ここだけドング魔導世界スレその8

  • 1ぼっち24/07/10(水) 21:17:57

    ここは「安価で魔術概念を作ろう」というスレで設定を決めた魔術世界を舞台としたなりきりスレッドです

    ここではあなたはドング世界の住人です

    魔術に目覚めるも良し、一般人として過ごすも良し

    好きに生きてください


    前スレや関連スレ、テンプレは>>2以降にて

  • 2ぼっち24/07/10(水) 21:19:50
  • 3二次元好きの匿名さん24/07/10(水) 21:21:02

    このレスは削除されています

  • 4ぼっち24/07/10(水) 21:22:37

    この世界の魔法エネルギー:ドング

    世界を構成する七大要素であるドングの属性:闇、地、時、魂、熱、鉄、血

    使用法:人によって扱える属性は異なる、空気中のドングを集めて使う(ほとんどの人間が操れない)

    ドングを扱える許容量:才能のない人間100、 才能のある人間150
    1000以上のドングを扱える者たち:王家の血筋、魔族、才能があるやつで修行しまくった人

    〈魔法とそれに使用されるドング量の具体例〉
    100ドングで巨大なゴーレム生成
    100ドングで鉄の密度を変えられる
    1000ドングで地震を起こせる

  • 5ぼっち24/07/10(水) 21:24:04

    魔術派閥は大きく3つに分かれている


    ①アカデミア<学問派>

    ドングを学問として考える組織。巨大な教育機関でもある。ドングを集めやすくする魔道具を作っている


    目標は根源への接続


    大多数はただの学生や教師で、根源って何ぞや? と思っている

    属性によって学科が別で、たとえば血属性主義の一派は歪な生物を生成して迷惑をかけているらしい

    根源到達を考えているのはごく一部の人達だけ


    根源とは神の座であり、そこに至ることでこの世界のトングの属性を定めることができる。根源に至り、属性を新しく作った者は神王と呼ばれる


    ドングの多い王族との関係:王族たちは新たな王の誕生を阻止するためにアカデミアを滅ぼそうとしている。現在は時の要素を決めた神王が即位している


    魔術師の位階は六つに分かれており、位階を上げる条件はドングの許容量の増加である


    <魔術師の位階>

    ガラス

    ポーン

    ナイト

    ビショップ

    エルダー

    キャンセラー

  • 6ぼっち24/07/10(水) 21:25:08

    ②星喰学派<禁術派>

    目的は魔族になること

    共食いをすることでドングを増やす禁術【マッドネス】を使う


    魔族になる方法:ドング許容量が一定(666)を超えると、魔族に進化する道が開ける

    生まれつきのドング許容量がゼロでも、マッドネスを666回行えば...つまり666人の人間や魔術師を犠牲にすれば、魔族になることができる

    ドング量の莫大な王族直系なら1人、分系なら5人ほどの犠牲でいけたりするらしい


    ③王族

    現在の王は時属性の王

    そのドング許容量は20000

    妻がひとり、息子がふたり、娘がふたりいる

    最も魔法の才能があるのは二男で、これが跡継ぎと目されているけれど、次女はそれが気に入らないらしい


    王の目的:人類の発展及び宇宙への進出

    でも宇宙開発に関しては、アカデミアからも星喰学派からも一般国民の皆様からも大ブーイングらしい

  • 7ぼっち24/07/10(水) 21:26:01

    魔術師キャラを作るときのテンプレ

    dice1d7=■で属性

    それぞれの数字が闇、地、時、魂、熱、鉄、血にそれぞれ対応する

    dice1d100=■が20以下なら多属性持ち

    dice1d6=■を振って出た数だけ属性を追加しよう


    dice10d20=■で初期トング量

    100で一般的魔術師、150越えたらエリートさん

  • 8ぼっち24/07/10(水) 21:27:27

    種族ダイス:dice1d8=■

    純粋なその種族ということにするか、その種族の血が入っている人間ということにするかはお好みでどうぞ


    1.ノーマルの人間

    特にこれといって言うべきこともない普通の人

    2.エルフ族

    尖った耳が特徴、ドング量で肌の色が変わる

    (普通以上は白、少ないときは褐色になる)

    3.レプタリアン族

    恐竜の特徴を持った人型の種族

    魔物狩りをしながら生活している

    4.妖精種

    林檎ほどの大きさの青い炎のような見た目の種族

    炎の中に羽のある人のような本体がある

    5.獣人族

    身体能力に優れた半人半獣の種族

    人寄りか獣寄りかは個人差がある

    6.鉱石人族

    鉱石の原石に顔や手足がついている種族

    鉱石を継ぎ足すことで体の形状を変えられる

    7.魚人族

    人の骨格にエラや鱗、ヒレがついている種族

    陽気な性格で歌が上手い

    8.巨人族

    多腕有角の巨大な種族

    極めて寿命が長いがその性格は温厚

    9.有翼種

    背中に鳥やコウモリのような翼を持つ種族

    種族のほとんどが美形の珍しい種族

  • 9ぼっち24/07/10(水) 21:28:31

    寮ダイス:dice1d6=■

    アカデミアの学生はそれぞれの資質に応じた寮に入りそこで生活する。ハ○ポタのグリフィ○ドールとかス○ザリンみたいな感覚と思っていい


    1、月寮

    冒険心や未知の分野への知識欲を持つ者が入る寮

    卒業後は研究者になるものが多い

    2、日寮

    好戦的で実践を好む生徒達が入りやすい寮

    寮生は明るい性格が多いため常に賑やか

    3、深森寮

    植物が好きでのんびり屋な生徒が多い寮

    農業系の魔術が得意で寮内でも植物を育てている

    4、禿鷲寮

    人間心理を読み取る力に優れた者が多い寮

    周囲から冷淡だと誤解されやすい人間も多い

    5、紅玉寮

    リーダー気質な生徒の多い寮

    王に対して憧れや尊敬を抱くものが多い

    6、蒼玉寮

    人騒がせな変人が多い寮

    芸能系、アート系の活動が盛んな寮でもある

  • 10ぼっち24/07/10(水) 21:29:57

    テンプレは……だいたいこんな感じかな、たぶん……。
    他にも出自ダイスとか、魔法の杖ダイスとか、学力/体力ダイスとか、性別ダイスとか年齢ダイスとか、いろいろ好きなダイスを考えて、自分のキャラを掘り下げてみるのもいい……。
    ああ、もちろん、アカデミアに所属するか、星喰学派に所属するかをダイスに委ねてもいいし……。
    いっそのこと、魔法使いですらなくして、市井で魔法と縁を持たない暮らしをしてみるのもいいと思う……。
    外国に行ったり……別大陸に行ったり……いっそ、魔物として生まれたっていいかもしれない……。
    わりと、何もかも自由だ……好きに生きよう……。
    がんばれー……!

  • 11ぼっち24/07/10(水) 21:37:25

    【最後に……私自身のプロフも置いておくよ……】
    通称:ぼっち
    本名:エメラチェリー・ラダー(Emeraldcherry Ladder)
    属性:鉄
    ドング許容量:147
    魔法行使アイテム:トング
    移動用多脚ゴーレム「ロースティッド・アーモンド号」を所有
    高身長で細身。祖先に巨人族の人がいたかも
    アカデミア学生、蒼玉寮の三人部屋に暮らしてる
    実家はパン屋。ごく普通の中流家庭出身
    学力88、体力22(100段階評価)
    パーティーを組むとサポータータイプ。特に罠(トラップ)の扱いに優れる
    乗馬が得意。騎乗移動魔法《跳ね馬(スプリッツァー)》を開発
    吃り癖があり、人付き合いに苦手意識を持つ
    ただしお仕事(接客業)であれば、緊張なく取り組めるようだ
    絵がうまく、少女漫画風の絵を描く。ファッションへの興味が強い。賭け事には向いてない。大の甘党
    星喰学派で、プレッチリー・フリーラックスの指導を受ける
    暗殺者・諜報員としての適性が高いと見なされている
    パライソルで2000人以上を煽動して殺し合わせ、ギャング組織を壊滅させる
    ロス・サントスに滞在中、クーデターを計画していたバリウラ王国第2王女を暗殺
    ヴワットジナーで初マッドネスを経験
    ロス・サントスとバリウラ王国の戦争を起こしかける
    スタァライト共和国で宰相を暗殺
    ラロマディラでミミズまみれになりつつ金掘ったり蛮族虐殺したりした
    アオトハルトでニツケサシミーの新聞記者たちと殺し合い
    エーブリエタースの教会にシスターとして潜入、聖堂騎士クラージュ様と懇意にさせていただいてます
    教会とアカデミアで起きた殺人事件の解決を手助けする
    ギャングを殺し合わせて偽ブランド品工場を乗っとる
    現在、地下墓所で不審な小瓶に話しかけられ中……

  • 12ぼっち24/07/11(木) 23:24:33

    『私を連れ帰ってくれるなら、私は礼として……私の魂を、あなたに混ぜ込もう』
    ……失礼ながら王様。何でそれで喜んでもらえるとお思いになったのですか?
    『嫌かね?』
    嫌……というより、メリットが想像できません。
    常識にとらわれた私の思考力では、その提案は私の頭の中に、得体の知れない虫が寄生するようなイメージしか持つことができないのです。
    まずは、あなた様の魂が私に混ざるというのがどういうことなのか、具体的に説明してください。
    あなた様ほどの人が、それを礼としてくださると言うのならば、きっと私の想像の外にあるメリットがあるはずなのです。
    それが何なのか知らずして、あなた様の要求にはうなずけません。
    『ああ……なるほど。あなたは、魂魔法に関してはあまり知識がないのだね?』
    『いや、それとも、魂魔法の分野が、あまり発達しなかったのか? いや、その辺を考えるのはあとにしようか』
    『ええと、魂を混ぜ込むということの説明と、そのメリットだったね?』
    『そうだな。人間を本に例えるとしよう。あなたという本があり、その中にはあなたの考え方や記憶が記述されていると思ってくれ』
    『それは莫大な情報量を含んでいる本だが、これから知っていくことが書き込まれる予定の空白のページもたくさんあるわけだ』
    『そこに、私が魔法を使って、私の考え方や知識を直接書き込む。これが私の魂をあなたに混ぜ込むという作業だ』
    『あなたのこれまでの記憶が消されたり、考え方を変えられたりするようなことにはならない。私の人格があなたの頭の中に住む、なんてことも起こり得ない』
    『本来なら勉強によって得る知識を、一瞬で完璧に覚えられる、と考えてくれていい。思想に関しては、誤解や偏見なく理解できるようになるだろうな』
    えーと、つまり……知識の転写魔法みたいなものがあって、それを使ってあなた様の叡智を私に授けてくれる、ということですか?
    『知識の転写か。上手い表現だ。その理解で正しいよ』
    (瓶の中で、魂の王が首肯したような気配があった)
    (しかし……知識の転写か……ちょっと前に、ガーキン先生がそれをやったときの惨状を思い出してしまった)
    (あの先生の魔法には、対象を強烈な鬱にするというひっどい副作用があったが、今私に同じことをやろうとしているのは、魂魔法の始祖だ)
    (おそらく、ガーキン先生と同じようなことにはならない……はず……)

  • 13ぼっち24/07/11(木) 23:44:00

    ……私という本に書き加える知識や考え方というのは、あなたのすべてですか? それとも、1部分ですか?

    『さすがに私も、私のプライベートの記憶や面白味のない知識までまとめて放り込みたいとは思わないよ』

    『魔法に関する知識と、私という人間についての理解を中心に書き込もうと考えていた』

    ああ、よかった。何を書き込むかは選択可能なのですね?

    でしたら……はい。私はあなた様のお望みに応えます。あなた様がこの地下墓所から外に出る手伝いをいたしましょう。

    その代わりに、どのような知識を私の頭に入れるか、その選択を私に任せていただけませんか?

    『ふむ? 望みがあるのかい?』

    あなた様がどれ程の知識をお持ちなのか、私は知りようがありませんが……欲しい知識の傾向はございます。

    『言ってみたまえ。可能な限り叶えよう』

    ありがとうございます。それでは──。

    (以下、数字が大きいほど欲しい知識。10以下だと全然興味なし、90以上でどんな細かいことでもいくらでも欲しい)

    魔法の知識:dice1d100=22 (22)

    過去の社会について:dice1d100=27 (27)

    政治や支配のやり方:dice1d100=91 (91)

    魂の王自身について:dice1d100=98 (98)

    お前を消す方法:dice1d100=66 (66)

  • 14ぼっち24/07/12(金) 22:44:04

    あなた様は先程、プライベートの記憶や面白味のない知識までまとめて放り込みたいとは思わない、とおっしゃいましたね?
    『ああ。普通に考えて、そんなものを求める者はいないだろう』
    いえいえ、そう決めつけたものでもありませんよ。
    ……ください。あなた様個人の思い出を。
    『何?』
    魂の王と呼ばれた人間が、生まれてから現在まで、経験してきて頭の中に詰め込んだ一切合切をください。
    道端の石ころを見て何を思ったかとか、空いた時間に何をして暇を潰したかとか、誰にも言えない恥ずかしい趣味だとか、何が好きで何が嫌いだとか。
    いつどこに出掛け、どんな景色を見て、誰と話して何を感じ、何に喜び何に悲しみ何に怒り、何を恐れたかを。
    あなたの魂の土台となった経験と感情と思い出の、本当の本当にすべてを。それを私は求めます。
    『……なぜだい?』
    『あなたは、私のすべてを知りたいと思うような、熱心なシンパという風には見えないのだが』
    ああ、まあ、もちろん理由はございます。しかし、なぜなのかを話すのは、あなたの記憶と価値観をすべていただいてからということにさせてください。
    『うーむ……それはもちろん構わないが……意外だ』
    『魔法の技術だとか、不明な過去の歴史についての知識を優先的に求められるだろうと予想していたのだけどな』
    『ああ──私のすべての記憶を受け取れば、それらもまとめて手に入るという考えかね?』
    いえ、そういうわけではありません。
    ざっくばらんに申し上げますが、私の中で、あなた様の魔法や歴史の真実はあまり優先度が高くないのです。
    あなたがどのように国を治めたのか、そのやり方には興味がありますが、最優先は1個人としてのあなたです。
    それで……いただけますか? それを。
    『民との約束を反故にするつもりはない。あなたの望み通り、私の人生のすべてをあなたにやろう』
    『私の入っている瓶のフタを開けて、私の香りを嗅ぎなさい。それですべては完了する』

