- 1二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:23:22
『CPを決めるのは私ではない、ダイスだ。』
↓を振って、出た目でCPの幻覚を見るスレ
dice2d125=__
1-城戸正宗 2-鬼怒田本吉 3-根付栄蔵 4-唐沢克己 5-忍田真史
6-沢村響子 7-忍田瑠花 8-寺島雷蔵 9-林藤匠 10-林藤陽太郎
11-ミカエル・クローニン 12-林藤ゆり 13-レプリカ 14-太刀川慶
15-出水公平 16-唯我尊 17-国近柚宇 18-冬島慎次 19-当真勇
20-真木理佐 21-風間蒼也 22-歌川遼 23-菊地原士郎 24-三上歌歩
25-草壁早紀 26-緑川駿 27-佐伯竜司 28-里見一馬 29-宇野隼人
30-嵐山准 31-木虎藍 32-時枝充 33-佐鳥賢 34-綾辻遥 35-加古望
36-黒江双葉 37-喜多川真衣 38-小早川杏 39-三輪秀次 40-米屋陽介
41-奈良坂透 42-古寺章平 43-月見蓮 44-片桐隆明 45-一条雪丸
46-桃園藤一郎 47-尼倉亜澄 48-結束夏凛 49-木崎レイジ
50-小南桐絵 51-烏丸京介 52-迅悠一 53-二宮匡貴 54-犬飼澄晴
55-辻新之助 56-氷見亜季 57-鳩原未来 58-三雲修 59-空閑遊真
60-雨取千佳 61-宇佐美栞 62-影浦雅人 63-北添尋 64-絵馬ユズル
- 2二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:24:13
dice2d125=__
65-仁礼光 66-生駒達人 67-水上敏志 68-隠岐孝二 69-南沢海
70-細井真織 71-王子一彰 72-蔵内和紀 73-樫尾由多嘉 74-橘高羽矢
75-東春秋 76-小荒井登 77-奥寺常幸 78-人見摩子 79-那須玲
80-熊谷友子 81-日浦茜 82-志岐小夜子 83-弓場拓磨 84-帯島ユカリ
85-外岡一斗 86-藤丸のの 87-神田忠臣 88-来馬辰也 89-村上鋼
90-別役太一 91-今結花 92-荒船哲次 93-穂刈篤 94-半崎義人
95-加賀美倫 96-香取葉子 97-三浦雄太 98-若村麓郎 99-染井華
100-諏訪洸太郎 101-堤大地 102-笹森日佐人 103-小佐野瑠衣
104-柿崎国治 105-照屋文香 106-巴虎太郎 107-宇井真登華
108-漆間恒 109-六田梨香 110-武富桜子 111-夏目出穂
112-ハイレイン 113-エネドラ(エネドラッド) 114-ランバネイン
115-ヴィザ 116-ヒュース 117-ミラ 118-ガトリン 119-コスケロ
120-ウェン・ソー 121-レギンデッツ 122-ラタリコフ 123-ヨミ
124-雨取麟児 125-三雲香澄
- 3二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:25:10
- 4二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:31:50
[要約]
・ダイスを振ってランダムに出た組み合わせでSSを書いてね!
・ダイスのテンプレはこちら→ dice2d125=__
・基本的に自分で振ったCPは自分で書いてね!
・どうしてもダメなら助けを請ってもいいかもね!
・必ず書いてくれるとは限らないから注意してね!
・既に書かれてる組み合わせでも被りは気にせず書いてね!
・CPと銘打ってるけど無理に恋愛に繋げなくてもいいからね!
・色んな作品書いてね!
