- 1二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 17:48:38
セイアとリオとカヤ。三人は同じ部屋で各々の趣味に打ち込んでいた。夏の暑さに負けエアコンは25度設定であるのに、部屋の温度は31度である。それでも今外で動いている人たちに比べれば、百倍以上快適な環境と言えるだろう。
セミの鳴き声だけが微かに聞こえる静かな部屋でセイアが口を開く。
セイア「暇だねぇ。流石に3.5周年は私が実装されると思ったんだが、まさか一切音沙汰無しとは。ところでリオ、一体何を作っているんだい?」
リオ「アヴァンギャルド君Tシャツの新作をデザインしているのよ。前作が着心地はいいけどアヴァンギャルド君のデザインが大きすぎて着にくいって不評だったから、今回はワンポイントとしてあしらう程度にして、お洒落さを引き上げてみてるの。」
カヤ「多分、無地が一番売れると思うので、比較として出してみたらどうですか?というか、そんなもの作ってるぐらいならエアコンのパワーアップでもしてくださいよ…」
部屋の扉が開くゆっくりと開く音がした。この猛暑にも負けない情熱にあふれた眼差しを持った少女は、長い深緑色の髪を今日は一つに結んで、普段より少し涼しげである。
ツムギ「セイアさん、新しい曲が出来たんですよ。聞いてくださいませんか…ってなんですかこの臭いは?まるで今にもヴァンパイアを征伐しに出かけんとするエクソシストが部屋に出没したんですんですか?話の題材としては悪くはなさそうですが。」
ツムギの言う通り、キッチンの方向からは激臭と言ってもよい臭いが漂っていた。 - 2二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 17:49:51
セイア「要するに、ニンニクと、その他よくわからない香辛料の臭いがするってことだろう?全く、君はなぜそんな遠回しな言い方をするんだい。」
カヤ「(セイアさんがそれを言うのですか…)私たちはずっとここにいたので鼻が慣れてしまってますねぇ。今日の料理当番誰でしたっけ?」
リオ「確か…レイジョとコノカだったはずよ。」
カヤ「だから、この臭いなんですね。味は信頼できるんですが、あの二人が揃うと重い&臭いなんですよね大体。」
エリカ「マジで外まで臭ってくるぐらいヤバい臭さになってるよ。でも、美味しそうな香りだよね。そろそろできそうだし、みんな呼ぼうか。」
エリカが扉から顔を出し、みんなを集めることを提案する。こういった自然な気配りができることこそが、彼女の魅力であろう。
セイア「もう昼時だし、勝手に集まるんじゃないかい?」
エリカ「なんか、スオウちゃんがアケミちゃんに長距離タイヤ引きで勝負仕掛けた上に『どんな競技でも勝つのは私だがな』とか大口叩いたらしくてまだアケミちゃんに捕まってるみたいなんだよね。そろそろ解放してあげないと倒れちゃうよ。」
ツムギ「ふむ…澄み切った青空と輝く太陽、その下で競い合う二人の少女。煌めく汗が一ページを彩る。まさにスポーツ作品の王道とも言うべきシチュエーション。これもまた一つの──────『青春』の完成系でしょうね。」
セイア「言ってる場合かい。それじゃあエリカ悪いけれども、みんなを呼んできてくれるかい?」
ここは末実壮。青春を謳歌する少女たちの帰る場所────── - 3二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 17:50:27
ここだけ未実壮(すえじつそう)があり、未実装生徒が集まって暮らしているキヴォトス
ノリはゆるくて荒木壮みたいな感じ - 4二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 17:52:14
・セイア
未実壮の管理人。トリニティのお偉いさんだが、未実壮の誰一人そんなこと気にしていない。
夜の顔はバーボンハウスのマスター。最近ツムギの店に売り上げが追いつかれそうで焦っている。
・リオ
ポンコツ発明家枠。飛び抜けた科学力にバツグンのスタイル、非常に残念なセンスを持ち合わせている。効率に拘るが、なぜかクールビスのためにインナーを禁止しようとか言い出したりするなど、常識では測れない部分を持つ。ギャグ漫画の発明家枠。最近カヤの影響でコスプレに目覚めた。
・カヤ
自称超人。リンちゃんより絶対先に実装されることが夢だが、そもそも誰一人連邦生徒会で未実壮から出ていった者がいない。コーヒーショップを経営している。趣味はコスプレ。
・連邦生徒会長
たまにふらっとやってきては、いつの間にか消えている神出鬼没
こんな感じで適当に思いついた設定を書いたり、SSを書いたりしてってください。 妄想垂れ流し大歓迎です - 5二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:03:19
おい待て連邦生徒会長。いや確かに未実装生徒ではあるんだが
- 6二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:06:47
連邦生徒会全員と七囚人やら厄ネタ系が同じ建物に住んでるの大丈夫か……??
