ここだけドング魔導世界スレその8

  • 1ぼっち24/07/10(水) 21:17:57

    ここは「安価で魔術概念を作ろう」というスレで設定を決めた魔術世界を舞台としたなりきりスレッドです

    ここではあなたはドング世界の住人です

    魔術に目覚めるも良し、一般人として過ごすも良し

    好きに生きてください


    前スレや関連スレ、テンプレは>>2以降にて

  • 2ぼっち24/07/10(水) 21:19:50
  • 3二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:21:02

    このレスは削除されています

  • 4ぼっち24/07/10(水) 21:22:37

    この世界の魔法エネルギー:ドング

    世界を構成する七大要素であるドングの属性:闇、地、時、魂、熱、鉄、血

    使用法:人によって扱える属性は異なる、空気中のドングを集めて使う(ほとんどの人間が操れない)

    ドングを扱える許容量:才能のない人間100、 才能のある人間150
    1000以上のドングを扱える者たち:王家の血筋、魔族、才能があるやつで修行しまくった人

    〈魔法とそれに使用されるドング量の具体例〉
    100ドングで巨大なゴーレム生成
    100ドングで鉄の密度を変えられる
    1000ドングで地震を起こせる

  • 5ぼっち24/07/10(水) 21:24:04

    魔術派閥は大きく3つに分かれている


    ①アカデミア<学問派>

    ドングを学問として考える組織。巨大な教育機関でもある。ドングを集めやすくする魔道具を作っている


    目標は根源への接続


    大多数はただの学生や教師で、根源って何ぞや? と思っている

    属性によって学科が別で、たとえば血属性主義の一派は歪な生物を生成して迷惑をかけているらしい

    根源到達を考えているのはごく一部の人達だけ


    根源とは神の座であり、そこに至ることでこの世界のトングの属性を定めることができる。根源に至り、属性を新しく作った者は神王と呼ばれる


    ドングの多い王族との関係:王族たちは新たな王の誕生を阻止するためにアカデミアを滅ぼそうとしている。現在は時の要素を決めた神王が即位している


    魔術師の位階は六つに分かれており、位階を上げる条件はドングの許容量の増加である


    <魔術師の位階>

    ガラス

    ポーン

    ナイト

    ビショップ

    エルダー

    キャンセラー

  • 6ぼっち24/07/10(水) 21:25:08

    ②星喰学派<禁術派>

    目的は魔族になること

    共食いをすることでドングを増やす禁術【マッドネス】を使う


    魔族になる方法:ドング許容量が一定(666)を超えると、魔族に進化する道が開ける

    生まれつきのドング許容量がゼロでも、マッドネスを666回行えば...つまり666人の人間や魔術師を犠牲にすれば、魔族になることができる

    ドング量の莫大な王族直系なら1人、分系なら5人ほどの犠牲でいけたりするらしい


    ③王族

    現在の王は時属性の王

    そのドング許容量は20000

    妻がひとり、息子がふたり、娘がふたりいる

    最も魔法の才能があるのは二男で、これが跡継ぎと目されているけれど、次女はそれが気に入らないらしい


    王の目的:人類の発展及び宇宙への進出

    でも宇宙開発に関しては、アカデミアからも星喰学派からも一般国民の皆様からも大ブーイングらしい

  • 7ぼっち24/07/10(水) 21:26:01

    魔術師キャラを作るときのテンプレ

    dice1d7=■で属性

    それぞれの数字が闇、地、時、魂、熱、鉄、血にそれぞれ対応する

    dice1d100=■が20以下なら多属性持ち

    dice1d6=■を振って出た数だけ属性を追加しよう


    dice10d20=■で初期トング量

    100で一般的魔術師、150越えたらエリートさん

  • 8ぼっち24/07/10(水) 21:27:27

    種族ダイス:dice1d8=■

    純粋なその種族ということにするか、その種族の血が入っている人間ということにするかはお好みでどうぞ


    1.ノーマルの人間

    特にこれといって言うべきこともない普通の人

    2.エルフ族

    尖った耳が特徴、ドング量で肌の色が変わる

    (普通以上は白、少ないときは褐色になる)

    3.レプタリアン族

    恐竜の特徴を持った人型の種族

    魔物狩りをしながら生活している

    4.妖精種

    林檎ほどの大きさの青い炎のような見た目の種族

    炎の中に羽のある人のような本体がある

    5.獣人族

    身体能力に優れた半人半獣の種族

    人寄りか獣寄りかは個人差がある

    6.鉱石人族

    鉱石の原石に顔や手足がついている種族

    鉱石を継ぎ足すことで体の形状を変えられる

    7.魚人族

    人の骨格にエラや鱗、ヒレがついている種族

    陽気な性格で歌が上手い

    8.巨人族

    多腕有角の巨大な種族

    極めて寿命が長いがその性格は温厚

    9.有翼種

    背中に鳥やコウモリのような翼を持つ種族

    種族のほとんどが美形の珍しい種族

  • 9ぼっち24/07/10(水) 21:28:31

    寮ダイス:dice1d6=■

    アカデミアの学生はそれぞれの資質に応じた寮に入りそこで生活する。ハ○ポタのグリフィ○ドールとかス○ザリンみたいな感覚と思っていい


    1、月寮

    冒険心や未知の分野への知識欲を持つ者が入る寮

    卒業後は研究者になるものが多い

    2、日寮

    好戦的で実践を好む生徒達が入りやすい寮

    寮生は明るい性格が多いため常に賑やか

    3、深森寮

    植物が好きでのんびり屋な生徒が多い寮

    農業系の魔術が得意で寮内でも植物を育てている

    4、禿鷲寮

    人間心理を読み取る力に優れた者が多い寮

    周囲から冷淡だと誤解されやすい人間も多い

    5、紅玉寮

    リーダー気質な生徒の多い寮

    王に対して憧れや尊敬を抱くものが多い

    6、蒼玉寮

    人騒がせな変人が多い寮

    芸能系、アート系の活動が盛んな寮でもある

  • 10ぼっち24/07/10(水) 21:29:57

    テンプレは……だいたいこんな感じかな、たぶん……。
    他にも出自ダイスとか、魔法の杖ダイスとか、学力/体力ダイスとか、性別ダイスとか年齢ダイスとか、いろいろ好きなダイスを考えて、自分のキャラを掘り下げてみるのもいい……。
    ああ、もちろん、アカデミアに所属するか、星喰学派に所属するかをダイスに委ねてもいいし……。
    いっそのこと、魔法使いですらなくして、市井で魔法と縁を持たない暮らしをしてみるのもいいと思う……。
    外国に行ったり……別大陸に行ったり……いっそ、魔物として生まれたっていいかもしれない……。
    わりと、何もかも自由だ……好きに生きよう……。
    がんばれー……!

  • 11ぼっち24/07/10(水) 21:37:25

    【最後に……私自身のプロフも置いておくよ……】
    通称:ぼっち
    本名:エメラチェリー・ラダー(Emeraldcherry Ladder)
    属性:鉄
    ドング許容量:147
    魔法行使アイテム:トング
    移動用多脚ゴーレム「ロースティッド・アーモンド号」を所有
    高身長で細身。祖先に巨人族の人がいたかも
    アカデミア学生、蒼玉寮の三人部屋に暮らしてる
    実家はパン屋。ごく普通の中流家庭出身
    学力88、体力22(100段階評価)
    パーティーを組むとサポータータイプ。特に罠(トラップ)の扱いに優れる
    乗馬が得意。騎乗移動魔法《跳ね馬(スプリッツァー)》を開発
    吃り癖があり、人付き合いに苦手意識を持つ
    ただしお仕事(接客業)であれば、緊張なく取り組めるようだ
    絵がうまく、少女漫画風の絵を描く。ファッションへの興味が強い。賭け事には向いてない。大の甘党
    星喰学派で、プレッチリー・フリーラックスの指導を受ける
    暗殺者・諜報員としての適性が高いと見なされている
    パライソルで2000人以上を煽動して殺し合わせ、ギャング組織を壊滅させる
    ロス・サントスに滞在中、クーデターを計画していたバリウラ王国第2王女を暗殺
    ヴワットジナーで初マッドネスを経験
    ロス・サントスとバリウラ王国の戦争を起こしかける
    スタァライト共和国で宰相を暗殺
    ラロマディラでミミズまみれになりつつ金掘ったり蛮族虐殺したりした
    アオトハルトでニツケサシミーの新聞記者たちと殺し合い
    エーブリエタースの教会にシスターとして潜入、聖堂騎士クラージュ様と懇意にさせていただいてます
    教会とアカデミアで起きた殺人事件の解決を手助けする
    ギャングを殺し合わせて偽ブランド品工場を乗っとる
    現在、地下墓所で不審な小瓶に話しかけられ中……

  • 12ぼっち24/07/11(木) 23:24:33

    『私を連れ帰ってくれるなら、私は礼として……私の魂を、あなたに混ぜ込もう』
    ……失礼ながら王様。何でそれで喜んでもらえるとお思いになったのですか?
    『嫌かね?』
    嫌……というより、メリットが想像できません。
    常識にとらわれた私の思考力では、その提案は私の頭の中に、得体の知れない虫が寄生するようなイメージしか持つことができないのです。
    まずは、あなた様の魂が私に混ざるというのがどういうことなのか、具体的に説明してください。
    あなた様ほどの人が、それを礼としてくださると言うのならば、きっと私の想像の外にあるメリットがあるはずなのです。
    それが何なのか知らずして、あなた様の要求にはうなずけません。
    『ああ……なるほど。あなたは、魂魔法に関してはあまり知識がないのだね?』
    『いや、それとも、魂魔法の分野が、あまり発達しなかったのか? いや、その辺を考えるのはあとにしようか』
    『ええと、魂を混ぜ込むということの説明と、そのメリットだったね?』
    『そうだな。人間を本に例えるとしよう。あなたという本があり、その中にはあなたの考え方や記憶が記述されていると思ってくれ』
    『それは莫大な情報量を含んでいる本だが、これから知っていくことが書き込まれる予定の空白のページもたくさんあるわけだ』
    『そこに、私が魔法を使って、私の考え方や知識を直接書き込む。これが私の魂をあなたに混ぜ込むという作業だ』
    『あなたのこれまでの記憶が消されたり、考え方を変えられたりするようなことにはならない。私の人格があなたの頭の中に住む、なんてことも起こり得ない』
    『本来なら勉強によって得る知識を、一瞬で完璧に覚えられる、と考えてくれていい。思想に関しては、誤解や偏見なく理解できるようになるだろうな』
    えーと、つまり……知識の転写魔法みたいなものがあって、それを使ってあなた様の叡智を私に授けてくれる、ということですか?
    『知識の転写か。上手い表現だ。その理解で正しいよ』
    (瓶の中で、魂の王が首肯したような気配があった)
    (しかし……知識の転写か……ちょっと前に、ガーキン先生がそれをやったときの惨状を思い出してしまった)
    (あの先生の魔法には、対象を強烈な鬱にするというひっどい副作用があったが、今私に同じことをやろうとしているのは、魂魔法の始祖だ)
    (おそらく、ガーキン先生と同じようなことにはならない……はず……)

  • 13ぼっち24/07/11(木) 23:44:00

    ……私という本に書き加える知識や考え方というのは、あなたのすべてですか? それとも、1部分ですか?

    『さすがに私も、私のプライベートの記憶や面白味のない知識までまとめて放り込みたいとは思わないよ』

    『魔法に関する知識と、私という人間についての理解を中心に書き込もうと考えていた』

    ああ、よかった。何を書き込むかは選択可能なのですね?

    でしたら……はい。私はあなた様のお望みに応えます。あなた様がこの地下墓所から外に出る手伝いをいたしましょう。

    その代わりに、どのような知識を私の頭に入れるか、その選択を私に任せていただけませんか?

    『ふむ? 望みがあるのかい?』

    あなた様がどれ程の知識をお持ちなのか、私は知りようがありませんが……欲しい知識の傾向はございます。

    『言ってみたまえ。可能な限り叶えよう』

    ありがとうございます。それでは──。

    (以下、数字が大きいほど欲しい知識。10以下だと全然興味なし、90以上でどんな細かいことでもいくらでも欲しい)

    魔法の知識:dice1d100=22 (22)

    過去の社会について:dice1d100=27 (27)

    政治や支配のやり方:dice1d100=91 (91)

    魂の王自身について:dice1d100=98 (98)

    お前を消す方法:dice1d100=66 (66)

  • 14ぼっち24/07/12(金) 22:44:04

    あなた様は先程、プライベートの記憶や面白味のない知識までまとめて放り込みたいとは思わない、とおっしゃいましたね?
    『ああ。普通に考えて、そんなものを求める者はいないだろう』
    いえいえ、そう決めつけたものでもありませんよ。
    ……ください。あなた様個人の思い出を。
    『何?』
    魂の王と呼ばれた人間が、生まれてから現在まで、経験してきて頭の中に詰め込んだ一切合切をください。
    道端の石ころを見て何を思ったかとか、空いた時間に何をして暇を潰したかとか、誰にも言えない恥ずかしい趣味だとか、何が好きで何が嫌いだとか。
    いつどこに出掛け、どんな景色を見て、誰と話して何を感じ、何に喜び何に悲しみ何に怒り、何を恐れたかを。
    あなたの魂の土台となった経験と感情と思い出の、本当の本当にすべてを。それを私は求めます。
    『……なぜだい?』
    『あなたは、私のすべてを知りたいと思うような、熱心なシンパという風には見えないのだが』
    ああ、まあ、もちろん理由はございます。しかし、なぜなのかを話すのは、あなたの記憶と価値観をすべていただいてからということにさせてください。
    『うーむ……それはもちろん構わないが……意外だ』
    『魔法の技術だとか、不明な過去の歴史についての知識を優先的に求められるだろうと予想していたのだけどな』
    『ああ──私のすべての記憶を受け取れば、それらもまとめて手に入るという考えかね?』
    いえ、そういうわけではありません。
    ざっくばらんに申し上げますが、私の中で、あなた様の魔法や歴史の真実はあまり優先度が高くないのです。
    あなたがどのように国を治めたのか、そのやり方には興味がありますが、最優先は1個人としてのあなたです。
    それで……いただけますか? それを。
    『民との約束を反故にするつもりはない。あなたの望み通り、私の人生のすべてをあなたにやろう』
    『私の入っている瓶のフタを開けて、私の香りを嗅ぎなさい。それですべては完了する』

  • 15ぼっち24/07/12(金) 23:12:31

    (私は水晶の瓶のフタを開けて、中のふわふわとしたカビに鼻を近付ける)
    (すぅ、と、軽く空気を吸い込む。雑草をすり潰したような青い臭いがして……私は、天地が回転するような強烈な酩酊感に襲われた)
    (頭の中に、一気に知識が流れ込んでくる。大昔の宮廷が、魂の王の両親の顔が、ゆりかごの中で過ごした退屈な時間が、そこからの数十年間が)
    (本を読んで学んだことが、良き友との出会いが、王族としての華やかな暮らしが、豊かな才能で可能にしたたくさんのことが、思い通りにできなかったことが)
    (日々の喜びが、苦痛が、悔しさが、試行錯誤が、民の喜びと笑顔が、大いなる目的のために看過した犠牲が、怯えて逃げようとする民の顔が)
    (命への思いが、不死にこそ幸福があるという信念が、魂を操り死を遠ざけるありとあらゆる手段が、900年を越えてなお折れぬ気高い理想が)
    (それらのすべてが、ほんの数秒で私のものになった)
    『……完了だ。気分はいかがかな?』
    悪くはないです。奇妙に思われるかも知れませんが、大きな安堵感があります。
    『それはなぜ?』
    あなた様が私を罠にかけようという意思のないことが納得できたからです。
    この記憶と思考が真実ならば、あなた様は私を利用するつもりはないし、その傾向もなさそうだ……。
    『んん……? ああ、そうか、そういうことか。私が、害意を持ちながら調子のいいことを言う詐欺師のような人間かどうか、確かめたかったんだな?』
    はっきり言うと、そうです。私の時代では、あなた様は非常に評判の悪い暗君です。
    自分の目的のために、異常な実験を繰り返したマッドサイエンティストとして伝わっています。
    そんな人が私への協力を求めてきた……とても、軽い気持ちで応じる気にはなりません。
    信じてお付き合いをするなら、それこそ、あなたの頭の中をすべて見て、害意があるか否かを確かめるぐらいはしなければ。
    『それで、私のすべての記憶を求めたわけか……結果は、良いものだったと思っていいのかな?』
    一応は。あなたの実験の数々には呆れましたが、本気で民のためを思ってやっていたというのがわかりましたし、私と話しているときも、あなたは誠実でした。

  • 16ぼっち24/07/12(金) 23:35:36

    『私があなたに与える記憶と思考に細工をして、疑われない善良なところだけを見せたとは思わないのか?』

    思いません。記憶は全部地続きで、不自然に編集された感じはしませんでした。

    もし、私があなたに記憶のすべてをリクエストしてから、転写が始まるまでの短い時間で、まったく違和感を感じさせないレベルの取捨選択ができるのなら……。

    あなたがそれほどの魔法使いであるのなら、私はあなたに出会った時点で詰んでいます。どうしようもありません。

    対処することも逃れることもできない可能性に当たったら、もうそのときは諦めるしかないので、最初から考えない方が時間が無駄にならないでしょう。

    『うん、あなたの考えていることはわかった。私たちはどうやら、喧嘩別れをする必要はなさそうだね』

    (私はうなずく。たぶん、このカビになった王様は信用できるだろう)

    (今後、彼が私を裏切ろうと考えたなら、すぐにその兆候を発見できるだろうし、どのように対処すればいいかもわかるはずだ)

    (何しろ、私の頭の中には、彼の考え方が入っているのだから)

    『さて、エメラチェリー。私はあなたに望みの知識を与えた。次はあなたが私のために働く番だ』

    『この地下を出て、今の時代のバリウラを私に見せてくれ』

    dice1d4=4 (4)

    1、いいですよー。さっそくもと来た道を引き返しましょう

    2、いえ、待ってください。この地下のどこかに、宝物があるはずなんです

    3、いいですけど、少し休ませてください。ここに来るまでにかなり疲れたので

    4、いいですよ。ここにいても民の幸福にはつながりそうにないですもんね。『あっ、私のあげた思想に影響されてる』

  • 17ぼっち24/07/14(日) 21:39:53

    では参りましょうか。我々で民草を幸せにするのです。
    『あっ』
    …………?
    ……………………!?!?!?
    い、今……私は何を言いましたか、魂の王……?
    ちょっと待って、待って……明らかに普段の私が言わないこと言った……民を幸せに……? それはどちらかというと、あなたのセリフであるはずだ……!
    しかも、しかも……私の心は、その言葉を言ったことを不自然には思っても、言葉の内容自体には大いに賛成している……!
    これはどういうことです、王!?
    あなたは言ったはずだ、魂の転写で考え方を変えられたりすることはないと。あれは嘘だったのですか!?
    『落ち着きなさい、エメラチェリー。私の記憶をすべて継承したあなたなら、私が嘘を言わなかったことはわかるはずだ』
    しかし──。
    『いいか、あなたに今起きているのは、魂魔法による洗脳だとか、私による思考の乗っ取りなどではない。知識を深く得た者に起こる、ごく自然な現象だ』
    ええと……? どういうことですか?
    『人は何かを学び、知ったとき、その情報を自分の思考に自然に取り入れるようになる』
    『美味い料理を食べて知れば、次もまた同じものを食べようと思うし、不味いものを食べたら、自然とそれを避けるようになる』
    『物語本を読めば、その登場人物に好感を持ったり、逆に怒りや嫌悪を感じるようになることもあるだろう』
    『あなたは私の人生と、私の思想をまるごと取り込み、魂の根底レベルで理解した。その結果……単純に……私の考えに共感してくれたのだよ』
    『いいか、繰り返すが、これは魔法じゃない。あくまで人間の精神の健全な働きだ』
    『さすがに学習のしかたが急激かつ特殊すぎて、あなた自身の自覚がまだ追いついていないようだが……じっくり考えて飲み込めば、いずれ納得できると思うよ』
    ふむ……ああ……あー。なるほど、なるほど。
    言われてみれば、何となくわかりました。この感覚……面白い本を読んだときのソワソワする感じと、少し似ているんだ……。

  • 18ぼっち24/07/14(日) 22:04:06

    今までの私は……基本的に、自分がよければそれでいい、という考え方でした……。

    広い視野で物事を考えるときも、大切な範囲はせいぜい、家族であるパパとママ……そして、仲間である星喰学派……あとは、クラージュ様ぐらいかな……?

    その程度が、私の手に収まる範囲で……国の幸福というものは、まったく考えたこともありませんでした。

    でも、うん……国と、同じ国に暮らす多くの人たち……その人々にも幸せであって欲しい、というのは、わりとしっくりくるというか……共感できますね……。

    (私の中に、【愛国心】が芽生えた!)

    今、この地下から外に出て、エーブリエタースに戻ったら……その街並みがこれまでとは違ったものに見えそうだ……♪

    『どうやら、悪くない形で着地できたようで何より』

    ええ。……ですが、私にとってあなたの思想が、もとから共感しやすいものだったからよかったものの……。

    もしも、まったく受け入れられないものだったらどうなっていたか、と考えたら、少しゾッとしますね。

    この、記憶や考え方をまるごと転写する魔法は、今後は気軽に使わない方がいいかも知れません。

    『私もそれは思った。やはり、魔法は奥が深い……900年研究を続けてもなお、こうして思いがけぬ問題が現れるのだから……』

    (私たちは双子のように、「ふぅ」とため息をついた)


    (……それから、私は魂の王の胞子が詰まった瓶を懐に入れて、ボートに戻った)

    (水路を遡り、縦穴を飛んで登り、外へ出る。宝探しの冒険は、こうして終わりを迎えた)

    『おお……900年ぶりの青空は美しいな……』

    よかったですね、王。

    ……さて、これから、私の住む街に戻ろうと思うのですが……まず何を見たいとか、リクエストはありますか?

    『ふーむ、何でも興味深いが……そうだな、まずは最優先で……』

    dice1d4=2 (2)

    1、一般人の生活の様子を見たい

    2、子孫である王族の様子を見たい

    3、あなたの仲間や友人の顔が見たい

    4、かわいい女の子が歌ったりダンスしたりするショーが見たいッ!!!

  • 19ぼっち24/07/16(火) 16:43:56

    『今の王族を見てみたい。私の血を継ぐ人たちが、どのように暮らしているのかを知りたい』

    ああ……そうでしたね。あなた様からすると、今の王族はご子孫にあたるのでしたね……。

    『エメラチェリー、あなたはバリウラ王国の国民だね? 今の王は、国民にとっていい王だろうか?』

    あえてあなた様に失礼な言い方をしますが、歴史書に残っている魂の王よりは、遥かに高く評価されているかと。

    『ふむ』

    一般人の多くは食うに困っておりませんし、国内の治安も平均的に良好で、技術の発展も順調です。

    外国との関係は……あー……ついこの間、危うくロス・サントスと戦争になりかけましたが……ギリギリで回避しました。

    『それはそれは。どうやら、今の王は私の想像より遥かに上手くやっているようだね』

    『私が父王から国を継いだときは、国民の思考はほぼ蛮族のそれだった』

    『手を取り合い平和を目指すという発想がそもそもなく、いかに他者を屈服させて奪い取るかが正義という世の中だった』

    ……………………。

    『私はそれが嫌でねえ……何とかして、穏やかな国を作りたいと試行錯誤していたものだが……今、それが実現しているのなら、私には喜びしかない』

    『900年という年月が、自然と人々の意識を変えたのか? それとも、私の子孫に優れた為政者がいて、その者の努力が実を結んだのか?』

    『そのどちらであるのかは、これから歴史書をゆっくりと読んで確かめたいが……まあ、まずは現代の王の顔を見てやらなければな』

    『問題は、どのような方法で見に行くかだが……今の時代の王族には、そんなに簡単に会えるものなのかね?』

    それは……。

    dice1d4=4 (4)

    1、ちょうど王家が揃って御幸なさる予定がありますので、それを遠くから眺めましょう

    2、あなた様の魂魔法をフルに使って、王城に侵入しましょう

    3、王城に侵入しましょう(魂の王の手助けなし)

    4、教会の私の部屋に帰ったら、時の王陛下への面会許可証が届いてた……((( ;゚Д゚)))

  • 20ぼっち24/07/17(水) 20:51:07

    んー……ごまかしてもしょうがないので言いますが、普通に考えて、王族に面会するというのは難しいですね。
    『やはりか』
    私が貴族とか宮廷魔術師ならいけるかもしれませんが、ただのシスターですからねぇ……会いたいと言って訪ねていっても、まず間違いなく門前払いでしょう。
    王族の方々は基本的に、王城の中に閉じこもって生活しておられるので、お出かけのときを狙ってお顔拝見、というのもなかなか、ね。
    ……最悪の場合、王城に不法侵入して、むりやりお目にかかるという手もありはしますが……。
    『王城の警備というのは、それほど甘くはあるまい。私のわがままのために、あなたを犯罪者にはしたくないな』
    その辺は、魂の王と呼ばれたあなたのスーパーな魔法力に期待すれば、いけそうな気もするんですがね……。
    まあ、あくまでそれは他に一切手立てがなく、かつ、あなたが子孫に会うのを諦められないというときのために取っておきましょう。
    とりあえず私が暮らしている教会の部屋に帰って、ゆっくり時間をかけて、穏便な方法を考えるのがいいかと思います。
    (そうして私は、しゃべるカビの入った瓶を持って教会に帰ったのだけど……)
    (なんか……私の部屋の前で、折り目正しい高級な黒服を着込んだ紳士が、直立不動で待機していた)
    使者( ^ω^)「お待ちしておりました。あなた様がエメラチェリー・ラダー様ですか?」
    えっ……あ、はい、そうですが、あなたは?
    使者( ´∀` )b「申し遅れました。私、陛下より勅使の役を賜っております、テガーミ・オトドケール伯爵と申します」
    使者( ・ω・)「このたび、陛下があなた様を王城にお招きするとのことで、招待状をお届けにあがりました」
    えっ。……え、えっ、ええええっ!?
    使者( ´ー`)「お気持ちはわかります。しかし、この招待は正式なものです。どうかお心を落ち着けて、王城の門を潜るにふさわしい準備をなさるとよろしいでしょう」
    (そう言って伯爵は、非常に美しい招待状を私に渡して、帰っていかれた)
    『ふーむ。奇妙なことになったな。渡りに船という言葉があるが、このような偶然というのはあるのかな?』
    『エメラチェリー、あなたは普通のシスターだと言っていたが、王は普通のシスターを個人的に城に招いて話をする趣味の持ち主なのか?』
    いや、いやいや……さすがにそんな話は聞いたことないですよ……。

  • 21ぼっち24/07/17(水) 21:21:06

    (私は困惑しながら、招待状を開いて内容を確認した)

    (そこに書かれていたのは、大雑把に要約すると以下の通りになる)


    ・エメラチェリーさんを王が夕食に個人的に招待するよ

    ・あまりかしこまる必要はないので、楽な格好で来ていいよ

    ・日にちは今日の日暮れ頃。都合は大丈夫かとか確認はしない。どうせ暇なのはわかってるぞ

    ・カビの入った水晶の小瓶を、忘れずに持参すること


    ……………………。

    (封蝋の印章も、招待状の末尾に記されているサインも、今代の王のものだ)

    (この招待状が偽物だったら、作った人間はそこそこ重めな罪に問われることになるだろう)

    (しかし、この招待状が本物か偽物かとかより、最優先で注目すべきは……)

    『水晶の小瓶についての言及があるな』

    『つまり王は、今日、あなたが、あの地下の墓所から、私を持ち出したことを把握していると見てよさそうだ』

    『今の王がどういう魔法を使うのかはわからないが、なかなか途方もない情報収集能力をお持ちのようだ』

    『国民として、王の招待を断るという選択肢はあり得ないが……応じるとしても、これはまったく油断できないね、エメラチェリー』

    ええ……まったく、何がどうしてこうなったのか……恐ろしいことです……。

    (しかし、私が恐れても、夕暮れ時は勝手に近付くのだ)

    (私はため息をついて、王城に向かう準備を始めた)

    (……楽な格好と言われたけど、具体的にどんな服で行こうか?)

    dice1d4=3 (3)

    1、シスター服

    2、アカデミアの制服

    3、さすがにね……フォーマルなドレスで……

    4、何があるかわかんないし、コートの中にありったけの武器弾薬を仕込んでいくぜ……!

  • 22ぼっち24/07/18(木) 23:32:39

    えーと、楽な服装って書いてあるし、シャツとジーンズで……なんて、できるわけないよねぇっ……!
    ここは、フツーにフォーマルなワンピースドレスを着ていくぞ……。
    あまり飾りのないシンプルなデザイン……色は、落ち着いたライトグレーで……もちろん、ブランドもののいいやつを選ぶ……!
    バッグは黒い牛革の、小ぶりなものを……白いリボンがワンポイント……地味な中に、慎ましくも存在を主張する華やかさを演出する……。
    靴は……前に作った、エルダーグボたんのハイヒールでいいかな……。
    とりあえず……これで、王家を軽んじている無礼者とか、センスのない田舎者という評価は受けずに済むはずだ……。
    最後にメイクをしっかり作って……髪型もととのえて、と……。
    『ふむ。意外に化けるものだね』
    けっこう楽しいんですよ、こういうの。
    おしとやかな方向に行くのも、派手な方向に行くのも違った味わいがあります。
    ……よし、準備完了。
    では、行きましょうか……時の王にご挨拶に……!
    (私は魂の王が入った小瓶をバッグに詰め込み、王城へと向かった)

    門番( ^ω^)「はい、確かに正式な招待状ですね。どうぞお入りください」
    執事長( ´∀`)「陛下のおわします離宮にご案内します。どうぞこちらへ」
    側用人( ・ω・)「本人確認よーし。この控え室でしばしお待ちくだされ」
    近衛兵長( ノ^ω^)ノ「危険物を持ち込んでいないか確認させていただきます。あ、水晶の小瓶だけはスルーするよう命じられております」
    ……さ、さすがは王城……バリウラ王家……!
    招待状があっても、謁見までにこんなに手間暇かかるものだとは……!
    宰相(*´ω`*)「大変お待たせしました。こちらの正餐室で王がお会いになられます。くれぐれも失礼のないように」
    は、はい……。
    (大きな扉が開く)
    (今代の王が待つ場所へ、私は足を踏み入れた)

  • 23ぼっち24/07/18(木) 23:53:21

    (銀の燭台に立てられた蝋燭に、オレンジ色の炎が揺れる)

    (縦に長い立派なテーブルを挟んだ向こう側に、彼は立っていた)

    (肩幅が広く、胸板の厚い堂々としたお姿)

    (金モールのついた短いジャケットを羽織り、小さな臙脂色の帽子を頭に乗せている)

    (一見すると、際立ったところもないごく普通の紳士のようだが、彼こそがそうなのだ)

    (彼こそが、我らバリウラの民を支配する神の写し身)

    (時の王、として知られるお方だ)

    (私は息を飲み、その場に片膝をついた)

    ……お初に、お目にかかります。

    エメラチェリー・ラダー……陛下のご招待に預かりまして、参上いたしました。

    王「うむ」

    (ゆったりとうなずく陛下)

    (その表情から読み取れる感情は……)

    喜び:dice1d100=88 (88)

    怒り:dice1d100=71 (71)

    哀しみ:dice1d100=7 (7)

    楽しみ:dice1d100=57 (57)

  • 24ぼっち24/07/19(金) 22:59:47

    王( ^ω^ )「…………」

    ……何だか……王様、とっても嬉しそう……。

    でも、気のせいかな……笑顔の裏側で、激しい感情が渦巻いているようにも感じる……。

    この人は、何を思っている……? いや、何を企んでいる……?

    王( =^ω^)「ミズ・ラダー、ようこそ。会えて嬉しい」

    王(* ゚∀゚)「だが、挨拶は軽めにしておこう。恐らく君は、予の目当てが君ではなく、君の所有する小瓶だということを理解しているはずだ」

    ええ……ああ、はい。そうだろうな、とは思っていました。

    陛下は私が、森の地下で小瓶を手に入れたことをご存じでしたね。

    王( ・∀・)「うむ」

    たまたま見かけた、とかではないのでしょう。私の身元も把握しておられたし、私のスケジュールもご存じでした。

    まるで、あらかじめご存じだったかのようです。小瓶を手に入れるのが私であり、それが今日だということを。

    だとすると……恐らく……いえ、当然……この瓶の中に入っているのが何かも、陛下は知っておられるのですね?

    王( -∀・)「もちろん、そうだ」

    王(*´∀`*)「我が先祖……魂の王と呼ばれた人の精神の残滓。魂魔法の極致たる記憶と意思を帯びた菌糸類が、その中におられるのだろう」

    『我が子孫は計り知れないな。どのような種類の魔法で、それを知った?』

    (バッグの中で、魂の王が声を発した)

    (私はバッグから瓶を取り出すと、時の王の前のテーブルに置いた)

    王(*σ>∀<)σ「初めまして、ご先祖様。私はあなたの子孫であり、時の王の名を戴く者です」

    『時の……ああ、そういうことか。どうやらお前は、根源からとてつもないルールを受け取ったようだな』

    王( ´∀`)「はい。私の魔法は私の人生の失望の原因ではありますが、道具としてはこの上なく便利ではあります」

    (あまり具体的なことをしゃべらず、お互いに通じ合う言葉だけで語り合うふたりの王)

    (でも、魂の王が何を理解したのか、何となく想像はつく)

    あの……質問をお許しください、陛下。

    つまり、あなたは今日より前に、私がこの魂の王を手に入れるという未来をご覧になったのですか?