後は何かあれば適宜追加する方向で
- 5二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:41:34
- 6二次元好きの匿名さん22/02/09(水) 23:43:01
書くべき内容はこんなところか。落とすなり続けるなりダイス振るなりSS書くなりお任せします。
では健闘を祈る。 - 7二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 07:20:52
知らん間にめちゃくちゃ伸びてたんだな
- 8二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 09:04:25
とりあえず保守
- 9二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 10:13:08
景気付けに一発
dice2d125=73 79 (152)
- 10二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 10:14:59
- 11二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 12:02:16
- 12二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 22:35:38
また那須さんを交えた幻覚CPが増えとる……
- 13二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 04:37:16
接点無いなーこの2人
那須さん×カシオ その1
(そろそろ終わる時間ね)
時計を見ると午後2時55分。
確か狙撃手の合同訓練は3時までだったはずだ。
訓練終わりの茜ちゃんにお茶でも用意しようかしら、とぼんやり考えていた那須の耳に、突如明朗な声が届いた。
「失礼します!」
「あら?あなたは王子隊の...」
「王子隊攻撃手、樫尾由多嘉です!15時から日浦さんとお約束をさせていただいています!」
(そういえば茜ちゃん、昨日そんなことを言ってたわね)
何でもラウンジで話をした時の流れで樫尾に勉強を見てもらうことになったとか。
別に自分や奈良坂でも構わなかったが、やはり同学年の方が気安いのだろうか。
それにしてもきっちり5分前に到着とは律儀なことだ。
「あと少しで戻って来ると思うから入って待っててくれる?」
「はい!失礼します!」
その丁寧な態度から育ちの良さが伺える。
比べるわけではないが、とても茜と同い年とは思えない。
「せっかくなので那須先輩にお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか!」
「あら何かしら?変化弾について?」
ボーダー屈指の変化弾の使い手である那須は、時たまその使い方やコツを聞かれることがあった。
だが返ってきた答えは予想と異なるものだった。
- 14二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 04:38:34
那須さん×カシオ その2
「身のこなしについて意識していることは何ですか?」
「身のこなし?」
「那須先輩の機敏な動きには目を見張るものがあります。変化弾の弾道設定とあの動きの両立をさせるために意識していることがあれば教えていただきたいのです」
なるほど、そういうことか。
王子隊はB級でも屈指の走れる部隊だ。
機動力の向上はそのまま長所の強化に繋がる。だが、
「私のケースはあまり参考にならないと思うわ」
「理由をお聞きしても?」
「トリオン体での動きは生身の感覚が元になっている、ということは知ってる?」
「はい!生身の鍛錬も重要と認識しています!」
「そうね。それは逆に言うと、トリオン体であれば可能な動きであっても生身の感覚に引っ張られて出来なくなる、ということでもあるの」
「!」
「普通の人は経験的に出来ない動きというのが分かっている。でも普段あまり激しく動けない私はそういった感覚が薄いのね。枷が無い、とでも言うのかしら」
ヒーローごっこをしている子供がイメージ通りに動けているのが近いかもしれない。
「そんなわけだから、あまり参考になる話は出来ないの。力になれずごめんなさい」
「いえ!そのような視点があることが知れただけでも勉強になりました!ありがとうございます!」
真面目で素直、向上心もある。この子はまだまだ強くなるな。私たちも負けていられない。
そう決意を新たにした那須の耳に明るい声が聞こえてきた。
どうやら訓練が終わったようだ。
今日のお茶はいつもより良いものにしよう。
- 15二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 12:31:39
めっちゃ良かったです!
- 16二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 23:53:40
SS書いてる人みんな才能あって羨ましいわ
書けない身としては本当尊敬する。 - 17二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:57:07
爽やかな感じが好き
- 18二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:57:26
