- 1二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:40:25
- 2二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:41:29
ピコン
アスナからメッセージが届いた
「今日ね、めちゃいっぱいの人がお見舞い来てくれたんだ
せんせーも来てほしかったなー♪
なんてね、冗談だよ。先生が忙しいの知ってるから、昨日来てくれただけでも感謝してるよ。
さっきさ、モモトーク開いたらさ、知らない名前が4個あったの!
なんかこわいね!」
二日目
昨日病院から渡された書類に目を通していた、アスナのために私ができることをやろう。会いにはいけなかったな…明日は絶対行こう
病院でご老人かだれかと連絡先を交換したのかな? - 3二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:42:16
名作の予感
- 4二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:45:03
そうかもしれんなぁ…
- 5二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:47:24
- 6二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:51:17
アスナ含めて5人…あっ………。
- 7二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:51:42
心が躍る
- 8二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 17:59:47
「じゃあね、アスナ先輩 」
部屋から出たカリンと目があった
「…先生」
”カリンは今日は一人?”
「うん。CCの…ミレニアムの皆はアスナ先輩の治療法を探してるから私だけ」
”そっか”
治療法?医師に任せていられなかったのだろうか。アスナは皆に好かれてるんだな。
「…昨日、みんなで来たんだ。」
「でも…」
予感、いままでの違和感がつながる前兆
「その、皆で来た時、その…そのとき先輩はモモイとアリスと…いや、ゲーム開発部のことを覚えてなかった。いや、正確には…えっとつまり…」
”うん、昨日なにがあったか、教えて” - 9二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:04:14
昨日、私はゲーム開発部の皆と会いに来たんだ
ネル先輩たちは仕事があって、私だけ先に皆と。
コンコン
搬送後、目を覚ました時記憶が曖昧だったので観察のためにと、アスナ先輩の部屋は大部屋では無かった。
305、一之瀬。
個室のドアをノックして開ける
「先輩、お邪魔します」
「あ、カリン!今日も来てくれたんだね
いやもうここほんと暇でさーありがとね、いつも来てくれて」
「今日は私だけじゃないんだ」
「やっほー!アスナ!お見舞いに来たよ!」
「もーお姉ちゃん、ここ病院だから静かにして」
「アリスは仲間の蘇生に来ました!」
「おじゃま…します…」 - 10二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:05:25
「んで?調子はどうなのさアスナ?」
「こんにちは!来てくれてありがとー
調子はいいとおもうよ!」
「アリスはアイテム:りんごをアスナ先輩に使い回復します!」
「わーありがとー!」
「前に…好きって聞いたから…持ってきました」
「んー…前?わたしたち今日が会うの初めてじゃない?話したことあったけ?でもりんご好きなのはあってるよーありがとう!」
「ちょ、ちょっと待って先輩、この子たちと会うのが初めて?」
「んー?そうだよ?あれ、ちがう?ごめんねー私人のこと覚えるの苦手で…」
「え!?私達だよ?ゲーム開発部だよ?本当に言ってる?」
「アリスたちは以前に魔王ユウカの策略で戦ったことで、友情が芽生え、何度も共に冒険してきました!」
「ゲーム開発…部…げーむ、開発部…
………
…ぁ…ぇ、あ、
なん…でわ、わたし
え…ぁ、あれ…なんで、わたしありすちゃんたちのこと…」 - 11二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:08:22
- 12二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 18:11:34
(やばい気がする…ナースコール!)
「お姉ちゃん!そのボタン押して!」
「え!?ど、どれ!?」
「それ!オレンジの!早く!」
「あ、これ!わかった!」
ポチッ
「その後看護師が来て、鎮静剤打って昨日はそれで…
同じパニックが起こりかねないからりんごは持ち帰って…それがあってCC以外の人は…忘れてたらパニックになるだろうからって…
それからCCの皆、ミレニアムの皆がアスナ先輩の治療法を探してる。記憶の一時的な混濁だとしても、ゲーム開発部のみんなを忘れるなんておかしいから
ネル先輩たちはそんな事があったから解決策探しを急いで今日は私だけお見舞いに…」
”…話してくれてありがとう”
三日目
検査の結果が出た、外傷、腫瘍、及び血栓の類は見つからず手術とかどうこうの話ではないらしい。
医師の話を聞くと、記憶の混濁はショックやストレスなどの一時的なものの可能性があるためここでの入院を一週間延長、解消し次第退院となった。
そうは言うが、やはりあの様子はなにかそんな軽いものじゃない気がする。何か違う原因があるはず。そう考えてミレニアムの皆も早くから動いていたのだろう。
私にもできることをやらなくてはいけない。
カリンと話したあと、アスナと話したが、いつもどおり笑っていた。 - 13二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:01:47
”アスナ、来たよ。調子はどう?”
