- 1スレ主24/07/28(日) 21:37:36
- 2スレ主24/07/28(日) 21:38:03
- 3二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:39:22
たておつ
- 4二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:39:45
たておつです!
- 5二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:42:37
スレ立てありがとうございます
最初期はもっともっと短い予定だったのですがここまで長くなるとは…何があるかわからないものですね - 6二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 21:47:07
立て乙
- 7二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:25:46
とりあえず10まで
- 8二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:29:33
立て乙、11になった事で◯が付けれなくなったな…ss一本でこれは凄いことよ
- 9二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:36:14
立て乙
- 10二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:36:38
とりあえず10保守
- 11二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:36:42
10まで保守
- 12二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:41:34
- 13二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:45:43
- 14二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:54:53
────
気に入らない、理由は不明だけど賛同者が怯え始めて動けなくなった。何が起こってるの?
セミナーが何か…ないか。権限はあってもこの程度で直接動きはしない。
エンジニア部を訪ねて補助しているのは嫌だけど…最近何か設備を用意していたし。
よく来ているモモイとアリスはあり得ない。優しいし今のモモイは弱々しくて辛くなる…何かできる訳ない。
コトリとヒビキもない。あの二人は悪い生徒ではないしウタハの補助に徹している。
ならばやはりウタハ?奴が察知して邪魔を?発明品で何か妨害工作をしている?
発明品…前から嫌いだった。私のアイデアを私が形にする前に奴は先に自分の発明品として仕上げた。
…偶々アイデアが被っただけ?…違う、認めない。私が手にするはずの賞賛を奪ったんだ。
私が持っていないものを持っているのが許せない。自分の地位が下がった気がするから。
私にないものがある時点で私より立場が上なんだよ。私は弱者、私が強者と立場を近付ける為に必要。
白石ウタハを…私の位置まで下げる為に、先を行く奴の足を引っ張りたい。
奴の作った装置はモモイに悪影響を及ぼし倒れた。あの元気なモモイが倒れて退院できない…悲しかった。
あれは奴のせいだ。奴のせいでモモイも皆も心を痛めた、絶対に奴が悪い。
だがそれだけではなく…ミレニアムは怪奇現象が起こった。
怪奇現象は【怪物】という未知の存在が起こしたと聞いた、絶好の機会だと思った。
被害は【怪物】が出したが…【怪物】が来た理由は?ミレニアムを混乱させた元凶は?
誰がやった?決まっている、お前のせいだ白石ウタハ!
全て奴のせいにする為に謝罪の公開を求めたが…リオ会長に止められた。
反論しても絶対勝てない、理性は認めているから。けど私は感情が原動力で理性は無関係。
嫉妬と怨恨が私を突き動かす。騒ぎ立てたいだけの者も利用し事を大きくしたいが上手くいかない。
セミナーは奴を不問とする決定を下し…手厚くサポートしている。強者が更に援護を受ける…?
自分のせいで勝手に苦しんでいるだけなのに怪奇現象は伝えるな?何でそんなに守られてるんだ!
一歩引いて裏で扇動していたが、人が減り表に立たなければいけない。
…ならもういい。せめて奴に怪奇現象の事実を告げて…絶望させ追い詰めるんだ。私と共に底に堕ちろ。 - 15二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 22:58:24
あ、おわったわコイツ…
- 16二次元好きの匿名さん24/07/28(日) 23:45:20
本物の怪物を見てないし、なぜ同様に守られてるか理由を知らないからそんなこと考えるんだろうけど
やめなよ嫉妬の人、彼女の周りに居るのはよりによってその怪物を乗り越えてきた人たちなんだよ?( - 17二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:02:03
────
モモイは頻繁にアリス同伴でエンジニア部に通っている。散歩しながら向かうと言っている。
散歩は前からそうしていたからアリスは何の疑いもなく同意して付き合っている。
今は悪意を探す為に行っているのだが、アリスはまだ気付いていない。
やはりモモイは隠すのが上手い。全ての事情を深く理解し、絶対に守りたい意思を持つアリスが察せない程に。
エンジニア部周辺の人は数を減らしたまま、悪意が杞憂で済むならそれでいいとモモイは思っていた。
だが減っていてもまだいる、それに嫉妬が判明していない。全員確かめないと安心できない。確認中ユウカと出会った。
「ユウカもよく来るね、ウタハ先輩が心配?」
「当たり前でしょう?あなただって心配だから今日も来てる、違う?」
「違わないけど今は散歩中だよ、この後行く予定」
話しているとモモイがちゃんと意識した事のない生徒がエンジニア部の近くに来た。…怪しい、明らかに苛々してる。
見てきた中で一番怪しいが勘がしっかり働かないし観察を…モモイが考えていると、その生徒は急に叫び始めた。
「何で咎めず終わりにする!?とんでもない被害を出しておいて不問でいい訳ない!」
モモイは何もわかっていないが、アリスとユウカはかなり焦っていた。待って…それはダメ。
モモイにもウタハにも言ってはいけない…それにモモイは既にここにいる。
モモイは振り向きその生徒を様子の異なる眼で見据えた。…アリスもユウカも嫌な予感が胸をよぎっていた。
「ミレニアムにどれ程の被害を出したと…白石ウタハ!お前は【怪物】を引き寄せ…」
怒鳴っていたのに…突然言葉が止まった。両膝を突いて胸を抑えている…まるで心臓でも穿たれたかのように。
そして…凄まじい激情の奔流を感じる。その場の全員が息を殺して動けない、異様な空気の変化を恐れた。
強大な存在に場を支配されている。小柄で脆く心の傷も大きく深いはずの…小さなモモイという存在に。
傍で守っていたアリスも怯えていた、フラッシュバックしたから。あの日…血を吐くかと思った程の胸を貫いた衝撃。
今のは自分の時の比ではないと理解した。加減されていた、自分には情があり黒い感情も乗っていない。
これがモモイ自身が発している真の激情で気迫…アリスは強く意識してしまい…咄嗟に身体が動かなかった。 - 18二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:03:59
あー、馬鹿だ…
ほんっ…とにこの大馬鹿野郎…… - 19二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:05:08
殺せる気配と書いて殺気……
- 20二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:12:03
こんなに怖い上に胃が痛い「悪い子見ぃつけた⭐︎」シチュを俺は知らない…
- 21二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:14:12
こんなのホラゲーの怪物なんだよっ!!
- 22二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 00:17:57
誰にも見えては無いけど抜き身の剣があるからな…
何ならもうすでに刺さってそう…( - 23二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 06:17:07
皆でモモイの心の中の武装を廃棄するんだ
- 24二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 07:26:43
この子もモモイが入院して悲しんでたあたり
嫉妬に狂って周りが見えてないだけなんだろうなって… - 25二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 14:04:09
保守
- 26二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 18:43:59
(-人-)合掌・・・
- 27二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:06:21
モモイは叫んでいた生徒にゆっくり近付き…研ぎ澄まされた鋭利な眼で見下げながら口を開いた。
「【怪物】が何?奴の存在には私詳しいよ?…ウタハ先輩の名前が急に出た理由は?」
「ミレニアムに被害?知らないけど奴と先輩を比べてる?何で?と言いたいのは私なんだけど」
「質問に答える気は?何で比較したの?あと叫んじゃダメ。ウタハ先輩の耳に入らないようにね」
「何か言って?…もしかしてまた私が馬鹿で会話不成立なパターン?」
「まあ…答えなくてもいいよ、私の答えは出てるから。それでも何故なのか…理由は聞きたかったけどね」
「確信した。決定した事に対して不満で叫んでいると当然自分の立場も悪くなるよね?」
「他者も自分も損して構わない破滅的な感情…黒い感情の中の何?私はわかる」
「お前は他者に悪意を向けた。世に存在してはならない汚物…私の手で除去してやろう」
「暗く腐り落ちた悪意は私が滅ぼす。お前の心を滅した時…私の悪が定義される」
「喜んで悪となろう。悪が全ての悪意を滅ぼすと…最後に残る悪は私一人のみ」
「『コギト・エルゴ・スム』のようだな。全て排除すると自分だけが最後に残るという意味で」
足元の生徒をギラギラと照り輝く鋭い眼で睨み据える。モモイに酷く怯えて気が動転してしまっていた。
胸を貫かれた衝撃…し、死んだかと…初撃だけで悪意は死に絶えて完全消滅した。
あ、あのモモイが…?わ、私をこ、ころ……。皆を照らした光は今やただ一人を照らし焼き殺さんと燃え盛る。
身体が全く動かず震えるしかない。モモイには好意的だったので尚更この変貌が恐ろしかった。
アリスは顔を叩き己を奮い立たせて駆け出しユウカに叫んだ。
「ユウカ!ミドリとユズ、C&Cに連絡を!モモイを守る為に急いでください!」
「わ、わかった!頑張って抑えてアリスちゃん…!」
「モモイ!落ち着いてください!」と必死に叫ぶが「落ち着いてるよ」と冷静に返される。
「アリス…何もせず待って欲しいな。ごめんね…止まって?」
モモイは謝りながらアリスの足元に心の銛を投擲した。床が砕け散ったと錯覚する程の重圧に身体が引き攣る。
圧の制御が巧みで以前と別物。周囲には微弱な圧で動きを止めつつ例の生徒や自分には集中させる。
守りたいのに情けない…止める以前に近付くのが困難…誰か応援を…。 - 28二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:09:38
あらやだこのモモイ凄く強い(白目)
- 29二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:10:47
この馬鹿野郎!
お前が本当にしたかったことは本当にそんなことか! - 30二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:11:59
したい、したくないでは…したくないだと思うよ。ただそれよりも悪意が許せないだけで…(目逸らし)
- 31二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 21:34:31
良かった、まだ死んでないなら取り返しはつく
悪意が完全消滅したんだからもう終わりにしようモモイ!! - 32二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:19:51
────
ユウカから連絡が来て急ぎ現場に向かった、恐れていた事が起こってしまった…。
当然だけどお姉ちゃんは心が煮え滾ってるだけで物理的な攻撃は一切ない。というか身体のせいで出来ない。
アリスちゃんが一緒なのに連絡が来る…つまり止められないという事…またあの時のような圧が…?
もう【怪物】はいないから純粋なお姉ちゃんの激情だけ…ユズちゃんと共に覚悟を決めた。
途中でC&Cと出会った。同じく向かっているみたい、何人かはウタハ先輩の保護に回ると。
現場に到着すると凄まじい剣幕のお姉ちゃんと対処に困っているアリスちゃんとユウカ、怯える生徒達がいた。
お姉ちゃんの足元の生徒…多分あの人から悪意を感知したんだろう。
もう完全に屈して泣いちゃってるけどお姉ちゃんは止まる気がない、本当に心だけで心を殺し切るまで。
「ミドリもユズも来ちゃったの?ごめんね迷惑かけちゃって…思いの外しぶとくて」
「悪意だよね?わたし達もわかってる、よくわかってるけど…お願いだから止まって…」
「お姉ちゃん…気持ちはわかるよ、だから…悪意も私達と一緒に背負おうよ…」
「理解は嬉しいよ。でも…それならわかってるよね?私は発見したら即断即決で殺る、悪意の怪物須らく死すべし」
「…あれ?ネル先輩達も駆け付けてくれたんだね、ありがとう。気持ちは嬉しいけど…待ってて欲しいな」
「モモイ…待て。その一線は越えるな…越えたら戻って来られなくなっちまうぞ…」
「それでいいよ。他の何よりも重要な事だから…見つけたら躊躇なく踏み越えるって前から決めてたし」
相変わらず覚悟が決まり過ぎて説得が通じない。私達の中で一番過激…心の殺人すら厭わない程に。
【怪物】のように言葉で相手を破滅に導きはしない、悪意への敵視…心の力。圧力や視線…気迫だけで潰そうとしてる。
抑える…身体が脆くて力加減を間違えばどうなるかわからないのが怖い…普段の感覚で止められないから。
連絡でウタハ先輩の無事はわかった。作業に集中してたのと防音を強化したおかげで騒ぎを知らないみたい。
それは幸い…でもお姉ちゃんは…?【怪物】に迫る強圧を拡散と集中が自在な程に自分のものとしていてとても難しい…。
ネル先輩は勢いに任せた制圧が得意だからか、お姉ちゃんをどうすべきか悩んでるみたい…万が一の怪我を恐れてる…。 - 33二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:11:25
こいつ……無敵か?
(敵になれる存在はここにはいない) - 34二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:20:08
勝てないというよりは…(元々の)敵がいないタイプの無敵だあ…
- 35二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:26:44
これはさすがに先生案件かなぁ…?
- 36二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:28:21
嫌な予感がする.....具体的にはこの騒ぎがきっかけでウタハ先輩が気付いてしまうような予感が.....
- 37二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:31:33
あのクソ鳥…不滅ってまさかこういう事(モモイが継承してる)か?
- 38二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:31:34
そうなったらモモイが腹を切ってお詫び申すからヘーキヘーキ(白目
- 39二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:44:53
────
困った。何かあればすぐ駆け付けるとは言ったが…相手がモモイ本人だと?やりづれぇ…。
武器は論外。抑えるにしても加減がわからねぇせいで最悪の可能性が不安だ。
クソ、先生がどの程度持つか知ってれば良かったんだが…慎重にならざるを得ねぇな。
しかも何だこの圧…本当にモモイが発してんのかと疑う程強烈だ。あたしも思わず怯んだ。
戦いは好きだが未知の戦いだ…守るべき後輩と対峙する形になってんのが一番きつい。
待てよ…モモイ本人じゃねぇ、足元のあの生徒。あいつを移動すればどうだ…?
…敵視してる相手が奪われてキレそうだが…膠着してあの生徒の心がぶっ壊れるよりマシか…?