  • 15ぼっち24/07/12(金) 23:12:31

    (私は水晶の瓶のフタを開けて、中のふわふわとしたカビに鼻を近付ける)
    (すぅ、と、軽く空気を吸い込む。雑草をすり潰したような青い臭いがして……私は、天地が回転するような強烈な酩酊感に襲われた)
    (頭の中に、一気に知識が流れ込んでくる。大昔の宮廷が、魂の王の両親の顔が、ゆりかごの中で過ごした退屈な時間が、そこからの数十年間が)
    (本を読んで学んだことが、良き友との出会いが、王族としての華やかな暮らしが、豊かな才能で可能にしたたくさんのことが、思い通りにできなかったことが)
    (日々の喜びが、苦痛が、悔しさが、試行錯誤が、民の喜びと笑顔が、大いなる目的のために看過した犠牲が、怯えて逃げようとする民の顔が)
    (命への思いが、不死にこそ幸福があるという信念が、魂を操り死を遠ざけるありとあらゆる手段が、900年を越えてなお折れぬ気高い理想が)
    (それらのすべてが、ほんの数秒で私のものになった)
    『……完了だ。気分はいかがかな?』
    悪くはないです。奇妙に思われるかも知れませんが、大きな安堵感があります。
    『それはなぜ?』
    あなた様が私を罠にかけようという意思のないことが納得できたからです。
    この記憶と思考が真実ならば、あなた様は私を利用するつもりはないし、その傾向もなさそうだ……。
    『んん……? ああ、そうか、そういうことか。私が、害意を持ちながら調子のいいことを言う詐欺師のような人間かどうか、確かめたかったんだな?』
    はっきり言うと、そうです。私の時代では、あなた様は非常に評判の悪い暗君です。
    自分の目的のために、異常な実験を繰り返したマッドサイエンティストとして伝わっています。
    そんな人が私への協力を求めてきた……とても、軽い気持ちで応じる気にはなりません。
    信じてお付き合いをするなら、それこそ、あなたの頭の中をすべて見て、害意があるか否かを確かめるぐらいはしなければ。
    『それで、私のすべての記憶を求めたわけか……結果は、良いものだったと思っていいのかな?』
    一応は。あなたの実験の数々には呆れましたが、本気で民のためを思ってやっていたというのがわかりましたし、私と話しているときも、あなたは誠実でした。

  • 16ぼっち24/07/12(金) 23:35:36

    『私があなたに与える記憶と思考に細工をして、疑われない善良なところだけを見せたとは思わないのか?』

    思いません。記憶は全部地続きで、不自然に編集された感じはしませんでした。

    もし、私があなたに記憶のすべてをリクエストしてから、転写が始まるまでの短い時間で、まったく違和感を感じさせないレベルの取捨選択ができるのなら……。

    あなたがそれほどの魔法使いであるのなら、私はあなたに出会った時点で詰んでいます。どうしようもありません。

    対処することも逃れることもできない可能性に当たったら、もうそのときは諦めるしかないので、最初から考えない方が時間が無駄にならないでしょう。

    『うん、あなたの考えていることはわかった。私たちはどうやら、喧嘩別れをする必要はなさそうだね』

    (私はうなずく。たぶん、このカビになった王様は信用できるだろう)

    (今後、彼が私を裏切ろうと考えたなら、すぐにその兆候を発見できるだろうし、どのように対処すればいいかもわかるはずだ)

    (何しろ、私の頭の中には、彼の考え方が入っているのだから)

    『さて、エメラチェリー。私はあなたに望みの知識を与えた。次はあなたが私のために働く番だ』

    『この地下を出て、今の時代のバリウラを私に見せてくれ』

    dice1d4=4 (4)

    1、いいですよー。さっそくもと来た道を引き返しましょう

    2、いえ、待ってください。この地下のどこかに、宝物があるはずなんです

    3、いいですけど、少し休ませてください。ここに来るまでにかなり疲れたので

    4、いいですよ。ここにいても民の幸福にはつながりそうにないですもんね。『あっ、私のあげた思想に影響されてる』

  • 17ぼっち24/07/14(日) 21:39:53

    では参りましょうか。我々で民草を幸せにするのです。
    『あっ』
    …………?
    ……………………!?!?!?
    い、今……私は何を言いましたか、魂の王……?
    ちょっと待って、待って……明らかに普段の私が言わないこと言った……民を幸せに……? それはどちらかというと、あなたのセリフであるはずだ……!
    しかも、しかも……私の心は、その言葉を言ったことを不自然には思っても、言葉の内容自体には大いに賛成している……!
    これはどういうことです、王!?
    あなたは言ったはずだ、魂の転写で考え方を変えられたりすることはないと。あれは嘘だったのですか!?
    『落ち着きなさい、エメラチェリー。私の記憶をすべて継承したあなたなら、私が嘘を言わなかったことはわかるはずだ』
    しかし──。
    『いいか、あなたに今起きているのは、魂魔法による洗脳だとか、私による思考の乗っ取りなどではない。知識を深く得た者に起こる、ごく自然な現象だ』
    ええと……? どういうことですか?
    『人は何かを学び、知ったとき、その情報を自分の思考に自然に取り入れるようになる』
    『美味い料理を食べて知れば、次もまた同じものを食べようと思うし、不味いものを食べたら、自然とそれを避けるようになる』
    『物語本を読めば、その登場人物に好感を持ったり、逆に怒りや嫌悪を感じるようになることもあるだろう』
    『あなたは私の人生と、私の思想をまるごと取り込み、魂の根底レベルで理解した。その結果……単純に……私の考えに共感してくれたのだよ』
    『いいか、繰り返すが、これは魔法じゃない。あくまで人間の精神の健全な働きだ』
    『さすがに学習のしかたが急激かつ特殊すぎて、あなた自身の自覚がまだ追いついていないようだが……じっくり考えて飲み込めば、いずれ納得できると思うよ』
    ふむ……ああ……あー。なるほど、なるほど。
    言われてみれば、何となくわかりました。この感覚……面白い本を読んだときのソワソワする感じと、少し似ているんだ……。

  • 18ぼっち24/07/14(日) 22:04:06

    今までの私は……基本的に、自分がよければそれでいい、という考え方でした……。

    広い視野で物事を考えるときも、大切な範囲はせいぜい、家族であるパパとママ……そして、仲間である星喰学派……あとは、クラージュ様ぐらいかな……?

    その程度が、私の手に収まる範囲で……国の幸福というものは、まったく考えたこともありませんでした。

    でも、うん……国と、同じ国に暮らす多くの人たち……その人々にも幸せであって欲しい、というのは、わりとしっくりくるというか……共感できますね……。

    (私の中に、【愛国心】が芽生えた!)

    今、この地下から外に出て、エーブリエタースに戻ったら……その街並みがこれまでとは違ったものに見えそうだ……♪

    『どうやら、悪くない形で着地できたようで何より』

    ええ。……ですが、私にとってあなたの思想が、もとから共感しやすいものだったからよかったものの……。

    もしも、まったく受け入れられないものだったらどうなっていたか、と考えたら、少しゾッとしますね。

    この、記憶や考え方をまるごと転写する魔法は、今後は気軽に使わない方がいいかも知れません。

    『私もそれは思った。やはり、魔法は奥が深い……900年研究を続けてもなお、こうして思いがけぬ問題が現れるのだから……』

    (私たちは双子のように、「ふぅ」とため息をついた)


    (……それから、私は魂の王の胞子が詰まった瓶を懐に入れて、ボートに戻った)

    (水路を遡り、縦穴を飛んで登り、外へ出る。宝探しの冒険は、こうして終わりを迎えた)

    『おお……900年ぶりの青空は美しいな……』

    よかったですね、王。

    ……さて、これから、私の住む街に戻ろうと思うのですが……まず何を見たいとか、リクエストはありますか?

    『ふーむ、何でも興味深いが……そうだな、まずは最優先で……』

    dice1d4=2 (2)

    1、一般人の生活の様子を見たい

    2、子孫である王族の様子を見たい

    3、あなたの仲間や友人の顔が見たい

    4、かわいい女の子が歌ったりダンスしたりするショーが見たいッ!!!

  • 19ぼっち24/07/16(火) 16:43:56

    『今の王族を見てみたい。私の血を継ぐ人たちが、どのように暮らしているのかを知りたい』

    ああ……そうでしたね。あなた様からすると、今の王族はご子孫にあたるのでしたね……。

    『エメラチェリー、あなたはバリウラ王国の国民だね? 今の王は、国民にとっていい王だろうか?』

    あえてあなた様に失礼な言い方をしますが、歴史書に残っている魂の王よりは、遥かに高く評価されているかと。

    『ふむ』

    一般人の多くは食うに困っておりませんし、国内の治安も平均的に良好で、技術の発展も順調です。

    外国との関係は……あー……ついこの間、危うくロス・サントスと戦争になりかけましたが……ギリギリで回避しました。

    『それはそれは。どうやら、今の王は私の想像より遥かに上手くやっているようだね』

    『私が父王から国を継いだときは、国民の思考はほぼ蛮族のそれだった』

    『手を取り合い平和を目指すという発想がそもそもなく、いかに他者を屈服させて奪い取るかが正義という世の中だった』

    ……………………。

    『私はそれが嫌でねえ……何とかして、穏やかな国を作りたいと試行錯誤していたものだが……今、それが実現しているのなら、私には喜びしかない』

    『900年という年月が、自然と人々の意識を変えたのか? それとも、私の子孫に優れた為政者がいて、その者の努力が実を結んだのか?』

    『そのどちらであるのかは、これから歴史書をゆっくりと読んで確かめたいが……まあ、まずは現代の王の顔を見てやらなければな』

    『問題は、どのような方法で見に行くかだが……今の時代の王族には、そんなに簡単に会えるものなのかね?』

    それは……。

    dice1d4=4 (4)

    1、ちょうど王家が揃って御幸なさる予定がありますので、それを遠くから眺めましょう

    2、あなた様の魂魔法をフルに使って、王城に侵入しましょう

    3、王城に侵入しましょう(魂の王の手助けなし)

    4、教会の私の部屋に帰ったら、時の王陛下への面会許可証が届いてた……((( ;゚Д゚)))

  • 20ぼっち24/07/17(水) 20:51:07

    んー……ごまかしてもしょうがないので言いますが、普通に考えて、王族に面会するというのは難しいですね。
    『やはりか』
    私が貴族とか宮廷魔術師ならいけるかもしれませんが、ただのシスターですからねぇ……会いたいと言って訪ねていっても、まず間違いなく門前払いでしょう。
    王族の方々は基本的に、王城の中に閉じこもって生活しておられるので、お出かけのときを狙ってお顔拝見、というのもなかなか、ね。
    ……最悪の場合、王城に不法侵入して、むりやりお目にかかるという手もありはしますが……。
    『王城の警備というのは、それほど甘くはあるまい。私のわがままのために、あなたを犯罪者にはしたくないな』
    その辺は、魂の王と呼ばれたあなたのスーパーな魔法力に期待すれば、いけそうな気もするんですがね……。
    まあ、あくまでそれは他に一切手立てがなく、かつ、あなたが子孫に会うのを諦められないというときのために取っておきましょう。
    とりあえず私が暮らしている教会の部屋に帰って、ゆっくり時間をかけて、穏便な方法を考えるのがいいかと思います。
    (そうして私は、しゃべるカビの入った瓶を持って教会に帰ったのだけど……)
    (なんか……私の部屋の前で、折り目正しい高級な黒服を着込んだ紳士が、直立不動で待機していた)
    使者( ^ω^)「お待ちしておりました。あなた様がエメラチェリー・ラダー様ですか?」
    えっ……あ、はい、そうですが、あなたは?
    使者( ´∀` )b「申し遅れました。私、陛下より勅使の役を賜っております、テガーミ・オトドケール伯爵と申します」
    使者( ・ω・)「このたび、陛下があなた様を王城にお招きするとのことで、招待状をお届けにあがりました」
    えっ。……え、えっ、ええええっ!?
    使者( ´ー`)「お気持ちはわかります。しかし、この招待は正式なものです。どうかお心を落ち着けて、王城の門を潜るにふさわしい準備をなさるとよろしいでしょう」
    (そう言って伯爵は、非常に美しい招待状を私に渡して、帰っていかれた)
    『ふーむ。奇妙なことになったな。渡りに船という言葉があるが、このような偶然というのはあるのかな?』
    『エメラチェリー、あなたは普通のシスターだと言っていたが、王は普通のシスターを個人的に城に招いて話をする趣味の持ち主なのか?』
    いや、いやいや……さすがにそんな話は聞いたことないですよ……。

  • 21ぼっち24/07/17(水) 21:21:06

    (私は困惑しながら、招待状を開いて内容を確認した)

    (そこに書かれていたのは、大雑把に要約すると以下の通りになる)


    ・エメラチェリーさんを王が夕食に個人的に招待するよ

    ・あまりかしこまる必要はないので、楽な格好で来ていいよ

    ・日にちは今日の日暮れ頃。都合は大丈夫かとか確認はしない。どうせ暇なのはわかってるぞ

    ・カビの入った水晶の小瓶を、忘れずに持参すること


    ……………………。

    (封蝋の印章も、招待状の末尾に記されているサインも、今代の王のものだ)

    (この招待状が偽物だったら、作った人間はそこそこ重めな罪に問われることになるだろう)

    (しかし、この招待状が本物か偽物かとかより、最優先で注目すべきは……)

    『水晶の小瓶についての言及があるな』

    『つまり王は、今日、あなたが、あの地下の墓所から、私を持ち出したことを把握していると見てよさそうだ』

    『今の王がどういう魔法を使うのかはわからないが、なかなか途方もない情報収集能力をお持ちのようだ』

    『国民として、王の招待を断るという選択肢はあり得ないが……応じるとしても、これはまったく油断できないね、エメラチェリー』

    ええ……まったく、何がどうしてこうなったのか……恐ろしいことです……。

    (しかし、私が恐れても、夕暮れ時は勝手に近付くのだ)

    (私はため息をついて、王城に向かう準備を始めた)

    (……楽な格好と言われたけど、具体的にどんな服で行こうか?)

    dice1d4=3 (3)

    1、シスター服

    2、アカデミアの制服

    3、さすがにね……フォーマルなドレスで……

    4、何があるかわかんないし、コートの中にありったけの武器弾薬を仕込んでいくぜ……!

  • 22ぼっち24/07/18(木) 23:32:39

    えーと、楽な服装って書いてあるし、シャツとジーンズで……なんて、できるわけないよねぇっ……!
    ここは、フツーにフォーマルなワンピースドレスを着ていくぞ……。
    あまり飾りのないシンプルなデザイン……色は、落ち着いたライトグレーで……もちろん、ブランドもののいいやつを選ぶ……!
    バッグは黒い牛革の、小ぶりなものを……白いリボンがワンポイント……地味な中に、慎ましくも存在を主張する華やかさを演出する……。
    靴は……前に作った、エルダーグボたんのハイヒールでいいかな……。
    とりあえず……これで、王家を軽んじている無礼者とか、センスのない田舎者という評価は受けずに済むはずだ……。
    最後にメイクをしっかり作って……髪型もととのえて、と……。
    『ふむ。意外に化けるものだね』
    けっこう楽しいんですよ、こういうの。
    おしとやかな方向に行くのも、派手な方向に行くのも違った味わいがあります。
    ……よし、準備完了。
    では、行きましょうか……時の王にご挨拶に……!
    (私は魂の王が入った小瓶をバッグに詰め込み、王城へと向かった)

    門番( ^ω^)「はい、確かに正式な招待状ですね。どうぞお入りください」
    執事長( ´∀`)「陛下のおわします離宮にご案内します。どうぞこちらへ」
    側用人( ・ω・)「本人確認よーし。この控え室でしばしお待ちくだされ」
    近衛兵長( ノ^ω^)ノ「危険物を持ち込んでいないか確認させていただきます。あ、水晶の小瓶だけはスルーするよう命じられております」
    ……さ、さすがは王城……バリウラ王家……!
    招待状があっても、謁見までにこんなに手間暇かかるものだとは……!
    宰相(*´ω`*)「大変お待たせしました。こちらの正餐室で王がお会いになられます。くれぐれも失礼のないように」
    は、はい……。
    (大きな扉が開く)
    (今代の王が待つ場所へ、私は足を踏み入れた)

  • 23ぼっち24/07/18(木) 23:53:21

    (銀の燭台に立てられた蝋燭に、オレンジ色の炎が揺れる)

    (縦に長い立派なテーブルを挟んだ向こう側に、彼は立っていた)

    (肩幅が広く、胸板の厚い堂々としたお姿)

    (金モールのついた短いジャケットを羽織り、小さな臙脂色の帽子を頭に乗せている)

    (一見すると、際立ったところもないごく普通の紳士のようだが、彼こそがそうなのだ)

    (彼こそが、我らバリウラの民を支配する神の写し身)

    (時の王、として知られるお方だ)

    (私は息を飲み、その場に片膝をついた)

    ……お初に、お目にかかります。

    エメラチェリー・ラダー……陛下のご招待に預かりまして、参上いたしました。

    王「うむ」

    (ゆったりとうなずく陛下)

    (その表情から読み取れる感情は……)

    喜び:dice1d100=88 (88)

    怒り:dice1d100=71 (71)

    哀しみ:dice1d100=7 (7)

    楽しみ:dice1d100=57 (57)

  • 24ぼっち24/07/19(金) 22:59:47

    王( ^ω^ )「…………」

    ……何だか……王様、とっても嬉しそう……。

    でも、気のせいかな……笑顔の裏側で、激しい感情が渦巻いているようにも感じる……。

    この人は、何を思っている……? いや、何を企んでいる……?

