- 1二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 19:59:28
- 2二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:00:00
- 3二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:00:58
昨日ネイさんの渡してくれたカロス神話の本を読み込んだせいか肩が凝ってしまった。
でも本の内容はとても質の高いものだったと思う。
あのネイさんが自ら興味を持って読んでくれたのだから。
とはいえ、ネイさんが僕と本を代わる代わるに見ていたのは何か理由があるのではと勘ぐってしまう。
それもあまり良くない方向に。
まあ、ネイさんに支障が無ければ僕はどうだっていいのだけど… - 4二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:14:39
✕月✕日
今日はネイさんの胸元にあるげんきのかけらが心做しか強く輝いている気がする。それもそのはず今日はげんきのかけらを磨いてあげたからだ。ネイさんは磨かれたげんきのかけらを太陽に照らすように胸を張った。気に入ってくれたようだ。
そういえばこの欠片はリゾートデザートのシンボラーに貰ったんだっけ…
もしかしたらシンボラーならネイさんがカロスの本に興味を持った理由を知っているかもしれない。
僕はいつも人やネイさんに頼ってばかりだがたまには野生のポケモンに頼るというのも悪くないかもしれない。頼ってばかりと言われればぐうの音もでないが…
研究ついでに明日にでもリゾートデザートに出向こうかと思う。 - 5二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:16:32
うわ!!やった!!!!復活してる!!!!!!
「!」が!!!!!いくつあっても!!!!!!!!足りない!!!!!!!!!!!!!!! - 6二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:18:41
続編キター!
- 7二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:20:27
ネイさんだ!!!
- 8二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:21:34
✕月✕日
久しぶりのリゾートデザートに僕もネイさんも心を踊らせる。なんと言っても今日のリゾートデザートは天候がすこぶる良好なのだ。日は出ているし風も弱い。前回と同じように1泊2日でリゾートデザートを探索してみようと予定している。
今日はひとまず1日目、起きた出来事を綴ってこうと思う。
今回の探索は長くなりそうだ…! - 9二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:25:28
待ってました。ありがとうございます。
- 10二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:28:49
2冊目だ!!
- 11二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:55:27
ありがてえ…ありがてえ…
- 12二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:56:36
ネイさんの様子は相変わらず太陽を見つめているが時折太陽から目を逸らし雲の方も見ていた。最初はいつもより太陽を見ていないネイさんを不思議に思ったがすぐにその原因がわかった。白い雲の隙間からあの時のシンボラーが砂煙を払うようにこちらへ降下してきたからだ。
思っていたより早い再会に僕はネイさんと良かったねと顔を見合わせた。しばし再会を喜んだ後、僕は目的であるネイさんのことについて訪ねた。しかし相手はポケモンでしかも野生だ。人間の言葉をつらつら並べるだけでは伝わるものも伝わらないだろう。
僕はパソコンを開きあの白い棺の描かれたページをシンボラーに見せた。 - 13二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 20:59:00
!?!?復活してるーーーー!!!!!
