- 1ぬし24/08/03(土) 21:32:25
🎲⚓️で学園異能バトル物作るpart5
舞台は現代日本
見切り発車ゆえ何もかも適当
話の展開に応じて適宜イラスト&SS錬成します
【禁止事項】
・R18えろ
・他作品のキャラ流用
・過度のキャラage/sage、キャラヘイト表現
・その他荒らし行為全般
選挙戦編いよいよ始まりました
まったり進行します
前スレ↓
🎲⚓️で学園異能バトルpart4|あにまん掲示板🎲⚓️で学園異能バトル物作るpart4舞台は現代日本見切り発車ゆえ何もかも適当話の展開に応じて適宜イラスト&SS錬成します【禁止事項】・R18えろ・他作品のキャラ流用・過度のキャラage/sa…bbs.animanch.com登場人物紹介↓
x.gd - 2二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:34:24
立て乙
- 3二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:37:20
まじでキャラ増えましたねぇ
- 4ぬし24/08/03(土) 21:40:43
《あらすじ》
ここは異能者の集う学園、私立シンボラルアカデミー。
出稼ぎのため学園に入学した成俊宇(チェン ジュンユー)はクラスメイトの天眼寺アレンから「この学園をぶち壊すために力を貸してくれ」と持ちかけられ、元野球部員のマリアンヌとともに『銃道部』を組織する。彼らは学園長を倒すため、アカデミーを掌握することを目標に掲げるのだった。
(ここからpart4)文化祭を終え、生徒会選挙に(半ば強制的に)挑まんとする俊宇だが、同じく選挙に出馬している文芸部の万姫に脅され妹の身柄と引き換えに図書館に軟禁されてしまう。俊宇を取り戻そうと反撃に出るアレンとマリアンヌ、万姫たちに因縁を持つ茶梅と泡姫、そして『主人公』の力をもって打倒生徒会長を目指す万姫と妙子。それぞれの思いが交錯し、戦況はどんどん混沌を極めていく…
《世界観》
・この学園には超常的な力をもつ異能者が存在する
・異能は入学時に学園長から与えられ、生徒全員が固有の異能を持っている
・学園には強さに対応した序列制度がある。序列の高い者と低い者とでは待遇が大きく変わる
・生徒たちは「部活」という名の武装組織を作って熾烈な派閥争いを繰り広げている
・異能は『開花』によって一時的にパワーアップする。開花は感情の昂りや心の成長に応じて発現するが一部の能力者は自分の意思で使える。『開花』を使っている最中は体に桜の花びらの形の痣が浮き上がり、花びらの枚数が多いほど能力がより強化される
相関図とクラス分け↓
- 5二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:45:04
- 6二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:46:00
新スレダァ!
- 7二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 21:46:37
増えたな(増やすか…)
- 8ぬし24/08/03(土) 21:50:26
【忙しい人のためのかんたん登場人物紹介】
《味方サイド》
・俊宇…ピーチ姫
・アレン…有能苦労人
・マリアンヌ…マスコット枠
・茶梅…殺意高い系女子その1
・泡姫…殺意高い系女子その2
《敵サイド》
・万姫…中華マフィア
・妙子…ホラー枠
・義座丸…こっちくんな - 9ぬし24/08/03(土) 21:50:57
戦闘再開します
どこから処理するか🎲
dice1d3=3 (3)
1.アレン&マリアンヌvs義座丸
2.茶梅&泡姫vs妙子
3.俊宇視点
- 10二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:00:53
主人公
- 11二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 22:01:29
義座丸ゴキブ⚪︎扱いで草
- 12二次元好きの匿名さん24/08/03(土) 23:15:21
随分とデカムキなピーチ姫だな…
- 13ぬし24/08/04(日) 01:23:02
「なんか外が騒がしいな…」
軟禁部屋に取り付けられた時計の針が9時を指す頃。部屋を襲う大きな揺れで居眠りから覚めた俊宇は怪訝な顔で扉の外を見やる。
「外で誰か暴れてんのか?まあいいか、丁度いい時間に目ぇ覚めたし…よっこらせ」
俊宇はベッドから起き上がり、軽く伸びをして本棚へと向かい烈の置いて行った手紙を取る。彼から伝えられた伝言は「午後9時きっかりに手紙の内容を読み、書いてある指示に従え」というもの。白い便箋を開き、何が書かれているか確認する。
「えーと、何なに?『ワザと暴れて警備員を呼び出し、どさくさに紛れて天井右角と猫の彫像に仕込まれた監視カメラを壊せ』だぁ?」
手紙を読んだ俊宇は思わず棚の上に置いてある猫の彫像を見やる。
「なんでまたそんな事?…ま、考えても仕方ねえ。よく分かんねえけどやるっきゃねえか」
俊宇が呟くと、彼は虚空をなぞるように右手を滑らせ、圧縮した空気の棒を生み出した。固めた空気をバットのように構え、フルスイングで部屋全体を薙ぎ払う。
「おりゃあああっ!!」 - 14ぬし24/08/04(日) 02:08:31
騒ぎを聞きつけやってきた万姫の兵隊たちを荒ぶる風が薙ぎ倒す。部屋一面を暴れ回る颶風に家具や調度品は既に跡形もなく破壊され、二つの監視カメラも粉々になる。
万姫お抱えの精鋭の警備員たちは連携して俊宇を止めようとするが、俊宇は圧縮した空気弾で応戦。激しい戦いが軟禁部屋で繰り広げられる。
反学連の一件で自信を失いかけもしたが、俊宇とて実力は序列50位以内、立派なアカデミーの上位層だ。銃道部の訓練と数々の修羅場で鍛え上げられた彼がいまさら文芸部の有象無象ごときに遅れを取ることはない。
多彩な手数と体術で警備員たちを押し続け、このままいけば警備員も倒してしまえそうだというとき。
突然、凍てつくような冷気が警備員を包み、ひと息に彼らを氷漬けにする。
「…っ!?」
いきなり凍りついた警備員に驚き、俊宇が冷気の吹いてきた方向を見る。
警備員を埋め込んだ氷柱が立ち並ぶ廊下の向こう、仮面をかぶった少女が歩いてきている。
俊宇は歩いてくる仮面の少女を睨みつけ、冷気を浴びないように空気の隔壁を張る。
「お前も万姫の部下なのか?あいつらと同じように、俺も凍らせるつもりか」
隔壁を張ったまま一歩後ずさり、警戒しながら俊宇が問う。しかし少女は軽く首を横に振って否定。その様子に敵意はまったく感じられない。どうやら少女に俊宇と争う気はないようだ。
彼女はちょいちょいと俊宇に手招きして、自分が歩いてきた廊下の向こうを指さす。
「…ついて来いってことか?」
無言で仮面の少女が頷く。少女の誘いに戸惑う俊宇。
自分をここから連れ出してくれるのは正直ありがたい。だがこんな得体の知れないやつについて行って、本当に大丈夫なのだろうか?何かの罠ではなかろうか?
俊宇は迷いながらも、少女を信じてみることにする。彼は仮面の少女に従って冷気漂う廊下を歩き始めた。 - 15ぬし24/08/04(日) 02:11:15
- 16二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 08:35:10
- 17二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 10:18:20
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 10:51:29
- 19二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 10:53:58
- 20二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 10:55:36
奥義【生骸】で全身を麻痺させ行動不能に
- 21二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 11:06:09
水銀を竹刀で全て巻き上げる&顎打ち
- 22二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 11:11:12
全感覚を狂わせる
- 23二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 11:47:15
- 24二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 16:14:18
戦闘の裏で召喚の儀式を着々と進める
- 25二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 16:14:46
東雲の援護
- 26二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 16:15:38
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 16:16:55
東雲に呪いの装備をつけて強化する
- 28ぬし24/08/04(日) 17:47:47
- 29二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 18:14:07
初めて出た気がする会心の一撃
- 30二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 18:43:14
俺も記憶にない…出てたっけ?
- 31二次元好きの匿名さん24/08/04(日) 22:18:19
ずっと無しが多かったからねぇ
- 32二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 08:35:09
保守
- 33二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 16:29:24
保守
- 34二次元好きの匿名さん24/08/05(月) 21:20:32
バトルは続くよどこまでも
- 35ぬし24/08/05(月) 23:51:39
「『青灯籠百物語、百番目・闇夜行路______』」
ノートを広げ、妙子が百体目の怪異の名を呼ぶ。彼女の背後がさっと闇に包まれるとともに、その場にいる者たちの背筋に走る怖気。茶梅たちを取り囲んでいた怪異たちが青色の灯火となって暗い暗い小径に吸い込まれていく。
ノートの表紙に隠れて妙子が微笑。毒島妙子の必殺技、百体の怪異を生贄として呼び出す『青行燈』。その召喚の舞台がようやく整った。青行燈はいま彼女が使える最強にして最悪の怪異、奴なら序列一桁の猛者たちにも引けを取らずに戦える。百の青い人魂を集め、妙子が最後の合図を唱えようと口を開いた瞬間。
妙子の足元の感覚がふわりと消え、鉄の味が口の中に広がる。
「あ、う?」
わけもわからず地面に倒れ込む妙子。ぐにゃぐにゃと歪む視界。目も耳もひたすらにチカチカとしてまともに働かない。妙子はそれでも召喚の合図を唱えようとするものの、舌がなくなってしまったように動かない。いや、実際に舌がなくなっているのだ。妙子の口から自分で噛み切った舌の先が吐き出される。傷口から血が止まらない。
「掛かったな」
倒れ伏した妙子を睨みつけるは泡姫。その手のひらには赤い花弁が咲いている。
泡姫の『開花』。開花により『距離不噛合』の定義は拡張され、相手の距離感覚のみならず視覚、触覚、すべての感覚が泡姫の思うように狂わされる。
「(『開花』による感覚支配…まあそう来ますよね)」
泡姫の異能で感覚を狂わされたと悟った妙子は東雲の『水銀医師』を展開。おかしくなった自分の感覚そのものを消し去り体勢を立て直そうとする。
しかし茶梅たちがそれを許すはずもない。 - 36ぬし24/08/06(火) 00:29:35
「喰い裂け、『マウストゥマウス』!」
茶梅が叫び、空中に無数の口を出現させる。召喚された異能の口たちは妙子と東雲の周りに群がり、彼らの身体を、水銀を、次々に食いちぎっては図書館の外に設置した異能の口に捨てていく。
自分たちを覆う水銀をすべて食い尽くされ、自身も無数の口に喰われ穴だらけにされた東雲がついにヒトの形を保っていられなくなり銀色の粒子となって消える。
「……!」
全身を蜂の巣のように食い荒らされた妙子が声にならない絶叫。制御を失った手足がばたばたと痛々しく跳ねる。
「(くそ、東雲がやられた!これでは怪異が百体揃わない、『青行燈』を召喚できない…!)」
心の中で悪態をつく間にも異能の口はどんどん妙子の身体を食い千切る。全身からおびただしい血を流す妙子はすでに虫の息だ。瀕死の彼女に、茶梅はとどめとばかりに妙子の首にひときわ大きな口を召喚。鋭い門歯がギロチンのように彼女の首を落としにかかる。
「(…仕方ない)」
妙子は静かに目を閉じて、心の中で覚悟を決める。これで三体あった残機は残り一つだけになるが、このまま無為に潰されるよりは幾分ましだ。
異能の口が妙子の首を切り落とす直前、彼女の体が青い人魂となって闇夜行路に吸い込まれる。
暗い小径に灯る百の青い灯火。消えた東雲の怪異の代わりに妙子自身が「九十九番目の怪異」として青行燈の生贄になったのだ。
空間がざわめく。行燈の灯る道の向こうから、得体の知れない何かが来ている。漂う冷気。響く怨嗟。百の怪異をその身に宿して、『青行燈』が目覚める。 - 37ぬし24/08/06(火) 00:31:46
- 38二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 01:08:17
- 39二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 06:38:59
何処からともなく調達した大量のセメントで青行燈を生き埋めに
- 40二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 08:19:48
- 41二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 08:20:06
- 42二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 11:11:11
- 43二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 12:13:48
跳躍からの上段打ち
- 44二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 16:53:53
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 16:57:04
相手が倒れ骸になるまで終わらない無限コンボ「久遠」&茶梅のために隙を作る
- 46二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:11:27
- 47二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:27:12
- 48二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:27:37
- 49二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:34:17
青く燃える霊魂を次々と展開し生きた焔の奔流を産み出す&同時に泡姫と茶梅の『蝋燭』がゆっくりと両掌から伸びていく
- 50二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 20:35:25
- 51ぬし24/08/06(火) 21:23:51
- 52ぬし24/08/06(火) 21:24:47
- 53二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 21:51:57
アレン&マリアンヌ&義座丸が偶然乱入してくる
- 54二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 21:54:36
- 55二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 21:59:01
騒動を聞き付けた生徒により緊急サイレンが鳴り始め生徒会が動き出す
- 56二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 22:03:40
- 57二次元好きの匿名さん24/08/06(火) 22:04:09
- 58ぬし24/08/06(火) 23:55:23
>>54拾わせていただきます
はじめに見えたのは青い光。
一寸先も見えぬほど暗い夜道に、青い行燈を持つ腕が一本、二本、三本…数え切れぬほどの生白い腕が天井からぶら下がりゆらゆらと揺れている。
これが妙子の持つ最強の怪異、『青行燈』の全貌。悍ましくもありどこか幻想的でもある青行燈の容貌に、茶梅と泡姫は息を呑む。
それぞれ竹刀と拳を構え青行燈に向き合う二人に、天井から伸びる百の手は持っていた行燈をぱっとその手から離す。すると手を離された行燈はみるみるうちに燃え上がり、巨大な人魂となって青色の業火を吹き荒らす。
生きているかのようにうねり狂う炎の奔流。摂氏千度を超える熱に生白い腕は蝋となって溶け落ちて、高熱の蝋の雨が茶梅たちに降り注ぐ。
「遅い」
襲いかかる焔と蝋の隙間を縫って泡姫が走る。青い炎を切り払い、まるで剣舞でも舞うように高熱の雨を躱しながら刀身を引いて溜めの姿勢。
「…はあっ!」
泡姫の竹刀から気合いを込めた一閃が放たれる。鋼をも断つ強烈な一撃に、百本あった蝋燭の腕の半分が根元から斬り折られる。燃え盛りながら落ちていく融けた蝋の塊。
しかし次の瞬間、泡姫の顔面に強い衝撃。突如、溶け落ちた蝋燭の手からヒト形の『ナニカ』が這い出てきて、彼女の顔に正拳突きを叩き込む。したたかに顔を殴りつけられ泡姫が一瞬だけ体勢を崩した。そこに追い討ちをかけようと拳を振り下ろす『それ』の姿を見て、二人は言葉を失った。
- 59二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 00:06:52
なんやなんや
- 60ぬし24/08/07(水) 00:44:48
泡姫の顔面をぶん殴った『それ』の顔は、彼女の隣で戦っている茶梅と同じもの。その目つきも体格も何もかも本物そっくり、茶梅の形をした蝋人形だ。
本物と寸分違わぬ茶梅の顔に思わず反撃を躊躇った泡姫に、蝋人形の拳が飛ぶ。
「…っ私の偽物の分際で、なに泡姫に手ェ出してんのよゴラァ!!!」
茶梅が吼え、蝋人形の胴と四肢に異能の口を召喚。虚空に現れた巨大な口が人形を喰いちぎり八つ裂きにする。バラバラになって落ちていく蝋の塊。しかし切り落とされた他の腕からも、いまだ天井にぶら下がっている腕からも、蝋人形はどんどん生まれてくる。
先程の茶梅を模した人形たちに加えて、泡姫と同じ姿をした蝋人形の群れが絶え間なく蝋の海から現れる。彼らは本物の茶梅たちのように、拳と竹刀で連携をとって波状攻撃を仕掛けてくる。
茶梅は『マウストゥマウス』による食い千切りで、泡姫は卓越した剣さばきで蝋人形たちを次々と仕留めていくが、食っても食っても、斬っても斬っても、いっこうに蝋人形が尽きる気配はない。
「ほんっとしつこいわねこいつら!いつになったら全員倒せるわけ!?」
「落ち着け茶梅。見ろ、新しく出てきた人形の身体が溶けてきている。向こうも私たちとの戦いで消耗しているはずだ」
確かに泡姫の言葉通り、這い出てくる人形たちは生まれるごとに形がいびつになっているように見える。先程出てきた蝋人形など、もはやただの蝋の塊にしか見えない。
このまま人形を倒し続ければいつかは青行燈も力尽きるだろうか?そんなことを考える茶梅の視界の端に青い炎がちらりと映った瞬間、茶梅の背に戦慄が走る。 - 61ぬし24/08/07(水) 00:50:08
いつの間にか応接間全体を包んでいる青行燈の炎。先程より一回り大きくなった人魂が狂気的な青色を帯びて周りのモノを手当たり次第に焼き払っている。
…違う!青行燈は消耗していたのではない。理性を失って暴走しているのだ!
「なんだ…?炎の範囲が、広がっていく…?」
どんどんと広がる暗闇に青い炎。その勢いはすでに応接間のあるフロアを覆い尽くすほどになり、巻き込まれた哀れな犠牲者たちの命を奪っていく。
「ヤバい、このままじゃ校舎まで火が回っちゃう!もしそうなったら…!」
茶梅の焦りように、泡姫もまた青行燈の暴走を悟る。序列十位以内の自分たちですら手を焼く怪異。そんなものが校舎にまで侵食してしまったらどうなるかなど分かりきっている。
泡姫は竹刀の柄を強く握りしめ、前方の青行燈を睨む。
「そうなる前に私たちがアレを止めるしかあるまい。茶梅、力を貸してくれ。久々に『アレ』を使うぞ」 - 62ぬし24/08/07(水) 00:51:41
- 63二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 06:34:37
連携必殺技
- 64二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 10:04:10
- 65二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 11:11:11
- 66二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:03:32
- 67二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:04:50
このレスは削除されています
- 68二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:05:36
呪いの奔流
- 69二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:30:53
青い人魂を限界まで収束させ泡姫&茶梅コンビに放つ
- 70二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:32:24
蝋を寄せ集めた巨人を産み出し自分は校舎に向かう
- 71二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:12:26
- 72ぬし24/08/07(水) 20:26:23
- 73二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:38:57
…良い感じになりそうな予感
- 74二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:41:57
オーバキル
- 75二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:48:15
ガチ一択で笑う
- 76二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:46:03
うむ
- 77ぬし24/08/07(水) 22:49:17
びゅうびゅうと甲高い笛のような音が響く。統制を失った青い炎たちが、触れるものみな手当たり次第に焼き尽くしながらてんでんばらばらに広がっていく。誰彼構わず捕まえんと四方八方へ伸びてゆく生白い腕。もはや青行燈は完全に正気ではなく、ただ生けるものすべてその呪いの業火で燃やし尽くさんとする化け物と化した。
融けた青行燈の蝋の手が寄せ集まり、茶梅たちの前に巨大な蝋人形を形作る。表面がドロドロに溶け炎を纏った異形のそれはおおよそヒトの形には見えず、吠え声と溶けた蝋を無差別に撒き散らしながら二人に殴りかかってくる。一方で人魂の方はというと、もう茶梅たちに興味もないと言わんばかりに群れをなして校舎の方へ新たな犠牲者を求めて飛んでゆく。
襲い来る蝋の怪物を前に茶梅と泡姫は一歩も引かず、その拳を最小の動きで回避。
「泡姫、これを!」
「ああ」
手元に展開した異能の口の中から、茶梅が一振りの刀を取り出して泡姫に投げ渡す。泡姫はそれを受け取り蝋の怪物に向かって振り抜きざまに抜刀。美しい赤色の刀身は空に一文字を描き、斬られた怪物は悲鳴を上げる間すら許されず瞬時に塵となって消える。
校内序列参位・麻原綴から与えられたこの刀剣は異能の効果を打ち消す力『異能殺し』を宿した特別製。使える回数に制限こそあるものの、この手の異能に対しては無類の強さを誇る。
蝋の怪物を一瞬にして倒され、焦った青行燈が無数の火の玉を飛ばしてくる。茶梅はそれに幾百もの異能の口を呼び出し、青い焔を食らうとともに自分と泡姫を次々に転移させて攻撃を回避。『異能殺し』の使用回数が限られている以上、迂闊に刀を振って火の粉を払うことはできない。ある程度の攻撃は持ち前の体術でいなしつつ、転移を繰り返して敵の急所を探る。
絶えず飛んでくる青色の炎。行燈の灯る真っ暗な路地で人魂たちと泡姫が舞うさなか、ふとその隙間に黒い影が陽炎のように揺らめくのを茶梅の目が捉える。
青行燈の権能で生み出された、少しの先も見通せぬ暗い暗い空間。そこに一瞬だけ、あの陰険女(たえこ)の影が映る。
見つけた。『青行燈』の本体。
「泡姫、そこよ!ぶった斬れ!」
茶梅が叫ぶより早く泡姫の一閃が暗い空間を引き裂いた。 - 78二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:56:39
かっちょいいやんけ…
- 79二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:57:09
まさに名勝負
- 80二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:59:18
茶梅の能力ほんま強いし泡姫は素が強い
- 81二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:59:41
分かるぜ
- 82ぬし24/08/07(水) 23:36:13
炎の名残が影形もなく消え去った応接室。
かつて『青行燈』であったモノ、真っ二つになった妙子の遺体を見下ろす茶梅と泡姫。
瓦礫越しにふたりの少女を見つめながら、心の中で溜め息をこぼす影がひとつ。
「(…結局、私じゃ時間稼ぎにもなりませんでしたか)」
瓦礫の陰に隠れ、三つある残機のうち最後の『毒島妙子』がそっと茶梅たちの様子をうかがう。
もとより、妙子には彼女たちと戦って勝つつもりなどさらさらなかった。
茶梅と泡姫の怪異と戦い対策を練った回数じつに108回、その中で妙子が勝てた回数は0回。どれだけ対策を重ねたとしても相手は序列伍位と序列十位の化け物どもだ、妙子一人では勝算など逆立ちしたってありはしない。
「(青行燈まで出したんなら少しは勝ち目あるかもと思ったんだけどな…まあいいや、けっきょく目的は達成できたし)」
そう心の中で呟いて妙子が見つめる先には最上階に続く昇降機。
引き裂かれた妙子の亡骸を『マウストゥマウス』に葬り、茶梅がひとつ伸びをする。
「はぁ〜あ、やっと毒島妙子を倒せたわね。あの女、本当しぶといんだから…」
「そうだな。まあ何はともあれ毒島は倒せた、これで昇降機の向こうに進め…」
そこで泡姫の言葉が消え、立ち止まって心底不思議そうに首をひねる。
「…あれ?」
そういえば自分たちは、なぜ昇降機の上を目指していたのだっけ?妙子と戦い、厄介な『青行燈』を退けてまでこの図書館の最上階に辿り着こうとした理由はなんだっけ?というかそもそも…
「ていうか私たち、何しにここまで来たんだったかしら?」
瓦礫の陰で妙子がひそかに「よし」と呟く。
茶梅たちとの戦いで、彼女たちは東雲の『水銀医師』に触れた。『水銀医師の気まぐれ』は傷を癒す代償に対象から能力や記憶を奪う力。妙子はそれを利用して、茶梅たちから『ここ一ヶ月の万姫に関する記憶すべて』を消し去ったのだ。
万姫の記憶が消えてしまえば、茶梅たちにもう彼女を倒したがる理由はない。万姫のアジトであるこの図書館に留まる理由も当然ない。
狐につままれたような顔をしながら『マウストゥマウス』でその場を立ち去る茶梅たちを見送り、妙子が昇降機に向かって歩いてゆく。
逃げた『主人公』を連れ戻しに最上階へ登っていった万姫は、いまだ戻る気配がない。
「万姫、遅いなあ…今からでも加勢に行った方がいいかしら」 - 83二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 23:42:23
妙子ちゃん大分したたかやで
流石万姫の相方 - 84ぬし24/08/08(木) 00:04:27
- 85二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 00:33:57
- 86二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 00:49:05
- 87二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 06:40:01
とりもち弾
- 88二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 16:09:05
- 89二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 17:44:37
弾切れからの決死のぐるぐるパンチ
- 90二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:30:11
隙をついて背後から飛び蹴り
- 91二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:39:22
瓦礫を盾に身を隠す&適当手榴弾投げ
- 92二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:34:15
- 93二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:41:07
身体能力を"低下させる"
- 94二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:42:58
アレンの頭の位置を下げさせてからの長い足で顎を垂直に蹴り上げる
- 95二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:48:18
マリアンヌを抱き抱え人質に&アレンを床に這い蹲らせる
- 96二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:53:04
このレスは削除されています
- 97二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:55:25
上からパラパラ降る破片や塵を勢いよく落下させる
- 98ぬし24/08/08(木) 22:39:15
- 99ぬし24/08/08(木) 22:40:17
バトル描写前にちょっと俊宇視点
俊宇と仮面の少女は連れ立ってずんずん最上階へと登ってゆく。
行く手を阻む警備員たちを一瞥だけで氷漬けにしながら無言でひた走る少女に、駆け足でついていく俊宇。
「なあ、あんた一体どこに向かってるんだ?」
やはり少女からの返事はない。俊宇の質問を無視してさっさと先へ進んでいく少女に俊宇は少しむっとするが、文句を挟むことはせずに黙って彼女の後を走る。
長い螺旋階段を登ってゆくと、やがて図書館の最上階、万姫の私室が見えてくる。俊宇は少女に促され、扉ごと壁を異能で爆破して部屋の中へ。
壁掛け一つとっても数百万は下らないであろう絢爛豪華な調度品に囲まれた万姫の私室、その西側の壁に一羽のカラスが止まっている。カラスは俊宇の姿を見つけると一声カアと鳴いて壁に飾られている額縁を落とした。すると額縁のうしろに隠れていたダイヤル錠が姿を現す。
現れたダイヤル錠を指さして、少女が俊宇の袖を引く。
「…あれを開けろってことか?」
無言で頷く少女。俊宇は「おれ番号とか知らねんだけど…」とぼやきながら壁の前に立つ。俊宇がダイヤルに手をかけると、カラスがまた一声鳴いてダイヤルの「8」の数字を嘴でつつく。俊宇がダイヤルの数字を8に合わせると、今度は「1」の数字。そんな調子で次々数字を合わせていき、最後に「Enter」キーを押すと錠からカチャリと音がして壁が上にスライドしていく。
壁の向こうから現れたのは、大量の契約書。
「……。」
仮面の少女は金庫に隠された紙切れの山から一冊の帳簿を取り出して、すぐに踵を返して万姫の部屋から去ってゆく。まるでここにはもう用はないとでも言わんばかりだ。
足早に走り去る仮面の少女。しかしその後ろ姿に俊宇はなにか既視感のようなものを感じて、思わず少女を呼び止める。
「待てよ!」
少女が一瞬だけ立ち止まる。仮面越しに感じる訝しげな、しかしどこか後ろめたげな視線。
「なあ…俺たち、前にどこかで会ったことあるんじゃねえか?」
「……。」
仮面の少女は答えない。彼女はただ帳簿を胸元にきつく抱えて、逃げるように図書館から去っていった。 - 100二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 06:43:35
保守
- 101二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 07:34:01
…カラス?
- 102二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 09:44:16
記憶はある感じなんかな
- 103ぬし24/08/09(金) 15:54:17
「落ちろ」
義座丸が天井から降ってくる瓦礫に『落下降低』をかける。落ちてくるコンクリートの破片、壁石、ネジの一本に至るまで極限まで加速された瓦礫たちが音速の礫となってアレンたちに降り注ぐ。一つ一つがライフル弾に等しい威力の攻撃、まともに食らえば命はない。
アレンは懐から折り畳み式の小型バズーカを抜き、上空に向けてトリモチ弾を発射。粘度の高い餅が降り注ぐ瓦礫の雨を包み込んで天井にへばりつく。続けざまに義座丸へ向かって二発目のトリモチ弾。義座丸は異能で弾を落下させて回避。粘ついた餅の塊が床に広がる。
トリモチを踏まないように距離を取り義座丸が周囲を見渡す。…そういえば先ほどからマリアンヌの姿が見当たらない。あいつは一体どこへ隠れた?