- 19二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:58:20
- 20二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 12:12:20
保守代わりに
dice2d125=91 93 (184)
- 21二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 19:06:22
よく見たら2連ポカリで草
結構偏りあるな…まだ一回も出てない人多いし - 22二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:11:24
ダイスにビビったので未執筆のやつにチャレンジ
光ちゃん×海
絵馬「別にヒカリには関係ないだろ」
仁礼「何だその言い方!あっ、ちょっと待ておい!」
南沢「仁礼先輩こんちわーす!何かあったんすか?」
仁礼「んぁ?なんだ南沢か。別に大したことじゃねーよ。悩める後輩にアドバイスやろうとしただけだ。それなのにアイツときたら!人の親切をなんだと思ってやがる!」
南沢「へぇー」
仁礼「年上の言うことは聞いとくもんだろ、なぁ?」
南沢「なんか今の仁礼先輩って、先輩っていうよりお姉ちゃんみたいっすね!」
仁礼「お、おぉ!そうか!そう見えるか!」
南沢「うちは兄貴2人なんでお姉ちゃんとか憧れるっす!」
仁礼「なんならアタシがお姉ちゃん役やってやってもいいぞ!」
南沢「お姉ちゃんって響きがいいっすよね!」
仁礼「話聞いてるか、お前?」
南沢「あれ?」
水上「海!お前マリオに呼ばれとったやろ!はよ戻らんとまたどやされんで!」
南沢「いっけね!じゃっ、失礼しまーす!」
仁礼「あっ、ちょっと待ておい!」 - 23二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 01:44:01
このレスは削除されています
- 24二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:22:31
光ちゃんや海のイメージが浮かび上がる良い文章ですな
- 25二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:37:51
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:38:37
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:39:12
このレスは削除されています
- 28二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:40:03
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- 29二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:40:38
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- 30二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 06:43:01
このレスは削除されています
- 31二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:09:46
(くるせん×マキリサ その1)
私は実力主義者である。力のある者に無力な者が虐げられるのを肯定する訳ではないが、しかし無能な奴が偉そうに振る舞っているのは許せない。そんな輩を見ると北極かどこかの僻地に飛ばしてやりたい気持ちに駆られてしまう。A級1位の部隊にコネでねじ込んでもらったボンボンなんかは特にそうだ、あんなやつの面倒を見ねばならない太刀川隊の先輩たちには同情する。
一方でそんなお荷物を抱えているにも関わらず、頂点に君臨し続けている彼らを超えられないのは歯痒くもあるのだが。
……ああ、ボンボンで思い出した。私は無能な奴が許せないが、同時に自分は完璧であろうと常に心がけている。当然である、他人に有能さを求める以上、まずは自分が優秀な人間であらねばならない。ミスのないようにそつなく振る舞っているお陰で私の仕事ぶり自体は認められている様だ。
しかしそんな私でも2回ほどしくじったことを思い出してしまった。
1回目は急ぎの書類を嵐山隊に届ける為に銃手の訓練室に行った時のことである。隊室に向かえば良かったかもしれないが、何分彼らは広報も担当しており多忙だ。隊室にいるとは限らない。それに銃手の訓練室に嵐山さんや時枝がいるという話を聞いていたし、そちらに行く方が近かったのだ。
しかし私は銃手の集まりが苦手だ。良く言えば和気藹々、悪く言えば馴れ合いのある集まりだと思っている。里見先輩や弓場さん、犬飼先輩や北添先輩たちなど素晴らしい人材がいる一方で、うだつの上がらない連中もいる。そいつらが好き勝手にするならまだしも、そいつらの訓練の為に有能な人達の時間が奪われていることが腹立たしいのだ。
「時間は有限なのだから期間を決めて取り組みダメなら他の道も模索するべきだ、お前のチームメイトの様に」という旨で指摘すれば気落ちして私を敬遠しやがる奴も出てくる始末。こういうのを許容してしまう甘い対応や温い雰囲気が癪に触る。 - 32二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:10:17
