ウマ娘昔ばなし『ラプンツェル』

  • 1読み手24/07/02(火) 20:36:36

    昔々、なかなか子宝に恵まれていなかった農家の夫婦が居ました。


    父 dice1d119=99 (99)

    母 dice1d119=67 (67)


    ※ホスト規制の影響で23〜0時頃に書き込めないことがあります。ご了承下さい。

  • 2読み手24/07/02(火) 20:41:23

    もどかしくなった妻は、遂に神に祈りました。

    「あぁ神様。私たち夫婦にどうか子供を授けてはくれませんか?」

    すると数日後、妻のお腹に新しい命が芽生え、晴れて2人は子供を授かることが出来ました。
    しかし妻は子宝を授かってからというもの、強烈な飢餓に襲われるようになったのです。

  • 3二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:43:25

    性別逆転しててかなり危険な配合なの草

  • 4二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:44:04

    同期同父!!!

  • 5二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:44:49

    うっ…!ディープインパクト生まれるっ!

  • 6二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:45:14

    元ネタの性別違うのが味わい深い

  • 7読み手24/07/02(火) 20:49:19

    「サトノ、大丈夫〜?」

    「ヴィブロスさん、お気遣いありがとうございます…。でも…お腹が空いて……。」

    「さっきもいっぱい食べたじゃーん!何が食べたいの?言ってみ言ってみ?」

    「うぅ…えっと…。」

    「うんうん!」

    「そこの家のお庭に生えている…『ラプンツェル』を…食べたいです…。」


    夫婦の隣の家には高い塔のような家が建っていました。そこは恐ろしい魔女のお家でした。

    魔女は庭で美味しそうなラプンツェルを育てており、妻はそのラプンツェルが無性に食べたくなってしまっていたのでした。


    魔女 dice1d119=20 (20)

  • 8二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:50:05

    魔女っつーか関西のおばちゃん?

  • 9二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 20:51:04

    やっぱヴィブロスが何故かダイヤちゃんのこと「サトノ」って呼ぶのオモロいよな

  • 10読み手24/07/02(火) 20:57:53

    「うーん…じゃあね、サトノは今赤ちゃん居るし、私に任せてっ!サトノのためにあのラプンツェル、取ってきてあげる!」
    「ありがとうございます!ヴィブロスさん!」

    その夜、夫は魔女の家に忍び込んで魔女の育てたラプンツェルを持って帰りました。
    そして妻のために、ラプンツェルを使った美味しいサラダを振る舞いました。

    「召し上がれっ!」
    「わぁ…!た、食べても良いですか?」
    「勿論だよ〜!」
    「いただきます…!モグモグ……お、美味しい…!」

    妻は涙を流すほどにラプンツェルのサラダを気に入りました。

  • 11読み手24/07/02(火) 21:01:40

    妻の飢餓もかなり治ったと思ったのも束の間、今度は「あのラプンツェルのサラダをもっと食べたい」と言い始めました。

    「えぇ〜っ!?流石にバレちゃうよぅ…。」
    「で、でも…お腹が空きすぎて死んでしまいそうです…!ラプンツェルのサラダ以外喉を通らなくて…!」
    「わ、分かった!私、取ってくるからね!死なないでサトノ!」

    夫は暗くなった夜に再び魔女の庭に忍び込みました。

  • 12読み手24/07/02(火) 21:06:48

    「あ!?なんや!?人の庭で何さらしとんねん!?」
    「わわわっ!」

    しかし、夫はラプンツェルを摘んでいる時に魔女に見つかってしまいました。
    夫は観念して、魔女に妻のことを包み隠さず話しました。

    「ほーん…つまりアンタの嫁はんはウチのラプンツェルが食いたいんやな?そんで旦那のアンタがパクって行った…。」
    「ゆ、許して下さい!何でもしますから!」
    「ごめんで済んだら警察要らんねん!!!」

    魔女はとても怒っていました。

  • 13二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:07:47

    ラプンツェルって植物だったのか

  • 14二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:07:52

    魔女のばーちゃんこええ

  • 15二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:08:37

    草くらいええやん
    この魔女ケチやなーケチおばばや

  • 16読み手24/07/02(火) 21:12:07

    「そやなぁ…そういや、アンタんとこの嫁はん、おめでた言うとったな?」
    「はい…。」
    「産まれたらのぉ、ウチのとこに寄越せや。そりゃあもう、めっちゃ可愛がったるで?」

