【🎲、ss】常に最弱のカードを掴まされる part2

[1 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 14:15:07]

不運体質で常に最弱のカードを掴まされるトリニティ一年生、三剣ヨツハちゃんの神秘を巡るssです。

>>1の管理不足でスレ落ちしたので建て直しました。すみません。

前スレ↓

ここだけの話常に最弱のカードを掴まされる｜あにまん掲示板

[2 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 14:28:03]

(あつい、あつい、くるしい、さむい、つらい…)

(わたしが居たから、わたしがたまたまそこにいたから)

(わたしが不運を連れて来るだけ連れてきて、逃げちゃうから)

(他の誰かは傷ついてもう帰ってこなくなるんだ)

(さむい、さむい、寒い……)

｢くるしいよ……｣

ｷｭｲｲｲｨｨﾝ

｢ヨツハさん内部に高エネルギー反応！！｣

｢来ます！！｣

｢させない！｣ﾀﾞｯ

ﾄﾞｺﾞｵｵｵｵﾝ……

"ヨツハ！"

ヨツハへのダメージ　0.7×dice1d100=32 (32)

[3 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 14:37:53]

｢くっ……｣

｢ヨツハちゃん！大丈夫ですか！？｣

｢全然平気！それよりさぁ…！！｣
｢人に不運を振りまいたって謝るんなら……私の、自分の友達を傷つけるんじゃないッ！！！！｣
｢さっきから言ってることとやってることがぐちゃぐちゃだよ、『私』！！｣

つまり、あの力は完全に暴走で間違いない……もう外から止める他ない！！

｢くるしい……｣

やっぱり聞こえてない……仕方ない！

｢みんな！あの子、『私』を止めて！！｣
｢私は……『私』がみんなを傷つけ続けるのに耐えられない！｣
｢私が許す！『私』を攻撃して抑え込んで！！｣

"……わかった、いこう！みんな！"

｢｢｢｢はい！！｣｣｣｣

[4 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 14:50:29]

ｶﾁｶﾁ､ｶﾁｶﾁｶﾁ……

｢……弾詰まり……ッ！？こんなときに……！！｣

｢わ、私もです……ここに来る前、しっかり整備したのに……！！｣

｢グレネードなら！｣ﾎﾟｲ

ﾌﾞｵｵｵｵｵｵｯ！！！

｢うそ！何この風！？軌道が逸れちゃうッ！｣

ﾄﾞｶｰﾝ……

――――
｢『カオス』の因果操作は健在……｣

｢アレへの攻撃は何かしらの形で無効化される……｣

｢『7』が中に居なくても、『カオス』にその残り火は強められ……『恐怖』と交わり擬似的な『崇高』へ到達……｣
｢ククククククッ……！なんとまぁ……！素晴らしい……！！！｣

[5 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:05:48]

立て乙ー
笑ってるけど笑いごとじゃねぇぞオイコラ黒服達
後で覚悟しとけよお前ら…

[6 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:06:12]

想像はしていたけど、実験された通り『私』に普通の攻撃は出来ない……！！可能性があるとしたら、『私』自身に攻撃をしたことが無い……これまで原理的に出来なかった私だけど……実験前に没収されたから私には今武器がない……！！！どうすれば……どうすれば『私』を止められる！？

｢ふうん、こううん、ふうん、こううん、こううん、こううん、ふうん……だいふうん……｣

ﾌﾞｵｵｵｵｵｵｯ！

ああくそ！風がうるさい！！私の思考を邪魔するな！！邪魔……邪魔する方法を考えてるんだよ今！！

……ドサッ…

……？なんだろう、風に飛んで何かが……？

｢！！！！｣

これは……！

dice1d7=3 (3)

1.GL

2.GL＋サブウェポン

3.サブウェポン

4.パチンコ＋豆

5.ブーメラン型木の棒

6.モデルガン

7.地下生活者

[7 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:19:37]

……これは、あのとき没収された私のdice1d3=3 (3)　！！

1.ハンドガン　2.ハンドキャノン　3.サブマシンガン

……私自身でもアレを止められるかはわからない。でも、『やるしかない』！

｢はあああああ……！｣

ドカーン！！

『カオス』へのダメージ　7×dice1d100=92 (92)　ただし600未満は足切りでノーダメ

[8 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:22:51]

ウワーッ滅茶苦茶効いてる！

[9 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:29:09]

