- 1二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 00:18:34
「媚薬効果があるって知ってた?」
「っな……!び……っ!?」
彼女は顔色ひとつ変えず、先程日付が変わった瞬間に私が贈ったボンボンを、ひとつつまみあげて続けた。
「なんでもチョコレートには、恋愛化学物質が含まれているんですって」
私だって伊達に毎年チョコレートを手作りしているわけではない。調べる過程でそういった情報を耳にしたことも、あるにはある。しかし───
「それは作用しないと、科学的に証明されているはずだろう?」
「さすがハヤヒデ。その通り、恋愛化学物質─フェネチルアミンは、消化の際に分解されてしまうから脳に作用することはない。でも──」
いつもの穏やかさを残したまま、彼女はニヤリと笑って私を捉えた。
「そこまで知っているのなら、後の研究結果も知っているんでしょう?」
「……謀ったな」
彼女は「人聞き悪いなあ」とわざとらしく肩をすくめたかと思えば、私の太腿に乗せた手に重心を移し、ずいっと顔を寄せた。
「今、目の前にチョコレートがあるね」
「……ああ」
「食べてほしいなあ」
ふたつある箱のうちのひとつが、こちら側にすっとスライドされた。中には丁寧に形成されたトリュフが並んでいる。
「数年越しに導き出したレシピによる、自信作なの」
「……むう。全く、君は本当に───」
ぱくり。
顔を上げた瞬間、口の中に広がる甘み。と、ふにっとした食感。 - 2二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 00:19:10
「…んぅ……っ」
「ダメ。だって指を離したら、チョコレート噛んじゃうでしょう?」
トリュフと一緒に入ってきた指を口から出そうと彼女の腕を押すと、ぐっと力を入れて抵抗してきた。この程度、ウマ娘の力をもってすれば簡単に押し返すことができるが、私がそうしてこないのを分かってか、彼女はお構いなしと言わんばかりにその指でトリュフを転がした。
「そのままゆっくり、口の中で溶かして…」
くちゅ、とわざとらしく音を立てながら、口の中を掻き回す。
「どう?本当にキスの4倍興奮する?」
「……うぅ…っん」
「…ねえ、どっちのほうが良い?」
「…………っ」
彼女の欲しい返答は分かっている。しかし、やられっぱなしは癪だ。
「……どっちだろうな」
「じゃあ、比べて」
ちゅぱ、と口元から指が離れると、唇に温かい感触が落とされた。何度重ねても心地がいい。こんなの、比べるまでもなく──
「ねえ、どっち………?」
「そんなの───」 - 3二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 00:19:39
口を開いた瞬間、首に回された腕が急に重くぶら下がった。
「……少し酒を効かせすぎたかな」
彼女に贈ったボンボン──ウイスキーボンボンは、いつの間にかほとんどが食べられていた。
「全く、君は本当に───ずるいよ」
歯磨きもせず私の腕の中で寝息を立てる彼女の頭を撫でる。
「明日の夜は、こうはいかないからな」
バレンタインはまだ、始まったばかりだ。 - 4二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 00:21:15
ああああああ尊い…
- 5二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 00:24:41
ハヤヒデはやっぱり誘われ攻めが似合う…
- 6二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 01:11:00
ハヤヒデの夢女子…!自分以外にいた!!!嬉しい!!
- 7二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 06:55:48
良い…というかチョコレートに媚薬効果なんてあったんだな
- 8二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 08:15:48
- 9二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 09:47:54
ハヤヒデは攻め受けどっちもいいんだよな
- 10二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 09:58:29
今夜はお楽しみですね
- 11二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 15:18:03
ハヤトレ♀はもっと増えてもいいと思うの
- 12二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:08:12
いいもん見さしてもらったぜ…