- 1◆7cUYYuxo.A.M24/07/20(土) 21:21:48
- 2◆7cUYYuxo.A.M24/07/20(土) 21:22:20
- 3二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:24:03
たておつ
- 4二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:24:05
たておつです
- 5二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:31:27
10までうめとかないといけないんだっけ?
- 6二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:32:27
うめ
- 7二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 21:37:41
乙です。
さてユメパイの料理の腕前は? - 8◆7cUYYuxo.A.M24/07/20(土) 21:39:49
前回までのあらすじ
百年前まで砂漠地帯だったアビドスは、百年続く雨と湧き水によって大湿地帯と化し、さらにその雨による謎の影響により銃火器が使用できない自治区となっていた。
オアシスを中心とした巨大な沼地『オアシス沼』が拡大を続け、沼に潜む機械獣の脅威がアビドス自治区に広がりを見せる中、沼の宝を探す『カイザーPMC』とアビドスを統治する『アビドス高校』の面々は、共にその脅威に立ち向かう日々を送っている。
PMCに雇われた『便利屋68』を口実に、アビドスに訪れていた『シャーレ』の顧問『先生』を確保しようと、『ゲヘナ学園』の風紀委員会がアビドスにて戦闘を開始するが、梔子ユメ生徒会長の人脈と、アビドス高校、便利屋68による反撃によって、風紀委員会は撤退。その後、事態収拾のために訪れていた空﨑ヒナ風紀委員長との間には、細やかな縁が育まれることとなった。 - 9二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 22:06:20
支援
- 10二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 22:06:44
10までうめ
- 11二次元好きの匿名さん24/07/20(土) 22:14:43
黒服からは今のところ友好的だがその関連でホシノが付いた「嘘」の中身が気になる
- 12◆7cUYYuxo.A.M24/07/20(土) 23:19:22
「それじゃあ先生、とりあえずバターを持っててくれる?」
「……うん、室温に戻すのに、ほっといたら時間がかかるから、体温で!」
「あ、そんな嫌そうな顔しないでよー! 暖めてる間に準備しちゃうから!」
「薄力粉を振るって―、卵を白身と黄身に分けて―、砂糖も準備して—」
「……ぶふっ、せ、先生、バター持ったまま真顔でこっち見るのやめて!? お、面白い……!」
「ご、ごめ、ごめんってば……! 笑ってごめんなさい! はいバター、良い感じになったでしょ?」
「じゃあバターをボールにぼーん! 砂糖をざばー! はい混ぜまーす!」
「あ、先生もやる? はいどうぞ、結構力いるから頑張って!」
「んー、そろそろかな? 分けた白身を少しずつバターに入れて、はいまだまぜまぜー」
「重たくなってきたら、薄力粉を加えるよー」
「あとはヘラで切るみたいに混ぜれば、生地の元が完成!」
「うへへー、ここからはお楽しみのもみもみタイムだよぉ! さあ、先生も張り切って!」
「生地を素手でむに、むに、ぐい、ぐいっ! っと纏めちゃって!」
「はーい、オッケー! それじゃあ生地をラップの上に移して、素手でざっくり伸ばしてー」
「ラップで挟んで、冷蔵庫にぼーん!」
「はい、じゃああとは生地を休めるので少し休憩! 先生お疲れ様!」
「先生、あったかいものどうぞ。って言ってもインスタントのお茶だけど」
「……ねえ先生。ちょっと、相談してもいいかな?」
「私はさ、今でこそホシノちゃんたちに先輩って言われてるけど、本当はもう卒業してるはずだったんだ」
「遭難して、その時の怪我と衰弱で入院して。リハビリして、ってやってるうちにホシノちゃんが三年生になって」
「留年して戻ってきたときには、ホシノちゃんが同級生になっちゃった」
「もちろん、嬉しくないわけじゃないよ? 新しい生徒も増えて、アビドスはまだまだ頑張れるって思ってる」
「だけど、私はどうすればいいだろうって思っちゃうときがあってね?」
「ほら、私ってもう、年齢としては大人なわけで。大人として、アビドスの皆に、ホシノちゃんたちに、してあげられることはないのかなって思っているわけです」
「……な、なーんて! あはは、ちょっと重いよね! ごめんね!」 - 13◆7cUYYuxo.A.M24/07/21(日) 00:16:13
”ユメは、先生に興味はない?”
「ナンパ!?」
”そうじゃなくてね……。アビドス高校の『先生』を目指してみる気はない?”
”アビドスの皆は、凄くたくましくて、自分の力で立つ方法を知っている子たちだ。だけど、だからって誰かに頼っちゃいけないなんてことはない”
”ユメ、君がその『頼れる誰か』になりたいなら、先生になるのもいいと思うんだ”
「私が、先生に……」
”もちろん、ユメがそうしたいなら、という前提だけれど”
話のタネ、くらいにでも考えておいて。先生はそう言って、それからお茶をぐい、と飲み干す。
先生になる。生徒会長としてみんなの前に立つのではなく。
『先生』のように、皆の背中を押してあげられるようになる。
それは、きっとすごく素敵な未来で。
「……うん、でもやっぱり、私には向いてないよ」
”どうして?”
「だって、私はどんくさいし、いつもホシノちゃんに怒られてるし。……誰かの道を支えられるほど、私は強く居続けられないと思う」
ただでさえ、一度死にかけているのに。どうして自分を信じて、誰かを導くような存在になれるというのだろう。
そう言うと、先生はまたはにかんだ。
”ずっと強く居られる人なんていないよ。私もそうだし、きっと他の皆もそうなんだ”
「先生も……?」
”うん。だけど、意地を張った先に見たい景色があるから、いつだって頑張れる。生徒の皆が、自分で選択し、自分の未来に責任を持てるように成長する。そんな景色が見たいから”
「……うーん、やっぱり私にはちょっと荷が重いかも」
”そっか。ううん、いいんだよ。自分にはできないと考えるのは無責任じゃない、それは自分をちゃんと見ている証拠だから”
こくり、と頷くと、先生も同じようにして、それからマグカップをテーブルの隅に置いた。
”ユメ、どんなものでもいいんだ。貴方は、貴女のなりたい貴女になれる。それを忘れないで”
「……うん。ありがとう、先生。──さ、クッキー作りのラストスパートやろっか!」 - 14二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 07:06:18
先生の言葉暖っけぇな
- 15二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 18:04:42
ほ
- 16◆7cUYYuxo.A.M24/07/21(日) 21:56:37
(危険地帯をドライブするゲームをしていたらこんな時間になっていました、ごめんなさい。ところでピックアップ募集が的確に息の根を止めに来ているんですけどどうしたらいいんでしょうね)
「たのもー!」
「あ、ユメさん。アビドスの皆さんお揃いでどうしました?」
「その掛け声で普通に対応されちゃうんだ……」
「ユメ先輩はいつもこうだよ」
「作戦頑張ってる皆に差し入れに来たの!」
「ん、皆で作った矢の詰め合わせ。必要だと思う」
「おお、助かります!! うちでも生産はしていますが、いかんせん消費の方が……。アビドス高校で作っていただいた矢は品質が良くて好評なんですよ」
「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいなあ」
「先輩は矢を作らせたら七割の確率で矢柄を折りますけどね」
「ひぃん……」
「相変わらずですなあ。あ、理事も今事務所におりますので、良かったら顔を見せてあげてください」
「はーい! あ、矢はどうしよっか」
「それでしたら、うちのもので運んでおきますよ。おーい!」
「じゃあお願いします! 車は駐車場の方に止めちゃっていい?」
「良いですよ。ガラガラなんでお好きなところに止めちゃってください」
「お邪魔します、ユメ先輩がうるさくてごめんね」
「ははは、若さの証ですよ」
「私より年上ですけどね」
「ははは……」
「ひぃん! なんで苦笑いだけなのぉ!?」 - 17二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 22:07:53
平和だ…
- 18二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 22:08:23
後輩達&カイザーの皆さんからのユメパイの扱いェ…。
とてもかわいいけどね。
ガチャについては無理すんなとしか。
月末近いしこの暑さだから急な出費も怖い。
しかしクロコが美し過ぎる。 - 19◆7cUYYuxo.A.M24/07/21(日) 22:29:55
「理事さんお疲れさまー」
「ん? おお、ユメ君。それにアビドスの。何だ、何かあったのか?」
「違うよ、矢の差し入れに来た」
「君らが作った奴か、それは助かる。……で、目的は?」
「うへぇ、疑り深いなあ」
「小鳥遊ホシノ、君がニヤニヤしているときは何か話がある時だ。なんだね」
「移動経路の整備が終わったら、前線近くに新しい基地建てるでしょ。確か去年あたりに計画書出してそのままだった奴」
「ああ。ようやくと言ったところだがな」
「そこ私たちにも使わせてくれない?」
「構わんぞ」
「そこをなんとか……え、いいの?」
「資材を融通しろという話なら要交渉だが、間借り程度なら構わんさ。……というか、そもそもここはお前たちの土地だろう」
「家主が違うんだから話は通すでしょ」
「……まあそれもそうか。ともかく、その話は問題ない。設置もそう掛からんだろう、今月中には目途が立つはずだ」「もうそんなにお片付けが進んだんですか~?」
「人海戦術もあるが、便利屋がいい仕事をしてくれていてな。やはり生徒がいると違うな」
「私とシロコ先輩の指導の賜物ね……!!」
「ん、私たちよくやった」
「じゃ、そういうことでよろしくね」
「ああ。というか、間借りは良いがまさかオアシス沼の奥地に行くのか?」
「先生が本校舎に資料を漁りに行きたいんだって。だからその護衛かな」
「なるほどな……。それなら、日程を合わせてオアシス沼の強行偵察任務を発行しよう。うちの戦力が囮になればある程度誘引できるはずだ」
「それは助かるけど……。いいの?」
「どちらにせよ一当てしてみるまで、攻略計画も立てられんからな」
「そっか。ありがと、理事」
「じゃー私たちはこれで帰るね! あ、あと理事さんにこれ、差し入れ! じゃーね、お仕事ばっかりしてるとお尻に根っこが生えるよ!」
「ばいばいりじおじ」
「すみません理事さん、皆適当で……。失礼しますね」
「気にしておらん。ではまたそのうちにな」 - 20◆7cUYYuxo.A.M24/07/21(日) 22:50:32
「もぐ。……美味い。相変わらずこういうものばかり上手になるな、ユメ君は」
「……そう言えば、私が最初にここで惨敗した時も、ユメ君にクッキーをもらったんだったか」
『……大丈夫?』
『……アビドスの一年生。なんだ、私を笑いに来たか』
『梔子ユメっていうの。それにそんなことしないよ。……はい』
『なんだ、これは』
『クッキー! 落ち込んだ時は、美味しいもの食べて、ゆっくり寝るの。悩んだっていいことないよ?』
『大きなお世話だ! 子供に、私の、大人の何が分かる!』
『わからないからって心配しちゃだめってことはないでしょ?』
『……能天気な奴だな。本当にこの自治区の生徒か?』
『そうだよ! ほら、制服だって着てるもん!』
『よくその制服を着て、その能天気さでいられるものだ……』
『だって、辛いことばかり考えて生きていたって、疲れるだけだよ? 私は無責任に高望みすることに掛けては一家言あるからね!』
『……はぁ。いいから、もう帰れ』
『……わかったよ。でも! クッキーは絶対食べてね! 力作だから!!』
『ああ、食べるから帰れ』
『……くそ、うまいな』
「……ふっ。思えば私も丸くなったものだ。気が付けば、ここにはもう五年近くいるのだものな」
「失礼します、理事。報告書を……あれ、理事。そのクッキーは」
「む? ああ、これはユメ君からの差し入れでな」
「ほほう、女子高生の手作りクッキーですか。……うわあああああ! おっさんに先を越されているううううう!!」
「あ、おい! なんだその叫びは! というか報告書は置いてっ、……行ってしまった」
「……うむ、美味い」 - 21二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 22:54:51
もしかしてブラマでシロコに泣かされたカイザー社員のおじさん?
