- 1二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:35:53
- 2二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:37:58
謀ったな>>1!
- 3二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:38:36
ウマ娘のとは書いてないから別なの書くわ
- 4出演ウマ娘:セイウンスカイ22/02/14(月) 20:39:22
狭いところは苦手だ。
ゲートの中なんて話にならないし、移動の時の新幹線とか飛行機とかもそれなりにキツい。
私が新幹線とかに乗る時の顔は、ゲート入りの時みたいに苦い顔をしてると思う。
でも、
「スカイ、乗るぞ」
トレーナーさんの隣の席だったら、少しは大丈夫かなって。 - 5二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:39:26
くそぉ!いつかSS書きにも来ると思ったよ!
- 6二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:40:26
ウソでしょ……嵌められた……
- 7二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:41:19
- 8二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:41:20
「うぅ〜タイシン〜こべん〜⋯」
背中ですすり泣くチケット、足を捻ったコイツを保健室に行く途中の話だった。
「良いから泣き止め!私の背中がさっきから冷たいの!」
早く保健室に運ばなければ私の背中はびしょ濡れだ。
「ほら!しっかり捕まって!」
「ゔん⋯」
ギュッと腕に力が入る、そして柔らかい感触が背中に当たる。
「重くない⋯?平気⋯?」
自分にはない大きな二つの感触に惑わされないように私は走った。
後で聞いたところによると、その時のタイムは自己ベスト並みに早かったらしい⋯ - 9二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:42:22
小さいコの背中が頼りになるの、すごく良い……
- 10二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:42:43
エイシンフラッシュ「理解できません…どうして納豆に釘を打ち付けるのですか…?」
マチカネフクキタル「ち、ちがうんです…これは丑の刻参りと言って人に見られたら呪詛が跳ね返ってくる呪いで…フンギャロォォォ!!」
エイシンフラッシュ「…やっぱり理解できません」 - 11二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:43:39
ウソでしょ……しっかり跳ね返ってる……
- 12二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:48:59
チヨ「寒い…」
ヤエ「今日は気温が低かったですからね」
アル「良ければ私のマフラー使いますか?」
ヤエ「良いのですか?」
チヨ「それじゃあアルダンさんが_」
アル「大丈夫です。このマフラーは長いので」
ヤエチヨ「「!」」
アル「こうやって三人で使えば暖かいですよ」
その後、身を寄せ合って楽しそうに帰る三人の姿が目撃されたとか - 13二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:49:12
「トレーナーさーん」
「なんだ?チヨ」
「そこのおせんべい取ってくださーい」
「ん…………ほれ」
「ありがとうございまーす」
「…………」
「…………(パリパリ)」
「…………」
「…………トレーナーさーん」
「なんだ?チヨ」
「こうして二人で過ごす休日もいいですねー」
「そうだな」
「…………」
「…………」
「…………トレーナーさーん」
「なんだ?チヨ」
「この先もこうやってコロコロしましょうねー」
「そうだな」
「…………」
「…………」 - 14二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:49:50
出してぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
- 15二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:51:06
トレーナーさん、人の魂の重量は21g。そんな迷信があるそうです。
このレシピ通りのザッハトルテは、予定通り1gの増減もない完璧な仕上がり。
精一杯込めた0gの気持ち、受け取ってくれますか?
『メイシンフラッシュのバレンタイン』 - 16二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:51:41
- 17二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:52:03
木炭味のチョコをツマミ替わりにマグロの刺身を食う奴、見たことあるか?……いねーだろうな。少なくともアタシは目の前のトレーナーしか知らん。
刺身はともかく、木炭味のチョコの方は冗談のつもりだった。後でナカヤマと賭けでもして食べる目的に作ったもの。それでもコイツは「ゴルシが作った物ならなんでも美味しい」なんて言って、付け合わせみたいに食べている。
(……どーすっかな、これ)
完全に手渡す機会を忘れた「ゴールドシップの手作りチョコ」は、鞄の中で開けられるのを今か今かと待っている。 - 18二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:52:24
ターボ王国の朝は早い…
6時には広場に集まりもんもん体操を踊る。曲に合わせて「もんもんもん…!」
今日も一日が始まる。 - 19最後方、ぽつんとひとり22/02/14(月) 20:53:05
時々夢をみる。有馬記念に出走したときの夢だ。
この舞台で走れる喜びに、観客の大歓声に胸が高まる。
一緒に走るみんなに挨拶をしながらゲート入り。
一瞬の静かさに息を整えて、ゲートが開いて、さあスタートだ!
勢いよく走り――出そうとして、足が回らない。
蹄鉄がターフを滑る。それでも走らなきゃ、ともがくように走る私を置いて、他の皆はあっという間に進んでいく。
もたもたと走る私の耳に、遠くから実況の声が届く――
目を覚ます。胸に再来する悔しさ。
「次は、負けないよ」
この悔しさが、私を強くしてくれることを知ってるから。
私は走り続ける。 - 20二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:53:30
- 21二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:53:31
トレーナーさん。ハッピーバレンタインです
これですか? もう見つけるなんて全く…いやしん坊めですね。神社の木に昨夜打ち付けた藁人形です。
この間、トレーナーさんの顔写真拝借したの覚えてますよね? はい、それです
どうして? それはトレーナーさんが非モテのくせに、ちょっと物珍しい大人の男性ってだけで男性経験の皆無なトレセン学園の生徒を誑かし、私という担当がいるのに浮気した…ためですかね。貴方は私と私の走りだけを見ていればいいんです。ドーベルさんのこともファインさんのことも、アドマイヤベガさんのこともマチタンさんのこともアルダンさんのこともタキオンさんのことももう目で追いかけないって約束してくれたら呪いを解いてあげますね。
泣いて許しを乞いますか…なら、約束できますね。はい、ありがとうございます。
でも、少しムカついたので1週間は報いを受けてください。 - 22二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:55:13
- 23二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:55:31
このレスは削除されています
- 24二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:57:24
- 25二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:57:30
「わあ!大きな穴!」
「そうだねライス すっごい綺麗な楕円形の穴だね」
「ライスこれ知ってる!クマゲラ...「舟掘る鳥」だよね?」
「そう!よく知ってるね この楕円形の穴は「舟堀型」というんだ アイヌの人たちはこれを真似して丸木舟を作ったというね」
「ほらほら ライス、このイタドリの葉を見てごらん コテングコウモリがお休み中だよ」
「わぁ!お兄さま!可愛い!...北海道って初めて来たけどとっても素敵な場所だね」
「ふふっ...数々の重賞、更にはURAまで制してライスはすっかりこの国の代表的なウマ娘になったからね...ぜひこうして喧騒から離れて自然の中で羽を伸ばして欲しかったんだ」
「ライスがここまで来れたのはお兄さまのおかげだよ! ...少しずつだけどこれからも成長するとこを一緒に見ていてね...お兄さま...」
「あぁ...もちろんだよライス...さぁ!今はこの自然を楽しもう!...ほらごらん」
「エゾシロチョウの集団給水...黄金のキノコ...タモギタケだ 日本ではこの辺りにしか生息しないキタサンショウウオ 夏に首元が赤くなるアカエリカイツブリ...」
「夏の釧路の湿原も綺麗だ 世界は...こんなにも美しい」
「おやおやおや...二股の袋角から見て若いオスですね 夏毛の白い斑点がワタスゲの白い穂も混じりあってなんと幻想的な...全てが愛おしい.......!!」
「詳しいね!お兄さまは生き物好きなの?」
「うん.....好きで好きでたまらないんだ!」 - 26二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:57:57
昔作ったやつで許して...
- 27二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 20:59:22
- 28二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:00:58
- 29二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:02:44
- 30二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:05:05
- 31二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:06:16
「トレーナーさん!今日はクレープを食べると吉だそうです!」
「今日はダメ」
「そこをなんとか〜」
「可愛く言ってもダメ」
「…その、トレーナーさん…可愛く言ったつもりは、なかったんですけど」
「………………」
「可愛かったんですか?」
「クレープな、はいはい」
#マチカネフクキタル #トレウマ - 32二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:08:14
ああ……基本うわ手の殿方が墓穴を掘る光景でしか得られない栄養素がございましてよ。
- 33二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:14:56
- 34ブラアマバレンタイン22/02/14(月) 21:17:29
「アマさん」
「なんだい、ブライアン?」
「ん、これを」
「これはチョコかい? しかも手作りかい、これ……!?」
「あぁ……姉貴に教わりながら作った。意外と面倒だったな」
「ははっ、形なんて関係ないよ! アンタが作ってくれたって事実がもう嬉しいのさ!」
「勘違いするな。ただ、日頃の感謝を伝えておくいい機会だと思ったから、そうしただけだ」
「ははっ! ならそういう事にしておくよ、ブライアン」 - 35二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:17:50
ロータスのウインドウを一面の花畑が過ぎて行く。
「結構古い車だな」
なんて助手席で貴女は言う。
確かに古い車ね、これは。
でもとても気に入ってるのよ?