- 14二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:22:08
本はそれなりの重さがあり正直持って行こうにも気が進まなかった。しかし、普段使いっているパソコンに取り込めば万事解決だと気がついた瞬間、僕の脳はきりばらい後のテンガン山の如く澄んでゆきもう準備の手が止まらなかった。自画自賛している僕を横目にそんなことも気づかなかったのかとネイさんは目を細めていたがこれは完全に呆れられているな…
僕はパソコンの画面をシンボラーに向けなにか心当たりは無いかと聞いてみる。
質問はかなり大雑把なものになってしまい、上手な質問を投げかけることが出来なかった。
実際シンボラーに会ってみると何を考えているのかネイさん以上に汲み取れなくてそもそも質問しても良かったのかも分からなくて僕はパソコンを持ったまま狼狽えてしまった。
そんな僕にシンボラーは背を向けたかと思うとゆっくりと砂漠の奥へと進んでく。ネイさんが僕の服の裾を軽く咥えシンボラーの方を見る。そういえば前回もシンボラーについって行ったんだけ。
僕はネイさんと一緒にシンボラーの後に続いた。 - 15二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 21:28:06
あっあっあっネイさん復活してる嬉しい
ちょっと前スレから読み返してきます!!!!!! - 16二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:33:36
しばらく歩いているとシンボラーは古代の城の近くで止まった。相変わらず周辺にはダルマモードのヒヒダルマたちが疎らに佇んでいる。
シンボラーはそこから高めの砂山へ移動するとネイさんに向かって何かを話し始めた。僕はポケモンの言葉なんて当然分からないがネイさんはシンボラーの話に親身に耳を傾けているようだ。すると話し終わったのかネイさんは胸元のげんきのかけらをサイコキネシスで宙に掲げた。日の光反射したげんきのかけらは灯台のように輝き周囲のポケモンの目を惹きつけた。様々なポケモンが見つめる中少し遠くに人型の影が見えた。人型ではあるものの手の形や頭の形がどうも人とは思えず僕は目を懲らす。
その影はゆっくりとこちらに近づいてやがてその正体が顕になる。
砂塵の中から真っ直ぐにこちらを見つめる天色の瞳は紛れもなくゴチルゼルのものだった。 - 17二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 08:03:19
久し振りにデザートリゾートを見に行きたくなってきたな
ソフト探してみるか - 18二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 17:21:49
保守
- 19二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 19:01:34
ゴチルゼルが目の前で足を止めたのを確認するとネイさんはサイコキネシスを解除しげんきのかけらを自らの首にかけ直した。
改めてゴチルゼルに向きなおるがゴチルゼルの全てを見透かすような透き通った瞳に僕もネイさんも思わず見とれて何も言えなくなってしまう。シンボラーが羽を動かしゴチルゼルへ近づくとまた何かを話し始めた。ゴチルゼルはゆっくりと頷くと空を指さして何かを話し始めた。やはり僕には理解できないがゴチルゼルの指した空にはネイさんのいつも見ている太陽が眩しく照っていた。 - 20二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 20:14:07
その後何事も無かったかのようにゴチルゼルはその場に留まり続けた。そのままゴチルゼルたちの近くにいるだけなのも気まずい気がしたので僕とネイさんは古代の城を探索したりダルマモードのヒヒダルマを観察したり研究資料になりそうなものをひたすら集めていた。その間シンボラーとゴチルゼルはさっきの砂山で話たり空を見つめたりと遠目から見たら仲睦まじい夫婦のように過ごしていた。彼らも僕とネイさんのようにいや、もしかしたらそれ以上に一緒にいる仲なのかもしれない。そうこうしてるうちに日は傾いて夜が来た。
- 21二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 21:48:06
古代都市の守り神のシンボラーと未来が見えるゴチルゼルがタッグ組んで古代都市を守ってるのかね
- 22二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:03:55
シンボラーたちに誘導されて昼間の砂山まで来てみるとゴチルゼルは昼間の時と同じように空を指さした。指の先には無数の星が瞬く万華鏡のような世界が広がっていた。その美しさに僕は思わず息を飲んだ。ヒウンシティではここまで綺麗な星空を拝むことは出来なかっただろう。僕はネイさんと身を寄せあって暖をとり、星座の名前を言い合った。言い合うと言っても僕が星座の名前を言ってネイさんがそれに反応してくれるだけなのだけどきっとネイさんは賢いから僕の言った星座を理解しているんじゃないかな。
