサ達がマダムに・・・ベアトリーチェにどんな目に遭わされるか分かってた筈なのに・・・
        自分可愛さに仲間を見捨てて1人で逃げたっ!最低な女なんですよ、私は!」

    ナレーション
     スズミは激情に肩を震わせ、後悔が煮え立たせ、やり場のない地震への怒りが煌々と燃え上がる。
     ずっと目を逸らして、仕方が無いと言い訳して逃げていたのに、やって来た「罪」が自分を責めてくれない。
     それはスズミ自身が許せないことだった。責めて欲しかった、罰して欲しかったのだ。
     
    アズサ「それは違う」

    ナレーション
     スズミにとって不幸だったのは、否、幸運であってしまったのは、アズサにそのつもりが欠片もなかったことだ。

  • 43◆VLlUGaOg9c24/07/05(金) 06:42:08

    今更ですが、このスレではスズミ元アリウス生説を始めとしたオリジナル設定を一部採用しています。

  • 44二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 09:02:59

    熱いシーンなんだけど光のトリカスがシュールな笑いを齎す

  • 45二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 15:09:46

    カスちゃん良いキャラしてんな

  • 46二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:39:50

    多分友達多いと思うよ

  • 47◆VLlUGaOg9c24/07/06(土) 00:39:32

    >>42

    アズサ「あんな環境だ、逃げられるなら、自分の命を優先出来るならそうすることも正解だと思う」


    スズミ「ですが、私が逃げたが為にアズサ達は酷い目に・・・・・・」


    アズサ「ああ、拷問を受けた。思い出したくもない。

        だけど、そんなことよりも、私は嬉しかったんだ。スズミが生きていてくれたことがただ嬉しかった」


    ナレーション

     かつて、スズミもまた荒れ果てた戦場を生き抜き、ベアトリーチェの圧制下で兵として訓練を受けた身。

     そうして磨かれた尋問相手の嘘を見抜く技巧が、スズミに「アズサの言葉は真実だ」と告げていた。

     とはいえ、そのような技術や知識が無くともスズミはアズサを疑わない。

     長く離れていても、その資格がないと自嘲していても、スズミにとってアズサは掛け替えのない同胞だからだ。


    スズミ「アズサ・・・・・・」


    アズサ「きっと、カナも同じことを言う。他のみんなも口にはしなくても同じことを思っている」


    ナレーション

     「ダメだ。振り切らなければ。私が、裏切り者がアリウスのみんなを仲間だなんて呼んではいけない。」

     何度も何度も繰り返しても、スズミは自分の心を抑えることが出来ない。

     堪えきれない感情が堰を切って、目元には大粒の雫が現われる。もはや、スズミの心は限界であった。

  • 48二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 01:08:56

    よくわからん語尾のせいで話が入ってこねぇんだよなぁ…w

  • 49二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 10:11:49

    ちゃんと友情があったんだな

  • 50二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 20:33:29

    保守

  • 51◆VLlUGaOg9c24/07/06(土) 22:08:44

    >>47

    スズミ「・・・私はまた自分可愛さに逃げるかもしれない」


    アズサ「それなら一緒に逃げ道を切り開こう。大丈夫、撤退戦はゲリラの基本だ」


    スズミ「あれから弱くなったつもりはないけど、みんなの方が強くなってるかも」


    アズサ「なら、強くなればいいし、それまでの間は私たちがフォローすればいい」


    ナレーション

     ずっと抑えつけていた、苦しんでいた、救われたいと焦がれ続けていたスズミの願いが溢れ出す。

     声は掠れ、思考はぐちゃぐちゃにかき乱されて、最早スズミ本人でさえ何を言っているのか分からない。

     そんな状態だからこそ、口をついて出た言葉は本物であった。


    スズミ「・・・いい、のですか?また、アズサたちの・・・・・・みんなと一緒に居ても?」


    アズサ「当たり前だろう?むしろ、また仲良くしてくれないと・・・・・・寂しい」


    ナレーション

     だから、分かたれた2人の絆は再び紡がれたのである。

  • 52二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:03:34

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:19:31

    やったぜ

  • 54二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 15:00:07

    やっぱり仲良くが一番

  • 55二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 21:46:42

    スズミ参戦?

  • 56◆VLlUGaOg9c24/07/07(日) 22:05:40

    >>51

    スミレ「アズサさん、話は纏まったばかりで申し訳ありませんが・・・・・・」


    トリモブ「いい加減にするカス。人手が必要なのに何時までも泣きじゃくってるんじゃないカスよ」


    ナレーション

     失われた時間を埋め合うように抱き合う2人に声を掛けたのは、ミレニアムからのお客様だった。

     ミレニアムの全知「明星ヒマリ」の依頼により、アリスを救うためならとヘリを動かしてやって来た、

     トレーニング部の乙花スミレの申し訳なさそうな訴えに続き、トリニティの少女は強引にアズサを引き剥がす。

     その顔には呆れの色が浮かんでいたが、同時に口元は優しく緩んでいた。


    トリモブ「まったく・・・同じトリニティ生なんだから、これから暇な時に好きなだけ一緒に居ればいいカス。

         休み時間でも、放課後でも、休日でも・・・一緒に遊べばいいんカスよ」


    アズサ「・・・そうだな、それもそうだ。昔と違って、時間は沢山ある」


    スズミ「ええ、また今度、私の知るトリニティの街を紹介しましょう」


    ナレーション

     と、何だか、最終回のような良い雰囲気になっているが、まだスミレの要件は始まってすらいない。

     スミレは感動の一場面に涙しながらも、内心ほんの少しだけ(早く本題に入りたいですね)と思った・・・。

     

  • 57二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 07:08:31

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 15:13:30

    カスちゃん良いこと言うなぁ

  • 59◆VLlUGaOg9c24/07/08(月) 21:37:08

    >>56

    アズサ「ああ、すまない。待たせてしまった」


    スズミ「そうですね、申し訳ありません。それで要件というのは・・・?」


    スミレ「それに関してなのですが、実は私もまだ詳しい話を聞いていないんです。なので、これから聞きましょう」


    ナレーション

     ようやく本題に入ることが出来たスミレは、懐からタブレットを取り出すとスイッチを起動する。

     すると、タブレットに内蔵されたホログラム装置が起動し、空中に儚げな少女の姿が現われた。


    ヒマリ(通信)『あら、随分と遅かったようですが何か問題がありましたか?』


    スミレ「いえ、問題は無かったのですが感動の再会がありまして・・・・・・」


    ヒマリ(通信)『・・・なるほど、そういうことであれば仕方ありませんね。

            澄み切った純正のミネラルウォーターのように純真な超天才清楚系病弱美少女ハッカーである私は、

            どこかの下水女と違って人情に厚いので、その位のことは大目に見ると致しましょう』


    ナレーション

      訂正。ホログラムの少女は儚げななのは容姿だけで中身は随分とイイ性格をしていた。      


    ヒマリ(通信)『それに・・・人手が必要なのも事実ですが、今回の目的は保険といいますか、

           もしかすると、必要になるかもしれないから予め用意を始めておこうというお話でして・・・・・・・・・』


    アズサ「そうなのか?私はてっきりカナたちが苦戦しているのかと・・・・・・」


    ヒマリ(通信)『苦戦はしていますが、数が居ればいいというものでもありませんよ。

            心配は要りません。彼女たちの元へはこの超天才美少女ハッカーが最強戦力を案内していますから』

  • 60◆VLlUGaOg9c24/07/08(月) 21:38:56

    >>59

    代理モブ「という訳で、ヒマリさんの言う「保険」が必要になるかはパヴァーヌ編のラスト次第です』


    代理モブB「でも、多分、現状の予定では保険が活躍する場面も出てくると思います」

  • 61二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 04:54:54

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 14:41:20

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 20:41:02

    出番ないといいんだがな

  • 64◆VLlUGaOg9c24/07/09(火) 20:59:22

    >>37

    モモイ「くそぉ・・・好き勝手してくれちゃってぇ・・・」


    ユズ「わ、私、もう・・・・・・」


    ミドリ「ユズ!?しっかりして!せめて後ろに下がらないと!」


    ナレーション

     一方、カナ・サオリとゲーム開発部の面々はアビ・エシェフを身に纏ったトキを超えられないままでいた。

     高速演算による未来予測とC&Cのエージェント:トキの戦術思考の組み合わせにより、あらゆる策は封殺され、

     攻勢も防衛もままならないまま傷と弾薬消費だけが増えていく。


    私が後方に運ぶ!サオリは前衛を・・・・・・・・・いや、全員真ん中道空けて牽制射撃!


    サオリ「っ!了解!!」


    ミドリ「わ、分かった!」

    モモイ「何かあるんだよね!?」


    ナレーション

     遂に倒れたユズを大急ぎで運ぶ為、サオリに自分が抜ける穴を任せようとした瞬間、

     何かに気がついたカナは全員に指示を飛ばす。トキが仕掛けた奇襲の時のことがあった為、

     今回はサオリだけでなくゲーム開発部の面々も素直に従い道を空けた。

     ・・・次の瞬間、開けられた道を小さな影が疾風のように駆け抜けた。


    ネル「やっと会えたなぁっ!?後輩ぃ!?」


    ナレーション

     それは、ミレニアムの勝利の象徴だった。

  • 65二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 06:51:54

    チビメイド先輩!

  • 66二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 13:40:44

    ネルちゃん来た
    勝ったな

  • 67二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 22:00:23

    保守

  • 68◆VLlUGaOg9c24/07/10(水) 22:50:54

    >>64

    トキ「ネル先輩っ!?何故ここが・・・っ!?」


    ネル「ヒマリが案内を寄越してくれてなぁっ!」 


    ナレーション

     ネルは強い。勝利の象徴と謳われるに相応しい戦闘の天才であり秀才、それが美甘ネルである。

     しかし、アビ・エシェフはミレニアムのトップがミレニアムの全てを敵に回すことを想定した上で製作した、

     対ミレニアムサイエンススクール兵器・・・・・・当然、ネルを相手取ることも計算に入っている。

     それも、つい先程の戦闘で入手した最新のデータを元にした対C&C用戦術つきだ。


    ズガンッ! ズガンッ!