確かに電装系が調子悪くなったり色々と不便だったりするけど、でも自分の気に入ってるものの方が楽しいし生き生きするでしょう、エアグルーヴ?
生きているんだもの、やっぱり楽しくなくっちゃ。
そう返した私に「相変わらずだな、スズカ」と笑う貴女の横顔は学生だったあの頃の「少女」の顔ではなくて。
家庭を持った「母」の顔をしていて。
大人になるって「縛られる事」だって少しわかったような気がして。
自由に生きている自分がなんだか大人になりきれていないみたいに思えて。
しばらく会っていないトレーナーさんに、少し会いたくなった。 - 36二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:20:46
- 37二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:22:17
ブライアンから!この角度のパンチは利きますわ!!いいですわね!いいですわね!!
- 38二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:22:40
- 39二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:23:28
このレスは削除されています
- 40二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:24:51
- 41二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:27:07
- 42ブルボン看病シチュ22/02/14(月) 21:27:33
「…体温計を確認。目測、8度2分。…まだ熱は下がっていません。布団にてお休み下さい、マスター」
「うう…すまないブルボン、まさか風邪をひいてしまうとは…」
「ご安心ください、マスター。幸い今日は土曜日です。熱が下がるまで、つきっきりで看病します」
「いやそこまでしなくてもいいけど…ていうかアレだな、ブルボン」
「?」
「その話し方だとなんかメイドさんみたいだな」
「…お望みでしたら、いろいろと『ご奉仕』させていただきますが。マスター」
「ゴメン、熱のせいで変なこと言った。忘れて」 - 43二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:29:06
- 44二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:31:32
- 45二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:34:17
スレ主、そろそろ日課の筋トレを始めるので離席しますわ。
……元々全レスするとは言ってませんでしたけど、ここまで来たら乗り掛かった舟ですわ。 - 46二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:34:51
「こないだ研修行ったやん」
「行っとったな。飛行機乗ったんやっけ?」
「せやねん。お土産なかったからオグリんがしょげとったやろ」
「あー、あんときか」
「ほんでまあ、べつにえぇ席でもないから、隣に誰か座るわな。これがまた、えらいべっぴんさんやったんよ」
「その話は聞いてへんな。それで?」
「綺麗なひとやなー、ってうちは思てたんやけど、研修の方がめんどくさくてな。目ぇ通さなあかん資料が山積みやったんや」
「愚痴っとったな。資料の内容、ほとんど触れられへんかったんやろ?」
「そうそう。で、それはさておき、そんときのうちは参っとったわけや。こんなん知恵熱出るわ、って」
「出たんかいな」
「出てへんねやけど、ふと思い出してん」
「思い出した?」
「丑の刻参りてあるやろ?」
「あるな」
「学生のころ、あれ見てもうてな」
「いや、どういう状況やねん」
「近所の山が“そういうこと”で有名やったんや。……で、当時のうちは三日三晩寝込む羽目になった。えらい熱出してな。体温計見てびっくりしたで。ひっくり返りそうになったわ。いや、ほんまにひっくり返っとったんやけど」
「しょうもな」
「ちゃうねん。ここからが本番やねん。……うちはちらちらそのべっぴんさんを見とったんや。ぞっとしたでぇ。どっかで見たことあるな、って思ったら一直線や。見たことあってん」
「アンタまさか」 - 47二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:35:12
「せや。そのひと、ネットでは有名な編み物職人さんでな」
「は?」
「あの赤いマフラーあるやろ? あれ、その人が手編みしたやつやねん。いや、これがえぇのよ。今年の冬、ずぅっとあれ巻いてるやろ? お気に入りやねん」
「はぁ?」
「タマちゃんも巻いてみ。なんやったらお揃いにしようや。あ、今日バレンタインやったな。ちょっと遅なるけど、プレゼントするで」
「ちょい待ち」
「うん」
「丑の刻参りのくだりは?」
「知恵熱出そうやってゆうたやん。うち、あんときくらいしか熱出したことないで」
「なんでぞっとしてん」
「研修のせいでろくに寝てへんかったからな。肌がっさがさやし、髪もぼっさぼさや。そんなん、憧れのひとに見せられへんやろ。そらぞっとするで」
「しょうもな」
「そうゆわんといてや。ほら、タマちゃんも見てみ。この写真、かわえぇやん。あのマフラー編んだ赤い糸でな、“Love”やって。この糸の両端は、どこに繋がってるんやろな?」
「そら、毛糸玉とかぎ針やろ」
「そこはうちとタマちゃんの小指ってゆうてや」
「しょうもな。どないすんねん、この空気」
- 48エミュが……分からない……!22/02/14(月) 21:36:11
むにゃ……うへへ、そんな……あたしはただの……ウマ娘ちゃん好き……ふみゅ。
ん……ふわぁあ……もう、そんなに揺らさないでくださいよトレーナーさん。
折角のパライソが……って、ほえ? もうすぐ羽田? 着陸態勢?
あばばばば! い、急いで準備を……え、もう済んでる? さ、流石我が同士……恩に着ます。
いやぁ、先ほどはどうも失礼を。まさかあたしとしたことが、ウマ娘ちゃん語りもせずに寝落ちとは……。
大レースの後だし仕方ない? いやいや、そんなことはありませんとも!
不肖デジたん、むしろ沢山のウマ娘ちゃんたちとの交流に大満足! 疲れなんて吹っ飛ぶってもんです!
入りも早く、レース前後のケア、そしてライブまで、トレーナーさんこそお手伝いばかりで大変だったでしょう。
さ、荷物少し持ちますよ。眠って充電しましたし、デジたんこれでも力持ちですし。ほら、遠慮なさらずに。
……ただいま戻りましたぁ……ふぅ、今回の遠征も大変実のあるものになってデジたんホクホクです!
「おや、デジタル君か。お帰り、と言っておこう」
あ、タキオンさん……ふへへ、ウマ娘ちゃんからのお帰りボイスぅ……くうぅ、たまらん! トレセン最高!
「その様子だと、あまり深刻な疲れはないようだ。日程の上では、大分強行軍だった気もするのだが」
まあ、それはハイ。結構なスケジュールの密っぷりでしたが、これくらいじゃへこたれません!
それもこれも、ゲットしたウマ娘ちゃんグッズの他、帰りの飛行機で楽園の夢をみたお陰ですね!
「ほほう! 帰りの飛行機で夢を、つまり仮眠を取れたのかい!? 興味深い、以前の似たケースでは始終起きていた筈だが」
おおお……! 推しに自分の過去話を覚えて貰えている……! もしやまだ夢?
「幸か不幸か現実だよデジタル君。それで? 前回と今回、何か違いは? 状況などに変化はあったのかい?」
違い、ですか……確か前回はトレーナーさんの席が遠くて、それで……今回は、すぐ隣、で……。
「成程、自身のトレーナー、即ち信頼するパートナーが身近にいたことが原因の可能性アリ、と……それで他には……うん? デジタル君?」
同士はあたしにとってそういう存在じゃ、いやでも……あばばばばばば……
「……ふぅン。これでは聞き取りは断念しなければね。それにしても……うん、これはこれで面白いテーマかもしれないな」 - 49二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:36:34
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- 50二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:38:35
刹那──緑の地に踏みしめる音。
逃げ場は前にしかないというのに、それはまるで爆発じみて迫ってくる。
ドンドドン、ドンドドドン──。
一人、また一人と撫で切っていく。後方より追い込んでくる恐怖は、刻一刻と彼女らの首筋に迫ってくる。
ドンドンドドン、ドンドンドドドンドン────。
焼け付く炎のように、それは迫る。それはダイヤモンドじみて白い閃光を放っては、全てを置き去りにした。
助けて、と誰かが喉の奥で叫んだ。其のすべてが、その何もかもが群衆の走躯音にかき消された。
ドンドンドンドンドンドンドンドン────!