- 7二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:09:04
- 8二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:09:51
新キャラ実装のたびにおめでとうパーティーしてそう
- 9二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:10:06
この面子の中にナグサちゃんも入るのか…
部屋の片隅ですみっこ暮らししてそう - 10二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:11:00
- 11天井までに二人引けた24/07/28(日) 18:12:03
ナグサちゃんにエリカを仕向けよう
- 12二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:12:56
カヤは超人を自称してない
- 13二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:15:39
いなり寿司を同居人に配るニコ
懐くハイネ - 14二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:17:50
ジョジョのボス同居概念みたい
- 15二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:20:08
料理当番 Tier
SS ニコ レイジョ
S~A その他
出禁 カイ - 16二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:23:15
アケミ「シロコ・テラーさんの料理、食べてみたかったですわね」
- 17二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 18:39:02
- 18二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 19:09:52
そんなナグサ(をぼっちにしないよう)にちょっかいをかけるシュロ
- 19二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 19:53:12
みんなでスマブラ大会とか定期的に開いてそう
- 20二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:24:37
どろどろに溶けたスオウが双子に運ばれてきそう
- 21二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 20:34:33
どんどんロリっ子部も増えていってるな…
- 22二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:05:25
ニヤとニヤニヤ教授がややこしいな・・・胡散臭い方と胡散臭くない方って呼ぶか
- 23二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:12:17
- 24二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:14:57
「ちわーっす」「シュロいるー?」ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
「ああもう……インターホンは一度押せば聞こえますから連打しないでくださいよぉ……また手前さん達ですかぁ」
「だってニヤニヤ教授はずっと逃げてるし、ソラちゃんもずっとバイトなんだから仕方ないじゃん」「せっかく私たちがお休みだっていうのにー」
「だからって毎回手前の部屋に来るのやめてくださいよぉ……手前だって忙しいんですよぉ?」
「忙しいってどうせレスバでしょー?」「パヒャヒャッ、そっちも暇じゃん!」
「くっ……手前は今、ヤクモさんに出版してもらうための怪談を書いているのですよぉ……」
「へー」「あっ、これのこと?パヒャッ、読んじゃおー」「えー、私も見たーい」
「見るなァ!?」
「はぁ……はぁ……あ、ユメさん……手前に何の用ですかぁ?」
「あ、ユメさん来てるの?なんて言ってる?」
「……『この前は後輩たちを助けてくれてありがとう!』だそうです」
「やったー褒められイエーイ」
「それにしてもユメさんって見えはするけどシュロ以外何言ってるか聞き取れないの不便じゃない?地縛霊だから一緒に遊んだりできないしさ」
「だからって手前を通訳代わりに使わないでください……」
「リオとかなんか幽霊と話せる機械作ってくれないかなー?」「えー、あの人一番そういうの信じないじゃん。まだセイアの直感に頼ったほうがマシじゃない?」
「シュロ、いるー?ご飯できたよー。あ、橘姉妹も食堂来てね」
「「「はーい」」」
みたいなロリ組のエピソードを…… - 25二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:41:32
……続けて
- 26二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:02:18
そこまで書いたならお前が書くんだよ!!
