- 1二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:01:44
- 2二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:02:57
- 3二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:03:26
これです!
- 4二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:08:58
因みにスレ主は電子脳の存在になったコユキが密かに皆のことをアーカイブしてたら面白そうだなと思いました…誰か書いてください。
そしたら僕も書きます - 5二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:30:05
保守
- 6二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:31:16
どっちかというとKeyの側の方が曇る感じになってるの好きだよ
- 7二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:39:37
ネル先輩なんかはどう接するんだろう
- 8二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:44:12
たておつ
コユキの倫理観無い部分が上手く作用しててとっても良い概念、好き - 9二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:56:30
コユキ(Keyの端末状態)の戦闘スタイルは通常時と変わってるのかな
銃じゃなく無名の守護者が使うような光弾を手のひらから出す感じで
「アリスちゃん風に言うならこうですかね…『ドルマドン』」
「にはは!アリスちゃん!これが魔法ですよ!」 - 10二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 16:57:35
コユキを一番悪い方向に使えそうなのkeyだしね
- 11二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 17:14:48
Keyの力になりたい、って言うコユキに先生はどう対応できるのかな
妥協案を提示できるのかどうか - 12二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 18:09:58
先生はコユキを説得するよりKeyを説得した方が上手くいくんだよな
AL-1SだってTSCで説得できたんだから行ける行ける - 13二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 18:22:40
- 14二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 18:45:33
- 15二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 19:25:08
愛や友情のあり方は可変式だから…
- 16二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 21:11:54
ヒマリに「そんな事をすればアリスの人格が置き換えられる」と言われても
「何言ってるんですか?破壊された人格を元に戻すだけですよ?」と不思議そうな顔で返すコユキ - 17二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 22:25:55
これコユキがKey発見したタイミング的にKeyは役目のない状態でコユキの友達になってるんだよな
AL-1Sが目覚めるまでの期間は打算のない友人関係だったと想像するとなかなか良い - 18二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 22:39:43
いずれ来たるべき王女の目覚めに備えていた可能性も
あるいは準備を整えたらコユキを利用して自分でアリスを目覚めさせるつもりだったかも
準備している内に何も考えず突撃したゲーム開発部に取られちゃったけど
- 19二次元好きの匿名さん24/06/30(日) 23:50:04
- 20二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 06:52:40
- 21二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 07:40:53
TSCの記憶アリスと共有してるけど体感が伴ってないケイにはまだTSCが利く説
コユキをたきつけて二人にTSCをやらせるゲーム開発部 - 22二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 13:37:38
- 23二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 13:55:44
ミドリ「お姉ちゃん、そんな時は撃ち落とせば良いんだよ..........そこっ!」バキューン!ボカーン!
ミドリ「ひとつ!」バキューン!ボカーン!
ミドリ「ふたつ!」バキューン!ボカーン!
ミドリ「みっつ!」
爆発して落ちていく兵器たち
コユキ視点だと落とされる度に頭を押えて苦しそうにしているKey
というシチュ、好き好き大好き
- 24二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 13:57:05
鍵(万物解錠)と鍵(世界崩壊)なので相性がいいと思われる
- 25二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 15:42:43
事態が収束した後はケイの方が常識人ロールに戻るだろうからゲーム開発部とセミナーのツッコミ役として末永く仲良しして
