- 1二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 09:56:51
- 2二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 09:58:23
盾乙
- 3二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 09:59:05
新スレめでてぇ
- 4二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:02:22
立て乙です!
- 5二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:17:09
乙乙
- 6二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:19:43
立て乙
- 7二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:20:34
- 8二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:22:22
地獄みたいな美しさの二人
- 9二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:55:51
- 10二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 10:56:12
ほ
- 11二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 12:35:57
即落ち回避乙、ということでパヴァーヌ3章の考察へ
セミナー室魔王城化ルートとして、この場合事態解決までの障害は
・セミナー室に向かうまでの道のりが困難
・ただコユKeyをとっちめるだけでは解決しない
あたりになる。前者ならキヴォトス中が襲撃にあっていてこちらを先に打開する必要があるとかかな
後者の例としてはコユKeyがいつでも電子の海に逃げて体勢を立て直せる点があるか。いやこれめっちゃ厄介だな…… - 12二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 14:48:39
それこそ最終編よろしくどうしても逃げ出せない理由付けが出来ないとトゥルーエンドにはいけないのか
- 13二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 15:01:21
必ずしも理由である必要はないかなとは思ってる
つまるところ逃走さえ阻止できればいいから電子封鎖をかけるみたいなルートもある
だから頼んだぞユウカ、パヴァーヌ2章でしてやられた分のリベンジマッチだ - 14SS書き24/07/27(土) 19:28:11
コユKey(ロク)の二人旅のSS書いてるんだけど、Keyちゃんを結構な食道楽にしても良いかな?
電子生命体のKeyは一度も食事をした事ないから、一度美味しいものという新たな刺激や楽しみを知ったら結構ハマると思うんだ
それに今までコユキやアリスが皆んなで賑やかにテーブルを囲むのを眺めてるだけだっただろうから、無意識的にそういうものに対する憧れがあってもおかしくないし - 15二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 19:30:28
個人的にはかなりあり
濃い味付けだと慣れない刺激が強すぎるということでお上品な料理が好きだったりして(コユキは子供舌なので味の好みは不一致になる) - 16二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 20:13:02
いいですね Keyには色々な刺激や楽しみをどんどん知ってもらいたいものだ
- 17二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 21:00:47
やっと追いついたからとりあえず思いついたことだけ書く。
コユキKeyアリスの3人でミレニアムもトリニティもゲヘナも、もっと言えばキヴォトス自体なくなって全く別物になった世界で自分たちだけは覚えてるってんで3人だけずーっと「キヴォトス」で生きているってどうよ?
ぱっと見普通に暮らしてるし、新しい出会いもたくさんあるけど、それでも心はずっとキヴォトスの中から出られてなくて、3人だけずっとキヴォトスのみんなに会いにいけないっていうちょっともの悲しい感じの。 - 18二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 21:34:38
ハッピーエンドの先の先、奇跡を積み上げた果ての遠い未来か
全てがうまくいって、多くの思い出に恵まれたがゆえに人外長命の寂しさがダイレクトに直撃してしまうわけだ
あまりに先の話すぎてにわかには想像が追いつかないけれど、なんというか幸福な悲しさだなと思った - 19二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 21:44:48
俺馬鹿だからわからねぇけどよぉ…
Keyの使命が王女を守ることだから「王女の補佐にふさわしい人物を協力者にする」ぐらいはセーフなんだし、なんとか屁理屈こねて「王女が目的を果たすにはまだ早い」的な理由で実質無期限延期にできるんじゃねぇか?
ほら、水着下着理論みてぇによぉ~ - 20二次元好きの匿名さん24/07/27(土) 22:55:30
なんとも"先生"らしい解決法だなと思った 最小限のリソース消費でスマートに葛藤に決着をつけるならコレ!って感じがすごくする
でもパヴァーヌ3章のクライマックスとしてはKeyの精神世界にダイブして使命使命と小うるさい無名の司祭を「うるせー!!」とぶっ飛ばしてやりたい思いもある 心が二つある〜
いやその説得いいなぁ 最終編ルートに絶対この説得でハッピーエンドまで持ち込んだ世界線あるって
- 21二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:46:48
「いい店を紹介していただき、ありがとうございました」
「いえいえ、この程度なんてこともありませんわ。美食を求める方に美食のある所を教える、人として当然のことでしょう?」
場所はゲヘナのレストラン。トリニティの観光を終え、次にゲヘナにバイクを飛ばしてきたロク、そして美食研究会の五人がテーブルを囲んでいる。ゲヘナにたどり着いたコユキとKeyが飲食店を探していたところで偶然美食研に遭遇し、そのままおすすめの飲食店を紹介してもらうことになっていた。
「それにこうして過去に行った良い店に行く、というのも良いものですし」
「そう言っていただけるとありがたいです。…ところで鰐渕さん、大丈夫なのですか?」
「何がですか?」
「いえ、随分沢山注文されているようでしたので」
「お気遣いなく。私はいつもこんな感じですから」
「…そうですか」
カレイのムニエルをつつくロクは、アカリの前に「積み上げられた」料理を見て人外を見たような表情になる。さらに言えば…
「…獅子堂さんも、その…それは何かの罰ゲームで…?」
「?」
「何で不思議そうな表情をしているんですか?」
次に「ソーセージとザワークラウトのチョコレートフォンデュ」を美味しそうに頬張るイズミを見てまたも人外を見たような表情になる。
- 22二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:47:28
「というか何であるんですかこんなもの…」
「美味しいからじゃない?」
「真面目に答えると、本来はないメニューですわね。ただソーセージ、ザワークラウト、チョコレートフォンデュ自体はメニューにありますので、店主さんに無理を言って用意してもらいました」
「店主もびっくりしたでしょうね」
「酷いなぁ…本当に美味しいんだよ?」
ロクは暫くそのチョコレートフォンデュのような何かを見つめた後、意を決したような顔になる。
(…食べてみましょうか)
(え、正気ですかKeyちゃん!?)
(あんなに美味しそうに食べているということは、もしかしたら…)
(そんな訳ないですよ!?見てくださいよ他の人の反応!絶対この人がおかしいだけですって!)
体の中でKeyとKeyを止めようとするコユキの攻防が繰り広げられる中、ロクが口を開く
「…獅子堂さん、一口頂いても?」
「いいよ!」 - 23二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:47:45
「…ロクさん、勇者ですわね」
「クールな顔して、意外とチャレンジ精神旺盛なんですね〜」
「え、正気!?」
ハルナが見守り、アカリが微笑み、ジュンコが慌てる中、ロクはザワークラウトにフォークを伸ばし、チョコレートをつけ…そして、一口「それ」を齧った。
「どう!?」
「…」
「…あれ?」
「…トイレに行ってきます…」
──────────────────────
「酷い目に遭いました…」
「うーん…こうなっちゃうんだ…」
(この機械の体が吐くほどの拒否反応を起こすとは…)
(いやKeyちゃん、アレはそうなりますよ…おえっ…まだ味が少し残ってる感じが…次からはああいうのやめてくださいね…?)
口直しとして再びムニエルをつつき出したロクがため息を吐く。
「しかしその美食を追い求める姿勢、見事でしたわ。ロクさんのような勇敢な精神も時には必要かもしれませんわね」 - 24二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:48:07
「いやハルナ、アレは絶対に蛮勇だと思うよ…」
「美味しいもの、というのが何処に眠っているかわかりませんからね」
Keyはこの体に入るまで「食事」というものを一切したことが無く、彼女本人の好みはまだ形成されていない。一般に「美味」とされるものに関する常識は入っているが、結局は個人の感覚であり、Keyがどう感じるかは別問題である。さらに言えば、彼女のデータの中には「かのサルミアッキも美味しいという者はそれなりの数いる」のような「ゲテモノも人によっては美味しく感じる」といった情報もあるが故に、食材や料理に対する偏見もない。そのためKeyは初めて見る食材、料理は基本的に一度は食べるようになっていた。
「素晴らしい心がけですわね。折角ですし、ロクさんにお腹の余裕があればゲヘナの良い店をもっと巡ってみましょうか?」
「ありがとうございます。是非」
「ロクさんも随分食べるんですね」
(では、行きましょうかコユキ)
(はい!今日は一日飲食店巡りになりそうですね!…本当にさっきみたいなことはしないでくださいね?)
