- 1◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 20:51:36
- 2◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 20:52:43
- 3◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 20:54:00
- 4◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 20:57:52
アリウス分派C「どういう通信技術だ…?」
ヒヨリ「えへへ…これは映像を動かしてるんですよ…」
モモイ「…こっちはこっちで、ゲームが人気なのは嬉しいけどなんか違うような…」
ナレーション
TVすらろくに観たことがなく、そもそもゲームが動くこと自体に感動するアリウス分派の生徒たちであった。
アリウス分派B「流石は元スクワッド、外部へ任務に出た経験が豊富なだけあってヒヨリですら博識だ…」
ヒヨリ「うわぁんっ!所詮、私はアリウス分派でも成績最下位です!」
泣くな、ヒヨリ。ほら、ナギサに貰ったロールケーキをやろう!
ヒヨリ「いただきまふ…」
ナレーション
ヒヨリを慰めようと、カナは元々モモイたちの持て成しの為に出したロールケーキを差し出す。
トリニティ総合学園ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサ特性の凄まじく価値の高い一品・・・・・・なのだが、
カナからすれば友だちが作ってくれて嬉しい以上の付加価値はなかった。
まだまだ外の世界に慣れるまで時間がかかりそうではあるが、それでも、アリウスの少女たちは楽しくやれていた。 - 5二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:01:20
たておつです
- 6二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:02:01
たておつ
- 7◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 21:14:30
リモブ「カースカスカスッ!この私が遊びに来てあげたカスよ……
って、携帯ゲームなんて珍しいことやってるカスねぇ?まぁ、趣味があるのはいいことカス」
ナレーション
そうしてカナたちが遊んでいると、今度はアリウス分派を何かと気にかけているトリニティ生がやってきた。
特徴的な笑い方ではあるが、その立ち振る舞いはトリニティの淑女として恥じない礼節と気品を感じさせる。
正しく、お嬢様と呼ぶに相応しい少女である。
トリモブ「だけど、余り遊んでばかりも居られないカスよ?」
ヒヨリ「え?テストは終ったばっかりですよねぇ・・・?」
ミサキ「テスト期間じゃなくても勉強しなきゃダメだよ、ヒヨリ」
ナレーション
現状、アリウスで尤も勉強を苦手にしているヒヨリは、思わずカナに貰ったロールケーキを口から離し、
今にも泣きそうな声を上げる。
そんなヒヨリにミサキは苦言を呈しながらも、ハンカチで優しく口元を拭いてあげるのだった。
トリモブ「甘い、私行きつけのスイーツショップのパンケーキよりも甘いカス。貴女たちアリウス分派には新しい試練・・・合同授業での家庭科の調理実習が待っているカス!」
存在は聞いていたが、そんなに恐ろしい授業なのかっ!?
トリモブ「トリニティの政界は笑顔の裏で足を踏み合う伏魔殿。隙を見せた者から食われるカス。
だからこそ、トリニティの政治に関わる女は例え1ヶ月猛特訓していたとしても、
本番では「このぐらい普通に出来ますが何か?」と涼しい顔で何でも熟せなければならないカス」
なん・・・だと・・・っ!?
ナレーション
アリウス分派に新たな試練の足音が聞こえてきた。 - 8二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 21:33:54
たておつです!
まあこの子らちゃんと料理出来るのかと言われたら、うーん - 9二次元好きの匿名さん24/08/07(水) 22:10:20
たておつ
- 10◆VLlUGaOg9c24/08/07(水) 22:12:51
《トリニティ総合学園新校舎 家庭科室》
アリウス分派A「それで豚は何処に行けば狩れるんだ?」
アリウス分派B「豚の急所は撃ったことないなぁ・・・」
トリモブ「貴女たち・・・本気で言ってるカスか・・・・・・?」
モモイ「どうしよう、ミドリ。私以上のバカが居るよ・・・」
ミドリ「自分がバカな自覚はあったんだね、お姉ちゃん」
ナレーション
特訓の為にエプロンに着替えてレシピを開いたは良いものの、
材料の調達から始めようとするアリウス分派の生徒たちを前に価値観の違いから目眩がしてきたトリニティ生。
練習の手伝いを名乗り出たゲーム開発部の4人に至っては、想像以上の世間知らずさに恐ろしさすら感じていた。
アリス「ハンティングクエストですね!アリス、頑張ります!
ナレーション
・・・・・・訂正、約1名はアリウス分派と同じレベルで世間知らずであった。
サオリ「何故だ、カナはゴミ漁りで街にもよく出てたはずだろう・・・?」
ヒヨリ「カナさんは鼠狩りも良くしてたので、そのイメージが強いんじゃないかと・・・」
ミサキ「どうするのよ、これ」
アズサ「やはり全ては虚しい・・・けど、それが料理を諦める理由にはならない」
ナレーション
アリウスの中でただ5人、ベアトリーチェ時代から任務で良くアリウスの外の街へと脚を運んでいた、
元スクワッドのメンバーだけが現状に危機感を覚えて頭を抱えていた。 - 11二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 01:12:22
平和だ…
- 12二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 06:28:26
日常回だ
- 13◆VLlUGaOg9c24/08/08(木) 06:39:27
“と言う訳で、特別講師を紹介するね"
フウカ「ゲヘナ給食部のフウカです」
ナレーション
これは自分だけでは手に負えないと、トリニティ生がカナのモモトークを使い呼んだ助っ人、
シャーレの先生。その先生は何を思ったのか?
偶然、その日の当番であったゲヘナ生のフウカを料理の特別講師として連れてきた。
フウカ「・・・・・・あの、凄く今更なんですけど、私ここに居ていいんですか?
新設の分派って言ってもトリニティですよね?私、ゲヘナですよ?」
ナレーション
本来、フウカの懸念は正しい。
享楽主義の不良校ゲヘナと礼節を重んじるお嬢様学校トリニティの対立はかなり古く、
地下へと逃げ込む以前のアリウスもまたゲヘナをいけ好かない相手と認識し、いがみ合っていた。
アリウス分派の生徒「まぁ、確かに昔は恨んでたし、少しは複雑な思いもあるけど・・・」
トリニティにしろゲヘナにしろ、私たちが何かされた訳じゃないからな!
サオリ「それにエデン条約のことを考えれば、むしろ仲良くした方がいいのではないか?」
ナレーション
だが、現代のアリウス分派の生徒たちは内乱と圧政の時代しか知らない。
何を恨んでいるかと聞かれれば、ゲヘナどころか仲間以外の世界の全てを恨んでいる者まで居るが、しかし、
それでは何も掴めないままだと理解して既に折り合いをつけている。
良くも悪くも、ゲヘナを特別視する理由がないのだ。
- 14二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 07:18:42
立て乙、トリカスちゃんが出てきたと思ったらそれどころじゃない惨状よ…
- 15二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 16:16:12
まぁ色んな意味で、色々あったからね
- 16◆VLlUGaOg9c24/08/08(木) 20:36:43
ナレーション
理由はともあれ、アリウスの生徒たちに受け入れられた特別講師のフウカ先生。
百聞は一見にしかずということで、先ずは1度フウカ先生と一緒に作ってみることになった。が・・・・・・
フウカ「お米を炊飯器にセットしたら、次は野菜を一口大に切ってください」
ヒヨリ「ほうふぇひょう?」
サオリ「喋るな、定規がズレる」
フウカ「測らなくても、お手本を見せるのでこっち見て下さいね」
ナレーション
野菜を切ろうとすれば定規を持ち出すポンコツ(ヒヨリ・サオリ)が現われ・・・
フウカ「具材を切ったら、次は炒めます。目安としては玉葱が飴色になるまで炒めて下さい」
アリウス分派一同「「「「フウカ先生!飴を見たことがありません!」」」」
フウカ「じゃあ、私のフライパンを見て色をちゃんと覚えて下さいね」
ナレーション
料理の鉄板、飴色になるまで炒めるの例えがまるで通用しない。
そんな前途多難なアリウス生たちに料理を教え込むのは至難を極めた。
- 17二次元好きの匿名さん24/08/08(木) 22:20:44
アカン、フウカがストレスでお腹痛くなるかバッタリ倒れそう
- 18◆VLlUGaOg9c24/08/08(木) 22:25:54
- 19二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 06:18:01
草
かわいいな - 20二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 08:38:29
何を取り出そうとしたんや?
