- 1二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 23:51:33
ルディが女の子だった場合の無職転生を妄想するスレです。
※キャラクターに対する過度に暴力的な曇らせや、曇らせのための原作キャラの極端なクズ化は、虐待スレやキャラヘイトになるので、なるべくそのキャラが好きな人が見てもあまり不快に思われないように常識の範囲でお願いします。
>>190は次のスレ立てをお願いします。
※次のスレを貼る人はこれをテンプレにして下さい。
前スレ
ここだけルディが女の子だった世界線90|あにまん掲示板ルディが女の子だった場合の無職転生を妄想するスレです。※キャラクターに対する過度に暴力的な曇らせや、曇らせのための原作キャラの極端なクズ化は、虐待スレやキャラヘイトになるので、なるべくそのキャラが好き…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:03:01
たておつー
- 3二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:03:27
100へのカウントダウンか…思えば遠くに来たものだ
- 4二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:05:16
というか家関連のゴタゴタも割と好きだなこのスレ…
- 5二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:09:29
埋めろ埋めろ、10まで埋めろ
- 6二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:09:54
内乱を起こって私のために争わないでするルディ子か……
- 7二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:10:53
盾乙女デウス
- 8二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:11:49
ノトスとの戦争が始まったらパウロがボレアス側についてもう何もかも滅茶苦茶だよ!!!
- 9二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:13:18
パウロ様が『やる気』になった!?と勘違いした家臣達に裏切られるピレモン!?
- 10二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:14:04
というか200でえらいことになっとんたが!?派閥の長に売り渡されたぞ従兄弟!
- 11二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:15:13
- 12二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:16:34
周りから見れば貴族に返り咲こうとした男の狡猾な罠にピレモンが引っかかってるようにしか見えない……
- 13二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:17:31
出奔してた嫡男パウロがラトレイア家との家のつながりを持ち間に産まれた長女をボレアス当主の孫とくっつけようとしている…
これは…ノトス乗っ取り…乗るしかねぇこのビッグウェーブに!(パウロ派ノトス家臣並感) - 14二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:21:24
パウロ派だった家臣達がボレアスに姪が売られてますぞ!助けなくては!とパウロを見限るような発言に胸打たれてそうだな!あんな男の娘とはいえノトスの血を引いてるもんなと!やる気になるピレモン!?
- 15二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:22:33
この世界線のボレアスはアリエル派ならなさそう
- 16ssアシタカ22/02/11(金) 00:22:34
(なんで父様は最期まで俺よりも娘を売るような奴なんかを……)
ってなったピレモンが親関係のいざこざと才能に振り回される姪を助けようとしてサウロスと向き合う姿を見て少し紳士度の上がるルーク概念 - 17ssアシタカ22/02/11(金) 00:26:14
- 18二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:27:05
ふと思ったが、アスラ王国大貴族で不能認定って専門検査医(ショタコンアラフォーガチホモ貴族出身)による強制勃起前立腺マッサージみたいなトラウマになりそうなエッグいのされてそうよね
軽々しく自称されてもあれだし - 19二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:29:34
- 20二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:33:19
- 21ssアシタカ22/02/11(金) 00:33:53
- 22二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:34:55
大臣に目をつけられる可能性を考えるとファインプレーすぎる
- 23二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:36:31
マジで無職原作ばりに後々の地雷を用意していくなこのアシタカ……
- 24二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 00:37:36
人の心
- 25二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 07:03:12
それを吹き飛ばす子猫欲しいにゃんか
- 26ssアシタカ22/02/11(金) 07:46:51
- 27故郷と別れ22/02/11(金) 07:48:35
母さんとの約束通り今日から俺も普通の女の子、外で友達を作ろうと意気込んだは良いものの家で母さんとお揃いのスカートを履くくらいならできるが流石に外でまでは恥ずかしい。
俺はリーリャさんからもらった布で長めの短パンを作っていざ出陣だ。
せっかく自由に歩き回るんだ、植物図鑑も持って……と、その前に母さん達に伝えとかないとな、こんな物騒な異世界で俺みたいなロリっ子が行方不明なんてシャレにならない。
「父さん!母さん!これからちょっと外で遊んできますね」
「ん?そ、そうかルディ!ちょっと前までお前にあれこれさせ過ぎてからなぁ、外が嫌になったりしなくて安心したよ」
あれに関しては俺が勝手に不安になってド壺にはまってしまったのだ、忘れておいて欲しい。
「あははは、あれはビックリしましたけど、結局怪我は治せたし楽しかったですよ」
「いいルディ?外で遊ぶ気になってくれたのは嬉しいけど、ルディと同じくらいの子と喧嘩になってとやり過ぎないようにね、ルディは強いけどそんな事のために魔術を使っちゃダメよ?」
「分かってますよ母さん、女の子の強さはいざというときのしおらしさを引き立てるためにあるんですよね?」「おおお、お嬢様!?」
「リーリャ!貴女またルディに変なこと教えたわね!?」 - 28故郷と別れ22/02/11(金) 07:50:51
そんなやり取りをしつつ何時頃に帰るとかどこそこには寄らないとか色々約束事をして遊びに出る、我が両親ながら防犯意識の薄い……
さて、友達を……友達…友達、ねぇ…?前世じゃ幼馴染みとオタク仲間だけだったがこのパソコンひとつ無い世界でどうやって作れというのか。
………………よし、先に植物図鑑の実用の方をやってしまおう、母さんにも本が友達って言われるくらいですし?毎日拝んでますし?
まずは本に乗ってた植物の方が気になっただけで、ひ、一人でも寂しくなんかないんだからね!
なんて空しい一人芝居をしつつ適当にあちこちの花や野草、畑に生えてるものと図鑑とにらめっこを繰り返し、村で見れそうなものをあらかた見て回った。
思ったより楽しいな、数日目にして大体コンプリートしてしまったので森の方にも足を踏み入れる。
こっちでは食べられる野草や木の実がバカみたいにあって、魔物が居るとはいえこんな宝の山をほったらかしな現状に目眩がした。
「………グスッ……グス、ヒッ…ヒック……」「……誰かいるのか…?」 - 29故郷と別れ22/02/11(金) 07:52:08
「……!!」ガサガサッ
どう聞いても俺と同年代くらいの子供の声が、俺の声に反応して森の方へ……って
「そっちは魔物が出るよ!?」ガシッ
「わあぁっ……え?」
捕まえたその子は端がボロボロになったスカートに泥だらけになった服と、特に悲惨な事になってぐちゃぐちゃの帽子のどう見ても尋常じゃない状況の少女だった。
とりあえずここは危ないからと人目につかない森の出口まで行って、痣や擦り傷になってるところの治癒と泥だらけで揉みくちゃにされた頭だけ洗ってやった。
泥を洗い落とした時に見えた緑の髪で驚きはしたもののなんと言ってもこの美形っぷりにベリーショート、エルフ耳とボクっ娘属性と来た。
これは将来とんでもな……ん?エルフ?
「あー!もしかしてロールズさんの?」 - 30故郷と別れ22/02/11(金) 07:54:09
「お父さんの事知ってるの……?」
「あー、森の魔物狩りで何回かね」
魔物の数がやたら多かった時期に何度か顔を合わせたハーフエルフのロールズ、
美形の狩人のはずなのにやたら小動物っぽくて記憶に残ってたけど…それが娘に受け継がれるとこうも凶悪になるとは……
俺が純度100%のルディちゃんなら間違いなく百合に目覚めてたね
おっと、そんなキラキラした目で見ないでくれお嬢ちゃん、お嬢ちゃんを喜ばせるような相棒とはとっくに泣き別れしてるのさ……
なんてふざけつつなんでああなったかを聞くと、ロールズに弁当を届ける途中で嫌がらせされたとか。
差別ってのは容赦がないからな、いやだいやだ。
「じゃあまた絡まれたらアレだし家まで送ってくよ」
「えっ…でも、そんな事したら君も仲間外れに………」
「その時は君が一緒に遊んでよ、私はルーディア、ルディでいいよ、君は?」
「シ…シルフィ…」
もごもごと恥ずかしげな上目遣いで答えられる。
う~む、本気で母性に目覚めてしまいそうだ。
「シルフィ…精霊みたいでいい名前だね、私のご先祖様も精霊さんらしいし一緒だね!」
「…!う、うん!」
「大丈夫だよシルフィ、私が守ってあげるから!」 - 31ssアシタカ22/02/11(金) 07:56:38
じゃあ仕事いてきま
シルフィが女装とか帽子とかしてるのは性別が男なせいでマジでいじめの内容が容赦無いときがあるから服装を変えて髪の毛を隠すようにした結果です
まぁ普通にばれてルディ子が発見するまでいじめられるけど……
- 32二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 08:02:28
いてらしゃー
女裝してることでも虐められそうだしそれでお嬢様(ルディ)に近づいたことでも虐められそうだな… - 33ssアシタカ22/02/11(金) 08:07:10
- 34二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 08:08:07
あぁ…依存度高まるから反動で鍛えるのもマジもマジなのか…
- 35ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 09:18:43
- 36二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 10:35:04
- 37二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 10:35:39
アシタカありがとう…
こんな女の子ちょっと劇薬すぎんよ - 38二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 11:04:18
- 39二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 11:12:22
- 40二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 11:45:53
- 41二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 12:23:40
- 42二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 12:48:12
そもそもそうだ!大規模な組織を作って効率的に捜索しよう!するのが貴族側(人を動かす側)の発想すぎてパウロって貴族だわ…ってなるよね…
- 43ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 12:48:54
- 44二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 13:01:40
- 45二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 13:05:29
パウロ+ゼニスならかなり効率的だと思う
パウロのメンタル案件が解決して子育てを身内のラトレイア家に任せられるようになるからアイシャの歪みも改善するはず
致命的だったの性格悪いクレアが血の繋がったノルンを優先してあげたいって本音と妾を自認して妾の子な使用人見習い扱いしようとしたリーリャが変に組み合わさって『望み通り』妾の子として育ててたことだと思うの
