- 1二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:47:42
前スレ
https://bbs.animanch.com/board/3506917/?
・このようなスレタイですが、ぜひ自由に色々と語ってください。
・SSなども自由に書き込んでください。SS最高。
・ヒナとメタナイトの親和性ってすごいと思う。
- 2二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:48:49
- 3二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:51:10
とりあえず早くデカグラマトン編のストーリー見なきゃ…じゃないとスタアラ編が書けない…
- 4二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 22:55:00
でも調べてみると、デカグラ3人娘についてまだ詳しく分かっていないみたいで、ちょっと震えてる。
…ならカービィ要素を盛り込むしかない! - 5二次元好きの匿名さん24/07/01(月) 23:36:35
後は落とさないよう書き込まなくては…!
もうスレ管理ガバって落としたくない(1敗) - 6二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 00:31:43
- 7二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:18:29
前スレ埋め終わりました
というわけで、タチカビ編の続き上げていきます
といっても流石に夜遅いので途中までですが… - 8二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:19:18
前スレ185の続き
マコト「な、なんだ…。何なんだ、あいつは!?」
ヒナ「――そう。そういう、事だったのね」
イロハ「風紀委員長?何を」
ヒナ「私たちは、力を得た小塗マキが暴走し一連の悪事を働いていると思っていた」
ヒナ「でも、それは間違いだった」
ヒナ「真の黒幕は今目の前に浮かんでるあいつ」
ヒナ「絵画の魔女を名乗る、化け物よ」
絵画の魔女『ヒッヒッヒ…言ってくれるじゃないか、白チビ』
絵画の魔女『だけど、一つだけ訂正しな。私は化け物なんかじゃない』
絵画の魔女『私は、ただの絵画。いや…正確には、絵画だったものとでも言おうか』
(そうして、魔女は語っていく)
(かつてこのキヴォトスに存在した、とある生徒)
(卓越した技術も、ずば抜けたセンスも持たない。ただ野心だけは人並み以上にあったその生徒は、己の実力を世に知らしめるべく一枚の絵を描き上げた)
(その絵こそが、目の前にいる絵画の魔女の起源となった絵画であり――そして、全ての始まりとなった呪いの絵画だった)
絵画の魔女『私を描いた奴は、そりゃあ自信満々だったさ。「これで有名になれる。キヴォトスの歴史に名を刻む、渾身の力作だ』ってね」
絵画の魔女『だけど。願いは叶わなかった』
絵画の魔女『私は、誰からの評も得られず、数ある凡作駄.作の一つに数えられたのさ』
(生徒の絶望はいかばかりか。無念は、屈辱は、どれ程のものだったのか)
(今となっては知りようもない話)
(ただ一つ明らかなのは――その絵画は、それ以降二度と表舞台に姿を見せる事がなくなったという事だけ) - 9二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:19:36
絵画の魔女『お前達にはわかるまい…!どれ程望み、願い、欲しても。誰からも目を向けられず、そればかりか光を浴びる事さえ叶わない屈辱というものが!』
絵画の魔女『憎悪、憤怒、怨嗟。その全てが私を形作り、生まれ変わらせた!』
絵画の魔女『今の私は、倉庫にしまわれるだけのガラクタじゃあない。私を嘲った者、私に見向きもしなかった者。私を冷遇した全てに対する、復讐者さ!』
(絵画の魔女が哄笑し、周囲の空間が歪に変じていく)
(それはまるで、魔女の精神世界そのものを具現化したかのような禍々しさに満ちていた)
ヒナ「自我に目覚めた絵画…。まさか、そんなものまでこの街に眠っていただなんて」
マコト「ふん!どこのどいつか知らんが、たかだか一度の挫折でへし折れた輩が残した傍迷惑な置き土産じゃないか!」
マコト「そんなモノがこのキヴォトスを、マコト様が支配するべき学園都市を脅かすなど烏滸がましい!ここで完膚なきまでに叩き潰してくれる!」
イロハ「どこから出るんですか、その自信は…?」
ホシノ「うへ~。――でも、今回ばかりはマコトに賛成かな」
ホシノ「どれ程望んでも、誰からも手を差し伸べられない。その痛みや苦しみが、全く理解できないとは言わない」
ホシノ「けど。その為に関係ない誰かを傷つけたり、まして私たちの居場所まで奪おうって言うのなら絶対に許さない」
ホシノ「だから――ここで終わらせよう、絵画の魔女。その怨念も野望もここが終着点だ」
絵画の魔女『ほざけ!さっきは油断したが、もう次はない!お前達の方こそ叩き潰して、永遠に絵の中に閉じ込めてやるよ!』
(絵画の魔女が魔力を漲らせ、ホシノ達に迫る)
(最終決戦が始まろうとしたまさにその瞬間)
マキ「あ、あの~……。あたし、今一つ状況についていけてないんだけど。どうすればいいかな?」
ホシノ「あ。ごめん忘れてた」
マキ「ひどい!?」
ヒナ「…とりあえず、私たちの傍にいるか適当な所に隠れてなさい」
(改めて、ホシノ一行+マキvs絵画の魔女との最終決戦の火蓋が切って落とされる――!)
