- 1二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:01:41
私はアビドス高校三年生、副生徒会長の小鳥遊ホシノです。
……はい?ああ、そうか。先生はアビドスに初めて訪れたんですね。
だからそんなに無防備に……。ではどうぞ、合羽です。
ええ、合羽ですよ。それからこれはスリングショットです、どうぞ。
……そうですか、武器はいらないと。まあ、先生がいいならいいですが。
あ、言っておきますがここで銃は使えません。すでに体験されている通り、ここアビドスは『百年以上雨がやまない土地』です。
そして、この雨が当たると弾丸の火薬はたとえ銃越しであっても湿気って使えなくなります。
なのでこうして……っ! ……逃げましたか。はい、弓や投石器などを使って戦うんです。今のはアビドスの沼地に多く生息するアビドスイリエワニですね。気をつけないとガブっといかれて、数日は後が残ります。
さて、とりあえずうちの学校まで案内します。
全校生徒六名の小さな学校ですが、何とかやっていっていますよ。……支援の依頼が受理されるとは、思っても見ませんでしたけど。
じゃあ行きましょうか。ユメ先輩たちを待たせてもあれですから。 - 2二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:02:53
何留年してんだよユメ先輩!!
- 3二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:03:56
雨水どうしてんだろ…
ほとんど蒸発しないだろし、洪水しまくってそうだし、 - 4二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:19:14
河の上に都市作ってるか、それともベネチアみたいな感じになってるか……
- 5二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:23:03
「こんにちは先生!ようこそいらっしゃいましたー!さあさあどうぞ椅子に座って、お茶はいかがですか?お腹は空いてない?あ、合羽はその辺に掛けちゃっていいですよ!」
「ユメ先輩、落ち着いてください。すみません先生、お客さんが来るのは久しぶりなので。ノノミちゃん、お茶菓子お願いできる?」
「はーい。シロコちゃん、選ぶの手伝ってもらえますか?」
「ん、わかった」
「……さて、じゃあ改めて自己紹介。私はアビドス高校生徒会副会長、小鳥遊ホシノ。でこっちが、沼にハマって遭難して、危うく死にかけて先日まで休んでいたせいで留年かましたアホアホ生徒会長の梔子ユメ元先輩」
「アホ……アホ……」
「私は十六夜ノノミ、アビドス高校の二年生です♣」
「砂狼シロコ、二年。先生、よろしく」
「あと二人、一年生がいるんだけど、今ちょうど校舎と道路の定期点検に出ちゃってるから、帰ってきたら紹介します。それで、先生に、というか連邦生徒会に常々お願いしていた支援の件なんですが」
「おおー!なんかどこからともなく資材が!これで校舎の補修とか浮島の増築とか、色々できそうだね!」
「助かります、先生。……ええ、そうですね。詳しくお話しした方がよさそうです、このアビドス自治区の現状について。そういう話は後輩の子が上手なので、まずは二人が帰ってくるまでお茶にしましょうか。ほらアホアホ先輩、二人に連絡入れておいてくださいね」
「ユメはアホアホじゃない」
「シロコちゃん、弁護は嬉しいけど私上級生……」
「……?」
「あははー……」 - 6二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:24:54
水没しちゃったか
- 7二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:27:23
ユメやっぱりシロコに負けてて草
- 8二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:29:54
待っててことはユメ先輩は2年近く遭難してたの!?
- 9二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:32:19
- 10二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:36:01
土地によるけど砂漠は凄い勢いで水を吸うので
大雨→鉄砲水→溺死コンボで死人が出るとかなんとか
案外沼の下は砂漠の砂なのかもしれない - 11二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:39:00
この時空のビナーはなんかオロミドロみたいなことしてきそうだな
- 12二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:39:10
ていうかこれ、地下に埋まってる物掘り返すの不可能に近いよな……いや、潜水艦とか使うことになるのか?
