- 1二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 19:59:28
- 2二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:00:00
- 3二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:00:58
昨日ネイさんの渡してくれたカロス神話の本を読み込んだせいか肩が凝ってしまった。
でも本の内容はとても質の高いものだったと思う。
あのネイさんが自ら興味を持って読んでくれたのだから。
とはいえ、ネイさんが僕と本を代わる代わるに見ていたのは何か理由があるのではと勘ぐってしまう。
それもあまり良くない方向に。
まあ、ネイさんに支障が無ければ僕はどうだっていいのだけど… - 4二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:14:39
✕月✕日
今日はネイさんの胸元にあるげんきのかけらが心做しか強く輝いている気がする。それもそのはず今日はげんきのかけらを磨いてあげたからだ。ネイさんは磨かれたげんきのかけらを太陽に照らすように胸を張った。気に入ってくれたようだ。
そういえばこの欠片はリゾートデザートのシンボラーに貰ったんだっけ…
もしかしたらシンボラーならネイさんがカロスの本に興味を持った理由を知っているかもしれない。
僕はいつも人やネイさんに頼ってばかりだがたまには野生のポケモンに頼るというのも悪くないかもしれない。頼ってばかりと言われればぐうの音もでないが…
研究ついでに明日にでもリゾートデザートに出向こうかと思う。 - 5二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:16:32
うわ!!やった!!!!復活してる!!!!!!
「!」が!!!!!いくつあっても!!!!!!!!足りない!!!!!!!!!!!!!!! - 6二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:18:41
続編キター!
- 7二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:20:27
ネイさんだ!!!
- 8二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:21:34
✕月✕日
久しぶりのリゾートデザートに僕もネイさんも心を踊らせる。なんと言っても今日のリゾートデザートは天候がすこぶる良好なのだ。日は出ているし風も弱い。前回と同じように1泊2日でリゾートデザートを探索してみようと予定している。
今日はひとまず1日目、起きた出来事を綴ってこうと思う。
今回の探索は長くなりそうだ…! - 9二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:25:28
待ってました。ありがとうございます。
- 10二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:28:49
2冊目だ!!
- 11二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:55:27
ありがてえ…ありがてえ…
- 12二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:56:36
ネイさんの様子は相変わらず太陽を見つめているが時折太陽から目を逸らし雲の方も見ていた。最初はいつもより太陽を見ていないネイさんを不思議に思ったがすぐにその原因がわかった。白い雲の隙間からあの時のシンボラーが砂煙を払うようにこちらへ降下してきたからだ。
思っていたより早い再会に僕はネイさんと良かったねと顔を見合わせた。しばし再会を喜んだ後、僕は目的であるネイさんのことについて訪ねた。しかし相手はポケモンでしかも野生だ。人間の言葉をつらつら並べるだけでは伝わるものも伝わらないだろう。
僕はパソコンを開きあの白い棺の描かれたページをシンボラーに見せた。 - 13二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:59:00
!?!?復活してるーーーー!!!!!
- 14二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:22:08
本はそれなりの重さがあり正直持って行こうにも気が進まなかった。しかし、普段使いっているパソコンに取り込めば万事解決だと気がついた瞬間、僕の脳はきりばらい後のテンガン山の如く澄んでゆきもう準備の手が止まらなかった。自画自賛している僕を横目にそんなことも気づかなかったのかとネイさんは目を細めていたがこれは完全に呆れられているな…
僕はパソコンの画面をシンボラーに向けなにか心当たりは無いかと聞いてみる。
質問はかなり大雑把なものになってしまい、上手な質問を投げかけることが出来なかった。
実際シンボラーに会ってみると何を考えているのかネイさん以上に汲み取れなくてそもそも質問しても良かったのかも分からなくて僕はパソコンを持ったまま狼狽えてしまった。
そんな僕にシンボラーは背を向けたかと思うとゆっくりと砂漠の奥へと進んでく。ネイさんが僕の服の裾を軽く咥えシンボラーの方を見る。そういえば前回もシンボラーについって行ったんだけ。
僕はネイさんと一緒にシンボラーの後に続いた。 - 15二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:28:06
あっあっあっネイさん復活してる嬉しい
ちょっと前スレから読み返してきます!!!!!! - 16二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:33:36
しばらく歩いているとシンボラーは古代の城の近くで止まった。相変わらず周辺にはダルマモードのヒヒダルマたちが疎らに佇んでいる。