    トキ「(ネル先輩を躱して私だけを狙った狙撃・・・ッ!)カリン先輩に槌永ヒヨリもですかっ!?」


    アスナ「私たちも居るよ~♪」


    アカネ「随分と迷わされてしまいましたが、やっと反撃開始ですね」

     

    ミサキ「カナ、リー・・・サオリ姉さん、無事?」


    ナレーション

     しかし、どれだけアビ・エシェフが優秀なパワードスーツであっても、トキが有能なエージェントであっても、

     多対一という戦術的不利は大きい。ましてや、この場に集まった少女たちはキヴォトスの中でも優秀な戦士たち、

     ネルという特級戦力のサポートに長けた優秀なエージェント集団に戦術行動が日常に組み込まれた元兵士である。

     この状況を覆すには、流石のトキも難しいと言わざるをえない。

  • 69◆VLlUGaOg9c24/07/10(水) 23:01:24

    代理モブ「えー、はい、何度も謝罪案件になってしまい誠に申し訳ありません。
         今回は「ミレニアム行きのメンバーに居たはずのアズサが何故か、番外編でトリニティに居る問題」について
         謝罪とお詫びをさせて頂きます」

    代理モブB「1の釈明としては「素で忘れていた、何なら今思い出した」とのことでして、
          アズサさんに関してはミレニアム編始まった頃にも、
          「元スクワッド参戦つってるのに、アズサ抜けてるやないかい!」問題で謝罪案件となったこともあり、
          1のアズサさんへの愛が疑わしくなってきたところではあります」

    代理モブC「全ては番外編を書いてる途中の情報収集で「スズミとアズサ、姉妹説」を知り、
         深く考えもせずに組み込んでしまった1に責任があります」

    代理モブA・B・C「「「本当に申し訳ありませんでした」」」

    代理モブ「今後の展開につきましては、番外編の方でアズサさんがほぼメインで出演してしまっていますので、
         今更無かったことにはしずらく、アズサさんはトリニティに残っていたということにさせて頂きます」

    代理モブB「パヴァーヌ編の間に日数が経過していて、アズサさんはその合間に何らかの事情でトリニティへ戻った。
          ということにさせて下さい」

    代理モブC「この度は何度もご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした」
         

  • 70二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 07:22:41

    はい

  • 71二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 13:05:07

    まぁやりやすいようにやってもらえば

  • 72二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 20:01:23

    保守

  • 73◆VLlUGaOg9c24/07/11(木) 20:41:26

    >>68

    トキ「ですがっ!!」


    ズガガッ‼(銃声)


    ネル「っとぉ!流石にやるじゃねぇかぁっ!?」


    ナレーション

     この数的不利を覆すのはアビ・エシェフにも難しいが、トキは難しいだけで素直に敗れるような柔な少女ではない。

     主であるリオへの忠義、C&Cのエージェントであるという自負、それらを支える確かな実力。

     それらに支えられた芯の強さが劣勢に折れることは決してなく、トキは両腕のガトリング砲を構え直した。


    トキ「・・・敵性反応っ!?」


    っと、ダメか!


    ナレーション

     ネルとの戦闘に集中すればするほど、トキは意識外からの攻撃に苦しめられる。

     例えるならば勉強中に隣でゲームを起動されるようなものだろうか?

     アビ・エシェフの高感度センサーは周囲360℃全てをカバーして情報を感知しているが、

     その情報を元に行動しているのは人間であるトキ。必要な情報が増えれば増えるほど脳は処理に意識を奪われる。

     早い話、集中力を奪われて気が散ってしまうのだ。


    ネル「悪いなぁっ!?次は全部終った後にサシでやろうぜ!」


    トキ「お断りですっ!?」


    ナレーション

     そして、ネルは・・・・・・・・・C&C気の散った状態で相手にするには強すぎる相手だ。

  • 74二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 07:42:43

    やっぱり戦いは数だよ

  • 75二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 15:07:21

    これなら原作ほどボロボロにならないで済むだろうか

  • 76二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 23:09:56

    やったぜ

  • 77◆VLlUGaOg9c24/07/13(土) 00:15:59

    リオ『そんな・・・アビ・エシェフの演算は完璧な筈・・・・・・・・・っ!』

    ナレーション
     リオの驚愕は当然のことだ。
     アビ・エシェフはエリドゥの・・・要塞都市1つ分の電力と演算能力をただ一機に集約した戦略兵器、
     その仮想敵はミレニアム学園そのものであり、キヴォトスを脅かす全ての脅威。にも拘わらず、敵たった13人、
     それも内1人は指揮官であり直接戦闘に加わっているのはC&Cの4人、アリウス分派5人、ゲーム開発部3人だけ。
     アビ・エシェフ本来の仮想的を考えれば余りにも脆弱な勢力なのである。

    "ミサキ、当てるようにじゃなくて囲うように撃って!ヒヨリはその隙間・・・左斜め上を撃って!"

    ミサキ「まぁ、そうなるよね」

    ヒヨリ「うわぁぁん!普通に難しいです!」

    ナレーション
     リオの誤算は3つ。
     アリウス分派の戦闘データをアリスの1度目の暴走時しか得られなかったこと。
     撤退前の1度目の戦いでアヴァンギャルド君と大量のドローンを失ったこと。
     そして・・・その怪物的なほどに強力な理性に裏付けられた合理の計算に「人間の限界」が入っていなかったこと。

    ネル「オラオラオラァッ!!」
     
    トキ「(・・・・・・不味い、回避先がっ!?)」
     
    ・・・そっちの方向に関節は曲がらないぞっ!

    ナレーション
     相手が人間であれば、極めて優秀な13人の戦士ならば物理的に躱せない状況を作り出すことが出来た。

  • 78◆VLlUGaOg9c24/07/13(土) 00:31:44

    >>77

    代理モブ「原作でエレベーターにぶち込んで逃げ道を潰したのを、

          こちらでは数の暴力で強引に逃げ道に潰した形ですね」


    代理モブB「原作の面子に加えて、範囲攻撃持ち(ミサキ)、当たったら絶対痛い対物ライフル使い(ヒヨリ)、

         前線を守るタンク役(アツコ)、絶妙に嫌なタイミングで変数ぶち込んでくる奇襲名人(カナ)、

         それらを統率指揮する元特殊部隊長(サオリ)が居るので・・・・・・しかも、指揮官は戦術の名人である先生」


    代理モブC「しかも、上記のメンバー全員が元少女兵で練度も統率も高いんですよね。

          ただ強いよりも厄介な「集団をより強く活かす兵士たち」なんです」


    代理モブ「まぁ、正攻法でアビ・エシェフと戦おうと思ったらこの位の戦力は要りますよね。

         あれ、スペックは文句なしの化物兵器ですから」

  • 79二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 09:40:55

    やっぱ数って正義だわ
    この場合質もあるけど

  • 80二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 18:23:42

    流石だぜ

  • 81◆VLlUGaOg9c24/07/13(土) 23:54:36

    >>77

    トキ「くっ!?」


    ナレーション

     あらゆる未来予測を超えて、遂にトキへと銃弾が突き刺さる。

     

    逸らされたっ!?


    ネル「へぇ?やるじゃねぇか。肉を切らせて何とやらってか?」


    ナレーション

     しかし、それでも尚、トキは優秀なエージェントであった。

     カナの狙いがアビ・エシェフの高感度センサー・・・が得た情報とトキに与えているバイザーだと悟り、

     咄嗟に首を捻ることで自分の頭で装備を庇った。銃弾1発程度では血も出ないキヴォトス人ならではの戦術だ。


    ネル「でも、当たったな?」


    ナレーション

     しかし、身体で受けたということは「苦肉の策を取らされた」ということだ。

     それにトキは躱しきれず、ダメージを受けている。装備の破損は免れても自身へのダメージは蓄積されている。


    当たったということは・・・


    ネル「勝てるってことだ!」


    ナレーション

     無敵のアビ・エシェフでの「蹂躙」から、同じ土俵での「戦闘」へと、トキは新しい舞台へ引きずり落とされた。

  • 82二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 07:06:15

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 16:48:17

    やったぜ

  • 84二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 22:53:21

    保守

  • 85◆VLlUGaOg9c24/07/14(日) 23:25:10

    >>81

    トキ「まだ・・・まだです・・・っ!」


    ナレーション

     どれほど状況が悪くなろうと、例え肩を並べる味方が1人も居らずとも、トキは決して折れることはない。

     あの不器用な主の為に戦うのだと、たった1人で茨の道を歩けてしまう彼女の隣に居続けるのだと、

     飛鳥馬トキという従者の誓いは今も固く結ばれている。だから、負けるわけにはいかないのだ。


    トキ「私はリオ様のエージェント、負けることは許されません・・・っ!」


    ネル「・・・マジでもっと違う出会い方をしたかったよ、後輩」


    ・・・気合い入れ直せ!トキは強いぞ!


    サオリ「ああ、勿論だ」


    モモイ「ラスボスに相応しい格ってやつだね」


    ナレーション

     だから、どれだけ状況が好転してもカナたちも油断しない。侮らない。

     最大限の敬意と尊敬を以て、機械の鎧を身に纏った誇り高き騎士へと挑む。


    リオ『・・・・・・そこまでよ』


    リオ『これ以上戦ってもトキを無闇に傷つけるだけ。認めましょう・・・・・・私の負けよ』


    ナレーション

     しかし、このミレニアム史に残るであろう決戦は意外な終結を向かえる。

  • 86二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 00:03:31

    なんか脱いでない…?

