【閲覧注意】君と食卓を【トレウマ SS】【ドリームジャーニー】

[1 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:16:42]

「ではいただきましょう」
「いただきまーす」

資料が所狭しと積まれたトレーナー室でジャーニーと机を挟んで手を合わせる。
机の上にはハンカチに包まれた箱が一つずつ置かれている。
いわゆる弁当だ。
秋川理事長が学園の畑を開放してトレセン学園は空前の農耕と手料理のブームになっている。
そんな中つい数日前ジャーニーがお弁当を片手にトレーナー室にやってきて、次の日には僕の分も作ってくるようになりお昼は一緒にとるのが日課になりつつある。
ジャーニーはどこか大人びた笑みを浮かべてポットからお茶を注いでくれた。
瑞々しいその香りでトレーナー室が華やいだように思える。
ハンカチをほどくと二段積みになっている。
重さからすると結構みっちりと入っている感じだろう。

「ふふ」
「どうしました？　何かおかしなことでもありましたか？」
「ああ、高校生くらいの頃はよくこれくらいのお弁当を食べていたなって思ってさ」

下の段にはゴマが降りかけられた白米が詰められており、上の段はきんぴら、卵焼き、プチトマト、ブロッコリー、ハンバーグと種類も彩も豊かだ。

「母さんこんな感じで色々詰めてくれててさ、今ならわかるけどこれってすごい事だよねって」
「ええ、そうですね」

それに。
とジャーニーは言葉を続ける。

「トレーナーさんの母君と比べられるような感覚がありますね」
「まさか、他の人に作ってもらった料理を比較できるほど舌は肥えてないよ」

[2 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:17:04]

言いながら早速プチトマトに箸をのばす。
ほぼ産地直送のおかげかはじけるように瑞々しく、さっぱりとした酸味を感じる。
続いて卵焼きに移る。
おかずになるしっかりとした味付けのだし巻き卵だ。
ご飯がすすむ。

「じゃあ次はメインのハンバーグにいこうかな」

お弁当にいれるにはすこしばかり大き目のそれを箸で一口大に切り口に含むと――

「これって！？」
「ええ、おからを入れたハンバーグです」

おからハンバーグはぱさぱさした印象を持っていたがこれはちがうしっとりとした食感だ。

「ネオユニヴァースさんが豆腐作りを試行錯誤されていて、出てくるおからの消費方法に困っていたようですので試作品ですね」
「へぇ、すごくおいしいよ」

ジャーニーは満足げに笑みを浮かべながら。

「その様子ならオルに出しても平気そうですね」
「へぇ、少し意外かも」

おからが入ったハンバーグはどうしてもかさ増しを行ったという印象が湧いてくる。
だからこそジャーニーが混ぜ物したハンバーグをオルフェーヴルに用意するのは意外な印象だ。

「？　ああ、もちろんオルには出来得る限りの物を出していますよ」

そしてじっとこちらを見ながら話を続ける。

[3 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:17:25]

「おからは高たんぱくかつ低カロリーの優れた食材です、またオルが出来得る限りの美味への邂逅を願うのは当然でしょう」
「ごめん、変なこと言って」

いいえ。
とジャーニーは首を振り、こちらの手元のコップにお茶を注いでくる。
いつの間にかお弁当は空になっている。

「ふふっ、そうですね……悪いと思っているのなら、実は他にも開発途中のレシピがありまして、そちらの試食をお願いしても？」
「え？　それでいいの？」

それじゃあお詫びにならないんじゃ？
とも思うがスラスラと予定が組まれる。

「ええ、それでは品数が少々多いので今週末にトレーナーさんのお宅へ伺いますね」
「あ、うん　よろしく」

そう返したらジャーニーはかすかな香りだけを残して退室していった。

「……あれ？　もしかしてなにか軽はずみなことしてしまった？」

[4 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:21:03]

以上です。

食をテーマにした新シナリオなのでついついやってしまいました。

過去作はこちらになります。

【閲覧注意】君の手で【トレウマ　SS】【ドリームジャーニー】｜あにまん掲示板

【閲覧注意】貴方の隣で【SS】｜あにまん掲示板

ただキャラストーリー読んでちょっと変わってしまいましたが目をつぶっていただけるとうれしいです。

私はまだ正気です。

[5 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 01:40:50]

正気ってなんだよ
みんな狂ってるから正気か

[6 二次元好きの匿名さん 24/06/28(金) 02:10:11]

好き！！！
そうだよ、世の中には実装前にジャーニーssを3つ書きあげて、なおかつまだほかにもssを書く人だっているんだ
気にする事はないさ