    魔女がニコニコしながら言ってきましたが、夫は怯えに怯えてしまいました。

    「ん?そんでどないすんねや? お?」
    「ど、どう………ぞ………。」
    「ええ根性やん!気に入ったわ!アハハ!今度からこのラプンツェル幾らでも寄越したるわ!その代わり、アンタんとこの娘はウチのもんや!アーッハッハッハ!」

    夫は高笑いする魔女を前に、妻と子供に対しての謝罪の涙を流す事しか出来ませんでした。

  • 17読み手24/07/02(火) 21:17:48

    しばらくして、夫婦の間に元気な女の子が産まれました。


    「産まれたねヴィブロスさん…!」

    「うん…!でも…。」

    「ほーん…結構かわええ顔しとるやん。…決めた!この子の名前はアンタらの大好きな『ラプンツェル』や!」


    魔女のところに連れて行かれた赤ちゃんは魔女から『ラプンツェル』と名付けられ、ドアも階段も無い高い塔の上に閉じ込められるように育てられました。

    夫婦は飢餓に苦しめられることはそれ以上ありませんでしたが、娘を取られた苦しみに耐えきれず遠くに引っ越してしまいました。


    ラプンツェル dice1d119=6 (6)

  • 18二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:19:01

    今日もダイス神ウキウキですわ

  • 19二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:19:10

    よりによって同室コンビか

  • 20二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:19:24

    そこらの草根絶やし確定

  • 21二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:19:50

    なんとなくピンポイントな配役になったな

  • 22二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:19:56

    魔女のタマとラプンツェルのオグリはおもろすぎる

  • 23二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:20:11

    魔女のおばちゃん、食費で音を上げない?

  • 24二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:20:41

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:22:01

    飢餓の呪いが娘に移っただけじゃねーか!

  • 26二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:22:52

    >>25

    てか娘が飢餓感の原因…?!

  • 27読み手24/07/02(火) 21:27:52

    塔の上で生活する内に、17歳になったラプンツェルは立派な女の子に育ちました。

    「タマ、お腹が空いたぞ。」
    「タマって呼ぶなや!『お母さん』や!」
    「あ、そうだったな。」
    「ってか、さっきも食うたやろ?食べ過ぎやでホンマに…。」
    「でも…食べれば食べるほど、何故か髪が綺麗になるんだ。私はこの艶やかで長い髪が大好きだ。」

    こんな生活を送っているのもあってか、ラプンツェルは髪を切らなかったので、約20mほどの髪の毛を蓄えていました。

  • 28二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:29:08

    長髪オグリか…

  • 29二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:30:29

    金色じゃなくて銀色の髪か…

  • 30二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:31:17

    トリコのサニーみたいに髪で食事できそう

  • 31二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:32:18

    このレスは削除されています

  • 32二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:33:01

    このレスは削除されています

  • 33読み手24/07/02(火) 21:33:42

    「おーい!ラプンツェルー!髪降ろしてくれやー!」
    「分かったぞ。」

    魔女は家に入る時、ラプンツェルが垂らした長い髪に乗った後にラプンツェルに引っ張ってもらい、まるでエレベーターのように使って入るようになりました。

    「今日もお疲れさん。街でトマトとリンゴ買うてきたけどどっちにする?」
    「ど、どっちも…。」
    「アカン!どっちかや!ただでさえウチの庭の野菜食い尽くしたクセに何抜かしとんねん。」
    「…………トマト。」
    「おう!ええ子やなぁ!」
    「うぅ…。」

    ラプンツェルは魔女にいじめられて日々を過ごしていました。

  • 34二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:33:43

    オグリラプンツェルはちゃんと歌えるんだろうか

  • 35二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:33:49

    このスレ主はめちゃくちゃな人選でも上手く話を転がすことに定評があるが今はダイスが連続でいい感じで来てるし楽しみ

  • 36二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:34:59

    魔女の方が虐められてるやないか

  • 37二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:35:09

    >>33

    いじめ…?

    ドツキ漫才では?