- 10二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:19:56
(絵画の魔女の攻撃は苛烈を極めた)
(先の敗北を意識してか、攻撃はホシノ達から常に距離を置いての魔力弾爆撃や使い魔による自爆特攻ばかり)
(たまに距離を詰めてきた時も、その巨体による突進攻撃が主で付け入る隙というものをほとんど見せつけなかった)
ホシノ「うへ~。啖呵切ったはいいけど、この魔女全然近寄ってこないよ~!」
イロハ「どうやら相当さっきの敗北が堪えたみたいですね」
マコト「ええい、近寄ってくればこのマコト様の一撃を叩き込んでやるというのに…!もどかしい!」
ヒナ「けど、敵も決して無傷じゃない。少しずつでも、確かに消耗しているわ」
(ヒナの指摘通り、絵画の魔女の動きは徐々にだが鈍りつつあった)
(いかに距離を置いていても、飛び道具と突進攻撃ばかりでは中々決定打には届き得ない)
(だがそれは、イロハ以外飛び道具に乏しいホシノ達にも言えた事であり…)
イロハ「さすがの私も、あれだけ距離を置かれてちゃ難しいですね…。そうでなくてもこっちの主砲は連射できませんし」
マコト「むむむ…!ハッ、閃いたぞ!さっきのように、もう一度挑発してみるのはどうだ!」
(マコトが先程の戦いを思い返し、挑発作戦を提案する)
(確かに、直前の戦闘では先生の提案による挑発攻撃が功を奏したが)
ヒナ「どうかしらね。あいつは傲慢だけど、決してバカじゃない。一度嵌まった作戦に二度嵌まる程愚かでもないでしょう」
マコト「言ってみなければ分からんだろう!――おい絵画の魔女!そんなところでチマチマ暴れてないで、こっちにやってきたらどうだ臆病者!それとも絵画の魔女ならぬ怯懦の悪女にでも改名したらどうだ、情けない奴め!」
イロハ「ほんとこの先輩、こういう時は生き生きしてますね」
- 11二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:20:28
(が、マコトの挑発も虚しく。絵画の魔女は遠くで笑うばかりで一向に距離を詰めてこない)
(それどころかお返しとばかりに、再び魔力弾の雨あられを降らせてきた!)
マコト「どわぁあああっ!?」
ホシノ「うひゃ~!」
イロハ「危なっ…!こりゃダメですね、奴さん完全に引き撃ちを決め込むつもりみたいです」
ヒナ「やっぱり、少しでも地道に削っていくしか…」
(その時、先生絵筆が何かを決意したかのようにホシノの元へ近づいてきた)
ホシノ「先生?危ないから、もっと離れて――」
先生絵筆(空中に文字を描き込んでいく)
ホシノ「『考えがある』?」
(矢継ぎ早に文字を書き、作戦を説明していく先生)
(その内容に当初は驚いた顔を浮かべたホシノ達だったが、やがて)
ホシノ「――やってみよう、みんな」
マコト「おい、本気か!?いくら何でも無謀が過ぎるぞ!」
ヒナ「マコトに同意するのは癪だけど、私も同じ考えよ。失敗した時のリスクを考えたら…」
ホシノ「でも、このままじゃどの道じり貧な事に変わりはない。そうだよね?」
ヒナ「それは、そうだけども」
ホシノ「大丈夫だよ。なんてったって『あの』先生が考えた作戦なんだから。もしもヤバくなったとしても、カバーしてくれる。だよね先生?」
(ホシノの問いに先生絵筆がこくこくと頷く)
(その反応を確かめると、ヒナもまた渋々と言った様子で溜息を吐いた)
ヒナ「…やりましょうマコト議長。小鳥遊ホシノの言う通り、このままじゃ私たちも消耗するだけ。だったら、余力のある内に一か八かに賭けた方がいい」
マコト「正気か、風紀委員長!お前はもっと、冷静な性質だと思っていたんだが!?」
- 12二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:20:49
イロハ「まあこの人、こうと決めたら突っ走るタイプですし。でなきゃ自分で自分の戦艦沈めたり、うちに喧嘩売ってきたりとかしないでしょう?」
マコト「ぐぬぬ…!そ、そういうお前はどうなんだイロハ!こんなバカげた作戦に本気で乗るとでも!?」
イロハ「そりゃまあ、普段ならたとえ先生の頼みでも遠慮したい所ですけどね。でも、今回ばかりはそうも言ってられないでしょう?」
イロハ「何より、イブキを元に戻さなきゃならないという目的もあります。だったら、多少博打が絡んでてもやりますよ、私は」
マコト「!」
(イブキ、という名前にマコトが目を見開く)
(同時に何かしら覚悟を決めさせるものがあったのか、それまでとは一変し動揺を捨てた真顔になった)
マコト「――いいだろう。お前がそこまで言うのなら、上司である私も乗らんわけにはいかんな!」
マコト「この戦いの成否、お前に託すぞ小鳥遊ホシノ!マコト様が力を貸すんだ、万一にもしくじってくれるな!」
イロハ「…はあ。相変わらず、分かりやすいというか動かしやすいというか」
ヒナ「どうあれ、乗り気になったんだから言いっこなしよ。さあ、やりましょう小鳥遊ホシノ」
ホシノ「オッケー。それじゃ――作戦開始だ!」
(ホシノの掛け声をきっかけに、各々が動き出す)
(一方、遠目からその様子を伺っていた絵画の魔女はというと)
絵画の魔女『なんだ…?あいつら、一体何をしてる?』
(それは、まるである種の組体操を思わせる陣形だった)
(イロハ戦車の主砲、その先端部にマコトが取り付き)
(さらにその上に乗っかる形で、ホシノとヒナが重なる)
(そして先生絵筆が、ヒナの体毛にくるまる形でくっつき――全ての準備は整った!)