- 21二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 11:50:15
天秤よ
- 22二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 17:56:13
名前ネタだから、「秤」アツコ
- 23二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 20:24:55
あ、秤かぁ…なぜかアツコの方で一生懸命頭捻ってたわ
- 24◆VLlUGaOg9c24/08/09(金) 23:44:15
ナレーション
フウカ先生のお料理教室が難航したのは事実だが、しかし、アリウス分派は悪い生徒ではなかった。
フウカ「ああ、そうじゃありませんよ。包丁を使うときは猫の手・・・と言えば分かりますか?
手の平を握るように丸めて具材をしっかりと掴んで抑え込むんです」
アズサ「こう・・・で合ってるだろうか?」
フウカ「まだ、少し抑え方が甘いですね。1度手本を見せるのでよく見てて下さい」
ナレーション
野菜の切り方の練習1つとってもこの通り。
教師の数に対して生徒が圧倒的に多いことや、その経歴故の異常なまでの世間知らずが悪い方面に出ただけで、
補習授業部の時同様にアリウスの学習態度は非常に良い。真面目で、互いを助け合い、高め合うことも出来る。
アズサ「ああ、分かった。ありがとう、フウカ先生」
ナレーション
そして、何より、本来いがみ合う関係のゲヘナ生でありながら、丁寧かつ真摯に自分たちに向き合ってくれる。
そんなフウカ先生をアリウス生たちは認め、文字通り料理の先生として敬愛した。
実に奇妙なことではあるが、彼女たちはこの時だけは互いの立場を忘れて先生と生徒になれたのである。
フウカ(ゲヘナの生徒もこれくらい素直だったらなぁ・・・)
ナレーション
余談だが、時折、フウカ先生が見せる遠い目を見たアリウス生たちが、
「フウカ先生には何か凄まじい過去があって、それを思い出しているに違いない」と、
強ち間違いとも言い切れない噂話をするようになった結果、
後にトリニティの極一部で、「ゲヘナの給食部長は経験豊富な大人の女だ」と囁かれるようになる。
- 25二次元好きの匿名さん24/08/09(金) 23:57:11
毎日4000人分の給食を作ってる+頻繁に調理担当としてテロリストに拉致される
特に間違ってないな、過去ではなく現在進行形という事を除けば - 26二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 01:30:11
あれ、大丈夫?これハルナ嫉妬しない?
- 27二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 08:19:01
やっぱりフウカにはゲヘナよりトリニティの方が暮らしやすいのでは?
- 28◆VLlUGaOg9c24/08/10(土) 10:01:02
- 29二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 12:22:16
青春物語に1%くらい北斗の拳成分を混ぜたのがゲヘナ学園だと思ってる
- 30二次元好きの匿名さん24/08/10(土) 18:12:30
このレスは削除されています
- 31◆VLlUGaOg9c24/08/10(土) 21:34:32
ヒヨリ「うわーん!玉葱が飴色になってないのに他が焦げちゃいましたー!どうしましょう、フウカ先生!?」
フウカ「ああ、火の通り方が偏っちゃったんですね。こうならないように、炒めるときは・・・・・・・」
ナレーション
教師役を頼ることを恥とせず、問題が起これば素直に頭を下げられる生徒に、
生徒の失敗を笑わず、学ぼうとする姿勢を評価して真摯に向き合う教師役。
大人数の上に度を超した世間知らずという大きな欠点を抱えているアリウス生だが、
彼女たちは着実に成長していっていた。問題は・・・・・・
そういえば、本番の調理実習は何時だ?
トリモブ「少なくとも、カナ様は覚えてないとダメでは?・・・2週間後カス」
フウカ「それほど難しいレシピでもありませんし、本当なら充分な猶予期間ではありますが・・・・・・」
アズサ「・・・いや、大丈夫だ。数百名以上が1度に合同授業出来る訳じゃない。
全員は無理でも、筋の良い上位30人前後の上達を優先すれば十分に間に合う・・・と思う」
アズサ、それでも厳しいぞ。フウカ先生はゲヘナの給食部長、何時までも私たちの面倒を見てられるほど暇じゃない。
ナレーション
フウカ先生は確かに名教師だった。アリウス生にとって、これ以上無い料理の師匠に間違いない。
問題はフウカ先生はアリウス生ではなく、給食部の仕事があるということ。忙しい立場にあるということだ。
- 32二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 05:41:33
フウカが一日ゲヘナを空ければ、その分だけゲヘナ生の飢餓が進むからな
- 33二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 09:57:30
あとこうしてる間にも美食研究会がさらいに来たりしないか
- 34二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:49:18
アリウス分派と美食研究会の全面戦争がおっ始まる?
- 35 ◆VLlUGaOg9c24/08/11(日) 12:54:38
- 36二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 21:12:03
そっか
- 37◆VLlUGaOg9c24/08/11(日) 23:38:44
ナレーション
フウカ先生という指導者が不在でも、アリウス生たちがサボるということはない。
むしろ忙しい中で時間を捻出してくれたことに感謝し、その想いに報いるべく更に努力を重ねるだろう。
・・・だが、指導者不在のまま自主練を重ねるのは、何処かで間違えた時に正しく修正するのが難しい。
豊富な経験値と冷静な自己判断、常に己を疑いながら正しい道を精査する疑り深さと根気強さがあれば、
自分たちの間違いに自力で修正出来るかもしれないが・・・・・・悲しいことに彼女たちはまだまだ世間知らずだった。
・・・ティーパーティーの会合のついでに、本校の図書館で料理本をあるだけ借りてくる。それで何とかしよう。
ナレーション
しかし、だからといって、フウカ先生に泣きつくような真似は出来なかった。
アリウス生たちにとってフウカ先生は紛れもない恩師の1人であり、
そんな彼女の迷惑を考えないような身勝手な振る舞いをすることはアリウス生たち自身の心が許さない。
となれば、自分たちだけの力でやり遂げるしなかいのだ。自分たちに出来るだけの相違工夫で。
サオリ「ああ、これ以上、先生やフウカ先生に迷惑をかける訳にはいかない」
アズサ「・・・私は料理本の解析に回る。他にも国語の成績や暗号解読に長けた人材を何人か回して欲しい」
ヒヨリ「なら、私は図書館以外の場所で資料を探してみますね。ゴミ箱・・・はもう、漁ったら怒られちゃいますから、
立ち読みが出来るコンビニなんかを回って・・・」
・・・いや、軍資金をやるから、買ってこい。
私たちは昔の感覚に囚われて「売買」という概念を無意識に忘れていた。その過ちはここで正す。
ナレーション
彼女たちはアリウス。絶望の中で見つけた光を追い上げ、僅かな希望を救い上げた少女たち。
そんな勇者たちの辞書に「虚しい」という言葉はあっても、「抗わない」という言葉は・・・もう無かった。
- 38二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 00:08:57
フウカ先生は偉大
- 39二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 08:55:40
偉い
- 40二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 18:58:06
このレスは削除されています
- 41二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:17:11
皆成長してるなぁ
- 42◆VLlUGaOg9c24/08/12(月) 23:11:57
トリモブ「あら、もしかして忘れてないカスかぁ。伝統のトリニティカレー伝承者であるこの私を!」
また教えに来てくれるのか!?
トリモブ「カースカスカスッ!何を今更、堅苦しいこと言ってるカスか!?私たちはもう友だちカス!」
トリモブさん・・・・・・っ!
モモイ「おっと、私たちも忘れてない!?」
ミドリ「私たちも料理はそれほどですが、ミレニアムのデータを当たるぐらいなら協力できます」
アリス「緊急クエスト発生ですね!アリス、料理の資料を集めます!」
ミレニアムのみんなも・・・・・・っ!
サオリ「また迷惑をかけてしまったようですまな・・・いや、違うな。その・・・」
アツコ「ありがとう、でしょ?さっちゃん」
サオリ「ああ。・・・ありがとう」
私からも礼を言いたい!本当にありがとう!感謝する!