嫌な気配を感じて義座丸が身構えた刹那、義座丸の背後、割れた壁の陰に隠れていたマリアンヌが飛び出した。
「食らうのねっ!ボクの必殺…ギャラクティカスーパーマグナムダイナマイトキ〜ック!!」
意味もなく両腕をぐるぐる回しながらマリアンヌが飛び上がって義座丸にドロップキック。しかしマリアンヌの飛び蹴りは振り向いた義座丸にあっさり止められる。蹴りを放った足を掴まれ、流れるように首根っこを押さえ絞め落とされるマリアンヌ。
「いや技名叫んだら不意打ちの意味ないやろ」
「マリアンヌ!」
アレンの意識がマリアンヌに向き、義座丸に使っていた『精神汚染』がわずかに乱れる。その隙を義座丸が見逃すわけもなく、マリアンヌから彼を引き剥がそうと銃を構えるアレンに『落下降低』を発動。
「跪け」
アレンの身体に強く下向きの力がかかり、均整のとれた長身があえなく床に這いつくばる。重力に潰された肺から苦しげな吐息が漏れた。
「かはっ…!」
マリアンヌを小脇に抱えたままアレンの方へ歩み寄る義座丸。その辺にあった手すりを適当に折り取って大きく振りかぶる。
「ほな、さいなら」 - 104ぬし24/08/09(金) 16:45:30
…アレンの脳天目がけて思いきり手すりを振り下ろそうとした義座丸だが、ふと彼の様子に違和感のようなものを覚えて動きを止める。
「…俊…」
ぐったりと床に這いつくばるアレン。だがその目に宿る色は怒りとも、絶望とも少し違う。どちらかといえば「困惑」に一番近い色。
彼の目は遠くを見ている。遠いどこか、『マインド・コンセンサス』で共有した視界越しに、義座丸には見えない何かを見ている。
「あれは…俊宇、と…誰だ?」
「…なんの話や」
アレンの呟きに、義座丸が訝しげな顔をして振りかぶった手すりを降ろした瞬間。
義座丸の小脇に抱えられたマリアンヌの懐から、隠し持っていた手榴弾が『偶然』転がり落ちた。
「……っ!?」
ドカン!と派手な爆発が義座丸たちを吹き飛ばす。揺れる室内、舞い落ちる瓦礫。予想もしない事態に対応しきれなかった義座丸が爆風に煽られてよろける。彼の倒れ込んだ先にはちょうど床にへばりついたトリモチ。粘っこいモチに足を取られ、義座丸は身動きがとれない。
「…『ラック、クラック』」
気絶しているはずのマリアンヌの口から消え入りそうな声。それと同時に、動けない義座丸の頭上からひときわ大きなコンクリート片が落ちてくる。コンクリート片の位置は義座丸の真上、この配置では『落下降低』を使っても防げない。
「待っ、」
暗転。 - 105二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 17:01:04
さすマリ
- 106二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 17:01:33
全部採用嬉しす
- 107ぬし24/08/09(金) 18:12:27
◼︎幕間・万姫の独白
ゴミみたいな人生だった。
父だった男に襲われ私を産み落とした売女は、いつもアルコールと小便の匂いがした。ゴミ溜めみたいな宿の中、私に酒瓶を投げつけて喚き散らす母の姿をよく覚えている。子供心にひどく惨めな女だった。
父との間違いでできた娘を母は愛さなかった。たいして役に立ちもしない、邪魔なだけの餓鬼などさっさとバラして臓器を売ろうとしていたらしい。持病で臓物が使い物にならなかったお陰で売り飛ばされずに済んだ私を、母は役立たずとなじった。「この穀潰し」「お前なんか産まなきゃよかった」と毎日のように言われた。私はただ息を潜めて耐えた。すべてが無価値でゴミだった。母も、この世界も、私も。
それから月日は流れ、ひょんな事から私はアカデミーに入学した。この学園は己の実力だけで序列の決まる世界。生まれや学園外での地位は関係ない。
これはチャンスだ。なんの富も後ろ盾もない無価値な私が『価値ある人間』に成り上がる、きっと最初で最後のチャンス。そう直観でわかった。
私は必死に研鑽を重ねた。学園でも十指に入る確かな実力に知略、人を集めるに足る財力、カリスマ、私の価値を構成するすべて血のにじむ努力で手に入れた。アカデミーの出資者ともコネを作り、学園の運営に口を出す権利も得た。
けれど、まだ足りない。まだもっと上を目指せる。私の価値は、こんなものではない。
この学園を支配する榊原聖火を倒し、私がアカデミーの女王に君臨する。そのための準備はすでに整えた。戦力も揃えた。
もう誰にも惨めなんて言わせない。
もう誰にも無価値なんて言わせない。
これは、私の『価値』を証明するための戦いだ。 - 108二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 18:25:26
過去が過去が重い…
- 109二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 18:29:31
さてどうなる事やら
- 110二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 19:51:26
- 111ぬし24/08/09(金) 20:03:46
最上階に続く黄金のレール、その上に乗って金庫のある部屋へと滑り上がりながら万姫はその手に黄金の槍を握る。
成俊宇…『主人公』は生徒会長との御前試合を勝ち抜くための鍵だ、なんとしても逃げられるわけにはいかない。ギリ、と強く歯を食い縛って足元のブースターをさらに加速する。
黄金の螺旋が天まで伸びる。
長いレールを登りきり万姫が自室に辿り着く直前、最上階一帯に轟く爆音。急いで自室に駆け込めば、そこには燃え上がる契約書の山を背にして立つ俊宇がいた。
「久しぶりだな、万姫」
「成俊宇…!!」
射殺さんばかりの殺気を込めて万姫が俊宇を睨む。携えた黄金の槍を怒りのままに投擲。俊宇が空気の盾で攻撃をそらす。
契約書の燃やされた今、俊宇は万姫の支配下から脱した。ここからは反撃の時間とばかりに俊宇が空気の矢襖を展開する。それに対抗するように黄金の武器を構える万姫。
彼らにもはや言葉は必要ない。
お互いの全身全霊をもって殺し合うのみだ。
“成俊宇 vs 万姫” - 112ぬし24/08/09(金) 20:04:49
- 113二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:10:07
竜巻を右手に纏いストレートパンチ
- 114二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:12:47
燃え上がる火を風で巻き上げて大蛇のように操る
- 115二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:49:22
このレスは削除されています
- 116二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:50:29
- 117二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:57:28
- 118二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:08:22
- 119二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:27:02
小銭津波&兵隊を呼び出す
- 120二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 21:27:30
- 121ぬし24/08/09(金) 21:29:36
- 122二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 22:33:49
6は草
- 123二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 23:09:33
これこそダイスの醍醐味
- 124二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 05:47:00
せやな
- 125二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 08:26:33
保守
- 126二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 13:57:32
義座丸コンクリートの強度を低下させれば生き残れそう
- 127二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 19:47:18
開花か
- 128二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 00:00:41
ほし
- 129ぬし24/08/11(日) 00:59:10
戦闘開始と同時に俊宇と万姫が『開花』を切る。俊宇の頬に浮かぶ花弁の数は一枚、対する万姫は花弁が四枚。
俊宇の足元に風が集まり、練り固められた空気の塊が万姫めがけて放たれる。
「食らえ、『風太鼓』!!」
ドン!と鈍い音を鳴らして瞬間風速100mを超える突風が万姫に吹き付ける。並の異能者なら訳もわからず吹っ飛ばされているところ、しかし万姫は『等価交換』でカーボネートの盾を作り出したやすく風圧を防ぐ。
「は、その程度かね」
俊宇の攻撃を軽くあしらい盾をもとの札束に『還元』した万姫は乗っていた黄金のレールをハイヒールの踵で蹴る。すると黄金色の長いレールが端からバラバラと金貨になって散っていき、万姫の周りを漂う。
「『等価交換』」
パチンと万姫が指を鳴らすと空中にいくつもの黄金の槍が展開。神々しい輝きを放つ十数の槍は、万姫の指揮に合わせて次々と俊宇へ襲いかかる。
「舐めやがって」
飛んでくる黄金色の長槍に俊宇は再び『風太鼓』を発動。強い風圧で槍を万姫に跳ね返そうとする。渦巻く大気が尋常でない速度で押し出され、輝く槍を捕らえた。
正面から突風を受け、四方から俊宇に刺しかかっていた槍衾は確かに減速する。だが黄金の槍は依然として俊宇に矛先を向け続け、動きを止める、ましてや万姫のもとへ跳ね返るなんてする気配がない。
俊宇はひとつ判断ミスをした。金は他の金属に比べて柔いが、その密度においては他の追随を許さない。純金で形取られた万姫の槍は、同じ体積の鉄よりはるかに重いのだ。
重い純金の槍に風を吹き付けて押し戻そうなど無理難題。この場合の正解は、槍を回避するか武器で直接叩き落とすかのどちらかだ。
気付いて身体の周りに空気の被膜を展開しようとする俊宇だが、それより先に万姫が動いた。 - 130ぬし24/08/11(日) 00:59:24
俊宇の意識していなかった足元、その立っている床から突如、大理石の柱が伸び上がる。柱は俊宇の鳩尾を正確に突き上げ、彼の意識が一瞬飛ぶ。俊宇の空気の鎧がコンマ数秒だけ解けたところを黄金の槍が一挙に刺し貫いた。
「ぐ……っ!!」
刺されたというより思いきり殴られたような質量を伴う痛みに俊宇がうめく。傷だらけの腕で刺さった槍を払い、苦しまぎれに転がって退避。
「(重ぇ…今の攻撃、開花でも防げなかった…それにあの手数、一撃一撃の重さも量もその辺の警備員どもとは段違いじゃねえか)」
これが校内序列六位の力。
今まで散々実感してきた序列一桁という数字の持つ重みが、あらためて俊宇にのしかかる。 - 131ぬし24/08/11(日) 01:01:23
- 132二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 01:11:23
- 133二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 01:50:44
開花し空気熱を利用して周囲の温度を高温に
- 134二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 03:56:32
万姫の周りの大気を真空状態にする
- 135二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:40:40
- 136二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:43:03
- 137二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 10:59:01
(自分は身を護りつつ)錬金した兵器を炸裂させる
- 138二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 11:46:15
殺意高めの錬金攻撃
- 139二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:49:14
黄金の津波&逃げた方向に金の大砲
- 140二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:50:47
- 141ぬし24/08/11(日) 15:04:46
- 142ぬし24/08/11(日) 15:07:27
俊宇が覚醒したようです
覚醒の方向性dice2d4=4 4 (8)
1.開花レベル+dice1d4=3 (3)
2.『満開』習得(開花レベル5)
3.異能そのものの強化
4.安価
- 143ぬし24/08/11(日) 15:08:40
俊宇の覚醒内容>>150あたりまで安価します
- 144二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:21:45
遂に満開取得!
- 145二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:23:44
3+1
あと一輪、開花は残す… - 146二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:35:17
- 147二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:47:31
天「気」の力を得る
- 148二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:11:11
- 149二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:20:15
- 150二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:53:39
- 151ぬし24/08/11(日) 21:12:59
- 152二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:20:44
まさかの天候…⁈
- 153二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:21:25
気を纏める力と合わさるとどうなるやら
- 154二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:30:50
ウェ⚪︎ーレポートやんけ!
- 155ぬし24/08/11(日) 23:07:55
色々立て込んでるので今日は更新お休みします
- 156二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 06:25:36
あげ
- 157二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 08:12:00
うす
- 158二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 12:33:39
保守
- 159二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 21:18:00
能力の拡大解釈はいいぞ
- 160ぬし24/08/12(月) 22:32:41
「口ほどにもないな」
万姫がヒールで床を鋭く蹴ると、落ちた黄金の槍がバラバラと崩れて万姫の足元に集まり大きな砲台を形作る。強化ガラスの盾で守られた操縦席の下に凶悪な二対のガトリング砲が備え付けられたそれは部屋全体を蜂の巣にする勢いで金の弾丸を撒き散らした。
俊宇は空気を固めて弾丸を弾こうとするものの万姫の攻撃は重く、絶え間なく吐き散らされる金属片が確実に彼の身体を傷つけていく。どんどん赤く染まっていく制服。血を流しすぎた俊宇は意識を保つのもやっとの事だ。
傷は焼けるほど熱いのに身体の芯は冷たくなるばかり。少しずつ暗くなってゆく俊宇の視界に、確実な「死」が見えてくる。 - 161二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:56:37
烈お兄ちゃんは強敵ではあったけど殺しにはきてなかったからな、今回が本当に死にそうな状況か……
- 162二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:07:39
殺意が高すぎる
- 163ぬし24/08/12(月) 23:07:43
「____負けないで、俊宇!」
…懐かしい声が聞こえた気がした。
朦朧とする意識の中、俊宇がふと前方を見上げる。白み、ゆらゆら揺れる視界。その遥か遠くにひとりの少女が立っている。
桃の花飾りをつけた可憐な少女。昔からよく見知った俊宇の幼馴染。
「…雪梅?」
俊宇が蚊の鳴くような声で答える。少女はむすっと頬を膨らませて俊宇に訴える。
「こんなところで死んでどうするの!妹ちゃん、助けるんでしょ!?あなたが居なくなっちゃったら誰があの子を救ってあげるの!」
そう言うと少女は煙のように溶けて消え去っていく。続いて俊宇の目の前に現れたのはアレンとマリアンヌの姿。
「俊宇、君は僕の計画に必要だ。勝手に投げ出すなんて許さないよ」
「俊宇!選挙戦勝ったらみんなで焼肉パーティーしよって約束したのね?一緒に勝ってお肉食べるのねー!」
「アレン、マリアンヌ…」
「勝手に負けたら承知しないわよ!」
「大丈夫、成さんなら勝てるはずです」
「僕のお料理また試食してほしいなぁ」
「立て。出血多量ごときでなにヘバってんだダボが」
幼馴染が、相棒が、仲間が、友が、かつて戦った敵が、次々と現れては煙のように消えていく。
彼らの声が聞こえるたびに、身体の内側が温かいものに満たされていく。
「俊宇」「俊宇」「俊宇」「俊宇」「俊宇」
口々に自分の名前を呼ぶ声、声、声。
自分を呼ぶ仲間たちの声に囲まれて、俊宇の胸に熱い『なにか』が灯る。 - 164二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:08:52
コレが主人公…
- 165二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:10:05
良くある展開だけども敵からすると非常に恐ろし過ぎる
- 166二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:10:19
うむ…
- 167二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:17:03
ふむふむ闘いも佳境に突入しそうだ
- 168ぬし24/08/12(月) 23:40:13
砲台をフル稼働して俊宇に弾丸の嵐をぶち込んでいた万姫だが、ふと周りの空気の質が変わったことに気付いて攻撃の手を止める。
「(何だこれは…周囲の空気が異様に熱い…?てっきり砲台がオーバーヒートしているかと思っていたが、これは…)」
強化ガラスの表面が融けだす。肌がちりちりと焼ける感覚。万姫を包む異様な熱に彼女は咄嗟に砲台から飛び降りて『還元』、口を押さえて息を止める。わずかに吸い込んでしまった高温の空気が内側から万姫の肺を焼いた。
万姫は口に湿った布を当てながら俊宇の方を確認。陽炎の向こうに見える俊宇の姿、その額には赤色の花弁が四枚。
「このタイミングで覚醒とは、さすが『主人公』といったところか」
俊宇が上空に向けて手を伸ばす。その瞬間、図書館のてっぺん目がけて落ちてくる特大の雷。轟音とともに塔の屋根が崩れ落ち、万姫たちの部屋にどしゃ降りの雨が降り注ぐ。高温の空気に触れた雨粒が一瞬にして蒸発し湧き立つ湯気。白い煙幕がその場を包む。
煙幕に隠れた俊宇を警戒して、万姫は右手にダイヤモンドの盾を展開。左手に拳銃を構えて反撃に備える。
奇襲を警戒する万姫に対し俊宇は小細工なしに真っ正面から突貫。足から空気をジェット噴射、一気に煙幕を抜けて万姫に肉薄。待ってましたとばかりに盾を構える万姫、しかし俊宇は怯むことなく、その拳に練り上げた『闘気』を纏わせ全力で振り抜いた。
「はああああっ!!」
俊宇渾身の一撃が金剛の盾を突き破って万姫の顔面を射抜く。 - 169二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:02:10
覚醒来たな
- 170二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:02:41
コレが男女平等パンチの力ァッ!!
- 171二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:05:15
強いな
- 172二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:10:20
上条さんも通った道だからなぁ
- 173ぬし24/08/13(火) 00:39:39
俊宇の拳をもろに喰らい、仰向けに吹っ飛ばされる万姫。小さい身体が木っ端同然に宙を舞って壁に叩きつけられる。顔を押さえて小さく呻く万姫。押さえた手の隙間から鼻血がぼたぼた垂れる。
「やった、のか…?」
構えた拳は下ろさないままに俊宇が呟く。視線の先、叩きつけられた壁からゆっくりと滑り落ちた万姫はふらふらと床に降り立って、小さくかぶりを振る。
「…なるほどな」
ぎょろり、と万姫の眼が俊宇を睨む。サングラスが外れて現れた赤い瞳の奥にギラギラした闘志。
「私は少々、君を舐めすぎていたようだ」
言うが早いか、腕に黄金とダイヤモンドでできたナックルを装着し俊宇に殴りかかる万姫。先程までの悠然とした姿勢とはうってかわって獣のような猛々しい乱打。しなやかな肢体のどこにそんな力を隠していたのか、金剛の拳から繰り出される怒涛のラッシュが俊宇を責め立てる。
俊宇は万姫の猛攻に『闘気』をまとった拳で応戦、鎌鼬や雷を交えて反撃を試みる。『等価交換』した武器で攻撃をいなし、さらに連撃を叩き込む万姫。闇夜に火花が眩しく舞い散る。両者一歩も引かぬ攻防。
「命乞いしとくなら今のうちだぜ」
「その台詞、そっくりそのまま返してやろう」
ここからが第二ラウンドだ。 - 174ぬし24/08/13(火) 00:40:13
- 175ぬし24/08/13(火) 00:41:37
- 176二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 01:07:55
- 177二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 01:42:19
- 178二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 06:53:03
- 179二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 08:04:42
- 180二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 09:24:27
- 181二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 09:58:08
自らの動きに連動する黄金色の巨大ロボを産み出し攻撃する&隙をついて通背拳
- 182二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 10:22:19
複数の指輪を殺人ドローンの群れを変換、相手の攻撃をカウンターで迎えうつ
- 183二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 13:08:53
戦艦からの砲撃を背にほぼ捨て身の突貫攻撃
- 184二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 13:10:01
- 185ぬし24/08/13(火) 13:40:54
- 186ぬし24/08/13(火) 13:41:32
ハプニング発生!
内容安価>>190あたりまでお願いします
- 187二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 13:43:24
3の3で草生える
万姫ぶっ飛んでアレン達の所に転がる - 188二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 13:45:09
突如学園中にサイレンが鳴り響き生徒会が動き出す
- 189二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 13:48:20
万姫暴走して周りを黄金に侵食し始める
- 190二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 14:28:30
- 191ぬし24/08/13(火) 14:32:27
- 192二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 14:41:14
生徒会が動くか
- 193二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 15:11:32
遂に動く感じ?
- 194ぬし24/08/13(火) 17:32:00
俊宇と万姫の戦いが始まってから数十分。長い戦いの末、戦況は俊宇の側に傾いていた。
「吹っ飛べ!」
俊宇が床に手をつき、万姫の足元に竜巻を発生させる。雨粒や瓦礫を巻き込んだ黒い颶風が吹き上がり、彼女の身体が宙に浮く。対する万姫は『等価交換』で鋼鉄のチェーンを錬成。俊宇の立つ場所にアンカーを打ち込み、鎖を力強く手繰り寄せて竜巻の効果範囲から抜け出すと同時に俊宇の脳天に鋭い踵落としを叩き込む。洗練された蹴撃に俊宇は一歩引いて彼女の攻撃を腕で受け止め、『闘気』を練り上げたもう一方の腕で万姫の脚に発勁を見舞う。辺り一帯を吹き飛ばす衝撃波。発勁を食らった部分から足の骨が無残に砕ける。
「ぐっ…!」
小さく唸って、万姫は後方にチェーンを放ち身体を引きずるように退避。宙ぶらりんになった片足を迷いなく自切し『等価交換』で生み出した義足に置き換える。そのまま義足のブースターを起動してチェーンを駆使した不規則な軌道で俊宇に反撃。呼吸は荒く、その顔には汗の玉がいくつも浮かんでいるが、彼女の戦意が尽きることはない。
「ハァ、ハァ…くそ、負けるものか『主人公』…私は生徒会長に勝って、自分の価値を、証明するんだ…お前ごときに、止められてたまるか…!」
叫び、万姫が黄金色の三節棍を生成。自由自在に振り回される棍が俊宇に触れた瞬間、起爆。爆風を正面から喰らって俊宇がのけぞる。その隙に武器をナックルに持ち替え俊宇の顎を狙ってアッパーをかます万姫。俊宇はすんでのところで避け、拳が頬を掠めながらも身体をひねって背面から万姫に体当たりを叩き込む。
不完全とはいえ闘気を込めた鉄山靠が万姫の胸元にクリーンヒットし、アバラを何本かへし折って彼女の身体を吹き飛ばす。心臓も止まる勢いで床に投げ出される万姫だが、すぐ折れていない手足で無理やり身体を起こして立ち上がる。
「私は、この学園の全てを手に入れなければならないんだ…富も、権力も、暴力もみんな…奪って、奪って、私の価値を示し続けられなければ…」
そこで万姫が咳き込んで、口から血を吐き出した。おそらく折れた肋骨が肺に刺さっている。茶梅、泡姫に俊宇と並みいる面子に削られ続けた万姫はとうに限界で、それでもボロ切れ同然の身体を執念だけで突き動かしている。
「でなければ…私には、何もないんだ」 - 195ぬし24/08/13(火) 18:36:38
真っ黒い空から金色の稲光が降り注ぐ。
「なんっだよそれ、意味わかんねえよ!」
俊宇が吠え、自ら吹かせた突風を背にして疾走。
「いきなり何を言い出すかと思えば、学園の全てを手に入れるだ?自分の価値を示すだぁ!?んな下らねえもののためにお前は人の命を弄んだのかよ!?」
ひときわ大きな稲妻が最上階に落ちる。強い光に目を焼かれ万姫が怯んだ隙に俊宇が飛び上がり、一瞬で万姫に接近。ありったけの闘気を纏った拳を思いきり振り上げる。
「君には分かるまいよ!愛する家族も、信頼できる仲間も、『主人公』という価値も、何もかもに恵まれた君にはな!」
魂を削るような万姫の叫びが暗い曇天に響き渡る。
万姫が手を振り上げ、砲撃の合図。避雷針代わりに錬成していた背後の戦艦が砲門を開き、現れた巨大な主砲から超音速の砲弾が放たれる。万姫は背中にアーマーを装備し、砲撃を背に受けて加速。炸薬を仕込んだ黄金のナックルを手に纏い、極限まで速く、重い拳で俊宇を迎え撃つ。
「うらあああああっ!!」
激突。研ぎ澄まされた力と力がぶつかり合って図書館全体に衝撃波を撒き散らす。二人の間に火花が舞い、金色の輝きを放つ。どちらのものともつかぬ咆哮が雷鳴をかき消して耳をつんざいた。
俊宇と万姫、二人のぶつかり合いの行く末は、はたして。 - 196二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 18:57:57
うーむリョナリョナしい
- 197二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:18:48
熱い…
- 198二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 19:20:53
一度は烈に負けたが今度は…どうなるやら
- 199ぬし24/08/13(火) 22:53:52
風が止み、雷鳴が静まる。ひっきりなしに降り注いでいた大雨が上がる。
力なく倒れ伏した万姫の目だけが前方を見上げる。静寂に包まれる図書館の最上階で、ひとりの青年が立っている。
精魂すべてつぎ込んだ拳と拳のぶつけ合い、競り勝ったのは俊宇だった。
「(…ああ、私は負けたのか)」
悔しげに眉を顰め、俊宇に手を伸ばそうとする万姫だが体は言うことを聞きやしない。指一本動かすのすら億劫だ。置き土産に『等価交換』でミサイルでもぶっ放そうとしたとて最早その余力すら残っていない、文字通りの完敗。
「(くそ、力が出ない…茶梅どもを追い払おうと躍起になって異能を使いすぎた、持っている『価値』を使いすぎたせいで『等価交換』の出力が減って、だから火力が足りなくて押し切られたんだ…契約書を燃やされたのも痛かった、アレのせいで私の持つ価値を大幅に削られてしまった…もし茶梅どもの邪魔立てが入っていなければ、万全な状態で戦っていたらこんなことには…成俊宇を倒すのに足る価値の蓄えが残されていれば…そう価値だ…十分な価値さえあれば、あんな男に負けることなど…)」
傷だらけの俊宇を見上げ、万姫の瞳が悔悟と狂気に塗りつぶされていく。
そのとき、下階につながる昇降機が突然開いて、中からそばかす顔の女生徒が飛び出してくる。毒島妙子だ。
「万姫っ!」
部屋の惨状を見るなり妙子は万姫にまっすぐ駆け寄り、その肩を持ち上げて助け起こす。
「万姫、大丈夫!?すごい怪我…は、早く保健室に行かなくちゃ、ここは私が何とかするからすぐ救護班を」
焦る妙子の訴えを万姫の声が遮る。
「妙子」
万姫が弱々しく妙子の袖を引く。彼女を見上げるその目には、いまだ消えないギラギラした狂気の光。突如、万姫が起き上がり、持てる力を振り絞って妙子の身体を抱きすくめる。驚いた妙子が微かに身じろぎ。
「万っ____、」
彼女はその耳元に口を寄せ、ぞっとするほど穏やかな声で囁いた。
「私のために死 ねるか?」
黄金色の光が溢れる。抱きしめられた妙子の身体が泡と溶けて消えていく。
万姫は、彼女の持つ中でいちばん高い価値を『還元』する。 - 200二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:15:43
あらまやってしまいましたね…
- 201二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:19:21
人生で1番とも言えるレベルの『宝』を還元しちゃった
- 202二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 23:19:39
うーん悲しす
- 203ぬし24/08/13(火) 23:33:50
崩壊がはじまる。
「『黄金色の夢』…『満開・砂金楼閣』」
妙子が消え去った後、佇む万姫の手には紅い見事な五枚の花弁。咲いた桜花を中心に溢れんばかりの黄金が床から湧き出て、天を貫き地を割り裂き輝く尖塔を作り上げた。
意思を持った金貨の海が辺りを侵食しながら膨れ上がり、黄金の奔流が進路上にあるものすべてを押し流す。
「なっ…!?マジかよ、あいつ毒島を…!!」
尖塔のてっぺんに立つ万姫の表情は黄金色の煌めきに紛れて見えない。
塔からはいくつもの銃口が伸び、誰彼見境なく大口径の弾丸を吐き散らす。洒落にならない質量の弾が辺り一帯を破壊し尽くすと同時に床下から生えてきた黄金の槍は敵の立つ位置を正確に刺し貫く。
天から地から降り注ぐ黄金の嵐を必死に防ぐ俊宇の耳に、ふと放送器からサイレンが鳴るのが聞こえた。校内放送の電波に乗って誰かの眠そうな声が流れてくる。
『えー、こちら生徒会執行部、こちら生徒会執行部。万姫候補と成俊宇候補の間で規定時間外の『決闘』を確認。ただちに鎮圧します』 - 204ぬし24/08/14(水) 00:26:16
- 205二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 08:10:54
- 206二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 09:11:00
このレスは削除されています
- 207二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 09:17:05
- 208二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 09:17:29
- 209二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 12:19:30
尖塔を弾けさせ巨大な戦闘ロボットに還元!頭部のコックピットに乗り込み主人公を巨大な拳で叩き潰す
- 210二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 12:27:14
【黄金の嵐(ゴールデンワイルドハント)】
- 211二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 14:24:37
- 212二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 14:28:24
- 213ぬし24/08/14(水) 17:00:05
- 214二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 17:56:19
なんか技きたな…
- 215二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 18:31:24
新技かな
- 216ぬし24/08/14(水) 22:13:08
「圧し潰せ」
塔の頂上で万姫が軽く右腕を振るう。
彼女が腕を振る動きに合わせて空中に幾万もの黄金のブレードが出現。金属片の花吹雪が進路状にあるもの全てを削り切り刻み押しつぶす。建物や残っているであろう部下たちのことなど全く顧みない大質量の圧殺。
俊宇は極限まで練り上げた『気』を身体全体に張り巡らす。己の体に気を巡らし身体能力を飛躍的に向上させる、『開花』の覚醒で目覚めた気功術。刃の吹雪が吹き荒れる地獄のさなか、俊宇は『気』と筋肉の鎧に身を包み、あえて黄金の塔に突撃。鋭利な黄金にその身を切り裂かれながらも気を纏わせた手足で塔の外郭を砕き、折り、螺旋状に塔の頂上へと登っていく。
「オオオオオ…!!」
血を吐きながら駆け上がる。もっと早く、もっと高く。
選挙戦の票数稼ぎ云々だとか、脅された恨みだとか、そんなもの俊宇の頭からはもう吹っ飛んでいた。
今はただ、己の価値すら見失い暴れ狂う万姫に引導を。この虚しい蹂躙劇に終止符を。 - 217ぬし24/08/14(水) 23:19:21
「……。」
塔を登ってくる俊宇を一瞥し、万姫が絡めあった両の手で印を結ぶ。
その表情は虚無そのもの。喜びも悲しみも怒りも映さぬ瞳の中に、ギラギラした狂気だけが灯っている。
「殲滅せよ…『黄金の嵐(ゴールデンワイルドハント)』」
万姫が唱えた瞬間、黄金の尖塔を包む外郭が一斉に剥がれ落ちて中から幾重にも重なった純金製のロボットアームが現れる。触手のような姿をした幾百本の機械腕は触れれば即死の高圧電流をまとい、蚊でも払うかのように塔にくっついた俊宇ごとフロア全体を薙ぎ払う。
ついに最上階の天井が完全に崩れ落ち、彼らの上空には満天の星空。黄金のブレードと機械腕が舞い視界を埋め尽くすその光景はまさに黄金の嵐。
俊宇は襲い来る触腕を躱しながらさらに上へと登ろうとするが、さしもの俊宇も『黄金の嵐』による圧倒的な手数を捌ききることは叶わず、彼の死角を突いて一本の機械腕が俊宇の足を捕まえる。
「があっ…!」
触腕から流される高圧電流に苦悶の声を上げる俊宇。激烈な痛みで『気』の循環が途切れた隙にもう一本の機械腕が俊宇の腕に絡みつき、その身体を引きちぎろうと力を込める。
「これで終わりだ」 - 218ぬし24/08/14(水) 23:32:50
これでラストターンです
俊宇の行動>>223まで安価どうぞ
- 219二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 00:07:40
- 220二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 00:36:33
- 221二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 00:41:21
- 222二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 09:53:53
このレスは削除されています
- 223二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 09:55:19
このレスは削除されています
- 224二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:11:21
- 225ぬし24/08/15(木) 12:03:44
- 226二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 12:08:33
ほぼ被りだから…一つズレる感じ?