- 13二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:40:21
水上戦がトップレベルに強いアビドス
多分一位はオデュッセイア - 14二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:40:34
銃火器が使えないとなるとカイザーも手を焼きそう
- 15二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:43:21
(遭難→入院→療養→留年&留年のコンボ)
「ただいま戻りましたー」
「ただいまー、あいっ変わらずジメジメジトジト、耳がふにゃふにゃになっちゃ、誰ぇ!?」
「あ、お帰り二人とも。こちら連邦捜査部シャーレの先生。先生、二人が例の一年生です。二人とも、自己紹介して」
「(ユメ先輩、一体なんて言って二人を呼び戻したんですか?♠)」
「(おやつなくなっちゃうから早くって……。急ぐかなーって)」
「(ん、ユメだから仕方ない)」
「(シロコちゃん!?)」
「ええと、初めまして先生。アビドス高校生徒会書記の、奥空アヤネです」
「生徒会書記の黒見セリカよ。連邦捜査部って、支援に来てくれたってこと?」
「そうそう、資材がいーっぱいきたから、校舎の水没か所とか、各地の浮島の補修ができるよ!」
「よかった、大沼の方は前よりも水かさが増してたので、そろそろ浮島の修理が必要だと思ってたんです!」
「ま、その修理は私たち六人……いや、ユメ先輩はお留守番だから五人でやるしかないんだけどね」
「あれ、私ハブ……?」
「ユメは大沼に行かせるとあぶない」
「そ、そんなことは……」「ダメ」「はい……」
「そうそうアヤネちゃん、先生にアビドスの現状とか歴史とか、かいつまんで教えてあげてくれないかな?」
「あ、はいわかりました! でも、先輩じゃなくていいんですか?」
「こういう話はアヤネちゃんが一番得意だからね。ほらユメ先輩、しょげてないで」
「うぅ、ホシノおじさんは優しいねぇ……」 - 16二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:44:09
……これ発掘無理では????
砂もヤバいけど常に雨の沼地ばっかりとか無理でしょ……灌漑するにも限度が…… - 17二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:45:37
- 18二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:45:44
条件満たすと勝手に本船の方から浮上するとかにしないと詰みそうだな
- 19二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:48:39
ノノミからなんかもの凄い強者のオーラを感じる……
- 20二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 22:51:03
というかここのアビドス付近って重火器が使えない&全域水没してるから一種の緩衝地帯みたいな扱いされてそうだなぁ
- 21二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:01:31
「では、説明させていただきます!」ミレニアムガクエン
「まずこのアビドス自治区は、かつて砂漠の街として知られていました。しかし、その砂漠が謎の砂嵐の頻発によって急速に拡大、市街地にも多大な悪影響を及ぼした結果、かつての栄華を誇ったアビドス自治区はあっという間に弱体化していったのです」
「ところが、百年以上前に突如として降り続く豪雨が始まり、当初はすぐ収まると思われていた雨が降り続いたことによって鉄砲水、洪水などの発生件数が次第に増えていきました」
「ここまでなら、まだ良かったのですが……」
「ある日、アビドスで最も大きなオアシスから大量の水が噴きあがりました。原因は不明ですが、大雨によって地下に何かしらの異変が起きたためと言われています。この水は今も湧き出し続けており、砂漠で染み込んだ水を吐き出し続けています」
「大雨と湧き水、この二つによって砂漠の砂は瞬く間に足を絡め取る汚泥に変わり、今ではどの場所も、どんなに浅くても足首までは埋まるほど水かさが増しています」
「また、この雨には火薬を湿気らせる独特の効能と言いますか……。先生もご存じかもしれませんが、たとえ屋内であっても、アビドス自治区にいる限り火薬は役に立たなくなります。これのおかげで自治区内の抗争はほとんどなくなりましたが、逆に沼地を生息域にする生物が多く繁殖するようになり、現在のアビドスは熱帯のジャングルに近い生態系が形成されている状態です」
「ごくっ……ふぅ。ええと、そういう理由でアビドスは大沼地帯、豪雨地帯として広く知られるようになりました。特にオアシス周辺は巨大な沼になっていて、水かさが増しすぎて沼の底にたどり着くには専用の装備が一式必要になるという試算が出ています」
「現状、沼に浮島、ウキを付けた土台を浮かべて、その上に建築物を建てることで休憩地点を作ることに成功していますが、それも補修が必要になってきていましたので……」
「ただ、それもその場しのぎにすぎません。根本的な解決方法、最低でも雨か湧き水、どちらかを止める方法を見つけない限り、このアビドス自治区はいずれ全て沼の底に沈むでしょう」
「以上、アビドス自治区とその遍歴の説明でした!ご清聴、ありがとうございました」
「わーぱちぱちぱち」
「上手に出来てたよぉ、偉い偉い」 - 22二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:04:09
グラードンがいなくなってカイオーガが来たみたいな状態になってる…
- 23二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:05:58
- 24二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:11:25
- 25二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:15:57
雨問題は解決しそうだな!ヨシ!