- 22二次元好きの匿名さん24/07/21(日) 23:23:36
環境の恐ろしさは原作以上だけど、それ以外はキヴォトスでも上位に来る暖かさ…
学園と企業が支えあう理想の関係だよね~ - 23二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 00:19:59
自然が厳しい分、人と人とは優しくなれのか…
- 24二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 08:16:12
協力しないとやっていけないってことか
- 25二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 10:18:26
ユメパイの優しさが、この世界だとアビドス高校とカイザーPMCの良好な関係に繋がっているのだな。
- 26二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 12:49:00
これがユメ先輩が守りたかった、ホシノに受け継いで欲しかったものか…
- 27二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 18:50:45
このアビドスだとそもそもの対立がなさそうだから、カイザーPMCが失脚することもなさそうなんだよな
ワンチャン他のカイザー出るストーリーとかに関わって来たりして - 28二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 19:55:23
ユメパイさぁ・・・
助かったことに違和感無くなったのは良いんだけどさぁ・・・ - 29◆7cUYYuxo.A.M24/07/22(月) 22:20:25
(最初の方に、ユメを沼に行かせたら危ない、みたいな発言をさせたことがまさかこのように補完されるとはこのリハクの目をもってしても……)
「先生、おはようございます。今日は備蓄の棚卸です!」
「一日仕事だから、今日は巡回組以外缶詰だよー」
「巡回は私とシロコ先輩ね。アヤネちゃん、こっちは任せたわよ!」
「任せて。あ、差し入れした分の矢柄の木が回収できそうなら、帰りにお願い」
「りょーかい。じゃあシロコ先輩、行きましょ!」
「ん、頑張ろう」
「では先生は、私たちと棚卸をお願いしますね☆」
「よーし、アビドス高校棚卸かいしー!」
「緊急時の缶詰、もう期限近いから買い換えないとだめかなー」
「そうですね……。商店街に発注をかけておきます」
「あ、バナナとりの手帳! 開封してない奴いっぱいあったよ!」
「何であるんですか♠」
「……み、皆に配ろうと思って買い込んで、そのまま?」
「うへ……」
「んー、ガソリンの備蓄がちょっと心許ないですね。少し足しておきましょう」
「わー見て見て! アビドスの制服! 未改造!」
「あ、懐かしい。最初は皆これですよね」
「自分の装備を作るのはまず制服から始まりますからね♡」
「使わなかった装甲板の欠片がこんなに……」
「うわ、もったいない。後で矢作りに流用しちゃおう」
「飲料水のボトルも一部は買い替えしないとですねー♣」
「皆で飲む? それか、鍋でもやろっか!」 - 30二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 22:29:55
この世界だとユメパイが遭難した時に、ホシノだけじゃなくてカイザーの皆も捜索に協力してくれたから助かったってのがありそう。
- 31二次元好きの匿名さん24/07/22(月) 22:40:11
沼地の環境と外敵から身を守るからみんな臨戦おじさんみたいな恰好かそれ以上になってそう
- 32◆7cUYYuxo.A.M24/07/22(月) 23:28:56
「この辺も随分人が減っちゃったわね」
「昔はもっと人がいたの?」
「あ、そっか。シロコ先輩は昔のこと覚えてないんだっけ。そうよ、私が小さい頃のアビドスは、人もお店も今よりもっと多かったわ」
「そうなんだ……。セリカはここの生まれ?」
「うん、私も、あとアヤネちゃんもアビドス生まれ。地元のアビドス高校に進学する子は、私とアヤネちゃんの二人だけだったけど……」
「どうして?」
「単純に危ないからでしょ。銃が使えないのはいつものことだけど、アビドス高校に入れば機械獣との戦闘も日常になる。……ここじゃ、外と違って誰それがいなくなった、なんて話はよく聞くもの」
「じゃあ、なんでセリカはアビドス高校に入ったの?」
「……笑わないでよ?」
「ん、大丈夫」
「……私は、このアビドスが好き。危なくて、むしむししてて、雨と機械油だらけで、通学路にワニがうろついてるような、このアビドスが好きなの。だから、少しでもこの場所のために何かしたかった」
「立派な動機。私は、ホシノ先輩やユメ先輩、ノノミ。それにセリカとアヤネがいるあの場所が好きっていうだけ」
「な、なんかむず痒いわね。……さて、気を取り直してパトロール再開!」
「セリカ、セリカ」
「え、なに先輩?」
「お腹が空いたから、買い食いをする」
「……まあ、いいけど」 - 33二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 08:00:37
カイザー理事も捜索班指揮して救出+カイザー側の協力で医療施設までの搬送もスムーズに行ったって感じになるのも大きそうだな
- 34二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 18:41:10
ほ
- 35◆7cUYYuxo.A.M24/07/23(火) 22:51:05
「ただいまー」
「ただいま、皆お客さん」
「おかえりー! お客さん? どなた……ってわあ!? 車椅子!? 大丈夫だったの!?」
「自治区の入り口で立ち往生してる人がいるっていうから見に行ったのよ。担いで校舎まで来たから大丈夫」
「ありがとうございます、セリカさん、シロコさん。まさかこれほどとは思っておらず、ご迷惑を……」
「気にしないで、情けは人の為ならずって言うでしょ?」
「いいトレーニングになった」
「そ、そっか……。えっと、それであなたは確かミレニアムの?」
「はい、初めまして梔子ユメさん。私、ミレニアム最高峰の超天才清楚系病弱美少女、明星ヒマリと申します」
「あ、名前は知ってくれてるんだ! えへへ、嬉しいなあ! 初めまして、梔子ユメです!」
「……この名乗りに突っ込まれなかったのは初めてですね」
「え? 美少女なのはその通りでしょ?」
「ほ、ほほー……! え、この人いつもこんな感じなんですか?」
「まあおおむね?」
「ヒマリちゃんねー、その服暑くない?」
「暑くはありませんが……湿気が凄いですね?」
「こんな気候だからねぇ。あ、セリカちゃん。給湯室に棚卸した缶詰積んであるから、甘めの奴持ってきちゃってー」
「缶詰をお茶請けにするの!?」
「だって食べないとダメになっちゃうよ? もったいないでしょ、おじさんたちだけじゃ消費しきれないし」
「あー、まあそれもそうだけど……。りょーかい、あとお茶も持ってくるわね」
「セリカちゃんは良いお嫁さんになるなあ」
「はいはい」 - 36二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 22:57:18
特異現象捜査部も動き始めたか・・・
ところでエイミは? - 37二次元好きの匿名さん24/07/23(火) 23:47:43
エイミはこの環境だと真面目にキツそう、高温常時超多湿…
- 38二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 08:46:51
- 39二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 13:50:07
そういえば送電線とかは新しく防水加工したのを設置してるのかな
- 40二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 14:22:34
環境のおかげで冷凍庫のもの以外は足が早そうだけど
沼地という自然の宝庫だから食料にはそこまで困らなさそうだ - 41二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 17:26:10
というか今日の晩飯を通学路で狩ってこれるレベルの野生だからな、加工食品以外は保存する必要がない
- 42二次元好きの匿名さん24/07/24(水) 23:09:37
ほす
- 43二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 00:47:19
保守
- 44二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 01:04:30
そういえばここのカイザーPMCはアビドスにおける湿地帯戦用に改造したゴリアテとか持ってたりするのかな?