そんなふうに遊んでいるとゴチルゼルが僕の肩をトントンと叩いてきた。僕が振り向くとゴチルゼルは透き通ったその瞳で僕を見つめてきた。まるで何かを訴えるように。 - 23二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 08:56:47
仲の良いポケモンと天体観測いいなぁ
- 24二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 10:46:47
僕はゴチルゼルの伝えたいことがなんなのか理解出来ずに硬直してしまった。しかし、暫くして僕は昔見たポケモン図鑑の事を思い出した。そうだ、ゴチルゼルには星を通して未来を見ることが出来る。
僕はなぜ気が付かなかったのだろうもしもネイさんが未来を見れるならゴチルゼルが未来を見れるならゴチルゼルのあの目が僕に伝えたかったこと…きっとそれは
ネイさんの見た未来だ。 - 25二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 11:33:51
ゴチルゼルがこちらへ手を差し出してきた。未来を見る覚悟ネイさんの見た景色を見る覚悟。そんなもの僕には無いに等しい。というより実感が湧かない。そもそもこのゴチルゼルの手を取る選択が正しいものなのか僕には分からない。
そんな悩んで動けない僕にネイさんは寄り添うように顔を近づけてきた。そして僕の右手の裾を掴んでゴチルゼルの手へ近づける。そこで僕はハッとした。
覚悟がどうのと言っていたが僕が平凡な日常を過ごしている間ネイさんは未来を見るという平凡とは程遠い日常を過ごしていたのだ。どれ程共に過ごしていようと僕にとっての普通がネイさんにとっての普通とは限らない。僕は未来が見たいわけじゃないただ、貴方のことをネイさんのことをもっと知りたい。大切な家族として。
僕はゴチルゼルの手にそっと触れた。 - 26二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 13:02:20
ゴチルゼルとネイさんの瞳が光り僕らの目の前が絢爛としたサイコパワーの光で包まれる。ネイさんとゴチルゼルのみらいよちが炸裂すると空の星々が呼応するように瞬いた。
そして次の瞬間、走馬灯を見ているかのように脳内に様々な光景が流れ込んできた。きっとこれが僕の未来。ネイさんが見ていた僕たちの未来。
分かっていた。心のどこかでは分かっていたが、いざその事実を目の前に僕は息を飲んだ。
夢と現実の狭間にいるような不思議な感覚と同時に避けられない未来である事をまざまざと予覚させられる。ネイさんが見た未来それは…
僕が死ぬ未来だ。 - 27二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 15:25:04
きな臭くなってきたな
- 28二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 18:04:49
この感じだと老衰とかそういう穏やかなものじゃなさそうな予感
- 29二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:25:39
✕月✕日
いつの間にか夜が明けていた。今はあの砂山にネイさんと腰を下ろしてこの日記をかいている。
昨日は色々とありすぎてあっという間だった。
人もポケモンもいつかは命の灯火が消え土に還るのだ。ごく当たり前の自然の摂理である。しかし、頭で理解するのとそれを受け入れるのでは大きな違いがある。今僕の目の前にあるのは受け入れ難い真実と理想との懸隔…いや、待てよ
僕に理想の死に方なんてあったか?考えたこともなかった。平穏で平凡な暮らしがしたいとは思っていた。願わくばネイさんと一緒に。
そうだあの満天の夜空の下、ネイさんの見た未来で僕は… - 30二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 19:56:48
ベットの上たくさんの管に繋がれて規則的な機械音が寂しく部屋に響いていた。痩せ細った手をネイさんの頭へと運びゆっくりと左右に撫でる。そんな悲しい顔をしないでくれと言って。
僕の手に皺はできていない。僕の声は嗄れていない。僕の髪は白んでいない。
まあ、この体力の無い体では頑張って生きた方なんじゃないだろうか。なんなら、平穏で平凡でネイさんあなたと一緒にいられる最期。こんな幸せな最期があるだろうか。
ネイさんあなたが無事なら僕は僕自身どうなってもいいと思っていたけど、僕とあなたは似ているからきっとあなたも自分なんてって考えているんだろう。「ゴチミルのゆめ」を避けていた理由が今ならわかる気がする。僕にとっては少しだけ遠い未来でも長生きできるあなたにとってはとても近い未来。
例え未来を見通せようともその未来を変える力があなたには無いから… - 31二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 20:06:49
「ゴチミルのゆめ」その絵本は大切な友達メテノのために自分の気持ちを押し切ってまでメテノを宇宙に送る話。あのゴチミルはきっとメテノの願いを叶えてあげた。それも自らの手で。でもネイさんはそれが出来ない自分と比べるのが嫌だったのだろう。
未来を見通せる分、過去を知れる分、抱えるものが少し多かったのだ。僕はまだ寝息を立てているネイさんの頭を撫でた。