- 26二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:18:41
「ああ、そういえば先生がなんで対策しないで来ちゃったのか、当ててあげようか」
「先生、アビドスのことを調べて、湿地帯だってことは知ってたよね? でも普通の服装で来た。別に雨具とかも持たずに。どうして?」
「……外からは普通の砂漠に見えた。うん、そうだよね。そうなんだ、このアビドス自治区は、外から観測する分には『砂漠の広がる自治区』でしかない」
「だけど、一歩足を踏み入れれば、そこには湧き水と豪雨に晒される沼地が広がってる。……そう、外から見るアビドスと、中に入って実際に触れるアビドスとは、まるで別物なんだよ」
「私たちも不思議だったけど、きっと他の自治区の子たちも不思議だったろうね。間違いなく沼地にいたのに、境界線を跨いで振り返ればそこには砂漠が広がってる。……そういうおかしなことも手伝って、今のアビドスは全校生徒六人の寂れ切った学校になっちゃったんだ」
「はいはい、ホシノちゃんそこまでー! 暗い話はいいから、これからの明るい話をしよう! ね!」
「……そうですね。すみません、アホ先輩」
「まだ引っ張るの……?」
「先生も雨の中移動してお疲れでしょうし、今日のところは一休みしませんか?♦」
「……先生? なんで合羽を着ようとしてるの? これから帰る? ????」
「先生、知らないかもしれないけど夜の沼地はほんっとーに危険だから! 悪いこと言わないから今日は校舎で一晩過ごした方がいいわよ」
「……わかりました、書類が溜まっているのでは仕方ありませんね。では誰かが付き添いで自治区の境界までお送りします。ホシノ先輩、この後手の空いている人って……」
「私は用事があるし……。シロコちゃんかノノミちゃん、お願いできる?」
「ん、任せて。完璧な送り狼を見せてくる」
「それは駄目な奴ですよ、シロコちゃん」
「……送り届け狼」
「……ギリギリおっけーです♠」 - 27二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:20:48
砂漠の蜃気楼が尋常じゃない範囲まで拡大してんのかな
- 28二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:23:39
凄まじい量の水が揮発した結果幻影がやばい事に…なんてこともありそう
- 29二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:28:57
水がアビドスから溢れ出た時が怖いな
文字通り他の場所を侵食していきそうだし - 30二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:32:37
- 31二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:32:46
テクスチャがおかしくなってるのかぁ…
- 32二次元好きの匿名さん24/07/03(水) 23:37:17
「おはようございます、先生! 今日は自前の合羽お似合いですね!」
「おはようございます。今日は浮島の補修にいくんですが、来ますか?」
「おお、先生と一緒だー! さあ行こうホシノちゃん!」
「落ち着いてください。武器とコンパス、水筒は?」
「武器よし! 水筒よし! コンパス……」
「早くとってきてください、待ってますから」
「ひぃん……」
「浮島は、私たちアビドス生徒会が代々増築、改築を繰り返している、オアシス沼に繋がる足場のことです。休憩用の小屋や物資集積所など、必要なものに合わせて随時増やされてきました」
「一番新しい浮島は、私と今の一年生の子たちとで作ったんだー。一種のアビドス名物だよ!」
「こんなものが名物になるのも、考え物ですけどね。さあ先生、ここから先はボートです、乗ってください」
「沼に落ちないように、しっかり捕まっててね? 落ちたら最悪、うぅ……」
「万が一落ちたらすぐ引き上げますから、暴れたりしないようにしてください。じゃあ、行きますよ」 - 33124/07/03(水) 23:39:08
眠気がスーパーマックスなので寝ます
よければ保守などしていただければ、明日の同じような時間から再開予定です
ちなみに結末も設定も決まっていません、ふわふわです - 34二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 00:05:20
おつ
結構面白くなりそうで続き楽しみ - 35二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 07:32:44
乙です。
かなり面白かったので期待 - 36二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 07:49:53
乙です
ユメ先輩を下に見てるシロコは解釈一致 - 37二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 09:57:07
- 38二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 09:58:12
それでも砂漠よりは可能性あるな
- 39二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:03:13
二浪は無理がないかと思ったけど、シュンがいたわ…
- 40二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:12:42
期待
- 41二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:26:56
- 42二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:27:47
このアビドスの放置ダメじゃない連邦生徒会…?