イロハ「発射準備完了。いつでも行けます、マコト先輩」
マコト「キキキッ!こちらも準備完了だ!いつでも撃て、イロハ!」
マコト「…一応言っておくが、間違っても実弾ごと撃つなy「了解、発射します」」
マコト「何――ぬおわぁああああっ!!?」
- 13二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:21:22
(マコトの指示?を受け、イロハ戦車が主砲を撃つ)
(だがその砲撃には本来込められている筈の砲弾はなく――いわゆる、空砲と呼ばれる類のものだった)
イロハ「実際やってみたのは初めてでしたが…どうやら上手くいったみたいですね」
マコト「おおお!覚えてろよイロハぁあああああ……!」
イロハ「…いや。マコト先輩が『いつでも撃て』って言ったんじゃないですか」
(ボヤく間にも、飛行船マコト号は絵画の魔女めがけ勢いよく飛んでいく)
(驚いた絵画の魔女から、迎撃の魔力弾が次々に飛んでくるが)
マコト「ぐ、ぬぬ――このマコト様を、舐めるなぁっ!!」
(射出の勢いを制御し、マコトは魔力弾をことごとく搔い潜る)
(見る見る内に絵画の魔女との距離が詰まり、あと少しの所まで肉薄した!)
ヒナ「上出来よ、マコト。――準備はいい?小鳥遊ホシノ」
ホシノ「もっちろん。いつでもいけるよ~!」
ヒナ「了解。それじゃあ先生、お願い」
(先生絵筆がヒナの体毛から抜け出し、ヒナの背中を強く突く!)
(するとヒナの身体は勢いよく跳躍し、空中へと飛び上がった!)
(眼前に、絵画の魔女の全身が迫る――!)
絵画の魔女『何、だと!?』
ヒナ「ここまで来れれば十分。後は任せたわ、先生。そして、小鳥遊ホシノ」
ホシノ「任された。――先生!もう一度お願い!」
(先生絵筆が空中にレールを描き、絵画の魔女への最短ルートを作り上げる!)
(さらに筆先へ最大級の力を込め、ホシノを思いっきり突き飛ばした!)
- 14二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:22:02
(レールによる加速も重なり、ホシノは見る間に絵画の魔女へと迫っていく…!)
絵画の魔女『馬鹿め!真正面から来ると分かっていて、何もされないとでも思ったか!』
(だが、絵画の魔女とて無防備ではない)
(迫りくるホシノに向け、最大級の使い魔を呼び出し爆破させようと試みる!)
(距離が距離だけに魔女自身もただでは済まないが、成果を思えば安い代償だった)
(加速するホシノは避ける事もできず、まともに使い魔と激突。空中で大爆発を起こし、盛大な爆炎が上がる…!)
マコト「ぬおおおっ!?」
ヒナ「くっ――小鳥遊、ホシノーー!」
(マコトとヒナも爆風に煽られ、あわや吹き飛ばされかける)
(しかし間一髪のところで先生のフォローが間に合い、かろうじて空中に描かれた線が彼女たちを受け止めた)
(そして、ホシノは――)
絵画の魔女『アッハハハ!ザマァみろ!いくら何でも、この規模の爆発に巻き込まれちゃ――』
ホシノ「巻き込まれたら、何だって?」
(絵画の魔女が、今度こそ硬直する)
(立ち上る黒煙、その只中を突っ切りホシノが姿を現した)
(さすがに無傷とはいかず、所々焦げてこそいたものの勢いは止まらず――むしろ、加速しているまであった)
絵画の魔女『バカな…!そんな、バカな!!』
絵画の魔女『お前は、一体何なんだ――!?』
- 15二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:22:13
- 16二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:23:09
以上、ここまで
途中までのつもりでしたが、スレ数に足りなかったので全部上げちゃいました
これにて最終決戦は完結
次回、エピローグとなります
↓は上げそびれたBGM
- 17二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 01:48:59
- 18二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 10:35:08
ほー!保守!
- 19二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 10:51:30
- 20二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:38:02
いつでもグースーカーピー
ホシノカービィ〜♪ - 21二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:40:49
>>15の続き
――こうして。絵画の魔女によるキヴォトス改変事件は無事解決しました。
魔女の力が失われた事で、改変された都市も元の姿を取り戻し、歪な絵画からいつもの学園都市に戻っていきます。
シロコ「ン!ン……?」
セリカ「ンナ!?」
(上空からシロコ達とアビドス自治区に向け、光の粒が降り注ぐ)
(その粒子を浴びると――)
シロコ「――ん。これは」
セリカ「も、戻った…?やった!元の姿に戻ったぁ!!」
ノノミ「ん~!何だか身体がガッチガチです~」
アヤネ「ずっとメロンになってましたからね、ノノミ先輩。私も何だか視点が高くて調子狂いそうです…」
アビドスだけではありません。
トリニティでも、ゲヘナでも。百鬼夜行や山海経、レッドウィンターにD.U.区にも、平等に光の粒は降り注いでいきました。
ナギサ「これは…もしや…!」
セイア「どうやら、先生たちが上手くやってくれたみたいだ」
ミカ「ウホウホ…じゃない、もう普通に喋れるんだった。ん~、やっぱりこの姿の方が私らしくて落ち着くかも☆」
ナギサ「それは何よりです、ミカさん。――ところで、約束の件は覚えてますよね?(ゴゴゴ)」
ミカ「な、ナギちゃん?元に戻れたんだからゴリラだった時の事は言いっこなしって事で……ダメ?」