  • 38二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:36:56

    🍅🍎、値切って手に入れたんだろうな…

  • 39二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:37:35

    >>35

    よくエミュ難しい子に当たるのにすごいと思う

  • 40読み手24/07/02(火) 21:39:36

    魔女は夜にどこかへ出かけているので、ラプンツェルは暗い中でいつもお腹を空かせて一人ぼっちでした。

    そこで、寂しさと食欲を紛らわすためにも毎日歌を歌うようになりました。


    unbreakable (2021 Remastered Version)

    ♪〜 あの日をまだ 覚えてますか

       青い月 浮かぶ夜

  • 41読み手24/07/02(火) 21:41:29

    ある日の夜、ラプンツェルたちが暮らしている国の王子様が狩りの帰りに森の中で道に迷っていました。


    王子様 dice1d119=115 (115)

  • 42二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:43:18

    アンカツの組み合わせだな…

  • 43二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:43:52

    このレスは削除されています

  • 44二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:43:52

    お、新キャラだ

  • 45二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:44:48

    このレスは削除されています

  • 46二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:45:15

    新キャラ難しない?
    しかも新キャラの中で割と個性おとなしめの…

  • 47二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:45:17

    ママが王子様…?

  • 48二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:46:07

    タマは夜なにやってんだろ

  • 49二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:46:12

    見た目は王子っぽいけれども

  • 50二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:46:17

    >>47

    ジャンダルムはもう寝なさい

  • 51読み手24/07/02(火) 21:48:04

    「すっかり道に迷ってしまった…。辺りも暗いし、弱った…。」


    王子様が暗い森の中を歩いていると、かすかに素敵な歌声が森の奥から聴こえてきました。


    unbreakable (2021 Remastered Version)