明日は我が身という言葉がこれほど目に見えているアビドスはそうそうないぞ - 43二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:36:16
生態系が独自の進化しすぎてアウギュステみたいになってたりして
- 44二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:53:43
外から観測すると砂漠、入ると常雨の沼地、その上銃は使用不可...
ただでさえ厄ネタの坩堝みたいな所なのに百年単位でハッキリわかる異常があるんだから調査の一つくらいはされてると思いたいね - 45二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 10:58:24
水分で弾薬が湿気るのもそうだけど火花すら起こせなさそうだなこれ…
- 46二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 11:00:00
というか、機械生命体にとって文字通りの死地ではここ?内部に浸透してくるんだよね?
本編とは別の理由で金を投じて調査しないといけないというか - 47二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 11:04:47
全員優れた飛び道具使いなんだろうな(...ユメパイ以外は、かもしれんが)
ホシノは速射の達人でノノミは剛弓を容易く引けそう - 48二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 12:01:41
- 49二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 12:02:49
ノノミが完全にヒソカみたいになってて草
- 50二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 12:05:07
この子達アビドス以外で戦う時はどうしてるんだろ
銃の扱いもそれなりにうまいのかな? - 51二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 15:24:26
- 52二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 18:19:38
行かないと状況認識できないからとりあえず後回しにはなるよなぁ……
- 53二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 21:51:52
この世界のアビドス、都市伝説みたいな扱いになってそうだな…
- 54二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:54:09
(アビドスの雨は入れない場所に侵入したりはしません。防水処理をしていれば問題なく可動します。ただし触れた場所周辺の火薬は湿気ります。直接触っていないのに、防水加工をしているのに、そんなもの関係なく湿気らせるので銃火器メインの人からは忌み嫌われています)
「見えてきました、あれが浮島です。大きなブイなんかを使って、簡単な足場を組んで浮かせているんです。あれでも結構頑丈ですよ」
「昔はカラッカラの砂漠だったらしいのに、今じゃ水浸しでこんなのまで浮かせてるんだもん。世の中何があるかわかんないねー」
「それじゃあ、先生。ユメ先輩と一緒に浮島の補修をお願いします。先輩、手先は器用ですから。その間、私はお昼ご飯の調達も兼ねて警備に立っているので」
「よろしくね、ホシノちゃん! 先生、こっちこっち。沼に落っこちないように気を付けてね」
「……いた。すぅ……しッ。……よし。お昼はワニ肉、あともう一品くらいほしいな……。魚、魚……」
「……あれ警備かなあ。完全に食材調達の方に意識が行ってると思うんだけど、先生どう思う?」
…………
………
……
…
「おーわりー! ふぅ、教えながらでも二人でやったら早いねー! ホシノちゃーん、ご飯とれたー?」
「お疲れ様です先輩、先生。取れましたよ、ワニ肉と大きめの魚が二匹ほど。バラしてお昼にしましょう」
「はーい! 先生、ワニって捌いたことある? 私はあるよ、上手いよー!」
「先輩、地元の人しか出来ないことでマウント取って楽しいですか?」