- 27二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 23:46:48
- 282424/07/28(日) 23:56:48
- 29二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 23:59:19
- 30二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:26:45
え!カイテンジャーとかもいるんですか!!?
- 31二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:39:20
セイアはフォックス使うのかな〜って思ったけど、FOX小隊というライバルがいるな
- 32二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:49:39
七囚人が集結してるのやばすぎて草
管理人のセイアさん??ナギサ様が知ったら倒れますよ - 33二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:54:54
シノンが宅内?新聞書いてそう
尚内容はキサキの身長記録だったりシュロがコクリコに泣きついた回数だったり - 34二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:56:00
- 35二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:57:04
- 36二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:58:39
くんな
- 37二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 01:59:25
ホシノ*テラーはホシノ扱いでいいのかな
- 38二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 02:02:53
おうお前、管理人に何したか言ってみろよ
- 39二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 02:40:51
わざわざ水着で出入りするミサキ想像して笑っちまった
- 40スレ主24/07/29(月) 02:47:28
- 41二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 04:27:20
あれはシロコ・テラーと違って世界線同じだからホシノ扱いじゃない?
- 42二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 07:26:33
これ、みんなが料理当番の日の得意料理とか考えるのも楽しいな
カヤはコーヒーに合う料理
リオはディストピア飯を1回作って怒られてそう - 43二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 07:50:06
- 44二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 09:48:48
- 45二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 15:36:36
保守
- 46二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 16:22:32
- 47二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 18:58:34
- 48二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 20:21:12
- 49二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 20:51:23
- 50二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 20:53:18
なんでオペレーター衣装の方で来なかったんだ・・・
- 51二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:02:06
何故だろう、それってシチューじゃんって思ってしまい『リオに食事を任せたら全部雑炊かシチューになる』って言う暗黙の了解出来てそう
- 52二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:24:39
あらヒマリ、良いところに来たわね久しぶりに一緒にご飯を食べながら話しましょう
- 53二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 09:01:55
