【SS】ポッケと夏の昼時

  • 1二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:03:37

    「なぁ、相棒。今日の昼、あそこに入ってみねぇか」

     真夏のギラギラと照らす太陽の季節。担当しているウマ娘、ジャングルポケットと共に出かけ、昼食を取るためにお店を探していた時のこと。
     夏は暑くて、冷やし中華や素麺などさっぱりとした食べ物かカレーや麻婆豆腐などピリッと辛い食べ物が食べたくなるのだが。
     ポッケが指差した先にあったのは、辛と書かれた垂れ幕が置かれていた。
     どうやら、今日の彼女は後者が食べたいらしい。
     
     「ほらよぉ。ここ最近、暑いから冷たいもんばっか食ってたからよぉ。たまには、こうガッツリ辛えもん食って、汗かくのも悪くねぇかなって」

    「……そうだな。俺もポッケと同じで冷たいものしか食べていないから。たまにはそういう食事もアリだな」

    「うっし。決まりだなぁ。じゃあ、入ろうぜ」
     
     彼女の意見に同意し、そんな訳で。俺とポッケはお店へと入店した。
     熱された外と違って、店内は冷房が効いていて涼しい。汗をかいた身体には心地良い。
     席に案内されて、メニューを開く。メニューからは見るからに唐辛子の色のスープ
    がこれでもか! と赤い文字と写真で主張している担々麺やつけ麺が目に付く。

    「見事に辛そうなメニューばっかだなぁ。どれにすっかなぁ」
     
     ポッケはそうは言っても、日頃食べてないものばかりだろうか。耳をピコピコしながら楽しそうにメニューを見る。
     ただ、こちらとしては辛いものがそんなに得意でない。あまり辛そうではないものを選びたいが。前にポッケがいる為、彼女のふさわしい相棒になりたい身としては、彼女の前では無様な姿を見られたくない。
     そう悩んでいるうちに彼女は決めたのかこちらに声をかける

    「なぁ、相棒。あたしはこれにしようと思うんだけどよぉ……相棒はどれにする?」
     ポッケが指差したのは、書かれた説明文も写真もなかなかに辛そうに見える担々麺。

    「……俺はこれにしようかな」
     悩んだ末に俺が指差したのは、通常よりも辛そうなつけ麺を選んだ。

  • 2二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:04:53

    「いいねぇ! じゃあ注文するわ!」

     ポッケは店員を呼んで注文を頼んだ。程なくして、注文した料理が届く。

     「おっ、きたきたきた。」

     辛そうな見た目のつけ麺が目の前に置かれたが、匂い的にはそこまで辛くない。

    「じゃあ、トレーナー、食うか」

    「そうだな」
     2人で手を合わせていただきますと言ってから、食べ始める。

     麺を汁につけ、すする。口に入れた瞬間、思わず口から火が出るほどの辛味が口に広がる。顔中から汗が噴き出ていくのを感じる。
     目の前のポッケも麺をすする。頬が少し赤くなっているあたり、結構辛いのかもしれない。

    「辛え、辛え!でも、うめぇなこれ。」

    「あぁ、辛いけど、こういうのも悪くない」
     
     2人で話しながら、麺を食べ進めていくが、半分ぐらい食べた時だ。思わずむせてしまったのは。

    「ッ! ゴホッゴホッ……!」

     唐辛子はそこまで得意じゃないと自覚していながら、唐辛子を多量に使用したつけ麺を頼んでしまったのが仇となった。
     咳が止まらない。鼻の奥がツーンとするし、目頭も熱くなり涙が出てきそうだ。

  • 3二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:06:24

    「おいおい、大丈夫かよトレーナー。ほら、水飲め、水」
     彼女から水をもらい、一気に飲み干す。
     ポッケは空になったグラスに水を注いでくれて、何度か繰り返しようやく収まった。

    「ふぅ……助かったよ」

    「いいってことよ。まぁ、でもトレーナーは辛いもん得意じゃなかったんだな」

    「……面目ない」

     見栄の為頼んだのがかえって、仇となった。穴があったら、入りたい気分だと

    「まぁ、気にすんなよ。それによぉ」

    「?」

    「……別に辛いもんが苦手でも、いいじゃねかぁ。相棒のすげぇとこ、俺は知っているからさ。面上げな」

     そう言ったポッケはニカっと笑った彼女の笑顔が眩しかった。

     口がヒリヒリするのを我慢しながら、何とか食べ終わる。会計を済ませてから、外に出る。
     「いやぁ、美味かったなぁ。また、今度も辛いもん食べに行きてなぁ。でも、相棒、次は無理すんなよ」

    「そうするよ。口がヒリヒリする羽目になるからね」

    「おう。じゃあ、口直しの為にもパフェ喰いに行こぜ。ちょうど、夏季限定のが近くにあんだよ」
    「いいね。行こうか」
     そして、俺たちは夏限定のパフェがあるカフェへと足を運んだのだった。

  • 4二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:11:03

    終わりです。夏っぽいもの?書きたくて書きました

  • 5二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:12:14

    応援スレに推薦しておいたゾ

  • 6二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:12:54

    大儀であった、褒美にこれをやろう

  • 7二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:15:58

    こういう日常を描いたssがめちゃ好き

  • 8二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 21:18:32

    ちょっとだけ背伸びしちゃって失敗する相棒も
    それに対してカッケェとこいっぱい知ってるって言い切るポッケも、そんでもって口直しの限定パフェ食べに行くのも…気心の知れた仲の青春って感じでいいよね
    おかしい…コイツらの距離感どうなっとんねん学生か!

  • 9二次元好きの匿名さん24/07/25(木) 23:08:44

    >>5

    他薦ありがとうございます


    >>6

    レポートくれるぐらい喜んでもらえてなによりです


    >>7

    ちょっとした日常ものいいですよね


    >>8

    距離感近めですけど、青春っぽいやり取りいいよね

  • 10二次元好きの匿名さん24/07/26(金) 07:48:29

    とてもいい…

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