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ……

｢ガアアアアァァァッ！！！｣

｢効いてる！｣

｢ああ、行けるぞ、ヨツハ！｣

"……これは"
(なんだ、この感覚は……)
(私たちはまるで、ふたりのヨツハの闘いの蚊帳の外……)
(補習授業部、旧ゲマトリア、事故に見舞われた方々、登場キャラクターは多く存在するのに……)
(ヨツハ以外、自分以外の全てが部外者、そんな感覚……)
(そして行われる自分から自分への攻撃……『徹底した自己否定』)
(私は前にもこの状況を味わったことがある！！)

"ヨツハ！一旦止まるんだ！！！"

「ワタシガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ！！！！イナケレバアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ！！！」

ドゴオオオオオオオオオン！！！

[10 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:33:12]

カオスと7のふたりが混ざっていたからヨツハは武器が2つあるんじゃないか？って思った。そう考えると、サブウェポンというのは7の方のメインウェポンで、ここまで火力が上がったと解釈できる。

ただここで問題となるのは、7の方の武器が「サブウェポン」なんだよね……
もしや本来のヨツハは7じゃなくてカオスの方？

[11 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:38:38]

なんかまずい気がするな…このまま攻撃をするのは良くないのか？

[12 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 15:52:22]

「ウウ、ウウウ、寒い、寒い寒い寒い寒い……」

『『カオス』の渦が弱まりました。先生、このまま……』
"だめだ。"
"このまま『ヨツハ』を倒すのは目的じゃない。"

「先生？」

"私たちの目的は……キヴォトスの崩壊を防ぐこと。それは合ってる。でもそのもっと奥底、大人としての私のすべきことは……！"



"目の前で苦しんでいる生徒に手を差し伸べること"



「先生……」

"ヨツハ、『君』の苦しみは君にしかわからないはず。"
"だから、君がやりたいことを教えて。カオスと7の混ざりあった、ひとつだった頃のヨツハ……そのヨツハがやりたかったことを。"

私のやりたいこと、やりたかったこと、それは……

[13 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:08:54]

「「普通の生徒としてみんなと暮らすこと。」」

「！？」

「あっちののヨツハも喋った……！？」

"……続けて。"

「「普通の人と同じような偶然に出会って、同じように喜んで、時には苦しんで……でも禍福は糾える縄の如し、喜びも苦しみも同じだけ来てくれれば良かった。普通の人みたいに……」」

でも、出来なかった。私は『不運を呼び寄せ、その不運で次に起こる最大の不運を避ける』、そんな『偶然』ともいえないような『運』に縛られてきた。
だからこそ……『私』はその『運』の原点となる『時間』『いま』という概念を壊そうとしていたんだ。これが『私』のやりたいこと。それが第一優先で、邪魔者は消し去ろうとした。

でもそれじゃあまた友達、周りの人、みんなを巻き込んじゃう。私が望むのは、『みんなと同じ』ように生きていくこと。そのみんなを壊すことは……本末転倒だ、と『7』の私はそう思っている。

……そっか、忘れてたけど私たち、目的は同じだったんだな……

"……ヨツハ、『ヨツハ』に声をかけてあげて。"
"…………もしそれでもダメで、最初から武力で解決することが正解だったとしても……"
"責任は『私』が取るから。"

[14 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:09:49]

>>13

"責任は『私』が取るから。"

この『私』、この世界線とは別の先生のことでしょ……

[15 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:27:22]

「「……」」

「ねえ、『私』。いきなり言うのもなんだけど……」
「一緒に帰ろうよ。」

「……うるさい。」

「今まで通り過ぎてきた不運の鬱陶しさ、掴めたのにすり抜けた幸運への悔しさ、降りかかる事故、火事、……『破滅』、それを引き寄せるみんなと違う私の運……そこの苦しみは……私にもわかる。」
「だって、『私』は私だから。」

「うるさい。」

「でも、それは『いま』を諦める理由には「うるさい！！！！」

「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！！！！！！」

ﾄﾞｳｩｩｩﾝ……！！

「これは……！？」

「『ヨツハ』とヨツハに裂け目が……！？」

「さっきからいったい何が起こってるのよ！」

[16 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:31:26]

「わたしを……否定するな！！！！！！！」

パァァァ……


「……『ヨツハ』ちゃんが消えた……？」

……逃げたか。

〜〜〜
『先生、『カオス』が転移しました。』
『空間を操り、混沌の領域へ……』

"混沌の領域……？"
"なら、『ホルス』のときみたいに転送を……"