  • 25ぼっち24/07/19(金) 23:28:40

    王( ´∀` )b「厳密には正解ではないが、その理解でも特に問題はないな」

    王d(*´∀`*)b「予の魔法……《歓迎と別離(コントロール)》は、時をやり直すことができる」

    王(∩´∀`)∩「いつからでも……何度でも」

    ……………………。

    王(*´ω`*)「私が君の地下の冒険と成果を知ったのは、それを君の口から聞く未来を一度経験したからだ」

    王(*つ▽`)っ「その未来を経験した結果、君が我が先祖を『収穫』してから、可能な限り早く会うのがベストだと判断した」

    王(*´σー`)「ゆえに予は時を遡り……あらかじめ招待状を用意し……君のスケジュールも調べさせた上で、今日、君を招いたというわけだ」

    ……本当に、とてつもない……私のごとき一般魔法使いからすると、まるでおとぎ話のようです。

    しかし、早く会った方がいいというのは、なぜ……?

    王(´・ω・`)「うむ、それはな……」

    dice1d4=2 (2)

    1、魂の王の知識で、君が国の魔法技術を発展させるから

    2、魂の王の知識で、君が国の魔法技術を発展させるから(悪い意味で)

    3、ほっといたら、魂の王に操られた君がとんでもない犯罪やらかすから

    4、ほっといたら、君が魂の王を利用してとんでもない犯罪やらかすから

  • 26ぼっち24/07/21(日) 21:33:23

    王( ・ω・)「君が発掘したその瓶に入っているのは、900年のブランクがあるとはいえ、7つの属性魔法のひとつを確立した偉大な魔法使いだ」

    王( ´д`)「その知識と見識は素晴らしいものだ。彼から知識を受け継いだ君は、今後20年をかけて、様々な新技術を世に発表していく」

    王( ・3・)「歴史書に名前が載るほどの名誉。大商人や貴族にも勝るほどの財産。億を越える人々からの信頼を、君は勝ち取るだろう」

    えっ、ええっ……? そ、そんなサクセスストーリーが……こ、この私に!?

    王(´・ω・)「そう、サクセスだ。だが……残念ながら……世は、君がその未来に至ることを防がねばならんのだよ」

    へっ?

    『ふむ。大物になったエメラチェリーが、国にとってよくないことをしでかすのだね?』

    えっ。

    王(´∀`;)「言いにくいことだが、その通りだ」

    『具体的にこの子は何をした? クーデターでも起こしたのか? それとも経済関係の大規模な犯罪かね?』

    王( ´Α`)「このバリウラの国民を、全員まとめて、不老不死に変えようとした」

    ……………………。

    王( ;`Д´)「魂魔法と鉄魔法の究極的な応用だ。恐ろしいまでに精密な大規模計算機を作り、その中に構築した理論上の都市に国民全員の魂を取り込む」

    王ヽ(´Д`ヽ)「実体を持たない、計算だけの世界。そこには飢えも病気もなく、時間経過もないので人は死ぬことがない。永遠のユートピアだ」

    王(ノ`Д´)ノ「予はこの国がそのようにコンパクトに収まることを許容する気にはなれなかった。お互いに譲り合うことはできず……予は、時のやり直しを決めた」

    王( ´ー`)「エメラチェリー・ラダー。予は今のうちに、君に求めたい」

    王∩(´∀`∩)「君がこれから、その瓶の中の男からどのような知識を得ようと、それを利用してこの国を鉄の小箱に閉じ込めることは企まないで欲しいと」

    ……………………。

    (私の返事は……)

    dice1d4=3 (3)

    1、陛下が嫌悪されるのは、国民が鉄の箱に入ることですか? それとも不老不死になることですか?

    2、わかりました。今の私には思い付きもしないことですが、それを試みないようにしましょう

    3、わかりました(でもその方法が実現するってんなら、全力で研究はします!)

    4、わ、わかり、ました……(このようなことを望む時の王は、この私が弑し奉らねばならぬ)

  • 27ぼっち24/07/22(月) 21:28:02

    なるほど……よくわかりました。

    正直なところ、まるで夢物語のようで……魂の王様の助けがあったとしても、私にそんな装置を発明できるとは思えないのですが……。

    陛下がそうお望みなら、私はその方法でもって人々に貢献しようと考えることを放棄しましょう。

    王( ・ω・)「予が求めておいて何だが、いいのだね?」

    王( ´ー`)「予が見てきた未来では、君はその発明を世に知らしめることに非常に積極的だった」

    王( ゚Д゚)「王国軍と3つの公爵家私兵団によって追い詰められて捕縛されるまで、国中を逃げ回り、数十万を越える人々を鉄の箱の中に導き続けた」

    王( ・∀・)「君はこの野望に人生をかける素質がある。それを始める前に放棄できると?」

    始まる前だからこそですね。一生夢中になるほど楽しい娯楽でも、体験する前に取り上げられたなら、残念とは思いませんよ。

    (私は何の感銘も受けなかったかのように、肩をすくめてみせる)

    (……もちろん、これはポーズだ)

    (私の心の中は、天国のオーケストラの演奏を聞いたかのように、喜び、昂り、火照り、震えていた)

    (私は、やろうと思えば、国民全員を連れて永遠のユートピアへ行けるのだと、未来を知る王に保証してもらえたのだ)

    (愛する国に貢献できる上に、長年の夢を叶えることができるのだ。これは……これは、本気で取り組まないという方が嘘だろう)

    (時の王がなぜこんな素晴らしいことを嫌がるのかわからないが、彼が阻止したいと言うのなら、私は彼に知られないようにことを進めよう)

    (あとで、魂の王と相談をしなければ。そのためには……彼の入った小瓶を、時の王に没収されないように気を配らないと……)

    王( ノ^ω^)ノ「さて、気の滅入る話はこれぐらいにしておこう」

    王( ´∀` )b「ディナーに招待した、という建前の通り、美味しい食事を用意させた。ぜひ味わっていってくれ」

    はい、ありがとうございます。喜んでいただきます。

    (食事中の話題は……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、王「その魂の王を君はどうするつもりだね?」

    2、王「魂の王を、予に譲る気はあるかね?」

    3、時の王は、不死をお望みではないのですか?

    4、時の王は、私が魂の王と出会うことそのものを止めようとは思わなかったのですか?

  • 28ぼっち24/07/24(水) 01:41:05

    (高級レストランをさらに上回る格調高い雰囲気の中、料理が運ばれてくる)

    👨‍🍳「こちら、前菜の《ヴェールをまとったナッツ》でございます」

    (押し固められたクラッシュナッツが、向こう側が透けて見えるほど薄くスライスしたラディッシュで覆われている……不思議な料理だ)

    王( ´ー`)「ところで……君は、今日の今日まで、我がご先祖様とは会ったこともなかったのだろうね」

    (上品に料理を口にしながら、時の王が言う)

    王( ´∀`)「知り合いでもなんでもなく、しかも大昔の王の人格を宿した瓶……普通の学生でありシスターである君には、持て余すような存在だろう」

    王( ^ω^)「どうだろう、彼を私に譲る気はないか? 少なくとも、君には魂の王の世話を焼かなければならない義理はなにひとつないのではないかね?」

    (うっわ……私が魂の王を手放したくないと思った直後にこれか!)

    (まあ、確かに、こう……将来的に私と魂の王のコンビが、時の王の脅威となるのなら、一緒にしておきたくないというのは理解できる話だ)

    (でも、それは困る。私の望む永遠を取り上げられるわけにはいかない)

    ああ、陛下、確かに私と魂の王様は、出会ってまだ半日といったところです。

    しかし、その、話してみたところ、想像以上に気が合いまして……しかも私は、生きた人間に友達がとても少ないタイプなのです……。

    お気遣いはありがたいのですが、せっかくできた友人を遠ざけるというのは、非常に抵抗があるのです。

    どうか、お情けをいただけませんか。私を、友達のいない寂しい女に逆戻りさせないで欲しいのです。

    王(´・ω・)「ふむ……」

    王( ´д`)「そういう可能性は失念していたな。予もまだまだ迂闊であるようだ」

    王( ・ω・)「ご先祖様、彼女はこう言っているが、あなたはどうしたい?」

    (私は、テーブルの隅にちょこんと乗っている小瓶に鋭く視線を向ける)

    (言え……私と一緒にいたいって言え──ッ!)

    dice1d4=3 (3)

    1、ああ、私もエメラチェリーのことがとても気に入っているよ

    2、うーむ、まったく意識していなかったが、そうまで言われると悪い気はしないな

    3、彼女にはすでに私の(記憶の)すべてを捧げたからね。もはや一心同体だよ

    4、なーんか嫌な予感がするが、彼女を放っておくのも不味い気がする……

  • 29ぼっち24/07/25(木) 20:03:41

    『エメラチェリーには、すでに私のすべてを知ってもらっている。言うなれば、彼女は現世における私だ』

    王( ・ω・)「ふむ?」

    『当然、自分とは離れがたい。我が子孫よ、私とエメラチェリーを引き離すのは止してくれ。私はこの世にいる限り、彼女と共にあることを望むよ』

    (ん、んんん?)

    (魂の王を没収されなければそれでよかった私としては、彼の言いようにはちょっと面食らった)

    (思ったより、私を評価してくれている発言内容というか。好感度だいぶ高めではないですか?)

    王( ´ー`)「意外だな、ご先祖様。あなたをただ見つけただけの女性に、わずか半日でずいぶんと入れ込んでいるようだ」

    『この子は出会ってわずか5分で、私の生前のすべてと、それ以降の900年を受け入れてくれたよ。時の長さだけが問題なら、それは充分なものじゃないか?』

    王( ´∀`)「ふーむ、ふむ……なるほど。ミズ・ラダー。君はこれにずいぶんと気に入られたようだね」

    王( ´∀` )b「ことここに至っては、私もとやかく言うまい。魂の王の心と知恵を、君に預けよう。責任を持って世話をしたまえ」

    あ、ありがとうございます……。

    王( ノ^ω^)ノ「もちろん、国民を鉄の箱に導くのは禁止だ。それ以外で国に貢献する発明をすることは、むしろ推奨しよう。励みなさい」

    は、はいっ……ご期待に添えるよう、精進いたします……!

    (とりあえず、魂の王は……永遠へのチケットは、私の手から奪われずに済んだ。ひと安心だ)

    👨‍🍳「続いて、スープになります。《ビーツと枝豆の2色のポタージュ》でございます」

    (会話がひと段落したところで、スープの皿が運ばれてきた)

    (皿を右と左で半月状に分けるように注がれた、鮮やかな赤と緑が美しいトロリとしたスープだ)

    (滑らかな舌触りと、素材の甘味が素晴らしい。赤いビーツの方が爽やかで、枝豆の方は濃厚さが勝っている。飽きがこない旨さだ)

    (それをスプーンですくいながら考える。……さっきの魂の王の言葉、そこにこもっていた好意。どの程度が本音だったのだろう……?)

    dice1d4=3 (3)

    1、すべて本音。魂の王は腹芸ができない

    2、野望の協力者としてエメラチェリーを評価している

    3、まあお世辞だよ。エメラチェリーが好きとか嫌いではなく、時の王のところに行きたくなかったんだ

    4、再婚するならあなただと私はもう決めている

  • 30ぼっち24/07/26(金) 23:48:47

    (当たり前だけど、料理は実に美味しかった)
    👨‍🍳「こちらは本日の魚料理、《鰹のミィキュイ・すだちのソース》でございます」
    👨‍🍳「肉料理は《鹿肉のロースト・無花果、ぶどう、オリーブ》になります」
    👨‍🍳「デザートは《ブラックベリーのマカロン》をどうぞ」
    👨‍🍳「とどめにエスプレッソをくらえ」
    (うーん……どれもすごい)
    (普段、私が食べている食事より、7段ぐらいクオリティが違う。調理法とか、たとえばソースだけでも真似できないかな……)
    (とにかく満足な夕食だった。時の王との面会は緊張したが、この料理をご馳走してもらえたことで気分的には大幅に黒字である)
    ごちそうさまでした、陛下。堪能させていただきました……。
    王( ´∀`)「それはよかった。これからもたまに呼ぶので、食べに来なさい」
    えっ……え?
    王( ^ω^)「君には我がご先祖様を任せるのだ。うまくやっているか、時々顔を会わせて様子を確かめねばならないからね」
    ああ……それは……それは確かですね。かしこまりました……。
    (こうして。王城での晩餐会は終わった)
    (城からの帰り道……尾行などがないことを確認して、私はそっと小瓶に問いかけた)
    魂の王……時の王に言った言葉は、どれだけ本心だったのですか……?
    私、それほど、あなたの信頼を得たのでしょうか……? 私は単純に私の目的のために、あなたを手元に置いておきたかったのですが……。
    『ああ、それなら気にしなくていい。我が子孫に伝えたあなたへの評価は、はっきり言えばお世辞だよ』
    えっ。
    『あなたのことは基本的に好ましく感じてはいるが、会ってまだ半日だものね。さすがに本気で半身と思うほどの執着は持っていない』
    では、なぜあのようなことを……?
    『あなたが私を手元に置こうとしていたので、それに斟酌したのがひとつ。もうひとつは……あの子孫のところにいたくなかったからだ』
    (魂の王は、明確な拒絶の感情を出して私に言った)

  • 31ぼっち24/07/27(土) 00:06:25

    ……不思議なことをおっしゃいますね。

    私で半日ならば、時の王とあなたが会話したのは2時間にもなりませんよ?

    それで、そこまで明確に世話になりたくないと、そう思われたのですか?

    『論理性の欠片もないが、その通りだ。私はあの男と会話をしたとき、どうしようもなく直感に従いたくなったのだ』

    ……少し、考えを深めてみることはできますか?

    具体的に、時の王のどのようなところが気に入らなかったのか? あるいは、どこに危機感を覚えたのか?

    『ふむ……そうだな……』

    (以下、魂の王にとっての時の王気になった/気に入らなかったポイント)

    国民の永遠の命を阻止しようとしているところ:dice1d100=35 (35)

    過去に戻ってやり直せる魔法を使うところ:dice1d100=81 (81)

    私を手に入れて何をする気なのかまったく読み取れないところ:dice1d100=78 (78)

    世の中に何の希望も持っていないみたいなツラ:dice1d100=51 (51)

    私が食事できないのわかってて美味そうな料理を見せつけてくる無神経さ:dice1d100=43 (43)

  • 32ぼっち24/07/28(日) 01:16:12

    『まず、あの男の展望がわからない。何を望み、どういう風に国を導きたいのか……私を手に入れて、どのように使うのか、想像ができなかった』

    ふむ。確かにこう、つかみどころのないタイプの人に見えましたね……。

    しかし、一国の元首なのですから、信用を築くまでは本音をオープンにしないというのは仕方のないことなのでは?

    『まあ、それはそうだ。しかし、それ以上に受け入れられないところがある。彼が時を巻き戻す魔法を使えるという点だ』

    それは……評価点ではなく?

    失敗があっても過去に戻ってやり直せるというのは、すごいと思うのですが。

    『彼個人の価値観によるやり直しのために、無関係な人たちの成功ももろともになかったことにされるのだ、ということを考えてみるといい』

    『あなたもその犠牲になっているのだよ? 未来において、あなたは不老不死の技術を完成させた。それが、時の巻き戻しでなかったことにされたのだ』

    ……あ、あ、ああっ!?

    そうだ……時の王の話を「私は将来不死になれるんだ」って喜びながら聞いていたけど……本来なら、それはすでに達成されていたことなんだ……。

    ゆ、許せない、生かしておけない……私が夢をつかんだのをなかったことにするなんて……あの人は、わ、私の敵だ……!

    『そういうことだ。彼のやり方は、国民全員の幸福を願う私とは相容れない。少なくとも、そばにいて協力してやる気にはなれないね』

    だから、私のところにいてくれるのですね。……彼が言っていた、私の作り出す不老不死……国民を鉄の箱に入れるという手段については……?

    『国民がその中で幸福に生活していけるのなら、止める理由はない』

    『巻き戻された歴史でも、私はその発明に協力したのだろう。あなたがそれをやりたいと言うのなら、私は手を貸すとも』

    ありがとうございます、魂の王……。

    しかし、これから生活していく上で、ずっと瓶の中というのは不便ではないですか?

    あなたの今の本体がカビということは理解しているのですが……どうにかならないものでしょうか?

    『ふむ』

    dice1d4=2 (2)

    1、これから繁殖することで、やがてマスコット的な生き物になれる

    2、動物の死体にカビを埋め込むことで、その肉体を乗っ取ることができる

    3、人の死体にカビを埋め込むことで、その肉体を乗っ取ることができる

    4、あなたの体をたまにでいいので借りたい

  • 33ぼっち24/07/29(月) 02:09:07

    『──新鮮な動物の死体が欲しい。可能ならば、死後30分以内の新鮮なものが』

    ふむ? 何にお使いになるのですか?

    まさか食用ではありますまい……ええと……古代の魂魔法の、生け贄を用いる儀式とか……?

    『そういうものではないよ。……いや、間違ってもいないかな』

    『今の私はカビだ。栄養豊富な培地に定着することができれば、一気に増殖することができる』

    『そして、その培地が生物の神経であれば……そこに深く染み渡ることで、筋肉や内臓を操作することができるようになる……』

    『つまり、生物の肉体の乗っ取りが可能なのだよ』

    へぇー……そんなことができるのですか!

    ……も、もしかしてですが……人間の体でも乗っ取れるのでは?

    『偽りなく明かすなら、可能だ。しかし、国民全体の利益のためならともかく、私個人のために人間の死体を求めることはできない』

    『エメラチェリー、何か適当な……人間社会でペットとして自然に見られる動物を手に入れてきてくれ。私はそれの肉体をもらい受け、新たな生を得る』

    となると……私が動物になったあなたの飼い主になるということですか?

    なんというか……複雑な気分ですが……まあ、瓶の中にずっと閉じこもっておられるよりは、いいのかなぁ……?

    かしこまりました。それっぽい動物を仕入れてきましょう。

    ……何がいいかな……リクエストはありますか?

    『何でもいいよ。健康で、行動能力の高い生き物であれば』

    何でもいいは1番困るんですよ! ええい、何のガワをかぶることになっても、文句言わないでくださいよ?

    (そして私は、魂の王の新たな肉体を探し始めた)

    (市場で家畜を買ってもいいし、森で野生動物を捕まえてもいい……)

    (値段、見た目、捕獲難易度、世話がしやすいか否か……いろいろ考慮すべきポイントはある。さて、どうするか)

    (最終的に、私が選んだ生き物は……)

    dice1d22=19 (19)

    1、犬 2、猫 3、ウサギ 4、亀 5、ヘビ

    6、カラス 7、ブタ 8、カピバラ 9、カメレオン

    10、ハムスター 11、クマ 12、タヌキ 13、キツネ

    14、ペンギン 15、オオカミ 16、カモノハシ 17、サル

    18、ウマ 19、ウシ 20、アザラシ 21、アリクイ

    22、コアラ

  • 34ぼっち24/07/30(火) 21:17:19

    🐮「ンモーゥ」

    『……エメラチェリー、これは』

    ……ちょ、ちょうど、家畜市場で売っていたので……。

    とても健康で、脚力もそうとうある生き物ですよ……?

    『うん、そうだね、拳闘士が真正面からぶん殴ってもびくともしなさそうな丈夫さと安定感がある』

    『でも、私は人間界で自然に行動できる生き物をとリクエストしたんだぞ……? コレ、そこら辺に普通に歩いていたりするかね……?』

    わ、私の暮らす教会内なら問題ナシです!

    うちではチーズやバターを作るために、ミルクを取る用の牛を何頭も飼っているので。そこに紛れ込んでいただければ……!

    『死後900年を隔てたのちに、牛になって家畜小屋で暮らすことになるとは、思いもしなかったよ……』

    『でも、これもまた運命なのだろう。エメラチェリー、その牛の鼻に私のカビを押し込んでくれ。それで肉体を乗っ取れるはずだ』

    かしこまりました。では、失礼して……。

    (青灰色のカビを小瓶から取り出し、綿棒の先にまとわせて、牛の鼻に挿入する)

    🐮「ブモッ、ウモモモ~ッ……オブッ、ブググッ」

    🐮『……よし、成功だ。無事にこの牛の脳内に入ることができたぞ』

    おおっ……牛が急に、魂の王様の声で流暢に話し始めた……変な感じ……!

    🐮『やはり肉体があるというのはいいな。目でものを見て、足で地面を踏みしめて、空気を吸い込むということに、とても強く生を実感できる』

    🐮『どうなるかはわからないが、しばらくはこの体で生きてみることにしよう』

    お気に召していただけたなら幸いです、王。

    🐮『うむ。……だが、牛相手に「魂の王」と呼びかけるのはあまりよくないな』

    🐮『私は牛として生きるのだ。牛としての新しい名前が必要だろう』

    🐮『他の牛たちの名前との統一性も考慮して、自然な名前を考えてくれ』

    えっ……あ、あなたの新しい名前を……?

    うーん、ううん……じゃあ、そうですね……。

    dice1d4=1 (1)

    1、アルファベットdice1d26=23 (23)  から始まる、人間っぽい名前を

    2、アルファベットdice1d26=8 (8)  から始まる、自然を連想する名前を

    3、魂や心、あるいは生命から連想する名前を

    4、この教会の家畜たちはろくな名前をつけてもらってない

  • 35ぼっち24/07/31(水) 23:36:25

    うーん……どんな名前がいいかなぁ……。

    むっ、王様……あなたの体は白黒のぶち模様ですが、額にWを思わせる印象的な形がありますね。

    このWが頭文字になる名前をつければ、非常にわかりやすいでしょう。

    ……よし、決めました。今日からあなたは【ワンダ(Wanda)】です。

    牛のワンダとして、そして私の発明研究のアドバイザーとして、この教会でともに暮らしてください。

    🐮『ワンダか。ふむ、いい名前だ。これからはその名で呼ばれることにしよう』

    🐮『ときに、エメラチェリー。ワンダとしてあなたに尋ねたいのだが』

    はい、何でしょう?

    🐮『あなたの最終目標は、鉄の箱を用いたバリウラ国民全員の不老不死と考えていいのだろうね?』

    ええ。でも、必ずしも鉄の箱でなくても構いません。

    私個人が永遠の幸福を手に入れた上で、同じ国に住む仲間たちにそれをおすそわけしたいのです。手段は問題ではありません。

    🐮『うむ。私も、国民の幸福のために貢献したい。しかしその場合、まず間違いなく我が子孫……時の王が行く手に立ち塞がって来るだろう』

    🐮『しかも彼は、自分の望み通りに世界が推移しなかった場合、過去に戻ってやり直せるという反則のような魔法を持っている』

    🐮『あなたがどんな方法で不老不死を手に入れたとしても、彼の機嫌を損ねた瞬間にそれをなかったことにされてしまう』

    🐮『この問題をまず、どうにかしておくべきだと思うのだ』

    ええ……確かに、その通りです。明確な問題を処理せずに研究を完成させても、それは砂上の楼閣でしかない。まずは地盤を固めないといけません。

    説得……は、まず無理でしょうね。世論を味方に……しても、支持が集まる前に戻られたら意味がない……。

    それ以外の方法で……時の王に、私と国民の幸福が邪魔されないようにしておかなくては……。

    (その手段は……今、思いつく限りでは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、既に言った通り、時の王は生かしておけない

    2、時の王に、最初の無限の住人になっていただく

    3、私個人が永遠を手に入れた上で、時の王の崩御を待つ

    4、魂の魔法で、時の王をマインドコントロールだ!!!

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:29:44

    dice1d7=1 (1)

    dice1d100=83 (83)

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:30:19

    dice10d20=1 13 17 1 18 9 13 5 10 12 (99)

    dice1d8=7 (7)

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:31:19

    dice1d6=3 (3)

  • 39ぼっち24/08/02(金) 01:45:31

    時の王は取り除かねばなりませんが、実際どうすればそれが可能なのか、私にはわかりません。

    実力差があり過ぎるというのもありますし、時間逆行魔法の発動キーが何かわからないのも恐ろしいです。

    たとえば、フツーに時の王を暗殺するとして……。

    呪文を唱える暇も与えず、彼を即死させたとしても……彼の不慮の死そのものが魔法の発動条件だったりしたら、目もあてられません。

    私には、あの王様を殺す自信はありませんし……それを試みることで発生するデメリットを、許容する気にもなれないのです……。

    🐮『つまり、やつを殺すのを諦めるのかね?』

    はい。その代わり、彼が力尽きるのを待ちます。

    時の王も人です。途方もない力を持っていようと、不老不死を否定する……自然主義的な生命倫理の持ち主に過ぎません。

    彼がどれだけ過去をやり直せようと、最終的には必ず、人として死を受け入れる選択をすることでしょう。

    そのときが来るまで、生き続ければ私たちの勝ちです。

    不老不死を手に入れ、それを誰にも明かさずにおとなしく過ごし、時の王の寿命を待ちます……。

    彼が亡くなれば、私たちが自由に何でもできる時代が到来します。国民全員に不老不死をばらまいても、止める者は誰もいません。

    ただひたすら、待つだけでいい。これ以上なく安全で確実な、究極の暗殺方法と言えるでしょう?

    🐮『ふむ、なるほど。不老不死を求める者ならではの考え方だね』

    🐮『長い時を生きることに慣れた私も、その暗殺計画に付き合うことはできるだろう。よろしい、不老不死を研究しつつ、現王陛下の崩御を待つとしようか』

    はい。よろしくお願いします。

    私たちの研究は……牛小屋でやるのが一番いいでしょうね。私が牛の世話係になれば、自然とその場所に長時間入り浸ることができます。

    🐮『うむ、それでいこう。怪しまれないように充分気をつけて、少しずつ研究を進めようじゃないか』

    ええ、それはもちろんです……。

    (うなずく私。……実際、周囲には怪しまれずに済んだかな?)

    dice1d4=2 (2)

    1、丁寧に牛の世話をする動物好きのいい子だと高く評価される

    2、牛によく小声で話しかけてるところを見られて心配される

    3、王城に招かれて行ったことで、私が実は高位貴族なんじゃないかという噂が立つ

    4、王からの手紙で城に呼び出されて行ったことで、私が実は時の王の愛人ではないかという噂が立つ

  • 40ぼっち24/08/03(土) 01:54:42

    (こうして、朝晩と牛小屋に通って、ワンダと話をするのが私の習慣になった)

    不老不死を実現するために、まずは魂がどういうものかを突き詰めていきたいのですが……。

    🐮『うん、私の記憶の20代前半あたりを参照してほしいのだが、魂とはつまりこういうもので……』

    肉体と魂をつなぎ合わせている生命とは何なのか……死して肉体を離れた魂はどうなるのか……。

    🐮『そのへんは私も証明できていないが、有力な予想としては……』

    (こうして、白熱した議論を毎日続けていたところ……)

    神父(;´∀`)「シスター・エメラチェリー、何か悩んでいることはないかね? 私でよければ相談に乗るよ」

    シスター( ;^ω^)「私たち、友達だからね? あなたはひとりじゃないから、思い悩みすぎないでね?」

    クラージュ様「美味いクッキーを買ってきたんだ。少し休んで、一緒に食べないか?」

    ……何だろう……最近、妙にみんなが私を気遣ってくれているような……?

    優しくされるのは嬉しいけど、みんなどこか心配そうにしてて、その理由がわからなくて不安になるな……。

    🐮『こないだ、牛小屋のそばでシスターたちが話をしていたから、聞き耳を立ててみたのだがね』

    🐮『エメラチェリー、あなたは私と話しているところを誰かに見られたようだよ』

    えっ。

    🐮『牛相手にずーっとブツブツ話しかけてるのは、そりゃ奇妙だよね。何か、こう、嫌なことがあって、心が病んでいるのではないかと疑われているようだ』

    う、う、う、うわーん! そんなんじゃないのに、釈明できない! すごい困るやつ!

    🐮『うん、まあ、我々はちょっと不注意だったな』

    🐮『ほとぼりを冷ますために、牛の世話の仕事を別の人に代わってもらって、いっとき私から離れるといい。たまには休日を設けた方が、研究もはかどるよ?』

    うーん……そ、そうでしょうか……でも、誤解は解いた方がいいですよね……わかりました、そうします。

    ……しかし、研究を休むとして……何しようかな……。

    dice1d4=2 (2)

    1、たまにはひとりで過ごしたい日もあるさ

    2、クラージュ様とデートに行こう

    3、フリーラックス先生に、あの書物は何だったのかと問いつめに行こう

    4、そういえば、メスガキ先生が大の魂の王ファンだったな……

  • 41ぼっち24/08/03(土) 22:55:45

    よし……気分転換にお出掛けしてこよう……! クラージュ様でも誘って……!

    🐮『クラージュ? ああ、あなたと懇意にしている聖堂騎士の少女だったね』

    ええ! たぶん、教会に来てからは一番仲良くさせていただいてますね。

    🐮(なんかすごいワクワク感が顔に出てるな。よほどその聖堂騎士と気が合うらしい……まるでデートに行く前の生娘みたいじゃないか)

    🐮『うん、いいと思うよ。楽しんでおいで』

    ありがとうございます、ワンダ。このエメラチェリー・ラダー、のんびりゆったり遊びに出掛けてきますッ……!

    ──と、いうわけで、どこかに遊びに行きませんか、クラージュ様!

    ク「おっと、今日はずいぶん元気に見えるね。疲れているという噂を聞いて心配してたけど、杞憂だったかな?」

    ク「でも、具合が悪いよりはずっといい。喜んでご一緒させてもらうよ」

    わーい♪ では、どこに行きましょうか?

    ク「まずはそこから、じっくり話し合った方がよさそうだね。近場でブラブラするか、遠くに足を伸ばすか……」

    行き場所を決めた上で、その場所の何を楽しむかを考えるわけですね。順番としては適当でございます。

    ク「そういうこと。……私のおすすめは……」

    ふむふむ。そういえばこの前、その場所で~~が人気があると小耳に挟みましたね……。

    (ふたりで膝を突き合わせて、行き先を相談する)

    (その結果、決まったデートプランは……)

    距離:dice1d100=44 (44)  (100ほど遠くに行く、1ほど近場)

    楽しむ内容:dice1d4=3 (3)  (1、ショッピング 2、グルメ 3、アクティビティ 4、お風呂)

    雰囲気:dice1d100=97 (97)  (100ほど高級、上品に。1ほど安く、庶民的に)

  • 42ぼっち24/08/05(月) 22:10:44

    (やっぱりクラージュ様と楽しむなら、体を動かせる遊びをしたい)

    (それも、自分ひとりじゃまずやらないようなことを)

    ……そういえば、郊外に新しい遊戯施設ができたと聞きましたね……。

    ク「ふぅん? 私は知らないが……どういうところなんだい?」

    お貴族様向けの、dice1d4=4 (4)  (1、ゴルフ 2、乗馬 3、狩猟 4、テニス)場だという話です。

    ク「えっ」

    利用料はそこそこかかりますが、大きなクラブハウスがあって、そこで休憩したり食事をしたりもできるそうですよ。

    道具もレンタルできるので、着の身着のままで行っても問題ないということです。

    そういうところで、ゆったりした気分でスポーツを楽しむのもいいのではないでしょうか。

    ク「あー……うん、貴族向け……ちょっとビックリしたけど……」

    ク「確かに、金を払えば普通に入れるんなら、私たちが利用していけないというわけではないよね」

    そうでしょうそうでしょう。

    (前にやった山での修行がけっこう過酷だったから、今回は整備された施設でまったりしたいのです)

    ク「よし、では決まりだ。そこで優雅に汗を流すとしよう」

    わぁい♪

  • 43ぼっち24/08/07(水) 00:09:47

    テニスッッッ!!

    それはネットを挟んで、お互いのコートに球を打ち込み合う戦闘的球技!!!

    貴族にとっては、ゴルフ、乗馬、狩猟に並ぶ高級なスポーツであり、これをたしなまぬ者は非文化的な野蛮人として蔑まれるという……。

    そんなスポーツで、いざ! クラージュ様、私と対戦していただけませんか!?

    ク「ちょっとテンションがおかしいから、落ち着こう。エメラチェリー」

    おっと、これは失礼。

    このテニスクラブが、思った以上に豪華でおしゃれで、ちょっとテンションが上がってしまいました。

    (ちょっとしたお城のようなクラブハウス。よく整備されたテニスコート。周囲はよく刈り込まれた木々に囲まれ、少し離れたところに美しい湖も見える)

    (さすがは貴族御用達の施設だ。たまにこういうところでまとまった休みを過ごせば、心に大きな余裕ができるだろう)

    あと、クラージュ様のテニスウェア姿がとても美しいです。

    普段は騎士様としてマニッシュなファッションを好んでおられるようですが、ミニスカートもとても似合うじゃないですか。

    ク「く、あ、あまりそういうのを言わないで欲しいな……! テニスをやるにはこっちの方が動きやすいからって、あなたが言うから……」

    ふふふ。動きやすくて似合ってもいるのですから、何ひとつ問題はありません。

    どっちにしろ、試合が始まれば気にならなくなりますよ。クラージュ様はわりと負けず嫌いですから、戦いには本気になるでしょう。

    私ももちろん、全力でぶつからせていただきます。せっかく遊びに来たんですから、ガチでやらないなんてつまらないことはしませんよね?

    ク「む。それは言うまでもないことだ。全試合、勝つつもりでやらせてもらうよ」

    (そうして、コートの中でネットを挟んで向かい合う私たち)

    (……お互いの実力は……)

    〓〓私〓〓

    体力:22(固定)

    技術:dice1d100=19 (19)

    反射神経:dice1d100=76 (76)

    テニスの知識:dice1d100=67 (67)


    〓〓クラージュ様〓〓

    体力:dice1d100=1 (1)  +50(現役の聖堂騎士補正)

    技術:dice1d100=94 (94)

    反射神経:dice1d100=40 (40)

    テニスの知識:dice1d100=9 (9)

  • 44ぼっち24/08/08(木) 23:18:50

    【私……総合テニス力:184】

    【クラージュ様……総合テニス力:194】

    (薪を斧で割るような軽快な音を立てながら、黄色いボールがコートをあっちからこっちへ、こっちからあっちへと跳ねる)

    (私とクラージュ様の試合は、ほぼ一進一退だった)

    ク「むっ……今のショットに追いつくのか……素晴らしい反射神経だね、エメラチェリー……!」

    クラージュ様こそ……テニスが初めてというのは本当ですか? プロ顔負けのテクニックではないですか……!