「ご主人様…」
”…なんか元気ないね。お話しようか?”
「ありがと、先生」
「…昨日、モモトークの、"ネル部長"が誰か分からなかったの。カリンに話してそこで気づいた、思い出した、”部長”が誰なのか。忘れるわけがないのに、忘れちゃいけないのに…私…どうしちやったのかな…」
四日目
私が忘れられるのも時間の問題か、早くなにか手がかりを見つけなきゃ
病院側も記憶の混濁が解消に向かっていないどころか重くなっていくことに違和感を感じているらしい。
なにか、医療を超えた原因があるはずだ - 14二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 20:04:23
五日目
今日は一日情報収集、調査をした。
会わなかったら、忘れられてしまうかも、という恐怖はあったが、それよりも一刻も早い解決が必要だと思った。
CCの皆、セミナー、リオ、ヒマリと情報交換した。皆私より行動が早かった。ここで情報を一回整理した。
結果、身体的、精神的な問題でないとすれば、生徒のみ持つ”神秘”になにか手がかりがあるのではないかという結論に至った。 - 15二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:29:34
「ねぇ…ご主人様…わたし…
いつも来てくれる黒い子の名前が思い出せなくなっちゃった
さっきも来てくれたのに。
絶対に。忘れちゃだめななまえなはずなのに」
6日目
トリニティ、ゲヘナの統治機関にも調査のお願いをした。
昨日行けなかったことが悔やまれる。なにが早い解決だ、逃げるための方便じゃないか
毎日行こう、そして、ちゃんと向き合おう - 16二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:31:26
「こんにちわ、アスナ先輩」
「こんにちわ!」
「調子はどうですか」
「元気だよ!ありがとうねきてくれて!なんの用かな、というか私と会うの初めてかな?」
「…っ…そう…ですね、学校の連絡と、書類とかを届けるようセミナーに言われまして」
「あーありがとね、ゴメンね、私のためにわざわざ」
「…いえ、大丈夫です。それでは私はこれで」
「本当にありがとー ばいばーい」
「…わたしってこれ持ってきてくれる友達もいなかったのかな…」 - 17二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:32:57
この時間なら、カリンが先に会ってるかな
エレベーターで三階に上がる
ドアが空き、廊下に出る
”…っカリン!どうした!?”
305のドアの横、カリンがうずくまっていた
「先生…」
目元を赤くして、泣いていた。
「…昨日まで、私が行くたびに…泣きながら、ごめんなさい、ごめんなさい、あなたの名前忘れちゃったって…大丈夫、私はカリン、アスナ先輩の後輩って言っていたんだ、でも…」
”っ…”
名前だけじゃなく、カリン自体まで…
”ありがとう、教えてくれて。”
”送ろうか?”
大丈夫、ひとりで帰るよ
無理矢理に涙を止め、カリンは笑ってみせた - 18二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:33:48
いざ、となると恐怖を感じる
ドアがやけに重い
…アスナのほうが怖いんだろうな
意を決して入る。
”アスナ、来たよ”
「あ、ごしゅじんさま」
読んでいたプリントを置き、笑って挨拶を返してくれる
かろうじて…といった感じがした。
いつ私のことを忘れてもおかしくない。
そんな予感がした
「今日も来てくれたんだね」
”うん…調子はどう?”