ゼニスが間に入ったら妾の子じゃなく私の子って扱いでゴリ押そうとしてゴリ推せる強さがあると思うから(というかクレアが大義名分がなきゃ歪んだ善意を押し付けられない程度には善人だと思うしその大義名分を潰せそう)
あと本人の実力が劣化ロキシーに見えるくらいとはいえSランク冒険者が1人増えるの大きくない? - 46二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 13:07:45
- 47凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:13:36
妄想駄文投下します。
妄想駄文ですがまとめてくださると、嬉しいです。
凡人に囲まれた凡人/エリスがブエナ村にくる話 - ここだけルディが女の子だった世界線SSまとめ(許諾もらえたもののみ) Wiki*wikiwiki.jpから始まった誰得謎√です。
読まなくても↓のあらすじだけで多分大丈夫です。
あらすじ。
ルディ子がエリス付きでブエナ村へ戻り、シルフィとともに魔大陸へ転移した√です。二人とも魔大陸でルディ子が潰れたため成長が早く、そのまま3人で冒険者になり、一緒に大学に在籍しました(ヒロイン非TS)
あと、ギレーヌにフィリップ様の忘れ形見がいます。
- 48凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:13:50
『ベガリット編(シルフィ+エリス同行√)』
ギースから手紙が届いて三日後の朝。
「やっぱりベガリット大陸へは私一人で行こうと思う」
「は?」
エリスの目尻が釣り上がる。というか、殺気がヤバい……本気で怒ってる。シルフィも私を冷ややかに見ていた。
「エリス大丈夫。ナナホシに『万が一ルディが一人で来たら通さないで』って伝えてあるし、そうでなくてもナナホシもルディの事心配してるんだから」
いつの間に……ナナホシとなんでこんな仲いいんだ……
「ルディはそんなことしないと思うけど、ナナホシ脅そうとしたらオルステッドやってくるよ、多分」
「オルステッド呼べるの!?じゃあ、鍛えたら呼んでもらわなきゃ!!」
「「呼ばないから!!」」
危ないことを言い出したエリスを二人で止めて、話題を戻した。
「やっぱり二人はノルンとアイシャを見てほしくてさ」
「ボク達が、行かなかったらノルンちゃんとアイシャちゃんがついていくよ。ノルンちゃんもアイシャちゃんもルディの事心配してるんだから」
うっ……合流した妹達はエリナリーゼとギレーヌに面倒を見てもらうことになっている。言い訳としては苦しい。
そもそも、今日の昼食後が出発だ。今更言い出してもどうなるものじゃない。
「やっぱり、二人に私の家族のことを手助けしてもらうのはさ……」
「……何か隠してない?」
「いや、私は何も」
「だって昨夜までは何も言われなかったじゃない」
「夢で何か言われた?」
エリスの言葉にピシリと空気が固まった。
「もしかして、“ヒトガミ”?ルディ信じてないって言ったじゃないか。オルステッドに殺されかけたのも、何されたか教えてくれないけどシーローンでやられたのもそいつのせいなんでしょ?」
「う、うん……」
オルステッドに殺されかけたあの日、奴の目の前で私は完全に“私”になった。慌てふためく私に、奴は腹を抱えて私を嘲った。その瞬間シーローンでの仕打ちはヒトガミのせいだと悟った。
私はあいつをもう信用していない。
オルステッドに殺されかけたこともあり、私はルイジェルドを含めた3人に、今まで助言を受けてきた存在について語ったのだ。 - 49凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:14:14
ただ、夢に出てきた奴の助言は無視できなかった。
「私がベガリットに行けば周囲に不幸が起きる……って」
「だったら尚更私達がついていかなきゃ駄目じゃない」
即答された。
そうだ、シルフィとエリスなしで行くとして、見知らぬ大陸、何が起こるか分からない迷宮、良くないことが起こる可能性は二人がついていかない方が断然に高い。頭では理解している
「でも転移魔術使うし……」
「そうだね。だから何かあってもいいようにボク達がすぐに助けられるように側にいなきゃ」
シルフィが珍しく胸を張って私を励ました。相手が心配なのは私だけじゃない。
「……ごめん、私どうかしてる」
弱気になっている。
パウロに再会して今までのことを叱られるんじゃないかという不安、そしてもう一つはまだ目の前の二人にも言っていないシーローンでの出来事。
シルフィは腰に差したエストックの柄をわざとらしく撫でた。エリナリーゼから託された魔法具。
「エリスはギレーヌを子供から離したくないから、ボクは呪いで男を抱かなきゃいけないおばあちゃんとクリフの為、ルディの家族のためだけじゃないよ」
半分は本音だろう。だけど、半分だ。
ああ、本当に情けない。行く間際になってまでこんな心配かけて。
私は自分の頬をパチンと叩いて二人に頭を下げた。
「ごめんなさい。やっぱりついてきてください」
「そうね、ルディがそこまで言うなら一緒にいってあげるわ!」
エリスの堂々とした発言に私とシルフィが微笑み、釣られてエリスも笑った。
そうだ、二人がいるなら大丈夫。きっと、大丈夫だ。
- 50凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:14:38
************
ベガリット大陸は新しいことの連続だった。
サンドワームに飲み込まれかけて二人に油断をを叱られて、グリフォンの群れに遭遇すれば我が愛しの元ご令嬢が喜び勇んで剣を振り回した。
魔物図鑑を借りて、シルフィとともに一夜漬けで予習をしていたが、実物は大きく違っていた。それでも全く知識がないのとでは明暗を分けたであろう。
バザールの町では私が卵と米を使った料理に舌鼓を打つと、我が愛しのクォーターエルフが真剣にレシピを考察し始めた。
天幕がなければ野宿だと言われて、宿屋がないことにガッカリして、スペースを確保して〈土砦〉で天幕を作り上げた。
出会った商人ガルバンがパウロのいるラパンの町まで行くので同行した。ラクダの数が足りなくても、シルフィとエリスが私を交互に相乗りさせることになった。私は子供じゃないというに。
ガルバンを護衛する戦士達とは上手くやっていたと思う。
ただ、今度魔術を見せると約束したトントが盗賊の襲撃に殺された。即死だった。
使っていたのが毒矢だった為に、シルフィやエリスを殺されるかもしれない、そう思うと盗賊達に対して頭が真っ白になって、魔力がこもった。
シルフィに頬を叩かれて冷静になった。殺気に逸るエリスを宥めて、逃げを選択した。
トントの子を生んだというカルメリタに「なぜ奴らを皆殺しにしなかった」と責められて、私のやろうとしていた行為が彼らを「殺す」ことだと気付かされて、気付かなかった自分に怯えてしまった。
ただ二人がいたおかげで、それからの旅路も必要以上に憂いや恐れに心を支配されることはなかった。
そんな旅路を経て、私達はラパンの町に到着した。
- 51凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:15:03
「ギースさん!」
ガルバンと別れた私達が最初に再会したのは猿顔の魔族だった。彼は魔道具を買うべく露店で値切り交渉してる最中だった。
「うぇ?って、センパイじゃねぇか!なんだ、全然背丈大きくなってないじゃないか!」
「ギースさんもお変わりないようで」
「“ギースさん”なんて他人行儀はやめてくれよ。“新入り”でいいって」
「じゃ、お言葉に甘えて。おう、新入り、元気そうじゃねえか!」
「へへっ、お蔭様で」
私達は笑いあった。
私は彼のことが嫌いじゃない。むしろ、好きな部類だ。大森林で怯えてた時に優しくしてもらった恩は忘れられそうにない。
「そっちの嬢ちゃんは大きくなったな。んぁ?白髪の嬢ちゃんは、初めまして?でいいのか?」
「ううん、ボク、シルフィだよ。ちょっと魔力使いすぎたことがあって、それから髪の毛こんなになっちゃって……久しぶり、ギース」
「へぇ、そんなことあるもんなんだな。まあ、3人とも元気そうで良かった」
「ええ、私も嬉しいわ」
「へへっ、まさかこんなに早く着くとはな。手紙入れ違いになっちまったか?」
「まあ、ちょっとツテがありまして。その……父は元気ですか?」
「おう元気だよ。ロキシーとも知り合いなんだろ?あいつも会いたがっていたぜ?」
私は背筋が硬くなるのを感じた。
覚悟してただろ?それでも、だ。ノルンとアイシャのために、ゼニスのために、私は力を尽くしに来たんだ……気合いを入れろ。
- 52凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:16:52
案内された酒場では、パウロと炭鉱族の男が手書きの地図と睨み合っていた。マッピングした迷宮だろうか。
私はその表情に喉が鳴るのを感じた。
こんなに真剣に話しているパウロに話しかけるのは良くないんじゃないか、そうだよ邪魔になるよ。初めて来た町なんだ、シルフィとエリスと観光してから改めてもう一度この酒場にくればいいじゃないか。
そんな言い訳が浮かぶ私の背中をエリスとシルフィが叩いてくれた。本当に二人と来てよかった、二人に勇気をもらって私は一歩前に出て話かけた。
「父……さま……」
出た声は掠れていた、勇気をもらって出せた声がこれか。情けない。
でもパウロは顔を上げて、私の顔を見て驚いて、そして満面の笑みで私を抱き寄せた。
「ルディじゃねぇか!全然大きくなってないな、こいつ!」
頭を乱暴に撫で回される。
なんで?なんでこんなに喜んでくれるの?
「エリスに……そっちはシルフィか?二人は大きくなったなぁ。ありがとうな、ルディをここまで連れてきてくれて」
「いえ、パウロさんも元気そうで」
「ギレーヌとエリナリーゼからも頼まれてるし、私達も協力するわ。安心なさい」
「そうか。あいつらも元気なのか、そりゃ何よりだ」
私を撫でながら頭上で楽しそうに話すパウロに私は困惑した。
- 53凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:17:15
「なんで……」
「ん?」
「なんで、叱らないんですか?私、父様の邪魔したのに」
「邪魔?何の話だ?」
私はロアの街で縁談の話が持ちかけられた事を話した。その縁談を持ちかけた貴族は、フィットア領捜索団の援助をしていたらしい。当時はエリスとギレーヌを助けることで頭がいっぱいだったが、私が冒険者として名を馳せ始めた頃、その貴族が資金援助を打ち切ったという話を聞いて、私はパウロの邪魔をしたことに気付いたのだ。
だから、ノルンやアイシャを私に預けたのもパウロが怒って「それくらい協力しろ」と言っているものだとも思っていたし、第一声は私を叱りつける声じゃないかと想像していた。
私は道具じゃない、そう無意識に言い訳して大学に入って遊び呆けてきた。けど、ベガリットへ向かうと決めた時、逃げてきた罪に向き合うのだと覚悟したのだ。
パウロは私の話を最後まで聞いて呆れた声を出した。
「あのなぁ、娘が不幸から逃げた事を叱りつけたら、父親として流石に情けなさすぎるだろうが」
ストンとその言葉に何処かこの身体に転生してから感じていた違和感が消失した。
「娘……なんですか?私、父さまの娘でいいんですか?」
「おう。俺の娘はお前とノルンとアイシャの三人だ」
そうか。
この人は私の父親だったのだ。
情けなくて女にだらしないクソ野郎だけど、私の父親なのだ。
パウロの胸に顔を埋めながら、今更それを実感した。実感して力が抜けた。
- 54凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:17:33
「………俺の方こそ悪かったな、ミリスでの事ずっと気に病んでたんだろ?すまなかった」
「あの時は、お互い様です。それにもう謝ってくれたじゃないですか」
「エリスもシルフィも改めてありがとうな。ルディが自分を売るの止めてくれたんだろ?」
「当然よ」
守ろう。この命に代えてもパウロを守るのだ。
ゼニスを助けて、ノルンとアイシャの元に私の家族を送り届けるのだ。
「あれ?ノルンちゃん?いや……ゼニスさん?」
その決意を嘲笑うかのように、もう一つの罪が私の喉元に突き付けられた。
「あっ、分かりました、ルディですね!そうでしょう!私にも顔を見せてくださいよ!!」
明るい声。
忘れようもない声。
大丈夫。パウロとだって大丈夫だったのだ。この罪とだって向き合える。
振り向けばリーリャと、ミリスで出会ったシェラとヴェラと、予想通り青い髪の少女が、ロキシーが驚きながらも私を見ていた。
私は頑張って笑おうとして……吐いてしまった。
私の中でシーローンでの出来事がフラッシュバックしている。
駄目だ、私はこの罪には向き合えそうもない。
ロキシーに合わせる顔がない。
- 55凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 13:19:00
- 56二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 13:23:14
ルディ…やっぱこいつ激重だ…てかギース多分めっちゃ喜んでそう
- 57ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 14:51:46
皆さん>>35について色々考えを出してくれてありがとうございます。
全く関係ありませんがナナホシ授乳概念に連なる短いss書きましたので投稿します。
- 58ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 14:51:55
「ごめん。もう一回言って?」
目の前の少女━━否少女の姿をした自動人形であるアンの言った言葉が信じられずというか聞き間違えであってくれと祈りながら私はそう言った。
しかし、現実は残酷でアンは先ほどと同じ言葉を発した。
「イエス、サブマスター。━━━母乳をください」
「おおぅ…」
その言葉を聞いて私は崩れ落ちた。
…いや、なんで?確かにアンはナナホシそっくりに作ったけどなんで趣向までナナホシに似てるの?