  • 87二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 07:11:06

    コラ画像だね

  • 88二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:48:26

    カナ なんで脱いでるんだ?
    サオリ なるほどミレニアムの技術力ならあの服一枚で快適に過ごせるという事かやはりまだ知らない事が沢山あるな・・
    モモイ (なんで脱いでるの・・?)
    ネル  (何やってんだ会長・・)

  • 89◆VLlUGaOg9c24/07/15(月) 11:51:56

    代理モブ「まさか、大急ぎで画像探してきたのが裏目に出るとは・・・・・・まぁ、クールビズということでお願いします。
         最近、熱いですからね。うん、仕方ない」

     

  • 90二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 11:54:56

    確かにこれは意外な終結だ・・

    >>89

    まあそんな事もありますよね。

  • 91二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 19:17:20

    保守

  • 92◆VLlUGaOg9c24/07/15(月) 21:26:29

    >>85

    トキ「リオ様・・・私は・・・っ!」


    リオ『良いのよ、トキ。貴女は本当に良くやってくれたわ。

       この敗北は私の計画ミス、アリウス分派という変数のことをもっと深く知るべきだった』


    リオ『・・・・・・シャーレに出向しているとはいえ、本来縁も縁もない他校の生徒を救うためにここまでするなんて、

       完全に想定外だったわ。そして、その実力もね』


    ミサキ「・・・まぁ、冷静に考えたら、私たち凄いことやってるよね」


    ナレーション

     一見すると、淡々と自信の失策を分析する冷静な人物のように見えたが、その実、リオは下唇を小さく噛んでいた。

     世界を救う。ただその為だけに必死に備え続けてきて、やりたくもない悪役をやって、

     慕ってくれた荒廃まで巻き込んで、そこまでやって「ただ助けたい」という純粋無垢な我儘に敗れた。

     これでは、一体、自分は今まで何の為に・・・・・・・・・そう頭に浮かんだ後悔をリオは噛み潰す。

     リオの主として、この戦いの総大将だった人間として、それだけは口にしてはならなかったからだ。

     

    リオ『・・・トキ、お客様を私たちの・・・いえ、お姫様のところへ案内してあげなさい』


    トキ「・・・・・・イエス、マム」


    ナレーション

     先生という戦術指揮官にカナという人間レーダーが居る以上、後輩たちが自分の元へ辿り着くのは時間の問題。

     これ以上の遅延戦術に大した意味が無いと悟ったリオは、敗者として粛々と勝者に従う道を選んだ。

  • 93二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 07:13:03

    モモイ達の勝利だ

  • 94二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 14:25:17

    戦力で上回れたから比較的穏便だね

  • 95◆VLlUGaOg9c24/07/16(火) 22:41:47

    >>92

    ナレーション

     トキに案内されて、一同はエリドゥの中心であるタワーへと訪れた。

     開発者や研究者ではないとはいえ、ミレニアム生であるC&Cやゲーム開発部でさえ見覚えがない謎の機械が並び、

     それらを制御するためであろう数百はあろうかというモニターとキーボードが並んでいる。

     そんな科学の粋が詰まった最上階に、調月リオはいた。


    リオ「本当に・・・・・・貴女たちはここまで来たのね。遮るものをすべて薙ぎ払って・・・・・・」


    モモイ「当たり前だよ!最初からそう決めてたからね!」


    リオ「アリスが、キヴォトスに終焉を齎すとしても?」


    でも、まだ滅ぼしてない。まだ誰も怪我すらしていないからな!


    リオ「何かが起こってからでは遅いのよ」


    ああ、でも、殺してからはもっと遅い。だから、もっと生きていい理由を探すことにした!


    ナレーション

     ピクリッ!とリオの眉が僅かに動いた。

     リオとて外道ではない。アリスを望んで手に掛けようとしている訳では無い。

     けれど、リオにはアリス・・・AL1-Sが世界を滅ぼす未来を予見出来てしまうだけの賢さがあった。

     けれど、リオには生徒会としてミレニアムの生徒たちの命運を背負う責任があった。

     そして、全てを1人で背負って茨の道を歩き続けられてしまう強さ(弱さ)があった。あってしまった。

  • 96二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 05:42:22

    大変だよねぇリオも

  • 97二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 15:37:39

    問題はこの後よ

  • 98二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 21:04:26

    保守

  • 99◆VLlUGaOg9c24/07/17(水) 23:09:38

    >>95

    リオ「そんなの、ただの理想論でしかないわ」


    ああ!でも、私たちが理想を言えなかったら終わりだ!


    ナレーション

     本気で口にしているカナの堂々とした姿に、流石のリオも目を見開いた。

     リオやカナの主義主張はどちらも正しいし、どちらも間違っている。

     集団の長として時に非情な判断を下すことも必要だし、逆に夢想を堂々と掲げて周囲を惹きつけることも必要だ。

     ミレニアムという大きな集団を率いていながら、1人にしか碌に説明もせずに独断専行をしたことは間違いだし、

     出向組としてシャーレの先生を手伝うという大義名分があるとはいえ、

     他校の問題に過剰に首を突っ込んで、その場の判断で他所のトップと敵対したことも間違いだ。


    キヴォトスが滅ぶのはダメだ。みんなとまた喋ったり、ご飯食べたり、遊んだり出来ないのは悲しい。

    だから、本当にどうしようもなくなったら責任を取って私がアリスを殺す。


    リオ「それは・・・っ!」


    ・・・まだ出会ったばかりだけど、アリスとも一緒に遊んで、ご飯食べて、勉強して仲良くなれたら素敵だ。

    それに誰かが死ぬのは嫌だ。私は限界ギリギリまで、アリスが生きられる未来を探したい。


    ナレーション

     ・・・・・・・・・しかし、リオはカナ真っ直ぐな主張に気圧されていた。

     アリウス分派のホストとして担ぎ上げられた、このキヴォトスで尤も新しい生徒会長が眩しかった。

     夢見がちな理想論だと知りながら、それを堂々と謳い続けることが・・・リオには出来なかったから。

  • 100◆VLlUGaOg9c24/07/18(木) 06:50:27

    >>99

    リオは本当に頑張ったんですよ。予測を現実にしないために、殆どの仲間を振り切って1人でも戦うと決めた。


    ただ、目の前に居るのは「理想を現実にするため、仲間たちと手を取り合った」リーダー。

    現実のリオの対極にいる人間なんです。リオが「そう振る舞うことが出来なかった」在り方の体現者なんです。

  • 101二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 12:52:23

    良い子だからこそだよね

  • 102二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 12:56:30

    アリスってミレニアム中から愛されてたから、事情説明しても破壊に賛同する人少なかっただろうしな

  • 103二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 22:10:14

    覚悟決まりすぎなんだよリオは

  • 104◆VLlUGaOg9c24/07/18(木) 22:22:58

    >>99

    "リオが何を根拠に動いていたのかは分からない。でも、1つだけハッキリと言えるよ。"


    "リオは誰にも相談せず、1人で全てを判断して結論づけた。そして、君が正しいと信じることを他人に強要した"


    リオ「・・・っ!!」


    アツコ「・・・まぁ、ことがことだから話しづらいのも分かるけどね」


    ナレーション

     調月リオという少女のミスが何だったのか?それは先生の言葉が全てではあるが、

     アツコの言う通り軽々しく口外するには余りにも大きすぎる問題だったのも事実だ。

     しかし、現実に敗北して打ちのめされたリオにはアツコの言葉も慰めにすらならない。

     ・・・計画に移る前、リオに諫言をくれた生徒が実は1人だけ居た。その事実がリオの心に重くのしかかっていた。


    チヒロ『先生、アリスの場所が分かったよ。その部屋の隅にある、電力が集中する施設・・・そこにアリスがいる』


    モモイ「ミドリ!ユズ!」


    ミドリ「うん!お姉ちゃん」


    あー、先生、悪いが・・・・


    "うん。リオ、この続きは後にしようか"


    ナレーション

     失意と後悔、そして世界滅亡をが近づいているという焦燥感。

     幾つもの感情がミキサーに掛けられたようにぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、どうしようもない。

     そんな、立ち尽くすことしか出来ないリオの側へ、トキは静かに寄り添った。

  • 105二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 23:30:31

    覚悟を持って実行した結果が無名の司祭に完全敗北だから尚更キツい
    リオの行動も正解ではあったという救いすらないんだもの

  • 106二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 07:30:45

    後はKeyをどうするかか

  • 107二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 16:54:26

    保守

  • 108◆VLlUGaOg9c24/07/20(土) 00:00:47

    モモイ「アリス!お待たせ!」
    ミドリ「アリスちゃん!」
    ユズ「アリスちゃん・・・・・・・」
    アリス「・・・・・・・」

    っ!?離れろ!様子が可笑しい!!

    ナレーション
     目を閉じたまま立っていたアリスは、駆けつけた仲間たちが声に反応を示さない。 
     まるで何も聞こえていないかのような不自然な姿に、危機感を覚えたアリウス分派の面々は警鐘を鳴らし、
     銃に弾丸を装填する。

    ミドリ「ちょ、ちょっと、アリスに何をするのっ!?」

    モモイ「・・・ダメだよ、ミドリ。みんなは私たちの代わりに恨まれてくれてるんだ。・・・・・だよね?カナ」

    ・・・一番現実を見据えて泥を被ろうとした会長さんを倒してきた。その責任は誰かが取らなきゃいけない。

    ナレーション
     カナたちアリウス分派が最悪を見据えて側で警鐘を鳴らし続けたことで、モモイは自分たちがしようとしている
     ことの重要性が・・・・・・アリスを助けて一緒に生きるということの意味が理解出来た。
     そして、それを受け入れるだけの器がモモイにはあった。姉として、モモイにも守るモノあったからだ。
     大切な誰かの為に、大切な何かの為に、その重荷を背負い命を賭けるといこのの意味をモモイは確かに知っていた。
     
    モモイ「なぁに!アリスを起こして一緒に帰ればそれで解決だよ!」

    ナレーション
    だから、ここまで来たのだ。アリスの為に、ゲーム開発部の為に、殺したくないアリウス分派と会長たちの為に、
     完全無欠のハッピーエンドを目指してモモイはここまでやって来たのだ。

  • 109二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 03:52:09

    やるしかないね

  • 110二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 10:54:38

    行け!モモイ!完全無欠のハッピーエンド野郎になるのだ!!!