ゴールから、その次までにおおよそ6バ身。
すべてを置き去りにしたウマ娘、その名前は歓喜とともに空に轟いた。
『勝ったのは、タマモクロス!』 - 51二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:40:03
「…ふふっ、今日はいつもと違う時間に出勤しているんですね。」
○○○
覚えていてくれた!覚えていてくれた!
あの子が覚えていてくれた!
やばい、今でも胸の高鳴りが抑えきれない…!
あの子が俺の働いてる喫茶店に来てくれる時っていつもドイツ語?の小説読んでたけど、ほんと絵になったんだよなぁ。
ピンと伸びた背筋と印象的で…風に靡く黒髪が綺麗で…あと正直、顔がめちゃくちゃ良い。
お客さんに話しかけるのもルール違反だし。
そもそも話しかける勇気なんか無かったけど。
コミュニケーションなんか諦めてたけどさ。
…なのにまさか向こうから話しかけてくれるなんて思わなかった。
なんか調べてみたら近くにある学校に通ってる結構有名なウマ娘だったらしいけど、俺ってスポーツとか疎いからなぁ…
にしても、なんで俺の事なんか覚えていてくれたのかなぁ…
………意外に脈あったり?とか? - 52二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:40:19
- 53二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:41:17
「なぁ、フクキタル」
「なんですか。トレーナーさん」
「昔、20世紀の最強ウマ娘お前って書いたわ」
「………な、なんですと」
「まだ忘れられないんだよ、クラシックの3連勝」
「それを今言いますか?」
「今更だから言うんだよ」
「もう引退するのに」
「その前に言ったら調子に乗るだろ」 - 54二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:42:34
書いたらめっちゃ感想くれるじゃん…
調子に…調子に乗ってしまうぞ、杏寿郎! - 55出してええええええ!!!22/02/14(月) 21:45:06
- 56ノルンにもし彼氏がいたら22/02/14(月) 21:48:56
岐阜行きの鈍行に揺られながら、あーしは隣にいる青年をちらりと見た。気が弱そうでへにゃっとした太い困り眉、銀縁の眼鏡をかけた喧嘩のできなさそうな奴。
「……今日、予定はあるんですかノルンさん」
「特にないかなぁ」
あーしはそう言って目まぐるしく変わる景色を眺める。変わらない田舎の景色。
ちらっと横目でスマホを眺める。デートスポットだのなんだの、色々調べてるみたい。
あーしが勝手に誘ったのに。
「……誘われたからには楽しませなくては」
そんな呟きが聞こえた気がした。
『ご乗車ありがとうございます。次は岐阜、終点です。お出口は左側です。お忘れ物のないようにご注意ください』
車内にアナウンスが流れた。あーしは隣にいる男を軽く小突く。
「楽しもっか」
そう言って、あーしは笑った。
(もしお気に召しませんでしたら消していただけると幸いです) - 57二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:49:13
- 58二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:51:05
「たわけ、根を詰めるのもよくないぞ」
「あぁ、あと少しで終わるから」
「なら、疲れた頭では働かないぞ、これでも食べて糖分を取れ。」
そう言って、エアグルーヴは包装されたチョコを渡してきた。今日はバレンタインデー。
「あまり無茶するな、体は資本だ。もっと大切にしろ。貴様はよくやっている」
「ありがたく頂くよ、エアグルーヴ」
エアグルーヴからチョコを受けとり、自分も用意してきた紫色の薔薇10本の花束を彼女に渡す。
「エアグルーヴこそ、生徒会などでいつもお疲れ様、これは俺からの日頃のお礼」
「……こんなことするから、疲れがたまるんだ、たわけ。まぁ、薔薇はありがたく頂く。」
エアグルーヴは優しく叱りながら、少し喜んで薔薇を受け取った。どうやら、花に詳しい彼女は 花言葉わかったみたいで、こちらの気持ちも伝わったみたいだ。 - 59二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:52:02
- 60二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:54:56
- 61SSかはわからないが22/02/14(月) 21:57:03
「トレーナーさん、そっちに近付いてもいいですか?」
「トレーナーさん、もっと近付いてもいいですか?」
「トレーナーさん、ぎゅって抱きしめてもいいですか?」
「トレーナーさん、もっともっとぎゅーって抱きしめてもいいですか?」
「トレーナーさん、トレーナーさんからも、ぎゅってして下さい」
「トレーナーさん、もっと、もっと強く抱きしめて……貴方と私の心音がどっちも聞こえちゃうくらいに」
「トレーナーさん、貴方の温もりは他の何物にも代えられません」
「トレーナーさん、例え他の人がそう名乗っても、私は必ず貴方を選びます」
「トレーナーさん……貴方も、私を選んでくれますのね、ふふっ」
「トレーナーさん……何時までも、何時までも一緒に……二人で駆け抜けて行きましょう」
「……大好きですわ、私の、たった一人の……」
「……素敵な、素敵な王子様」 - 62二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 21:58:00
- 63二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:00:34
- 64二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:03:31
なあ、今の私が言う事は「らしくない事」なのかもしれない。
でもアンタにしか言えない事なんだ。
笑わずに聞いてくれ。
私は最近、怖くなるんだ
姉貴やアマさん、生徒会のあいつら、マヤノ、それからアンタがいる日常がある日いきなり消えてなくなるかもしれないと想像して…怖くなるんだ。
私はこの日常が好きだ。
特別なことがなくてもいい、普通の1日1日が好きなんだ
だから、失いたくないんだ。
らしくないだろう?でも怖くなるんだ。
悪いな、いきなりこんな事を言って…
………そうか。
アンタは優しいな。
もっと頼ってくれていい?
馬鹿にするな、私はそこまで弱くない。
…だが、少し不安になった時はまたこうしてそばにいてくれ - 65二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:03:49
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- 66二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:04:41
- 67二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:04:56
ライス「〇〇しないとでられない部屋?」
ロブロイ「最近の創作でたまに見かける部屋ですね。まさかトレセン学園にこんなものがあるだなんて」
ライス「あっ、〇〇のところ捲れるようになってるよ。えいっ」
ロブロイ「えっと、しりとりを二回で終わらせないとか出られない部屋、ただし二文字はダメ」
ライス「よ、よーし、がんばるぞー、おーっ!」
ロブロイ「ではしりとりの「り」から、りんご」
ライス「ごはん!」
ロブロイ「わっ、開きました!」
ライス「えへへ、おっきい声でご飯って言ったらお腹空いちゃった。ロブロイさん、カフェテリアに行って何か食べよ?」
ロブロイ「はい。甘いものでも食べましょうか、ライスさん」 - 68二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:04:57
ちらほら知ってる人がいますね…
- 69二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:08:03
女性は「自分のために何かしてくれる」ことを重要視したりしますわね。デートなら近所の店でも予約が要るのはそういったわけですわ……わたくし、お嬢様だからわかりませんけど。
ともかく、彼氏君の行動は素晴らしいものに写っているのでしょうね。まぶしい青春の一ページですわ。もげろ。
- 70二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:14:39
- 71二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:17:16
- 72二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:18:36
ウマ侍は女の子だった!?