    「……誰か居るんだろうか?」

  • 52二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:50:51

    今回は性別逆転回なのか…

  • 53二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:52:12

    >>52

    言われてみるとここまで全部性別逆なのか

  • 54読み手24/07/02(火) 21:52:46

    王子様が歌声のする方に向かって歩くと、そこには高く聳え立つ塔がありました。

    「♪〜」

    その1番上の窓の方から先ほどの素敵な歌声が聞こえてきます。

    「へぇ。こんな森の中にこんな素敵な歌声の人が居るだなんて…。」

    塔に登って是非とも歌声の主の顔を拝みたかった王子様でしたが、ドアも階段も無い塔をどうやって登るのか見当もつきませんでした。

    「………明日もここに来よう。彼女の歌声がまだ響いているかもしれない。」

  • 55読み手24/07/02(火) 21:55:48

    次の日も、また次の日も、そのまた次の日も、王子様は公務も落ち着いた夜に塔の下までやって来て、ラプンツェルの素敵な歌を聴いていました。

    「あぁ、でもやっぱりどんな素敵な女性なんだろう。」

    王子様は歌声を聴くだけで満足していましたが、やっぱり歌声の主に一目会いたいと思う気持ちが強まっていきました。

  • 56二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:56:08

    KH3で触った程度だったけどラプンツェルってこういう始まりだったんだ

  • 57二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 21:58:07

    このレスは削除されています

  • 58読み手24/07/02(火) 22:02:00

    ある日、たまたま暇を貰った王子様はお昼からラプンツェルのところまで足を運びました。
    すると、そこには一足先に魔女が塔の下に居ました。

    「おーい!ラプンツェルー!髪降ろしてくれやー!」

    魔女が大声を出すと、それはそれは長く、それはそれは綺麗な銀色の髪の毛があの窓から垂れ落ちてきました。
    王子様は思わず息を呑んでしまいました。

    「乗ったでー!」

    魔女が髪の上に乗ると、スルスルと髪は魔女を乗せて上昇していき、魔女は窓から塔の中へ入って行きました。

    「なるほど、ああやって入るんですね。」

    王子様は魔女が出かけるのを見計らって、さっきと同じことをして歌声の主の顔を見ようと思いました。

  • 59二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:03:26

    >>48

    食費の為に夜間バイトしてる説

  • 60読み手24/07/02(火) 22:08:52

    その夜、王子様は魔女が出かけたのを見届けると小走りで塔の下までやって来ました。

    「えーっと、コホン。…髪を降ろしてくれませんかー!?」
    「お母さん、何で敬語なんだ?まぁいいか。」

    すると、窓からあの綺麗な銀色の髪の毛がふんわりと降りてきました。

    「おぉ…失礼します…。」

    王子様は恐る恐る髪の毛の上に乗ると、そのまま上昇していきました。
    そして、窓から塔の中に入ることが出来ました。

    「…ひゃあ!だ、誰だ!?」
    「あっ…驚かせてしまって申し訳ございません。僕は王子と言います。」
    「お、王子……?」

    ラプンツェルは17年間もこの塔の中で住んでいましたから、生まれて初めて人間の男を見ました。
    自分と全く違う生き物を見て、少しばかり怯えてしまいました。

  • 61二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:10:09

    >>57

    それ以外褒めるところないみたいに言うなw

  • 62読み手24/07/02(火) 22:13:43

    「あ、えっと…怖がらないで下さい!ただ僕は貴女の歌声に惚れ込んでしまっただけなんです…!」
    「歌声…?あの歌を聴いてくれていたのか?」
    「はい!とても力強く、それでいて綺麗な歌…。僕、あんな歌を聴いたのは生まれて初めてでした。だから、こうやって貴女に会いたいと思ったんです!」
    「そ、そうか…。」

    最初は怯えていたラプンツェルでしたが、自分に好意的に接してくれる王子様にだんだんと心を許していきました。

  • 63二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:17:24

    >>59

    履歴書に魔女って書いて雇ってくれるなんていい職場だな

  • 64読み手24/07/02(火) 22:20:04

    「………。」
    「どうしたんだ?急に黙って。」
    「いや…とても可愛らしい人だな、と…。」
    「か、かわっ…!?」

    王子様がはにかみながらそう言うと、ラプンツェルは酷く赤面してしまいました。
    何故だか分かりませんでしたが、王子様に「可愛い」と言われて胸の奥がキュウと締め付けられるような感覚に襲われたのです。

    「そうだ、お名前を聞いていませんでしたね。」
    「ら、ラプンツェルだ…。よろしく頼む…。」
    「ラプンツェル…!名前まで素敵だなんて…!」
    「……っ!」

    ラプンツェルは散々魔女にバカにされてきたこの名前を初めて褒められたのでとても嬉しくなりました。

    「…………ありが、とう…。」
    「………?はい、こちらこそ…?」

  • 65読み手24/07/02(火) 22:23:40

    それから王子様は毎晩のように塔でラプンツェルと楽しく過ごすようになりました。
    ラプンツェルの好きな食べ物の話、王子様の祖父の話、魔女の話、この塔の話…。
    2人はすっかり仲良くなり、やがて互いを愛し合うようになりました。

  • 66読み手24/07/02(火) 22:27:39

    「………なんやラプンツェル、最近ずっと楽しそうやん。なんかええ事でもあったんか?」
    「あぁ!今夜、彼が指輪というものを持ってきてくれるらしいんだ!夫婦と言うものの証らしいぞ!」
    「ほーん…なんやすっかり見んうちにラプンツェルも指輪とか彼とか色付きはじめよって…。そないええ男、ウチが紹介してほしいぐらい……………って、待てやぁ!!!!!」

  • 67二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:28:31

    ノリツッコミも欠かさないできる魔女

  • 68二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:29:56

    新喜劇なんだよなここだけノリが

  • 69読み手24/07/02(火) 22:34:52

    遂に魔女に王子様とラプンツェルの秘密の生活がバレてしまいました。
    魔女は激しく激昂し、ハサミを持ってラプンツェルに迫りました。

    「ラプンツェルゥ!おんどれ、ウチがおらん時に男とよろしゅうやってたんか!?おぉ!?」
    「ま、待ってくれタマ!そんなものを人に向けちゃダメだ!」
    「『お母さん』って呼べやドアホォ!」
    「そうだった…。」