カイの作ったご飯食べたら、全員幼女化した事件とかありそう。
「なぜ後輩が作れた薬が作れないと思ったのか。理解に苦しむ。」
「いや、作れたとしても料理に混ぜないだろう!!セクシーフォックスがキューティーフォックスになってしまったじゃないか!!」
- 54二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 15:07:41
セイア(幼女)
シュロ(幼女)
シュポガキ(幼女)
うーん、変わらなさそう - 55二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 15:25:34
リオ会長と一緒に出かけたら、親子だと思われて飴を妙に貰えるキサキ概念を思いついた
- 56二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 19:06:37
季節ごとのイベントとかしっかりやってそうだけど、みんな文化圏違うから大変そう
- 57スレ主24/07/30(火) 19:09:16
セイア「しかし、今年の夏は随分と暑いね。動いてないのに干からびそうだよ。」
エアコンが効いた部屋、セイアはシマエナガに餌をあげながら愚痴をこぼす。彼女の服装は随分と涼しそうな格好ではあるが、長髪にモフモフの尻尾はそれを補って余りある保温性能であった。
シュロ「では、ここはお一つ怪談話などどうですか?手前が一つ語って差し上げましょう。」
セイア「そういえば君は怪談家だったね。それじゃあ、人を集めてこようか。」
集まったメンバーはセイア、シュロ、ツムギ、アユム、アオイ、アケミ、スオウ。なんとも纏まりのないメンツであったが、丁度暇している人を集めたのだから、まぁそんなものであろう。時計は午後9時を指し、部屋の外は夏といえども闇夜に覆われている。 - 58スレ主24/07/30(火) 19:46:31
シュロ「では、人も集まったようですし、始めましょう。」
シュロは大仰な身振りで部屋の明かりを消すと、前口上を述べ始める。
シュロ「これより手前さん方が耳にするのは、身の毛もよだつ恐怖の話。絶望、諦観、憐憫に塗れ、一切救いの無いお話。途中退室はご遠慮願います。それでもよろしければ…さぁ、始めましょうか。今宵の怪談話を!!」
──────────────────
シュロ「そこで気づいたのです。彼女は最初から村の人たちによって生贄に捧げられていたのだと。逃げ道など最初から無かったのだと!!哀れ、彼女は蟒蛇(うわばみ)様に丸吞みにされ、闇の中に溶けていくのでした…」
シュロはゆっくりと立ち上がり、スイッチを切り替えて明かりを点ける。そして、両手を広げて、これまた大仰に振り返り目を輝かせながら聴衆に問う。
シュロ「いかがでした手前の怪談は?」
聴衆は顔を見合わせて、目で合図を送る。そして、全員の意見が一致したことを確認すると、まずセイアが口を開く。
セイア「なんというか、怪異の話に無理に人怖を捻じ込んだような感覚がして、逆に冷めるんだよね。いや、涼しくなることが目的だから、冷めるのはいいと言えばいいんだが。」
アオイ「何を目立たせたいのかわかりにくくなっているから、話の要点が伝わってこないのよね。両立できる実力が無いなら、やることは絞った方がいいわよ。」
スオウ「ゾンビ映画を観ていたら、急に人間同士の争いが始まったような気分になった。そこで長尺をとられても、私たちが求めているものではないのだがな。普段の会話の方がキレがあるぞ。」 - 59スレ主24/07/30(火) 19:58:43
シュロの目からどんどん輝きが失われていき、顔は見る見るうちに険しくなっていく。
シュロ「なんですか!!そこまで言うなら手前さん方が語ってみてくださいよぉ!!素人が文句ばっか言ってんじゃないんですよぉぉぉぉ!!!」
ツムギ「では、私でよろしければ、一つ語らせていただきましょう」
ツムギはスッと立ち上がり部屋の明かりを消すと、まるでツムギという人格が消えてしまったかのような、冷たく淡々とした声色で語り始める。
ツムギ「これは、一人の男が川に魚を釣りに出かけた時のお話です。男は夜にだけ現れるという巨大なヌシの話を聞き、さぁ釣りあげてやるぞと思い、道具を一式揃えて夜の川に向かいました。」 - 60スレ主24/07/30(火) 20:15:35
──────────────────
ツムギ「川に映る大きな影から必死に逃げて逃げて、男は町まで走りました。ずっと走ったものだから、心臓はバクバク音を立て、脚は自分のものかわからない感覚に襲われるほど力が入らないのに、震えだけは止まりません。
男は両膝に手を置いて、下を向いて呼吸を整えます。ヒタリ、という音が聞こえて慌てて顔を上げた男、目の前にはまるで影のように真っ黒な髪色の女の子が立っていました。女の子は男に興味を持ったのか長い黒髪と白いワンピースで揺らしながらゆっくりと近づいてきます。
人の姿だ。やっと化け物の群れから逃げられたと男は安堵します。しかし、ヒタリ、ヒタリという足音に男は違和感を覚えました。よ~く見てみれば、女の子は雨も降っていないのにビショビショに濡れています。濡れた前髪が少女の顔に張り付いて彼女の表情は伺えませんが、それでも、彼女の目がこちらを狙う怪物の目であると、男の生存本能がけたたましく警鐘を鳴らします。