チビ達と話して気を取られてる今…作戦を伝えてみるか。
「おでこ…足元の生徒を救出すんのはどうだ…?このままだとあいつがぶっ壊れちまうぞ…」
「わたしも同じ事を考えてたけど…その後モモイがどんな状態になるかが心配で…」
「それはわかるが…あいつに一線を越えさせねぇのと天秤に掛けてどっちが大事かって話だ」
「…モモイに罪を背負わせてしまうよりは…やり場のない激情を抑える方が…まだいいのかも…」
「うん…それにします。ネル先輩達…協力してください」
当然だと答えて気合いを入れ即行動、急な動きに少し驚いてる。
だが目つきが変わった。もう狙いがわかったのか…察しが良くて困る。
同時に周りも狙いに気付いた、生徒を救出するって方針で意思が決まったようだ。
「あ…ネル先輩ごめんなさい…それはちょっと許容出来ないかな…」とあたしに視線が集中した。
ぐぅっ…!?…身体が抉られるような視線。本当にとんでもねぇ…これを今まで一人で抱えてたってのか…。
しかしあたしにこれが集中するなら…他の誰かも動いて救出は十分可能だろう。
おでこもチビ達も会計も…アスナとトキも動いてる。あたしが耐えればどうにか…。
その時「ごめんなさい…」の声と共に圧が収縮し…一瞬の間の後に一気に爆発した。
異常な爆風のような圧。物理的爆発なら一帯がぶっ飛んでるぞ…?全員回避できず…心が焼けるような感覚に襲われた。
【怪物】の影響が未だ残ってんのか…心が強過ぎるとこんな芸当が出来んのかは謎だが…。
脆さで制圧が云々じゃねぇ…単純に強ぇぞ。この数的有利で今も病んでる後輩に苦戦してどうすんだよ…。 - 40二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:49:57
- 41二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 07:07:01
- 42二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 07:27:33
大丈夫?光の意地でテクスチャが剥がれてないだけでテラー化してない?もしくは覇王色に目覚めてない?
- 43二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 09:10:11
リオとかが警戒していた「悪意」を向けた結果
- 44二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 10:01:11
なに、なんなのこの心理的アサルトアーマーは……
- 45二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 13:27:24
なんか···あの兵隊さんのアブノーマリティ思い出した
- 46二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 17:49:51
>>40むしろそれしか手がなくね?
逆ギレ嫉妬生徒が誠意を持って謝罪すればモモイがこれ以上責めるのは道理が通らないから
まぁ……モモイが放ってる殺意は自分に向けられるべきものって思いそうですけどぇ!!
(本当はクソ怪物にだけ向けるもの)
- 47二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 19:28:28
- 48二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 19:42:58
これって怪物の元ネタの終末鳥の描写されていない怪物の行動の卵の影響って事ないか?
例えばモモイの心の中に産み付けられているとか
知らんけど - 49二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 20:56:41
────
心の黒炎を凝縮してから大爆発させる…黒い激情の爆炎に全員が震えていた。
何度も言うが物理ではなく見えない、皆モモイの異様な気迫は触れると心が危険なのだけはわかる。
これはモモイ自身の感情だが【怪物】の置き土産もある。融合していた為に強圧を半分以上継いでいた。
【怪物】の影響と【怪物】を討伐する程の異常な自身の激情で、神秘に由来しない全く異質な力を持つに至った。
頑丈な生徒にとっては心に直に響くこの力は危ないかもしれない。
モモイの心の中の武器は現実の武器より遥かに使い勝手が良い。念じると瞬時に手に収まる。
二本の腕しか使えない訳でもない。銃は宙に浮かせて意のままに自動発射が可能。
武器全てが無限、それに掃射は得意。乱射しつつも皆に直接当てないように気を付けた。
当てずとも十分な牽制だが潜り抜けた人には左手の刀を向ける。斬られたくないよね?と。
背筋が凍り引かざるを得ない。斬られるなんて意識はないが、無事で済まない気がするから。
都合の悪い場所には右手で鎖を振り回し銛を叩き付けた。床が割れそうな重圧で逃げる他ない。
モモイの攻撃は見えず回避が困難。モモイが全て当てる気なら…全滅しそうだ。
塵の救出を悟りモモイはその周囲を黒炎で燃やした。
処分したいが機会がない。しかし隙を見て銛や刀を雑に突き刺した。
泣き叫ぶがどうでもいい。寧ろまだ叫ぶ元気あんのかよ心の殺傷力が足りんもっと強くと謎に冷静。
モモイを止めようと動くのはゲーム開発部とユウカ、ネル、アスナ、トキ。
カリンとアカネはウタハの保護で不在。全員いなくてもネルがいる、最強の戦力だ。
特に強いC&Cとアリスを優先して止めよう、ミドリ達も無視はできないが…銃と投擲物で動けていない。
C&Cは三人散開して向かってくる、アリスも別方向から。強いなぁ…とモモイも困っていた。
ネル先輩は難しいけど他三人は対処出来る。アスナ先輩の幸運は万能じゃない。
アリスの不意打ちで倒れた事もあった、不意打ちかわかっても対処不可能な状況にすればいい。
黒炎を一帯に飛ばす。燃え上がる強圧を放ち続ける場所に変えて動きを制限した。
今のモモイの心象風景は炎熱地獄、地獄の業火たる【地獄変】と似たものだった。
ごめんね…これで近付くのは難しくなったかな?燃えたら危ないからね。 - 50二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 21:31:50
ごめんねと言いながらなんだお前は!
- 51二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 21:43:17
物理は何も起きない…精神ダメージ……ウタハー!!やっぱり君の力いるかもしんない!!雷ちゃん出せんか!?
- 52二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 22:16:36
────
周辺が大炎上して皆動けなくなってもネル先輩は突っ込んでくる。
流石…武器がなくても心の強さも半端じゃない、だから勝利の象徴なんだ。
刀に炎を移して振るう。炎も飛び散って危険だがネル先輩なら避けるという信頼があった。
実際見えなくても危機を察知し一旦退いてくれる、視線でもう被害与えてるからこれ以上はね…。
アリスも…心の強い勇者になると言った通り、決してめげずに私を止めに来てくれる。
厄介…と思うのは失礼だけど二人は何度でも立ち向かい、足元のクソを処分する暇がない。
二人の必死な勢いのままに仮に私が制圧されたら…もし頭打つと最悪死なない?トラウマになっちゃうよ…。
掃射は無視で黒炎も耐える…そうなると銛と刀で脅すしかないんだよね…。
もう只管渾身の力で銛を投擲しつつ、近付いて来たら鎖をぶん回して薙ぎ払おう。刀は更に近距離用。
モモイは知らないが…アリスは心の銛を恐れている、愛するモモイに一度貫かれトラウマなのだ。
投擲体勢のモモイの壁や床を砕きながら突き刺さるような強圧が続き…アリスは顔が青く過呼吸になっていた。
アリスの勢いが衰えてモモイは効果あった?ごめんね…と謝っていたがしっかり様子を見る余裕はない。
ネルとずっと攻防を繰り広げているから。ネルも突破したかと思えば懐の危険な何かを感じ取り退くの繰り返し。
ネル先輩は頼もしいけど相手をすると大変…ミレニアム最強に違わぬ実力と勇気で凄い先輩だなぁと思っていた。
そのミレニアム最強のネルを含む複数人に一人で渡り合う自分の異常性に全く気付いていない。
察しがいいのに自分の事には妙に疎い…これは自己評価も自己肯定感も最底辺なせいだろう。
ネル先輩を止める…可能なら焼くような視線を向け続けるのも止めたいよね…何か方法は…?
そこで最近休憩気味だった勘が覚醒し完璧に閃いた。ダメージを与えず動きだけ止める…!
本当に理想的。早速実行すると…突如として強烈な金縛りが起こったかのようにネル先輩は動けなくなった。
目を見開いてる。ネル先輩に効くなら全員効く、やっぱこの銛最強じゃん。私が最も信頼してるだけの事はある。
銛の鎖を投げて巻き付け縛る…ネル先輩には更に数本重ねた。皆にも謝りつつ同様に縛ると止まった。
声すら出せずに驚愕してる、勘も銛も素晴らしい働き!かんぺき~! - 53二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 22:18:56
前にもユウカの「かんぺき〜」をシリアスな時に使ってたけどやめなさい!!
- 54二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 22:23:04
強い……強くない?
- 55二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 23:28:15
全員を鎖…強い金縛りで止めた、穏便に済んで良かった…やっと汚物を抹殺出来る。
ふと皆を見ると…声も出せなくてただ祈る様に泣き続けるミドリ達とユウカの姿が映った。
ネル先輩達も泣きはしないけど辛そうな顔…私への祈りを感じる。
…あんな泣き顔辛いよ…以前のように開き直ってる訳じゃないから本当に苦しいけど…。
止まらないし止まれないの、強迫症もある気がして自分が制御できない…。
足元の塵はいつでも殺処分可能だし…皆が気になるからちょっと後回しにしよう。
誰も何も話せなくて一方的になるけど…それでも何か言った方がいいと考えモモイは話し始めた。
「皆ごめんなさい…私を心配しての行動だってよくわかってるよ…でもこれだけは譲れないんだ」
「他者に悪意を向けた者は人に非ず。心が怪物に変異するの、害為す怪物は滅ぼさなければならない」
「当然だけど心の怪物を勝手に討伐…断罪した私も怪物になる、全部わかってるけど止められない」
「全然抑えられないの…自分の意思と無関係に動いてる部分もあると思ってる」
「ごめんね…いつも私のエゴなんだ。エゴの塊で…皆には迷惑ばかりかけてるね」
「今も皆を怯えさせ苦しめて泣かせて…本当は皆には苦しんで欲しくないよ…でも優先順位がどうしても…」
「話せなくても目は瞑れるよね?この後起こる事は…見ない方がいい。私もなるべく身体で隠すから…」
皆の悲しい目に耐えられず話を止めて足元の汚物を見やる。抵抗もない、死ぬまでどの程度かかるかわからないが。
皆の視界に入れないように配慮しつつ、よし殺るかと突き刺そうとした時…何か急に口を開いた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…!ど、どうか少し話をさせてください…お願いします…」
「ああ?話だと?忘れてんのか?最初聞いた時何も話さなかったじゃねぇか」
「クソが今更何だよ」とイラッとして一本刺したら泣き叫んだが、それでも何か話そうと必死だ。
「…おい、私が怖くて悪意はどっかに消えちまったか?その程度かよ雑魚」
「吹けば飛ぶような悪意を軽率にウタハ先輩に向けた?舐めてんじゃねぇぞ死ぬまで心臓ぶち抜き続けてやる」
視線を感じて目を向けると、ユウカ達が戦慄してる。…そういや口の悪さは初めてだった。
はぁ…気を付けてたのに…と別の事を気にする程今のモモイは心に余裕があった。 - 56二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 06:05:34
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 06:05:59
ここからでも入れる保険はありますか?
- 58二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 06:13:23
わァ……ぁ……
- 59二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 06:47:41
もう、戻らないのかな…?
そういや書き始める前にバットエンドっていっていたね
戻らないのだね - 60二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 12:46:59
モモイE.G.O発現でもした?
- 61二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 21:21:53
────
めっちゃ口悪いのがユウカ達にバレたかとモモイは結構気にしていた。
そんな時、モモイの足元の生徒も泣き叫び苦痛に耐えながらそれでも考え続けていた。
悪意は最初の一撃で既に霧散した。まさかのモモイが自分に向ける本気の殺意…。
誰もが恐れ戦く激情を一番傍で浴び続け…余りの恐怖と心を抉られる謎の衝撃の連続で気が狂いそうになっていた。
しかし気が狂いそうでも…まだ狂ってはいない。頭は恐怖と反省と後悔で埋め尽くされていた。
他の皆に気が逸れている今…本当に狂う前に謝らないと…!
錯乱して泣きじゃくりながらも…何とか誠意のある謝罪をしようと必死だった。
「あ、悪意なんて向けてしまって…ごめんなさい…心から反省してます…本当に済みませんでした……」
「勝手に嫉妬して悪意を向け…ひぃっ!?ご、ごめんなさい…ごめんなさい……二度とこんな事しません…!」
「…そこまで謝るなら最初からすんなってんだよ馬鹿が。やはり嫉妬からの悪意か、まあ予想通りだな」
「で?謝ってそれで何だ?お前の心は怪物に変異したんだが?悪意の怪物なんざ死ぬ以外に何かあんのか?」
「…私もこの前まで自分を怪物だと思ってた。死のうとしたが、人間だと言われて皆を信じたから一応今日まで生きてる」
「だが私は本当に人間か?誰かを殺しそうな奴が怪物じゃねぇなら一体何なんだよ。殺せば更にだ」
「一匹殺った時点で完全な怪物だが…そうなると私はいつ死ぬべきなんだ?人に向ける悪意は全部滅ぼしてぇんだが…」
「全て殺し切るまで待ってくれんのか?看過できねぇ怪物だと途中で討伐されても何もおかしくねぇな」
「…脱線した。それで謝罪が何なんだよ、その先まで考えてんのか?そうじゃねぇなら今すぐぶち殺…」
「あ、改めます…!心を改めて償います…ど、どうにか…ゆ、許される怪物には…なれませんか…?精一杯努力します…!」
…意外にも謝罪に受け答えしている。モモイは何か思う所があったのか…嫌そうに何かを考え始めた。
今までと様子が違う。問答無用で殺す雰囲気ではなく…ミドリ達の目には最悪には見えていない。
モモイは元々善良だから…殺す気であっても本気の謝罪ならば考慮して…葛藤している…?
誰も説得できないがどうなる?モモイが思い耽る事で…どうか解決に向かって欲しいと皆でモモイの為の祈りを捧げた。 - 62二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 21:31:35
薄氷を踏んで進むが如くドキドキ感…
- 63二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 21:35:21
モモイの尊厳はもうボロボロ
- 64二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 22:16:17
────
皆は私を見つめ…ただ祈っているように見える、他の意図を感じない。
丁度沈思黙考したい気分。気になる言葉もあって…最優先なはずの悪意の排除より今は優先したい。
悪意に対する気持ちの整理をしたい…皆は思考に集中しろと言いたいの?…ならそうしよう。
正直…皆の視線が本当に辛くて…決して戻れない道を進んでいると改めて実感してる。
わかってる、目元が真っ暗で進むのが怖いとこの前言ったけど…これは終末へ至る道だと明白だ。
これは悪意に対する私の審判であり懲罰であり救済だ。悪意が即座に消えればそれ以上悪くならずに済む救い。
…そして何より私の為。余りにも強過ぎる悪意を敵視するエゴ、私に断罪する権利はないのに。
どうしても許せない、私の感情はこの世全ての人に向けた悪意を焼き尽くす勢いで燃え盛っている。
が、それだけでもないと理解している。自分の意思と関係なく突き動かされているのもあると。
強迫。悪意は他者に向けてはならない、向けたら死ぬべきだと強く思い常時頭のどこかにある。
悪意を排除する為に過激になっているのは…悪意の存在が不安だからか?