(くるせんとマキリサ その2)
その銃手の訓練室へ向かうところで出くわしたのが鈴鳴第一の隊長、来馬さんだった。ハッキリ言って嫌いな相手だった。彼こそが銃手の界隈の雰囲気を温くしている元凶だと確信していたからだ。本人は弱者を労っているつもりだろうがその実甘やかし、当人の実力も大したことは無い、その癖に指折りの攻撃手である村上先輩を飼い殺しているという体たらく。
彼は人の良さそうな笑顔で脳天気に挨拶をしてきたが、私は目を合わせることなく短く返して去ろうした。しかし、彼は変に目敏いというか何というか。私の持っている書類やその目的先に気付いた様で自分が代わりに届けると申し出た。
私は相も変わらずにべもない態度であしらっていたが、断られるのが不思議だったのか腰の低い態度で手伝う姿勢を再び見せてきた。
そこからは頭に血が昇ってしまい断片的な内容しか覚えていないが、来馬さんに言い放ったのは概ねこんなところだ。
断ってるのが分からないのか
私はアンタと違って忙しいのだ
私に構う暇があるなら訓練でもしろ
村上先輩の足を引っ張ってるのが分からないのか
村上先輩の実力ならもっと上を目指せるのに、隊長のアンタが不甲斐ないせいで中位どまりになってしまっている
隊長ならもっと実力つけて村上先輩を引っ張るべきだろう
苛立ちで頭がいっぱいになった私のその後の行動は覚えていない。少しだけ覚えているのは無事に書類を渡せたことと、受け取った嵐山さん達の驚いた表情だけだった。 - 33二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:10:47
(くるせんとマキリサ その3)
怒りをぶちまけてから数日後、村上先輩が私に会いに来た。お気に入りの先輩を年下に叱責されて怒り満面であるだろうことは予想できたし、同時に来馬さんは自身の敗北を後輩に拭わせに来たのかとも思い失望の念も強くなる。ところがこれらは全く検討違いであった。村上先輩は怒ってなどいなかったし私と口論するつもりも無かった。ただいつもの穏やかな調子で、
「急に押しかけてすまない。真木、少し時間はあるだろうか?お前に見てもらいたいものがあるんだ」
とだけ語りかけた。呆気に取られたのと彼の瞳に強い意志を感じ取った私は村上先輩に先導されるがままに彼らの訓練室に行った。
そこで見たのは汗だくで射撃訓練をする来馬さんの姿だった。何時間練習しているのだろうか?インナーどころかジャケットまで肌にへばりついて、髪も服もベショベショである。身体能力の向上するトリオン体でこれなら相当の時間であろう。しかも銃がいつもの両手持ちではなく、片手に一丁ずつ突撃銃を携えて射撃している。二丁突撃銃によるフルアタックだ。
「来馬先輩がお前に色々言われてから新しいフォーメーションの必要性をより強く感じたらしくてな、オレだけじゃなく先輩も火力として戦える様にフルアタックの特訓をしてるんだ。でも動きながら反動の強い突撃銃を制御するのは簡単じゃなくてな、運動性や命中精度を高める為に毎日こうしてトレーニングしてるんだ」 - 34二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:11:16
(くるせんとマキリサ その4)
彼は、来馬さんは私の言うことを真摯に受け止めてくれたのだ。でなければこんな疲労困憊ぶりが傍目にも分かるくらいに訓練には打ち込めない。しかも毎日行っているのだ。予想外の光景と展開に驚く私に気付いたのか、村上先輩は言葉を続ける。
「補足すると来馬先輩は全く怒っていないよ。寧ろ感謝していた、『ぼくは確かにゆるいところがあるから、真木ちゃんみたいに引き締めてくれる人がいるのはありがたい』と。それを伝えたくてこうして来てもらったところだ」
この時ばかりは自分の器の狭量ぶりや、計算を見誤ったことを恥じ入らずにはいられなかった。来馬さんと廊下であった時とは違う感情で顔が紅潮していたたまれなくなる。申し訳なさで。
彼を金持ちのボンボンで、立場に甘えて馴れ合いを好む輩だとどこかで見下していた。しかし彼はそんな人間ではなかった。こんな小娘の言う事でも真剣に受け止め、向き合い、それに応えてくれる度量の深さを持つ方だった。だからこそ村上先輩や鈴鳴第一のメンバーは彼を慕い尊敬しているのだ。来馬さんの懐の広さと勤勉さ、真摯さは私が軽率に決め付けて良いものではなかったのだ。 - 35二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:11:46
(くるせんとマキリサ その5)
間違いに気付かされた私は彼が訓練を終えるまで待って、部屋から出てきた瞬間に平身低頭謝罪した。来馬さんは汗だくでヘトヘトであるにも関わらず、うんうんと頷きながら私の泣き言に耳を傾けてくれた。しかし彼は私を一切責めることはなく、依然変わりない柔和な笑顔で私に感謝しこれからも精進し続けることを伝えてくれた。
その時の私の矜持などはもう涙を堪える分ぐらいしか残っていなかった。
以上が私の1回目の失敗の顛末である。来馬辰也という人物と鈴鳴第一というチームを多大に見誤ったこととその原因である私の視野の狭さ、これが最初の失敗だ。これ以降は銃手界隈自体へのイメージが大きく変わった訳ではないものの、男性隊員への、特に歳上の隊員への評価を確定するのに余裕を持つ様になり、自分自身を見直すきっかけも得られた。それらは喜ばしく歓迎すべきことであろう。