『否定。リソースが足りません。』
『あのときは偶然訪れた『色彩』をリソースに転送シーケンスを行いましたが……』
『今はそれがありません。』

"……もう少しだったのに。"

「……お困りのようですね、皆さん。」

「黒服……この期に及んで一体何を……！？」

[17 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:38:56]

「何しに来たのよ！また何か変なことするの！？」

「そうだ。お前は完全な加害者だ。どの面下げてヨツハに会いに来ているんだ……！」

「まあまあ落ち着いて……私が来たのは後始末の為です。そう、実験の……」

「後始末……！？何か企んでいるんですか！？！？」

「初めはそうだったのですが、ここに来る途中で状況が変わりましてね……『コレ』を持ってきました。」

黒服が後ろに隠していた手を突き出す。

「ヒイイィィ！！辞めてください、苦しい！首根っこ掴んで浮かさないでください！」

"地下生活者……！？"
"またお前が……！！！"

「いえいえ、今回は本当に無関係のようですよ先生。」
「観測データを元にヨツハさんの神秘……『ヨツハ』さんの恐怖についての真相をお話すべくここにやってきたのですが」
「道中、『たまたま』『運良く』騒ぎに乗じて地下から逃げ出した『コレ』に出会いましてね。」
「これも何かの縁かと持ってきた次第です。」

[18 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 16:43:59]

地下生活者……混沌の領域……あっ(察し)

[19 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 21:33:05]

>>1ですがホシノ戻ってるっぽいのでストーリー矛盾起こらなそうでよかった。

一応慎重にやります。

[20 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 23:15:18]

「えーと、そんなの連れてきてもなんの役にも立たないと思うんですけど……」

「そうよ。どういう思考回路してるわけ……？」

「そ、そうですよね！小生、帰りた"いや、頼みたいことがある。"
"……ヨツハを、この子を混沌の領域へ連れて行ってほしい。"

「へ……？」

"もうひとりの『ヨツハ』がそこに居るんだ。"
"どうしようも無い苦しみをひとりで抱え込んで泣いている。だから……"
"これは『大人』としてのお願い。"

「先生……」

"もちろん、ヨツハに何かしたらそのときは前回みたいに……「ヒイィィィィ！！！！」

「分かりました！分かりました！どうにかしますから！あんな目には二度とあいたくないッ！！」

"……ありがとう。"

「ヨツハちゃん。」
「これも持って行ってあげてください。」

ヒフミからペロロ様フリスビーを受け取る。そうだよね。ペロロ様が好きなのは『私』も同じはず。何か役立つかもしれない。

「頑張ってください、ヨツハさん。」

「ありがとう、ハナコ……じゃあ、」
「みんな、行ってきます！」

[21 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 23:20:30]

まさかのスペードの3は地下生活者だった……？
今までは害悪でしかなかったまさに最弱のカードのコイツが一番輝くシチュだな

[22 二次元好きの匿名さん 24/07/21(日) 23:44:36]

〜〜〜〜
「や、会いに来たよ。」
「……ごめんね、私、ああやって先生に言われてきたけど……正直何を言ってあげれば良いか分からない。」

「……帰って。」

「それは難しいな……私は私だけど、『私』じゃない……他人みたいなものなんだよね……」
「カジノのとき、覚えてる？私がこっちだ！っていうのを無視して、あなたは別の方にベットして……」
「逆に従ってくれたと思ったら、今度は私の直感の方がコロコロ変わって……」
「ここに来る前も、着いていっちゃダメだ、って私は思ったけど、あなたは無視したよね。」
「そのお陰で今こうやってお話できてる訳ではあるけど……結局あなたが悲しむ結果になっちゃった。」
「もともとひとつの私だったころから、噛み合ってなかったんだ……」
「だから、あなたの苦しみは分かってあげられない……ごめん。」
「でも、『普通の生徒としてみんなと暮らしたい』って願いだけは噛み合った……のかな。」
「……いや、これもそうだよね。」
フリスビーを手渡す。

「ペロロ様好きなのは一緒だったはず……だよね？」

「……」ｺｸﾘ

「ふふ、良かった……」
「噛み合うところもあれば、合わないところもある。結局私は……私自身とでさえ、他人同士の関係みたいな距離感だったのかもしれない。」

ぎゅ……

「あ……」

「どこまでも他人な私の言葉じゃ、きっと割り切れないから……」
「気が済むまで、ずっとこうしていよう。ずっと……」

[23 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 00:40:23]