    (私は息を切らしながら、それでもボールを高く投げ上げ、サーブを相手コートに打ち込む)

    (こちらの武器は、テニスの定石をある程度知っていることと、強い集中による反応の速さだ)

    (体力には自信がないので、先読みで負担少なめに相手の球を拾いに行く戦術だった)

    (クラージュ様は、こういっては何だけど、聖堂騎士としては体格が小柄で細いので、体力はそれほどではない)

    (さらにテニスも全然知らないというので、彼女の打つ方向さえ読めれば、こちらが優位を取れると思っていたのだが……)

    うわああっ! い、今のは超絶技巧、ハドー・ショット!? それも、難易度の高い、第108番の型!

    クラージュ様、正直におっしゃって! テニス初心者って嘘でしょ!? 知らない人が打てる球じゃないですよ今の!

    ク「い、いやいや、ホントにやったことないんだって! 今のショットは、剣のスイングを参考にして打っただけで……!」

    (このように、クラージュ様のとんでもないショットに何度も翻弄されてしまった)

    (私も必死で返したが、最終的には僅差でクラージュ様の勝ちとなった)

    ぜー、はー、ぜー、はー……な、な、ナイスゲームでした、クラージュ様……。

    ク「あ、ああ、エメラチェリーも見事だった……すごい走ってたね、あなた……」

    (負けたのはまあ、いいとして……私、体力を使い果たしたので、もうフラッフラです……)

    ク「少し疲れたし、木陰で休もうか?」

    さ、賛成です……。

    (クラージュ様の肩を借りながら、大きな木の下に移動して休む)

    (そよ風が、火照った肌に心地よい。穏やかな時間……)

    (だけど……何か起きたり、する?)

    dice1d100=67 (67)

    (1~50ならいいこと。51~100なら悪いこと発生)

    (数字が大きいほどより良い/悪いことが起きる)

  • 45ぼっち24/08/10(土) 00:03:59

    ?「おーほっほっほ! 見ましたわ、見させていただきましたわ今の試合! なんとまあブザマなラリーでしたこと!」
    むっ!? いきなり高飛車な感じの声!
    (顔を上げてみると、金髪をあまりにも見事に縦ロールにしている絵に描いたようなご令嬢が私たちを見ていた)
    ク「人が楽しくゲームをして休んでいるときに、ずいぶんなご挨拶だね。……名前は言えるか?」
    ?「フッ。下々の者相手とはいえ、誰何されたならば答えなくてはなりませんわね」
    レイチェル「わたくしはバリウラ王国に名高きマッコルガン伯爵ジャスパーの娘、レイチェル!」
    レ「敬意を込めて、薔薇のごときレイチェル様とお呼びになってもかまいませんのよ?」
    (うわぁ。何だか濃い人が来ちゃったぞ)
    (クラージュ様も、ムカつけばいいのか、困惑すればいいのかわからないみたいな、ビミョーな表情を浮かべておられる)
    ク「その薔薇のご令嬢が、私たちに何の用だい? まさか貴族に名を連ねる者が、初心者のつたないテニスを笑いに来ただけ、というわけではないだろう」
    レ「半分正解で、半分は違ってますわね。わたくしは忠告をしに来ましたの。……よろしくて? ここは貴族御用達のテニスクラブですのよ」
    レ「ゲームにも当然、その場にふさわしい気品というものが求められます。それなのに下賤な素人がドタバタと、犬のじゃれあいのようなテニスをしていては……」
    レ「そう、あなたたちのレベルではこのクラブのコートはふさわしくありません! 存在そのものが同じ場所を使う貴族たちのエレガンスを貶めているのですわ!」
    レ「早々に立ち去り、その辺の公園で雑な球打ちに興じていなさい。社会的地位で住み分けをするというのは大切なことなのですよ?」
    むむむ! ずいぶんと……好き勝手言ってくれるじゃないですか……!
    ク「まったくだよ。そんな風に言われて、すごすご立ち去るやつがこのバリウラのどこにいると言うんだ?」
    ク「ミズ・レイチェル、我々はあんたに勝負を申し込むぞ。下賤な我々が勝ってしまうようなら、あんたの方にこのコートを立ち去ってもらおう!」
    レ「ほう? 野良犬らしく噛みついてきましたわね。結構! この蝶のように優雅なわたくしが、身の程をわからせて差し上げますわ!」
    (私たちとこの貴族令嬢の間で視線がぶつかり合い、バチバチと火花を散らす……!)

  • 46ぼっち24/08/10(土) 00:07:41

    ……で、勝負のルールは?

    レ「そんなの、もちろん決まっておりますわ」

    dice1d4=3 (3)

    1、シングルス。dice1d2=2 (2)  (1、私 2、クラージュ様)が出る

    2、ダブルス

    3、魔法テニス

    4、乗馬テニス

  • 47ぼっち24/08/10(土) 23:40:08

    レ「魔法テニスで勝負いたしましょう!」

    ま……魔法テニス……?

    (聞きなれないワードが出てきたぞ……)

    ク「どういう競技だい、それは?」

    レ「まあ、ご存じないの!? 貴族の間で大ブームを巻き起こしているセンセーショナルなスポーツなのに……無知は罪ですわよ!?」

    レ「せっかくだから説明しますけど……ルール的には、普通のテニスと変わりありませんわ。ただ、試合中に魔法を使い放題という点が一線を画しますの!」

    えっ。

    レ「ボールを魔法でコントロールしたり、対戦相手を攻撃したり、どのように用いてもいいのです」

    レ「テニスのルールで得点するか、その前に魔法攻撃で相手を再起不能に追い込むことができれば勝利となりますわ。簡単でしょう?」

    え……えええ……。

    貴族の高貴なゲームのはずなのに……殺意がすごい……すごくない……?

    ク「ちょっと待て。私、魔法使いじゃないんだけど」

    レ「あら、そうでしたの? 貴族は魔法なんて使えて当然でしたので、考えが及びませんでしたわ。ごめんあそばせ!」

    レ「ならば、そちらはおふたりで、わたくしはソロで勝負をしてもかまいませんわよ?」

    むっ? ダブルス対、シングルスでやると?

    レ「ええ、そういうことです! そもそも、魔法テニスは1対多の戦闘を想定したスポーツ! そのくらいの数の差は容易に対応できますわ」

    それは……うん、それなら、私もクラージュ様も、どちらも参加できて、いいかも……。

    ク「ああ。でも、だからこそ、逆に油断できなくなったぞ。そんな条件で戦うと言うんだから、よほどの自信があるってことだ……」

    レ「ええ、ええ、ええ! まさにその通り! 薔薇のように可憐で、蜂のように危険なのがこのわたくし! その矮小な身でめいっぱい恐れるがいいわ!」

    (偉そうにふんぞり返るレイチェルさん)

    (ちなみに、彼女のスペックは……)

    素のテニス力:dice1d120=60 (60)  (最低保証60)

    ドング許容量:dice10d20=10 1 6 15 2 8 11 1 19 18 (91)

    魔法属性:dice1d7=7 (7)  (闇、地、時、魂、熱、鉄、血)

  • 48ぼっち24/08/13(火) 15:53:22

    レ「さあ、貴族のノブレス・オブリージュな打ち筋を見せて差し上げますわ!」
    (試合は、レイチェルさんのサーブから始まった)
    (確かにきれいなフォームで、きちんとした球が飛んできたけど……んん?)
    ク「──ていっ!」
    (まっすぐな軌道のサーブを、クラージュ様は楽々打ち返す)
    レ「やりますわね、ならば、こう!」
    (レイチェルさんは返ってきた球をさらに打ち返しながら、魔法のスペルを唱える)
    (その結果……こちらのコートに迫るテニスボールは……無数の赤い血飛沫をまとい、見えにくくなった!)
    レ「オーッホホホ! いかが!? これぞこのわたくしの……『彼岸花』のレイチェルの必殺技、レッドスパイダーリリー・ショット!」
    レ「血魔法によって見えにくくされた球は、どこに落ちるかわからない! この手段で、私は何人ものお友達を倒してきたのですわ!」
    レ「ここからはきっとワンサイドゲーム! さあ、違いがわかったなら、速やかに降参しなさい! そうすれば怪我はせずにすみま──」
    《拳銃(ショット)》。
    (ドン、ドンドンッ──と、私は鉄の銃弾をレイチェルさんの顔を狙って撃ち込んだ)
    レ「ギャーッ!? あ、ああああぶあぶっ!?」
    (必死に身を伏せながら避けるレイチェルさん。おお、意外と反射神経はいい……)
    (なお、血の目眩ましの魔法は、レイチェルさんが動揺してコントロールを失ったので、あっさりかき消えた)
    (丸見えになったボールをクラージュ様が打ち返し、こちらに得点!)
    レ「何しやがりますの!? ピストルを顔に向けて乱射とか、スポーツとして殺意が高過ぎというものですわよ!?」
    え……いや、だって……対戦相手を攻撃して、戦闘不可能にしても勝ちっていうから……。
    レ「限度がありますわよ!」
    (ううん、文句をつけられてしまった)
    レ「それにあなた、そんな魔法をバンバン撃ってたら、あっという間にドング切れになって……」
    …………? ああ……何となくわかった。つまり……あなたのドング量はそれくらい、ということ……。
    ク「あと、打ち筋から、素のテニスの腕がどれくらいかもわかったよ。1対1ならまだしも、エメラチェリーのサポートがあるなら、負ける気はしないな」
    レ「えっ? あっ……えっ?」
    (テニス力:最低保証値)
    (ドング量:格下)
    (2対1)
    (判定の必要なしで……こっちの勝ち……!)

  • 49ぼっち24/08/13(火) 16:09:48

    (15分後)

    レ「うわああああん! す、ストレート負けですわ~!!!」

    泣いちゃった!

    ク「ごめんねとは言わないよ。ひとえに2対1という不利なルールでOKしたあなたの迂闊さが悪いんだから」

    ええ、本当にそう……1対1だったら、どうなっていたかわからないですしね……。

    レ「むぅっ! その点は確かですわ! 1対1ならわたくしが勝っていたに決まっています! まだ真の順位付けはできていないということですわ!」

    うん、そうだね……。

    でも、それはそれとして、今回はあなたの負けだから……約束通り、コートを立ち去りなさい……。

    レ「う、う、ううううー……き、貴族に二言はありませんわ! 今回ばかりはわたくしが譲って差し上げます」

    レ「でも、必ずリベンジに来ますからね! 一般人にナメられて黙っていられる者は貴族と呼ばないということをご理解あそばせ! では!!!!」

    (金の縦ロールを翻して、レイチェルさんは立ち去っていかれた)

    ……なんか……思いもよらぬハプニングで、疲れましたね……。

    ク「そう? 私はなかなか楽しかったよ。あなたとの対戦もよかったが、ダブルスで組むのも悪くないな」

    (ラケットの前衛クラージュ様と、魔法の後衛私という組み合わせでの試合は、テニスではありません……と私は思ったが、まあ黙っておこう)

    ク「それより、休んでいたのにまた少し疲れたね。クラブハウスで、ドリンクでも飲もうか?」

    そうですね、賛成です。

    (そして、コートのそばのクラブハウスに、私たちは向かったのだ……)

    (そこで何か起きるかな?)

    dice1d4=2 (2)

    1、さすが貴族向け。コーヒーがとても美味しくて癒される……

    2、クラージュ様がごく自然にビールをご注文

    3、あ、このクラブハウス、大浴場もある!

    4、店員( ^ω^ )「すみません、こちらのお客様と相席よろしいですか」 レイチェル「あいるびーばっく」

  • 50ぼっち24/08/15(木) 18:38:29

    ウェイター( ^ω^ )「いらっしゃいませお嬢様がた。ご注文はお決まりでしょうか?」

    ク「とりあえずボック」

    ウェイター( ノ^ω^)ノ「あいよっ」🍺カンッ

    (クラージュ様が……特にためらいもなくビールをご注文になられた……)

    (大きなグラスにもこもこのきめ細やかな泡が乗った、美しいビールだ……)

    (とても涼しげで美味しそうだけど……それは大人の飲み物……!!)

    く、クラージュ様……酒精はいける口だったのですか?

    ク「ん? ああ、あなたの前では飲んだことなかったっけ。うん、わりと好きだよ」

    ク「美味しいし、元気も出るし……特に運動して体が熱くなったあとは、やっぱりこれだね!」

    さ、左様ですか……。

    (うーむ。憧れの人のオトナなところを見た気分)

    ク「あなたは何を頼む? 私と同じのにする?」

    い、いや、いやいやいやいや。

    ちょ、ちょっと待ってくださいね、メニュー見て決めますんで……!

    (正直な気持ちを言えば、クラージュ様とおそろいでビールを頼んで乾杯したくはある)

    (でも……さすがにソフトドリンクの方が無難だろう……)

    (私、学生で、かつシスターだぞ……真っ昼間から乾杯してアルコールぐびぐびしていい生き物かッ……!?)

    ウェイター( ^ω^ )「何になさいますか?」

    え、えーと……。

    (私の注文は……)

    dice1d11=11 (11)

    1、アイスコーヒー 2、アイスティー 3、オレンジジュース 4、コーラ

    5、ミルク 6、ジンジャーエール 7、アイスレモネード 8、炭酸水

    9、青汁 10、ええいやったらぁ、同じくビール! 11、テキーラをタンブラーで

  • 51二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 09:42:32

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  • 52ぼっち24/08/17(土) 21:56:57

    (いや! こういう普段とは違う環境にいるからこそ、私自身も新しいことにチャレンジしてみるべきなんじゃないか……!?)

    よし、決めました……この、テキーラってやつを大きめのタンブラーで!

    ク「!?」

    ウェイター(;゚Д゚)「!?!?」

    (清々しいぜ!)

    ク「う、ウェイターさん、確認したいんだけど……このテキーラというのは、お酒と同じ名前のソフトドリンクだったりするの?」

    ウェイター( ゚ε゚;)「い、いえ、普通によく知られているお酒でございます。サボテンから取った糖蜜を発酵させ、蒸留を繰り返した火酒です」

    ウェイター(;´゚д゚`)「しかも、うちは貴族様向けに上質なものを取り扱っているので……酒精は一般的なテキーラより、かなり強めですよ……」

    ク「うん、よくわかった! エメラチェリー、やめときなさい! それはタンブラーで飲む系のやつではない!」

    ウェイター(;・∀・)「飲むとしても、こう、何かと割ってカクテルにするのがいいかと……テキーラ・サンライズとかいかがです!?」

    いいや、止めてくれるなお二方!

    のどの焼けるような感覚が私を襲う危険は100も承知!

    しかし、新しいもの、未知のものを試したいという欲求はその恐怖を上回るのです!

    さあ、ウェイターさん、テキーラを! 並々と注いで、こちらに!

    ク「あ、ああああ……」

    ウェイター(;´_ゝ`)「……お、お待たせしました……テキーラのストレートでございます……」

    ク「マジで……マジで飲(や)るのかいエメラチェリー……何があなたを、そこまで駆り立てるんだ……?」

    フフフ私にもわかりません。神がダイスを振ったような、偶然の積み重ねなのかも。

    ともかく私の前にはすでにグラスがあります。クラージュ様、あなたもグラスをお持ちください。──乾杯!

    ク「か、乾杯」

    (そして、私は初めてテキーラを……お酒を飲んだ)

    (その結果……)

    私のお酒の強さ:dice1d100=89 (89)

    (相手がテキーラなので、95未満で泥酔する。数字が低いほど酔い方が酷い)

  • 53ぼっち24/08/19(月) 01:29:39

    (ぐびっ、ぐびっ、ぐびっ)

    ……あ、意外と美味しいかも。

    香りが爽やかで……舌にヒリヒリくる感じがクセになるな……。

    甘いジュースもいいけど、これはこれで……うん。

    ク「……………………」

    ウェイター( ; ゚Д゚)「……………………」

    (30分後)

    ……うぅ……グラスを干したら、ちょっと頭がフラフラしてきた……。

    これが、酔いってやつか……やっぱり、思いつきでお酒なんか飲むんじゃなかったかも……。

    もうちょっと大人になってから……酒精に対応できるぐらい、体が成長してから飲むべきだった……。

    クラージュ様……私は今回は失敗しましたが、貴重な学びを得ましたよ……。

    ク「蒸留酒をタンブラーで飲んで、酔い方がその程度って……」

    ウェイター(;^ω^)「無礼を承知で言わせていただきますと、お嬢様はかなりハイレベルな酒豪であらせられますよ」

    あー、心臓ドキドキする……ウェイターさん、お冷やくださいな……。

    ウェイター( -∀-)っ「あいよっ」🥤カンッ

    ク「あの量の蒸留酒の酒精って、どれくらいで抜けるものなんだろう……」

    ク「ともかく、エメラチェリー。酔いが冷めるまで、このまましばらく休んでいるといいよ」

    えー。

    ウェイター(;・ω・)「席は空いていますので、どうぞごゆっくり。いやマジで」

    (お店の人にさえそう勧められるのなら、ゆっくり休むしかないだろう)

    (しかし、お酒……目の前は回るけど、気分は案外悪くないな……)

    (これから量を調節しながら、たまに味わっていくのもいいかもしれない……)

    (──ちなみに、酔った私の傾向は?)

    dice1d6=3 (3)

    1、笑い上戸

    2、泣き上戸

    3、怒り上戸

    4、甘え上戸

    5、とにかく隠していることをぶちまける系

    6、非論理的な会話を垂れ流すマシーンとなる

  • 54ぼっち24/08/19(月) 23:36:43

    ク「ほら、エメラチェリー、姿勢を楽にして。お水をいっぱい飲んで……背中も撫でてあげようか?」

    うー……ありがとうございます……クラージュ様は優しいですね……。

    でも、世の中の大部分は私に優しくなぁい……いろいろ文句をつけたい……無理矢理にでも是正して、私に都合よくしたいぃ……。

    ク「目が据わってきたね? あなたって、酔うとこんな感じなのか」

    今の私は夢見心地なので、ふだん言わないことを遠慮なくぶちまけたりできそうです。

    言ってもいいですか、クラージュ様?

    ク「いくらでもどうぞ。今、ここには私とあなたしかいないよ」

    では……世の中、無駄な危険と圧力が多すぎる気がするんですよ……。

    魔物だけならまだいいけど……盗賊とか殺人鬼とかテロリストとかにやたらエンカウントするの絶対おかしい……神は運命の調整を確実に間違えておられる……。

    先生はことあるごとに無茶振りしてくるし……王様はこっちが上手くやったらちゃぶ台返してくるタイプだし……安全……安全はどこ……?

    ああ……どちくしょう……この世はこんなに美しいのに……私を脅かすアホどもばかりが寄ってくる……。

    こういうものを全部まとめてへち殺しつつ、永遠の命をゲットして、無限の時を安心して生き続けたい……。

    クラージュ様、私、そんなに贅沢言ってませんよね……? なぜこれだけのことがなかなか叶わない……?

    ク「うん、まあ、贅沢とは言わないけど、実現は限りなく難しいのも確かだろうなぁ」

    ク「酔いで気が大きくなっているのか……話半分に聞くとして、エメラチェリーは平和に長生きしたいんだね。いい夢じゃないか」

    うー……頭の中で、とりとめのない怒りがシチューみたいに煮えたぎってるけど……クラージュ様に撫でてもらってると、激情が爆発しないぃ……。

    今の私、とてつもなく赤ちゃんになってる……どうかと思うけど、心地よさを否定できない~……。

    (激しい怒りをクラージュ様のバブみで和らげてもらいながら、酔いをさましていく私)

    (最終的に……)

    dice1d4=3 (3)

    1、何とか夕方までには素面に戻れたよ

    2、暗くなったので、クラブのゲストハウスにお泊まりするよ

    3、酔いがさめたと思って帰路につくのだが、やっぱりまだ酔ってて道を間違えてしまった

    4、……だいぶ酔いがさめてきたけど、これ酔ってるふりをしたままクラージュ様に甘え続けるのも悪くないな?

  • 55ぼっち24/08/21(水) 22:06:10

    ふーっ……体がポカポカしてるだけという程度には、酔いがさめてきた~……。

    クラージュ様、どうもご迷惑をおかけしました……。

    ク「いや、全然そんなことはなかったよ。……いや、ホントに、あの量を飲んだにしてはずいぶん軽い酔い方だったことに驚いている……」

    ううーん、確かにお酒初挑戦で蒸留酒はやりすぎでした。次の機会があったら、クラージュ様と同じビールにしておきます。

    ク「それがいいだろうね。ビールならあなたも気持ちよく酔えるだろう」

    ク「……ところで、帰り道ってこれで合ってるの?」

    ク「来たときに見た景色とは、ちょっと違っているように感じるのだけど」

    ……えー……?

    ……………………。

    ク「エメラチェリー、もしや」

    はい。……どこぞで、道を誤ったようです。

    私も見覚えのないところに立ち尽くしております。いつの間にか。

    ク「あなたさては、まだ酔いがさめてないな!?」

    ク「仕方ない、引き返して……いや、でも、かなり暗くなってきた……このままじゃ、もと来た道がどこかもわからなくなるぞ!」

    完全に暗くなる前に、可能な限り戻りましょう……! 見覚えのあるところにたどり着けば、なんとかなります……!

    ク「うん、それは確かだ!」

    (急いで来た道を引き返す私たち)

    (しかし、行けども行けども、見覚えのある景色にはたどり着かず……ついに、遠く見える山際の向こうに、夕陽が沈みきってしまった)

    ああ、なんてこと……真っ暗になってしまいました……。

    ク「落ち着こう。暗くなってしまったのはどうしようもない。考えるべきは、ここからどうするかだ……」

    dice1d4=1 (1)

    1、闇雲に歩き回るのはよくない。野宿の準備だ

    2、暗い道の先で、明かりが動いている。人がいるかもしれない

    3、暗い道の先に、明かりのともった大きなお屋敷がある。あそこに助けを求めよう

    4、なんかボロッボロの廃屋を見つけた。今日はここで夜を明かすしかないな

  • 56ぼっち24/08/22(木) 23:44:49

    ク「かなり暗くなってきたし、道も分かれているところがいくつもあって、正しい帰り方がわからない」

    ク「こんな状態で闇雲に歩いても、さらに迷うだけだ。朝になって明るくなるまで、移動するのはやめておいた方がいいだろうね」

    となると、今夜はここで野宿……ですか……。

    ク「そうせざるを得ない」

    ク「あなたとは前に、山に登ってテント生活をしたことがあったね。あれの延長線上と思うことにしようよ」

    ええ、わかりました……では、早めに準備をととのえましょう。

    ……さしあたり、夜露をしのぐためのテントは必要ですよね……私が魔法で鉄板を作りますので、それを組み合わせて建てることにしましょうか。

    ク「ありがたい。では私は、水と夕食の材料を集めることにしよう」

    ク「運のいいことに、この道の周囲は、森や草むらになっている」

    ク「よく探せば、食べられる野草や木の実がきっと見つかるはずだ。さらに運が良ければ、食用可能な動物を捕まえたりできるかもね」

    オーケイ……では、そういう役割分担で……。

    快適な、一夜の宿を……作りましょう……。

    ク「うん。では、作戦開始だ」

    (こうして、私たちは手分けして作業を始めた)

    (その結果は……)

    私の鉄のテントクオリティ:dice1d100=96 (96)

    (100ほど立派で安定している。1ほどギロチン並みに不安定)

    クラージュ様の採取の結果:dice1d4=4 (4)

    1、この辺、毒草と毒キノコしかない!

    2、野草と水を確保。味はdice1d100=69 (69)  (100ほど美味い)

    3、野草と水と、食肉ゲット。肉はdice1d4=3 (3)  (1、ウサギ 2、ハト 3、ヘビ 4、ライムピッグ)

    4、クラージュ様が戻ってこない……

  • 57ぼっち24/08/23(金) 23:58:33

    前に……旅の途中で……今回と同じように、鉄魔法でテントを用意しようとして……とてもショボいものを作ってしまったことがある……。

    そのときの悔しさをバネに……私は工夫を凝らした……!

    床……柱……梁といった、構造の芯を……しっかり太く、丈夫に作る……!

    壁と床は、6角形(ハニカム)構造で……これまた頑丈に……。

    天井は薄く、軽めにする……ただし、雨漏りなどしないように、均一な厚さで……波打たせて、強度を高める……。

    ……よっし、できた……!

    サマーハウスとしても通用する……立派な小屋の完成だ……!

    床には乾燥した柔らかい葉っぱを敷いて、寝心地もよくしたぞ……これで、今夜の寝床はもう大丈夫だ……。

    あとは、クラージュ様が食料を採取してくるのを待つだけ……。

    ……………………。

    …………。

    ……あれ……?

    けっこう待ってるのに……クラージュ様が戻ってくる様子がない……。

    食料が見つからなくて、よほど遠くまで行ったのか……? それとも……。

    (不安になった私は、《拳銃(ショット)》の魔法を唱え、地面に向かって一発撃ち込んだ)

    (ズギュウゥウ──ンンン……という轟音が、闇夜に響き渡る……)

    (そのまま、さらにしばらく待つ……しかし、それでもクラージュ様は戻ってこない)

    ……今の銃声が、聞こえていたなら……クラージュ様は、私に何か異常があったと判断して、帰ってきてくれるはずだ……。

    でも、その様子はない……となると、音の聞こえないほど遠くに行ったか……あの人の方が、帰ってこられない状況になっているか、だ……。

    (私は、クラージュ様が向かった方向に歩き始めた)

    クラージュ様が見つかろうと見つかるまいと、30分で戻ろう……安全のためにも、それは決定だ。

    ……何事もないと、いいけど……。

    dice1d4=3 (3)

    1、大きな洞窟の入り口でクラージュ様の私物のハンカチを見つける

    2、深そうな崖の縁でクラージュ様の私物のハンカチを見つける

    3、魔物との戦闘の痕跡を見つける

    4、大量の血と、何かを引きずったような跡を見つける

  • 58ぼっち24/08/24(土) 20:53:21

    ……んんん?

    (木々の間をしばらく歩くと、開けた草っぱらに出た)

    (ただの草原なら特に注目することもないのだが、そこには明確な異常があった)

    (深い刀傷を負った、魔物の死骸がいくつも散らばっていたのだ)

    これは……まだ新しい死骸だな……それに、この傷……剣ということは……。

    (しゃがみこんで地面を観察する)

    うん、間違いない……クラージュ様の靴の跡がある。

    クラージュ様は、ここで魔物の群れに襲われて……戦ったんだ……。

    そして、何匹かを斬り捨てた……それはいい……そこまではいい。

    でも、そのあと、どうしたんだ……?

    ここには、クラージュ様の死体はない。持ち物すら落ちていない。

    戦って、生き残ったのはクラージュ様だ……勝ったあと、どこに行かれた……? なぜ、帰ってこない……?

    (私は、地面の靴跡をさらに精査する)

    (クラージュ様は、この原っぱで戦闘をしたあと、さらに奥へと向かっている。しかも、歩幅から判断するに……駆け足だ)

    (彼女はなぜ急いでいたのか? まったくわからない。さらに追跡して、直接聞くしかあるまい)

    (私は、靴跡をさらに追う。念のため、いつでも銃弾を発射できるよう、《拳銃(ショット)》の魔法を待機状態でセッティングしたまま)

    (そして……)

    あっ、クラージュ様!

    (私は、ついに探し人の姿を見つけ出すことができた!)

    (その状況は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、大怪我した状態で、魔物と戦っている!

    2、誰かをかばいながら、魔物と戦っている!

    3、ん? あれ? 人間と魔物の混成軍と戦ってる!?

    4、吐いてる

  • 59ぼっち24/08/26(月) 00:44:57

    (暗闇の中、星明かりを受けて白く走る剣の軌道だけが見えた)

    (それを頼りに近付いて、やっとクラージュ様のお姿が見えるようになって)

    (私は一瞬、ひゅっ、と呼吸を停めた)

    (なんか、なにやら、かなり血まみれに見えます、クラージュ様)

    (右手で剣を握っていますが、左手はだらんと垂れています。力が入ってない。もしかして、動かせないのですか?)

    (足の動きもやや鈍い。確実にどちらかの足にも傷を負っていますね? 体重のかけ方からして、たぶん右?)

    (ゆっくり、大きく、胸を上下させているのが見えます。呼吸もとても苦しそう。ただの疲労ですか? 胴にまでダメージを受けてるのではないですよね?)

    (ああ、ああ、そんな状態で、そんな状態なのに、それでも魔物に囲まれて、これを必死に倒そうとしておられる)

    ク「くっ……ヤバい、ちょっと手が震えてきた……だが、私の命が尽きるのはまだまだ先だ……」

    ク「さあ、どこからでもかかってこい。1匹残らず、まっぷたつにしてやる!」

    (ちょ、クラージュ様、堂々とした啖呵の切りようはカッコいいですが、今のあなたはそうしてる場合では──ああもう!!!)

    《跳ね馬(スプリッツァー)》!

    (私は鉄の馬を作り出す魔法を唱え、その争いに文字通り飛び込んだ)

    何やってんですかクラージュ様──ッ!?

    ク「ちょ、エメラチェリー!? なぜここに……あっ、私を探しに来たの!?」

    紛れもなくその通りです! 繰り返してお尋ねしますクラージュ様! こんなところで何を!? なぜ、魔物と戦っておられるのですか!?

    ク「え、えーと、それはその」

    dice1d4=1 (1)

    1、採取した果物が魔物たちの好物だったらしくて……

    2、魔物の群れが人間を襲ってるところに出くわしたので……

    3、魔物の群れが人間をむしゃむしゃしてるところに出くわしたので……

    4、こいつら、魔物のくせに偶像崇拝してたので……

  • 60ぼっち24/08/27(火) 21:58:15

    ク「いや、それが、その、ね」

    ク「とても美味しそうな、赤い香りのいい果物を見つけたんだ。これはいい食料になると思って、採取しようとしたんだけど」

    ク「それがどうも……魔物たちの大好物だったらしくてね……」

    ク「1個もぎった瞬間、ものすごい勢いでものすごい数の魔物が寄ってきて、先を争うように噛みつかれて、ね……」

    えええ……?

    その、取った果物を捨てて、逃げてくることはできなかったのですか?

    ク「もちろん、速攻でそうしたよ。でも、捨てた果物と私とに、魔物の群れが均等に群がっただけだった」

    ク「私の手に果物の汁か匂いがついたのか、逃げても逃げても追いかけてきてね……」

    ク「このままあなたのところに戻ったら、あなたも餌食になると思って。魔物を全部斬り捨ててから帰ろうと思ってたんだけど……」

    おバカ。クラージュ様、うすうす思ってはいましたが、そこそこおバカなタイプですね!?

    この数はたとえ一騎当千の豪傑でも、ひとりじゃキツいですよ……最初から素直に頼ってくれればよろしかったんです。

    ああ、もう、こんなに噛み傷だらけになって……!

    ク「う、ご、ごめん。でも、さすがに聖堂騎士が、シスターに戦いで頼るというのは……」

    いいのです。2は1に勝りますし、向き不向きというのもありますので。

    さあ、私の後ろに乗って。何とかしますから。

    ク「わ、なにこれ。鉄とバネの馬? ゴーレムか何か? すごいね、どうも」

    ク「でも、これに乗ってどうするの? 囲まれていることは変わらないよ?」

    ふっふふふ……!

    dice1d4=1 (1)

    1、一目散に、川に向かってダッシュ

    2、その魔物を誘う果物のあるところまで案内してください

    3、正面の魔物は踏み殺し、横と後ろから来る者はクラージュ様に切り刻んでいただく

    4、こんなやつら無視して、私たちの寝床に帰りましょう

  • 61ぼっち24/08/28(水) 23:40:59

    しっかり捕まっててくださいよ、クラージュ様!

    一気に飛ばしますから!

    ク「えっ、う、うんっ、わかった!」

    (胴に巻きつくクラージュ様の腕の感触が確かなものになったのを合図に、私は《跳ね馬(スプリッツァー)》のバネをギギギっと軋ませる)

    (そこから先は、思いっきりだ。私たちを取り囲む魔物の群れの一角に、一直線に飛び込む)

    (無数の魔物は間違いなく脅威だが、正面から向かい合ったほんの数匹を撥ね飛ばすのはそんなに難しくない)

    (包囲を突破した私たちは、そのまま闇夜の森を駆けていく……)

    (その後ろから、魔物たちが雄叫びをあげながら追ってきているのを肌で感じた)

    ──クラージュ様、果物の他に、見つけたものはありますか? たとえば、飲み水を確保できる水場とか?

    ク「ああ! 川が流れているのを見つけた。食料を充分に採ってから、最後に水を汲んで帰るつもりだったんだ」

    よろしい。──その場所は今でもわかりますか?

    ク「大丈夫だ。こういうときは星の位置で方角を確認するようにしているからね」

    ク「今、私たちが走っている方向からすると……左手に少し行ったところにあるはずだ」

    オーケイ、オーケイ!

    (左向きに90°、極端に進路を変える)

    (そのまま走る、走る、走る……魔物たちはどんどん引き離される……水音が近付いてくる……)

    クラージュ様! 少し傷に染みますが、我慢してくださいね!

    (やがて現れた広い川に、私たちは《跳ね馬(スプリッツァー)》ごと飛び込んだ)

    (バシャーン、という派手な音と、飛び散る飛沫。一瞬の浮遊感ののち、深く冷たい水に全身が沈む感触)

    (クラージュ様の手についた果物の香りがどれだけ強いものでも、これだけ大量の水で清めれば消えることだろう)

    (そして、水の中をもがいて進み、対岸に上がった私たちは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、無事に魔物を振り切ってキャンプ地に戻ることができた

    2、安全な食料を見つけた!

    3、安全かどうかわからない食料を見つけた!