(機体各部に増設したフロートやスクリューである程度水上行動が出来たり、工具兼用の杭打ち機を装備して機械獣と近接戦闘が可能みたいな感じの…) - 45二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 02:08:38
- 46二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 07:23:23
ほしゅ
- 47二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 07:45:09
ほしゅ
- 48二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 11:19:44
- 49二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 16:19:52
ジャイアントトードかな
- 50二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:07:23
ほしゅ
- 51◆7cUYYuxo.A.M24/07/25(木) 23:47:09
「それで、んぐ。なにか用事があったんでしょ? ずずーっ」
「ええ、このアビドスで活動しているビナーの調査に」
「びなー? なにそれ」
「ヒナならこの前来たけどねぇ」
「……ええ、っと。あの、大きな蛇のようなもので、砂漠地帯であった頃から活動が観測されているのですが……」
「……あ、沼蛇のこと!?」
「あれビナーって言うんだ……」
「でも沼蛇は沼蛇でしょー、ビナーってなんか……カッコよすぎない?」
「いや、カッコよすぎるかどうかは別にどうでもいいです。それで、調査っていうのは?」
「これまでも、伝え聞く情報から推測だけはしていましたが、この度カイザーPMCがビナーの本拠地までの経路を作ると聞きまして。ぜひ私も同行し、調査を行いたいと」
「んー……。そもそもなんで調査が必要なの? そこを聞きたいんだけど」
『部長は話が回りくどい。あ、初めまして、私はエイミ。そこのヒマリ先輩と同じ『特異現象捜査部』所属。ビナーの詳細なデータを手に入れられれば、私たちが調べている『デカグラマトン』に対する調査も進められるの』
「こちら、ドローンでミレニアムから超遠距離中継中の暑がり、エイミです」
『多分そっちに行ったら私は五歩以内に動けなくなる』
「まあともかく、そういうわけなのです。よろしければご同行させていただけませんか?」
「……っていう話なんだけどねえ、どうしよっか」
「論外ですよ、車椅子で同行できる場所じゃありません。危険すぎます」
「でも調査だけなら、ドローン飛ばして事務所で待っててもらえばいいんじゃない?」
「ん、それなら大丈夫なはず」
「うーん……。まあ、それなら大丈夫だろうけど……。ユメ先輩、一応理事に打診しておいてもらえますか?」
「うん、伝えておくね。それにしても、ビナー、かぁ」
「……なんか似合わないわね」
「沼蛇は、沼蛇だもんねぇ」 - 52二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 00:32:11
この世界のビナー君コケにまみれてそうな
- 53二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 01:07:25
実際純銀ボディが苔と水草と泥で見る影もなくなってる。しかしエイミ、やはりこのアビドスは無理か。
- 54二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 01:18:31
独自の地形にも対応できる超高性能人工知能はそりゃ研究のしがいがあるな
- 55二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 01:49:53
- 56二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 08:11:28
というかエイミ(暑さで無理)、ヒマリ(車椅子ではキツすぎる)って絶妙に相性悪いな
- 57二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 16:32:53
異常気象とかの原因がデカグラ側にあるならビナーくんが改修されてたりしないのかな?
- 58二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 20:14:04
この世界だと黒服はただの変な研究職のおじさんで、オアシスについても調べてそうな感じだったから、ワンチャンヒマリと共同研究する可能性微レ存?
- 59二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 00:21:54
ほしゅ
- 60二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 00:58:11
過去レスで触れていたら申し訳ないけどミレニアムにこの世界のアビドスの環境に対応した装備類とか作って貰えないのかな
- 61二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 07:59:23
ヒマリが来たしここからミレニアムに繋ぎが取れればいいけど、現状の弓、投石が馴染んでるのもあるだろうからなぁ……
- 62二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 13:40:10
このレスは削除されています
- 63◆7cUYYuxo.A.M24/07/27(土) 13:40:34
(コテハン付け忘れ)
「みんなー、もうすぐ前線基地の配置まで漕ぎつけられそうだってー!」
「さすがに人手が多いと早いですねー♣」
「例のカイザーPMCの基地ですね? しかし、あのカイザーがこうも精力的に自治区に協力するなんて……。にわかには信じがたいですね」
「こんな場所だからねえ、いがみ合ってたらケリがつく前にお互いの息の根が止まっちゃうんだ~」
「息の根……」
「ま、まあホシノちゃんのはちょっと大げさだけど、持ちつ持たれつでやっていかないと危ないところではあるから」
「大変なのですねぇ……。ところで、このようなところで非常に原始的な武器を使用されているようですが……。銃火器はともかく、他の技術を取り入れたりはなさらないのですか?」
「って言うと?」
「つまり、ミレニアムや他の技術系学校に依頼して、装備や機材の拡充を図ったりなどは?」
「あー、それはねえ……」
「学校同士で大々的にやるには、生徒数や自治区の人数的に規模が小さいんですよ。かと言って個人間でのやりとりとなると、手続きや物資の持ち運びが手間になります。なにより、今のアビドスは百年間の湿地帯という特異な環境で蓄積された技術があります。それをおいそれと他自治区に見せびらかせはしませんよ」
「私は個人的にはいいと思うんだけどねー。でもやっぱり、特別なものを作ってもらって、それがいざって時に壊れちゃったらって考えると、あんまり頼りたくないのも本音かなー」
「ん、自給自足がうちのモットー」
「なるほど……。まあ、確かにホームでの優位性を捨てかねない技術交流ですから、慎重にもなりますか」
「真似したところで、他所で使えるものでもないからねぇ」
「ところでお昼過ぎたけど、皆お腹空かないの? 私は空いたわ!」
「うへー、じゃあご飯にしよっかー。缶詰も色々あるし、お昼は期限が迫った缶詰の消化大会だねぇ」
「ん、サバの味噌煮食べたい」
「私も食べたい! ホシノ先輩ある!?」
「あるよぉ、ご飯も炊けているよぉ」
「ヒマリちゃんは何食べたい? おかずの缶詰ならいっぱいあるよー」
「えぇ……? で、では量が少ないものを……」 - 64二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 16:42:15
技術や機械で補うミレニアムと原始的な戦闘を得意とするスレアビドスじゃあちょっと相性悪いか・・・
- 65二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 20:00:30
借金がないだけでこれほど平和()なのか
- 66二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 20:47:56
- 67二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 22:56:09
ほ
- 68◆7cUYYuxo.A.M24/07/27(土) 23:07:51
「おはよう、アビドスの諸君。それとシャーレの先生」
「おはよーございます、理事さん! 今日からしばらく、お世話になりますね!」
「君たちの宿舎は向こうのコンテナハウスだ。チェックはしておいたが、不備があればすぐに申し出てほしい」
「わかった、ありがとう理事。……あ、先生は?」
「む、先生も泊まるのか? まあ、ゲストルームはあるから、そこを使ってほしい。どうせ誰も使わんのだろうしな」
「バイオ燃料用に廃棄缶詰持ってきましたよ~♡ 少しは足しになると思います♦」
「おお、それは助かる。……いや、多くないか?」
「私がアビドスに入る前の缶詰だから、六年位前から買い足されてたやつかなぁ? 売れないし、食べきれないから使っちゃって?」
「まあ、頂けるというのならありがたく。おい、兵站部に回しておけ」
「了解です」
「おおー、結構部屋広いね!」
「二段ベッドが三つ、ほんとに合宿所みたいですね」
「ん、私上がいい」
「修学旅行みたいでワクワクしますね♠」
「アヤネちゃん、どっちがいい?」
「私は下がいいかな……」
「じゃあ私上ね! 二段ベッドって初めて!」
「ユメ先輩は下で」
「えっ!? なんで、私も上がいい!!」
「凄いですね、梯子昇れるようになったんですか」
「そこまでひどくないもん!! ホシノちゃんの意地悪!!」
「先週屋上から貯水タンクに上がるための梯子滑ってましたよね」
「何で知ってるの」
「見てたんで」
「ひぃん……」 - 69二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 23:10:38
「先週屋上から貯水タンクに上がるための梯子滑ってましたよね」
草生える。それにしてもほのぼのアビドスはいいなぁ! - 70◆7cUYYuxo.A.M24/07/27(土) 23:46:34
「さて、君がミレニアムから来たという?」
「ミレニアムきっての超天才病弱美少女、明星ヒマリと申します。今回はよろしくお願いしますね」
「……あ、ああ。とりあえず、情報管制室に席を設けてある。そこを使ってほしい」
「わかりました。……しかし、見れば見るほど……」
「ん、なんだ? 私の顔に何かついているかね」
「いいえ、カイザーらしくない方だと。ああ、申し訳ありません、不躾でしたね」
「構わんさ、最近は自分でもそう思っている。ああ、何か問題があれば部下に申し付けてくれればいい。特に君の体では不便だろう?」
「ご心配には及びませんよ、この通り」
「車椅子から足が……? きも、いや、独創的な……」
「少しばかり手を加えまして。アビドスの皆さんに手伝っていただいて、これだけはこの湿地帯仕様に改造出来ましたから」
「そ、そうか……(いやに嬉しそうだな……)」
「それで、よろしければこの後の予定を聞かせていただいてもよろしいですか?」
「うむ。まず準備が出来次第、威力偵察のためにうちの部隊をオアシス沼に差し向ける。それによって沼蛇……君の言うビナーを誘引できれば、その好きにアビドスの面々が本校舎に侵入し、一切の情報をかき集めて離脱する、という算段だ」
「であれば……。情報処理は私の方でも受け持ちましょう。もちろん、機密などには触れませんよ」
「それは助かるが、そちらの業務はいいのか?」
「手伝い程度でしたら問題なく進められますから。……それでは、ひとまずはこの辺りで」
「ああ。部下に部屋まで案内させよう、先生の部屋の隣になるが、問題ないか?」
「ご心配ありがとうございます、お気遣いなく」
「さて……。いよいよアビドス沼への挑戦か。例の兵器も準備は出来ている、今度はかつての二の舞にはなってやらんぞ」 - 71二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 23:59:15