(ええ、同じ過ちは繰り返しません)
──────────────────────
「シュニッツェル…仔牛肉を揚げたものですか。なかなか珍しい気がしますね」
「ボリュームもあるから好きなんですよね」
「…と言いつつ30皿ぐらい平らげていませんか?」
「これで八分目ぐらいです♪」
「…そうですか」
- 25二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:48:30
──────────────────────
「おや、ロクさんはあの店に行ったことがおありで?」
「はい、値段に違わずかなり良いところでした」
「…ねぇハルナ、その店って確かトリニティでも一番ぐらいの高級店じゃなかったっけ?」
「そうですわね。ディナーなら最低でも一食5万円は下らないでしょう」
「…もしかしてお金持ち?」
「まぁ、こうして旅をするのに困らない程度には」
──────────────────────
「ゴールデンジャージーブラッドソーセージ?あぁ、最近マーケットに出品されたって聞いたな」
「…やはり情報は確かでしたか」
「…黒舘さん、その『ゴールデンジャージーブラッドソーセージ』というのは?」
「滅多に出回らない希少な食材です。何とかして確保したい所ですが…」
「貴重な食材、ですか…」
「…興味がおありで?」 - 26二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:48:48
「…まぁ、それなりには」
「でしたら、また明日お会いしましょう。食材の確保、料理人ともにアテはあります」
「…ありがとうございます」
──────────────────────
「ロクさん!?目を覚ましてください!」
「ど、どうしてこんな事に…」
「イズミがシュバインスカーペット・ホイップデスソースサラダなんて食べさせるからでしょ!っていうかどうしたら豚の皮とホイップとデスソースと生野菜を合わせる発想が出るのよ!?」
(…感覚遮断しておいて正解でしたね。Keyちゃーん?)
()
(…これは暫く目を覚ましそうにないですね。私が出ますか…)
「ロクさん、大丈夫ですか!?」
「…えぇ!ご心配なく、大丈夫です!」
「…テンションが高くなっていませんか?」
「さっきので脳に障害が残っちゃったんじゃ…」 - 27二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:48:58
──────────────────────
「本日はありがとうございました」
「いえいえ、私たちとしても楽しい1日でした」
時刻は夜の9時ごろ。1日続いた飲食店巡りはここ、ゲヘナのある広場で終了となった。基本的にロクをおすすめの飲食店に案内するだけであったため、爆破はなし。ゲヘナの飲食店にとっては平和な1日となった。
「では、また明日」
「えぇ、それでは明日の朝9時にこの場所で」
今回の飲食店巡りで確かな情報を手に入れた「ゴールデンジャージーブラッドソーセージ」、それを確保するアテがあるとハルナに言われたロク(主にKey)はまた明日彼女ら美食研究会と合流する事にしていた。
「さて皆さん、明日はフウカさんをお連れして…」
美食研が仲間内で喋りつつ遠ざかっていく。
(思った以上に長い時間楽しめましたね)
(このボディー便利ですねー…胃袋とか内臓系もかなり使い勝手いいですし)
(その上余分なエネルギーは代謝を一時的に上げることで消費可能ですからね。食事を楽しむには最適な構造です)
二人もまた今日の宿をネットで探しつつ広場から遠ざかっていく。金には困っていない、ゲヘナでは凄まじく料金の高くなるセキュリティの充実した宿に泊まろうか、などと話しながら。 - 28二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:49:19
──────────────────────
(…そろそろですかね)
(ちょっと早めに来すぎましたかね?)
(10分前程度です、そこまで早い時間でもないでしょう)
翌日朝、ホテルを出た二人は昨日美食研と別れた広場に再びやってきた。
(どんな味するんでしょうね〜)
(わかりません…というか、私自身ブラッドソーセージ自体が初めてですからね。一度ぐらい食べておいた方が良かったかもしれませ…うん?)
その時、ロクの目が向こうの通りから走ってくる車を捉える。運転席に座るのはハルナ、周りに座席には他の美食研メンバー…、そして見覚えのない黒髪の生徒。二人の機械の目には彼女が縄で縛られ口をガムテープで塞がれている所まではっきりと見えた。
(…何ですかねアレ?ああやって車に人乗せるのって大丈夫なんでしたっけ?)
(良い訳ないでしょう…コユキ、万が一があるかもしれません。準備してください)
一応身構えつつ、美食研が広場に入ってくるのを見守る。
「お待たせしましたわロクさん!それでは、ゴールデンジャージーブラッドソーセージを確保しに行きましょう!」
「…その前にお聞きしたいのですが、そちらの方は?」
「…あぁそうでした!先に紹介するべきでしたわね。こちらは今回ソーセージの調理を担当してくださるゲヘナ学園給食部の愛清フウカさん。腕は私達が保証します」
「ん゛ー!!ん゛ー!!!」 - 29二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:49:47
フウカと紹介されたゲヘナの生徒が縄で縛られながらも激しく抵抗している。どう考えても快くついてきた訳ではなさそうだ。
(えーっと…これ多分嫌がってますよね?)
(そうですね…どうしたものでしょうか。この料理人の方もそうですが、色々不安になってきました)
「…ところで黒舘さん、ソーセージはどうやって確保するのですか?」
「マーケットを襲撃しますわ!」
(…)
(Keyちゃんが無言で顔を覆ってる…)
(見通しが甘かったのでしょうか…彼女達、もしやかなりの問題児なのでは…)
(美食研究会といえばゲヘナを代表するテロ組織ということで有名ですからね)
(それを早く…いえ、これは情報をしっかり仕入れなかった私の落ち度ですか…)
Keyは物知りである。様々な学問に通じているし、使命遂行にも関わるキヴォトスの社会情勢もよく調べており、機密情報も多く握っている。が、こういった一定以下の規模のテロリスト集団や文化に関する情報には基本的に疎い。
「?ロクさん、どうされましたか?」
(…どうします?)
(…ここで彼女らについて行けば確実に必要以上に目立ち、ゲヘナの風紀委員会に目をつけられる、いや牢屋に入れられますね。…しかしゴールデンジャージーブラッドソーセージは…)
(風紀委員会に目をつけられるのはまずいんじゃないですか?) - 30二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:50:15
(えぇ、その通りです。しかし、しかし…)
(…まぁKeyちゃんのやりたいようにすれば良いと思いますが…使命を果たすのにも悪影響じゃないですか?最悪私たちの素性も疑われかねませんし)
(…)
Keyは、迷った。機械の体の中で加速された思考、現実世界で言えばおおよそ20分ぐらいは迷いに迷った。そしてその結果…
「…申し訳ありません、黒舘さん」
「?」
「流石にこれは認められません」
背中に背負ったバールとShAK-12に手を伸ばした。
──────────────────────
「協力感謝する。おかげで今回は美食研による被害も軽微で済んだ」
「…裏切りましたわねロクさん!!!」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました。知らぬうちに犯罪に巻き込まれそうになっていた所を助けていただいて」 - 31二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:50:26
十数分後、美食研はコユキとKey、そしてその通報により駆けつけたヒナ率いる風紀委員会により鎮圧された。ロクに裏切られたと思ったハルナ、そして美食研のメンバーが次々と抗議の声を上げる。
「連れて行って。ロク、ゲヘナはこういうテロリストや犯罪者が多い。次からは注意して」
「わかりました」
そのまま僅かながら報奨金が渡される。コユキとKeyにとっては本当に雀の涙未満の金額だが。
(…それで今日はどうします、Keyちゃん?)