ああ、まだ健康なはずの心臓が痛いな… - 32二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:41:15
トレーナー若そうなのに達観してるな
元から体が丈夫じゃなくて長生きできないと思ってるのか - 33二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 06:07:54
病気なら医療でなんとかならんかな
- 34二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 10:37:53
このまま見た通りの未来になってしまうと前スレの友人とヤブクロンも流石に曇ってしまうかもしれない
- 35二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 13:13:24
昨日のことを思い起こすとまだまだ書き足りないことが沢山ある。昨日見た未来は何も僕の死ぬ瞬間だけを切り取ったものではなかったから。ネイさんの目線でネイさんの見た未来を映画のように脳に流し込まれ僕はまだ正直混乱気味だ。昨日見た未来のことは少しづつ整理していこう。
そんな砂混じりの温暖な風に時の流れを任せているとシンボラーとゴチルゼルの鳴き声がした。
僕はうとうとしてるネイさんを起こし直ぐさま声の方へ向かった。が、冷静に考えたらあの未来を見たあとなら病院にでも行くのが正しい選択だろう。どうせ今日で帰るし、まだ資料を集めたいし、と色々理由を付けたが本心は現実逃避だ。あの未来を見たあとでは今日は家に帰りたくない。僕にとっての平凡が崩れてしまいそうだから。 - 36二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 15:02:59
ゴチルゼルたちについて行くとそこは古代の城の入り口だった。昨日でだいぶ古代の城は探索したがまだ何かあるのだろうか。
古代の城は一見入り組んでいる様に見えてルートを覚えればすぐに引き返すことが出来る。古代の城はかなり古い建造物であるもののアルフの遺跡のような壁画が見つからないのが僕にとっては気がかりだった。アルフの遺跡より後に作られたということかもしく別の場所に歴史を記録して置くような遺跡があったのか。気になることばかりだ。そんな好奇心に胸を高鳴らせていた僕だが最深部まで行くのにはどうも気が進まなかった。理由と言う程の理由は無いけど何故か足を踏み入れてはいけない気がしたからだ。そんな僕の気持ちは置き去りにシンボラーとゴチルゼルは城の奥へ奥へと進んでく。 - 37二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 23:12:57
どう死ぬのか、なぜ死ぬのかみたいなのに向き合うのはそらまぁ辛いよなぁ
- 38二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 08:07:25
死期が見えてるのに案内するシンボラーとゴチルゼルはなんなんだろう
死期が近くないと行けない場所でもあるのか - 39二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 17:08:11
奥に進むにつれて空気が重たくなっていく気がした。人のいる気配もポケモンのいる気配も段々と薄れてゆく。好奇心と不安が入り混じった複雑な感情を胸に進んでいると突然シンボラーとゴチルゼルが歩みを止めた。足を止めた先には大広間への入口が構えてある。ここが最深部だろうか。僕らはその大広間へと足を踏み入れた。
するとその足音が合図のように甲高い鳴き声と共に大広間にねっぷうが渦巻く。砂埃と火の粉が舞いとても目を開けられる状況ではなく立っているのもままならなかった。大広間が熱に包まれてしばらく経つと徐々に熱と風が去っていった。
風が静まった事を確認しゆっくり目を開けると目の前には太陽と崇められるポケモンウルガモスが僕たちを見下ろしていた。 - 40二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 17:43:11
最初はウルガモスの存在感に僕もネイさんも圧倒されていたが敵対心がないことが分かると少しずつ緊張が解けていった。
しかし城の奥にこんな大広間があるとは僕とネイさんだけではここまでたどり着けなかっただろう。
しかしなぜゴチルゼルたちは僕たちをここへ連れてきたのだろう。
今の状況を把握しようと僕は周囲を見渡した。大広間には赤茶けた石の柱が数本と壺の形をした装飾品が数個飾られており、壁は他の階層と変わらず石レンガが積み重ねられている。
そんなふうに注意深く周囲を観察しているとウルガモスの背後にある物に僕は思わず目を停めた。そこには他の階には無い壁画があったからだ。
ウルガモスは背後の壁画に興味を示した僕に気がついたのか妖艶に羽を動かし宙に舞った。壁画が見やすいように移動してくれたのだろうか。僕はゆっくりと壁画に近づいた。 - 41二次元好きの匿名さん24/07/07(日) 20:32:20
なんか映画みたいな展開になってきた
- 42二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 06:48:03
ウルガモスがトレーナーを呼ぶように伝えたのか?