    王( =^ω^)「ミズ・ラダー、ようこそ。会えて嬉しい」

    王(* ゚∀゚)「だが、挨拶は軽めにしておこう。恐らく君は、予の目当てが君ではなく、君の所有する小瓶だということを理解しているはずだ」

    ええ……ああ、はい。そうだろうな、とは思っていました。

    陛下は私が、森の地下で小瓶を手に入れたことをご存じでしたね。

    王( ・∀・)「うむ」

    たまたま見かけた、とかではないのでしょう。私の身元も把握しておられたし、私のスケジュールもご存じでした。

    まるで、あらかじめご存じだったかのようです。小瓶を手に入れるのが私であり、それが今日だということを。

    だとすると……恐らく……いえ、当然……この瓶の中に入っているのが何かも、陛下は知っておられるのですね?

    王( -∀・)「もちろん、そうだ」

    王(*´∀`*)「我が先祖……魂の王と呼ばれた人の精神の残滓。魂魔法の極致たる記憶と意思を帯びた菌糸類が、その中におられるのだろう」

    『我が子孫は計り知れないな。どのような種類の魔法で、それを知った?』

    (バッグの中で、魂の王が声を発した)

    (私はバッグから瓶を取り出すと、時の王の前のテーブルに置いた)

    王(*σ>∀<)σ「初めまして、ご先祖様。私はあなたの子孫であり、時の王の名を戴く者です」

    『時の……ああ、そういうことか。どうやらお前は、根源からとてつもないルールを受け取ったようだな』

    王( ´∀`)「はい。私の魔法は私の人生の失望の原因ではありますが、道具としてはこの上なく便利ではあります」

    (あまり具体的なことをしゃべらず、お互いに通じ合う言葉だけで語り合うふたりの王)

    (でも、魂の王が何を理解したのか、何となく想像はつく)

    あの……質問をお許しください、陛下。

    つまり、あなたは今日より前に、私がこの魂の王を手に入れるという未来をご覧になったのですか?

  • 25ぼっち24/07/19(金) 23:28:40

    王( ´∀` )b「厳密には正解ではないが、その理解でも特に問題はないな」

    王d(*´∀`*)b「予の魔法……《歓迎と別離(コントロール)》は、時をやり直すことができる」

    王(∩´∀`)∩「いつからでも……何度でも」

    ……………………。

    王(*´ω`*)「私が君の地下の冒険と成果を知ったのは、それを君の口から聞く未来を一度経験したからだ」

    王(*つ▽`)っ「その未来を経験した結果、君が我が先祖を『収穫』してから、可能な限り早く会うのがベストだと判断した」

    王(*´σー`)「ゆえに予は時を遡り……あらかじめ招待状を用意し……君のスケジュールも調べさせた上で、今日、君を招いたというわけだ」

    ……本当に、とてつもない……私のごとき一般魔法使いからすると、まるでおとぎ話のようです。

    しかし、早く会った方がいいというのは、なぜ……?

    王(´・ω・`)「うむ、それはな……」

    dice1d4=2 (2)

    1、魂の王の知識で、君が国の魔法技術を発展させるから

    2、魂の王の知識で、君が国の魔法技術を発展させるから(悪い意味で)

    3、ほっといたら、魂の王に操られた君がとんでもない犯罪やらかすから

    4、ほっといたら、君が魂の王を利用してとんでもない犯罪やらかすから

  • 26ぼっち24/07/21(日) 21:33:23

    王( ・ω・)「君が発掘したその瓶に入っているのは、900年のブランクがあるとはいえ、7つの属性魔法のひとつを確立した偉大な魔法使いだ」

    王( ´д`)「その知識と見識は素晴らしいものだ。彼から知識を受け継いだ君は、今後20年をかけて、様々な新技術を世に発表していく」

    王( ・3・)「歴史書に名前が載るほどの名誉。大商人や貴族にも勝るほどの財産。億を越える人々からの信頼を、君は勝ち取るだろう」

    えっ、ええっ……? そ、そんなサクセスストーリーが……こ、この私に!?

    王(´・ω・)「そう、サクセスだ。だが……残念ながら……世は、君がその未来に至ることを防がねばならんのだよ」

    へっ?

    『ふむ。大物になったエメラチェリーが、国にとってよくないことをしでかすのだね?』

    えっ。

    王(´∀`;)「言いにくいことだが、その通りだ」

    『具体的にこの子は何をした? クーデターでも起こしたのか? それとも経済関係の大規模な犯罪かね?』

    王( ´Α`)「このバリウラの国民を、全員まとめて、不老不死に変えようとした」

    ……………………。

    王( ;`Д´)「魂魔法と鉄魔法の究極的な応用だ。恐ろしいまでに精密な大規模計算機を作り、その中に構築した理論上の都市に国民全員の魂を取り込む」

    王ヽ(´Д`ヽ)「実体を持たない、計算だけの世界。そこには飢えも病気もなく、時間経過もないので人は死ぬことがない。永遠のユートピアだ」

    王(ノ`Д´)ノ「予はこの国がそのようにコンパクトに収まることを許容する気にはなれなかった。お互いに譲り合うことはできず……予は、時のやり直しを決めた」

    王( ´ー`)「エメラチェリー・ラダー。予は今のうちに、君に求めたい」

    王∩(´∀`∩)「君がこれから、その瓶の中の男からどのような知識を得ようと、それを利用してこの国を鉄の小箱に閉じ込めることは企まないで欲しいと」

    ……………………。

    (私の返事は……)

    dice1d4=3 (3)

    1、陛下が嫌悪されるのは、国民が鉄の箱に入ることですか? それとも不老不死になることですか?

    2、わかりました。今の私には思い付きもしないことですが、それを試みないようにしましょう

    3、わかりました(でもその方法が実現するってんなら、全力で研究はします!)

    4、わ、わかり、ました……(このようなことを望む時の王は、この私が弑し奉らねばならぬ)

  • 27ぼっち24/07/22(月) 21:28:02

    なるほど……よくわかりました。

    正直なところ、まるで夢物語のようで……魂の王様の助けがあったとしても、私にそんな装置を発明できるとは思えないのですが……。

    陛下がそうお望みなら、私はその方法でもって人々に貢献しようと考えることを放棄しましょう。

    王( ・ω・)「予が求めておいて何だが、いいのだね?」

    王( ´ー`)「予が見てきた未来では、君はその発明を世に知らしめることに非常に積極的だった」

    王( ゚Д゚)「王国軍と3つの公爵家私兵団によって追い詰められて捕縛されるまで、国中を逃げ回り、数十万を越える人々を鉄の箱の中に導き続けた」

    王( ・∀・)「君はこの野望に人生をかける素質がある。それを始める前に放棄できると?」

    始まる前だからこそですね。一生夢中になるほど楽しい娯楽でも、体験する前に取り上げられたなら、残念とは思いませんよ。

    (私は何の感銘も受けなかったかのように、肩をすくめてみせる)

    (……もちろん、これはポーズだ)

    (私の心の中は、天国のオーケストラの演奏を聞いたかのように、喜び、昂り、火照り、震えていた)

    (私は、やろうと思えば、国民全員を連れて永遠のユートピアへ行けるのだと、未来を知る王に保証してもらえたのだ)

    (愛する国に貢献できる上に、長年の夢を叶えることができるのだ。これは……これは、本気で取り組まないという方が嘘だろう)

    (時の王がなぜこんな素晴らしいことを嫌がるのかわからないが、彼が阻止したいと言うのなら、私は彼に知られないようにことを進めよう)

    (あとで、魂の王と相談をしなければ。そのためには……彼の入った小瓶を、時の王に没収されないように気を配らないと……)

    王( ノ^ω^)ノ「さて、気の滅入る話はこれぐらいにしておこう」

    王( ´∀` )b「ディナーに招待した、という建前の通り、美味しい食事を用意させた。ぜひ味わっていってくれ」

    はい、ありがとうございます。喜んでいただきます。

    (食事中の話題は……?)

    dice1d4=2 (2)

    1、王「その魂の王を君はどうするつもりだね?」

    2、王「魂の王を、予に譲る気はあるかね?」

    3、時の王は、不死をお望みではないのですか?

    4、時の王は、私が魂の王と出会うことそのものを止めようとは思わなかったのですか?

  • 28ぼっち24/07/24(水) 01:41:05

    (高級レストランをさらに上回る格調高い雰囲気の中、料理が運ばれてくる)

    👨‍🍳「こちら、前菜の《ヴェールをまとったナッツ》でございます」

    (押し固められたクラッシュナッツが、向こう側が透けて見えるほど薄くスライスしたラディッシュで覆われている……不思議な料理だ)

    王( ´ー`)「ところで……君は、今日の今日まで、我がご先祖様とは会ったこともなかったのだろうね」

    (上品に料理を口にしながら、時の王が言う)

    王( ´∀`)「知り合いでもなんでもなく、しかも大昔の王の人格を宿した瓶……普通の学生でありシスターである君には、持て余すような存在だろう」

    王( ^ω^)「どうだろう、彼を私に譲る気はないか? 少なくとも、君には魂の王の世話を焼かなければならない義理はなにひとつないのではないかね?」

    (うっわ……私が魂の王を手放したくないと思った直後にこれか!)

    (まあ、確かに、こう……将来的に私と魂の王のコンビが、時の王の脅威となるのなら、一緒にしておきたくないというのは理解できる話だ)

    (でも、それは困る。私の望む永遠を取り上げられるわけにはいかない)

    ああ、陛下、確かに私と魂の王様は、出会ってまだ半日といったところです。

    しかし、その、話してみたところ、想像以上に気が合いまして……しかも私は、生きた人間に友達がとても少ないタイプなのです……。

    お気遣いはありがたいのですが、せっかくできた友人を遠ざけるというのは、非常に抵抗があるのです。

    どうか、お情けをいただけませんか。私を、友達のいない寂しい女に逆戻りさせないで欲しいのです。

    王(´・ω・)「ふむ……」

    王( ´д`)「そういう可能性は失念していたな。予もまだまだ迂闊であるようだ」

    王( ・ω・)「ご先祖様、彼女はこう言っているが、あなたはどうしたい?」

    (私は、テーブルの隅にちょこんと乗っている小瓶に鋭く視線を向ける)

    (言え……私と一緒にいたいって言え──ッ!)

    dice1d4=3 (3)

    1、ああ、私もエメラチェリーのことがとても気に入っているよ

    2、うーむ、まったく意識していなかったが、そうまで言われると悪い気はしないな

    3、彼女にはすでに私の(記憶の)すべてを捧げたからね。もはや一心同体だよ

    4、なーんか嫌な予感がするが、彼女を放っておくのも不味い気がする……

  • 29ぼっち24/07/25(木) 20:03:41

    『エメラチェリーには、すでに私のすべてを知ってもらっている。言うなれば、彼女は現世における私だ』

    王( ・ω・)「ふむ?」

    『当然、自分とは離れがたい。我が子孫よ、私とエメラチェリーを引き離すのは止してくれ。私はこの世にいる限り、彼女と共にあることを望むよ』

    (ん、んんん?)

    (魂の王を没収されなければそれでよかった私としては、彼の言いようにはちょっと面食らった)

    (思ったより、私を評価してくれている発言内容というか。好感度だいぶ高めではないですか?)

    王( ´ー`)「意外だな、ご先祖様。あなたをただ見つけただけの女性に、わずか半日でずいぶんと入れ込んでいるようだ」

    『この子は出会ってわずか5分で、私の生前のすべてと、それ以降の900年を受け入れてくれたよ。時の長さだけが問題なら、それは充分なものじゃないか?』

    王( ´∀`)「ふーむ、ふむ……なるほど。ミズ・ラダー。君はこれにずいぶんと気に入られたようだね」

    王( ´∀` )b「ことここに至っては、私もとやかく言うまい。魂の王の心と知恵を、君に預けよう。責任を持って世話をしたまえ」

    あ、ありがとうございます……。

    王( ノ^ω^)ノ「もちろん、国民を鉄の箱に導くのは禁止だ。それ以外で国に貢献する発明をすることは、むしろ推奨しよう。励みなさい」

    は、はいっ……ご期待に添えるよう、精進いたします……!

    (とりあえず、魂の王は……永遠へのチケットは、私の手から奪われずに済んだ。ひと安心だ)

    👨‍🍳「続いて、スープになります。《ビーツと枝豆の2色のポタージュ》でございます」

    (会話がひと段落したところで、スープの皿が運ばれてきた)

    (皿を右と左で半月状に分けるように注がれた、鮮やかな赤と緑が美しいトロリとしたスープだ)

    (滑らかな舌触りと、素材の甘味が素晴らしい。赤いビーツの方が爽やかで、枝豆の方は濃厚さが勝っている。飽きがこない旨さだ)

    (それをスプーンですくいながら考える。……さっきの魂の王の言葉、そこにこもっていた好意。どの程度が本音だったのだろう……?)

    dice1d4=3 (3)

    1、すべて本音。魂の王は腹芸ができない

    2、野望の協力者としてエメラチェリーを評価している

    3、まあお世辞だよ。エメラチェリーが好きとか嫌いではなく、時の王のところに行きたくなかったんだ

    4、再婚するならあなただと私はもう決めている

  • 30ぼっち24/07/26(金) 23:48:47

    (当たり前だけど、料理は実に美味しかった)
    👨‍🍳「こちらは本日の魚料理、《鰹のミィキュイ・すだちのソース》でございます」
    👨‍🍳「肉料理は《鹿肉のロースト・無花果、ぶどう、オリーブ》になります」
    👨‍🍳「デザートは《ブラックベリーのマカロン》をどうぞ」
    👨‍🍳「とどめにエスプレッソをくらえ」
    (うーん……どれもすごい)
    (普段、私が食べている食事より、7段ぐらいクオリティが違う。調理法とか、たとえばソースだけでも真似できないかな……)
    (とにかく満足な夕食だった。時の王との面会は緊張したが、この料理をご馳走してもらえたことで気分的には大幅に黒字である)
    ごちそうさまでした、陛下。堪能させていただきました……。
    王( ´∀`)「それはよかった。これからもたまに呼ぶので、食べに来なさい」
    えっ……え?
    王( ^ω^)「君には我がご先祖様を任せるのだ。うまくやっているか、時々顔を会わせて様子を確かめねばならないからね」
    ああ……それは……それは確かですね。かしこまりました……。
    (こうして。王城での晩餐会は終わった)
    (城からの帰り道……尾行などがないことを確認して、私はそっと小瓶に問いかけた)
    魂の王……時の王に言った言葉は、どれだけ本心だったのですか……?
    私、それほど、あなたの信頼を得たのでしょうか……? 私は単純に私の目的のために、あなたを手元に置いておきたかったのですが……。
    『ああ、それなら気にしなくていい。我が子孫に伝えたあなたへの評価は、はっきり言えばお世辞だよ』
    えっ。
    『あなたのことは基本的に好ましく感じてはいるが、会ってまだ半日だものね。さすがに本気で半身と思うほどの執着は持っていない』
    では、なぜあのようなことを……?
    『あなたが私を手元に置こうとしていたので、それに斟酌したのがひとつ。もうひとつは……あの子孫のところにいたくなかったからだ』
    (魂の王は、明確な拒絶の感情を出して私に言った)

  • 31ぼっち24/07/27(土) 00:06:25

    ……不思議なことをおっしゃいますね。

    私で半日ならば、時の王とあなたが会話したのは2時間にもなりませんよ?