「師匠…いくら何でもここまで似せる必要はなかったのでは?」
「いや、知らないよ!?私こんな設定してないよ!なんで母乳ほしがってんの!?」
とち狂ったことを抜かすザノバに突っ込む。どこの世界に人形に自分の母乳求めるような設定する変態がいるんだよ!…アスラ貴族にいそう。
「サブマスター、どうか私にあなたの母乳をください。」
「ひぇ」
等と言っているうちにアンがこちらに寄ってくる。
「ざ、ザノバ今すぐ停止させて!異常事態起こってる!」
その後、ザノバの手で停止されたアンを調べたがなぜ私の母乳を求めるようになったかはわからなかった。 - 59ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 14:52:20
終わりです。同胞さんこれもまとめていただけると嬉しいです
- 60二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 15:17:17
このレスは削除されています
- 61二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 15:18:17
自分を作り上げた母なんだから母乳は求めるよね
- 62薄めすぎたカ○ピス22/02/11(金) 16:02:24
おはよう!(もう夕方)
昨日の晩言ってた書いたはいいけどタイミングを逃した駄文を投稿させて頂きたく存じます! - 63薄めすぎたカ○ピス22/02/11(金) 16:02:36
「ねぇルディア、ちょっといい?」
「どうしたんですかエリス」
依頼を終えて宿に戻ってしばらく、就寝の準備を整えているとエリスが声をかけてきた。
「治癒魔術をかけてくれない?ちょっと喉が痛くて…」
確かに近ごろのエリスは声がしゃがれてたり喉をさすってたりしてたな、風邪だろうか。
「良いですよ、それじゃこっちに来てください」
エリスを手招きし、ヒーリングをかける。治癒魔術って便利ね。
「どうですか?」
「少し楽になったわ…じゃなくて、なった」
魔大陸に転移してからエリスは男言葉を使うようになった。俺が勧めたのもあるがボレアスの本家に怯える必要性が無くなったからだろう。
「それじゃあおやすみルディア」
「おやすみなさいエリス、あんまり夜更かししないように」
「わかった!」
翌朝。
「ん゛〜〜〜」
エリスがさながら猛獣の如く唸っていた。
「ヒーリングが足りませんでしたかね」
「どうした、風邪か?」
「別に゛体調は悪ぐな゛い゛けど」
つーかすげぇ声だ。まるでお爺さんみたい。
「どに゛がぐ喉が痛ぐで…」
「ルディア、治癒魔術はもうかけたのか?」
「はい、昨日の晩に」
「そうか、ならまたかけてやってくれ」
「分かりました」
またエリスを手招きしてヒーリングをかける。
「ありがとうルディア」
「いえいえ」
- 64薄めすぎたカ○ピス22/02/11(金) 16:03:26
しかし…
「ん゛〜〜〜〜」
「治らないな」
「治りませんね」
何故だ、別に治癒魔術の腕に自信があるわけじゃ無いがそれにしてもおかしい。もしや魔大陸特有の風土病とかじゃあるまいな。
「ルイジェルドさん、何か心当たりはありますか?」
「俺も病には明るくないが、こんな症状の病は聞いた事がない。人族特有の病か?」
「そんな病は無いと思いますが…あ!」
一つ思い当たる物があった!そして俺も昔こんなんなった!
「ひょっとして声変わりかもですね」
「ごえ゛がわ゛り゛?」
「なるほどな」
何ソレ?と言わんばかりのエリスの顔と納得したようなルイジェルドの顔が並んでいて面白い。
「声変わりっていうのは成長期に入った男の子がなる生理現象みたいな物ですよ、別に病気じゃ無かったんです」
正確には男特有でもないらしいが詳しくは知らん。
「もう400年以上前になるか、俺にもそんな時期があったのを思い出した。俺の息子にもな…」
ルイジェルドがしみじみと語る。息子さんの事を思い出しているのだろう。
「じゃあ゛どう゛じだら゛良いの゛、じゃな゛ぐで、良い゛ん゛だよ゛…」
「しばらくはそのままにするしか無いですね、人体のことはよく分からないので治癒魔術をかけて変な影響が出ても嫌ですし」
「ぞん゛な゛ー!!」
エリスのしわがれた悲鳴が遠く響き渡った…
- 65薄めすぎたカ○ピス22/02/11(金) 16:04:33
数週間後。
「どうよ!」
「おぉ、見事なテノールですね」
どう?似合う?と感想を求めてきた顔はそのままに、声は深みのある男声になっていた。これなら意識して使っている男言葉もよく映えるだろう。
「ずっと痛かったのが取れていい気分ね!じゃなくて、いい気分だな!」
一方で時々漏れてる女言葉は似合わなくなったが…まぁおいおい漏れなくなっていくだろうさ。
「やや高めだな」
「そのうち落ち着きますよ」
エリスはよく大声出すし。叫ぶし。そうした事をしていると声は太くなっていくと昔なにかで見た気がする。ただそれは…
「少し寂しいですね」
「そうなのか?」
「何となく、ですけど。私の体はあんまり変化しないのにエリスはどんどん大人になるので置いていかれるような気がしたもので」
そんな自分でも持て余している感情を吐露してみると、久しぶりにルイジェルドが頭をなでてきた。
「エリスとお前は二歳差だったな。それならお前もすぐに大きくなる、そう焦る必要はない」
「そうでしょうかね」
まぁ本気で置いていかれるとは思っていないが…大きくなったエリスの横にいて、釣り合うくらいにはなれば良いと思った。
終わりです、声変わりについて調べる機会があったのでちょっと前に流行った女装エリス概念を借用させていただきました。同胞殿こちらもまとめていただけると嬉しいのです
- 66二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 16:11:39
声変わりについて調べるとは…?
- 67ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 16:14:29
面白かったよ!…カルピスさんなんで声変わり調べたん?
- 68薄めすぎたカ○ピス22/02/11(金) 16:21:25
- 69ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 16:26:04
優しいな
- 70二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 16:26:18
- 71二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 16:51:04
- 72二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 17:47:40
男臭目のイケメン声…赤羽根さんとか?
- 73二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 18:09:02
ルディ子とエリスが中央大陸に転移。
色んな人を助ける内にアスラ貴族の政争に巻き込まれ、マスコット役としてアイドル活動をする羽目に。
幸いにもシルフィがアリエル王女に働きかけることで、援助が増えるが、ダリウスがルディ子欲しさに妨害しだす。
肝心の難民救助は上手く行かず家族も見つからず。
パウロほどメンタルケアが上手くないからヴェラ+シェラに詰られるわ(後にルディ子の最大の理解者になるが)、やりたくもないアイドル活動をやらされるわ、ロビー活動でアスラ貴族のセクハラを受けるわ、エリス(場合によってはシルフィも)を変態貴族から守らなきゃいけないわ、でメンタルボロボロ
「ピエロだ。私はピエロになるのだ」と踏ん張る
一方ロキシーとルイジェルドの援助を受け何とか魔大陸からノルンと帰還したパウロは、広告目的のアイドル活動で笑顔を振りまくルディ子を目撃。
本人は「こんなことしたくない、家族を探し回る時間が欲しい」と思っていることは露知らず、子の心親知らず状態なアンジャッシュが発生する……という電波がとどいた。 - 74二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 18:34:00
- 75二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 19:05:16
- 76ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 20:05:16
- 77二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 20:16:17
- 78ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 20:21:41
- 79二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 20:31:31
- 80ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 20:44:02
- 81二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 20:52:48
アイシャと肉体関係を持ってしまったルディ子が前世の姪ニーを思い出して自分は女になっても何も変わってないクズ野郎だと自己嫌悪と自分から離れて欲しくて前世の事も何もかもぶちまけるけどそんな事は関係ないと受け入れてくれるアイシャがいいですね。。。
私は嫁TS.は無し派ですね
- 82ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 21:05:52
ルディ子×アイシャss(クオリティ低いだろうけど)書いてもいい?
- 83二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 21:07:43
書いてください!!!
- 84二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 21:09:31
エリスに捨てられたと思ってるルディ子がアイシャに洗脳されるルート!?
- 85ssアシタカ22/02/11(金) 21:13:20
ただいま
じゃあその次にアシタカも投げさせてもらおう…… - 86ssアシタカ22/02/11(金) 21:15:53
二月にして早くも残業が平常運転になって来たせいでss投稿の頻度が酷いことに……
- 87ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 21:17:15
- 88ssアシタカ22/02/11(金) 21:21:03
- 89ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 21:28:23
>>88了解
- 90ssアシタカ22/02/11(金) 21:37:09
「おやルーディアちゃん、今日はパウロさんは来てないよ」
「別に父さんが目当てで魔物狩りしてたわけじゃないんですけど……それより、シルフィとお弁当を届けに来ました」
開口一番失礼なやつだ、あんなセクハラ親父家で顔を見るだけで十分だ、親父臭いのが移ったらどうする。
「ごめんなさいお父さん…遅くなっちゃって……」
「ルフィ!迷子になったんじゃって心配したぞ……ルーディアちゃんと遊んでたのかい?」
「違いますよ、近所の悪ガキに絡まれてたんです、遊ぶのは……今からシルフィと遊んで来ていいですか?」「うぇぇっ今から!?えっと……お父さん、いい?」
「ルフィと?……ほほう…うんうん、夕方までには帰してくれたらいいから、うちの子をよろしくねルーディアちゃん!」
「…………(ルフィ、頑張るんだぞ!)(う、うん!頑張る!)」ヒソヒソ
聞こえてるぞお二人さんよ、親子だねぇ全く…俺ももうちょっと母さんから可愛げを受け継ぎたかったもんだよ。 - 91ssアシタカ22/02/11(金) 21:37:58
コテハン変え忘れてた
- 92故郷と別れ22/02/11(金) 21:55:09
そんなこんな親御さんからのゴーサインももらっていざデート開始だ!
「…………ルディ、これからどうするの?」
やめろ、そんな目で俺を見るなシルフィよ、前世でも今世でもほとんどソロプレイを貫き通してきたプロのぼっちに気の利いたデートプランなんぞ期待しないでくれ。
「私も友達いなかったしなぁ…そうだ!せっかく図鑑もあるんだし薬草探しでもして見ない?」「薬草探し?」
「そう、料理とか薬とか色んな事に使える草だよ、例えばこの草は……」「……へぇ~!じゃ、じゃあこれは?」
元の世界でやったなら即刻絶縁状を叩きつけられそうな初デートではあったがなに、シルフィも俺も純真無垢はロリータだ、土いじり花いじりくらいが健全だろう。
二人で森の浅いところを散策して擦り傷がついたら治癒をかけて……魔術も教えて欲しい?意外とぐいぐい来るなこの子。
明日教えてあげるとだけ約束して今日はそのままシルフィを家まで送った。
初めて俺の口から家以外での話題が持ち上がってその日の食卓は少し賑やかだった。
約束しちまったからな…さっそくロキシー用の御神体(ロキシー直筆の教材)を誰かに譲ることになってしまったが仕方がない。
教材の端を千切って御神体の代わりにする。
ミリス様ロキシー様、明日からも変わらず私めの百合百合生活を見守っていてください…。 - 93ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 22:03:01
アシタカさん。(短いから)書き終わったがぶちこんでも大丈夫ですか?