- 73二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:20:17
- 74二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:21:31
- 75二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:22:58
「大丈夫か...スズカ?」
うっかり転んで軽く脚を痛めてしまった私を心配性のトレーナーさんは私を背負って保健室へと向かう
...誰かの背中を見る景色がこんなにも心地良い事を初めて知りました。 - 76二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:24:16
- 77二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:28:36
- 78二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:29:39
……本当に2行で失恋してますわ。儚いものですわね。
- 79幸せになりたかっただけなのに…22/02/14(月) 22:30:47
「アヤベさんまだ練習してたんですか?」
そう言って息を切らしている彼女を見る。
「わたしは…休む余裕なんてないから」
「でももうこれ以上しても体が壊れるだけだぞ。」
「皐月賞…わたしは勝てたのよ。あと少し足が残っていれば…」
「アヤベさん…アドマイヤベガ!練習はやめろ!」
「なに!もうわたしを放っておいてよ!わたしはただ勝たないといけないの!あの子の分まで勝たなきゃ…いけないのよ…」
そう言ってアヤベさんは泣き出す。
「…聞いてくれるか?」
「…うん。」
「次のレース日本ダービーは勝てる。いつも通りの練習をしていたら。」
「どうして?なんで言い切れるの?教えて!」
俺は息を吸い込んで
「それはアドマイヤベガの担当トレーナーが勝つと信じているからだ!」
「ふふっ、はははははは」
「何笑ってんだよ!本当のことだろ!」
「そうね!トレーナーの言う通りだわ。」
「…おまえの背負ってるもの分けてくれ。」
「…わたしの背負ってるもの重いわよ?」
「いいんだ、俺たちは二人で頑張るんだからさ。」
「そうね、日本ダービー頑張りましょ。」 - 80二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:36:06
『本日は帝国航空 東京国際空港 発 シャルルドゴール国際空港 行き 148便 をご利用いただきまして誠にありがとうございます。当機はもう間もなく離陸いたします。もう一度、シートベルトをご確認し、携帯電話や携帯ゲーム機などの電波の発する物の電源がOFFになっているかご確認ください・・・』
客室乗務員のアナウンスが流れる中、僕はそれどころの騒ぎじゃなかった。
「・・・シービー?大丈夫?」
「・・・・・・・・・・・・」
僕の横で青ざめながらガタガタ震えているのは僕の愛バであるミスターシービー。彼女のファンが今の姿を見たら幻滅するか加護欲が燃え上がるかのどちらかだろうが、今の彼女にはそんな事を気にしている余裕はない。実はシービー飛行機が苦手なのだ。以前、エレベーターに一緒に乗った時に動き出した瞬間にビクッと体を震わせていたから、恐らくケツがフワッと浮くような無重力が苦手なのだろう。
僕も同じような理由でジェットコースターに乗れないから気持ちは分かるが、まさかここまでとは・・・。搭乗口から席に座り、ドアが閉まるまではいつもの調子で談笑していたのだが、ドアが閉まりプッシュバックが始まると同時にどんどん体が強張っていって今に至ってる。
幸いコンパートメント付きのビジネスクラスであるため、周囲の視線は気にならないのだが流石にこれはマズい。
しかも、うかうかしていたら搭乗機は誘導路から滑走路に入り、エンジン音が一段と高くなる。
「・・・・・・・」
シービーが何か僕に話しかけた。が、よく聞こえなかったので聞き返す。
「・・・私の手を握って」
と蚊が鳴く様なか細い声でシービーは僕の方に自身の左手を差し出した。これでどうにかなるなら・・・と思い僕は優しく彼女の手を握り返す。その瞬間、ちょっとだけ彼女の強張りが和らいだような気がした。 - 81二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:36:16
- 82二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:39:21
- 83二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:53:38
- 84二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:55:54
「 しないと出られない部屋……」
「せめて何をしないと出られない部屋かくらいは書いておいて欲しいものだね」
タキオンは肩をすくめて見せると、椅子を引いて腰かけた。
少しの間、その看板を見つめていたカフェもその対面に収まる。
2組の椅子とテーブル。冷蔵庫に電子レンジ、ツインのベッド……一人暮らしの学生の部屋のような家具と、空白のある看板が二人に与えられた全てだった。
「ひとまず、試行したものは書き留めていこうか」
タキオンがテーブルに置かれていた油性マーカーとノートを広げる。
「呼吸に鼓動……」
「……そういうのは、要らないと思いますが」
「そうだね。では、『会話』……他に何をしたかな?」
まさか本当に総当たりする気だろうか?
カフェは額に手を当てて、仰ぐように看板に目を遣った。全面真っ白な部屋に、冷蔵庫のブーンという低い音と、タキオンがキュッキュと文字を刻む音が響いている。
「……あ」
扉が開き、二人は胸いっぱいに外気を吸い込んだ。部屋に居たのは小一時間程度のはずだが、随分と疲れた気がする。
「いやあ、これは一本取られたねぇ」
タキオンが呆れと感心の混じった声で言う。
「まさか、空白部分に動詞を書いてそれをすればいいとはねえ」
無人になった部屋には「握手しないと出られない部屋」の看板が残されていた。 - 85二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:57:59
- 86二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 22:59:36
- 87二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:00:52
- 88二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:15:32
「サンドイッチというのは、サンドイッチ伯爵がカードの最中に食べていたからその名が付いたと言われているが、あれは本当なのだろうかね?」
「どうだろうな? 同じ様な話で、鉄火巻きも鉄火場で食われてるからその名が付いたって話を聞いた事があるし、そういうテンプレがあるんじゃないか」
アグネスタキオンのとりとめない話に答えながら、一口ハンバーグを彼女の口に運ぶ。
切っ掛けは、彼女の弁当に普通のふりかけ飯を詰めてしまった事だった。「箸を使うのはわずらわしいと言っただろう!」と怒る彼女を宥めるために、せっせと奉仕する羽目になったのだが。
自分で手を使わずに飯が食えるという事に味を占めたのか、実験が忙しいとか少し試したい事があるとか、適当な理由を付けて奉仕をねだるようになってきた。
最近では、もはやそういった理由付けすら無くなってきている。トレーナーと言うよりは、雛に餌を与える親鳥に近い。
モルモットだけでは飽き足らず、鳥にまでなると、いよいよ霊長類としての尊厳が危ぶまれるのではなかろうか。他愛ない事を考えながら、卵焼きに狙いを定める。
「おっと、卵焼きは最後にしてくれたまえ。甘いおかずをデザート感覚で食べるのが良いんだ」
「いや、フルーツは別にあるぞ」
「それはそれ、これはこれだよ」
「へいへい……」
飯を食わずに栄養失調になられるよりは、百万倍マシな筈だ。そう自分に言い聞かせつつ、改めてミニトマトにフォークを突き立てた。 - 89名も無き娘達の話22/02/14(月) 23:22:41
誰も私達の事なんて見てない。それがターフの風に乗って伝わってくる。圧倒的な1番人気、あのG1ウマ娘にとって、このレースは勝って当たり前、天皇賞へ向けての調整の一環。そう、私達の事なんて、誰も───
『1番人気――現在中段、仕掛けに入るか!?』
『あの娘ならどの位置からでも大丈夫でしょう。ほかの娘など物ともせず先頭に躍り出る姿を見せてくれるハズです』
奥歯を、噛みしめる。
末脚で一気に抜き去るなんて、簡単にできることじゃない。 なのにあの人には何でもないだって?
なんだよそれ。あたし達って、結局そんなんなの? 結局、重賞ポンポン勝っちゃう娘の引き立て役ってワケ?
――――――違う
「違う!違う違う違う!!私はそんな事の為にここまで走ってきたんじゃない!!」
「アタシ達には、最初から最後まで逃げ切る脚も、終盤で一気にごぼう抜きするパワーもないかもしんない!」
「けれどあたしは欲しいんだ!誰もいないターフを!先頭でゴールを駆け抜けるその瞬間が!!」
「どんな形だっていい!下手くそな神様のいたずらだってなんだっていい!!勝ちたい!勝ちたいっ!!」
「たった一回でもいいんだ!!はるか上にいるウマ娘が勝てなかった相手としてほんの一瞬でも輝く!!」
「そして、残すんだ!こんなあたしを最後まで、ずっと見捨てなかったあの人が!あの人があたしをここまで連れてきたんだって!!」
"君なら あなたなら" 出来る!だって"君は あなたは"ここまで自分の力で、その脚で諦めずに走り抜いてきたじゃないか!
「証明したいんだよ……!!あの人は、学園のどのトレーナーよりも、誰よりもすごいトレーナーだって!!」
『先頭集団粘る!抜ききれません!1番人気――抜ききれない!!』
「あたし達は!!負けるためにここにいるんじゃなぁぁいぃぃぃ!!!」
その日、とあるオープン特別で起きた波乱はしばらくメディアを騒がせていた。
それから数年後、当時G1を既に3勝し、このレースで圧倒的1番人気だったにも関わらず掲示板を外したウマ娘が、引退式で最も印象深いレースはと問われ答えたのは、連覇した天皇賞でも、有終の美を飾った有馬記念でもなく、このレースだった。騒然とするメディアを前に、彼女は感慨深く微笑んだ
「初心を、思い出させてくれました。あのレースに勝っていたら、私は二度と勝つ事が出来なかったと思います」 - 90出してええええええええええ!!22/02/14(月) 23:24:49
「はい!フラッシュさんにハートの友チョコっ!いつもありがとー☆」
『ありがとうございます。…しかしこの大きさのチョコを一日で食べ切るのはカロリー計算上好ましくありません。ファルコンさんには失礼かと存じますが、小分けにして食してもよろしいでしょうか?』
「うんうん☆ファル子も少し大きすぎたと思ってたし、大丈夫!」
『ご迷惑おかけします。それではファルコンさんの友チョコを喫食分摂取として望ましい均等なカロリー…外箱の大きさから直径8cmの円形チョコと仮定した場合、一般的なチョコレートのカロリーから3日に小分けするのが妥当でしょう。ハートの表面積hはx²+(y-√|x|)²=hと仮定して、後はカージオイドの求め方を調べ直さないといけませんね…』
「1カロリー単位で均等に小分けするつもりなの!?」 - 91二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:26:44
- 92二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:29:58
- 93二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:31:58
- 94二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:40:12
えっ、女の子ばっかりの職場で羨ましい?