    それで、そこまで明確に世話になりたくないと、そう思われたのですか?

    『論理性の欠片もないが、その通りだ。私はあの男と会話をしたとき、どうしようもなく直感に従いたくなったのだ』

    ……少し、考えを深めてみることはできますか?

    具体的に、時の王のどのようなところが気に入らなかったのか? あるいは、どこに危機感を覚えたのか?

    『ふむ……そうだな……』

    (以下、魂の王にとっての時の王気になった/気に入らなかったポイント)

    国民の永遠の命を阻止しようとしているところ:dice1d100=35 (35)

    過去に戻ってやり直せる魔法を使うところ:dice1d100=81 (81)

    私を手に入れて何をする気なのかまったく読み取れないところ:dice1d100=78 (78)

    世の中に何の希望も持っていないみたいなツラ:dice1d100=51 (51)

    私が食事できないのわかってて美味そうな料理を見せつけてくる無神経さ:dice1d100=43 (43)

  • 32ぼっち24/07/28(日) 01:16:12

    『まず、あの男の展望がわからない。何を望み、どういう風に国を導きたいのか……私を手に入れて、どのように使うのか、想像ができなかった』

    ふむ。確かにこう、つかみどころのないタイプの人に見えましたね……。

    しかし、一国の元首なのですから、信用を築くまでは本音をオープンにしないというのは仕方のないことなのでは?

    『まあ、それはそうだ。しかし、それ以上に受け入れられないところがある。彼が時を巻き戻す魔法を使えるという点だ』

    それは……評価点ではなく?

    失敗があっても過去に戻ってやり直せるというのは、すごいと思うのですが。

    『彼個人の価値観によるやり直しのために、無関係な人たちの成功ももろともになかったことにされるのだ、ということを考えてみるといい』

    『あなたもその犠牲になっているのだよ? 未来において、あなたは不老不死の技術を完成させた。それが、時の巻き戻しでなかったことにされたのだ』

    ……あ、あ、ああっ!?

    そうだ……時の王の話を「私は将来不死になれるんだ」って喜びながら聞いていたけど……本来なら、それはすでに達成されていたことなんだ……。

    ゆ、許せない、生かしておけない……私が夢をつかんだのをなかったことにするなんて……あの人は、わ、私の敵だ……!

    『そういうことだ。彼のやり方は、国民全員の幸福を願う私とは相容れない。少なくとも、そばにいて協力してやる気にはなれないね』

    だから、私のところにいてくれるのですね。……彼が言っていた、私の作り出す不老不死……国民を鉄の箱に入れるという手段については……?

    『国民がその中で幸福に生活していけるのなら、止める理由はない』

    『巻き戻された歴史でも、私はその発明に協力したのだろう。あなたがそれをやりたいと言うのなら、私は手を貸すとも』

    ありがとうございます、魂の王……。

    しかし、これから生活していく上で、ずっと瓶の中というのは不便ではないですか?

    あなたの今の本体がカビということは理解しているのですが……どうにかならないものでしょうか?

    『ふむ』

    dice1d4=2 (2)

    1、これから繁殖することで、やがてマスコット的な生き物になれる

    2、動物の死体にカビを埋め込むことで、その肉体を乗っ取ることができる

    3、人の死体にカビを埋め込むことで、その肉体を乗っ取ることができる

    4、あなたの体をたまにでいいので借りたい

  • 33ぼっち24/07/29(月) 02:09:07

    『──新鮮な動物の死体が欲しい。可能ならば、死後30分以内の新鮮なものが』

    ふむ? 何にお使いになるのですか?

    まさか食用ではありますまい……ええと……古代の魂魔法の、生け贄を用いる儀式とか……?

    『そういうものではないよ。……いや、間違ってもいないかな』

    『今の私はカビだ。栄養豊富な培地に定着することができれば、一気に増殖することができる』

    『そして、その培地が生物の神経であれば……そこに深く染み渡ることで、筋肉や内臓を操作することができるようになる……』

    『つまり、生物の肉体の乗っ取りが可能なのだよ』

    へぇー……そんなことができるのですか!

    ……も、もしかしてですが……人間の体でも乗っ取れるのでは?

    『偽りなく明かすなら、可能だ。しかし、国民全体の利益のためならともかく、私個人のために人間の死体を求めることはできない』

    『エメラチェリー、何か適当な……人間社会でペットとして自然に見られる動物を手に入れてきてくれ。私はそれの肉体をもらい受け、新たな生を得る』

    となると……私が動物になったあなたの飼い主になるということですか?

    なんというか……複雑な気分ですが……まあ、瓶の中にずっと閉じこもっておられるよりは、いいのかなぁ……?

    かしこまりました。それっぽい動物を仕入れてきましょう。

    ……何がいいかな……リクエストはありますか?

    『何でもいいよ。健康で、行動能力の高い生き物であれば』

    何でもいいは1番困るんですよ! ええい、何のガワをかぶることになっても、文句言わないでくださいよ?

    (そして私は、魂の王の新たな肉体を探し始めた)

    (市場で家畜を買ってもいいし、森で野生動物を捕まえてもいい……)

    (値段、見た目、捕獲難易度、世話がしやすいか否か……いろいろ考慮すべきポイントはある。さて、どうするか)

    (最終的に、私が選んだ生き物は……)

    dice1d22=19 (19)

    1、犬 2、猫 3、ウサギ 4、亀 5、ヘビ

    6、カラス 7、ブタ 8、カピバラ 9、カメレオン

    10、ハムスター 11、クマ 12、タヌキ 13、キツネ

    14、ペンギン 15、オオカミ 16、カモノハシ 17、サル

    18、ウマ 19、ウシ 20、アザラシ 21、アリクイ

    22、コアラ

  • 34ぼっち24/07/30(火) 21:17:19

    🐮「ンモーゥ」

    『……エメラチェリー、これは』

    ……ちょ、ちょうど、家畜市場で売っていたので……。

    とても健康で、脚力もそうとうある生き物ですよ……?

    『うん、そうだね、拳闘士が真正面からぶん殴ってもびくともしなさそうな丈夫さと安定感がある』

    『でも、私は人間界で自然に行動できる生き物をとリクエストしたんだぞ……? コレ、そこら辺に普通に歩いていたりするかね……?』

    わ、私の暮らす教会内なら問題ナシです!

    うちではチーズやバターを作るために、ミルクを取る用の牛を何頭も飼っているので。そこに紛れ込んでいただければ……!

    『死後900年を隔てたのちに、牛になって家畜小屋で暮らすことになるとは、思いもしなかったよ……』

    『でも、これもまた運命なのだろう。エメラチェリー、その牛の鼻に私のカビを押し込んでくれ。それで肉体を乗っ取れるはずだ』

    かしこまりました。では、失礼して……。

    (青灰色のカビを小瓶から取り出し、綿棒の先にまとわせて、牛の鼻に挿入する)

    🐮「ブモッ、ウモモモ~ッ……オブッ、ブググッ」

    🐮『……よし、成功だ。無事にこの牛の脳内に入ることができたぞ』

    おおっ……牛が急に、魂の王様の声で流暢に話し始めた……変な感じ……!

    🐮『やはり肉体があるというのはいいな。目でものを見て、足で地面を踏みしめて、空気を吸い込むということに、とても強く生を実感できる』

    🐮『どうなるかはわからないが、しばらくはこの体で生きてみることにしよう』

    お気に召していただけたなら幸いです、王。

    🐮『うむ。……だが、牛相手に「魂の王」と呼びかけるのはあまりよくないな』

    🐮『私は牛として生きるのだ。牛としての新しい名前が必要だろう』

    🐮『他の牛たちの名前との統一性も考慮して、自然な名前を考えてくれ』

    えっ……あ、あなたの新しい名前を……?

    うーん、ううん……じゃあ、そうですね……。

    dice1d4=1 (1)

    1、アルファベットdice1d26=23 (23)  から始まる、人間っぽい名前を

    2、アルファベットdice1d26=8 (8)  から始まる、自然を連想する名前を

    3、魂や心、あるいは生命から連想する名前を

    4、この教会の家畜たちはろくな名前をつけてもらってない

  • 35ぼっち24/07/31(水) 23:36:25

    うーん……どんな名前がいいかなぁ……。

    むっ、王様……あなたの体は白黒のぶち模様ですが、額にWを思わせる印象的な形がありますね。

    このWが頭文字になる名前をつければ、非常にわかりやすいでしょう。

    ……よし、決めました。今日からあなたは【ワンダ(Wanda)】です。

    牛のワンダとして、そして私の発明研究のアドバイザーとして、この教会でともに暮らしてください。

    🐮『ワンダか。ふむ、いい名前だ。これからはその名で呼ばれることにしよう』

    🐮『ときに、エメラチェリー。ワンダとしてあなたに尋ねたいのだが』

    はい、何でしょう?

    🐮『あなたの最終目標は、鉄の箱を用いたバリウラ国民全員の不老不死と考えていいのだろうね?』

    ええ。でも、必ずしも鉄の箱でなくても構いません。

    私個人が永遠の幸福を手に入れた上で、同じ国に住む仲間たちにそれをおすそわけしたいのです。手段は問題ではありません。

    🐮『うむ。私も、国民の幸福のために貢献したい。しかしその場合、まず間違いなく我が子孫……時の王が行く手に立ち塞がって来るだろう』

    🐮『しかも彼は、自分の望み通りに世界が推移しなかった場合、過去に戻ってやり直せるという反則のような魔法を持っている』

    🐮『あなたがどんな方法で不老不死を手に入れたとしても、彼の機嫌を損ねた瞬間にそれをなかったことにされてしまう』

    🐮『この問題をまず、どうにかしておくべきだと思うのだ』

    ええ……確かに、その通りです。明確な問題を処理せずに研究を完成させても、それは砂上の楼閣でしかない。まずは地盤を固めないといけません。

    説得……は、まず無理でしょうね。世論を味方に……しても、支持が集まる前に戻られたら意味がない……。

    それ以外の方法で……時の王に、私と国民の幸福が邪魔されないようにしておかなくては……。

    (その手段は……今、思いつく限りでは……)

    dice1d4=3 (3)

    1、既に言った通り、時の王は生かしておけない

    2、時の王に、最初の無限の住人になっていただく

    3、私個人が永遠を手に入れた上で、時の王の崩御を待つ

    4、魂の魔法で、時の王をマインドコントロールだ!!!

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:29:44

    dice1d7=1 (1)

    dice1d100=83 (83)

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:30:19

    dice10d20=1 13 17 1 18 9 13 5 10 12 (99)

    dice1d8=7 (7)

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 06:31:19

    dice1d6=3 (3)

  • 39ぼっち24/08/02(金) 01:45:31

    時の王は取り除かねばなりませんが、実際どうすればそれが可能なのか、私にはわかりません。

    実力差があり過ぎるというのもありますし、時間逆行魔法の発動キーが何かわからないのも恐ろしいです。

    たとえば、フツーに時の王を暗殺するとして……。

    呪文を唱える暇も与えず、彼を即死させたとしても……彼の不慮の死そのものが魔法の発動条件だったりしたら、目もあてられません。

    私には、あの王様を殺す自信はありませんし……それを試みることで発生するデメリットを、許容する気にもなれないのです……。

    🐮『つまり、やつを殺すのを諦めるのかね?』

    はい。その代わり、彼が力尽きるのを待ちます。

    時の王も人です。途方もない力を持っていようと、不老不死を否定する……自然主義的な生命倫理の持ち主に過ぎません。

    彼がどれだけ過去をやり直せようと、最終的には必ず、人として死を受け入れる選択をすることでしょう。

    そのときが来るまで、生き続ければ私たちの勝ちです。

    不老不死を手に入れ、それを誰にも明かさずにおとなしく過ごし、時の王の寿命を待ちます……。

    彼が亡くなれば、私たちが自由に何でもできる時代が到来します。国民全員に不老不死をばらまいても、止める者は誰もいません。

    ただひたすら、待つだけでいい。これ以上なく安全で確実な、究極の暗殺方法と言えるでしょう?

    🐮『ふむ、なるほど。不老不死を求める者ならではの考え方だね』

    🐮『長い時を生きることに慣れた私も、その暗殺計画に付き合うことはできるだろう。よろしい、不老不死を研究しつつ、現王陛下の崩御を待つとしようか』

    はい。よろしくお願いします。

    私たちの研究は……牛小屋でやるのが一番いいでしょうね。私が牛の世話係になれば、自然とその場所に長時間入り浸ることができます。

    🐮『うむ、それでいこう。怪しまれないように充分気をつけて、少しずつ研究を進めようじゃないか』

    ええ、それはもちろんです……。

    (うなずく私。……実際、周囲には怪しまれずに済んだかな?)

    dice1d4=2 (2)

    1、丁寧に牛の世話をする動物好きのいい子だと高く評価される

    2、牛によく小声で話しかけてるところを見られて心配される

    3、王城に招かれて行ったことで、私が実は高位貴族なんじゃないかという噂が立つ

    4、王からの手紙で城に呼び出されて行ったことで、私が実は時の王の愛人ではないかという噂が立つ

  • 40ぼっち24/08/03(土) 01:54:42

    (こうして、朝晩と牛小屋に通って、ワンダと話をするのが私の習慣になった)

    不老不死を実現するために、まずは魂がどういうものかを突き詰めていきたいのですが……。

    🐮『うん、私の記憶の20代前半あたりを参照してほしいのだが、魂とはつまりこういうもので……』

    肉体と魂をつなぎ合わせている生命とは何なのか……死して肉体を離れた魂はどうなるのか……。

    🐮『そのへんは私も証明できていないが、有力な予想としては……』

    (こうして、白熱した議論を毎日続けていたところ……)

    神父(;´∀`)「シスター・エメラチェリー、何か悩んでいることはないかね? 私でよければ相談に乗るよ」

    シスター( ;^ω^)「私たち、友達だからね? あなたはひとりじゃないから、思い悩みすぎないでね?」

    クラージュ様「美味いクッキーを買ってきたんだ。少し休んで、一緒に食べないか?」

    ……何だろう……最近、妙にみんなが私を気遣ってくれているような……?