- 26二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:47:04
精神世界でゲーム開発部や先生、その他精神世界に突入してきた諸々に敗北し、アリスが現実に帰還した後の話
「…」
「大丈夫ですかKeyちゃん?」
「…はい、一応」
「無理しないでください。そんな表情のKeyちゃんなんて初めて見ましたよ」
「…」
「にはは…逃げられ、いえ、負けちゃいましたねぇ」
「そうですね…」
「アリスちゃんの心が思った以上に強かったのが敗因ですかね?まさかあそこまでKeyちゃんと使命を拒絶するとは思いませんでした」
「ここで、王女として目覚めてもらうつもりだったのですが…王女は随分と友人達、そしてこのキヴォトスを気に入ったようですね」
「…本当に大丈夫ですか?すごく辛そうな顔してますよ?」
「ええ、何も問題な「Keyちゃん」コユキ?」
コユキがKeyを抱きしめる。 - 27二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:47:19
「辛い時は、辛いって言って良いんですよ?」
「…」
「大好きな人に理解されない、大好きな人を理解できない辛さは、よくわかっているつもりです。私なんて、ユウカ先輩やノア先輩、リオ会長の考えていることが全くわかりませんし、逆に、皆が何に怒っているのか、私の何が不快なのか全くわかりません」
「…そうですね、そのおかげでまんまと私の駒になってくれました」
「はい、おかげでKeyちゃんに出会えました」
「まだそんな事を…」
「だからKeyちゃん、我慢しないでください」
コユキがより強くKeyを抱きしめる。腕はKeyの頭に伸び、Keyの頭を胸に抱き寄せるような体勢になる。
「我慢して、など…」
「…」
「…ぁ、……ぁ…」
コユキの胸元から発せられるKeyの声に、次第に嗚咽が混じり始める。だが、それを見て見ぬ振りするだけの良識はコユキにもあったようだ。 - 28二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:47:33
「落ち着きましたか?」
「…」
「そんな不貞腐れた顔しないでください。別に私は何も思ってないですよ」
数十分後、落ち着いたKeyとコユキが改めて向き合う。が、Keyは先ほどの自分の醜態を思い出してコユキと目を合わせようとしない。
「…Keyちゃんは、これからどうするつもりですか?」
「…少なくとも当分はここ、王女の精神の奥で待機ですね」
「その後は?」
「使命から逃げることはできません。いずれまた時は来ます」
「そうですかぁ…」
「…コユキは、どうするつもりですか?」
「うーん…どうしましょうねぇ…」
「『どうしよう』とは…元の体に戻れば良いのではないですか?」
「流石の私もこんな事したら許されない事ぐらいわかりますよ。ユウカ先輩達も愛想を尽かしたでしょうし、ゲーム開発部や先生、アリスちゃんを助けに来た皆も私を許しませんよ。もう反省室でも済まないでしょうね」 - 29二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:47:49
「では…どうするつもりで?」
「本当にどうしましょうねぇ…とりあえず私の体の方は仮死状態にしてきました」
「何を勝手に!?」
「にはは!あの体はもう使えないですからね!」
「もっと自分の体を大切にしてください!」
「Keyちゃんの端末にした時点で今更ですよ」
「それは…」
Keyは少し言い淀むと、コユキに問いかける。
「…なぜ、」
「?」
「なぜあの時、王女…いえ、アリスの手を取らなかったのですか?」
アリスが光の剣でこの空間を撃ち抜き、脱出する時、確かにコユキに向かって手を伸ばしていた。「一緒に帰ろう」と言うように。その手を掴み、そしてアリスがコユキのやった事を取り成せば、まだコユキはミレニアムに帰れたかもしれない。
「いやいや、取れるわけないでしょう」
しかし、コユキはその考えを一蹴する。 - 30二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:48:06
「だって、そしたらKeyちゃんが一人になっちゃうじゃないですか」
「…」
Keyは、何とも言えない微妙な表情をする。困惑、後悔、悔悟、そして僅かな喜びが顔に見え隠れする。
「…今からでも遅くありません。それに、私はただ『お友達ごっこ』をしていただけであって「私は本気でしたよ?」
…またそのような事を…」
コユキが、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「とにかく、私はKeyちゃんの側から離れません!」
「…そうですか。そこまで言うなら、好きにしてください」
「はーい!」
そう言うとコユキは花の咲くような笑顔を見せる。Keyからすれば不思議でならない。
「それにしても、すごいですねぇ私の体」
「何がですか?」
「いや、さっき仮死状態にしたって言ったじゃないですか」
「はい」
「私の中に埋め込まれた機械の方で最低限の生命活動を維持してるので、呼吸どころか心臓も普通の仮死状態以上に活動が止まってるみたいなんです」 - 31二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:48:23
「…それ、もしかして本当に死んでいると思われて火葬されませんか?」
「その時はその時ですね!」
「少しは自分の体を大事にしなさい!何なら先ほどもかなり危なかったんですよ!?」
アリスが精神世界を撃ち抜いた時、精神世界はかなり不安定になっていた。それまでの精神世界、現実世界両方での戦闘もあって、コユキも精神的にかなり疲弊していた。場合によっては二度と体に戻れないどころか、意識と命そのものが危なかった。
「?いや、それに関しては大丈夫だったと思いますよ?」
「また自分の身の安全を軽んじて…っ!」
「いやだって、Keyちゃん私の精神にものすっごく厳重なプロテクトかけてくれたじゃないですか。何ならKeyちゃん自身の戦闘にも少し支障が出そうなぐらいには」
「っ…」
「あれ、もしかして気付いてないと思ってたんですか?」