いやー、キツイでしょ
だって考えてみてよ
右を見ても左を見てもウマ娘ウマ娘ウマ娘以下省略ちょっとだけヒト娘
凄いんだよ、化粧とかの匂い
彼女達はアイドルだからね
マスコミも張り付いてるから、普段からおめかしも気を抜けないのさ
そういうわけで全校集会の後の夏の体育館とか行ってみ?
2,000人分の化粧の匂いが混ざったヤベー匂い……が
あっ……ちょっとま──!!! - 95二次元好きの匿名さん22/02/14(月) 23:44:53
- 96二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:00:24
出してくれぇぇぇレスひとつに収めるのむずかしい
南ネイです
「ネイチャ〜、何してるの?」
ラッピングに使った赤い紐を手慰みに指に巻きつけて遊んでいたところにターボが話しかけてきた。
トレーナーの出張が一日長引いて行き場のなくなったクッキーは練習後でペコペコだった彼女のお腹の中だ。
疲れたときには甘い物。
あんなにおいしそうに食べてもらったのならクッキーも本望だろう。ラッピングはちょっと雑に剥がされたけど。
ちゃんとお返しはあげるからねと約束されたけどホワイトデーまで覚えていてくれてるかはちょっと怪しい気がする。
「あっ、すごい!LOVEってキレイに文字ができてる!みんなにも見せようよ!」
「みんなは先に帰っちゃったでしょ」
じゃあ写真を撮ろう!と無邪気に騒ぐターボに勧められるままカメラを起動させる。
ウマインでイクノとマチタンに短いメッセージと共に写真を送るとターボが不思議そうな顔をした。
「どうしたの?」
「トレーナーにも送らなきゃ!」
それはまずい。なんとも思わないかもしれないけど。でもなんとも思わなかったらそれはそれでいやだな。
「えっ!?いや……それは。チームのウマインにはもう送ったちゃったからさあ…」
結構狼狽えてしまったと思うけどバレてないだろうか。
不満そうなターボを誤魔化しつつ帰り支度を始める。
「あ、ねえねえ。この紐もらってもいい?」
「いいよ」
興味がそれるなら大歓迎だ。
紐であやとりを始めたターボを見て、多分この子は何も分かってないなと胸を撫で下ろす。 - 97二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:01:16
このレスは削除されています
- 98二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:01:17
>>96つづき
翌日、少し遅れてカノープスの部室に行くとドアの前で屈んだイクノとマチタンがいた。
「イクノー!聞こえるー?」
ドアの向こうからは今日も元気なターボの声。
「ターボ、完全にドアを閉めたら糸が振動しませんよ」
イクノの耳には底にから紐がのびた紙コップ。
「あ、ネイチャおはよう!次マチタンの番だから待っててね」
ターボがドアを少し開いて隙間から糸電話の強制参加を告げる。
数分後、ターボの通話相手がマチタンに変わったときに三日ぶりにカノープスのトレーナーが部室に現れた。
「みなさん、元気でしたか?あの…練習は…」
「おかえり!トレーナーにもこれやらせてあげるね!ネイチャも!」
「はいはい。ありがとうね」
「ううん!これネイチャが昨日くれた紐だもん」
形を変えて手元に戻ってきた赤い紐を小指に巻いて昨日、私がどんなことを考えていたか思い出して赤面する。
「えっ、えっと〜……何を喋ろっかなー」
「まずはもしもしだよ」
多分ターボは何もわかっていない。
- 99二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:04:09
嗚呼あああああああああああ!!!!!
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…………どうしたら良いんですか!?理解できません!!!
折角こんなに準備して、バレンタインのチョコも完璧にして……服も、メイクも、いっぱい……じゅんび……して
駄目、涙が止まらない
日本のバレンタインは女の子のグランプリレースだから、完璧な予定を立てたのに……もう日付は15日
愛しいあの人は、この寒空1人ポツンと待っていてくれていたのに、私は何も言えなくて……
「フラッシュ」
「実はさっき悪い魔法使いが来てしまってね」
「『貴方にはお姫様の愛を手に入れない限り永遠に14日が終わらない呪いを掛けたよ☆』だそうだ」
「2人で悪い魔法使いの呪いを解かないか?」
──ええ、私で良ければ喜んで - 100二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:05:07
マックイーン「ご覧あれ、トレーナーさん!チョコモンブランですわ!」
トレーナー「モンブランって、栗使ったの?」
マックイーン「あら、何を言ってるのですかトレーナーさん。モンブランはフランス語で「白い山」の意味ですわ。アルプス山脈の最高峰の山ですわね」
トレーナー「そうだったのか!」
マックイーン「日本でモンブランといえば栗というイメージがついているのは日本で最初にモンブランを作った洋菓子店の店長さんが、栗を使用したモンブランを仕立てたためなんですの」
マックイーン「モンブラン自体はこうやって麺のようなクリームに雪に見立てた白い粉砂糖を振りかけてあげれば完成いたしますの。どうぞトレーナーさん、ご賞味あそばせ♪」
トレーナー「それじゃあ、いただきます。おいしい!」
マックイーン「ふふっ、自信作ですもの!喜んでいただけてなによりです」
トレーナー「ホワイトデーは3倍返しだから3倍の大きさのモンブランを用意しないとな」
マックイーン「念のため言っておきますけど、縦横高さ全てを3倍にすると体積は27倍になりますからね」
トレーナー「わ、わかってるって。27倍モンブラン、食べたい?」
マックイーン「ぜひ!・・・・・・こ、こほん。トレーナーさんからいただいたものは無碍にできませんので」
トレーナー「気合を入れて作るね」
マックイーン「ふふっ、楽しみにしていますわ」 - 101二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:12:47
このレスは削除されています
- 102二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:17:51
- 103二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:20:24
- 104二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:23:24
- 105二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 00:24:38
- 106二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 01:16:45
……さすがに打ち止めですわね。
思ってた3倍くらいSS読めて眼福でしたわ。ごきげんよう。 - 107二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 01:51:44
お疲れ様
- 108二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 02:18:24
体温計の写真から
「トレーナーさん!顔真っ赤!すごい汗!風邪じゃないの?」
「大丈夫だよ。ウララ。今日のトレーニングを始めようか」
「ダメだよ無理しちゃ!今日はおやすみして?私一人でもちゃんと頑張るから」
確かここに入ってたよねとウララは救急箱の中から体温計を取り出してほとんど無理矢理に俺の脇に挟み込んだ。
いい子だ。絶対にこの子を勝利に導かなくては。
決意を新たにしているとピピッと測定の終了を知らせる音が鳴り、俺とウララは体温計を確認する。
『39.6』
「39.6度!?」
俺たちは声を揃えて叫んだ。
「大変!トレーナーさんが死んじゃうよ!どうすればいいかな!?救急車!?」
ウララがあわてふためく。涙ぐむウララを安心させようと俺は優しく彼女の両肩に手を置く。
「落ち着けウララ。ほら、上下が逆だっただけさ」
そして俺はくるりと体温計をさかさまにする。
『96E』
ウララが首をかしげる。
「Eって何?」
「eっていうのはネイピア数のことだよ。円周率のπと同じようなものかな」
「そうなんだ。じゃあこれは何度なの?」
「eは2.71828182845904523536……だから」
「えーと…96かける大体3ってこと?」
「うん、だからね」
スマートフォンの電卓アプリで計算する。
そして答えが表示された。
『260.955053……』 - 109二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 02:18:34
「260.1度!?」
俺たちは声を揃えて叫んだ。
「大変!トレーナーさんが死んじゃうよ!どうすればいいかな!?救急車!?」
ウララがあわてふためく。涙ぐむウララを安心させようと俺は優しく彼女の両肩に手を置く。