「ひぃん……先生はお魚捌いてぇ……」 - 55二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 22:55:41
ワニ肉かぁ…食べた事ないけども案外美味しいらしいねワニ肉
- 56二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:23:34
「あむあむあむ……。先生食べてるー?」
「こういう時のために、いつもスパイスは皆持ち歩いてるんです。臭みもなくて食べやすいでしょう」
「ホシノちゃんの沼飯はアビドス一だよねぇ」
「沼飯……?」
「食べきれない分は皆へのお土産だから、気にせず残しちゃっていいからねー」
「しかし最近はワニや魚も増えましたね。昔よりずっと多くなってきていませんか」
「食料が増えるのは良いことだけど、それだけ沼の深さも増してるってことだもんね……。あーあ、なにかぱーっと解決する手段がないかなっ……!? わ、わ、揺れてる!?」
「これは……先輩!先生!すぐにボートに移ってください!アレが来ます!」
「ひぃーん! なんでこんなとこにでるのー!?」
「ああ、浮島が壊されちゃった……」
「間一髪でしたね……。先生、オアシスを調査しようにも問題が一つあるんです。それがあの、大きな蛇のような何か。私たちは沼蛇と呼んでいますが、あのバカでかい蛇が陣取っているせいでオアシスの調査が出来ないんです」
「でも、あれはオアシス沼から動かなかったはずなのに……。なんでこんなところに?」
「……まさか、沼の深度が増しているせいで? ってことは……」
「ねえねえホシノちゃん」
「なんです先輩」
「あれこっち来てない?」
「……先輩全速力! 先生しっかり捕まって! 私が迎撃します!」
「ひぃぃぃぃん!!! このおバカ沼蛇めぇー!!」 - 57二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:27:25
ビナー!ビナーじゃないか!
- 58二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:36:39
純白ボディが泥で見る影もなく...
- 59二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:40:55
なんてこった、アビドスの校舎が高速変形しちまう
- 60二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:42:08
デカグラマトンがなんかご当地生物みたいに…砂の代わりに泥の波をぶつけてきそう
- 61二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:42:26
背丈の倍もある弓を巧みに操りながら、ホシノはボートという不安定な足場に立って、迫りくる巨大な機械蛇を迎撃する。持ち込んだ矢は特別なものではないが、ホシノがそれを撃ち放てば、甲高い風切り音と共に接近する蛇の頭がかち上げられた。
その後ろでは、先生がしっかりとボートにしがみつき、ユメが全速力でオールを漕いでいる。
迫る蛇は水垢や苔がびっしりとついている、黒とも深緑とも呼べない色をしているが、その動きやわずかに見える光沢から、生物ではなく機械の類だと理解できた。
これこそがオアシス沼の主。このアビドスの最も深い場所に住まう沼蛇である。
その頭上には生徒と同じようにヘイローが輝き、自身の縄張りに立ち入ったものを破壊しようと暴れまわっていた。
「ひぃんっ! ひぃんっ! どっ、どこまでついてくるのぉ!?」
「水路は続くよ何処までもですか! この、いい加減止まれッ!」
引き絞り、放たれた一矢が、沼蛇の額を撃ち抜く。
それが気に入らなかったのか、沼蛇は咆哮をあげて身もだえると、ぴたりと動きを止めて視線一つ動かさなくなった。
その動きが何を意味するのか、オアシス沼で何度か沼蛇と事を構えたことのある二人には理解できる。
「先輩!!」
「代わるよ、オールお願い!」
「はいっ!」
立ち上がり、ホシノと立ち替わって背負っていた盾を構えるユメ。
どっしりと腰を落とし、船の上にも関わらずすさまじい安定性で沼蛇を見据えると、オールを持ったホシノの大漕ぎで再び距離が離れ始める。このまま逃げ切れるか、と先生が僅かな希望を抱いた直後。
光が瞬いた。
”ユメ!!”