私は【怪物】によって悪意を強く意識した。それまで気にする事もなかった。
奴の悪意は他に類を見ない強烈なもので…自分の中から皆に向けられていたから意識せざるを得なかった。
あんな悍ましい感情…悪意の存在だけなら許容しても向けるのは許せなくなった。
しかし…今になって思う。悪意と一言で表すが…【怪物】の悪意と人の悪意は同一かという疑問。
今聞いた嫉妬、嫉妬が悪意に変わりウタハ先輩に向けられた。悪意なのは間違いない。
だが【怪物】に嫉妬はあったか?あれは混じり気のない高純度の悪意だったと確信している。
私を乗っ取り…私の口で我は汝らを終末へ至らせる者だと常に皆を罵り嘲笑っていた。
我を裁く汝らは悪。これは自己正当化でも誰かへの教訓でもなく、他者を悪と認識させて追い詰める為。
自分の終末は想定していないから敗北が信じられず消え失せた。
他者の破滅を喜び自分の破滅などあり得ない…極めて利己的な純化された悪意だ。
少なくとも今足元にいるこいつの、自分と共に破滅しろという正しく破滅的な感情とは違う。
やはり人に非ず。悪意の厳密な定義は知らないが…何となく根本的に人と性質が異なると感じていた。 - 65二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 22:23:05
よしよし、なんとか踏みとどまってくれよモモイ……!
- 66二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 22:58:04
流れ変わったか?
- 67二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:00:13
人の感情は複雑で混ざり合う、奴のような純度はない。
こいつも…純粋な悪意の化身たる奴よりは遥かにマシな悪意だろう。
…絶対殺すと思ってたけど、泣きじゃくって必死に謝られると少し萎えてきた…。
悪意は今は無い…恐怖、反省、後悔…負の感情はあるが。
許される怪物…気になった言葉だ、反省は感じる。心改める、償う、その場凌ぎではないだろう。
悪意は死すべきと考える私が思う以上はそのはずだ、騙されてる?あり得ない。
アリスが言ったね。最終的に怪物だと譲れなくても受け入れる方法はあるって。
皆の信じる『自分』…『悪くない自分』として受け入れる方法。こいつは悪意を向けて今は悪いが…
この先は?只管謝り続けて深い反省と後悔を感じ取っている。悪意の再発はある?
私もアリスに言った、一度の失敗で勇者剥奪はないと。これも同じ…許される怪物になれる余地があるんだ。
ユズも言った、善悪二元論…両極端ではないと。私の悪意が許せない感情も極端だ。
…そうだね、極端な時点で既に何かおかしいのかもしれない。平たく見る努力が必要だね。
先生も一歩引いて冷静に見てる、大人の視点。なるべく公平に偏り過ぎずに。
ミドリの言った罪悪感。こいつはそれも確実だ、私の殺意に怯えてそう思えたのかもしれないが…
理由はどうあれ現在はかなりの罪悪感がある。
…私は人に悪意を向けるのが許せないだけ。こい…この人の悪意の対象はウタハ先輩。
私は悪意の対象ではない第三者。この人の罪悪感は私ではなくウタハ先輩に向けるべきもの。
勝手に断罪した私が正しいはずがない…悪。自分でも言ったが、悪意を殺し新たな悪が生まれる負の連鎖。
その果ては何?全ての悪意を滅ぼした悪が一人残り…悪が死ぬべきなら自決して後は何もない虚無となる。
…私の羅針盤は常に悪意に向いていた。悪意は許されない、あれさえ殺せば平和になると。
私の進路は私が決めるべきだと思った遠い昔のような記憶。私はずっと…悪意という呪いに縛られていた。
強制的に進路が悪意の討滅に向けられている。【怪物】が消えて尚続く強力な呪い、強迫の正体はこれだった。
止めを刺して断ち切ったはずの奴との因縁は…未だに断ち切れていなかったんだ。
…ならば今度こそ断ち切れ。奴の悪意の縄を断ち切り…大人になるんだ、全てを清算する時だ才羽モモイ。 - 68二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:37:34
- 69二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:55:25
────
「ねぇ…あなた反省してる?ウタハ先輩への悪意」と聞くとその生徒は必死に首を縦に振った。
「そっか…うん、わかった。その反省は…ウタハ先輩に伝えるべきだね」
「ウタハ先輩が判断すべきで…もし穏便に済むのならあなたは許されるよ…」
「誰かに向ける悪意が許せない…今も変わらない。だけど私はやり過ぎた」
「あなたには謝らないと…本当にごめんなさい…悪意が許せないからって…本気で殺しかけた…」
「ごめんなさい…間違ってた…怒り狂って痛め付けて…ごめんなさい…」
「こんな異常な殺意を向けるのだって…悪意を向けるのと同じくらい許されないのに…どこまでも自分勝手…」
「たった一つの事で他の全てが何も見えなくなって暴走する…盲目って正にこれだね…最低だよ…」
「悪意を殺せば悪って…殺そうとする時点で悪なのに…馬鹿みたい…何でこんな事に気付かなかったの…」
「…いや…気付いていた…それでも私より悪意を殺すのが先だと自分を正当化してたんだ…」
「私が裁かれるのは全て終わってからだと…何の権利があってそんな思考を…」
自問自答して深く反省している…?先程までと態度が一変し、苦しくなる激情…殺意も失われた。
只々やってしまったと落ち込んでいるようだ。激情の代わりに激しい後悔の念で苦しくなる…。
「皆もごめんなさい…またやっちゃった…無能のクソ馬鹿塵屑の分際で…とんでもない事ばかりする…」
「迷惑をかけ過ぎて合わせる顔がない…皆を怯えさせ苦しませ悲しませた…最悪」
「何でいつもこうなの…この危険人物が保護される立場だなんてあり得ないでしょ…」
「自分の弱さすら武器にして皆を困らせながら優位に立ってた…疾病利得…狡賢い奴で…」
強烈な金縛りも嘘のように解けて自由に動け声も出る。
モモイは全員に深く頭を下げて謝った。思い悩んだ結果…自分の思考だけで解決した…?
するとモモイは頭を下げたまま…足元の生徒が携帯していた銃。
反応が遅れてしまう程余りにも自然な動作で手に取り…そのまま自分の頭に向けた。
…違う!解決していない!モモイはこの場で死ぬつもりだ!
全員心臓が飛び出しそうなくらい焦り、即座に動き出したが距離が絶妙に遠く間に合わない…!
ミドリ達は諦めて涙を流しながら目を覆い俯いた、直後…無慈悲に銃声が周囲に響き渡った。 - 70二次元好きの匿名さん24/07/31(水) 23:56:47
- 71二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 01:04:19
その銃声の出元は本当にモモイが手にした銃からか?
- 726824/08/01(木) 02:06:07
- 73二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:20:32
紙一重で助かったりしない?
意識不明の重体だけど奇跡的に……みたいな
えっ、しない?そう…… - 74二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:28:47
他の人が助けられた可能性もあるしまだわからん
- 75二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:49:28
ウタハ先輩が間一髪で手を差し込んでモモイを守ったに一票
- 76二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 08:51:21
この銃声って誰かがモモイの持つ銃を弾くために撃ったものだったりしない?
- 77二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 15:29:52
願おう
- 78二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 16:00:21
もちもち…………
- 79二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 21:16:26
た…たった今…今日このスレの1つ目が目に入って…たった今追いついた…肌をヒリつかせるような恐怖や緊張感を味わった…凄いぜ筆者…
勇者の物語はハッピーエンドって相場が決まってんだ!俺は大団円を信じて待ってるぜ! - 80二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 21:24:31
鳴り響いた銃声。頭に…先生と同じなら…即死…。最優先で守るべきモモイが…。
ゲーム開発部の三人は泣きじゃくって叫びながら…何も見たくない聞きたくないと目も耳も塞いで蹲った。
ユウカも似たようなもので…泣きながら目を覆い、ショックで狂いそうだった。
C&Cの三人も思わず目を背け、何の為の組織なんだと激しく後悔していた。
しかしネルはこの中では一番冷静、違和感に気付いた。この場の他の生徒達が阿鼻叫喚と化していない。
それに薬莢が落ちる音と違う、別方向の床に転がった…おそらく銃弾の音。
…何にせよ生きている可能性がある限り確認は必要。生存を祈り…ネルはモモイに目を向けた。
するとモモイの足元の…モモイに最も近いあの生徒が銃を持つ腕を優しく掴み、向きを変えて自決を止めていた。
無我夢中だったのだろう、顔が青く息を荒げて全く余裕がない。当然だ、直前まで錯乱していたのだから。
その状態でよく咄嗟に反応し止めてくれた…ネルは感謝し皆にそっとモモイの無事を伝えた。
「何で止めるの…?殺意を向けて断罪した死すべき悪の怪物を…何故よりによってあなたが…?」
「はぁっ…はぁっ…ち、違います…断罪が許されないのなら、私もです…私も、嫉妬心で身勝手な断罪を…」
「嫉妬と殺意は全く別だよ…私は殺意が強過ぎて本当に殺す気だった…あなたとは比較にならない…」
「はぁ…私に…やり過ぎたと言って、謝ってくれましたよね…?そこで、殺意は止まった…」
「…私は無事です…無事であれば…私の悪意が止まったように…あなたも止まって…それで終わりです」
「な…そんな馬鹿な…。死んでない…それはそうだけど殺人未遂だよ…?皆も傷付けた…」
「…私だって殺人未遂です…嫉妬と殺意は全く別…かもしれませんが、同じ結果になりそうでした…」
「嫉妬を燃やして悪意に変わり…限界まで追い詰めて破滅させようとした…死に導く行為です」
「…同じ殺人未遂…でも私、もうあなたは死ぬべきだとは思ってないよ……なら……私も同じだって…言うの…?」
徐々に呼吸を整えながら頷き…静かに武器を取り上げ遠くに投げ捨てた。
モモイはこれ以上なく渋い表情で…嫌々自決は諦めた様子だ、危ない…本当に危ない所だった…。
他の誰でもない…あの生徒だったからこそ、その後の話も含めてモモイを止められたのかもしれない。 - 81二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:14:44
- 82二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:14:59
あっっっっっっっぶねえ……………!!!
良かった、よく止めてくれた……
本当によく止めてくれた……! - 83二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 22:40:38
自決を諦めても…かなり不服そうだ、理由もわかる。
対応を間違えたら…先程の対処不能な激情の奔流を自分に向けて自決しそうな危うさがある。
あの生徒が必死に頑張ってくれてありがたい、自決は彼女以外には止められなかった。
殺意を向けられ錯乱しながらこの対応…嫉妬に狂ってはいたが、根は悪くない子なのかもしれない。
「もう一度…ごめんなさい…あなたへの行いは行き過ぎたものだった…悪意が許せない独善で…」
「いえ…私は本当に反省すべきでした…身勝手な嫉妬心であんな…私が悪かったんです…」
「自分を責めないで…どうしても断罪が許せないというのなら私もですから…私も必ず謝ります…」
「…あなたはそれでいいんだよ。だが私はダメ、様々な悪を内包した許されざる怪物で違いない」
「でも殺意は止まりました…それは私を赦してくれた…許される怪物だと思ってくれたから…違いますか?」
「…そうだよ、悪意は今後も無いだろうと思って…それに判断するのはウタハ先輩だし…」
「なら同じです…自分を怪物と言うのならあなたも許される怪物です…自分の事も認めてください…」
「違う、私は悪。皆まだ私を『悪くない才羽モモイ』と信じてくれてるのかな?…だとしても私は認めない」
「殺意は止まった…百歩譲ってそこを抜きにしても…私は自分勝手に暴れて皆を苦しめた悪」
「大悪人。七囚人より悪でしょ、少なくとも『慈愛の怪盗』より悪」
「あの人そこまで悪でもないよ、傲慢だと思うけど確たる持論があるし助けてもくれた」
「言い分も一理あると今なら思える。裏社会に流れるよりあの人が保管した方がマシ」
「実質そうなってるだけで独占する気でもないし。公開する気はあったはず」
「世間の芸術の理解の浅さと、信用ならない奴が多過ぎて公開できないだけ」
「わかるよ、銅田…オークションの奴らは悪人。あんな連中が世の中には多いと今は理解してる」
「平和な環境で知らなかっただけ。ニュースも本も読んで世の理不尽はある程度知ったつもり」
「私はあの人より悪人。行動に一理もないし自分の弱さは疾病利得だった、最低」
ミドリ達とトキはわかる。七囚人『慈愛の怪盗』との比較、一理あるのだとしても…思い詰め過ぎだ。
当然だがモモイは病んでいる。本当に病んでいるなら疾病利得と言うのも…冷静な説得が必要になるだろう。 - 84二次元好きの匿名さん24/08/01(木) 23:55:14
「モモイ、改めて確認してもいい?あなたが自分を悪だと思う理由は何?」
「勝手な断罪、殺人未遂、皆傷付けた、身体の弱さを利用し盾にして困らせた」
「自分勝手過ぎ。断罪と殺人未遂はまあ…さっきの話は理解はしたけど納得し切れない」
「それなら…皆を傷付けた事と弱さを盾にした事の話をしていい?全く納得いってないよね?」
「うんいいよ…傷付けたのは事実だよね、それも多数。皆怯えてたしネル先輩には特に視線でずっと…」
「大した事じゃねぇから気にすんな。過程で偶々そうなっただけ、他の任務でもよくある」
「大した事ある威力だったはず…一番強いから…意識して視線を向けてた、偶々じゃない」
「そんだけ必死だったからだろ?あたしだけじゃねぇ…皆にだって同じだ、お前は常に余裕がねぇんだ」
「余裕がねぇと必死になるし加減も難しくなる…当たり前だ。疲れ切っちまってるんだよ」
「疲れてるからやってもいいなんて事はないよね…?どんな理由でも傷付けたのは変わらない…」
「なら聞いてみるか?」と言ってネルはこの場の全員に確認したが…皆が一切問題無いと返した。
「嘘でしょ…?一切問題ない…?どんな理屈でそんな事に…」
「複雑な理屈は…あるのかな?気にならないから気にしないだけ…少なくともわたしはそうだよ」
「私もそうね。明言するけど…どうでもいいと言える程度には気にしていないわ」
「モモイが納得いかなくても…相手が気にしないのならそれで終わる話なのよ」
「それにモモイ。思い出してみてください…モモイが自分で言っていた答えがあるはずです…」
モモイは困惑し納得いかなかったが…アリスの発言が気になった。私が言った?答え?一体何の話を……
…ふと、ウタハ先輩の謝罪を聞いた時の…自分の答えが脳裏に浮かんだ。
何とも思ってないから許す。そう思ったし言った、一生をかけて償おうとまでしていたウタハ先輩に対して。
それに…私が許すから自分を許してあげて欲しいとも言った。…思い出してしまった。
…こう言っておいて、自分が同じ事を言われたら否定するというの?それこそ悪じゃないの?