「……こわかったの。」
「ほんのちょっとだけの不運だけど……何度もそれが積み重なって、じわじわ私を辛い気持ちにさせて。」
「誰に相談しても、『もう少し自分の幸運を整理しよう』みたいな、何の解決にもならないこと言われて……」
「私は『いま』つらいの！って……」
「そう、言いたかったけど……その言葉も出てこなくて。」
「周りの普通の子たちみたいに、運なんてものに縛られない毎日を過ごしたかった。」
「なるべく私と同じ不運に巻き込まれないように……って、距離も取ってたのかもしれない。」「でも普通に笑い合うみんなが羨ましくて……あと、私の隣を通り過ぎていく幸運を掴むみんなに嫉妬して……ｸﾞｽｯ……」
「黒服たちに事故の記事を見せられたとき、心が更にぐちゃぐちゃした。」
「私ばかり、私ばかり辛いんだ……そう思ってたのが今度は、私自身が私より辛い人を大勢生み出してきたことに気づいて……」
「『私のせいじゃない』って何度も自分に言い聞かせたけど……自分の身勝手さがどんどん浮きでてくるようで。先生の言葉も何だか私を身勝手にする言い訳に聞こえて。」
「私目線の不運なんて、誰にも分からないから。いくら外から私を慰めてくれようとしても、私にはそれがまやかしにしか見えなかった。」
「そんな素直に慰めを受け取れない心を抱えてるのを自覚して、ああ、私って居ちゃいけない人間なんだ、って……」
「色んな感情が混ざりあった、混沌の苦しみが私を襲ってきて……」

[24 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 00:47:17]

しばらくふたりで抱き合っていた。外に居たときはこの子は黒いエネルギーを体に纏っていて見えなかったんだけど、肌はボロボロで血色が悪くて、もう冷たくなっていた……
もしかすると、私たちがわざわざ止めなくても勝手にエネルギー切れになっていたかもしれない。

「……ごめんなさい。こんな騒ぎを起こして、元々のあなたの『幸運』を捻れて歪ませて、私なんかがあなたに入っていて。」
「私さえいなければ、あなたは……ヨツハは逆にラッキーな生徒として、キヴォトスで楽しく生きていたんだろうな……」

ｼﾞｼﾞ､ｼﾞ……

「それは違うと思うよ。」

「え……」
「なんで……あなたのほうが……」

「……私も、エネルギー切れ。」
抱き合うのをやめて自分の四肢を見ると、うっすら透けていた。
……なんとなく、こうなるのは感じていた。ヒフミちゃんたちに連れられてこの子の外に出てから、何だかふわふわ浮き足立つような……地に足がつかない感覚が続いていた。
この子が作ってくれてくれた『場』から離れてしまったからだろう。

「帰ろっか。」

「う、うん……」

〜〜〜

[25 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:03:54]

『先生、『カオス』の渦は完全停止……ここの周りも、以前と同じ『いま』を取り戻しました。』

"成功した………！"

ﾄｺﾄｺ……
「あ、帰ってきた！おかえり！」
「おかえりなさい、ヨツハちゃん！」
「「「おかえりなさい」」」

"おかえり、ヨツハ。"

「「……」」
「「ただいま！(。)」」
"……そっちの『ヨツハ』の方は……"

「もう大丈夫です。さっきみたいに、急に暴れて力を使うこともないと思います。」

ｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｯ
「ッ……！」

「せ、先生。さっきから、こっちの私が変で……」

(ヘイローにノイズが……！)

「あんた、何だか透けて……！？」
「首の後ろの痣が、前から見える……！！」

ドサッ……

「「「「"ヨツハ(ちゃん)(さん)！！"」」」」

[26 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:11:47]

「だ、大丈夫！？戦いで疲れちゃった……？？」

「それだけなら、身体が透けるなんてことには……！！」



「……やはりこうなりますか。」

"黒服……"

「皆さんに、今回の実験結果……三剣ヨツハの神秘の真相をお伝えします。」
「まず、三剣ヨツハさんの本来の神格は……私たちも驚きですが、『カオス』の方でした。」
「三剣ヨツハさんは『カオス』を内包する生徒としてここ――キヴォトス――に登場したのです。」
「先に観測したのが『7』だったために私たちは『7』こそヨツハさん本来の神秘である、というバイアスにかかっていました。」
「『カオス』が生み出したのか……もっと別の要因で入り込んだのか……詳細はよく分かりませんが、先に『カオス』が存在した『後から』『7』が彼女の神秘となりました。」
「『カオス』と『7』……ふたつの神秘は互いに相互作用し、強めあって歪み、『不運を不運で回避する』神秘となった。」
「そこから先は皆さんご存知の通り……色々あって、今こうして『7』が『カオス』と別々になって存在しています。」
「――しかし、『7』は『カオス』の『空間』があってはじめて存在が許される神秘でした。」