ナギサ「だ・め・で・す♡(ミカの口にロールケーキをねじ込む)」
- 22二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:42:20
シュロ「くっくっく…!何が何だか分かりませんが、ようやく元の姿に戻れましたよぉ…!」
シュロ「さあ!今の今まで不自由にされていた分、思う存分暴れに暴れて」
???「残念だけど、それは無理」
シュロ「へえ?」
ユカリ「そこの不埒者、御用ですわ!」
キキョウ「通りすがりの親切な生徒……いや生徒(クジラ)?さんから事前に通報を受け取っていてね」
レンゲ「つーわけだ、痛い目見ない内に降参する事をおススメするけどどうだい?」
ナグサ「既に包囲網は完成してる。大人しくすれば危害は加えない。…どうする?」
シュロ「な、な、なぁ…!?」
シュロ「~~~!あぁのピンク頭!覚えてやがれェえええ!!!」
そして。ミレニアムにおいても――
エイミ「う、ん…?」
ヒマリ「目が覚めましたか、エイミ」
エイミ「ヒマリ、部長?あれ、私いつの間に眠って…?」
チヒロ「寝てたんじゃないよ。気を失ってたんだ」
(チヒロが、背筋を伸ばしながら二人に近寄る)
(その後ろからはコタマとハレが、周囲をきょろきょろ見回していた)
ハレ「わ、私何がどうなって…?確か、様子がおかしくなったマキに顔を掴まれそうになって、でもそこで気が遠くなって――」
コタマ「私もよく思い出せません。確かこの部屋に入って来たところまでは覚えているのですが、その先が何とも…」
チヒロ「説明、してもらえるかな部長?何があったのか、何が起きたのか大よそ当たりはつかないでもないけど」
ヒマリ「ええ。推測でよろしければ、今すぐに」
ヒマリ「ですが。今はひとまず、待ちませんか?」
チヒロ「待つ?誰を」
ヒマリ「それはもちろん、今回の事件を解決してくださった人たちを」
ヒマリ「恐らく、今回も事態の渦中にいただろう――シャーレの先生を」
- 23二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:42:42
一方その頃。ヒノム火山頂上では。
マキ「空から、光の粒子が降ってくる…」
マキ「全部終わったの…?」
(隠れていた岩場から出て、空を見上げるマキ)
(彼女が呆然と立ち尽くしていると――唐突に、空から複数の人影が降ってきた!)
ドサドサドササッ!
マキ「って、うわわっ!?な、何何!?」
マコト「ぐ、ぐおお…!ま、まさか空中で姿が元に戻るとは…!?」
イロハ「マコト先輩、重いです。早くどいてください…」
ホシノ「うへ~、身体があちこち痛いよ~。せっかく勝ったのに、あんまりだよ~」
ヒナ「まったく――最後の最後で気を抜くからよ」
ヒナ「先生も大丈夫?怪我はない?」
先生“あ、ありがとうヒナ。…その、大丈夫だから下ろしてくれない?”
(積み重なったまま悶絶するホシノ・マコト・イロハの三人と、先生をお姫様抱っこし優雅に着地したヒナ)
(その姿は先程までの変貌させられたものではなく、元の、人間のそれに戻っていた)
(さらに)
マキ「…?あれは――」
(マキが何かに気づいたように、火口傍へと近寄っていく)
(そこには、古ぼけた額縁に収まった一枚の絵画が転がっていた)
- 24二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:43:07
ホシノ「あいたた…。マキちゃん、どしたの?」
先生“その絵、もしかして”
ヒナ「――あの。絵画の魔女を名乗っていた存在の本体、そうよね?」
(それは、一人の魔女を描いた絵だった)
(星のない夜を、一人飛び続ける魔女の姿)
(孤独と見るか、優雅と見るか。受け取り手により、その感想は様々だろう)
(だが――今のホシノ達には、どうしようもなく寂しそうに思えた)
マコト「ふん、どうあれこうなってしまえばただの絵画!」
マコト「おい、そいつをこっちに寄越せ!ちょうど火口がすぐ傍にあるんだ、このまま放り込んで跡形もなく燃やしてやる!」
ヒナ「風紀委員の前で不法投棄とは、良い度胸してるわねマコト議長」
イロハ「まあでも、今回ばかりは目をつぶってくださいよ。さすがの怪物と言えど、今なら確実に…?」
ホシノ「マキ、ちゃん?」
(マキは地面に転がっていた絵画を拾い上げると、ぎゅっと抱きしめる)
(それはまるで、我が子を守る親のようで…)
マキ「――やだ」
マコト「何ィ?」
マキ「絶対に、嫌だ。この子を燃やさせるなんて事、許さない!」
マコト「…ほお。それはつまり、このマコト様率いるゲヘナ万魔殿と風紀委員会を敵に回すと受け取っていいのだな?」
ヒナ「別に私は敵に回ると言った覚えはないのだけど」
ヒナ「でも、そうね。言い訳くらいは聞かせてもらおうかしら?――ミレニアムサイエンススクール・ヴェリタス所属の小塗マキさん?」
マキ「!?な、なんであたしの名前…!」
ヒナ「これでも元情報部所属だもの。大抵の学校の、めぼしい生徒の名前と顔は把握しているわ」
ヒナ「まして。それが『あの』ヴェリタスの関係者であれば、なおの事ね」
マコト「当然、この私も貴様の事は存じ上げているがな。キキキッ!」
- 25二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:43:28
(いつになく真剣な顔で、マキに詰め寄るヒナとマコト)
(一生徒・空崎ヒナと羽沼マコトではなく。ゲヘナの主要組織を率いるトップとしての威厳と凄みに満ちた二人がいた)
(二人の圧に、気圧されかけるマキだったが)
マキ「…この子に乗っ取られて、操られてた間、さ」
マキ「あたしもただ、操られるがままだったわけじゃない。自分の意識は残ってたし、何をやっているのかも分かってた」
(言いながら、マキは絵画の魔女に操られていた時の事を思い出す)
(全能とも言える力を振るい、思うがままに世界を塗り替えていったあの快感)
(街を、生徒を、風景さえも。己の望むままに変えられる喜びは確かにあって――そして、それ以上にそんな事を容易くできてしまう力が恐ろしかった)