- 227ぬし24/08/15(木) 14:52:50
◼︎幕間・屍人の告白
ねえ万姫。私たちが初めて出会った日のこと、あなたは覚えてるかな?
あの日、あなたはとても強引だった。いきなり教室に押しかけてきて、こんな私の手を取って「君が必要だ」って言ってくれたね。それから一緒に文芸部を立ち上げて、いろいろ悪巧みして。あなたと一緒に作戦を考える時間はとっても楽しかったな。あなたは私の話を怖がらないで聞いてくれるから。
私ね、ぜんぶ嘘でもよかった。あなたが私のこと友達だと思ってなかったとしても、最初から私の力を利用するつもりで近づいたんだとしても、別によかった。
あなたが私を文芸部に誘ってくれたとき、わたし嬉しかったんだよ。ほんとうに嬉しかったの。あなたが私の孤独を消してくれた。あなたが見つけてくれたおかげで私、この冷たい世界で生きることを許されたんだ。
だからね万姫。私、あなたの苦しみも消してあげたかった。
とっくに気付いてた。私と同じように、あなたも目に見えない何かにずっと苦しめられていた。あなたはいつでも、自分には価値がないって劣等感に呪われている。
できれば私がその呪いを解いてあげたかった。あなたの救いになりたかった。だからあなたのために戦った…結局、私じゃ力不足だったみたいだけどね。
でも、もうあなたの隣に居られなくなっちゃっても、伝えることはできるから。
せめてこれだけは言わせてよ。
あなたに出会えたから私は変われたこと。私はいつでもあなたのことを想ってること。
あなたが私の価値(たからもの)だったこと、どうか忘れないで。 - 228二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 17:05:57
うーむエモい
- 229二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 17:06:42
悲しいなぁ
- 230二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 17:11:59
『私ね、ぜんぶ嘘でもよかった。あなたが私のこと友達だと思ってなかったとしても、最初から私の力を利用するつもりで近づいたんだとしても、別によかった』
そんなことないで!ちゃんと万姫もきっと親友だと思ってるで! - 231ぬし24/08/15(木) 17:19:42
黄金の機械腕が俊宇の身体を締め上げ、八つ裂きにしようとしたその瞬間。
「……っ!?」
突如、見えない糸に操られたように万姫の動きが止まった。彼女は苦しげに頭を抱え、『それ』に抵抗するようにかぶりを振る。連動してブレードと機械腕が不規則にのたうち回る。
さらに高圧電流を纏った機械腕どうしがもつれ合って回線がショート。俊宇を掴んでいた機械腕が制御を失って俊宇を中空に放り出した。
「無事か俊宇!?」
空中に投げ出された俊宇に、はるか下階から聞き慣れた声が届く。下を向けば瓦礫の陰にちらりと見えた仲間の姿。
「アレン!マリアンヌ!」
銃道部のメンバーを見つけた俊宇の表情が明るくなる。思わぬ方向からの横槍に、万姫は忌々しげに舌打ち。
「チッ、小癪な…」
指揮棒代わりにひとつ腕を振り、のたうつ機械腕をすべて『還元』。そのまま塔の頂上に優に直径3メートルはあろうかという巨大なレーザー砲が組み上げられる。塔についた歯車が勢いよく回転し、レーザー砲にエネルギーをチャージ。
凄まじい熱と光を溜め込んだ砲門が、この建物ごと俊宇たちを吹き飛ばすようにまっすぐ下方へと向けられる。
「消し飛べ!」
「させるかよ!」
俊宇が風を操って金庫の燃えカスの中から一枚の絵画を万姫へ飛ばした。覆い被さる画用紙に視界を塞がれ、万姫の動作が一瞬だけ鈍る。
渦巻く風を推進力にして、上へ。速く、とにかく速く、韋駄天のごとき速度で駆け上がる俊宇に天から特大の雷が落ちる。俊宇はその稲光を全身で受け止め、膨大な電『気』を握った拳に収束させる。 - 232二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 17:46:35
イッけー!!
- 233二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 17:48:47
絶対そうだぞワイが保証する
- 234ぬし24/08/15(木) 18:06:45
バチバチと俊宇の視界が爆ぜる。
少し気を抜けば意識を持っていかれそうな危うい感覚。全身の神経が沸騰する。『気』を操作する異能をもってしても御しきれないほどの電流。それだけのエネルギーが彼の拳に集まっている。
「これっ、でもっ…喰らいやがれ…!!」
高い高い高楼を登りきり、ついに俊宇が尖塔の頂上に躍り出た。
真っ暗い夜空を背景に、白銀の雷をまとった少年と黄金を操る少女が向かい合う。睨み合う瞳と瞳。憤怒と狂気を宿す眼光がぶつかって赤い火花を散らした。
万姫は鋭く指を鳴らし、レーザー砲の砲口を俊宇に向ける。すでにエネルギーは充填済み。あとは目の前の敵にぶっ放すだけだ。
この勝負、先に攻撃を決めた方の勝ち。お互い口に出さずとも分かっていた。この一撃が自分に出せる最高の火力。こいつを先に相手に叩き込んだ者が、この戦いを制する。
金と銀の光が交錯し、まばゆい閃光が図書館に満ちる。
そのときだった。
ふと、万姫の表情が驚きに染まって遠い虚空を見上げる。彼女が見つめる先には何もない。しかし、彼女の目には確かに映る、弱々しい青色の炎。
「…あ……」
俊宇が拳を振り下ろす。迫る渾身の一撃を前にして、万姫はおもむろに『満開』を解いた。
彼女の武装が一片残らず還元され、金貨と札束の雨に変わる。突然武装を解いた万姫に俊宇が目を見開いて動きを止めかけるが、今さら彼の拳はそんなことでは止まらない。
白銀の電光が天を貫く。黄金の尖塔が崩れ、すべてが瓦礫と化していく。二人は壊れていく高楼とともに落ちていきながら、黄金色をした夢の終わりを見届け、
そして彼らは。 - 235ぬし24/08/15(木) 21:05:16
…暗く長い夜が明ける。
「これでチェックメイトだ、万姫」
すっかり寒々しくなった図書館の最上階で、俊宇が倒れた万姫を見下ろす。彼女はいかにも満身創痍といった風体で倒れ込んで、もはや答える気力もないようだ。
「もうお前との奴隷契約は終わりだ。ざまあねえな、俺は銃道部に帰らせてもらうぜ」
動かぬ万姫に捨て台詞を吐き、隠れている仲間のもとに歩いていこうとする俊宇。そこで万姫がはじめて口を開いた。
「…た…」
かさかさに乾いた唇から微かに声が絞り出される。彼女の目は俊宇を見ていない。どこか遠いところを見ている。
「君の拳を食らったとき、妙子の『価値』が勝手に消費された…『等価交換』で破れた臓物を修復して絶縁体で電撃のダメージを防いだ。あれがなければ、私はさっきの一撃で死んでいた…」
万姫が虚ろな表情で呟く。
「あの子は最後まで私のために戦ってくれた。あの子だけは、私なんぞに本気で『価値』を認めていた。あの子が私の価値だったんだ…なのに、私はこの手で妙子を壊した。こんな簡単なことにも気付かないで、私は…」
彼女の声が震える。見なくともわかる、万姫の顔は後悔と絶望に塗りつぶされている。
俊宇は振り返らないまま、少しだけ眉根を寄せて吐き捨てる。
「お前、ほんとバカだな」
そこで万姫が俊宇の方を見た。見えるのは相変わらず憎たらしい、傷だらけの背中。…いや、それだけではない。
「ボス、遅くなってすいません!」
「大丈夫っすか!?」
「お前ら隊列組め!皆でボスをお守りすんぞ!」
俊宇の向こう、万姫の部下たちが瓦礫の山を押しのけやってくる。仲間を呼ぶもの、万姫を介抱するもの、俊宇の前に立ち向かうもの。みな本気で万姫の身を案じている。もとより彼らとは利益ありきの契約だ、万姫が俊宇に敗れ再び無価値に成り下がった今、彼女を助ける義理など彼らにはないだろうに。
「毒島だけがお前の価値を認めてただぁ?じゃああいつらは何だ?何のためにここまでお前を助けに来たんだ!?いつまでも足りねえもんを数えるよりさ、てめえが今持ってるもんを見ろよ!」
俊宇が叫ぶ。上空を覆っていた雲が晴れ、遠い西の空に傾いた月が見える。 - 236ぬし24/08/15(木) 21:23:06
『動くな!生徒会執行部だ。万姫に成俊宇、規定時間の決闘禁止違反にて君たちを処罰する!』
「…っ!?」
生徒会副会長・麒麟棺を筆頭に、万姫の部下たちを押しのけて最上階に何人かの生徒がなだれ込んでくる。みな生徒会に揃いの装備を整え臨戦体勢といった風だ。
彼らは規則を破った俊宇たちを罰するために来たのだろう。生徒会選挙の立候補者はいくつかのルールに縛られている。午後16時から夜のあいだ、立候補者同士の決闘はご法度。それが生徒会選挙の掟だ。
棺の操るパペットたちを先頭に、強者揃いの生徒会役員たちが周りを囲む。睨み合う生徒会役員たちと万姫の部下、そして俊宇。戦いの後の静けさも束の間、その場に一触即発の空気が漂う。
しかし万姫は軽く手を振って、返り討ちにしてやると息巻く部下たちに制止をかけた。
「もういい。もういいんだ」
両手を上げ、棺たちに降伏の姿勢。息も絶え絶えでボロ雑巾のような自分の姿はさぞ惨めに映ることだろう。でももうよかった。気にならなかった。
「私の負けだ」
嗚呼まったく。
私は、こんなにも多くの価値に生かされている。 - 237ぬし24/08/15(木) 21:35:46
これにて戦闘パートおわり!!
あとは戦後処理です - 238二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:47:49
何だかもの悲しくも希望のある話だった
- 239二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:48:06
おっつ乙
- 240二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:50:59
これは完全に主人公の台詞
- 241二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:02:12
凄く良い話でした…
(ちな主人公は落選かな?) - 242二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:03:25
落選というか選挙違反?
- 243ぬし24/08/15(木) 22:25:18
生徒会執行部による尋問は存外あっさり終わった。
もとより先に戦闘を仕掛けたのも争いの原因を作ったのも万姫の側、巻き込まれた俊宇についてはそう取り立てて咎めることもないらしい。いちおう形だけの謹慎処分を言い渡され、俊宇はすんなり帰された。
一方、俊宇を監禁し戦いを仕掛けた万姫には厳しい処分が下された。ルール違反を犯した責任を取って万姫は立候補の資格取り消し、溜め込んだ票は決闘の勝者である俊宇にすべて流れることとあいなった。
これで図書館に囚われていた俊宇は無事解放、ついでに彼の選挙戦突破もほぼ確定。銃道部の完全勝利だ。
生徒会の取り調べを終えて、銃道部の部室に戻る俊宇に先回りしていたアレンたちが駆け寄る。
「やったのね!ボクらあの文芸部に勝てたのねー!」
「勝利おめでとう俊宇。まさか一人で万姫を倒しきるとは、強くなったね」
俊宇にぎゅむっと抱きつくマリアンヌに一歩離れて拍手を贈るアレン。二人の台詞に、俊宇はちょっと照れくさそうに頬をかく。
「へへ…マアなんであれ、ここに戻ってこれて良かったわ。この数日色々あったけど、これからもよろしく…」
「ああ、えと、そのことなんだけど」
照れ笑いしてハイタッチの構えを見せる俊宇にアレンが少し気まずそうに切り出した。
「君は今まで、妹を買い戻す資金のために僕と契約して働いてきたわけだけど。万姫が君の妹を買い取って、妹と引き換えに君が万姫の奴隷になるって契約は無かったことになって…万姫を倒した今、君の妹は自由の身だ。けど、それはつまり…」 - 244二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:26:48
何はともあれ良かった良かった
- 245ぬし24/08/15(木) 22:28:36
そこでやや決まり悪そうな顔をして、アレンが珍しく言いよどむ。
「つまり君が妹を買い戻すために金を集める必要も無くなったってことで…君にはもう、銃道部にとどまる理由は…」
自信なさげなアレンの声を、あっけらかんとした俊宇の声が遮った。
「なーんだ、そんなことか」
俊宇はにっかり笑って拳で自分の胸をドンと叩く。
「そもそもお前のアホみてえな計画に乗ってなけりゃあ俺は妹を助けるなんてできなかった。家族の食い扶持のためにどのみち金は必要だ、ここまできたら最後まで付き合うぜ。相棒」
俊宇の発言にアレンは一瞬だけ呆気にとられたように相棒の顔を見上げるが、ほどなくして心底おかしそうに微笑む。
「そうこなくっちゃ」
俊宇とアレン、互いに片方の拳を握って、合わせる。二人のグータッチを微笑ましそうに見て、マリアンヌが「これぞ青春、なーのねん」と呟いた。 - 246二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:29:13
俊宇くんは熱い男ですからね
仲間を大事にしてくれる事間違いない - 247二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:29:51
これが青春…眩しい
- 248ぬし24/08/15(木) 23:16:12
朝日を望む鐘楼のてっぺん、生徒会室にひとりの男が訪れる。見目の整った金髪碧眼に床まで届く長い純白のローブ。このシンボラルアカデミーの校長だ。
「いるかい、聖火」
校長が生徒会室の扉を控えめにノックすると、パタパタと走る音がして中にいた金髪碧眼の少女…聖火がドアを開ける。
「お父様!」
聖火は校長の顔を見ると、ぱっと花が咲いたように笑んで"父"に飛びついた。
「早かったわね!東雲の『処分』はもう済んだの?」
娘の問いに、校長はにっこり笑って答える。その掌には水銀に似たきらめく液体。白銀色の流体が彼の手の上で自在に形を変え、朝日を受けて輝いている。
「ああ。彼の異能は素晴らしかったよ。『水銀医師』はそのままでも実に使い勝手のいい力だが…まさか彼が開花まで習得するとは」
「まあ!それは思わぬ収穫ね!」
聖火が子供のようにはしゃいでみせる。校長はほんのちょっと目を細めて、穏やかな口調で聖火に訊いた。
「それで聖火、なにか私に話したいことがあったのではないかい?」
「ああそうだわ、忘れるとこだった!」
父から促され、聖火は机から一冊の帳簿を取り出してドヤ顔で校長に見せる。
「文芸部の奴らが最近怪しい動きをしてたみたいだからうちの『雪』に探らせたのよ。そしたら出てきたの!この学園に『主人公』がいるって情報が!」
『主人公』、という言葉を聞いて、校長がにわかに気色ばむ。
「『主人公』…?物語の"糸"に干渉できる力を持った、仮説上の存在が?」
「そうよ!お父様が長年探し求めてた『主人公』がアカデミーのどこかにいるの!」
興奮を表すように赤い顔でぴょんぴょん跳ねる聖火。校長はそんな娘をなだめ、大きな手でその頭を撫でた。
「そうか…よくやったね聖火。おまえのお陰で私の計画も最終段階に進められそうだ」
窓辺の花瓶に飾られた桜の枝が風に揺られて花弁を散らす。本来この季節にはまず咲きやしない、狂い咲きの花。
「この学園はいわば農園だ。子供たちに異能…超常の種を与えて育み、開花させ、時が満ちれば収穫する」
校長が聖火の頭を優しく撫でる。
「聖火、おまえは可愛い庭師だ。その力を振るって子供たちに眠る異能の可能性を目覚めさせ、このアカデミーに多くの花を咲かせておくれ」
「もちろんよ!」
聖火は得意げに胸を張って、うれしそうに答えた。
「だって、私はそのために作られたんですもの!」 - 249二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:26:02
やっぱりそういう場所だったのねん
- 250二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:26:38
生徒会長も気づいてしまったから消えたのかな…
- 251二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:36:49
せやろな
- 252二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:54:56
もしかしてサッカー部も優秀すぎて……?
- 253二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:56:14
まさかの可能性で草
- 254ぬし24/08/16(金) 00:35:28
左手にナイロン袋を引きずって、暗い地下道をアレンが歩く。
下水臭い地下通路をずっと歩いていくと、やがて行き止まりに突き当たる。蛍光灯に照らされるぽっかりと開けた空間。そこに転がる、拘束衣を着た黒髪の青年…だったもの。
全身の体液が抜けきってミイラのように縮んだ『抜け殻』をナイロン袋に詰め、ファスナーを閉める。
いつまで経ってもこの作業には慣れる気がしない。入学してからこのかた校長の下働きとしてこの手の『処理』を任されているアレンはそっと嘆息した。
この学園はいわば蠱毒だ。精神が未成熟な子供たちに異能の種を授け、苛烈な序列争いの中で育っていった異能を最後は校長が『収穫』し自分のものとする。
「あんな屑の手伝いを進んでしてるなんて、我ながら情けなくて笑えちゃうね。けれど…」
けれど、それもあと少しの辛抱だ。
アレンはそっと制服の下に隠したロケットペンダントを取り出し、祈るように目を瞑る。
「時は満ちた。ようやく僕たちはこの学園をぶち壊す。ようやく校長の手からあなたを救い出せる…」
鮮明に思い出せる、十年前の惨劇。十年前、アレンの前に突然現れたあの男は彼からすべてを奪っていった。
あの日のこと、アレンはひとときだって忘れたことはない。
十年かけて復讐の準備を整えた。偶然を装ってあの男に近付き、奴の根城たるアカデミーに入り込んだ。必要な駒も舞台もすべて揃えた。あと少し。あと少しで、あの憎い男の首に手がかかる。
「あなたは僕が必ず助け出す。だからそれまで、待っていて……"姉さん"」 - 255ぬし24/08/16(金) 00:39:57
これにて選挙戦編は完結です
お疲れ様でした
選挙戦編終わったということでここからは感想戦&リクエスト絵timeです
リクエストは明日(今日?)の20時まで受け付けます
ただしR18だけはダメよ - 256二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 00:59:05
オシャンティな義座丸の一枚絵とかおなしゃす!
- 257二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 01:05:16
今まで以上に重要な章だった…伏せられた設定やらキャラやら色々と大事な要素が盛りだくさんで闇深い部分がさらけだられたと言うか何というか…
- 258二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 06:23:26
- 259二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 06:24:11
文芸部コンビの日常的なやーつ
- 260二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:00:29
戦いの後の銃道部3人
- 261二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 16:30:38
絵がいい味出してる
- 262二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 17:23:48
わかりみが深い
- 263二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 17:25:39
トリコに出てくるような量の独創的な料理を作り満足げな晶シェフ&喜ぶ俊宇と絶望するアレンマリアンヌ
- 264二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 17:31:03
激突!!茶梅vs泡姫(当時の状況おなしゃす!)
- 265二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 17:48:16
任侠パロ
- 266二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 17:50:47
- 267二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 18:59:45
今ならシワシワ東雲ストラップ貰える!……冗談はさておき 架空動物園で死にそうな漫研部部長の絵を…
- 268二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 19:01:25
絵か
妙子ちゃんと万姫の青春絵とか見たいぜ - 269ぬし24/08/16(金) 20:24:10
- 270ぬし24/08/16(金) 20:34:29
茶梅vs泡姫のバトルシーンに決まりました
イラスト完成するまで次章&番外編の内容安価とりますね
なお今後の進行チャートは恐らくこんな感じになります
選挙戦編(いまここ)
↓
番外編
↓
御前試合編
↓
(番外編)
↓
最終章 - 271二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 20:59:17
了解どす
- 272二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:22:51
ここまできたって感じがしてきたな…まだまだあるんだけどなんかシミジミ
- 273二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:31:50
うむ…
- 274二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 01:55:05
最初から参加したかった……
- 275二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 06:20:38
ほす
- 276二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 06:45:09
今からでも良いんやで
- 277二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 10:57:47
選挙たのしみ
- 278二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 17:39:36
林間学校はあるんだろうか
- 279二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 17:43:02
ぶっちゃけ何があってもおかしくない学園だから予想だにしない事とか起きそうではある、海底にある施設とかもありそう
- 280二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 17:53:53
このレスは削除されています
- 281二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 17:55:49
空中庭園(物理)なんかもありそう 修学旅行は校舎が変形して宇宙旅行だぞ(妄想
- 282ぬし24/08/17(土) 19:13:20
- 283二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 19:39:32
強い女性同士のバトルは良いぞ(良いぞ
- 284二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 19:39:59
素晴らしい絵
- 285二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 20:05:41
うーん!!ラフ良き!!
- 286二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 20:53:25
正義が暴走してた頃の茶梅ちゃんか…
- 287二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 00:24:50
保守
- 288二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 07:20:59
ほ
- 289二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 12:20:20
しゅ
- 290二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 21:40:49
快気祝いに晶の山盛りマウンテン料理だな間違いない
- 291二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 22:13:02
いまだに姿かたちすらない先生達が1番の謎かも知れない…
- 292ぬし24/08/18(日) 23:22:27
- 293二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:24:46
すっごいおどろおどろしい感じがして良い絵やんけ…! 口のせいかな
- 294イラスト上手し24/08/18(日) 23:25:28
当時の茶梅ちゃんの暴走具合が伝わる
- 295二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:26:03
今更だが泡姫ちゃんロン毛だったのね
- 296二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:27:06
ヒェっ…指先や脚に血が付いてて、こわよ
- 297二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:27:43
このレスは削除されています
- 298二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:27:58
瞳がハート?
- 299二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:28:30
ホンマですやん
- 300二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:28:54
このレスは削除されています
- 301二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:30:23
- 302二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 06:58:49
保守
- 303ぬし24/08/19(月) 09:31:31
イラスト完成したので番外編に移ります
今出てる番外編案
・林間学校
・修学旅行
・教師に関して掘り下げ
・祝勝パーティーwith晶シェフ
(ここからスレ主の独断と偏見)
・他キャラ視点のスピンオフ
・日常回
・夏休み、ハロウィン等の季節イベント
上記の案の中からダイスで2個ほど選んで番外編やります
他にこんな話がやりたい・こんな場面が見たいなどのアイデアあればお願いします - 304二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 11:29:15
やったぜ
- 305二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 11:30:20
御前試合前に生徒会勢揃い遭遇イベントとか?
- 306二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 11:39:39
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- 307二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 17:33:41
舞踏会とか良さそう
- 308二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 21:58:28
保守
- 309ぬし24/08/19(月) 23:45:37
- 310ぬし24/08/19(月) 23:46:46
番外編メインイベントは修学旅行に決まりました
行き先>>315まで安価
- 311二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 06:20:51
海底
- 312二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 06:49:13
- 313二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 16:09:08
このレスは削除されています
- 314二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 16:09:35
空中都市とか…ありっスか?