シンボラーはそこから高めの砂山へ移動するとネイさんに向かって何かを話し始めた。僕はポケモンの言葉なんて当然分からないがネイさんはシンボラーの話に親身に耳を傾けているようだ。すると話し終わったのかネイさんは胸元のげんきのかけらをサイコキネシスで宙に掲げた。日の光反射したげんきのかけらは灯台のように輝き周囲のポケモンの目を惹きつけた。様々なポケモンが見つめる中少し遠くに人型の影が見えた。人型ではあるものの手の形や頭の形がどうも人とは思えず僕は目を懲らす。
その影はゆっくりとこちらに近づいてやがてその正体が顕になる。
砂塵の中から真っ直ぐにこちらを見つめる天色の瞳は紛れもなくゴチルゼルのものだった。 - 17二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 08:03:19
久し振りにデザートリゾートを見に行きたくなってきたな
ソフト探してみるか - 18二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:21:49
保守
- 19二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 19:01:34
ゴチルゼルが目の前で足を止めたのを確認するとネイさんはサイコキネシスを解除しげんきのかけらを自らの首にかけ直した。
改めてゴチルゼルに向きなおるがゴチルゼルの全てを見透かすような透き通った瞳に僕もネイさんも思わず見とれて何も言えなくなってしまう。シンボラーが羽を動かしゴチルゼルへ近づくとまた何かを話し始めた。ゴチルゼルはゆっくりと頷くと空を指さして何かを話し始めた。やはり僕には理解できないがゴチルゼルの指した空にはネイさんのいつも見ている太陽が眩しく照っていた。 - 20二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 20:14:07
その後何事も無かったかのようにゴチルゼルはその場に留まり続けた。そのままゴチルゼルたちの近くにいるだけなのも気まずい気がしたので僕とネイさんは古代の城を探索したりダルマモードのヒヒダルマを観察したり研究資料になりそうなものをひたすら集めていた。その間シンボラーとゴチルゼルはさっきの砂山で話たり空を見つめたりと遠目から見たら仲睦まじい夫婦のように過ごしていた。彼らも僕とネイさんのようにいや、もしかしたらそれ以上に一緒にいる仲なのかもしれない。そうこうしてるうちに日は傾いて夜が来た。
- 21二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 21:48:06
古代都市の守り神のシンボラーと未来が見えるゴチルゼルがタッグ組んで古代都市を守ってるのかね
- 22二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:03:55
シンボラーたちに誘導されて昼間の砂山まで来てみるとゴチルゼルは昼間の時と同じように空を指さした。指の先には無数の星が瞬く万華鏡のような世界が広がっていた。その美しさに僕は思わず息を飲んだ。ヒウンシティではここまで綺麗な星空を拝むことは出来なかっただろう。僕はネイさんと身を寄せあって暖をとり、星座の名前を言い合った。言い合うと言っても僕が星座の名前を言ってネイさんがそれに反応してくれるだけなのだけどきっとネイさんは賢いから僕の言った星座を理解しているんじゃないかな。
そんなふうに遊んでいるとゴチルゼルが僕の肩をトントンと叩いてきた。僕が振り向くとゴチルゼルは透き通ったその瞳で僕を見つめてきた。まるで何かを訴えるように。 - 23二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 08:56:47
仲の良いポケモンと天体観測いいなぁ
- 24二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:46:47
僕はゴチルゼルの伝えたいことがなんなのか理解出来ずに硬直してしまった。しかし、暫くして僕は昔見たポケモン図鑑の事を思い出した。そうだ、ゴチルゼルには星を通して未来を見ることが出来る。
僕はなぜ気が付かなかったのだろうもしもネイさんが未来を見れるならゴチルゼルが未来を見れるならゴチルゼルのあの目が僕に伝えたかったこと…きっとそれは
ネイさんの見た未来だ。 - 25二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 11:33:51
ゴチルゼルがこちらへ手を差し出してきた。未来を見る覚悟ネイさんの見た景色を見る覚悟。そんなもの僕には無いに等しい。というより実感が湧かない。そもそもこのゴチルゼルの手を取る選択が正しいものなのか僕には分からない。
そんな悩んで動けない僕にネイさんは寄り添うように顔を近づけてきた。そして僕の右手の裾を掴んでゴチルゼルの手へ近づける。そこで僕はハッとした。
覚悟がどうのと言っていたが僕が平凡な日常を過ごしている間ネイさんは未来を見るという平凡とは程遠い日常を過ごしていたのだ。どれ程共に過ごしていようと僕にとっての普通がネイさんにとっての普通とは限らない。僕は未来が見たいわけじゃないただ、貴方のことをネイさんのことをもっと知りたい。大切な家族として。
僕はゴチルゼルの手にそっと触れた。 - 26二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 13:02:20
ゴチルゼルとネイさんの瞳が光り僕らの目の前が絢爛としたサイコパワーの光で包まれる。ネイさんとゴチルゼルのみらいよちが炸裂すると空の星々が呼応するように瞬いた。
そして次の瞬間、走馬灯を見ているかのように脳内に様々な光景が流れ込んできた。きっとこれが僕の未来。ネイさんが見ていた僕たちの未来。
分かっていた。心のどこかでは分かっていたが、いざその事実を目の前に僕は息を飲んだ。