マキ「だから止めようとはしていたし、説得も試みてたよ」
マキ「でも。無理だった。力及ばずってだけじゃない、ずっと伝わってきてたから」
ヒナ「何が?」
マキ「この子の、気持ち。絶望とか憎しみとか、悲しみってやつが…」
(絵画の魔女に操られている間、マキもまた絵画の魔女の心と繋がっていた)
(そこから流れてきたのは、積年の怨嗟と無念。そして絶望)
(この世全てを呪ってなお飽き足りない、負の感情の極致とも言える塊を見たのだ)
マキ「あたしもさ、ほんの少しだけど分かるんだ。一生懸命描いた作品が、誰からも見向きされず、ただただ不要と見なされて消されていく悲しみってやつが」
マキ「この子も、最初はきっと望まれて生み出されて。でも結果が伴わなかったばかりに生みの親からも見捨てられて」
マキ「それで結局、怪物に成り果てた挙句今本当に消されようとしている…。そんなの、あんまりだよ」
マキ「この子に落ち度があるのは分かってる。許されない事をしたっていうのも」
マキ「でも!どうかこれ以上は…!罰ならあたしも受けるから、だから――!」
????『…まったく。付き合ってられないね』
- 26二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:44:07
(その時。マキの手元から第三者の声が響き渡る)
(見知らぬ声、ではない。それはつい先程まで聞いていたモノ)
(何なら、すぐ目の前で対峙していた者の声――)
マキ「魔女、さん?生きて――」
絵画の魔女『無事じゃないけどね。…長い月日をかけて蓄えた力が全部パアだ。まったく、そこのピンク髪はどんな力宿してるってんだい』
ホシノ「うへ?おじさんの事?」
絵画の魔女『あんた以外に誰がいるんだよ、コラ』
イロハ「…あれだけやられてまだ喋れるだなんて、つくづく怪物ですねこいつ」
ヒナ「同感。さすがにもう、暴れられるだけの力は残っていないようだけど」
マコト「だが、こうやって話ができるのであれば話が早い。おい絵画の魔女、貴様の処分は――」
絵画の魔女『聞いてたよ。そこの火口に放り込むんだろ、ならさっさとやっとくれ』
マコト「ああ!言われずとも、今、すぐに――?」
ヒナ「…なんですって?」
(マコトもヒナも、イロハにホシノも。遠巻きに見守っていた先生までもが目を見開く)
(そして当然、抱えているマキもまた)
マキ「何を…何を、言ってるの魔女.さん。だって、それじゃ」
絵画の魔女『寝ぼけた事言ってるんじゃないよ、小娘。こいつはけじめさ。私は敗れて、あいつらは勝った。なら敗者は勝者の言い分を大人しく飲むってのが筋というもんだろう?』
マキ「け、けど!それじゃあ、それじゃあ!」
絵画の魔女『あーうるさい。…元々、私はあんたみたいなガキと組むなんてごめんだったんだ』
マキ「っ!?」
絵画の魔女『たまたま私を手に取って、たまたま私の依り代に都合がいいから操ってやっただけ。それを何を勘違いしたのか知らないが、相棒面されたんじゃ迷惑もいい所だ』
絵画の魔女『お前の私の巻き添えで罰されるなんてごめんだろう?分かったらとっとと放り込んでおくれ。これ以上恥を晒し続けるのは私も嫌なんでね』
マキ「そんな…」
- 27二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:44:45
(マキの手から、絵画がするりと零れ落ちる)
(だが、マコトもヒナも手を出さない。否、手を出せない)
(ここで元凶の絵画を燃やすのは、あまりにも簡単だ。たとえマキが全力で抗ったとしても、この場にはキヴォトス有数の戦力が二人。抑え込むのは容易い)
(けれど、それで本当に…?)
先生“ちょっと待った”
ホシノ「先生?」
絵画の魔女『あんたは――ひょっとして、絵筆かい?さっきまでそいつらを運んだり突いてた』
先生“ええ。初めまして、絵画の魔女.さん。シャーレの先生を務めている、■■です”
(それまで成り行きを見守っていた先生が、そこで意を決したように介入する)
(他の生徒たちが思わず見入る中、先生は思わぬ事を言い出した)
先生“話は一通り伺いました。あなたは処分される事をお望みのようですが”
絵画の魔女『ああ、そうだよ。分かったらさっさとやって――』
先生“できません”
絵画の魔女『…なんだって?』
先生“できない、と言いました。何故ならこの場にいる誰も、その権限を持ち合わせていませんから”
マキ「えっ…?」
マコト「な、何を言い出すんだ先生!ここはゲヘナ自治区で、私はゲヘナを仕切る万魔殿の長だぞ!その私が、そいつを処分するのに何の道理がないというんだ!?」
ヒナ「……」
(マキが驚いたように見つめ、マコトは大声で取り乱す)
(ヒナやイロハ、ホシノは沈黙したまま状況を見定めていた)
- 28二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:45:07
絵画の魔女『ふざけた事言うんじゃないよ。そこの喧しい小娘の言う通り、私を処分するのに何の権利が必要だって言うんだい?』
マコト「何ィ!?貴様、今なんて言った!」
イロハ「話が進まないから黙っててください、先輩」
先生“それはもちろん、所有権の問題です”
先生以外の全員『所有権?』
先生“ああ。私はここに至る前、ミレニアムの明星ヒマリからこんな依頼を受けていたんだ”
ヒマリ『ワイルドハントで発見され、ミレニアムに鑑定を依頼されたとある曰くつきの絵画の調査に協力してほしい』
ヒナ「それと所有権に何の関係が?」
先生“大ありだよ、ヒナ。ミレニアム側はあくまで鑑定を依頼されただけで、この絵画自体所有していたわけじゃない。つまりこの場合、所有権を有しているのは――”
ホシノ「…鑑定を依頼した、ワイルドハント?」
先生“正解。ホシノの言う通り今のあなたの所有権はワイルドハントの生徒たちで、そこにいる小塗マキや、ましてゲヘナの子たちでもない。それなのに勝手に処分を決めて燃やすだなんて、筋が通らないでしょう?”