    4、街の灯を見つけた!

  • 62ぼっち24/08/29(木) 23:14:09

    (ざぶ、ざぶ、ざぶ、ざぶ)

    (水をかき分け、岸に這い上がる。体力はかなり使ったけど、まだ歩ける。……少なくとも、私は)

    (同じように岸辺の砂を踏んだクラージュ様の方を振り向く。かなり息は上がっているが、この人もちゃんと2本の足で立っている)

    お加減はいかがですか、クラージュ様? 歩くことはできますか?

    ク「あ、ああ。かなり体が冷えてるが、大丈夫だ。むしろ、歩いて体を暖めたいぐらいだよ」

    それはよかった……でも、無理は禁物です。

    ゆっくりでいいので、キャンプ地に戻りましょう。いい感じの拠点を組み立てることができたので、そこで……。

    ク「……待った、エメラチェリー。その必要はないかもしれないぞ」

    ク「あそこを見て。枝葉が重なって見えにくいけど……オレンジ色の光が見えないか? あれはランプの灯りじゃないか?」

    えっ、ウソ……まさか、人のいる街に、いつの間にか近付いていたってことですか!?

    ク「その可能性が高い。ほら、灯りはひとつやふたつじゃない。集落だよ、最低でも!」

    こ、これは……運がいいですね! あそこに行けば、食事も寝床もある! クラージュ様の怪我の治療もできる!

    ク「行こう」

    そうしましょう!

    (私たちはうなずき合って、灯りの方へ歩き始めた)

    (すでに作ってしまった超自信作の鉄の家は、使わずに放棄することになるけど、やっぱりちゃんとした宿で寝たいのである)

    (それから、しばらく経って……私たちがたどり着いたのは……)

    dice1d4=1 (1)

    1、私たちのホーム、エーブリエタース!

    2、田舎の小さな集落。人はとても少ない

    3、灯りのついた家がいくつもある普通の街だけど、どの家にも人がいない……?

    4、街 が 燃 え て る

  • 63ぼっち24/08/31(土) 00:46:53

    ……ん? あの建物って……。

    ク「あの街並み……見覚え、あるね?」

    え、ええ……ここ、エーブリエタースじゃないですか!

    道に迷って帰れなくなったと思ったのに、まさかこんな流れで偶然に帰りつくなんて!

    と、とにかく、帰ってこられたのは幸運です! フツーに家で休めるし……いや、その前に病院!

    病院の場所わかるから、まずそこに行きますよ! クラージュ様の怪我を治療してもらうのです!

    ク「そ、そうだね……あぅ、ひ、引っ張らないで……傷が開く……!」

    (──こうして)

    (サバイバルな感じになるはずだった夜は、始まる前にあっさりと終わりを告げた)

    (私たちは病院に駆け込み、クラージュ様の怪我をお医者様に診てもらった)

    医者( ´,_ゝ`)「あー、これは……魔物によってたかって噛まれたんですか……ふむふむ……」

    せ、先生、どうですか? クラージュ様は、ちゃんと治りますか?

    医者( ^ω^)「そうですねえ。精密検査をしてからでないと確かなことは言えませんが」

    医者( ´∀` )b「今診た限りでは、この人の怪我の重さはdice1d100=85 (85)  ぐらいですね」

    (高いほど重い。10以下でかすり傷。80以上で緊急手術。95以上で命の危険)

  • 64ぼっち24/08/31(土) 23:02:23

    医者( ^ω^ )「まず……この人の右肺には穴が開いている……」

    えっ。

    医者( ´∀`)「鎖骨下静脈が切断され、肋骨が4本、右上腕骨、右手骨が砕けている……この病院まで素早く歩いてこられたのが……奇跡ってレベルかな……」

    ……………………。

    医者( ^∀^)「……………………」

    ……………………。

    医者( ; ゚Д゚)「緊急手術じゃーっ!!!!!」

    うわーん!!! 思った以上に酷かったァアァーッ!?

    クラージュ様、お願いー! 死なないでー!

    (クラージュ様は車輪付きのストレッチャーに載せられて、手術室に猛スピードで投入された)

    (続いて、お医者様と何人もの助手さんが、白衣、帽子、マスク、手袋のフル装備でやってきて、これまた手術室に吸い込まれていく)

    (手術室の扉に、「手術中」と書かれた赤いランプが吊るされる)

    (私はその扉の外で、ソワソワしながら待つしかなかった)

    ああ……上手くいきますように……手術が上手くいって、クラージュ様がまた元気になりますように!

    私には、祈るだけしかできないけど……も、もし何かできることがあるなら……可能な限り手を貸すぞ……!

    (それから、どれくらい経っただろうか)

    (数十分? いや、何時間も経ったのかも。とにかく、手術室の扉が開き、お医者様が疲れた表情で出てきた)

    せ、先生? クラージュ様の手術は……!?

    医者(´゚ω゚`)「……………………」

    dice1d4=3 (3)

    1、手術は成功しました。もう安心ですよ

    2、血が少し足りないので、輸血用の血を募らねばなりません

    3、力の限りは尽くしましたが、目覚めるかどうかは本人の気力次第です

    4、重要な内臓の移植が必要

  • 65ぼっち24/09/03(火) 00:32:21

    医者(´・ω・`)「可能な限りの処置は施しました」

    医者(; ・`ω・´)「あとは、本人の気力次第です……生きる意思さえ強ければ、きっと目覚めてくれるはずです」

    (医者にそう言われて、私は少なからず安堵した)

    (クラージュ様の生きる意思が低いわけがない。私と友になれた人なのだ。生き抜いてやろうという気力は思いっきり強くあるはずだ)

    (生きたいはずだ……クラージュ様は……それは間違いないはずなのだ……)

    (しかし、dice1d10=7 (7)  日経っても、彼女は目を覚まさなかった)

    (私は彼女の病室に泊まり込んで様子を見ていたが、明けても暮れても、すうすうと安らかな寝息を立てているだけ)

    (クラージュ様は生きたいはずだ……そんな当たり前の前提が、私の中で揺らぎそうになる……)

    ……どうにか、しなければ。

    (お医者様はよくやってくれている。でも、それだけでは一歩足りない気がした)

    (私が何かしなければ。何かを……)

    …………というわけで、何かいいアイデアはないでしょうか、ワンダ?

    🐮『なるほど、怪我をして目覚めない人を目覚めさせる方法ね……』

    (私が頼ったのは、魂に関しておそらく最高峰に深い理解を持つはずの、この牛さんであった)

    あなたならできるんじゃないかと思うのです……お医者様は、気力があれば目覚めると言っていました。

    気力は魂に根付くものでしょう。ならば、魂の王だったあなたなら、きっと手がかりをつかめるはずです……!

    🐮『ふーむ、少し論理が飛躍しているが、考える価値はありそうだね』

    🐮『そうだな、ならば……』

    dice1d4=1 (1)

    1、病人にあなたの魂エネルギーを注ぐやり方を提案する

    2、クラージュさんとやらの頭の中を覗いてみよう

    3、クラージュさんの心の世界に入り込めるようにしてあげよう

    4、やろうか? 穢土転生

  • 66ぼっち24/09/04(水) 00:00:27

    🐮『まとめると、そのお友達は気力と体力の低下によって、昏睡から覚められずにいるのだね?』

    はい、そういうことのようです。

    眠っている人間の気力が、どれだけ回復しているものなのか、外からはわかりません。

    体の方は……もう7日間も眠っていて、まったく動かずにいるのですから、弱っていく一方でしょう。

    これ以上起きないと、筋肉が退化してしまうので不味いと、お医者様もおっしゃっていました。

    ……もしかしたら、放っておいても明日には、いや、一時間後には目覚めるのかもしれません。

    でも、そうでないなら……。

    せっかく鍛えたクラージュ様のお体が痩せ細ってしまわないうちに、強引にでも起こしたいのです……!

    🐮『うむ、早ければ早い方がいいというのは、私も同意見だ』

    🐮『私が提案できる最も簡単で、効果がありそうな方法というと……他者の魂エネルギーを、患者の魂に直接注ぐというものだね』

    魂エネルギーを……? それは、簡単にできることなのですか?

    🐮『できる人とできない人がいる。向き不向きの問題だね』

    🐮『その点、あなたはほぼ確実に「できる」。私の記憶を継承しているだろう? コツをつかむのは難しくないはずだ』

    おおっ! じゃあ私が、クラージュ様にエネルギーを注げば、すべて解決するのですね!?

    🐮『そうだけど、少し待つんだ。魂というものは本来、人に分け与えるものではないのだよ』

    🐮『それをすることによって、あなたの方にある程度の悪影響が生じる。これは避けられない。それを覚悟できるなら、やるといい』

    あ、悪影響ですか……? 具体的に、どんな?

    🐮『それは……』

    dice1d4=2 (2)

    1、ものすごくお腹が空く

    2、あなたの記憶や嗜好の一部が、相手に流れ込む

    3、あなたの記憶や嗜好の一部が消える

    4、あなたの寿命が縮む

  • 67ぼっち24/09/05(木) 01:20:39

    🐮『魂のエネルギーというのは、その人の心や記憶だ』

    🐮『それらを分離して、力だけを用いるということはできない』

    🐮『もし、あなたの魂エネルギーをお友達に注いだら、あなたの記憶や嗜好の一部が、お友達の中に流れ込む可能性が非常に高いんだ』

    えっ。

    えーと、それは……何が流れ込むか、選択したりは……?

    🐮『あなたは私の記憶を受け継いでいるとはいえ、本来が鉄魔術師だ。魂をそこまでコントロールして扱うことはできないと思う』

    🐮『完全な、先の読めないルーレットになるよ。今朝食べたパンの味だとか、どうでもいい記憶が行くかもしれないし、あなたが隠したい秘密が渡るかもしれない』

    う、うおおお……そ、そ、それは、かなり怖い……!

    私、かなり……クラージュ様に隠してることが、山ほどありますので……!

    🐮『なら、止めておいてもいいのだよ? 自然に彼女が目覚めるのを待ってもいいんだ』

    い、い、いえ、やります。今は、クラージュ様の健康と目覚めが最優先です。あとのことは……そのときになってから考えます……!

    🐮『……よし、ならばやりたまえ。やり方は……』

    (私は、ワンダの指導のもと、クラージュ様に魂エネルギーを分け与えるやり方を覚えた)

    (クラージュ様の枕元に立ち、彼女のひたいに手を当てる)

    ふー…………。

    ……私の魂をお分けします。どうか目覚めてください、クラージュ様……!

    (ぼんやりと若草色に光る、私の手。不安定な心の力だけど、こぼさないように確実に、眠るクラージュ様に流し込む)

    (その結果……)

    クラージュ様に流れ込んだ私の心の要素の数:dice1d10=8 (8)

    クラージュ様が受け取った私の心の内容(上のダイスの数だけ、左から受け取る):dice10d18=9 6 8 6 15 11 10 13 4 9 (91)

    1、朝食の記憶 2、旅先での遊びの記憶 3、不老不死への執念 4、クラージュ様好き好きという気持ち

    5、ファッションセンス 6、甘党さ 7、銃魔法を撃つときのコツ 8、ミミズまみれになった記憶

    9、穴を掘って埋め戻すバイト 10、学校の勉強の記憶 11、腹をぶち抜かれた苦痛 12、絵の技術

    13、フリーラックス先生に怒られた記憶 14、多種多様な殺人の記憶 15、美味しいパンの作り方

    16、私が星喰学派だという事実 17、乗馬の技術 18、胸の平らさへのコンプレックス

  • 68ぼっち24/09/05(木) 23:40:11

    ク「…………ん」

    あっ……あっ! 目が開いた! クラージュ様、気が付かれましたか!?

    ク「あ……エメラチェリー? 寝てたのか、私は……」

    ク「なんだか、とても長くて、変な夢を見ていたよ……」

    えっ……ゆ、夢ですか? どのような……?

    ク「ううん、説明が難しいんだけど……」

    ク「スコップで穴を掘ったり、埋めたりを繰り返していたらね、土の中からミミズがウジャウジャ出てきて、そいつらが全身にまとわりついてくるの」

    ひえっ……!?

    ク「で、気持ち悪いから振り払おうとしたら、実はそれは危険な魔物でね。お腹から背中に貫通するような怪我を負わされちゃって」

    ……………………。

    ク「もうこれまでかと諦めかけたら、ハリネズミが飛んできてミミズたちを追っ払ってくれてさ。『修行が足りん!』って怒られた。ハリネズミに」

    …………へ、へぇ~。

    ク「で、そのハリネズミが、強くなるためって言って、勉強とかパンの焼き方を教えてくれて……そこでようやく目が覚めたって寸法さ」

    ク「……はは、あらためて言葉にしてみると、本当に支離滅裂な夢だね!」

    そ、そ、そうですね、あはははは……!

    (全体で見るとカオスだけど、ひとつひとつの要素には覚えがある)

    (私の記憶は、やはり魂エネルギーと一緒に、クラージュ様の中に流れ込んだらしい)

    (でも、彼女が言ったのはどうでもいい記憶ばかりで、私が星喰学派だとか、人食いをしたとかの致命的な情報は渡っていないようだ……心底、ホッとした)

    ク「ああ、しかし、目が冴えてくると、急に空腹を感じてきたぞ……何かお腹に入れたいな」

    ク「甘いものがいい……砂糖たっぷりの生地にハチミツをかけたような、ダダ甘いホットケーキがすごく欲しいぞ……」

    (あっ。甘党という嗜好も流れ込んでた。まあいいか)

    それでは……。

    dice1d4=4 (4)

    1、病み上がりなので、温めたミルクで我慢して下さい

    2、まずはお粥からですよー

    3、作って差し上げましょう、ダダ甘ホットケーキ!

    4、14キロの砂糖水

  • 69ぼっち24/09/06(金) 22:45:01

    医者( ^ω^)「起きた?」

    はっ! お医者様!

    ク「はい、おかげさまで……私としたことが、かなり長く寝ていたみたいですね」

    ク「そのせいか、とてもお腹が空いてて。ホットケーキか何か、がっつり食べたい気分なのですが」

    医者( ^ω^ )「食欲があるのはいいことだけど、数日絶食していた胃にいきなり固形物を投入すると、最悪の場合死に至るからやめておこうね」

    医者( ´∀` )b「でも、栄養は取ってもらわないといけないから……こちらで用意したこいつを摂取していただこう」

    (そう言ってお医者様は、スイカほどもある大きな壺を持ってきた)

    医者(*´ω`)「精製された純粋な果糖だ。4kgあります」

    医者(* ゚∀゚)「完全なエネルギーの塊であるこれを……たっぷりの水に溶かす!」ドザー

    あの……なんか、お水の方も、大きなバケツサイズの容器になみなみ入ってるんですけど……。

    医者( ノ^ω^)ノ「今のその人の肉体には、水分も必要だからね」

    医者(*σ>∀<)σ「溶け残らないようにしっかりまぜまぜして……出来上がった。14kgの砂糖水です」

    医者( ^∀^)つ🪣「これを一気に。さあ、グイッと」

    ク「えっ。えっえっえっ」

    クラージュ様の……というか、人間様の胴体に入りきるようには見えない体積をしておられる……!

    ク「と、とりあえず、お医者様がすすめてくれたものだし……全部とはいかないまでも、飲める限りは飲んでみるよ」

    ク「うわ、重っ」

    む、無理はしないでくださいね……?

    医者(((o(*゚∀゚*)o)))「いーっき! いーっき!」

    (大きなバケツを両手で持ち上げて、その縁に口をつけるクラージュ様)

    (その飲量は……)

    dice1d20=5 (5)  kg

    (14で全部飲み干せた。15以上で、ちょっと物足りない……)

  • 70ぼっち24/09/08(日) 00:51:01

    ク「……………………」グピグピグピグピ

    ……………………。

    医者( ・∀・)「……………………」

    ク「うぷ……」

    ク「も、もう無理です……」

    医者( ´_ゝ`)「ふーむ……およそ1/3……5kgほどか……」

    いや、砂糖水を一気飲みで5kgはめちゃくちゃ頑張った方だと思いますよ……。

    なんでちょっとガッカリしたみたいな顔してるんですか……?

    医者( ゚Д゚)「いやぁ……イケると思ったんだけどなあ……14kg……」

    医者( ノ^ω^)ノ「でもまあ、今のあなたに必要な水分とエネルギー源は摂取できたはずだ。傷はもう塞がってるから、元気が戻ったと感じたら退院していいよ!」

    そ、そうですか……よかったですね、クラージュ様?

    ク「お、お世話になりました……うう、お腹たぷんたぷんしてる……」

    (──こうして)

    (優雅にテニスを楽しむ休日から始まったクラージュ様の危機は、無事に終わりを告げたのだった)

    ……教会に帰ったらどうします? お望みでしたら、私、甘いパンケーキ作りますよ?

    ク「いやぁ、しばらくはいいかな……」

    (でしょうねえ)

    ク「それより、私に怪我を負わせた魔物たちのことが気になるな」

    ク「私たちがエーブリエタースに帰ってくるまでに通った距離を考えると、あれらがたむろしていたのは、街のすぐ近くだ」

    ク「私では倒しきれなかったあいつらが、もしも街にやってきたら大変なことになる……起きられるようになったら、あらためて退治に行かないと」

    あー……それは……。

    dice1d4=1 (1)

    1、さすがに、ギルドに連絡して退治してもらいました

    2、聖堂騎士団に教えたら、クラージュ様の仇だって言って狩りに行ってくれました

    3、いつの間にかいなくなってました(星喰学派で始末しました)

    4、私がもう片付けておきましたよ

  • 71ぼっち24/09/08(日) 23:59:22

    その点についてはご安心ください。私の方で、ギルドに通報して対処をお願いしておきました。

    クラージュ様がお休みになっていた7日間の間に、dice1d6=1 (1)  の方々が魔物たちを、ことごとく討ち取ってくだすったそうです……。

    (1、鉄血氣志團 2、王朝危険任務請負人同盟 3、開拓者の斧 4、魔術組合 5、鱗の盟友戦士団 6、爆発倶楽部)

    ク「ああ……そうか、安心したよ」

    ク「そうだよね、何日もあったんだから、そりゃその間に通報するか……エメラチェリー、ありがとう。よくやってくれた」

    いえ、私の住むエーブリエタースにとって、あれは危険でしたからね。単に自分の身を守っただけです。

    (これは嘘偽りのない本音だ)

    (私の安全な生活を脅かすものは速やかに排除されなければならないし、ギルドに頼めば自分で危険なことをしなくて済むのなら、当然それを頼る)

    (世の中、適材適所だ。使えるものはどしどし使っていかないと、だ。特に、大切なものを守りたいなら、ためらうべきではない……)

  • 72ぼっち24/09/10(火) 00:31:42

    ク「鉄血氣志團か! バリバリの実戦派ギルドだな」

    ええ、魔物退治といったらここがいいと、神父様に勧められましたので……。

    実に慣れた様子で、魔物たちの集まっている範囲を包囲し、根こそぎに討伐してくれたようです。

    クラージュ様が触ってしまった怪しい果物も、サンプルを取って調べているとか。

    ク「ふーむ。あれにはひどい目に遭わされたものだけれど、その特性をきちんと理解すれば、役に立つこともあるのかもね」

    ク「あと、香りは本当に美味しそうだったから、襲われる前にひと口でも食べておけばよかったなあと思ったり」

    もう、クラージュ様……お腹の中に果肉が入ってたら、水に浸かっても魔物を振り払いきれなかったかもしれないんですよ?

    ク「ふふ、わかってる……冗談だよ」

    普通の果物でよろしければ、今度、美味しいフルーツタルトを作って差し上げますから。早く本調子に戻ってくださいね?

    ク「ああ、約束する。……とりあえずは、さっき飲んだ砂糖水が効いてくるの待ちかな……」

    (効くのかなあ、本当に……? とは思ったけれど、ちゃんと効果はあったようで)

    (その後、ほんの数十分でクラージュ様はもりもりと気力を取り戻し、ベッドから降りて普通に歩き回れるようにまでなった)

    ク「ううん、これ、本当にこのまま退院できる体調だ……むしろ、よく寝て休んだのもあって、清々しいぐらい……」

    マジですか。砂糖水すごい。

    ク「2度は飲みたくないけどね。……帰ろうか、教会」

    はい。一緒に帰りましょう♪

    ク「うん──」

    dice1d4=4 (4)

    1、おうちに帰って自分のベッドでゆっくり寝る! これ以上幸せなことが他にあるか

    2、さっき砂糖水を飲んだばかりなのに、今はもう甘いものが欲しくなっている

    3、甘いもの以外の栄養……肉とか油とか系のものが食べたい……

    4、1週間の禁酒のあとのアルコールはさぞ美味かろう

  • 73ぼっち24/09/11(水) 00:42:24

    (病院から教会まで戻る途中の道筋で)

    (フラ~っと酒場のスウィング・ドアに吸い込まれていくクラージュ様)

    (彼女と手を繋いで歩いていたがために、私もなし崩し的に同じお店にInするのだった)

    ク「とりあえず……ビールをッ……!」

    ク「7日間の禁酒ののちのおビール様……絶対美味しいッ……!」

    ク「教会に戻って質素なお食事をするより、まずはこうしてジャンクな時間を味わいたい……! 神が私たちを見ていたとしても、きっと許してくれるよね!」

    なんか……なんか最近、ダメなところを隠そうとしなくなってきてますねクラージュ様!?

    それは私に対して、取り繕わなくていい気楽さを感じておられるゆえなのでしょうか……それとも単純に我慢力がなくなってきているからなのでしょうか……!?

    ク「深く考えたことはないが、あなたには素で接していたいとはいつも思ってるよ」

    ク「あと、テニスクラブでの1件で、あなたが相当お酒を楽しめるタイプだとわかったから……というのもあるかもしれない」

    ク「飲むでしょ? エメラチェリーも」

    うっ……。

    ……お、お酒に詳しくはないので、おすすめのものを選んでいただけますか?

    ク「オーケイ、オーケイ。テキーラは美味しく飲めたんだよね? ではテキーラ・サンライズから試してみたら?」

    (そんな感じで、それぞれお酒を注文し、カンパーイとやった私たち)

    (病み上がりのクラージュ様と、お酒経験値低め人間の私……この突発的飲み会の結末は……)

    dice1d4=2 (2)

    1、さすがにセーブしながらなので、問題なく最後まで楽しく飲めたよ

    2、病み上がりで体力落ちてるところにお酒だもん、さすがのクラージュ様も泥酔したよ

    3、クラージュ様は大丈夫だったけど、私がまた泥酔したよ

    4、べろべろに酔っぱらってクラージュ様とハグするのすっごく幸せ♪

  • 74ぼっち24/09/12(木) 01:26:02

    うーん。(クピクピ)

    やっぱり味はいいなあ……お酒……。(クピクピ)

    テキーラ・サンライズだっけ。テキーラの刺激的な風味に、オレンジジュースの爽やかな香りがマッチして……とてもいい……。

    どうして私はあのテニスクラブで、ストレートのテキーラをぐいっといってしまったのか……。

    今ならわかる……蒸留酒って、割って飲むのが正解なんだなぁ……。

    いやはや、クラージュ様、あなたはとてもいいものを教えてくださいました……。

    ク「……………………」

    ……クラージュ様?

    ク「う、うう……」

    ク「まだ、ビール3杯程度なのに……天地が回る……」

    ドロ酔いじゃないですか。

    や、やはり無茶だったんですよ、退院したてで……しかも、5kgの砂糖水しか飲んでない状態なのに、お酒を飲もうとするなんて!

    今日はこれで切り上げますよ、いいですね!?

    ク「ふぇ……ううう……でも、でもね……あともう1杯……ウイスキーのソーダ割りだけいただいていきたいんだぁ……」

    ダメでーす! 10日ほど健康的な食事をしたあとでないと、もうお酒は許しません!

    ク「そんなぁあ……」

    (ごねるクラージュ様を引きずって、酒場を出る)

    (今の彼女は出会った頃のクールな雰囲気の王子様ではない。手のかかる弟だ)

    ……さあ、今度こそ教会に帰ってきましたよ! クラージュ様のお部屋まではお連れしますから、ちゃんと歩いてください!

    ク「うん、だいじょぶ……いける……」

    (私は彼女に肩を貸しながら、聖堂騎士宿舎の中を進む)

    (……そういえば私、クラージュ様のお部屋って入ったことないなぁ)

    ク「ここー」

    (クラージュ様が、1枚のドアの前で立ち止まる)

    (そのドアノブを回して、中へ。……私が目にした、クラージュ様の私室は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、トレーニング道具がたくさんあるストイックな部屋

    2、意外なことだけど、難しそうな本がいっぱいあるな……

    3、うわ、めっちゃかわいい女の子感丸出しのやつ!

    4、部屋の真ん中に死体を置くという斬新なインテリア

  • 75ぼっち24/09/13(金) 00:37:06

    おじゃましまーす……うわっ、想像以上にクラージュ様らしいお部屋っ。

    (壁にかけられた剣や防具)

    (床に敷かれたストレッチ用の防音マットレス)

    (複数の重さのダンベル、握力鍛えるバネみたいなやつ、梁からぶら下がったサンドバッグ)

    (プライベートでも体を鍛えることに余念がない人のお部屋だ)

    (しかも、買ってちょっと使っただけで放置してあるとかいうのではなく、しっかり使い込まれている形跡がある)

    こんなストイックなお部屋に住んでおられるのに、どうしてこんな残念な有り様になってしまわれたのですか……。

    ク「うう、面目次第もない……」

    (部屋のすみにあるベッドに、クラージュ様を座らせる)

    (酔って頬を赤くした彼女は色っぽいが、薄いブラウスの奥にある体には、男性顔負けの筋肉の固さを感じる)

    (7日間ベッドで眠りっぱなしでも衰えてないこの体は、率直にすごいと思う)

    ク「ああ……そういえば、入院していた間、日課のトレーニングをやれていないんだよなぁ……」

    ク「明日からまた鍛え直さないと。少し油断したら、聖堂騎士団のみんなについていけなくなっちゃう」

    やっぱり聖堂騎士団って、武力集団として相当レベル高いんですか?

    ク「自慢になるけど、バリウラ王国でも最高峰の団体だと思うよ……? 戦闘系ギルドや王宮衛士隊と比べても遜色ないと思う」

    ク「特にトップ3人ぐらいまでは、覇種相手にも個人で太刀打ちできるレベルじゃないかな」

    はえ~……とんでもないですね……。

    (そういうのとは敵対したくないものだ。星喰学派というだけで狙われる理由充分な私、よりステルスしようという決意を固める)

    ク「私も、あなたと特訓したりして、だいぶ強くなってるとは思うんだが……」

    またやりたいですねえ、山ごもり。クラージュ様が本調子に戻ったら、2回目のプランを立ててもいいかも。

    ああ、その前に、私も基礎体力鍛えないとダメかなぁ……。

    ク「うーん……」

    dice1d4=3 (3)

    1、「定期的に私の部屋に遊びにおいで。筋トレ道具を使わせてあげる」

    2、「毎朝のジョギング、一緒にやる? 体力つくよ」

    3、「あなたは無理に体を鍛えるより、技術や頭脳面で頼られる方向に特化すべきかと」

    4、「聖堂騎士団の地稽古に参加させてあげよう。あれは手っ取り早く強くなれる」

  • 76ぼっち24/09/13(金) 22:53:25

    ク「うーん、どうだろう? あなたが体力をつけて、戦士のように戦えるようになったら、確かに頼もしいだろうけど」

    ク「あなたの場合は、頭の回転だとか、魔法の使い方だとか……そういうフィジカルじゃない方面で、私を驚かせてくれることが多い……」

    ク「だから、そちらを積み重ねた方がいいんじゃないかと思うんだ」

    ふむん?

    (んー……クラージュ様のアドバイスを、頭の中で検討してみる)

    (体を丈夫にしたいのは確かだが……実際、私がそれに注力したとして、どの程度の結果を出せるだろうか?)

    (クラージュ様のように剣を振るって、魔物をバッサバッサ片付けていく自分というのは、ちょっと想像ができない)

    (私の特技は……魔法の銃をぶっ放したり、地面に魔法のトラップを仕掛けたり、魔法で作った鉄の馬で走り回ったりすることだ)

    (……うん、魔法特化だな。しかも正面から堂々と戦闘なんかしないタイプのやつ)

    (そのスタイルと真逆の鍛え方をしたとして、どうなるか……残念ながら、中途半端に終わりそうな予感がひしひしとする)

    (もちろん、無限の時間を持つ不老不死の生き物なら、得意なことも不得手なことも、両方とも極めることができるだろうが、今の私はまだそれを手に入れていない)

    人間、何をやるにしても、考えて取捨選択をした方がよいということですね……。

    クラージュ様の言や良し。私が自分を鍛えるなら、技術や魔法の方面で行くことにしましょう。

    ク「うん、きっとその方が成長も早いと思うよ。ただ……そういうのをどうやって鍛えればいいのかは、私なんかには想像もつかないが……」

    まあ、そこは餅は餅屋。パンはパン屋です。何とかしてみせますよ。

    (私は、クラージュ様に自信たっぷりに笑いかけてみせた)

    (……さて。私が修行するとしたら、どのようなやり方を選ぶだろう?)

    dice1d4=4 (4)

    1、ぼっちの本領発揮。ひとりきりで図書館で本を読む

    2、フリーラックス先生に魔法を鍛えてもらおう

    3、ワンダの指導で、魂への理解を深めよう

    4、魔法レースの賭博場にレーサーとして参加して、《跳ね馬(スプリッツァー)》のドライブテクニックを高めよう

  • 77ぼっち24/09/16(月) 00:02:35

    ふ……私自身は体力のある方じゃないけど……足りない身体能力を補う方法は、ある……。

    鉄の馬を作り出す魔法……《跳ね馬(スプリッツァー)》……! これに乗ることで、私は文字通り馬に乗ったように速く走れる……!

    今でも充分、この魔法を活用できてはいるが……今後を見据えると、より上手に扱えるように練習をすべきだろうね……。

    で、具体的に、何をすべきかだけど……やはり、他者との競争が……一番実戦的で、効果が見込めるトレーニングだと思うんだ……。

    と、いうわけで……やってきました……郊外の賭博場……!

    ここでは、素人参加もOKな、魔法レースが行われている……。

    どんな魔法を使ってもよし……妨害、攻撃、なんでもあり……とにもかくにも、一番でゴールに到着すれば優勝という、わかりやすいシステムだ……!

    他の魔法使いたちと、思う存分腕を競い合うことができるし……優勝すれば、賞金も出る……。

    さらに、自分に対してお金を賭ければ……さらに大きな儲けが出る……。

    二重三重に得があるわけだ……まことに、素晴らしいね……!

    こうしちゃいられない……さっそく、レーサーとして登録だ……。

    受付( ^ω^)「はい、確かに登録書類を受理しました。あなたのエントリーナンバーはdice1d100=11 (11)  番です」

    ほほう、つまりそれマイナス1の人数のレーサーと、私は戦うわけだな……。

    受付( ^∀^)「そういうことですねー」

    で、受付さん……出走前に聞いておきたいのだけど……今日のコースはどんな感じかな……?

    受付( ・∀・)「はい、お答えしましょう。今日の魔法レースのコースは……」

    dice1d4=3 (3)

    1、シンプルな芝のドーナツ型コース

    2、高低差のある岩山型コース

    3、機械的ギミックのある工場型コース

    4、全員水着で競え! ポロリも期待のリゾートビーチ型コース

  • 78ぼっち24/09/17(火) 20:37:11

    受付( ^∀^)「今回のレースは、『ファクトリー・クライシス』のコースで行われます!」

    ファクトリー・クライシス……!? それはいったい!?

    名前からして、工場モチーフのコースだということはわかるのだけれど……!

    受付( ^ω^)「まさにその通り。レーサーたちには、工作機械が林立する工場の中を駆け抜けてもらいます」

    受付( ´∀` )b「回転する大小無数の歯車! 巨大なクレーン! 足元にはベルトコンベアーッ!」

    受付( ノ^ω^)ノ「それぞれの機械が、走行を妨害するギミックとして働きます。つまるところ、障害物レースの規模の大きいやつ、ってことですね!」

    なるほど……。

    そういったギミックがあって、しかも工場という屋内を再現しているとなると、感覚的には屋外より狭いコースになりそうだね?

    受付(*´∀`)「そうですね、のびのびと走る、というのを期待していると、ガッカリするかもです」

    受付( -∀・)「でも、参加者はあなたを含めて11人。狭いコースではありますが、芋を洗うような窮屈なことにはならないと思いますよ」

    ふむ、確かに。ちょうどよく緊張感を持って走れる人数におさまったと考えるべきだな……。

    ……しかしそれは、私以外のレーサーも、悪くないコンディションで走れるということだ……油断はできない……。

    受付( =^ω^)「さあ、そろそろレースが始まりますよ。スタートラインの方へどうぞ!」

    おっと、もう時間か……よしっ……やるぞっ……!

    (気合いを入れて、スタートへ向かう私)

    (そこには既に、同じレースを争うライバルたちが集まっていた)

    (私の見た限り、彼らのレーサーとしての傾向は……)

    dice10d4=3 1 4 4 1 4 1 4 1 1 (24)

    1、正統派魔法使い。飛行タイプのレーサー

    2、騎乗動物を魔法で強化するタイプのレーサー

    3、どう見ても肉体派。自分の体を強化して自分で走る気だな?

    4、飛行タイプだが、人を殺すことにためらいのなさそうな目をしている……

  • 79ぼっち24/09/18(水) 23:52:01

    ふーむ……ほとんど全員が飛行呪文を唱え始めているな……。

    何かに「乗る」というスタイルでレースに挑もうという人は、いないみたいだ……。

    あ、でも……ひとりだけ、入念にストレッチして、肉体強化呪文唱えてる人がいる……。

    あの人、2本の脚でコースを駆け抜けるつもりだ……勝ちは譲れないが……ちょっと応援したくなるな……。

    (ピリッ、ピリピリ)

    …………ん?