(今日の予定が丸々潰れましたからね。どうしたものか…)
「あの…」
その時、横から声がかけられる。
「どうされました?」
「いえ、助けていただいたお礼を言いたくて」
声をかけてきたのは、先ほど美食研に捕まっていたゲヘナ給食部、愛清フウカ。ロクが見えた時には美食研に新たなメンバーが参加したのかと絶望したものの、実際には常識的な善人。その安堵はかなりのものだったであろう。
「礼を言われるようなことではありません。人として当然のことをしたまでです」
(Keyちゃんすっごく迷ってましたけどね)
(黙りなさい) - 32二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:50:43
「…それで、今日はこれからどうするんですか?多分、ハルナ達と過ごすつもりだったと思うんですけど…」
「えぇ、そのはずだったのですが…どうしましょうかね。正直、ゴールデンジャージーブラッドソーセージはかなり楽しみにしていたのですが…」
「…なら」
「?」
「私が何かお作りしましょうか?ゴールデンジャージーブラッドソーセージは無理ですけど、普通のブラッドソーセージなら何とか…」
「…よろしいのですか?」
「はい、助けていただいたお礼です」
(…コユキ、大丈夫ですか?)
(まぁ、予定が完全に潰れましたしね。アリだと思います)
「…では、お言葉に甘えさせていただきます」
その時、処理を大方終えたヒナから声がかけられる。
「ロク」
「?」
「改めてありがとう。仕事が大分減った」
「先ほども言いましたが、『善良なる一生徒』として当然のことです。そこまで言われるようなこともしていません」 - 33二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:50:54
「…そう」
ヒナが感心した様子を見せる。ゲヘナにこのような生徒はあまりいない。第二校舎にはある程度いるだろうが。さらにこのような善良でかつ美食研に銃を向けることができるぐらいに強い生徒となるとより少なくなる。まぁ、最も…
(あ、Keyちゃん!資金の確保終わりました!)
(お疲れ様ですコユキ。昨日の宿泊で路銀が大分少なくなっていましたからね。確保元は?)
(ゲヘナに支店を置いてる闇銀行と正規の銀行からちょっとずつ貰ってきました!)
(上出来です。流石ですね)
裏では思いっきり犯罪に手を染めているのだが。
「風紀委員長、今日もありがとうございました。では、これで失礼いたします。ロクさん、行きましょうか。ブラッドソーセージを使うとなると買い出しも…」
「ありがとうございます。では、これにて」
「うん、さようなら」
(目的のものにはありつけませんでしたが…これはこれで良しとしましょうか)
(ブラッドソーセージってどんな味なんですかね…) - 34二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 00:53:34
以上!
食事関係になるとややポンコツ気味になるKeyちゃん
コユキ的にはそういうポンコツ気味な所が「Keyちゃんも全部完璧って訳じゃないんだなぁ…」と思えて逆に好感度上がってたり、「自分がこういう時は支えないと!」となってたりするといいなぁ…と思ってる - 35二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 08:32:50
SS乙!大作だぁ
こうやって執着を持つのはいいぞ…… Keyが自前のボディを確保したがる良い理由づけにもなる
そしてその画面裏でしれっと行われる無法なハッキング ゲヘナだと相当バレなさそうだな…… - 36二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 08:40:18
鍵と鍵
ほっといたら世界を滅ぼす危険な存在
結構似てるよな - 37二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 14:07:42
理論を突き詰めた結果のポンコツなのがなんともKeyらしい
- 38二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:43:21
コユKey側の視点で初手セミナー襲撃をかける動機はやっぱりAL-1S確保のためよな いきなりアリスを狙うとセミナー側に対応されるから将馬理論でセミナーを落とす形
となるとセミナー襲撃が入ってから迅速に保護に動かないとアリス持って行かれて一気に戦況が悪化するのか ホットスタートにも程があるな……! - 39二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:52:06
セミナー襲撃とアリスを繋げられるかどうかだな
コユキの手癖とかを感じ取れれば何とかなりそう - 40二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:54:23
そいやこの世界線、Key入りバニチェは経由してる?
- 41二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:29:41
あー確かに考えたこともなかったな
とはいえ、Key入りだとそもそもバニチェが発生しない気がする バニチェ経由してないと立たないフラグとかもないから多分この世界線のコユキはパヴァーヌ1章で初登場だと思う - 42二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 08:24:04
ミレニアムが陥落するとなるとミレニアム生をどこに避難させておくか問題が生じるな
シャーレでいいか - 43二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 18:47:16
ほ
- 44二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 19:39:54
パヴァーヌ3章通して犠牲者が出るとまずい、ということは逆算してアーカイブ化実行の段までKeyは辿り着けてないんだよな
そうすると先生チームがアリスを保護するのには成功してそう あるいはアリスの抵抗が激しいパターンもあるけどこれはパヴァーヌ2章の焼き直しになるから避けたい
さて、初手セミナー制圧半失敗アリス奪還失敗で始まってなお居座りを選択してることを考えるとコユKey側もある程度以上の戦果は得てるはず、損切りして撤退を選ばなかったことになるから
となるとセミナー陥落の段でリオは捕まえられてそうだな……やはりユウカの双肩に全てがかかる流れか - 45二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:40:29
せっかくキヴォトス全体に攻撃が行くしユウカ主役ということもあり先生チームにチュートリアル組勢揃いにしてみるのも面白そう
しかしあんまりエモを詰め込みすぎると最終編のお株を奪ってしまうんよな 気をつけねば - 46二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 05:09:30
保守
- 47二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 08:45:15
これくらいなら全然やりすぎじゃないと思うぞ
最終章と差別化するならオチを「Keyの使命の破壊」にするのは尚更アリだな Keyの立ち位置を「和解できる敵」から「敵に操られた被害者」にスライドできる
- 48二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 18:04:07
保守
- 49二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 20:06:26
最初はKey単独犯だと認識されてると物語にもう一段山を作れるな 死んだと思われていたコユキが生きていたという希望と、電子戦だともう逆立ちしても勝てない絶望が同時にやってくる瞬間だ
- 50二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 20:10:27
ミレニアムの叡智の結晶、その極限たる平手打ちがコユキの頬に決まるんだよね……
どんな技術も装備も、ユウカのその一撃にはかなわない - 51二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 21:20:19
ちょうどデジタルを捨てる話してたらタイムリーではある……w
問題はコユキボディはこの騒動中ずっと医務室に横たわってるってところなんだが(参照: https://bbs.animanch.com/board/3553401/?res=48 )
- 52SS書き24/07/30(火) 23:07:27
元々自分はパヴァーヌ三章は考えてなかったんだけど…
自分なりに考えてみると皆の想定してるのとは大分乖離したものになるなぁ…
どうしたものか - 53二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 23:25:52
それはそれでいいんじゃないかな 公式性のある場でもないからどれかが唯一の正解というわけでもあるまい