「落ち着けウララ。人間の体温がそんなに高くなるわけないだろ。きっとこれは華氏なんだ」
「華氏?」
「ああ、温度には華氏と摂氏の2つの表記があってな。華氏では水が凍る温度は32度、沸騰する温度ら212度なんだ」
「そうなんだ。じゃあ今のトレーナーの体温はいくつなの?」
「まず温度から32をマイナスしてそのあとに5をかけて9で割るんだよ。だからね」
スマートフォンの電卓アプリで計算する。
そして答えが表示された。
『127.222』
「127.2度!?」
俺たちは声を揃えて叫んだ。
「大変!トレーナーさんが死んじゃうよ!どうすればいいかな!?救急車!?」
ウララがあわてふためく。涙ぐむウララを安心させようと俺は彼女の両肩に手を置こうとしたが手を持ち上げる力が入らない。
「ああ…本当に体調が悪くなってきた。もうだめかもしれない。ウララ、君を有馬で勝たせたかった……ごめん」
「うわーん!トレーナーさーん!死んじゃダメー!すぐに誰か呼んでくるから!」
その後オレはたづなさんにより保健室に送られた。
体温は39.6度だった。 - 110アニリン紹介◆5SAPpsG5SZn.22/02/15(火) 06:22:53
「ああ……コーリャにどんな顔をして会えばいいんだ……」
列車に揺られながら、アニリンは葛藤に苦しんでいた。遠征先、東ドイツとハンガリーで二敗を喫して、トレーナー、ニコライ・ナシボフのもとへ帰らねばならなかったのだ。
コーリャに会える、会いたい。不甲斐ない走りをしてしまった。コーリャは慰めてくれるだろうか。勝てたかもしれないレースを落としてしまった。コーリャの顔が見たい。とても顔向けできない。
リンゴをかじったアダムが、不意に神に声をかけられた時も、これほどうろたえはしなかっただろう。
最高のトレーナーだ。アニリンは間違いなく断言する。祖国ソビエト、いや、世界広しといえども、ナシボフに勝るトレーナーが存在するなどとは思いもよらぬことであった。
そんなナシボフは、遠征を間近に控えながら、しかし折悪く病を得た。連邦はこの最高の名手を重く見、遠征への参加を許さず、養生を命じた。
アニリンの繊細な一面を知るナシボフは、当然反対した。その気迫は到底病人のそれではなかったが、しかし連邦はあくまで彼を惜しんだ。万一のことも許してはならぬとばかりに。ナシボフは折れざるを得なかった。
ナシボフの遠征欠席を聞き、アニリンは落胆とも怒りともつかない心持ちを覚えた。遠征の大舞台に彼がいないということ自体が耐え難かった。いっそ、理不尽な暴力でも振われる方がまだマシとすら思われた。
アニリンはつらつら振り返った。
思えばアニリンは周囲から期待されたことがなかった。ソビエトオークスの勝ちウマ娘を母に持ちながら、その幼少期は決して恵まれたものではなかった。暮らしが心許ないものだったのではない。体が弱かったのだ。今でこそ体格はなかなかのものだが、体質は必ずしもそれについてきていない。特に脚は不安が大きい。これでは独活の大木ではないか?自嘲が漏れた。 - 111アニリン紹介◆5SAPpsG5SZn.22/02/15(火) 06:23:08
そんなアニリンに、どういうわけかナシボフが不思議な情熱──ナシボフ自身にすら決して説明できる類のものではなかった──を注いでくれた。アニリンの脚の訴えを、文字通り声が聞こえるかのように聞き分けた。許される限りで最高の鍛錬を施してくれた。
「アリック!君は素晴らしい!」
「私の誇りだ!」
ナシボフの言葉はいつも真実だった。嘘偽りのない、純粋な賛辞であった。だからこそアニリンは嬉しかった。彼の期待に応えたかった。そしてそれ以上に、彼女の脚が応えてくれた。
アニリンは、デビュー戦を容易く勝った!そればかりかソビエト三冠のはじめ、М. И. カリーニン記念を制覇してみせた。
ナシボフ以外の誰もが──アニリン自身もだ──夢と現実の取り違えを疑った。
信じがたい1,600mの英雄譚であるが、しかし勝利は勝利、功は功。実績を評価した連邦は、外国での勝利を命じた。使命を帯びたアニリンは、連邦の地を発った。──ナシボフ無しに。
果たして、その結果は知っての通りである。
アニリンはすっかり意気消沈してしまった。アニリンが走る理由は、自分のために、両親のために、祖国のためにというのもあるが、しかしそれ以上にナシボフのためだ。彼女自身そう思っていた。だが甘かった。それ以上だった。先に派遣されていたトレーナーの指導下、トレーニングを行い、作戦を練るが、足りなかった。
相手が悪すぎたのだ。哀れなトレーナーは、何の落ち度もないままに、ナシボフとの差を図らずも突きつけられる形となった。 - 112アニリン紹介◆5SAPpsG5SZn.22/02/15(火) 06:23:31
「ああ……コーリャになんと言えばいいのか……」
アニリンは頭を抱えた。
「どうしたんです?」
リンゴを差し出しながら、乗客の若い娘が訊ねてくる。
「これは……すまないね。ありがとう」
アニリンはリンゴを受け取った。一口かじる。赤みの強い鹿毛が艶やかに揺れた。
私に似ている。アニリンはふと、手の中の赤いものに親近感を覚えた。赤く、甘さがあり、酸っぱいものがある。
「何かお困りですか?」
「ああ、いや……まあ……」
アニリンは言葉に窮したが、結局包み隠さずに話すことにした。
「人の……期待を裏切ってしまったと、言えばいいのかな」
「レースですか?」
「分かるのか」
「ええ。お姉さん、ウマ娘さんですから」娘は微笑んだ。「ウマ娘は走りと恋に悩むものだ、って、ウマ娘のお友達が言ってたんですよ!」
「言えてるな」アニリンは少し気が紛れたように笑った。
「レースのことはよく分かりませんけど、お話を聞くぐらいならできますよ。特に恋の!」
アニリンは苦笑した。「まあ、それなら聞いてもらおうかな」
アニリンは気難しい所がある。普段なら、あるいはそれとなく話を逸らして踏み込ませないところだ。しかし、今はそれ以上に胸の内を吐き出したい気持ちが勝った。
「遠征先のレースで負けてしまったんだ。コーリャ……トレーナーのために、絶対勝ちたかったんだがね」
「うーんそれは、残念でしたねえ。その人って、怖い人なんですか?」
「いいや、そんなことはない。彼は一見厳しいが、本当は凄く優しいし、賢い。私のためなら何でも最善を尽くしてくれる。素晴らしい、本当に素晴らしいトレーナーだ」
「そうなんですか?それじゃあ、大丈夫だと思いますよ?」あっけらかんと娘は言った。
アニリンは少し面食らった。「どうしてそんなことがわかるんだ?」
「分かりますって。だってお姉さん、その人のこと話す時、すごく嬉しそうですよ」
「……」
心底意外といった表情だった。 - 113アニリン紹介◆5SAPpsG5SZn.22/02/15(火) 06:24:01
「その人のことが大好きなんですから、その人もお姉さんのこと大好きですよ、きっと!ほら、よく言いますよ、『愛せよ、さらば愛されん』って」
「いや、『与えよ、さらば与えられん』じゃなかったか?」アニリンは思わず突っ込んだ。
「そうだった!お姉さん物知りですね!」
「ソ連人に聖書について訂正されてたら、いいアネクドートだよ」
「お姉さんソ連の方なんですね!おもしろ〜い、今度お友達に話さないと!」鈴を転がすような笑い声がした。「けど、絶対その人もお姉さんのこと大好きだと思うから、心配することはないですよ!」
「……」
アニリンは困惑を誤魔化すように、リンゴをかじった。
「お姉さん、どこまでなんですか?」
「モスクワだ」アニリンは答えた。
「そうなんですか!私はそろそろ降りなきゃならないですから……」娘は何か閃いた顔をした。「そうだ!お名前教えてください!聞いてなかったですから」
「ああ……アニリン。私はアニリンという」
「アニリンさんですね!」娘は宝物を見つけたように言った。「レースでお名前見つけたら、絶対応援しますよ!頑張ってくださいね!」
そう言い残して、娘は去っていった。
「……なかなか愉快な子だった」
手元を見ると、いくらか欠けたリンゴが赤く輝いていた。再びかじっていると、娘の無根拠な明るさを思い出して、何となく励まされた気になった。
「あの子は、知恵をくれたのかもしれないな……ちょっと驚かされたが」
そう独りごちて、アニリンは窓の外を見やった。故郷が、無性に懐かしかった。 - 114アニリン紹介◆5SAPpsG5SZn.22/02/15(火) 06:24:56
設定
アニリン……ソビエト連邦のウマ娘。クラスノダール地方、ノヴォクバンスクの出身。幼少期は体が弱く、期待されていなかったが、名トレーナーのニコライ・ナシボフに素質を見出される。慢性的な脚の不調を抱えていて、気難しい所があるが、強靭な意思と勝負根性の持ち主。だが意外とお茶目なところもある。ウマ娘のご多分に漏れず甘いものが好き。トレーナーはもっと大好き。愛称は「アリック」。
ニコライ・ナシボフ……ソビエト連邦の名トレーナー。国内外の主要なレースで活躍するウマ娘を輩出してきた凄腕。厳格で寡黙な傾向はあるが、非常に義理堅く、担当ウマ娘への熱意は誰にも負けない。愛称は「コーリャ」。
乗客の娘……なんか生えてきた。 - 115二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 07:14:56
そりゃあ、そうですわ!