ナレーション
変わったのは、アリウス生たちだけではない。勝ち取った環境、彼女たちの周囲もまた大きく変わった。
植え付けられた憎しみに身を焼かれて、終わりの無い怨嗟の怒りに狂っていた兵団はもう何処にも無い。
今、ここに居るのは沢山の友だちに囲まれた、何処にでも居る普通の生徒たちだ。
- 43二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:42:55
これが友情パワーか
- 44二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 10:51:01
これが、青春というやつか…
- 45二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 17:38:03
青春のアーカイブ
- 46二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 22:31:50
昔のベアトリーチェもこんな世界を望んでいたのかな…
- 47◆VLlUGaOg9c24/08/13(火) 22:49:56
代理モブ「原作世界のベアトリーチェは舞台装置でしか無かったので想像するしかありませんが、
本作の世界のベアトリーチェは・・・平和な学校なら、一般生徒として青春を謳歌出来たかもしれません。
でも、アリウスは憎しみの過去を捨てきれなかった。だから、彼女は怪物になるしかなかったんです」
ナレーション
それから、アリウス生たちの特訓の日々が始まった。
普段の勉強や日課の訓練などもあるので四六時中とまではいかなかったが、時間さえあれば料理に向き合った。
ヒヨリ「え、えへへ・・・こちら、昨日の試作品の感想レポートが書けました」
ミサキ「やっと?ヒヨリのレポートは中身が細かくて参考になるけど、もうちょっと早く出してくれない?」
ヒヨリ「ご、ごめんなさい・・・」
まぁ、ヒヨリはその分、レポートの出来が良いからな!
私も本校の司書さんから料理本を借りられるだけ借りてきたぞ!
ナレーション
一致団結して収集した情報を共有し、試作品の味見も項目別に細かくレポートを残し、
ナレーション
アズサ「ヒヨリ、レポートが出来たなら纏めるから貸して欲しい」
アツコ「これで丁度、3冊目のノートが埋まるね」
ナレーション
気がつけば家庭科室にはアリウス生たちが纏めた研究ノートが1冊、また1冊と増えていった。
- 48二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 07:30:01
おー
- 49二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 11:04:21
皆の日常が積み重なっていく
- 50二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 16:59:51
がんばれー
- 51二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 20:36:38
料理意外でもこういう積み重ねをいっぱい頑張ってるんだろうな
- 52二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 21:46:31
このレスは削除されています
- 53◆VLlUGaOg9c24/08/14(水) 21:49:39
《一方、トリニティ総合学園 本校舎》
トリモブB「ねぇ、聞いた?今度の家庭科実習!」
トリモブC「ええ、新校舎のアリウス分派の方々との合同授業でしょう?カナ様のお友だちと聞いていますわ」
ナレーション
今、トリニティの淑女たちの話題の中心にはアリウス分派の編入生たちの姿があった。
当初、歴史から姿を消したアリウス分校からの転入や、新分派の設立等の話が怒涛の勢いで進んだことで、
困惑や不安、或いは不満や反発の声が大多数を占めていたが、
いざアリウス分派のホストであるカナが彼女たちの前に現れると、不満や反発の声は少しづつ弱まった。
明るくて素直、ティーパーティーのホストでありながら偉ぶった印象もなく、
一般の生徒たちにも真っ直ぐな感謝や敬意を向けてくれる。
そんな少女の姿に反対派の生徒たちも気がつけば毒気を抜かれてしまったのである。
トリモブD「新分派の設立等・・・ナギサ様もミカ様もどうかされていますわ」
トリモブE「ええ、目を覚まさせて差し上げなければ」
ナレーション
しかし、万人に好かれる人も居なければ、何も嫌いにならない人も居ない。
突然に世界に現れたモノは善悪よりも前に好き嫌いの秤にかけられる。
今、無邪気な悪意が動き始めた。
- 54二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 00:47:04
ありゃりゃ
- 55二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 07:54:15
これは人がいっぱいいる以上どこに行ってもなぁ
- 56二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 08:26:40
保守的なのが一概に悪いとも言えないからね
- 57二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 15:32:54
カナたちがこの辺りを何とか解決は無理でも納得に近いこと持ってくことができればトリニティでは特に問題は無いけどなぁ
でもこればっかしはなぁ… - 58二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 20:23:11
このレスは削除されています
- 59◆VLlUGaOg9c24/08/15(木) 20:57:01
《トリニティ自治区のデパート》
ミサキ「売れないってどういうこと?」
店の店主「うぇへっへっへ、すいませんねぇ、お客様。此方としても売りたいのは山々何ですが、
何分、売るモンがねぇんで・・・・・・」
ナレーション
ミサキはアリウスを代表して買い出しに来ていた。というのも、料理の為の食材がないのである。
買い物という概念にすら疎いアリウス生たちへの配慮として、暫くの間はティーパーティー名義で購入された
生活必需品が届く手筈になっていたのだが、どういう訳かここ数日は何も届かなかった。
仕方が無いので、比較的社会での生活に明るいスクワッドの面々が買い出しに出ることになったのだが・・・・・・
ミサキ「・・・さっき、普通に買い物してる人を見たけど、ここに積んである食べ物は売り物じゃないんだ?」
店主「そいつは誤解でさぁ、お客様。
ここにあるモンはみんな売約済みでね、ありゃあ予約したお客様が取りに来て下さってるて訳でしてね」
ミサキ「・・・・・・・・・分かった、出直すよ」
店主「うぇへっへっへ、申し訳ありませんねぇ、お客様」
ナレーション
この通り、何処の店でも何も買えないまま追い出されてしまうのだ。
ミサキも言いたいことは山のようにあったが、しかし、ここで暴れてもアリウスの名前に余計な傷をつけるだけ。
そう自らを抑えながら、自分の指が引き金に向かわない内に店を出るしかない。
彼女たちはもう兵士でなく、ここは戦場ではない。社会の中で、街の一員として生きなければならないのだ。 - 60◆VLlUGaOg9c24/08/15(木) 21:00:41
- 61二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:42:45
雲行きが暗くなってきたな…
- 62二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:52:20
このやり口見覚えしかねぇなぁ……(美食研正月イベ)
- 63二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:54:55
特定の客への売り渋りとか美食研究会も眉をひそめるぞ
- 64二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:37:48
シンプルにきくやつ
- 65二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 14:18:15
貧しくなるのはキツい
- 66二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:02:40
こういう人が現実に存在するんだよね…
- 67◆VLlUGaOg9c24/08/16(金) 23:26:31
サオリ「さて、どうしたものか・・・・・・」
トリモブ「なにを景気の悪いカオをしているカスか?一旦、落ち着いて冷静になるカス。
ティーパーティーとしてホストのカナ様の隣に立つなら、サオリにも相応の振る舞いが必要カスよ?」
アツコ「そういう、トリモブさんは凄く落ち着いてるね」
トリモブ「・・・嘆かわしいことカスが、この淑女的ではない遣り口、トリニティでは良くあることカス」
ナレーション
どうにもならない現実に頭を悩ませ、悲観するばかりのアリウス生たちとは対照的に、
「せめて、堂々と決闘出来ないものカスかねぇ・・・」と、不満を漏らしながらも眉1つ動かさず、
落ち着きをもって優雅に紅茶をすするトリニティ生の姿は実に堂々としたものだった。
周りの目には正しくトリニティ淑女としての理想を体現しているようにも見えたほどだ。
トリモブ「トリニティには屋根も壁も、食事も、暖かい布団も、学びの場も学友もいるカスが、
それでも全てが叶う理想の楽園ではなく、人の作る1つの社会、
ここで生きる「人」に成る為には社会の住人として生きていかないといけないカス」
トリモブ「𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓽𝓾𝓶 𝓮𝓽 𝓸𝓶𝓷𝓲𝓪 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼・・・だったカスか?
そこまでまでは言うつもりはないカスが、それでも生きることは戦うことカスよ」
・・・そう、だな。夜も暖かくて、ご飯が美味しすぎて、明日の不安もないから忘れてたかもしれない。
でも、大丈夫だ!私はバカだが、助けてくれる仲間が沢山いる!昔よりずっと自由に動ける!
なにより・・・・・アリウスは凄いんだ!みんながいれば、私は何でも出来る・・・・・・・・・気がする!
