「あら…？」｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん22/02/12(土) 21:12:58

それはG1レースホープフル出走前の出来事だった。勝負服に着替え終えたメジロアルダンが控え室にやって来たのだが…どこかぎこちなさそうにしている。
「どうしたんだ？どこか体調が悪いのか？」
体が丈夫ではない彼女は急に体調を崩す事も十分にあり得る。そう心配したのだが…
「すみませんトレーナーさん、ご心配をおかけして。体の方は何も問題ありません。ですが…」
「ですが？」
「随分前に仕立てた勝負服に初めて袖を通したのですが、その…所々キツくなってしまっていて…。どうしましょう…もう少し余裕を持って作って貰うべきだったのでしょうか？」
少し顔を赤らめてモジモジと恥ずかしそうにするメジロアルダン。パッと見た感じではどこも問題なさそうに思えるのだが…
「うっ…」
「トレーナーさん、どうかされましたか？」
「い、いや何でもない。取り敢えず婆やさんにも見てもらって応急処置をしてもらった方がいいんじゃないかな」
「応急処置…ですか？言葉の意味は良く分かりませんが、そうですね。婆やにも見てもらいましょう。トレーナーさん、失礼いたします」
アルダンは控え室を出て婆やさんの元へと向かう。ふう…危なかった。俺は深呼吸をして少し熱を持ってしまった下半身を静める。
アルダンの勝負服を真っ正面から見た時、勝負服のボタンが内側から強烈な圧力に耐えきれず弾け飛びそうになっていたのだ。アルダンは随分前に勝負服を仕立てたと言っていたが…その間も体の方は成長を続けていたのだろう。婆やさんに見せれば外れかかっているボタンに気付いて直して貰えるはずだ。そう考えながら俺はもう一度出走するウマ娘達のリストに目を通すのだった。

この後、婆やさんに補強してもらった胸元のボタンはレースを無事に耐える事が出来たのだが、アルダンが控え室に戻った瞬間、ついに限界を迎えて弾け飛んでしまった。