  • 111二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 20:36:49

    やっちゃえモモイ

  • 112◆VLlUGaOg9c24/07/20(土) 23:29:07

    >>108

    "っ!?みんな!"


    非常事態発生!厳戒態勢に入るぞ!!


    アリウス分派「「「「了解っ!!」」」」


    ナレーション

     突如、部屋の照明が暗転したことで一同は完全に警戒に入る。

     次の瞬間、モニターにDivi:Sionの時が浮かび上がった。


    モモイ「な、何が起きてるの!?」


    ミドリ「あ、あそこのモニターが・・・っ!」


    リオ「これは・・・・・・・・・・っ!」


    「やっこさん、おいでなすった」・・・ってヤツだな!国語の教科書で見た!


    ナレーション

     Divi:Sionという言葉の意味までは分からなくとも、ただならないリオの様子から

     アリスが世界を滅ぼすということと関係しているのは全員が察することが出来た。

     この事態を収めることが出来るか否に、キヴォトスの運命とアリスの命が掛かっている。その事実を前に、

     モモイたちゲーム開発部も、カナたちアリウス分派も、そしてシャーレの先生も思わず唾を飲み込む。


    リオ「エリドゥのシステム全体が・・・・・・ハッキング・・・・・・・・・いえ、これは単純なハッキングではない・・・・・・

       都市全体が「何か」に変質していっている?」


    モモイ「こんなことしてる場合じゃない!早くケーブルを引っこ抜いてアリスを・・・・・・っ!」

  • 113◆VLlUGaOg9c24/07/20(土) 23:53:47

    >>112

    ???「その行為は『止めておいた方がいいですね。アリスちゃんに影響が出かねません』・・・・・・

        ・・・外部からの干渉っ!?』


    ナレーション

     謎の声を上書きするかのように聞こえてきた、電子越しの通信音声。

     それはミレニアム・・・否、キヴォトス最高峰の技術を誇る超天才清楚系病弱美少女ハッカーの頼もしさを備えた、

     澄み切った純正のミネラルウォーターのように透き通った心根を現わしたかのような凜とした声。


    ヒマリ(通信)『まったく、1人で暴走するからこうなるのですよ。ビッグシスター?』


    リオ「ヒマリっ!?どうして貴女が・・・っ!?」


    ヒマリ(通信)『私の手脚となり、唯一の弱点である病弱さをを補ってくれる優しい協力者たちがいましてね。

            お陰さまで漸く、貴女が操作していないエリドゥの一部を掠めとる程度のコンピューターを

            組み上げることが出来ました。

            私は超天才美少女ですが、ちゃんと他の方を頼ることが出来るのですよ。ええ、貴女と違ってっ!』


    ???「・・・・・・成程、私の行動を予測して予めエリドゥの演算領域の一部をハッキングして隔離したのですか」


    ヒマリ(通信)『慢心が過ぎましたね、特異現象。性能の良いコンピューターがあれば、この程度は楽勝です。

            私は正義のハッカー集団ヴェリタスの部長なのですから』


    ナレーション

     謎の声・・・改め、暴走時と同じように赤く目を染め上げたアリス。その内側に居る何者かは、

     超天才美少女の手際の良さと腕前に舌を巻く。少なくと今この一時だけは、ヒマリは何者かを出し抜いたのだから。

  • 114二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 07:39:55

    すげぇ!流石(以下略)のヒマリ!

  • 115二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 07:53:35

    さすヒマ

  • 116二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 15:41:27

    でもやっぱりリオは頑張ったし可愛いのねん…

  • 117◆VLlUGaOg9c24/07/21(日) 21:23:12

    >>113

    ???「想定外の事態であることは認めましょう。ですが、この程度のトラブルであれば問題にすらなりません」


    ヒマリ(通信)『確かに、貴女の能力を持ってすれば私が隔離した演算領域を奪うことも可能。

            いえ、貴女が得たエリドゥの大部分だけでキヴォトスを滅亡に導くことも可能でしょう』


    ミドリ「そんなっ!?それじゃあ・・・っ!!」


    ナレーション

     ヒマリの打った手は確かに上手かったが、相手は学園都市キヴォトスを滅ぼすことが出来る怪物。

     加えて、ヒマリが隔離保護出来たのはあくまで1部。要塞都市エリドゥの殆どは怪物の支配下にある。

     本物の天才、調月リオが己の全てを賭けて用意した防衛機構・設備の全てを瞬く間に掠め取った相手の元にだ。


    ヒマリ(通信)『ですが、私はミレニアムが誇る超天才病弱美少女!

            協力者のみなさんの思いが籠もったコンピューターとエリドゥの演算領域の一部があれば、

            貴女の侵略を僅かに遅らせることは可能です』


    ???「だから、何だと言うのですか?王女の表層人格が内部データベースの深層部に隔離されています。

        データベースへの影響を出さずに外部から干渉することが難しい以上、貴女は手出しすることが出来ない」


    ヒマリ(通信)『ええ、ですので、内側から事に当たるとしましょう。

            リオ!どうせ、無駄に用意周到な貴女のことだから用意しているのでしょう!?』

  • 118◆VLlUGaOg9c24/07/21(日) 21:52:44

    リオ「・・・ええ、あるわ。アリスの深層領域にダイブ可能な設備がある。
       でもそんな事、現実的に出来るわけ・・・・・・!」

    ナレーション
     リオはある意味、合理と計算を重んじるミレニアムの生徒会長に相応しい合理主義者だ。
     だからこそ、確実性を重視してリスクを排除した洗濯をすることが出来るし、
     アリスを殺めるという望まない汚れ仕事に手を染めてでも、キヴォトス・・・そしてミレニアムを守ると決断出来た。

    カナ(回想)『私たちが理想を言えなかったら終わりだ!』

    ナレーション
     それはリオの欠点だが大きな長所でもある。しかし、カナとの問答は少なからずリオに影響を与えた。
     キヴォトスの滅びという危険性も、その元凶であるアリスを活かすという意味も、全て理解していながら、
     甘過ぎる理想を口にする尤も新しき女王と、そんな女王の望むハッピーエンドへの道を導く臣下たち。
     リオの目から見えたその姿は、1つの学園を背負う生徒会長としては余りにも夢想家に過ぎたが、しかし、
     同時に余りにも眩しい在り方でもあった。

    リオ「・・・もし、それにも失敗してどうしようもなくなってしまえば・・・」

    宣言通り、責任を取って私がアリスを殺す。

    リオ「・・・アリスだけじゃない、深層領域にダイブした人も犠牲になるわ」

    全部背負う。それがアリウスのみんなを危険に晒してまで、アリスを生かすと決めた私の責任だ。

    リオ「・・・いいえ、私たちの責任よ。その時は一緒に地獄に落ちましょう」

    ナレーション
    だからだろうか?リオが柄にもなく、周囲の夢を背負うのもリーダーの役目だと感じたのは。

  • 119二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 22:02:17

    それでこそビッグシスターだ!

  • 120二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 05:07:37

    あとはやれるだけやるだけだ

  • 121二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 16:10:46

    保守

  • 122◆VLlUGaOg9c24/07/22(月) 21:33:31

    代理モブ「「ストーリー確認したいからログインさせてくれよ」と塵になった1の代理です。
         今回は仕方が無いので裏設定・・・というほどでもない、みんな気付いてるだろう蛇足めいた補足をします」

    代理モブB「生でもモモイでもこの時点のリオは説得出来ません。
         何故なら、リオが考えを改めたのは、カナ「最悪の場合の責任の取り方」について、
         最初から覚悟を表明していたからです。「アリスを殺す」と言える人間じゃないとダメなのです」

    生徒モブC「アリス本人は良い子ですが、リオからすれば怪物が我が物顔で生きているようなもの。
         楽観的な感情論だけで「殺すな」「勝手なことするな」とだけ言われてもリオは納得は出来ません。
         だから、「生かす責任」をしっかりと理解して、その責任を背負う覚悟を見せる必要がありました」

    代理モブ「・・・まあ、そのリオも「アリス」と名前を呼んでいる辺り、天童アリスという個人を認めています。
         というか、そうでなければ「殺す」ではなく「壊す」と言っていたでしょうし・・・・・・・・・・
         やっぱり、リオも本心では殺したくなかったんですよ」

  • 123◆VLlUGaOg9c24/07/22(月) 22:12:43

    >>122 なんか誤字だらけになっちゃいましたが、要するに2つの主張の橋渡しが必要だったのです。

    リオの主張する理論に基づいた現実主義と先生たちの主張する夢想を目指した理想主義、

    その2つを繋ぐ妥協点として、カナの「最悪の場合は責任を取って私が殺す」という覚悟が響いたわけです。


    以下、オマケ アリウス分派 はじめての図工


    ナレーション

    ミレニアムサイエンススクール。ヒマリのセーフハウスに、スズミを加えたアリウス分派の助っ人たちが集まった。

    彼女たちは現在、銃を手から離してレンチやドライバーを手に触れ慣れない機械部品と格闘していた。


    スズミ「ええと、このパーツは」

    アズサ「S- 11番だな。それなら設計図二枚目の右側の方に・・・・・・・・・」


    ナレーション

    スズミが電子タブレットに収められた設計図を開くと、確かに手に持つバーツの取り付けについて説明があった。


    スズミ「なるほど・・・・、ありがとうございます、アズサ」


    エイミ「アリウスのみんな、意外に手際が良いよね。こういうのは初めてだと思ってたけど・・・・・・」


    ナレーション

     落ち着いた様子でスズミに説明を促すアズサの姿を見て、ヒマリの後輩であるエイミは意外そうに声を上げた。

     それは、「元少女兵という経歴では碌に技術を学べる機会もないだろう」という想像からくる疑問だったが・・・・・・


    アズサ「1から組み上げたことはないが、作戦行動にPCの存在は必要不可欠だからな。整備の方法は心得ている」


    アリウス分派の生徒「むしろ、Excelに頼りすぎてたところはあるよね・・・・・・計算する必要なかったし」


    ナレーション

      現実の彼女たちは、意外に機械に強かった。

  • 124二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 23:52:30

    意外!それはExcelッ!