マコト「そ、それは!い、いやだがしかし…!?」
イロハ(物凄い詭弁もいい所ですが、黙っておきますか。そっちの方が拗れなさそうですし)
絵画の魔女『馬鹿馬鹿しい。ワイルドハントだかワーストランクだか知らないが、私自身が処分しろと望んでいるんだ!これ以上を求める道理がどこにある!』
先生“でも、あなたは『絵画』であって人でも生徒でもありませんよね?”
絵画の魔女『なっ…!』
(あまりと言えば、あまりの言い草)
(対する先生はまるで気にする事もなく、飄々とした様子で――あるいは装っているかのように、事を進めていく)
- 29二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:46:07
先生“意志を持つ、という点では尊重されるべきかもしれませんが。それならなおの事ワイルドハント側にも一度コンタクトを取らなければ。ああそれと、今回の件に深く関わっているだろうヒマリ達特異現象捜査部にも――”
マキ「ま、まって!先生、ちょっとまって!」
マキ「よくわかんないんだけど、それってつまり…!?」
先生“ああごめん、マキ。置いてけぼりにするところだったね”
先生“そうだね――私としては、今回の事件の関係者たちにも話を聞かせて。その上で、公正に判断を下すべきだと思うよ”
先生“どうやらそこの絵画の魔女.さんはこれ以上抵抗する気もないみたいだし。それならいったん縛り上げて、ミレニアムまで持ち帰ってから考えてもいいんじゃないかな?”
先生“焼却炉くらいならミレニアムにもあるだろうし、何も今すぐここで絶対に処分しなくちゃいけないわけでも”
絵画の魔女『ふざけるなぁ!』
(その時。絵画の魔女がたまりかねたように叫び、空中に浮き上がった!)
絵画の魔女『黙って聞いていれば何をぐだぐだと…!そんなふざけた結末、この私が受け入れてやるとでも』
ホシノ「――いやいや。そこはきちんと言う事聞こうよ魔・女・さ・ん?」
絵画の魔女『っ!?』
(空中に浮き上がった絵画の魔女、その額縁をホシノが鷲掴みにする)
(小さな身体のどこから湧いてくるのか、絵画の魔女がどれだけ暴れてもまるでびくともしなかった)
絵画の魔女『は、放せクソガキ!?ちょっ、なんて力――』
ホシノ「おじさんも、正直言いたい事が山ほどあったんだよねえ。それなのに、火口にポイしておしまいじゃあんまりだと思うんだ~」
ホシノ「だから。『私』は先生の意見に賛成するよ。とりあえず、このままミレニアムまで持ち帰るって事でいいよね?」
ヒナ「そうね。私も小鳥遊ホシノに賛成するわ」
マコト「ヒナァ!?貴様、何を!?」
ヒナ「悪いけど、私も彼女には言いたい事がたっぷりあるの」
ヒナ「あなたのせいで滞りに滞った風紀委員の仕事、ゲヘナの治安維持、その他諸々…。その落とし前をつけてもらうまでは、易々と燃やしてもらえるなんて思わない事ね」
- 30二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:46:28
(ズゴゴゴ、と。ホシノに負けず劣らず、どす黒いオーラを出しながら絵画の魔女を見下ろすヒナ)
(前門のヒナ、後門のホシノ。両社に挟まれ、絵画の魔女は完全に気圧されていた)
マコト「お、おいまて!まだ私は賛同した訳じゃ――」
イロハ「マコト先輩、マコト先輩」
マコト「なんだイロハァ!?私は今、お前に関わってる場合では」
イロハ「いいから、耳貸してください耳」
(マコトに耳元に寄り、何やらぼそぼそと囁いていくイロハ)
(ミレニアム、ワイルドハント、賠償請求。そういった単語が漏れ聞こえ、やがて…)
マコト「――と思っていたが、気が変わった!このマコト様も、ミレニアムまでのそいつの護送、協力してやる!」
ヒナ「あら。ずいぶんな掌返しね、マコト議長」
マコト「言ってくれるな風紀委員長?だがこれも先を見据えた深謀遠慮というものだ!おこちゃまのお前には分からないだろうがな、キキキッ!」
ヒナ「――――」
絵画の魔女『ヒィッ!?』
ホシノ「風紀委員長ちゃん?気持ちは分からないでもないけど、すぐ傍で殺気をまき散らさないでくれないかな?」
(気づけば先程まで戦っていた事も忘れ、ホシノ達はぎゃあぎゃあと騒ぎ合う)
(そこには最早絵画の魔女を処分する空気などなく、年相応の子ども達のやり取りが広がっていた)
- 31二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:46:50
マキ「えっと…。先生?これって、解決したって事でいいのかな?」
先生“いいや。まだまだこれからだよ”
先生“話し合わなきゃいけない事、決めなきゃいけない事。やらなきゃいけない事――それらはまだ一つも解決してなくて、山積みのままだ”
先生“だから。とりあえず、今は帰ろうか”
先生“ミレニアムに。私たちの、それぞれの帰るべき居場所にね”
…かくして。山を下り、ミレニアムへと戻っていく先生とホシノ達。
その後下りた先で絵画の魔女を巡ってまたひと悶着あったり、ゲヘナやトリニティなど被害を受けた学区との賠償問題もあったり色々騒動には事欠かなかったのですが。
それはまた別のお話。
そして。もう一つ、付け加えておくならば。
ミレニアムサイエンススクールのとある部室、そこには一枚の絵が新たに飾られる事になったそうです。
それは、空飛ぶ魔女を描いた古い絵画でした――
- 32二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:49:57
- 33二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 00:45:26
お疲れ様でございました!!