[27 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:19:41]

「純粋な幸運をもたらす神秘『7』……ラッキーセブンとはよく聞きますが、それでも私たち外の世界の住人は、そんな『神』は聞いたことがありません。」
「『7』はそれ単体では神格とはいえず、生徒としてキヴォトスに存在できない……そう考えられます。」

「じゃあヨツハがいま透けているのは……！」

「ええ、消えてしまう前兆でしょう……」

「な、なら元のひとりのヨツハちゃんに戻れば……！」

「でき、ないよ……」

「ひとりの中にふたりいたのが……ひとりにひとりになったんだ。この基底状態から、ふたりがひとつに戻る不安定な状態には戻れない……」

跳弾を用いた実験、あれではなぜ弾は『弾詰まり』ではなく『素材の変形によって私の方に飛ばない』ことを選んだのか……それはその方が『安定』だからだと、そう結論づけられる。射出する分のエネルギーが外に出てしまった方が、『安定』状態で私の身を守ることが出来る……それだけだった。だから……
「戻れない、もう……」

「そんな……！！」

[28 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:30:34]

"なにか方法は……！！"
『否定。もう彼女の喪失を止められるものはありません。』
『前に用いたのと似た例えですが……寿命により死にゆく生き物を止められないのと同じ、です。』
『『7』は先程までの戦いで、あまりにも幸運を集めすぎました。』
『彼女のSMG、地下生活者が『たまたま』この地にやってくるのはあまりにも幸運が過ぎます。そしてそもそも、彼女のペンがヒフミさんのカバンになければ、私たちがここに来ることすらも出来ませんでした。』
『事態の収束は間違いなく『7』のやり過ぎな幸運により達成されました。』

「……『7』が『カオス』と共に居なければ、彼女の『カオス』はただの空間……運や因果をねじ曲げて、ヨツハさんを苦しめることは無かったのかも知れません。」
「運という何とも抽象的なものに作用してしまい、結果的にヨツハさんをここまで追い詰めた最弱のカードが『7』、そう言えるかもしれません。」
「繰り返しになりますが、本来のヨツハさんの神格は『カオス』の方です。」
「これは避けられない別れでしょう……」

[29 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:36:16]

「ぁぁ……」

わたし、きえるんだ。結局、ゼロから幸運を生み出すことはできず、振り撒いた不運の埋め合わせをするだけの幸運だけ集めて。

はぁ……むなしい、なぁ……

むなしいなら、はじめからわたしこそ居なければよかったん、だな……

……いいや、まだだ。

もっと、考えるんだ。廻り廻る運命の渦の中……わざわざ『幸運』をもって、この地に生まれて来られた意味を……！『不運が不運を避けられる』『不運が幸運を呼ぶ』なら……なぜわざわざこんな騒ぎまで起こって、『私』から私がひっぺがされたのか……！！その意味は……！！！

ヨツハの最期のアイデアdice1d100=44 (44)

[30 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:38:25]

ここでぞろ目なの熱い
果たしてどんな奇跡が起きるのか

[31 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:45:22]

そもそも私は消える運命にあったとしたら……死ぬため(4)……誰かのために何かを残して死ぬために生まれてきたんだ……！！

『ヨツハ(4)』のために、そしてみんなの為に！！

『反転　dice1d999=971 (971)』(前スレ>>81)

ドオオオオオオオオオン！！！！！！

『……！？！？理解不能…………！！！！』

『三剣ヨツハは『反転』しました……！！！』

"！？！？！？？？！？"

(どうして……！？なんでいまこのタイミングで！？！？)

"危険だ、みんな離れて！！！"

「うそ……ねぇ、やだよ……」

「私と違ってせっかくあなただけは無事だったのに……！！！」

「これは……想定外です。まさかまだ『反転』する余地が残っていたとは……！！」

「また戦闘！？そんな……！」

「せっかく、せっかくあなたはまだ『暖かかった』のに……！！」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン！！

[32 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 01:57:44]

"みんな、大丈夫！？"

「こっちは何とか！」
「私とアズサちゃんも無事です！！」
「こちらもダメージありません！！」

(良かった……誰も怪我していない……)
"でも逃げ遅れたヨツハは……！！？"