  • 125二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 07:33:00

    そこのところはちゃんとしてたんだ

  • 126二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 16:49:19

    やはりExcel
    Excelは全てを解決してくれる

  • 127二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 21:43:57

    数字打ち込んだら答えが出るんだから勉強なんてなくてよくなるわな

  • 128◆VLlUGaOg9c24/07/23(火) 22:09:24

    >>127

    代理モブ「ついでに言うと、アリウス分派の殆どの生徒たちは転校するまで算数の概念すら知りませんでした。

         なので「×」という謎の記号の存在はExcelで知っていても、それの名前も意味も良く分かってません。

         彼女たちは指示通りにキーボードを打っていただけなので」

  • 129◆VLlUGaOg9c24/07/23(火) 22:38:35

    >>118

    ヒマリ「リオ・・・貴女は・・・・・・っ!?・・・いえ、これ以上は無粋ですね」


    ナレーション

     リオが出した答えは周囲に少なくない驚愕を与えたが、特にリオの強情さを良く知るヒマリは目を見開き、

     怒るような哀しむような、激しい感情を表に出しかけ・・・寸前で言葉を噛み潰した。

     こんなことをしている暇はないと、自らに弁明までして平静を装い、思考を強引に切り替えた。


    リオ「・・・現状、アリスを連れ戻せるのはゲーム開発部と先生しか居ないでしょう。他の生徒では繋がりが薄すぎる」


    モモイ「よく分かんないけど、アリスを連れ戻すにはダイブ?しなきゃいけないんだよね?」


    ヒマリ「はい。この作戦には危険が伴いますが・・・・・・・・・それ以外に方法はありません」


    モモイ「なら、やるよ。散々みんなに助けて貰ってここまで来たんだから!

        アリスも連れて、みんな一緒に笑って帰らなきゃ!!」


    ナレーション

     モモイにはそれが自分たちの役目なら、例えどれだけ危険だとしても躊躇う理由には1つも無かった。

     先生は危険を顧みずに着いて来てくれて、カナが生かす責任を背負う覚悟までしてくれて、

     C&Cの先輩たちやアリウス分派のみんなも力を貸してくれた。

     今更、言い出しっぺの自分が臆する訳にはいかないし、みんな頑張ったのにハッピーエンドにならないなんて嘘だ。

     そして何よりも、天童アリスという少女と過ごす日常が好きだから・・・・だから、モモイは躊躇わずに答えられた。


    ユズ「・・・・・・私もやります。アリスちゃんを・・・・・連れ戻せるなら」

    ミドリ「当たり前でしょ?私たちはアリスを迎えに来たんだから」


    ナレーション

     そして、それは他の部員たちも同じことだ。

     みんな、アリスが好きだから、助けるために銃を手に取ってここまで来たのだから。

  • 130二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 07:28:42

    頑張れモモイ、ゲーム開発部

  • 131二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 11:26:08

    友情を信じて

  • 132二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 20:30:51

    保守

  • 133◆VLlUGaOg9c24/07/24(水) 22:02:07

    >>129

    ナレーション

     ダイブ設備に寄って訪れた、アリスの眠るデータの中の深層領域。

     そこは彼女たちゲーム開発部と先生がアリスと出会った場所、廃虚の遺跡の深くに良く似ていた。

     中央部の何処からか光の差し込んだ場所に佇む1脚の椅子に腰を下ろして、アリスは眠っていた。


    モモイ「アリスッ!」


    ナレーション

     その姿を見つけたモモイたちが声を上げて、足速にアリスへと駆け寄ると、

     アリスは本当にただ眠っていただけかのように身動ぎをして、ゆっくりと瞼を開いた。


    アリス「・・・・・・・・・だれ?」

    モモイ「私たちだよ!」

    ミドリ「アリスちゃん、私たちが来たよ!」

    ユズ「アリスちゃん!」

    "アリス、大丈夫?"


    ナレーション

     口々に声を掛けてくる懐かしい姿に、ぼんやりとしていたアリスの表情が段々と覚醒していく。

  • 134◆VLlUGaOg9c24/07/24(水) 22:02:53

    >>133

    アリス「モモイにミドリ・・・ユズ・・・?先生まで・・・・・・?どうして、ここに・・・・・・?」

    モモイ「そりゃあ、会長に連れてかれたアリスを迎えに来たんだよ!」

    ミドリ「アリスちゃん、早くここから出よう!」

    ユズ「帰ろう、アリスちゃん」


    アリス「あ・・・・・・・アリスは・・・・・・アリス、は・・・・・・」


    ナレーション

     アリスはモモイの手を取ろうと、 涙を浮かべながら、必死に何かを堪えるようにして震える手を伸ばしかけ・・・・


    ???「王女よ、あなたが見てきた光景を忘れましたか?」


    ナレーション

     彼女の声に動きを止めた。

  • 135二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 04:52:47

    >>128

    算数さえ理解できない知的水準は不味いですよ!!!

  • 136◆VLlUGaOg9c24/07/25(木) 06:52:59

    >>135

    代理モブ「だから、トリニティに転校当初、勉強させられたんですね」

  • 137二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 15:46:06

    勉強は大事ですね

  • 138二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 20:24:13

    エクセルが使える≠計算ができる
    はっきりわかんだね

  • 139◆VLlUGaOg9c24/07/25(木) 22:14:10

    >>134

    ミドリ「赤い目のアリスってことは・・・っ!」

    モモイ「・・・だれ!?」


    ナレーション

     まるで影の中からでも現われたように、ふっと姿を現わした赤い瞳を持つアリスそっくりの少女。

     ミドリは彼女が現実でアリスの身体を使っていた相手だと見抜いたが、しかし、その名前は誰も知らなかった。


    ???「・・・私の個体名は<Key>。王女を助ける無名の司祭たちが残した修行者であり、

        彼女が戴冠する玉座を継ぐ「鍵」<Key>です」


    モモイ「アリスを助けるなら邪魔しないで!素直に帰らせてよ!」


    key「アリス……それは、あなた達が私たちの「王女」を呼ぶ際の名称。

       「王女」に名前は不要です。名前は存在の目的と本質を乱します」


    ミドリ「良く分かんないけど、ケイは王女様?の味方であって、アリスにとっては敵ってこと?」


    key「・・・概ね、その認識で良いでしょう」


    ナレーション

     keyはミドリの解釈に何か言いたげな顔をしたが、これ以上の説明は無駄だと諦めたのか?話を打ち切った。


    key「王女よ、あなたが見てきた光景を忘れましたか?

       その機体に刻まれた役割、あなたという存在が引き起こした争乱、その全てを・・・・・・」


    ナレーション

     そして、目の前に居るゲーム開発部も先生も全て無視して、まるでそこに居ないかのように振る舞いながら、

      keyはゆっくりとアリスに近寄って声を掛ける。

      赤い瞳を怪しく輝かせて覗き込むその姿は、さながら悪魔か魔女か吸血鬼か?何処か蠱惑的な魔力を感じさせた。

  • 140二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 05:19:17

    >>136

    トリカス達が虐めてないっぽいのもあんまりにもあんまりな惨状に虐める気が失せたのかも…

  • 141二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 15:04:04

    悪魔のささやき…

  • 142◆VLlUGaOg9c24/07/26(金) 22:23:37

    >>140

    代理モブ「アリウス分派の生徒が居るトリニティ新校舎は元々アリウス分校の校舎です。

        1度に大勢の転校生が現われたらトリニティが混乱するので、一時的な隔離施設にもなっています」


    代理モブB「ようするに、まだ一部の生徒たちとしか交流してないんですよね。

          ベアおば撃破後に、カナが救護騎士団のお世話になっていた頃も入院してた訳ですし・・・・」

  • 143◆VLlUGaOg9c24/07/27(土) 00:28:31

    >>139

    "アリスに何を見せたの?


    ナレーション

     アリスに向けて囁くkeyを警戒して、庇い立てるように先生が割って入る。

     普段は温厚で余り起こることの無い先生だが、今回ばかりは自然とkeyに対して警戒の色が浮かんでいた。


    key「文字通りの意味です。「王女様が」この空間で見聞きした光景の数々」


    ナレーション

     keyの返答に呼応するように、宙へと浮かび上がった映像記録。それはアリスと取り戻す為の旅路だった。

     無数のドローンたちとの戦い、アヴァンギャルド君との戦い、トキとの戦い。その一部始終である。


    モモイ「私たちが・・・戦ってきた姿・・・・・・?

    ミドリ「なんでこんなものを・・・・・・」


    key「エリドゥの監視網から見てきた光景。それらすべて、あなた達がこの場に脚を踏み入れるまでに戦い、

       走り、転んで、傷ついてきた光景です。

       何故、この様なことが起きてしまうのか・・・・・・?その答えを「王女」は既にご存知ではないでしょうか?」


    ナレーション

     もしも、この場にカナやサオリ・・・・・・アリウス分派の元隊長格の生徒が1人でもいれば、直ぐに気がついただろう。

     この映像の裏に隠された意思・・・・・・・・・意図的に情報を偏らせた編集者の策謀に。

     ・・・・・・だが、それはたらればの話。実際にはダイブ時の危険性やオペレート可能な人員の問題から、

     カナたちアリウス組は現実で「万が一」に備えて、臨戦態勢を取っている。


    アリス「・・・・アリスは。アリスは、帰れません」


    ナレーション

     ここにkeyの策略を看破できる存在は・・・・・・・いない。

  • 144二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 07:29:57

    いやらしい…

  • 145二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 17:02:14

    なんとかするしかないぞ

  • 146二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 22:06:04

    それでも…助けるのを諦める理由にはならないんだっ…!