- 72二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:05:16
ヒマリの改造車椅子、これまでアビドスの皆が倒した機械獣(特に蟹型)の余ったパーツとか使ってそうだな
- 73◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 01:15:15
前線基地建設から一週間。
物資の移動が終わり、作戦準備が整ったその日、アビドス高校の面々と、それに協力するPMCの一団が基地の広場に集まっていた。
それぞれが弓や投槍器で武装し、PMCの中にはコイルガンなどで武装した重武装兵も混ざっている。
傭兵として雇用されていた便利屋の面々はここにはいない。彼女たちの雇用はあくまで経路上の敵の掃討であり、今回の作戦とは別のことだからだ。
一方のアビドスの面々もまた、普段使いよりも数段強力な武装で身を固めていた。
特に顕著なのはホシノだ。彼女の手には弓ではなく、彼女の背丈の倍ほどもある巨大な戦斧が握られていた。
腰からはスリングが下がっているが、それはあくまで補助であるのは明白だった。
「諸君、おはよう」
おはようございます理事、とPMCから声が上がる。
理事の横には、四本足でわしわしと動く車椅子に乗ったヒマリと、その傍らに浮かぶドローンがいる。
「我々は敗北してきた。五年以上、このアビドスの環境に打ちのめされ、伸びきった鼻っ柱をへし折られ、泥にまみれて戦い続けてきた」
そして、その理事自身もまた、普段の防水仕様のビジネススーツではなく、自身の機体と直接接続したパワードスーツを着込んでいる。
一回り大きくなった理事は、気炎を上げて部下たちへ語りかけていた。
それは事実であり、また屈辱の歴史でもある。理事が理事としてその地位に就いて以来、味わったことのない苦味だった。
「貴様らもそうだろう。アビドスの者たちに助けられなければ、我々は今頃この沼の底に沈んでいた。……だからこそ、我々はこの恩を返し、またこの借りをあの沼に潜む化け物に返してやらねばならん!」
彼らは、かつてアビドスの地に敗北した者たちだった。
かつて、カイザーの名のもとに我が世の春を夢想した者たちだった。
それが今、己のプライドと、年若い戦友への返礼のために立ち上がっていた。
そうあらねばならぬと、ほかならぬアビドスの地で培った価値観は、彼らをカイザーとはまた別の集団として成り立たせつつある。彼らが、それを知ろうと知るまいと。
「その足掛かりとして、これよりオアシス沼威力偵察作戦及び、アビドス高校本校舎調査作戦を行う。この作戦はアビドス高校との共同作戦であり、彼女たちが本校舎の調査を行うための囮だ」 - 74◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 01:16:33
(今日はここまで。思ったより遅くなってしまいました)
「ここにおられるミレニアム校のヒマリ殿が我々の情報支援に参加される。いつものむさ苦しい後方支援に花が添えられるわけだ、諸君も嬉しかろう」
「ははは、そりゃあいいですな。機体の調子も上がるってもんです」
兵士たちの中からヤジが飛び、理事もその言葉に鼻を鳴らすように笑った。
「浮かれるのは良いが、浮かれすぎてあの蛇の餌にでもならんように気をつけることだ。それからアビドスの諸君、そちらの作戦の健闘を祈っている。くれぐれも注意してほしい」
「はーい! 気を付けるねー!」
「ユメ君、君はもう少しだな……」
「うちの先輩がすみません……」
軽やかなユメの声に、周囲からまた笑い声が湧きあがった。
長く戦いを共にした彼らにとって、彼女はいわばアイドルに近いものだった。
その彼女が一度命を落としかけた時には、理事を含めたPMCの全員が彼女を捜索したほどなのだから。
「おほん。今回は我らの戦友との共同作戦だ、彼女にもどちらにも、無様を晒さんよう気を入れて事に臨め! それから、アビドスに同行するシャーレの先生にも一言頂きたい」
”わかりました。皆さん、シャーレの顧問をしている先生です。この度は私の我が儘から始まった作戦に参加してくれて、ありがとうございます”
タブレットを携えた先生が、皆の前に立つ。
”ですがどうか、無理だけはしないでください。成果が出なくても、生きていれば次があります。必ず、またここに皆で戻ってきましょう”
「ありがとう、先生。だが一番危険なのはあなただ、くれぐれも無茶はしないよう」
”あはは、気を付けるよ”
「そうしていただきたい。──では諸君、作戦開始だ!」 - 75二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 10:02:39
ほっしゅ
- 76二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 11:05:01
ほしゅ
- 77二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:40:28
打倒ビナー!刺身にしてやるぞ!
- 78◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 18:46:47
オアシス沼。
正確には、アビドス自治区に存在『した』巨大オアシスを中心として、そこから湧き上がる地下水と、降り注ぐ雨が、その周囲に溜まる水によって流れ出ることなく溜まり続けた場所。
長く揺れる水草、濁った水色。そして、そこに住まう数多の機械獣たちと、その頭目とされる常軌を逸した尺度の機械蛇。
その全容は計り知れず、また測り知ろうとした者はみな沼の藻屑と消えていった。
沼蛇。その怪物の潜む沼に、再び挑もうとする者たちがいる。
「中型機械獣、十五! いえ、十七、八、ああクソまだ増えます!!」
「臆するな! 数ならばこちらが上だ、ケダモノ風情をわからせてやれ!」
「大型の駆動音を感知ィー!! 二体ですっ! こっちに来ますっ!」
「その前に小物を片付ける! 沼蛇に食いつかれる前につまみ食いなどされるなよ!」
「了解!」
カイザーPMC。このアビドス自治区へ、『宝探し』に来たという企業の手の者たち。
始まりはそうであった彼らは、今や一角の狩人へと成長していた。
機械人たる彼らに、成長という要素があるかどうかはともかくとして。
「素材の回収は後回しだ! とにかく数を、圧を減らせ!」
「次から次へと……!」 - 79◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 18:47:16
わざわざ道を作り、大きな音が立つモーターボートを持ち込んで、オアシス沼を爆音を立てて搔きまわしていく。
それを狙い、あるいは苛立ちを露わに水面から顔を出した機械獣めがけ、弓や槍が投げ込まれ、次々にその動きを縫い留めていった。
しかし、一体、二体、打倒したとて。さらに次がやってくる。
「大型、急速接近中! もうすぐそこです!」
「よし、道を開けろ! 我々が邪魔になる!」
その次を、打ち倒す者もいる。
ボートが大きく道を逸れ、そこへ水上に浮かぶパワードアーマーが辿り着いた。
八つの支柱のような大きな脚部を備え、桁違いの燃料を燃やして水上へと鎮座する湿地、水上用超大型パワードアーマー。
『大型接近、構えてください』
「了解した。任せたまえ」
通信から聞こえるヒマリの声に、頷いたのは理事だった。
すでに纏っていたパワードアーマーをコックピットとし、そのまま乗り込む形で接続されたそれは、四本の腕と、肩に二本の巨大バリスタを供えた完全な戦闘用機械。
「ゴリアテの力、見せてやろう!」
理事が唸り、水面がはぜる。
濁った水面を突き破って、大型の機械獣がその牙を突き立てんと襲い掛かった。 - 80二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:57:14
うお!?更新されてる!?
理事おじ&PMCの皆ガンバレ!! - 81二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 19:47:14
巨大機械獣vs巨大ロボット
ここ最近じゃ中々そういった栄養素がなかったからありがたい - 82◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 20:04:40
ゴリアテの拳が機械獣の横っ面に突き刺さる。
直進していたベクトルが横へずらされ、大きく逸れた巨体はゴリアテの脇を抜けていく。
近くの浮島へと着地したその巨体をゴリアテのカメラと、同行していたドローンのカメラが捉えた。
「でかいな、こんなのもいるのか!」
『爬虫類に近い頭部、大きな背びれ、それにこれは……。二足歩行で腕は補助ですね。かつて生息していたという、恐竜に近しい姿でしょうか』
「恐竜……。ああ、データベースで一度見たことがある。スピノ何たらとか言うやつだ」
『ええ。ですがもちろんそれだけではないでしょうから……後ろからもう一体!!』
ヒマリの声に被せるように、ゴリアテの背後の水面が跳ねあがる。
浮島に着地したものと同系の、スピノ型というべき巨大機械獣が、ゴリアテの背へと猛然と食らいつき、
「その程度で、このゴリアテが怯むものかァ!」
完全に噛みつかれる前に、一対の腕がその上下の顎をはっしと掴み上げる。
ゴリアテのカメラは前後に設置され、一時的に情報管制室のコンピュータと接続された理事の電子頭脳によって、その死角を補う役割を果たしていた。
「バリスタ発射!」
撃つ。
両肩のバリスタが丸太のようなボルトをスピノ型の体へ突き立て、それに怯んだのか顔を振ってゴリアテから離れると、そのスピノ型は一度水の中へと戻っていった。
そのすきを窺っていたのか、浮島のスピノ型は体を起こし終え、体をまっすぐに伸ばし、
『なっ、いけません! 高エネルギー反応!』
「なに──ッ!」
光が瞬く。
とがった口先を大きく開き、尾から顔までをまっすぐに伸ばしたスピノ型。
その背びれは左右に展開され、そこからは大量の電気があふれ出るように放出されていた。
理事がバリスタ自体を盾のようにして体を庇った次の瞬間、目も眩むような閃光と共に、強烈な一撃がゴリアテへとくわえられる。 - 83二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:07:34
おお!ゴリアテ局地戦改造!!
こういうの良いよなあ~ - 84◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 20:15:48
「ぬ、ぐゥ──!! これはっ……!」
理事の心中に一瞬の焦りと恐怖が浮かび、とっさにバリスタを切り離してその位置から体をずらした。
次の瞬間、バリスタは一瞬で消し飛び、さらにその奥の水面が大きくえぐり飛ばされる。
『高出力の荷電粒子砲……! 絶対に防御してはいけません、防いだ先から溶解します!』
「なんだと……! せいぜいレーザー兵器だっただろうに、また新しい玩具を持ち出してきたわけか!!」
『幸い、射程はそう長くありませんし、姿勢を見る限り安定した足場がなければ使えませんが……』
「水の中は奴らのテリトリーだ、どちらを選んでも地獄ということか……」
外したことを悟ったのか、それとも一部武装を破壊してひとまず満足したのか。
浮島のスピノ型は悠々と再び水に戻り、またゴリアテ目掛け突進していく。
しかし、それで怯む理事ではない。こんなところで作戦をぱーにするわけにはいかなかった。
「上等ではないか、ハナから不利など承知の上だ! 我々の技術力とて、そう負けてはおらんところを見せてやる!!」
気炎万丈で無事な四つ手を打ち合わせ、向かい来るスピノ型へ向けてこちらから猛進する。
水上での使用を目的として改造、改良されたゴリアテは、足場の悪い場所であっても十全に理事の理想とする動きを叶えるに足る性能を持っていた。
「理事! 支援を!」
「いらん! デカブツはこちらで片付ける、お前たちは他のを近寄らせるな!」
「了解! 御武運を!」
部下に声を張り上げつつ、再び牙を剥くスピノ型をひっつかみ、その真横から迫るもう一体の負傷したスピノ型へと叩きつける。
自動での再装填が終わった生き残りのバリスタが狙いを定める。
掴まれている方のスピノ型が、そこから逃れようと背びれから放電を始め、
「させるかァ!」
バリスタの一撃が、閉じたままの背びれを貫通し縫い留めた。 - 85二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:23:53
発射形態になってからの荷電粒子砲!?スピノのクセにジェノザウラー混じってやがる!?