- 54SS書き24/07/31(水) 00:44:23
自分が考えていたのは
まずパヴァーヌ第三章を起こす障害となるのは基本的にKeyがアリス/王女の意志を尊重する姿勢を見せていたこと
Keyの言う「使命から逃れられない状況」とならない限りKeyはアリスに使命を強制しない可能性が高い
つまりそのままだとKeyはキヴォトスに対する敵対行動を起こさないわけだ
じゃあどうすりゃいいかっていうと単純に司祭に干渉させれば良い
旅をしているコユKeyに「何キヴォトスエンジョイしとんねんワレェ!」「とっとキヴォトス滅ぼさんかい!」とより上位の指令を出してもらう
Keyには行動原理たる「王女の意志」と絶対の「創造主の命令」という相反する二つの指令により盛大にバグり散らかしつつ(側から見ると人格分裂か認知症か統合失調症のような情緒不安定な状態になってもらう)キヴォトスを滅ぼすお労しい姿になってもらう
メタ的に言うとKeyへのヘイトを減らす描写になるかな
そんでもってコユキはそんなKeyの姿に心を痛めつつも、キヴォトスを滅ぼすことがKeyの使命、存在理由であることは理解しているため「早くキヴォトスを滅ぼせばそれだけ早くKeyちゃんも元に戻る」と思って精一杯頑張るわけですよ
そしてキヴォトス全土に対する攻撃準備を整えると共に戦争開始
しかしリオ、セミナーの機転によりアリスの確保には失敗
ミレニアム自治区の残存する生徒、市民は全員要塞都市エリドゥに立て篭もることになる
当然最優先防衛目標はアリス
アリスが敵の手に落ちたらその時点で詰みだからね
アリス自身は自分も前線に出て戦うと言うけどセミナーや保安部の参謀が「それは絶対ダメ」と言って半ば軟禁するような状態でアリスを保護
そのままエリドゥは地獄の防衛戦に突入
最新機器はKey、そしてコユキのハッキングにより乗っ取られる可能性があるため全て人力の、モスクワやスターリングラード、ベルリンのように一つの区画に何千発もの砲弾、数十万発もの銃弾がつぎ込まれる要塞戦が開始される - 55SS書き24/07/31(水) 00:44:38
一方ミレニアム外では各地で機械兵の出現により多くの自治区が陥落
遠隔通信はKey側により妨害されるため前時代的な有線通信による通信を何とか確立
連邦生徒会、防衛室、シャーレの連携により何千もの学園都市に一応の統一した命令系統が構築され徹底抗戦開始
Key側がアリスの確保に失敗し、即時のアーカイブ化はできない状態なものの「負けたら死ぬ」と理解している生徒と市民たちにより各地で死守を前提とした防衛戦が始まる
数週間の交戦の末、機械兵の物量によりさらに数百の自治区が陥落し、攻撃の主力を担うKey側の機甲軍が司令部たるDUを目指し大規模攻勢を開始
キヴォトス側は100km以上の縦深を持つ防衛陣地を即席ながら築きつつ迎え撃つものの、防衛線は突破される
雇われたカイザーPMCの戦車部隊、随伴する数十の学校の歩兵部隊による反撃作戦が成功し、一度はKey側の攻勢を挫くことに成功するものの、このままでは敗北は免れない
そして、エリドゥがいつまで持つかも不透明な状況
加えて各地の機械兵により包囲され孤立した自治区が何度も何度も救援要請を行いつつ、最後には悪態をつきながら一つ、また一つと通信が途絶えていく状態
もはや通常の手段では状況の打開は不可能と見た先生は防衛戦を指揮するだけでなく自分で動くことを決意
しかし手段もロクに思い浮かばないためゲマトリアに協力を要請
研究対象が失われることを快く思っていなかったゲマトリアも協力
Key側の唯一の弱点、「あくまでKeyがキヴォトスを滅ぼす理由は使命である」ことに注目し、その使命を削除する作戦を立案
しかし使命の解除、すなわちハッキングが可能なのはKey側に与するコユキのみ
そこで「先生とその指揮下の選りすぐりの生徒が黒服を護衛し、コユキの元まで黒服を連れていき、(先生には決してできないであろう)黒服の詭弁と詐術によりコユキを説得し、しかる後にKeyを無力化する」という作戦が立てられる。 - 56SS書き24/07/31(水) 00:45:04
一方その頃エリドゥでは「AL-1Sを壊せば全て解決じゃないか!」「最大の脅威は機械兵ではなく我らが血を流して守っているそこのヒトモドキだ!」という意見が勢いを増す
リオ、ユウカ、ノアがそれを何とかとどめているものの、このままではエリドゥ内で内戦が起きかねない状況に陥る
それに耐えられなくなったアリスがなんとか警備を掻い潜り、エリドゥの外に脱出
機械兵の封鎖線を掻い潜り、自らKeyの説得のため「冒険」を開始する
って感じのストーリーを考えた
どうかな…
SS書くかは完全に未定 - 57二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 00:49:58
なるほどなぁ
ちなみに想定だと黒服の悪い大人流の説得は成功する感じなんです? - 58SS書き24/07/31(水) 00:53:50
成功する想定
そうしないと詰みだからねぇ…
ただこのルートだとガチでキヴォトス全土が地獄になるんよな
最後は合流したアリス+先生&黒服+生徒+コユキvsKey &司祭の用意した防衛機構
で先生側が勝利してキヴォトスは守られた…って感じになるかなと
ただ黒服がコユキを説得するロジックが思いつかんのよね
だからSSは書くかと言われると微妙
(リアルがちょっと忙しくなりつつあるのでそこまで書くとなると9月中旬ぐらいになるんじゃないかなぁ…)
- 59二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 08:00:31
うおっ長大構想……まさしく総力戦ですな
>アリス/王女の意志を尊重する姿勢
あーここは完全に視点から抜けてたな てっきりTSC由来の情緒とか全部消してもいいくらいに考えてるもんかと思ってた
>要塞都市エリドゥに立て篭もる
エリドゥが生きてる……!本望を果たせてきっと幸せでしょう
>黒服の詭弁と詐術
「滅ぼす対象としてのキヴォトスにいつからKeyが入っていないと錯覚していた……?」あたりが切り込みどころかなあ。最終編ハッピーエンドルートと被るけど
ところでこれ「『いやです!先輩の命令でも絶対にKeyちゃんは渡しません!!』の後『お友達ごっこ』」のやりとり組み込めそうです……?
- 60二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 08:13:54
これはあとアレだな
ゲーム開発部がどう動くのかも大事になってくるな - 61二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 12:06:59
「敵」がコユキを狙ってると分かった途端急に先生たちに投入される戦力が凄まじく増えたり
最後の戦いの時に「コユキ/王女を返せ」ってうわ言のように繰り返してるんだよね - 62SS書き24/07/31(水) 19:16:40
そして何とか取り戻したコユキを抱きしめて明らかにホッとしているところに
「…ごめんなさい、Keyちゃん」と言ってアリスの時のように鍵を突き立てるんだよね
使命はKeyにとって根幹を成す部分だからコユキに裏切られた時のアリスのように良い反応してくれそう
- 63二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 21:13:44
獅子身中の虫ロールが板につくコユキェ……
- 64二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 00:29:30
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:22:05
なれば語らねばなるまいな……自分が想定してるパヴァーヌ3章も……
ロク旅をこなしながら各所にアトラハシース再始動のためのリソースを確保するKey!
コユキボディの微かな生命反応を頼みに生存を信じ、再会を祈っているユウカ!
ボディが医務室で一生安置されてるのに訝りつつもとりあえず旅を楽しむコユキ!
食道楽にも目覚めてひっそりキヴォトスへの愛着ポイントが溜まっていくKey!
失踪を回避、2章での反省を生かしてエリドゥのスタンダロン化に勤しむリオ!
AL-1Sフルリブートのための準備が整って改めてセミナーに狙いを定めるKey!
何の変哲もない一日のはずだったのでシャーレ当番でミレニアムを離れてたユウカ!
セミナーに急襲をかけリオノアを制圧、そのままミレニアムを制御下に収めるコユKey!
せめてもの抵抗としてユウカに一報、至急ミレニアムに戻るよう指示を飛ばすリオ!
突然全権任されて面食らいつつも、ひとまず混乱する生徒達をエリドゥに避難させるユウカ!
早速アリスを奪還しようとするもゲ開+辻C&Cに妨害されて一歩届かないKey!
折角ボディがそこにあるので同居解除を惜しみつつしれっと自前の身体に戻るコユキ!
C&Cの報告を受けてアリスを逃すことを決断、暗号回線で亡命先の指示出しをするユウカ!
なんか流れでC&Cと共闘、アリスの保護を一緒に請け負うことになったゲーム開発部!
当然の権利として暗号を(コユキが)貫通、逃亡先に守護者を差し向けるKey!
似たようなことが何度か重なり、さすがに何かがおかしいと気づきはじめる先生!
閃きがあって医務室まで潜入、コユキボディがなくなっていることを発見するユウカ!