- 315二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 16:26:37
- 316二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 16:29:19
学園地下帝国
- 317ぬし24/08/20(火) 19:44:37
- 318ぬし24/08/20(火) 19:47:23
修学旅行の舞台は空中都市に決まりました
なんでもアリだなこの学園
それでは修学旅行に行く学年を決めたいと思います
アカデミーの修学旅行はdice1d4=2 (2)
1.1年生だけ
2.2年生だけ
3.3年生だけ
4.全学年で行く
- 319ぬし24/08/20(火) 19:53:08
- 320二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:00:21
一番人数多いところか
- 321二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:02:54
キャラ絡みが多そうで面白そう
- 322二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:04:09
- 323二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:06:49
色々やらかしましたからね…
- 324二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:26:27
楽しみだけど同時に不安である
- 325二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 08:12:02
保守
- 326二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:08:13
空に浮いてる場所×義座丸…嫌な予感
- 327二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 15:03:51
- 328二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 15:31:58
地上から隕石落下とか飛行機墜落とか引き起こせる異能だからね現在のギザマルが出来るかは不明
- 329ぬし24/08/21(水) 21:21:26
>>327さすがに番外編でそんな大事件はやらかさない…と思いたい…
生徒会選挙も終わりを迎え、学園に久々の平穏が戻り始めた頃。万姫率いる文芸部を倒した俊宇たち銃道部一同はみんなで祝勝パーティーとしゃれ込んでいた。
「えー、それでは皆様。万姫たちとの抗争の勝利、そして俊宇の選挙戦突破を祝いまして…」
「「「かんぱーい!!」」」
アレンの音頭に合わせてジュースの注がれたコップが互いにぶつかる。パーティー会場である部室には駒込や泡姫など銃道部以外の面々もおり、部屋が少々手狭に感じるほどの賑わいだ。
「よくやったなあ坊主。俺あ遠くから見てただけだが圧巻の戦いぶりだったぜ」
「へへ、まあザッとこんなもんよ!」
「選挙戦突破おめでとう!これは僕からのちょっとした気持ちだよ!」
「お、晶センパイ久しぶり…って、みぎゃーーーーーっ!?!?!?北京ダックがゲーミング発光しながら蠢いてるのね!?誰なのねこのダークマター製造機呼びやがったのは!?」
「あ、それ俺だわ」
「祝勝パーティーやるからって俊宇に呼ばれてね!いやーこれは僕も存分に腕を振るうしかないなぁと」
「……。(無言のローキック)」
「痛っっっだぁ!?何すんだアレン!」
わいわいがやがやと姦しいことこの上ない宴会場であるが、ふとその中で駒込が何か気付いたように泡姫に話しかける。
「そういや葦原、茶梅の姿が見当たらねえがここには来てねえのかい?てっきり二人で来るもんだと思ってたが」
駒込の疑問に泡姫はこともなげに答える。
「茶梅か?あの子なら昨日から修学旅行に出かけている」
泡姫の返答を聞き、駒込も「そういやあいつも2年生だったか」と納得したように呟く。
「シューガクリョコウ?って何のことだ?」
二人の会話を横で聞いていた俊宇が不思議そうな顔をして駒込に尋ねる。駒込は俊宇の問いにちょっと意外そうに答えた。
「なんだお前、知らねえのか?うちの学園ではこの時期、2年生は修学旅行っつってみんなで旅行に行くんだよ」
- 330ぬし24/08/21(水) 21:36:36
俊「旅行かあ!いいな、すげえ楽しそう!」
駒「ま、ゆっくり羽伸ばすにはいい機会だわな。この学園全寮制だから修学旅行でもねえと校舎を離れることなんてそうそうねえし。ちなみに今年の2年はどこに行く予定なんだい葦原?」
泡「確か今年の旅行先は遠方にある天空都市と言っていたな」
俊「天空都市!?実在すんの!?」
晶「あはは、やっぱ最初はびっくりするよね。僕らも去年は豪華客船で海底探検するって言われて冗談かと思ったし」
駒「その前の代は宇宙ステーションって聞いたぜ」
俊「マジで何でもありだなこの学園」
マ「…で、結局このダークマターの山どうするのね?」
ア「荼毘に付せ」 - 331二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:49:52
ですねぇ…
- 332二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:51:55
ア「荼毘に付せ」 これだけ見たら悪役の台詞で草
- 333二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:03:20
超極悪独裁者が民の虐殺を指示するセリフ〜
- 334二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 02:05:47
このレスは削除されています
- 335二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 08:09:52
ほ
- 336二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 08:11:01
※実際は山の様なマズメシに対する台詞です
- 337二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 13:37:04
草
- 338ぬし24/08/22(木) 22:38:56
修学旅行編はやちるちゃん視点からお送りします
「…あ、あった!」
はるか空高く、眼下に白い雲を見渡しながら飛ぶ飛行船。その甲板の先頭に立って緋桜やちるはまっすぐ前を指差した。
やちるの指さす先には雲の海にぽつんと浮かぶ小さな孤島。なんの支えもなく天空に留まっている、透明な半球状のドームに覆われた不可思議な島には優美な白亜の建造物が見える。
「ほら茶梅!見えてきたわよ!」
「え、ほんと?」
やちるが後ろを見ていた茶梅の袖をぐいぐい引くと、茶梅もやちるの指さす方向を見る。前方にじっと目を凝らし、雲の切れ間に小さな島があるのを見つけると茶梅はぱっと明るい表情をしてちょっぴり跳ねた。
「…わ、ほんとだ!すっごく素敵な島!」
茶梅が桃色の瞳を輝かせ、やちるが得意げににっこり笑う。
アカデミーから遠く離れた、大空に浮かぶ天空都市。今回やちる達2年生が向かう修学旅行の目的地だ。 - 339ぬし24/08/22(木) 22:58:13
- 340二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:13:22
象牙の巨塔(美術館)
- 341二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:15:50
ファンタジー世界をリアル追体験できる施設
- 342二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:17:09
宙に浮くシャボン玉型喫茶店
- 343二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:19:44
宝灯の滝(七色の鉱石でできた滝から金色の滝が流れている)
- 344二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:21:44
地下大遺跡
- 345二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:24:40
奇異市場
- 346二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:29:58
水族館とプールが合体した施設
- 347ぬし24/08/22(木) 23:54:05
最初の行き先dice1d7=3 (3)
1.象牙の巨塔
2.ファンタジー体験施設
3.シャボン玉喫茶店
4.宝灯の滝
5.地下大遺跡
6.奇異市場
7.水族館&プール
- 348ぬし24/08/22(木) 23:55:47
やちるちゃんは喫茶店に行くようです
喫茶店の内装or雰囲気安価>>352お願いします
なお喫茶店にはdice2d8=3 2 (5) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 349二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:59:35
親しみやすい感じの落ち着く内装
- 350二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:00:04
天国モチーフ
- 351二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:04:06
アナイシャと練さんの組み合わせが謎すぎて草
レトロ感満載の純喫茶でアンティークな椅子や時計がチラホラ - 352二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:05:56
- 353二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:06:45
この組み合わせは…難しいねぇか?
- 354二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:08:47
- 355二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:11:50
店員さんとかが天使コスプレしてるとかでも…セーフ()
- 356二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 08:34:02
ほ
- 357二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 16:26:12
だいぶファンタジーな世界観
- 358ぬし24/08/23(金) 17:45:07
修学旅行初日の朝、やちるが始めに向かったのは街の中心部にある小さな喫茶店だ。
高台から虹の梯子を登って白亜の門をくぐると、真っ白の雲を絨毯にシャボン玉のような膜に包まれた喫茶店が見えてくる。雲の上にあるテラス席には美味しそうなケーキが山と積まれたティーセットが置かれ、たくさんの生徒たちで賑わっている。
「やば!もう結構席埋まっちゃってる!」
喫茶店の盛況ぶりを見てやちるが焦ったように店へと駆け出す。メルヘンな色彩の扉を叩いて喫茶店の中へと入れば、そこはパステル調の外装とはうってかわってアンティーク風の落ち着いた空間。
混み合っているから相席で、とやちるの通されたテーブルにはすでに二人の生徒が座っていた。
「あれっ、副部長?それにアナイシャも。意外な組み合わせね」
木製のテーブルに座る、カプチーノを飲んでいる目つきの悪い銀髪の少女とパンケーキを食べるナース服の青年。野球部が副部長の麻木練と保健委員のアナイシャだ。二人はクラスメイトではあるものの、それほど仲の良いイメージでもなかったのでこの二人が一緒に喫茶店に来ているというのは珍しいように思えた。
「アナイシャに誘われたんだよ。パンケーキの美味い喫茶店があるから来ないかって」
相変わらず表情の読めない仏頂面で練が答える。ストローで無造作にかき混ぜられ、天使を象った立体ラテアートは見るも無残な泡の塊と化していた。
「アナイシャが?よりにもよって、よくうちの副部長を誘おうと思ったわね」
「どういう意味だコラ。…いや、私も最初は興味ねえって断ろうとしたんだけどさ、コイツがどうしてもって言うから」
練がアナイシャの方を見やると、彼はちょっと気恥ずかしそうに頬をかいて縮こまる。
「だって男一人でこんなファンシーな喫茶店入るのなんか恥ずかしいじゃん…他の人はみんな予定あるみたいだったし…」
「いつもミニスカナース着てるくせしてそこ恥ずかしがるんだ…」
「変な奴だよな」
副部長もどっこいどっこいだと思いますよ、という言葉はそっと胸にしまっておくやちるであった。 - 359ぬし24/08/23(金) 17:47:05
次の行き先dice1d7=2 (2)
1.象牙の巨塔
2.ファンタジー体験施設
3.宝灯の滝
4.地下大遺跡
5.奇異市場
6.水族館&プール
- 360二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:47:49
まさかのSF的施設
- 361ぬし24/08/23(金) 17:49:08
お次はファンタジー世界が体験できるアトラクションに行くようです
アトラクションの内容or雰囲気安価お願いします
なお施設にはdice2d8=7 3 (10) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 362二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:49:46
テラス席を展開風にする事で安価同士の矛盾を打ち消すファインプレー
- 363ぬし24/08/23(金) 17:50:29
書き忘れ
安価〆切は>>368まででお願いします
- 364二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:50:42
アナイシャフットワーク軽すぎで草
- 365二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:52:46
初代ドラクエ風
- 366二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:54:37
特殊な器具をつけることで実際にファンタジー異世界に侵入できる
- 367二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:55:52
100階層まであるローグライク(完全踏破0
- 368二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:56:37
- 369ぬし24/08/23(金) 18:05:12
- 370二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:51:38
SAO方式…!?
- 371二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 04:13:43
このレスは削除されています
- 372二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:33:37
保守
- 373ぬし24/08/24(土) 09:31:09
喫茶店でティータイムを楽しんだやちるが次に訪れたのは、喫茶店にほど近い映画館のような外装の建物。アナイシャもここに興味があるとのことで、二人連れ立っての入場だ。
受付に行ってチケットを渡すと、奥のシアタールームに通され係員からヘルメット形の機械を渡される。
「このヘッドギアをつけるとあの中の世界に入り込めるんだって」
そう言ってやちるが部屋の奥にあるスクリーンを指さす。画面の中ではRPG調の鮮やかな景色を背景に、剣を持ったアバターが魔物らしきものと戦っている。
「早速かぶってみましょ!せーの…」
「हम जा रहे हैं!(レッツゴー!)」
やちるとアナイシャが同時にヘッドギアを装着した途端、周りの景色が一気に変わって彼らは中世ヨーロッパ風の石造りの街並みに飛ばされる。二人の見た目も変わり、やちるは学生服から颯爽とした魔法剣士の出で立ちに、アナイシャは法衣をまとった僧侶の格好に。…アナイシャだけなんか露出が多い気がするが、深く考えないことにしよう。
「わ、見て見てやちる!回復魔法使えるよ!ケガしても一瞬で治せる!すごい!」
「それ元々あなたの異能でもできるくない?…ボクも魔法で炎とか色々出せるっぽいわね、なんかちょっと楽しいかも」
やちるたちが二人ではしゃいでいると、ふと踊り子の格好をした青年が観衆に囲まれて歌っているのが目に入る。彼は確か2年5組の木村海道だ。
「あいつもここに来てたんだ。まるでライブ会場の盛り上がりじゃない、さすが二次元アイドル…ん?待って何あのエフェクト」
「いろんな色の音符がリズムに合わせて海道くんの周りを飛び交ってるね!あそこに浮かんでる数字はコンボ数かな?」
「…なんかあの人だけゲームのジャンル違くない?」 - 374ぬし24/08/24(土) 09:34:25
これにて修学旅行初日は終わりです
やちるちゃんが泊まるホテルの部屋🎲dice1d2=1 (1)
1.個室
2.dice1d5=3 (3) と相部屋
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.麻原綴
4.橘凛
5.喧龍寺茶梅
- 375ぬし24/08/24(土) 09:35:52
旅行2日目
最初の行き先dice1d5=4 (4)
1.象牙の巨塔
2.宝灯の滝
3.地下大遺跡
4.奇異市場
5.水族館&プール
- 376ぬし24/08/24(土) 09:37:17
お次は奇異市場に行くようです
市場の内容or雰囲気安価>>381までお願いします
なお市場にはdice2d8=8 5 (13) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 377二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:03:31
黒ずくめの外套を被った怪しい奴らが様々な物品を販売している
- 378二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:05:29
この市場に入るにはドレスコードで仮面などで顔を隠さないといけない
- 379二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:44:54
奇妙不可思議な物品ばかり売っている(中には掘り出し物も
- 380二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:49:17
格子状に通路が張り巡らされており迷いやすい
- 381二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:06:42
- 382二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:24:08
すげ〜楽しそう
- 383ぬし24/08/24(土) 12:38:13
- 384二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:41:18
やったぜ
- 385二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:54:19
だいぶ雰囲気良さそう
アフリカの呪物市に似た感じなんかな - 386二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 17:56:28
全採用助かる
- 387ぬし24/08/24(土) 23:22:03
施設を出て、やちるが次に向かうのは街の外れに立ち並ぶ定期市。「奇異市場」と呼ばれるその場所では色とりどりの布で格子状に区切られた屋台に仮面で顔を隠した人々がごった返している。
「ええと、奇異市場では仮面か何かで顔を隠すのがルールなのよね…紙袋でも被ってけばいいかしら」
ひとたび足を踏み入れれば、どっちを向いても屋台、屋台、屋台。黒ずくめの外套を着た店員たちが道ゆく客を口々に呼び込む声。カラフルな布や紐に彩られたテントがずらりと並ぶ様はさながら巨大な迷路だ。
店頭に並んでいる商品は屋台によってまちまちだが、虹色に光る羽ペンだとか喋るワニの置物だとか、とにかく奇妙奇天烈なものばかり。奇異市場の名に恥じぬ珍妙な品揃えである。
「カエル味のキャンディなんていったい誰が買うんだろ…ってあれ?あそこにいるのはもしかして風紀委員の奴らかしら」
やちるがふと顔を上げると、人の波の向こうに赤髪の小さい少女の姿。隣には同じくらいの背格好をしたおかっぱ頭の少年がいる。風紀委員長の橘凛とその懐刀の獅子目透だ。二人とも色違いの仮面をかぶって、仲良さそうに歩いている。
反学連の一件があってからあいつらもだいぶ丸くなったわよねえと少し微笑ましい気持ちでやちるが二人を見守っていると、全身に包帯をぐるぐる巻いた長身の男が凛の方に近寄ってきた。仮面で顔が見えないけれど、あの変な髪型は確かこないだ選挙戦に参加していた2年5組の雅舟義座丸だったろうか。
義座丸はヘラヘラ笑いながら凛に何か話しかける。遠くて話の内容まではわからないが、どうやら二人をからかっているらしい。義座丸が何か喋りだすと、凛はあたふたして首を振り、透が顔を真っ赤にして噛み付く。ほどなくして「こんな奴と話してたら耳に毒です!行きましょう凛ちゃん!」と透の怒り声が聞こえてきたかと思うと、凛としっかり手をつないだ透がやちるの隣を足早に駆け抜けていった。走り去る間際に見た風紀委員ふたりの顔は耳まで真っ赤に染まって茹で蛸みたいだ。二人の様子につられて赤面するやちる。
「な、なんか見ちゃいけないもの見ちゃった気分…!」 - 388二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:35:33
エッ⚪︎な事言ったんや!!
- 389二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:36:40
…ラブですね
- 390二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:39:56
お似合いのカップル的なことを言われたと推測する
- 391二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:49:29
うむ…実際のところお似合いだからね
- 392二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:11:30
やちるとかいうかなりの強能力に主人公みたいな雰囲気を併せ持つポンコツ
- 393ぬし24/08/25(日) 00:22:08
次の行き先dice1d4=2 (2)
1.象牙の巨塔
2.宝灯の滝
3.地下大遺跡
4.水族館&プール
- 394ぬし24/08/25(日) 00:23:20
お次は宝灯の滝に行くようです
滝の見た目or雰囲気安価>>399までお願いします
なお市場にはdice2d8=1 4 (5) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 395二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:48:58
おっ!あんましイベント事には絡まない珍しい二人が来たな
積み重なる数多くの虹色水晶の天辺から滝がとめどなく流れ落ちている - 396二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:54:36
朝昼晩時間の違いによって光り方を変える鉱石&金色の滝&滝の裏には鉱石の洞窟
- 397二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:55:10
ちょっとした船のツアーがある
- 398二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 01:00:57
昔は神の座す場所として祀られ修行の場としても使われていた神聖な場所、所々に特殊な宝石で作られた石像が存在している
- 399二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 01:03:08
- 400二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 10:31:55
このレスは削除されています
- 401二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 10:42:12
ほ
- 402ぬし24/08/25(日) 11:07:09
- 403二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 12:03:25
やったぜ(part2
- 404二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:01:55
- 405二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:15:35
実際に行ってみたすぎるし宝石製の石像とかめちゃくちゃ綺麗だろうな、土産の飴とかありそう
- 406二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:54:21
楽しみである
- 407ぬし24/08/26(月) 00:23:03
奇妙な市場を抜け、やちるはバスに乗って山へと向かう。十数分ほどバスに揺られて山奥へ分け入っていくとやがて黄金色の水が流れる滝に行き着いた。
観光客でごった返す中をかき分け進んでいけば、間近に見える神座の滝。日の当たり具合によって色彩を変える七色の水晶が積み重なった天辺から金色の水がとめどなく流れ落ちている。この世のものとは思えぬ絶景にやちるが見惚れていると、ふいに後ろから肩を叩かれた。
「やちるちゃん、こんなところで会うとは奇遇だね!」
声をかけてきたのはボクシング部部長の遠吠咲夜だ。学級は違うがバトルの特訓や相談事で彼にはたびたびお世話になっている。
「あら、咲夜じゃない。あなたもこの滝を見に来たの?」
「うん。今からボートで観光ツアーに行くつもりなんだけど、やちるちゃんも来る?」
「もちろん!」
咲夜の誘いを快諾し、ふたり連れ立って小舟に乗る。ボートは滝の周りの湖をぐるりと周遊したあと、滝の裏側に回って後ろにある鉱石の洞窟に漕ぎ入った。
「…わ、すごい…!」
やちるの声が静かな洞窟に反響する。滝の裏にある鉱石の洞窟、そこでは洞窟の外とはまた違った幻想的な光を放つ鉱石が水面を照らし、夜空に星を散りばめたように映る。周りを囲む虹水晶のいくつかはそのまま仏像の形に削り出され、見るものを厳かな心持ちにさせる。
「ここは元々神様の坐す場所として祀られていたところでしてね。今もこうして当時の名残が残っているんです」
「やっぱりこういう美しい場所にはみんな神聖なものを感じるんだねえ」
案内人の説明を聞きながら洞窟の景色を楽しんでいると、目の前が突然何もなくなったかのように真っ白になって、ゆっくりとボートが停止する。
「…あれま、行き止まり?」
「というよりこの先の風景が丸ごと抜け落ちてるように見えるけど…って、よく見たらあそこに誰かいるわ」
よく目をこらしてみると空白の中にぽつんと、ざんばらの黒髪に上下スウェットの生徒が座っている。あれは校内序列参位の麻原綴だったか。
彼は「ああしろこうしろと注文多すぎるんですよクソが、こんなもん今日中に描き終わるわけねえでしょうが…!」などと毒を吐きながら死にそうな顔で原稿用紙に筆を走らせている。
「…あの人、何やってんの?」
「さあ…」 - 408二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 01:06:10
おや…?もしかして
- 409二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 01:07:19
俺の考えが当たってるとするならば…さすが3位
- 410二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 08:02:03
ほし
- 411二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 11:00:34
もしやそういうことなんかな?
- 412ぬし24/08/26(月) 11:22:13
次の行き先dice1d3=1 (1)
1.象牙の巨塔
2.地下大遺跡
3.水族館&プール
- 413ぬし24/08/26(月) 11:23:34
お次は象牙の巨塔に行くようです
塔の見た目or雰囲気安価>>417までどうぞ
なお塔にはdice2d8=1 1 (2) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 414二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 13:04:21
象の牙の様な形をした白亜の巨大な塔
- 415二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 13:15:47
塔に行くまでに沢山の出店が並んでおり騒がしい雰囲気だが塔の周辺は荘厳な雰囲気に包まれている
- 416二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 13:16:40
よくわからないオブジェが多数
- 417二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 13:23:51
- 418二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 13:39:09
このレスは削除されています
- 419ぬし24/08/26(月) 15:06:34
- 420二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 21:49:19
奇怪遺産かな?
- 421二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 00:08:52
念の為
- 422二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 00:09:36
何気に茶梅ちゃんはまだ姿を現さず
- 423二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 07:55:36
このレスは削除されています
- 424ぬし24/08/27(火) 08:52:14
いよいよ修学旅行も最終日。旅行最後の一日の始めに、やちるは街の中心部にある美術館に向かうことにした。
「あれ、咲夜?また会ったわね」
道中、やちるは同じく美術館に向かう咲夜とばったり出会う。二日連続で行き先が被るとは珍しいこともあるものだと、二人は連れ立って街にそびえ立つ象牙の巨塔に歩いて行った。
ホテルから数分ほど歩いて辿り着いた象牙の塔は、ゆうにアカデミーの鐘楼ほどはあろうかという高さ。天に突き立つ白い塔が日時計のように街にその影を落としている。
「近くで見るとほんとに大きいわね!」
「まったくだよね。これ、実は塔自体が一本の巨大な象牙から削り出されたものらしいよ?」
「あの塔全部が一本の牙から!?どんだけでっかい象なのよ!?」
塔に入るとその中は象牙の壁が剥き出しになっていて、円い壁際に沿って張り巡らされた画廊を貫くように白亜の柱が立っている。数十階はある広大な画廊にはやはり象牙から削り出された奇妙な形のオブジェがずらりと陳列されていた。
「この像、なんか不気味っていうか、ぐにゃぐにゃして気味が悪い…ここに来てる人たちはこんなの見て楽しいわけ?芸術ってよくわかんないわ」
並べられているオブジェを眺めて、やちるがうへえと顔をしかめる。ここに飾られている美術品はあまり彼女の趣味には合わなかったようだ。
やちると咲夜は奇抜な彫刻の飾られる回廊をぐるりと歩いて、塔の半ばあたりまで美術館を見て回るとそこで飽きたように帰っていく。
「象牙の巨塔、確かに面白かったけどボクの趣味じゃないわね」
「そう?僕は結構楽しかったな」 - 425ぬし24/08/27(火) 08:53:30
次の行き先dice1d2=1 (1)
1.地下大遺跡
2.水族館&プール
- 426ぬし24/08/27(火) 08:54:35
お次は地下大遺跡に行くようです
遺跡の内装or雰囲気安価>>431までどうぞ
なお遺跡にはdice2d8=2 4 (6) が居るもよう
1.遠吠咲夜
2.麻木練
3.アナイシャ
4.麻原綴
5.橘凛&獅子目透
6.喧龍寺茶梅
7.木村海道
8.雅舟義座丸
- 427二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 09:20:14
お化けでも出てきそうな暗く寂しい感じの遺跡
- 428二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 09:27:20
なぜだか旧校舎の構造と似ている遺跡
- 429二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:20:10
地下深くまで遺跡が広がっておりいまだに全容は解明されていないらしい
- 430二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:20:58
何かを閉じ込めていたような檻がチラホラ
- 431二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:22:54
- 432ぬし24/08/27(火) 13:12:43
- 433二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 14:50:52
ギミック…床が上がったり下がったりする系かな
- 434二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 14:53:01
地下階段が生まれたり水が流れ込んで構造が変化したりするんかな
- 435二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 15:56:29
不思議ダンジョン(語彙無し
- 436ぬし24/08/27(火) 22:47:31
美術館を早々に出て、やちるが次に向かうのは街外れにある地下遺跡。天空都市なのに地下があるのかという突っ込みは野暮である。
「なんだ、やちるも来たのか」
物珍しそうにきょときょと周りを見渡しながら遺跡に踏み入るやちるに、先にいた練が声をかける。やちるは岩陰の暗がりの中に彼女の姿を見つけると目をぱちりと開いて小さく声を上げた。
「副部長!あなたも遺跡探検に?」
「おう。この遺跡、どうやら二人一組で探索する仕組みらしくてさ。丁度よかった、アンタも私と一緒に来い」
「ええ、それはいいんだけど…」
…と、そこでやちるが少々気まずそうに練の抱えている『なにか』を見やる。やちるの目線より少し高い位置、寝袋にすっぽり入った誰かが練に俵担ぎにされている。
「誰これ?めっちゃ爆睡してるけど」
「5組の麻原。その辺で寝てたから数合わせに連れてこうかと」
「せめて本人の了承は取りましょうよ…」
二人は眠りこけている綴をその辺の壁際にそっと寝かせ、地下遺跡の入り口となる大きな石門、その手前にある二つのスイッチに二人同時に乗る。
ごごご、がたん。大きな物音が鳴り響いて石造りの門が開く。二人同時にスイッチを押すことで扉が開く仕掛けのようだ。
石でできた厚い板の仕切りが消え、大口を開けて待ち受ける長い階段。この階段を下った先に地下大遺跡がある。
暗い階段を降りながら、練が思い出したように呟く。
「あ、そうだ。この先に進むなら注意しとけよやちる。この先の大迷路には…」
練がそう言いかけたあたりでやちるがちょうど長い階段を下りきり、少し色の違う床石を踏んだ瞬間。
「…っ、わああああ!?」
いきなりスポンとやちるの立っていた床が抜けて落とし穴が現れる。突然のことに訳もわからず落とし穴に落ちていくやちるを、練が釘バットを襟に引っかけて拾い上げる。
「こんな風にトラップ仕掛けられてるから。死にゃしねえけど下手したら骨の一本二本は逝くぞ」
「いや物騒っ!!」
ここって観光地じゃなかったかしら!?と地下洞穴にやちるの叫びが響くのであった。 - 437ぬし24/08/27(火) 22:48:52
最後のプール(水族館併設)はイラストでお届けしようと思います
描く場面&登場キャラ>>442まで安価
- 438二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:04:04
これは茶梅ちゃんのボインをですね…
- 439二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:05:29
アナイシャ&海道の水着姿(怖いもの見たさ
- 440二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:07:29
- 441二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:13:09
遊びながらプール監視員をしている浮き輪凛ちゃんと海パン透くん 透くんは義座丸を逆さまに吊るし上げている
- 442二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:17:30
- 443二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:22:38
イルカに混じってアクションショーをする咲夜&練
- 444二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 00:25:39
みんながワイワイ楽しむ姿を見るのが最後かと思うと少し物悲しいぜ
- 445二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:58:23
分かるマン…じゃが物語はまだまだ続くんじゃ
- 446二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:59:44
というかまだまだお楽しみはこれからよ、それにみんな死ぬみたいな言い方で草
- 447ぬし24/08/28(水) 08:56:50
- 448ぬし24/08/28(水) 08:59:30
全…員…(総勢9名)?
作画コストが高すぎやしませんかね
死ぬが??? - 449ぬし24/08/28(水) 09:01:23
- 450二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 10:27:01
全然オッケーどす お好きにお願いします
- 451二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 10:28:11
- 452二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 10:28:55
このレスは削除されています
- 453二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 10:46:04
メンバーに指定はないです
- 454二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 19:25:24
ワクワク
- 455二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 00:19:33
保守
- 456二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 08:29:14
すほ
- 457ぬし24/08/29(木) 15:56:57
- 458二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:02:37
素晴らしい絵だぁ…まるで実写かのような手
- 459二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:03:37
胸囲の格差社会で草
- 460二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:20:28
>>457イラストありがとうございます!!めちゃくちゃ良いです!