「だい、じょう、っぶぅぅぅ!!」
目も眩む輝きが沼蛇の開いた口から放たれ、その奔流がユメの構えた盾によって遮られる。
五秒、十秒。ぞっとするほど長く感じるような時間が流れ、そして輝きがふっと消え去ると、ユメは大きく息を吐き出した。
「ひぃん、やっぱりこれ受けるのしんどいよぉ……!」
「お手柄ですよユメ先輩、このまま逃げ切ります!」 - 62二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:47:02
ユメ先輩が無事だからかホシノ性格変わらず頼もしいな
- 63二次元好きの匿名さん24/07/04(木) 23:55:46
(今日はここまで。銃火器が使用できないので一部生徒は近接武器も使用します。ホシノも使います。ユメ先輩は盾とスリングショット)
- 64二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 00:48:21
敵は機械獣だけど近接武器に弓等で大きな相手に立ち向かうなんてモンハンみたいだな
ところでこんな環境になってもヘルメット団は入り込んで来てたりするのだろうか - 65二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 06:45:12
ここのアビドスはマジで別世界みたいになってるな…戦うための手段も何もかも
弾薬が湿気るのも何か不思議な力が働いてるっぽいのを考えると『銃火器の使用不可』という概念的な何かが働いてそうだな…銃火器はキヴォトスにおいて青春の一つとなっている物だが…
レールガンのアリスとか実弾ではなくエネルギー弾説のあるヒナとか辺りがアビドスに行くと違う要因で銃が使用不可になるのかな - 66二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 06:46:06
- 67二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 13:05:37
なんか、オープンワールドとかで、天候が固定されてるエリアの境界線を踏み超えるようなイメージなんだろうな>雨だったり砂漠だったりする感覚
- 68二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 13:27:52
古い神秘に満ちてるアビドスだからこその特異現象なんだろうな
銃を扱うのが当たり前の世界で銃を概念的に封じる雨なんてまともじゃない - 69二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 14:20:31
- 70二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 15:25:20
ぶっちゃけキヴォトスでは銃が青春と密接に関わっているから、その銃を使えなくするって事は『青春の一部を強制的に削りとる』という事で学園青春テクストに対してヤバい効力発揮しそうなんだよね
マジでこの現象はアビドスで食い止めないとヤバいぞ…!? - 71二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:10:56
(ちょっとリアルが忙しいので今日は更新無しです。明日には多分出来るかもしれません)
(火薬に関しては、大体そんな感じ。どんなものでも火薬である場合使用不能になります。ダメなのは火薬だけなので、電気仕掛けで火花を起こしたりは出来ます。レールガンやコイルガンと言った、電気で動く武器も使用可能です。一応文化的な生活は営めます) - 72二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 22:44:08
じゃあ移動にモーターボートとかは使えるのか
…砂漠(に見える場所)にモーターボート持っていく奴なんて端から見たら狂人だろうな - 73二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:21:59
液体装薬を使う火砲を燃料直噴エンジンみたいなものと定義出来れば、機構さえ小型化できれば銃として使用できそう
つまりミレニアムと協力関係になる展開もアリということだな! - 74二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:34:58
カイザーとかテーザー銃がメイン武器になってそう
- 75二次元好きの匿名さん24/07/05(金) 23:45:26
このビナー、ヘドロと水草纏ってそう
- 76二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 07:57:52
しかしマジもんの魔境になってるな、これ
- 77二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 08:13:50
マジでカイザーもお宝なければ絶対に執着しないし、理事も「君たち、なんでこんな学校にまだ残ってるん」って聞きたくなるレベルの魔境
- 78二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 08:30:47
何だろう、ブーメランで自傷行為するのやめてもらっていいですか
実際このアビドス沼地を買い取ってもろくな儲け方が無いし下手したら管理責任を問われることもあるかもしれない…あっこれ流石のユメパイも違和感に気付くな
- 79二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 08:33:09
horizon zero dawn味あってよき
ホシノの驚異的な膂力から繰り出される投槍でゴリアテもいちころ - 80二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 08:58:28
液体燃料は問題なく稼働するけど
固体燃料は問答無用で機能不全になるって考えると恐ろしいな - 81二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:00:41
大丈夫?カイザー発掘出来てる?
下手するとアビドスに頭下げて手伝ってくださいにならない? - 82二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:02:01
電気雷管の威力だけで弾丸を射出しよう
射程短いけどおじさんの戦闘スタイルなら余裕やろ - 83二次元好きの匿名さん24/07/06(土) 09:05:40
逆に考えよう水が地下深くまで浸透してるなら音響探査が使えてるって
まぁ大きな音を出すとビナーが高確率で出現するけど