多分ここが物語の谷だ!ここからなんとか挽回して「『いやです!先輩の命令でも絶対にKeyちゃんは渡しません!!』の後『お友達ごっこ』」のやりとりに繋げたいぞ!(おもいついてない - 66二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 15:14:07
- 67二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 21:43:33
全部終わった後の平和なゲーム会で土壇場の裏切り→見抜かれて「うわあああなんでえええ」とかやってそうな……
- 68SS書き24/08/01(木) 22:57:14
- 69二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 08:58:14
ほす
- 70二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 09:07:18
いいなあKeyのひとりグルメ
コユキもKeyも遍在性能がバグり散らかしてるから双方が望まないとKeyひとりって状況は発生しないんだけど、だからこそ状況のエモさが増す感じがする
こう、なんとか病的な共依存を脱せたんだなという感動がね - 71二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 19:44:32
保守
- 72二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 19:47:44
ホルモン噛み切れないコユキとkey…
- 73二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 21:33:38
Keyならロクちゃんボディあるいはアリスボディで余裕で噛みちぎれそう
- 74二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 22:11:24
アリケイユウカがべったり張り付いて抜け出せないコユキも良いな
- 75二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 08:56:47
良き概念…
- 76二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 14:05:32
- 77二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 14:07:17
コユキへの愛のビンタに対して司祭相手の場合ならユウカの膝が入りそうだ
- 78二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 14:16:56
>コユキへの愛のビンタ
理解できる。敗北してなおKeyを渡すまいと食い下がるコユキに対して「どれだけ心配したと」のビンタが飛ぶんだ
>司祭相手なら膝
膝入れるくらいならもう銃撃でいいだろ!!キヴォトスやぞここは!
- 79二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:58:00
ユウカvsコユKeyの最終決戦、大局としてはどっちに傾いてるといいかな……
コユKeyの揺るがない戦略的優勢を崩すために乾坤一擲の策として本拠地襲撃をかけるか、
はたまた少しずつコユKeyの優位を崩していった先の本丸落としとしてラスボス戦に挑むか
追い詰められてる方が「いやです!」の威力は上がるんだけどこやつら逃げに回ると捕まんないのよな……先に封鎖をかけることが必要か - 80二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:19:59
ちょっと書いてみたけどこれコユKey要素ないな…?
(百鬼夜行自治区東区…彼方でしょうか…)
ある日の百鬼夜行自治区、私は新調した体に入ってある目的のために一人ここを訪れていた。先の色彩とやらの襲来の時に受けた被害も、今やほぼ回復しているようだ。
コユキはまたやらかしてセミナーにより折檻。私に助けを求めるような表情をしていたが、私はもう世界を滅ぼす存在ではない。甘んじて刑を受け入れるよう言っておいた。裏切られたような顔をしていたが、私の言動はアリスにも影響を及ぼす上に、私も一般常識を無視することができない立場になった。諦めて刑を受けてもらおう。刑が終わったら、また何か埋め合わせでもしておこう。
…おや、神社ですか。場所は把握していませんでしたが、この名前は…確かそれなりに有名な神社だったはず。折角ですし、お参りしていきましょうか。モモイへの土産に学業成就守でも一つ買っていきましょう。
──────────────────────
「…は〜…」
「お嬢ちゃん、本当に美味しそうに飲むねぇ」
「…?自分で言うことではないかもしれませんが、私は結構無表情な方だと思いますが」
「大体の様子でわかるさね。そんなしみじみと、味わうように飲んでくれる人は中々おらんよ」
「…そうですか」
参拝とお守りの購入を済ませた後、神社の前の通りの店で甘酒を一杯頂いた。縁日や初詣の時期に神社で出される甘酒というのはやけに美味しい。
「…」
ズズっと、外気に触れて湯気を出す甘酒を啜りつつ考える。
なぜこういう所で飲む甘酒は美味しいのか、普通の市販の甘酒と特に違いはないはずなのだが。まぁ、初詣の時の甘酒は寒い中で飲むというのが大きいのだろうけども。
- 81二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:20:12
「…」
周りの観光客に視線をやる。
「お待たせしました!抹茶ビールです!」
何だそれは。席についていた市民の前に出された謎の飲み物を思わず凝視してしまう。旅の途中にその場の流れで舐める程度にビールの味を体験する機会はあったが…それは本当に美味しいのか?ビールの苦さと抹茶の苦さが合わさって新たな苦さに至る…のだろうか?わからない…が、一度飲んでみたい気はする。
「んじゃちょっとそっち分けてよ〜」
「いいよ〜、だけどそっちもちょうだーい?」
そんなことを思っている間に、二人とも別の餡子の入った鯛焼きを持った学生が通り過ぎていく。二人旅というのはこれが利点だろう。コユキを連れていく時には私もよくやるが…。
「…」
まぁ良い、神社に来たら甘酒。この黄金コンビを味わえたのはかなり嬉しい。何せ、ミレニアムにこんな神社や甘酒屋なんてあまりない。また正月には初詣ついでにどこかの神社に甘酒を飲みに行こうか。やはり、これは息が白くなる頃に飲むのが一番美味しい。寒さは甘酒の伴侶と言っても良いかもしれない。
「ご馳走様でした」
「毎度!」
紙コップをゴミ箱の中に放り込んで店を後にする。少し時間を取られてしまったが、本来の目的地はここではない。スマホの地図アプリを再び開いて目的地を目指す。
が、目的地に向かう途中ある雑貨屋に目がとまる。ここ百鬼夜行は当然ながらその文化圏の品物が多い。ソレは当然食品関係の商品も含んでいて…。 - 82二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:20:36
「お櫃…ですか」
飯櫃、いわゆるお櫃。炊き上がった米をこの中に入れると余分な水分を吸収し、蓋から水底きが落ちて食味を損ねることを防げる利点がある。かく言う自分もコユキと旅をしている途中に立ち寄った高級な料亭でお櫃に入った飯を食べた記憶がある。
がしかし、最新型の炊飯ジャーなら同じような機能を持っている。このお櫃にそこまでの価値があるとは思えないが…。少し、このお櫃に米を保存したら何か変わるのかと思ってしまう。
「…」
まじまじと並べられたお櫃を見てしまう。木の良い匂いがケイのもとまで漂ってくる。
(これはまた…)
まだ今日の小旅行が始まったばかりなのにも関わらず、ついこれを買っていこうかという悪魔の誘いがケイの脳内に響いてくる。
(…いえ、いけませんね)
金に余裕があるわけでもないし、これから目的の場所を巡ることを考えれば荷物を抱えるのはよくない。今回はパスだ。
──────────────────────
「ふぅ…かなり楽しめましたね」
百鬼夜行東区に存在する大きな美術館を出たケイが呟く。
(かなりボリュームのある展示でしたし)
百鬼夜行の中でも特に大きな美術館の一つだ。それなりに朝早くこちらに向かっても見学するのは一日仕事になった。
(百鬼夜行の美術、工芸品、古代の青銅器…どうやってここまで集めたのでしょうか) - 83二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:20:49
しかも、これが私立の美術館だというのだから驚きだ。
(また今度、アリスとコユキを連れてきましょうか)
今回、ケイは折檻中のコユキのみならず、アリスすら連れてこなかった。と言うのも、今回この美術館で開催されている企画展の一つが
(今回のような春画をアリスに見せるわけにもいきませんし。コユキも無駄に騒がしくなりそうです)
「浮世絵における春画」であったためだ。
(変なエロ親父に絡まれて少々面倒でしたが…中々興味深いものも見れました。時折ネットで話題になる変態性癖の絵ならともかく、こういう一般的な春画の画像や情報は中々出ませんからね。これがかつての人々にとっては大事なツールだったと思うと少々感慨深いものがあります)
断っておくと、別にケイがそういった方面のことに興味があるわけではない。彼女はただ知的好奇心、そして食欲のために動いているだけである。
(いやしかし、こうしてぶっ通しで歩いていると…)
見学に集中していたケイの意識がふっと緩む。
(お腹が)
そして、その途端
(減りましたね…)
ケイが空腹を自覚する。
(よし、店を探しましょう) - 84二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:21:00
──────────────────────
「…」
百鬼夜行自治区は観光業が盛んである。当然、観光客向けの芸もあっちこっちで行われている。
(…三味線ですか)
三味線の音がどこからともなく聞こえてくる。この音は、どこかの部屋の窓から漏れてきたものだろうか。
(これに合わせて食べるとすれば…)
もはや自分の頭が食に支配されていることにも気づかず、自然とそのようなことを考え始める。
(寿司…鰻…天ぷら…)
かつてコユキとの旅の中で楽しんだあれやこれやが記憶の中に蘇る。
(今の私は何腹なのでしょうか…)
懐にそんな余裕があるわけでもない。ある程度店は選ぶ必要がある。
(とすると比較的安価な蕎麦でも…いえ、もう少しがっつりいきたい気分ですね…とすると回転寿司か、あるいは天ぷらを出してくれそうな定食屋…天ぷらや天丼を狙うなら蕎麦屋も選択肢に…)
今日一日経ち続けたケイの空腹はかなりのものだ。蕎麦も悪くないが、もう少し重めのものが食べたい。 - 85二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:21:17
(何か…何かないでしょうか…)
いい感じの店を探して百鬼夜行自治区を彷徨う。そして、そんな中
(…典型的な和風の定食屋に、中華料理屋)
その二つが、通りを挟んで並んでいた。
(折角百鬼夜行に来たんですし、定食屋に行くべきでしょうか…)
店の前のホワイトボードには今日のおすすめとして鯖の味噌煮が書かれている。
(えぇ、悪くありません、むしろ最高な部類ですが…)
実際、百鬼夜行で食うのが美味いメニューの一つだ。確かに鯖の味噌煮と白米をかっ喰らい、味噌汁でほっと一息つきたい気持ちはある。が、
(…がっつりいくとしたら中華料理なんですよねぇ…)
向かいの中華料理屋には脂っこいメニューがいくつも並んでいる。百鬼夜行自治区だ、当然白米もメニューにおいているだろう。
(…どうするべきでしょうか…)
悩んでいる間にも、空腹は刻一刻と深刻さを増している。もはや、猶予はない。
(そういえば…)
ふと、ケイが思い出す
(エビチリは百鬼夜行文化圏発祥、回鍋肉も山海経と百鬼夜行ではかなり違うのでしたか…) - 86二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:21:39
ならば
(ある意味、一部の山海経文化圏料理については…むしろ百鬼夜行の方が本場と言えるのでは…?)