「んーわかんないなー…あ、でも
学校休めるのはいいかもね」
「あ、さっき黒い子ががっこうの連絡しに来てくれたんだ、申し訳ないなーあのこにも都合があるだろうにね、初めてあったけど優しそうだしきれいな子だったんだー」
「あんな友達がいたら学校いくのも楽しみだったんだろうね」
”…………” - 19二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:35:18
「あ、書類書かないといけないんだって、ペン貸してくれない?」
”…、あ、ぺん…あぁ、いいよ”
「ありがとー…」
「…ねえ、ご主人様、お願いしても良い?」
”うん”
「このプリント私の代わりに学校に出してきてほしいっていうのと」
「このペン、しばらく借りてもいいかな」
”…いいよ。”
「ありがと」 - 20二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:42:46
7日目
何も言えなかった。なんというべきだったろうか。アスナの苦しみを理解してあげれない。
私ね、友達とか居なかったから、ご主人様が来てくれるの嬉しいんだ
同じことを言われたらなんて返そうか。
君には…
やめよう。考えないでおこう。
ペンのこと、もしかしてアスナは自分に起こっていること気づいて…
いや、医師から説明されていたはずだ記憶の混濁には気づいていたはず
じゃあいままでの元気そうに笑ってたのは…
だめだ、別のことを考えてもこうなる
解決法。それだけを考えるようにしよう。 - 21二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:43:25
本日はここまでとしましょうか。
また明日。 - 22二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:09:28
ハッピーエンドになりますよね……??
- 23二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 00:31:29
原作の段階から解決の糸口も無さそうだし…
- 24二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 09:47:51
保守
- 25二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 15:52:42
ほ
- 26二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:00:58
黒服に神秘抽出がてら減らして貰えば可能性はある
- 27二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:30:50
電話があった
『たすけて』
モモトークは地雷原みたいなものだったから、古い電話と、電話番号のメモを渡しておいた
その番号を見た瞬間に私は既に向かっていた
”アスナ!!!”
「あ…来てくれた…
いそがしかったよね、ごめんね」
「…ねぇ、私、先生のこと忘れそうなんだ
先生の名前ってなんだっけ?
いつも先生か、えっと…何だっけ、そうだ、ご主人様って呼んでたから忘れちゃったよ…忘れない、忘れられないはずなのに。」
「そばにいて、ずっと。」
「こわいよ。忘れちゃう。」
「お母さんも、お父さんも思い出せない、いたのかな?私のお父さんとお母さん」
「友達は?私って3年生だよね、同級生は?後輩は?」 - 28二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:31:54
いると言うか?
やっぱり忘れてたと絶望するだけだ
いないと?
そのほうが楽かもな
こんなことならあのときになんて返すか考えておくんだった。
「…ねぇ、せんせい、私に子供をちょうだい」
”………”
「ものじゃ駄目なの、忘れちゃう。このペンをもっててもだめだった」
「傷も考えた、でも、髪を、指を、腕を、目を切っても、多分事故だと思って忘れちゃう」
「だから、こども」
「先生がいないとできない、なら忘れないはずなの、だから。おねがい。」
10日目
私に拒否する勇気は、権利は、言い訳は、もうなかった。
看護師たちも事情を汲んでか、何も言わなかった。 - 29二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 18:39:45
医師「妊娠…ですね」
「私、産むよ」
25日目
君はそういった - 30二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:04:05
「軽い運動はしたほうがいいんだって」
30日目
ランニングを始めたらしい
病状の進行は止まったのかもしれない
過去のことを思い出してるわけじゃないがここ数日の記憶は鮮明らしい、少し希望が見えた気がする
いつからだろうか、ご主人様と呼ばれくなったのは。 - 31二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:04:36
「いやーいい天気だねー」