    ……この感覚……何か、奇妙だ……。

    ただのレースなのに……私の肌が、どこからか危険信号を受け取っている……。

    この感覚……何かに似てるな……そうだ、星喰学派の会合で感じる空気と、そっくりだ……。

    人を殺すことに躊躇のない人間の気配がある……それも、ひとりやふたりじゃない……。

    ……そういうやり方で、勝とうというわけだ……なるほど、なるほど……気を付けた方がいいね、これは……。

    審判( ^∀^)「えー、皆様お待たせしました! それでは本日の目玉レースを開催します!」

    審判( ≧∀≦)ノ「選手は11人! コースは『ファクトリー・クライシス』! 多数の障害がある工場を1周し、最初にゴールにたどり着いた人が優勝です!」

    審判( ´∀` )b「それ以外のルールはなし! 反則負けなどねぇ! 存分に速さと魔法を競い合え!」

    審判( ノ^ω^)ノ「というわけで、選手の皆さんは位置について──」

    ……………………。

    審判(∩´∀`)∩「よーい……スタート!」

    ──《跳ね馬(スプリッツァー)》!!!

    (審判の合図とともに、私はあらかじめ唱えておいた呪文を完成させ、鉄の馬を作り出す)

    (走りながらそれにまたがり、一気に加速する!)

    (レース序盤の展開は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、いきなり攻撃呪文が飛び交う! 何人かライバルが撃たれて落ちたぞ!

    2、意外にも全員普通にスタートダッシュ! 一進一退の互角の勝負だ

    3、肉体派の人が先頭に飛び出した! はっやい!!

    4、うわあ私めっちゃ狙われてる! 攻撃呪文避けるのに必死で、少し出遅れた!

  • 80ぼっち24/09/19(木) 21:53:30

    (鉄の馬に乗り、強く地面を蹴って前に進──)

    敵1( `д´)「《拳銃(ショット)》!」

    敵2(。・`з・)ノ「心の矢(センス・ショット)!!」

    敵3(y゚ロ゚)y「《石砲(ストーンバレット)》!!!」

    敵4o(*`ω´*)o「《影包(ラッピング)》!!!!」

    って、うおおおおぉぉぉっ!?

    4方向からいきなり……多種多様かつ夢のような攻撃魔法の数々が……!?

    わっ、とっ、たっ!?

    (ジグザクに跳ねて、複数の魔法の射線からかろうじて逃れる)

    (しかしそれは、まっすぐ前に向かって走ることを阻止されたということだ)

    (もたつく私の横を、他の10人の選手たちは矢のようにすり抜けていった)

    実況( ^∀^)「おーっと、今回のレーサーたちは血の気が多いぞ! いきなり妨害行為のオンパレードだ!」

    実況( ´∀`)「エントリーナンバー11、うまく回避したがひとり出遅れたぁ! 序盤のこれはなかなか痛いぞーっ!」

    くっ、や、やられた……! まさかいきなり、私に妨害が集中するなんて!

    だけど、これでもう後ろから撃たれる心配はしなくていい……全力で追いついて、今度は私がアイツらを後ろから撃ってやる!

    (《跳ね馬(スプリッツァー)》の速度には自信がある。引き絞ったバネを力強く解放し、走る、走る!)

    ここは工場を模した、障害物の多いコースだという話だ……先行したやつらも、ずっとスムーズに全速力で進めるはずがない!

    障害物ポイントこそが、追いつき追い抜く最大のチャンスだ!

    (私のその思惑は、当たるか、外れるか……?)

    dice1d4=3 (3)

    1、無数の回転する歯車が壁になって、飛行と走行を妨げている! 全員がそこでもたついてるぞ!

    2、クレーンのアームがブンブン揺れていて、飛行する者たちを妨害する。地面を走る者が有利だ!

    3、うわぁ進行方向とは逆に流れるベルトコンベアだ! 地面を走る奴だけ不利じゃん!!!

    4、ボルトとナットが銃弾みたいに飛び交ってる……怖い……

  • 81ぼっち24/09/20(金) 22:23:04

    実況( ゚∀゚)「さあ、先頭集団、逆向きベルトコンベア地帯へ入ったぁ!」

    実況( ^∀^)「ここは床全体が進行方向とは逆に流れていて、とろとろ走っていては進むどころか戻されてしまうぞ!」

    実況( ´∀` )b「でも……今回の選手の皆さんは……ほとんど全員、空を飛んでるので意味がありません……」

    うおおおおーっ!!? 私だけを殺す機械か!? 鉄の馬で地面を駆ける私にだけデバフをくらわせようというのか!?

    (ベルトコンベアの上を、鉄の馬で全力疾走)

    (素の走力が高いので、ちゃんと前進できてはいるが、やはりかなり勢いを殺されている)

    また私だけ、差をつけられる……いや、もうひとり、強化魔法で走ってる人も苦戦してる!

    強化( ; ゚Д゚)「ヒー,ヒー……ファイトいっぱーつ……!」

    あの人になら追いつける……というか、追い越せるぞ……!

    でも……それを勘定に入れても、ドベがブービーになるだけだ……!

    ここから先頭集団に追いつくには、まだひと工夫要るな……。

    (一応、空を飛んでるやつらの背中はまだ見えている。絶望的なほど距離が開いているわけではない)

    (どうする……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、《成型(モルディング)》の魔法でベルトコンベアを破壊する

    2、銃撃系の魔法で先を行くやつらを狙撃する

    3、自分の体に負担がかかるけど、《跳ね馬(スプリッツァー)》のバネを強化して勢いを増す

    4、鉄魔法ほど上手くは使えないけど、ワンダから教わった魂魔法で攻撃する!

  • 82ぼっち24/09/22(日) 00:01:15

    (競争相手たちは、まだ見える位置にいる)

    (この工場コースは入り組んでいて、障害物も多い。いつ前を行くライバルたちの姿が見えなくなるかわからない)

    ……今取れる手段は、数秒後には取れなくなるかもしれない……そうなる前に、やってしまうのも手か……。

    (私は、《跳ね馬(スプリッツァー)》をまっすぐ走らせながら、トングを前方に向ける)

    ──《拳銃(ショット)》……。

    (ドン、ドン、ドン、ドン、ドンと、鉄の弾が空気の壁をぶち抜く音がレース場に響く)

    実況( ; ゚Д゚)「おーっと、エントリーナンバー11、ここで銃撃魔法による狙撃を決行ッ!」

    実況(ノ゚Д゚)ノ「さっきやられたことを、やり返す形だ! しかも後ろから……死角からの攻撃だから避けにくいぞ!」

    仮に避けられたとしても……後続者に撃たれてくるとなると……どうしても後ろを警戒せざるを得なくなる……。

    その分、進むスピードは遅くなる……どちらにせよ、追い付くチャンスは増えてくる……!

    まあ、もちろん……避けられるよりは、全弾命中して、敵の数がガッツリ減ってくれるのがベストだけど……。

    (硝煙の香りがするトングを振って、再び呪文を唱える)

    (前方の様子次第では、再び銃弾をぶち込むつもりでいるからだ)

    (私の狙撃の結果は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、命中はしなかったが、全員がこちらを警戒して減速した

    2、dice1d5=4 (4)  発命中! ライバルたちは怪我をして大幅に減速したぞ!

    3、dice1d5=4 (4)  発命中! 当たったライバルはリタイアだ!

    4、コースを横切る梁を落とした。前を進む全員が足止めされたぞ!

  • 83ぼっち24/09/23(月) 22:53:09

    選手1((゚□゚;))「オワーッ!?」

    選手2(; ・`ω・´)「ヤッベ、背後からッ……!」

    (銃声。自分たちのすぐ横をかすめるように飛んでいく鉄の弾丸)

    (それらに無関心でいられるほど、私のライバルたちは命知らずではないようだった)

    (飛びながらも振り返り、こちらを警戒し始める)

    (そうなるともちろん、前に進むことには集中できなくなる)

    (彼らの速度は一気に遅くなった)

    よし、よしよしよし……こちらの思うつぼ……!

    さらに弾丸(こけおどし)をくらえ! 前なんか見ていないでこっちを見ろォーッ……!

    (ドンドンッ、ドン、ドンドンッ!)

    実況(゚∀゚ 三 ゚∀゚)「これはすごい! エントリーナンバー11、騎馬魔法を使いながら銃撃魔法を併用し、先行集団の注意を引いている!」

    実況( ≧∀≦)ノ「弾丸は1発も当たっていないが、当たるかもという恐怖がみんなを萎縮させる! 距離がどんどん縮まっていくぞー!」

    もう、負け確みたいな差はない……先頭だって射程に入ってる……!

    横並びになったら、後ろから飛び道具で狙うというアドバンテージはなくなるけど……そこからは、普通に実力勝負をすればいいしな……問題はない!

    実況(*´ω`*)「さあ、そろそろベルトコンベアゾーンは終わるぞ! 選手たちのほとんどが団子になって、新しいエリアに突入していく!」

    実況( ノ^ω^)ノ「ここから先は……」

    dice1d4=4 (4)

    1、電気の通ったコードが蜘蛛の巣のように空間を横切っている!

    2、あちこちからアツアツの蒸気が噴き出している!

    3、クレーンアームが、選手たちを捕まえようとするぞ!

    4、『ゲート封鎖! ゲート封鎖!』……えっ!? この分厚い防火壁を破壊して進むの!?

  • 84ぼっち24/09/25(水) 21:43:35

    (ビィーッ ビィーッ ビィーッ)

    (突如、鳴り響く警報音)

    (そして、私たちの目の前で、コースの両側から壁がせり出してきて……まるで扉を閉じるように、行く手を遮った)

    こ、これは……!?

    実況(*´∀`)ノ「これぞ第2のエリアギミック! ゲート封鎖だぁ!」

    実況( *´艸`)「固く分厚い壁が立ちふさがるというシンプル極まりない障害! 選手たちはこれを破壊するかこじ開けなければ、先に進めないぞ!」

    選手1( ; ゚Д゚)「これもうレースってレベルじゃねーぞ!? もっと違う競技じゃないか!?」

    選手2Σ(´Д`;)「おい、俺は魂魔法使いだぞッ!? 物理的な壁をどうやって破れっていうんだ!?」

    実況( ´∀` )b「手持ちの魔法に壁を破れるものがない人のために、壁の横にハンマーを置いてあります。それで何とかしてください」

    ふ……よし、さすがに即座に壁を破壊できるような魔法使いはいないようだ……。

    全員が壁の前で立ち止まったから、ついに先頭に追いつくことができたぞ!

    そして! 鉄魔法には、こういうときにうってつけのものがある……《穿孔(ドリル)》!

    (ギャイイイイイイイィィィィィィィッッッ)

    選手3(´゚д゚`)「うわあ! こいつ手数が多い!!!」

    選手4( ;`Д´)「負けてらんねー……《火炎弾(ファイアブリット)》!!」

    選手5(#゚Д゚)ノ「《石砲(ストーンバレット)》!!」

    (他の選手たちも、高威力魔法を次々と壁にぶつけて破壊を試みる)

    (戦闘向けでない方々は、ハンマーを力強く奮っておられる。もちろん私は、その人たちよりは先に突破できる自信がある)

    (しばしの黙々としたゲート破砕タイム……この第2のギミックを撃破するのは……)

    dice1d4=1 (1)

    1、よし、私が最初だ!

    2、私が最初……だけどおい! 私の開けた穴を通って、みんなすぐ後ろから追ってくる!

    3、他の人たちが先に穴を空けた……だが、私はそれを妨害する!

    4、肉体強化の選手(っ`Д´)っ・:∴「俺の拳が光ってうなるウウゥゥーッ!!!」(ワンパンでゲート粉砕)

  • 85ぼっち24/09/27(金) 00:40:07

    (ゲートの合わせ目を狙って、《穿孔(ドリル)》を強く押し当て続ける)

    (耳障りな破砕音とともに、ゲートを構成する金属が細かい破片となって飛び散っていく)

    (やがて──)

    よっし……穴、空いたぞッ……!

    (《穿孔(ドリル)》の抵抗がなくなり、向こう側に貫通する)

    (ちょうど人がひとり通れる程度の穴を、きれいに丸くくり貫くことに成功した)

    (もぞもぞと、私はそこを通り抜けて、次のエリアへ……)

    選手1(*゚∀゚)=3「よっしゃ、あの穴! 俺らも使うぞ!」

    (当然、ひとつ穴ができたなら、他の連中もそれを使おうとやってくるが……)

    そうはさせるかっ……《成型(モルディング)》……!

    穴のまわりを柔らかくして……変形させて……穴を閉じてやる……!

    選手1( ; ゚Д゚)「あー!!!」

    (せっかくリードを取れるチャンスなのだ。私の手柄に相乗りする形で横並びになんて、ならせてあげない)

    (ちゃんと自分たちで穴を掘って、追いついてらっしゃい……!)

    実況(*≧∇≦)ノ「さあ、ここでナンバー11が単独トップに躍り出た! 序盤の遅れが嘘のようだ!」

    実況( ´∀` )b「レースはすでに終盤、このままナンバー11の優勝となるのか? いや、まだ最後の障害が残っている!」

    (私は誰もいない工場をひた走り、新たなギミックの待つ通路に突入した)

    実況( ^∀^)「さあさご覧あれ! 恐るべき、最後の障害とは……!」

    dice1d4=3 (3)

    1、まぶしっ!? 超巨大ランプが視界を奪う!

    2、でっかいスプレーガンが、蝋みたいな当たると固まる粘液を発射してくる!

    3、巨大扇風機の群れ! 横殴りの暴風だぁーっ!

    4、無数の鏡! 方向感覚が狂うし、ぶつかって割ったりしたら大怪我だ……!

  • 86ぼっち24/09/28(土) 22:28:43

    (ブゴオオオォオオォォオォ────ッ)

    う、う、うおおおおっ……!?

    よ、よよ、横殴りの風っ……普通に立ってるだけでも、薙ぎ倒されそう……!

    髪の毛、ぐちゃぐちゃになっちゃう……ヤバい、ヤバいいぃい……!

    これは、このギミックは……いったい……!?

    実況( ・∀・)「さあ、これこそ最後の罠! 台風回廊だぁ!」

    実況(* >ω<)「5台の超巨大プロペラを、数十人のスタッフの人力と魔法とで高速回転させています!」

    実況(*´∀`*)「そこから生み出される風力は、岩製ゴーレムが楽々吹き飛ばされるほどのもの! さあ選手諸君、これを乗り越えてゴールにたどりつけるか!?」

    こ、こここ、これは、シンプルに難易度高い……!

    《跳ね馬(スプリッツァー)》で走ったら、たぶん横転する……かといって、歩いて進もうとしたら、重りがないから飛ばされる……!

    ……風をなるべく受けないように……体を限界まで床に伏せて……ゴキブリみたいに這って、進むしかないな……!

    かなり、カッコ悪いが……これが最適解だろう……もし、こんな暴風の中で、飛んだりしたら……。

    選手1(ノ・∀・)ノ「よっしゃー! やっとゲート破壊できたぜ! 大急ぎで飛んで1位に追いついてや……」

    (ゴオオオオオォォオオオォォォオ──ッ)

    選手1((((;゜Д゜)「あ゛ぁ──ッ!?」

    ……あんな風に……枯れ葉みたいに、あらぬ方向へ吹っ飛んでいくことになる……やらなくてよかった……。

    ……うわ、このコース……這って進むの前提なのか、坂道みたいに上向きに角度がついてる……。

    ここを、飛ばされないように登っていけって話だな……了解、気をつけて行くよ……。

    (ジワジワ這い進む私)

    (この先に待つのは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、床に鉤爪食い込ませて進むと、踏ん張るのが楽!

    2、1+おい、なんか行く先が垂直に近くなってんぞおい

    3、背後からライバルたちが攻撃を仕掛けてくる! ヤバい!

    4、す、スカートはいてくるんじゃなかった……!

  • 87ぼっち24/09/30(月) 23:49:26

    よ、よし、意外と進める……!

    床にべったりと伏せていれば……風にあまり邪魔されずに済む……!

    どうやら、暴風は……私の膝から上ぐらいの高さを通過しているみたいだ……この姿勢を維持して、ゴールを目指すぞ……!

    (バササッ、バサバサッ)

    …………! わっ、ととと……!

    弱い風の流れは、この高さでもあるみたいだ……。

    進む邪魔にはならないけど、服がはためく……特に、スカート……!

    ううっ、いつものくせで、ミニスカートなんかはいてくるんじゃなかった……!

    めくれたり……してないよね……? 誰かにスカートの中を見られたりしたら、恥ずか……。

    選手1、2、3( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)「「「ジーッ」」」

    実況(ノ`Д´)ノ「プロペラ担当スタッフ! 風向きをもっと下に! ナンバー11に後ろから風を浴びせる感じで!! 早く!!!」

    ……………………。

    オラァ──ッ!!!!!

    (ドンドンドンドンドン!!!!)

    選手たち(´゚д゚`)(;゚Д゚)(´ロ`ノ)ノ(´Д`;)「「「「ウギャ──ス!!!」」」」

    実況Σ( ̄□ ̄;)「ああーっ! ナンバー11の銃撃魔法乱射により、選手数名とプロペラが1枚破損! スカートがめくれな……いや! 風が弱まったぞ!」

    こんなレース、とっとと終わりにしてやるぅ!

    (ドンドンドンドン!!! ドンドンドンドンドン!!!!)

    実況(;・∀・)「やめて! プロペラ次々壊さないで! この仕掛け、けっこうカネかかってるの! あああふたつも3つもプロペラが撃ち抜かれる~ッ!」

    よし、風はほとんど消えた……もう普通に走れるぞ……!

    銃撃魔法使いまくって、私のドングも枯渇気味だ……あとは……この脚でゴールに駆け込む……!

    (立ち上がり、ゴール目指してダッシュする私)

    (レースの結果は……)

    dice1d4=3 (3)

    1、私、堂々の1位!

    2、私、dice1d5=4 (4)  位!

    3、私、dice1d11=1 (1)  位!

    4、肉体強化の人が全員ゴボウ抜きしてきた

  • 88ぼっち24/10/01(火) 23:16:24

    実況(;゚Д゚)「ぷ、プロペラが破壊され、風の止んだコースを、ナンバー11が駆ける! 駆ける! わりと鈍足だけど、懸命に駆けていく!」

    実況(;・∀・)「そして、ついに……ゴール!! 決着……決着ゥ~ッ! 優勝はナンバー11ですッ……!」

    やった……やったぞッ……ライバルたちを出し抜いて、1位をもぎ取った……!

    やっぱり、プロペラを撃つ前に、他の参加者たちを撃っといたのがよかったな……! あれをしたからこそ、誰も追いついてこれなかったんだ……。

    選手1((゚□゚;))「うごご、足が、足があぁ……」

    選手2(*ToT)「撃たれたところが痛くて歩けへん……誰か、回復魔法プリーズ……」

    おおう、さすがに銃弾で撃たれるのはキツいか……皆さん、苦しんでおられる……。

    でもまあ、なんでもありのレースだし……スカートの中覗こうとした人たちなので……罪悪感とか感じる必要とか、まったくないよね……!

    実況( ・ω・)「優勝、おめでとうございまーす。こちら、1位の賞金になります」

    わぁい……♪ ありがとうございまーす……!

    金額は……ふむふむ……dice1d100=49 (49)  (100ほど大金)かぁ。

    実況( ^ω^)「あと、副賞もありますよー」

    ほほう?

    こういうレースって、賞金の他にも何かもらえるのか……。

    トロフィーとか、金メダルとかかな? もちろん、もらっておくのにためらいなどあろうはずもございませんッ……!

    実況(っ´ω`)っ「そうそう、勝者は得るもん得ないといけません。というわけで、こちらドゾー」

    (私が副賞としてもらったのは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、山ほどの食料

    2、更に規模の大きいレースへの招待状

    3、リゾート施設への招待状

    4、dice1d10=4 (4)  メートルサイズのクッソデカいトロフィー

  • 89ぼっち24/10/03(木) 19:54:36

    実況(*´∀`)ノ「素敵なリゾート施設のタダ券でーす。めいっぱい遊んでくるといいですよ!」

    り、リゾート……!

    賞金が半端な額だったし、これは普通に嬉しいかもしれない……。

    ……こないだ、貴族御用達のテニスクラブで優雅にスポーツを満喫したり、お酒飲んでベロベロになったりしたばかりだけれど……。

    贅沢な楽しみは……懐が痛まないなら……何度味わってもいいものなのだ……。

    特に私は……旅とか、好きな方だしね……好みにジャストフィット……。

    ありがたく使わせていただきます……♪

    (私は恭しくタダ券を受けとり、その詳細を確認させていただく)

    フムフム……さすがに……ペア招待券とかじゃなく……行けるのはひとりだけか……。

    宿泊代のみならず……食事代……施設内コンテンツ利用料もタダ……。

    これはかなりいいものかもしれない……下手すると、レースの賞金そのものより値が張るかもしれないぞ……。

    で、肝心の行き先は……?

    dice1d4=1 (1)

    1、山の中 2、沖合の孤島 3、遊園地的なとこ 4、豪華客船

  • 90ぼっち24/10/04(金) 22:31:58

    ほほう……山の中のホテルか……。

    人里離れた場所……しかも高台……景色がよくて、静かで、心落ち着きそうな風情ですなぁ……ふひ。

    休日を利用して、泊まりに行ってみるとしますか……。

    ひとり旅になるけれど……私はもともとぼっちな生き方をしてきた陰の者……。

    寂しさとか心細さとか特になく、普通にくつろいでこれる……。

    (……と、いうわけで……)

    休みの日になったので……山の上のホテルに遊びに行くぞー……。

    直通の馬車に揺られて、クネクネした細い山道を行くのだけど……けっこうな距離、進むな……歩きだと、ちょっとこれはたどり着けないかもだ……。

    えっ……大きな谷に渡された、吊り橋も通るの……?

    うわぁ……これはすごい……ちょっと、想像を超えた僻地だよ……もう、辺境とか、最果ての地とか呼びたくなるね……。

    ……そして、たっぷり数時間の馬車旅の末に……目的地であるホテルにたどり着いたわけだ……。

    ふーむ……ホテルの外観は……dice1d100=59 (59)  って感じか……。

    (100ほど大規模で近代的なホテル。1ほどボロボロの個人経営ペンション)

    支配人( ´∀`)「いらっしゃいませー。お待ちしておりました。おひとり様でご予約のラダー様ですね?」

    あ、はい……しばらくの間、お世話になります……。

    支配人( ^ω^ )「歓迎いたします。ささ、お荷物をこちらにどうぞ。お部屋までご案内いたしますよ」

    支配人( ノ^ω^)ノ「このホテルはdice1d4=1 (1)  が自慢でしてね。お泊まりの間、ぜひそれを楽しんでいってください」

    1、シンプルに窓の外の風景

    2、山菜や川魚の料理

    3、山の上の神殿で催されるお祭り

    4、幽霊

  • 91ぼっち24/10/05(土) 23:43:52

    支配人( ´∀` )b「部屋の窓から眺める、山の景色は素晴らしいですよー。都会では絶対に見られない!」

    ほほう……どれどれ……?

    (このホテルは、宿泊施設としては並の大きさだ……こんな山の中に建ってるにしては、大きな方と言っていいかもしれない)

    (私が案内されたのは4階のゆったりとした続き部屋で、リビングルームには大きな窓があった)

    (そこに近付いて、外の風景に目を向ける)

    (近くに、遠くに、風景画を何枚も重ねたように、山々が奥行きを持って連なっていた)

    (木々は青く萌えて、空の色と究極的な部分で溶け合っていて、とても美しいコントラストを成している)

    おお……これは確かに素晴らしい。

    朝や夕方に、この景色を見ながらくつろぐのは、とても気持ちが洗われるでしょうね……。

    支配人( ^ω^)「はい、私も長くここに勤めていますが、まったく飽きませんよ」

    ……思い返せば、ここしばらく、いろんなことがありすぎた……。

    今日からしばらくは、ここでボーッと景色だけ眺めて、何もしない穏やかな時間を味わってもいいかもしれないな……。

    (私は、窓の方を向いているひとり掛けのソファに腰を下ろし、大きく息を吐いた)

    …………ん?

    この景色、山と空だけかと思ったけれど……。

    ここから歩いていけそうな、比較的近い距離のところに……何か、妙なものがあるな……。

    支配人さん、あそこに見えているあれは、何ですか……?

    (私は、窓の外を指差して尋ねる)

    支配人( ・∀・)「ああ……あれはですねぇ」

    dice1d4=4 (4)

    1、古い祠

    2、水車小屋

    3、小規模な温泉

    4、魔天狼を埋めた跡

  • 92ぼっち24/10/06(日) 23:29:52

    なんか……灰色の岩山の一部が……白っぽい何かで、雑に覆われているような……?

    まるで、山に張りついたかさぶただ……あれはいったい……?

    支配人(。-∀-)「あー……あれはですね……ラダー様、魔天狼はご存じですか?」

    まてん……確か、覇種の魔物ですよね?

    岩山に現れる狼のような彫刻で、それを見たり見られたりしたら、体を食いちぎられてしまうという……とんでもないやつ……。

    ……えっ、まさか……。

    支配人( ´ー`)「はい。あそこには魔天狼がいるんです」

    支配人( ・ω・)「もう100年以上も前になりますか、山道を通る人たちが噛みちぎられて死ぬ事件が数えきれないほど起きていたんです」

    支配人( ´・∀・`)「魔天狼のしわざだということはわかっていましたし、そいつは運良く目を閉じていたそうで」

    支配人( ノ^ω^)ノ「盲目の職人さんを大勢動員して、魔天狼を見ないようにしながら漆喰で塗り固めて、埋め立てて無力化したんだそうです」

    そんなことがあったんですか……あれ?

    じゃあ、今も、あの岩のかさぶたの下で、魔天狼が息を潜めているんですか?

    支配人(*´∀`*)「埋め立てられて窒息死でもしていなければ、まあ、はい」

    だ、だ、大丈夫なんですか? 覆いが何かの拍子に崩れたりしたら……窓から岩山が見える部屋に泊まる私は、殺されてしまいませんか!?

    支配人(*´ω`*)「大丈夫ですよ。この辺は地震とかもないんで、山崩れは起きませんし、定期的に覆いは塗り直されてますから」

    そ、それなら、いいんですが……ふぁあ……魔天狼かぁ……。

    (美しい景観の中に、恐ろしいものが隠されていたものだ)

    (まあ、ここで商売をしている人が安全というのなら、それは安全なのだろう)

    (あまり気にせず、休暇を満喫するとしよう……)

    ボーイ(*´・ω・)「あのー、支配人」

    支配人(*´・з・)「む? キミ、私は接客中だよ。いったいなんだね?」

    ボーイ( ;´・ω・`)「すみません、ちょっと急ぎのことで……dice1d4=2 (2)  で人が獣に噛みちぎられたみたいな姿で死んでるんですが、どうすればいいですか?」

    支配人( ´゚д゚)「 」

    1、空き部屋

    2、屋上

    3、庭園

    4、大浴場

  • 93ぼっち24/10/07(月) 21:53:26

    支配人((( ;゚Д゚)))「……え……? なんて?」

    ボーイ( ゚ε゚;)「だから、このホテルの屋上で人が死んでるんですって。まるで、この辺の伝説の魔天狼に噛まれたみたいになって……」

    (私はそれを聞いた瞬間、カーテンをすばやく引いて、窓からの景色を見えなくした)

    (私自身は、噛みちぎられていない。だから、この処置はする必要のないものだろう……しかし、念のためというところはある)

    支配人( ゚Å゚;)「あっ、ら、ラダー様、騒がしくして申し訳ありません。どうぞご心配なく、おくつろぎください」

    支配人( ゚A゚ )「少しトラブルがありまして……できましたら、その、安全が確認されるまで、窓には近付かないようにしていただけると……」

    ええ、わかりました……不安には思っておりませんので、お気になさらず……。

    支配人(´・ω・`)「ありがとうございます。……さっ、ボーイくん、行くよ!」

    (支配人とボーイは、慌てた様子で部屋を出ていった)

    (……屋上で人が死んだ? 獣に噛みちぎられたような姿で? 私が泊まりに来た途端、何という事件が起きているんだ!)

    (場合によっては、すぐにでも帰った方がいいかもしれない……でも、帰るのを決断するべき「場合」って、どんなのだ?)

    (本当に魔天狼が人を食い殺したのが確かめられた場合か? それとも、他の原因で人が死んだことが確かめられた場合か?)

    (とりあえず私は、カーテンの閉められた薄暗い部屋で、ソファに深く腰掛けたまま、ぼんやりと過ごした)

    (しかし、そうやって様子見していたのもわずかな時間だった。事態が急展開し、私の周囲は一気に慌ただしくなっていったのだ)

    (……具体的に、何が起きたかというと……)

    dice1d4=3 (3)

    1、噂好きな人と知り合いになった結果、事件についての情報をめっちゃ教えてもらった

    2、たまたま宿泊してた刑事さんが、私のところに事情聴取に来た

    3、たまたま宿泊してた刑事さんが、私を殺人容疑で拘束しようとしてきた

    4、私の名前を知っていた支配人、私に事件の調査を依頼してきた

  • 94ぼっち24/10/08(火) 23:54:42

    (コンコン)

    むっ……静寂を破るノックの音……。

    はいはい、今開けますよ……。

    (私は立ち上がってドアの方に向かい、訪問者を迎えるべく鍵を開けた)

    (私の部屋にやってきたのは、見知らぬ壮年の男性だった)

    えっと……あなたは?

    警部(`Д´)「突然すまんね。俺はたまたまこのホテルに泊まりに来ていたバリウラ中央警察庁の者だ。ジミー・ポテライズ警部という」

    警部(`ω´)「あんたはアカデミアの学生で、エメラチェリー・ラダーさんで間違いないね?」

    あ、はい、そうですが……警部さん? なぜ警察の人が、私のところに……?

    警部( `д´)「ひと言で言うと、あんたにのっぴきならない嫌疑がかかっておるので、手早く身柄を拘束させてもらいに来た」

    警部( ・`ω・´)「正式な逮捕じゃねえので、拒否権はある。だが、あえて疑いを膨らませたいのでもなけりゃ、大人しく従ってほしいね」

    はっ、え!? 拘束!? ……その、穏やかじゃないですね……? のっぴきならない嫌疑って……具体的に何なのですか……!?

    警部( `ー´)「あんたの耳にも入っているはずだ。このホテルの屋上で起きた変死事件。あれをやらかしたのがあんたじゃないかと疑ってんのさ」

    警部(`Δ´)「状況から見て、あれは魔天狼なんて怪物の仕業じゃねえ。人間が手を下した殺人事件……それも、魔法使いがやったという可能性が高いんだ」

    警部( ゚皿゚)「そして、今、このホテルには、あんたしか魔法を使える人間がいねえ。ならばこそ、手っ取り早く捕まえておこうと思うのは自然じゃねえかい?」

    えっ、えっ、さ、さ……殺人? 私が容疑者、と?

    (マジか。この展開は私の予想を遥かに越えているぞ)

    (どうする、どうする……私は何もしていない。冤罪なのは確かだ。しかし、それを証明する手段を持っていない)

    (今は、まず──)

    dice1d4=2 (2)

    1、説明が足りないので、もう少し警部から話を聞いて決める

    2、大人しく拘束を受ける

    3、拘束は嫌だけど、警部に見張られるのは許容する

    4、テンパった私、逃げる

  • 95ぼっち24/10/10(木) 00:36:09

    ……わかりました。拘束を受け入れましょう。

    ただし、やましいことがあって、それを認めるから捕まるというのではないということをご理解ください。

    私は警部さんのお仕事の邪魔をしないために、一般人として協力を申し出るのです。そこは譲れません。

    警部(`□´)「ああ、それで構わん。正直、危険性のある容疑者の身柄を確保しておきたかったのが第一で、俺もそこまで強固な確信を持っているわけじゃねえ」

    警部(・A・)「ここからの調べ次第で、あんたの無実が判明する可能性もあるだろう。まあ……逮捕でなく『保護』されてると思って、大人しくしていてくれ」

    ええ。もともと、インドア派ですので……引きこもっていることは、苦痛ではありません……。

    (ちなみに、どこに拘束されるかというと……dice1d4=3 (3)  )

    (1、今の部屋から出ちゃダメってだけ 2、1+見張りがつく 3、窓のない倉庫 4、地下500mの堅固極まりない牢屋)

    ……しかし……。

    具体的にこのホテルで何が起きていて……どういう理由で私がピンポイントで疑われることになったのですか?

    人ひとりを隔離するというのは、よっぽどの根拠がなければやらないことです。

    なぜそこまで疑われることになったのか……閉じ込められる前に知っておきたい……。

    警部( ゚A゚ )「む、言わなかったか? ……あー、いや、屋上で殺人が起きたってことと、その犯人が魔法使いらしいってことしか言ってねえか」

    はい、あまりにも説明が不充分です。何も知らなければ、反論することもできません……説明を要求しても……?

    警部( ´゚д゚)「まあ、当然のこったわな。いいだろう」

    (そして、警部さんは現時点で判明している事件の流れを、私に語って聞かせてくれた……)

  • 96ぼっち24/10/11(金) 21:16:21

    被害者:dice1d4=3 (3)

    (1、ホテルの客 2、ホテルの従業員 3、近所の人 4、身元不明)

    被害者の評判:dice1d100=97 (97)

    (1ほど殺されても仕方ないよね感。100ほどあの人が殺されるなんて信じられない)

    獣に噛みちぎられたような傷とは:dice1d7=5 (5)

    (1、右腕がない 2、左腕がない 3、右足がない 4、左足がない 5、頭がない 6、内臓がない 7、全身の肉があちこち削ぎ取られている)

    殺人だと見なされた理由は:dice1d4=2 (2)

    (1、噛みちぎられた傷以外の致命傷があった 2、持ち物が盗まれていた 3、犯人の足跡があった 4、被害者の遺書があった)

    犯人が魔法使いと見なされた理由は:dice1d3=1 (1)

    (1、屋上への扉が外から施錠されていた 2、死体が突然出現した 3、空に浮かぶ死体が目撃された)

    第一発見者:dice1d3=1 (1)

    (1、ホテルの従業員 2、ホテルの客 3、近所の人)

  • 97ぼっち24/10/13(日) 23:17:39

    警部( ´д`)「亡くなったのは、ネトラセル・ズッパ老師というお方だ。この名前に聞き覚えは?」

    ネト……えっ?