熱にうなされるトレーナーがボケに回った結果としてウララさんがツッコミ(いうほどツッコめてもいない)に回るという、構図だけでも面白いお話でしたわ。テンポも良くて楽しく拝見させて頂きましたわ。
- 116二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 07:25:40
文体に確かなインプットの積み重ねを感じますわ。
物思いに耽る姿を描いただけですのに、旅情の溢れた確かな仕上がりになっています。
長大で壮大な物語を切り取ったような胸躍らせる感覚。感激しましたわ!
- 117二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 08:38:43
horse
- 118二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 08:46:46
- 119とあるウマ娘の姉22/02/15(火) 13:24:59
『んでさ、トレーナー?ア・タ・シはこう思うわけ。やっぱり仕掛けるタイミングは前より早めにしたほうが良くない?』
「…まぁ、今の体力を考えるとそろそろロングスパートをかけるだけの((○×製薬のロキソニン!貼るタイプ!使用上の…))
ピッ
『……まぁ、体力、走力共に試す価値は在るって事で良いのね?』
「あ、ああ。それも視野に入れてトレーニングの組み直しも((ヤッター、初回チャージでいきなり全サーバー一位…))
ピッ
「「……。」」
ピッ
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!どお゛じでだよ゛ぉ゛ぉ゛お゛!゛!゛』
「恨むならウマホを水没させた自分を恨め。って言うか何処で録ったんだよその野太い台詞。」
『逆境無頼系アニメ♡』
「なんだよそれ…カイ((ゾンビの呻きと銃声))」
ミシッ
「「……。」」
「代替ウマホに入れられる無料アプリじゃあ会話もままならんな…。」
『カムバック、マイウマホ…。』
((○○市にお住まいのあなた!おめでとうご))
ピッ - 120二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 13:45:03
カーン。カーン。カーン。
静まり返った闇夜に響く金槌の音。
木に向かって大きく腕を振る影。
驚いて息をヒュッと吸い込めば冷たい空気が肺を凍らせるようだった。
「っていうことが昨日あったのよ」
恐ろしいことだけど厳しい勝負の世界にいる私たちの間では妬みとは切り離せないのかもしれない。
「眠れないからってあんな時間に外を走るものじゃなかったわね」
「へぇ、そうだったんだ。スズカちゃん…」
あ な た が 見 て い た の ね
「っ!」
私は昨日、部屋を抜け出したときに、帰ってきたときに隣のベッドを確認しただろうか。
最近暗い顔が多かった私のルームメイト、もしや昨夜見た丑の刻参りの……。
「そこまでだ」
聞いたことのある声、杵臼生まれで個性の強いテイエムオペラオーだ。
オペラオーは何かオペラのセリフのようなものを唱え「覇ぁ!!」と叫んだ。
すると今にも私めがけて振り下ろされそうだった金槌はオペラオーの手により払い落とされた。
「悪魔の影よ!彼女から離れたまえ!」
ルームメイトから吹き出すかのような黒いもやをオペラオーの魔弾が切り裂く。
「悪魔は狼谷に帰ったよ。君も一度実家に帰ってはどうだい?随分と疲れていたようだからね。なに、ボクの輝きをテレビで鑑賞すればすぐに元気になってトレセンに戻ってこれるさ」
白いバラの花冠をルームメイトにかぶせながらオペラオーは言った。
オペラってスゴイ、私は色々な意味でそう思った。 - 121見つけました、トレーナーさん22/02/15(火) 14:07:28
共有スペースに……いらしたんですね……。
タキオンさんから……留守番を頼まれて……ですか……。
あの人はいつも……勝手ですね……
つかぬことを……お聞きしますが……。
どうして……部屋の隅に……いるのですか……?
……隅っこが落ち着くから……ですか……
……ふふっ。 その気持ち……よく分かります……安心……しますよね……。
……その……私も……一緒にいいですか……?
……はい。では……隣……失礼します……。
━━━━━━━━━━
……どうかしましたか?
……あ。
トレーニングの時間が……近く……
あの……もう少し……このままで……いいですか……?
………………すみません わがままを言って━━
……えっ いいのでしょうか? …………はい……ありがとうございます。
では……お言葉に甘えて……
もう少し…………このままで━━ - 122二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 14:07:36
「シリウス、君は随分と丸くなったな」
「…太ったと言いたいのか?まあ引退したしそりゃ少しは腹に肉がついたかもだが」
「いやいや違う、雰囲気が柔和になったというか…昔ほどトゲがなくなったというか…」
「まあな、あの頃の私は「権力」に噛みつきたい年頃だったのさ…誰にだってそんな時期はあるだろ?」
「…そうだな」
「それでお前はこんな所に何しに来たんだ、ルドルフ?URAの役員なら今頃仕事の真っ最中だろ?」
「仕事は基本テレワークで、今は息抜きの時間さ」
「サボりだろ」
「人聞きの悪い事を…ワーカホリックが改善したと言って欲しいものだな」
「ははっ、お前も私の事を言えないぐらい丸くなってるみたいだな……ほら、キリマンジャロブレンドだ」
「ありがとう、ゆっくり頂くよ」 - 123二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 15:25:38
香りのよいコーヒーとクロワッサンを前に私はため息をついた。
「もうお別れなのかしら」
私には私の行く道があり、トレーナー君にはトレーナー君の行く道がある。
目指したい場所があるのは幸せなことだと思う。そのために努力する彼の姿は尊いとも思う。でも別れの寂しさはこの胸を締め付けてどうしたって離さない。
このラウンジの窓からは飛行機が間近で見える。私の望んだ未来のスタートラインまで運んでくれるその翼は輝いているはずなのに、どうしてこんなにも重くみえてしまうのだろう。
少しぬるくなったコーヒーとクロワッサンを平らげて、搭乗口へと向かった。そのとき。
「マルゼンスキー!」
私を呼ぶ声が広くてざわついた空港の中で奇妙なほどはっきりと聞こえた。
この声は間違いない。ずっと隣で聞いてきた温かい声。私が聞き間違えるはずがない。
「トレーナー君!」
振り返れば髪を振り乱して必死に走る彼の姿。会いに来てくれたんだ。ちゃんと顔を見たいのに目頭が熱くなってぼやけてしまう。
「マルゼンスキー!マルゼンスキー!」
「トレーナー君!」
こんなに人がいるところで。でも気持ちが昂って彼を呼ぶのを止められなかった。
今日はミュールなのに。勝手に駆け出した足を止めようなんて思わなかった。
「トレーナー君!トレーナー君!」
「マルゼンスキー!」
私が彼めがけて飛び込むように抱きついたのと彼が腕を広げて抱きしめようとしてくれたのはほぼ同時だった。
「トレーナー君、来てくれたのね……」
私は彼の腕に強く抱きしめられたまま足を宙に浮かせて、まるでコーヒーカップに乗っているようにくるくると世界が回るのを見た。
トレーナー君ったら格好つけちゃって。ドラマのようなベタなシチュエーションについ笑ってしまう。彼も私と同じほとんど泣き笑いみたいな表情だった。
「好きだ。愛してる」
「ええ、私もよ。トレーナー君」
「君がどこにいたって迎えに行くよ。君に相応しい男になって」
「ふふ、トレーナー君ったら。バカね」
「ごめん。マルゼンスキー。俺、やっと本当の気持ちに気づいたんだ」
そうじゃなくてと私は彼の唇に人差し指をあてる。
いつものようにウィンクをしたら瞳に溜まった涙が一滴こぼれ落ちた。
「私に相応しい人なんて、あなた以外にいないんだから」
そして太陽よりも熱いキスをした。 - 124誰かわかるかな?22/02/15(火) 17:37:05
ごきげんよう、トレーナー!