朝の散歩が日課になってもう数ヶ月、いつも通り病院の近所を回るルート
最初の頃とは季節もすっかり変わり、緑道の植物の変化を観察する
「君に早く会いたいなー」
友達のいない私にとって、先生は大切な人だ。
だから、その間にできたこの子は何よりも大切な、大切な宝物だ。
「ん?なんかあっちのほうが騒がしいね」
「いってみよっか」 - 32二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:05:32
…今日の昼、病院の近くで乱闘騒ぎがありました。
様子を見ていたうちのナースの話です。
日課の散歩から返ってくるところだったのでしょう。アスナさんがそれを止めようと説得。
しかしそれが聞かれることはなく、弾が飛び始めたそうです。住民の方にあたり、アスナさんは倒れたチンピラから銃を奪い制圧したそうです。
もちろん激しい運動はしないようにと再三言ってきましたが。あらかた片付いたあと、そのナースがアスナさんに注意した時…
ナース「何で戦ったの!君の体はもう君だけのものじゃないんだよ。」
「あ…そう…だ…赤ちゃん、運動しちゃだめなんだった…
わたし…赤ちゃん…
あれ…誰との子…だっけ……忘れちゃいけない…絶対…忘れちゃいけない人だった…え…なん…でわすれ…」 - 33二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 19:06:21
「〝幸運なこと〟に母子ともに健康でしたが…」
医師「中絶…というのもありますがもう時期的に法律上適用外です、第一、母体の同意がないと駄目なので今の様子じゃそれも…」
142日目
神秘を使ったんだ。だから…
意識はあるがアスナは憔悴しきっていた。その様子の彼女に中絶云々の話をできる者はいない。
アスナに会おうとしたが、
私が顔を見せるのはきっと凄まじいパニックを起こすだろうからと、止められた。
たしかに、仮に今日が良かったとして明日は?となる。
あとは医者に任せよう。
しかたない。もう解決するには治療法を見つけるしかない - 34二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:03:21
180日
”生まれる子は私が責任を持って育てる。私の、私達の子だから” - 35二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:04:12
200日目
医師からの報告を聞く毎日、直接顔は見れない。
私は、アスナに会うべきだったのかもしれない。医師の制止を振り切っても、アスナに。
アスナが神秘を使った日、アスナの為と言って私は彼女に合わないと決めた。
彼女の為なんかじゃない。真にそう語るのなら彼女の絶望すら受け止めるべきだったんだ。私が、全部。
生まれたら、子供には全部話そう。全部私が背負おう。 - 36二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:16:24
220日目
”ハァ…ハァ…”
”ウイ!手がかりは!?”
希望が見えた。
神秘の代償として払われた記憶。その取り戻し方の手がかりがようやく掴めた。トリニティの古書館。ウイが見つけてくれたらしい。
すぐに古書館に駆けつけた
「先生こちらです」
「数ヶ月もかかって、遅くなってしまい申し訳ありません。ここに並んでいない裏側の記録でしたので見つけるのがあとの方になってしまいまして」
”謝らないで。むしろよく見つけてくれたね、ありがとう”
”やっとだ。やっとコレを、手がかりを…”
”ありがとう、ウイ。”
「まだ喜ぶには早いですよ。内容によっては…」
”うん、でも、ありがとう。” - 37二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:16:39
机の上のモノを寄せ、場所を開ける
シミコも加わり
三人で覗き込むようにその本を開く
「過去の生徒の記録…日記ですかね?」
”そうみたいだ、一日目…二…三…うん、症状は似てるね”
「ある日を境に少しずつ記憶が消えていく…一時的に止まるが、神秘を使うとまた始まる…先生に伺った話と一致してますね」
「どうやって解決したのでしょう」
三十日目…『友達が過剰回復による記憶の遡及という研究を見つけた』
コレだ…
”ウイ、ありがとう。この本借りても良い?”
「もちろんです」
”ありがとう”
「良い結末を期待しています」
”うん。ありがとね色々” - 38二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:20:15
221日目
「過剰回復…ですか…」
”うん”
”どうかな、ユウカ、ノア”
「確かに戦闘時の回復術の事故で記憶が混濁するというのは聞きますが…」
「事例として確認されているのはあくまでも混濁、その日記にある研究の論文もミレニアムのデータにあったから読んでみたけれど…コントロールして遡ることはできなかった、確認されたのは7日前まで記憶が消えること…ということよ」
「人は忘れる生き物なのだから、消えた記憶に対する研究なんて難しいでしょうね。」
”もしかしたらコレをつかえば!”