- 94故郷と別れ22/02/11(金) 22:15:22
「父さん~いいでしょ~?教えてくださいよ~」
「お前なぁ…初の生徒が思ったより優秀だからって剣の方鍛えたってしょうがないだろルディ」
「はぁー…ホント父さんってケチですよね、可愛い娘のワガママくらい聞いてあげてもバチは当たらないでしょ?」
「でもなぁ、教えるんなら適当な事はできないだろう?だからって娘相手に打ち込み稽古なんて出来るわけ無いだろう……諦めるんだルディ」
「頑固おや…じゃなくて、そういえば今日の母さんの下着なんですけど……どうしようかな~木剣を振ってたら思い出せそうなんだけどな~」「あっずるいぞルディ!最近ゼニスが一緒に寝てくれないの知ってて言ってるだろ!」
「寝ぼけてリーリャさんの胸を揉む方が悪いんです。それよりも……」
今日も収穫は無さそうだ、想像以上のシルフィの天才っぷりに焦って剣を教えてもらおうとあの手この手でパウロを説得している。
が、パウロとのイベントフラグが増えているだけな気がする、エロゲーならこのままスケベ親父とのギャグエンドになる勢いだ。
まぁ母さんやリーリャやシルフィと女の子女の子するのも悪くないがたまにはこうやって猥談をしないと自分を見失いそうになるからな。
自分の中の変態紳士とは生涯付き合っていくつもりの俺にはこれもありがたい時間ではあるが……そろそろ素振りの一つくらいさせてくれてもいいだろう、頑固親父め。 - 95二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:17:51
- 96ssアシタカ22/02/11(金) 22:18:17
アシタカだよ
- 97ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 22:20:15
>>95ありがとうございます。投稿させていただきます。かなり低クオリティだし短いです。
- 98ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 22:20:30
「ふぁぁ」
朝日が顔にあたり目が覚めた。昨日もよく寝れたなぁ。
こんなにもよく眠れるようになるとは少し前まで考えもしなかった。
「ありがとう。アイシャ」
これも全ては私の隣で全裸で眠るアイシャのおかげだ。
エリスに捨てられ絶望した私はたった一人そばにいてくれたアイシャにすがり、あろうことか肉体関係すら持ってしまった。
最低なことをした。自分のことを心配してくれる妹の良心に漬け込み純潔を奪う。考えうる限り最悪の行いだ。…結局のところ私はグズのままだった。
だがしかし、アイシャは受け入れてくれた。こんなグズのことを受け入れ一緒に居てくれたのだ。
私はもはやアイシャなしに生きることはできないだろう。
本当はこんな関係はやめるべきだというのはわかってる。女どうしでその上実の妹と爛れた生活を送るなんて間違ってる。
でも、そんな考えとは裏腹に私の体はアイシャを求めている。もう後戻りなんてできそうもない。
「アイシャ、お願いだから私を捨てないで。私にはもうアイシャしか…」
スヤスヤと眠る妹に抱きつきながらそんな情けない台詞を吐いた。 - 99ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 22:20:40
「うぅん、ふぁぁ…」
しばらく抱きついているとアイシャが目を覚ました。
「おはよう、アイシャ」
「おはよう!ルディア姉、朝からお盛んだねぇ昨日あれだけやったのに。」
「やっその…そういうんじゃなくて」
「ふ~ん、じゃあなんで?」
「えっと……それは」
不安になって抱きついたとかいえない。ただでさえ情けないところばかり見せてるんだ。これ以上は捨てられちゃう。
「大丈夫だよ、ルディア姉」
「へっ?」
そんなことを考えしどろもどろになっているとアイシャが抱きついてきた。
「ダイジョブだよルディア姉。私はどこにもいかないよ。ずっとそばにいるから。」
「あっ」
私の内心の不安を見透かしたかのようにアイシャは私にそう言ってくれた。
…ダメだ。泣くな、これ以上情けないところ見せないって決めただろ。
「泣きたいなら泣いていいんだよ?私『は』ルディア姉がどんなになってもずっとそばにいるから。」
その言葉で私の決意はあっさりと砕けちりアイシャの胸に顔を埋めて泣いた。
━━━━そんな姉の姿を見てアイシャ・グレイラットの頬は三日月のように歪んだ。 - 100ルディ子概念を深め隊22/02/11(金) 22:21:00
終わりです。なんか色々アレな上にこんなクソみたいなssですみません。アシタカさんのssに割り込んでまで出すべきじゃなかった…
同胞さんこれもまとめ可です。 - 101ssアシタカ22/02/11(金) 22:23:50
- 102二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:26:45
(アシタカ…ssにいるルフィってシルフィでいい…?)
- 103ssアシタカ22/02/11(金) 22:27:36
- 104二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:29:23
- 105ssアシタカ22/02/11(金) 22:31:01
それはまぁ無職氏も地の文で思い浮かべてるし……
- 106凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:31:53
アシタカ様の言葉に甘えて投げます
お昼の続きの妄想駄文投下します。
妄想駄文ですがまとめてくださると、嬉しいです。
凡人に囲まれた凡人/エリスがブエナ村にくる話 - ここだけルディが女の子だった世界線SSまとめ(許諾もらえたもののみ) Wiki*wikiwiki.jpから始まった誰得謎√です。
あらすじ。
ルディ子がエリス付きでブエナ村へ戻り、シルフィとともに魔大陸へ転移した√です。二人とも魔大陸でルディ子が潰れたため成長が早く、そのまま3人で冒険者になり、一緒に大学に在籍しました(ヒロイン非TS)
ロキシーはルディ子の事を覚えていましたが何故か吐き出してしまいました。
- 107凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:32:06
『迷宮探索編(シルフィ+エリス同行√)』
買い出しが終わって酒場に戻ってくると、パウロさんがルディを抱き締めていた。
私は弟子の大きく……はそこまでなっていませんでしたが、成長した姿を見たいと声をかけたら、嘔吐してしまったのだ。
なにかの病気かあるいはただのラクダに酔ったのか、どちらにせよ解毒魔術をかけようとした所で、青い顔をしたリーリャさんがヴェラさんとシェラさんにルディを宿屋に連れて行くよう頼んで。
何が何やら分からないまま、嵐のようにルディは去って行った。
私はよく分からないまま、二人の女性の顔を見た。ミリスで聞いた、吟遊詩人がルディの活躍を讃えた歌は今でも記憶に残っている。正しければ、燃えるような赤髪の娘が『狂犬』エリス、雪のような白髪の娘が『猟犬』シルフィエット……ルディと長らくパーティを共にしているはずの彼女達もルディの様子をよく分かっていないようだった。
二人とも、ルディの背中についていきたいようでしたが、リーリャさんの反応を見てこの場に残ることを決めたみたいだった。
「リーリャ、なにか知っているなら話してくれ」
パウロさんの声が静かになった酒場に響く。リーリャさんはしばらく沈黙していましたが、観念したように天を仰いだ。ルディに口止めされて今まで黙っていたことを謝罪して、リーリャさんは話し始めた。
「……シーローンでの出来事です。ルーディア様は一人罠にハメられて魔術が使えない結界に閉じ込められました。私が見た時にはルディ様は裸に剥かれて大人の男達に殴られていました。貞操は幸い奪われていないようでしたが、一歩間違えれば」
ギリッとパウロさんが拳を握るのが聞こえ、『狂犬』が殺気立つのが分かった。
「……もしかして、パックス殿下でしょうか」
「はい。でも、そこまでは空元気を見せるくらいには平気だったんです。パックス…、を挑発さえしてました」
呼び捨て。あのリーリャさんが敬称すら使わない。何をしたんですか、彼は?不安になった。 - 108凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:32:44
「彼は私を人質にして、ルーディア様にロキシー様への手紙を書くように命じました。私を人質にされて、ルーディア様は渋々書き始めましたがパックスは内容にケチをつけては、男達に殴らせて、泣き出すルーディア様に何度も何度も書き直させました」
「……そんなことをされては、私を見て吐いてしまうのも仕方ありませんね」
何とか絞り出せたのは、それだけだった。
パックス殿下は妙に私に執心だった。彼が私を呼び戻すために、ルディを巻き込んだのだとしたら申し訳が立たない。何がルディの師匠だ。彼女を不幸にしただけじゃないですか。
ただ、リーリャは私の反応を見て、上ずった声を上げた。
「違うのですっ。パックスが書かせたのは、その……ロキシー様への誹謗中傷なのです。それも自分の頭で考えて書くようにパックスは命じました。
ルーディア様はこれっぽちもロキシー様を恨んでなんかいないのです。ただ、ロキシー様に嫌われるんじゃないかと怯えているだけなのです」
私の?悪口?それだけで私の顔を見て吐く?私を恨むなら分かるけれども……
パウロさんも、同じことを考えていたのか疑問を口にする。
「いやいや、無理やり書かされたんだろ?そんな事で嫌いにならないって、ルディだって分かってるだろ、それくらい」
「……もしノルンちゃんの人格を否定するような悪口を山程書き連ねればゼニスさんを助けられるってなったら、それで実際に自分でも思い付かないような悪口を書いたら、パウロさんはノルンちゃんの顔を見れますか?たとえノルンちゃんが許してくれたとしてもです」
よく見ればエリナリーゼさんと顔立ちが似ている『猟犬』の指摘を受けて、パウロさんは想像したのか押し黙ったあと、しばらくして「すまなかった」と口にした。『猟犬』も「ボクこそゼニスさんを引き合いに出してごめんなさい」と謝った。
私は一つだけ疑問を口にした。
「パックス殿下は何故そんなことを……」
「確かなことは分かりません。でも、ロキシー様からルーディア様を引き離したいと、そう考えていたように見えました」
- 109凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:33:03
*************
翌朝。
ルディは顔にクマを作りながらも笑顔で酒場にやってきた。疲れた顔ではあるが、それでも作り笑顔ではない。
ただ、私と目を合わそうとはしてくれない。
そして、新たに加わった三人に迷宮の名前を教えるとルディが鞄から本を引っ張り出した。ギースさんが本を読み始め、それが迷宮攻略に重要な書物と分かると、その本の回し読みが始まった。
「お前は凄いな、自慢の娘だ」
「嫌だなぁ、偶然ですって」
パウロさんがルディの頭を撫で回し始めた。ルディは恥ずかしがって離れようとするが、嫌がってはいない。
これだ。私の見たかった光景だ。ゼニスさんを助ければ。きっと、もっと、もっと見たい光景が見れる。
見えてきた希望に私は胸が軽くなるのを感じた。
父娘がイチャイチャしている姿を眺める私の元に二人の少女がやってきた。
「ロキシーさん、自己紹介がまだだったから。シルフィエットです、よろしくおねがいします。シルフィって呼んでください」
「エリスよ。私も呼び捨てで構わないわ」
「分かりました。改めてロキシーです、こちらこそ呼び捨てでお願いします」
私は赤面せずになんとか普通に挨拶できたと思う。
二人は昨夜宿屋でルディと裸で愛し合っていた。その声を聞いて、思わず覗き見してしまって思考が混乱して酒場に戻った私に、パウロさんが二人との関係を見抜いて落ち込むルディを慰めるよう頼んだことを明かした。
ルディが元気になったのも彼女達のおかげだと思った。
- 110凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:33:22
「イチャイチャするならよそでやれ」とヴェラさんとギースさんが気を利かせて、パウロさんとルディを買い出しに行かせた所で、ルディからもらった手紙を思い出して聞いた。
「確かお二人はルディの生徒だったんですよね?ルディはどんな先生だったんですか?」
「色んなことを知ってる凄い先生だったよ。でも、教えてもらっても結局、混合魔術が上手くできなくてさ」
「……いや、無詠唱が使える時点で全然凄いですから」
シルフィのこの自己評価の低さはルディ譲りだろうか。ルディと比べたら、という気持ちは分かるが、もっと自信持っていいのに。
「エリスはどうだったんですか?」
「なんて言えばいいのかしら……うん、私を見捨てなかったわ」
「見捨てない、ですか?」
軽く出てきたはずのその言葉に何故かドキリとした。
「ええ、ルディはどれだけ殴っても私に勉強を教えようとしてくれたの。
それにシルフィは私よりも魔術も勉強もできて、その、怖かったわ。シルフィの方が素直だから私なんかいらないんじゃないかって……ルディが目の前からいなくなるんじゃないかって毎日そんなことばかり考えてた。