ケイの中で折り合いがつく
(すいません、定食屋さん。また次来ることがあればお邪魔します)
別に誰に見られているわけでもないのに、軽く定食屋にお辞儀をした後中華料理屋の暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませー!そちらのお席にどうぞ!」
中はそれなりの数の客で賑わっている。外からも見えてはいたが、多分ハズレということはないだろう。
「こちら、お絞りとお冷です!」
少しして、店員がお絞りとお冷を持ってくる。
「ご注文はお決まりになりましたか?」
「はい」
しばらく壁に並べられたメニュー、そして手元のメニュー表を眺めていたケイが答える。
「エビチリ、回鍋肉、それとご飯Lサイズで」
「エビチリ、回鍋肉、ご飯Lサイズですね!」
「あ、それと焼き餃子と…ウーロン茶もお願いします」 - 87二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:22:00
「承知しました!」
そう言うと店員が厨房に注文を伝えに行く。
(少なくとも、とりあえずはこれで…)
「お待たせしました、台湾混ぜ麺です!」
(…!?)
「こちら、酸辣湯麺になります!」
(!)
そうだ、そういえば
(…こういった麺類は百鬼夜行文化圏発祥でしたか)
少々迂闊だったか?炭水化物を何も考えず白米にしてしまったが…いやしかしエビチリと回鍋肉を米無しで食べるのもそれはそれでナシだ。
(…仕方ありませんね)
体に、少し力を入れる。
(代謝を通常時の250%に増加。同時に体内エネルギー源貯蔵庫を一時的に拡張)
エネルギーの消費量を増加させ、胃に余裕を作る。 - 88二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:22:11
(これで、私が先ほど頼んだものを食べ終わってまだ余裕があった時には…)
「こちらウーロン茶になります!」
「ありがとうございます」
(あの麺類のどちらかを、頼んでみることにしましょうか…)
ケイの、静かな戦いが始まった。 - 89二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:23:08
以上!
うん!申し訳程度にコユキの名前出したけどこれこのスレやる必要ないな!
そもそもKey食道楽概念が存在しないからこのスレ以外でもできないんだけど! - 90二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:24:43
それと、本番の食事に関してはちゃんと自分が食レボできる気がしなかったのでカットです…
っていうかちゃんとやろうとするとかなり時間が溶ける気がする… - 91二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:29:34
SS乙
Key食道楽概念なんてコユKey旅がなければ発生すらしなかった概念だし、発展形ってことでいいんじゃないかな!
文化に静かに触れていくKeyはいいものだ……! - 92二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 08:20:28
立ち居振る舞いに常に尊重があるのがここのKeyらしくて良い
この姿勢だったからこそコユキの理解者たりえたんだよね…… - 93二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 17:54:47
エンディング後の後日譚としてコユキKeyアリスユウカあたりで倫理のお勉強して欲しい ユウカは教師役で
- 94二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 21:25:19
もしかして:Keyも教師役
- 95二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 01:46:44
今更だがコユキって取り扱い要注意生徒なのでは?
- 96二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 03:07:31
- 97二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 08:24:43
ここのコユキも意図は弱い側よな いや弱いのは意図というかそれを実行するための計画というかその辺りなんだが
頼みを聞く→ご褒美をもらう がルーチン化してるからなのか起点となる頼みがないと基本悪事をなす方向には動かないのよね
そこらへんも初期Key(cf. https://bbs.animanch.com/board/3589661/?res=41 )には都合の良い駒だったんだろうなーと
今じゃそんなKeyもすっかり絆されて使命との板挟みで悩む原因になってるわけだけども!
- 98二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 19:06:09
ほしゅ
- 99二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 21:08:13
だからこの概念ってある意味でKeyも主人公なんよな コユキになんか変なタイミングで拾われたKeyがいかに自分の使命を全うするか、あるいは使命と折り合いをつけて自分の足で歩んでいくかの物語
つまりなんか食道楽になって孤独のグルメ始めるKeyだってこの概念の欠かせない一部ってことよ - 100SS書き24/08/05(月) 22:56:58
そういやKeyの性格的にゲ開部では唯一外回りの仕事とかやれそうだな
「ゲ開部製アーケードゲームの設置の交渉」「TSC2のタイアップに関する交渉」「企業やコンテンツのサイトに載せるミニゲームの受注生産に関する打ち合わせ」とかで他の自治区にミレニアムの制服とカバン姿で向かい
仕事を終えると「お腹が空きましたね…」となりそのまま孤独のグルメ開始
営業が順調に行っているなら本家ゴローちゃんのようにちょっとお高くなってしまうような食べ方もできるし、高めのお店にも入れるようになる
刺身定食を食べては「いい眺めです…これぞ正しく海の飯」「見た目通り良いマグロです」「これですよねぇ…やっぱり。寿司も良いですが白米にも抜群に合うのがマグロです」「確かになめろう、しかしサンマ。…おや、甘い。本当に甘いですね」「いやいやこれは…ご飯に最強ではありませんか。驚きました…」「この蛤…色白でぷりぷりつるん、別嬪さんですね…」「しょっぱい、しかし、まさしく海のしょっぱさ。私は今、海そのものを食べていると言っても過言ではありません」「私の胃袋で大漁旗がはためいています」
ちゃんこを食べては「横綱相撲の美味しさですね…」「つみれともも肉のぶつかり稽古」「大一番でしたね…参りました。土俵に座布団が飛び交っているところです」「伝統、伝承、稽古、心技体、全てが充実した鍋でした」
とか独特の言語センスで食レポ始めるKey
改めて本家ゴローちゃんの言語センスが良すぎるな
アリスやコユキ?この二人は外回りにいてもどちらかというと邪魔だし…
ただ、本家と違うのは何かしらお土産を買っていきそうなところだな
帰ってまたコユキやアリス、ゲーム開発部と食べるために
上の例なら保冷剤をつけて刺身やちゃんこ鍋の素を買って帰ってそう - 101二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 22:59:53
皆の絆を感じられるところも含めて良い概念だぁ……
- 102二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 08:23:38
- 103二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 15:55:55
- 104二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 23:20:43
セミナー⇔コユキ⇔Key⇔アリス⇔ゲーム開発部と繋がってるおかげでゲーム開発部にもセミナーにも居場所がある感じに落ち着くんだよな
ゲーム開発部の方が居心地がいいのはわかるけどセミナーの方と交流イベントを進めてるところも見たいぜコユKey…… - 105二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 08:21:08
リオに依頼されて無法なハッキングの腕を振るうコユKey!