他ならぬ自分で言った事…取り消すとウタハ先輩の謝罪まで取り消す事になってしまう。
…納得し難いが…今までの全部に関係する…飲み込むしか…何回ブーメラン返ってくるんだ馬鹿と心の中で悪態吐いた。 - 85二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 06:31:40
いけっこのままハッピーエンドにいけっ
- 86二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 06:40:58
このままなでなでルートにいってくれ.....
- 87二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 06:45:00
うあぁああー 命の危機が 続々と
松尾巴焦 - 88二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 10:38:52
内心で度々自虐してるのが治らないとふとした拍子にまた今回みたいなことを繰り返しそうね…
そしてまた自虐するっていう悪循環 - 89二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 18:58:56
モモイに無数のブーメランが!!
- 90二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 21:11:33
自分の発言が返ってきてやり切れないが…まだだ。
弱さを利用したのは悪じゃないなら何?モモイはまた口を開いた。
「自分の身体の弱さを盾に利用して困らせた疾病利得はどうなの?悪人じゃん」
「モモイ…疾病利得と言ってるけど…利益を得るのと利益を得たいのは全然違うよ…」
「弱さを盾に…利用…自分を悪とする為にわざと言っていませんか…?」
「本当に利用する意図はありましたか…?そう思えませんが…正直に話して欲しいです」
「……もし皆に抑えられて間違って頭打って死んだら、トラウマ与えそうだとは途中で思った…」
「つまり気付かなかったって事だね?なら利益を得ようとして動いてた事にはならないよ」
「そもそも疾病利得は悪い事じゃないわ、偶然…結果的に得するだけで本人に非はない」
「悪がいるのなら…それは【怪物】だよ。それ以外にない」
「モモイは沢山本を読んで色々知ったから深く考えたのかもね…大丈夫、何も悪くないよ」
「得があっても結果論でしかないし気にしないで?そんなの関係なくお姉ちゃんは一番大事だから」
「はぁ…普通に説得されて馬鹿みたい…理屈もわかるし…つまり私は問題ないから認めろって事でしょ…?」
「でも騒ぎを…やっぱ私ミレニアムの恥だよ…愚図の無能過ぎ…」
「違うな。皆を守り続けて孤独に戦った英雄がミレニアムの恥?愚図?無能?んな訳あるか」
「戦い続けて傷も深い…さっきも言ったが疲れてんだ。栄誉ある戦士も休まねぇと倒れる、休息の時だ」
「頑張り過ぎて疲れて暴走…誰でもあり得るわ、徹夜が続いても思考がおかしくなるから…」
「入院中に回復せずに帰って来てこれだよ…クソ塵屑」
「モモイ…簡単に消える疲労じゃないんです…自分を労わってください…」
「ゆっくり休もう?嫌な事は考えず…楽しい事だけ考える。お姉ちゃんはそれでいいの」
皆に休めと言われ、元々狂ってるのに疲労で壊れてるの…?と思い始めたモモイ。
もう反省して部室に引き籠ろうか…と考えているとエンジニア部のドアが開いた、ウタハだ。
カリンとアカネも一緒。二人は沈静化を待ち時間稼ぎしていたがモモイと件の生徒は激しく動揺した。
部室周辺で騒ぎを…慌てる二人と裏腹にウタハは事情を全く知らず冷静だ。
「カリンとアカネが来て話をしたのだが少し気になってね…何かあったのかい?」 - 91二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 22:00:47
ここからどう転ぶ……?
- 92二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 22:34:03
モモイも動揺したが、件の生徒はウタハを見て即座に謝罪しようとし…それは強引に止められた。
「ごめんねウタハ先輩。お姉ちゃんがちょっとね…慌てて人を呼んだの」
「モモイが疲れて急にガクッときてしまい…体調が悪い自覚がなかったみたいです」
「ああ…それで皆心配して集まったのかい?モモイ…私への気遣いは嬉しいが自分も労わるべきだ」
「え、あ…うん…ごめんねウタハ先輩…何か無自覚でさ…」
「私に謝る必要はないよ。疲れたのなら休めばいい、無理せず過ごしてくれ」
謝罪しようとしたのに全く違う話になり困惑したが…ユウカが静かに近付いた。
日を改めた方がいい。防音で今あった出来事は何も知らないから逆に混乱してしまうと伝えた。
理解して冷静になり…感情を整理して後日謝る事に決めた。
モモイも皆が咄嗟にそれっぽい理由を用意してくれてホッとしていた。
激情を解き放ってた事が知れたら…身震いした。来る前に落ち着いて本当に良かった…。
後日、件の生徒は気持ちを整理しウタハに嫉妬していたと謝罪に行ったらしい。
ウタハは驚いたが然程気にしなかった。今後何かあれば協力すると無事受け入れられたようだ。
モモイやウタハに向けて怪奇現象を話してしまった件だが…
モモイは色々あり過ぎて完全に忘れ、ウタハは全く聞こえていなかった為に不問になった。
ゲーム開発部にも訪れて心を改める機会をくれてありがとうと感謝を伝えた。
トラウマになってない…?と思っていたらまさかの感謝を伝えられてモモイはまた動揺した。
その場ではやり過ぎてごめんなさいと謝り何とか取り繕ったモモイだが…。
深く反省し完全に引き籠もってしまった。皆に励まされたが…やはり気になる。
激情を解き放ち傷付ける可能性が怖いと、以前危惧していた事が現実になったのがショックだった。
実際は誰も気にしていない…件の生徒ですら当然の報いだし寧ろ止められて助かったと考えている。
しかし落ち込んでしまう気持ちもわかるので、皆はそっと傍でモモイと一緒に過ごしていた。
皆が言った通り…モモイはしっかりとした休息が必要だ、退院後も今まで動き過ぎである。
いつも誰かを気にして行動し、ウタハをかなり気遣っていた為に心休まる時がなかった。
やっと…モモイは心を落ち着かせて休める時が来たんだと皆は安心していた。 - 93二次元好きの匿名さん24/08/02(金) 23:28:35
今1人にするのはヤバくねぇか?
- 94二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 06:41:12
>>深く反省し完全に引きこもってしまった
↓
>>心を落ち着かせて休める時が来たんだと皆は安心していた
……ほんとかなぁ(ゴロリ並感)
- 95二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 09:46:04
自決しようと思えば身近のもので割とできるからなぁ…
死が近くない故にこれなら死なないだろってなってるのかもね
こういった話を切り出すのは怖いかもしれないけどほぼほぼ同じ耐久力の先生にどんなことでしねてしまうのかとか誰か聞いといた方が良いのでは?
モモイも分かってないだろうし普段なら死なないことを平気でやりかねないぞ
それとまだしてないのなら今回のことは先生に共有しとこうね…?
- 96二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 19:35:12
これ俺思うんだけど解決する糸口はもうウタハパイセンが好感度反転装置完全に完成させるしかないんじゃね?
元々野菜嫌いを治すための装置だったんだろ?アレ
完成させればモモイの自己肯定感ゴリ押しで戻せそうだけど - 97二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:14:45
部室に引き籠もって全く外に出ない。ミドリ達は常にモモイの傍を離れない…危ないから。
「ありがとう…」とは言うが元気がなく沈潜し切っている。以前の自分達みたいだと三人は思っていた。
ショックなのはわかるが目も虚ろで今までの反動が…これでは碌に休めず安心…どこがだそんな訳なかった。
心の治療は急がず長期的に。それはそうだが…悠長に言ってられない、危うくて目が離せない。
自分を低く見過ぎて危険行動に繋がる、そういった要素が多分にある。水底に沈んだ自己評価と自己肯定感。
何とかしたいと前々から思っていたが…モモイは今完全に動けない。モモイには悪いがチャンスだ。
少しでも自信を…三人で密かに相談し行動開始した。
三人とも愛情は深いが…慈愛に溢れるミドリと一番強いアリスにモモイと共にいてもらいユズが動いた。
親友として…部長として。ユズは「用事があって…三人で一緒にいてね」と優しく話した。
「ユズ…いなくなっちゃうの…?」と涙目でもう辛い。でも…なるべく早く戻ると謝り部室を出た。
泣き声が聞こえて苦しいけど…セミナーと先生に相談して、負担をかけずに自信が付く良い方法を何か…。
セミナーを訪ねると全員揃っていた。すぐ本題に入り、ユズは自虐的なのと自分を低く見過ぎるのを何とかしたい。
自虐は平然と話す程口癖になっているし、隙あらば自虐で高頻度…不安で堪らない。
悪意は折り合いをつけたように見えるけど、自分を認めず今の引き籠もり期間が終わるとまたどうなるか…
自分を余りにも低く見積もって暴走するのを予防したい…良い方法はないか助言が欲しいと心境を打ち明けた。
心配なのは皆同じだが、心は簡単にどうにかならないし繊細で…誤ると取り返しがつかない。
どこまで触れていいか一番わかるのはゲーム開発部の三人だが、その当人達が悩んでいるから難儀だ。
思い付いてもいや…怪しいか…?と引っ込める。励ましの言葉も過ぎると意味が軽くなってしまうから慎み深く。
先生も慎重に様子を窺っているが、自分が探られているとも感じて…かなり聡い。迂闊な行動は厳禁だと話した。
知識や経験を短期間で得過ぎて急成長せざるを得なかった。ふとした話からも知恵を感じられて凄い。
この成長は本来は喜ばしい事なのだが…頭も勘も良く非常に攻略が難しい…もう少し低難易度であって欲しかった…。 - 98二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:20:16
- 99二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:34:30
今が対策の絶好の機会、早急に疲れない程度の手を打ちたいがどうするか。
急激に成長しているのに、それが自分はできるという意識にはなってくれない。
成功体験があればいいのだが直近でやらかしたと認識し引き籠もったばかり。
自虐が多過ぎて常にネガティブ思考、これでは前向きになれないだろう。
大きな傷を負い、登るのを阻害する要素が多く、改めてモモイの闇の深さを実感した。
それだけではない、身体の脆さ…どこから危ないかが誰もよくわからないのだ。
ネルは先生に相談していた。何が致命的か具体的にわからず本当に対処が難しかったと。
先生と同等の脆さ…知りたくなくても全員に伝えるべき、でないと今後も危険と隣り合わせだ。
先生も倒れていないのが不思議な過労で、そこには意識が向いていなかったと反省した。
問題が多過ぎて考える内に皆も落ち込んでしまったが、それでは話が進まずリオが静かに仕切った。
リオは脆さに関しては先生の説明を私達は正しく理解するだけ、今はそれ以外を優先すべきだとユズに質問した。
今までモモイにはどのような接触を試みてきたのか…その詳細を知りたいと。
言葉で励ましたり…スキンシップが多い、話を聞いていても自分を認めるのに繋がっているのか疑問…。
ううん…認めてないからこうなんだ…全然通じてない…説明しながらユズは涙が滲んでいた。
詳細を聞いたリオは「成程。それならば…少し考えがあるの」と冷静に話した。
「会長、何か案が…?とても難しい問題ですが…」
「…反省して心理学を少し学んだ。自己肯定感が低いと他者に依存的…己より優先する、他者と己を比較する」
「己を認められないから他者に認められる事で己の価値を確かめたい…つまり承認欲求が強いと」
「承認欲求…?確かに誰かを気にしてばかりですが、その割に誰に励まされても自分を認めませんよ…?」
先生が顔を上げた。まさかそれは…モモイを心配する全員が…モモイにとっても大切な身内だから…?と。
「私はそう考えている。励ましは気持ちは嬉しい…でもそれは身内の色眼鏡がかかった話」
「評価してくれても贔屓目で実際はそうではない、最底辺なんだ…どこかそんな意識があるのではないかしら」
「あなた達は全員が近いから逆に苦労する…モモイから少し離れた位置にいる他者の評価が有効だと考えているわ」 - 100二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:35:28
ここでモモイからはあまり親しい友達(ゲーム開発部レベル)と思われてなかった脳焼かれの他生徒達の出番って訳ですね☆
- 101二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:38:58
相変わらずリオ会長が頼もしい
- 102二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:46:28
身内贔屓…純粋に評価していても、受け取る側がそう思えばそうなってしまう。
一理あるかもしれない。身内だからこそ響かない…あり得る話だ。
ユズは思い当たる節があった。皆の信じる自分を信じる…でも自分を信じないからこうなってる。
言われて思い直すと、励ましに感謝は忘れないけどどこか冷めていた気が…その可能性…ある。
そして皆を信じると言ったのに、結局信じられない自分がもっと嫌になっていく悪循環…。
だから精神が全く浮上する気配すらない…今のリオの話…納得がいった。
ミドリとアリスに密かに確認し…二人も一理あると答え、ユズはその通りかもしれないと伝えた。
三人がそう思い至るのなら…本当にそうなのかもしれない。
それなら…モモイは今も自分も皆も信じられず苦悩し病み続けている…どれ程苦しいのだろうか…
だが、身内の話が効果がないとなると…自分達が何かしても意味がないのでは…?勿論先生もだ。
モモイと少し離れた他者がモモイを評価…?可能な限りミレニアム内で解決したいのに外部に…?
これ以上拡大したくない。皆が悩んでいると…リオは寂しそうな顔をして口を開いた。
「ミレニアム内で解決したい…その通りね。外部に持ち出すのは無い、モモイの精神状態を考慮すべき」
「ミレニアム内でモモイと最も遠い存在…それは私で間違いないわね」
「アリスの処遇を巡って…私はアリスのヘイローを破壊しようとする程の大きな対立をした」
「本当に殺すつもりだった、モモイは殺人未遂だと悩んでいたようだけど…私も同じ」
「モモイはそれが許せず、倒れて目を覚ましたら、すぐに皆をまとめてアリスを救う為に動いた」
「私も悪人よ。ミレニアムの為とはいえ…意図的な殺人を行おうとしたのだから」
「ですが会長…モモイちゃんは会長が悪意を持って行動したとは思っていないはずです…今なら尚更」
「今のモモイは思慮深いし…リオ会長の意図もわかってるはず…七囚人にも理解を示した程だから…」
飽くまでモモイの話なのだが…リオの負い目にも繋がってしまう話だ。
モモイの殺人未遂の件はリオも大いに思う所があるようで…とても悲しそうで見ていて辛い。
リオが戻って来ない理由…ユウカ達は会長不在?早く戻って来いと以前は不満だったが…
今は親身になって理解出来る。リオもずっと…思い悩んでいたのだと。 - 103二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:52:50
ここでリオの葛藤につながるとかちょっと物語運び上手すぎじゃね?ちょっと脳みそ頂きたいんだけど……
- 104二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 08:24:33
なるほど……
ここに来てリオ会長がキーパーソンになるとは - 105二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 19:51:46
とりあえず元に近い状態には戻りそうだけど根本的な解決にはならなさそうかな···
- 106二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 20:12:01
リオ会長、このルートでは戻ってくるのかな
やっぱ本編通り戻ってこないのかな……
モモイにはこういった仲間が必要な気がする
だから、このルートだけでもミレニアムに
戻ってきて欲しいな…… - 107二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 21:24:58
殺人未遂。何故こんな悩んで当たり前の大事を無視し、軽々しく早く戻れなどと思っていたのか。
リオの傷もかなり深い…ミレニアムの危機に尽力した生徒会長への理解が浅く軽視していた?