トリモブ「・・・なるほど。大した、ボスの器カス」
ナレーション
晴れやかな笑みを咲かせた、カナの力強い宣言を前に少女は満足そうに微笑んだ。 - 68二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 08:22:19
カスちゃんも強いな
- 69二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 11:44:20
合わない人はどうしてもいる
そんな時は戦わねば - 70二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 18:29:51
カスが口癖なのに理知的だ
- 71二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 21:05:03
今のアリウスならきっと大丈夫や
- 72◆VLlUGaOg9c24/08/17(土) 23:47:17
サオリ「・・・そうだな。かつてのことを考えれば、この程度は脅威ですら「話は聞かせて貰ったわ」・・・・・・・ない」
アツコ「被せられちゃったね、サっちゃん」
サオリ「・・・・・・何のようだ、調月リオ」
ナレーション
好い感じの雰囲気を纏うオリの言葉を遮って現われたのは、アリウス分派に強引に転がり込んだリオだった。
変装のつもりなのか?赤い伊達眼鏡をかけ、ミカに散髪道具をプレゼントされたカナに目をつけられたことで、
長い黒髪は奇麗に編み込まれて冠のように纏められている。属に、クラウンブレイドと呼ばれる髪型だ。
リオ「リオ?違うわ、私は転校生のツ・・・ツ・・・月雪リアよ」
ヒヨリ「今、凄い詰まってましたね」
リア?「詰まってないわ。私は正真正銘、本物の月雪リアよ。学生証もこの通り持っているわ」
仮にもティーパーティーのホストの私が知らないのは可笑しくないか?
トリモブ「一応、転入にホスト全員の承認は必要ないカスが・・・・・・。まぁ、存在すら知らないのは可笑しいカスね」
・・・何とかナギサたちにお願いして話通すから、偽造はやめた方が良い。
リア「・・・・・・・・・ええ」
ナレーション
キヴォトスでは学籍の偽造は犯罪です。表沙汰になれば矯正局送りも有り得ますので、やめましょう。
追記.画像はイメージです。
- 73◆VLlUGaOg9c24/08/17(土) 23:53:01
- 74◆VLlUGaOg9c24/08/18(日) 00:08:16
- 75二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 09:29:04
そういや最初は一般ヘアーメイク大好きっ子だったな
- 76二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 16:12:14
黒髪だとそのまま流してる方が映えるから、とか?
詳しくないけど - 77二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 17:20:44
月雪…新しい兎…?
- 78◆VLlUGaOg9c24/08/18(日) 17:56:44
アツコ「それで、リアは何をしに来たの?」
リア「…私もアリウス分派の生徒として協力しに来たのよ」
リオ…ありがとう!でも、分派入りは正式に転校してからで頼む!
リア「リアよ」
ナレーション
成り行きとはいえ、ミレニアムへと戻ろうとしない自分の心情を汲んで居座らせてくれている(というか、
勝手に居座っている)アリウス分派に対して、帰属意識まではいかずとも、リオは少なくない情が湧いていた。
だからこそ、別人のリアと名乗り言い張りながらも、アリウスを助けるために尽力し、
その成果をタブレットに纏めて持って来たのである。
リア「黒幕の手が何処まで伸びているか?正確に把握することは難しくても、推測することなら十分に可能よ。
ハッキ…独自に調査した容疑者となるアリウス分派反対派の生徒たちの経歴・評判、
ティーパーティーの目を盗んで行わなければならないこと、
それらを加味すれば、まだ手の及んでいない場所をピックアップすることは容易よ」
ルリ「今、ハッキングって言いかけなかった?」
リア「気のせいよ。それでピックアップした場所に印を入れたマップデータを作成したのだけれど………」
アツコ「だけれど?」
リア「その殆ど…特に新校舎の近辺にある殆どが店舗ではなく生産地………農家なの」
- 79二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 20:52:17
農家
- 80二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 22:45:42
農家かあ
ある意味地産地消になるし、規格外の野菜も貰えたりするかもだから良いかもしれない
味に問題は無いだろうし - 81二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 06:50:18
谷間全開で転校してくるリオはいなかったか…
- 82二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 13:28:46
農家に直接アポと交渉か…
0円食堂かな? - 83二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 20:47:55
流石に農家までに手がまわってるなんて事は…ないよね……?
- 84◆VLlUGaOg9c24/08/19(月) 22:14:51
《トリニティ自治区 郊外の農村部》
農家「お話は分かりました。そういうことでしたら、今残っている分の作物はお売り致しましょう」
本当か!
ナレーション?ありがとう!
農家「いえいえ。お客様の食卓に届けられて、初めて意味のある仕事ですから」
幸いにして、農家相手の交渉はスムーズに進んだ。彼等は人当たりが良く、また己の仕事に誇りを持っている。
だからこそ、真正面から対価を用意して交渉に臨んだアリウスを突き放すような真似はせず、
1人の商売人として、食べものを作る農家として、真摯に向き合い商談に臨んでくれたのである。
アズサ「けど、今残っている分というのは少し不思議な表現だ」
サオリ「そう言われてみれば…・…何かあるのか?…ですか」
農家「まぁ、残念ながら、少し頭の痛い問題があるのは事実です。ですが、お客様の手を煩わせるようなことでは…」
ズダダッ(銃撃)
ナレーション
そう農家の男が話し終えるよりも早く、農場に銃撃音が響き渡った。
ビクリッ!と身体を震わせる農家に対して、アリウスの生徒たちは慣れた手つきで銃を手に構えた。
- 85◆VLlUGaOg9c24/08/19(月) 23:07:13
ナレーション
ほどなくして、農場内に乗り込んできたのはヘルメットを被った少女たち。
キヴォトスでは有名な大規模不良グループ、ヘルメット団の一団は妙に質の良い武器を構えていた。
赤いヘルメット団員「おっちゃ~ん、いい加減に店仕舞いの準備は出来たかにゃ~?」
農家「そう言われましても、先祖代々受け継い仕事を簡単に投げ出す訳には………」
赤いヘルメット団「でもさぁ~、儲からない仕事続けるのはおっちゃんの為にならないんじゃないかにゃ~?」
ヘルメット団員A「そうそう、畑だって「カイザーファーム」が高く買い取ってくれるって言ってる訳だし、
むしろ、今が新しい人生始めるチャンスじゃない?」
ナレーション
説得しているように聞こえるのは言葉だけで、
ヘルメット団たちが銃をちらつかせながら大きな声を張り上げている姿は、誰の目から見ても恫喝のように見えた。
アイツ等、誰だ?
リア(通信)『少し待って、今…調べたわ。あれはヌチャヌチャヘルメット団。
近頃、カイザーファームに雇われて、トリニティ自治区で地上げ屋の真似事をしている集団よ』
アズサ「正実への通報は?」
リア(通信)『今、したわ。ドローンで証拠映像も撮ってる。けど、精々出来て注意ぐらいでしょうね。
やり方は酷いものだけれど、彼女たちが持ちかけているのは正式な売買契約だから………』
ナレーション
彼女たちは良く堪えていると言って良い。目の前に敵が居るのに、撃つことが難しい。
そんな、もどかしい思いをするのも、アリウス生たちは初めてなのだから…。
- 86二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 08:26:43
こっちもカイザーか
- 87二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 08:47:54
- 88二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:59:05
汗がよく染み込んだ剣道の面とかマジで臭いからなぁ
- 89二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 19:31:12
名前がひどい
けどそれは実力とは関係ないから怖いぜ - 90二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:26:28
こんな名前でも厄介な連中には変わりないからな
- 91◆VLlUGaOg9c24/08/20(火) 22:43:31
正直、語感で命名したので深い意味は無いです。
ナレーション
アリウス生たちが周囲を警戒しながらも、構えたの銃の引き金を引けないままでいると、
何か思いついたのか?カナがサオリの袖をぐいぐいと引っ張った。
サオリ、話に行きたいから着いて来てくれ欲しい。
サオリ「…何か、考えがあるんだな?」
いや、特にないが?
ナレーション
流石鍛え上げられた精兵揃いのアリウス生と呼べるだろう。
並の生徒では、豪快にずっこけて大きく体勢を崩してしまったに違いない。
ヒヨリ「ど、どういうことですか~っ!」
いや、私たちも買い物に来たんだから、普通に話に行ったらダメなのか?
サオリ「それは………」
ナレーション
商談を持ちかけているという意味では自分たちもヘルメット団立ちと同じだ。
話が纏まって作物を買えれば当初の目的は達成出来る上、話し合いで解決出来ず銃撃戦になったとしても
相手から仕掛けてくれれば正当防衛。アリウス生たちが1番慣れた戦いに持ち込める。
何気ない一言だが、悪くないアイディアだった。
- 92二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 05:55:55
失敗しても殴ればいいやの精神は…アリウスというよりキヴォトスの標準的思考様式だったな
- 93二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 13:29:01
言われてみればお買い物に来ただけだったわ
- 94二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:44:12
買い物客を妨害すれば正当防衛が成立するからな
- 95二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:01:16
とりあえずお話や
- 96◆VLlUGaOg9c24/08/21(水) 22:42:21
すまない、ちょっといいか!?