なんだかんだハッピーエンドでよかったよかった!これからはちゃんと大事にされるんだぞ!
そして、デカグラのストーリーを見終わりましたぁ!スタアラ編を書けるぞー!!まぁー詳しいことはまるで分からなかったけどな!!カービィ要素盛り込みまーす!!
念の為伝えておきますと、私は日によって忙しい日とそうでない日がありまして、場合によって1日に投下する量が少ない"可能性"があります。まぁはじめる以上、ちゃんと終わらせますので。
- 34二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 01:24:50
タッチ!ホシノ!編完結乙です!
これで絵画の魔女もそれを描いた生徒も報われることでしょう… - 35二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 12:45:36
保守!
- 36二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:07:49
ふと思いついたぼんやり新設定
他の人のスタアラ編&毛糸のホシノ編が残ってるので取り掛かるのは当分先ですが、その内この子で一本SS書いてみようかなと
・シャドーホシノ
ダークヒナを生み出した魔鏡、その破片から現れたホシノの影
見た目・言動・性格もほぼオリジナルのホシノと同じだが、オリジナルと比べやや甘えがちだったり何かと先生にべったりな一面を見せる
黒服曰く、彼女の本質は小鳥遊ホシノが抱える『弱さ』や『子どもらしさ』が根源となっており、それ故にオリジナルと比べ心を許した相手にはより素直に接しているのでは?と推測されているが実情は不明
一方で戦闘力の方はオリジナルと比べるとやや低め
これは彼女が魔鏡の破片から生まれた存在故であり、完全な元の魔鏡であればオリジナルと同等かそれ以上の力を発揮できた(自己申告)との事
それでも素養は確かに存在しており、放っておけばオリジナル以上とまでは行かずとも十分すぎる程の強さを見せる
元ネタはシャドーカービィ
なお彼女が生まれる元となった魔鏡についてはそれぞれ下記リンク先にて
リンク先92~146
https://bbs.animanch.com/board/3304840/?res=190
リンク先77~85
【クロス】ここだけヒナがメタナイトみたいなキャラな世界 3スレ目|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/3343002/?res=186・このようなスレタイですが、ヒナ→メタナイトの話題だけではなく、「カービィ枠はホシノだな」「マコトは…bbs.animanch.com - 37二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 00:34:37
『原点に帰らなくちゃいけないの。』
「原点に、ですか?」
「お姉様ー、どういうことー?」
「【神の存在を証明、分析し、新たな神を創り出す方法】…そのことでしょうかね。まぁ、どうでもいいですが。」
『そうそれ。でもまだ初歩的な段階にすら到達せずに失敗した…それじゃダメ。こんなんじゃ"存在証明"すらできやしない。だから一個ずつ進めていく。【神の存在を証明する】、まずはそれから。』
「それで使うのが、これなの?」
「大きいハートですね。ハート、ですよね?」
『そう。このハートを使って、神の存在を知らしめる。さぁ、はじめるよ。』
『おいでませ、畏怖なる神よ』
「…お姉様、ハートの一部が欠けてますけど?」
『え?』
ある日、銀河中に大量の紫のハートと、少量のピンクのハートが散らばった…! - 38二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 00:43:52
ここは、平和なようで平和じゃない平和な学園都市キヴォトス。今日もいつも通りの一日がはじまる…ことはなかった。
突如としてキヴォトス中に、紫のハートが降り注いだ。
ーゲヘナ 万魔殿ー
マコト「な、なんだこれは!?」
イロハ「また異変ですか…全くもう…」
マコト「イロハ!慣れすぎじゃないか!?」
チアキ「マコト先輩、コーヒーが入ったよ…うわっ!なんだこれ!?」
マコト「今ごろ気づいたのか!まぁいい、落ち着くために一杯もらうぞ。」
イブキ「あ!ハートが落ちてきたー!」
イロハ「!?先輩、回避を!!」
マコト「どわーーーーっ!!?」
ドーン!