ヨツハ＊テラー「大丈夫だよ、先生。」
"ヨツハ……！！"
"なんで、いまここで『反転』して……！？"

ヒラヒラ……

「なに、これ……四葉のクローバー？？」
「何枚も空に舞って……」

「綺麗……」

　　空が、青い

ヨツハ＊テラー「残された猶予で私が出来ることは……」
ヨツハ＊テラー「私の中に集まってきた『幸運(miracle)』をあげること。」

ヨツハ＊テラー「私の『反転』……それは」

『彼女の『反転』……それは』

ヨツハ＊テラー＆プラナ「『自分以外の誰かみんなの幸運』」

[33 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 02:09:56]

「ククク……これは、『世界でいちばん優しい反転』……のようですね。」

ヨツハ＊テラー「……うん、そうかもね。」

ヨツハ＊テラー「少ない時間だったけど……私に集まった幸運全部……みんなにあげる。」

私はヨツハに手をかざして、ありったけのミラクルを流し込む。

「あったかい…………」

反転してバラバラになったはずのヨツハのヘイローが、どんどん癒えていく。
……
完全にヘイローが戻ったときには、さっきまで酷かった血色も良くなっていた。

『『カオス』の反転が……戻りました。』
『恐怖だったものは、再び神秘へ……』

ひび割れと完全なふたつのヘイローが並んでいる。それは、さっきまでの哀しみと恐怖に溢れたものと点滅で消えかけのものとは完全に入れ替わって、どこか儚げであるが、しっかりとした芯のあるようなヘイローと、優しく崩れたヘイローであった。

[34 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 02:25:24]

ヨツハ＊テラー「ヒフミちゃん。ペンとフリスビー、ありがとうね。そのペンはここに来る前にママが買ってくれたお気に入りで、無くしたって分かったときは結構辛かったんだ……」

「あはは……なんで私のカバンに入ってたのか今でも分からないですけど、でも、お役に立てて何よりです！フリスビーは……また当てれば良いですから！」

ヨツハ＊テラー「ふふ……コハルちゃん。あなたの純粋なところ……私は鬱陶しい！みたいな態度とっちゃったかもしれないけど……本当は大好きだった。首の痣の勘違いは流石にどうかと思ったけどね……」

「……今更そんなこと言ったって、遅いのよ、もう………………」
「…………私も、ヨツハは嫌いじゃないわ！同じ一年生だし……だからこっちのヨツハのことも任せなさい！」

サラサラサラサラ……とヘイローの一部が砂のように流れ、ヨツハ＊テラーの身体はどんどん薄くなる。

ヨツハ＊テラー「……ほかにも何か言っておきたいけど、どうやら時間が許してくれないみたい。」

ヨツハ＊テラー「短い間だったけど、『7』も『カオス』もどっちも私って認めてくれてありがとう。」

ヨツハ＊テラー「みんなの幸せを、いちばんに願ってる。残りかすだけど……これも受け取って。」

パァァァァァ……

ヨツハ＊テラーの周りにクローバーが生茂る。その全てが四葉だった。

[35 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 02:36:41]

ヨツハ＊テラー「あ、忘れるところだった。」

ヨツハ＊テラー「黒服、絶対に家の件は忘れないで守って。」

「えぇ……あなたのサイン入りの契約書はきちんとこちらの手元にあります。」

ヨツハ＊テラー「その契約、絶対守ってね……」

ヨツハ＊テラー「……ヨツハ。」

ヨツハ＊テラー「下ばっかり向いてないで、前を見て。一歩ずつでいいから、進んでいくんだよ……」

「うん……うん！！」

ヨツハ＊テラー「……やっぱり、最期までメッセージは残す！！」

ヨツハ＊テラー「アズサちゃん！ヒフミちゃんと一緒に、モモフレンズの推し活に誘ってくれてありがとう！あのときは……素の私で笑っていられた！」

「当然だ……モモフレンズを愛する者はみな友達だ！！！」

ヨツハ＊テラー「ハナコ、先輩？どう呼べばいいかわかんないや……えへへ……」
ヨツハ＊テラー「あなたは誰よりも賢くって、はっちゃけていて……それでいて、青春が大好きだと思って、だからこそ私に似た何かを感じてた。」
ヨツハ＊テラー「今までは同族嫌悪、みたいな感じで避けちゃってたけど……仲良くなれると思う！もっとあなたのことを知りたかった！」

「同感、です。私もあなたのことをよく知らないまま、そのままにしていました。」
「ヨツハちゃんのことは任せてください。先輩として……『色々な』『ご指導』をさせていただきます……♡」