農家「あ、貴女たちは…っ!」
赤いヘルメット団員「あっ?なんだ、てめ…っ!」
ナレーション
そうして、お伴にサオリとアツコを連れたカナは口論の場へと飛び出した。
不良らしくと称するべきか?ガンをつけて威圧で追い返そうとしてヘルメット団幹部だったが、
後ろに控えながら射殺さんばかりの眼光を向ける兵士を前に言葉を詰まらせる。
不良集団とはいえ、幹部を任される彼女には気付いたのだ。2人の立ち姿が磨き上げられた戦士のそれであると。
ヘルメット団員A「おいおい、私たちが話してるのが分かんな……リーダー?」
ナレーション
だから、不用意に喧嘩をふっかけようとする部下を片手で静止し、対話の為に前に出た。
赤いヘルメット団員「…失礼、非礼をお詫びします」
大丈夫だ、銃を向けられた訳じゃないからな。
赤いヘルメット団員「寛大な対応に感謝を。…それで要件をお聞きしても?」
ああ、私はトリニティ総合学園アリウス分派ホストの神子柴カナだ。今日は食べ物を買いに来た」
ナレーション
ヘルメットの奥でピクリと動いた眉を、カナたちは見逃さなかった。
- 97二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 06:55:42
この発想がカナしか出てこない辺り、敵=撃つ相手の先入観強いんだろうな…
- 98二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 10:58:22
現場のリーダーは賢いな
- 99二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 20:37:52
このまま穏当にいくかそれとも…
- 100◆VLlUGaOg9c24/08/22(木) 22:47:17
赤いヘルメット団員「それはそれは…ホスト自らがご苦労様です。
お詫びと言っては何ですが、我々の雇い主であるカイザーファームの方を紹介致しましょうか?
カイザーファームは大規模農園を幾つも所有する大企業、カナ様の御期待にも添えるかと…」
ナレーション
アリウス生たちの印象は抜きにして、ティーパーティーの分派のホストとして利益を考えれば無い選択肢では無い。
カイザー系列の企業は違法行為にも平気で手を染める悪徳企業ばかりだが、その経済規模は別格だ。
キヴォトスの多くの生徒たちがその悪辣さを多かれ少なかれ感じ取っていながら、強大さ故に誰も排除出来ない。
影響の大きさを無視出来ないほどの一大勢力。
トリニティでは新興勢力になるアリウスにとって、得られれば非常に有用な後ろ盾になるだろう。
ありがとう、でも私はここがいい!ここの野菜は美味しかったからな!
ナレーション
まぁ、ここに居るバ…カナはそんなことで迷わないのだが。
農家「お客様………」
赤いヘルメット団員「…そうですか。そういうことでしたら、仕方がありません。
差し出がましいことをしてしまったようで申し訳ありません」
気にするな、ただの私の我儘だ!
ナレーション
幹部は恭しく礼をしてみせながら、幹部にまで登り詰めた不良少女は強く銃を握りしめる。
撃ちはしない。部下にも撃たせる気はない。それが敗北を呼び込む蛮勇であることを彼女は理解している。
だからこそ、噂の新分派のホスト様がどんな相手か?敵を見極めようとしていた。
- 101二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:54:22
強い相手には一転して敬語使いつつ諸々見極めてるの、不良というよりヤクザっぽい感じあるな
- 102二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:09:45
グルメヘルメット団のCだっけか、なんか正月美食研イベで不憫な子
ヘルメット団という組織全体が連邦生徒会長失踪後に慌てて規模を拡大した集団の集まりだし、カイザーとかの大手暗黒メガコーポに取り入ったとなるとかなりの苦労をしたんだろうね - 103二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 07:02:07
これは農家の脳焼かれてますね
- 104二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:28:22
古参のヘルメット団はあのアケミ率いるスケバンと鎬を削ってた筋入った奴らだしな
この子が古参かはわからないけれどそれなりの規模を率いてるなら相応に強か - 105二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 15:17:49
一筋縄じゃいかないかも
- 106二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:32:38
穏やかに済めばいいんだが
- 107二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:59:27
赤いヘルメット団員「そういって頂けると助かりますが、それで終わりでは私の気が済みませんので、
どうか謝罪させてください。
どうやらカナ様たちが先に来ていたのに私たちが割り込んでしまったようですし……」
それこそ、気にするな。知らなかったんだから仕方ない。
赤いヘルメット団員「…本当に申し訳ありません。そして、カナ様の寛大なお心に感謝を」
ナレーション
努めて穏やかに、朗らかに、平和的で友好的な声色を演じながら不良少女は舌打ちする。
ポッと出の新興勢力と噂に聞いていた相手が想像以上にしっかりと組織が出来ているように見えたからだ。
言葉遣いこそ普通だが、一目見て美しさが分かる洗練されたトップの役割を果たせているカナ、
護衛2人の練度も相俟って、本当に1学園のトップ層を相手にしているかのような底知れ無さを感じていた。
赤いヘルメット団員「カナ様、私どもは日を改めることに致します」
そうか?別に先に交渉してもいいぞ?
赤いヘルメット団員「いえ、長話をしてカナ様にご迷惑をおかけする訳にもいきませんので。
………さぁ、お前たち、帰りますにゃ~」
ヘルメット団員A「え、でも、リーダー…」
ナレーション
このままでは分が悪いと感じた不良少女は、平和的な話し合いで終る内に踵を返す。
本当にいいのか?と困惑する部下もいたが、背に銃口を突きつけて「死にたいのかにゃ~?」と脅しつけられると、
みんな顔を青くして少女に従い後をついて行った。
リーダーの脅しも恐ろしいが、それ以上に「そこまでさせるほどの相手」が恐ろしかったからだ。
- 108二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 00:01:06
ここで引き下がる判断が下せるからこそ、大手企業に雇われるほどの実績を残してきたんだろうな
- 109二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:55:32
原作は発表順に
対策委員会編1章2章→パヴァーヌ1章→エデン条約編1章2章→海系イベント1→(SRT閉鎖公表)→エデン条約編3章→カルバノグ編1章→晄輪大祭→パヴァーヌ2章→最終編→カルバノグ編2章→百花繚乱編1章→対策委員会編3章
って並びなんだけど、本作ではアズサのトリニティ転入前かつ先生赴任後にアリウス編が入ってパヴァーヌ2章になるから
対策委員会編→アリウス解放(1・2スレ目)→パヴァーヌ1章→補習授業部編→パヴァーヌ2章→いまここ
って感じだろうか
エデン条約もSRTがらみもまだ終わってない感じかな - 110二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:55:52
改めて考えると結構なRTAしてんな
- 111二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 16:21:20
- 112二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 18:31:07
- 113二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 20:15:17
なるほど
理解できた感謝 - 114二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:11:28
一応の保守
- 115二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:47:31
つまるところ相手の力量がわかる目と引き下がれるだけの理性があるって訳だからね
- 116#mm20pero24/08/25(日) 00:02:56
《カイザーファーム本社 理事室》
カイザーファーム理事「契約を破棄したいとはどういうことだ!」
ナレーション
キヴォトスにその名とどろく、泣く子も黙るカイザーグループ系列会社であるカイザーファーム。
そのトップである理事室では怒りの怒号が飛んでいた。
赤いヘルメット団員「いやぁ、私たちとしても不本意なんですが、ちょっと、面倒な相手が出てきましてにゃ~
………正直、今の作戦と戦力と給料じゃあ割にあわないかにゃ~?って」
ナレーション
しかし、ヘルメット団の少女はそんな大物相手にも臆することなく意見を口にする。
その軽薄そうな態度がまたカイザーファーム理事の神経を逆なでするが、理事は握った拳を振るうことなく下した。
不良集団とはいえヌチャヌチャヘルメット団のトップは音に聞こえた指名手配犯にして冷徹な仕事人、
その仕事人に「割に合わない」とまで言わしめた敵のことをまずは知らなけれならない。
その理性が、カイザーファーム理事の激情を抑えつけ、強引に思考を回し始めた。
カイザーファーム理事「…スポンサー様方から話は聞いていたが、それほどか?」
赤いヘルメット団員「1対1でやりあって…私なら絶対負けるとまでは言わないけどねぇ?そんな実力者が最低2人。
流石にあの二人は上澄みだと思うけど、出来れば関わりたくないにゃ~。
後ろにはもっと隠れてただろうし、率いているホストも大した器だよ。
経験上、ああいうバカは下手に小賢しいだけのヤツよりずっと怖くて、折れないからにゃ~」
- 117#mm20pero24/08/25(日) 00:13:49
ナレーション
カイザー系列の会社とはいえ、カイザーファームはその名の通り農場経営が本業の企業。保有戦力は少ない。
だからこそ、ヌチャヌチャヘルメット団を利用しているし、カイザーの軍事工場から最新装備も仕入れて、
今回の事業にも取り組んでいた。しかし、それでも尚、足りないとなれば………
カイザーファーム理事「…分かった。スポンサー様方に伺いを立てておこう」
ナレーション
軍資金を増やす他ない。
赤いヘルメット団員「流石はオーナー!話が分かりますにゃ~」
カイザーファーム理事「ふん、心にもないことは止めろ。それよりも、ここまするのだ。失敗は許されんぞ」
赤いヘルメット団員「いやぁ、正直厳しいですけど……まぁ、やれるだけはやってみますかにゃ~」
ナレーション
もしも、少女がヘルメットを外していたならば、その下に光る狩人の眼が見られたことだろう。
- 118二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:15:15
- 119二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:40:03
画像が同じだけどカイザーファーム理事はPMC理事とは別人だよね?