でも、ルディは最後まで私のために、悩んでくれてたのよ」
エリスはむしろ誇らしげに語った
その言葉に、なんかピタリとハマった気がした。もっと早くに気付かなきゃいけないことに気付いてしまったようなそんな感覚。
唇が震えてる気がする。
「ロキシー」
私の表情に気付いたのか、シルフィが真剣な表情で私を見ていた。
「ルディにも同じようなこと言ってるけど、どんなことがあっても、ロキシーはルディの憧れで尊敬してる先生だから。それだけは自信を持って胸を張ってあげて」
でも、私はルディに叱られなければいけない。そんな気がした。
- 111凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:34:17
*************
更に翌日。
本格的な探索を始める前に、パウロさん達がルディ達3人の腕を見ることになった。
彼女達は規格外だった。
『狂犬』エリス。彼女が近付けばアイアンクロウラーのような硬い魔物ですらあっさりと微塵と化した。構え一つ、踏み込み一つ、剣の振り一つ、その全てが違った。疾く、鋭く、重く、剛い剣。笑みさえ浮かべ、しかし油断せず、敵を倒す度に研ぎ澄まされていく。想像を超えて、なお“未完成”の剣士。
『猟犬』シルフィ。彼女は魔法戦士として見ればタルハンドさんを少し上回る程度でギリギリ想像の範囲内だ。だが、パーティの一戦力として見た時の彼女はまさしく規格外だった。場を作り、息を合わせる、その技術は長い冒険者生活で見てきた誰よりも巧く柔軟だった。剣と魔術の技量だけでは成し得ない確かな強さを彼女は身に付けていた。
そして、『泥沼』ルディ。彼女の魔術は下級魔術ですら王級に匹敵するのではないかという威力を誇りながら、精密な制御もなされ手数も多い。その上で攻撃だけでなく敵の妨害までやってのける。才能と研鑽の積み重ね、その高みに彼女はいる。
私が呆気に取られていると、鎧の4本腕の魔物……アーマードウォーリアが姿を現した。
水神流を使う彼らは魔術師では勝てない魔物だ。だが。
「ルディ撃って!」
私の注意が間に合わずにシルフィの指示が飛んだ。ルディがやられる、そう思った瞬間には、逆にアーマードウォーリアがバラバラになっていた。
「この程度なら私一人でも大丈夫だったかしら」
「他も同じレベルとは限らないから、別の個体も見てみないと分からないよ。油断禁物」
エリスとシルフィが呑気に雑談する。いや、呑気に見えて周囲に対する警戒を張り巡らせてはいるが。
あの瞬間、ルディの魔術を受け流した剣技をシルフィが割り込んで潰し、その技の隙にエリスが斬り込んでトドメを刺した。構えから水神流の技を悟って、即座に一分の隙もない完璧な連携で封じ込んだのだ。
これが北方大陸から遠くミリスまでその名を轟かせた3人の実力。
これから、この子達と共に戦う。口の中が乾いた。
- 112凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:34:37
「どうだ?」
「うむ、これなら行けるじゃろう」
思わず尻餅をつく私と感心しきりなギースさんとは対照的に、パウロさんとタルハンドさんは冷静だった。
「シルフィ、魔大陸では守りはルイジェルドがやっていたのか」
「はい。旅の途中からですけど、エリスが突撃して、ボクが遊撃、それをルディから後方から支援して、ルイジェルドがいざという時の迎撃に備えるって感じでした」
「なるほどな、少し背後への意識が甘かった」
「……面目ありません」
「なぁに、落ち込むな、欠点と言うほどでもないわい」
陣形は決まった。エリスとシルフィが前衛、私とルディが最後尾を務め、私達の護衛をタルハンドさんと中衛に下がったパウロさんが務める。斥候役はギースさん。
ヴェラさんとシェラさんはこのメンバーだと却って足を引っ張りかねないから、ということで探索から外された。二人はルディの肩を抱いて「頑張ってね」と言葉をかけた。
ギースさんはルディと私をチラチラ見ながらパウロさんに耳打ちしていた。恐らく私とルディの問題についてだろう。パウロさんはギースさんに「今は少しでも使える人間が欲しい」と言って頭を下げた。
そして始まった探索は順調だった。
パウロさんはルディを直接守れて嬉しそうだったし、ルディもパウロさんの活躍が近くで見れて喜んでいた。そして、最後の仕掛けもルディが気付いて、ルディはパウロさんに褒められた。
私もルディとは話せた。笑顔の彼女は表面上は私とも楽しく話せてはいた。ただ、まだ、ルディは私の目を見られないようだったけれど。
そして、迷宮の守護者と対峙した。
- 113凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:37:05
*************
「撤退しましょう!ここまでのルートは把握しました、戦力を整えて再度挑むべきです!」
「ふざけんじゃねぇぞ!お前の母さんだろうが!ここまで来て、なんでそんな発想ができる!?」
ルディとパウロさんが言い争っていた。先程までの仲良く話していた親子とは思えない。
敵は鱗に触れるだけで擦り下ろされ、魔術は通じず首は斬り落とすそばから再生するヒュドラ。強敵だ。ルディが怖気付くのも分かる。
「飛び込めというなら飛び込みます!命を賭けろと言うんだったら死んだっていい!でも、それは勝てなきゃ意味ないでしょう!?今のままじゃ、命賭けても無駄死にだって言ってるんです!!」
「てめっ……うぶっ!?」
ルディの首元を掴もうとして、パウロさんが吹き飛ばされた。エリスが殴り倒したのだ。
ルディは目を白黒させているが、エリスはお構いなしだった。
「あんた、ルディ守るって自分で言ったくせに、勝手に前に出たわね?まず、それを謝りなさい!!」
そうだ。結晶に閉じ込められたゼニスさんの姿を見た時にはパウロさんは陣形を無視して走り出してしまった。連携が崩壊して、なお死人が出なかったのは、ギースさんとタルハンドさんの指示があったのが大きい。
パウロさんは据わった目をしつつ、殴られた自分を心配する娘の顔を見て、「すまなかった」と謝罪した。
「センパイも頭を冷やせ。センパイとシルフィとエリス、どれも現時点では最強の駒だ。地上に戻った所で、これ以上戦力の整えようがねぇ。足手まといを増やすだけだ」
「じゃな。蛮勇も臆病も、どちらも毒じゃよ」
その言葉に落ち込むルディの頭をシルフィが撫でて、エリスがパウロさんの腕の中にルディを押し込んで、作戦会議が始まった。
- 114凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:37:27
鱗以外の場所からなら魔術は通じるかもしれない、という私の意見を聞いて、ルディがアイデアを出した。斬った後魔術で傷口を焼くというもの。再生を封じると聞いたことがある、と。
その話を受けて、エリスとルディが、パウロさんとシルフィがそれぞれタッグを組んで首を斬り落として焼くことになった。
首を切り落とせるのはパウロさんとエリスだけ。
加えて零距離で魔術を行使するのだ。ルディとシルフィの無詠唱魔術以上の有効な手がない。
「ただし、それも駄目じゃったら、今度こそ撤退じゃ。父親思いの良い娘を持ったの」
「はい、父さまには勿体ないくらいの娘ですから」
軽口を叩けるくらいには、ルディは回復したようだった。
シルフィは耳をピクッと動かして、ルディに話かけた。
「ねぇ、火を使うなら例のアレ、用意した方がいいんじゃない?」
「大丈夫、もうやってる」
ルディがシルフィに掲げて見せた左手には魔力が込められていた。何か魔術を使ってるのだろうか。
「なんですか、それ?」
「迷宮探索用の、ちょっとした裏技というか保険です」
ルディはやや緊張した笑みを顔に張り付けて説明した。なるほど、確かにルディの桁外れの魔力量がなくてはできない裏技だ。
その技術に感嘆して、やっぱり目を合わせてくれないことを寂しく思った。
- 115凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:37:46
ヒュドラとの再戦。
エリスとパウロさん、ルディとシルフィが突撃する。私とタルハンドさんは4人の援護。
エリスが首を斬り落として即座にルディが燃やした。
即座に次の顎がルディを狙う。
パウロさんもエリスに負けじと頭の一つを斬り落として、シルフィが炎を飛ばす。
「再生しない!そのまま燃やせ!」
背後で観察するギースの声に戦法が正しかったと知り、戦いを続行した。
残り7つ。勝機も見えた。だけどヒュドラの首の内から一本が構えて……炎を吐いた。
真っ先に気付いたシルフィが風魔術で炎をかき乱して打ち消した。
私達の動きに戦い方を変えてきた。こいつ、賢い……!
「陣形を変更です!私とシルフィで炎をレジスト!パウロさんはルディとエリスの援護を!!」
事前の戦力確認でシルフィは火系統魔術が苦手だと言っていた。ならば、傷口を焼くのはルディに任せるべきだ。
シルフィは魔術でブレスをかき消しながら、縦横無尽に駆け回り、時に不意打ちを刻み、ヒュドラの意識を上手く誘導した。ブレスのタイミング、方向……私がレジストしやすいようにコントロールしてくれる。
そして時折ルディに向かう攻撃も、パウロさんが剣で受け流し、タルハンドさんの防御も加わって、エリスは攻撃に専念できるようになった。あっという間にまた一本斬り落とされた。
だが、ヒュドラは懲りずに一つの首が炎を吐き終わると、また別の首で炎を吐く。
その狙いが私達を焼き殺すことじゃないと、首を6本焼き落とした所で気付いた。
- 116凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:38:05
「酸欠、狙い……!!」
呼吸が徐々に苦しくなってくる。このヒュドラ、私達が火を使うのを見てこの手を思いついたのか。焼きたかったのは私達じゃなくてこの場の空気。
本来なら焦りが生まれる場面。
「ルディ!」
「はい!ロキシー、次のブレス、レジストお願いします!」
〈水盾〉を発動する。水の膜と炎がぶつかり合って、また室内の温度が上がる。苦し……くない。
蒸気が辺りに充満する中、ルディの左手に白い筋が集まって、逆側に蒸気を裂いてるのが見えた。
ルディのやったのは、いや、やっていたことは単純だ。ルディの左手で展開し続けていた風系統魔術〈真空波〉。その魔術を使って前の部屋で空気を圧縮して、この部屋まで“持ち運んだ”。そして、圧縮した前の部屋の空気と酸素が足りなくなったこの部屋の空気、それらを丸ごと入れ替えたのだ。
魔術を使い続ける、そして、その魔力がなくてはできない、ルディだけの芸当。
勝敗は決した。
ルディの用意した保険がヒュドラを上回ったのだ。
そう思って、油断が良くなかったのだろう。ヒュドラの頭のない首が振り回され私の肩が抉られた。
「うぐあっ!?」
思わず悲鳴を上げる。でも、致命傷には程遠い。ヒュドラにも隙が出来た。エリスが首を斬り落として、ルディが焼く。
残る首は一本……ルディと久し振りに目が合った。
- 117凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:38:22
ルディ?なんで、ヒュドラから目を離すんですか?私が怪我したから?悲鳴を上げたから?
駄目です、戦闘中によそ見なんかしたら
ほら……ヒュドラが気付いている。逃げて
私のまとまりのない思考を無視してヒュドラはルディ目掛けて、頭のない長い首を振り下ろす。
「馬鹿野郎!!」
パウロさんが蹴り飛ばした。
ルディは攻撃から逃れて生き延びて、パウロさんの身体はバラバラに千切れた。………………え?
え、いや、千切れた?
勝ってゼニスさんと、ルディと、リーリャさんと帰って、それからルディの妹達の元へ帰るんでしょう?
ルディと一緒に帰るんでしょう?
蹴飛ばされて無防備になったルディに迫る残る最後の頭をエリスが斬り落として、シルフィがルディよりかは威力の低い魔術で焼いて、ヒュドラは死んだ。
勝った。勝利の実感はないが、確かに勝ったのだ。
でも。
死闘の果てに残されたのは、ルディの絶望だった。
- 118凡人に囲まれた凡人22/02/11(金) 22:39:20
- 119二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:45:20
ロキシーの心労がやばい…
- 120二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:51:16
ルディ子ー!!!
- 121二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 22:52:02
- 122二次元好きの匿名さん22/02/11(金) 23:41:03
おいおいおいおいルイジェルドさん許さねぇよ
- 123二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:03:06
あえて気の抜ける話をしよう
ルディのパンツ(事後仕舞い忘れ)をつい嗅いじゃってあぁあぁあ…これこれ、この匂いが俺を狂わせる…してるところをアルスくんに見つかるエリオットくんがみたい - 124二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:06:31
そこまで追い込まれてたら首取り王子を止める余裕もなくもいでくれるさ!!!