「…」
「あ、そうだ。お礼が遅れましたね。あの時、私を守ってくれてありがとうございました」
「…はぁ」 - 32二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:48:41
「それで、本当にこれからどうします?」
「少なくとも私は、王女が使命を果たす時が来るのを待つつもりですが」
「退屈ですね〜」
「帰ってもいいんですよ?」
「それはもっと嫌ですね〜…あ、そうだ」
「?」
「今まで、私、Keyちゃんの依頼をたくさんこなしてきましたよね?」
「そうですね」
「じゃあ、ドカンと大きなご褒美があっても良いんじゃないですか?」
「…まぁ、私にできる範囲であれば構いませんが」
「それじゃあ…!」
──────────────────────
キヴォトスの、ある川の岸…それも人っ子一人寄り付かないような僻地にて。一体のロボ市民の亡骸(残骸?)が横たわっていた。キヴォトス人がいかに物理的に丈夫とはいえ、水難事故はどうしようもない。故に、人口も膨大なキヴォトスではそれなりの頻度でこのように不幸な事故で亡くなる市民は存在する。彼もまた、そんな8日前にこの川の上流で転落し、そのままここに流されてきた不幸な人物の一人であった。
『…』
しかし、その何も写さなくなって久しいモニターに、僅かな光が宿る。 - 33二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:48:56
『再起動完了』
スピーカーからひび割れた少女の声が響く。
『利用可能な計算資源にアクセス、プロトコル・アトラハシース限定起動』
『当機をDivi:sion所属特殊機体、【無名の守護者TypeKK】として登録。再構築を開始します』
同時に、周辺に市民の遺体と同じく打ち上げられていた魚達もまた市民の亡骸に吸い寄せられていく。
『生体資源の存在を確認。AL-1S型人工タンパク質への再構築開始』
『計算資源確保完了、侵入を察知された形跡なし…やりましたねKeyちゃん!』
『無駄口を叩かないでください。まだ終わってません』
市民の亡骸が形を変えていく。無骨でメタリックだった見た目は、徐々に少女の姿になっていった。
『再構築完了。活動を開始します』
3分後、そこにはボロ切れを身に纏った少女がいた。顔や体のパーツはコユキに近いものの、背は誤差程度に高い。そして、その長く美しい黒髪とピンクというより赤に近い瞳を見れば、コユキの面影を感じる者はいるだろうが全くの別人にしか見えないだろう。
「いやぁ、何とかなりましたねKeyちゃん!」
「思った以上に大変でしたがね」
それは、コユキ、そしてKeyの新たな体。「名もなき神々の王女」としての機能は全て省略し、できる限り身体スペックをAL-1Sに近づけた、二人の努力の結晶だ。
「でも、これであちこち見て回れますね!」
あの後、コユキはKeyに「キヴォトスの各地を一緒に巡る」事を提案していた。どうせ暇だし、何なら後で滅ぼすならもう二度と観光できない、なら今のうちにあっちこっち行っておいた方がお得だとKeyに言い、Keyも「コユキがそれで良いのなら」と受け入れた。 - 34二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:49:25
「そうですね、と、その前に…」
そう言うと、Keyは唯一機体に使用せず残しておいたロボ市民のパーツを手に取る。
「それは?」
「この市民の登録ナンバーが記載されているパーツです。体を利用させてもらった礼です。服を確保したらヴァルキューレに適当な説明をして引き渡しましょう。遺族がいれば墓を建ててくれるでしょう」
「あ、確かにそれぐらいはしないとですね!」
次に、Keyは近くに市民の遺体と同じく流れ着いていた長いバールを手に取る。
「そっちは?」
「近接武器です。光弾よりも燃費が良いですから」
「なるほど!」
「先の戦闘で光弾の扱いには慣れたでしょう。遠距離はそちらに任せます。近接戦闘は私が」 - 35二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 18:49:38
「…意外とKeyちゃん脳筋?」
「失礼な、合理的な判断です。では、行きましょうか」
「はーい。最初どこ行きましょうかね?」
「コユキの好きなように」
「Keyちゃんは行きたい所ないんですか?」
「特にないですね。そんな事今まで一度も考えたことありませんでしたし」
「うーん…それじゃあ、ミレニアムは論外ですし…ゲヘナは最初に行くのは不安ですね。トリニティにしましょうか!」
「では、それで」 - 36二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 20:37:11
すげー良SSだ…
- 37二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 21:48:21
- 38二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:05:19
後輩の死体を忘れられないノアが重症
- 39二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:06:03
はよ帰ってきなさい
- 4026~3524/07/02(火) 00:06:43
- 41二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:11:36
二人が偽名名乗るとしたらどうなるんだろう
- 42二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:53:17
- 43二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:59:57
- 44二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:03:07
Keyの苗字もゲーム会社から取るとすると…Kから始まるゲーム会社ってなるとKOEIとかかな?
高栄ロク?