    ちょ、ネトラセル・ズッパ老師って……まさか、あのズッパ老師ですか!? サンスーン・ヒルの聖者と呼ばれた、あの?

    警部( ・ω・)「ああ。大災害で家族を失った孤児たちを引き取り、爪に火をともすような生活をしながらも全員を立派に育て上げた、立派なお方だ」

    警部( -∀-)「義理の子供たちが巣立ったあとは、このホテルの近くに庵を結んで、慎ましく暮らしておられた」

    それが……そんな人が、このホテルの屋上で……殺されたと?

    警部(; ・`ω・´)「うむ。それもおぞましいことに、頭部を切断されて殺されている」

    首なし死体、というわけですか……。

    私の部屋に報せを持ってきたボーイさんは、獣に噛みちぎられたような死体だと言っていましたが、魔物や動物がやったわけではないのですね?

    警部┐('~`;)┌「可能性は極めて低い。傷口はぐちゃぐちゃだったが、ありゃナイフのような刃物によるものだ」

    警部( ゚皿゚)「それに、被害者がいつも身に付けていたというdice1d4=4 (4)  が紛失していた。動物なら持っていくわけがねえ」

    (1、腕時計 2、杖 3、財布 4、祈祷書)

    物取りが目的の犯行、ということですか? いや、それにしては、死体が損壊され過ぎている……。

    警部(#`皿´)「奇妙な話さ。魔天狼の伝説に見立てるにしちゃ、死体の傷つけ方が雑だし、ものを盗んで人のしわざだとすぐわかるようにしてやがるし」

    警部(*`ω´*)「かと思えば、扉が施錠された屋上から消えてみせるし。この犯人はいったいどういう意図を持って行動してるのやら」

    施錠された屋上から消えた? ……それが、犯人が魔法使いだと断定した理由ですか?

    警部( `Å´)「おうよ。死体発見時、ホテルの中から屋上に出るための唯一の扉は、外側……屋上の方から鍵がかけられていたんだ」

    警部( ´゚д゚)「ホテルの中から、鍵をかけることはできねえ。かといって、ロープかなんかを使って外壁を降りていくには、結びつけるところが見当たらない」

    警部( `д´)「こりゃよ、犯人は空を飛んで消えたとしか思えねえだろう? それができるのは……魔法使いだけ、ってわけよ」

    なるほど……これはまた……私自身も納得がいくぐらい、濃厚な疑いですね……。

  • 98ぼっち24/10/14(月) 22:44:58

    屋上の状態と、死体発見の経緯を教えてもらうことはできますか?

    警部( ・_ゝ・)「別に構わんが……お前さん、なんか状況に慣れてる感がスゴいな……」

    警部(`Δ´)「死体を見つけたのはこのホテルの従業員で、プラリネ・ハイクという青二才だよ」

    警部( ・ω・)「そいつは毎日、屋上を掃除するのが仕事でな……いつも通り掃除用具を持って、屋上に通じるドアを開けようとしたら、開かないことに気付いたんだ」

    カギがかかっていたと? いや……でも、屋上から施錠可能で、ホテルの中からはロックを解除できないドアというのは、あまり想像できませんね?

    警部( ´Α`)「うむ。実際な、そのドアはホテルの中側からだけカギの開け閉めができるタイプだったんだよ」

    警部( ;´・ω・`)「なのに開かないから、プラリネは仲間を呼んで、力ずくで開けた。複数人で体当たりして、ドアを壊したんだ」

    警部( ゚Д゚)「壊れたドアの屋上側を見た結果、なぜ開かなくなっていたのかがわかった。dice1d4=2 (2)  だったんだ」

    (1、ドアに釘が打ち付けられていた 2、重いものがドアの向こうにあった 3、ドアがテープで目張りされてた 4、ドアの向こうに死体があった)

    警部(;`・ω・)ノ「もちろん、それと同時にやつらは死体も発見した。屋上はものがなくて見晴らしがよくてな、すぐわかったそうだ」

    警部( ゚A゚ )「屋上は……だいたい50×20メートルほどの平坦なスペースだ。ぐるりを高さ1メートルほどの縁が囲んでいる」

    警部「その真ん中に、ホテルの中に通じるドアがある小さな小屋が建っていると思うといい。他は何もない。……死体以外はな」

    ……第1発見者の人たちは、死体を見つけて、どうしました?

    警部( ・д・)「ああ、それは……dice1d4=4 (4)  」

    1、全員、慌ててホテルの中に逃げ帰った

    2、プラリネだけがその場に残り、他が支配人に報せに行った

    3、プラリネ以外の従業員(dice1d3=1 (1)  人)が残り、プラリネが支配人に報せに行った

    4、全員で死体チェック

  • 99ぼっち24/10/15(火) 23:10:47

    プラリネ(*`Д´*)「ドア破壊、よし!」

    従業員1( `д´)「死体ある、よし!」

    従業員2( ;`Д´)「首がちぎれてる、よし!」

    従業員3(; ・`ω・´)「頭部はdice1d2=1 (1)  (1、見当たらない 2、そばに転がってる)、よし!」

    従業員4( ; ゚Д゚)「体格、服装……この死体、有名人のズッパ老師だ、よし!」

    従業員5(;`・ω・)ノ「この死体、老師がいつも携えてる祈祷書がないぞ、よし!」

    従業員6( ゚ε゚;)「屋上にはこの死体以外、誰もいない、よし!」

    従業員7(;´_ゝ`)「ドアが開かなかったのは、ドアの内側にdice1d3=2 (2)  (1、ホテルの家具 2、大量のレンガ 3、大きな石)が置いてあったからだ、よし!」

    従業員8(*゚Д゚*)「支配人に知らせに行くぞ! あと、宿泊客の警部さんにも伝えよう! よし!」

    ──────────────

    警部( ´゚д゚)「連中、こんな感じだった」

    うわぁ……。

    冷静にきっちり見ていることを褒めるべきか……見過ぎだとドン引きすべきか……迷いますね……。

    警部( ゚A゚ )「まあ、情報が正しそうなのはありがてえこった。目撃者なんて大抵動揺してて、記憶が曖昧なもんだからな」

    ドアはホテルの中から、屋上に向かって開く形で……ドアの向こうに重量物が置かれていたから、開かなくなっていたというのですね……。

    その上で、屋上に死体しかなかったのなら、確かに空でも飛ばないと脱出できない……『開放状態の密室』だ……。

    なるほど、魔法使いが犯人と疑われても、まったく不思議ではありませんね……。

    警部( ・ω・)「だろう?」

    でも、私は犯人ではありませんよ……。

    他に容疑者は、まったくいないのですか? ズッパ老師を恨んでいる人とか……老師の死で利益を得る人とか……もしかしたら、いるのではないですか?

    警部(*´ω`*)「そうだな、俺が調べた限りでは、非魔法使いも含めるなら容疑者はdice1d5=2 (2)  -1人だな」

  • 100ぼっち24/10/18(金) 00:11:22

    (大量のレンガで塞がれていたドア……行方不明の被害者の頭部と祈祷書……)

    (謎は山ほどある。事件の輪郭はつかめてきたが、何が起きたのかを推理する材料はほとんどない)

    (解決に至るための取っ掛かりは……警部が見つけたという、私以外のひとりの容疑者だろうか)

    私以外にも、疑っている人はひとりいるんですね。

    その人も、私みたいに隔離しているのですか?

    警部( ゚ー゚)「いや、まだそこまで踏み切っちゃいねえ」

    なぜ……?

    警部( ´ー`)「あんたと違って、そいつは魔法使いじゃない。屋上から脱出する方法がない……犯行が不可能なんだ」

    警部( ^ω^)「その一点を除けば、むしろあんたより疑わしいと思ってるんだがね」

    ふーむ……?

    ちなみに、その人はどういう人なのですか?

    犯行が不可能なのに、ズッパ老師を殺しかねないと思われている人というのは、想像がつきません。

    警部( ゚д゚)「ああ、そいつは……」


    容疑者の立場:dice1d5=5 (5)

    (1、ホテルの客 2、ホテルの従業員 3、近所の人 4、支配人 5、プラリネ)

    容疑者とズッパ老師のつながり:dice1d4=1 (1)

    (1、友人関係 2、師弟関係 3、老師に育てられた 4、老師から金を借りていた)

    容疑者の老師への感情(対外的なもの):dice1d100=61 (61)

    (100ほど尊敬していた、1ほど悪感情)

    現在の容疑者の様子:dice1d5=5 (5)

    (1、普段と変わらない 2、怯えている 3、怒っている 4、悲しんでいる 5、安堵しているような……)

  • 101ぼっち24/10/19(土) 22:38:35

    警部(,,・д・)「あんた以外で疑わしいのは……ボーイのプラリネ・ハイクって野郎だ」

    プラリネ……? それって、第一発見者だという……?

    警部( ゚A゚ )「ああ、そいつだよ。正確には何人もいた第一発見者のひとりって感じだが……やつの立場は少し特殊だ」

    警部(;`・ω・)ノ「聞き込みをした結果、プラリネはズッパ老師と個人的な交流があった。どうやら、dice1d4=2 (2)  仲間だったそうだ」

    (1、ボードゲーム 2、釣り 3、写経 4、絵画)

    警部( ゚д゚)「そこそこ仲はよかったらしい。こんな山奥だからな、一緒に趣味を楽しめる友人ってのは貴重だっただろう」

    となると……ズッパ老師が悲惨な殺され方をして、その死体を発見したその人は、さぞショックを受けているのでしょうね……。

    警部(´゚ω゚`)「いや! それが妙なんだ。俺が尋問したときのプラリネは、悲しんだり怒ったり混乱したりしてなかった。むしろ……安堵しているように見えた」

    …………安堵?

    警部( ;`Д´)「非常にリラックスした様子で、俺の質問に淀みなく答えていた。友人の死体を目の当たりにした人間の反応としては明らかに異常だ」

    確かに……少なくとも、自然には思えませんね。

    しかし、そんなに怪しい態度を取っている人がいるのなら、私じゃなくそのプラリネさんを捕まえるべきでは……?

    警部┐('~`;)┌「だからよ、プラリネは魔法使いじゃねえんだよ」

    警部( ´~`)「密室の屋上から脱出できねえやつを疑うには、リラックスしているからってのは根拠として薄い」

    だから、物理的に可能な魔法使いの私の方を閉じ込めにかかったと……わかりますけど……わかりますけど……。

    警部( ・3・)「まあ、今、麓の警察に応援を呼びに行かせてる。大勢で現場を調べれば、新しい証拠も見つかるだろう。それまでしばらく待っててくれや」

    (そう言って警部さんは、私を倉庫に閉じ込めたまま出ていった)

    (そううまくいけばいいが……時間が経って、私への疑いがより深まるとかなったら嫌だぞ……?)

    (そして、その後、どうなったかというと……)

    dice1d4=1 (1)

    1、麓に行くための吊り橋が落ちてたってさ

    2、プラリネさんが食事を届けに来たので、話を聞こう

    3、切断された老師の首が、私の荷物から見つかったってさ

    4、第2の殺人が発生

  • 102ぼっち24/10/21(月) 22:08:16

    (窓のない倉庫の中で、私は毛布にくるまって横たわり、事件について考えた)
    (首から上が持ち去られた老聖人……紛失した祈祷書……密室と化したホテルの屋上……)
    (ドアが動かないように置かれていたたくさんのレンガ……第一発見者の不自然な余裕……)
    (それらはどう繋がるのだろう……? 状況はそこそこわかってきたが、実態を把握するにはまだ情報が足りない)
    (警部さんが言うとおり、山の麓の警察から応援が来て、人海戦術で徹底的な捜査が行なわれれば、すべては納得できる繋がり方をするのだろうか?)
    (答えが出せない私はそのまま休もうとしたが、その前に倉庫を訪ねてくる人がいた)
    警部( ;´・ω・`)「よう、もう一回お邪魔するぜ」
    ポテライズ警部……先ほどお別れしてから、30分も経っていませんが……どうかなさいましたか?
    警部(´ー`A;)「かなりめんどくせぇことになった。このホテルから麓に行く唯一のルートに、でかい吊り橋がかかってたんだがな……それが落ちちまってるんだ」
    えっ。
    警部(|||´Д`)「幅が広くて深い谷の間に渡っていた橋だ。それがなくなったってことは、麓に通報ができなくなった。このホテルにいる人間は、完全に孤立したよ」
    ちょっ……あの、警部さん、まずいのでは? 殺人事件が起きた直後にそれは、何か意図的なものを感じますが……?
    警部( ;`Д´)「おうよ。俺も嫌な予感がしまくりだ。しかも調査の結果、その橋というのが、刃物でロープを切られて落ちたのだと判明した」
    警部( ´д`)「ズッパ老師殺しと、吊り橋の破壊が関係しているのかどうかはわからん。しかし、無関係と片付けるには、手口が似すぎている」
    警部( :゚皿゚)「何かヤベえ状況に陥ってるぞ。あんた、この橋落としに心当たりは?」
    あ、あるわけがありません……!
    でも、橋なしで、谷の向こうに通報の人員を送りたいなら、私ならなんとかできますよ。
    私が魔法を使って空を飛んで、谷を越えればいいんです……それをお許しくだされば、私ならやれますが……?
    警部(#゚Д゚)ノ「OK、わなけねえだろう……最重要容疑者のあんたにそれをやらせて、谷の向こうに行った途端逃げられたらどうするんだよ」
    ですよねー……。
    (うん、わかりきった話だ)

  • 103ぼっち24/10/21(月) 22:29:01

    警部( ;´・ω・`)「通報するにはあんたを使うしかないが、あんたはここから出せない。にっちもさっちもいかないってのはこのことだ」

    警部(-""-;)「マジで、俺ひとりでこの事件を解決しないといけないのかぁ~……? 俺、休暇でここに来てるんだぞ……なんだってこんなことに……」

    (追い詰められたような表情で、ぶつぶつと言う警部さん)

    (私は彼に、おそるおそるこう提案する)

    ……必ずしも、おひとりで解決しなければいけないわけではないと思います。

    犯人がわからなくても、魔法使いである私が無実だということを突きとめてもらえればいいんです。

    それが成されれば、あなたは憂いなく、私に谷を渡れと命じることができる。そうではないですか?

    警部( ; ゚Д゚)「あ、ああ、確かにそれはそうだ。だが、あんたが犯人でないと証明するのも、それはそれで難しそうだぞ……」

    でも、何かはあるでしょう。新たにわかったこと、不自然に思われること……そういうことを整理していけば、何かはわかるはずです。

    警部(;゚д゚)「……たとえば、あんたはどういうことがカギになると思うよ?」

    そうですね……。

    dice1d4=4 (4)

    1、被害者の首や祈祷書が持ち去られたのはなぜか

    2、なぜ橋が落とされないといけなかったのか

    3、なぜ現場は密室にされないといけなかったのか

    4、そもそも、私のアリバイは調べたのか?

  • 104ぼっち24/10/22(火) 23:00:32

    私に谷を越えて通報させたいなら、まず私の無実を証明する必要があります。

    そのために求めたいことは……やはり、私のアリバイの確認でしょうね。

    警部( ゚A゚ )「アリバイ……?」

    殺人を行なう。死体の首を切断する。屋上のドアを大量のレンガで封印する。屋上から脱出する。

    魔法を使ったとしても、かなりの時間が必要になる作業です。

    そして、私がホテルに到着してから、事件が発覚するまでの間の時間は、ごく短いものでした。

    (乗り合い馬車から降りる。ホテルに入る。フロントでチェックイン。支配人に部屋に案内される。ボーイが支配人に死体発見を告げに来る)

    (その一連の流れは、長く見積もっても15分程度だろう)

    乗り合い馬車の御者は、おそらく私の顔を覚えています。支配人も、私の行動を証言してくれるでしょう。

    おわかりですね。私にはこの犯罪を実行する時間がないのですよ。

    警部(,,・д・)「なるほど、あんたの言うことはもっともだ」

    (そして──)

    dice1d4=4 (4)

    1、警部さん、アリバイを確認してくれた。私への疑い雲散霧消!

    2、乗り合い馬車がもう麓の街へ行ってしまったあとだから、御者に確認が取れない……

    3、乗り合い馬車の御者が行方不明ですって!?

    4、被害者の死亡推定時刻がかなり前なので、ホテルに来てからのアリバイは信用ならない

  • 105ぼっち24/10/24(木) 23:13:33

    警部( ゚д゚)「このホテルについてからのあんたの行動は、聞き込みをしてウラを取った」

    警部(;´゚д゚`)「その結果、今日のあんたに殺人を行なう時間がなかったのはすでにわかっている」

    おお、ありがたいです! ……ん? それがわかってるなら、なぜまだ私は囚われているのですか……?

    警部(;`・ω・)ノ「今日のアリバイは意味がねえからだ。被害者の死亡推定時刻は、俺の見立てではdice1d4=1 (1)  日ぐらい前だ」

    えっ……?

    警部( ´゚д゚)「殺人と死体損壊にかかる時間が必要ないのは、かなりデカい」

    警部( `д´)「死体を屋上に運び、密室を作って脱出するだけなら、ホテルの前で馬車を降りてからチェックインするまでのわずかな時間で可能かもしれない」

    警部( ;´・ω・`)「もちろん、空を飛べる魔法使いなら……という但し書きはつくがね」

    ちょ、ちょっと待って……今日より前に殺人が行なわれていたのなら、私の容疑は薄くなってしかるべきでは!?

    殺しをした私が、今日あらためてこのホテルに泊まりに来る理由とかないのではないですか!?

    警部( ゚皿゚)「屋上の清掃は毎日行なわれてるんだよ。昨日までは死体はなかったし、屋上も密室じゃなかった。現場が生まれたのは今日なんだ」

    警部(*`Д´*)「そして今日、このホテルにいた魔法使いはあんたひとり。結局、問題はそこに戻ってきちまうのさ」

    (ま、まずい、本当にまずいぞこれ。情報が増えたのはいいが、私を不利にする方向にはたらく系の情報だ)

    (ここから私の容疑を薄めるなら……方法はひとつしかない。屋上の密室が、魔法使い以外にも作れると証明することだ)

    (しかし……ドアが開くのを塞ぐようにして、大量のレンガを積むなんて、魔法抜きでどうやればできるんだ!?)

  • 106ぼっち24/10/26(土) 22:10:39

    警部(-""-;)「とりあえず、今のあんたが絶対に解放できない程度には疑いが濃いことは否定のしようもねえだろう」
    警部( `д´)「まだしばらく……麓の連中が橋が落ちたことに気付いて、救助隊を寄越してくれるまでは、ここで過ごしていてもらうぜ」
    ……それまでは、待ちの一手ですか?
    警部( ゚皿゚)「残念ながらな。屋上の密室が魔法で作られたもんなら、魔法使いじゃねえ俺が調べても何も出てこねえだろう」
    警部(`Δ´)「俺にできることがあるとしたら、現場の保存と証言の正確な記録ぐらいだ」
    ……犯人は本当に、屋上から魔法を用いて脱出したのでしょうか?
    警部さん、私は必死です。密室と魔法が無関係であると説明できなければ、私の疑いを晴らすことはできないのですから。
    魔法が使われたにしては不自然に見える、みたいなところはなかったですか?
    警部( `д´)「たとえば?」
    たとえば……下の階に逃げるために、ロープを垂らした痕跡があるとか……レンガがひとつひとつ手積みされてるっぽいとか……。
    警部(。・`з・)ノ「少なくとも、ロープはない。屋上にはロープを結わえられるようなものはなかった」
    警部(*`ω´*)「レンガは、魔法で積んだか手で積んだかなんかわかんねえよ。第一発見者たちがドアをむりやり押し開いたときに、崩れてぐっちゃになったからな」
    あー……。
    警部(ノ`Д´)ノ「ただ、レンガは魔法で作ったもんじゃないってことだけはわかるぜ。出どころが判明してる」
    えっ……ど、どこです?
    警部(・ε・` )「このホテルの内装の一部が老朽化してて、修繕工事をやってるそうだ。その現場からレンガが持ち出されていることが確かめられた」
    ……つまり、最初からホテルの中にあったのですね?
    警部(; ・`ω・´)「そうだ。保管場所は目立たないところだったから、ホテルの中にいた人間なら持ち運ぶのは難しくないだろう」
    (なるほど。それが誰にでも簡単にできるのなら、疑わしい人物を絞る要素にはならないだろう)
    (しかし……簡単とは言っても、レンガだ。それも、ドアを開かなくするぐらいの量……)
    (それを、少しずつ屋上に持っていくのは、重くはなくてもかなりの手間だ)
    (そこまでして、屋上を密室にした意味は何だ? なぜ、魔法使いの仕業なんかに見せかけようとする……?)

  • 107ぼっち24/10/26(土) 22:32:18

    (特定の魔法使い……もしかしなくても私? に罪を着せるつもりだったのだろうか?)

    (それとも……首が切り取られていたし、魔天狼のしわざに見せかけるつもりだった?)

    (あるいは、ただ不可能状況を作って、自分にはやれないと大雑把に主張したかったとか?)

    (だめだ……今の時点では、密室を作った方法も、なぜ密室を作ったのかもわからない……)

    (というか、まったく説明のつかないことが、この事件は多すぎる……)

    (なぜ死体から祈祷書が奪われていた? なぜ、人格者として知られ、尊敬されている人が殺されなくてはならなかった? 第一発見者はなぜ安堵していた?)

    (どれもわからない……)

    (でも、こういうのは、どれかひとつの謎が解ければ、そこからドミノを倒すように残りも解けていくものなのだ)

    警部ヽ(`ω´)ノ「……どうせ今は『待ち』だ。何か知りてえことや、調べて欲しいことがあるなら、聞いてやるぜ」

    (ありがたい)

    では……そうですね……。

    dice1d4=2 (2)

    1、なくなった祈祷書がどういうものなのか、情報を集めて欲しい

    2、ズッパ老師について、もっと詳しく知りたい

    3、プラリネ・ハイクについて、もっと詳しく知りたい

    4、被害者の首を探して欲しい

  • 108ぼっち24/10/28(月) 23:32:07

    (密室トリックといった物理的な問題も謎だが、現時点でそれ以上に足りないのは……この事件に関わる『人間』の情報だ)

    (関係者についての知識が、ほぼゼロに近い。名前がわかってるの、被害者と第一発見者ぐらいじゃないか)

    (そして、名前以外の部分もほぼほぼわからない。これは良くない。今のままじゃ、謎を解き明かすどころではない)

    (今、特に優先的に情報を得るべきなのは……)

    ……よく考えると、私は被害者のズッパ老師のことを、ほとんど何も知りません。

    以前に新聞で、サンスーン・ヒルの聖者と呼ばれることになったエピソードについて読んだことがあるだけです。

    警部、ズッパ老師というのは、どういう人なのですか? 人格者であり、殺されることが考えられないという評判は、どの程度事実なのですか?

    警部( ;`Д´)「……俺も、極端に老師について詳しいってわけじゃねえがな」

    警部( ´~`)「でも、聞き込みをしたから、この辺でどんな評価をされていたかぐらいはわかる」

    (そして警部は、ズッパ老師についてのわかる限りのことを教えてくれた──)

    ズッパ老師のこの土地での交流度:dice1d100=83 (83)

    (100ほど人付き合いに積極的で、知り合いが多かった。1ほど引きこもり)

    ズッパ老師の性格の傾向:dice1d4=3 (3)

    (1、優しい 2、厳格 3、勇猛 4、未来を見てるタイプ)

    殺人に繋がりそうな要素は……:dice1d4=1 (1)

    (1、意外と広い土地を持ってる 2、育てた孤児たちから、生活費がよく送られてきていた 3、悪人の更正に取り組んでいた 4、女に惚れられていた)

    ホテルとの関係は……:dice1d4=3 (3)

    (1、友人のプラリネが勤めてることぐらい 2、よくレストランに食事に来ていた 3、ホテルで結婚式の手伝いをしてた 4、なぜかたまに泊まっていた)

  • 109ぼっち24/10/30(水) 00:55:08

    警部( ´Α`)「老師、なんて尊称付きで呼ばれてるから、世間じゃズッパのことをよぼよぼの老神父だと思ってるやつも多くいるみたいだな」

    と、おっしゃるということは……実像は違うのですか?

    警部┐('~`;)┌「違う。あれは宗教家ではあるが、神父じゃない。もと聖堂騎士だ」

    警部( ・ω・)「年齢は65歳だが、それより15は若く見える頑健な大男だった。性格は勇猛でエネルギッシュ。山での暮らしがまるで苦でない、男の中の男さ」

    警部( ;`Д´)「聖堂騎士を退いてからは、山で木を伐って薪を作り、それを売って生計を立てていた」

    警部(ヾノ・ω・`)「養子を何人も抱えて、それでも生活していけてたんだから、どんだけ大量の薪を作ってたのか想像もできないな」

    警部(*´Д`*)「交遊関係も意外と広い。このホテルには礼拝堂があるんだが、そこで聖職者として結婚式の手伝いをすることがよくあったらしくてな」

    警部( ・ω・)「このホテルの従業員は全員、老師と顔見知りだし、麓の村にも彼に世話になったって人は山ほどいるらしいよ」

    おお……それは確かに、私のイメージしていたズッパ老師とだいぶ違いますね……。

    もっとこう、おとなしい隠者じみた人かと……もと聖堂騎士かあ……そんなたくましいタイプとは夢にも……。

    ……となると、貧しいというイメージも違ってますか?

    生活に余裕があったというのはわかりましたが……もしかして、余剰の財産でもお持ちだったり?

    警部( ;´・ω・`)「ああ。聖堂騎士をやめたときの退職金で、このホテルの裏の山をいくつか買ってた」

    警部(´・ω・`)「地価は安いが、薪用の木が大量に生えてるし、木の実や野草もそれなりに採れる。財産としては欲しいってやつもいるだろうよ」

    (それが動機の可能性もあると、警部はほのめかしているように感じた)

    ……ズッパ老師の死後、その財産は誰のものになるのでしょう?

    警部( ゚皿゚)「dice1d4=1 (1)  」

    1、遺言書があって、老師の養子たちに分割して与えられる

    2、遺言書があって、プラリネ・ハイクに与えられる

    3、遺言書があって、すべて国に寄贈される

    4、老師は遺言書を作っていたが、それが見つからない。このままだと曖昧な相続権をめぐって裁判が起きる

  • 110ぼっち24/10/31(木) 01:16:00

    【ハッピー・ハロウィン……!】
    【お菓子いっぱい食べられる日を……祝えー……!】

  • 111ぼっち24/10/31(木) 22:53:20

    警部( `д´)「そこは遺言状でしっかり取り決めてある。土地の権利は老師のdice1d10=10 (10)  人いる養子たちに分割して与えられるようだ」

    ふむー……極めて自然ですね。

    ……もし……もしも、ですよ……その人たちのうちの誰かに、ごく早いうちに土地を手に入れたいという事情があったなら……。

    警部(*`ω´*)「恩のある育ての親の自然な死を待ちきれなくなっても不思議はない、と?」

    その可能性は、あるのではないですか?

    財産というわかりやすい動機がある彼らも、視野に入れて捜査すべきだと……容疑者筆頭としては申し上げたいですね……。

    実際、どうなんです? その養子たちは、今、どうしていますか? もしかして、このホテルに来てはいませんか?

    警部( `д´)「dice1d3=1 (1)  」

    1、全員来てる

    2、ひとりだけ来てる

    3、ひとりも来てない

  • 112ぼっち24/10/31(木) 23:10:35

    警部( `д´)「全員来てる」

    えっ。

    警部( :゚皿゚)「相続権のある養子10人が全員、このホテルに泊まってる。魔法使いはひとりもいないから、容疑はあんたより一段薄いがね……」

    えっ、ちょ、そ、それはさすがに予想外……!

    えと、さっきの話によると、全員もう独立してるんですよね?

    それがなぜ、義理の親が殺されたタイミングで、現場となったこのホテルにみんなして泊まってるんですか!?

    警部(*`Д´*)「俺もな、その点は不自然に思った。何か事情がありそうだったから、聞いてみたよ」

    警部(ノ`Д´)ノ「養子どもが言うには、dice1d4=2 (2)  ということらしい」

    1、養子のうちひとりを相続人からはずす、という手紙がズッパ老師から来たので、問い質しに来た

    2、あらかじめ土地を売ってカネに変えて、それを分割相続した方が楽ですよと、誰かに提案されたため

    3、公共事業で山に道路を通したいので、老師を説得しに来た

    4、全員が、匿名の招待状を受け取った

  • 113ぼっち24/11/02(土) 22:06:04

    警部( ;`Д´)「どうやら、ズッパ老師の土地をまとめて買いたい人間がいて、そいつが養子たちを呼び寄せたらしい」

    警部( ;´・ω・`)「土地を分割して相続するより、まとめて売ってできたカネをわけた方が楽だと言ってな」

    ふむ……確かに、10分割された山林の土地は、売ろうとしてもなかなか買い手がつかないでしょうし……理屈としては間違ってはいませんね……。

    警部( ´Д`)「養子たちもその説明に納得したんだろう。ズッパ老師も含めて、土地の売却手続きについて相談するために、このホテルに集まったんだ」

    しかし、今現在の土地所有者であるズッパ老師は殺されてしまった……。

    タイミング的にも、何かしら臭いものを感じますね……。

    警部(*´・з・)「しかし、土地売買と殺人事件に関係があるとしたら、犯人の意図は何なんだろうな? あんたはどう思う?」

    それは……ズッパ老師が、土地をどうしようと考えていたかによるでしょうね。

    彼が、土地を売ることに賛成していたのなら、売らせたくない人が殺したのかもしれません。

    土地を売りたくないと考えていたのなら、売らせたい人が殺したのかもしれません。

    警部( ´~`)「うむ、単純に考えてそのどっちかだわな」

    ズッパ老師は土地をどうするつもりだったのか、意思表示をしていたのでしょうか?

    警部(´-ω-`)「養子たちによると、dice1d4=2 (2)  だとさ」

    1、すぐにでも売ってカネに変えるつもりだった

    2、自分が死ぬまでは売る気はなかった

    3、意思を確認する前に老師が殺された

    4、値段に関して老師と買い手で合意に至らず、交渉が長引いていた

  • 114ぼっち24/11/04(月) 21:51:59

    警部┐('~`;)┌「『この土地は自分で好んで買った土地であり、自分が生きているうちは誰にもやらぬ』だとさ」

    警部( ´Д`)「養子たちの説得にも意見を翻さなかったそうだから、生前の売却は成立しなかったみたいだねえ」

    ふーむ……。

    となると、怪しいのは売らせたかった派になるのですかね……。

    なるべく早く、まとまったカネが欲しかった人とか……特に買い手のつかなさそうな土地を割り振られていた人とか……。

    そういう事情を持った養子なら、動機があるのかな……。

    あるいは、早い段階でズッパ老師の土地を手に入れたかった……買い手側という可能性もある……。

    警部( ´д`)「お金が絡むと、怪しむ理由が爆裂的に増えやがるな。ヤな話だ」

    実際……どうなのです? 金銭的な理由で、ズッパ老師の寿命が自然に尽きるのを待てないという事情をお持ちの方はおられるのですか?

    売り手でも……買い手でも。

    警部( ・ω・)「ひとつひとつ片付けようか。まず、養子どもの中で、老師に土地の売却を熱心に薦めていたのはdice1d10=10 (10)  人だ」

    警部(,,・д・)「そして、土地を買おうとしていたのが、どういう人物かというと……」

    dice1d4=1 (1)

    1、このホテルのオーナー

    2、自然保護団体のリーダー

    3、観光・レジャー企業の社長

    4、国

  • 115ぼっち24/11/06(水) 00:40:07

    警部(^_^;)「ズッパ老師は、養子たちを健康に育てたが……商売の知識を教えることはできなかったらしい」

    警部┐('~`;)┌「養子たちは全員が全員、カネに困ってると認めたよ。やつら、老師の生前贈与をノドから手が出るほど欲しがってたんだ」

    えええ……じゃあ、その点では、10人全員に強い動機があるということなのですか……?

    警部( ;`Д´)「ああ。老師が死んだから、今は土地は養子たちのもんだ。これからすぐにでも売却額手続きが取れる」

    警部( ´д`)「そして、売却先は……このホテルのオーナーで、アモン・クルナッツという男だ」

    このホテルの、オーナー?

    警部( ・3・)「ああ。こんな田舎とはいえ、ホテルを持ってるわけだからな……そこそこの金持ちだよ」

    警部( -д-)「土地を欲しがった理由は、ホテルを増築したいから。規模を拡大して、設備を充実させて、さらに客を呼び込みたいそうだ」

    ふむ……そのオーナーに関しては、人を殺してまで土地の購入を急がないといけないようには感じませんね……。

    (……もちろん、警部に語った理由が本音なら、の話だが)

    ……10人の養子の、アリバイはどうなっていますか?

    警部( ;´・ω・`)「死体が約1日経ってるし、検死ができる医者もここにはいない。1日分のアリバイだと、完璧ってやつはさすがにいないさ」

    警部( ´д`)「だが……」

    dice1d5=2 (2)

    1、不自然に長時間アリバイがないやつがいる

    2、プラリネと仲のいいやつがいる

    3、クルナッツオーナーと仲のいいやつがいる

    4、ボーイ( ; ゚Д゚)「警部さん、被害者の頭部が見つかりました」

    5、ボーイ((((;゜Д゜)))「警部さん、また死人が出ました!」

  • 116ぼっち24/11/08(金) 00:10:05

    警部( ;´・ω・`)「第一発見者のプラリネ・ハイクと仲がいいやつがいる。事件前からよく交流していて、死体発見後も、膝を突き合わせて会話している姿が見られている」

    ふーむ……?