マコト「お、驚いたぞ!突然ハートが……あ……?」
イロハ「大丈夫ですか先輩。…先輩?ハートの近くで立ち尽くしてどうしたんですか?」
マコト?「…………キキッ!」
マコトの目が、赤く光った。
- 39二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 00:51:17
- 40二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 00:58:40
そして同時に、『夢の勇者達』が動きだす。
ートリニティ 噴水の広場ー
ミカ「こ、今度は何が起きるの?」
???「ミカさーん!!助けてー!!」
ミカ「え?……リボンちゃん!?」
リボン「久しぶりに遊びにきてみたら!一体どうしちゃったんです、ここは!」
ーブラックマーケット ゴミ捨て場ー
ダークヒナ「はぁ…はぁ…!ようやく復活できた!くそぉ…マコトめ……いつか必ず……ん?」
ダークヒナは空を見て、困惑する。
ダークヒナ「…何これ?」
ーゲヘナ 便利屋オフィスー
アル「な、なななな、何よこれー!?」
ムツキ「うわー、紫色のハートがいっぱい。」
カヨコ「はぁ…もうキヴォトスは呪われてるんじゃない?」
ハルカ「ど、どうしましょう!アル様!」
アル「ひ、ひとまず!命大事に、よ!」
- 41二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 01:07:39
- 42二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 01:16:12
そして…キヴォトスの危機に、【カービィ】は目覚める
ホシノ「Zzz…Zzz…うへへ…そこはダメだよぉ〜…」
そんなホシノに落ちてくる、ピンクのハート。
ホシノ「う?…うへ?……なんだろ…何かに当たった気が…」
そんなホシノの目に映ったのは、大量のプリンを持ち去る万魔殿のモブ達。
ホシノ「なんであんなにプリンを万魔殿が?…ん、万魔殿がプリンを?そんな事件、前にもあったような…」
ホシノは頭を振り、思案を止める。
ホシノ「そんなことより、この空の異常…嫌というほど聞こえてくるキヴォトスの混乱の声……また新しい異変だ。とりあえず、あの万魔殿議長のところに行こう。なぜか大量のプリンを持っていってるし、絶対関与してるでしょ!」
ホシノは起き上がり、ゲヘナに向けて走り出す。
新たな冒険が、はじまった!!
『ホシノカービィ スターアライズ』
- 43二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 01:17:23
- 44二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 01:19:53
- 45二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 09:49:26
- 46二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 20:40:18
保守
- 47二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:01:09
>>42(つづき)
ホシノは順調に先へと進んでいく。
ホシノ「こういう時に限ってチンピラとかが襲ってくるんだから…もう!」
(先生からは『シャーレ付近は混乱していないから大丈夫だよ!』ってモモトークが来たけど…)
そんなことを考えながら進んでいると…
フウカ?「敵だぁ!」
ホシノ「うへぇ!?フウカちゃん!?」
目を赤く光らせたフウカが立ち塞がる。
ホシノ「うわわっ、どうしよう…!フウカちゃんに怪我させるわけにはいかないし…!」
あたふたするホシノ、すると突然ホシノからピンクのハートが飛び出した。
ホシノ「え、何これ!?…なんか安心するなぁ。」
フウカ?「お残しは厳禁だー!!」
ホシノ「うわー!?」
ホシノがついハートをフウカに投げてしまうと、なんとフウカの目が元に戻り、正気に戻った。
フウカ「あれ?ホ、ホシノさん?私、なんで…?」
ホシノ「…さっき当たったのはこれ?……うへへ、これが今回の新しい能力、みたいだね!」
自らの新しい力を自覚したホシノは、フウカをシャーレ付近まで送ると、ゲヘナに向かいながら次々と生徒たちを正気に戻していった。
- 48二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:13:22
ホシノ「ふぅ…ちょっとだけ休憩しよう。」
ビルの側で休むホシノに迫るチンピラ集団!
ホシノ「ちょっとは休ませろー!!」
しかし、そのチンピラ集団はホシノに迫ることなく沈静化された。
ホシノ「あれ?」
???「休んでいる暇なんかありませんよ。」
物陰から出てきたのはイロハだった。
ホシノ「あ!イロハちゃん!」
イロハ「どうもホシノさん。あなたの後輩さん達も連れてきましたよ。」
セリカ「ホシノ先輩!無事!?」
ノノミ「心配しましたよ!」
アヤネ「私達も一緒に行きます!」
ホシノ「みんな…あれ、シロコちゃんは?」
アヤネ「まだ連絡が取れていないんです…」
ホシノ「そっか。じゃあ、シロコちゃんに送っといて。『ゲヘナの万魔殿に向かっている』…てさ。」
ノノミ「ゲヘナ…ですか?」
セリカ「な、なんで?」
イロハ「…そう言ってくれて助かります。」
ホシノ「うへへ、でしょ?混乱が大きすぎる以上、まずは目の前のことから片付けていかなきゃね。ということで行くよー!」
- 49二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:18:55
- 50二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:21:08
- 51二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:29:44
- 52二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:37:35
- 53二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:43:37
計6人となったチームの連携により、ビナーを撃退したホシノ達。
シロコ「ごめん、思ったより邪魔が多くて。」
ホシノ「そんなことないよぉ〜。セリカちゃん風に言うなら、ナイスタイミングだったよ。」
セリカ「ホシノ先輩!からかわないで!!」
ノノミ「イロハちゃん、どうですか?」
イロハ「……予定通り、ここから通れそうですね。」
アヤネ「皆さん!そろそろいきましょう!」
シロコ「ん、遅れた分頑張る!」
ホシノ「よーし、じゃあ行くよー!」
ホシノ達はゲヘナに入る。
目指すは万魔殿…マコトのところだ。
- 54二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:46:27
というわけでここまで。
昼は用事が入ってしまい投下できなかったです、申し訳ない。個人的にはマコト戦まで行きたかったけど…もう眠くなってきたので止めます。
ちなみにビナーはウィスピーウッズ枠です - 55二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 00:07:53