夢と現実の狭間にいるような不思議な感覚と同時に避けられない未来である事をまざまざと予覚させられる。ネイさんが見た未来それは…
僕が死ぬ未来だ。 - 27二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 15:25:04
きな臭くなってきたな
- 28二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 18:04:49
この感じだと老衰とかそういう穏やかなものじゃなさそうな予感
- 29二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:25:39
✕月✕日
いつの間にか夜が明けていた。今はあの砂山にネイさんと腰を下ろしてこの日記をかいている。
昨日は色々とありすぎてあっという間だった。
人もポケモンもいつかは命の灯火が消え土に還るのだ。ごく当たり前の自然の摂理である。しかし、頭で理解するのとそれを受け入れるのでは大きな違いがある。今僕の目の前にあるのは受け入れ難い真実と理想との懸隔…いや、待てよ
僕に理想の死に方なんてあったか?考えたこともなかった。平穏で平凡な暮らしがしたいとは思っていた。願わくばネイさんと一緒に。
そうだあの満天の夜空の下、ネイさんの見た未来で僕は… - 30二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:56:48
ベットの上たくさんの管に繋がれて規則的な機械音が寂しく部屋に響いていた。痩せ細った手をネイさんの頭へと運びゆっくりと左右に撫でる。そんな悲しい顔をしないでくれと言って。
僕の手に皺はできていない。僕の声は嗄れていない。僕の髪は白んでいない。
まあ、この体力の無い体では頑張って生きた方なんじゃないだろうか。なんなら、平穏で平凡でネイさんあなたと一緒にいられる最期。こんな幸せな最期があるだろうか。
ネイさんあなたが無事なら僕は僕自身どうなってもいいと思っていたけど、僕とあなたは似ているからきっとあなたも自分なんてって考えているんだろう。「ゴチミルのゆめ」を避けていた理由が今ならわかる気がする。僕にとっては少しだけ遠い未来でも長生きできるあなたにとってはとても近い未来。
例え未来を見通せようともその未来を変える力があなたには無いから… - 31二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:06:49
「ゴチミルのゆめ」その絵本は大切な友達メテノのために自分の気持ちを押し切ってまでメテノを宇宙に送る話。あのゴチミルはきっとメテノの願いを叶えてあげた。それも自らの手で。でもネイさんはそれが出来ない自分と比べるのが嫌だったのだろう。
未来を見通せる分、過去を知れる分、抱えるものが少し多かったのだ。僕はまだ寝息を立てているネイさんの頭を撫でた。
ああ、まだ健康なはずの心臓が痛いな… - 32二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:41:15
トレーナー若そうなのに達観してるな
元から体が丈夫じゃなくて長生きできないと思ってるのか - 33二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 06:07:54
病気なら医療でなんとかならんかな
- 34二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 10:37:53
このまま見た通りの未来になってしまうと前スレの友人とヤブクロンも流石に曇ってしまうかもしれない
- 35二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 13:13:24
昨日のことを思い起こすとまだまだ書き足りないことが沢山ある。昨日見た未来は何も僕の死ぬ瞬間だけを切り取ったものではなかったから。ネイさんの目線でネイさんの見た未来を映画のように脳に流し込まれ僕はまだ正直混乱気味だ。昨日見た未来のことは少しづつ整理していこう。
そんな砂混じりの温暖な風に時の流れを任せているとシンボラーとゴチルゼルの鳴き声がした。
僕はうとうとしてるネイさんを起こし直ぐさま声の方へ向かった。が、冷静に考えたらあの未来を見たあとなら病院にでも行くのが正しい選択だろう。どうせ今日で帰るし、まだ資料を集めたいし、と色々理由を付けたが本心は現実逃避だ。あの未来を見たあとでは今日は家に帰りたくない。僕にとっての平凡が崩れてしまいそうだから。 - 36二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 15:02:59
ゴチルゼルたちについて行くとそこは古代の城の入り口だった。昨日でだいぶ古代の城は探索したがまだ何かあるのだろうか。
古代の城は一見入り組んでいる様に見えてルートを覚えればすぐに引き返すことが出来る。古代の城はかなり古い建造物であるもののアルフの遺跡のような壁画が見つからないのが僕にとっては気がかりだった。アルフの遺跡より後に作られたということかもしく別の場所に歴史を記録して置くような遺跡があったのか。気になることばかりだ。そんな好奇心に胸を高鳴らせていた僕だが最深部まで行くのにはどうも気が進まなかった。理由と言う程の理由は無いけど何故か足を踏み入れてはいけない気がしたからだ。そんな僕の気持ちは置き去りにシンボラーとゴチルゼルは城の奥へ奥へと進んでく。 - 37二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 23:12:57
どう死ぬのか、なぜ死ぬのかみたいなのに向き合うのはそらまぁ辛いよなぁ
- 38二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:07:25
死期が見えてるのに案内するシンボラーとゴチルゼルはなんなんだろう
死期が近くないと行けない場所でもあるのか