「先生、気づいてるのでしょう」
「その被験者の記憶が戻っているのか、消えているのか。賭けに出て彼女にやってみたとして、後者だとしたら、いよいよ彼女は何を覚えているの。」
「数ヶ月前のバックアップデータに戻るならそれで良い。」
「だけど記憶にバックアップという説より、単に数カ月間のデータが消えるほうが現実性のある説」
”記憶が遡及してるわけじゃなく、単に記憶が消えているだけ…”
”………”
「私も、コレを実践するのには反対します。」
”…シャーレに戻るよ” - 39二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:20:38
駄目だ、まず記憶をなくした実験体がいない。
ラットではこの手の実験は不可能だし、確証がないままじゃアスナには使えない
日記も30日で止まっている結果は書いていなかった
書いとけよ。なんのための記録だ
バリンッ
水を飲んだグラスを投げる
…モノにあたってもしょうがないじゃないか
どうしたら… - 40二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:22:48
230日目
「お邪魔しますよ…先生、ご機嫌はいかがですか」
”黒服、君の相手ができるほど余裕はない”
「えぇ、ですからこの数ヶ月は不干渉でした。」
”だったら…”
「『だったらなぜいま出てきたのか』」
お答えしましょう。私としても、デカルコマニ、ゴルコンダとしても先生がここまで憔悴し、困り果てているところに何も協力できないのは大変心苦しかったです。」
「ですので私達の方でもこの件の解決策を考案し、検証していました。」
”結論は”
「焦る気持ちもわかります、今回は事が事ですので少々説明が必要です。
ですがまぁ、普段はあまりこのような順序でお話することはありませんが、落ち着いて聞いていただくためにも今回は結論からお話しましょう
彼女の記憶を戻す方法は、神秘の過剰回復です」 - 41二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:23:03
「過剰回復、という点にたどり着いたのは素晴らしかったです。私共もそちらの発見がなければ、この結論は得られませんでした。
神秘は回復できるものなのか、という点について、まず触れること自体は色彩の示しました通り、反転させるために触れられるので、可能です」
「さて、ここからは残念な話です。
まずこの世に絶対というものはないので”処置”が失敗することも、成功しても効果がないこともありうるでしょう。
次に、元来彼女のあの症状は”幸運”の代償ですのでそれを回復、無かったことにするとでもいいましょうか。書き換えるならば、なにが起こるかわかりかねます。幸運のいわば”ツケ”が回ってくるのか、なにもないのか。
あとは、そもそも神秘に触れるというのがもし反転と”=”で結びつくなら。ええ、”そう”なるとも考えられます
私達がなにをしてこの結論を得たか、それにはお答えしかねます。
まぁもっとも、先生であればたどり着くとも思いますが。」
「最後に、この”処置”は砂狼シロコの反転存在をもとに戻すためにはつかえません。」
「反転はヘイローが壊れることと同義、神秘の反転でヘイローが壊れても、神秘の回復でヘイローが治るわけがありません。死者は蘇らないのですから。」
「…以上です。長くなりましたね」
”黒服、何が目的だ”
「おや、なにか返していただけるのですか?」
”私だって大人だ、もらったら返す。最低限のマナーだ”
「クックックッ…そうですね、マナーは重要です。ですが今回の返礼は先生がどのような行動をとるのか、その選んだ道と結果で十分です。私達の仮説が正しかったか、後ほどお話を伺いに参りますよ。それでは」 - 42二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:24:06
232日目
「先生、アスナって子のところに連れて行って」
”シロコ…”
「テラー化した私なら、神秘にさわれる。神秘の輪郭がわかる」
”まさかシロコ…”
「『黒服に実験させられたか』…違うよ先生、私から頼んだ。」
”どれだけ危険かわかって…”
「でも反転した私だからできる。」
「それに先生の子供にあうまでは絶対に死なない」
「私が神秘に触れたら、アヤネが私を通して回復する。いいね?」
「ぜ、全力を尽くします」
”頼む、救ってくれ。”
「ん…じゃあ、いくよ」 - 43二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:24:32
黒服が頼もしいぞ
- 44二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:24:53
あれ…私何を…
リーダーたちと制圧してて…
それから…あー…倒れちゃったのか
「ここ…病院?」
”アスナ!”
「あ、ご主人様!私どれくらい寝てた?」
”ッ……”
「え!?ど、どうしたの?泣いて…え、え!?どういうこと?」
”アスナ、C&Cの部長は?”
「え、美甘ネル…え、なになに?」
”…ごめん急に泣いちゃって”
”でも良かった…良かった…”
アスナの記憶が倒れた日まで戻った
その日からのことは忘れていた。 - 45二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:25:19
私は全部話した、ゲーム開発部、C&C、カリン、ペン
そして子供のこと
「このお腹はそういうことかー」
「おーよしよし、かわいいでちゅねー」
「そっかー、九ヶ月か…だからもうこんなに寒いんだね、いつの間に冬に…」
”それでその…その子のことなんだけど”
「私とご主人様の子供でしょ?じゃあなにも心配ないよ」
知らない間にできた子だと言うのに、
平気そうに笑っていた
…だが、あの時アスナは無理して笑っていた
アスナの本質がそうだと言うなら
…ちゃんと向き合うって決めたじゃないか
”アスナ、本当はどう思ってるか聞かせてほしい”
「知らないうちにできていてどう思うか?」
”うん”
「うーん…正直に言うよ?私にもわからないんだ」
「知らないうちにっていうのはもちろん怖いよ」
「でもご主人様との子っていうのとご主人様が愛してくれたっていう事実は本当に嬉しい」
「まあ、今後は好きになることはあっても、嫌いになるようなことなんてないだろうしね。大丈夫だよ」
”そっか、怖くなったらいつでも言ってね”
「うん」 - 46二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:30:57
雲の間からの太陽が、積もった雪を照らしていた日だった
生まれそうだと先生からの連絡。
先にアスナのところに行ってほしいと頼まれた。
「頑張れ、アスナ先輩」
「カリン、手…握って」
「うん」 - 47二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:32:20
また大事なときに隣にいれなかった
早く、1秒でもはやくいかなきゃ
”アスナ!”