- 120二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 08:06:09
- 121#pe11roro24/08/25(日) 10:20:44
- 122◆uWDvNjj9ac24/08/25(日) 10:28:10
- 123二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 12:19:02
- 124二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:56:39
思わぬピンチだったな
- 125◆uWDvNjj9ac24/08/25(日) 22:46:59
アドバイス、ありがとうございます。ちょっと、アクシデントもありましたがスレを続けていきたいと思います。
《トリニティ総合学園 新校舎》
これでご飯も練習も完璧だな!
アズサ「HPの情報によると無農薬栽培に拘っているというが………やっぱり、何か違うのだろうか?」
トリモブ「私は農業に関しては専門外カスが………まぁ、無農薬と聞くと安心感が違うカスね」
ナレーション
農家との校章を終えて、カナたちは新校舎に買った食べものを持ち帰ることが出来た。
物珍しそうに調達した野菜などを手に取りながら、アリウス生たちは問題が無いか一つ一つ確認している。
とはいっても、本当に売っても大丈夫なものか農家が既に1度確認してはいるのだが。
サオリ「だが、これで全てが終った訳ではない」
リア「そうね。ヘルメット団たちは大人しく身を引いたけれど、まだ今回の黒幕も判明していない」
ナレーション
しかし、まだ事件の全容は見えないまま。
アリウス分派反対派の生徒たちや、農家の地上げをしていたカイザーファームと雇われたヘルメット団たち、
怪しい容疑者たちは居るものの、確たる証拠は何も無い以上、糾弾も襲撃も出来ない。1から調べる必要がある。
リア「だから、ハッキングを仕掛けようと思うの」
ナレーション
今、アリウス分派として初の諜報作戦が始まろうとしていた。
- 126二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 23:40:11
やっぱヘルメット団長も曲者だったか
- 127二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 07:10:26
頑張れ皆
- 128二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 12:57:09
上手にできるかな?
- 129二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 19:18:03
ニンジャだ
- 130◆uWDvNjj9ac24/08/26(月) 22:41:14
リア「ハッキングは魔法のような万能の技術では無いわ。
私はヒマリと違って専門家ではないし、相手は仮にもキヴォトスに名を轟かす大企業グループ。
遠隔からのハッキングが出来ないとは言わないけれど、確実を期すならサーバーへの直接接触が望ましいわ』
ナレーション
という、リアの諫言に従いアリウス生たちはカイザーファーム本社へと潜入することに決定した。
黒い噂の多い大企業への潜入となると、普通の学生たちでは尻込みをしてしまうかもしれない場面だが………
カナ「なら、任せろ。そういうのは十八番だ」
サオリ「立場から考えると大人しくしていて欲しいところだが………」
アズサ「カナ向きの仕事だ。他に適正が高そうなのは狙撃手組に………ゲリラ戦に長けた人か」
ナレーション
元は兵士集団のアリウス生たちは、「話が分かりやすくなってきた」と言わんばかりに活き活きと議論を始めた。
任務に向いた人員は誰か?潜入組は何人必要か?バックアップ組は何処で待機するか?次々に議題があげられては、
意見が交わされていく。
ルリ「ネットで現地周辺の地形情報を事前に調べた資料よ。また現地での再度調査は必要だと思うけど……」
ナレーション
1人が新しい資料や情報を持ち寄れば……
ミサキ「ここの駐車場に偽装した支援車両を停めておくのはどう?
近くに娯楽施設も多いし、長く止まっている車があっても不自然に見えにくいと思う」
ナレーション
それを元に新しい策が立案される。全ては身に染みついた戦術思考の賜物であった。 - 131◆uWDvNjj9ac24/08/26(月) 22:43:44
- 132二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 07:07:50
ブルアカは細っこい子に墜ちるけど小さい子って案外いないのよね
コハルも148あるし - 133二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:42:11
サイズ感バグる
- 134二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 18:18:41
皆ようやっとる
- 135二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 20:50:10
まぁ現実と比べたら低めではあるがね
高校生の平均って157ぐらいだったはずだし - 136◆uWDvNjj9ac24/08/27(火) 21:48:44
代理モブ「調べたら、1番低い子はチェリノ会長とイブキちゃんが128㎝、逆に大きい子はツクヨさんが180㎝だそうで
……僅か1㎝差とはいえ、ツクヨさんがハスミ先輩より大きいのは驚きましたね」
代理モブB「140㎝以下はチェリノ会長とイブキちゃんにレッドウィンターのモミジさん(135㎝)、
メルさん(138㎝)、ココナ教官(139㎝)の4人だけ。………11歳より小さい2人は一体……?」
《トリニティ自治区 オフィス街》
カイザーファーム社員「今日の昼はレストラン「流儀」でナポリタンとピラフ、こりゃあまた懐かしいなっ!?」
ドサッ!(社員が倒れる音)
サオリ「…こちら、Dress1。『昼飯』を確保」
ナレーション
サオリは昼休みに会社から出てきた社員の背後を取ると、流れるような洗練された動きで仕留め……気絶させた。
カイザーファームは暗い汚れ仕事にも慣れた、キヴォトス有数の大企業。無策で突っ込むような真似は愚策だ。
だからこそ、情報収集と必要物資の確保を兼ねて社員を誘……もとい襲撃するに至ったのである。
ミサキ(通信)『こちら、Cut2。所定の位置に車両を持って来たから戻ってきて』
サオリ「了解した。Dress1、帰還する」
ナレーション
耳につけた無線機で連絡を取り合いながら、擬装用のスポーツバッグに社員を詰め込んだサオリは
何事も無かったように立ち去っていく。後には、ただ静かな街だけが残っていた。
- 137二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 06:33:44
アリスが意外と小さくないというね
- 138二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 14:09:34
流石、手際がいいな
- 139二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:06:15
人をバッグに詰める検定1級ぐらいありそう
- 140◆uWDvNjj9ac24/08/28(水) 21:24:06
番外編 《ケイのミレニアム日記》
アリス(ケイ)「王女を模した機体ですか。……まぁゲーム機よりはずっとマシですね」
モモイ「え?酷くない?」
ナレーション
ミレニアムの首脳陣たちを密かに騒がせた事件から数日、
アリスを見守っていくと決めたkey改めケイはリオ……もとい謎の技術者Rから送られてきた機体と相対していた。
ヴェリタスとエンジニア部によって隅々まで調べ上げられ安全が保証された機体は外見こそアリスそっくり。
今のキヴォトスの技術力からすれば驚異的ではあるが、その性能は見劣りすると言わざるを得なかった。
アリス「凄いです!アリスそっくりです!もしかして、ケイは姉妹キャラなんですか!?」
アリス(ケイ)「王女よ、私は従者であって姉妹では……」
アリス「そうですか……」
アリス(ケイ)「ですが、カバーストーリーとしては悪くありません。これからはアリスお姉ちゃんとお呼びしても?」
アリス「っ!!はい!アリスお姉ちゃんです!」
ナレーション
しょんぼりとアリスが肩を落として落ち込んだ姿を前に、ケイは不服ながら姉呼びを受け入れる。
その甘い対応にゲーム開発部の面々は安心しながらも、あの戦いは何だったのか?と遣る瀬ない顔をした。 - 141◆uWDvNjj9ac24/08/28(水) 23:02:16
カイザーファーム社員「ううん……俺は一体……」
ナレーション
カイザーファームの社員が目を覚ました時、彼は見知らぬ場所で少女たちに囲まれていた。
トリニティの教室だろうか?社員の目から見た室内には、お洒落な装飾こそ施されているものの、
私室と呼ぶには余りにも規則正しく机と椅子が並んでおり、会社と呼ぶには少し遊びが多過ぎるように見えた。
ああ、目が覚めたか?それじゃあ、早速聞きたいことがあるんだが…
カイザーファーム「な、何だ!お前たちは!俺は天下のカイザーグループの社員だぞ!