- 86二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:27:18
怪獣VS乗り込み式ロボットのプロレスはロマンがあって最高だな
(短射程かつ安定した姿勢が必要とはいえ、荷電粒子砲積んでる機械獣って相当厄介だなぁ…) - 87◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 20:43:20
『放電停止、背中のアレが発電機構と放電版を兼ね備えています! アレが壊れれば荷電粒子砲は撃てませんね』
「それと尻尾だ、放熱機構か何か知らんが、奴はあれも使用していた。背びれか尻尾を破壊すればあのイカれた装備は使えなくなる!」
背びれを損壊しもだえ苦しむスピノ型を投げ飛ばし、先に損壊していたスピノ型へ近づく。
それを利用したのか、相手は水中から飛び上がる勢いでタックルを仕掛け、ゴリアテを吹き飛ばそうとした。
しかし、それも四つ手で抑え込まれ、さらにそこから尻尾を両片腕でがっちりと固定されてしまう。
「こちらも、破壊させてもらうぞ! ぬおぉぉぉ!!」
胴体の側と尻尾の側を、それぞれ左右二本の腕で抑え込まれる。
さしものスピノ型も、これには悲鳴のような咆哮を上げ抵抗した。
しかし、機械獣の部品をふんだんに使用した特製チューンのゴリアテの馬力はそれすらも食い破り、その尾を一息に引きちぎった。
「これで、自慢のとんでも装備は使えまい!」
その時、投げ飛ばされたスピノ型は尾を失ったもう一機を前足と口でがっしりと掴むと、水中から浮島へと勢いよく投げ飛ばす。
水中での挙動に必要な部品である尾を失ったと判断したためだった。
そして、生き物のように動きながらも、冷徹な機械である彼らは一対二でありながら劣勢となりつつある事実を覆すべく、さらなる手に打ってでる。
「なんだ、奴は何を……ぬぐっ!? なんだ、こいつはっ!」
背びれを破壊されたスピノが、自身の体を破壊されるのもいとわずにゴリアテにがっしりと組み付いて離れなくなる。
振り回される腕によって装甲は剥がれ、次々と機体が損壊していくにも拘らず、離れようとする気配がない。
その目的に気づいたのは、管制を行っていたヒマリの方だった。
『浮島のスピノがバリスタのボルトを引き抜いて捕食しています! 体内に高エネルギー反応! 背びれの急速発電です!』
「おいおいおい、荷電粒子砲は使えなくなっただろう!」
『いえ、これは……。理事、ボルトの素材は!?』
「金属だが!?」
『まずいです、すぐにそこを動いてくださっ』 - 88二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:47:16
コイツら強いぞ!?
- 89◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 21:21:36
音よりも早く、それが来た。
発射体勢にもならず、口を小さく開いただけの状態から、何かが射出され、ゴリアテの腕部を組みついたスピノ型の胴体ごと吹き飛ばす。
「な、ぐ、ぉぉ……!? なんだ、なにがっ……!」
『すぐに動いてください! 今のはレールガンです!』
「荷電粒子砲とレールガンの抱き合わせだと!? ええい、本格的にどうかしているぞこいつらは!」
『とにかく背びれです! 背びれを潰してください!』
「了解、だ!」
射出されたのは、ゴリアテが使用したバリスタ用のボルトだった。
その一撃によって組みついていた方のスピノ型は行動不能になったが、まだ背びれの残っている方のスピノ型は健在だ。
理事は即座に浮島へ上がることを決断すると、再び攻撃を加えようとするスピノ型へと近づいていく。
「そう何度も、撃たせるものか!」
浮島でスピノ型に組みつこうとするが、相手もそれを理解しているのか、後ずさりしながら充電を続けている。
その足へと、ゴリアテのバリスタが放たれた。装甲板を突き破り、その足を浮島の骨組みへ縫い留める。
その隙にスピノ型へと近づくと、バチバチと音を立てて充電する尾びれをむんずと掴み、そのまま一気に引きちぎった。
「これで、しまいだ!」
叫ぶスピノ型に、拳の嵐が降り注ぐ。それを止めようと小さな前足で掴みかかるものの、それでどうにかなる馬力ではなかった。
三度、四度、声が上がらなくなるまで徹底的に殴り続け、そうして頭部が損壊したところで、ゴリアテの動きがようやく止まる。 - 90◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 21:22:49
「はぁ……。くそ、本番はまだだというのに、腕一本にバリスタ一機を失ったか」
『すさまじいものですね、機械獣とは……。カメラ越しとは言え、こうしてみるだけでも寒気がするようですよ』
「だろうな。私も正直背筋が凍りそうだったよ。……さて、それで他の様子はどうだ?」
『……いいタイミングです、来ましたよ』
『──全隊に通達! 沼蛇の反応を検知! 猛スピードで戦闘区域に接近中! 注意せよ!』
ヒマリではなく、PMCの管制官の通信が響く。
全隊に緊張が走った。
「……本番だな。君のお目当てもやってきた、気を引き締めていかねばな」
『ええ、お互いに』
「……始まったね。行こう皆」
「先生はこっちに。皆から離れないでくださいね」
「手漕ぎボート二隻でゆったりオアシス沼の観光ツアーね、落ちないように気を付けて」
「皆さん、本校舎にはどんな機械獣がいるかわかりませんから♡ 十分注意して進みましょう」
「はい。あちらの管制とは私のドローンと、エイミさんが繋がっていますので」
『任せて。データの収集と周辺警戒を担当するね』
「ん、頑張ろう」
”それじゃあ、アビドスチーム出発だね” - 91◆7cUYYuxo.A.M24/07/28(日) 21:25:25
(今日はひとまずここまで。今更ですが、この作品は『Horizon Zero Dawn』と、一部ゾイドの影響を受けております。機械文明に近接武器で立ち向かうのいいよね……)
- 92二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:29:04
乙でした!
スピノ機械獣強いしカイザーグループと理事も強かった!
わかっちゃいたけどアビドスチームも油断は欠片もできないな - 93二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:42:13
Horizon!いい感じにブルアカナイズされてて親和性ばっちり!
既に被害が出てるけどなんとか時間を稼いで欲しい、頑張れ理事ー! - 94二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:02:24
1スレから追いかけてようやく追いついたけどめちゃくちゃ面白い
透き通った世界観とは無縁な鉄臭いロボットバトルが繰り広げられてて笑った - 95二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 23:46:47
乙!
- 96二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:23:26
cv稲田徹の理事の戦闘シーンは燃えそうだ
- 97二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 08:19:25
壮絶なロボットバトル作品になってきたなぁ、いいぞいいぞ!
- 98二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 15:12:48
うまい具合に被害最小限で事が進めばいいですな、
- 99二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 15:36:32
機械の癖して苔まみれなのにバリバリ元気に動くビナー君ほんま怖い
- 100二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 20:12:47
ここのPMC理事が上層部に思ってそうな事個人的1位
「毎回毎回上から偉そうに!!」 - 101◆7cUYYuxo.A.M24/07/29(月) 23:13:19
アビドス高等学校、本校舎。
最後にそこが使用されてから、百と数十年。
それでも、『キヴォトス創設時に建設された』その校舎は、カビや水の浸食を受けてなお、その力強さを失わずにいた。
一階は泥と化した砂に埋もれ、二階、三階は水で満たされている。
アビドスの面々は手漕ぎボートで音をたてぬよう本校舎に近づき、脛辺りまでが水で満たされた四階へと上陸した。
「うえー、これすっごいねー」
「先輩、静かに。……先生、足元は大丈夫ですか」
”うん、問題ないよ。他の皆は平気かい?”