何て愚かな事を…この場の全員がリオに対して申し訳なくて仕方がなかった。
だがリオは脱線してしまった、自分の話はどうでもいいからモモイの話に戻そうと打ち切ろうとした。
「待ってください会長…関係はあると思うので続けましょう。解決の糸口になるかもしれません」
「そう…?…まあ一応考えはあるのだけど…私がやるべきではないとも思っている」
「モモイの愛する友人…アリスを殺そうとした私は本気で嫌われても全くおかしくない」
「嫌いな人間に何かされても嬉しいはずがない、アリスが私を赦してくれてもモモイ達はまた別」
「リオ会長…わたしもミドリも会長を信用してます…ここ最近だけで何度助けられた事か…」
「過去の事はもういいんです。感謝しかありませんから…リオ会長も自分を認めてください…」
「ユズもミドリも…そう考えてくれているのね、ありがとう。しかしモモイはどうなのかしら」
「モモイは限界まで身を削る程の仲間思い…私を嫌う理由などあって当然」
「それは無いと思います…あの対立は合理と感情で…善悪の問題とは別でした」
「理性と感情…ずっとそれと戦ってきたモモイは誰よりもよく理解してるはずです」
先生もリオを励ました、決して間違った考えではなかったと。
あの一件…先生は後悔している。生徒の自主性を尊重し、責任は大人が負う…一貫しているつもりだ。
だが生徒間で明確に対立した。あらゆる生徒の味方でいたいのに、緊急性があり選択を迫られた。
判断が難しかった。実際にアリスは自分の意思と無関係でもモモイに重症を負わせた。
もう看過出来ないというリオの主張は否定不可能、そしてモモイ達が反発するのもよくわかる。
最終的に大きな危機は解決した。が…結局一方にしか味方できずトロッコ問題自体を否定し…
全員で力を合わせて『全てを救う』選択肢を選びたい…そう言いながらリオにはフォロー不足だった。
結果リオは失踪し、心に大きな傷を負った。選択を誤ったとは思わないが…言葉通りにもなっていない。
全てを救えなかった事実が目の前にある。リオに宣言したにも拘らず実現には至らない…痛恨だった。 - 108二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 22:48:38
後悔の前に…今は話を進めよう。先生は今のモモイはリオに対する悪感情は無いと言い切った。
モモイと話し、冷静に心を見つめられる感覚はあったが…心優しいのは変わらぬまま驚く程成長していた。
会話の節々から知性…経験を伴った知恵を感じ取れる、あの様子ならリオへの理解も間違いなくある。
先生に続いてユズやユウカ達もモモイはリオを嫌っていないと強く説得した。
「…断言するのね。その保証はよくわからないけど…」
「モモイは今の状態でも公平に判断出来る、嫌いな感情も理性で分ける事が可能だとは思っている」
「嫌いでも誰かを傷付けてはいけない。モモイが感情を隠し始めた理由はこれなのだから」
「…わかった、あなた達を信じましょう。嫌いではない…だとしても距離は皆より絶対に遠い」
「遠いからこそ逆に良く作用してくれると信じたいわね」
「さっき考えがあるけどやるべきではないと言っていた事ですか…?具体的に何を?」
「遠い位置にいる私がモモイを評価するという事よ。私の名でモモイに感謝状を贈る」
「…それは早いんじゃ…?いずれゲーム開発部は表彰する気ですが…今モモイに怪奇現象を伝えたら…」
先生がリオの意図に気付き話した。おそらく有効な手段…モモイを救う最初の一歩になり得ると。
【怪物】討伐の感謝状ではなく、装置起動中の一週間…心身を擦り減らしながら皆を守っていた事に対する感謝。
さっきユズに今までの接触の詳細を聞いた理由もこれ。言葉やスキンシップは大切だが形としては残らない。
物ならば残る。自分の価値が可視化され、消える事なく確実に残り続ける評価。リオは個人的に贈る気だろう。
リオ個人というのは本当に意味がある気がする、ミレニアムの名で出せばユウカ達を想像して身内判定になる。
シャーレが贈っても同じ。失礼だが…少し距離があり、ミレニアムの生徒会長のリオだからこそ取れる絶妙な一手。
「驚きね、そこまで理解するなんて。ええ…私個人。確認するわユズ。モモイは私がここにいると知らないのよね?」
「はい。怪奇現象関連も、公開謝罪への書類も…何も伝えてないので会長の事も知らないです」
「それなら情報収集でモモイの頑張りを知ったから、という体で贈れそうね」
だが慎重に。モモイは聡く勘も良い、本当にこれでいいのか確認しながら進めていく方針で決まった。 - 109二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 22:52:21
みんな頑張れ……!!
- 110二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 23:55:08
ユズは驚いていた。物で…モモイが読みたい本を買った事はあったけど…。
もっと近くで直接感情を伝えるのが良いとばかり…誰も試さなかった…固定観念だったのかな…。
悩むユズを察したユウカが「モモイと一番深い仲なんだから、あなた達はそれでいいの」と励ました。
一つずつ確認していく。まず極端に感情を揺さぶり疲労させはしないか?という懸念。
「わたしが見る限り…急な感謝状は驚くとは思いますが、それで疲労するという程でもないかと…」
「…試してみたいです。わたし達では考え付かなかった手段…ミドリ達にも確認していいですか?」
頷かれてユズはミドリとアリスにモモトークで伝えた。ミドリ達も驚いたが試す価値はある…と思えた。
了承を得たリオは、それでは次。タイミングを少し考える必要があるかもしれないと話した。
確かに今解散してすぐ贈るとして、ユズが帰って来たタイミングと近い…何かあった?と怪しむ可能性はある。
しかしこれは解散してからセミナーが調整すればいい。別に日を変えてもいいのだから、最適な時を選ぶだけ。
ユウカとノアが少し不安に思っている事を口にした、急な感謝状そのものに裏がないか怪しむ可能性は?と。
二人の心配を聞いたリオは少しだけ笑って答えた。
「知っているはずよ、私は強引だと。モモイの気持ちも一部わかるからこそ…これに全て乗せる」
「頭も勘も良い…結構。強引にねじ伏せる、これに裏など無いと思えるような…心からの感謝を込めて」
「愛するミレニアムを守ってくれた…本当に感謝していて嘘偽りはない」
「心が尋常ではなく強力だと聞いているわ。ならば謝意の強さで心を心をぶつけてみましょうか?勝つ気でいるわ」
た、頼もしい…本当に勝ちそうな良い強引さだ。リオは案の定爆速で作成したが、文章はかなり推敲した。
疑われにくいように様子を見てリオ個人の名義で贈った、リオ渾身の感謝の塊。
突然の感謝状に驚いたモモイだが、思った通りリオを嫌っていなかった。やはり裏は疑っていたのだが…
読んで霧散したようだ。「こんな立派な物を…?リオ会長…私を見てくれてるんだ…」と少し笑い、大事に扱った。
何度も読み返し「ここまで感謝してくれて嬉しい…」と呟き、落ち着くと大切な物として丁寧に保管した。
嬉しそうな姿…本当に有効だったと皆リオに深く感謝した。 - 111二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 23:56:23
ありがとう.....ありがとうリオ会長.....
- 112二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 00:03:06
ついに明確に前進したぞ!!!
- 113二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 08:56:35
いいぞぉ!このまま怪物の残滓を消し去ってしまぇぇえええ!!
- 114二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 14:03:13
リオ会長……!
- 115二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 18:30:34
- 116二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 21:01:25
先生がリオの側にも立てなかったことを悔やんでるの好き
- 117二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 21:42:52
モモイは他者からの評価を求めてる…それも本当に近い人物とは違う方が良い。
理解したミドリ達は交代で部室を出て、別の方法もないか探していた。
ミドリが何か…と探している時、見覚えのある生徒と目が合った。
お姉ちゃんが悪意を感知した人だとわかったが嫌悪感はない。
あの時の様子もだし部室を訪ねてきた時もそうだった、あれは嫉妬でおかしくなってただけ。
本来は冷静で物腰柔らか、決して悪い子ではないと判断した。
お姉ちゃんには好意的。以前から何度か話もしてたらしくて…それは意外だった。
つまり…あの時お姉ちゃんは悪意への敵視で狂い過ぎて交流の記憶も飛んでた事になる。
…もし、もしも…私が誰かに悪意を向けたとして…それを知ったお姉ちゃんはどうなってたの…?
今は悪意と向き合い感情を整理したみたいで良いけど、想像すると…とても怖い。
その子は私に近付きお姉ちゃんに何かあったのか尋ねてきた。
正直に今のお姉ちゃんの状態と、嬉しくなれるような事はないか探していると伝えた。すると…
「前は精神状態を考慮し簡潔に伝えて帰りましたが…本当はまだ言いたい事がありました」
「再会すればと思っていましたが…それなら今の方が?でも…」と考えてる。
気になり話を聞くと…凄く良い、同時にこの子が気にしてしまうのもわかる。
でもそれはリオ会長の優しい強引さと同じ。本気なら何も問題はないと知ってる。
「気にしないで。多分早い方がいい」と言いユズちゃんとアリスちゃんに確認した。
それは是非…と返事が来て一緒に部室に向かった。
また会ったお姉ちゃんは申し訳なさそうだったけど…その子は早速本題に入った。
一線を越えずに済んで助かった、元々話もしていたし…良かったら友達になりたいと。
お姉ちゃんは驚き過ぎて言葉を失った。前から面識があったのも言われて思い出したみたい。
嘘でしょ?と言いたげな目…でもその子の真剣な目を見てお姉ちゃんは「私なんかでいいのなら…」と応じた。
その子は嬉しそうにお姉ちゃんの手を取り「改めて…よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。
気にしてたのは多分、友達になりたくても受け入れられるのか、様子を知ってからの行動はつけ込む事にならないか…。
お姉ちゃんはまだ負い目が…でもわかる、内心舞い上がっていると。喜びが抑えられてないよ。 - 118二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 22:50:13
────
大変な事をして…反省点しかないのに皆優しくしてくれる。
あの子には本当に…でも感謝を伝えに来てくれてビックリした。
穏やかな表情で…トラウマになってない…?それともトラウマでも来てくれたの…?
友達になりたいとまで…マジで…?そんな良い子になんて事を…友達は少ないし心底嬉しかった。
負い目あり過ぎだけど…友達なんだ、そんな姿見せられない。ごめんね、ありがとう。
感謝状も驚いた、最近驚いてばかり。リオ会長…心に染み渡ったよ、私も感謝してる。
あの時現場にいた人達には謝って…野次馬だと脅した人にも謝りたいけど会う機会がない。
相談したらミドリは「そいつら謝罪必要?ずっと厄介でムカつく連中だったのに」と不満そう。
「強引に黙らせていなかったら…もっと悪い結果になっていたかもしれませんからね…」
「憂さ晴らしやいらない正義感…暴走してたって意味では変わらない…あっちも非はあるよね…」
「お互い様で良くない?両方非があった、終わり。お姉ちゃんがどうしても謝りたいなら止めないけど…」
「そもそもどこの誰かわかりません、アリスも謝罪が必要だとは思いませんが…感情的な話です」
「確かに誰かわかんないんだよね、また会っても特定できるか…皆不満そうだけど何かあったの…?」
「…ウタハ先輩の謝罪を公開しろって抗議してたの。理由は野次馬根性としか…第三者だし」
「えぇ…やり過ぎじゃ…いや私もやり過ぎだけど…なら嫌な人と感じたのは間違ってない…?」
「明言するけど私は嫌い。掻き回して無駄に拡大しようとした奴ら、まあ…あの子も当時そうだったけど…」
「モモイがどうしても謝りたいなら…今後出会う事があればでいいんじゃない…?」
「そっかぁ…それは皆の気持ちもわかる…どうしよう…」
「少なくとも後回しでいいと思います。モモイは休息が第一で誰も異論はありません」
「皆に言われたからね…疲れて馬鹿が天元突破してたのかな…」
「お姉ちゃん…以前もゲーム開発で徹夜して謎のテンションになってたよ?…私も」
「わたしも…何かおかしくなっちゃうよね…だから休むべきなんだよ」
「ゲームでも読書でも好きな事をして…静かに過ごしませんか?」
休息…それはそう。丁度気分も悪くないし…一緒に真面目に休もう。ゲームかぁ…遠い過去のような…。 - 119二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 23:58:42
退院後もドタバタし続けて遊ぶ機会なんてなかったし…遊ぼっか。
久しぶりに皆とゲームで遊んだ。四人対戦できるゲーム、大乱闘スマッシュ…の最新作。
分かり切ってたけどユズが超強い、ハンデ?何それ?ってくらい強い。どのキャラ使っても強過ぎ…。
軽キャラならミスのないコンボでダメージを稼ぐし、重キャラなら一つ一つの技選択が的確で即撃墜される。
アリスが抜け出せないコンボで何も出来ずにやられて「うわーん!一方的でどうしようもありません!」って泣いてた。
…前もそうだった、ユズってアリスを容赦なくボコボコにしてる事が多いような…それだけ実力を認めてるから?
アリスも実際強いからね、テストプレイ担当は実力も伊達じゃない。
私も頑張ったけど負けちゃった、でも勝敗はどうでもいいんだ…心から楽しめたから。
一時は考える事すら嫌になってたのに、また皆と一緒に盛り上がって…本当に嬉しかった。
凄く情けない話だけど誰かいないと不安で…部室に籠るだけじゃなく夜も部室で寝てる。
皆に迷惑じゃない…?と思うけど皆喜んでるし安心してるんだよね。なんで?