こんな真似をしてただで済むとお゛も゛ッ!」
ナレーション
突然のことで混乱や恐怖もあり、それを吹き飛ばそうと自分を鼓舞したかったのか?
或いは、単純に自分の立場が分かっていなったのか?社員があげた怒りの声は帽子の少女の拳によって止められた。
サオリ「1つ、話の相手は別にお前じゃなくてもいい」
アズサ「2つ、私たちは貴方を撃つ弾代を惜しまない」
3つ、私たち以外にもカイザーが嫌いな人はいっぱい居るらしいぞ!
ナレーション
それぞれ笑顔で得物を構えだした少女たちが、社員には地獄の獄卒に見えたという。
- 142二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 07:55:19
拉致した社員の第一声が野原ひろし(昼メシの流儀版)な点に突っ込む人がいない
- 143二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 12:48:50
あえてツッコむ必要性も感じなかったし…
- 144◆uWDvNjj9ac24/08/29(木) 21:49:36
ナレーション
アリウス分派の生徒たちは拷問や尋問を習った覚えはないが、受けたことなら両手の指では到底足りないほどある。
だから、習わずとも彼女たちには分かるのだ。どうすれば効果的に痛めつけられるか?苦しめられるか?
苦痛を支配し、望む言葉を吐き出させる魔術を使うことが出来る。
社内マップ、警備の数と装備、出入りしてる外部協力者のプロフィール……ヘルメット団のことは知らないのか?
カイザーファーム「し、知らない!本当に何も知らないんだ!」
アズサ「だが、無関係では無いだろう?彼女たちはカイザーファームの名前を使って地上げをしていた」
カイザーファーム社員「しゃ、社長は秘密が多い人だ!社内には俺たち社員ですら立ち入れない区画がある!
それに部署が違えば仕事の内容だって変わる!俺だって何でも知ってる訳じゃないんだ!」
ナレーション
魔女の罠にかけられた哀れな悪徳企業の社員は心を折られ、もはやライオンに抑え込まれた子ウサギよりも、
必死で弱々しい怯え声で助けを請うことしか考えられない。もはや、彼の脳に「守秘義務」の字は無かった。
サオリ「たしかに先程、秘密区画の話は聞いたが………また少し試すか」
カイザーファーム社員「ひ、や、やめっ!」
ナレーション
しかし、アリウス分派の生徒でも人の心を直接覗くことは叶わない以上、言葉の真贋は追い詰めて確かめる他無い。
社員の悲鳴も虚しく、サオリは彼の頭を強引に掴んで水の張られた桶へと突っ込んだ。
「ぼごぼご……っ!」と、社員が水から這い上がろうと、身体を必死に捩らせるがサオリの片腕の力にも叶わない。
人間……彼はロボ市民だが、水の中で息をすることは出来なかった。
サオリ「他の部屋では、お前の仲間と私たちの仲間が「お話」している。内容が食い違えば直ぐに分かる。
………おさらいが終ったところで、もう一度聞こう。ヘルメット団について何か知ることは?」
- 145二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:40:35
おお、怖い怖い
- 146二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 04:19:59
先制拉致からの初手拷問はなかなかエグいことしますわね…
- 147二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 12:28:35
アリウス流の「おはなし」こっわ
- 148二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 16:17:52
質問はすでに拷問に変わっているんだ
- 149二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 18:59:01
あとはどれだけ知ってるかだな
- 150◆uWDvNjj9ac24/08/30(金) 22:53:55
アリ夏イベントで「集団リンチ中失礼します」した連中です。面構えが違う。
結局、ヘルメット団については分からなかったな。
アズサ「話した者も居るが、他の供述と違いどれも中身が食い違っている。恐らく虚偽だろう」
サオリ「話を合わせるような時間も余裕も与えなかった。
その上で、ヘルメット団の話だけが全容を掴めないとなれば………」
アツコ「本当に誰も知らない。社長と彼女たちだけの秘密の関係だね」
ナレーション
(1が書いてて)楽しかった拷も……もといお話も終わり、アリウス生たちは集めた情報を照らし合せる。
カイザーファームの理事が慎重なのか?それとも社員を信用していないのか?
結局、ヘルメット団についてだけは分からなかったが、だからこそ見えてくることもある。
リア「……つまり、それだけ必死になって隠さなければならないだけの「何か」があるということね」
ナレーション
先程まで、アリウス生たちの余りにも迷いの無い拷…お話振りに、
恐怖していたリアの未だ少し振るえた声に、アリウス生一同は首肯を返した。
何も後ろめたいことが無いならば堂々と振る舞える。ならば、ヘルメット団との関係を表に出していないのは、
カイザーファーム理事にとってバレてはならない秘密が在るからに違いない。
- 151二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 07:20:39
そういえばトリカスの嫌がらせと地上げは別に関係ないのか
- 152二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:40:38
圧力かけての売り渋りとカイザーの地上げは無関係だな
協力関係にあったらめんどくさいが - 153二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 12:45:14
ただのいじめから妙な方向に向かってきたぞ
- 154二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:28:31
ただの地上げならいいんだが
- 155二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 22:17:49
関係は無いと信じるしかない
- 156◆uWDvNjj9ac24/09/01(日) 00:25:41
《ミレニアムサイエンススクール 要塞都市エリドゥ 地下作業室》
ナレーション
アリスの内側から新しい機体へのケイの移行は、エンジニア部とヴェリタスの立ち会いの下で行われる。
新しい機体の性能は折り紙付きだが表向きには出自不明であるし、アリスもまたミレニアムの常識から外れた存在、
何よりも和解したとはいえケイは1度ハッキングによってエリドゥを支配しかけていた。
心情的にも技術的にも、可能な限りの用心はしておかなければならなかった。
ウタハ「調子はどうだい?細かい微調整は必要かな?」
ケイ「…いえ、性能相応の活動は可能でしょう」
ナレーション
そうした用心の甲斐もあってか、すんなりとケイの新しい機体への移行は成功した。
ウタハたちの心配を他所に、ケイは落ち着いた様子で手を開いたり閉じたり、脚を上げたり降ろしたり、
新しい身体を試していた。
ヒマリ「ふふっ、このミレニアムの全知である超天才病弱美少女の私が協力しているのですから成功は当然ですが、
それでも用心に越したことはありません。本当に問題が無いか1度動作テストを行って調べましょう。
アリスちゃんに心配させる訳にもいきませんからね」
ケイ「…いいでしょう。貴女の口車に乗りましょう、明星ヒマリ」
ナレーション
動作テストと聞いて面倒臭そうな…「そんなもの不要だ」という態度を隠さなかったケイだが、
ヒマリがアリスの名を出した途端、素直に提案に応じた。
…ケイにはそれが自分を釣る為の見え透いた餌であるとも分かっていたが、それでも、自身の存在意義の為に、
アリスの名を出されては無視出来なかったのである。
- 157二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 08:42:26
かわいい
- 158二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:03:38
流石だぜ会…もといリアちゃん
- 159二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 18:28:52
ケイが普通に生徒やれそうなの面白いな
- 160◆uWDvNjj9ac24/09/01(日) 21:30:08
ミレニアムモブ「ケイちゃん、今週末の土曜日にアリスちゃんとゲーセン行くんだけど一緒に行かない?」
ケイ「…いいでしょう、王女が同行するのであれば仕方がありません」
ナレーション
ケイの学園生活は驚くほどに順調に進んでいた。
製造過程でインプットされたのか?目覚めてから学んだのかは分からないが、
驚くほどに博識で優秀な成績を収めるだけでなく、モモイを初めとする他の生徒に勉強を教えることさえあった。
授業や生活での態度も真面目でアリス他ゲーム開発部の面々が関わらなければ問題を起こすようなこともなく、
他者を冷たくあしらう愛想のなさも、アリスを挟めば大抵の誘いについて来る為に問題になることもなかった。
ミレニアムモブ「やった!あ、そうそう、この前に資料集め手伝ってくれたお礼も兼ねてるから、