- 125二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 00:51:59
アイシャに依存するルディ子は良い
- 126ssアシタカ22/02/12(土) 06:36:30
散歩から帰ってきたので仕事前に続き投げていくね……
- 127故郷と別れ22/02/12(土) 06:37:51
「……で、その時抱いたお嬢様がまただらしない体で……おっ!今日も来たな…ルディ、ちゃんとお淑やかにするんだぞ?」
今日も今日とてパウロの武勇伝(クズエピソード)の数々を聞いているとシルフィが家の堀の近くでチョロチョロしていた、まぁこんな下品な親父のそばまでは行きたくないよな、仕方ない。
「当たり前ですよ、父さんと一緒にしないでください、じゃあ今日も夕方までには帰ってくるんで遅くなったら探してくださいね~!」「おう!行ってらっしゃい~」
「よし、じゃあ行こっかシルフィ……って今日はズボンなんだ」
全く髪も伸ばさないし最近は服もボーイッシュなものになってきている、これでズボンまで履き始めたらいよいよ男子に見えてくるな。
「に、似合うかな?カッコいい?」
「へ?う、う~ん?カッコいいん…じゃないかなぁ?」
カッコいいとな?まさかもうクール系美少女に憧れ始めているというのか……魔術の事といい意外と侮れんなシルフィめ…… - 128故郷と別れ22/02/12(土) 06:39:09
あれからシルフィと俺は薬草や毒草探しをしたり魔術の勉強を一緒にしたりとほとんど毎日一緒に遊んでいる。
近所の悪ガキどもに何度か絡まれてもいるがその程度だ。
「なにやってるか?う~んと…特訓かな、父さんは剣を教えてくれないからある程度は自分で鍛えないとだしね、この草とか逃げながら燻したら解毒魔術が使えない剣士はイチコロだしね、そういうのも色々備えておきたいんだ」
パウロ以上の剣士なんてほとんど会う機会も無いらしいがパウロよりちょっと下程度のならず者なら出くわすかも知れんのだ、というかそうでなくてもパウロに一泡食わせてやりたいし剣士対策は俺の中では結構重要なのだ。
「えと……そうじゃなくて温かい水出したり風を出したりするの……どうやってるの?」
「だから本に書いてるように魔術を同時に……あー詠唱だと同時には無理か……」「じゃっじゃあルディがやってるみたいにしたら出来るの?」
無詠唱のことか?ロキシーでも出来なかったしどうなんだろう?……まぁあれは感覚みたいなもんだし魔術覚えたてのシルフィの方がやりやすいのか……?なんにせよ何事も挑戦だな。
「そうだなぁ…ちょっと分かりにくいかもだけどコツを教えるね、まずはいつも魔術を使ってる感じを……」 - 129故郷と別れ22/02/12(土) 06:41:05
「できた!できたよルディ!」「お、おめでとう……」
できちゃったよこの子、運動神経も俺より全然いいし、いよいよ先生の座も危ういな俺……
ええぃ、めげるな俺!治癒術師としては俺がオンリーワンなんだ、まだ威厳くらいは残ってる。
……けど、今日はもうこれ以上教えたくないな、うん。
「……あ、あれ?ルディ……?ルディ~どこ行ったの~」
シルフィが俺そっちのけで魔術に浮気している間に草原の中に身を隠す、シルフィがこっちを探しに来たところで……
「捕まえた!」ガバッ!「うわわっ!?ル、ルディ!?」
「魔術ばっかで先生をほったらかしにするような生徒はこうだよシルフィ~?」コチョコチョコチョ…
「んんっ……ぷっ、あははは!……ルディちょっ……ぷはっあははは!ボクの負けだよルディ……」
ふはははは、実力で勝てないのなら幼馴染みという安全圏から調教してしまえば良いのだよ。
シルフィが俺を越えようともシルフィが俺に勝つ日は来ないのだ!ふはははは……おや?
「あ、雨だ…」「あー、雨宿り……はもう間に合わなさそうだね、うちが近いし寄ってきなよシルフィ」 - 130故郷と別れ22/02/12(土) 06:42:03
案の定家に着く頃には俺達もすっかりずぶ濡れで、基本的に体を拭くだけのこの世界でもこれはもう風呂に入るしかないだろう。
「ただいま~!リーリャさん、ちょっとずぶ濡れになっちゃって……シルフィもここで休んでいいですよね?」
「ええ、おかえりなさいませルーディアお嬢様、二階にお風呂の準備はできておりますが……ご友人も一緒で…大丈夫なのですか?」
「?大丈夫ですよ、じゃあ先にお風呂もらっちゃいますね、ほらシルフィもおいで!」
「うん……ってえ?えぇぇ!?」
相変わらず遠慮がちなシルフィの手を引いてそのまま二階に上がる、本当に沸かしたてすぐって感じだらさすがリーリャさん。
手早く濡れた服を脱いで籠に入れて……
「ちょちょちょ!ルディなにしてるの!?」
「何って……服着てちゃ風呂には入れないでしょ?ほらシルフィも脱いで」
「え、えぇぇぇぇぇぇ!!???」 - 131故郷と別れ22/02/12(土) 06:43:06
全く、女同士で何を恥ずかしがっているのか、このロリータ時代に胸で悩むわけでもないだろう。
ハッ!?……まさか…!
恥ずかしい位置に黒子がついてたりするのか!?
なんだか急に気になってきたが、それを無視してもこのままじゃ風邪を引いてしまう、仕方がない手伝ってやるか。
「ほらシルフィ、ばんざーいってして、そうそう」ガサゴソ「ちょっ…ルディ近い……よ…わ、わわわ……」
なんだねさっきから、あたいの身体をガン見して……そんなに恥ずかしそうにされるとこっちまで変な気分になってくるじゃないか。
そのままシルフィのズボンも下ろして……あっ、一緒にパンツも下ろ、して……
「「え…………?」」
「へ?えっ?え…?え、ひいやぁぁぁぁぁぁ!?」「あ…ルディぃ……」
この場で絶対にお目にかかるはずのない存在とゼロ距離でご対面させられてしまう。
き、貴様!なぜそこにいる!……いや本当になんで?え?もしかしてシルフィっておと……
気づいたら俺は逃げ始めていた。
「ま、待ってルディ行かないで……!」ガシッ…「う、うわぁぁぁぁ!?」
「ルディ!一体なにが……え?」
俺の柄にも無さすぎる悲鳴を聞き付けて飛んできたパウロがそのまま絶句する。
やばい、この状況はやばい、急に逃げようとした俺をシルフィが止めようとして……二人して転けてしまって……
シルフィのシルフィは元気いっぱいで……
全員その場で凍りついてしまった。 - 132ssアシタカ22/02/12(土) 06:48:16
一旦止めます
リーリャさんそこはちゃんと止めようね……
ルディ子だと薬とか毒とかも使って脇を詰めないと厳しいかな……
っていうのとシルフィが対剣士で色々研究してなんでもありの北神流を鍛えるきっかけになるんじゃないかな……って
- 133ssアシタカ22/02/12(土) 06:51:22
- 134二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 07:14:00
- 135二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 07:16:05
ガチビビリなのほんと…想定外過ぎたんだな
- 136二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 08:43:54
アシタカなんでそんなに元気なん…?
怖がるルディ子可愛いね… - 137二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 08:52:16
腰ヘコシルフィ……
- 138二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 09:54:50
昔ちょっと出てきたロキシー♂が婚約者で家庭教師な世界線少女漫画の世界すぎていいと思うんですよ
パウロゼニス夫婦がパーティ解散直後に死にかけてロキシーと一緒に窮地を乗り越え「娘が産まれたらやるよがっはっは」「酔い過ぎですよパウロさん……」とか話してたら本当に産まれたし初恋持ってかれたし自分のせいだしでぐぬるパウロ - 139二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 11:37:44
- 140二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 12:10:34
あれは3嫁とルディが本編後に逆行だから夫婦生活の延長って色合いが強い概念のつもりだった
今回は初恋キラーの童貞先生に実は先生が好きなんですけど……婚約者が居るらしいんです……って幼女(五歳)にガチ告白されて(悪い気はしませんけどよそよそしかったのはコレのせいですか、多分パウロさんも気付いてからかったんでしょうね……と言うか大人として受け入れる訳にも……)「まず最初に言っておくと、その約束は酒の席のものなので婚約者の方は本気にしていませんよ。
それと気持ちは嬉しいですが……大人になってから本当に好きな人がきっとできます。その人に言ってあげてください。」みたいなカッコつけてた先生が数年後の再会で押せ押せされて堕ちるところがいいなって
- 141二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 13:27:27
- 142二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 13:32:29
これは恋愛くそ強ルディ子
- 143二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 15:52:54
- 144二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 16:47:55
これが女装で相手の油断を誘い必殺攻撃を入れる北王シルフィ♂の切欠になるとは今の私達は考えてもいなかったのです…
- 145二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 17:55:02
- 146二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 18:36:46
- 147凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:25:15
流れを読まずに昨夜の妄想駄文投下します。
妄想駄文ですがまとめてくださると、嬉しいです。
凡人に囲まれた凡人/エリスがブエナ村にくる話 - ここだけルディが女の子だった世界線SSまとめ(許諾もらえたもののみ) Wiki*wikiwiki.jpから始まった誰得謎√です。
あらすじ。
ルディ子がエリス付きでブエナ村へ戻り、シルフィとともに魔大陸へ転移した√です。二人とも魔大陸でルディ子が潰れたため成長が早く、そのまま3人で冒険者になり、一緒に大学に在籍しました(ヒロイン非TS)
ルディ子はシーローンでロキシーへの悪口を山程書かされました。
- 148凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:25:33
『帰還編(シルフィ+エリス同行√)』
「ロキシーときちんと話せ。今考えられないというなら、探索が終わった後でもいいから、な?」
迷宮探索の前日。パウロと話した。
私は誤魔化すように頷いたと思う。
とてもじゃないけど、勇気が出なかった。そうして臆病になった結果、ロキシーにちゃんと謝れなかった事が脳裏に浮かんで、強敵から目を離した。
ちゃんと話すべきだったんだ。
ロキシーへの裏切り。ただ、悪口を思いつく限り書いただけだ。たったそれだけ。たったそれだけで、私の心はボロボロになった。
男達が怖くなり、なすこと全てに自信がなくなった。旅なんてしたくなかった。
シルフィとエリスを守らなければ。その責任感しかなかった。いや、ただの見栄だった、捨てられるのが怖かっただけだ。
でも二人はいつの間にか強くなっていた。両親を失っても立ち直るだけでなく、私まで立ち直らせてくれて。彼女たちに比べれば私は弱かった。
ヴェラだってそうだ。当初はなんて破廉恥な、と思ったが彼女は痛みを隠して、必死に立ち上がって生き足掻いていた。
パウロが駄目な男?確かにそうだろう。でも、どうだ?見事に多くの人間を救い、最後に私を助けてみせた。
みんな強いじゃないか、なのに私みたいな弱い人間が何故生きている?弱肉強食の世界なんだろう、この世界は?
なんでパウロは亡くなって、私は五体満足なんだ……理不尽だ。
「奥様は、失っておられます……」
なんで、こんな……こんな、追い打ちまで。 - 149凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:25:48
あの時、「撤退なんて言葉がよく出てくるな」とパウロは怒った。
そうだ、あの時、私はパウロの方が大事だった。私はパウロに許してもらえて、彼の娘だと自覚できてたからだ。
でも、ゼニスの娘だという自覚は………多分なかった。だからゼニスを見捨ててもいいと思っていたのかもしれない。
家族の命の取捨選択を行うような外道が私だ。
心のどこかで、ゼニスに責めてもらおう、楽になろうとしたのが、愚かだった。
アイシャもノルンもきっと責めてくれない。
前世の記憶を思い出した。
親の葬式にも出なかった。その時私は何をやっていた?家族を傷つけただけじゃないか。そんな私が家族を守るだ?
笑わせるな。
前世でロクに親不孝しか重ねなかったのに、今の今までその記憶を忘れて、生まれ変わったからとのうのうと幸せな家族の一人になれると?