四人で囲んで…くっ付いて寝てる。アリスだけは起きてて別のタイミングで休むって言ってた。
その内どうせ部室で眠るなら…って事でデッカいベッドが部室に置かれた。四人一緒に眠れるサイズの。
退院した時点で何故か部室が広くなってたけど、このデカいベッドは置くスペースある?と思ってたら…
壁を壊して拡張してる…そこまでする…?予算とか色々どうなってるの…?ってユウカに聞いた。
「一切問題ないわ。部室の拡張も皆の了承は得ているから、何一つ気にしなくていいの」
「心配せず遊んで休んでね。誰一人咎める人なんていないし、仮にいたら私の立場で何とかする」
皆それでいいんだ…優遇され過ぎ!とかありそうだと思ったけど無いっぽい。なら気にしなくて…いいのかな?
ちなみに予算の話だが…部費を増やしまくるのは流石にちょっと問題なので別な手を使っている。
ゲーム開発部は【怪物】を討伐した英雄。英雄に対する特別報酬という形だ、異論は認めない。
ユウカも負い目があって個人資産を密かに使っている、知ってる人は知ってるが特に何も言わない。
ミレニアムの未曽有の危機を救ったのだから、異論は認めないというか異論があるはずがなかった。 - 120二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 00:05:21
どんどんモモイが回復していってる……よかった
- 121二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 01:22:27
モモイがあと少しで完全復活☆パーフェクト才羽様に
- 122二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 09:43:07
この調子でそのまま元気になって…
- 123二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 18:53:04
ほし
- 124二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 21:40:20
────
モモイはゲームは大好きだがそこまで上手くはない、楽しければいいという考えだ。
しかし当然勝ちたい欲求もある。いくら楽しければいいと言っても負けが込むと不満。
対戦アクションやリズムゲーではユズという絶対強者がいてまるで勝ち目がない。
それにユズ程ではなくてもアリスもかなり強い、精密な操作が得意で単純な計算なら一番速い。
特にRPGへの情熱は人一倍だ、新作RPGはアリスに操作を任せて後ろで皆で見守る形になっている。
アリスとの対戦は勝てる時は勝てるがトータルだと普通に負け。ユズが女王なだけでアリスも強者だ。
双子のミドリには前は対抗心を燃やしていたが、少しミドリの方が上手いのが悔しかった。
芸術…何か描くタイプのゲームはミドリが強い、モモイも描けない訳ではない、描けるが分が悪い。
ミドリの方が要領が良くてゲームへの理解も早かった。モモイは負け続けると叫びはしたが…
上手下手自体はそこまで気にしなかった。だが今は気にするようになった。
どうしても誰かと自分を比較してしまう。ゲームが大好きでも実力ならばゲーム開発部最弱で間違いない。
楽しいのは本心だが…何をやっても弱くて話にならないクソ雑魚無能と卑屈になりテンションが下がる。
皆も察しているが…それで手を抜くのは失礼にも程がある。愛するモモイに舐めた真似は出来ない。
折角ゲームを楽しんでいるのに卑屈さが上回ったら…皆モモイがゲームを止める可能性が怖かった。
今のモモイは、以前は多かった困ったらレバガチャをせず落ち着いてプレイしている。
コンボを覚えれば普通に勝てそうで冷静なのだが…自分を低く見過ぎて変化に気付いていない。
ゲームを切り上げて読書に移り、楽しそうにページを捲る事も増えてきて…正直な所、皆とても不安だった。
読書は良い、良いんだけど…もしゲームから完全に気持ちが離れてしまうと…ゲーム開発部としてどうなるの…?
モモイにはゲームを楽しんで欲しい、大好きだった情熱が失われるのは心が苦しいし…先を想像したくない…。
ミドリが提案した。もっと大人数で遊ぶゲームはどう?新鮮じゃない?と。
それに現実的でゲームとは分けると知っている。大丈夫なはず。
モモイは確かに四人以上で遊ぶ事は殆どない、気分転換になるか…とミドリが用意したゲームを遊ぶ事にした。 - 125二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 21:54:49
なんだろう?ボードゲームのカタンとか?
今のモモイなら頭脳戦と心理戦がメインのゲームはすっごく強そうだ - 126二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 22:56:08
ミドリ提案の大人数で遊ぶゲーム、誘われた皆も興味を持った。
所謂人狼ゲームの類。味方陣営は敵を全て見つけるか、全滅前にタスクを終わらせ逃げ切る。
敵陣営は相手をバレないように倒し、妨害しつつ全滅を目指すゲーム。
マキやハレ、ユウカやネル達、先生も参加し人数はクリア。当然だが場所は離し、モモイは不安ながらも頷いた。
ゲームは人数分ユウカが即揃えた。疑う…大丈夫?と思ったけど言ったのはあのミドリ。所詮ゲーム、気楽に。
騙す…モモイは思う所があったが所詮ゲーム…現実との混同は馬鹿げてる。皆来てくれたんだし全力で。すぐ切り替えた。
…モモイが味方陣営でも敵陣営でも滅茶苦茶強い。強過ぎて皆ビビった。
味方陣営だと「ごめんね…それ変だよ?さっきの状況や証言と食い違う」と視点の差故の些細なミスを見逃さない。
ミスはないと思っても独特な視点で疑いを持ち、情報を整理して持論を展開し説得力…求心力で信用を得る。
実際にモモイが疑った人は敵側な事も多く、敵陣営は悪いけどモモイは早く倒した方が…と葛藤した。
敵陣営だと異様に強い。行動的な仲間に任せ潜伏、自然に会議を先導し敵なのに味方視点の発言ばかり。
皆信用させて密かに妨害工作開始。混乱を起こしアリバイを用意しつつ粛々と排除に移る。
意識外のモモイに突如やられた人は「うあぁああああ──なんで──!」とコユキ化した。
アリスは「モモイはずっと一緒でした!絶対味方です!」と信じてたのに最後に「ごめんね」…何度もあって泣いた。
賢い人の集まりで思考も本気だが…発言も態度も一切問題ない、隠蔽が上手く現行犯しか…。
だが慎重、敏感に気配を察して人読みも正確。妨害で強制的に状況を崩し、闇討ちしながら平然と合流。
状況証拠で疑われた場合、誰かを巻き込みつつ疑念を淡々と告げて皆頑張ってねと潔く去る。残ったのは互いの不信感。
意地でも置き土産を残すモモイ。まだいる仲間は疑心を利用し勝利に繋げた。
大活躍だったと褒められても、皆のおかげで自分は別に…と認めなかったがゲームは物だ、勝敗もリプレイも残る。
見れば何が決定的だったかは明白、身内だけでも証拠があると流石に反応は違った。
「求心力?洞察力…?…そう、私も良い所はあるのかな」と呟いた。
またやろうと言われ「また…ふふっ、そうだね」と笑って答えていた。 - 127二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 23:07:44
心理戦強者モモイ
いや本当に強いな!? - 128二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 23:09:37
アモング・アスクイーン、モモイ爆誕
- 129二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 23:13:07
色んな人とゲームを楽しんで、笑っている…!あの数パートずっと地獄みたいな状況だったモモイが…!!(テマエナキマス!)
- 130二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 08:49:55
朝保守
- 131二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 15:47:29
その画像この後スンッ・・・ってなりそうで怖いんですけど…
- 132二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:10:26
念の為保守
- 133二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:55:34
────
少し落ち着いて考えてるんだけど、実は異様な強圧は今も普通に出そうと思えば出せる。
壁に試したら変な音がした…心に馴染んでるみたいで…ミドリ達には話してる。
人に向けたらまた…恐怖させてへたり込んじゃうかも、実績が多くてそんな気がする。…でも今までとは違うよ。
悪意とは明確に折り合いを付けたから。勝手な断罪は二度としないと強く心に決めた。
…今でも許せないよ。でも私が感知しても即座に動く事ではないと反省してる、第三者だし。
でもそれ悪意を向けられた誰かを無視するって事?それも私は納得いかないんだよね。
だから…その中間。悪意を向けられた誰かが苦しんで助けを求める感情を感知した時…仲裁に入りたい。
脅しもしない、話し合いで解決出来るならそれがいい。この力は最終手段、暴力的で危ないから。
力が残ってるなら【怪物】との因縁は断ち切れてないのでは…とは全く思ってない。
断ち切ったと強く思う心が大切なんだよ。徹頭徹尾…奴との因縁は悪意だった、私が揺れない限り断ち切ってる。
そして悪意に対する決して揺るがぬ意思…冷静に理性で分別し、誰かを守りたいと願う心。
【怪物】の影響じゃない…私が必要で力を維持してるの、守る為に。奴の影はいらない、二度とその面見せるな汚物。
愛する皆に危機が訪れた時は躊躇なくこの力を使う。それでも暴走させず、常に理性で制御しながら。
鎮圧では優秀じゃない?物理的じゃないから…あのネル先輩ですら動けなくなる程に通用した。
戦意を喪失させる程度の力はいる。だから心の武器は手入れしてる、手入れがルーティンな気もする。
鋭利に研ぐのは殺す気だったから。もうそこまで鋭くしないよ、殺意のないただの定期メンテナンス。
一番信頼する銛はもう一種類用意した。切っ先が丸いやつ、まあ投擲すると壁が砕けそうな威力はあるんだけど。
鎖を更に長く強化して、相手を束縛し完全に動きを止めるのがこれの主な用途かな。
元々の銛は真の敵への必殺。【怪物】のような…必須だね、もう何の脅威もないと言い切れるの?…それに相棒だから。
…守ると言ってもエゴに過ぎない。誰かを守って安心する顔を見て、私も安心したいから。ぜーんぶ自分の為。
自分に自信がない癖にエゴは超強いって何?変な奴。変だから病院行って今も薬飲んで休んでるんだけどね。 - 134二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:05:56
五感でほぼ感知不可能なのに物理的な威力もあるのか……
本当にただしい遣い方をモモイが決意してくれてよかったよ… - 135二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:21:03
着実に良い方向に進んでる…!
自分への罵倒もちょっとやわらかくなったような - 136二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:40:17
私はエゴも強圧も異常。物理的影響はほぼないけど心に効くから力は取り扱い注意だね。
もうしないと誓ってもやらかした事があるから…不安もどうしてもある。
何となく外の空気を吸いたくなって、散歩に付き合ってもらった。
三人とも私に付いて来てくれて…ミレニアムをゆっくり見て回った。
やっぱりミレニアムは平和、喧騒も少ないし皆私を見かけると優しく挨拶してくれる。
用はないけど色んな所を訪ねて挨拶し、ウタハ先輩が完成させた防御特化の球、あれも使って外に出た。
このペースだととてもじゃないけど全部は回れないくらい大きいし広い…流石は三大校。
危険そうなものは周囲になく安心して散歩出来る、これも皆の気遣いかな?
ふと…外の花壇が目に留まった、綺麗な群れ咲く紫の花…ミドリから聞いた。
ジャノメエリカ。ヒースとも言う…【嵐が丘】で印象的だったヒースの花だ。
花言葉を知って動揺した記憶がある。孤独、寂しさ、裏切り…全部該当してたから。
何か忘れてるような気もするけど…今はこれらの花言葉は当て嵌まらないと思っている。
もう孤独も寂しさもない、心境を打ち明けて一緒に過ごす愛する仲間達がいる。
裏切り…前はかなり悩んでいた。私は裏切り続けていたと思ってた、この花を見た後の入院中もずっと。
でも皆は違うと言ってくれて、あの後も大きな失敗をしたけど…今度こそ裏切る行為はしないと決意してる。
忘れてるよね…「ヒース…ジャノメエリカの花言葉って何だっけ?孤独寂しさ裏切り…」と以前のように指差して聞いた。
「後は博愛だよ。紫のエリカには閑静、静寂って意味もあるの。あの時は…色にも意味があるとは教えてなかったかも」
「それだよありがとう。閑静と静寂…そんな意味もあるんだ。紫は落ち着いて気品が感じられるから?」
「そうかも。紫は何となく神秘的で…高貴なイメージがある気がする」
目を閉じ今の言葉を考える。博愛、閑静、静寂…これは強く意識したい。
私はエゴ。どんな時も…この力を使うべき時も自分の為。でもそれが博愛にも繋がってくれればいいな…。
閑静、静寂。冷静に自分を制御して…力も暴力じゃなく静かで平穏な決着を望んでる。
ありがとうヒースの花。あの時…とうの昔に伝えてくれたメッセージだったんだ。
私に色んな教訓を与えてくれる…本当に綺麗で良い花。 - 137二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 10:22:02
花言葉って複数あるからね…
花によっては枯れてから意味が変わったりもするのもあるし本数によっても変わったりするのもある - 138二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:18:15
保守
- 139二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:01:13
────
部室に引き籠もり沈み切っていたモモイを心配したミドリは医師に相談していた。
余りにテンションが低いと問題も多い、少し気分が上がるようにと慎重に薬を調整した。
モモイは病名も病状も様々だが、その中の一つ…躁状態と鬱状態を繰り返すのも大きな特徴だ。
モモイは落差が激しく、差が激しい程気分が変わった時に体調不良も強く出やすい。
薬の効果と感謝状、新たな友達、大人数でのゲーム…嬉しい事が続いてモモイは気分が上がってきた。
極端に高ぶるのも危険だが…そこは皆が全力で守り、激しくなり過ぎないように抑える。
モモイもなるべく冷静でいたいから、変だと思ったら指摘して欲しいと皆に頼んでいる。
散歩する気分になって、遂に部室を出るまでに調子が良くなってきた。
とある日…モモイはシナリオを書いて感想を知りたい、ゲームとして公開したいと言い出した。
やはり他者の評価を求めている、拒否する理由はないが…モモイが思っていた心配事を話してくれた。
評価は知りたいけどアンチコメが怖い、間違いなくショックを受けるから見たいけど見たくない…。
批判されると悲しいからコメント自体をほぼ無視していたモモイが…変わったものだ。
だがその変わった今のモモイのシナリオは興味がある、何だか凄そうな気もする。
ただ気分は良くても身体は全然追い付いていない、短めにすると決めて久々にゲーム開発が始まった。
短めでもどんなシナリオかがわからないとイラストもプログラミングも何も進まない。
ジャンルは決まってるの?と聞くと「多分ADVがいいかなぁ?」と返ってきた。
頭使うと疲れが早いよー、弱くなっちゃったと嘆きつつ、澱みない速度でキーボードを叩き続けている。
人狼ゲームではかなり頭を使ってた気がするけどどうなの?と疑問に思っても誰も聞かなかった。
リオ会長のような速さであらすじを書き上げ「ざっくりこんな感じ?」とシナリオを見せてきた。
アリスはテストプレイで感想を聞きたいとの理由に納得し、皆の応援に徹した。
モモイはまた書くのに集中し始めたが、読んだミドリとユズは明らかに暗くなった。
…そんな気はしていた。今までのゲーム開発部の作品とは全く方向性が異なるだろうと。
正直に言えば気が重いのだが…モモイは真剣そのもの。ならばどこまでも付き合おう、当然の事だ。 - 140二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:04:51
なんとなくゲームシナリオの方向性の予想はつくけどお口にチャック
- 141二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:09:38
高らかに人間讃歌をうたってそう
- 142二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:32:29
ミドリとユズの反応からするに、とんでもないシナリオなんだろうな...