- 43二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 17:13:54
このレスは削除されています
- 44二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:22:44
ウルガモスそれは太陽のように暖かく美しく輝くポケモン。壁画には太陽と崇められるウルガモスとウルガモスを祀る人々で賑わっている様子が絵描かれている。ウルガモスの歴史通りの壁画だ。
ネイさんと一緒に絵に見とれているとその下の方に小さな物語調の絵が幾つか描かれているのに気がついた。僕は思わずその物語に惹き込まれてしまった。 - 45二次元好きの匿名さん24/07/08(月) 22:31:17
あるところに賑やかな街があった
その町は人とポケモンが助け合って生活する緑豊かな街だった
ある日近くの山が大噴火した
多くの火山灰が降り注ぎ街ひとつが埋もれてしまった
人々は寒さに凍え暗さに怯える厳しい日々を過ごした
そんなある日ウルガモスが舞い降りて人やポケモンを温めた
人々は感謝しウルガモスにきのみを捧げた
人々とポケモンたちの努力で火山灰は街から姿を消した
人々はウルガモスに感謝しウルガモスはどこか遠くへ消えて行った
しばらくして戦争が起きた
街は再び火と灰に呑まれた
人々は戦争に勝つためウルガモスを呼んだ
しかし待てどもウルガモスは姿を現さなかった
それから年月が経ち
街は火薬と爆薬の灰に埋まった
ウルガモスは街に再び姿を現した
ウルガモスはもう二度と争いをしないことを約束に戦争で冷えた人々やポケモンの心を温めた - 46二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 08:05:08
シンオウ神話みたいだ イッシュ神話ってところか
- 47二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 09:06:03
イッシュ神話は双子の英雄とレシラムゼクロムの話があるな
他にも三闘の聖剣士の伝説とかカゴメ昔話とか民間伝承レベルだと山ほどある地方だからあんな遺跡のあるウルガモスにも伝承はあるよな - 48二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 19:57:23
保守
- 49二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:44:25
もしかしてこれがネイさんの見た過去なのだろうか。たくさんの人とポケモンが助け合いかと思えば争い目まぐるしく変わるそんな過去。僕は壁画を写真に収めることも忘れてその場に立ち尽くした。そんな僕に寄り添うようにネイさんが僕を見上げる。僕はしゃがんでネイさんの肩を寄せ再び壁画へ目をやった。すると最初見た時は気が付かなかったが見覚えのあるポケモンが描かれているのに気がついた。そこに描かれていたのはネイティのようなポケモンの姿だった。
- 50二次元好きの匿名さん24/07/09(火) 22:50:59
まさかと僕は頭を抱える。この壁画に描かれているのはネイさんがネイティだった頃だろうか。
いや、そんなはずは無いこの壁画が描かれたのは恐らくイッシュの戦争があったとされる約3000年前。
幾ら長生きできるネイティ族でもこんなに長生きできるはずが無い。それにネイティは伝説や幻に分類されるような珍しいポケモンという訳では無い。あれこれ考慮してもここに描かれているネイティがネイさんと同一とは思えなかった。
それにネイさんはネイティのころ飛ぶのはとても苦手でジョウトに居た僕と出会うのは相当難しいはずだ。僕は壁画を見つめるネイさんを抱き寄せる。
僕には少しだけわかる気がする。あなたはきっと僕に伝えたい事が山ほどあるのだろう。
教えて欲しい未来だけでは無いあなたの見た過去も… - 51二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 07:07:11
調べたらネイティオって過去も見れる説あったんだな知らなかった
- 52二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 18:43:40
続き楽しみ保守
- 53二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 19:54:56
✕月✕日
まだ昨日の出来事に頭の整理が追いついていない。自分の部屋で寝そべってみても何だか他所の家にいるみたいな感覚になる。窓の方へ目をやるとネイさんが外の太陽を見ていた。昨日のことが信じられないくらいの快晴でネイさんの胸元には相変わらずげんきのかけらが輝いている。