    (それは……耳寄りな情報なのだろうか……? それとも……?)

    警部( ´д`)「そいつの名前はダニエル・ズッパ」

    警部(*´・д・)「dice1d2=2 (2)  (1、男 2、女)で、職業はdice1d4=4 (4)  (1、探偵 2、僧侶 3、戦士 4、ホテル従業員 5、魔物ハンター)」

    警部(*´~`*)「プラリネとの関係は……dice1d4=1 (1)  (1、古くからの友人 2、最近の釣り仲間 3、恋人 4、生き別れのきょうだい)だそうだ」

    警部( ´Α`)「このホテルには噂好きの客室メイドが何人もいてな。これらの情報はそいつらにちょっと水を向けるだけで簡単に教えてくれた」

  • 117ぼっち24/11/08(金) 00:17:13

    うん……うん!?

    ホテルの従業員って……もしかして……?

    警部( ;´・ω・`)「あんたが聞きたいことはだいたい想像つくよ。『死体発見のとき、プラリネと一緒にいた連中に混ざってたか?』ってことだろう」

    警部(ヾノ・ω・`)「もったいぶることじゃねえからサバッと言うよ。dice1d2=2 (2)  (1、いた 2、いなかった)そうだ」

  • 118ぼっち24/11/09(土) 23:58:06

    いなかった、の、ですか……。

    (警部の教えてくれたその情報に、私は肩すかしをされたような、そんな気分になった)

    警部( ;´・ω・`)「あんたの気持ちはわかるよ。被害者の遺産相続人が第一発見者と仲良しとか、怪しいもんな」

    警部( ´~`)「しかも死体発見を共同でおこなってたのなら、さらに疑いの眼差しは強まるとも。だが……そうじゃなかった」

    警部( ´Α`)「プラリネが屋上への扉をこじ開けるために集めたメンバーには、ダニエルはいなかったんだ。無関係だよ」

    ……いえ、むしろ、なぜいなかったのでしょう?

    警部( ・-・)「ん?」

    プラリネさんとダニエルさんは同じ職場の同僚で、友人同士だった。そして、プラリネさんは、開かないドアをこじ開けるために複数の仲間を集めた……。

    仲のいいダニエルさんには、真っ先に声をかけそうなものなのに……どうして彼女には、助けを求めなかったのでしょう……?

    警部( ゚ε゚;)「……………………」

    死体発見後、あなたがプラリネさんに事情聴取をしたとき、彼は安堵していたような様子だったと言いましたよね。

    もしかして……もしかしてですが……特に仲のいい友達を、第一発見者という形で事件に巻き込まずに済んだことを、安堵していたという可能性はないですか……?

    あるいは、もっと穿って見て……疑われそうな人をあえて関わらせなかったことで、うまく疑いを逸らすことに成功したと確信して、ホッとしたとか……。

    警部( ;`Д´)「いや……さすがにそりゃあ……こじつけすぎねえか?」

    私も、別に信じてはいません。でも……。

    ……警部さん、ダニエルさんの容疑の濃さは、どのくらいですか? 彼女が第一発見者に含まれてたら、あなたはどのくらい怪しんでいましたか?

    警部(*`Д´*)「……動機の重さ……金銭的な逼迫具合や、ズッパ老師との普段の関係を合わせて考えると……dice1d100=41 (41)  ぐらいの疑いだな」

    (1ほど疑いが少なく、100ほど濃い。90以上で、密室がなかったら即拘束してるレベル)

  • 119ぼっち24/11/11(月) 23:27:46

    警部( ;´・ω・`)「ビッミョ~なとこだな……」

    警部( ゚ε゚;)「金銭的な逼迫も、他の養子たちに比べると少ない方だし、華奢な女だから犯行方法のイメージに合わねえ」

    うーん、確かに……首を切断するのも、重いレンガを大量に運んだりするのも、重労働です……。

    力の強いがっしりした男の犯行というイメージは、どうしても持ってしまいますね。

    警部( ;`Д´)「だが、女では絶対にやれねえってもんでもねえ。だから、俺の印象としては微妙としか言いようがねえわけよ」

    ……………………。

    (様々な可能性がある。プラリネとダニエルの共謀。プラリネがダニエルをかばっている。もしくはその逆。どちらも関わっていない)

    (問題は、大量の可能性をひとつに選択できる材料がないことだ。具体的に何を意味するのかわからない情報ばかりが積み重なっている……)

    (今、私の想像が及ぶ範囲で、恐ろしいと感じている要素は……橋が落とされたことだ)

    (ズッパ老師の死で事件が完結しているのなら、ホテルを孤立させる理由がない)

    (犯人が橋を落としたのなら……その意味は間違いなく、事件の継続だ)

    (これは予感ではなく理屈である。このまま何も起こらないなどと楽観することは、私にはできない……)

    (そんなことを考えていたときだった。倉庫のドアをノックする音がして、ホテルのボーイさんが顔をのぞかせた)

    ボーイ(,,・д・)「あのー、失礼します、警部さん。支配人から伝言を持ってきたのですが」

    警部( ・ω・)「おお、ご苦労さん。なんだい?」

    ボーイ( ノ^ω^)ノ「はい、それが……」

    dice1d4=3 (3)

    1、dice1d4=2 (2)  (1、プラリネ 2、ダニエル 3、他の養子 4、クルナッツ)が殺された

    2、ズッパ老師の首と祈祷書と凶器が見つかった

    3、ズッパ老師の死体がなくなった

    4、dice1d4=1 (1)  (1、プラリネ 2、ダニエル 3、他の養子 4、クルナッツ)が殺されかけた

  • 120ぼっち24/11/12(火) 23:46:28

    ボーイ( ・ω・)「なんか……屋上の、ズッパ老師のご遺体がなくなったとか」

    警部(  Д ) ゚ ゚

    えっ、ちょ……ええええ……!?

    それは本当ですか、ボーイさん?

    ボーイ( ^ω^)「あ、容疑者さんこんちわーです。はい、本当ですよ。俺も見ましたもん、屋上」

    ボーイ( ^∀^)「数時間前まではあった死体が、影も形もなくなってるんです。今の屋上にあるのは、たくさんのレンガだけですよ」

    警部( ; ゚Д゚)「ど、ど、どういうこった、こりゃ?」

    警部( ゚Å゚;)「ちょっと待て……冷静になろう。少なくともこの件に関しては、ラダーさん、あんたは関与してないな?」

    はい、間違いなく。……あなたが私と話している間に死体が消えたと考えられるので、アリバイもありますね……。

    警部(;´_ゝ`)「よし。今考えられるのは、あんたが無実で、殺人犯がまたなんかやらかすために死体を持っていったというもの」

    警部(;´゚д゚`)「そして、あんたが犯人だが、別の誰かが別の意図で死体を持っていったというもの。可能性は大きく分けてこのふたつだ」

    ……もちろん、私は前者を主張しますが……あなたは後者も捨てないのでしょうね?

    警部( ;゚皿゚)ノシ「当たり前だ! ……と、とにかく、現場を見て関係者に聞き込みをしてくる。ここでおとなしくしているんだぞ!?」

    (言われるまでもなく、私はそうした)

    (……数十分後──戻ってきた警部の第一声は……)

    dice1d4=3 (3)

    1、「私は生きている」という落書きが現場に残されていた

    2、「私を殺したのはクルナッツだ」という落書きが現場に残されていた

    3、「私を殺したのはアダム・ピーカンだ」という落書きが現場に残されていた(誰?)

    4、屋上の見張りをしていたdice1d4=4 (4)  (1、プラリネ 2、ダニエル 3、その他の従業員 4、その他の養子)が殴られて重傷

  • 121ぼっち24/11/14(木) 22:35:16

    警部(#`皿´)「まったく、あれは何なんだ! 意味がわからん!」

    あ、おかえりなさい、警部さん……暇だったからコーヒーいれたのですが、飲みますか……?

    警部(#・∀・)「ああ、ぜひいただこう。砂糖多めで」

    ……それで……ええと……そのご様子だと、また謎が深まりましたか?

    警部(*`Д´*)「ああ。確かに屋上からは死体が消えていた……そして、代わりに床に、炭で『私を殺したのはアダム・ピーカンだ』と書いてあったよ」

    ……? あだ……誰です? 初めて聞く名前ですが……。

    警部( ´~`)「アダム・ピーカンは、ズッパ老師の養子のひとりだ」

    警部(`Д´)ノ「こいつはdice1d4=1 (1)  という理由で、他の養子たちの中でもちょっと目立っていやがった」

    (1、特に経済的に困窮している 2、死体発見後ひどく怯えている 3、ズッパが生きていると主張し続けている 4、死体発見後に逃げようとした)

    ……そんなに怪しい人でも……魔法を使えないからという理由で、私より容疑者度は下なのですね……?

    警部(ノ`Д´)ノ「しゃあないだろ! 密室が魔法なしでできると明らかにならん限りは、そう判断するしかないってーの!」

    はいはい。……しかし……誰が死体を持ち去って、そんな落書きをしたのでしょう?

    警部(`Δ´)「わからん。だが、少なくともそれはアダムじゃあないんじゃないか?」

    ええ、それに関しては私も同意見です。自首する以外で、自分が犯人だと表明する理由というのは、ちょっとよくわかりません。

    死体を隠しながら、となると……余計に謎です……。

    (本当に意味がわからない。何もかもがメチャクチャで繋がらない。何だこの一貫性のなさは)

    (……一貫性がない……)

    もしかして……複数人が別々に、犯行に関わってるのか……?

  • 122ぼっち24/11/15(金) 23:55:02

    警部、実際のところ、ひとつひとつの出来事をそれぞれ別人がおこなっている可能性はどのくらいあるのでしょう?

    警部( `д´)「ああ、その可能性はもちろん考えてる」

    警部( `Д´)/「つーか、あんたが犯人なら、死体隠したのは間違いなくあんたじゃないから、最低でもふたり以上が事件に関わってるのは確定だ」

    もっと、要素を細かく分解するのもアリだと思うのです……。

    『ズッパ老師を殺す』『死体の首を切断する』『祈祷書を奪う』『死体を屋上に放置する』『屋上を密室にする』……。

    『橋を落とす』『死体を隠す』『死体のあった場所に落書きを残す』……

    これらひとつひとつの要素を、それぞれ誰がやったのか? その割り振りが重要ではないでしょうか?

    警部(`Δ´)「ふむ。俺の予想なら、『屋上を密室にする』はあんたに割り振るが、他の要素はやってなくてもおかしくないと、そういう感じか」

    私は密室も作ってはいませんが、はい、考え方としてはそれでいいです。

    状況がぐちゃぐちゃに見えるのは、別々の人間がそれぞれ別々の目的を持って、他の人のことをかえりみず行動しているからじゃないかと思うのです。

    ズッパ老師の死に様からして、殺人も、首の切断も、屋上の密室も、どれも噛み合いません。

    誰かにとって得でもないのに、労力ばかり大きい。ひとりがやったことなら、明らかに不合理です。

    警部(#゚Д゚)y-~~「ふーむ、なら、誰の仕業だかわかる要素ってのはあるか? これはこいつを利しているぞ、というような、わかりやすい手がかりはあるか?」

    自信を持って言えるわけではありませんが……手がかりがどれかというならば……。

    dice1d4=2 (2)

    1、『屋上を密室にする』は、『ズッパ老師の殺人』への敵対者の仕業に思える

    2、『首の切断』『死体を隠す』は遺産相続目的のない人間の仕業

    3、アダムが殺人犯なら、殺人以外の全部は遺産相続に邪魔なだけだよなあ

    4、ボーイ( ^ω^)「警部さん警部さん、事件関係者たちが殺し合いレベルの大喧嘩してますけど」

  • 123ぼっち24/11/17(日) 21:35:13

    『死体の首の切断』と『死体の隠滅』は、似たような方向性の意図のもと行われたのではないかと思います。

    恐らくは……遺産相続を目的としていない人物の仕業です。

    警部( ・ω・)「ふむ。そのこころは?」

    どちらも、ズッパ老師の死を特定することの邪魔になっています。

    遺産を得たい人間ならば、『ズッパ老師は死んだ』ということを、客観的に確実なものにしたいはずです。

    ──首なしの死体は老師のものではなかったのではないか? もしかして、老師は生きてるのではないのか?──

    このような疑いが残っていては、遺産相続はスムーズにいかないのではないでしょうか。

    警部( ´∀`)「うむ、確かにな。一刻も早くまとまったカネが欲しいような……アダム・ピーカンのようなやつはやりそうにない仕事というわけだ」

    警部( ゚ー゚)「じゃあ逆に、そんなことやるってのは、遺産相続を遅らせたいのか? アダムみたいなカネが欲しいやつにいやがらせしたいとか、そういう?」

    そこが難しいのですよね……ただのいやがらせで、死体損壊などの犯罪をするというのも、ちょっと納得しきれませんし。

    ……あ、いや、待てよ。いやがらせというより、誰にとっていやがらせになるのかを、死体を隠した人は知りたいのかな?

    殺人犯人が、遺産欲しさにズッパ老師を殺したのなら、老師の死が確定されない今の状態はまったく歓迎できないものであるはず。

    当然、態度に苛立ちや困惑が出るでしょう。老師が殺されたことに対してではなく、死体が見つからないことに。

    警部( -∀・)「死体隠滅犯は、殺人犯をあぶり出すために行動していると?」

    あり得る仮説じゃないでしょうか? 実際、焦っている人はいますか?

    ズッパ老師が殺されたことよりも、死体の首がなかったことや、死体が消えたことについて動揺している人は?

    警部(*´∀`)「dice1d4=1 (1)  」

    1、ピーカンがまさにそれ

    2、クルナッツがまさにそれ

    3、それはわからないが、プラリネとダニエルが養子たちをつぶさに観察している

    4、ピーカンがまさにそれなんで、話を聞いてくる→し、死んでる……

  • 124ぼっち24/11/18(月) 22:51:21

    警部( ・ω・)「ぶっちゃけ、アダム・ピーカンが目に見えて動揺してる」

    警部( -∀・)「死体がなくなったことを知らせたら、ひどく慌てていたよ。それこそ、ズッパ老師の死を伝えたときよりずっとな」

    警部( ´∀`)「他の養子の中にも、似たような反応を見せたやつは何人かいるが、やはり顕著なのはアダムだろうなあ」

    やはりみんな、老師が亡くなっていないと判定されることを恐れているのでしょうね……。

    ……その反応が演技でないのなら、アダムという人は死体を隠してはいないのでしょう。

    しかしその代わり、ズッパ老師殺しに関与している疑いが濃くなりました。少なくとも、死体隠滅犯はそう考えるはずです。

    警部( ´,_ゝ`)「アダムが怪しい! と判断した死体隠滅犯は、このあとどうすると思うね?」

    わかりません。しかし、なにもアクションを起こさないとは考えられない。

    考えられる可能性は……例えば、その人がズッパ老師をとても尊敬していたなら……仇討ちを試みるということは、あり得るかもしれません。

    あるいは……アダムさんが犯人だと、あなたに訴えてくるかも。

    警部( ;`Д´)「遠からず何かが起きる、か。今となっては、あんたよりアダムを監視していた方がいいかもしれんな」

    警部( ゚皿゚)「もし、仇討ちでアダムが死んだら、俺はとんだ無能刑事として吊し上げをくらうだろうよ」

    ……注意してアダムさんを見ておくことは、実際、必要だと思います。

    何が起きるか……仇討ち、とは限りません……しかし、いざ起きて困ることを想定して対処するのは間違いにはならないはずです。

    (そしてこのあと、確かに事態は動いた)

    (何が起きたかというと……)

    dice1d4=2 (2)

    1、アダムが死んだ

    2、アダムとダニエルが死んだ

    3、アダムが自首してきた

    4、アダムが脅迫を受けていると言って、保護を求めてきた

  • 125ぼっち24/11/19(火) 22:49:09

    (警部がアダムさんの監視のために立ち去って、どれほども経たないうちに事態は動いた)

    (にわかに、外が騒がしくなった。私は耳をすませて、倉庫の外の声を聞き取ろうと試みた)

    ボーイ1(>Д<;)「大変だ……たたた大変だぁ! アダム・ピーカン様とダニエル・ズッパが裏庭で死んでるぞー!」

    ボーイ2( ; ゚Д゚)「転落死だッ! ふたり一緒にベランダから落ちたんだ! なぜこんなことに!」

    警部(`ロ´;)「ええいてめえら、騒ぐな、わめくな! 落ち着いて現場に案内しろ! くそっ、完全に後手に回った……!」

    (どうやら、想像していた悪いことよりも、さらに悪い最悪が現実のものとなったらしい)

    (1時間ほど経ってから、私のところに戻ってきた警部は、目に見えて憔悴していた)

    警部(-""-;)「……俺はどうやら、この国で一番役立たずの警官らしいよ。気をつけるべきことをわかっていたはずなのに、結局死人が出るのを止められなかった」

    外の騒ぎは、ドア越しにでも聞こえました。アダムさんとダニエルさんが亡くなったとか?

    警部( ゚皿゚)「ああ。5階にあるアダムの部屋のベランダから、裏庭に落ちて死んだんだ」

    警部( ;`Д´)「まずアダムが落ちて、その上からダニエルが落ちた」

    事故、自殺、他殺、いろいろ可能性はありますが……おふたりの場合は……?

    警部(`Δ´)「現場の状況から推測すると、ダニエルがアダムを突き落として、自分も飛び下りたように見える」

    となると……真っ先に思いつくのは、ダニエルさんによる養父の仇討ちでしょうか?

    警部(-_-#)「俺らが懸念した通りに物事が進んだんなら、そうだろう」

    警部(`ロ´;)「ダニエルは老師の死体を隠し、他の養子たちの反応を観察した。不自然で大きな反応を見せたアダムに目をつけ、彼の部屋を訪ねて問い詰めた……」

    アダムさんが養父殺しを認めたにせよ、認めなかったにせよ、ダニエルさんは有罪だと判定した。

    仇を突き落とし、そのあとで自分の罪を灌ぐため、同じようにベランダの柵を乗り越えて……。

    警部( ´Α`)「そういうこと、なんだろうな……後味が悪いが、結局この事件は、当事者どもが勝手に始めて、自分たちだけで終わらせやがったのさ」

  • 126ぼっち24/11/19(火) 23:04:21

    (謎は多く残っている。なぜ、死体は首を切断されたのか。なぜ、屋上は密室になっていたのか。なぜ、首と祈祷書は持ち去られたのか)

    (アダムさんならば、それらの問いに答えられたのかもしれない。しかし、彼に答えを求めることは、もう永遠にできないのだ)

    警部(ー_ー;)「こうなってはもう、あんたをいつまでも監禁しているわけにもいかんだろうな」

    ようやく、私が犯人ではないと確信していただけるのですか?

    警部(ヾノ・ω・`)「ああ。本当にすまなかった。あんたが俺を訴えるなら、それを受け入れるよ」

    その事に関しては、あとでじっくりと話し合いましょう。もとの部屋に戻ってもよろしいでしょうね?

    ああ、いや、その前に、落ちた吊り橋の向こう側に飛んで、事件を麓の警察に通報すべきか……。

    (と、そんな話をしていたところに、ボーイが部屋に入ってきた)

    ボーイ( ・ω・)「警部さん警部さん、少しお伝えしたいことが」

    警部(#゚Д゚)「ああ? 何だ? まさか、また死人が出たとか言わねえだろうな?」

    ボーイ( ´∀`)「いえ、それが……」

    dice1d4=4 (4)

    1、プラリネが、ダニエルは殺されたんだと言って暴れてる

    2、プラリネが、アダムとダニエルは殺されたんだと言って暴れてる

    3、ズッパ老師の死体が、ゴミ置場に捨てられているのが見つかった

    4、残った養子たちが、遺産相続の相談がしたいから警部を呼べとうるさい

  • 127ぼっち24/11/20(水) 23:25:16

    ボーイ( ´∀`)「他の皆さんが、1階ロビーでお待ちです。ズッパ老師の遺産相続のことで話し合いがしたいので、同席して欲しいと……」

    警部( ・д・)「ああ? まったく、仕方ねえな……ラダーさん、すまんが、先にあっちを片付けてくる。しばらく、もとの部屋で休んでいてくれ」

    ああ……はい、わかりました。では、またあとで……。

    ……………………。

    (こうして私は、元通り景色のいい4階の部屋に戻ることができた)

    ボーイ( ・ω・)「大変でしたねえラダーさん。気分転換に、お紅茶とお菓子でもいかがです?」

    ありがとうございます、ぜひいただきたい……。

    (私は窓を向いたソファに腰掛けて、体を休めながら、事件について考える)

    (首なし死体……レンガで閉ざされた密室……10人の遺産相続人……落ちた吊り橋……消えた死体……同時に死んだふたりの相続人……)

    (殺人は遺産目当て。死体が消えたのは殺人犯をあぶり出すため。……それ以外のたくさんの謎は、何のためのものだ……?)

    (亡くなったアダムさんとダニエルさんの仕業で、すべてが説明できるか? それともまだ、見えていないラインがあるのか?)

    ……いや……もしかして……複数の糸の絡み合いじゃないのか?

    全体を大きなひと塊として見るべきなのか……? いや、まさか、そんな……。

    (私は、とあるか細い可能性について、少し本腰を入れて検討し始めた)

    (ぐちゃぐちゃだった情報を、パン生地を捏ねるみたいにまとめていく……意外と形になっていくことに気付いた頃に、また警部が顔を出した)

    警部( ´・∀・`)「よう、ラダーさん。さっきは話の途中でヨソ行って悪かったな」

    ああ、ちょうどよかった、警部さん。あなたを探しにいこうと思っていたところなのです。……お願いしたいことがあって。

    警部( -_・)?「うん? いったい何がお望みだい?」

    それは──dice1d4=3 (3)

    1、死体発見現場である屋上を見せて欲しい

    2、クルナッツオーナーに会う仲介をして欲しい

    3、ズッパ老師の死体の捜索をやらせて欲しい

    4、まだ殺される人が出そうなので、監視と保護をお願いしたい

  • 128ぼっち24/11/22(金) 23:50:36

    今から魔法で谷を飛び越えて……麓の街まで歩いていくと……到着するのが真夜中になってしまいます……。
    なので、それは明日の朝にして……今は、別のことをして、捜査に協力したいのですが……。
    警部(;´゚д゚)ゞ「ああ、そうか。谷を越えられても、そっからの道がまた長いんだったな……夜道を延々歩かせるのは酷か」
    警部( ・3・)「しかし、あんたが協力ったって、何をするってんだい?」
    はい、事件の詳細は、アダムさんとダニエルさんの死であやふやになってしまいましたが……ひとつ、何とかはっきりさせられそうなことがあります。
    それは、ダニエルさんが持ち去ったと思われる、ズッパ老師の死体の所在です……。
    埋葬もされず、どこかにずっと隠されているというのも不憫ですので……何とか見つけ出して、供養してあげられたらと……。
    警部( ・ω・)「うむ、立派な心掛けだ。俺はまだ忙しいんで、そこまでは手が回らないからどうしようかと思っていたところだ」
    警部( ´∀` )b「あんたがそれをしてくれるんなら、非常に助かる」
    警部(ノ`Д´)ノ「だが、無理はすんなよ。本来なら、あんたはこんな事件はもう無関係でございと、休んでてくれていい立場なんだから」
    ええ、わかっております。暗くなるまでのしばらくの時間を、軽く使うだけにとどめますよ……。
    (そして、私はホテルのまわりを、じっくりと見て回った)
    (あるとしたら、どこか? ある程度、あたりはつけている)
    (客室? 倉庫? ダニエルさん個人の部屋? いやいや、ない。そもそも、死体を担いでホテル内を移動するのは危険極まる)
    (正面玄関から出て、庭をゆっくり見て回る……このホテルの庭はすっきりしていて、ものを隠せるスペースはほとんどない)
    (アダムさんとダニエルさんが落下した裏庭も同様……)
    (ホテルの南側は……深い谷に接しているな……)
    (私はしばし考えて、ホテルの黒々とした巨大なシルエットを見上げた)

  • 129ぼっち24/11/22(金) 23:55:17

    (しばらくの捜索ののち、死体は……)

    dice1d4=2 (2)

    1、見つからない

    2、見つからないが、谷の突き出た岩に僧衣らしい布の切れ端が……

    3、地面を掘り返したようなあとを見つけた。そこを掘り返すと、老人の生首が……

    4、裏庭で、ダニエルの死体にすがり付いて、プラリネ・ハイクが泣いている

  • 130ぼっち24/11/24(日) 23:42:37

    実際のところ……可能性が高いの、は……。
    (私は、深い深い谷を覗き込んだ)
    (ほぼ垂直に近い崖が、まっすぐに地の底まで続いているように見える)
    (ホテルはその崖の縁ギリギリのところに建っているのだ……確かに景色はいいだろうが……建築を任された大工さんは、さぞ大変だっただろう)
    ……何もない……何も……痕跡なんか残りようがない可能性の方が、もちろん高いわけだけど……。
    それでも……ちょっとぐらいは運が味方してくれることを期待したって、いいよね……。
    …………ん?
    (ごつごつとした岩の壁のような崖。その表面に、明らかに岩ではない色彩を見つけた)
    (濃い紫色の……あれは、もしかして……)
    ……《飛行(フライ)》……。
    (私は飛行魔法を使い、崖のその紫色のところまで飛んでいった)
    (岩の尖ったところに引っ掛かってはためいているそれは、紫色の布の切れ端だった。……身分の高い聖職者が着る服の色……)
    これが、ここにあるということは……ふむ……。
    (私は、その布の周囲の岩を重点的に観察した)
    (そして、ところどころに、赤黒い塗料をなすりつけたような汚れがあるのを確認した)
    (顔を近付けて、香りも確かめる。……明らかに、血の臭いだ)
    うん……間違いないな……。
    誰にも見られないように、死体を隠す……一番安全な方法が採用されたらしい……。
    つまり、屋上の現場から……谷底に、死体を放り捨ててしまうこと……!
    でも……でも……死体を隠した人物が、それをしたのだとしたら……明らかに、おかしいことになるよな……。
    (私はぶつぶつと独り言を言いながら、ホテルに戻った)
    支配人( ´∀`)「あ、ラダー様。疑いが晴れましたようで、おめでとうございます」
    ああ、支配人さん……ええ、おかげさまで……。
    (ホテルのロビーに入ったところで、支配人に出会った)
    私もなかなか大変でしたが……あなた方、ホテルの人たちもお気の毒です。この場所で殺人が行われるなど、いい気分ではないでしょう……。
    支配人┐('~`;)┌「まあ、はい。とんでもないことです。警部さんの話では、すでに大筋で事件は解決したそうですが、それでもねえ……」

  • 131ぼっち24/11/25(月) 00:02:09

    支配人( ´д`)「なんでも、ズッパ老師の所有する土地の権利を巡っての殺人だそうですね?」

    支配人( ;`Д´)「土地をカネに変えて手に入れるために、養子のひとりが計画したとか……」

    支配人(;´A`)「やはり昔から、遺産相続はごたごたの原因になるものなのですね……」

    ええ、私もそのように聞いています。

    そしてその老師殺しの犯人は、ここで働いていたダニエル・ズッパさんに怪しまれて、追及された結果、どちらも亡くなったと……。

    支配人(-""-;)「ええ。ダニエルもえらいことをしてくれたものです。アダムさんの動機の身勝手さに比べると、同情はしますが……」

    ……ところで、支配人。そのアダムさんとダニエルさんについて、ひとつお聞きしたいのですが……。

    dice1d4=2 (2)

    1、アダムさんかダニエルさん、どちらかに老師の首を切断する理由はありましたか?

    2、アダムさんかダニエルさん、どちらかに屋上を密室にする理由はありましたか?

    3、死体発見後のアダムさんとダニエルさんの様子はどんな感じでしたか?

    4、死体が消失したあとのアダムさんとダニエルさんの様子はどんな感じでしたか?

  • 132ぼっち24/11/25(月) 22:22:43

    私は、アダムさんともダニエルさんともお会いしたことがありません。
    そこでお聞きしたいのですが……このふたりのどちらかにでも、ズッパ老師の死体があった屋上を密室にする理由はありましたでしょうか?
    実利的なものでも、主義主張や嗜好的なものでも……何か、思い当たる節のようなものがあれば、教えていただきたい……。
    支配人(*´・д・)「うーん、アダムさんはそれほど存じませんが、ダニエルはそういったことをするタイプではなかったように思います」
    支配人( ;´・ω・`)「というか、あれは意味不明過ぎて、誰ならあんなことをする必要があったのか、私が知りたいぐらいですよ」
    あ、やはり、客観的に見てもそんな感じなのですね……。
    支配人(;^ω^)「誰がやったのかわからない、効果がわからない、悪ふざけなのか真剣なのかもわからない、誰に聞いてもきっと首をかしげますよ」
    支配人(ヾノ・ω・`)「警部は最初、魔法でも使わないと作れない密室だから、魔法使いであるあなたがやったのかもって言ってましたが、私は納得してませんでしたね」
    ほう、それはなぜ?
    支配人( ・ω・)「魔法使いが罪を逃れるために魔法で密室を作るんなら、自分にはできないけど他の人なら作れる密室を作りますよ。真逆じゃないですか」
    ああ……まったく、おっしゃる通りです。
    屋上の現場は、魔法使いが作った密室だとしても意味をなさない……それだって、冷静に考えれば明らかなことだ……。
    (なら、必然的に、屋上の密室は魔法が使えない人が、魔法使いならできるものとしてデザインしたと考えられる)
    (問題は……なぜそのコンセプトを選んだのか……)
    (自分が疑われないならそれでよかった? それとも、確かな意図があって、罪を着せる標的に私を選んだのか……?)
    (……今の私は、後者だと睨んでいる……)
    支配人( ´~`)ゞ「まあ、容疑者が亡くなったので、解かれないまま終わる謎も残るのでしょうね」
    支配人( ´Д`)「さしあたっては、先を見なければ。ズッパ老師の生き残った養子の皆さんは、まだもめているようですし……」
    ふむ? 殺人事件はほぼ終わったようなものなのに、まだ何か彼らには懸念があるのですか?
    支配人( ;`Д´)「ええ。それがですね──」

  • 133ぼっち24/11/25(月) 22:23:23

    dice1d4=1 (1)

    1、死体が消えたので、ズッパ老師の死亡が認定されないかもしれない

    2、死んだふたりの相続分をどうするかでもめてる

    3、アダム、ダニエル以外に犯人がいると主張している人がいる

    4、3+その人が死んだという知らせが、今、入ってきた

  • 134ぼっち24/11/27(水) 22:17:43

    支配人( ´д`)「皆様、ロビーで話し合いをしておられたのですが、ズッパ老師の死体がなくなったということが問題になっているようでして」
    ふむ? どういうことです?
    支配人( ´Α`)「被害者は首なし死体で、しかもそれがどっか行って見つからないでしょう? これで老師の死亡届が出せるのか、怪しいというのですよ」
    支配人┐('~`;)┌「もしかしたら確認された死体は別人で、老師は生きているのかもしれない。そう見なされてもおかしくない状況です」
    支配人( ・ω・)「老師が失踪扱いになって、死亡認定されないとなると、早く遺産が欲しい人たちは困るというわけで」
    支配人( ;´・ω・`)「ポテライズ警部を中心に、法律に詳しい人たちが膝をつき合わせて相談を……」
    ……………………ああ。
    (かちり、と、頭の中で、パズルのピースが噛み合う音がした)
    (犯人はわからない。密室トリックもわからない。密室を作った意図もわからない)
    (でも、死体の首が切断された理由はわかったし、犯人を特定するチャンスが訪れたこともわかった)
    ……支配人。あなたにひとつ、お願いしたいことがあるのですが。
    支配人( ´∀`)「はい、なんなりと」
    ちょっと、人をお借りしたいのです……7人ほど。
    支配人( ´゚д゚)「ななに……多いですね?」
    どうにか、都合をつけていただきたい。あとでお礼はいたしますので。
    とにかく、今すぐ人手が必要なのです……。
    支配人( ;`Д´)「わ、わかりました。橋が落ちたせいで、今はわりと暇ですし、都合はつけられると思います」
    支配人( ´゚д゚)「しかし、7人も揃えて、何をさせるつもりなのですか?」
    まあ、単純に……尾行と監視、ですよ……。
    (私は人差し指を唇の前で立てて、潜めた声でそう言った……)

  • 135ぼっち24/11/27(水) 22:49:16

    (──その日の夜)
    (山際に太陽が落ち、森が暗闇に沈んだ頃に、ひとりの人間がそっとホテルを抜け出した)
    (慎重に身を屈めて、オイルランプの小さな火だけで視界を確保して、真っ黒な切り絵のような森の木々を掻き分けていく)
    (ふう、ふう、という、興奮したような呼吸音と、落ち葉を踏むかすかな音がしばらくの間続く)
    (やがて彼は、一際目立つ大きなクスノキの根元にたどり着いた)
    ???「目印は……これだ……」
    (彼は懐から園芸用のスコップを取り出し、土を掘り始めた)
    (数分間の作業ののち、ついに地中から目的のものが姿をあらわした。ゴム引きの布で丁寧に包んだ、スイカほどの大きさのもの)
    (その布を開き、中身を確認して、彼はニヤリと唇を歪ませる)
    ???「よし……あとはこれを見つかるところに置いておけば、目的は達成される……フフフ……」
    ──なるほど、そんなところに埋めてあったのですね。
    (闇の中から私が声をかけると、彼は雷に打たれたように飛び上がった)
    ???「そ、その声は……なんであんたがここにいる!?」
    ズッパ老師の死が認定されないかもしれない、と養子の皆さんが心配している……という話を聞きましてね……。
    犯人が遺産目的なら、老師の死を証明する物的証拠を出すために動くかもしれないと思ったのですよ。
    養子全員に尾行と監視をつけたので、ホテルの皆さんにご迷惑をかけましたが……私が監視していたあなたが、どうやら当たり籤だったようですね。
    さて、ご説明願いましょう、ジミー・ポテライズ警部。
    あなたはなぜ、そこにそれが……ズッパ老師の頭部が埋められていることをご存知だったのですか?
    警部( ;`Д´)「……………………」
    答えはひとつだ……あなたがそれをそこに埋めたから。
    ズッパ老師を殺したのも……その首を切断し、体をホテルの屋上に置いたのも……意味不明な密室を作ったのも……。
    ダニエル・ズッパとアダム・ピーカンを殺したのも……全て、あなたの仕業だ……。
    (私の告発を聞いた殺人犯は、まるで矢傷を受けた狼のように、歯を剥き出しにしてこちらを睨んだ……)