男は逆方向を向き走り出そうとしますが、ああ、不幸にも水たまりに足が取られて転んでしまった。ゆっくりと近づいてくる少女。彼女の手は生き物では有り得ない程に冷たく、液状化しズブズブと男を飲み込んでいきます。男は叫び声をあげようとしますが、すぐに顔も飲み込まれ男の意識は冷たい闇の中に消えていきます。
──────次の日、男は川で水死体になって発見されました。ニュースキャスターが地元の人に聞いたところ、この川はその昔洪水によって多くの人々が犠牲になり、今も自分たちの仲間となってくれるものを探しているようです。何も知らない哀れな男は、幽霊によって川の中に引きずり込まれ仲間となってしまったのです。幽霊たちはきっと今も次なる仲間となってくれる犠牲者を探していることでしょう…」 - 61スレ主24/07/30(火) 20:32:23
ツムギはまるで機械のようにスッと立ち上がり、最短の動きで明かりを点ける。
ツムギ「いかがでしたか?」
やっと感情を取り戻したような声を出すツムギ。聴衆は身を寄せ合い、恐怖に震えるおしくらまんじゅうと化していた。
セイア「ふむ、中々な出来栄えだね。専門分野でなくとも芸術学院の名は伊達ではない…という訳かな?正直私でも少し寒気がしたよ。」
アユム「怖かったぁ…アオイさん。今日一緒の部屋で寝ませんか?」
アオイ「落ち着きなさい。怪異なんて現実にいるわけ…」
その瞬間アオイは思い出す。モモカが対応しているスランピアや工場の事件を筆頭にキヴォトスには怪事件も溢れている。その上で彼女が下した合理的な判断は…
アオイ「いないとも言い切れないわね。いるつもりで対応した方がいいでしょう。」
アユム「なんで怖がらせるようなこと言うんですか!!」
ツムギ「ここまで怖がってもらえるとは、光栄ですね。まだいくつかストックがありますので、また別の怪談を語りましょうか?…ところで、怖い話をすると幽霊が寄ってきやすくなるってよく言いますよね。」
スオウ「くっ、くだらないな!!ままま、まぁ?幽霊が出たとしても勝つのは私だがな?ああ!!まったく!!実にくだらないな!!私はさっさと部屋に帰らせてもらう!!」
足早に部屋を去ろうとするスオウであるが、足元はおぼつかなく、一度強かに壁に激突した後、部屋を出て行った。
セイア「…生まれたての小鹿のような脚の震えで、あそこまでのビックマウスが叩けることには尊敬するよ。」
アケミ「私は流石に連続となると怖くなりますね…お茶を淹れてきますから、一息いれましょう。」 - 62スレ主24/07/30(火) 20:57:31
シュロ「なんですかなんですか!!手前さん方!!そんなに怖がった顔を見せて!!手前の時は明らかに微妙な反応しかしなかったくせに!!手前泣きますよ!!」
ツムギ「シュロさんは素養はあるんですから、一度露悪的な路線から少し外れた作品を書けば、見識が広がってもっと良いものが書けるようになると思うんですがねぇ。そしたら、私よりもずっと素晴らしい作品が書けるでしょうに。」
怪談中の静寂から打って変わって末実壮ではいつも通りの喧騒。しかし日常は突如として終わりを告げた。
ブツン──────という鈍い音と共に、部屋が暗闇に包まれる。
アユム「ひぃ!!?もしかして本当にお化けが出たんですか!!?」
アオイ「落ち着きなさい。アケミがお茶を淹れてくると言っていたから、恐らくポットを使ったことで停電が起きたんでしょう。みんなこの暑さでエアコンを使っているから、限界がきたのよ。」
セイア「とりあえず、スマホのライトで照らしながら、ブレーカーを見に行こう。」
各々ポケットから取り出したスマホからライトを照らし始めた。部屋の様子に変化はなく、もちろん怪異の類など見当たらない。一人でもなく、明かりもある。少し不気味さは感じたが、それだけである。──────しかし、事態は急変した。
「きゃああああぁぁぁ!!!」悲鳴に合わせてバリンと陶器の割れる音が闇の中に響き渡る。全員で足早に音のしたキッチンの方向へと急げば、そこにはひっくり返ったお盆と、ぶちまけられた液体と陶器の破片。そしてへたり込んでしまうアケミがいた。
アケミ「あ、うあ、あああああぇぁぁ。」
ツムギ「落ち着いてくださいアケミさん。何かあったのですか…いえ、ここで『何が起きた』のですか?」 - 63スレ主24/07/30(火) 21:28:46
アケミ「み、みなさん。えっと、その、で、出たんです!幽霊が!!」
アケミの言葉に含まれる、今絶対聞きたくなかったフレーズに、大小様々ではあるがそれぞれが恐怖の色を示す。
アケミ「キッチンで紅茶を淹れてる最中に電気が切れてしまって。仕方がないので冷蔵庫の中の麦茶を淹れて、部屋に帰ろうと振り返ったら、暗闇の中!長い黒髪の幼子が廊下を歩いていたんです!!」
床を見てみると子どもサイズの濡れた足跡がついており、先ほどまで廊下に「何か」がいたという動かぬ証拠となっていた。
いや、証拠より何より、アケミはくだらない嘘やドッキリなど絶対にしない人物である。そのアケミが言っているのだから、否応にも信憑性が高まってしまう。
ドサドサッ!!