あの後僕たちはシンボラーとゴチミルに見送られ特に何事もなく帰路に着いた。いつでも待っているとでも言うようにシンボラーは羽根をゴチルゼルは手を大きく振って見送ってくれた。
ネイさんの見る過去はネイさんが生まれたそのまた昔の事も映しているのだろう。ネイさん自身も体験したことの無い遠い過去。
僕がイッシュに来た理由はもしかしたらこの過去を見る為だったのかもしれない。
僕が死ぬという未来がもし変えられないものであるなら僕はその日まで神話や遺跡を研究しよう最後の最期のその日まで。
僕はネイさんの背負っている鈍色の記憶を少しだけ肩代わりしたい。少々自分勝手な願いではあるがネイさんは許してくれるだろう。きっと。 - 54二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:26:24
✕月✕日
今日は病院に行った。あの未来を見た以上病院に行かないのは何か自身の体に失礼な気がしたからだ。
結果は健康そのもの。なるほどこれは変えられない類の未来だったようだ。それか、まだ病状が表に出るような時期では無いのか。何れにせよあの未来は変わらないようだ。
病院の帰りに借りていたカロス神話の本を返却しに図書館へ立ち寄った。ついでにネイさんの好きな絵本でも借りようかと絵本のコーナーへ足を運ぶと聞き馴染みのある声が聞こえてきた。金色の髪にベージュのコートを羽織ったアイツだ。足元には眠たそうに彼に寄り掛かるヤブクロンがいる。
「あ、やっほー☆」と、ここが何処か問いただしたくなるほどのよく通る声。僕がため息混じりに手を振ろうとした瞬間彼は口を開いた。
「なんか暗くない?」 - 55二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 20:42:32
そうだ、彼は妙に鋭いところがあった。人の顔色や声色の変化を直ぐに感じ取る。実際、彼から伝達される人間関係の情報にはハズレが無い。
僕は彼に本を読むような柄じゃないだろうと訊くと彼は、たしかにと笑った。
「でも、ヤブクロンが読みたがっててさ」と睡魔に負けかけているヤブクロンを抱き上げる。どうやら彼のヤブクロンが最近読書に興味を持ち始めたらしい。野生のヤブクロンは本を読む機会なんてなかなかないだろうし彼のヤブクロンもゲットされたあとの生活を楽しんでいるのだろう。僕が彼のヤブクロンの頭を撫でてやるとヤブクロンは彼の腕の中でモゾモゾと体勢を変え眠りについた。
彼は眠ったヤブクロンに微笑むと目線を僕の方へとずらして改めて口を開いた。
「ネイティオさんの事で何かあったのか?」 - 56二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 06:30:52
保守!!!
- 57二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 10:27:52
本を読むヤブクロンかわいいな
絵本の読み聞かせとかやるのかな友人 - 58二次元好きの匿名さん24/07/11(木) 20:27:01
読み聞かせに近いなら本の内容とかよりも一緒にいてくれて話し掛けてくれるってことなのかもな
- 59二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 02:34:29
さてなんて応えるのか
- 60二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 09:22:39
ネイティオさんそれは彼がネイさんを呼ぶ時の呼び方だ。ネイさんと言ってもらっても僕は構わないのだが彼は丁寧にネイティオさんと呼ぶ。
僕はなんと答えて良いのか分からず「あ…」などと言った意味を持たない声を漏らし明らかな動揺を見せてしまった。少しの沈黙の後口を開いたのは彼で
今日はネイティオさん連れてないのか、と首を傾げた。彼の問いかけに僕は短い否定をし、肩にかけていた鞄からネイさんの入っているボールを取り出した。今日は用事を済ませたら直ぐに帰る予定だったためボールに入ってもらっていたのだ。彼はボールを見てそうかと一言呟く。それから深甚な黒い目を細めて、
「また、大学でな」
彼はそう言うと図書館を後にした。彼の何かを気使ったような笑顔が脳裏に淡く映し出される。
きっと見透かされてしまった。僕に変えられない未来が訪れることを。 - 61二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 11:34:47
✕月✕日
今日は自宅で課題を進めていた。昨日の今日で彼に会うのが気まずかったとかそういう訳ではなく単に講義が休みの日だったのだ。