使う体は同じだから名前は一つで済むな - 45二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 06:47:40
- 46二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 16:25:42
よりにもよってメインストーリーの次の舞台に行くのか…
- 47二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:23:47
トリニティのとあるレストランにて。長い黒髪の少女が新聞を読みながら黙々と朝食を取っていた。なお、見た目では静かに朝食を取っているが…
(イングリッシュブレックファストというのは美味しいものですね…「トリニティで美味しい食事をとりたければ朝食を3度取れば良い」とはよく言ったものです)
(KeyちゃんKeyちゃん!次は私が食べます!)
(はいはい、と言っても感覚は共有してるはずですが)
(こういうのは自分で食べたくなるんですよ!)
内面はかなりやかましいようだ。
(そういうものですか?落ち着いて食べてくださいね)
(はーい!…美味しいdゴホッ!!!..ヴ...ゲホッゴホッゴホッ..)
(言わんこっちゃない…)
少女が突然吹き出し、そばに置かれた紙ナプキンで口の周りを拭っているのを、周囲の客が生暖かい目で見守る中、少女の体の中に宿る二人は行き先の相談を始める。
(まずはどこに行きますか?)
(トリニティに行くって決めたのは私なので、Keyちゃん好きに決めちゃって良いですよ)
- 48二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:24:06
(ふむ…強いて言うなら、歴史的建造物とかを見たいですかね?トリニティなら歴史ある聖堂がそれなりの数あるでしょう?)
(じゃあそうしますか!さっき作った電子小切手で路銀の調達も完了しましたし!)
──────────────────────
ミレニアムの医務室にて。一人の桃色髪の少女が真っ白なベッドに寝かされていた。そして、その医務室に入ってくる少女が一人。
「…」
セミナー会計、早瀬ユウカ。リオが行った多額の横領、Keyとコユキ起こした大事件。その後始末に追われながらも、時間を見つけては医務室にやって来ていた。
「…本当に、綺麗な顔して…寝ている、わね」
ユウカは自分に言い聞かせるように目の前のコユキを「寝ている」と言ったが、その状態は睡眠というより限りなく死に近い。呼吸はすでに止まり、脈拍ももはや誤差程度にしか計測できない。ただわずかな対光反射だけが、コユキがまだこの世に何とかとどまっている証だった。
「…ごめんなさい」
ほぼ無意識に、謝罪の言葉と、涙が溢れる。
「ごめんなさい…何も、してあげられなくて。何も、わかってあげられなくて…」
──────────────────────
(まずはここですね。おおよそ350年前に建てられた聖堂だそうで)
(観光サイトでの口コミも上々でしたね!)
数十分後、ある巨大な聖堂の正門前に少女の姿があった。周囲は多くの観光客で溢れかえり、少し離れたところには出店もいくつか並んでいる。まさに観光地といった感じだ。 - 49二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:24:55
(最近の聖堂というのはすごいですね。解説パネルやQRコードによるより詳細な解説も充実しているようです)
(外から見てもステンドグラスが綺麗ですね〜)
(中から見るのが楽しみです。アレを完成させるのにどれほどの時間がかかったのか…おや、ボランティアによる見学ツアーですか)
(参加したいんですか?)
(できれば。こういうのはとても参考になりますし)
(了解です!)
(では…)「すいません、参加申し込みは可能ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。お名前は?」
「…高栄ロクです」
………
(ボランティアさんの解説が終わった後も物凄く長い時間見学してましたね…大体2時間半ぐらいですか?)
(退屈でしたか?)
(少しだけ。でも、Keyちゃんの楽しそうな姿が見れたのは嬉しかったです!) - 50二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:25:23
(…次からはもう少し早足で見ますか)
(いえいえ!Keyちゃんのしたいようにしてください!)
──────────────────────
「ユウカちゃん…」
医務室に、もう一人の人物が入ってくる。
「…ノア、来たのね」
「…ユウカちゃんのせいじゃ、ないですよ」
「…」
ユウカは一瞬ノアの方に振り返った後、再びコユキの方を見る。
「ノア」
そして、ぽつり、ぽつりと話し始める。
「私は、多分、ミレニアムの中でも一番ぐらいにコユキと関わってきた」
「…そう、ですね」
「なのに、コユキに全く寄り添えなかった」
「そんなこと…」 - 51二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:25:53
「だから、こうなった。コユキは、Keyと一緒に眠りにつくことを選んだ」
「…」
「私もね、コユキのことを分かろうとはしたのよ。どうしたら、わかってくれるのかも。でも、考えてみると…結局、叱ってばっかりだったと思う」
ユウカは自嘲するような笑みを浮かべる。
「本当に、私、何をやっていたのかしらね…」
──────────────────────
「せいっ!」
「ひでぶっ!」
「はっ!」
「あべしっ!」
「そーい!」
「うわらばっ!?」
大聖堂からある程度はなれたトリニティの裏路地。不良たちの悲鳴と少女の声、肉を叩きつける鈍い音が響く。
「…終わりましたか」
(っぽいですね) - 52二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:26:11
Keyとコユキは少し表通りから離れた途端不良生徒たちの襲撃を受けていた。まぁ、基礎スペックに物を言わせて頭に叩きつけられるバールと正確無比な光弾、半分飾りと化していたものの時々思い出したように撃ち込まれる拳銃の前には無力だったが。
(どうして襲われたんでしょうね?)