「なんかやらしい！」

[37 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 02:46:35]

ヨツハ＊テラー「……先生。」

ヨツハ＊テラー「今こうして笑って私が話せているのは、全部先生のおかげです。本当にありがとうこざいました。」

"……大人として、苦しむ生徒を助けるのは当然だからね。"

"でも…………出来ることなら、君に消えずに居させてあげたかった。"

"私の力不足だ……本当にごめん。"

ヨツハ＊テラー「いいんです、先生。これからは、ひとり分のヨツハの方を、支えてあげてください。」

ヨツハ＊テラー「多分色々また溜め込むと思います。私自身が言うから間違いありません。」

「ちょ、そんなことは……」

ヨツハ＊テラー「あるよ。私に誤魔化しは効かない、って賢いあなたなら分かるよね？」

「……」

ピシッ、ミシミシミシ……

ヘイローがもはや円形の塵となっている……限界のようだ。

ヨツハ＊テラー「よし！メッセージ終わり！最後まで行けてよかった……これは最期私に許された『幸運』……かな？」

ヨツハ＊テラー「…………………」

げんきで、ね…………

『カオス』dice1d999=550 (550)

[38 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 03:05:12]

カオスダイスは失敗です。成功していたらカオスがまた空間を生み出し、『7』が『カオス』と一体化しました。
――――――――
『『反転』は消え去りました……』

"終わったんだね……"
――――――――

あの事件が収束して、私の日常の歯車はまた動き始めたが、色々変化も多かった。まず、私の勝手な行動について補習授業部と先生にこっぴどく叱られた。「あんな大人と関わりを持つな」"怪しい人について行くなと小学校で教わらなかったのか"「連れられた実験場でエッチなこともされたんじゃないの！？」「まず帰る場所がなかったら相談すること！」……他にも色々言われた。全部真摯に受け止めて……反省はしているつもりだ。うん、反省してる、多分……(倫理観14だから怪しいが)

それから、以前よりも不運に遭わなくなった。というか、若干幸運寄りになった。前よりも明らかに信号に足止めされなくなったし、ボードケームにも強くなったと思う。モモフレンズのライブのチケットは今5回連続で当選し続けているし、ガチャの爆死も減った。……まぁその分、調子に乗って賭けに乗って大損したり、信号に間に合ったがために黄信号で直進してくる車に水溜まりの水をぶっかけられたりと……以前なら避けられたかもしれない不運に見舞われるようにもなった。

でも、これはこれで満足している。運に縛られずに生きられること……その望みが叶ったのだから。

[39 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 03:29:38]

当然、私の反転はトリニティのトップ層に連絡が行って、ティーパーティーの御三方との関係も変わった。ナギサ様はdice1d100=77 (77)　、ミカ様はdice1d100=79 (79)　、セイア様はdice1d100=42 (42)　。ヒフミちゃんのお茶会について行くとお菓子をご馳走して貰えるので私は図太く通っている。

そして……サブウェポンとして愛用していたSMGが全く使えなくなった。動作は問題ないんだけど弾の威力がうまく乗らないっていうか……とりあえず、今はGLのみで戦闘するようになった。ただやっぱりそれでは心もとないので、dice1d4=3 (3)　1.シールド　2.剣　3.手持ちインパクトグレネード　4.ハンドガン　を持ち込むようにしている。

最後に、私は新たに短期の未来予測に冴えるようになった。恐らく『カオス』本来の作用のひとつと考えられるが、元から頭が冴える方なので、ふたり分の神秘がひとつになって思考が絞られたために、そちらが強化されたのか？とも考えている。理由はなんにせよ、この能力は結構役立つものだ。スポーツ、戦闘、学業、チケット予約……応用範囲はとてつもなく広い。その分集中は必要だからあんまり乱用は出来ないんだけどね。

そんなこんなで、ひとりの私の青春物語は終わりを迎え、同時に私の新たな青春物語が幕を開けた。どんなに苦しいことがあっても、私のミラクルがきっと助けてくれる。ひとりでなんとかならなくても、仲間が居る。そんな大舟に乗ったつもりの気持ちで、黒服に貰った家の玄関を開けてこう呟く。

「おはよう、世界。」

ここだけ常に最弱のカードをつかまされる　改め　Where All Miracles Come and Go　〜完〜

[40 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 03:32:11]