なれるわけないじゃないか。
でもさ、何で私以外の人間が不幸になるんだ?私だけが、苦しめばいいじゃないか。
なんで、なんで。
- 150凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:26:11
宿屋の一室で後悔と自責しか浮かばない私に、愛する人がやってきた。
「ごめん、ボクのせいだ……あの時、攻撃じゃなくてパウロさんに治癒をかけていれば……」
違う。即死だった。
パウロが死んだのはシルフィのせいじゃない。
顔をあげると、シルフィとエリスが不安げな顔で私を気遣っていた。
そうだ。私は幸せだ。
父親の死に目に会えた。父親は娘を助けた。母親だって生きてはいるのだ。
二人の両親は何がなんだか分からぬまま亡くなっただろう。話もできず。それに比べれば私は幸せなのだ。
「シルフィのせいじゃない、私のせいだよ……今度は失敗しないようにしなきゃ」
「今度って……」
「ルディ!」
エリスは力づくで私を押さえつける事ができる。駄目、今ここにいたら慰められてしまう。
私は立ち上がって、二人に向き直った。
「さあ、帰る準備をしよう。ギレーヌとエリナリーゼにも報告しないと」
こんなことで二人に迷惑をかけるわけにはいかない。
**********
それから私は動き回った。
帰還の準備に、ゼニスの世話に、精力的に働いた。
誰かが何かを言った気がするけど、気を使う必要はないのだ。
だって、私はゼニスとパウロの子じゃなかったのだから。元に戻るだけだ。
軽薄な愛想笑いを浮かべながら、私は動き回った。
「ルディ」
「ごめん、エリス、今から御者と打ち合わせだから」
エリスとは極力別行動を取った。力じゃ、かなわない。シルフィも力づくをあまり好まないけど、なんとなく甘えてしまう気がした。
私は避けていた。慰められる訳にはいかないのだ、この程度のこと一人で立ち上がらなくては。
- 151凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:26:58
「なんで、シルフィちゃんとエリスちゃんを避けるんですか?」
ラパンを出て3日、その夜、火の番をともにすることになったシェラが言ってきた。
「え?」
「二人はルディちゃんの事、大事にしてます。ルディちゃんを助けたいって……避けることないじゃないですか」
私は語った。パウロを死なせた私と違って、二人は強いのだ。今まで、彼女達に甘えて見合う人間に成長する事を忘れていた。強くならなければいけないのだ、と。
何故語ったのか分からない。
「弱かったら強い人の近くにいちゃいけないんですか?そんな事言われたら、私……」
シェラさんの事は詳しく知らない。ヴェラさんが強い女性だってことくらいしか。ただ、私は何か失敗したのだと思った。
私は追い詰められた気がした。
「センパイすまねぇ!」
翌日の夜サキュバスが現れた。
目が血走ったギースに私は襲われかけた。
「ま、ま、全くだ、新入り、世話、や、やかせ、やかせやが、って」
大したことはない。声が震えてるが、大したことはない。
だから、土下座なんてしなくていいのに。
「シルフィもエリスもし、心配しなくて大丈夫だから、配置に戻って」
「ルディ、今日は一緒に寝よう」
「だ、大丈夫だって、シルフィ。心配しす、ぎだよ、子供じゃないんだ、から」
「でも……」
「なんでよ!」
エリスが爆発した。
「なんで、ルディはいつも、いつも……!!」
いつも、なんだろう……?ああ、そうだ。
「ごめん、いつも二人に迷惑かけて」
「そうじゃない!!」
どうしよう。このままじゃ、エリスを傷付けてしまう気がする。エリスだけじゃない、シルフィも。
でも、どうすればいいんだろう?どうすれば……。
「二人とも。少しルディをお借りして良いですか?」
- 152凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:28:27
★ロキシー視点
私はルディを避けていた。
ルディはまだ私を尊敬している。尊敬してくれている。だけど、尊敬には応えられていない気がした。
だから、話すに話せなかった。
臆病になった結果、パウロさんを死なせてしまったのだ。ルディが自分を責める羽目になったのだ。
何を謝ってどう慰めればいいか、分からなくて。でも、ルディは忙しそうに動いてる、彼女は気分を紛らわしているから、今は大丈夫。そんな言い訳をした。
でも、違った。彼女は自分を誤魔化して、余計に傷を増やしていた。
誰かが話して彼女の膿を取り除いてやらなくてはならない。
シルフィ、エリスは近すぎる。だから、ルディ自身が踏み込ませない。
リーリャさんは逆だ。彼女と彼女の娘……アイシャちゃんはルディによって2度も助けられたらしい。その恩があって踏み込めない。
他のメンバーは踏み込み方が分からない。
だから、今話せるとしたら私しかいなかった。
「ルディ……」
「先生、ずっと謝らなきゃいけないことがあったんです」
「……聞いてますよ。リーリャさんを助けるためだったんでしょう?偉いですね、よく頑張りました」
「偉くないです。酷い事を書いてごめんなさい」
「さて、私は何を書いたか知りませんし、知ったところでそれはルディの言葉ではありませんから」
少しだけ嘘だ。ルディの言葉でないにしても、私はその罵詈雑言を受ける義務がある。
「たったこれっぽちの事話すのに勇気を出せなかったんですね、私……こんな事の為に父さまを死なせて」
「話せなかったのは私も同じですよ。いえ、師匠である私の方から話さなきゃいけなかった」
「大丈夫です。次は失敗しません」
目が虚ろだった。
「いいえ、失敗したのは私です。私はあなたの師として大事なことを経験しなかった」
「ロキシーが失敗だなんて……!」
パウロさんが死んでから、初めてルディが感情を取り戻した気がした。優しい娘。
でも、とても弱い娘。
- 153凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:28:59
「私は『叱る』という行為を経験しなかったのです。ちゃんと経験するべきだった。パックス殿下の行ないは全て私の責任なんです」
私はパックス殿下、いや、パックスと向き合わなかった。彼とルディを見比べて、才能がないと切り捨てて、彼の行いや態度を叱ってこなかった。元々歪んでいたかもしれない、だとしてもその増長させたのは私だった。
「いや、別に私はパックスのことなんて……」
「ルディ、ごめんなさい。ちゃんとパックスを叱らなかったばっかりにあなたに酷い目に合わせてしまいました」
「それはロキシーのせいじゃ……」
砂漠の冷え込む夜の空気は、ルディの魔術で緩和されている。バーニングプレイス、の応用、私にはできない。でも、こんなことが出来てもルディは私の弟子なのだ。
私はルディの手を取って立ち上がった
「ルディはシルフィとエリスを愛していますか?」
「なんで急に……」
「いいから答えて」
ルディは力なく、でも確かに頷いた。
その返事を見て私は彼女達が眠る天幕へとルディを引っ張った。
昔もこんな風にブエナ村の家の外に一緒に出ていった気がする。……そっか。今のルディは逆に帰り方が分からないんですね。
- 154凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:29:30
「えっ、ちょっと!?」
「いいですか、私はこれからルディを叱ります」
「ロキシー?」
訳の分からない、と言わんばかりのルディを天幕の中で俯くシルフィとエリスの真ん中にに突き飛ばして、言った。
「あなたが二人を愛していると言うなら、やることは一つです。甘えることです。情けなく泣きじゃくりなさい、みっともなく八つ当りしなさい。あなたが弱っている時、差し伸べられる手を拒むことは、相手を傷付けるだけなのですよ」
父と母の顔を思い出した。私はついこないだまできちんと甘えられずに、ずっと二人に寂しい思いをさせてきていた。
「エリス、もう逃がしちゃ駄目ですよ。シルフィ、こういう時はもっと強引でいいんです。いいですね?」
慌てふためくルディを孫弟子に任せた。
二人は驚きつつもきちんと頷いてくれた。
規格外だと、迷宮でその実力を見た時に思った。けれど、ルディもシルフィもエリスも、全然規格外ではなかったのだ。
私は天幕からエリスとシルフィと、そしてルディの泣く声が、喘ぎ声に変わったのを聞いて安堵した。
………少し格好つけすぎた気がして、急に恥ずかしくなって、私は悶えた。
- 155凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:29:50
翌朝
ルディ達は起きてこなかった。昨日の話をするとメンバーは一日移動せずに休む事を承諾してくれた。
途中、ゼニスさんの姿が見えなくなって、皆で探し回って、ルディ達が泥のように眠る天幕を覗いた。
ゼニスさんが、座って無言で娘の寝顔を見ていた。
泣いてる訳でも笑ってる訳でもない。
それは私が見たかった光景ではなかった。
でも、パウロさんが命を賭けたに値する光景だった。
昼になって、ルディは私の元にやってきて、怯えながら改めて私に謝った。昨日みたいなおざなりでなくて、ちゃんと謝らなきゃいけないって。
謝る必要はない、そう思ったけど、ルディの真面目な表情に向き合わなくては、と私はその謝罪を受け入れルディを抱きしめた。
「ルディ、私ラノアに行ったら教師になろうと思います。もう一度、きちんとやり直したい……そして、今度彼に会ったときに、きちんと向き合って正しく叱ってあげられるようになりたいのです」
「……ロキシーならきっとなれますよ。私も、今度こそ母さま……ううん、母さんの娘になります。きちんと向き合います」
ベガリット大陸。
砂漠と迷宮の土地。
失ったものにやりきれなさを覚えつつも、残されたものをこの手に握りしめて、私達はこの地を後にした。
- 156凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 19:31:44
- 157二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 19:56:06
凡人さんがなんかもう長編作家になったな…
- 158龍神さんエンドコンテンツ22/02/12(土) 21:02:02
※誰もいないので本編後社長がルディ子世界線に飛んで来て家庭教師やってるやつ
※この後(十数年後)ルディ子に食われたんだよね…
~オルステッド視点~
無の世界にて仲間達と共にヒトガミを封印した俺は、ルーデウスの子孫を見守りながら余生を過ごした、筈だったのだ。
「何、だと…」
甲龍歴330年、中央大陸北部の森。ループの起点、俺の失敗の象徴。気付けば俺の意識はそこで目覚めていた。ヒトガミを封印し、甲龍歴530年を過ぎてもループが起きなかったので、すっかり油断していた。
「何故だ…」
絶望した。ループが行われれば、それまでの出来事はなかったことになる。ルーデウスとその子孫が今までの周回で現れなかったイレギュラーであることを考えれば、彼ら彼女らの存在は俺が消したも同然だった。
「何故だ…!」
ヒトガミは封印した。まさか、ヒトガミの存命中に俺が死んだのがループの切欠になったとでも言うのだろうか。それならば甲龍歴530年の時点でループしても良かっただろう。ならば、何故。
「…知らなければ」
ただ、そう思った。今度奴と、その子孫たちと会えた時、彼らの存在が無に帰らないように。
ふらふらと立ち上がり、俺は歩き出した。今までの周回と同じように、今までと決定的に違う喪失感を憶えながら。 - 159龍神さんエンドコンテンツ22/02/12(土) 21:02:50
甲龍歴410年になった。一応、前の周回以上には鍛えた。魔力に関しては鍛えられないが。だが、この三年間ブエナ村には近づかなかった。ルーデウスが死産だと確認するのが怖かったからかもしれない。
「ふむ…?」
前周回の知識を元に作った呪い軽減のヘルメットを被り街を歩いていた時、妙な貼り紙を見つけた。ブエナ村の騎士パウロの家で、娘の家庭教師をして欲しいと言う物。
「おかしい。この時期ノルンもアイシャも生まれてはいない筈だ」
と、貼り紙を見ながら呟いていると、ロキシーとぶつかった。…初対面なのに怯えられないのは新鮮だった。
「えーと、貴方もこの家庭教師を?」
「いや、だがブエナ村に旧来の友人が居てな」
なのでついでに旅賃もある程度出して送って行こうか、と聞くと彼女は目を輝かせていた。どうやら割りと困窮していたらしかった。
「こんにちは。ルディア・グレイラットと言います。今日から宜しくお願いしますね」
ルーデウスは女になっていた。訳がわからなかった。ロキシーの性別はそのままだった。シルフィエットも。エリスはまだ調べてはいないが。ララやフェリスと言ったヒトガミ戦の仲間達の誕生は絶望的だろう。だが、それ以上に奴が女になっているという事実の理解を脳が拒み、俺は膝から崩れ落ちた。
- 160龍神さんエンドコンテンツ22/02/12(土) 21:03:53
~ルディ子視点~
何か一人だけ頼んでいた家庭教師が手違いか二人来たし片方は不審なヘルメットを被って膝から崩れ落ちていた。取り敢えず魔術の実物を見せて教えられるロキシーが魔術の家庭教師となり、色々あって魔術の知識は豊富でも殆ど使うことができない不審ヘルメットことオルステッドは村の警備や魔物の駆除を行うことになったらしい。
「なぁルディ、あの覆面の男とんでもなく強くて俺泣きそうなんだが」
情けなく言ったパウロは先程オルステッドの強さを確かめるとか言ってオルステッドに斬りかかり雑に吹っ飛ばされていた。オルステッドは水神流とかいう剣術の流派の奥義を素手で放ったらしい。どんな化物だ。
「私もオルステッドさんの魔術の知識には驚かされましたよ」
こんな田舎で水帝級魔術師になりそうです、なんて冗談めかしく言ったロキシーは目が半分死んでいた。教えに来たと思ったら自分より知識の多い通りすがりに自分が教えられていたらこうもなろう。
窓の外を見るといつもの不審ヘルメットを被ったオルステッドがパウロに剣の手本を教えていた。正直動きが速すぎて見えない。そしてそれを目で追えるパウロよお前は何なんだ。
- 161龍神さんエンドコンテンツ22/02/12(土) 21:04:52
「オルステッド先生、ちょっと良いですか?」
オルステッドがパウロの剣の練習に付き合っている時、ふと気になって聞いてみた。パウロは相当な剣の天才らしくここ数ヶ月でみるみる上達しているのが分かるが、それでもオルステッドにはまるで赤子の手を捻るように一蹴されている。その力の秘密がふと気になった。…あと、頭にいつも不審なヘルメットを被っている理由も。
「…俺は、古代龍族の末裔だ。かつて神々が存在した時代に最強と言われた種族の血を最も色濃く受け継ぐ一人。技量は故郷を滅ぼした怨敵を滅ぼす為に身につけた。この被り物は俺の呪いを軽減する代物でな。…そんなに変だったか?」
はい、と頷くとオルステッドは目に見えて落ち込んでいた。正直腑に落ちない点も幾つかあるがそれは置いといて。
「ところで、私のこと、たまにルーデウスって言いますけど、誰です?」
正直、これが一番知りたかった。俺を見る時、たまに遠くの誰かを見通すようにルーデウスと言う。俺も中身はともかくガワは女なのだが。とか思っていると、彼は一気に雰囲気を変えた。こう、田舎のお爺ちゃんみたいな感じに。
「…古い、古い友人だ。奴は人族だったので寿命で死に別れてな、ちょうど、お前のような男だった」
遠い過去から、ゆっくりゆっくりと思い出すように、彼は続けた。何かに祈るように。記憶を忘れた誰かに、かつてのことを語りかけるようだった。
続…?