  • 147◆VLlUGaOg9c24/07/27(土) 23:54:12

    >>143

    モモイ「このおバカさんがぁっ!」


    ナレーション

    だが、ここには「そんなの知るか」と道理を蹴飛ばすバカがいた。


    アリス「・・・え?」


    モモイ「どうして私たちがここまで来たと思ってるのっ!?何で先輩たちが助けてくれたと思ってるのっ!?

        全部、全部アリスと一緒に居たいからだよ!また一緒にお菓子食べて、ゲームしたいからだよ!」


    アリス「で、でも、アリスは魔王で・・・」


    モモイ「それが何!?今時、魔王が味方になるゲームなんて沢山あるよ!

        もし、またアリスが暴走したら何回だって止める!誰か怪我させちゃったら一緒に謝る!

        本当の本当に取り返しのつかないことになっちゃったら、その時は・・・・・・・・・私が一緒に死んであげる!」

    ミドリ「お姉ちゃんっ!!?」


    ナレーション

     それはカナと一緒に居たからこそ出てきた言葉だが、本当のモモイの覚悟であった。

     アリスのことは大切な友だちで死なせるなんて納得出来なくて、アリスの中に危険があることが分かってしまって、

     アリス生かすということの意味を直ぐ近くで見せられて・・・・・・自分にも示せる覚悟は何なのか?出した答えだった。


    アリス「モモイ・・・・・・」

    モモイ「もうダメだって1人で絶望するぐらいなら、

        私たちの命も一緒に賭けてよ!?パーティーメンバーでしょ!!?」


    ナレーション

     「バカ」のモモイは殆ど感情任せに捲し立てる。しかし、だからこそ、

     その言葉には小賢しさがなく、内に秘めたる覚悟の強さにアリスの元へとを真っ直ぐ届いけることが出来た。

  • 148二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 08:19:59

    モモイ&カナって精神的に圧し折るの無理に等しい組み合わせよね

  • 149二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 08:29:57

    正義は相手にあるけどそんなに納得できない!と突き進むパヴァーヌ編

  • 150二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:22:41

    つよい

  • 151◆VLlUGaOg9c24/07/28(日) 21:46:17

    >>147

    アリス「あ、アリスは・・・・・・」


    モモイ「・・・ねぇ、アリス。アリスが入部した時のこと覚えてる?」


    アリス「え・・?」


    ナレーション

     大切な仲間だからこそ、再び手を取ることを躊躇ってしまうアリスを前に、モモイは手を取って昔話をし始めた。

     困惑するアリスを他所に、ミドリが何かに気がついたように近くのユズへと耳打ちすると、ユズは小さく頷き、

     先生も中身は分からないまでも何か考えがあるのだろう。と、モモイに乗っかることに決めた。


    ミドリ「最初は片言だったアリスちゃんと沢山ゲームしたよね。

        アリスちゃんが凄く楽しんでくれるから、オススメするのも凄く楽しかった」


    ユズ「うん。テイルズ・サガ・クロニクルのことも褒めてくれて・・・・・・・本当に嬉しかった」


    "アリスがユウカにゲームキャラの名前を名乗り始めた時は焦ったけど、それも振り返ってみたら良い思い出だった"


    モモイ「みんなの言う通りだよ!

        確かに苦しいことも焦ったこともあったけど、アリスと出会ってからの毎日は最高だった!

        アリスが居たから出来たことだって沢山あるし、アリスが居たから今まで以上に嬉しくて楽しかった!」


    モモイ「それなのに、アリスが魔王だとか、そう生まれついただとか・・・・・・・だから消えなきゃいけないとか!

        そんなの、絶対認められない!納得なんかしてあげない!」


    ミドリ「うん、絶対に」


    ユズ「消えるのを・・・・・・放ってなんか・・・・・・おけないよ」

  • 152◆VLlUGaOg9c24/07/28(日) 22:16:02

    >>151

    アリス「・・・・・・な、な、なぜ、ですか?みんな・・・・・アリスを怖がったり・・・・憎んだりしないで・・・・・・

        まだ、仲間だって言ってくれるんですか・・・・・・・?」


    ナレーション

     「ダメだ」「それでも」「だからこそ」「みんなを守る為にアリスは・・・」、グルグルと頭の中で回っていた、

     key・・・そして、アリス自身がかけた呪いに罅が入り、ゆっくりと崩れ落ちていく。もう限界だった。

     モモイの、ミドリの、ユズの、先生の素直で真っ直ぐな気持ちに触れたことで、

     アリスが必死に自分の内に押し留めていた願いは決壊寸前になっていた。


    ミドリ「この前・・・・・・アリスちゃんが言ってくれたことがあったよね?

       『ファイナルファンタジア』、『ドラゴンテスト』、『トールギス・オブ・フェイト』、

       『竜騎伝説』、「英雄神話」『アイズエターナル』、『スペルファクトリー』・・・・・・

        どんなゲームでも、主人公たちは決して、仲間を諦めないって」


    ミドリ「そりゃあ、お姉ちゃんの言い出したことにはビックリしたけど、アリスちゃんのためなら・・・・・・

        うん、いいよ。私たちの命も一緒に賭ける」


    ユズ「だって、アリスちゃんは・・・・・・私たちの仲間だから・・・・・・!」


    ナレーション

     勇者の仲間たちは覚悟を示した。魔王として生まれた少女とともに生きる資格を示した。

  • 153◆VLlUGaOg9c24/07/28(日) 22:32:26

    >>152

    モモイ「何度でも言うよ、アリスが魔王でも関係ない!そんなもの、ただのジョブでしかない!

        自分が誰なのか、それは自分で決めるものだよ!ただ、自分がなりたいジョブに転職すれば良いんだよ!」


    ミドリ「戦士、騎士、魔法使い、僧侶---なんでもいいよ、アリスちゃん。もちろん、他の職業でも」


    ユズ「その・・・・・・勇者も、いるよ」


    "だから、アリスの本音を聞かせて欲しいな"


    アリス「アリスは魔王なのに・・・世界を滅ぼしてしまうのに・・・なのに・・・アリスは・・・そんなでも、いいんですか?

        冒険を・・・みんなと一緒に・・・クエストを、続けてもいいんですか?こんなアリスでも・・・・・・本当に・・・・・・?」


    "うん、もちろん"


    アリス「それなら・・・・・・・・・も・・・・・・がしたいです。アリスも!勇者になって・・・・・・!みんなと・・・・・・

        モモイ、ミドリ、ユズ。そして先生と・・・・・・冒険を続けたいです・・・・・・!」


    モモイ「うん!アリスがそうしたいならそれで十分!」


    ミドリ「魔王だって、勇者になれるよ」


    ユズ「もし・・・そういう作品が無かったとしても・・・・・・私たちが次回作として作ればいい・・・・・・」


    "うん。4人なら何でも作れるよ。何せ、世の中には生徒会長・・・女王様になった兵士だっているぐらいだからね"


    アリス「―では、アリスは勇者になりたいです。アリスは・・・・・・アリスになりたいです・・・・・・!


    ナレーション

     資格を示したならば、試練を超えたならば、勇者たちには報酬・・・ハッピーエンドが与えられるべきだ。

  • 154二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 05:59:05

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  • 155二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 12:57:06

    流石ゲーム開発部よ

  • 156◆VLlUGaOg9c24/07/29(月) 22:10:39

    >>153

    ナレーション

     アリスの心に応えるように、彼女の望み・・・勇者の剣が現われる。

     それは剣と呼ぶには余りにゴツい。というか、レールガンなのだが、アリスにとっては唯一無二の光の剣だ。


    アリス「これは・・・」


    モモイ「勇者の剣・・・・・・アリス!これ!」


    ミドリ「勇者の剣を・・・」


    ユズ「抜くんだよ、アリスちゃん!」


    アリス「・・・・・・!・・・・・・はい!」


    ナレーション

     仲間たちの言葉に応え、アリスは慣れ親しんだ光の剣を手に取る。

     それは正しく物語の1幕。伝説の剣を引き抜く、導かれし勇者の姿がアリスと重なる。


    アリス「ー光よっ!」


    ナレーション

     かくして、光の剣は主の元へとかえり、ミレニアムの勇者は再誕した。

  • 157◆VLlUGaOg9c24/07/30(火) 06:55:38

    key「それは・・・・・・!「王女」よ・・・・・・あなたのその能力は・・・・・・!
       あなたのその力は、世界を滅ぼすためにあるというのに・・・・・・!」

    ナレーション
     そうなれば、面白くないのはkeyだ。彼女はアリス・・・名も無き神々の少女の為に生まれた。
     世界を滅ぼすという使命を助ける。生まれた意味を全うさせる。ただ、それだけが彼女の意味だ。
     だというのに、支えるはずの王女は「天童アリス」を名乗り、勇者になる等と言い出した。
     使命しか持たずに生まれたkeyには最早、何が何だが訳が分からなかった。

    アリス「違います!アリスのこれは勇者の武器です!
        何故ならアリスがそう決めたからです!今のアリスは光属性の勇者・・・・・・!」

    ナレーション
     かつての天真爛漫さを取り戻し、「勇者」というアイデンティティーを手に入れたアリス。
     そんな彼女の姿に「もう大丈夫」とでも言わんばかりに優しく微笑むと、先生は1歩、keyの前へと出た。

    key「―理解不能。世界を滅ぼすことこそ「王女」の本質、それを支えることこそが《鍵》である私の使命。
       なのに、何故、「王女」は・・・・・・・・・・」

    “君だって何にでもなれるよ。
     あの日、私も地下墓地の向こう側で教わったんだ。変えられない未来なんか無いんだってね”

    key「不要。私には《鍵》としての役割と本質が・・・・・・」

    “じゃあ、それはkeyがやりたいこと?”

    key「―《鍵》である私に意思は不要です」

  • 158二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 15:36:29

    Keyちゃん…
    仲良くは難しいよなぁ

  • 159◆VLlUGaOg9c24/07/30(火) 21:28:38

    >>157


    “そんなことは無いよ。だって、君は「何故」って聞いたよね?“


    key「・・・だから何だと言うのですか?」


    “疑問に思うってことは、分からないことを不思議に思うってことは・・・・・・。君に心がある証拠だよ、key“


    key「―――理解不能。貴方は何がしたいのですか?そうまでして、私に構う義理は無いでしょう」


    ナレーション

     先生は生徒の為なら無茶でも通してしまう理想主義者だが、全くの考え無しではない。

     その上、keyは姿形こそアリスそっくりではあるがアリスを苦しめた元凶とも呼べる相手だ。

     少なくとも、現時点でも仇敵以外の何者でもない。それでも、先生がkeyを気にする理由があるとすれば・・・・・・


    カナ(回想)『先生、出来たらあの・・・・・・・赤目アリス?も気にかけてくれないか!?』


    先生(回想)“どうして?”