    ラプンツェルはやはり育ての母への温情もあり、強くは抵抗出来ずにいました。

    「やめてくれ!お母さん!」
    「あぁもう!うっさい!お前みたいなんはもう娘でもなんでもない!こうしたるわーっ!!!」

    そう言うと、魔女はラプンツェルの髪を掴み、そのまま首付近からチョキンチョキンと長く美しい髪の毛を切り落としてしまいました。

  • 70読み手24/07/02(火) 22:39:11

    「か、髪が…!」

    ラプンツェルは床に落ちた髪の毛を拾い上げようとしましたが、魔女に振り払われてしまいました。

    「髪ぐらいでメソメソすんなや!ほらっ!はよ、ついてこんかい!」


    そして、魔女は泣きじゃくるラプンツェルを砂漠まで連れて行き、そこに放置してしまいました。

    「ウチを怒らせた罰や!一生そこで暮らすんやな!」

  • 71二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:41:42

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:43:12

    髪切られて砂漠追放だけならタマにしちゃ優しいぞ

  • 73読み手24/07/02(火) 22:45:26

    その夜、王子様が正装を着て塔の下までやって来ました。ポケットには指輪の入った箱がありました。
    今夜ラプンツェルにプロポーズするつもりなのです。

    「ラプンツェルー!髪を降ろしてほしいー!」
    「…………。」

    窓からあの長い銀髪がポトンと降りてきました。
    しかし、王子様は少し不思議に思いました。あのいつものような髪の艶やかさが感じられず、ふんわりとした髪の毛も何処となく纏まった雰囲気を感じたからです。
    気のせいかと思っていつものように髪に乗り、窓から入ったその時、王子様はハサミを持った魔女に襲われました。

  • 74二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:51:58

    >>72

    ヘタしたら吉本養成所にぶち込まれるからな

  • 75読み手24/07/02(火) 22:53:50

    「ほぉ!?アンタがラプンツェルが言うとった王子様っちゅーヤツか!?なかなかええツラしとるやないか!」
    「あ、あなたはラプンツェルのお母さん…!ラプンツェルを何処へやったんですか!?」
    「フンッ!あんなんもう娘ちゃうわ!髪の毛バーッって切って、遠い遠い砂漠にほったったわ!今頃どうなってんのか、ウチでも知らんけどな!」
    「そ、そんな…!」

    王子様は涙を流してしまいました。

    「泣きたいのはウチの方や!アンタのせいで全部おかしなってもうた!アンタなんか…こうしたるでぇっ!」
    「や、やめろ…!」

    魔女は王子様を窓から突き落とそうと懸命に押しました。
    王子様も涙を流しながら負けじと押し返しました。

  • 76二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:55:04

    押し合っている姿が新喜劇に見えてくる

  • 77二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:55:45

    【遅報】ダイス神、まだ起きてる

  • 78読み手24/07/02(火) 22:57:54

    「ぐぬぬぬぬぬ…!」
    「くぅ……っ!」

    ジリジリと王子様は窓の方まで押されていました。

    「トドメやーーーっ!!!」
    「………っ!」

    魔女が激しく王子様を押したその時、王子様は魔女の手を思い切り引っ張りました。

    「………な、なんやて…!?」

  • 79二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:59:15

    このレスは削除されています

  • 80二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 22:59:24

    >>76

    今日はこのくらいで勘弁してくれる奴やん!

  • 81読み手24/07/02(火) 23:00:46

    王子様と魔女は、共に窓から外に投げ出されてしまいました。

    「な、なんでやーーーーっ!!!ギャーーーーッ!!!!!」
    「……これで、良かったんだ…。」

    王子様は目をつぶって、下へ下へと自分が落ちていく感覚に身を委ねました。

  • 82二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:08:25

    なんとかなれーっ!

  • 83読み手24/07/02(火) 23:09:10

    気がつくと、王子様の身体は激しい激痛に襲われていました。
    目も開けられず、身体には断続的にチクチクと激しい痛みが広がりましたが、死んではいませんでした。

    「………イバラ、か?」

    王子様は落下の瞬間、イバラに落ちて命は無事でした。
    しかし目はイバラのトゲで潰れてしまい、身体も傷だらけになってしまいました。

    「………………生きている…。」

    王子様はイバラからなんとか這い出ると、何処ともなく歩き始めました。

    「彼女に…会わなければ……。」

    王子様はラプンツェルを目指して、目も見えないままに旅に出ました。

  • 84二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:10:15

    今思うと失明した人間が砂漠で人探しとか難易度恐ろしく高くてやべーわ

  • 85二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:10:34

    このレスは削除されています

  • 86二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:11:19

    >>80

    そんなタマがめだか師匠みたいな…

  • 87読み手24/07/02(火) 23:12:46

    王子様は手探りで木に成ったベリーや木の根を食べ、ラプンツェルを探すために必死に生きていました。

    そして王子様は何年も、何年も、ラプンツェルを探して各地を彷徨い続けました。

  • 88読み手24/07/02(火) 23:15:47

    何年か経ったある日のこと、王子様はとある砂漠にやってきました。


    「砂漠…!彼女が居るかもしれない…。」


    王子様が歩いていると、奥の方から小さな男の子と女の子が話し合う声が聞こえてきました。


    男の子 dice1d119=110 (110)