- 162二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 21:12:54
やっぱりオルステッド社長って超可愛いわぁ
- 163二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 21:28:11
ループした社長がもう一度ルーデウスを仲間にする為に過度な接触を控えて赤竜山脈での再開を楽しみにしてたら女の子になってて???しながら胸に穴を開ける社長!?
- 164ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 21:43:19
オルルディに幸あれ
- 165凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 22:18:20
人少ないし、>>73の√のさわりだけ書いてみたSS?投下してみます
- 166凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 22:19:03
『アスラ王国アイドル地獄変』
光に飲まれた。
気付けばそこは立派なお庭で、目の前で男の人がターミネートボアに襲われていて、思わず魔術を使って助けて。
空からは女の子が降ってきて、それがシルフィだと気付いて、俺とエリスとギレーヌだけでなく大勢の人が光に飲み込まれたのだと悟った。
転移で頭がクラクラする中、俺達を保護してくれたこの国の王女だというアリエルに土下座で頼み込み家族捜索の援助を申し出た。
俺の説明から事情を察したデリックという男が、家族の捜索だけでは名目が立たないので、フィットア領の領民捜索の名義大分を打ち立てることにした。
ただ、資金の工面がつかないのが問題だった。王女といえど、勢力の弱い彼女では使える金が少ないらしい。
そこでアリエルはこう言った。
「彼女達に身体を売らせましょう」
俺は二人を背後に隠して身構えた。俺だけならともかく、二人を巻き込むとなれば話は別だ。助けてくれた恩人といえど、全力で抵抗する。
誤解を悟ったアリエルは説明した。
彼女が言いたかったのは要するにアイドル活動しろということだった。
俺達は運良く揃って見目麗しい可憐な美少女だった。そんな乙女達が国民にアピールして同情を誘い、貴族や商人から資金を引きずり出すという作戦だ。……まあ、可憐な美少女といってもその内、一人は元野郎で、一人は狂暴な山猿娘だけど。シルフィは兎も角、俺とエリスはどこかでヘマしそうな予感が……。
ちなみにアリエルの描いた図面では、貴族に直接アピールすることも考えていたらしいが、俺がシルフィとエリスを守ろうとする姿を見て、変態と名高いアスラ貴族の中に放り込むのは危険だと判断したらしい。
そんなに危険なのかアスラ貴族は……と思わないでもなかったが、俺が二人を守ろうとした姿に倒錯的な表情を浮かべたアリエルの顔を思い出して、なるほど国のトップからしてこれだものな、と納得した。 - 167凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 22:19:20
アイドル活動の準備は2日で終わった。
なんでも、デリックさん家のレッドバットさん家は、才ある女性を支援して輝くのを見るのが性癖らしい。その性癖を活かして多くの踊り子や歌姫を輩出してきたとか何とか。
その手の準備はお手の物らしい。
要するにアイドルをプロデュースするのが性癖なのね……あれ?地方貴族は中央貴族と違って変な性癖持ってないってフィリップ教えてくれなかったっけ?まあ、女性を輝かせるだけで、輝いた女性に変態行為迫るような人ではなさそうだったので、ケモ耳メイドと真っ昼間からいけないことするボレアス家からしたら大したもんじゃない……のか?
にしても、マジでアイドル衣装が用意されてるとは思わなんだ……。
地味な色が欲しかったのだけど目立つのが大事と言われたのでロキシーの髪から青い服を選んだ。
エリスは赤、シルフィは元の髪色からいい思い出がないので嫌がるかな、と思ったが緑を選んだ。二人ともかわいい。お嫁にしたい。俺、今女だけど。
尤もアイドルと言っても歌って踊る訳ではない。
まずはアリエルの演説について回って国民への理解を求め、徐々に貴族や商人から金をせびる、情報も同時に集めるという順序だ。
金が集まれば、この衣装のまま、難民を捜索したり慰問したりする予定なのだとか。要するにシンボルになれということだろう。
ただ、エリスはじっとしているのが苦手だし、シルフィも大人数の前は無理じゃないかな、と思った。けど、アリエルの遊説では二人とも我慢してくれている。本当にいい娘達だ……。
そうして、二月は集めるのにかかると思われたお金は一月足らずで集まってしまった。本当に変態多いなっ、この国!?
***********
一方その頃
「ノルン離れろ!そいつはスペルド族だ!」
「おとーさん、このひとわるいひとじゃないよ?けんかはだめだよ?」
(足が痺れてきた……膝の上からそろそろ離れてほしいんだが……)
- 168凡人に囲まれた凡人22/02/12(土) 22:19:50
終わりです。
楽しく振る舞える(楽しいわけではない)のは最初の一ヶ月だけの√で、あとは地獄なので続きはないです(多分)。
レッドバット家は変態性癖じゃない、と考察wikiに書いてありましたが、性癖を持ってないとは書いてなかったので、盛りました。画像検索したら、漫画版のキャラデザプロデューサー顔でしたし……
- 169二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:34:02
- 170二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:36:35
エロプロデューサー兼スポンサーにまくらを求められるんですねわかりまふ
- 171二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:43:54
- 172二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:46:37
- 173ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 22:46:48
- 174二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:47:39
またルーデウスがふざけた格好をしてると確認する社長も良い。。。
- 175二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:49:13
おけおけ!桶!
- 176二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:49:56
大きくなってきた胸を気にしてるルディ子の身体を無遠慮に揉みしだく姿を見て激昂するけど手も足もでずにボロボロにされていきなりの痴漢に怯えることしかできないルディ子を見ていることしかできないエリスは良い
- 177二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:50:29
- 178ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 22:52:57
>>177投稿させていただきます。短いです。
- 179ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 22:53:10
こんにちわ。元ヒキニート現新米ママのルディアです。今日はみなさんに私の新しい仕事を紹介しようと思います。
双子を出産した私は冒険者をやめ、現在はとある貴族の家で乳母兼家庭教師をしています。赤ん坊のお世話と7歳のお嬢様に魔術や算術を教えることが主な業務内容です。
給料がよく、住み込みなので住む場所も確保できるというかなり好条件。
ボレアス家での生活を思いだして悲しくなること目をつむれば理想の職場と言えるでしょう。
さて、授業の時間です。早速お嬢様のもとにいきましょう。そう思い、私は我が子達とお世話をしている子を連れてお嬢様のもとに向かった。
「先生!今日もお願いします!」
「よろしくお願いします。今日も頑張りましょうね。」
「はい!」
私の現在の生徒であるお嬢様は元気いっぱいなかわいらしい美幼女で暴力を振るったりすることもなく素直に私の言うことを聞いてくれているし、嬉しいことにとても懐いてくれている。
生徒というよりは新しく妹ができた感じだ。
私の出した問題を解こうと一生懸命頑張っている姿がとてもかわいい。
「できたぁ!」
なんてふうに見守っていると問題を解き終わったお嬢様が元気よく叫んだ。 - 180ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 22:53:26
「どれどれ」
お嬢様から答案用紙を回収し、採点する。
…うん、完璧だ。結構難しい問題を出したはずだが全部あっている。
「すごいです。お嬢様全部あってますよ。」
「本当ですかっ!?」
「はい、よく頑張りましたね。」
「じゃあ、ご褒美に頭撫でてください!」
「ふふっいいですよ。」
「やったぁ!」
頭を撫でて上げるとお嬢様はとても嬉しそうに笑ってくれる。
喜ぶお嬢様を見てるとこっちまで嬉しくなる。なんてホッコリしていると━━━━━
「オギャア、オギャア!」
赤ん坊の泣き声が聞こえた。泣き声のほうに目を向けると我が子達と私が乳母としてお世話をしている子が泣いていた。恐らくお腹が空いたのだろう。
「すみません。お嬢様、子供達にお乳をあげないと。」
「えぇぇぇ!…もっと撫でてほしかったのにぃ」
「あはは、子供達が落ち着いたらまた撫でてあげますから。」
「本当?約束だよっ!」
「わかってますよ。」
そう言って私は子供達のもとに向かった。
平和だなぁ。 - 181ルディ子概念を深め隊22/02/12(土) 22:54:17
終わりです。同胞さんこれもまとめていただけると嬉しいです。
- 182二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 22:58:30
平和な世界線は良い
- 183ssアシタカ22/02/12(土) 23:05:58
- 184二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 23:10:25
アシタカさんお疲れ様です。 体が第一ですのでしっかり休んでくださいね
- 185二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 23:13:32
土曜にこの時間まで拘束は真っ黒すぎる……
- 186二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 23:24:32
アシタカ労基に頼ったら…?
- 187二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 23:25:17
- 188ssアシタカ22/02/12(土) 23:36:45
次スレまでの解釈語りだけど基本的にちょっとした買い物くらいしか異性と喋れない男性恐怖症ルディ子概念
ぼろ沼ちゃん時代はそういうのに理解のある娼婦達から手助けされてそうだよね……って
サラは北方大地に来たときの驕りを打ち砕くようなルディ子の実力とそういう部分の弱さの二面性にどうしようもない苛立ちを覚えそうだよね……って - 189二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:00:46
サラにはルーデウスにしたような事をルディ子にして致命傷を与えて欲しいですね……
大丈夫、エリナリーゼさんがすぐ来るよ。 - 190二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:01:40
止まるのもアレだし踏んだきますね
- 191二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:03:02
- 192二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:05:01
- 193ssアシタカ22/02/13(日) 00:06:07
サラはなんというか実力不足と覚悟の足りない背伸びで自分も相手も傷つけて寝込むのがマジで似合うよね
アシタカがその昔書いたTSサラ√もちょっとサラのメンタルに強化入りすぎじゃないか……?ってなるくらいには年相応に弱いよねサラ… - 194二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:06:07
じゃあルディちゃんの方に発作的にサラを突き飛ばしてもらうか
- 195二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:06:11
女性に対する不信感も限界になったところでエリナリーゼさんが来てくれて事なきを得るんですのよね。。。
- 196二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:07:20
サラは感情で突発的に動くのが似合う
- 197二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:09:04
男に怯えている姿をみて同じ女ならと体で慰めようとした結果エリスを思い出して拒絶されてはぁ!?意味わかんないってなるサラ!?
流石にコレはクズすぎるか - 198ssアシタカ22/02/13(日) 00:16:04
アシタカ時空だと自分やスザンヌ達よりも水商売の女との方が距離近くて支えあってたり自分のパーティーメンバーにはビビるのにエリオットの服は捨てられないとかそういうところにキレてエリオットの服捨てようとしてルディ子にぶん殴られるよ
そのあとルディ子が妊娠発覚した現実逃避で冒険に向かうのを自分では止められずにスザンヌに泣きつきます - 199二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:18:29
未練がましくエリスの持ち物を大事にしてそれを蔑ろにされるの解釈一致すぎる……
- 200二次元好きの匿名さん22/02/13(日) 00:20:02
サラのことは嫌いじゃないんだ、むしろ好きだな。ルディ子を曇らせてくれ。