「大丈夫。ただ、ちょっと動きづらい」
「とんだり跳ねたりってのは無理そうね」
『ほんとに凄いね、私にはとても近寄れそうにないや』
「はいはい、お喋りはその辺にしましょ~。中に何がいるかわかりませんよー」
「そうですね。私はドローンカメラに集中してしまうので、周辺警戒をお願いします」
ミレニアム製のドローンの隣に、アヤネの操るドローンが浮かぶ。
戦闘はホシノ、横にユメが盾を構えて進み、その後ろにシロコ、ノノミ、先生が固まり、そのさらに後ろにセリカ、アヤネが続く。
七人分の進む水音と、ドローンの飛行音。そして遠くから聞こえる戦闘音だけが響く中、本校舎の探索が始まった。 - 102二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 00:16:58
さて、本校舎探索。
鬼が出るか蛇が出るか? - 103二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 01:56:32
秘境のダンジョンと化したアビドス本校舎に何が眠るか…
- 104二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 09:42:11
なんかやばいの潜んでそう
- 105二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 18:11:59
ド派手なロボットバトルの裏でこっちは静かにダンジョン探索ってのもいい感じに対比になってるなぁ
- 106二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 22:14:13
何というかEDFクロス物みたいに状況はやばいレベルで悪化しているのにも関わらずキャラ周りの環境は驚く程に改善しているなw
- 107◆7cUYYuxo.A.M24/07/30(火) 23:27:27
(このスレの1スレ目が動画化されていました、別媒体のコメントが見られるのは嬉しいですね)
「とりあえず片っ端から漁ってみよっか。砂の浸食がひどくて、書類関係は上の階に運んだって前に何かの記録で見たことあるし」
「その上の階が、今水の中に沈んでなければいいですけどね」
大丈夫大丈夫、とユメが言う。
「重要書類がある所って生徒会室とか、その近くだったでしょ? で、生徒会室ってうちの校舎のどこにある?」
「……最上階?」
「正解! 構造自体は変わらないはずだから、書類を運び込める所って言ったらここの生徒会室、つまり最上階に動かしてると思うんだよね」
「ユメ先輩らしからぬ鋭い推理ですね」
「ひどくない?」
ざぶざぶと音を立てつつ、次の階に進む階段を目指して進む一行。
オアシス沼に侵入しているにもかかわらず、敵対する機械獣の姿はない。
あるのは、折れた木のくずや、水生昆虫だけ。それらが揺れる水面に浮きあがっては沈んでいく。
「出来れば全部見ていきたいけど、さすがに無理よね」
「沼蛇をいつまで引き付けていられるかわかりませんからね~♦ 手早く資料を探して、ぱぱぱーっと退散しましょう☆」
「古い見取り図によると、階段はもうすぐ先のはずです」
『さすが元マンモス校、階段が遠い』
「ぼやかないぼやかない。あ、シロコちゃんワニ」
「ん、仕留める」
アビドスの本校舎は広い。
生徒数が最も多い時には、キヴォトス最多とも言われたこの学校において、校舎とは必要に応じて増やすものだった。ゆえに、その構造は現在使用されているアビドスの別館と酷似しており、しかしその大きさはけた違いとなっている。
そんな、いわば異世界のような場所を歩いていたからなのか。
それに気づいた時には、すでに攻撃は始まっていた。 - 108◆7cUYYuxo.A.M24/07/30(火) 23:29:00
”……あ”
「先生? どうしたの?」
”セリカは、どこにいったの?”
「……全員警戒! アヤネちゃん、ドローンカメラの映像を再生! エイミちゃん、何かデータの観測は出来た!?」
『ごめん、こっちのドローンには何も記録されてない』
「セリカちゃんは最後尾でした、何かあったなら声を上げているはず……あっ!」
アヤネが驚いた声を上げ、全員が周囲を警戒しつつアヤネのドローンカメラの映像に視線を向ける。
そこに映っていたのは、とっさに攻撃の姿勢を取ろうとして、そのまま何かによって『巻きとられ』て天井に消えていくセリカの姿だった。
≪先生、上です!≫
”皆上からくる!”
先生にしか聞こえない、アロナの声に従い、先生が叫びながら見上げた。
そこにいたのは、今まで見たこともないような機械獣。
四足歩行、膨らんだ腹、天井に吸い付くように微動だにしない四肢。そしてぎょろりと横に飛び出たアイカメラに、長く伸縮する舌。
”カメレオン……!?”
カメレオン型。
その異形は、確かにそこにいて、しかし次の瞬間には風景に紛れて消えていく。
『なにがいるの、カメラには映ってない! 各種センサーも正常値!』
「とにかく戦闘準備! セリカちゃんを取り戻す!」
狼狽するエイミをよそに、ホシノが叫び。
その号令を皮切りに、戦闘が始まった。 - 109二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 01:09:46
カメラやらセンサーやらガン無視のカメレオン型は盛りすぎで笑う
- 110二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 01:24:59
こいつ(カメレオン型)も独自の環境に適応するために生み出された種ってトコかね?
いやはや恐れ入る… - 111二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 01:41:04
流石に弱点はありそう(なかったらどうすりゃええねん)だけどなんだろうか
究極のステルス性を求めた結果稼働時間が短いとか…? - 112二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 02:24:49
だいたいこうゆうのはEMPとかの電子系に弱いはずだからそこをつけば勝てそうだな
- 113二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 02:30:33
某リンバスのイシュメールみたいな
紐を繋げた銛とその身ひとつで戦う生徒とかもでてきそうだよな - 114二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 03:56:21
セリカを丸呑みにする機械獣…一体何が目的なんだろ
- 115二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 11:55:30
ミレニアム謹製のカメラ・センサー類に写らないカメレオンロボを普通に発見出来るあたり、やっぱりアロナって超性能だな……。
- 116二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 14:30:50
ほしゅ
- 117二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 19:47:32
保守
- 118二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:21:54
ほす
- 119◆7cUYYuxo.A.M24/08/01(木) 00:27:54
「くそ、姿が見えない。アヤネちゃん、エイミちゃん、ドローンで情報は?」
「だめです、カメラでは視認できません!」
『熱感知画像、動体センサー、赤外線、全部だめ。そこには何もないことになってる』
「ホシノちゃん前!!」
ユメの声で、反射的に身をかがめるホシノ。
そのすぐ上を、桃色に塗装された弾力質な物体が通り過ぎていく。
カメレオン型の舌だった。開いた口と、その中の舌は透明にはなっておらず、その動きもはっきり視認出来る。
しかし、
「あいつ、上に張り付いてる。せめて足回りがマシなら」
「でも上の階に上がっても、あれはついてこないですよね♣」
舌が伸びてきたのは天井からだった。
シロコはいつになくきつい視線を送り、ノノミも声色こそ普段通りだが、その表情は硬い。
足元はこれまで以上に悪く、そして不用意に攻撃すれば腹に収められているセリカにも当たりかねないとあって、攻撃の手は鈍らざるを得なかった。
”アロナ、あの機械のスキャンは出来る?”
≪もうやってますよ! 体表面が特殊な電波を発信する装置のようになっているみたいです! 熱感知や赤外線、動体センサーに引っかからないのはそのせいです!≫
”皆、センサー類は体表面の電波で使えないみたいだ! 何とか肉眼で見えるようにしないと……!”
「……ホシノちゃん、斧で水面を思いっきり引っ叩いて! できるだけ広範囲にしぶきが飛ぶみたいに!」
「はい!」
先生がアロナによる解析結果を伝えた直後、ユメが唐突に声を張り上げた。
普段とは違うその強い口調に、ホシノは躊躇いなく指示に従う。
ぐん、と戦斧を大きく振り上げ、そして平たい側面でめいっぱい水面に叩きつけた。
すさまじい勢いで水がまき散らされ、シロコ、ノノミは一歩下がって飛沫を避け、アヤネはドローンを操作しながら大きく後退する。 - 120◆7cUYYuxo.A.M24/08/01(木) 00:41:36
”ユメ!?”
「センサーはごまかせても人間の目をごまかすには細工がいる。その大きな目、ただのアイカメラじゃないよね?」
ユメの言葉通り、アイカメラに飛沫を被ったカメレオン型は途端にその姿を露わにした。
最初は飛沫が風景に付着したように見えたそれは、風景の中に飛沫が二重に現れ、そして飛沫と風景のまだら模様に変わっていく。
「こいつ……。目で見た映像を自分の体に投影してたのか」
「カメレオンの目って、左右ばらばらに動かせて、360度の視野角があるんだって。その情報を自分の体表面に映し出せば、背景の変化に乏しいこの屋内なら十分ステルスとして機能するもんね」
姿さえ見えるのなら、恐れるものなどない。
ホシノが吶喊し、それを追ってシロコが突っ込むのを見届けながら、アヤネは不思議そうに口を開く。
「でも、どうしてそんなステルス機能になってるってわかったんですか?」
「センサー類を全部無効化するような機能を積んでて、その上視覚まで全部ごまかせるなんて、さすがにバッテリーの方が持たないんじゃないかなって」
「ユメ先輩……」
『でも、これは厄介かも。少なくとも電子的な警戒が全部ダメにされる』
「そうだね……。だからセリカちゃんを最初に狙ったのかな」
瞬く間にカメレオンの首を叩き落とし、四肢をバラバラにしていくホシノと、でっぷり膨れた腹を裂くシロコ。
そうして引きずりだされたセリカは、機械油とすえた臭いで酷いありさまだった。
「うぇ、げっほっ! おえーっ! もう最悪! なんなのよもーっ!! 変な足音したと思ったら引っ張られて、油となんか溶けたものの中にぶち込まれて! うぇっ」 - 121二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 01:00:52
コレは頼りになるアビドスの長ユメ
- 122二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:04:06
ユメ先輩、こういう場面での咄嗟の判断力が持ち味か
- 123二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 18:15:08
- 124二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 18:43:38
本編でもアビドス砂まつりの内容とか、砂漠化の原因究明とか自力で調べ上げてたから、地頭はむしろ良いんだよなユメパイ。
ただ普段すんごいドジでうっかりで緩いけど。 - 125二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:49:44
ほす
- 126二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:53:34
性格と頭の良さは別だからね...
- 127◆7cUYYuxo.A.M24/08/01(木) 23:56:12
「はーい、水でバシャバシャしましょうねー」
「ううー……。さいあく……」
「……うわあ」
「どうしたの、ホシノ先輩」
「ああ、シロコちゃん。これ見て」
「……? なんにもない」
「そ、何にもない。こいつ、武装がないんだ」
「ああ、そういうこと? セリカちゃん、間違って食べられたんだ……」
「はあー!? 間違ってってどういうことよ、ユメ先輩!」
「あのね、多分このカメレオンさんは、物資と間違えてセリカちゃんを食べちゃっただけで、攻撃する意図はなかったんだと思うな」
「な、ええ……? なんで……?」
「私たちがここに入ってきて、新しい物資が流れてきたと思って上から降りてきて、セリカちゃんをパクッ、ってしちゃったんだと思う。多分このカメレオン、上の階に住んでる奴だろうし」
「こいつ、要は物資を集めて燃料にしてるだけの機械獣なんだ……」
「なんで上なんですか?」
「この子の装甲は雨に濡れると投影した映像と矛盾が生じるからね、そういうものがつかない場所を住処にしてると思うんだ。この上の階からは浸水もないし」
『ってことは、この上にはこのカメレオンがまだいっぱいいるかもしれないってこと』
「うわぁ……。どうしましょう……☆」
「……あれ、これなんだろ。あのどろどろに混じってたみたい」
「……鍵? どこの? あとそれも水で濯いだ方がいいと思う、べちゃべちゃ」
「タグの文字が掠れて消えちゃってるね。とりあえず使えそうだし、持っていこっか」
「ところでアヤネちゃん、一つ相談が……」
「……えっ」 - 128二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 09:37:43
続きが気になりますねぇ保守
湿地化による化学反応とかで人語が話せる機械獣とか出てこねぇかな - 129二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 10:11:58
保守
- 130二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 13:12:03
セリカとばっちり...