足跡を確認していると、後ろのキッチンから音が聞こえる。全員で顔を合わせた後、ゆっくりと振り返り、音のした方向を照らす。唾を飲み込むゴクリという音がやけに響いた。そうして見たものとは──────なんてことはない光景だった。キッチンの小麦粉や片栗粉などの袋が棚から落ちただけのようである。破れている訳でもないため、各々自然と振り返っていき足跡を調べなおす。
シュロ「あああ、あれ…」
最後までキッチンの方を見ていたシュロが声を漏らし、セイアの袖を引っ張る。セイアがキッチンの方に向きなおすと、その双眼に飛び込んできた光景に思わず自身の正気を疑う。
独りでに小麦粉の袋が浮き上がり、虚空で止まったかと思えば棚の中に戻っていく。すぐ片栗粉の袋も浮き上がる。耳を澄ませば、ブツブツと呪文のようなうめき声が闇の中から聞こえてきた。 - 64スレ主24/07/30(火) 21:51:01
セイア・シュロ「「ゆ、幽霊だーーーー!!!」」
シュロはもちろん、普段は叫ぶことなど滅多にないセイアも、腹の底から恐怖に押し出された叫びが出てくる。何事かと残ったメンバーも振り返るが、その光景を見た瞬間、二人の放った叫びの意味を理解し、どんどん恐怖と絶望に顔が歪んでいく。
幽霊は叫び声でやっとセイアたちに気づいたのか、ブツブツと何かを唱えながら、ゆっくりと寄ってくる。
アケミ「みなさん!!ここは退きましょう!!」
先導して走り出したアケミに釣られて、全員元の部屋へと走り出す。
床に飛び散った麦茶で転びそうになったシュロにアオイが手を伸ばす。互いの指先をかすめるが、無情にもスルリとシュロの手はアオイの手をすり抜ける。
シュロ「あっ」
物語とは違うあまりにもあっけない結末。変わりゆく現実に理解が及ばぬままシュロは地面に倒れ伏す。
シュロの背後には既に幽霊がすぐそこまで迫っており、もはや助けることは不可能と判断したアオイは合理的判断の元、シュロを置いてアケミたちの後を追う。
シュロを除いたメンバーはなんとか元の部屋まで戻ることには成功する。大急ぎで扉を閉めるが、残念ながら鍵もなければ扉を塞げそうなものもない。 - 65スレ主24/07/30(火) 22:00:51
アケミ「みなさん!ご無事ですか!!?」
アユム「…シュロさんが見当たりませんね。」
アオイは指先にまで触れたが助けらなかったシュロの感覚を思い起こすように、自身の右手を恨めしそうに見つめる。彼女は冷静ではあるが、冷徹な人間ではなかった。
パタン、と扉が開く。アオイがスマホで照らしてみれば、そこにはシュロがいた。
アオイ「シュロさん、無事だったのね。」
アオイはシュロに駆け寄るが、どうにも様子がおかしい。アオイには目もくれず、ゆらり、ゆらりと、おぼつかない足取りで歩くシュロの目には生気も正気も無く、まるで先ほどの幽霊と同じようにブツブツと呪文のようにうわごとを呟く。
シュロが開けたままの扉の奥からヒタリと湿った足音が聞こえる。その場にいる全員に緊張と悪寒が走る。先ほどまで正気を失っていたシュロでさえも、扉の方に目をやり全身を震わせている。
ヒタリ、ヒタリ、目に見えぬ恐怖が一歩ずつ近づいてきて──────足音がやむ。セイアがスマホのライトを向けると、そこに『ソレ』は立っていた。闇の中から姿を現した『ソレ』はアケミの言った通りの長い黒髪の少女であった。顔は水に濡れて垂れる前髪のせいで見えないが、白いワンピースはスマホのライトに照らされ、暗闇の中で不気味なほどに反射で光って見えた。
アケミ「いやああああぁぁぁ!!!」
錯乱し、幽霊から逃げようと壁を壊すアケミ。砂埃を抜けた先の部屋には夏場だというのに震えが止まらず、怖くて布団にくるまって眠っていたスオウ。当然壁をぶち破ったモンスター相手に冷静な判断などできるはずもなく、スオウは枕元に置いておいた手榴弾を放り投げて対抗する。暗闇が一瞬照らされ、半分崩れていた壁は全て吹き飛んでしまう。 - 66スレ主24/07/30(火) 22:10:03