    カナ(回想)『もし、あいつがただのプログラムじゃないなら、心があって、役目に縛られてるだけなら、

           それはベアトリーチェに洗脳されてた頃のアリウスと同じだ。

           内戦時代の常識を「そういうものだ、仕方が無い」って、思い込まされて諦めてた私たちと同じだ。

           なら、見捨てたくない!アイツを見捨てたら、私は昔の私を見捨てたことになる!』

           

    “・・・ある生徒に頼まれたんだ。君のこと、気にかけて欲しいって“


    ナレーション

     それは、生徒の為に他ならない。

  • 160二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 07:36:31

    変わるか?

  • 161二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 15:32:14

    アリスの内にある人格だからね
    Keyもちゃんと生徒なんだ

  • 162二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 22:06:09

    どうですかケイちゃん

  • 163◆VLlUGaOg9c24/07/31(水) 22:34:45

    >>159

    “与えられた当たり前に縛られてるのが、昔の自分たちみたいでほっとけないんだってさ“


    key「――――神子柴カナ。旧アリウス分校最後の生徒会長にして、トリニティ総合学園アリウス分派ホスト。

       融和派と過激派の内戦時代と先代生徒会長ベアトリーチェの独裁政治を生き延びた経験からの言葉であれば、

       それは間違いです。私と王女が生まれ持った存在理由は後天的に後付けされたそれとは違います」


    ナレーション

     「そのように生まれた自分たち」と、「後から歪められたアリウス」は違う。

     keyはそう言って、先生を通じて自信に向けられた同族意識からくる愛情を否定する。


    “・・・そうだね。確かに、カナたちにとって内戦も圧政も後からやって来たものなのかも知れない。

     でも、今の平和な日々は・・・トリニティに転校してからの平穏の毎日はそれよりも後から勝ち取ったモノだ“


    “あの子たちはアリスと同じだよ。「全ては虚しい」という与えられた思想・・・keyの言う本質を打ち砕いた“


    key「―否、本質は打ち砕けるモノではなく、

       誰も存在理由から逃れることは出来ません。それが私と王女の迎える運命です」


    ナレーション

     keyは尚も強情だ。自身だけではなくアリスも存在理由から逃れられないと断言した。

     その言葉に思わず、アリスはムッと顔を顰めて反論しよう口を開きかけ・・・先生の優しい微笑みに口を閉じた。

     アリスは先生のことを信じて、反論もkeyのことも託すと決めた。


    “だったら、新しい存在理由を手に入るのはどうかな?“


    key「――新しい、存在理由?」


    “うん。あの子たちが自分たちの脚で立ち上がって、自分たちの意思で進みたい道を選んで、

    そして・・・・・・なりたいものになったように、key自身の手で存在理由を手に入れよう。“

  • 164二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:17:04

    モモイがいるとアリスが救える、モモイとカナがいればアリスもケイも救える。と

  • 165二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 13:16:27

    いけるか

  • 166二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 21:17:25

    ケイちゃんも一緒だ

  • 167◆VLlUGaOg9c24/08/01(木) 23:26:38

    >>163

    ナレーション

     keyは目を閉じて思考する。keyにとって先生は王女を甘言で惑わし、その本質を見失わさせる敵だった。

     しかし、他ならぬ王女自身が勇者として・・・・天童アリスとして生きると決めた時、

     王女としての使命を全うさせるkeyの目標は破綻していた。

     アリスがその気になり。愛用のレールガン・・・・・・勇者の象徴たる光の剣として心象世界に顕現した力を行使すれば、

     今すぐにでもkeyの干渉を強制的に打ち切らせ、エリドゥの制御権をリオに返すことが出来る。


    key「―――私が既に敗北していることは認めましょう。ですが、私は新しい存在理由など欲してはいません」


    ナレーション

     keyにはもうアリスをどうすることも出来ない。

     しかし、生まれ持った本質・・・存在理由を全うすることが全てであったkeyには、先生の手を取ることも出来ない。

     自分が何かを望み、何かになろうとしている姿を描けない。それは今までkeyの中に存在しなかった概念だからだ。


    “だったら、まずはゆっくり考えてみるところから初めてみようか。勿論、アリスも一緒にね“


    アリス「!?それはいい考えです、先生!アリスもケイと一緒に色んなゲームがしたいです!」


    ケイ「「ケイ」・・・・・・王女よ、あなたは自身の存在理由である「王女」を否定し・・・・・・

       私の存在理理由である「鍵」をも否定するのですか。存在理由を失った鍵は、もはや鍵ではない。

       ・・・・・・そのように呼ばれる必要もないように」


    ナレーション

     そんなkey・・・・・・否、ケイが自らの存在理由を失っても尚、何かを望むことがあるとするならば・・・・・・・・・


    ケイ「・・・・・・分かりました。それならば、私はあなたを見守ることにします。王女・・・・・・いえ、アリス」


    ナレーション

     握る手は先生ではなく、アリスのものに他ならない。

  • 168二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 07:38:19

    よかった

  • 169二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 17:26:31

    よくやったアリス

  • 170二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 22:59:36

    これで解決…?

  • 171◆VLlUGaOg9c24/08/02(金) 23:16:53

    ナレーション
    (そうして、みんなが力を合わせることによってエリドゥを・・・・・・ミレニアムを―――
     ひいてはキヴォトスの脅威になったかもしれない危機を解決することが出来たのでした。めでたしめでたし)

    《シャーレ部室》

    ヒマリ(通信)『・・・エリドゥの施設は、私が責任を持って閉鎖する予定だったのですが・・・』

    “あー、ごめんね。苦労をかけちゃって“

    ナレーション
     ヒマリはリオのやらかしたことの後始末として、エリドゥを閉鎖しようと提案していたが、それは叶わなかった。

    ヒマリ(通信)『・・・・・・いえ、やり方はどうかと思いますが、脅威に備えるべきだとのは私も同意します。
            それに特異現象捜査部の部長として、看過できないことでもありますし・・・・・・・・・
            はぁ・・・・・・乗っかるようで癪ではありますが、居なくなった誰かさんの分も働かせて貰いますよ』

    ナレーション
     カナを通じて先生の手に渡った、ベアトリーチェの遺産。神秘に関する研究資料の所為である。
     ゲマトリアの1人が残した資料の中には、名も無き神々の王女とは別種の世界滅亡の危機の存在が記されていた。
     だからこそ、その対策と備えの為に・・・エリドゥに世界を救う本来の役割を全うさせることとなったのである。

    ヒマリ(通信)『超天才病弱美少女ハッカーは、いつも忙しいんですけどね・・・・・・まったく・・・・・・』

  • 172二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 01:14:20

    リオはどうなったんだ?
    原作通り行方をくらましたのか、横領の件で矯正局に行ったのか

  • 173二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 06:33:00

    ここでもやっぱりなのか

  • 174二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 10:00:30

    リオが雲隠れしないとカナ以上にシナリオに影響出ちゃうからな

  • 175二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 19:59:56

    実際やることはやっちゃったしな

  • 176二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:50:50

    流石に戻って来ないか

  • 177◆VLlUGaOg9c24/08/03(土) 23:39:58

    《一方、トリニティ総合学園 新校舎》

    ・・・なぁ、いい加減に帰らないか?

    リオ「・・・何を言っているの?貴方が私をここに連れてきたのでしょう?」

    それはリオが黙って居なくなろうとしたからな!別にアリウス分派に入れる為に連れてきた訳じゃない!
    というか、何時までも残られてると色んな意味で不味い!昨日ナギサに凄い顔で詰められた!

    ナレーション
     アリウス分派の生徒たちが集まる新校舎、シレッと居座り続けているリオを前に流石のカナも溜息を吐いていた。
     失踪しようとしたリオを奇襲屋の目聡さで捕まえたはいいものの、とうの本人は「合せる顔がない」の一点張り。
     とうとう居座り始めていた。

    リオ「・・・普通の転校生よ、問題ないわ」

    バカの私でも分かる。周りはそう思わないやつだ。

    ミサキ「もうミレニアムに連絡したら?」

    ・・・そうだな。リオにも心の整理が必要だと思って今まで待ってだが、正直、これ以上はナギサの追及が・・・・・・

    リオ「ちょっとまってちょうだい!?そう、変装すればいいわ!私が調月リオだと分からなければいいのでしょう?」

    ナレーション
     ・・・・・・何だかなんだ、リオがミレニアムに帰るのは相当先になりそうである。

  • 178二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 00:04:00

    おいリオ!お前ウッソだろ!?