- 131二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 15:13:26
追いついた。文字通りのキーアイテム入手で続きが気になる
- 132二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 20:00:42
保守
- 133二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 06:28:19
ほっしゅ
- 134二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 12:50:19
待機
- 135二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:41:00
保守
- 136二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:30:17
保守
- 137二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 08:07:22
ほしゅ
- 138二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 17:45:53
ドンマイ、セリカ……
- 139二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 17:48:20
保守!
いつまでも待ってます…! - 140二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 19:06:15
保守
やっぱ全然ストーリー違うな… - 141◆7cUYYuxo.A.M24/08/04(日) 20:40:30
(保守ありがとうございます、随分お待たせしてしまいました)
「うわー、凄い勢いで追いかけてく……」
「うあああああ……私のドローンちゃんがああああああ……」
「ま、まあまあ……。私たちの探索の助けになってくれたんだから……」
「うぐ……。そ、そうですね……。とにかく、ドローンが囮になっているうちに、生徒会室まで急ぎましょう!」
「皆、移動は静かにね。セリカちゃん、周囲の音源探知お願い」
「出来る限りやるけど、分かった瞬間に襲われたらどうしようもないからそのつもりで!」
「大丈夫、今度は油断しない」
「何かあったらすぐ反撃ですよ~☆」
『あいつの音、私のドローンでも拾えなかったんだけど……』
「セリカちゃんは耳がいいんですよ。さっきも足音聞こえてたよね、セリカちゃん」
「聞こえただけだったけどね。ちなみに、今のところ連中はドローン追いかけていったから安全よ」
『ええー……。アビドスこわ……』
「さて、ここが生徒会室だね。鍵は……掛かってる」
「……あの鍵ですか? なんでまたピンポイントで……」
「どこかのキーボックスに掛かってたのをあいつが食べちゃったんじゃない?」
「なんでもいいですよ~、早く開けましょう♣」
「ん、私が開ける。いざご開帳」
「さ、なにがあるっかな~……?」 - 142◆7cUYYuxo.A.M24/08/04(日) 21:35:27
扉が開く。
百年以上閉ざされてきた、アビドス高等学校生徒会室の扉が。
中は湿度のためか埃こそ積もっているものの、それが舞い上がるようなことはなく、少し手を入れればすぐにでも使えそうなほどに清潔だった。
”ここが、アビドスの生徒会室”
「そうみたい。……なんだか不思議な感じ、時間が止まってるみたい」
「とりあえず、必要なものを探しましょう。書類関係は片っ端から回収しますよ」
ホシノの言葉で、外を警戒するセリカとドローン操作中のアヤネ以外の全員が室内を探し始める。
ロッカー、引き出し、本棚、書類がありそうなところは全てさらっていく。
「っていうか先生、一体何の書類が見たいの?」
「……そう言えば聞いてなかった」
”アビドスの、今の状況になる前の記録かな。あるいは、この状況が始まった頃の記録。それがあれば、今の状況が何によって引き起こされたのか探る手掛かりになると思うんだ”
「そんな昔の書類、残ってますかねー?」
「とにかく全部持っていきましょう、のんびりしてるとカメレオンが戻ってきちゃいます」
「あれ、ドローンは?」
「今必死に逃走中、もうすぐ追いつかれそうです」
「そりゃまずい、皆急いで—」
片っ端からひっくり返し、紙やディスクを片っ端から回収して鞄に放り込んでいく。
特に紙は雨で痛んでしまわないよう、丁寧に防水バッグにしまい込んで。
その際に、先生の目にある資料が映った。
”……アビドス初代生徒会長の言伝?”
「先生、早く早く!」
「資料はしまっちゃってください、そろそろ出ないと」
”ああ、うん。わかった” - 143◆7cUYYuxo.A.M24/08/04(日) 22:01:56
「理事さん! こちらアビドス組! 作戦は完了、撤退します! 繰り返します、作戦は完了、撤退します!」
『了解! 我々はこいつをな・とかしてから撤退す・!』
「わかった、気を付けて!」
「先輩、理事たちは」
「だいぶ激しい戦闘になってるみたい。とにかく、今のうちに私たちは沼の外に出ないと」
「先輩、ドローンが破壊されました! すぐに脱出しましょう!」
「皆早く! 船に戻って! あいつらこっちに戻ってきてる、足音が近づいてる!」
「よーし、皆撤収―! 逃げろ逃げろー!」
「総員に伝達! アビドス組は作戦完了! 我々も撤退するぞ!」
「りょーかーい! ああああうっとおしいなこいつらァ!」
「撃て撃て! 槍も弓も片っ端から撃て! とにかく距離離すんだ!!」
「沼蛇を最優先でねらえ! こっちに近づけるな!」
『スピノ1! カニ1! ワニ1!』
「こんなところでくたばるかぁー!」
「負傷者を先に後ろに運べ! とにかく沼の外まで退避するんだ!」
「理事! 早く理事も脱出を!」
「お前たちを置いて逃げられるか! まだ動ける者で敵を抑え込む! 日和るんじゃないぞ!」
「おぉー!!」 - 144二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 23:16:50
ホシュ
- 145二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 01:43:56
初代生徒会長の言伝とはまた大事そうなモノを。先生さすが運を持ってるね。
そして何度も言ってるが、こんなに頼りになるカイザーはレアだ。理事アンタ格好良いぜ。 - 146二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 08:06:05
どちらも作戦完了で被害はセリカがべちょべちょとアヤネのドローンが犠牲になったくらいだから概ね被害軽微かな
- 147二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 17:53:22
保守
- 148◆7cUYYuxo.A.M24/08/05(月) 21:34:27
「理事さん!」
「ユメ君、無事だったか。……そっちの二人は」
「ごめん理事さんシャワー借りるね!」
「あ、ああ。……何があったのだ?」
「あははー……。ねばねばっていうか、ぐちょぐちょっていうか……。その、練ったバケツ納豆を頭から被ったら同じ気分になれるかも……?」
「おお……。いや、何も言うまい。そちらの首尾はどうだったのだ?」
「とりあえず回収できるものは全部搔っ攫ってきたけど、そっちは大丈夫だった?」
「ああ、なんとかな。何人か、パーツの交換のために入院しないといかんが、その程度で済んだ。下がり際、破壊した機械獣の残骸も引きずってこられたからな、損害もある程度補填できる」
「そっか、よかったぁ……。じゃあ、とりあえずこれで作戦終了かな?」
「そうだな。ああ、ヒマリ殿から、観測データを纏めて後ほど送ると言伝があったぞ。病院行きの車に同乗して、一度ミレニアムに戻るそうだ」
「あ、そうなの? なんだ、ご挨拶しておきたかったなあ」
「また来ると言っていたからな、そのうち会うこともあるだろう」
「ユメ先輩、私たちも一旦休まないと。理事、本校舎についてのデータは後で共有するから」
「ああ、了解した。ゆっくり休んでくれ」
「ん、疲れた。シャワー浴びよう」
「洗いっこですね~♠」
「セリカちゃんのところに突撃するよ~」
「おー!」
「ふー、いいお湯でしたー」
「ただのシャワーですけどね。ああほら、髪拭きますよ」
「ありがとーホシノちゃーん」
「ん、先生何見てるの?」
「持ち帰った資料ですか? ……これ、生徒会長の言伝なんですか? これが?」
「なになに、どしたのー?」
「人のシャワータイムに押しかけて、この先輩たちは……。あれ、なに? どしたの先生? アヤネちゃんも難しい顔して」
「……皆さん、これ。見てください。初代生徒会長の言伝だと書かれた、短い文章なんですが」
「……うへー、なにこれ。どういうこと?」
『後輩たちへ。諦めず、雨を待て』 - 149二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 21:36:50
……もしかしてこの雨は人為的?
- 150二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 22:49:40
雨乞い(ガチ)した結果、延々と雨が降り続ける土地になっちゃったって事?
- 151◆7cUYYuxo.A.M24/08/05(月) 23:17:46
「……初代生徒会長は、この雨が降ることを知っていたんでしょうか」
「ただの雨を待てってことじゃないよねぇ……」
「そもそも初代って何年前の人なのよ」
「えっと……。あれ、そう言えば何年前なんでしょう? 少なくとも百五十年以上前の人なのは間違いないですけど……」
「アビドスが出来てから最盛期を迎えるまでにどれくらい掛かってるかだけど……。気にしたことなかったなあ」
「それって、百五十年以上前の人が今の雨を予言してた、ってことですかー? なんだか凄く壮大ですけど、出来過ぎてる気が……」
「でもノノミ先輩、これが本校舎にあったってことは、少なくとも本校舎が放棄される百年以上前にはあそこに置かれてたわけでしょ? 信ぴょう性はありそうじゃない」
「……よし、一旦やめよこの話! まずはご飯食べて、一晩ぐっすり寝て! それから色々考えよう! ね!」
「そうですね、今考えても変な考えが浮かびそうです。はい皆、食堂いくよー」
”アロナ”
『……先生。お願いされた、生徒名簿の検索なんですが』
”うん。何かわかった?”
『連邦生徒会の記録に、アビドス高校の初代生徒会長の記載がありませんでした』
”……そうか。二代目の子からはある?”
『はい。その人からは間違いなく記録されてます。でも初代の人は……』
”改竄の痕跡は? 外部から書き換えたような跡はあるかな”
『いえ、編集記録はたくさんありますけど、無理やりこじ開けたり、書き換えたりしたような様子はありません』
”連邦生徒会に、当時のアビドスから役員が選出されていたことはない?”