  • 136ぼっち24/11/29(金) 20:51:38

    ズッパ老師の首なし死体を、谷底に捨てたのは失敗でしたね、警部……。
    (私は一定の距離を保ったまま、ポテライズ警部に言う)
    落ちていく途中で、崖にぶつかったのでしょう……血の跡と、破れた法衣の一部を私は見つけましたよ。
    あの痕跡のせいで、いろいろなことが確実になりました。
    少なくとも、死体を消失させた人物の目的は、尊敬する老師を殺した犯人をあぶり出すことではない、ということ。
    老師の死体をゴミのように捨てる人が、老師のために行動しているとはちょっと考えられませんから、ね……。
    そして……だとしたら……アダム・ピーカンとダニエル・ズッパの死も、老師を殺した犯人と、それを恨んだ親孝行者の殺し合いなんかではあり得なくなる……。
    あのふたりは……そう見せかけるのにちょうどよさそうな人間性だから……殺されたに過ぎません……。
    真犯人の本当の目的は……10人の養子なら誰でもいい……その人数を減らすことだったのです……。
    警部( `ー´)「ふん。まるで無差別殺人だった、とでも言いたげな口ぶりだな」
    警部( ゚皿゚)「だが、あえて聞こうか。なぜ俺はそんなことをした? ズッパ老師と、その養子の人数を減らすことに何の意味があるんだ?」
    あなたもズッパ老師の養子だからですよ。
    アダムさんやダニエルさんと同じ、遺産相続の権利を持つ10人のひとりなんだ。
    ズッパ老師を殺せば、遺産が入ってくるというのはわかりやすい話です。
    そして……同じ相続権を持つきょうだいたちを減らせば……自分の分け前がその分増える。……目的はそれでしょう?
    警部( =^ω^)「……………………」
    あなたは、ズッパ老師を殺すだけでは満足しなかった。プラスアルファを求めるために、事件を長引かせたかった。
    そのために密室の謎を用意した。そのために私というスケープゴートを巻き込んだ。そのために通報が遅れるよう、吊り橋を落とした。
    ズッパ一家と無関係な私を犯人だと主張し、拘束し監視したのは、その間にあなたのきょうだいたちが何をしていてもおかしくないという余地を作るためだ。

  • 137ぼっち24/11/29(金) 21:37:16

    このとき、別に他の人たちが、わかりやすく不審な行動をしなくてもよかった。
    そわそわしていたり、逆に落ち着いていたり、悲しんでいたり、遺産相続の結果を気にしていたり……。
    どんなふるまいであっても、あなたはそれを殺し合いの前兆としてこじつけることができたからだ。
    金に困っていたアダムさんには、ズッパ老師を殺した人物だというイメージを与えることができた。
    第一発見者と交流のあったダニエルさんのことは、現場の様子を聞き込んで真相をつかんだ素人探偵のように感じさせることができた。
    ふたりが出会えば……口封じか仇討ちか……新たな人死にが出ても不思議ではない、みたいな印象を作ることもできた……。
    その印象操作……いや、ストーリーメイキングのために、私は利用されていたのです。
    私に事件についての情報を話し……密室や死体、関係する怪しい人たちについて議論して……。
    その中で、新たな事件の当事者となる人々を決め、その人たちのための台本を組み立てた。
    ある程度納得のいくストーリーが完成すると、あなたは速やかに役者たちのもとに出向き、その手で役者たちに「役柄に沿った死」を演じさせたのです……。
    (アダム・ピーカンは、ただ単に金策に困って焦っていただけなのだろう)
    (ダニエル・ズッパは、養父の死を悲しみ、友人が遭遇した密室を不思議がっていただけなのだろう)
    (そんなふたりを同時に同じ場所で殺し、後付けで勝手な物語を付け足した)
    (ポテライズ警部のやったことは、結局のところはそんな単純なことなのだ)
    まったく、自分の単純さに呆れましたよ。
    警部だというあなたの肩書きを聞いたせいで、あなたの情報は信用できる、あなたから得られる情報だけで充分に状況が把握できる、と錯覚したのですから。
    あなたが10人の養子のひとりだと、もっと早く気付いていれば……もう少しあなたの言うことを怪しんでいたし……他の人たちからも話を聞いたでしょうに……。
    警部( ´ー`)「俺がズッパ家と無関係だと思い込んでいてくれたら、こんな罠も仕掛けなかったかい?」
    警部( -∀・)「まあ、養子全員の名前を確認されたらすぐわかるこったからな……俺がズッパの養子だってことは、別に隠してたつもりはねえ」
    警部(`Δ´)「倉庫から出てすぐにでも、支配人あたりに聞いたのか?」

  • 138ぼっち24/11/29(金) 22:01:12

    その少し前に、違和感は持っていました。
    遺産相続についての話し合いをしたい養子たちが、あなたに同席して欲しいとボーイに伝言を持たせてきたり。
    被害者が失踪していると判定された場合についての遺産の扱いについて、あなたが中心になって話し合っていると耳にしたりね……。
    だから、養子たちの中にあなたが入っていると聞いたときには……一番警戒すべきなのはあなたかもしれない、とは思いました。
    あなたはまるで、たまたま事件に関わり合っただけの、無関係な警部のようにふるまっているように見えましたから……。
    警部( ´Α`)「……………………」
    他の養子たちには、ホテルの従業員の人たちを監視につけました。
    そして、あなたには私を……もしもあなたが犯人だったら、決定的な場面で取り押さえられるのは、魔法使いである私だけですから……。
    警部( ´д`)「監視をつけるって……ホテルの連中も忙しいだろうに。そんなにすぐ、犯人があんたの言う“決定的な場面”を見せると思ったのか?」
    はい。
    犯人が遺産目当てなら、ズッパ老師の死が認定されないのは絶対に困るでしょう?
    でも、犯人はアダムさんとダニエルさん殺しの理由作りのために、ズッパ老師の死体を捨ててしまった。
    なら、どうすればズッパ老師の死を世間に証明できるか?
    方法はひとつ。切り取られて行方不明になっている老師の首を出してくるしかないというわけです。
    そしてそれを取り出してくる瞬間を押さえることができれば……誰が犯人であるにせよ……確実な証拠になるな、と思いまして。
    ホテルの皆さんを巻き込んで、賭けに出たというわけです。
    (ポテライズ警部は、はぁ、と、憂鬱そうなため息をついた)
    (そして──抱えていた包みを放り出して、懐に手を挿し入れ──警察官の標準装備である拳銃を取り出し、銃口をこちらに向けた)
    《拳銃(ショット)》!
    (彼の一連の動作より、私の詠唱の方が速かった)
    (破裂音とともに、警部の手に握られていた銃がはじけて、クスノキの根元に転がった)
    (警部は怪我をした手の甲を押さえて、地面にうずくまり……それが決着となった)

  • 139ぼっち24/11/30(土) 23:15:55

    (ポテライズ警部は、怪我を治療された上で、警察が来るまでホテルの倉庫に閉じ込められることになった)
    (少し前まで、私が警部に閉じ込められていたあの倉庫である)
    (あそこの快適さは私自身が体験してよくわかっているので、短時間の滞在なら彼も具合を悪くすることはないだろう)
    クルナッツ氏( ´Д`)「うーむ、驚きました。まさか、あの警部が犯人だったとは……」
    養子1( ;´・ω・`)「ジミーは、我々にとっては長男みたいなもので……しかも警察に就職したもんですから、全面的に信用してしまっていました」
    養子2(;´Α`)「頭がよかったし、トラブルに動じない精神力もあった男なんです。情を挟まずに、客観的に物事に取り組めるタイプというか」
    養子3( ´~`)「でも、だからこそ……老師様のことも、俺たちのことも、涼しい顔で切り捨てる判断ができちまったのかもしれません」
    (ズッパ老師の養子たちは、真相を知って驚いていたが、納得できる心当たりも充分にあるようだった)
    支配人( ・ω・)「真相を暴いて、犯人を捕まえてくれてありがとうございました、ラダー様」
    ボーイ1(ヾノ・ω・`)「しかし、まだひとつ謎が残っています。屋上の密室は、ありゃ結局どうやって作られたのでしょう?」
    ボーイ2(;^ω^)「警部はあなたを仮の容疑者にするために、魔法でも使わないと作れない密室を用意したんですよね? でも、警部は魔法使いじゃない……」
    プラリネ(;´゚д゚)ゞ「あの屋上のドアは確かに、外から大量のレンガで閉ざされてました。無理やり押し開けた俺が言うんだから間違いないです」
    ボーイ3(*´・з・)「何らかのトリックはあるんでしょうが、どんだけ考えてもまったくわからなくて……」
    ふむ……私も、いろいろ考えたのですが……ドアを開かないようにしていたのが、レンガだというところにカギがあるような気がします。
    ……ひとつ、実験をしてみましょうか。
    支配人さん、ドアのある適当な部屋をひとつと、屋上の現場に残されていたのと同じ数のレンガを貸してはいただけませんか?
    支配人( ´∀`)「ええ、お安いご用です。すぐに用意させましょう……」

  • 140ぼっち24/11/30(土) 23:44:24

    (やがて、ホテルの一室に実験の準備がととのえられた)
    (1枚のドアと、それが開く側に大量のレンガ)
    (ホテルの人たちとズッパ老師の養子たちが、私の後ろで興味深そうに様子を見ている)
    (私はドアの前に立ち、少し考えた。これなら、やれるかもしれないと心の中でつぶやく)
    ……ジェンガ、というゲームがありますね。皆さんはご存じですか?
    木製のブロックを積み重ねたタワーから、ブロックを1本ずつ引き抜いていって、崩してしまった人が負けというあれです。
    たぶん、このトリックは……ジェンガに近いのではないかと思うのですよ……。
    (私はドアを半分ほど開き、ドアストッパーで動かないように固定する)
    (それから、ドアにぴったりとくっつけるようにレンガを積み始める)
    (一番下は縦向きで揃え、その上は横向きで揃えて、さらにその上は縦向きと……ジェンガのブロックを積むときのように、交互に、交互に)
    (やがて、ドアに寄り添う形で、太くて背の高いレンガのタワーが完成した)
    このレンガのタワーは、とても安定しています。
    しかし、ジェンガのゲームのように……レンガを何本か抜いていけば、とても不安定になります……。
    (ドアに接している面から、何本かのレンガを引き抜く)
    ランダムに引き抜けば、タワーがどんな風に崩れるか想像できませんが……。
    特定の方向のレンガだけを抜けば、そっち側に向かってタワーが倒れるようにすることができます。
    (ほんの数個のレンガを抜いただけで、タワーはぐらぐらし始める。だが、ドアに支えられているため、まだ崩れることはない)
    うん、いい感じに不安定になった。
    あとは、そっとドアの隙間から密室の外へ……屋上から、ホテルの中へ戻って……。
    ストッパーをはずして、そっとドアを閉めれば──……。
    (私は、レンガの重みを感じながら、ドアを閉めた)
    (私は、その様子を見ることはできなかったが、観客たちはその結果を確かに見た)
    (ドアが閉まると同時に、レンガのタワーがドアに向かって倒れ込み、その全重量をドアに預けるようにして崩壊したのだ)
    (私はノブを捻って、ドアを開けようとした。しかし、開かない。向こう側に、大量のレンガが山盛りになって、開閉を妨げているのだ)
    (おおっ、という感嘆の声が聞こえた)
    (密室を作る実験は成功し、ポテライズ警部が用意した最後の謎は解かれたのだ)

  • 141ぼっち24/12/02(月) 21:34:23

    (さて)

    (ホテルに着いて早々に起きたでかいトラブルは、こうして解決した)

    (犯人も捕まったことだし、私が魔法で谷を渡って麓の街まで歩いていって、警察に通報しないとなぁ……めんどいなぁ……とか思っていたのだけれど)

    (翌朝になってみると、私がわざわざ出向かなくても、勝手に警察が来てくれた)

    (どうやら、たまたま通りかかった登山客が橋が落ちていることに気付いて、麓に通報してくれたらしい)

    (お陰で、私は長々とした山道を歩かされる苦行をせずに済んだというわけだ)

    (……さて)

    (それで、私はどうしよう)

    (このホテルにはバカンスのために訪れたのだ)

    (その初日は台無しになってしまったわけだが……2日目、つまり今日からはどうする?)

    (このホテルに留まって、優雅な休暇を堪能だぜーっと拳を振り上げてもいい)

    (さすがに殺人が起きたホテルでくつろぐのはちょっと……と、拳をそっと下ろして帰宅してもいい)

    はあ、どうしたもんかな……。

    (ホテルのレストランで朝食をもりもり摂りながら、私は考える……)

    dice1d4=3 (3)

    1、こんな恐ろしいところにいられるか! 私は帰るぞ!

    2、まあせっかく来たんだから、もうしばらくのんびりしてよう

    3、ズッパ老師の養子(*´∀`*)「事件の謎を解いてくれたお礼に、老師の庵に招待するよ!」

    4、クルナッツ氏(*´ω`*)「事件の謎を解いてくれたお礼に、あなたの名を冠する建物を新しく建てるよ!」

  • 142ぼっち24/12/04(水) 23:28:17

    ここへの滞在費は……イベントの商品でタダだし……。

    急いでチェックアウトして、権利を無駄にすることもないよね……。

    というわけで、まだしばらくのんびりしよう……。

    ……………………。

    ……しかし、それはそれで、ちょっと手持ち無沙汰……。

    何かやることが欲しいな……アクティビティとか……勉強になることとか……。

    ( ´∀`)「あ、すいませーん。あなた、老師様の事件を解決してくれた魔法使いさんですよね!」

    …………? はい、そうですが……ええと、あなたは……。

    ああ、そうだ……確か、ズッパ老師のお子様でしたね?

    ネン( =^ω^)「はい。老師様の6番目の養子で、ネン・ズッパと申します」

    ネン( ´∀` )b「あなたには本当にお世話になりました。老師様も、アダムもダニエルも、天国であなたに感謝していることでしょう」

    私の行動が、亡くなられた方々の魂の慰めになっていたなら……私としても、嬉しいことです。

    ネン(*ゝω・*)「その点は間違いないと信じたいですな。私はあの世を信じておりますので」

    ネン( ・∀・)「ああ、それよりも。私たち兄弟みんなで話し合ったのですが、あなたに何らかのお礼をした方がいいのではないかと……」

    えっ、い、いや、そんな気遣いはしなくても構いませんのに!

    ネン( ノ^ω^)ノ「いえいえ。感謝はやはり言葉以外でも示されるべきですよ」

    ネン(*´ω`*)「とはいっても、まあ、我々全員、お金には余裕がない方なので……老師様の庵にご招待するという形で、お礼に代えようかなと」

    ふむ? かの有名なズッパ老師の庵、ですか。

    ネン( ・ω・)「老師様は徳の高い聖職者でした。聞くところによると、あなたも教会のシスターだとか。きっと興味を持たれるだろうと思いまして」

    ふむ、ふむ、なるほど、なるほど……確かにおっしゃる通り。高名なズッパ老師のお住まい、気にならないと言えば嘘になりますね……。

    (観光気分であるが、見せてもらうのは勉強になるかもしれない)

    (私はネン氏に連れられて、かの老聖職者の暮らした場所へ向かうことになった……)

    (そこがどんな場所かというと……)

    dice1d4=3 (3)

    1、木々の奥にたたずむ、こじんまりとした小屋

    2、10人の子供を育てた家だから、それなりのお屋敷

    3、とても古い、遺跡としての価値がありそうな教会

    4、奥の果てしなく深いほら穴

  • 143ぼっち24/12/06(金) 21:43:44

    (ズッパ老師の住まいは、ホテルからさらに山の奥に入ったところにあった)

    (ろくに整備されていない獣道をしばらく進むと、まるで灰色の岩山のように、古びた教会の建物が現れる)

    ネン( ´∀`)「ここですここ。老師様はこの教会をたいそう気に入られて、まわりの山々ごと建物を買われたんですよ」

    ほー……これは確かに……趣深い……。

    (近年の教会とは様式の異なる、灰色一色のその建物を、私はじっくりと眺める)

    ん、んん……? いくらなんでも……壁面の磨耗具合が、度を超えてものすごいぞ……。

    雨風で塗装が剥げた、というレベルじゃないな……ネンさん、この教会は、いつからここにあるものなのですか?

    パッと見た感じ、ただの古い教会というだけではなさそうですが……?

    ネン( =^ω^)「お目が高い。これは100+dice1d1000=411 (411)   年前に建てられたもので、文化遺産として登録されている建築物ですよ」

    ネン( ノ^ω^)ノ「その歴史的価値から、取り壊すかとはもちろん、増改築やペンキを塗って色を変えることすら許されていません」

    ネン(*ゝω・*)「まあ、老師様は、ありのままの古さが気に入っておられたので、何の問題もありませんでしたがね」

    ふーむ……クルナッツ氏がこの建物も込みで土地を買うのなら……ここは将来的に、史跡として観光名所のひとつになるのでしょうね……。

    ネン( ´ー`)「おそらくそうなると思います。ここを維持していくとしたら、そうするのが一番いいのでしょう」

    ネン( ´∀`)「そうそう、この建物は外見に圧倒されがちですが、中もすごいのですよ。ぜひご覧になってくださいな」

    (そう言ってネン氏は、正面の大きな樫の扉を開け放った)

    (この教会の内部の特徴は……)

    dice1d4=4 (4)

    1、大昔の大司教が遺したすごいアイテムが安置されてる

    2、大昔の天才魔法使いが遺した大量の研究データが保管してある

    3、過去の王の遺体が安置されてる

    4、地下に魔法使い専用の大規模な修行施設が!

  • 144ぼっち24/12/08(日) 23:36:18

    (古く、広く、天井の高い礼拝堂に私たちは入る)

    (椅子や祭壇は埃がなく、表面がすり減ってぴかぴかしている。ズッパ老師はこの場所をいつも丁寧に掃除していたのだろう)

    (私はその素朴な風景にしばし見入っていたが、ネン氏はなぜか床にしゃがみこんで、タイルの隙間を爪で引っ掻いていた)

    ネン(*´∀`*)「えーと、祭壇の前のこの部分を……こうして動かして……えいっ」

    (ガコン、という音がして、床のタイルが扉ほどのサイズで横にスライドした)

    (事実、それは扉だった……黒々とした四角い穴が、床に開いている。私がそこを覗き込むと、地下へ降りるための階段が見てとれた)

    ね、ネンさん、これは!?

    ネン( ´∀` )b「すごいでしょう。老師がこの建物を買ったときからあるという隠し扉ですよ。さあ、ついてきてください」

    (私とネン氏は身を屈めて、暗く狭い階段を降りていく)

    (その先にあったのは……おお、神よ! 地上の教会の建物が小規模に見えるほどの、広く奥深い大洞穴ではないか!)

    (ゴツゴツした灰色の岩肌、天井と床に無数に生えた鍾乳石と石筍。どう見ても人工の空間ではない……もともと存在していた自然の空洞であることは確実だ)

    これは……ものすごい光景ですね……この自然の造形美だけで、観光名所として一流のものになれますよ。

    ネン( ´∀`)「ええ、そうでしょうそうでしょう。しかし、ここの本領は、自然の美しさではないのですよ」

    と、いいますと?

    ネン( ^ω^)「老師様が長い時間をかけて探索してわかったことなのですが、ここは大昔の、魔法使いたちの修行場なのです」

    ネン( ´∀` )b「自然の地下空間を改造して、魔法の技術を鍛える設備を大量に設置している! それらは500年を越える月日が経った今でも、生きているのです」

    ネン( ≧∀≦)ノ「凄腕の魔法使いであるあなたなら、きっと体験してみたいだろうと思いまして!」

    えっ。……えっ?

    ネン( ノ^ω^)ノ「あ、最初の仕掛けが起動しましたよ。構えてください! あれは……dice1d4=1 (1)  です!」

    1、格闘タイプのゴーレム

    2、四方八方から射撃してくる設置型魔法銃

    3、転がってくるでかい鉄球

    4、挑戦者をコピーするタイプの敵

  • 145ぼっち24/12/10(火) 22:15:07

    (ギチリ、という音とともに、周囲の岩が小さなキューブ状に分解し、それらが空中に集まっていく)

    (ガチャガチャとパズルを組み立てるように、石は特定の形を作り出す……それは最終的にヒト型になり、こちらを威嚇するようなポーズを取った)

    ネン( ^ω^)「あー、これは……岩ゴーレムですね。格闘戦の訓練用のものです」

    ネン( ´∀`)「老師様とともにここを訪れたとき、これに襲われたことがあるのですが……魔法なしじゃとても太刀打ちできませんでしたね」

    ネン( ^∀^)「怪我して泡くって逃げ出しましたよ。いい思い出です……あっはっは」

    あっはっは、じゃないっ……!

    あああ、こっちに向かってくる……明らかに敵意マンマンで……!

    ネン( ノ^ω^)ノ「頑張って倒してください! ここはまだ、施設の入り口ですからね。この奥を案内するためには、あれを排除しないといけません!」

    わた、わ、私はあなたをぶん殴っても許されると思いますよ……!

    (私は慌ててトングを構えて、敵のゴーレムを観察する)

    (その様子と特徴は……)

    大きさ:dice1d100=62 (62)  (100ほど巨大。1で私の膝サイズ)

    パワー:dice1d100=48 (48)  (100ほど破壊力ヤバス。1で豆鉄砲)

    スピード:dice1d100=71 (71)  (100ほど速い。1でミドリガメ)

    知能:dice1d100=90 (90)  (100ほど考えてトリッキーな行動をする。1でまっすぐ行ってぶっ飛ばすしかできない)

    耐久力:dice1d100=73 (73)  (100ほどカッチカチ。1でチーズ蒸しパン)

    造形:dice1d100=83 (83)  (1ほど四角いブロックの塊。100だと美少女戦士)

  • 146ぼっち24/12/11(水) 22:08:14

    (完成したゴーレムは……意外と、こう……戦闘用にしては凝った造形をしていた)

    (カラーリングこそ岩の灰色そのままだが、リアルな骨格と筋肉を持つ、大柄な拳闘士の姿となっていた)

    (それはタン、タン、タン、とその場で跳ねて、脇を締めて拳を空に鋭く突き出す。シャドーボクシング、というやつだ)

    (お前、本当に岩か? と確認したくなるぐらい、その動きにはキレがある)

    (あの速度で、岩でできたヒト型が迫ってくるのだとしたら……わりと真面目に危険だ。私は息を飲み、腰を沈めて臨戦態勢を取った)

    こいつに……どれだけの敵意があるのかはわからないが……。

    先手必勝、速攻でカタをつけるのが正しいと、私の勘が叫んでいる……!

    悪いが、一撃で粉砕させてもらう……《拳銃(ショット)》……!

    (私が呪文を唱え、トングをゴーレムに向けたとき)

    (やつは私の戦意を察知したのか、林立する石筍の向こうに素早く飛び込み、姿を隠した)

    んなっ……? は、判断が速い……くそ、どこへ行った……?

    (薄暗いこの洞窟では、物陰に隠れた敵は本当に見つけにくい)

    (私がまごまごしている間に、敵は次の一手を打っていた)

    (それは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、私の背後に回り込み、急襲

    2、盾になるものを構えて突進してくる

    3、石を投げて、音で私に位置を誤認させる

    4、ネンさんを人質に取る


    私の対応力:dice1d100=90 (90)  (100に近いほどうまく対処できる。50以下だと相手の方が有利を取る)

  • 147ぼっち24/12/13(金) 22:14:02

    ネン( ; ゚Д゚)「ワァ──ッ!?」
    (背後からの悲鳴に、私は驚いて振り向く)
    (振り返った私が見たのは……さらに驚かされるものだった)
    (ゴーレムがネンさんを羽交い締めにして、その拳を彼の喉に突きつけている!)
    🪨「ブキヲ ステロ。ヒザヲツイテ リョウテヲアゲロ」
    (しかも……うわ、マジか……聞き取りにくいざらざらした声だけど、人間の言葉をしゃべって、私に降伏を促してきた)
    (人工物のゴーレムが、人質を取るなんて戦略で人に勝とうとするとは……前代未聞だ。並の知能じゃないぞ)
    (この施設を作った過去の魔法使いは何者だろう? ひどく気になるが、今はそんなことを気にしている場合ではない)
    (私はトングを上げ、口の中で小さく呪文を唱える)
    ネン((゚□゚;))「えっ、ちょっ、やめ……こ、攻撃されたら、わ、私に当たるぅ!」
    (ネンさんの懸念ももっともである。事実、ゴーレムは彼を盾にするように、彼の背中の後ろにますます身を隠そうとする)
    (だが、それは無意味だ)
    ──《鍛造(フォージング)》。
    (私が発動させたのは、鉱物の結びつきを強めて、硬さを上げる魔法だ)
    (ゴーレムは全身が硬い鉱物でできている。しかし、関節など、動くために必要な部位は柔軟性豊かだ)
    (《鍛造(フォージング)》の魔法は、そういった部分を「ガチッ」と固めてしまう。……もちろん、鉱物でない人間にはまったく効かない)
    (ゴーレムはネンさんの後ろで身を屈めたまま、固まって動けなくなった)
    ……もう大丈夫ですよ。ネンさん、ゴーレムの腕を振り払って、脱出してください。
    ネン( ゚Å゚;)「だ、大丈夫? ……おおお、ゴーレムがすっかり止まってる……魔法使いって、やっぱりすごいことできるんだなあ」
    お褒めいただき光栄です。……さてと……えいやっ。
    (関節を固定され、動けなくなったゴーレムに私は歩み寄り、その眉間を……ガン、ガン、ガン、と、何度も強く蹴った)
    (回数はかなり必要だったが、人間型の岩など、折れやすい部分は無数にある)
    (やがて、ゴーレムは粉々に砕けて、訓練場の床を汚す砂と石ころの塊に成り果てた)

  • 148ぼっち24/12/16(月) 00:05:20

    (しばらく、様子を見る)

    (完全に砕けたゴーレムは、復活する様子もない)

    (私はそれを確かめて、ふーっ、と息を吐き、ガッツポーズ)

    決着ウゥ──ッ!!!

    ネンd=(^o^)=b「わー」

    なんとか……かんとか……相性差で……勝つことができました……。

    と、いうわけで……ネンさん……急いで、上の礼拝堂に戻りましょう……!

    ネン( ; ゚Д゚)「え!? ちょ、そんなもったいない! このゴーレム以外にも、経験を積める仕掛けがあるんですよ!?」

    このレベルを連戦してたら……絶対途中で死にますって……!

    今のゴーレム……身のこなしといい、思考能力といい、一般的な水準を遥かにぶっちぎってるシロモノですよ……?

    この設備を用意した魔法使いは、人類の上澄みのような超一流で……しかも、一流の戦闘タイプ魔法使いに稽古つけるつもりで、準備を整えてる……!

    私のような、どっちかというと弱い魔法使いが挑むアトラクションじゃないんですよ……!

    ネン( ´゚д゚)「えー。もったいないなぁ」

    人質にまでされたのに……その感想が出てくるあなたは、桁外れに胆が図太いですね……。

    とにかく、回れ右……帰ります……帰りますよ……!

    ネン((゚□゚;))「うわああん! 待って! 待って!」

    dice1d4=1 (1)

    1、「全部試練をクリアしたら、一番奥にお宝があるらしいんです!」

    2、「そこを踏んじゃダメ! 落とし穴ですよ!」

    3、「そもそもここ、一度入ったらクリアするまで出られない仕組みで……」

    4、(やるなら、ネンさんがいないときに本気出して挑もう)

  • 149ぼっち24/12/16(月) 23:25:47

    ネン(;`・ω・)ノ「古文書によりますと……この訓練施設のアトラクションをすべてクリアして最奥にたどり着くと、何やらステキな宝物が手に入るらしいんです!」

    えっ。

    ネン(*・∀・*)「興味ないですか……? 500年前のお宝。私はめちゃくちゃ興味あります。カネに困ってますので」

    ……もしかして……もしかしてですが……そのお宝をゲットするために、私をうまいこと利用しようとしておられる?

    ネンΣ(-∀-;)「ギクゥ」

    ネン(;・ω・)「その……誠心誠意道案内いたしますんで……少しおこぼれをもらえたらなと……」

    いっそ清々しいほどのムーヴ。ポテライズ警部に足りなかったのはこのメンタリティかもしれない……。

    はぁ……わかりました、行きましょう。確かに、私も大昔の宝物とやらには惹かれますし。

    ネン( ノ^ω^)ノ「わぁい! では、慎重に、しかし大胆に先へ進みましょう!」

    本当に……本当に慎重に、ですよ? さっきのゴーレムが序の口だとしたら、これ以降はもっとキツくなっても不思議はありませんからね!?

    ネン( ^ω^ )「わかっておりますとも!」

    ネン( ´∀`)「さあさあ、第2のアトラクションはこちらです。その内容は……」

    dice1d4=4 (4)

    1、耐えず変化する魔法の地形

    2、知恵を試すクイズ系

    3、ドングを『練る』訓練(上手くやると最大ドング許容量が上がる)

    4、これただの身体測定と健康診断じゃねえか!

  • 150ぼっち24/12/18(水) 22:56:49

    (洞窟を進んだ先で、私たちが遭遇したのは……)

    『この上に乗ってください』

    (なんか……そんな浮き彫りがされた、四角い石のタイルであった)

    (地面に嵌め込むように設置されていて、注目を促すためか淡い黄緑色に光っている)

    ネン( ´゚д゚)「……どうします、これ?」

    罠……? いや、だとしたら、避けるのが容易すぎる……。

    ここが報酬のある訓練施設だとして、受けずに進める試練は設置しないだろうし……見え見えの騙しもする必要はない……。

    ここに乗るのが、正規の手順ということでしょうね……。

    とはいえ、何か起きたらすぐ逃げられるように、気を付けてと……。

    (そっと私は、そのタイルに乗る)

    (すると、キリキリキリと歯車が回転するような音がして……正面の壁に、こんな文字が浮かび上がった)

    『身長:176cm 体重:【平均よりやや少なめ】kg 座高:83cm』

    ……………………。

    ネン(;・∀・)「と、とてもスタイルがよろしいですね」

    ただの……身体測定じゃないかッ……!

    た、確かに……自分の体のデータをよく知っておくことは、鍛える上で必要だけど……なら、最初にこれを持ってきておけよ……!

    (他人様の前で体重を赤裸々にバラされた乙女である私は憤慨した)

    (しかし、私のそんな感情など知ったことかとばかりに、正面の壁に新たな文字が浮かび上がり続ける)

    『血液型:AB型』

    『視力:dice1d4=1 (1)  (1、とてもいい 2、平均 3少し悪い 4、病気の兆候あり)』

    『聴力:dice1d4=4 (4)  (1、とてもいい 2、平均 3、少し悪い 4、病気の兆候あり)』

    『呼吸器:dice1d4=1 (1)  (1、健康 2、少しひ弱 3、喘息持ち 4、専門の病院で検査が必要)』

    『消化器:dice1d4=4 (4)  (1、健康 2、少しひ弱 3、胃薬を定期的に飲んで 4、専門の病院で検査が必要)』

    『心臓:dice1d4=2 (2)  (1、健康 2、少しひ弱 3、激しい運動は控えて 4、専門の病院で検査が必要)』

    『肝機能:dice1d4=1 (1)  (1、健康 2、酒を控えろ 3、酒を飲むな 4、専門の病院で検査が必要)』

    『残り寿命:dice1d100=84 (84)  (具体的な残り年数ではなく、単に数が多いほど長寿が期待できる)』

  • 151ぼっち24/12/20(金) 20:11:04

    (全体的にとても健康なことが示唆されて、私はとても満足な気分になった)

    (特に、寿命が長めなことと、肝臓に問題がないと言われたのが嬉しい。安心して今後も酒を楽しめる)

    (しかし……)

    耳と、胃腸……?

    何か、まずいのか……? あまり、自覚はないけども……。

    (壁に表示された診断結果を、穴が空くほど見つめて考える)

    聞こえはいいし……毎日のご飯も美味しい……。

    あとで、お医者様にちゃんと診てもらうのは確定として……どう悪いのか、それは教えてくれないのか……?

    え、古代の健康診断機……ここまで教えてくれるなら……もうひと頑張りしてくれても、いいだろう……?

    (ゴンゴンと、壁を叩いてみる)

    ネン(;・∀・)「お気持ちはわかりますが、さすがにねだっても答えは出てこないのでは」

    いや、わかりませんよ……魔法って、かなりファジーですからね……。

    仕組みがまったくわからない以上、あり得るかもしれない、と思って、やれることはやっといた方が得というものです……。

    (そして、実際……しばらくごねてたら、本当に壁の表示がちょっと増えた)

    耳の悪さの詳細:dice1d4=3 (3)

    1、鼓膜にちょっと傷が入ってる

    2、メニエール病の気配

    3、本人は気付いていないが、生まれつき聴力が他の人より弱い

    4、たまに気付かずに幻聴を聞いてる

    消化器の悪さの詳細:dice1d4=1 (1)

    1、前に腹をぶち抜かれたことがありますよね?

    2、甘いもの食いすぎで糖尿予備軍

    3、マイナーな食物アレルギーの気配

    4、栄養足りてないからもっとしっかり食え

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