アユムは先ほどからの騒音にすっかり怯えて縮こまってしまい、アオイは銃を取り出したものの、完全に固まっている。シュロに至っては感情の限界を迎えたのであろう。大声をあげて泣き出してしまった。
シュロ「ゴグリゴざま~~~!!!だじゅげでぐじゃざい~~~!!!」
ツムギ「ふむ…月並みで、手垢に塗れて、ありきたりな表現ではあります。しかし、言葉では言い表せないはずのものを簡易的に言い表すのに、これ以上ない単語でもあります。この惨状──────『混沌(カオス)』…と表現すべきでしょうね。」
セイア「君はなんでそんなにも冷静なんだい!!早く何か対抗策を考えないと!!!」
子どもの幽霊「お主ら!!落ち着かんか!!」
子どもの幽霊がスイッチに手を伸ばすと、部屋の明かりが点き、彼女の姿が鮮明に現れる。
セイア「うわぁ!!幽霊が喋った!!!」
幽霊と呼ばれた少女は、前髪をかき上げる。髪に隠された奥の顔は見慣れたものであった。
キサキ「誰が幽霊じゃ。」
ツムギ「キサキ…さん?」
アオイ「なんで髪を濡らしたまま歩き回っているのかしら?」
銃を下ろしてアオイが尋ねる。
キサキ「風呂上がりにドライヤーで髪を乾かそうとしたら、ブレーカーが落ちてしまってな。仕方がないからブレーカーを戻してきたんじゃよ。」
団子を結べるほどのキサキの毛髪量で水を吸えば、身体全体が湿るのは当たり前であろう。髪を解いているのも風呂上がりならば自然なことだ。恐怖とは、無知から生じる。納得と理解で満ちた事象は恐怖から最も遠く、その場にいた全員が呼吸を思い出したかのように一息つき、いつも通りの未実壮が戻ってきていた。…正直キサキに一言ぐらい言ってやりたいと思う者も何人かいたが、流石にお門違いの文句だと思い、口に出す者はいなかった。 - 67スレ主24/07/30(火) 22:22:21
アユム「あの…すっかり怖くなってしまったので、今日だけはみんな寝ませんか?」
何気ない提案。もちろんキサキ以外断るはずもなく、強引に巻き込まれたキサキを含めリビングに全員で布団を敷いて寝ることになった。
アユム「えへへ…なんだか修学旅行みたいでいいですねこれ。」
シュロ「じゃあ、恋バナでもしますか?」
キサキ「どうしたんじゃ怪談家。いつもなら真っ先に百物語でも提案するお主が。」
シュロ「今日は!!今日はもういいんです!!」
スオウ「しばらく怪談はこりごりだな…」
アオイ「珍しいわね。あなたが素直に弱音を吐くなんて。」
アケミ「あの…セイアさん。」
セイア「壁の修理なら明日やろう。今日は今年一番疲れた夜だったよ。」
ツムギ(そういえば…独りでに動いたキッチンの袋に謎の声。あれだけは説明がつきませんが…まぁ、今は言わないでおきましょう。)
ユメ「ひぃん、ひぃん、急に暗くなっちゃったから、また棚にぶつかっちゃった。見られちゃったから説明しようと思ったら逃げられちゃうし、お話しようとしてもいまいち通じないみたいだし、動くにもフワフワして制御利かなくて、幽霊も楽じゃないよホシノちゃ~ん。あの小さい子はせっかく話が通じそうだったのに怖がられちゃったし…ひぃん。」 - 68スレ主24/07/30(火) 22:22:59
というわけで地縛霊ユメ先輩の存在が知られる前にありそうなシチュエーションで一筆書かせていただきました。あらかた完成したので、後は投稿しながら書き足していこうと思ったら想像以上に長くなってしまいました。
スレ主はホラーを書くのは初めてであり、元ネタの怪談なども無いため正直完成度にはかなり不安が残ります。もし楽しんでいただけたのなら幸いです。 - 69二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 23:05:28
いやホント想像以上に長いな!!?