- 143二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:37:58
鬱シナリオだけどとても綺麗なんだろうな···
- 144二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 23:52:56
モモイも方向性が大きく変わる自覚はあり「今のファン…離れないかなぁ…」と不安そうだ。
「極端なのを楽しんでる人もいたから安心して?離れる人がいたとしても…新たに来る人もいる」
「アンチコメは事前チェックするので大丈夫です!モモイは自信を持って書いてください!」
「…まあ少しは自信がないとね…錯覚でも自信があると思いたい…」
「錯覚でもいいんです!あると信じれば本当にあるものです…見えていなかっただけで」
「ありがとう、そうだといいな…」とまだ自信なさげだがタイピングは物凄い速度だ。
少し待つと「途中まで出来たから…これで進めてくれる?」とシナリオを渡してきた。
モモイは自信がなさそうなだけだが、ミドリとユズの空気は更に重くなりアリスは心配になった。
二人はどんよりしながら…自分の感情を叩き付けてるのかなぁ…だとしても自覚は無さそう…と思っていた。
ミドリとユズも真剣に動き始めた、皆本気で進捗はかなり早い。アリスはモモイを励ましてる。
二人とも全然終わらない内にモモイが「大体出来たかな」と言ってシナリオを早くも一通り完成させた。
ミドリは一旦手を止めて目を通し「ねぇ…これ…セミナーにも通すんだよね…?」と不安そう。
「ユウカに頼むしか…ノア先輩は…見たら危ないんじゃないかな」
「…ノア先輩?…忘れられないから?その可能性が…?なら配慮して…ユウカしかないね」
「ユウカ…。これエンディングはどう分岐するの?」
「操作するプレイヤーの選択次第で…三つあるね。短めだから少ないの」
「わたしも…今の作業が終わったら読むね」とユズは暗いのを抑えてる。
不穏な気配しか感じられずアリスは気になっていた。ノア先輩は見たら危ない…?
しかもモモイはミドリに指摘されるまで危なそうだと気付いていないようだった。
こんなの何も問題ないでしょ的なノリ?モモイは凄い経験をし過ぎて…感覚が麻痺してる…?
ミドリはお姉ちゃんは装置も【怪物】も悪意も全部乗り越えて…大丈夫の基準値が高過ぎる。
この程度は何でもない…元々現実と創作は明確に分けるタイプだし、尚更こうなのかな…。
一通り読んだけど、これダメでしょとは言いにくい…暗さを見せないようにしないと…と同情的にアリスを見た。
テストプレイは楽しみだが…ミドリとユズの暗さがとても不安だった。 - 145二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 23:57:07
そっかーノアちゃんが見るとヤベー感じのシナリオかー
- 146二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 01:15:28
追いついた、何書いたオマエェ!
- 147二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 10:34:40
保守
- 148二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 10:37:21
- 149二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 19:39:11
アカン(アカン)
- 150二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:12:08
なにとは言わんがこの新作ゲームは一人で作ったわけじゃないからアレと同一というわけじゃなかろう、うん
- 151二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:17:34
全容を知った二人は修正か追加を希望したかったが…全て諦めて死んだ目で手だけ動いている。
本人も気付いていない…優しい目のモモイの謎の気迫に敗北し言いたい事は露と消えた。
モモイは推敲と描写不足がないか画面に集中し、二人の暗さを知らない。
沈んでも意地でモモイには隠し切った、折角のやる気を削ぐな。作業は加速し完成に近付いた。
二人はシナリオを通してモモイの闇の一部を直接見てしまった気分だった。
ミドリはスチルを描く時が憂鬱。ユズは作業中何度も文章を読み疲弊。
二人はよく理解している。自分達なら全然軽くない、けどモモイならば軽い作品なのだと。
これのヤバい部分はもう諦める…これも書きたい事だろう、実際の発言も含まれてるから。
でも体調を考慮した短編にした、短くて全部表現し切れてない。知っている…悍ましい闇に欠けている。
これは氷山の一角に過ぎず…暗い心の深淵が作品内に溢れ出ていない。
決して満足していないはず。回復の後に…必ず本命の作品を書くのだろうと。
完成し、一通りチェックを終えて二人はベッドに倒れ伏した。
この状態で光の幻覚の恐怖は嫌。寝なくないけど寝た方がいい…?手を繋ごうか考えていると…
モモイが二人を労い穏やかに頭を撫でた、ミドリのように慈愛に満ちている。
二人は安心し…自分達が守るべきなのにごめんね…と謝りながら眠りについた。
モモイが傍で触れてくれるおかげで幻覚は弱々しい、心安らかだった。
「二人とも…本当にありがとう、疲れちゃったね。私は意外と元気で…暫くこうしていようかな」
「アリスもずっと応援してくれてありがとう。皆…私の我が儘に付き合ってくれたね」
「ゲーム開発部はモモイをきっかけに始まる事が多いんです、今まで通りです」
「前にも言われたなぁ…問題児だし先走らないように改めないと…」
「それで…このままテストプレイを頼んでいい?私もここから見守りたくて」
「勿論です、それがアリスの役割ですから。今のモモイのシナリオ…とても気になっています」
「そう…?期待に応えられるといいけど…じゃあよろしくねアリス」
気になっている…事実だが期待半分の不安半分だ。アリスは見守られつつ、覚悟を決めて準備を始めた。
嫌な予感しかしないが…やってから判断しよう。良い結末を期待し…テストプレイを開始した。 - 152二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:20:59
鬼が出るか蛇が出るか…
- 153二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:36:00
アリスのために祈ります!(先行入力)
- 154二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:40:11
アリスの今までの経験が拒否反応を起こすか
アリスのスポンジマインドが吸収して魔王アリスが爆誕するか…… - 155二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 23:54:26
起動し…タイトル画面が表示された。赤と黒の背景にタイトルは【懲…】の多分二文字。
懲の次の字がブレてわからない。懲…何となく思い当たるものはあるが、初めからを選択。
主人公には自由に名前を付けられる、どう見てもモモイそっくりな女の子がいる。
ならば現実と同じでいいだろう、素直に「モモイ」と入力した。
主人公が静かにニュースを見ている場面から始まった。
どうやら路上で爆弾を何個も爆破する事件があったらしく、負傷者もいるようだ。
回想が入り…主人公の紹介か、明るく元気で優しい子という印象。現実のモモイに限りなく近い。
友達と遊ぶ様子も見られる、現実の社交性もゲームに反映されている認識で良いのかも。
それと正義感が人一倍強かった。世の中の多過ぎる様々な事件に心を痛め、被害者に同情していた。
被害者が可哀想…この人達は悪い事をしてるんだよ?どうして平然としているの?
それが過ちだと分かっているのに…敢えて行う理由は一体何なのかな…?
警察はいるけど嫌い。全く機能していない、職務怠慢で目の前で何かあっても見て見ぬ振り。
この人は悪くないと雑な理由で決め付けて、苦しむ人がいるのに面倒だからと無視してる。
こんな理不尽あっていいの?取り締まる人が怠けるから、悪い人は増長し日々事件が起こり続ける。
秩序が崩れた世の理不尽に苦しんでいる、他人に寄り添える…心優しい子で間違いない。
そして…主人公も過去に嫌な経験があった、被害者なのに逆に警察に疑われている回想。
「…被害?確かに傷は見られるが…この場には私が来た時から君一人しかいないのだが?」
「他に人は?一緒にいたと証明は出来るか?出来ない?まさかとは思うが…この私に嘘を吐いてはいないか?」
「自分で傷を付けたのではないか?被害者ぶって…この私を騙す意図は無いと言い切れるのか?」
事前に警察がかなり酷いとは聞いていたが…この警察は性格も態度も最悪の類、出会うのがこれとは運がない。
情報もまだ何もない、駆け付けたばかりの段階で一方的に怪我をしている子供を疑っている。
疑いたいのはこっちだ。騙して汚職してはいないのか?潔白な警察だと言い切れるのか?醜い大人で気分が悪い。
後で犯人がいると判明し疑いは晴れたが…主人公が警察に強い不信感を抱くには余りに十分な出来事だったようだ。 - 156二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 23:57:40
既に色々と透けてる!
- 157二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 07:08:36
モモイとしては一番知っているのが自分の心の動きなんだからまあ仕方ないとして
ミドリ!なんで主人公の見た目をモモイにした!! - 158二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 07:10:09
モモイのオーダー説
- 159二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 11:49:31
まだ…ちょっと暗い作品で済むから…
- 160二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 13:48:06
それで済むか?ほんとに済むのか??
- 161二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 14:55:04
思いがけぬところからまた新たなモモイの鬱ゲーム概念が生まれてる…
- 162二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 20:08:20
シマイの香りがするんだけど何?
布団大福いっとく? - 163二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:26:06
悪い人達が世の中に平然とのさばっている、無辜の市民が傷付き治安は悪くなる一方。
本当に理不尽だよ、警察が碌でもないから自警団もいるけど…抑止力として不十分。
善性のある人達が頑張っても人手が足りない、悪い人達は多いし好き勝手振舞えるから有利。
基本的に事が起きないと対処出来ず、止めたくてもほぼ後手に回るしかない。
…私も自警団に入ろう、昔より成長して…少しは戦える。戦いの才能はないし弱いけど…。
私一人がどの程度の戦力になる…?精々一人分、自分を高く見積もってはいない。
僅かでも力になりたい。世の理不尽さ、不条理さを止めたい…努力しよう。
思い立ったら即行動、自警団に志願し快く迎えられて…私も皆を守れる人になると決意した。
悪い人達が多い…モモイが言っていた話だ。平和な環境で知らなかっただけで世に悪人は多いと。
考え方が大きく変わっている、悪意だけじゃない悪…モモイの心境の一つなのは確かだろう。
始まったばかりで一々考えて手が止まるのは良くない、考えつつ動こう。
自警団に入った主人公は事件が起こらないように、起こっても被害者を助けられるように行動を始めた。
ここからプレイヤーの意思で操作も出来る、どこに行って何をするか決められる。
自分を鍛える訓練もあるみたい、才能がないと言っていたからこれも選択肢としてアリだ。
アリスは、誰かを守る為にはまず自分が強くないといけないと考えている。身体も心も。
ならばまずはと訓練を実行した。身体を鍛えつつ武器の扱い方を勉強している。
この世界、現実と違い全員が武器を持っていないし必ず武装が銃な訳でもない。
剣や槍、盾や鎧など様々。超能力も存在するらしくファンタジー的要素もあった。
超能力の詳細はわからないけど…武装は自由に選べる。育成や戦闘もあり、ADV…?色々混ざってない?
身体も現実より脆い…だから事件で被害者が普通に負傷していた、今のモモイよりは頑丈な程度。
主人公には何が良い?RPGのように剣と盾を持たせてみた。
これで一度見回りさせると事件に遭遇、戦いになったが犯人に簡単にやられてしまった。
幸い大きな怪我はなかったがやはり弱い。訓練ではどの武器の才能も凡庸だった。
あっさり負ける…弱者。驕ってはいない気だが…ここまで戦闘の弱さで悩む経験は乏しく方針が難しい…。 - 164二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:31:09
この『現実より脆い』と明言された主人公が同時に『今のモモイよりは頑丈』と言われてるのが、回復してきてるとはいえモモイの状態の悪さを指し示しててとても辛いです.....
- 165二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 22:37:37
- 166二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 23:23:59
追いついた。
モモイ…光に進んでるってことで、いい…よね? - 167二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 23:44:44
すぐに負けてしまう自分が情けなくて主人公は悔しがっている、才能が欲しかったと。
泣いてしまって辛い…ミドリの描いた至極丁寧な泣き顔のスチルが本当に心苦しい。
どんな手を使っても構わない…悪い人を止められる手段が何か欲しい…真剣に思い悩んでいる。
可哀想で早く何とかしたいけど…困って振り向くと眠る二人を穏やかに撫でるモモイがいた。
「どうしたの?これからの方針で悩んでる?」
「はい…何をしても凡庸でどうすればいいか…負ける度に泣いてしまうのも辛くて…」
「私の考えでしかないから実際は知らないけど、ゲーム内で良い手はあるよ」
「ヒントは欲しい?悩むのも醍醐味だけど…テストプレイでもあるから任せる」
「…少しだけ、なるべく自力で頑張りますが、悩んでよくわからなくなってしまいました…」
「いいよ。弱者の戦い…ゲリラ戦とかじゃない、そんな細かい戦術はゲームにないから」
「ゴリ押し。ゴリ押しは強い人だけの特権じゃないと思ってる、弱いからこそ可能なゴリ押しもある」
「…ゴリ押しですか?弱いからこそ可能…ありがとうございます、もう一度考えてみます」
正直頭になかった、それこそ強いから出来る事だと…弱者が無理矢理押し通る方法…。
…ちょっと思い付いた。戦闘の才がないのは仕方ない…ゴリ押す為にも必要な体力作りに励もう。
訓練で只管体力を鍛えて…警棒と盾、物凄い硬さの顔も覆う全身鎧を着込んだ。小さな身体でとんでもない重装備。
自警団の仲間は姿に驚いていたが、主人公の優しさは短い期間でもよく知っており協力した。
これで仲間と共に事件の現場に向かうと、犯人の攻撃を盾と鎧で強引に耐えながら距離を詰めていった。
他の仲間が逃げ道を塞ぎ、犯人は倒れず近付いてくる主人公にビビって降参。初めて事件が解決した。
被害者をケアしながら主人公は喜んでいた。仲間の力も借りつつ、明確に自分の力でも制圧出来たから。
自分が情けなくて泣いていたのを知っているので、今の喜んでいる様子はアリスも安心した。
この方針で体力を鍛えつつ、警棒と盾で殴る事も出来て威力もある。今後もこれでいけるはず。
欠点は重過ぎて移動速度が遅い事だが、今のように仲間に協力してもらえば多分問題ない。
フルフェイスを外しモモイそっくりの子が笑っている、アリスも自分の事のように嬉しかった。 - 168二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 08:05:53
それ自分の身体の損傷は考慮しないやつ…
- 169二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 08:48:39
めでたしめでたし!