僕は課題を終わらせパソコンを閉じるとうんと背伸びをしてネイさんの方へ目をやる。いつもは窓際にいるネイさんだが今日は違った。僕の隣に大人しく起立し時折タイピングの音に体を揺らしつつ課題の進捗を見守ってくれていた。
課題の終わりを報告するとネイさんは絵本を持って読んでとせがんで来た。ネイさんの方から読み聞かせを求められたのはいつぶりだろう。僕は嬉しくなりネイさんの嘴から絵本を受け取った。パステルカラーの表紙を開きあの日の夜を思い出しながら音読する。
こうしていると今まで見た未来が嘘みたいだ。 - 62二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 11:35:37
こんなにも平凡でネイさんと一緒に本を読むことができている。まあ、いつか崩れてしまうのは確定しているのだけど…そう考えると僕の考える平凡が如何に高望みな物か痛感させられる。最近はネイさんの過去を知ることばかりに気を囚われがちだったが、こう言う日も決して忘れてはならない。なんと言ったって高望みな上とても貴重な「平凡」な時間なのだから。
その日は一日中、ページをめくる音が雨音と共に部屋に響いていた。 - 63二次元好きの匿名さん24/07/12(金) 21:07:43
ここからあの未来に繋がるとは到底思えないんだが何が起きるんだ
ゴーストポケモンにでも襲われるのか - 64二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 03:05:16
体に異常がないならケガか生気吸われるみたいな話になるよな
- 65二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 12:46:29
保守!
- 66二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 22:19:48
ネイさんが絵本をせがむのは可愛いが不穏な予感がしないでもない
- 67二次元好きの匿名さん24/07/13(土) 22:39:52
✕月✕日
今日も雨が降っている。一昨日まで晴れていたのが嘘のように天気予報は傘のアイコンがずらりと並んでいた。そういえばリゾートデザートに行ったりネイさんの事で手一杯になっていて気づかなかったが今は雨季なのか。朝何となく手に取った傘が今日の帰りにしっかりと役割を果たしてくれた。傘の水気を払い家に入ると運悪く傘が玄関を入った先のクローゼットに引っ掛けてしまった。そのまま戸は開き中から雪崩れが起こる。このクローゼットは実家から持ってきたものの使わなかったり上手く片付け場所が見つかってないものを無造作に押し入れた場所だったため、1度こう雪崩が起こってしまうと後片付けが面倒なのだ。
しかし、学校を終えて羽を伸ばそうとした矢先にこれか。最悪すぎる。
物音に気付いたのかネイさんがボールから出てきた。僕は情けない声でネイさんにこうなった経緯を伝えた。ネイさんにも協力して貰いつつ、床に散乱した物を背中を丸めて拾っているとコツンと手の先に何かが当たった。 - 68二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 06:54:04
新章っぽい展開
- 69二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 15:40:20
指の先に当たったのは小さなお菓子の缶だった。中を開けるとげんきのかけらが1つ入っている。僕はこんなもの用意した覚えはない。犯人がいるとすればネイさんだろう。親に連絡しいつの間にこんなもの積荷の中に入れたのか聞くと出発の前夜ネイさんが入れてと渡してきたとの事だった。まあそんなことだろうと思っていた。しかしシンボラーに貰う以前からげんきのかけらに興味があったのは知らなかった。中に入ってたげんきのかけらをネイさんに見せるとネイさんはそれを僕の手に乗せてきた。もしかして僕へのプレゼントとして保管していたのだろうか。僕は両手で包みありがとうと礼を言うとネイさんは満足そうに喉を鳴らした。しかしこのげんきのかけら細かい傷が着いて随分と年季が入っている気がする。自然に落ちてたのを拾ってきた物だろうからそんな物かと納得させて僕は貰ったげんきのかけらを紐で編み込んでカバンに下げた。
- 70二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 16:02:03
✕月✕日
ちょうどお昼時、お前歴史好きだろと友人から渡されたのは小さな博物館のチケットだった。それは前々から僕が気になっていたカロスの歴史を研究しているチームが立ち上げた比較的新しい博物館だった。僕が前のめりになってどこで手に入れたのか聞くと彼はヤブクロンが持ってきたと笑って見せた。え…つまりはゴミ箱からということか…?