でもこういうギャグ漫画にあるホラー回みたいなやつ好き - 70二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 23:20:39
面白いわ…
敵も仲良くやってるのほのぼのする - 71二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 07:33:26
スレ主さては普段からSS書いてるな?
手前ちゃん全体的に可哀想で可愛い
ここからユメ先輩の翻訳担当になるまですっごい紆余曲折ありそう - 72二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 16:45:18
なぜ未実荘には先生からのオファーが届かないのか…
我々はその秘密を探りにセイアの部屋へと向かった… - 73二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 16:47:41
- 74スレ主24/07/31(水) 20:15:44
- 75二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 20:25:02
- 76二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 21:53:13
そういえばケロロ軍曹にも幽霊の女の子いたなぁ・・・ケロロ軍曹の女の子可愛くていいよね
- 77二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:06:02
なぜかパジャマパーティーする時は全員セイアの部屋に集まる概念?
- 78二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 09:48:40
重要キャラこそ実装のタイミングがおくらされがちだから、この家を従えられたらキヴォトスの大半に影響を持てそう(小並)
- 79二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 09:50:24
知らんうちに凄く文章量のSSが。というか、怪談を一から考えて、それに合わせてホラー展開書くの凄いな
- 80二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 12:29:18
- 81二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 20:33:59
- 82二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 23:24:27
- 83二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 07:33:51
見てぇ・・・いつも厳しいリンちゃんが、壮の中だけは油断しきった姿になってるところが見たい
- 84二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 16:47:40
ほ
- 85二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 19:47:59
みんなで映画鑑賞会してたら、濡れ場シーンになって物凄く気まずくなって欲しい
- 86二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 07:12:42
ホラー映画を見た日に発生する謎メンツでの泊まり…
- 87二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 12:08:43
コノカはホラー映画見た後に一人で行動すると襲われるジンクスを恐れて、視聴後はずっと誰かにくっついてそう
- 88二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 13:05:44
- 89二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:33:34
- 90二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:57:00
せ、性格が悪い…
- 91二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 07:29:37
一度マジギレされて、矯正局に送られそうになった経験ありそう
- 92二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 18:49:35
近所に住んでるデカ枕一家
- 93二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 00:12:58
定期的に開かれるキツネ生徒の会合
大体普通の駄弁る時間になるし、FOXとセイアクズノハで微妙に打ち解けてない感がある - 94二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 07:23:01
必ずいなり寿司が用意されてそう
- 95二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 19:17:18
どの自治区に建ってるんだろう、トリニティ?
- 96二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 23:07:22
- 97二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 00:51:28
普段未実装生徒たちは何をしているのか?
我々先生側からは知り得ぬことである
そしてそうここは未実荘
それは未実装生徒たちの下宿
普段からシナリオに出れぬときはこの不思議な空間に閉じ込められているのだ - 98二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 11:38:26
上層部の人間多いから、学生らしく馬鹿やってるの見ると微笑ましくなるな
- 99二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 19:37:40
今夜はタカネ/ヤクモの実装ならず残念会が開かれてそう
- 100二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 22:09:14
- 101二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 07:43:46
いざという時のために、みんなクラッカー常備してそう