「あ!ご主人様!」
”ごめん遅くなって”
「全然、むしろ早いくらいだよ」
「ほら、抱いてあげて」
”う…うん…”
”なんというか…重いね”
「あはは!変なの!」
「でもわかるな〜
あったかくて、おもくて、かわいい」
”私と、アスナの子供…”
名前はーーーーーーーーーー - 48二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:33:39
湯気のたつカップから一口、熱い紅茶を飲む
ふぅ…
緊張の解ける感覚、
カランコロンカラン
入店を告げるドアのベル。
もう少し、このダージリンを楽しんでいたかったが、お客様とあれば致し方ない。
勝手がわからない様子のお客様にまずは礼とご挨拶を。
いらっしゃいませ、バーボンナギサにようこそ。私はセイアさんが喉の調子が悪いということでホストを務めている者です。どうぞおかけになってください。
このダージリンはサービスですから、これを飲んでまずは落ち着いてください。
セイアさんのみならず、ツムギさん、サオリさん、トキさん、あとはたしかクロコさんと黒服までもがマスターを担っているようですが…
ええ、そうですね、私はこのように物語のスレを立ち上げるのは初めてです。
しかし、このスレを開き物語と邂逅した時皆様はきっと
「ときめき」
と似たような感覚を持ったと思われます。その感覚を大事にして欲しいのです。
皆様には二番煎じであろうとも、物語を生み出し、またその中に誰かを真似て工夫を入れ、繰り返す。
そしていつか新しいアイデアが生まれる。その時まで、創作を、交流を続けてほしいのです。
今回は「一之瀬アスナさん」をお楽しみいただきました。
恥ずかしながら私の思いを寄せる方がハッピーエンドが好き、ということなので私は物語はハッピーエンドと決めています。
そのために勝手な設定を書きましたが、まぁ、創作ということでお許しください。
さて、それでは注文を伺いましょう。 - 49二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:35:20
既に腹が一杯だぞ!?これ以上どうすれば…!?
- 50二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:43:16
ありがとう…スレ主…それしか言う言葉が見つからない…
- 51二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:48:25
ありがとうございますビューティーナギサ様。
貴女に最大限の感謝を。 - 52二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 20:54:12
前フリに日をまたぐバーボンスレがあるかよ!!!!!!!!!!!!!!
最高!!!!!!!!!!!!!!!!! - 53二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 21:14:04
お通しにスレの1/4使ってるのはもうメインディッシュだよ!!!!!
面白かったです!!!!!!!! - 54二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 21:24:09
とんだフルコースを頂いちまったもんだぜ
- 55二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:01:09
我々はこの素晴らしいスレを未来永劫忘れないだろうっ_____
- 56二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:06:21
- 57二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 23:09:39
- 58二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 23:11:08
お腹いっぱいでして…何より涙と震えるゆびれろくに文字ざ…
- 59二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 00:52:58
もう……もうお腹がいっぱいで……
め、目から……汗もいっぱい出てて……
ありがとう……ありがとう……!
それしか言う言葉が見つからない……! - 60二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 05:17:16
無茶言わんでクレメンス
- 61二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 07:50:29
ちゃんと物語を結末まで書いたバーボンスレはあったけどスレタイ通りに忠実に書いたスレはここが初めてじゃないか?バーボンツムギは一回挨拶挟むし。
- 62二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 10:02:17
- 63二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 10:22:57
ククク……やや背徳的な味付けもともなった絶品ハッピーエンドは美味しいですね……
- 64二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 19:58:03
長文アレルギーワイ、丁度いいボリュームに大歓喜