- 461二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:25:11
ありがたやありがたや…
もしや麻原=ぬし?(妄想 - 462二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:28:13
その考えはなかった
- 463ぬし24/08/29(木) 21:01:25
修学旅行編もひと段したので御前試合編やります
新章始める前に試合参加者🎲
《生徒会執行部・確定枠》
・榊原聖火(会長)
・麒麟棺(副会長)
・仮面の少女(書記)
・???(会計)
《予選突破者・確定枠》
・成俊宇
予選突破者残り三人dice3d7=6 2 7 (15)
1.緋桜やちる
2.笹貫光一郎
3.葦原泡姫
4.遠吠咲夜
5.朝比奈晶
6.駒込馨
7.雅舟義座丸
- 464ぬし24/08/29(木) 21:03:02
御前試合の参加者は以下のようになりました
《生徒会執行部》
・榊原聖火(会長)
・麒麟棺(副会長)
・仮面の少女(書記)
・???(会計)
《予選突破者》
・成俊宇
・笹貫光一郎
・駒込馨
・雅舟義座丸 - 465ぬし24/08/29(木) 21:05:24
会計キャラ作ります
性別 dice1d3=3 (3) (1.男2.女3.不明)
学年 dice1d3=3 (3) 年
クラス dice1d5=4 (4) 組
誕生日 dice1d12=11 (11) 月dice1d31=17 (17) 日
身長 140+dice1d60=25 (25) cm
体重 身長-120+dice1d30=20 (20) kg
得意教科 dice1d10=7 (7)
苦手教科 dice1d10=6 (6)
1.国語2.数学3.理科4.社会5.英語6.音楽7.美術8.技術9.家庭科10.体育
異能の強さdice1d100=33 (33)
96~…ランクSS 86~95…ランクS 76~85…ランクA 61~75…ランクB 41~60…ランクC 11~40…ランクD ~10…ランクE
体力 dice1d100=78 (78)
学力 dice1d100=87 (87)
人望 dice1d100=40 (40)
精神 dice1d100=57 (57)
運 dice1d100=81 (81)
序列dice1d50=39 (39)
開花🎲
dice1d4=2 (2)
1.自分の意思で開花できる(花びら3+dice1d2=2 (2) 枚)
2.自分の意思で開花できる(花びらdice1d5=5 (5) 枚)
3.意識的ではないけど開花できる(花びらdice1d5=2 (2) 枚)
4.開花を使えない
- 466ぬし24/08/29(木) 21:07:18
因縁の対象dice1d25=12 (12)
1.成俊宇 2.天眼寺アレン 3.マリアンヌ 4.笹貫光一郎 5.麻木練 6.此花件 7.獅子目透 8.駒込馨 9.橘凛 10.榊原聖火 11.麻原綴 12.葦原泡姫 13.遠吠咲夜 14.東雲照彦 15.葉敷烈 16.緋桜やちる 17.アナイシャ 18.麻木蒼 19.木村海道 20. 朝比奈晶 21.喧龍寺茶梅 22.万姫 23.毒島妙子 24.雅舟義座丸 25.校長
因縁の深さdice1d100=57 (57)
(目安:80以上で血縁、50以上で友人もしくは宿敵、20以下でただの知り合い)
執着度dice1d100=42 (42)
友好度dice1d100=60 (60)
- 467二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 21:08:53
異能は弱いけど自分の意思で5枚開花できているから問題無いか
- 468ぬし24/08/29(木) 21:14:03
会計ステータス
11月17日生まれ性別不明
クラスは3年4組
身長165cm体重65kg
美術が得意で音楽が苦手
精神面以外のスペックが満遍なく高い
異能ランクはDだが『満開』使用可能
序列39位
葦原泡姫とは親友または宿敵くらいの関係性で執着度も友好度も中くらい
以下のテンプレを使って>>475あたりまでキャラ設定お願いします
【名前】
【容姿】
【異能】
【泡姫との関係】
【備考】
【セリフ例】
- 469624/08/29(木) 21:57:10
- 470二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 21:57:51
【名前】熱山 熱気(アツヤマ ネッキ)
【容姿】中性的な顔で眠たそうにしてる
【異能】スモールマペット(小石程度の大きさの物を自由に操れる)
【泡姫との関係】自分を熱くした責任を取ってもらっている(たまに遊びで勝負してる)
【備考】昔は熱い人間だったが大きくなるにつれて適当な人間になってしまった 会計の仕事はちゃんとやってるがそれ以外は適当にしてる
【セリフ例】眠いなー どうしてくれるの久し振りに熱くなってきたじゃないか責任とってよ - 471二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 21:58:26
すみません!名前変え忘れてました
- 472二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:03:39
【名前】アンソン·マンソン
【容姿】メモ帳を片手に持った青メッシュ黒髪の白人男性
【異能】『語毒(ごどく)』毒づくと相手に毒が溜まる。毒の種類は毒づいた語句によって決まる(例:うぜぇ=麻痺等の神経毒、臭えな=腐食毒、しねよ=実質毒)
自身が謝れば相手の毒は無くなる。
【泡姫との関係】元剣道部
【備考】本来は優しい性格、なお本来の異能は『誤読』誤読させる能力、誤読した語句が現実になる開花で戦闘の際は能力自体を使い勝手の良い『語毒』に変えている。メモ帳には読み間違えやすい語句がメモされている。
【セリフ例】
「アクセル全開インド人を右に!」 - 473二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:09:54
ひっさびさにキャラ安価きたぜ
【名前】首藤笑(すどう げら)
【容姿】赤髪赤目で眼鏡の無表情男でワイシャツにネクタイをつけ黒のベストを着用している。
【異能】【地獄の審判(デビルパッチテスト)】架空の感覚を与える異能
【泡姫との関係】昔からの腐れ縁
【備考】表情は変わらないだけでお笑い好き。ドジで天然な所もある。何故が茶梅に敵対心を持たれている
【セリフ例】「…君も人の痛みを知れば少しはマシになるだろう」「泡姫…これは転んだんじゃない寝てたんだ」 - 474二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:26:03
【名前】日野 勇(ひの いさみ)
【容姿】体操着、オレンジ色の髪
【異能】催罠(トラップノーシス)相手に暗示を与える声を出せる。ただし録音でないと機能しない
【泡姫との関係】なんだか馬が合う
【備考】赤ちゃんや子供が好き
【セリフ例】ども!ちょっと眠ってください! - 475二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:39:51
【名前】市町村建人 シチョウソン タケル
【容姿】黒髪ロン毛鉢巻を巻いた&応援団的な格好の元気いっぱいな男子&木刀所持
【異能】グッドナイトスリープ 眠気を誘う能力
【泡姫との関係】昔同じ剣術道場にいたよしみ
【備考】当時は弱く制御の効かない能力を血の滲む訓練の末強め、制御できるようになった。現在では彼を構成する(声、匂い、温度、体液、見た目、気配、描いた絵や文字などetc…全てのものが周囲を眠りに誘う為、能力を抑えている。存在が非常にうるさくすぐ感激する。 麒麟君には半分嫌われ半分好かれている。デリカシーはある
【セリフ例】 "おはようございますッッ!!!!" 棺君!そこで諦めたら後悔するんだぞッッ!!頑張れっ!頑張れぇぃ!! - 476二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:41:54
【名前】久我 弥生(クガ ヤヨイ)
【容姿】男とも女ともとれる顔目
【異能】連打 (相手に攻撃を当てると威力が少し上がる)
【泡姫との関係】友達
【備考】真面目で責任感が強い
【セリフ例】勝つ絶対勝つんだよー - 477二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:44:56
- 478二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:45:57
- 479二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:46:40
だいたい全員変な奴では?
- 480二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:47:14
草
- 481二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:50:11
今気づいたんだけど義座丸なんだかんだで生き残ってるやん
- 482二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:54:21
- 483二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:55:53
【晶は晶だし】草生える マズメシバイオハザードはそりゃね…
- 484二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:04:23
朝比奈っちは実力はあるよね実力は…
- 485二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:05:15
トリコ世界の料理人みたいな事出来そうだしね
- 486二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:00:15
トリコまた続編来ないかな
- 487二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:03:14
まだありですか?
【名前】セブンス・ゴールドバーグ
【容姿】目つきの悪いもみあげ長めのメガネ銀髪褐色イケメン(服の下には特殊なスポーツスウェット)
【異能】Mr.ガリバー 異能ランクに応じた巨大化(自らの所持品にも能力は及ぶ)
【泡姫との関係】ずっと仲良くしている友達兼ライバル
【備考】フェンシングの達人で泡姫に剣の勝負で負け越している。普段は人前で猫を被っている。口が悪いが仲間想いなところも
【セリフ例】「調子に乗ってると丸呑みにすんぞコラ」「おやおや申し訳ございません言葉がしゃべれるとはつゆ知らず」 - 488二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:03:39
宇宙編観たいよね…
- 489二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:17:12
分からぬ
- 490二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:41:36
まだOKなら...
【名前】一二三芽冷(ウタタネ メザメ)
【容姿】着崩したスーツを着ており、目元にはクマがある
【異能】愛信苦想(あいしんくそう)相手に感情を植え付ける能力
【泡姫との関係】友人
【備考】相当な恋愛脳
【セリフ例】「心が二つある~」 - 491二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:03:23
ほ
- 492ぬし24/08/30(金) 10:38:43
- 493ぬし24/08/30(金) 10:42:56
会計プロフまとめ
一二三芽冷(うたたね めざめ)
11月17日生まれ性別不明
着崩したスーツ姿で目元にクマがある
クラスは3年4組
身長165cm体重65kg
美術が得意で音楽が苦手
精神面以外のスペックが満遍なく高い
異能ランクはDだが『満開』使用可能
序列39位
泡姫の友人で相当な恋愛脳
異能…『愛信苦想(あいしんくそう)』
相手に感情を植え付ける能力
「心が二つある〜」 - 494ぬし24/08/30(金) 10:44:27
- 495二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:50:33
エナドリのお茶割り
- 496二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:51:48
仕事
- 497二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:54:44
わ、わあ…
筋肉 - 498二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:54:58
えび
- 499二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:05:23
労働
- 500二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:06:25
なんか限界リーマンが誕生しとる 仕事
- 501二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:07:28
食事
- 502二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:15:24
ぼとるしっぷ
- 503二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:27:10
人間観察
- 504二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:36:48
なんだろう性別がどちらにせよ凄い厄介
- 505ぬし24/08/30(金) 13:08:42
- 506二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 13:11:47
これで恋愛脳は怖い
- 507二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 13:12:42
ビジュアルすごい好みだわコイツ
- 508二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 14:49:51
とりあえずバイだな多分
- 509二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:02:04
- 510二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:04:51
うむ…上手いよなぁ
- 511二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:17:24
分かるマン…基本ナスカの地上絵みたいなクオリティになる
- 512二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:31:30
能力名凝ってるの多くて好き
- 513二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 08:38:52
- 514二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 12:44:45
- 515二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 14:44:06
あ、すまん
- 516ぬし24/08/31(土) 18:04:25
万姫率いる文芸部を倒し、生徒会選挙の予選を制した俊宇たちはいつものように銃道部の部室に集まっていた。
「知っての通り、来週から生徒会選挙の本戦…御前試合があるわけだけど」
組んだ手の上に顎を乗せ、所謂ゲンドウポーズでアレンが言う。その表情は真剣そのものだ。
「ああ」
俊宇とマリアンヌもいつになく真面目な面持ちで頷く。アレンはふっと微笑むと机のマーカーペンを取っておもむろに立ち上がった。
「僕らがこの学園を掌握する…生徒会選挙を制するには、これから始まる御前試合に勝ち進んでいかなければならない」
喋りながら彼は後ろにあるホワイトボードにトーナメント表のようなものを書き込んでいく。
「御前試合まで勝ち抜いてきた候補者たちはいずれも海千山千の強者揃い。もちろん試合も予選とは比べ物にならないほどの激戦になることだろう。少しでも僕らが有利に戦うために、今のうちに立てられる対策はすべて立てておくよ」
「つまりいつもの作戦会議タイムなのね!」
マリアンヌが元気な声で言う。アレンはひとつ頷いて、書き終えたトーナメント表を俊宇たちに見せる。
「それじゃあ改めて、御前試合についておさらいと行こうか」 - 517二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:08:33
始まった
- 518ぬし24/08/31(土) 18:24:24
- 519二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:28:04
カワよ
- 520二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:31:43
駒込さん…あなたの骨は拾います…
- 521二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:33:16
義座丸と一二三の見た目ダウナー対決が始まるしいきなり主人公と仮面少女の戦いくるか
- 522二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:34:02
武器と財産もいただくのねんby^^マリアンヌ
- 523二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:56:05
次回!駒込死す!!
- 524二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:33:45
俊宇も光一郎もボスラッシュで笑う
- 525ぬし24/08/31(土) 20:05:49
ア「御前試合は予選で選ばれた候補者と現生徒会の生徒が校長の前で、一対一で試合をする行事だ。司会は風紀委員が、審判は校長が務めることになっている」
俊「待て、その表に描いてあるのって俺か?」
マ「ぜんぜん似てないのねん」
ア「うるさいな!…ともかく、御前試合は予選とは違って勝ち抜き形式になっている。トーナメントで勝ち上がった者は一位から順に生徒会長、副会長、書記、会計に就くことができる仕組みだ」
俊「ここまでくると選挙っつっても生徒の意思はガン無視なのな」
ア「まあシンボラルアカデミーだからね。生徒会選挙を勝ち抜いて生徒会長を目指すなら、俊宇は合計3戦の試合すべてに勝つ必要がある。一戦でも負ければそこで試合は終わり。絶対に負けることは許されないよ」
マ「せ、責任重大なのね…でも俊宇ならきっと大丈夫なのね?」
俊「おう!誰が相手だろうとぶっ飛ばしてやるさ!」
ア「自信満々だねえ。御前試合には他にもいくつかルールがあるんだけど、例えば>>525、>>526、>>527あたりが特に重要かな」
- 526二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:33:52
故意及び事故だろうと命を奪う行為は禁止
- 527二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:40:42
このレスは削除されています
- 528二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:42:28
候補者は1試合に限り代理を建てられる
- 529二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 21:09:05
このレスは削除されています
- 530二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 00:11:16
御前試合開始時間に遅れた場合は自動的に不戦敗とする
- 531二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 10:49:41
このレスは削除されています
- 532二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 17:40:24
なんか消したのかな?
- 533二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 23:27:06
今日はおやすみだー
- 534二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 23:29:26
だね
- 535ぬし24/09/02(月) 00:44:09
ホワイトボードに綺麗な字で御前試合のルールが書き込まれていく。
「まず当然だけど、御前試合では対戦相手の●害はご法度。事故でも故意でもやった時点で即敗退だからね」
「殺しはアウトってルールに明記されるとか治安やばくね?」
「今に始まったことじゃないのねん」
ひそひそ話し合う俊宇とマリアンヌに苦笑して、アレンはまたペンを動かす。
「次に、御前試合では自分が参加する一試合に限って代理を立てられる。俊宇と相性の悪い相手が来た場合は僕かマリアンヌが代わりに戦うこともできるってこと」
もっとも対戦カードによってはこの制度を使わない可能性も十分あるけどね、とアレンが付け足す。
「最後に、御前試合は時間厳守だ。試合開始にもし遅れてしまった場合は自動的に不戦敗となる」
彼の説明に俊宇が首を傾げて問いかける。
「…最後のルールって、要は時間までに試合出ろよってだけの話だろ?特に気をつける必要もなくね?」
俊宇が訊くとアレンはちょっと眉根を寄せて「わかってないな」と呟いた。
「毎年のように出るんだよ。対戦相手が試合に出られないように、試合前に足止めしてくる生徒が。そうでなくとも今俊宇は文芸部を倒して序列六位に成り上がった有名人、色んな意味で狙われやすい立場だ。これまで以上に身の回りには気をつけて」 - 536二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:23:49
今6位なんか主人公…そうだったな
- 537二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:24:20
- 538二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:31:12
義座丸の部下とか友達とか出てきそうよな、後は生徒会シンパとかね
- 539二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 08:54:55
ほ
- 540ぬし24/09/02(月) 16:41:33
「ひとまず今は、最初の試合で当たる相手…生徒会書記『雪』の対策を考えよう」
そう言ってアレンが文芸部からちょろまかしてきた毒島の対策ノートを引っ張り出してくる。几帳面な文字が書かれた紙面には仮面をかぶった少女の写真。開かれたノートの束を眺めて、マリアンヌがぴんと片手を挙げた。
「せんせー!質問なのね!」
「はいどうぞ、マリアンヌくん」
「この『雪』って確か俊宇が文芸部に捕まったときに逃げるの手伝ってくれた仮面野郎なのね?こいつが生徒会だったなんてボク初めて聞いたのねん」
こいつ一体ナニモンなのね?とマリアンヌが問う。彼の疑問にアレンはさもありなんと頷いた。
「彼女は生徒会の影だからね。書記として公の場に出ることは滅多にないんだ」
俊宇たちが次のページをめくる。嫌になるくらいの文章量が詰め込まれた他のページに比べて、『雪』の項目は拍子抜けするほどに文字が少ない。
「説明を続けるよ。…『雪』は今年の六月ごろ、生徒会長直々にスカウトされて生徒会に入った素性不明の転校生だ。その出自、本名、異能、ほとんどの情報が秘匿されている。わかっているのは彼女が常に仮面で顔を隠していること、そしてとても強力な異能者であるということだけだ」
とはいえ調査で分かったこともそれなりにある、とアレンが続ける。
「学園内に『雪』と戦った生徒が何人かいてね、彼らの証言と文芸部戦で僕が"視た"情報をまとめてきた。調べた限り彼女はおそらく氷雪系の異能者だ。氷で攻撃したり人やモノを凍らせるのはもちろん、敵の動きそのものを『凍結』させて無力化することもできるらしい。攻守ともに隙のない相手といった感じだね…」
…と、そこで彼は俊宇の方に視線を向けて不思議そうな顔をする。 - 541ぬし24/09/02(月) 16:41:52
「…きみ何やってんの?」
見ると俊宇は先ほどから黙り込んで、渡された『雪』の写真をじっと見つめている。
「なあに俊宇、さっきから食い入るようにその写真ばっかり見つめちゃって」
「お前さんこういう女子がタイプなのね?」
「ちげえわ!…いや、やっぱ似てるなと思ってよ」
神妙な顔で写真を眺める俊宇の表情を二人が横から覗き込む。
「そういえば選挙の時にも言っていたね。『雪』の姿が君の幼馴染によく似てるんだっけ」
「ああ。雰囲気も片耳に桃のピアスを着けてるとこも…全部、雪梅にそっくりだ」
俊宇が懐かしげに目を細める。はるか遠くの故郷にいる幼馴染を思い出しているのだろうか。
「ほーん…もしかして『雪』の正体ってその幼馴染だったりなのねん?ホラ、"雪梅"と"雪"で名前もそっくりなのね」
「あいつが?それはさすがにねえと思うけど…でもそうだな、雪梅がもしこの学園にいるんだとしたら」
「だとしたら?」
マリアンヌが聞き返す。
俊宇は答えず、ただ遠くを見るような眼差しをしてノートを閉じた。 - 542ぬし24/09/02(月) 16:43:50
御前試合編スタートです
第一試合開始前に俊宇たちの行動orイベント安価>>547までどうぞ
- 543二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:50:08
控え室にいる所、友人達に発破をかけられる
- 544二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:53:21
- 545二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:59:00
- 546二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:01:20
笹貫光一郎vs麒麟棺の大舌戦
- 547二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:16:33
- 548ぬし24/09/02(月) 22:06:04
- 549二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 22:09:31
熱い友情展開…
- 550二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 22:25:39
良かった、何事もなく試合できそうだ(フラグ
- 551二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 00:01:56
せやな()
- 552二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 10:12:07
ホンマに?
- 553二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 16:46:34
保守
- 554ぬし24/09/03(火) 18:49:18
一週間は矢のように過ぎて、あっという間に御前試合の日がやってくる。
「準備はいい?」
試合開始の1時間前、控え室で身支度をする俊宇に遠吠咲夜が話しかける。彼も俊宇と同じく選挙戦に参加した候補者の一人であるが当選手前で惜しくも敗退してしまったようだ。
「頑張ってね俊宇。『雪』は手強い相手だけど君ならきっと立ち向かえるさ!」
自分だけ選挙に落ちた恨み節などおくびにも出さず、爽やかな笑みを浮かべて咲夜が俊宇の肩を叩く。咲夜の激励に俊宇は白い歯を見せて笑い「おう!」と元気よく返す。
またねと言って咲夜が去っていくと、入れ替わるようにチャイナ服を着た銀髪の女性が控え室に入ってきた。彼女の顔を見たとたん、俊宇の細い目が思いきり見開かれる。
「…っ!?お前、なんでここに」
ここに居るはずのない存在に思わず表情筋を強張らせる。俊宇に対し、銀髪の女性…万姫はひらひらと手を振って笑う。彼女の姿は以前会った時より少しやつれているようにも見えるが、裏腹に表情はどこまでも穏やかだ。
「そんなに身構えないでくれよ。私はただ贈り物をしに来ただけだ」
そう言うと、万姫の白い手が俊宇の手に何かを握らせる。左手にずしりと重い感触。見れば、そこには実弾の込められたリボルバー。唐突に渡された銃器にうろたえる俊宇の耳元で万姫が囁いた。
「これはお守りだ。この先、君は今までの苦痛とは比べものにならないほど辛く重大な決断をする日が来る。その時が来たら使うといい」
拳銃を握る俊宇の手をしっかり掴み、万姫が言う。静かに言葉を紡ぐ彼女の目はサングラスに隠されて見えない。
「こいつを使う時が来たとして、そのときは決して躊躇うな。選ぶべきものを常に見定め、持ち続けろ。自分にとって一番大事な価値を見失うな」 - 555二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 19:01:42
まさかのかつての敵が来たやーつ…!?
- 556二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 19:08:17
なんだかシリアスな話だぜ
- 557二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 19:19:30
最初からなんだよなぁ…
- 558二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 22:56:47
親友を犠牲にした奴が言うと説得力が違うぜ!(何処からともなく湧いてきた怪談に襲われ死亡
- 559二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:01:12
草生える 残当…まあ中々の展開を迫られそうで怖いなぁ
- 560ぬし24/09/03(火) 23:20:54
「……。」
「じゃ、用はこれだけだから」
突然のことに言葉が出ない俊宇に万姫はくるりと身を翻し、早足で部屋から去っていく。
俊宇は重いリボルバーを握りしめ、彼女の言葉の意味についてしばらく考え込んでいたが、ほどなくしてまた誰かが控え室のドアを叩いた。
「俊宇ー!そろそろ会場に移動するのね!」
「お、もうそんな時間か?」
扉の向こうから催促する声。俊宇は拳銃を懐に仕舞い、急いで会場の方へと駆け出す。扉をやや乱暴に開けて廊下に出てみれば、遠くのスタジアムを指さしてぴょんぴょん跳ねるマリアンヌの姿があった。
「生徒会からのお知らせで、会場が向こうのスタジアムに変更されたらしいのね!早く行かないと間に合わないのねん!」
「マジか、すぐ行く!」
彼の案内に従って、二人はスタジアムに繋がる長い渡り廊下を走ってゆく。 - 561ぬし24/09/03(火) 23:36:40
そのころ、御前試合の開催場所である第一グラウンドにて。
「うーん、繋がらないなぁ…」
発信音を鳴らし続けるスマホを眺め、アレンが難しい顔をする。
「もうあと三十分で試合が始まるっていうのに俊宇も『雪』もいっこうに出てこない。俊宇は電話すら出ないし」
俊宇のやつ、一体どこで油を売ってるんだ?と眉間に皺を寄せながらぼやく。
「そっちはどう?"マリアンヌ"」
「こっちも繋がらないのねん。さっき送ったスタ練にもぜんぜん既読つかないし…アレン、これってもしかして」
「そういうことだろうね」
マリアンヌがアレンの方に視線をよこし、彼は肩をすくめてわざとらしくため息をつく。
「はぁ…。だからあれほど試合前は周りに気をつけろって言ったのに」 - 562二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:40:18
あら…!?
- 563二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:40:49
まさかの偽アンヌやんけぇ!
- 564二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:41:49
- 565二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:42:21
良かったのう
- 566二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:43:24
やったぜ
- 567二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:44:12
雪が出てこないのも何かあるんだろうか
- 568二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:52:19
- 569二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:53:13
- 570二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:54:46
- 571二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:55:17
一回勝てば次がいないもんな……うーむ
- 572ぬし24/09/04(水) 00:02:29
試合開始の四半刻前。
"マリアンヌ"に連れられてスタジアムに辿り着いた俊宇は人気のない観客席を見渡して、戸惑ったようにきょろきょろ視線を彷徨わせる。
「なあマリアンヌ、ホントにここが会場で合ってんのか?なんか校長どころか誰もいねえけど…」
「……。」
"マリアンヌ"は答えない。ただ無言で、俊宇に背を向けたまま突っ立っている。
「なあ…冗談ならタチ悪いぞ、マリアンヌ…黙ってねえでなんか言えよ…おい!マリアンヌ、なんか言えって!」
「……。」
ふたたび無言。
いっこうに答えを返さない"マリアンヌ"に痺れをきらした俊宇が彼に向けて一歩を踏み出した瞬間、俊宇の目の前が真っ白に埋め尽くされた。
どう、と大地が鈍く揺れて、俊宇の立っていた場所の少し手前から恐ろしい勢いで氷の柱が天井めがけて伸びる。氷柱は伸び重なり崩れ雪崩となり、巻き込んだものすべて氷の内に閉じ込めながら巨大な氷の波を作り上げた。
「うおっ!?」
襲い来る白銀の津波を紙一重で躱し、俊宇が睨みつけた氷柱の向こう。
マリアンヌの姿が雪解けのようにふわりと溶けて下から仮面を被った少女の姿が現れる。
俊宇は少女の顔を見て、瞬時に己の置かれた状況を悟った。
「またアンタか『雪』。今度は何のつもりだ?どうせ俺とはすぐ戦うことになるだろうに、試合まで待ちきれねえってか」
「……。」
少女はやはり答えない。
「…だんまりか。いいぜ、俺も小難しい話し合いは好きじゃねえんだ」
御託はなしだ。俺の邪魔をするんなら、悪いが力ずくでも押し通らせてもらう。
俊宇が叫び、周りに狂ったような大嵐が吹き荒れる。少女を覆う冷気が張り詰めて、スタジアムに薄く霜が降る。
誰の目も届かないがらんどうのスタジアムで、二人だけの戦いが始まる。 - 573ぬし24/09/04(水) 00:04:15
- 574二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:04:57
いやー!?もしやと思ったがこう来ました 燃える展開ですよこれはぁ
- 575二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:06:05
自らに嵐を纏わせ冷気を弾き攻撃にも活かせる攻防一体の鎧とする
- 576二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:07:06
- 577二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:07:28
- 578二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:07:46
氷柱の雨霰
- 579二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:08:31
足場を全て凍結させる&氷の兵士量産
- 580二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:11:36
氷を高い足場にしてからの雹攻撃→抜け出した相手に偽の氷人形を攻撃させ氷の刃で奇襲
- 581二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:15:04
- 582二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 08:05:18
何が出るかな
- 583ぬし24/09/04(水) 17:36:38
- 584二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:55:04
めちゃくちゃ互角だ…
- 585二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 18:03:02
めっさ良い勝負
- 586二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 18:33:49
最初はほぼほぼ同じ
- 587二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 23:23:07
この戦い最終的にどうなるんだ
ハッピーで終わりたいけど…不安な気持ちもある - 588二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 23:34:16
我らが主人公さんを信じろ…万姫から貰った拳銃がどういう風になるのかは知らないけど何とかなるやろ!