    優しくされるのは嬉しいけど、みんなどこか心配そうにしてて、その理由がわからなくて不安になるな……。

    🐮『こないだ、牛小屋のそばでシスターたちが話をしていたから、聞き耳を立ててみたのだがね』

    🐮『エメラチェリー、あなたは私と話しているところを誰かに見られたようだよ』

    えっ。

    🐮『牛相手にずーっとブツブツ話しかけてるのは、そりゃ奇妙だよね。何か、こう、嫌なことがあって、心が病んでいるのではないかと疑われているようだ』

    う、う、う、うわーん! そんなんじゃないのに、釈明できない! すごい困るやつ!

    🐮『うん、まあ、我々はちょっと不注意だったな』

    🐮『ほとぼりを冷ますために、牛の世話の仕事を別の人に代わってもらって、いっとき私から離れるといい。たまには休日を設けた方が、研究もはかどるよ?』

    うーん……そ、そうでしょうか……でも、誤解は解いた方がいいですよね……わかりました、そうします。

    ……しかし、研究を休むとして……何しようかな……。

    dice1d4=2 (2)

    1、たまにはひとりで過ごしたい日もあるさ

    2、クラージュ様とデートに行こう

    3、フリーラックス先生に、あの書物は何だったのかと問いつめに行こう

    4、そういえば、メスガキ先生が大の魂の王ファンだったな……

  • 41ぼっち24/08/03(土) 22:55:45

    よし……気分転換にお出掛けしてこよう……! クラージュ様でも誘って……!

    🐮『クラージュ? ああ、あなたと懇意にしている聖堂騎士の少女だったね』

    ええ! たぶん、教会に来てからは一番仲良くさせていただいてますね。

    🐮(なんかすごいワクワク感が顔に出てるな。よほどその聖堂騎士と気が合うらしい……まるでデートに行く前の生娘みたいじゃないか)

    🐮『うん、いいと思うよ。楽しんでおいで』

    ありがとうございます、ワンダ。このエメラチェリー・ラダー、のんびりゆったり遊びに出掛けてきますッ……!

    ──と、いうわけで、どこかに遊びに行きませんか、クラージュ様!

    ク「おっと、今日はずいぶん元気に見えるね。疲れているという噂を聞いて心配してたけど、杞憂だったかな?」

    ク「でも、具合が悪いよりはずっといい。喜んでご一緒させてもらうよ」

    わーい♪ では、どこに行きましょうか?

    ク「まずはそこから、じっくり話し合った方がよさそうだね。近場でブラブラするか、遠くに足を伸ばすか……」

    行き場所を決めた上で、その場所の何を楽しむかを考えるわけですね。順番としては適当でございます。

    ク「そういうこと。……私のおすすめは……」

    ふむふむ。そういえばこの前、その場所で~~が人気があると小耳に挟みましたね……。

    (ふたりで膝を突き合わせて、行き先を相談する)

    (その結果、決まったデートプランは……)

    距離:dice1d100=44 (44)  (100ほど遠くに行く、1ほど近場)

    楽しむ内容:dice1d4=3 (3)  (1、ショッピング 2、グルメ 3、アクティビティ 4、お風呂)

    雰囲気:dice1d100=97 (97)  (100ほど高級、上品に。1ほど安く、庶民的に)

  • 42ぼっち24/08/05(月) 22:10:44

    (やっぱりクラージュ様と楽しむなら、体を動かせる遊びをしたい)

    (それも、自分ひとりじゃまずやらないようなことを)

    ……そういえば、郊外に新しい遊戯施設ができたと聞きましたね……。

    ク「ふぅん? 私は知らないが……どういうところなんだい?」

    お貴族様向けの、dice1d4=4 (4)  (1、ゴルフ 2、乗馬 3、狩猟 4、テニス)場だという話です。

    ク「えっ」

    利用料はそこそこかかりますが、大きなクラブハウスがあって、そこで休憩したり食事をしたりもできるそうですよ。

    道具もレンタルできるので、着の身着のままで行っても問題ないということです。

    そういうところで、ゆったりした気分でスポーツを楽しむのもいいのではないでしょうか。

    ク「あー……うん、貴族向け……ちょっとビックリしたけど……」

    ク「確かに、金を払えば普通に入れるんなら、私たちが利用していけないというわけではないよね」

    そうでしょうそうでしょう。

    (前にやった山での修行がけっこう過酷だったから、今回は整備された施設でまったりしたいのです)

    ク「よし、では決まりだ。そこで優雅に汗を流すとしよう」

    わぁい♪

  • 43ぼっち24/08/07(水) 00:09:47

    テニスッッッ!!

    それはネットを挟んで、お互いのコートに球を打ち込み合う戦闘的球技!!!

    貴族にとっては、ゴルフ、乗馬、狩猟に並ぶ高級なスポーツであり、これをたしなまぬ者は非文化的な野蛮人として蔑まれるという……。

    そんなスポーツで、いざ! クラージュ様、私と対戦していただけませんか!?

    ク「ちょっとテンションがおかしいから、落ち着こう。エメラチェリー」

    おっと、これは失礼。

    このテニスクラブが、思った以上に豪華でおしゃれで、ちょっとテンションが上がってしまいました。

    (ちょっとしたお城のようなクラブハウス。よく整備されたテニスコート。周囲はよく刈り込まれた木々に囲まれ、少し離れたところに美しい湖も見える)

    (さすがは貴族御用達の施設だ。たまにこういうところでまとまった休みを過ごせば、心に大きな余裕ができるだろう)

    あと、クラージュ様のテニスウェア姿がとても美しいです。

    普段は騎士様としてマニッシュなファッションを好んでおられるようですが、ミニスカートもとても似合うじゃないですか。

    ク「く、あ、あまりそういうのを言わないで欲しいな……! テニスをやるにはこっちの方が動きやすいからって、あなたが言うから……」

    ふふふ。動きやすくて似合ってもいるのですから、何ひとつ問題はありません。

    どっちにしろ、試合が始まれば気にならなくなりますよ。クラージュ様はわりと負けず嫌いですから、戦いには本気になるでしょう。

    私ももちろん、全力でぶつからせていただきます。せっかく遊びに来たんですから、ガチでやらないなんてつまらないことはしませんよね?

    ク「む。それは言うまでもないことだ。全試合、勝つつもりでやらせてもらうよ」

    (そうして、コートの中でネットを挟んで向かい合う私たち)

    (……お互いの実力は……)

    〓〓私〓〓

    体力:22(固定)

    技術:dice1d100=19 (19)

    反射神経:dice1d100=76 (76)

    テニスの知識:dice1d100=67 (67)


    〓〓クラージュ様〓〓

    体力:dice1d100=1 (1)  +50(現役の聖堂騎士補正)

    技術:dice1d100=94 (94)

    反射神経:dice1d100=40 (40)

    テニスの知識:dice1d100=9 (9)

  • 44ぼっち24/08/08(木) 23:18:50

    【私……総合テニス力:184】

    【クラージュ様……総合テニス力:194】

    (薪を斧で割るような軽快な音を立てながら、黄色いボールがコートをあっちからこっちへ、こっちからあっちへと跳ねる)

    (私とクラージュ様の試合は、ほぼ一進一退だった)

    ク「むっ……今のショットに追いつくのか……素晴らしい反射神経だね、エメラチェリー……!」

    クラージュ様こそ……テニスが初めてというのは本当ですか? プロ顔負けのテクニックではないですか……!

    (私は息を切らしながら、それでもボールを高く投げ上げ、サーブを相手コートに打ち込む)

    (こちらの武器は、テニスの定石をある程度知っていることと、強い集中による反応の速さだ)

    (体力には自信がないので、先読みで負担少なめに相手の球を拾いに行く戦術だった)

    (クラージュ様は、こういっては何だけど、聖堂騎士としては体格が小柄で細いので、体力はそれほどではない)

    (さらにテニスも全然知らないというので、彼女の打つ方向さえ読めれば、こちらが優位を取れると思っていたのだが……)

    うわああっ! い、今のは超絶技巧、ハドー・ショット!? それも、難易度の高い、第108番の型!

    クラージュ様、正直におっしゃって! テニス初心者って嘘でしょ!? 知らない人が打てる球じゃないですよ今の!

    ク「い、いやいや、ホントにやったことないんだって! 今のショットは、剣のスイングを参考にして打っただけで……!」

    (このように、クラージュ様のとんでもないショットに何度も翻弄されてしまった)

    (私も必死で返したが、最終的には僅差でクラージュ様の勝ちとなった)

    ぜー、はー、ぜー、はー……な、な、ナイスゲームでした、クラージュ様……。

    ク「あ、ああ、エメラチェリーも見事だった……すごい走ってたね、あなた……」

    (負けたのはまあ、いいとして……私、体力を使い果たしたので、もうフラッフラです……)

    ク「少し疲れたし、木陰で休もうか?」

    さ、賛成です……。

    (クラージュ様の肩を借りながら、大きな木の下に移動して休む)

    (そよ風が、火照った肌に心地よい。穏やかな時間……)

    (だけど……何か起きたり、する?)

    dice1d100=67 (67)

    (1~50ならいいこと。51~100なら悪いこと発生)

    (数字が大きいほどより良い/悪いことが起きる)

  • 45ぼっち24/08/10(土) 00:03:59

    ?「おーほっほっほ! 見ましたわ、見させていただきましたわ今の試合! なんとまあブザマなラリーでしたこと!」
    むっ!? いきなり高飛車な感じの声!
    (顔を上げてみると、金髪をあまりにも見事に縦ロールにしている絵に描いたようなご令嬢が私たちを見ていた)
    ク「人が楽しくゲームをして休んでいるときに、ずいぶんなご挨拶だね。……名前は言えるか?」
    ?「フッ。下々の者相手とはいえ、誰何されたならば答えなくてはなりませんわね」
    レイチェル「わたくしはバリウラ王国に名高きマッコルガン伯爵ジャスパーの娘、レイチェル!」
    レ「敬意を込めて、薔薇のごときレイチェル様とお呼びになってもかまいませんのよ?」
    (うわぁ。何だか濃い人が来ちゃったぞ)
    (クラージュ様も、ムカつけばいいのか、困惑すればいいのかわからないみたいな、ビミョーな表情を浮かべておられる)
    ク「その薔薇のご令嬢が、私たちに何の用だい? まさか貴族に名を連ねる者が、初心者のつたないテニスを笑いに来ただけ、というわけではないだろう」
    レ「半分正解で、半分は違ってますわね。わたくしは忠告をしに来ましたの。……よろしくて? ここは貴族御用達のテニスクラブですのよ」
    レ「ゲームにも当然、その場にふさわしい気品というものが求められます。それなのに下賤な素人がドタバタと、犬のじゃれあいのようなテニスをしていては……」
    レ「そう、あなたたちのレベルではこのクラブのコートはふさわしくありません! 存在そのものが同じ場所を使う貴族たちのエレガンスを貶めているのですわ!」
    レ「早々に立ち去り、その辺の公園で雑な球打ちに興じていなさい。社会的地位で住み分けをするというのは大切なことなのですよ?」
    むむむ! ずいぶんと……好き勝手言ってくれるじゃないですか……!
    ク「まったくだよ。そんな風に言われて、すごすご立ち去るやつがこのバリウラのどこにいると言うんだ?」
    ク「ミズ・レイチェル、我々はあんたに勝負を申し込むぞ。下賤な我々が勝ってしまうようなら、あんたの方にこのコートを立ち去ってもらおう!」
    レ「ほう? 野良犬らしく噛みついてきましたわね。結構! この蝶のように優雅なわたくしが、身の程をわからせて差し上げますわ!」
    (私たちとこの貴族令嬢の間で視線がぶつかり合い、バチバチと火花を散らす……!)

  • 46ぼっち24/08/10(土) 00:07:41

    ……で、勝負のルールは?

    レ「そんなの、もちろん決まっておりますわ」

    dice1d4=3 (3)

    1、シングルス。dice1d2=2 (2)  (1、私 2、クラージュ様)が出る

    2、ダブルス

    3、魔法テニス

    4、乗馬テニス

  • 47ぼっち24/08/10(土) 23:40:08

    レ「魔法テニスで勝負いたしましょう!」

    ま……魔法テニス……?

    (聞きなれないワードが出てきたぞ……)

    ク「どういう競技だい、それは?」

    レ「まあ、ご存じないの!? 貴族の間で大ブームを巻き起こしているセンセーショナルなスポーツなのに……無知は罪ですわよ!?」

    レ「せっかくだから説明しますけど……ルール的には、普通のテニスと変わりありませんわ。ただ、試合中に魔法を使い放題という点が一線を画しますの!」

    えっ。

    レ「ボールを魔法でコントロールしたり、対戦相手を攻撃したり、どのように用いてもいいのです」

    レ「テニスのルールで得点するか、その前に魔法攻撃で相手を再起不能に追い込むことができれば勝利となりますわ。簡単でしょう?」

    え……えええ……。

    貴族の高貴なゲームのはずなのに……殺意がすごい……すごくない……?

    ク「ちょっと待て。私、魔法使いじゃないんだけど」

    レ「あら、そうでしたの? 貴族は魔法なんて使えて当然でしたので、考えが及びませんでしたわ。ごめんあそばせ!」

    レ「ならば、そちらはおふたりで、わたくしはソロで勝負をしてもかまいませんわよ?」

    むっ? ダブルス対、シングルスでやると?

    レ「ええ、そういうことです! そもそも、魔法テニスは1対多の戦闘を想定したスポーツ! そのくらいの数の差は容易に対応できますわ」

    それは……うん、それなら、私もクラージュ様も、どちらも参加できて、いいかも……。

    ク「ああ。でも、だからこそ、逆に油断できなくなったぞ。そんな条件で戦うと言うんだから、よほどの自信があるってことだ……」

    レ「ええ、ええ、ええ! まさにその通り! 薔薇のように可憐で、蜂のように危険なのがこのわたくし! その矮小な身でめいっぱい恐れるがいいわ!」

    (偉そうにふんぞり返るレイチェルさん)

    (ちなみに、彼女のスペックは……)

    素のテニス力:dice1d120=60 (60)  (最低保証60)

    ドング許容量:dice10d20=10 1 6 15 2 8 11 1 19 18 (91)

    魔法属性:dice1d7=7 (7)  (闇、地、時、魂、熱、鉄、血)

  • 48ぼっち24/08/13(火) 15:53:22

    レ「さあ、貴族のノブレス・オブリージュな打ち筋を見せて差し上げますわ!」
    (試合は、レイチェルさんのサーブから始まった)
    (確かにきれいなフォームで、きちんとした球が飛んできたけど……んん?)
    ク「──ていっ!」
    (まっすぐな軌道のサーブを、クラージュ様は楽々打ち返す)
    レ「やりますわね、ならば、こう!」
    (レイチェルさんは返ってきた球をさらに打ち返しながら、魔法のスペルを唱える)
    (その結果……こちらのコートに迫るテニスボールは……無数の赤い血飛沫をまとい、見えにくくなった!)
    レ「オーッホホホ! いかが!? これぞこのわたくしの……『彼岸花』のレイチェルの必殺技、レッドスパイダーリリー・ショット!」
    レ「血魔法によって見えにくくされた球は、どこに落ちるかわからない! この手段で、私は何人ものお友達を倒してきたのですわ!」
    レ「ここからはきっとワンサイドゲーム! さあ、違いがわかったなら、速やかに降参しなさい! そうすれば怪我はせずにすみま──」
    《拳銃(ショット)》。
    (ドン、ドンドンッ──と、私は鉄の銃弾をレイチェルさんの顔を狙って撃ち込んだ)
    レ「ギャーッ!? あ、ああああぶあぶっ!?」
    (必死に身を伏せながら避けるレイチェルさん。おお、意外と反射神経はいい……)
    (なお、血の目眩ましの魔法は、レイチェルさんが動揺してコントロールを失ったので、あっさりかき消えた)
    (丸見えになったボールをクラージュ様が打ち返し、こちらに得点!)
    レ「何しやがりますの!? ピストルを顔に向けて乱射とか、スポーツとして殺意が高過ぎというものですわよ!?」
    え……いや、だって……対戦相手を攻撃して、戦闘不可能にしても勝ちっていうから……。
    レ「限度がありますわよ!」
    (ううん、文句をつけられてしまった)
    レ「それにあなた、そんな魔法をバンバン撃ってたら、あっという間にドング切れになって……」
    …………? ああ……何となくわかった。つまり……あなたのドング量はそれくらい、ということ……。
    ク「あと、打ち筋から、素のテニスの腕がどれくらいかもわかったよ。1対1ならまだしも、エメラチェリーのサポートがあるなら、負ける気はしないな」
    レ「えっ? あっ……えっ?」
    (テニス力:最低保証値)
    (ドング量:格下)
    (2対1)
    (判定の必要なしで……こっちの勝ち……!)