おお…… ずいぶんたくさんの方から貰ったみたいだね。
これは理事長代理さんから?
包みからとってもシックな感じだね。
この三角形の箱は……? なるほど、あの仮面の人。
とっても包みを開けてみたい気分だけど、それはトレーナーの楽しみだもんね。
ええっ、わざわざ送っていらした人までいたの!?
うんうん。私のトレーナーが大人気なようで何よりです。
それで、トレーナーとしてはどれが本命チョコかな?
『一番欲しい人からまだ貰ってない』…… ふむ。
よろしい、それじゃあ――
ハッピーバレンタイン、トレーナー!
今年はね、自分で作ってみたの!
お口にあったらうれしいな。
あ、でも。トレーナーへの思いをたっぷり込めたから。
とっても甘くなってるかもしれないね? ふふっ♪ - 125二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:34:05
- 126二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:38:39
- 127二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:47:21
- 128二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:51:58
- 129二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:53:30
- 130二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 18:57:55
- 131二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 19:06:27
ゴルシ「おい、マックイーン聞いたか!?」
マックイーン「何をですの?」
ゴルシ「メジロ家は今後目黒を本拠地にするんだってよ!」
マックイーン「そんなことですか・・・・・・ええっ!?」
ゴルシ「マックイーン、お前これからメグロマックイーンになっちゃうのか・・・・・・寂しくなるなぁ」
マックイーン「なりませんわ!そんなデマいったい何処で聞いたんですの!」
ゴルシ「いやいやいや!さっきたしかに聞いたんだって!メジロのみんなで目黒に行くって!」
マックイーン「そんなバカな・・・・・・うん?」
マックイーン(そう言えばアルダンさんが目黒で人気のスイーツ店を見つけたからみんなで行こうと誘われて了承しましたわね。ゴールドシップさんったらこんなことを勘違いしてますのね。ふふ、普段のお返しですわ)
マックイーン「まぁ、でもそれが決定だと言うのなら仕方ありませんね。今後は目黒のウマ娘としてやっていきましょう」
ゴルシ「本当にいいのかよ!マックイーンはそんなやつだったのかよ!」
マックイーン「いいんです。ゴールドシップさんも心配なぞせずとも私は変わりませんわ」
ゴルシ「そ、そう、だよな・・・・・・悪ぃ、マックちゃん」
マックイーン(少しやりすぎましたかしら?後日ネタバラシをしましょうか)
翌日、メジロマックイーンがメグロマックイーンになるとトレセン学園中に知れ渡りマックイーンは自分の行いを深く反省した。 - 132二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 19:13:55
- 133二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 20:21:35
一歩、また一歩と
確かに地面を踏みしめて、前に進んで行く。
これは通過点だ。
全てのウマ娘を幸せにするという、自分自身の夢へ
近づく為の通過点。
…ふと、後ろを振り返る。
後ろにあるのは私の足跡と、後ろに進んで行く私と
同じ方向に向かっていたはずの誰かの足跡。
唇を噛み締めたのと同時に
「貴方のせいでっ…!」
そんな声が耳に響く。
「…っ…」
…これまでに、私に敗れ、レースの道を諦めてしまった娘は何人いたのだろうか?
何人ものウマ娘の夢を壊してきたのにもかかわらず、全てのウマ娘を幸せにするという夢を掲げているが、それはただの自己満足ではないだろうか?
…私に敗れ、レースを辞めるといった娘の顔が脳裏に浮かぶ。
…いや、どんな理由があったとしても前に進むしか
道はない。他の娘の夢を断ってまで、この道を進んできたんだ。私自身が。
…絶対に、全てのウマ娘を幸せにしなければ、
皇帝 シンボリルドルフとして。 - 134解釈違いだったらゴメンネ22/02/15(火) 20:50:58
この部屋で……後輩の皆さんから相談を聞くのも、今日が最後……
「……」ヴヴ
ごめんなさい……しかしこの場所に、卒業後も居座る訳にはいきませんから……
「そうですね」
「……」ヴーーー ヴーーー
もし、何か相談したかったら……連絡頂ければ……お応えしますから。すぐには……難しいかもしれませんが……
「ありがとうございます」
「……」
それでは……さようなら。またいつか……逢えたら嬉しいです……
「はい」
「開店楽しみにしてますね」
……え?
「ちょっと!空気読みなよ!」
「いや、皆知ってるし。そういうボケだろうし、そろそろツッコまないとなって」
あの……何を知って……?
「……カフェさんがトレセン近くにコーヒーショップを開く準備していて、この部屋の荷物運び出しと、お店のレイアウトを整え終わりそうなことまでは」
「今朝お店の前いい匂いしました!」
「すみません、演技の下手な後輩で」
……
(少しイタズラをと思いましたが……アナタのようには、上手くいきませんね……)
「さっきの通知音、トレーナーさん?副店長?旦那さん?いやまだ彼氏さん?まあいいや。見ないんですか?」
「電話ですし、でなくていいんですか?」
……………………
失礼します…… - 135二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 21:02:01
- 136二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 21:09:27
カフェさんの巣立ちの物語ですわね。
爽やかで、寂しくもあり、これからの日々にも期待を感じる良い空気感だと思います。
おそらく、別の場所で構想を目にしたことのある作品とお見受けしてのわたくしの所感ですが、
彼女のキャラストは言ってみれば青春ノスタルジーのセカイ系ですから、ひょんなことで別の殿方とご縁があったりすることもあるかと思います……その場合、トレーナーの体質か、カフェの異能は失われているのかもしれませんね。
- 137二次元好きの匿名さん22/02/15(火) 23:18:02
興味本位で覗いたら、それは地獄のようなスレであった
- 138二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 02:31:59
………まずい…やってしまった。
これまで、あたしが他のウマ娘ちゃん達の目につかないようにしてきた自作のウマトレ小説を無くしてしまった。いや、でもウマ娘ちゃん×ウマ娘ちゃんの本よりはまだマシか???いやでも、あたしが書いていたのは生モノ。もし本人に見つかったら……
死ぬしかない………いやっまだ諦めるのには早すぎる!ウマ娘ちゃんオタクの名にかけて、絶対に見つけてみせる!
〜〜〜〜〜〜〜〜
やばい。
好奇心に負けて、落とし物のノートの中身見ちゃった。いや、それよりも小説の完成度がすごい。
セリフ、情景描写、なにを取ってもすごいとしか思えない。
主人公がマックイーンなのは気になるけど…
これ、マックイーンのじゃないよね?字が違うし…
ガタッ
「え?」
〜〜〜〜〜〜〜〜
終わった。完全に終わった。あのノートをドーベルさんが読んでいる…あぁ、せめてもっと尊みを味わってから死にたかった………
「こ、これ、デジタルが書いたの…?」
「アッハイ」
「ほ、他には書いてたりしないの!?」
「…………………ふぇ?…」 - 139二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 07:57:28
- 140二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 08:02:32
- 141>>11922/02/16(水) 17:51:38
- 142二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 19:30:55
- 143二次元好きの匿名さん22/02/17(木) 00:54:49
寝起きにage損ねそうなスレをageるべきは今
- 144二次元好きの匿名さん22/02/17(木) 12:21:12
釣りの時間だー!
- 145二次元好きの匿名さん22/02/17(木) 13:23:40
もういいんですのよ……。
ここは釣りスレ。娯楽でこそあれど、定住の地ではありませんわ。鍵は空けておきますから、どうぞ、まだお書きになってらっしゃらない方もお帰りになってくださいまし……。
この度は素敵な作品の数々、まことにありがとうございました。あまりに素敵なので、もう少しこの場を残したくもございますが、ここは釣りスレ。尊ぶべき場所ではございませんわ。
よろしければ「ウマ娘二次創作応援隊」というスレにお越しくださいまし。
概念でも、スレ内SSでも、
わたくしスレ冒頭に生息して、ファンアートを描いておりますから。
運営に関してはあくまで先人の築いた公共の場の、その鍵を一時預かっているだけ。というスタンスですが、当代スレ主であるわたくしの目の黒いうちは自薦するだけで挿絵がもらえる可能性がありましてよ!
――――
お嬢様はひとつ、深い深いため息をついて筆を置いた。
いや、彼はもはやお嬢様ではない。ただ、SSを貪り、時々ファンアートを描くオッサンに戻ったのだ。
「お嬢様エミュも今日限りでヤンスね……さあさ、社内でn十人の感染者を出した職場に戻るでヤンス。お仕事が待っていましてよ〜!」
――釣りスレ「SS書き集まれ!!!!!」完