『……あっ! あ、あります! 初代の人と思われる時期、今から六百年前の記録です!』
”六百年前……”
『非常に簡素な記載で、名前も書いていませんが、最初にアビドスからの役員が選出されたのはこの時期で間違いありません』
”……わかった、ありがとうアロナ。アクセス記録は消しておいてもらえる?”
『わかりました、そうしておきますね! 先生、少しお疲れですか? 休んだ方が……』
”うん、もう少ししたら横になるよ。ありがとう”
『いえいえ! このスーパーAIアロナちゃんになんでも言ってくださいね!』
”六百年前の予言、かぁ” - 152◆7cUYYuxo.A.M24/08/05(月) 23:35:05
(これで多分Part1が終了、くらいだと思います。今日はここまで)
(ここから色々ネタばらしパートになっていけば、いければいいですね。ぐだらず進めたい) - 153二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 08:11:21
乙ですー
- 154二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 08:28:54
アビドスの現状は600年前から予言されていた...?
初代生徒会長の謎が深まりますねぇ - 155二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 13:43:43
pixivあたりでも読んでみたいなこれ
- 156二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:00:37
保守〜
- 157◆7cUYYuxo.A.M24/08/06(火) 22:06:40
(ぐだらず進めたかったけど仕事が長引きまして本日はお休みです。やりたいことはいっぱいあるのに書く時間がないんですねこれが)
- 158二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 23:59:29
この暑さかつ何処も仕事が忙しい時期ですので、ご無理はなさらず。
- 159二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 07:54:17
ほ
- 160二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:16:05
ほしゅ
- 161二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:02:32
ほし
- 162二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:30:04
保守
- 163二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 06:23:09
保守
- 164二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 12:41:32
これでもまだpart1なのか…
- 165二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 17:29:22
保守
- 166二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:29:44
保守
- 167◆7cUYYuxo.A.M24/08/08(木) 22:35:15
(ちょっとだけ)
『……ねえ、いつまでそのコーヒーとにらめっこしてるつもり?』
『先ほども言いましたが、私は苦いのが苦手でして』
『子供じゃあるまいし……』
『苦味を嫌うのは、毒物を嫌う動物的本能という説がありますよ』
『それは毒じゃないってば』
『……ズズ、ぇほっ』
『……いや、うん。無理しなくていいから。ほら、ミルクと砂糖あるし』
『……いえ、いただきます』
『黒スーツの大人がそんな必死にならなくてもさ……』
『せっかく入れていただいたのですから、飲まないのは失礼にあたるでしょう』
『無理に飲むのもどうかと思うけど……』
『……やはりミルクだけ頂いても?』
『……せい、先生!』
”ん……。あ、ああ。アロナ、ごめん。寝てた?”
『うたた寝程度です、起こしてしまってごめんなさい。資料のアップロードが完了したので、いつでも電子データで閲覧できますよ!』
”ありがとう。……明日、ユメたちにこの資料を返しに行かないとね”
『はい! ところで先生、さすがにきちんとベッドでお休みになった方がいいと思います!』
”……そうだね。少し横になろうかな” - 168二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 02:35:51
保守
- 169二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 07:59:49
ちょっと更新、乙です
- 170二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 17:19:13
ほっしゅ
- 171二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:19:11
保守
- 172二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:50:11
これ別の世界線の先生と黒服か?こっちだと黒服が先生にコーヒー淹れてくれたし。
- 173二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:59:58
ほしゅ
- 174二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 00:03:32
気の早い話だけどハイランダー組はどう関わってくるんだろう
- 175二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 07:11:31
念の為の保守
- 176二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 15:44:56
600年もの大昔のキヴォトス…
- 177二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 19:17:18
保守
- 178二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:07:59
このブルアカがもしゲームになってたら沼地地形ってどういう扱いになってるんだろ
一部の生徒しか出撃できないってなったらなかなか困りそうではあるけど - 179二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:24:49
イッチー、ほんへの合間に保守と感想で10レスから15レス埋まってるぽいし今日の分書いた後(あるいはなければすぐにでも)次スレ用意しといた方いいかも?
- 180◆7cUYYuxo.A.M24/08/10(土) 23:14:43
(お盆休み初日、バチクソ就寝していましたおはようございます。とりあえず今日で次スレに行くかもしれません)
「おはよー先生。今日もむしむしするね―」
「あ、おはようございます先生。……これですか? ワニのジャーキーです、食べます?」
「ホシノちゃんお手製だから美味しいよ。ただ、物凄ーく顎が鍛えられるけど」
「ほうれすか?」(ぶちぶち)
「……私、絶対ホシノちゃんに噛みつかれないようにするね」
「……?」
「え、えーっと! それで今日の予定なんだけどね、先日の作戦の影響でちょっとオアシス沼周辺が荒れてるみたいだから、その沈静化のために機械獣の討伐をしばらく続けるつもりなの」
「先生はアヤネちゃんと市内の巡回をしてもらえると助かるんですが」
「……うん、ありがとう先生! 市内にはめったに機械獣は出ないし、出てきてもちーっちゃい奴だけだから、アヤネちゃんに任せちゃって大丈夫だからね!」
「はい? ああ、本校舎で入手した資料ですね、確かに受け取りました。後で皆で確認しますね」
「それにしても、初代生徒会長ってどんな人だったんだろうね?」
「さあ……。あ、先生。ついでと言っては何ですが、商店街の方にこの発注書を渡してもらってもいいですか。以前棚卸して不足している備品です」
「あ、そう言えばそれもあったね。……ねえねえ、弾薬ってこれいる?」
「一応、最低限は常備しておくのが決まりなので」
「ひぃん、どうせ使わないものを買うことほど無駄なこともないよぉ……」
「まあまあ。とにかく先生、よろしくお願いします。私たちは二手に分かれて巡回なので」
「私とノノミちゃん、セリカちゃんで一チーム、ホシノちゃんとシロコちゃんで一チームね。何かあったら連絡してね!」 - 181◆7cUYYuxo.A.M24/08/11(日) 00:20:41
「先生、落ち着いて自治区内を回ったことってありましたか? ……まあ、そうですよね。先生がいらしてから、結構騒がしいばかりでしたし。よければ巡回のついでに案内しますね」
「では行きましょうか、巡回と言っても基本的には住民の皆さんのお手伝いが主なんですけど」
「自治区内、特に大通りと言われている一番活気のある地区は、今でも様々な店舗が軒を連ねる場所です。アビドスイリエワニがその辺をうろついているのが玉に瑕ですが、おかげで食事に困ることはないですね」
「食事、電気製品、武器、サブカルチャー、その他もろもろ。いろんなものがここで揃います」
「ただ、ウチの自治区そのものがかなり特殊と言いますか……。こういう場所なので、他の自治区に比べるとやはり人は少なく、店舗に並ぶ品数も限りがあるんです。ジープの修理は出来ますが、新車が買えないのもそういう理由で……」
「あ、先生足元、はいっ」
「……結構おっきなワニでしたね。ちょうどいいですから、お肉屋さんに持っていっちゃいましょう。持ち込みで捌いてもらえるんですよ」
「お、いらっしゃい! アヤネちゃん、見回りかい?」
「マタサブローさん、お久しぶりです。はい、先日のオアシス沼での作戦で少し環境が荒れたので、その対策に」
「相変わらず大変だねえ。それで、そっちの人は?」
「シャーレの先生です。先日からアビドスを手伝ってくれていて」
「へぇ、噂の先生さんかい。こんにちは、おれぁ三毛猫精肉店のマタサブローってんだ。アビドスで肉がいりようならうちに寄ってくれりゃあいいぜ」
「マタサブローさん、持ち込みで解体をお願いしたいんですが」
「お、珍しいねえ。アビドスの生徒が持ち込みたぁ。ホシノの嬢ちゃんなんかは、とっとと自分で捌いっちまうもんだが」
「それだけに時間を使ってもいられないので……。この後も見回りがたくさんあるんです」
「そりゃあそうか。あいよ、そんじゃあ先に品を受け取るかんな。支払いは帰りに品物と引き換えだ」
「はい、よろしくお願いしますね」
「そいやあアヤネちゃん、最近はよくこの辺りをヘルメット団の子たちが歩いてるのを見かけるようになったなあ」
「ヘルメット団? もしかしたら、以前助けたあの人たちかな……? それじゃあ、また後で」
「おう、見回り頑張ってな!」 - 182二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 01:27:25
アビドスに住人がいる!!(謎の感動)
まとまった休みに惰眠を貪る、抗いがたい誘惑ですな。 - 183二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 01:32:46
アビドスの住人達は皆逞しくて良いな
- 184◆7cUYYuxo.A.M24/08/11(日) 09:45:58
(いっぱい寝たのに寝落ちしました…。とりあえず今日の夜に更新と新スレ立てします)
- 185二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:06:30
- 186二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:30:55
保守
- 187◆7cUYYuxo.A.M24/08/11(日) 22:19:18
大変お待たせいたしました、次スレはこちらです
【SS】アビドス自治区へようこそ、先生 Part4|あにまん掲示板謎の現象によって百年止まない雨が降り続き、銃が使えなくなった湿地帯アビドスへようこそ。前スレからの続きとなります。bbs.animanch.com少し早いですが、残りは埋めていただいて大丈夫です
感想、疑問、色々書いていただけると大変励みになります
ZOIDは荷電粒子砲とかその辺の武装展開のモチーフに使わせていただいています
現時点で1章完結、2章開始といったところですね
- 188二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:27:41
立て乙です
この物語がまだまだ読めそうで嬉しいです - 189二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:33:28
新スレ立て乙です。
そういえば現在の沼地アビドスって、住人はどの位なんだろうか? - 190◆7cUYYuxo.A.M24/08/11(日) 23:07:10
- 191二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 11:01:13
- 192二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 17:36:52
1章終了か………
俺1章終わりすら読めてないけど結構圧縮されてるなぁ………… - 193二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:58:46
- 194二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 01:05:46
埋めますね
- 195二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:09
このレスは削除されています
- 196二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:19
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- 197二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:29
このレスは削除されています
- 198二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:39
このレスは削除されています
- 199二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:49
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- 200二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:49:59
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