さてもう一つの、2回目の失敗の方それに比べればシンプルで、しかし複雑な問題である。
来馬さんのことを考えると何故か高まる、この胸の鼓動は一体どうしたものだろうか。 - 36二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 07:13:08
- 37二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 15:06:41
- 38二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 23:33:55
ありがとう、読みやすいのならホント良かった。
- 39二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 02:01:09
(支部長とガトリン)
客で程々に賑わっている店内には揚げ物の油の匂いや何かは分からないが香ばしい匂いに香草らしい癖のある香りが混じって更に雑多な雰囲気を助長していた。
木のテーブルと椅子。入口から奥まった席に己を導いて入口を背に陣取った男は軽妙ながら読めない雰囲気を身に付けている。視力を補う硝子の装身具を外し速やかに提供された温かいオシボリ(確かこう発音した)で顔を拭く男。リンドウと名乗った男は如才無い様子で訪れた店の従業員に注文を告げている─合間にこちらの好みまで聞き出す徹底ぶりだ。魚の串焼きと応答したが幸い合致する物があるようだった。
速やかに給仕された魚は想像と違い切り身が串に並んで上には揚げた香草が添えられていた。この店の匂いがそこに集められて形になっている。そんな料理だった。
豊かだ。街の片隅でひっそり営んでいるような店でもこのように工夫をこらした品が提供されている。この世界に拠点を置いている目の前の男は何をこちらに望むのか。
ラタリコフとレギンデッツからの言伝てで彼らが支部の青年と少年と対談をした場所に呼び出され、そこから更にこの店に案内された。共に案内されたコスケロは店の外で控えている。
非常に小さな陶器に玄界の穀物で作った酒だと先程説明された液体を注ぎ、それをひと口で飲み干した男が切り出す。
「子供が親から引き離されることの無い、ましてや争いで死ぬなんてことの無い未来を模索したいんですよ」
「それをあなた方と共に模索したい、少なくとも私自身はそう思っています」
その言葉を聞いて遠慮をした穀物の酒の代わりに魚の串焼きにはじめて手を伸ばした。塩気と香ばしさと複雑な香草の風味。目の前の男を咀嚼したらこういう味がするのだろう。
いつか、この男と共に果実のように甘い芳香を放つ透明な酒を味わう日が来るのだろうか。それは夢想で終わらせるにはいささか惜しいとガトリンは感じ始めていた。
おっさん同士が向かい合って居酒屋にいるのを見たくてつい - 40二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 13:51:48
保守
- 41二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:05:51
冬島さん×鳩原 その1
俺は仕事を隊室でやることが多い。
理由はいくつかあるが、その1つが静かだからだ。
当真のやつはだいたい寝てるし、真木ちゃんは無駄口を叩かない。
そもそも2人とも学生なので、日中は俺専用の執務スペースになるわけだ。
彼女が隊室に訪れた時も、俺は黙々と仕事に勤しんでいた。
「失礼します。当真くんいますか?」
「鳩原じゃねぇか。珍しいな。当真ならまだ来てないぞ」
彼女の名前は鳩原未来。
A級4位、二宮隊の狙撃手だ。
「教室にいなかったんでもう来てるのかなと」
「たぶんまたどっかで道草食ってやがるな」
その技量はボーダー随一。NO.1狙撃手の当真や開祖の東をも凌ぐと評価されている。
「筆箱忘れてたみたいなんで、困るかと思って届けにきたんですけど...」
「アイツが字を書いてるとこ見たこと無いから筆箱は無くても困らんとは思うが、預かっとくよ。わざわざスマンね」
一方で本人の気質はいたって穏やかだ。
女子高生が苦手な俺が初対面で普通に話せたのは、この優しげな雰囲気に依るところが大きい。
「いえ。それじゃあ失礼します」
「あ、鳩原。その、何て言っていいか分からんが、残念だったな」
そんな鳩原は人が撃てない。
これはA級隊員の間では有名な話だ。 - 42二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:06:27
冬島さん×鳩原 その2
「・・・遠征の件ですか。仕方がないですよね」
「当真も文句言ってたよ。"鳩原いなくなったら狙撃手俺1人じゃねぇーか"ってな」
そしてそれ故に、一度は認められた遠征メンバー入りが白紙とされた。
「それ、当真くんが楽したいだけなんじゃ?」
「だな。まぁ俺の方でも"あっち"での情報収集はやってみるからさ、その間の防衛は任せたぞ」
鳩原の心中は察するに余りある。
せめて少しでも力になれるよう努めよう。
「ありがとうございます、冬島さん。当真くんのこと、よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしく頼む。これからも良くしてやってくれ」
俺の言葉に対して、アイツは何も言わず、少し困ったように笑ってその場を去った。
それが、俺が最後に見た鳩原の姿だった。