しかし貰った以上無駄には出来ない僕は友人とヤブクロンに礼を言い早速行こうとネイさんに話しかけると視界の端に映ったチケットの文字に目を見開く。
アクセス:カロス地方 コボクタウン
☆ミアレシティから直通バスが出ます! - 71二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 16:31:46
✕月✕日
僕としたことが場所の確認を全くと言っていいほどしていなかった。展示内容ばかりが気になり他の部分が盲目になっていた。僕はその博物館のホームページを開き開館日などを確認する。ジョウトからこちらに来た時程では無いにしろイッシュからカロスへ行くのはそこそこの長旅だ。休みの日に一気予定を詰め込むか…しかしそれでは満足できるほどカロスに滞在できる気がしない。講義を休むという選択肢もあるがいつ体調を崩し行けなくなるか分からない。その日のために休みは取っておきたい気もするが…
そうあれこれ思考を巡らせているとネイさんが嘴で僕の背をつついて来た。つつかれた方へ振り向くとネイさんの大きな瞳と目が合う。
それと同時に僕はネイさんの見た未来を思い起こした。そうだ、ネイさんが最後に見た僕の姿は明るい光の差し込む病室だった。僕は一息つくとまっすぐにネイさんを見つめる。
行こう、これが最後かもしれないから。 - 72二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 19:51:34
次回カロス編
カロスに行った結果倒れるとかなら辛いなぁ - 73二次元好きの匿名さん24/07/14(日) 21:11:28
ヤブクロンがカロスのチケット持ってきたのって図書館にあったカロス神話の本ヤブクロンも読んだのかな
確かチケットって絵が描いてあるものだし - 74二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 01:58:54
ホントに結構な距離移動するなぁ
- 75二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 02:23:57
なんだかんだ気遣ってくれる友人やヤブクロン そして何より一緒にいてくれるネイさんを悲しませるような結果にはならないと良いが果たして
- 76二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 10:09:35
ネイさんあまり表に出さないだけでかなり賢いんだろうな
げんきのかけらのプレゼントといい人間レベルの知能だろ - 77二次元好きの匿名さん24/07/15(月) 21:12:49
どうなってしまうんだ…
- 78二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 01:16:31
ネイさんは危機を防ごうとしてるのか
最期の時を一緒に過ごそうとしてるのか - 79二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 10:18:51
アメリカからフランスは遠いな…
- 80二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 10:21:15
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- 81二次元好きの匿名さん24/07/16(火) 19:38:34
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- 82二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 00:04:47
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 08:52:20
距離的に日帰りは無理そうだな 道中も気をつけてね
- 84二次元好きの匿名さん24/07/17(水) 20:21:19
海外だけどネイさんこの調子なら大丈夫かな
時間が無いから移動は飛行機か - 85二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 03:28:59
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- 86二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 08:30:50
チケットが捨てられてたのって何かで手に入ったのは良いけど場所が海外だから行かねえってなったのかね
- 87二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 19:38:31
病室っていうのが何かのミスリードだったりするんだろうか
- 88二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 21:49:53
トレーナー「どのタイミングでどの様に死ぬか」には色々思考を巡らすのに「自分は普通の人やネイさんより先に死ぬ」という事はあっさり受け入れてるのがなんか不自然に見えるんだよな
最初病弱だと思ったけど健康そのものだし検査する前も「まだ健康なはずの心臓が痛い」だから自認も健康っぽいし - 89二次元好きの匿名さん24/07/18(木) 22:41:11
その辺はまぁ実感わかないから論理的に考えようとしてるんじゃないか?
近い将来死ぬよって言われても…って - 90二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 08:53:49
トレーナーの親族も短命でその辺には慣れてしまってるとか?
ここまで親族の話出てたっけ - 91二次元好きの匿名さん24/07/19(金) 19:29:20
保守
- 92二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 06:07:22
保
- 93二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 17:36:19
信頼できない語り手だったりするのか…?
- 94二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 18:07:54
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- 95二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 01:01:01
支援
- 96二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 11:40:27
もう1週間近く更新がないけどもしかして本当に最後だったとかそういう
- 97二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 19:59:48
更新期待の保守
- 98二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 07:16:28
ほしゅ
- 99二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 19:04:44
保守