……とはいかないのが今のモモイの精神状態なわけで - 170二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:05:31
このレスは削除されています
- 171二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 19:26:23
フルフェイスって事は基本助けられた人は誰が助けてくれたのか分かってないって事か
- 172二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:45:47
アリスは訓練と見回りを交互に継続した。仲間と助け合って事件を解決する日々。
しかし…ある時仲間から嫌な情報を聞いた。捕まえた犯人が即座に出て行ってしまっていると。
…どうして?悪い事をしたから捕まえた…当然なはずなのに、何故すぐに出所しているの?
警察はずっと嫌いだけど…証拠があって捕まえた犯人にすらこれなの?この世界はおかしいよ…。
何の為の組織?腐り切ってる…自警団が頑張ってもこれじゃ何の意味もないし犯人も反省する訳がない。
…わかってた。この世界は理不尽に満ちていて、悪人が増え続けて善人が只々損してるんだって。
誰も罰を与える人がいないからそうなんだ。人を罰する役目…それはとても苦しい事。
苦痛でも、その役割を担う誰かが居れば…罰が嫌で悪い事は起こらないはず。
本当は警察や司法がやるべきなのに、あれらは役に立たないから…その代わりが必要になる。
……私がやるのは?何の権利があって罰せるのかと考えると苦しいよ…でも必要なはずなの…。
誰もしないから…自警団の人達ですらそれはしないから、悪人達は力が強く今も勢いを増してる。
善でありたいと思う人達が常に苦しんでる。善であるという事はそれだけ束縛が多いという事。
やってはいけない事ばかり、人道を踏み外してはいけない…犯してはならない幾多の禁忌が行動を鈍らせる。
私も善の側だと思いたいし、善でありたいよ。けど…澱んだ世界を変える為には誰かが変わらなきゃ。
…私が変わろう。善に寄り添いたい気持ちは変わらないけど、善では倫理的に不可能な制限がある。
善なのに同じ善の人達が守れず、悪人達に常に劣勢。こんな不条理があっていいはずがない。
…私は自分が善である、そうありたい気持ちを諦める。悪人達を倒して罰し懲らしめる。
これは善が勝手にしていい行動ではないから…私は善の理から外れちゃうね。
でも二度と悪い事が出来ないように、私が罰を与えれば悪人は段々減っていくよね?それでいい…今そう決めた。
瞬間、画面に激しいノイズが走り赤と黒のタイトル画面が映った。読めなかったタイトルが今は明白。
【懲罰】。そう決めたから…?アリスはこの単語が怖かった、最初から感じていた不穏さを…敢えて無視していた。
モモイが以前言った言葉通りならこの先は…予想出来てしまって憂鬱…何とか回避したい…。 - 173二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 22:57:59
あかん.....なんかとあるゲームの邪悪を赦さぬ世界みたいな歪み方をしそうな気がするぅ......
- 174二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 23:21:43
ネコミミつけた阿古谷清秋じゃないか!
- 175二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 23:59:19
不安でまた振り向きモモイを見ると、モモイは穏やかに「アリス、どうしたの?」と尋ねた。
「ああ、タイトルが遂に見えたから?ノイズ演出は入れてみたくてさ、ゲームならではだし」
「ユズにお願いしたら、無言で頷いてやってくれたんだ。私のイメージ通りで凄いよ」
「物語もここから本格的に動き出す。ここまではどう?操作で変な挙動とかあった?」
ゲームに変な挙動はないが…不安が増して自分の挙動が変な可能性ならある。
アリスも見せないように注意しているが…モモイは話の不穏さなんてどうでもよさそうだ。
「正常に動作しています。このまま進めていきますね」
「良かった、この先もバグや推敲不足がないといいんだけど…」
ゲームを再開するとその日から主人公の行動は変わった、犯人を懲らしめようとする。
最初は軽かったが犯人は鼻で笑い…罰として全く足りないねと盾で顔面を思い切りぶん殴った。
痛みと恐怖で倒れた犯人を見下ろしながら、頭の横に警棒を力任せに叩き付ける。
「あなたは…無事で帰りたいなと思う気持ちはないのかな?」と淡々と脅している。
身体が小さいとはいえ、フルフェイスの全身鎧は威圧感が凄まじい。懲罰なのだから怖くて当然だが。
恐怖と危機を感じて赦しを乞う犯人を見て主人公は認めた。「顔は覚えた。次はないと心に刻んでね」と。
この変化には自警団の仲間達も驚愕し、反応は賛否両論だった。
流石にやり過ぎではないかと否定的な者もいれば、活躍しているしこれなら抑止になり得ると肯定的な者も。
だがそもそも自警団は世の在り方が不満で結成されている、変化を齎す主人公に肯定的な者は多かった。
それにこの変化がなくても、主人公は既に仲間からの評価は高かった。元々の性格と戦い方。
小さな身体で攻撃を受け止めつつ、一直線に相手に向かう。戦い方は雑に武器や盾を使うだけだが頼もしかった。
威圧的なあの姿を見ただけで怯む相手も割といる、自分ももっと頑張ろうと仲間の士気に貢献していた。
自警団のリーダーも、主人公は功績が多く人望もあると否定しなかった。正直行動もわからなくはないから。
しかし主人公を信奉する者が少なからず現れ始めている。もし勢い付いて先鋭化すれば…ここは危険視していた。
主人公本人にそんな意図がないとしても、周囲の人間の動向はまた違うものだから。 - 176二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 00:03:49
あくまでもモモイはスレ画みたいな穏やかな笑顔浮かべてるんだろうなぁ……
- 177二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 00:05:47
- 178二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 11:06:59
なんかゼインみたいなこと言ってない…?
- 179二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 11:09:51
信奉する者たちが信奉の対象の望みに反した形で先鋭化するのも稀によくあるからな…
- 180二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 11:11:57
- 181二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 17:27:48
じゃけん……私ちゃんが法になりましょうね
- 182二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:43:23
主人公は悪人に容赦がない。脅して怪我もさせるが、警察に言い訳できる余地は残していた。
否定的な仲間以上に、大きな変化を求めて主人公を応援する仲間が増えていった。
リーダーも勢いが増してきたと感じていたある日、主人公は仲間達を一箇所に集めた。
「話があるの。重要な話だけど…嫌悪する、聞きたくないと思う人もいるとわかってる」
「でも…皆世の中に不満だよね?悪人が堂々と蔓延る理不尽、不条理が気に入らないよね?」
「正義感の強い皆なら…きっとわかってくれると信じてるよ。静かに聞いてくれると嬉しいな」
「皆知ってるはず、この世は悪人が一番得をする。善人だけが損し続ける社会」
「警察も司法も機能せず悪人がのさばる、自由だからより思い上がる」
「私達…善側と表現するね。善側はいつだって強制的に不利、人手不足で後手に回るしかない」
「それに…私達は善人でありたいと思う気持ちがあるよね?善が善である為には縛りが多いんだよ」
「倫理に反するから取れない行動…無数にあるでしょ?でも悪人に縛りなんて一切無い」
「世が悪人に傾いて大勢力なのに、善側だけ縛りが多い…これじゃ劣勢なのは当たり前」
「私は意識して変わったの。まず悪人を罰する者がいないと、悪事が消える日など来ない」
「知っての通り…懲罰は私がやってる。葛藤してるよ…断罪は善に反する利己的な行為だって」
「でもね…ここが重要なの。善側は常に劣勢、この絶対的優劣を覆す方法は?」
「私の結論は簡単。善である限り悪は倒せない、真に悪を倒せるのは悪しかいないんだと」
皆動揺した。言いたい事はわかるが…善を捨てて悪になる…?自分も醜い悪人に堕ちるだなんて嫌…
けど不条理への対抗手段でもある…悩みを既に予想していた主人公は優しく話し始めた。
「善を捨てろとは言わない。善人と言っても完璧な善人は存在しない、善じゃない部分も必ずある」
「善性の中の、どんな人も持つ悪感情…悪を自覚する。悪人が許せないと思う心も悪感情だし」
「悪人と対峙し、心の小さな悪を意識し引き出す。これでやっと対等になり打倒出来る」
「僅かな悪を解放し、悪を凌駕する悪にほんの一瞬だけなるの」
「極普通の感情なんだから…思い詰め過ぎずに意識してみない?…みんなの平和の為に」
「私の話は終わりだよ。受け取り方は皆に任せるね」 - 183二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:57:48
(これ間違いなく今の覚醒モモイの内心だな……)
- 184二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:53:23
主人公の演説は…感じ入り士気が上がる者が多かった。悪になる。抵抗はあるが…
悪は普通で、どんな善人でも持つ感情だという言葉に救われたのも理由として大きい。
悪を一瞬だけ出して悪人と戦い、平和の為に使う。それならばいいのではないかと賛同した。
賛同者が多いのは当たり前だ、元々主人公を支持していた人がこの場には多い。
支持者の一部は知ってすぐリーダーや否定的な一部の人には遅れて情報が伝わるようにしていた。
その結果、リーダーが騒ぎを知って来た頃には…最早止められない勢いになっていた。
主人公を自警団の精神的支柱、新たなトップにしようとの声が大きく、否定的でも何も言えない。
リーダーは先鋭化を恐れていたが…既に熱狂的でどうしようもない。
想像以上に派閥の完成が早い。元来の性格に求心力まであると非常に派閥の上として強い。
戦闘の才の無さに嘆いていたと知っているが…全く別の才があった。
それに否定的な人と言うが…行動がやり過ぎだと思うだけで、仲間としては否定していない。
すぐ賛同もし難いが…同じ世の理不尽に抗う仲間、明確に否定せず保留したいと言う人も現れた。
リーダーは肯定的な考えだが、この場では保留とし共に戦うのは変わらないと認めた。
考え方は色々あって当然。どうあれ仲間は仲間、一先ず意見の違いも終わりとした。
最悪内乱も覚悟していたが…排他的にならず全ての仲間を平穏に受け入れたのは人徳の為せる業か?
トップに一番必要なのは人望…声に従いリーダーの座を譲り、副リーダーとして補助に徹するようだ。
モモイが自覚して書いているかは知らないが…現実のモモイも味方を引き込む力はある。
説得力や求心力については…人狼ゲームでアリスは特に才能を理解した。…何度も引っ掛かったから。
アリスは知る由もないが…演説のスチルを見たユズは、アリスを救う為に皆をまとめたモモイを想起していた。
それはまあいいとして…主人公がリーダーになるのはいいが派閥が大きいのは怖い。
主人公の為だと暴走する人は出ないのか?不安はある…演説の情報を一部に遅らせたのも独自の動きだから。
危険そうな要素まで含めて主人公が抑えられるといいが…その才はどこまであるのか…。
この勢いのまま大事になると危ない。アリスはプレイヤーの適切な選択で制御出来ないかを考えていた。 - 185二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:55:44
危ういバランスだぁ……これは続きが気になる
- 186二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 09:29:54
保守
- 187二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 16:38:07
保守
- 188二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 18:24:03
そろそろ次スレかな…?
- 189スレ主24/08/13(火) 22:59:13
- 190二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 22:59:17
自警団の中心は主人公になったが…選択肢が結構多くて悩ましい、選択で制御は可能だとも取れるが。
少なくともこの勢いで見回りすると危険なのは明白。
アリスの意思としては…過激な行動も懲罰も支持者の行動も全部控えて欲しい。
懲罰も支持者の暴走も行き過ぎると最悪な予感しかしない…上手く抑えたいと考えていた。
主人公の懲罰意識は強くて改めるのは無理かも…ならば支持者が暴走しない為の対策が先?
勝手な行動を控えるような…何か選べないか調べると、自警団に関する設定が色々あると気付いた。
これだ、この中にも様々な項目がある。過激な選択肢も、平穏な選択肢もあった。
過激は論外。一番平穏そうな、皆に話をする選択肢を選んだ。
主人公は自警団員の活動は今まで通りでいい、特に変える必要はないと伝えた。
急激な意識改革は大変な事。悪人としっかり戦う為に、今は気持ちを落ち着ける雌伏の時だと。
あの演説は少しずつ整理して飲み込んでくれると嬉しい、決して焦らずいこうねと主人公は優しく語る。
支持者もまだ支持するとは言えない人も、時間がいるのは共通認識なのか…皆納得して話を聞いていた。
それと規則も選べた。主人公は懲罰する立場、罰する者は冷静で公平に判断すべき。
仮に仲間が悪人と同じ事をしたとして、仲間だからと見逃すのはそれこそ道理に反する。
親しき中にも礼儀あり。仲間だからこそやってはいけない事もあるといくつかルールを設定した。
人道から外れてはいけないという、人として本来当然の道徳的ルールが多い。意義など全くない。
懲罰は主人公だけが行うのもルールの一つ。勝手な断罪の咎を他の誰かが背負う必要はない。
全て私がやるから皆は報告だけしてね、皆が葛藤して苦しむ必要はないよとこれも諭すように穏やか。
一番嫌で辛い事を率先して行い、自分以外はやらなくていいと言う。
自分も苦しいはずなのに仲間を守ろうとしてくれる…心優しいリーダーだと皆の信頼を得ていた。
全体的に落ち着きがあり、特に誰も目立つ動きや独断専行をする気配がない。
熱狂的だったのに意外と静か。雌伏の時…納得する理由と確かな優しさでより信頼されたから?
だがモモイも…こうして一人で抱えて余りにも深い傷を負った。
アリスはよく理解しているから…主人公も同じ道を進まないかとても不安だった。 - 191二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:45:55
えと、埋めでいいですよね?
- 192二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:46:43
梅でいいねー
…地獄だなぁ…(ゲーム内容を見つつ) - 193二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:46:55
うめ
- 194二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 01:35:10
ウメ
- 195二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 04:10:04
ウーメン
- 196二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 06:10:10
うめ
- 197二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 09:45:45
埋めましょう…
- 198二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 09:56:06
埋め
- 199二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 11:09:11
埋め
- 200二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 11:30:59
次スレへGO!!!
埋め〜