  • 49ぼっち24/08/13(火) 16:09:48

    (15分後)

    レ「うわああああん! す、ストレート負けですわ~!!!」

    泣いちゃった!

    ク「ごめんねとは言わないよ。ひとえに2対1という不利なルールでOKしたあなたの迂闊さが悪いんだから」

    ええ、本当にそう……1対1だったら、どうなっていたかわからないですしね……。

    レ「むぅっ! その点は確かですわ! 1対1ならわたくしが勝っていたに決まっています! まだ真の順位付けはできていないということですわ!」

    うん、そうだね……。

    でも、それはそれとして、今回はあなたの負けだから……約束通り、コートを立ち去りなさい……。

    レ「う、う、ううううー……き、貴族に二言はありませんわ! 今回ばかりはわたくしが譲って差し上げます」

    レ「でも、必ずリベンジに来ますからね! 一般人にナメられて黙っていられる者は貴族と呼ばないということをご理解あそばせ! では!!!!」

    (金の縦ロールを翻して、レイチェルさんは立ち去っていかれた)

    ……なんか……思いもよらぬハプニングで、疲れましたね……。

    ク「そう? 私はなかなか楽しかったよ。あなたとの対戦もよかったが、ダブルスで組むのも悪くないな」

    (ラケットの前衛クラージュ様と、魔法の後衛私という組み合わせでの試合は、テニスではありません……と私は思ったが、まあ黙っておこう)

    ク「それより、休んでいたのにまた少し疲れたね。クラブハウスで、ドリンクでも飲もうか?」

    そうですね、賛成です。

    (そして、コートのそばのクラブハウスに、私たちは向かったのだ……)

    (そこで何か起きるかな?)

    dice1d4=2 (2)

    1、さすが貴族向け。コーヒーがとても美味しくて癒される……

    2、クラージュ様がごく自然にビールをご注文

    3、あ、このクラブハウス、大浴場もある!

    4、店員( ^ω^ )「すみません、こちらのお客様と相席よろしいですか」 レイチェル「あいるびーばっく」

  • 50ぼっち24/08/15(木) 18:38:29

    ウェイター( ^ω^ )「いらっしゃいませお嬢様がた。ご注文はお決まりでしょうか?」

    ク「とりあえずボック」

    ウェイター( ノ^ω^)ノ「あいよっ」🍺カンッ

    (クラージュ様が……特にためらいもなくビールをご注文になられた……)

    (大きなグラスにもこもこのきめ細やかな泡が乗った、美しいビールだ……)

    (とても涼しげで美味しそうだけど……それは大人の飲み物……!!)

    く、クラージュ様……酒精はいける口だったのですか?

    ク「ん? ああ、あなたの前では飲んだことなかったっけ。うん、わりと好きだよ」

    ク「美味しいし、元気も出るし……特に運動して体が熱くなったあとは、やっぱりこれだね!」

    さ、左様ですか……。

    (うーむ。憧れの人のオトナなところを見た気分)

    ク「あなたは何を頼む? 私と同じのにする?」

    い、いや、いやいやいやいや。

    ちょ、ちょっと待ってくださいね、メニュー見て決めますんで……!

    (正直な気持ちを言えば、クラージュ様とおそろいでビールを頼んで乾杯したくはある)

    (でも……さすがにソフトドリンクの方が無難だろう……)

    (私、学生で、かつシスターだぞ……真っ昼間から乾杯してアルコールぐびぐびしていい生き物かッ……!?)

    ウェイター( ^ω^ )「何になさいますか?」

    え、えーと……。

    (私の注文は……)

    dice1d11=11 (11)

    1、アイスコーヒー 2、アイスティー 3、オレンジジュース 4、コーラ

    5、ミルク 6、ジンジャーエール 7、アイスレモネード 8、炭酸水

    9、青汁 10、ええいやったらぁ、同じくビール! 11、テキーラをタンブラーで

  • 51二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 09:42:32

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  • 52ぼっち24/08/17(土) 21:56:57

    (いや! こういう普段とは違う環境にいるからこそ、私自身も新しいことにチャレンジしてみるべきなんじゃないか……!?)

    よし、決めました……この、テキーラってやつを大きめのタンブラーで!

    ク「!?」

    ウェイター(;゚Д゚)「!?!?」

    (清々しいぜ!)

    ク「う、ウェイターさん、確認したいんだけど……このテキーラというのは、お酒と同じ名前のソフトドリンクだったりするの?」

    ウェイター( ゚ε゚;)「い、いえ、普通によく知られているお酒でございます。サボテンから取った糖蜜を発酵させ、蒸留を繰り返した火酒です」

    ウェイター(;´゚д゚`)「しかも、うちは貴族様向けに上質なものを取り扱っているので……酒精は一般的なテキーラより、かなり強めですよ……」

    ク「うん、よくわかった! エメラチェリー、やめときなさい! それはタンブラーで飲む系のやつではない!」

    ウェイター(;・∀・)「飲むとしても、こう、何かと割ってカクテルにするのがいいかと……テキーラ・サンライズとかいかがです!?」

    いいや、止めてくれるなお二方!

    のどの焼けるような感覚が私を襲う危険は100も承知!

    しかし、新しいもの、未知のものを試したいという欲求はその恐怖を上回るのです!

    さあ、ウェイターさん、テキーラを! 並々と注いで、こちらに!

    ク「あ、ああああ……」

    ウェイター(;´_ゝ`)「……お、お待たせしました……テキーラのストレートでございます……」

    ク「マジで……マジで飲(や)るのかいエメラチェリー……何があなたを、そこまで駆り立てるんだ……?」

    フフフ私にもわかりません。神がダイスを振ったような、偶然の積み重ねなのかも。

    ともかく私の前にはすでにグラスがあります。クラージュ様、あなたもグラスをお持ちください。──乾杯!

    ク「か、乾杯」

    (そして、私は初めてテキーラを……お酒を飲んだ)

    (その結果……)

    私のお酒の強さ:dice1d100=89 (89)

    (相手がテキーラなので、95未満で泥酔する。数字が低いほど酔い方が酷い)

  • 53ぼっち24/08/19(月) 01:29:39

    (ぐびっ、ぐびっ、ぐびっ)

    ……あ、意外と美味しいかも。

    香りが爽やかで……舌にヒリヒリくる感じがクセになるな……。

    甘いジュースもいいけど、これはこれで……うん。

    ク「……………………」

    ウェイター( ; ゚Д゚)「……………………」

    (30分後)

    ……うぅ……グラスを干したら、ちょっと頭がフラフラしてきた……。

    これが、酔いってやつか……やっぱり、思いつきでお酒なんか飲むんじゃなかったかも……。

    もうちょっと大人になってから……酒精に対応できるぐらい、体が成長してから飲むべきだった……。

    クラージュ様……私は今回は失敗しましたが、貴重な学びを得ましたよ……。

    ク「蒸留酒をタンブラーで飲んで、酔い方がその程度って……」

    ウェイター(;^ω^)「無礼を承知で言わせていただきますと、お嬢様はかなりハイレベルな酒豪であらせられますよ」

    あー、心臓ドキドキする……ウェイターさん、お冷やくださいな……。

    ウェイター( -∀-)っ「あいよっ」🥤カンッ

    ク「あの量の蒸留酒の酒精って、どれくらいで抜けるものなんだろう……」

    ク「ともかく、エメラチェリー。酔いが冷めるまで、このまましばらく休んでいるといいよ」

    えー。

    ウェイター(;・ω・)「席は空いていますので、どうぞごゆっくり。いやマジで」

    (お店の人にさえそう勧められるのなら、ゆっくり休むしかないだろう)

    (しかし、お酒……目の前は回るけど、気分は案外悪くないな……)

    (これから量を調節しながら、たまに味わっていくのもいいかもしれない……)

    (──ちなみに、酔った私の傾向は?)

    dice1d6=3 (3)

    1、笑い上戸

    2、泣き上戸

    3、怒り上戸

    4、甘え上戸

    5、とにかく隠していることをぶちまける系

    6、非論理的な会話を垂れ流すマシーンとなる

  • 54ぼっち24/08/19(月) 23:36:43

    ク「ほら、エメラチェリー、姿勢を楽にして。お水をいっぱい飲んで……背中も撫でてあげようか?」

    うー……ありがとうございます……クラージュ様は優しいですね……。

    でも、世の中の大部分は私に優しくなぁい……いろいろ文句をつけたい……無理矢理にでも是正して、私に都合よくしたいぃ……。

    ク「目が据わってきたね? あなたって、酔うとこんな感じなのか」

    今の私は夢見心地なので、ふだん言わないことを遠慮なくぶちまけたりできそうです。

    言ってもいいですか、クラージュ様?

    ク「いくらでもどうぞ。今、ここには私とあなたしかいないよ」

    では……世の中、無駄な危険と圧力が多すぎる気がするんですよ……。

    魔物だけならまだいいけど……盗賊とか殺人鬼とかテロリストとかにやたらエンカウントするの絶対おかしい……神は運命の調整を確実に間違えておられる……。

    先生はことあるごとに無茶振りしてくるし……王様はこっちが上手くやったらちゃぶ台返してくるタイプだし……安全……安全はどこ……?

    ああ……どちくしょう……この世はこんなに美しいのに……私を脅かすアホどもばかりが寄ってくる……。

    こういうものを全部まとめてへち殺しつつ、永遠の命をゲットして、無限の時を安心して生き続けたい……。

    クラージュ様、私、そんなに贅沢言ってませんよね……? なぜこれだけのことがなかなか叶わない……?

    ク「うん、まあ、贅沢とは言わないけど、実現は限りなく難しいのも確かだろうなぁ」

    ク「酔いで気が大きくなっているのか……話半分に聞くとして、エメラチェリーは平和に長生きしたいんだね。いい夢じゃないか」

    うー……頭の中で、とりとめのない怒りがシチューみたいに煮えたぎってるけど……クラージュ様に撫でてもらってると、激情が爆発しないぃ……。

    今の私、とてつもなく赤ちゃんになってる……どうかと思うけど、心地よさを否定できない~……。

    (激しい怒りをクラージュ様のバブみで和らげてもらいながら、酔いをさましていく私)

    (最終的に……)

    dice1d4=3 (3)

    1、何とか夕方までには素面に戻れたよ

    2、暗くなったので、クラブのゲストハウスにお泊まりするよ

    3、酔いがさめたと思って帰路につくのだが、やっぱりまだ酔ってて道を間違えてしまった

    4、……だいぶ酔いがさめてきたけど、これ酔ってるふりをしたままクラージュ様に甘え続けるのも悪くないな?

  • 55ぼっち24/08/21(水) 22:06:10

    ふーっ……体がポカポカしてるだけという程度には、酔いがさめてきた~……。

    クラージュ様、どうもご迷惑をおかけしました……。

    ク「いや、全然そんなことはなかったよ。……いや、ホントに、あの量を飲んだにしてはずいぶん軽い酔い方だったことに驚いている……」

    ううーん、確かにお酒初挑戦で蒸留酒はやりすぎでした。次の機会があったら、クラージュ様と同じビールにしておきます。

    ク「それがいいだろうね。ビールならあなたも気持ちよく酔えるだろう」

    ク「……ところで、帰り道ってこれで合ってるの?」

    ク「来たときに見た景色とは、ちょっと違っているように感じるのだけど」

    ……えー……?

    ……………………。

    ク「エメラチェリー、もしや」

    はい。……どこぞで、道を誤ったようです。

    私も見覚えのないところに立ち尽くしております。いつの間にか。

    ク「あなたさては、まだ酔いがさめてないな!?」

    ク「仕方ない、引き返して……いや、でも、かなり暗くなってきた……このままじゃ、もと来た道がどこかもわからなくなるぞ!」

    完全に暗くなる前に、可能な限り戻りましょう……! 見覚えのあるところにたどり着けば、なんとかなります……!

    ク「うん、それは確かだ!」

    (急いで来た道を引き返す私たち)

    (しかし、行けども行けども、見覚えのある景色にはたどり着かず……ついに、遠く見える山際の向こうに、夕陽が沈みきってしまった)

    ああ、なんてこと……真っ暗になってしまいました……。

    ク「落ち着こう。暗くなってしまったのはどうしようもない。考えるべきは、ここからどうするかだ……」

    dice1d4=1 (1)

    1、闇雲に歩き回るのはよくない。野宿の準備だ

    2、暗い道の先で、明かりが動いている。人がいるかもしれない

    3、暗い道の先に、明かりのともった大きなお屋敷がある。あそこに助けを求めよう

    4、なんかボロッボロの廃屋を見つけた。今日はここで夜を明かすしかないな

  • 56ぼっち24/08/22(木) 23:44:49

    ク「かなり暗くなってきたし、道も分かれているところがいくつもあって、正しい帰り方がわからない」

    ク「こんな状態で闇雲に歩いても、さらに迷うだけだ。朝になって明るくなるまで、移動するのはやめておいた方がいいだろうね」

    となると、今夜はここで野宿……ですか……。

    ク「そうせざるを得ない」

    ク「あなたとは前に、山に登ってテント生活をしたことがあったね。あれの延長線上と思うことにしようよ」

    ええ、わかりました……では、早めに準備をととのえましょう。

    ……さしあたり、夜露をしのぐためのテントは必要ですよね……私が魔法で鉄板を作りますので、それを組み合わせて建てることにしましょうか。

    ク「ありがたい。では私は、水と夕食の材料を集めることにしよう」

    ク「運のいいことに、この道の周囲は、森や草むらになっている」

    ク「よく探せば、食べられる野草や木の実がきっと見つかるはずだ。さらに運が良ければ、食用可能な動物を捕まえたりできるかもね」

    オーケイ……では、そういう役割分担で……。

    快適な、一夜の宿を……作りましょう……。

    ク「うん。では、作戦開始だ」

    (こうして、私たちは手分けして作業を始めた)

    (その結果は……)

    私の鉄のテントクオリティ:dice1d100=96 (96)

    (100ほど立派で安定している。1ほどギロチン並みに不安定)

    クラージュ様の採取の結果:dice1d4=4 (4)

    1、この辺、毒草と毒キノコしかない!

    2、野草と水を確保。味はdice1d100=69 (69)  (100ほど美味い)

    3、野草と水と、食肉ゲット。肉はdice1d4=3 (3)  (1、ウサギ 2、ハト 3、ヘビ 4、ライムピッグ)

    4、クラージュ様が戻ってこない……

  • 57ぼっち24/08/23(金) 23:58:33

    前に……旅の途中で……今回と同じように、鉄魔法でテントを用意しようとして……とてもショボいものを作ってしまったことがある……。

    そのときの悔しさをバネに……私は工夫を凝らした……!