「ご褒美」としてコユキと一緒に遊園地に行くことになるリオKey!
絶叫マシンで似合わない悲鳴を上げるリオ、それをからかうKey!
お返しとばかりにお化け屋敷に向かうリオ、似合わない悲鳴を上げるKey!
そんなじゃれあいの裏で絶叫マシンにもお化け屋敷にも100点満点のリアクションを返してるコユキ!
……いやいいなこれ - 106二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 08:26:16
セミナー総出で行くルートもいいぞ
その場合ユウカもいいリアクション取ってくれそう - 107二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 19:26:51
keyの悲鳴良いな...
- 108二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:18:36
Keyがジャンプスケアに弱いという風潮、一理ある ホラゲーやろうぜ!
- 109二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:09:00
Key、怒りのお化け屋敷全体スキャン&ホラゲーのコード解析
びっくりポイント、ジャンプスケアタイミング全把握 - 110二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 08:02:13
大人気ないぜKeyちゃん……
いじるのは程々にしようねという話でもある - 111二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:42:47
保守
- 112二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:27:41
あ゜ー!?みたいな表現が難しい音が出てそう
- 113二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:29:46
遊園地での一幕を聞きつけ、ビビるKeyを煽るためにホラゲを持ち込むモモイ!
そんな思惑はお見通しなのでみっちり予習してジャンプスケアを対策するKey!
いざやらせてみると全然思い通りの反応をしてくれなくてぶーたれるモモイ!
難所を乗り切ってホッとしたところにユズのロッカーがガタ揺れして悲鳴が漏れるKey!
「閃いた」みたいな顔して出ていこうとするモモイの前に立ちはだかるコユキ!
やっぱりゲームといえばゲ開ってことで
- 114二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 08:14:50
これはいつものちゃん付けが外れてモモイを呼び捨てにしてそうなコユキ
- 115二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 18:47:57
保守
- 116二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:56:09
クソガキモモイ……!
- 117二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 10:17:49
遊ばせるホラゲはなんだろうね FNAFとか?
- 118二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 10:24:58
最新作もいいけどあえて初代バイオハザードとか?
- 119二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:04:09
ジャンプスケアのタイミングで「山場」があると物語の組み立てが上手く行きそう
そういう意味ではFNAFより初代バイオハザードの方が適性が高い……のかな - 120二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:54:09
全く今までの話と関係ないけど全てが丸く収まった世界のKeyの話
「…はい、これで完了です」
「えー…もう少しやっても」
「やり過ぎは逆に体に悪影響です。これぐらいで我慢してください」
「はーい…」
ゲーム開発部の部室にて、新調したKeyの体に膝枕されていたコユキが渋々起き上がる。
「…やっぱりケイって…」
「何ですか?」
「基本的に奉仕気質だよね」
「…まぁ、否定はしません」
モモイがKeyに話しかける。先程からKeyはコユキに耳かきをしていた所であった。
「元々、そのように作られたのですから」
アリスの従者たるKeyがアリスに耳かきを行っていたのに焼き餅を焼いたコユキが少し拗ねていた所に、Keyがコユキに耳かきを提案。そのままコユキの耳かきを行い、それをちょうど終えた所である。
「そういえば、ケイは自分の耳かきどうしてるの?」
「普段はコユキかアリスの体にいるので、ボディーの代謝は最低限に抑えられますからね。耳垢もそこまでできませんし、基本は自分で時々やっています」 - 121二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:54:53
「そっかー…あっ、そうだ!」
「?」
「ケイも他の人にやってもらってばかりじゃアレだし、私がやってあげようか?」
「あ、いいですね!さっきケイにアリスもやってもらってばかりですし、アリスがしてもいいですか!?」
「…確かにそうですね!Keyちゃんがして欲しいなら私がしても…」
Keyが返事をした途端、モモイ、アリス、コユキが手をあげる。
「いえ、別にその必要はありません」
しかし、Keyは即座にその提案を否定する。
「え?なんで?」
「自分でできますから。何より」
Keyがモモイとアリス、コユキの方を向きつつ言う
「私の体には、耳かきを『気持ち良い』と感じる機能が備わっていませんので」
「「「…え?」」」
モモイ、アリス、コユキが声を漏らし、ユズとミドリが遠巻きに見守る中、少し衝撃的な事実をKeyが告げる。
「え!?どういうこと!?」 - 122二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:55:17
「そのままの意味ですよ。私が今自由に使っている体はあくまでアリスの体の劣化版に過ぎません。当然、神経系も本来の人のものとは比べ物になりません。人が耳かきを気持ち良いと思うのは所謂迷走神経によるものですが、私の体ではそのような複雑な迷走神経の働きは再現されておりません」
「…そっか」
「当然ながら、他の感覚に関してもかなり鈍くなっています。マッサージですとか、あるいはスキンシップなど、様々な刺激に対して私の体は鈍くなっている状態です。心配していただく必要はありません」
辛うじて、モモイが返事をする。モモイ、アリス、コユキ、そして今まで特に会話に口を挟んでいなかったミドリとユズも何ともいえない気持ちになる。
「…じゃあ、ケイちゃんがアリスちゃんかコユキちゃんの体に移動してやってらうとか?」
「別にそこまで気をつかってもらわなくても大丈夫ですよミドリ。何より、アリスとコユキの耳かきは私が先程やったばかりでしょう?」
「…」
ミドリがそれとなく助け舟を出すものの、あっさりとケイが切り捨てる。
「…エンジニア部にもっと高性能な義体のフレーム頼んだ方が良いかな?」
「…う、うん、その方が良いと思う…基礎部分があった方が良い体ができると思うし…」
「エンジニア部でもこういう感覚の話になるとちゃんとしたものができるかは微妙だと思いますけど…」
「でも、アリス達にエンジニア部以外に頼れる人は…」
「明日にでもちょっと相談しに行った方が良いかな…?」
「…あの、何か勘違いしているかもしれませんが」
ゲーム開発部+αがケイから離れて相談を始めた所に、ケイが声かける。
「別に、私はこれを不満に思ってはいませんよ?現に私の体には何の問題も…」
「私たちにとっては問題なの!ケイが普通の生活を楽しめないのは「いえ、そうではなく」」 - 123二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:55:39
「「「「「?」」」」」」
「…純粋に私がその機能を省略しただけなので」
「…えっ?どういうこと?」
「…いえ、もちろん様々な神経系の働きがアリスの体に比べ元々鈍いのは事実なのですが…」
ケイが、少し恥ずかしそうに言う。
「体の再構築の際…」
「「「「「?」」」」」」
「…ただでさえ本来の人体に比べ劣っている神経系の構築のリソースの殆どを、味覚につぎ込んだ結果ですので…」
「「「「「…」」」」」」
「別に、今の状態でも私は十分に幸せと言いますか…」
「…そっか」 - 124二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 21:56:15
以上!
食道楽Keyならこうなりそうだなという妄想 - 125二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:39:45
SS乙!
