【SS】最後の光景は美しいままの君だった

  • 1二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:51:32

    君と出会って一体何年の月日が経過したのだろうか

    廊下で落としたトレーナーバッチをきっかけに君と出会い 始めて担当したウマ娘だと言うのに 持ち前の才能を遺憾無く発揮してくれた君は新人トレーナーの俺に早速三冠トレーナーと言う栄誉を与えてくれた

    トレーナーとウマ娘としての関係でしか無いと思っていたけど 卒業後も君は俺の元に付いてきてくれて 気づけば恋仲になり 結婚をし 子宝にも恵まれ 家族皆で色々なことをした
    でも、俺のそんな人生の旅路もいよいよ終わりを迎えるようだ。

    「・・・・・・あぁ・・・・・・悪いな・・・・・・俺だけ・・・・・・こんなヨボヨボのじいさんになっちゃって・・・・・・」

    「気にしないで欲しいな・・・貴方はいつまでも私の大好きなトレーナーさんであり 夫なんだから・・・・・・」

    もう力の入らない手を優しく握ってくれる君の優しさにこれまで何度救われてきたのだろうか でも、もうこれが最後なのだと思うと悔しさが溢れ出る。

    「俺達人間も・・・ウマ娘みたいに若い期間が長ければ・・・もっともっと色々なことを出来たろうし沢山デートができただろうに・・・悔しいな・・・」

    ウマ娘と言う種はただの人間よりも衰えが来るのが遅いと言われている だから今目の前にいる君も 出会ったあの日のように 美しい姿のままだ
    そんな君を俺だけが独占できたのは この上ない幸福であり 男としての勲章だ。

    「生まれ変わっても・・・また君に会いたいよ・・・ずっと待ってるからさ・・・」

    「私も同じだよ でも、生まれ変わって私以外の人と付き合ってたりしたら 許さないからね?」

    妻は非常に嫉妬深いウマ娘だ 若い頃付き合いでいったキャバクラの名刺を見られた時はめちゃくちゃ怒られたし その日の夜は寝かせてくれなかったよな 翌日も仕事だったって言うのに、愛情深くて困った妻だ 君は。

    「分かってるさ・・・俺は先に行っちゃうけども・・・君はゆっくり 俺の後を追うんだよ・・・」

    「嫌だな・・・もう君の好きだって言葉が聞けないのは・・・」

    妻の瞳から涙が零れ落ちる もうあの頃のように連発は出来ないが 言ってあげないと彼女が可哀想だ

  • 2二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:52:07

    「・・・・・・愛してるよ・・・・・・フジ・・・・・・」

    「っ・・・・・・ずるいな・・・・・・最後の最後で好きだなんて・・・・・・絶対来世でも君と結婚するからね・・・・・・約束だよ・・・・・・?」

    「もちろん・・・出来れば今度は同い年に生まれて・・・一緒に死にたいな・・・俺だけ先に行くのは・・・やっぱ嫌だな・・・」

    妻であるフジキセキの涙が何粒も俺の手に零れる その涙が暖かくて 言葉を紡ぐ力も 目を開ける力も段々と薄れてきた でも、言わないと 俺が生涯想い続けてきた 君への愛を。

    「大好きだよ・・・フジ・・・」

    「私も大好きだよ・・・トレーナーさん・・・!」

    本当に最後 振り絞って開けた瞳には世界で1番美しい俺の妻 フジの涙混じりの最高の笑顔が映り込み 愛の言葉と共にその笑顔も段々と薄れていき 俺の生涯は幕を閉じた。

    願わくば 愛する妻 フジキセキとまた 来世でも出会えますように。

  • 3二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:53:27

    お目汚し失礼します 初めてあにまんでSSを書かせて頂きました
    ウマ娘はサイヤ人と同じように美貌を保つ期間が長いと思い 私の推しであるフジを題材に書かせて頂きました

  • 4二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 22:55:06

    応援スレに推薦しておいたゾ

  • 5二次元好きの匿名さん24/07/29(月) 23:03:40

    >>4

    推薦して頂きありがとうございます!

  • 6二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 01:21:53

    これがMTRってやつか…
    お互い最後まで独占欲たっぷりでいいね

  • 7二次元好きの匿名さん24/07/30(火) 05:37:40

    添い遂げるって良いね……

オススメ

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