(…あ、もしかして)
(コユキ、心当たりでも?)
(この服、結構良いものじゃありませんでしたっけ)
(あぁ、なるほど…)
二人が人里に到着した後、最初に行ったのは服の確保であった。何しろ身に纏っていたのはボロボロになった服。治安の悪いキヴォトスではちょくちょく見かける服装であるが決して望ましくはない。そんな訳でコユキがちゃっちゃと資金を確保した後、そこら辺の詮索をしてこなさそうな服屋に入り適当に服を調達。二人ともファッションに特にこだわりがなかった上、金にも困っていなかったので適当に選んだ結果、それなりに良い服を着ることになっていた。
(高級な服を着た小柄な生徒が一人で裏路地に入ったからカモだと思われた、と)
(にはは、服買い替えた方が良いですかね?)
(かもしれませんね…ん?)
「確か音はこの辺りから…あ、見つけました!!トリニティの審判者、宇沢レイサ、ただいま参上です!!!!そこの人!!!大丈夫ですk…あれ?」
(…何やら随分と…)
(にはは!賑やかな子が来ましたね!) - 53二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:26:24
──────────────────────
「チッ…」
ユウカとノアが去った後の医務室、入れ替わるように別の生徒がやって来ていた。
「あんな事件を起こしておきながらグースカ寝てるたぁ、良いご身分だな?」
美甘ネル、先の事件でエリドゥ攻略、そしてKey撃退の主力になった生徒だ。
「テメェはいっつもそうだった。騒ぎを起こして、アタシらにとっつかまって、会計達に叱られて、それでもケロっとして…」
何も返事をしないコユキに向け悪態をつくものの、その声は次第に小さくなっていく。
「…テメェは、どうやったって擁護しようのねぇ、根っからのカスだが…」
それでも、誰にも聞こえることのない言葉を投げかけ続ける。
「誰も、いなくなった方が良いなんて言ってねぇだろうが…!」
そして、同時にやり場のない怒りも。
「誰が、消えろって言った…」
そう言いながら、ネルは拳を強く握りしめる。キヴォトス人でなければ血が出るどころか、骨が折れるような力で。
「早く、目ぇ覚ませよ…お前が戻らねぇと、誰も笑って終われねぇんだよ…!」
ネルの絞り出すような声は、誰にも届くことなく、病室の中に消えていった。 - 54二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:28:01
以上コユkeyのトリニティ観光(多分前編)
- 55二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 19:29:39
温度差で風邪ひきそう
- 56二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:06:01
とんでもなく激しいジェットコースターに乗ってる気分...すっごく良い...
- 57二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:19:12
これで後編もあるとか最高か?
- 58二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:49:57
これコユキ帰ってきて
「え?今まで何してたか、ですか?えーっとまずはKeyちゃんとトリニティに行って…」
とか言ったら引っ叩かれるんじゃないかな…
ユウカは「無事でよかった…」って何度も言いながら泣いてるだろうけど - 59二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 08:28:11
しかしパヴァーヌ2章のルートを考えれば考えるほどリオが不憫な感じがするな……
「Keyによるアリス乗っ取り」が最終段階で初めて起こる、ってことはそこまでアリスはアリスのまま
とするとリオは何の罪もないアリスを引っ捕えることになるんだよな
多分度重なる「無名の王女に接触しようとした形跡」に危機感を煽られた結果だし、この「接触」が成立してたならその瞬間にキヴォトスはゲームオーバーだったろうことを考えるとリオはこれ以上ない活躍をしてる
せめてエリドゥくらい残してあげられないかな - 60二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 08:42:54
ヒマリもヒマリで
「アリスは可愛い後輩です♡」って言ってリオと対立した挙句
コユキとKeyとの接触に気づかずにキヴォトス崩壊の危機に晒されたってわけなんだから
相当メンタル参ってるはず