    床……柱……梁といった、構造の芯を……しっかり太く、丈夫に作る……!

    壁と床は、6角形(ハニカム)構造で……これまた頑丈に……。

    天井は薄く、軽めにする……ただし、雨漏りなどしないように、均一な厚さで……波打たせて、強度を高める……。

    ……よっし、できた……!

    サマーハウスとしても通用する……立派な小屋の完成だ……!

    床には乾燥した柔らかい葉っぱを敷いて、寝心地もよくしたぞ……これで、今夜の寝床はもう大丈夫だ……。

    あとは、クラージュ様が食料を採取してくるのを待つだけ……。

    ……………………。

    …………。

    ……あれ……?

    けっこう待ってるのに……クラージュ様が戻ってくる様子がない……。

    食料が見つからなくて、よほど遠くまで行ったのか……? それとも……。

    (不安になった私は、《拳銃(ショット)》の魔法を唱え、地面に向かって一発撃ち込んだ)

    (ズギュウゥウ──ンンン……という轟音が、闇夜に響き渡る……)

    (そのまま、さらにしばらく待つ……しかし、それでもクラージュ様は戻ってこない)

    ……今の銃声が、聞こえていたなら……クラージュ様は、私に何か異常があったと判断して、帰ってきてくれるはずだ……。

    でも、その様子はない……となると、音の聞こえないほど遠くに行ったか……あの人の方が、帰ってこられない状況になっているか、だ……。

    (私は、クラージュ様が向かった方向に歩き始めた)

    クラージュ様が見つかろうと見つかるまいと、30分で戻ろう……安全のためにも、それは決定だ。

    ……何事もないと、いいけど……。

    dice1d4=3 (3)

    1、大きな洞窟の入り口でクラージュ様の私物のハンカチを見つける

    2、深そうな崖の縁でクラージュ様の私物のハンカチを見つける

    3、魔物との戦闘の痕跡を見つける

    4、大量の血と、何かを引きずったような跡を見つける

  • 58ぼっち24/08/24(土) 20:53:21

    ……んんん?

    (木々の間をしばらく歩くと、開けた草っぱらに出た)

    (ただの草原なら特に注目することもないのだが、そこには明確な異常があった)

    (深い刀傷を負った、魔物の死骸がいくつも散らばっていたのだ)

    これは……まだ新しい死骸だな……それに、この傷……剣ということは……。

    (しゃがみこんで地面を観察する)

    うん、間違いない……クラージュ様の靴の跡がある。

    クラージュ様は、ここで魔物の群れに襲われて……戦ったんだ……。

    そして、何匹かを斬り捨てた……それはいい……そこまではいい。

    でも、そのあと、どうしたんだ……?

    ここには、クラージュ様の死体はない。持ち物すら落ちていない。

    戦って、生き残ったのはクラージュ様だ……勝ったあと、どこに行かれた……? なぜ、帰ってこない……?

    (私は、地面の靴跡をさらに精査する)

    (クラージュ様は、この原っぱで戦闘をしたあと、さらに奥へと向かっている。しかも、歩幅から判断するに……駆け足だ)

    (彼女はなぜ急いでいたのか? まったくわからない。さらに追跡して、直接聞くしかあるまい)

    (私は、靴跡をさらに追う。念のため、いつでも銃弾を発射できるよう、《拳銃(ショット)》の魔法を待機状態でセッティングしたまま)

    (そして……)

    あっ、クラージュ様!

    (私は、ついに探し人の姿を見つけ出すことができた!)

    (その状況は……)

    dice1d4=1 (1)

    1、大怪我した状態で、魔物と戦っている!

    2、誰かをかばいながら、魔物と戦っている!

    3、ん? あれ? 人間と魔物の混成軍と戦ってる!?

    4、吐いてる

  • 59ぼっち24/08/26(月) 00:44:57

    (暗闇の中、星明かりを受けて白く走る剣の軌道だけが見えた)

    (それを頼りに近付いて、やっとクラージュ様のお姿が見えるようになって)

    (私は一瞬、ひゅっ、と呼吸を停めた)

    (なんか、なにやら、かなり血まみれに見えます、クラージュ様)

    (右手で剣を握っていますが、左手はだらんと垂れています。力が入ってない。もしかして、動かせないのですか?)

    (足の動きもやや鈍い。確実にどちらかの足にも傷を負っていますね? 体重のかけ方からして、たぶん右?)

    (ゆっくり、大きく、胸を上下させているのが見えます。呼吸もとても苦しそう。ただの疲労ですか? 胴にまでダメージを受けてるのではないですよね?)

    (ああ、ああ、そんな状態で、そんな状態なのに、それでも魔物に囲まれて、これを必死に倒そうとしておられる)

    ク「くっ……ヤバい、ちょっと手が震えてきた……だが、私の命が尽きるのはまだまだ先だ……」

    ク「さあ、どこからでもかかってこい。1匹残らず、まっぷたつにしてやる!」

    (ちょ、クラージュ様、堂々とした啖呵の切りようはカッコいいですが、今のあなたはそうしてる場合では──ああもう!!!)

    《跳ね馬(スプリッツァー)》!

    (私は鉄の馬を作り出す魔法を唱え、その争いに文字通り飛び込んだ)

    何やってんですかクラージュ様──ッ!?

    ク「ちょ、エメラチェリー!? なぜここに……あっ、私を探しに来たの!?」

    紛れもなくその通りです! 繰り返してお尋ねしますクラージュ様! こんなところで何を!? なぜ、魔物と戦っておられるのですか!?

    ク「え、えーと、それはその」

    dice1d4=1 (1)

    1、採取した果物が魔物たちの好物だったらしくて……

    2、魔物の群れが人間を襲ってるところに出くわしたので……

    3、魔物の群れが人間をむしゃむしゃしてるところに出くわしたので……

    4、こいつら、魔物のくせに偶像崇拝してたので……

  • 60ぼっち24/08/27(火) 21:58:15

    ク「いや、それが、その、ね」

    ク「とても美味しそうな、赤い香りのいい果物を見つけたんだ。これはいい食料になると思って、採取しようとしたんだけど」

    ク「それがどうも……魔物たちの大好物だったらしくてね……」

    ク「1個もぎった瞬間、ものすごい勢いでものすごい数の魔物が寄ってきて、先を争うように噛みつかれて、ね……」

    えええ……?

    その、取った果物を捨てて、逃げてくることはできなかったのですか?

    ク「もちろん、速攻でそうしたよ。でも、捨てた果物と私とに、魔物の群れが均等に群がっただけだった」

    ク「私の手に果物の汁か匂いがついたのか、逃げても逃げても追いかけてきてね……」

    ク「このままあなたのところに戻ったら、あなたも餌食になると思って。魔物を全部斬り捨ててから帰ろうと思ってたんだけど……」

    おバカ。クラージュ様、うすうす思ってはいましたが、そこそこおバカなタイプですね!?

    この数はたとえ一騎当千の豪傑でも、ひとりじゃキツいですよ……最初から素直に頼ってくれればよろしかったんです。

    ああ、もう、こんなに噛み傷だらけになって……!

    ク「う、ご、ごめん。でも、さすがに聖堂騎士が、シスターに戦いで頼るというのは……」

    いいのです。2は1に勝りますし、向き不向きというのもありますので。

    さあ、私の後ろに乗って。何とかしますから。

    ク「わ、なにこれ。鉄とバネの馬? ゴーレムか何か? すごいね、どうも」

    ク「でも、これに乗ってどうするの? 囲まれていることは変わらないよ?」

    ふっふふふ……!

    dice1d4=1 (1)

    1、一目散に、川に向かってダッシュ

    2、その魔物を誘う果物のあるところまで案内してください

    3、正面の魔物は踏み殺し、横と後ろから来る者はクラージュ様に切り刻んでいただく

    4、こんなやつら無視して、私たちの寝床に帰りましょう

  • 61ぼっち24/08/28(水) 23:40:59

    しっかり捕まっててくださいよ、クラージュ様!

    一気に飛ばしますから!

    ク「えっ、う、うんっ、わかった!」

    (胴に巻きつくクラージュ様の腕の感触が確かなものになったのを合図に、私は《跳ね馬(スプリッツァー)》のバネをギギギっと軋ませる)

    (そこから先は、思いっきりだ。私たちを取り囲む魔物の群れの一角に、一直線に飛び込む)

    (無数の魔物は間違いなく脅威だが、正面から向かい合ったほんの数匹を撥ね飛ばすのはそんなに難しくない)

    (包囲を突破した私たちは、そのまま闇夜の森を駆けていく……)

    (その後ろから、魔物たちが雄叫びをあげながら追ってきているのを肌で感じた)

    ──クラージュ様、果物の他に、見つけたものはありますか? たとえば、飲み水を確保できる水場とか?

    ク「ああ! 川が流れているのを見つけた。食料を充分に採ってから、最後に水を汲んで帰るつもりだったんだ」

    よろしい。──その場所は今でもわかりますか?

    ク「大丈夫だ。こういうときは星の位置で方角を確認するようにしているからね」

    ク「今、私たちが走っている方向からすると……左手に少し行ったところにあるはずだ」

    オーケイ、オーケイ!

    (左向きに90°、極端に進路を変える)

    (そのまま走る、走る、走る……魔物たちはどんどん引き離される……水音が近付いてくる……)

    クラージュ様! 少し傷に染みますが、我慢してくださいね!

    (やがて現れた広い川に、私たちは《跳ね馬(スプリッツァー)》ごと飛び込んだ)

    (バシャーン、という派手な音と、飛び散る飛沫。一瞬の浮遊感ののち、深く冷たい水に全身が沈む感触)

    (クラージュ様の手についた果物の香りがどれだけ強いものでも、これだけ大量の水で清めれば消えることだろう)

    (そして、水の中をもがいて進み、対岸に上がった私たちは……)

    dice1d4=4 (4)

    1、無事に魔物を振り切ってキャンプ地に戻ることができた

    2、安全な食料を見つけた!

    3、安全かどうかわからない食料を見つけた!

    4、街の灯を見つけた!

  • 62ぼっち24/08/29(木) 23:14:09

    (ざぶ、ざぶ、ざぶ、ざぶ)

    (水をかき分け、岸に這い上がる。体力はかなり使ったけど、まだ歩ける。……少なくとも、私は)

    (同じように岸辺の砂を踏んだクラージュ様の方を振り向く。かなり息は上がっているが、この人もちゃんと2本の足で立っている)

    お加減はいかがですか、クラージュ様? 歩くことはできますか?

    ク「あ、ああ。かなり体が冷えてるが、大丈夫だ。むしろ、歩いて体を暖めたいぐらいだよ」

    それはよかった……でも、無理は禁物です。

    ゆっくりでいいので、キャンプ地に戻りましょう。いい感じの拠点を組み立てることができたので、そこで……。

    ク「……待った、エメラチェリー。その必要はないかもしれないぞ」

    ク「あそこを見て。枝葉が重なって見えにくいけど……オレンジ色の光が見えないか? あれはランプの灯りじゃないか?」

    えっ、ウソ……まさか、人のいる街に、いつの間にか近付いていたってことですか!?

    ク「その可能性が高い。ほら、灯りはひとつやふたつじゃない。集落だよ、最低でも!」

    こ、これは……運がいいですね! あそこに行けば、食事も寝床もある! クラージュ様の怪我の治療もできる!

    ク「行こう」

    そうしましょう!

    (私たちはうなずき合って、灯りの方へ歩き始めた)

    (すでに作ってしまった超自信作の鉄の家は、使わずに放棄することになるけど、やっぱりちゃんとした宿で寝たいのである)

    (それから、しばらく経って……私たちがたどり着いたのは……)

    dice1d4=1 (1)

    1、私たちのホーム、エーブリエタース!

    2、田舎の小さな集落。人はとても少ない

    3、灯りのついた家がいくつもある普通の街だけど、どの家にも人がいない……?

    4、街 が 燃 え て る

  • 63ぼっち24/08/31(土) 00:46:53

    ……ん? あの建物って……。

    ク「あの街並み……見覚え、あるね?」

    え、ええ……ここ、エーブリエタースじゃないですか!

    道に迷って帰れなくなったと思ったのに、まさかこんな流れで偶然に帰りつくなんて!

    と、とにかく、帰ってこられたのは幸運です! フツーに家で休めるし……いや、その前に病院!

    病院の場所わかるから、まずそこに行きますよ! クラージュ様の怪我を治療してもらうのです!

    ク「そ、そうだね……あぅ、ひ、引っ張らないで……傷が開く……!」

    (──こうして)

    (サバイバルな感じになるはずだった夜は、始まる前にあっさりと終わりを告げた)

    (私たちは病院に駆け込み、クラージュ様の怪我をお医者様に診てもらった)

    医者( ´,_ゝ`)「あー、これは……魔物によってたかって噛まれたんですか……ふむふむ……」

    せ、先生、どうですか? クラージュ様は、ちゃんと治りますか?

    医者( ^ω^)「そうですねえ。精密検査をしてからでないと確かなことは言えませんが」

    医者( ´∀` )b「今診た限りでは、この人の怪我の重さはdice1d100=85 (85)  ぐらいですね」

    (高いほど重い。10以下でかすり傷。80以上で緊急手術。95以上で命の危険)

  • 64ぼっち24/08/31(土) 23:02:23

    医者( ^ω^ )「まず……この人の右肺には穴が開いている……」

    えっ。

    医者( ´∀`)「鎖骨下静脈が切断され、肋骨が4本、右上腕骨、右手骨が砕けている……この病院まで素早く歩いてこられたのが……奇跡ってレベルかな……」

    ……………………。

    医者( ^∀^)「……………………」

    ……………………。

    医者( ; ゚Д゚)「緊急手術じゃーっ!!!!!」

    うわーん!!! 思った以上に酷かったァアァーッ!?

    クラージュ様、お願いー! 死なないでー!

    (クラージュ様は車輪付きのストレッチャーに載せられて、手術室に猛スピードで投入された)

    (続いて、お医者様と何人もの助手さんが、白衣、帽子、マスク、手袋のフル装備でやってきて、これまた手術室に吸い込まれていく)

    (手術室の扉に、「手術中」と書かれた赤いランプが吊るされる)

    (私はその扉の外で、ソワソワしながら待つしかなかった)

    ああ……上手くいきますように……手術が上手くいって、クラージュ様がまた元気になりますように!

    私には、祈るだけしかできないけど……も、もし何かできることがあるなら……可能な限り手を貸すぞ……!

    (それから、どれくらい経っただろうか)

    (数十分? いや、何時間も経ったのかも。とにかく、手術室の扉が開き、お医者様が疲れた表情で出てきた)

    せ、先生? クラージュ様の手術は……!?