Keyが楽しそうで何より - 126二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:45:44
オチというか真相でほっこりした
- 127二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 00:55:58
あぁ〜微笑ましい〜〜
- 128二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:51:58
Keyの食道楽に巻き込まれて困惑まじりのツッコミに回るノアもいいと思います
「美味しくないのでは?」と静止をかけるも「でもまだ試したことはないので」と押し切られるのが一番似合うのはお前なんや - 129二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:18:27
はにかむKeyかわよ
- 130二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:45:34
イズミに倣ってなまこソーダに挑戦するkey……
競技に採用されてるんだから少なくとも直ちに健康を害するものではないのでは?と論破されるノア……
こんなことになるんだったら前の機会に実食して説得する材料を確保するべきだったかもと俯くノア……
- 131二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:01:31
なぜかノアも一緒になまこソーダに挑戦するハメになってるの好き
- 132二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 08:40:18
おいやめてやれ ノアは一度記憶したことを忘れられないんだぞ
ケイもそうだって?いや確かにそれはそうかもしれないんですが…… - 133二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 18:58:57
このレスは削除されています
- 134二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 02:26:26
ちょくちょくKeyのゲテモノ突撃に付き合わされて酷い目に遭うコユキとアリス
「ケイ!これはダメです!どう考えてもダメです!やめてください!」
「止めないでくださいアリス。ドリアンと納豆のサンドイッチの先に新たな地平が見えるかもしれないでしょう?どちらもちゃんと美味しいと言われる食材なのですから」
「絶対にサンドイッチには合いません!王女命令です!やめてください!」
「『使命、王女たる自分に縛られる必要はない』と言ったのはあなたでしょうアリス。では、いただきましょうか。一緒に味わいましょう」
「うわーん!誰か助けてください!」 - 135二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 08:54:43
よく見たらアリスボディに入ってる最中の出来事で草
王女命令もやむなしよそりゃ…… - 136二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:28:15
コユキって覚醒したらskyrimの不壊のピックみたいなことできそうだよな
料理の才能を開いてkeyちゃんに手料理を振る舞うコユキを見たいです - 137二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 07:27:08
ほ
- 138二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 08:23:43
せっかくコユキも電子妖精化してるのでコユキアリスのタンデムでなんかトンチキしてて欲しい思いはある
何やったらそんな状況になるのかはわかんない! - 139二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 19:44:25
朧げながら浮かんできたんです……捨てられない使命に苦しむKeyを前に先生に「私はKeyちゃんを助けたいです!先生!私に出来ることはないですか!?」と尋ねるコユキの姿が……
- 140二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:49:39
Keyの精神(プログラム)にダイブするための最後の鍵がコユキになるやつじゃん いい……
- 141二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:17:45
このレスは削除されています
- 142二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 16:05:26
保守
- 143二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:06:43
アリスボディがKeyのポンコツ食道楽の犠牲にならないようアトラハシースの権能総動員して出来のいいケイボディをこさえようとするアリス概念
- 144二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 10:21:31
食道楽Key、ゲテモノに挑戦する気概は高い割にゲテモノ耐性が別に高いわけではないの好き
おかげでイズミともまたいい感じに違った反応をすることになる - 145二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:26:55
理論武装が完璧なせいで理詰めで止めてくるタイプに対して強烈なカウンターになってる……
- 146二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 01:23:38
こっちのKeyの絆ストーリーは基本的にゲーム開発部の営業に付き合ったり一緒に飯食ったりになるのかな
ボディーはどうなってるかな…
コユキベースにアリスのような黒髪を伸ばしたボディーか
アリスベースに目が赤色、髪の先端が青ではなくコユキの髪色のように桜色になっているボディーか - 147二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 03:33:27
>コユキベースにアリスのような黒髪を伸ばしたボディー
旅の間に使っていた戦闘、工作用ボディー
>アリスベースに目が赤色、髪の先端が青ではなくコユキの髪色のように桜色になっているボディー
ゲーム開発部の営業、食べ歩き用ボディー
とかその場によって使い分けるとか
そしてアリスとコユキがどっちもKeyが相手のボディーを使ってると不機嫌になる
コユキはアリスにkeyが取られる気がして、そして本来keyはアリスのものであり、自分はKeyにとってどうでも良い存在だったことをまざまざと見せつけられている気がして
アリスはコユキがKeyに、ケイがコユキに取られる感覚を同時に味わうのが嫌で、同時に自分がかつてKeyを否定してしまった罪悪感、本来そうあるべきとされたように仲良くしたいという思いがあって…みたいな
しかしそうするとKeyの立ち絵の数すごいことになるな
1,初登場、アリスのボディの目を赤くしただけ
2,旅の姿、高栄ロク
3,ゲーム開発、グルメの姿 天童ケイ
4,ケイが何の体を使うか論争により誕生したミレニアム+アトラハシス製新型ボディー
どれを採用すべきかを巡って今ケイの裏でミレニアム学園は割れ、荒れていた
先生も呼び出される大騒動になる、
一方それを知らないケイは今日も新たな食を求めてキヴォトス各地を巡る
時に確実に美味しいと思える店に、時々変わった料理を出す店に
「タラの肝とシーフードデザートピザです」
見ただけでゲテモノとわかりますが、これは新たな地平を開くかもしれないのです
決して絶望的な料理ではない
「いただきます」
- 148二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 03:33:39
「タラの肝とシーフードデザートピザ」
材料:
* タラの肝
* マシュマロ
* チョコレートソース
* ピザ生地
* オリーブ
* イカの塩辛
* 魚卵(イクラやタラコ)
* スモークサーモン
作り方:
1. ピザ生地にタラの肝を均等に広げます。
2. マシュマロとオリーブをトッピングします。
3. イカの塩辛を少量散らします。
4. 魚卵を均等に配置し、スモークサーモンを薄くスライスして乗せます。
5. チョコレートソースをかけて、オーブンで焼きます。
6. 焼き上がったらカットして完成です。
これで、さらに魚要素が加わり、より一層ユニークなデザートピザ - 149二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 12:13:16
レシピ付きでお出しされると尚更際立つゲテモノ感……!
- 150二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 23:15:53
ロクボディもケイボディもどっちもアリスコユキの折衷デザインなの好き でもどちらかに寄ってるせいで争いが発生してしまうんやなって……
- 151二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 23:17:03
保守
- 152二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 02:27:11
- 153二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 07:51:09
- 154二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 10:48:49
コユKey・高栄ロクに脳を焼かれる、焼かれた。
ここで語られてるバヴァーヌ3章とは別物になるんだけど、
パヴァーヌ2章→高栄ロク→最終章→Keyエミュコユキルートで、
何か大きな事件が起こって、コユキ一人ではどうしようも事態に陥って、
高栄ロクボディに蓄積されていたKeyの記録バックアップを用いてKeyを蘇らせてコユKey復活
……みたいな幻覚を見た。流石に異端すぎるか……。 - 155二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 14:13:23
ハッピーエンドに繋がるルートはなんぼあってもいいですからね
個人的には「高栄ロクボディに蓄積されていたKeyの記録バックアップを用いてKeyを蘇らせる」発想に辿り着くのがコユキ以外だと癖に合う - 156二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 20:28:20
その役を担ってもらうならやはりユウカか……
ロボットといえばなウタハ先輩に協力してもらってそれとなくコユキにアドバイスするんだ……
それを聞いて、コユキは自分のことを怒ってくる=嫌いな筈のユウカがなんでそこまでしてくれるのかが理解できなくて。考えて考えて、ようやくそこでユウカが自分のこと嫌ってない、むしろ大切に思ってくれてることに気付くんだ……
そしてノアにも背中押してもらって、そこでセミナーが完全に和解できるんだ…… - 157二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:35:30
賢者コユキって前のSS通りなら基本的に極貧生活だから
食い道楽とか絶対しないんだよね…
Keyのエミュをしながら人から見えない普段の生活、コユキしか知らない面はKeyのものとは全く違うという - 158二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 07:49:09
そこんところは「Keyになる」が目的ではないがゆえよなぁ
まず「Keyの遺志を叶える」目的があり、それに適した外装がKeyの模倣であったというだけ
だからこそKeyの愛嬌面であるポンコツグルメ成分なんかは模倣不要と断じて切り捨ててそう - 159二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 19:26:47
保守
- 160二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 23:30:48
- 161二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 01:29:28
「そうですね…まずは昼食にエスカモーレを食べに行きましょうか。夕食はキビヤックで良いですか?」
「知らない料理ばっかり!?大丈夫?」
「ええ、少なくとも人体に影響はありません。キビヤックは初体験ですがエスカモーレは前に食べたことがあります。ただ、キビヤックは中々食べる機会に恵まれず…是が非でも今回食べに行こうかと思っていました。ユウカにも言われましたし一緒に行きましょうか」
- 162二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 02:22:03
キビヤックって確かアザラシの腹に鳥を詰め込んだ発酵食品だったな
もやしもんで知ったわ、くさやより臭いんだっけ - 163二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 08:04:39
正統派ゲテモノ旅になってるー!?
なるほど、これが未知には美食が眠っている可能性を示すKeyなりのメッセージ……!