- 589二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 00:02:57
ふむ…うーむ これがボーイミーツガールですか()
- 590二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 09:42:24
きたい
- 591二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 14:58:05
ちゃう(ちゃう)
- 592ぬし24/09/05(木) 20:45:55
「……。」
無言のまま、雪が両手を重ね合わせて上へ突き上げる。重なった掌が花開くように広げられた瞬間、スタジアムの天井に幾百もの白い氷柱が現れる。咲いた端から雨霰と舞い落ちてくる氷柱は床一面に突き刺さり霜と氷が辺りを制圧する。冷気を閉じ込めた白銀の氷は触れたものを凍てつかせ、されど決して傷つけることはない。
「遅え!」
雪崩のごとく落ちてくる冷気の柱を見上げ、俊宇は空気の槍を振り回して氷塊を弾こうとする。しかし槍の先端が白銀の柱に触れた途端、槍はがくんとその場に"凍りついて"しまったかのように動きを止めた。
「……っ!?」
槍を握っていた指先に冷たい感覚が走り、俊宇はとっさに槍から手を離す。自分の周りに空気の盾を展開しながら前転で氷柱を回避。さきほど手放した空気の塊は氷柱に縫い止められていまだ空中に留まっている。
敵の動きを凍らせる雪の『凍結』の権能。話には聞いていたが、自分で生み出した氷にも付与できるのか。
「こりゃ当たったら即アウトだな」
予想以上に厄介な相手だと俊宇は舌打ちして再び握った拳に空気を収束させ始める。 - 593二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 21:11:16
バトルは続くよどこまでも
- 594ぬし24/09/05(木) 21:39:41
閑散としたスタジアムに爆音が轟く。
ドーム内に吹き荒れる冷気と熱波の大嵐。次々と氷柱を放って俊宇を氷漬けにしようとする雪に対し、俊宇は広い空間を雷のように飛び回りながら次々と圧縮した空気を爆発させ、氷柱を吹き飛ばしていく。生半可な者が立ち入れば即座に命を刈り取られるであろう人外魔境と化したスタジアムのなか、宙に浮かんだ氷柱の一片が俊宇の脚を掠め、一瞬だけ彼の動きが鈍る。
雪は文字通りそれを見逃さなかった。
仮面の奥でアイスブルーに光る双眸が俊宇を睨みつける。絶対零度の眼光が彼の全身を捉え、凍りついたかのように俊宇の動きが止まった。見たものの動作を止める凍結の目。野球部との戦いで使った技だ。
「……。」
呆気に取られた表情のまま固まっている俊宇に雪が静かに歩み寄る。迫ってくる仮面の少女に彼は身じろぎひとつ、まばたき一つすらすることはない。否、できないのだ。
無防備に立ち尽くすしかできない俊宇に雪は冷気をまとった手を伸ばし、氷の棺に彼を閉じ込めようとする。
しかし。
温度のない指先が俊宇の頬に触れた瞬間、彼の姿はふっと幻のように掻き消えた。
「蜃気楼…!?」
雪がはじめて小さく声を上げる。仮面の下から聞こえる声は鈴の鳴るような可憐な音色だ。
空気を歪めて生み出した俊宇の幻影に気を取られ、わずかに隙を見せる雪。その隙をつくように俊宇が氷柱の陰から飛び出した。彼の体を覆うは荒れ狂う竜巻。渦巻く空気の層を何重にも纏い、冷気の侵蝕を防いだのだ。
「悪いな、『その手』はすでに知ってんだ」
雪が振り向く。だがそれより早く彼の手の中にある空気の塊が炸裂した。
視界を埋め尽くすオレンジ色の光。膨大な熱と光、そして爆風が雪の細い身体を吹き飛ばす。 - 595二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 21:45:03
久しぶりの炸気炸裂だぁぁ!!
- 596二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 21:45:33
良いですねぇ!まじ良いですねぇ!
- 597二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 21:47:52
はえ〜…すっごいバトル
- 598ぬし24/09/05(木) 21:53:08
至近距離で爆発に巻き込まれた雪はスタジアムの壁に叩きつけられるかと思われたが、すんでの所で自分自身に『凍結』を発動。自分の動きを強制的に止めることで爆破の衝撃を受け流す。しかし完全にダメージを消しきることはできないようで雪の身体には火傷痕がちらほらと見え、彼女の着けている仮面にも大きな亀裂が走る。
氷のような無表情を貫いていた白い仮面が壊れ、崩れ、剥がれ落ちていく。
彼女と相対する俊宇は少女の仮面が取り払われるその姿をしかと目の当たりにした。
俊宇は『雪』の仮面が剥がれた少女の顔を見て、
そして言葉を失った。
「俊宇、御前試合を棄権して。さもなくば私は…あなたを殺さないといけなくなる」
仮面の下に隠れていたのは忘れもしない、小さい頃から慣れ親しんだ幼馴染の顔だった。 - 599二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 21:58:26
知ってた
- 600二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:00:03
ふうぅ…ふうぅ…何となく分かっていたが悲しす
- 601二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:00:38
うーむ辛い
- 602ぬし24/09/05(木) 22:02:20
- 603二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:10:50
- 604二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:16:45
周囲の空気を収縮させ熱波を発生させる&熱気を操り相手の冷気とぶつけ合い上昇気流と雲を生み出す
- 605二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:18:56
- 606二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:19:13
このレスは削除されています
- 607二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:20:49
- 608二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:26:38
- 609二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:27:36
- 610二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:29:02
- 611二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:30:25
- 612二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:31:35
- 613二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:32:04
- 614二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:32:43
- 615二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 02:07:36
どうなる
- 616ぬし24/09/06(金) 08:20:16
- 617二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:15:57
あら!ま
- 618二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 11:31:39
【速報】主人公大胆!…(なお
- 619二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 13:32:59
悪手なんだろうけど今の俊宇の心情からして、こんな感じなかと……してしまいました すいません
- 620二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 15:01:53
- 621二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 15:44:29
そうですな
- 622二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:52:51
ワクワク
- 623二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:34:27
ほ
- 624ぬし24/09/07(土) 11:29:18
ふら、と足から力が抜けて、俊宇の身体がよろめく。
「雪、梅…?なんで…」
「あなたは知らなくていい」
雪梅が冷たく斬って捨てる。あらゆる感情を押し殺した、仮面よりも仮面らしい顔。俊宇の知る素朴で優しい少女とは似ても似つかぬ表情に困惑の眼差しを向けるほかない。
「俊宇。私を少しでも思っているなら、ここで大人しく氷漬けになっていて。それしかあなたの助かる道はない」
「はあ…?どういう意味だよ、だいいち雪梅が俺を殺さなくちゃいけないって…」
「知らなくていいと言ったでしょう」
雪梅が片手に冷気を集めて氷のレイピアを生み出す。呆気に取られて固まっている俊宇に向けて目にも止まらぬ一閃。彼はすんでのところで雪梅の攻撃を回避する。
「…っ!?わけわかんねえよ!こんな…!雪梅が『雪』の正体なんて、あの時からずっと、なんで一言も…」
叫ぶ俊宇に雪梅は眉一つ動かさない。無表情を貫いたまま冷徹極まる剣さばきで氷のレイピアを振り回す。
その迷いのない太刀筋に、俊宇は彼女の固い意志を悟る。 - 625ぬし24/09/07(土) 11:51:25
「…そうかよ」
生み出した空気の盾に隠れて俊宇が小さく呟く。
ばちばちと空間に火花が散って、俊宇の額に紅い花が咲く。自らの異能を『開花』させた俊宇に闘気が収束し、身体中に張り巡らされる。
…ガン!!と凄まじい音を立てて俊宇が脚を踏み下ろすと同時に、スタジアムの床が割れる。
ただ床を蹴っただけ。それだけの事で、床は粉微塵に砕けて巻き上がり周囲には衝撃波が飛び散らされる。
俊宇の一撃に大地が揺れ、舞い散った瓦礫が煙幕となって雪梅の視界を奪う。また蜃気楼に隠れ潜む気かと雪梅が辺りを見回した隙に俊宇は正面から彼女の両腕を優しく絡め取り、床に押し倒した。びくりと雪梅の体が小さく跳ねる。
「お前も抱え込んでるんだな」
俊宇が静かに語りかける。一見つとめて冷静に、しかしどこか祈るような必死の色を込めながら。
「雪梅、優しいお前が進んでこんな事をするなんて思えない。きっと訳があるんだろ?教えてくれ。お前がもし俺の知らないところで苦しんでるなら、力になってやりたい。…お前を助けたいんだ」
お前を助けたい。そう伝えた瞬間、雪梅の双眸が静かに見開かれた。かすかに開いた唇が震え、アイスブルーに光る瞳に涙の膜が張って。
そして。
身も凍る冷気の奔流とともに、彼女の可憐な顔立ちがぐしゃりと歪む。
「…どの口が…!」 - 626二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 11:55:26
なんだか穏やかじゃない理由が、ありそう
- 627二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 12:41:20
「主人公」である事が理由?分からん?
- 628二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 22:11:41
保守
- 629二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 01:35:23
不穏だな
- 630二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 09:56:07
ほ
- 631二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 15:17:40
これ決着ついても大変そう(コナミ感
- 632二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:15:50
色々ね…
- 633ぬし24/09/08(日) 23:04:28
ゴウ!と大気が揺れるとともに絶対零度の吹雪がスタジアム中を白く覆い尽くす。立っていられないほどの風圧が俊宇の肌を裂き、傷口から飛び散った血が凍って紅蓮の花が咲いた。
「あなたはいつもそうだ」
八寒地獄の底から這い出たような低音で雪梅が呟く。吹雪く氷雪の礫が次第に寄り集まって、彼女の周りに人型を形作る。
「ねえ、俊宇はどうして抗うの。私をこうも苦しめてまで生徒会選挙に臨もうとする理由はなに?もうあなたの妹は助かったんでしょ?これ以上、危険を冒してまであなたが戦う理由はないじゃない」
「…俺は」
俊宇がしばし口ごもる。
「約束したんだ、ある奴と。そのために俺はこの学園でテッペンを取るって決めた」
「…あきれた」
バキン、と固い音がして氷でできた無数の彫像が動き出す。
「傲慢なんだよ。いつもいつも後先考えないで誰にでも手を差し伸べて。自分が守られる立場なことも気付かないで、『助ける』なんて軽々しく言って!そうやって誰かの地獄を肩代わりしたところで自分も周りも傷つかないと根拠もなく思ってる!」
行き場のない激情を叩きつけるように氷柱の雨が激しく降り注ぐ。二人を取り囲む氷の兵隊が一斉に氷でできた弓をつがえる。 - 634ぬし24/09/08(日) 23:06:39
- 635二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:21:27
- 636二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:06:25
全て上空に巻き上げる&大気を圧縮し灼熱の状態に
- 637二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:10:47
- 638二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:11:25
- 639二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:12:00
- 640二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:12:33
- 641二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:13:00
必殺技!
- 642二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 00:16:11
- 643二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 08:31:53
- 644ぬし24/09/09(月) 09:41:17
- 645二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 09:59:24
あらら
- 646二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 09:59:55
はじめての4?
- 647二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 10:05:18
だね それに数値は5しか差がなくてセーフ!
- 648二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 10:17:05
対話…対話は大事に
- 649二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 17:18:00
悲しい
- 650ぬし24/09/09(月) 22:35:42
今日は更新お休みします
- 651二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:42:28
了解致しました
- 652二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:04:57
おっつです!
- 653二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 02:52:01
このレスは削除されています
- 654二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 09:12:04
このレスは削除されています
- 655二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 16:17:36
このレスは削除されています
- 656二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 21:55:59
念の為
- 657ぬし24/09/10(火) 22:21:57
「射て!」
雪梅が指揮棒のようにレイピアを振る。氷の彫像が同時に動いて氷の弓から矢を握る手を離した。長く白銀の尾を引いて、冷気を固めてできた非殺傷の矢が四方八方から俊宇を襲う。
俊宇は落ち着いて『開花』によりスタジアム中から『冷気』を奪い去る。檻のように彼を囲んでいた白銀の矢が温度を失って霧散した。
「聞いてくれ。俺、ずっと家族を守るために頑張ってきたつもりだった。あいつらのために俺が戦わなきゃならないんならきっとそれが正解なんだって…でも、そのせいで。俺が戦うことで雪梅が苦しんでたなんて…知らなかった」
ゆっくりと、俊宇が雪梅に向けて歩き出す。霜柱の降りた地面を踏み締めるたびに白い冷気が足元から舞った。
「分かってやれなくてごめん。辛い思いさせて本当にごめんな。でも俺にもやるべき事がある、ここで止まるわけにはいかねえ。だから…」
俊宇の目がじっと雪梅の目を見つめる。
「話し合おう、雪梅。二人で考えりゃきっと見つかるはずだ。俺もお前も納得できるような、そんな答えがきっと…」
凍てつく声が遮る。
「…ないよ、そんなもの」
周囲の空気がつめたく淀む。そんなことないと尚も言葉を紡ごうとした俊宇の肺が凍りつく。
「私だって、あなたに刃を向けなくて済む方法を考えたよ。何回も何回も。でもダメだった。ダメだったの。何をしたって、どう闘ったって、私たちの行く先には絶望だけだった。だからこれしかないの。あなただけでも守り抜くために」
凍りついた視界のど真ん中に映り込んだ雪梅の眼。
涙の浮かぶ瞳の奥に、赤い花が咲いている。 - 658二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:22:40
始まったー!
- 659二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:24:06
「私だって、あなたに刃を向けなくて済む方法を考えたよ。何回も何回も。でもダメだった。ダメだったの。何をしたって、どう闘ったって、私たちの行く先には絶望だけだった。だからこれしかないの。あなただけでも守り抜くために」…ん?ループ物みたいな事言いますね…
- 660二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:25:22
その視点はなかった
- 661二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:25:59
ワシが理解出来てないだけでだいぶヤバい状況に進んでるんかな
- 662二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:26:37
ヤバいのは折り紙付きだね今までの描写的に……色々あったなマジで
- 663二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:26:55
うーむ面白い
- 664二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:29:23
ハッピープリーズ!!
- 665ぬし24/09/10(火) 22:45:24
数ヶ月ほど前の初夏のある日、突然転校してきた雪梅は転入から三日とたたずに生徒会書記に抜擢された。
その強力な異能を買われ聖火直々にスカウトされたというのが俊宇の聞いた話だが、実際の事情は少し違う。
彼らの通う私立シンボラルアカデミーの正体。集めた子供たちに異能を授け、育ちきった力を命ごと刈り取る巨大な農園。学園に通う生徒はいずれ遅かれ早かれ校長に異能を奪われ死ぬことになる。
誰も勘付かぬよう厳重に秘匿され、ひた隠しにされた『それ』を雪梅はひょんな事から知ってしまった。
彼女の大切な幼馴染である成俊宇はこの学園に通っている。それはつまり、遠くないうちに彼も殺されてしまうことが決まったようなもの。
幼馴染の危機を知った雪梅は単身校長室に乗り込み、聖火と校長を脅した。自分と俊宇を学園から解放してくれなければ、全校にアカデミーの正体を明るみにするぞと。
交渉は雪梅の思い通りには進まなかった。強大な異能と権力を持つ校長たちに立ち向かうには彼女はあまりに非力だったのだ。しかし校長への直談判は無駄ではなく、学園の秘密を突き止めた実力と胆力を買われて雪梅は彼らとひとつ契約を交わすことになる。
アカデミーの生徒たちにいつか訪れる『卒業』のとき。誰も抗うことのできない約束された死から俊宇だけは見逃してやる見返りに、雪梅はこれより生徒会の影となって働き続けること。
雪梅は契約を呑み、はたして彼女は生徒会書記の位を授かった。 - 666二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:50:01
ぬう…絶対あれな奴ですやん…実は…な奴ですやん
- 667二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:50:35
ピュアですなぁ
- 668二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:53:25
- 669二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:54:14
ダイスも関係して来そうではある雪ちゃんはクリティカル連発したんだろう…多分
- 670ぬし24/09/10(火) 23:17:36
俊宇の所属する銃道部が反学連に勝ったと聞いたとき、雪梅は焦った。
このまま俊宇が活躍を続けて目立っていけば、きっとどこかで校長たちの目に止まってしまう。
確かに校長とは労働の見返りに俊宇を助けてもらう契約を交わしてはいたが、それはあくまで彼の気まぐれのようなもの。彼が少しでも俊宇に興味を持てば、彼を手放すのを惜しいと思えば、契約は平気で反故にされる。
綱渡りのような日々が続くなか、彼女にとある指令が下される。
この学園に『主人公』が現れたという噂について調査せよと。
雪梅は直観で気付いた。彼らの探す『主人公』とは俊宇のことであると。そして文芸部の金庫から見つけ出した帳簿を見たとき、直感は確信に変わった。
雪梅は『主人公』が俊宇であると悟られぬよう、帳簿をひそかに処分した。変な勘繰りを受けないように、生徒会長には『主人公』がどこかに居るらしいという不完全な情報だけ流して。
しかし俊宇の『主人公』はどこまでも雪梅の思いを裏切った。
選挙戦の優勝候補であった文芸部を下し、俊宇は御前試合に出場することを決めた。校長に俊宇の戦いを見られたら、今度こそ全部バレてしまう。俊宇こそが『主人公』だと知られてしまう。
そうなれば校長はきっと俊宇を“収穫”する。
雪梅ではもう、庇いきれない。
…雪梅を中心に、淡く静寂の幕が下りる。
『開花』した彼女の異能は物体のみならず時間すら停止させ、スタジアム内の空間だけが外を置き去りにしたように白銀の世界に閉じ込められる。
「あなたを守りたいの!分かってよ!」
悲痛な叫びとともに雪梅が氷の棺を展開する。その中で眠るものを護り包み隠す絶対零度の檻。身の周りを覆い尽くしていく白い氷を前に、俊宇は息を発することすら許されない。
凍りついた壁掛け時計の長針が11を指したまま停止している。試合開始時刻は10時ちょうど。
時計の針が天辺を指すまで、あと5分。 - 671二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:19:54
俺たちに何ができるというのだコレ…
- 672二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:20:18
- 673二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:21:07
- 674二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:21:28
そりゃそうなるわな
- 675二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:22:33
- 676二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:25:08
怒り、悲しみ、決意、色んな感情が混じって見える表情すなぁ…
- 677ぬし24/09/10(火) 23:26:54
- 678二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:33:49
- 679二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:36:13
- 680二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:37:57
彼女の技を全て受け切ってからの涙の必殺技(非致死)
- 681二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:38:12
このレスは削除されています
- 682二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:38:42
- 683二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:49:48
- 684二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:52:15
氷の城で俊宇を封印&泣く
- 685二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:53:16
- 686二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:53:49
このレスは削除されています
- 687二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:59:20
- 688二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 00:04:30
能力で彼の"主人公"性を停止させる
- 689二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 00:06:42
自分で書いておいてなんだが…主人公性を停止ってなんだ…!?
- 690二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 00:07:22
ヘーキヘーキ!!ぬしさんに任せろ…(すまん
- 691二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 00:09:27
状況が状況なんでなんて打ち込むか過去最大級に悩んだ末……申し訳なく
- 692二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 00:26:06
草
- 693ぬし24/09/11(水) 08:56:06
- 694二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 10:09:19
やはり補正…補正は大事
- 695二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 11:29:22
結構ギリギリだった
- 696二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 12:33:18
あって良かった主人公補正
- 697二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 12:34:24
- 698ぬし24/09/11(水) 23:03:24
身体の芯が冷えていく。思考も感情も凍りついて、何も考えられなくなる。
時すら閉じ込める氷の棺が迫るなか、俊宇はただ目を閉じて佇んでいた。
「(…雪梅が泣いてるところなんて初めて見た。それほどまであいつが追い詰められてたのに、気付けなかった。救えなかった。それどころか、俺のせいで雪梅はあんなに苦しんで…)」
結局、自分はなにも理解していやしなかったのだ。彼女の深い絶望を。彼女を縛りつけていた艱難辛苦の本性を。なにも分かっていない自分が形だけ雪梅に寄り添おうとしてみたとて、拒絶されるのも当然だ。
一瞬、このまま彼女の棺に閉じ込められてもいいかもと、らしくない考えが頭をよぎる。
「(そうだ。俺が諦めればあいつはこれ以上傷付かなくて済むんだ…ならもう、いっそ全部放り出して、雪梅のしたいように…)」
俊宇がすべてを受け入れたように『開花』を解いて、全身から力を抜こうとした瞬間。
『本当にそれでいいのか?』
突然、何者かの声が俊宇の脳に語りかける。 - 699二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:08:47
誰だろ?
- 700二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:16:50
アレン? まだ分からん
- 701ぬし24/09/11(水) 23:41:07
それでいいのかと突如語りかけてきた声に、俊宇は疑問を挟むこともなく静かに耳を傾ける。
この声は聞き間違えようもない、俊宇自身の心の声だ。
『俺がここで折れれば、確かに雪梅の心は軽くなるかもしれない。でもそれは一時しのぎで、あいつの苦しみの元を断つことにはならないんじゃないのか?雪梅が抱えているものを俺は知らない。だけど、あいつは俺のことを守りたいと言った。あいつが俺を助けるために人知れず闘っているんだとしたら、陰に庇われたままで見守るだけなんて絶対ナシだろ』
ゆるく握った拳から緋色の『熱気』が迸る。固く凍てついた氷が解けていく。
「…そうだ」
俊宇の眼がゆっくりと開く。その細い瞳を染めるのは揺るぎない決意の紅だ。
「なんにも変わんねえじゃんか。俺がやるべきこと、やりたいこと」
雪梅は自分を馬鹿だと云うだろう。無謀だと云うだろう。それでいい。それでも自分は、少しでも希望のある方を選びたい。
「雪梅!俺は校長をブッ倒して、この学園を潰す!」
俊宇の周りの空気が凪いでいる。否、空間に満ちたエネルギーが大きすぎて張り詰めているのだ。赤熱した酸素が肺から流れ込み、俊宇の全身を巡る。彼の足元でバチバチと光の爆ぜる音がする。
「俺はこの学園で一番強くなる!そんで!お前が俺を守りたかった相手とやらも!お前が抱えてる地獄とやらも!みんなまとめてブッ飛ばす!だから、」
そこで一旦言葉を切って、俊宇は拳をきつく握った。腰を落とし、片方の手を前に突き出してファイティングポーズをとる。
「かかってこい。俺の言葉が嘘じゃねえってこと、信じさせてやる!」 - 702二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:43:27
かっちょいい…!最初の頃の胡散臭いムキムキ中国人の面影はもうなく、すっかり『主人公』しやがってよぉ!!
- 703二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:45:32
いつもはどっちかというと三枚目な俊宇がここぞの場面で誰よりも熱い漢になるんスよ…最高なんすよ 長くこの安価スレに参加出来て良かっだぜ
- 704二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:45:54
うむ…
- 705二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 07:40:22
戦いは続く…
- 706ぬし24/09/12(木) 08:14:37
「…そう」
雪梅が悲しげに、しかしどこか納得したように呟く。
「ならば私は全力であなたを止める。あなたを生かし続けるために、あなたの覚悟を否定する」
霜柱が雪梅の足元から這い登って、彼女の全身を包む。あっという間に氷雪のドレスを身にまとった彼女はさながら雪の女王だ。
雪梅の細腕が白銀の錫杖を地面に叩きつける。キン!と硬い音がすると同時に俊宇の足元がせり上がって氷柱が彼を取り囲み、美しい氷の城砦を築いた。
「出られるものなら出てみなさい。いちど閉じ込められたら誰がどう足掻こうと、この氷の城は破れない」
告げる雪梅に俊宇は動じることなく、迷わずその赤熱した拳を城の壁面に叩きつける。渾身の力を乗せて放った拳はあえなく冷たい壁に弾き返されるが、それで諦める俊宇ではない。
「負けるかよ!一度で駄目なら、何度だって…!」
続けざまに二発目の拳を叩き込む。また弾かれる。三発目。また弾かれる。四発目、五発目、六発目。何度も何度も弾かれては、彼の拳は風のエネルギーを纏い、どんどん鋭くなってゆく。
何度目かの攻撃が氷の壁を射抜いたとき、ついに固く閉ざされた白銀の城に小さくヒビが入る。氷の檻に閉じ込められた中の空間ではすでに台風に匹敵するほどのエネルギーが解放を待ち侘びて渦巻いている。
「これで…終わりだぁっ!!」
空間に満ちた『気』を拳の一点にすべて集め、振り抜かれた俊宇の一撃がとうとう氷の城を破壊した。
驚愕の表情を見せる雪梅の前に躍り出る俊宇。半分諦めが混ざったような顔の彼女に、彼は血と凍傷まみれになった手を伸ばして。
そして闘いは終わりを迎える。 - 707二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 09:56:45
雪の女王vs嵐の王子…勝者は
- 708二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 14:34:35
良い方向に進むと良いんだがね
- 709ぬし24/09/12(木) 23:19:36
ふいに雪梅の目の前が暗くなって、血と汗の匂いのする温もりに包まれた。
身構えるようにぎゅっと瞑っていた彼女の目がゆっくりと開く。見上げれば細い体を両腕でしっかと引き寄せて、俊宇が雪梅をその胸に抱きとめている。
「無理言ってごめん雪梅。でも、俺は少しでも可能性のある方に賭けてえんだ」
頑なな輝きを放つ氷雪のドレスが融けて形を失ってゆく。固まっていた時計の針がぎこちなく動き出す。
「約束するよ。俺はこの先、ぜってえ負けない。どんな試練も絶望も全部ぶっ飛ばして、お前が守ってくれたものみんな無駄にしないで生きるから。だから雪梅。お前がもし俺を信じてくれるなら…」
「…ばか」
腕の中からにゅっと手が伸びてきて俊宇の頬をつねった。存外強い力で頬を引っ張られ「いてっ!?」と思わず頬を押さえて目を丸くする俊宇に、雪梅が無理やり作った笑みを見せる。
「そこは『信じろ』でしょ?」 - 710二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:20:09
あらー^^イイっすね
- 711二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:22:24
体格差えぐそう(俊宇がデカいだけだが
- 712ぬし24/09/12(木) 23:47:57
「おっっっそいのね!まだ見つかんねーのね俊宇は!?」
「試合開始まであと1分もない…これじゃ本当に間に合わないよ!」
場所は変わって御前試合の会場にて。
9時59分を回ったにもかかわらずいまだバトルコートは空のまま。試合に出る予定の俊宇も、『雪』も、依然として姿を現さない。事態をおとなしく見守っていた観衆にも、しだいに困惑が広がってゆく。
「ねえ…これ、このまま時間になっても二人とも出てこなかったらどうするんです?」
「知らないわよ!御前試合で選手がどっちも遅刻なんて聞いたことないし…っていうか『雪』はいったい何してるのよ!さっきから連絡がつかないんだけど!?」
観覧席で生徒会副会長の麒麟棺が聖火に耳打ちして、聖火が焦り声で返す。どうやら生徒会にとってもこの事態は予想外のようだ。
試合開始まで残り10秒。
いつまで経っても現れない選手たちに観客はしびれを切らし、会場はどんどん混乱を増していく。
試合開始まで残り3秒。
2秒。
1秒。
いよいよ時計の針が頂点に達し、もう駄目だとアレンたちが顔を覆いかけたとき。
耳をつんざくジェット音とともに空から一人の大男が降ってきた。
「っっだああああああ!!間に合えええええええええ!!!」
足から空気をロケット噴射し、やかましい叫び声を添えて俊宇がグラウンドの真ん中にダイナミック着地を決める。
土壇場での登場に誰もが唖然とするなか、土煙の向こうから俊宇に「どうだ間に合ったか」と言わんばかりの視線をよこされて、司会役の凛が慌ててマイクを握った。
「え…エントリーナンバー1!成俊宇選手の入場です!」
"成俊宇vs『雪』… 成俊宇の不戦勝" - 713二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:56:22
草
- 714二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:58:10
ヒーロー見参
- 715二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:01:19
ヒーローは遅れてやってくるからね、しょうがないね!
- 716ぬし24/09/13(金) 00:07:37
- 717二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:10:44
登場シーン!?
小型セスナで墜落してくる&ゾンビみたいに立ち上がる - 718二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:11:13
このレスは削除されています
- 719二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:12:17
マジックショー
- 720二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:14:09
サーカスパレードが行われ焔の中から現れる&皆に愛想を振り撒く
- 721二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:16:25
- 722二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:16:48
- 723二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:17:48
サウザーみたいな神輿に載せられ現れる
- 724二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:18:49
現在の彼氏と彼女を両脇に引き連れながら登場
- 725二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:21:10
義座丸の差し向けた刺客達と仲良くなる+>>723
- 726二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:23:54
これって御前試合の登場シーンですよね?
薔薇の道を白馬に乗って - 727二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 00:25:12
M1の様な演出でプロフィール紹介されながら
- 728ぬし24/09/13(金) 09:30:39
登場演出ド派手だな!?