    医者(´゚ω゚`)「……………………」

    dice1d4=3 (3)

    1、手術は成功しました。もう安心ですよ

    2、血が少し足りないので、輸血用の血を募らねばなりません

    3、力の限りは尽くしましたが、目覚めるかどうかは本人の気力次第です

    4、重要な内臓の移植が必要

  • 65ぼっち24/09/03(火) 00:32:21

    医者(´・ω・`)「可能な限りの処置は施しました」

    医者(; ・`ω・´)「あとは、本人の気力次第です……生きる意思さえ強ければ、きっと目覚めてくれるはずです」

    (医者にそう言われて、私は少なからず安堵した)

    (クラージュ様の生きる意思が低いわけがない。私と友になれた人なのだ。生き抜いてやろうという気力は思いっきり強くあるはずだ)

    (生きたいはずだ……クラージュ様は……それは間違いないはずなのだ……)

    (しかし、dice1d10=7 (7)  日経っても、彼女は目を覚まさなかった)

    (私は彼女の病室に泊まり込んで様子を見ていたが、明けても暮れても、すうすうと安らかな寝息を立てているだけ)

    (クラージュ様は生きたいはずだ……そんな当たり前の前提が、私の中で揺らぎそうになる……)

    ……どうにか、しなければ。

    (お医者様はよくやってくれている。でも、それだけでは一歩足りない気がした)

    (私が何かしなければ。何かを……)

    …………というわけで、何かいいアイデアはないでしょうか、ワンダ?

    🐮『なるほど、怪我をして目覚めない人を目覚めさせる方法ね……』

    (私が頼ったのは、魂に関しておそらく最高峰に深い理解を持つはずの、この牛さんであった)

    あなたならできるんじゃないかと思うのです……お医者様は、気力があれば目覚めると言っていました。

    気力は魂に根付くものでしょう。ならば、魂の王だったあなたなら、きっと手がかりをつかめるはずです……!

    🐮『ふーむ、少し論理が飛躍しているが、考える価値はありそうだね』

    🐮『そうだな、ならば……』

    dice1d4=1 (1)

    1、病人にあなたの魂エネルギーを注ぐやり方を提案する

    2、クラージュさんとやらの頭の中を覗いてみよう

    3、クラージュさんの心の世界に入り込めるようにしてあげよう

    4、やろうか? 穢土転生

  • 66ぼっち24/09/04(水) 00:00:27

    🐮『まとめると、そのお友達は気力と体力の低下によって、昏睡から覚められずにいるのだね?』

    はい、そういうことのようです。

    眠っている人間の気力が、どれだけ回復しているものなのか、外からはわかりません。

    体の方は……もう7日間も眠っていて、まったく動かずにいるのですから、弱っていく一方でしょう。

    これ以上起きないと、筋肉が退化してしまうので不味いと、お医者様もおっしゃっていました。

    ……もしかしたら、放っておいても明日には、いや、一時間後には目覚めるのかもしれません。

    でも、そうでないなら……。

    せっかく鍛えたクラージュ様のお体が痩せ細ってしまわないうちに、強引にでも起こしたいのです……!

    🐮『うむ、早ければ早い方がいいというのは、私も同意見だ』

    🐮『私が提案できる最も簡単で、効果がありそうな方法というと……他者の魂エネルギーを、患者の魂に直接注ぐというものだね』

    魂エネルギーを……? それは、簡単にできることなのですか?

    🐮『できる人とできない人がいる。向き不向きの問題だね』

    🐮『その点、あなたはほぼ確実に「できる」。私の記憶を継承しているだろう? コツをつかむのは難しくないはずだ』

    おおっ! じゃあ私が、クラージュ様にエネルギーを注げば、すべて解決するのですね!?

    🐮『そうだけど、少し待つんだ。魂というものは本来、人に分け与えるものではないのだよ』

    🐮『それをすることによって、あなたの方にある程度の悪影響が生じる。これは避けられない。それを覚悟できるなら、やるといい』

    あ、悪影響ですか……? 具体的に、どんな?

    🐮『それは……』

    dice1d4=2 (2)

    1、ものすごくお腹が空く

    2、あなたの記憶や嗜好の一部が、相手に流れ込む

    3、あなたの記憶や嗜好の一部が消える

    4、あなたの寿命が縮む

  • 67ぼっち24/09/05(木) 01:20:39

    🐮『魂のエネルギーというのは、その人の心や記憶だ』

    🐮『それらを分離して、力だけを用いるということはできない』

    🐮『もし、あなたの魂エネルギーをお友達に注いだら、あなたの記憶や嗜好の一部が、お友達の中に流れ込む可能性が非常に高いんだ』

    えっ。

    えーと、それは……何が流れ込むか、選択したりは……?

    🐮『あなたは私の記憶を受け継いでいるとはいえ、本来が鉄魔術師だ。魂をそこまでコントロールして扱うことはできないと思う』

    🐮『完全な、先の読めないルーレットになるよ。今朝食べたパンの味だとか、どうでもいい記憶が行くかもしれないし、あなたが隠したい秘密が渡るかもしれない』

    う、うおおお……そ、そ、それは、かなり怖い……!

    私、かなり……クラージュ様に隠してることが、山ほどありますので……!

    🐮『なら、止めておいてもいいのだよ? 自然に彼女が目覚めるのを待ってもいいんだ』

    い、い、いえ、やります。今は、クラージュ様の健康と目覚めが最優先です。あとのことは……そのときになってから考えます……!

    🐮『……よし、ならばやりたまえ。やり方は……』

    (私は、ワンダの指導のもと、クラージュ様に魂エネルギーを分け与えるやり方を覚えた)

    (クラージュ様の枕元に立ち、彼女のひたいに手を当てる)

    ふー…………。

    ……私の魂をお分けします。どうか目覚めてください、クラージュ様……!

    (ぼんやりと若草色に光る、私の手。不安定な心の力だけど、こぼさないように確実に、眠るクラージュ様に流し込む)

    (その結果……)

    クラージュ様に流れ込んだ私の心の要素の数:dice1d10=8 (8)

    クラージュ様が受け取った私の心の内容(上のダイスの数だけ、左から受け取る):dice10d18=9 6 8 6 15 11 10 13 4 9 (91)

    1、朝食の記憶 2、旅先での遊びの記憶 3、不老不死への執念 4、クラージュ様好き好きという気持ち

    5、ファッションセンス 6、甘党さ 7、銃魔法を撃つときのコツ 8、ミミズまみれになった記憶

    9、穴を掘って埋め戻すバイト 10、学校の勉強の記憶 11、腹をぶち抜かれた苦痛 12、絵の技術

    13、フリーラックス先生に怒られた記憶 14、多種多様な殺人の記憶 15、美味しいパンの作り方

    16、私が星喰学派だという事実 17、乗馬の技術 18、胸の平らさへのコンプレックス

  • 68ぼっち24/09/05(木) 23:40:11

    ク「…………ん」

    あっ……あっ! 目が開いた! クラージュ様、気が付かれましたか!?

    ク「あ……エメラチェリー? 寝てたのか、私は……」

    ク「なんだか、とても長くて、変な夢を見ていたよ……」

    えっ……ゆ、夢ですか? どのような……?

    ク「ううん、説明が難しいんだけど……」

    ク「スコップで穴を掘ったり、埋めたりを繰り返していたらね、土の中からミミズがウジャウジャ出てきて、そいつらが全身にまとわりついてくるの」

    ひえっ……!?

    ク「で、気持ち悪いから振り払おうとしたら、実はそれは危険な魔物でね。お腹から背中に貫通するような怪我を負わされちゃって」

    ……………………。

    ク「もうこれまでかと諦めかけたら、ハリネズミが飛んできてミミズたちを追っ払ってくれてさ。『修行が足りん!』って怒られた。ハリネズミに」

    …………へ、へぇ~。

    ク「で、そのハリネズミが、強くなるためって言って、勉強とかパンの焼き方を教えてくれて……そこでようやく目が覚めたって寸法さ」

    ク「……はは、あらためて言葉にしてみると、本当に支離滅裂な夢だね!」

    そ、そ、そうですね、あはははは……!

    (全体で見るとカオスだけど、ひとつひとつの要素には覚えがある)

    (私の記憶は、やはり魂エネルギーと一緒に、クラージュ様の中に流れ込んだらしい)

    (でも、彼女が言ったのはどうでもいい記憶ばかりで、私が星喰学派だとか、人食いをしたとかの致命的な情報は渡っていないようだ……心底、ホッとした)

    ク「ああ、しかし、目が冴えてくると、急に空腹を感じてきたぞ……何かお腹に入れたいな」

    ク「甘いものがいい……砂糖たっぷりの生地にハチミツをかけたような、ダダ甘いホットケーキがすごく欲しいぞ……」

    (あっ。甘党という嗜好も流れ込んでた。まあいいか)

    それでは……。

    dice1d4=4 (4)

    1、病み上がりなので、温めたミルクで我慢して下さい

    2、まずはお粥からですよー

    3、作って差し上げましょう、ダダ甘ホットケーキ!

    4、14キロの砂糖水

  • 69ぼっち24/09/06(金) 22:45:01

    医者( ^ω^)「起きた?」

    はっ! お医者様!

    ク「はい、おかげさまで……私としたことが、かなり長く寝ていたみたいですね」

    ク「そのせいか、とてもお腹が空いてて。ホットケーキか何か、がっつり食べたい気分なのですが」

    医者( ^ω^ )「食欲があるのはいいことだけど、数日絶食していた胃にいきなり固形物を投入すると、最悪の場合死に至るからやめておこうね」

    医者( ´∀` )b「でも、栄養は取ってもらわないといけないから……こちらで用意したこいつを摂取していただこう」

    (そう言ってお医者様は、スイカほどもある大きな壺を持ってきた)

    医者(*´ω`)「精製された純粋な果糖だ。4kgあります」

    医者(* ゚∀゚)「完全なエネルギーの塊であるこれを……たっぷりの水に溶かす!」ドザー

    あの……なんか、お水の方も、大きなバケツサイズの容器になみなみ入ってるんですけど……。

    医者( ノ^ω^)ノ「今のその人の肉体には、水分も必要だからね」

    医者(*σ>∀<)σ「溶け残らないようにしっかりまぜまぜして……出来上がった。14kgの砂糖水です」

    医者( ^∀^)つ🪣「これを一気に。さあ、グイッと」

    ク「えっ。えっえっえっ」

    クラージュ様の……というか、人間様の胴体に入りきるようには見えない体積をしておられる……!

    ク「と、とりあえず、お医者様がすすめてくれたものだし……全部とはいかないまでも、飲める限りは飲んでみるよ」

    ク「うわ、重っ」

    む、無理はしないでくださいね……?

    医者(((o(*゚∀゚*)o)))「いーっき! いーっき!」

    (大きなバケツを両手で持ち上げて、その縁に口をつけるクラージュ様)

    (その飲量は……)

    dice1d20=5 (5)  kg

    (14で全部飲み干せた。15以上で、ちょっと物足りない……)

  • 70ぼっち24/09/08(日) 00:51:01

    ク「……………………」グピグピグピグピ

    ……………………。

    医者( ・∀・)「……………………」

    ク「うぷ……」

    ク「も、もう無理です……」

    医者( ´_ゝ`)「ふーむ……およそ1/3……5kgほどか……」

    いや、砂糖水を一気飲みで5kgはめちゃくちゃ頑張った方だと思いますよ……。

    なんでちょっとガッカリしたみたいな顔してるんですか……?

    医者( ゚Д゚)「いやぁ……イケると思ったんだけどなあ……14kg……」

    医者( ノ^ω^)ノ「でもまあ、今のあなたに必要な水分とエネルギー源は摂取できたはずだ。傷はもう塞がってるから、元気が戻ったと感じたら退院していいよ!」

    そ、そうですか……よかったですね、クラージュ様?

    ク「お、お世話になりました……うう、お腹たぷんたぷんしてる……」

    (──こうして)

    (優雅にテニスを楽しむ休日から始まったクラージュ様の危機は、無事に終わりを告げたのだった)

    ……教会に帰ったらどうします? お望みでしたら、私、甘いパンケーキ作りますよ?

    ク「いやぁ、しばらくはいいかな……」

    (でしょうねえ)

    ク「それより、私に怪我を負わせた魔物たちのことが気になるな」

    ク「私たちがエーブリエタースに帰ってくるまでに通った距離を考えると、あれらがたむろしていたのは、街のすぐ近くだ」

    ク「私では倒しきれなかったあいつらが、もしも街にやってきたら大変なことになる……起きられるようになったら、あらためて退治に行かないと」

    あー……それは……。

    dice1d4=1 (1)

    1、さすがに、ギルドに連絡して退治してもらいました

    2、聖堂騎士団に教えたら、クラージュ様の仇だって言って狩りに行ってくれました

    3、いつの間にかいなくなってました(星喰学派で始末しました)

    4、私がもう片付けておきましたよ

  • 71ぼっち24/09/08(日) 23:59:22

    その点についてはご安心ください。私の方で、ギルドに通報して対処をお願いしておきました。

    クラージュ様がお休みになっていた7日間の間に、dice1d6=1 (1)  の方々が魔物たちを、ことごとく討ち取ってくだすったそうです……。

    (1、鉄血氣志團 2、王朝危険任務請負人同盟 3、開拓者の斧 4、魔術組合 5、鱗の盟友戦士団 6、爆発倶楽部)

    ク「ああ……そうか、安心したよ」

    ク「そうだよね、何日もあったんだから、そりゃその間に通報するか……エメラチェリー、ありがとう。よくやってくれた」

    いえ、私の住むエーブリエタースにとって、あれは危険でしたからね。単に自分の身を守っただけです。

    (これは嘘偽りのない本音だ)

    (私の安全な生活を脅かすものは速やかに排除されなければならないし、ギルドに頼めば自分で危険なことをしなくて済むのなら、当然それを頼る)

    (世の中、適材適所だ。使えるものはどしどし使っていかないと、だ。特に、大切なものを守りたいなら、ためらうべきではない……)

  • 72ぼっち24/09/10(火) 00:31:42

    ク「鉄血氣志團か! バリバリの実戦派ギルドだな」

    ええ、魔物退治といったらここがいいと、神父様に勧められましたので……。

    実に慣れた様子で、魔物たちの集まっている範囲を包囲し、根こそぎに討伐してくれたようです。

    クラージュ様が触ってしまった怪しい果物も、サンプルを取って調べているとか。

    ク「ふーむ。あれにはひどい目に遭わされたものだけれど、その特性をきちんと理解すれば、役に立つこともあるのかもね」

    ク「あと、香りは本当に美味しそうだったから、襲われる前にひと口でも食べておけばよかったなあと思ったり」

    もう、クラージュ様……お腹の中に果肉が入ってたら、水に浸かっても魔物を振り払いきれなかったかもしれないんですよ?

    ク「ふふ、わかってる……冗談だよ」

    普通の果物でよろしければ、今度、美味しいフルーツタルトを作って差し上げますから。早く本調子に戻ってくださいね?

    ク「ああ、約束する。……とりあえずは、さっき飲んだ砂糖水が効いてくるの待ちかな……」

    (効くのかなあ、本当に……? とは思ったけれど、ちゃんと効果はあったようで)

    (その後、ほんの数十分でクラージュ様はもりもりと気力を取り戻し、ベッドから降りて普通に歩き回れるようにまでなった)

    ク「ううん、これ、本当にこのまま退院できる体調だ……むしろ、よく寝て休んだのもあって、清々しいぐらい……」

    マジですか。砂糖水すごい。

    ク「2度は飲みたくないけどね。……帰ろうか、教会」

    はい。一緒に帰りましょう♪

    ク「うん──」

    dice1d4=4 (4)

    1、おうちに帰って自分のベッドでゆっくり寝る! これ以上幸せなことが他にあるか

    2、さっき砂糖水を飲んだばかりなのに、今はもう甘いものが欲しくなっている

    3、甘いもの以外の栄養……肉とか油とか系のものが食べたい……

    4、1週間の禁酒のあとのアルコールはさぞ美味かろう

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