これにて本編完結となります。読んでくださりありがとうございました。
後日談など思いつけばまた投下して行く次第になります。
設定について質問があれば答えさせていただきますのでレスお願いします。

今日は寝ます。おやすみなさい……

[41 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 11:09:39]

完結乙

[42 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 16:44:02]

完結お疲れさま、最後まで書いてくれてありがとう！
ほんのり寂しいビターエンドにはなったけれど、ここから先彼女には先生や補習授業部の助けも借りて健やかに「普通の」生活を、「普通の」青春を楽しんでほしいものです。

[43 二次元好きの匿名さん 24/07/22(月) 17:17:48]

完走かんしゃぁ～
ベストなエンドでこそないけれど、希望と幸運がある終わりでよかった
カオスの前では過去も未来も意味をなさないから、可能性は0ではないし、ね

[44 二次元好きの匿名さん 24/07/23(火) 02:44:05]

保守

[45 二次元好きの匿名さん 24/07/23(火) 10:57:00]

偶然ダイスで出た7からここまでの物語ができたの凄いわ
もともと運関係なのは決まってたけれど、そこからラッキーセブン引くとか

[46 二次元好きの匿名さん 24/07/23(火) 16:57:56]

短期未来予知についてある程度私なりに見解が固まったので記しておく。

・予知が降りてくるときの感覚は「思い出す」感覚
・予知が降りてくるとき、ある程度の集中状態にあり、かつ五感が冴えている
・予知の前、私は何らかの形で置かれた状況にデジャヴを感じる

ここから、もしや反転したときに時間を超えて見えた世界が頭のどこかに残っていて、周りの景色やにおい、触覚などを通じてそれをなんとなく「思い出している」のが予知の招待なのかな、って感じで推察してる。

でも私は『7』が消えちゃうことは読めなかったし、テストの問題が分かるとか、どのタイミングでチケット予約ボタンを押せばどこの席のチケットが当たるか分かるとかについては、この理論じゃうまく説明できない。

やっぱり『カオス』は反転こそしていないものの何かしら私の日常生活に影響してるんだろうな……って感じ。

[47 二次元好きの匿名さん 24/07/24(水) 03:30:36]

ほ

[48 二次元好きの匿名さん 24/07/24(水) 15:16:30]

一応保守

[49 二次元好きの匿名さん 24/07/24(水) 15:29:06]

スケバン「オラオラァ道を開けろォ！！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

31 30 29 ...21 20

―キャーーーーッ！
―逃げなきゃ！！！
―……

スケバン「血が滾るぜぇーーーっ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

19 18 17...ポンッ...1

リロード。よし。

コロッ……

スケバン「あ？なんだこ―ﾄﾞｶﾞｱｱｱｱｱｱｱﾝｯｯｯ!

―れ……」

ﾄﾞｻｯ

「暴れるなら他所でやって。」
「ここは学園の僻地だけど、そこでやってる部活もあるんだよ。

……ボゥッ

[50 二次元好きの匿名さん 24/07/24(水) 15:31:26]

一時は平和になった私の生活だが、最近また不良の騒ぎによく遭遇するようになった。今回みたいに相手が小物ならサクッと爆発させて終わりなんだけど、稀に硬いのもいて私一人じゃどうにも面倒くさい場面がある……
平和な日もあれば、たまには騒ぎが多い日もあるよね、っていう風に最初は受け入れてたけど……私の『直感』がどうも納得しないようだ。

ボゥッ……

――それに、最近は何だか胸のいちばん深いところ……心の最も近く……そんなところに火がつくような感覚が時々訪れる。

私の『カオス』を巡る物語は、まだまだ終わらない……そう『直感』している。

……『直感』？
『7』とともに消えた感覚が……戻っている？

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

いまは考えるのはよそう、部活の時間だ

「起立、気をつけ、礼！」

To be Continued...

[51 二次元好きの匿名さん 24/07/24(水) 15:34:52]

後日談書こうと思いましたが思ったより話が大きくなったので一旦区切りを付けます。

拙い文章となってしまいましたが、読んでくれてありがとうございました。
保守も助かりました。ありがとうございました。

続編書くときはスレ立て直そうかなと思いますが大丈夫かな……？

[52 二次元好きの匿名さん 24/07/25(木) 00:42:22]

こちらこそ、素晴らしい物語を読まさせていただきありがとうございました。
もし続編書くなら、その時はまた是非スレ立てしてくれたら嬉しいです！

[53 二次元好きの匿名さん 24/07/25(木) 01:01:01]

気になる引きで続編にも期待大！