出てきた要素からいい感じに混ぜます - 729二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 10:56:36
お願いします
- 730二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 12:43:23
だいぶ派手派手にしちゃった…
- 731二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 17:10:15
このレスは削除されています
- 732二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 00:05:29
俺の中でこいつら二人とも微妙にビジュアル系対決なのでは…?な気がしてならない
- 733二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 00:37:16
二人とも見た目はどちらかと言うとダウナーな感じだからな似合いそう(ヴィジュアル系
- 734二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 08:06:27
保守
- 735二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 12:29:13
第二回戦は平和()に終わるといいな…
- 736二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:51:56
祈ろう
- 737ぬし24/09/14(土) 23:34:30
第一試合は俊宇の不戦勝であっさりと終わり、第二試合が始まる時刻に差し掛かる。
俊宇のダイナミック着陸で壊れたステージを修理し、引き続き司会役を務める風紀委員ふたりがステージに出てきて選手紹介をはじめる。
「えー、試合開始の5分前となりましたので、これより選手入場となります。…まずは青コーナー!苛烈極まる選挙戦をくぐり抜けた挑戦者、それを迎え撃つは生徒会会計・一二三芽冷(うたたね めざめ)選手です!」
そう言って凛がリングの片方を手で指すと、入場口から何人かの生徒に担がれて派手な御輿が現れる。
ごてごてと飾り付けられた御輿に乗っているのはくたびれたスーツを着た中性的な外見の生徒。気だるげな表情で玉座にゆったりと腰掛けて、御輿を支える男子生徒の顎を猫でもあやすように撫でている。
生徒たちに担がれたままリングに上がってきた芽冷は御輿からひらりと飛び降りて周りの観客たちに笑顔で手を振った。観客席から男女問わずに黄色い悲鳴が飛び出す。
「うっ、すごい歓声!…コホン。続いては赤コーナー!悪逆無双の生徒会執行部に果敢にも挑戦状を叩きつけるのはこの男!雅舟義座丸(がしゅう ぎざまる)選手です!」
そう言って凛がもう片方の入場口に視線を送るものの、義座丸の姿はいっこうに出てこない。
「あれ?雅舟選手?雅舟選手ー?…おかしいな、さっきまで確かにそこに居たはずなんだが___」
その瞬間、ぐじゃ、と音を立てて芽冷を載せていた御輿が圧し潰れた。飛び散る破片、立ち昇る黒煙。御輿を囲んでいた生徒たちが一目散に逃げ回る。
「…おや🙃」
芽冷が振り返れば、そこには黒煙の陰に紛れて蛇のような容貌の男が立っている。
「ヤア雅舟くん🙃ずいぶんな挨拶じゃあないの。そういう過激なとこ、私じゃなかったら嫌われちゃうよ?😉」
「相変わらず、きっしょい喋り方やなあ」
余裕な態度の芽冷に義座丸が煽るように言い返す。
「ボクはこの御前試合で、ある奴を潰しに来たんでな。メインディッシュは君やない。悪いけどサクっと終わらしてもらうで」
「あはっ!😠私を前菜扱い?堂々浮気宣言なんていけずなヒトだこと。…いいよ、付き合ってあげる😛」
二人が互いに睨み合って対峙する。
じめついた空気を切り裂くように、試合開始のゴングが鳴った。 - 738ぬし24/09/14(土) 23:36:19
- 739二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:39:12
- 740二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:39:52
- 741二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:42:53
- 742二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:43:17
- 743二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:46:55
- 744二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:53:50
最大級の恐怖と鬱の状態してからの自分への好感度をMAXにさせ降参させる
- 745二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:55:59
開花し「感覚」を操作、四肢の感覚を奪う&自殺頭痛や尿管結石、心筋梗塞などの架空の感覚を与え拷問する
- 746二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:07:38
- 747二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:09:25
- 748二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:10:14
- 749ぬし24/09/15(日) 00:19:51
- 750二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:21:13
会心の一撃きたな…
- 751二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:22:04
モリモリやん
- 752二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:22:52
これはどちらが勝つんだろう…
- 753二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:28:05
義座丸が負けるなら745→741で大ピンチになるけど746と747の合わせ技で勝利する感じ?
- 754二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 07:28:52
精神にデバフと物理拘束でさつがい禁止なこのトーナメントなら強い開花能力だ
- 755二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 11:32:10
さあて
- 756二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:35:24
そろそろか
- 757ぬし24/09/15(日) 21:45:17
「ほなら行くでぇ」
さっさと終わらせてもらう、という言葉通りいち早く動いたのは義座丸だ。
両手をポケットに突っ込んだまま大股で助走をつけて跳躍。振り上げた足に『落下降低』をのせて芽冷の頭をかち割りにかかる。常人では目で追うことすら叶わない音速の蹴撃。芽冷は身体をひねり紙一重で直撃こそ免れたものの、蹴りの風圧を受けて頬の皮膚が裂ける。
「うわっと☹️いきなり熱烈だなあ、心の準備くらいさせておくれよ🙃」
「避けといてよう言うわ」
義座丸が吐き捨て、振り下ろした脚を軸にして身体を回転させもう一撃を放とうとする。次は逃がさんとばかりに芽冷の足首が地面に埋まり、彼の両足がその場に固定された。
「やれやれ…こうまで積極的に迫られちゃ、私も応えないわけにはいかないね😑」
義座丸の異能で逃げ場を絶たれても芽冷は動じない。整った中性的な顔立ちが非対称に歪んで、悦んでいるような怒っているようないびつな表情を形作る。
「思うぞんぶん殺(あい)し合おうか。『愛信苦想』」 - 758二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:58:32
始まったぞい
- 759二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:07:31
ルビがおかしくて笑う
- 760ぬし24/09/15(日) 22:33:02
芽冷が異能を発動した瞬間、義座丸の顔からさっと血の気が引いたかと思うと彼の動きが目に見えて鈍くなる。
「…っ?……、……!?」
手足がわななく。呼吸が浅く速くなる。その目の奥に映っているのは強く純然たる『恐怖』。どこから現れたかも知れぬ、抗いがたい根源的な感情が彼に深く根を張って雁字搦めに縛っている。
「よく効くでしょう?😅私の"感情"は」
生徒会会計・一二三芽冷の異能、『愛信苦想』は学園内でも珍しい精神操作系の能力だ。
芽冷の異能は相手に特定の『感情』を強制的に抱かせる。それが憎しみであれ慕情であれ、彼が望んだ感情なら制限なく植え付けることが可能だ。ただし元からあった感情を消したり、思考を支配するような芸当はできない。
「まだまだこんなもんじゃないよ😉」
さらに追い討ちをかけるように芽冷が『開花』を切った。開花によって研ぎ澄まされた感情が、否、感情の域すら越えた生々しい感覚が義座丸に襲いかかる。
全身に針を刺し込まれる激痛が過ぎたと思えば、目の前が真っ暗になる絶望感が去来する。バッドトリップに入ったような悪酔いに高揚感、臓物が爆ぜる痛み、頭痛心痛エトセトラ。ありとあらゆる苦痛がいっぺんになだれ込んで来て義座丸が思わず膝をつく。
「…っ、ぅ、あが…っ!?」
手足の制御が効かなくなり、視界が白黒に明滅する。裂けた口の端から唾液と吐瀉物が混ざり合った液体がぼたぼた落ちた。
うずくまって動けない義座丸の頭に芽冷がそっと手を添える。上から覗き込んだその目は虚ろで意志のかけらも読み取れない。
「勝負あり、だね🙃」
そのまま芽冷は異能の出力をさらに上げ、彼から完全に戦意を削いでしまおうとする。 - 761二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:38:03
こえーよ!?こっわ
- 762二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:40:35
精神系はこれだから強い
- 763二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:42:16
イヌカレー空間見たいな恐ろしさがある
- 764二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:42:50
- 765二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:44:46
どっちもヤバ彼氏の素質あるよな
- 766二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:15:57
いや〜イケメンがいて花のある良い試合ですね~
- 767二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:30:00
ああ!()
- 768ぬし24/09/15(日) 23:47:07
義座丸の頭を掴んで目と目を合わせ、彼の戦意を刈り取るべく最大出力で『愛信苦想』を発動しようとする。
そこで芽冷はふと違和感を覚えた。
これほどの密度の『感情』をぶつけたのだ、いくら義座丸の精神が強いとはいえあの攻撃にゲロを吐く程度で耐えられるのか?ふつう即座に意識を失うはずなのに。
思ったより異能の効果が薄い?…いや。
効果がないというより、異能そのものの出力が弱まっているような…?
「…まさか🙂」
芽冷がいま一度、目を凝らして義座丸の顔をまじまじと見る。
今にも死にそうな生気のない面のさらに下。顎の下の見えにくい位置に、真っ赤な桜がぽつりと咲いている。
「まず……っ!?😮」
言い切る前に、項垂れていたはずの義座丸が突然起き上がって芽冷に一本背負いを見舞う。かひゅ、と芽冷の口から声にならない吐息が漏れた。
「なかなか悪うない攻撃やったけど、練度がちいと足りんかったな」
地面に投げ倒された芽冷を踏みつけ義座丸が嗤う。自らの異能を『開花』させ、芽冷の異能の出力を『下げる』ことで攻撃を喰らったように見せかけつつ精神汚染を防いだのだ。
「…なあるほど、君の方が一枚上手だったわけか😅」
ステージに仰向けになって芽冷が薄く笑う。芽冷は強力な異能をもつ代わりに身体能力では他の生徒会役員に劣る。義座丸に半ば異能を克服された今、単なる肉弾戦で彼に勝ち目はない。
「仕方ない、この手はなるべく使いたくなかったんだけど😫」
義座丸に踏みつけられたまま、芽冷が悪足掻きのように再び異能を発動する。対象は義座丸ではなく観客席全体。
彼の異能で芽冷に『愛着』を植え付けられた観衆が、客席の柵を越え大群をなして義座丸に襲いかかってくる。
「あ、ちょっと!観客席からの干渉はルール違反で…」
凛が慌てて観客たちを場外に追い出そうとするが、それより先に義座丸が動いた。
「邪魔や、雑魚共が」
義座丸が軽く片手を振り上げた瞬間、彼に襲いかかってくる生徒たちの『血圧』が一気に下降した。生徒たちは脳に血液が行き届かなくなり、次々に意識を刈り取られては倒れていく。
しまいには全ての乱入者が何もできずに沈められ、その場に立っているのは義座丸ひとりだけ。
芽冷との勝負を制した義座丸に校長が軍配を上げる。
"雅舟義座丸vs一二三芽冷… 雅舟義座丸の勝利" - 769ぬし24/09/16(月) 00:02:23
芽「…ねえ、ひとつ聞いていい?🙃」
義「…なんや」
芽「君が潰しにきたっていう『ある奴』ってさあ、誰のことなの?😗君ほどの強者がわざわざ倒したいって言うなんてよっぽど強い異能者なのかな?😋」
義「まさか。あのガキ共はただ目障りでしゃあないだけや」
芽「ふーん…」
芽「…雅舟くん、そのコのこと好きなの?🙃」
義「んなわけないやろ気っ色悪い。どっからそんな発想出てくんねやホンマ…次同じこと抜かしたら二度と口利けへんようにしたるからな」 - 770ぬし24/09/16(月) 00:05:32
- 771二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:12:20
能力フル活用のショーの様な登場
- 772二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:16:55
- 773二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:17:13
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- 774二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:20:18
- 775二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:22:56
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- 776二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:24:02
- 777二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:25:12
なし
(ぬしさんお願いします…) - 778二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 00:25:37
- 779二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 02:48:46
- 780二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 09:23:21
駒込…南無
- 781ぬし24/09/16(月) 10:36:36
- 782二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 11:39:37
『王者』の立ち振る舞い〜
- 783二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 17:47:43
駒込さん…骨は残るよね?💀
- 784二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:28:11
代理じゃないのか…
- 785二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 03:05:07
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- 786ぬし24/09/17(火) 09:24:12
>>784そういや代理ルールのこと忘れてたな…
次から代理立てる場合は登場シーン安価のときに「代理:●●」と付け加えることにします
- 787二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:42:35
了解です
- 788二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 17:21:14
良いところで使いたいねぇ
- 789二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:15:02
保守
- 790ぬし24/09/17(火) 23:42:34
今日は更新お休みします
2日連続で更新止まってすみません… - 791二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:43:35
お気になさらず良いんでっせ
- 792二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:43:58
リアル用事が1番大事にて
- 793二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:44:40
せやせや
こっちはノーダメです無傷です - 794二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 09:39:05
保守
- 795二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 15:36:21
ちょい気になることあるからヌシが来たときに聞こう
- 796二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 17:34:12
なんやなんや
- 797二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 17:54:19
- 798二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:09:45
なーるほど、それはどうなるやら
- 799二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:22:16
あくまで代理であって候補には入ってないから会長にはなれない気がする(※個人的な意見です
- 800ぬし24/09/18(水) 21:33:56
- 801二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:43:40
怖ひ怖ひ…怖い事を聞いだぜ
- 802二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:57:08
なんか不穏ですなぁ!やん
- 803ぬし24/09/18(水) 22:35:39
第二試合が義座丸の勝利に幕を引き、昼休みを挟んで第三試合が始まる。
「えー、これより第三試合を開始します…青コーナー!表の顔はしがない武器屋、しかしその実は鉄火を携え玉座を狙う簒奪者!磨き抜かれた彼の弾丸は学園最強に届くのか!?駒込馨選手の入場です!」
凛が声を張り上げて入場口の方を指した瞬間、ド派手な爆煙が通路からスモークのごとく噴き出した。
煙の中から何発ものロケット弾が飛び出してきて上空に色とりどりの煙花を咲かす。どでかいランチャーを抱えて煙の向こうから現れたのはサングラスをかけた義手の大男。学園でも知る人ぞ知る敏腕武器商人、駒込馨だ。
駒込がリングに上がると同時にステージの四隅からは事前に仕掛けられた打ち上げ花火が一気に発射される。まばゆく咲いて大空を彩るそれは彼の勝利を讃える祝砲のようだ。
「続いて赤コーナー!当代生徒会長にして当代最強、その武勇は並ぶものなし!悪鬼羅刹相食むリングに勝利の女神が舞い降りる!榊原聖火選手の入場です!」
聖火の名が呼ばれると同時に客席から割れんばかりの歓声が立ち上る。さすがは当代生徒会長といったところか、彼女の影響力は学園でその名を知らぬ者はいないほどに広く轟いている。
しかし雷雨のごとき歓声の中、暗い通路から金髪碧眼の可憐な少女が現れたそのとたん。会場の喧騒はなりを潜め、張り詰めた沈黙がその場を覆った。
少女がなにかした訳ではない。
彼女はただ歩いてきただけ。
『胸を張って堂々と歩いてくる』、ただそれだけ。
それだけの事で会場はしんと水を打ったように静まり返り、圧倒的な緊張感がリングを支配する。
こつ、こつ、と軽やかな靴音がまるで雷鳴のように体の芯まで響き、三つに結った長い金髪がはためく度に大気が揺らめく錯覚を覚える。
彼女こそが学園最強の生徒会長。唯我独尊、傲岸不遜、天下無双を少女のかたちに固めた怪物。
彼女こそがシンボラルアカデミーの絶対女王、榊原聖火だ。 - 804ぬし24/09/18(水) 22:38:10
- 805二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:42:09
- 806二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:49:41
- 807二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:59:00
- 808二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:00:27
- 809二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:01:49
- 810二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:04:23
- 811二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:05:23
- 812二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:08:32
- 813二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:11:49
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- 814二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:13:56
- 815ぬし24/09/18(水) 23:28:47
- 816二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:31:51
圧倒的すぎて意味なくて草
- 817二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:32:50
効果が薄いの概念が壊れる!…駒込よ骨も消えたか
- 818二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:33:39
- 819二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:34:47
作戦の効果はかなりあったがっ……っ!自力、自力が足らぬか
- 820二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:37:56
生徒会長式メドローアかぁ…生徒会長式メドローア?草
- 821二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:50:56
生徒会長式メドローアは生徒会長式のメドローアさ それ以外の何ものでもない
- 822二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:51:14
ゲシュタルト崩壊しそうだぜ
- 823二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 08:34:15
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- 824二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 14:06:21
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- 825二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:07:16
念のため上げ
- 826二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 08:55:10
次は光一郎とショタか
- 827ぬし24/09/20(金) 12:46:20
第三試合開始を告げるゴングが鳴る。
試合開幕と同時に動いたのは駒込。彼が聖火に向けて引き金を引き、両手に構えた機関銃から雨霰と鉛の散弾が降り注ぐ。
駒込の異能は『ジャムメーカー』、銃弾など"撃ち出して使うもの"を無限に生み出せる能力。彼の異能で生み出された弾切れ知らずの機関銃が火を噴いて、あり得ない密度の弾幕を撒き散らす。
空間を埋め尽くす鉛の弾丸。硝煙の雲を突き破り、逃げ場のない鉄火の雨が聖火を蜂の巣にせんと襲いかかった。
…だが。
「やっぱり、この程度で通じるわけねえよなあ」
高熱の壁が聖火の周りに現れ、飛んでくる弾丸が彼女の肌に触れる前にすべて融けて蒸発する。試合前と変わらず涼しい顔をして佇む彼女は傷ひとつないままだ。
「もう終わりかしら?」
「まさか。ここからが本番だよ」
駒込は背負ったバックパックからジェットエンジン付きのアーマーを展開してプラズマ噴射で上空に飛び上がる。
構えていた機関銃を投げ捨て、グレネードランチャーに持ち替え。聖火の熱の装甲を貫くため魔改造の施された榴弾砲が轟音とともにバラ撒かれる。それだけでなく、駒込が引き金を引くのを合図にステージに仕込まれていたトラップが一斉に作動。矢弾、電熱、光条、毒煙、四方八方からありとあらゆる攻撃がまっすぐ聖火を狙って襲い来る。
鉛弾と炸薬の雨に晒されてなお聖火は動じる事なく、小さく右手を振るう。それだけで駒込の総力をもって作り上げられた兵器の数々は一薙ぎで消し飛ばされ分子レベルで分解された。強力無比だったはずの兵器は最後まで本懐を果たす事なく、虚しく舞うプラズマ。しかし、それすらもブラフ。
銃火の雨に気を取られて注意がおろそかになった聖火の足元。彼女の薙ぎ払いを受けてなお辛うじて分解されずに残った榴弾の芯が、本命のトラップを撃ち抜いた。
気づいた頃にはもう遅い。聖火が反応するより早く、足元の装置から象さえ昏倒させる強力な催眠ガスが放たれる。 - 828ぬし24/09/20(金) 15:48:11
薄紫色のもやが聖火を包む。触れただけでも意識を奪われる催眠ガスに中てられて、少女の細い体躯がわずかに揺らめく。
自らの持つすべての力を出し切り膨大な火器とトラップさえ捨て駒にした駒込渾身の不意打ちに、ついに学園の絶対女王がついに膝を屈した…
…かのように思われた。
「三下にしては頑張ったじゃない。褒めてあげるわ」
紫煙の中から聞こえる、鈴を転がすような声。あり得るはずのない光景に駒込は己の目を疑った。
霧の向こうに見えるは先程と変わらぬ悠然とした顔の少女。駒込の睡眠ガスなど無かったかのように、彼女はいまだ堂々とそこに立っている。
その右手には灼熱の赫炎、左手には絶対零度の氷弾。相反するエネルギーを纏う両の手のひらを重ねた瞬間、熱と氷は対消滅して膨大なエネルギーを放出する。
まばゆい白光。
触れたものすべて消滅させる破壊の光弾が聖火の手のひらで炸裂した。
駒込によって丹念に仕込まれたトラップが、装備が、跡形もなく一瞬にして蒸発する。彼を護っていたアーマーも当然のように消滅して、落下した駒込の巨体が地面に叩きつけられた。
リングに叩き落とされて苦悶の声を漏らす駒込。その身を包む鎧を一片残らず蒸発させられたというのに、彼の身体には火傷ひとつない。聖火が相手を殺さぬよう手加減する余裕まであることに、駒込は彼我の絶望的なまでの実力差を悟る。
「…はぁ〜あ、やめだやめだ。こんなバケモンとやり合うなんざ命がいくつあっても足んねえや」
降参だ。
駒込はわしゃわしゃと頭を掻いて、苦笑を浮かべながら両手を上げた。 - 829ぬし24/09/20(金) 15:52:33
- 830二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 15:59:56
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- 831二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 16:01:23
- 832乗るしかねぇこのビックウェーブ24/09/20(金) 16:08:23
- 833二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 16:23:32
- 834二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 16:25:12
- 835二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 16:34:39
- 836二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 16:49:13
人形達のパレード
- 837二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 17:11:22
なし(ぬしさんお任せします)
- 838二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 18:18:07
- 839ぬし24/09/20(金) 19:37:48
- 840ぬし24/09/20(金) 19:39:26
- 84183424/09/20(金) 20:27:34
- 842二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 20:28:54
だいぶ自意識過剰ですね…
- 843二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 20:35:51
撮影草ァ!!可愛いヴィジュアルしてるのに笑うわ
- 844二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 20:37:29
- 845二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 20:43:05
光一郎…殺す…てな状態から急にあわわわっ!?女神…!?てなるんか(パシャパシャパシャ
- 846二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:10:00
撮るな定期
- 847二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:31:42
- 848二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 08:34:29
保守
- 849二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 16:56:17
気配も呼吸もないからね、バレぬよ
- 850二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:30:50
- 851二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:35:01
- 852二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:35:40
弱そうだけど使い方によって強い能力って難しいのよね
- 853二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:37:39
- 854二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:40:34
せや、紙だったり画面だったり通信機器とかetc…操って銃道部を追い詰めるクズキャラ(ここ重要)をね考えてた
- 855二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:41:29
- 856二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:44:54
セルと魔人ブウの合わせた能力なんだが……絵面が怖過ぎるし誰かを吸収する過程を得ないと使えないし強いのかコレは…と脳がおかしくなってね
- 857二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:45:18
ありがとう
- 858二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:46:45
ちな雑魚能力で必ず挑発が成功する異能考えてたんだが、感情を操る上位互換が現れた為閉廷いたしました
- 859二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:50:04
物質透過持ちのスナイパーいたら強くね?で産まれたのが【プレゼントフォーユー】てやつ、当て字は良いのが思い浮かばん
- 860二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:51:59
- 861二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:52:52
…正解!
- 862ぬし24/09/21(土) 23:53:31
いよいよ御前試合も第四戦目、本日最後の試合となった。
傾きかけた太陽をバックに満を持してふたりの生徒がリングに上がってくる。
「これより第四試合を始めます!赤コーナー!幼い見た目と侮るなかれ!知略謀略では他の誰にも譲ることなし、生徒会の影の知将!麒麟棺選手の入場です!」
そう言って凛が入場口の方を見ると、入り口の方からふわふわ浮かぶビーズクッションに寝転がって青髪の幼い少年が現れる。その眠たげな容貌といい彼の後から付き従ってくるファンシーなぬいぐるみや人形の数々といい、一見すると今から試合が始まるとは思えないほど気の抜けた格好だ。
棺はのろのろとリングに上がってくると大きく欠伸をして青コーナーの入場口の方を見る。
…その目の奥にやたら鋭い殺気が見え隠れするのは気のせいだろうか。
「青コーナー!学園でもっとも厄介な輩とはこの男!入学後ひと月足らずで野球部の部長に登り詰めた期待の新星!笹貫光一郎選手の登場です、が…おや?」 - 863二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:54:01
お、始まったぜ
- 864二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:54:40
せやせや
- 865二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:55:35
知略対決かな?()
- 866二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:56:00
だったら良かったね…だったらね
- 867二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:00:13
舌出してゲス顔してる光一郎が見える見える
- 868二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:00:53
青髪対決は運命のイタズラが働きましたー
- 869二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:01:56
イタズラ(故意
- 870二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:21:29
恥略対決
- 871ぬし24/09/22(日) 00:31:09
凛がきょとんと首を傾げて入場口を覗き込む。
暗い通路の奥からやって来たのは二つの影。ひとつはジャージを羽織った優男。そしてもうひとつは、彼の隣にいつも付き従っている銀髪の少女。
彼らが並んで入場すると同時に、勇壮なファンファーレが観客席から聞こえてくる。けたたましいブラスバンドに降り注ぐ紙吹雪。野球部の生徒が用意した勇ましい演出に会場が沸く。
ふたり並んで歩いてくる笹貫と練の姿を見た瞬間、なぜか棺が乗っていたビーズクッションから転がり落ちた。棺は仰向けでひっくり返った体勢のまま射殺さんばかりの殺気を笹貫に向ける。
「笹貫っ、おま…っ!お前ぇっ…!!よりにも…よりにもよって…っ!!」
地獄の底から這い出てきたような声音で叫ぶ棺に、口の端を思いっきり吊り上げて稀に見る『いい笑顔』で返す笹貫。隣の練は相変わらず何を考えているか分からない無表情である。
笹貫と練がリングの前まで進んでくる。御前試合のステージに上がれるのは試合に参加する候補者のみ。この場にいる誰もが、笹貫がいまからステージに上がり、練はここで笹貫の見送りを終えて帰っていくものと思っていた。
…しかし、実際にリングに上がってきたのは。
「おおっと、ここで笹貫選手が『代理権』を切ったあ!」
笹貫の着ていたジャージを羽織り、愛用の釘バットを振りかざして大見得をきる銀髪の少女。今この瞬間より、御前試合に参加するのは笹貫光一郎ではなく代理人の麻木練となる。
血塗れの釘バットを手に携え、敵として立ちはだかる練をどこか絶望したような、すがるような目つきで見上げる棺。
「あ…麻木さ、」
「生徒会副会長、麒麟棺。なんでかは知らんが、試合前から光一郎はやけにお前の事を気にしてたみたいだな。仲間でもないのにあの人に目をかけて貰えるなんて気に入らねえが……まあいい。光一郎の行く手を阻むやつは、誰であろうと叩っ潰す」
涙目で顔を赤くしたり青くしたりする棺の心情を置き去りにして、無慈悲にも試合開始のゴングが鳴った。
…ちなみに棺の展開している人形たちにはみな隠しカメラが仕掛けられており今も練の姿を全方位から録画していることを彼女は知らない。別に知る必要もないが。 - 872ぬし24/09/22(日) 00:34:02
- 873二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:37:04
- 874二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:38:20
- 875二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:38:50
このレスは削除されています
- 876二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:40:33
- 877二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:40:55
- 878二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:42:46
- 879二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:43:30
数百体の人形達や鎖や縄で拘束する
- 880二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:44:25
反応出来ないスピードで背後に周り一撃を喰らわす
- 881二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:45:57
- 882二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:48:42
残像によるフェイントからの攻撃&試合開始時点で上空に飛ばしていた瓦礫を頭部に当てる
- 883二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:51:07
- 884二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:52:32
しばらく落とさないよう気を付けないとね
- 885二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:56:28
ですなぁ
- 886二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:58:21
(みんな麒麟君がネリさん傷付けない方向なのは解釈が一致しているんだな…)
- 887ぬし24/09/22(日) 08:28:11
- 888二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:32:12
練さんの出目ひきぃな…
- 889二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 09:10:22
ほぼビッグマムな棺くん
- 890二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 13:45:45
常に触れ合ってるビーズクッションはだいぶ生命を分けてもらってそう=特別=強い
- 891二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:06:16
学園に入学するずっと前の幼少期から使ってる物かも知れんね
- 892二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 20:56:03
強い故に強烈な弱点が付与された男
- 893二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 00:03:12
保守
- 894二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 10:05:53
保守
- 895二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:03:28
新キャラはもう募集しないんかな
- 896二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:23:28
んーダイスと安価次第かね
- 897二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:38:26
そうですぬ
- 898二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 07:47:33
このレスは削除されています
- 899ぬし24/09/24(火) 09:30:33
- 900二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 10:28:39
- 901二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 13:05:43
返信ありがとうございます!