    女の子 dice1d119=46 (46)

  • 89二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:16:59

    男の子(史実でもちゃんと牡馬)

  • 90読み手24/07/02(火) 23:24:51

    「ファル子ちゃん、街の方に出来たにんじん味噌煮込み屋さんが美味しいらしくてさぁ〜。今から行かない?」
    「わーい!ファル子も行く行くー!」
    「あ…君たち!ちょっと良いかい…?」

    王子様が呼び止めると、どうやらそのまま2人は近寄ってくれたようでした。

    「こんにちは!どうしたんですか?」
    「道に迷ったの?」
    「えっと…人を探してるんだ。ラプンツェルって言うんだけれど…。」
    「「え!?」」

    2人の子供たちはその言葉に驚くと、何も言わずに2人とも王子様の手を取って走り始めました。

    「ちょ…ちょっと…?」

  • 91読み手24/07/02(火) 23:28:14

    子供たちに連れられ走っていると、何処からともなく歌声が聞こえて来ました。

    unbreakable (2021 Remastered Version)

    「この曲は…………。」

  • 92読み手24/07/02(火) 23:32:57

    「「ママーーーッ!!!」」



    子供たちが涙声でそう呼ぶと、その歌声の主の声が聞こえてきました。

    「…………王…子……?」
    「あぁ………ラプンツェル……!」

    ラプンツェルは一目散に駆け寄ると、王子様に勢い良く抱きつきました。

    「あぁ…!…会いたかった……。」
    「僕も……!…やっと会えた……!」

    2人は久々の再会に喜び、互いに強く抱きしめ合いました。

  • 93読み手24/07/02(火) 23:38:28

    「ごめんなさい、こんな開かない目で…。」
    「探してくれた事が嬉しいんだ…。あぁ…。」

    2人が抱きしめ合っていると、ラプンツェルの目から溢れた涙が王子様の目にかかりました。
    すると奇跡が起きて、王子様の目は開くようになりました。

    「………!目が…!」
    「奇跡だ…!」
    「あぁ…ラプンツェル…ラプンツェル!…フフッ、相変わらず可愛らしい…!」
    「グスッ…王子……。」

    2人はこれから離れることは無いとばかりに、強く抱きしめ合いました。

  • 94読み手24/07/02(火) 23:45:14

    「少し、来てくれないか?」

    ラプンツェルが砂漠の奥に案内してくれました。

    「ここは…。」

    砂漠の奥にはまだ発展途上ではありましたが、小さな街が出来ていました。

    「私がこの砂だらけの世界に作った街だ。まだまだ小さいが、これからここで暮らそう。…この子たちも一緒に。」
    「ママ☆」
    「パパ…!」

    あの子供たちはラプンツェルと王子様の間に出来た子供でした。

    「うん。僕もこれから頑張るよ。…街の名前は?」
    「………カサマツ!」
    「ハハッ、なんだか懐かしい響きがするな!」

    こうして、ラプンツェルと王子様はカサマツで子供たちと幸せに暮らしましたとさ。

    おしまい

  • 95読み手24/07/02(火) 23:50:23

    お疲れ様でした。今回は童話『ラプンツェル』をお送りしました。
    ディズニー映画としても有名な作品ですが、今回は原作を基準に執筆致しました。あちらとは結構違う部分も多く、新鮮な気持ちで見れた方も多かったかもしれませんね。
    今回は1年も折り返しということなのか関係性の多い子たちがよく当たりましたね。ダイス神かなり良い感じでした。
    王子様としてほとんどキャラがあまり掴めれていないビリーヴが配置されましたが、ラプンツェルがオグリになったのもあって鞍上繋がりで最後のカサマツエンドに綺麗に(?)持って行くことが出来ました。
    改めてお疲れ様でした。
    また次のお話でお会いいたしましょう。

  • 96二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:51:22

    アンカツのお導きかと言わんばかりのカサマツED

  • 97読み手24/07/02(火) 23:51:24
  • 98二次元好きの匿名さん24/07/02(火) 23:57:08

    お疲れさまでした!今回も面白かったです!

  • 99二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 00:01:39

    乙乙
    普段から絡みがあるとはいえオグタマのやり取りの違和感の無さがすごいわ
    今後も無理せず頑張ってください 楽しみに待ってます

  • 100二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 00:21:19

    乙でした
    オグリとタマが童話の中にいた!って感じでした

オススメ

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