  • 179二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 00:09:47

    おま…お前それは…
    なんか楽しそうだからいいかもうこれでw

  • 180二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 07:20:06

    カナちゃんナイス
    謎のトリニティ生が増えたけど元から人は多いしバレんやろ

  • 181二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 14:45:13

  • 182◆VLlUGaOg9c24/08/04(日) 20:53:44

    >>177

    《ミレニアムサイエンススクール 生徒会室》


    ユウカ「横領の次は、まさか失踪するなんて・・・・・・っ!」


    ノア「会長の性格を考えると「合せる顔が無い」ということなのでしょうけど・・・」


    ユウカ「それにしても、もう少し色々あるでしょ!引継ぎ資料とか!」


    ナレーション

     リオという会長を失った生徒会室では、残された役員たちが不満の声を上げていた。

     彼女たちは生徒会という接点もあって、他の生徒以上にリオと交流があった上、

     リオが残したのは「ごめんなさい」の一言が記されたメッセージのみ。

     業務的にも心情的にも、納得し難いのは当然であった。


    セミナーモブ「す、すいません・・・い、今、大丈夫でしょうか?セミナー宛に荷物が届いているですが・・・・・・」


    ナレーション

     そんな不満を漏らす幹部陣の期限を伺うように、一般役員の少女がやってくると会計のユウカは急いで笑みを作る。


    ユウカ「大丈夫よ、態々ありがとう。それで荷物っていうのは・・・?」


    セミナーモブ「それが大きい上に重たくって・・・運んできたのが郵送屋さんじゃないんです」


    ノア「郵送屋さんじゃない・・・?お客さんということでしょうか?」


    ナレーション

     2人は首を傾げながらも、一般役員の少女が案内したという応接間へと急ぐ。

  • 183◆VLlUGaOg9c24/08/04(日) 21:09:00

    >>182

    ナレーション

    応接間ではリーダーらしい赤髪の少女を中心に4人の生徒・・・それもゲヘナ学園の生徒たちがソファに腰掛けており、

    その背後には人1人は入るかもしれないほどの巨大な段ボールが置かれていた。


    ユウカ「すいません、お待たせしてしまって・・・!」


    アル「いえ、大丈夫よ。むしろ、急な訪問になってしまってごめんなさい。

       可能な限り急ぐようにという依頼だったから・・・・」


    ノア「依頼?ということは貴女たちは誰かに頼まれて?」


    アル「ええ、でも依頼主について話すことは出来ないわよ。

       私たちは便利屋68。金を貰えばなんでもする、便利屋。だけど、依頼主の信頼を裏切るような真似はしないわ」


    ユウカ「・・・そう、なら仕方が無いわね。お疲れ様、受け取りにはハンコを押せばいいかしら?」


    ナレーション

     便利屋68なる聞き馴染みのない組織を使ってまで誰が何を送ってきたのか?疑問は尽きないが、

     兎も角、彼女たちが荷物を届けてくれたことには違いが無い。そう判断すると、ユウカはそれ以上の追及を辞めた。

     真摯に自分の仕事に向き合っている相手に無理に迫るような真似をするのは良くないと思ったからだ。


    アル「不要よ。依頼主曰く、荷物にGPSが取り付けられていて配達されたかどうか分かるらしいわ」


    ユウカ「に、荷物にGPSっ!?本当に一体誰よ!?そんな怪しいもの送ってきたのは!?」


    ナレーション

     ユウカの疑問に答えを返せる者は、この場には1人も居なかった。

  • 184◆VLlUGaOg9c24/08/04(日) 21:22:19

    >>183

    ナレーション

    ということがあった後、セミナーに届けられた荷物は何が仕掛けられているか分からないということで、

    1度エンジニア部で調べることになった。のだが・・・・・・


    ウタハ「これは・・・っ!」


    ヒビキ「こんなモノ、作れる人はミレニアムの関係者でも相当限られるよ・・・・・・」


    コトリ「これはアンドロイド・・・いえ、義体でしょうか?」


    ナレーション

     巨大な段ボールの中には、文字通り人が1人入っていた。

     と、マイスターの称号を持つ技術者のウタハでさえも一目見ただけでは錯覚してしまうほどの精巧緻密な絡繰人形。

     その容姿はエンジニア部の良く知る人物に良く似ており、どういった用途で作られたのか?一目で考察出来た。


    ウタハ「・・・・・・こんなものを送ってくるぐらいなら、素直に残って罪を償えないのかい?・・・・・・リオ」


    ナレーション

     段ボールの中では、天童アリスそっくりに作られた機械人形が眠っていた。

  • 185二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 22:13:35

    ケイ用のボディか!

  • 186二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 06:23:50

    ここで便利屋の出番か

  • 187◆VLlUGaOg9c24/08/05(月) 06:56:34

    代理モブ「リオが便利屋に依頼した理由は普通の郵送屋や現在の自分と接点のあるアリウス生に頼んだら、
         そこから自分の居場所がバレるリスクがあるからです」

    代理モブB「直接の接点が薄くて、口が硬い運び屋として選んだわけですね。
         アリウス分派は補習授業でヒフミと一緒になってますし、先生とも縁があるので導線もありますし」

    代理モブC「そこまでするほど気にかけてるのにミレニアムには帰ってこようとしないから、
            カナの口からも苦言が出てるんですけどねぇ・・・・・・」

  • 188二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 15:15:52

    ミレニアムが危機に陥ったら謎のアヴァンギャルド仮面が助けに来るやつ

  • 189◆VLlUGaOg9c24/08/05(月) 22:18:51

    >>184

    モモイ「・・・遅くない!?」


    ナレーション

    事件の中心であったゲーム開発部はといえば、アリスが帰ってきて良かった良かったハッピーエンド。

    だったのは最初の2日ぐらいで、3日目にもなればモモイが急に不機嫌になり始め、とうとう怒りの声が上がった。


    ミドリ「・・・仕方ないでしょ、お姉ちゃん。カナたちアリウス分派はあのトリニティの新勢力なんだし、

        カナに至ってはティーパーティーのホストだよ?トリニティのトップの1人。忙しいに決まってるよ・・・」

    モモイ「そ、それはそうかも知れないけどさぁ・・・・・・でも、もう一緒に遊ぼうって約束してから3日だよ!?」


    ナレーション

     その原因はアリウス分派・・・というかカナにあった。

     事件を通して交流を深め、また一緒に遊ぼうとカナとゲーム開発部が約束したのが3日前。それからというもの、

     何の音沙汰も無い状況にモモイが痺れを切らしたという訳である。

     ・・・・・・もっとも、カナが連絡すら寄越せないほど忙しいのは彼女たちの生徒会長の所為でもあるのだが。


    モモイ「もうこうなったら、直接トリニティに乗り込むしかない!」

    アリス「おお!新マップ解放ですね!アリス、楽しみです!」

    ミドリ「ええっ!?」

    ユズ「ふふ、新しい冒険の旅に出発だね」

    ミドリ「ユズまでっ!?・・・もう、しょうがないなぁ・・・・・・」


    ナレーション

     こうして勇者一行は新たな冒険の旅に出ました。

     これからも勇者たちには数多くの試練が訪れることでしょう。ですが、大丈夫。

     彼女たちには頼もしいパーティーメンバー居るのですから・・・・・・

  • 190二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 23:08:10

    アポ無しなら門前払いされちゃうんじゃ?
    いや、カナの名前を出せばワンチャン?

  • 191二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 07:31:56

    まぁ勇者の旅には困難も付き物よ

  • 192二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 14:26:55

    とりあえずめでたしめでたし

  • 193二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 15:03:45

    やはりリオは潜伏生活かあ
    いや仕方ないけど

  • 194 ◆VLlUGaOg9c24/08/06(火) 20:38:47

    《トリニティ総合学園 本校舎 ティーパーティーの庭園》

    ナレーション
    報告書に一頻り頭を抱えた後、自分を落ち着けるために紅茶に口をつけると、
    カチャリと音を立てて、ナギサはカップをソーサーに戻した。
    出向先であるシャーレやミレニアムからの評価は非常にいい。いいのだが・・・・・・・・・

    ナギサ「トリニティやアリウス分派の評価と言うよりも、個々人に対する評価なんですよね・・・・・」

    ナレーション
    アリウス分派の・・・引いてはトリニティ総合学園の代表として出向していたのに、
    ミレニアムから名指しの感謝状が届くのか?「アリウス分派一同様へ」ではないのか?ナギサには分からなかった。

    ナギサ「これで外に根を張りに行ったみたいでは無いですか・・・・・・」

    ナレーション
    ナギサはカナが意図的に外部にコネや協力者を作るような、器用な真似が出来る人物では無いのは分かっている。
    カナは無自覚に他人を誑し込むタイプ・・・・・・自覚が無いからこそ、歯止めも効かないのだ。
    そして、カナにコネを悪用する意思がなくとも、周りはそう思わないのが政治の世界というモノで・・・・・・

    ナギサ「あのリオさん似の謎の生徒といい、本当に一体何をしてきたんですかカナさん・・・・」

    ナレーション
    ナギサが1人胃を痛めていると、庭園への扉が開きティーパーティーの一員である少女が現われた。

    ティーパーティーモブ「失礼致します、ナギサ様。
               神子柴カナさんの御友人を名乗るお客様が来られているのですが・・・・・・」

    ナレーション
    ナギサは眠るように安らかな笑みを浮かべ、フッと意識を手放した。

  • 195 ◆VLlUGaOg9c24/08/06(火) 20:42:11

    これで本当にエピローグも含めてパヴァーヌ編はお終いです。

    次回からは最終編か?閑話を挟むか?多分どちらかだと思います。
    要望が無いようでしたらこののスレ200迄で話を畳むことも考えて居ますが・・・まだ回収してない伏線もあるので、
    出来れば続けたいなとも思っています。

    ほいでは、今日のところはこれまで。また明日以降にお会いしましょう。

  • 196二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:59:58

    最終編も閑話もどちらも見たいです!

  • 197二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 05:35:06

    乙です
    続きも楽しみです

  • 198二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 07:15:05

    他の話も楽しみにしますね、お疲れ様です

  • 199二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:29:58

    もうちょっと見れるなら嬉しい

  • 200二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:37:35

    保守

オススメ

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