- 902二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 20:06:21
まあ話が良い方向に進んで行けば…それが一番いいのだ
- 903二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:05:23
うむ…
- 904二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 08:07:31
せやな
- 905二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 10:23:00
念の為
- 906二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:14:34
ヌシが戻るの明日ぐらいかな
- 907ぬし24/09/25(水) 20:41:44
ドゴォ!と派手な轟音とともにコンクリートの破片が天高く舞う。尋常ならざる速さの釘バットでステージの床を叩き砕いた練は土煙に紛れて棺へ突貫。周りに控える人形たちを塵芥のように弾き飛ばし、人間の動体視力を遥かに超えるスピードで練の釘バットが棺に迫る。
「待ってよ麻木さんっ、何でこんな___」
「問答無用」
相も変わらず目を白黒させてばかりで碌に動けない棺に代わり、彼の乗っていた『ヨギ君』こと大きな青色のビーズクッションが練の攻撃を受け止めた。柔らかなクッション剤に衝撃が吸収されたかと思えば凹んだ座面がぶるぶると震え、受けた衝撃を放出するように釘バットを弾き返す。ヨギ君のうしろに隠れて縮こまる棺。
「お、おかしいよぉ、こんなの…僕は君の敵じゃなくて、君も僕の敵じゃなくて、なのに戦わなきゃいけないなんて…」
「そうだな、お前は私の敵じゃねえ。だがお前は光一郎の敵だ」
練は怯まずバットを握り直して追撃。瓦礫片を飛ばす遠距離攻撃やフェイントを織り交ぜて冷徹に棺の首を狩りにかかる。
「私にとって大事なのはそれだけ。愛する人のためなら、命を懸けて戦うのは当然だろ?」
…そう練が啖呵を切った瞬間、棺の瞳から光が消えた。
ヨギ君の影から小さな影がゆらりと立ち上がり、振り下ろされる釘バットに横からそっと触れる。
「…そう」 - 908ぬし24/09/25(水) 20:41:58
ぐんにゃりと、練の手の中にある釘バットが突然意志を持ったかのように折れ曲がった。
「麻木さんは変わっちゃったねぇ」
鋼鉄製のバットが柔らかくしなる。刺々しい釘を巻き込みながら鋼鉄の棒がうにょうにょと生々しくうごめき、のたうつ銀色の蛇は手錠のように変形して練の両手を拘束する。
「むっ……」
「本当の君はそんなんじゃなかった。僕の知ってる麻木さんはそんなこと言わない。僕の麻木さんは他の男に愛なんて語らない。あの野郎にたぶらかされる前の君は理不尽で、冷徹で、高潔で、女神だった。あいつに"愛"なんてものを吹き込まれて君は堕落してしまったんだ。僕にはわかるんだよ、だってずっと見守ってたから」
練が拘束を解こうとするが鋼鉄の手錠は彼女の手首にがっちりと絡みついて簡単に取れそうにはない。小さく舌打ちして棺を忌々しげに睨む練。
「そうだよ、君ともあろう人があんな奴のために戦うなんて間違ってる…僕が正してあげなくちゃあ」
二人の立つリングがぐわんと揺れる。床がまるで生きた肉肌のようにうねり波打ち、足元から無数の目が覗く。
「ごめん麻木さん、ちょっと痛くするけど許してねぇ」
棺の異能は『誰が為に鐘はなる(イースターネクロマンス)』、モノに生命を吹き込む異能。
棺の手にかかればすべての無生物はあまねく彼の僕となる。 - 909二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:44:14
戻ってきた〜!
- 910二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:46:23
物溢れる現代において無敵に近い能力なんすよねぇ
- 911二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:50:24
始まってルやん!
- 912二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:02:18
兵器が全部"トモダチ"になるからな
- 913ぬし24/09/25(水) 22:53:44
大地が蠢く。四角形のリングを囲むようにステージの床から杭が伸びる。
棺の『誰が為に鐘は鳴る』によって命を与えられた御前試合のステージは、主の意のままに変形して敵を排除しようとする。
「君のためを思って言ってるんだ麻木さん。他の誰よりも、笹貫なんかよりも僕の方が君をずっと大事にできる…麻木さんならわかってくれるでしょ?」
コンクリートのステージが牙を剥いて地表にいくつもの槍を突き出す。統制のとれた動きで命を持ったパペットたちが練に殴りかかってくる。
「君は騙されてるんだよ。あいつの甘言にのせられて自分を見失ってるだけ…僕が否定して正しい形に戻してあげるから…」
今やステージ全体が練を閉じ込める檻。行き場のない生きた監獄に囚われて、練は多勢に無勢で異形の兵隊たちを相手取るほかない。あっという間に形勢は逆転。人形たちを操りながら、暗い目をした棺が小さくほくそ笑む。
しかし。
「さっきから黙って聞いてりゃあ、何を言ってるか意味不明なんだわ」
腕を拘束されたままの状態で飛びかかってくる人形や牙を蹴り倒す練。愛用の釘バットを奪われ劣勢に立たされたはずなのに、その攻撃は鈍るどころかむしろ鋭さを増しているようにさえ見える。
「愛だなんだと言っておいて、結局私がお前の思い通りにならないのが気に食わねえんだろ」
鉄の手錠でがんじがらめにされた腕を大きく振るい、練が無機物の兵隊たちをまとめて吹っ飛ばす。
「お前のそれは愛じゃねえ。てめえで描いた理想像を私に押し付けてるだけだ」
勢いのまま高く上空に飛び上がって舞い散った瓦礫や変形したステージを足場に跳び回る。空中に練の残像が幾重にも現れ、どれが本物なのかと目を回す人形たちに死角から鋭い殴打。
「私はなあ、どんな光一郎でも受け入れるって決めてるんだ。光一郎がもし醜く落ちぶれても、私を裏切って背を向けても、もう私の知ってる光一郎でなくなっちまっても、全部ちゃんと受け止めた上で、何があってもあいつの味方でいる。それが私の愛だ」
「…きみは、」
棺が練に巻きつく釘バットだったものに指示を飛ばし、刺さった釘が彼女の肌を貫いた。白い肌にしたたる鮮血が赤い筋を描く。
自分を支えるヨギ君を痛いくらいに握りしめ、普段の間延びした雰囲気などかけらもない張り詰めた声で棺が呟いた。 - 914ぬし24/09/25(水) 22:54:05
「…歪だよ、そんなの。見返りを求めない愛なんていって結局は相手の気持ちを考えてない、自分勝手な押し付けじゃないか」
「知ってるよ。だからここで白黒つけちまおう。どっちの愛が正しくて、どっちの愛が正しくないのか」
練が血まみれの両手で渾身の一閃を振り下ろす。棺が大口を開けるようにステージを変形させ彼女の攻撃もろとも呑み込もうとする。
エゴとエゴのぶつかり合う激戦を制したのは、はたして。 - 915二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 23:59:37
さてさて…どうなるんや
- 916二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 00:03:20
- 917二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 00:25:47
さすがこの学園の生徒会と言った訳か…
- 918二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 00:26:41
フラれたな(最初から可能性があったわけではない
- 919二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 00:32:17
生徒会同士のガチバトル見てぇ
- 920ぬし24/09/26(木) 08:28:41
コンクリート製のステージが人形たちを巻き込んで大きく二つに裂ける。ヨギ君の外皮が破け、中から細かいビーズが溢れる。
どこもかしこも破壊されたリングの中、床から生えてきた大顎のような構造物の隙間からわずかに銀色の長髪が覗く。鋭い牙に喰い裂かれ、怪物の口内に縫い止められた少女はぐったりとして動かない。
生徒会役員の選出をかけた第四試合。愛憎入り混じる戦いを制したのは棺だった。
「…勝ったのは僕だったねぇ、麻木さん」
瓦礫を押しのけて無傷の棺が練にゆっくりと歩み寄る。
「僕の愛し方は間違ってない…やっぱり君はずっと僕に見守られて、綺麗なままであるべきなんだ…だから、」
練の手から釘バットの手枷を外し、自由になった右手をそっと棺の小さな両手が握る。
「麻木さん…い、いや練さん!そっ、卒業したら僕のお嫁さんになってくださいっ!!」
まるで初心な少年のように真っ赤に染まった顔で棺が叫ぶ。
御前試合の舞台をバックにした棺の大胆な公開告白に、練はちょっとだけ呆気にとられたような顔をして…すぐにいつものスンとした真顔に戻って口を開く。
「いや私、心に決めた人がいるから」
崩れ落ちる棺を横目にどこぞの生徒会会計が「そりゃそうなるよね🙃」と誰ともなく呟いたのであった。 - 921二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 09:11:07
残当
- 922二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:15:56
練さん負けたー!?かなしす
- 923二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:43:50
一回戦はこれにて終わりかな
- 924ぬし24/09/26(木) 22:35:32
長かった御前試合の初日が終わり、生徒たちは連れ立って寮へと帰っていく。
俊宇たち銃道部三人も試合が終われば解散してめいめいに部屋に戻っていくところだったが、その日ばかりは少し違った。
「ちょっといいか」
序列一桁の生徒だけが立ち入ることを許された上級寮、その廊下で俊宇がアレンを呼び止める。
「なあに?」
振り返って見てみれば俊宇の表情はいつになく険しい。いつもと違う俊宇の様子にアレンの目が訝しげに細められる。
「俺さ、第一試合で雪梅と話したよ。『雪』の正体は雪梅だった。あいつはずっと、この学園にいる"なにか"から俺を守るために戦ってた」
だけど、と俊宇の声が硬くなる。
「あいつはいったい何から俺を守るつもりだったんだ?雪梅が生徒会に入った理由を、あいつは『真実を知ってしまった』って言っていた。雪梅はいったい何を知っちまったんだ?」
俊宇の細い目が開かれて瞼の下から赤い眼光が見える。
「…質問を変える。お前が校長を倒したいと願う本当の理由はなんだ。お前らは俺から何を隠しているんだ?」
「…そうだね」
俊宇の問いにアレンは意味ありげに目を伏せると、「こっちで話そう」と自分の部屋に俊宇を招き入れる。
電気のついていない薄暗いリビングに入り、革張りのソファに腰掛ける。座りなよと促されて俊宇は警戒しながらも反対側のソファに腰を下ろした。
「もう勘付かれるとは予定外だったけれど…まあいい。いずれ君にはすべてを伝えるつもりだった」
そこでアレンの声のトーンが一段と落ち、部屋の空気が張り詰める。俊宇の背筋を冷たい汗が伝う。
「今こそ話してあげようか。この学園に隠された悍ましい真実を、そして僕が校長を倒そうとする理由を」
アレンの双眸が青く輝く。暗く深い闇の中に青く燃える憎悪だけが映る。
「改めて名乗ろう。僕の名前は榊原アレン、生徒会長・榊原聖火の実の弟だ」 - 925二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:49:06
やっぱりね(知ってた
- 926二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:54:51
ですよねー
そして今遂に明かされる学園の秘密… - 927二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 08:21:41
保守
- 928二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:16:05
結果的にどうなったら幸せなんだろうな主人公達は
- 929二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:29:06
- 930二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:35:11
そのためには生徒会も仲間にしたいところですな
- 931二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:37:09
今回で明かされるんだろうけど生徒会長も謎多いよね
- 932ぬし24/09/27(金) 22:03:46
◼︎回想・終わりと始まり
榊原アレンはとある裕福な家庭に生まれたごく普通の少年だった。父と、母と、歳の離れた姉。大好きな家族に囲まれて少年はなに不自由なく育てられた。
少年はあまりに純真で、あまりに幼かった。ただ与えられる幸せを安穏と享受して、この幸福な日々がいつまでも続くと根拠もなく信じていた。
彼の愛する日常はひとつの悲劇で簡単に壊れてしまうとも知らずに。
或るうららかな春の日、高校帰りの姉と一緒に少年が幼稚園から帰ってくると、玄関に入っても「おかえり」の声が聞こえない。いつもと違ってしんと静まり返った家の中に少年と姉は違和感を感じつつも靴を脱いで玄関をくぐる。
少年はそこで目にしてしまった。
家に入ってまず目に入ったのは、視界いっぱいを彩る鮮やかな赤。壁や窓、床、天井、その全てにべったりと赤い液体がへばりついている。部屋にたちこめる異様な臭気。吐き気を催すほどの鉄の匂いが充満する中、赤い海の底に沈んでいる金色の毛髪。
「…かあ、さん?」
少年が思わず呟くとその声に気がついたのか、血の海の真ん中、母の亡骸の向こうで『だれか』がゆっくりと首をもたげる。
「…おや」
耳障りな声を上げて少年の方を振り向いた『それ』は彼によく似た金髪碧眼の男。見間違えようもない、彼らの父親の姿をしている。けれどその表情は少年の知る優しい父親のものとはほど遠い、皮だけを継いで接いだような不自然な笑顔。
『それ』が起き上がったことで男の覆い被さっていた部分があらわになり、そこからひとりの亡骸が現れる。全身の皮膚を剥がれた、母のものより一回り大きな死体。それで二人は父の身に何が起こったのかを理解した。 - 933二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:05:30
こえーよ化け物やん
- 934二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:11:36
そういう能力なのか?"これ"
- 935ぬし24/09/27(金) 22:18:20
「な、何なのよアンタ…!父さんと母さんをどこにやったの!?」
衝撃のあまりよたよたと数歩後ろに下がって、答えのわかりきっている問いを叫ぶ姉。まばたき一つすることなくこちらをじっと見つめていた『それ』は彼女の問いに取り合う素振りもなくざらついた不快な声で呟く。
「…そうか、この夫婦には子供がいたか。これはなんとも都合がいい」
そう言うなり、『それ』はヌルリと影の間をすり抜けるように近付いてきて一瞬で少年と姉に肉薄。反応する間もなく首の後ろにトンと手刀を落とされて姉の身体が崩れ落ちる。
「ねえさん!」
コンマ数秒の間に姉の意識を刈り取った『それ』は気を失った彼女を両腕に抱え、少年に背を向けて家から出て行こうとする。
「やめろ!姉さんをはなせっ!!」
姉から手を離させようと少年が必死で『それ』に取り付くが、なにせ膂力が違いすぎる。少年の敢闘もむなしく『それ』は片手でたやすく彼を引き剥がし目の前に持ち上げる。『それ』はしばらく値踏みするように少年の姿を見ていたが、
「駄目だね。君は幼すぎる」
「ぎゃ」
そう言って『それ』は興味を失ったように少年を適当に放り捨てた。乱雑に床に叩きつけられた少年の意識がぐわんと揺れて遠のいてゆく。
徐々に暗くなってゆく視界で少年が最後に見たものは、姉を抱えて立ち去ってゆく『だれか』の姿。
…数日後。とある家庭を襲った惨劇からほどなくして、私立シンボラルアカデミーに『榊原』と名乗る親娘が現れた。
彼らは学園に入り込むやいなや並みいる教師陣を恐るべき手腕で従え、瞬く間に学園の頂点の座に上り詰めることになる。
今から10年前のことだ。 - 936二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:18:28
俺にはエイリアンにしか見えぬ…
- 937ぬし24/09/27(金) 22:19:00
- 938二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:31:10
異能なのかそもそも人外なのか……
- 939二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:37:00
良いんやで
- 940二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:45:24
エロ無しだからセーフ!
- 941二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 23:19:52
分からない…ただ言えるのはロクでもない存在だということ
- 942二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 08:53:33
予想以上に壮絶な過去だった…
- 943ぬし24/09/28(土) 09:51:49
スレ主は曇らせパートだけやたら筆が乗る悪癖をそろそろ直した方がいい
月日は流れ、俊宇がシンボラルアカデミーに入学する少し前。
あの日の惨劇を生き延びたアレンはいまや十五歳の青年に成長した。父親の皮を被った何者かに両親を殺され姉を攫われてからというもの、彼は狂気じみた執念で『榊原』の居所を突き止め、ついに接触することに成功する。
10年ぶりに出会った『榊原』は何食わぬ顔でアカデミーの校長を務めていた。数年もの捜索の果てに仇敵の居所まで辿り着いたアレンは彼に取り入り、校長の補佐としてアカデミーに入学する権利をもぎ取る。校長は下働きに雇った少年ががかつて襲った家の子供であることに気付いてすらいないようだった。
こうして首尾よく学園への切符を手にしたアレンであったが、これには目的があった。
「(これで…これでようやく、)」
かつて校長に攫われてそのまま行方をくらました少女。父も母も失った彼に残された唯一の肉親。
「(ようやく姉さんに会える)」
地獄の苦しみを味わってでも、両親の仇に媚びへつらってでも縋ったただ一つの心の支え。
姉さんにまた会いたい。
10年前、校長に拐かされた姉は奴の『娘』として生徒会長の座に収まった。もしその話が本当であれば、アカデミーに行けば姉に再会できるかもしれない。会って話ができるかもしれない。そんな微かな希望を抱いてアレンは学園に入ったのだ。
だが、現実はどこまでも残酷だった。
「あら、あなたがお父様の言っていた新入り?ずいぶん胡散臭そうな顔ね」
高慢ちきに話しかけてきた『それ』が自分の姉だと認識するのに数十秒かかった。
10年前とまったく変わらない幼さの残る少女の容姿。かつて見た姉とは似ても似つかない、へんに甲高い声。完璧な左右対称に作られた表情。
そして、なにより。 - 944ぬし24/09/28(土) 09:53:09
…アカデミーに入学する者は誰であろうと校長からひとつ異能力を与えられる。アレンに校長から与えられた異能は『マインド・コンセンサス』、他者の意思や信条を自分のそれに強制的に“同調”させる能力。相手と自分の意識を同期させる異能を持ったアレンはもとから少しだけ他者の意識を覗くことができた。
意識を覗くといっても見えるのはほんの表層だけ。相手がおおまかに何を考えているか、何を感じているかが分かるだけで詳しく思考を読み取れるわけではない。
けれどアレンが姉を見たとき、彼女の意識はまったく『見えなかった』。見えなかったのだ。
あの得体の知れない校長を見たときですら、感情のさざ波程度は読み取ることができたというのに。
これでは彼女は感情というものがまるきり存在しない、意志を持たない木偶人形のような。そう、まるでお人形だ。
アレンは理解した。あれは姉であってすでに姉ではない。姉の形をしているだけの、魂の抜けた単なるお人形だ。彼があれほど探し求めていた、慕っていた姉はもうどこにも居ないのだと。
こうしてアレンの希望は永遠に潰えた。彼は絶望し、姉を奪った校長をただ呪い、そして深い憎しみだけが残った。
数日後、アカデミーの入学式。
持てる情報をかき集め、校長を倒す方法を模索するアレンはとある華人の青年…この物語の『主人公』に目をつける。
「成俊宇。僕と一緒に、この学園をぶっ壊そう」
すべては憎き校長に復讐を果たすために。 - 945二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 10:05:10
素晴らしい癖もっと曝け出して良いんやで?(そうして光が輝くのさ
- 946二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 10:07:37
空っぽのお人形さん
- 947二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 10:12:35
- 948ぬし24/09/28(土) 12:09:21
「この学園は異能を刈り取るための箱庭だ」
遠い地平線に日が落ちて、空が夜闇に包まれる。
「父さんの名を借りて学園を乗っ取った校長はこのアカデミーを、奴が力を蓄えるための施設に作り替えた」
なんの感情も読み取れない平坦な声でアレンは淡々と語る。
「この学園に入ってきた生徒たちは『卒業』の時が来れば、強い奴も弱い奴もみんな校長に殺され、異能だけを奪われる。というよりそれが本来の目的なんだ。学園の生徒たちにわざと苛烈な殺し合いをさせるのも、序列争いで力を競わせるのも、ぜんぶ最後にあいつが磨き抜かれて強くなった異能を回収するため」
花かなんかを育てるのと同じだ。
「異能の可能性がある子供たちを集めては異能の種を植え付けて、育てさせて、頃合いになれば殺して異能だけを収穫する。そうやってあいつは力を集めている」
君の幼馴染はきっとそのことを知ってしまったんだろう、とアレンが言う。
「気付いてしまったんだろうね。この学園に入ってしまった者には無残に死ぬ未来しか待ってないことに。生徒会の影として働いていたということは…君だけは殺させなくする引き換えに生徒会と契約でもしたか、」
「ち、ちょっと待てよ!!」
俊宇がアレンの言葉を遮って叫ぶ。
「10年前の事件のこととか、学園の正体がどうだとか…さっきから突っ込みどころが多すぎてわけわかんねえよ!この学園でやってること全部、校長が俺らの力を奪うためって…いくらなんでもメチャクチャすぎんだろ!!」
「そうだね。だけどこれが真実だ」
信じられないという顔で食ってかかる俊宇に、あくまで淡々と答えるアレン。
「シンボラルアカデミーに入った生徒はいずれ、命ごとその異能を『収穫』される。収穫された力はあのバケモノの糧となり奴は力を増していく」
「…そんな、」
俊宇の顔が青ざめる。彼は目を見開いてしばし俯くと、ガシガシと頭を掻いてさらに言い募った。
「つうか!聖火は10年前に校長に攫われて、しかももう死んでるって…じゃあ俺が小せえ頃に出会った聖火はなんだってんだよ!?」
「それに関しては僕もとんと見当がつかないね。なんにせよ、姉さん…榊原聖火は校長の手でこの学園の序列争い、異能の育成をつつがなく進行する『舞台装置』に作り替えられた。それは間違いない」 - 949ぬし24/09/28(土) 12:09:59
話を戻そう。
そう言ってアレンが足を組み直す。
「この十年間、校長のせいで数え切れないほどの人たちが犠牲になった。僕も姉さんも、そして君もその被害者だ。これ以上あいつをのさばらせておく訳にはいかない。だから僕は全部ぶち壊すことにした。あいつの根城であるこの学園ごと」
俊宇の糸目が驚愕に見開かれる。嫌な汗が頬を伝い、声帯が小さく震える。
「…じゃあアレン、お前の本当の目的は」
「シンボラルアカデミーの破滅。…校長(あのバケモノ)を滅ぼし、この学園から姉さんを解放すること」
彼が静かに目を細める。その瞳の色は研ぎ澄まされた憤怒の青。
「最後まで付き合ってやると君が言ったんだ。手伝ってくれるだろ?相棒」 - 950二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 14:13:40
ヌシさんの筆がノリノリ…乗るしかないねこのビッグウェーブに
- 951二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 14:35:05
だなぁ…最後まで物語を見届けんと
- 952二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 14:35:30
スッ…サーフボード
- 953ぬし24/09/28(土) 20:16:47
「……ああ」
しばらく言葉に詰まったあと、俊宇が絞り出すようにして答える。
「元からそういう約束だ。俺にできることなら協力するさ。でも…」
俊宇はそこで拳を固く握りしめ、何かを言いたげにアレンの方を見るが…憎悪に染まった彼の目を見ると静かに項垂れてかぶりを振った。
「…いや、やっぱり何でもねえ。忘れてくれ」
「そう」
アレンがソファから立ち上がり、俊宇に背を向けて大きなガラス窓へと歩き出す。俊宇は納得いかない表情をしながらも彼の背に声をかけた。
「もうひとつ聞きてえことがある」
「今度はなにさ?」
「校長は俺たちから異能を集めるためにこの学園にいるって言ってたな。どうしてあいつはそんな七面倒臭えことをするんだ?校長はいったいなんのために力を蓄えてるんだ?」
そう俊宇が問いかけるとアレンはしばしの沈黙の後、独りごちるように呟いた。
「…『"糸"の強制力の外側へ行く』と、あいつは言っていた」
藪から棒に聞き覚えのない単語を出され、俊宇が思わず首をかしげる。
「糸?なんのことだ?」
「さあね」
アレンはそっけなく答え、窓から真っ暗になった学園を眺める。
「どういう理由があったとして、僕たちの知ったことじゃない」
窓の外、校舎の向こうに大きな鐘楼が見える。生徒会、そして校長の棲まう、このアカデミーの象徴。
「どんな手を使ってでもあいつは僕が必ずぶっ殺してやる。それだけだ」 - 954ぬし24/09/28(土) 20:17:48
幕間:[編集済み]
飛べない糸は羽を紡いだ。
声なき糸は歌を紡いだ。
盲目の糸は理想を紡ぎ。
聾唖の糸は語りを紡ぐ。
網目織りなす絡み糸は。
目の奥の火花撚り束ね。
いつしか慾望の発露となりて。
文字の綴れを彩らん。
羽を。歌を。理想を。騙りを。
紡げ。紡げ。紡げ。紡げ。
ただ、紡ぎ続けよう。
物語が終わるそのときまで。 - 955ぬし24/09/28(土) 20:42:02
残りレス数が少なくなってきたので続きは次スレで
次スレはまた明日立てます - 956ぬし24/09/28(土) 20:45:47
次スレ立つ前にイラスト一枚描く
今日の22:30までリクエストを受け付けるので好きなお題を投げてください
また、今回も次スレで使う「これまでのあらすじ」を募集します
こちらは時間制限は特にないので暇な方いたらどうぞよろしくお願いします〜 - 957二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 21:33:13
ありし日の榊原家族
- 958二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:03:41
決着(雪vs俊宇)
- 959二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:07:21
おどろおどろしい雰囲気の中でキリスト像の様なポーズをとりながらこちらを見る義座丸 両親指は下に向けてる
- 960二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:25:48
ifバトル マリアンヌvs泡姫
- 961ぬし24/09/28(土) 22:36:36
23:00まで安価延長します
- 962二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:58:25
実況者凛
- 963二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:00:29
浅木姉妹の極妻風パッケージ
- 964ぬし24/09/28(土) 23:06:03
- 965二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:11:32
なんかオシャンティな奴があたったな
- 966二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:12:52
ロックバンドのパッケージ…?
- 967二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:14:06
堕落とかそんなん
- 968二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:25:11
友を生贄に力を得た万姫を打倒し、文芸部との戦いを制した俊宇は遂に御前試合出場を果たす。しかし一回戦の相手である謎の仮面の少女『雪』と仲間であるアレンによってその裏に隠された悍ましき真実を知らされ自ら学園の闇に踏み込んで行くのであった…。
こんなんで良いんでしょうか? - 969二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:25:57
アレな場合はぬしさんの良い感じにしてください
- 970二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:32:37
簡潔でいいんでねえか?(俺はこういうの苦手なり
- 971二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 07:35:42
保守
- 972ぬし24/09/29(日) 09:33:44
- 973ぬし24/09/29(日) 10:08:54
- 974二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 10:36:07
良いですやん!迫力が出てますやん!ありがとうございます
- 975二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 11:15:43
- 976二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 15:00:40
次は義座丸とバトルか
- 977ぬし24/09/29(日) 16:09:58
- 978二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 16:20:39
>>977素晴らしい絵!
これは最強パーティですね間違いない(右端からは目を逸らす俺
- 979二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 16:22:17
2年後ぐらいの絵なんかなこれは
- 980二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 17:11:38
- 981二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 17:34:08
イフだから…イフだから…
- 982二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 19:58:41
ぬしさんいつもありがとうございます
- 983二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:38:42
せやな感謝せな
- 984ぬし24/09/29(日) 20:44:38
- 985二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:46:44
立て乙ん!
- 986二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:47:07
立て乙!
- 987二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:49:58
徐々にうめとこ
- 988二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:50:12
うめうめ
- 989二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 20:52:45
埋め
- 990二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:21:19
なかなかね…治安がね
- 991二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:21:39
うめる
- 992二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:39:34
梅
- 993二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:39:53
テロはよくあることよ…
- 994二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:40:16
暴力薬拉致監禁様々
- 995二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:40:47
治安わる悪学園…それが本校です
- 996二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:41:23
死人もよく出るしな(死者蘇生能力者はいそうだが
- 997二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:41:49
生き返れ生き返れ…
- 998二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:42:07
いそうよね、まだ出てきてないけど
- 999二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:42:42
棺君ならいけそう死体は"モノ"だもの…
- 1000二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:43:05
1000なら幸せになりたい