財布は持ってこなくていいよ。この先輩が奢ってあげる!」
ケイ「別に私はゲームに興味は無いのですが……」
ミレニアムモブ「でも、アリスちゃんとの話のタネにはなるでしょ?アリスちゃん、ゲーム開発部だし」
ケイ「…なるほど、そういうことでしたら……」
ナレーション
アリスそっくりな可愛らしい容姿、クールな振る舞いに反してアリスの名を出した時のチョロさ、
何よりアリスがクエストと称してあちこちに連れ回しては、色んなことに付合わせていることもあって、
天童ケイという生徒の存在はあっという間にミレニアムに浸透していった。
- 161二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:11:35
ケイちゃんかわいいんだぜ
- 162二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:25:33
ケイ必勝マニュアル出回ってそう
- 163二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 06:22:10
あまりにもチョロい
- 164二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 10:51:07
こうやってく内にアリス前提ではなくちゃんと自己意識が芽生えて「個」が生まれていくんだろうな
- 165二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:14:20
かわいいなケイちゃん
アリスちゃんと食べなって飴ちゃん渡されたりしてそう - 166◆uWDvNjj9ac24/09/02(月) 22:38:40
《夜 ミレニアムサイエンススクール 特異現象捜査部》
ヒマリ「あらあら、ケイ?一体如何したのですか?真面目な貴女がこんな時間まで遅れてくるなんて……」
ケイ「…申し訳ありません、王女の宿題が白紙でして……」
ヒマリ「ああ、そういえばこの時期の1年生は自由研究の小レポートがありましたね。まったく、あの子は……」
ナレーション
そんなケイの学園生活だが、アリスの所属するゲーム開発部以外にも、監視…というよりは経過観察の意味を込めて
ヒマリ率いる特異現象捜査部にも所属して定期的に顔を出すことを義務付けられていた。
当初、ヒマリは例の事件の当事者の1人ということで人一倍に厳しい目でケイを監視していたが、
根が善良で人の良い彼女はケイの生真面目さとアリスが絡んだ時のポンコツ振りにすっかり絆されて、
今ではアリス同様に後輩として可愛がっていた。
トキ「心配しなくても大丈夫ですよ、ケイ。私も出来てませんから」
エイミ「いや、威張れることじゃないでしょ……」
ヒマリ「まったく、しょうがありませんね。この超天才病弱美少女ヒマリ先輩が見てあげましょう。
トキ、今すぐ課題を出しなさい」
トキ「……イエス、マム」
ナレーション
相変わらずの無表情ではあるが、どこか都合が悪そうなトキはゆっくりと自分のロッカーを目指して踵を返した。
「はぁ…」と溜息を吐きながら、しかし、ヒマリの口元は優しく緩んでいる。
世話焼きのヒマリにとって、ヴェリタスから離れてしまいはしたものの、新しく知り合った後輩たちに慕われて、
思う存分にかわいがれる特異現象捜査部の活動は酷く楽しいものになっていた。
- 167◆uWDvNjj9ac24/09/03(火) 06:53:33
ナレーション
そうして、しばらくの間は穏やかな笑みを浮かべて後輩たちの面倒を見ていたヒマリだったが、
自身の携帯に届いたモモトークの通知を見て露骨に笑みを歪ませることとなった。
ヒマリ「…ドブ川女が、今度何のつもりなのですか……」
ナレーション
不満を隠そうともせず、文句を垂れ流しながら携帯を手に取るヒマリだったが、
肝心のモモトークの内容を見ると、また表情を変えた。
不快感を感じさせる歪んだ笑みが少しはマシになり、満面のとはいかないが心から笑っているようにも見える。
ヒマリの持つ生来の穏やかさを感じさせる優しい表情に変わったのだ。
ヒマリ「まったく、人を頼るのが遅すぎるんですよ」
ナレーション
自称、超天才病弱美少女の小さな呟きは誰の耳に入ることも無く、ミレニアムの夜空に消えた。
- 168二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 09:31:52
ちょっと上向き
- 169二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 14:59:53
やったぜ
- 170二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 19:34:13
やっぱこの二人は良いよね
- 171◆uWDvNjj9ac24/09/03(火) 23:18:47
《トリニティ総合学園 新校舎》
ナレーション
必要な情報は集めた、人員も選定した、物資も学園という母体が大きいので問題なし。ならば後は潜入するのみ!
…と、意気込んでいたアリウス生たちはリアの「もう少しだけ準備させてちょうだい」という言葉に出鼻を挫かれ、
今か今かと待ち構えながら牙を研ぎ続ける日々を送っていた。
ヒマリ「まったく、この清廉なるアルプスの天然水のように清らかな 超天才病弱美少女の私に感謝することですね。
普通なら、生徒会長の責任を放り投げた濁りきったドブ川女の頼みを聞く人は居ませんよ、リオ」
リア「一体誰のことを言っているのかしら?私はアリウス分派の生徒、月雪リアよ」
ナレーション
そんなある日、ミレニアムの校章が刻まれた資材運搬用の軽トラックがトリニティの新校舎へとやって来た。
そのトラックこそ、リアが用意した最後の準備。そして、それを任された全知の称号を持つ少女である。
ヒマリ「…なるほど、少しはマシになったかと思った私が間違いだったようですね」
ナレーション
ヒマリは飽くまでも自分はリアだと言い張る友人を前に、不機嫌そうにぷくーっと頬を膨らませて見せた。
筋金入りの頑固者が漸く人を頼ることを覚えてくれた!と、ヒマリは本気で喜んでいたのだ。
だから、頑なに自分を偽ろうとするリアが殊更気に食わなかった。
トキ「真面目なトキちゃんはお二人の邪魔をせずに荷物を運ぶのでした。…偉いですか?」
アツコ「ええ、ありがとう。トキちゃん」
ナレーション
一方、護衛兼運転手としてヒマリに同行して来たトキは、段ボールを運びながらアツコに「よしよし」されていた。
- 172二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 07:48:49
かわいい
- 173二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 12:24:05
ヒマリおばあちゃん
- 174二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 20:09:32
何が来たんだ
- 175二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 20:37:49
そういやリアさんはどこぞの公園占拠兎さんのご親戚か何かで(すっとぼけ)
- 176◆uWDvNjj9ac24/09/04(水) 23:30:03
《一方、子ウサギ公園》
先生"そういえば、お姉さんと仲悪いの?余りお互いの話を聞かないけど……」
ミヤコ「いえ、私に姉は居ない筈ですが……」
先生"え?"
ミヤコ「え?」
サオリ「しかし、今更だが、拠点の場所が普通に割れているのはどうなんだ…?」
サオリ、私たちはもう兵隊じゃない。何なら、トリニティの公式サイトにマップが載ってる。
トキ「普通にカーナビで来れましたよ」
ナレーション
「ぴすぴーす」と自慢の無表情ダブルピースを披露するトキの姿に、サオリは何とも言えない表情を返す。
サオリも含め、全てのアリウス生が隠れ住んでいたかつての生活の癖が完全に抜けて居る訳ではなく、
未だに隠蔽工作もトラップも施されていない拠点に違和感が拭えない生徒たちはいるものの、
しかし、こうして友人・知人が訪ねて来てくれることは喜ばしく感じていた。
サオリ「これに慣れることも含め、全てが訓練か」
ナレーション
しかし、サオリは何故だか、楽しいモノでは無い筈の「訓練」という言葉に少しだけ高揚を覚えていた。
- 177二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 06:47:10
そら、知らない間に姉?擬きが増えてたら困惑するよな
- 178二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 07:07:53
いつの間にかSRT特殊学園が潰れてた件
(※正史ではエデン条約編3章の直前なので、先生赴任から何ヶ月かぐらい経ってる) - 179二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 16:06:51
- 180二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 17:30:43
- 181二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 20:24:00
あくまでこのスレはカナ達の話だからねぇ
- 182◆uWDvNjj9ac24/09/05(木) 23:02:00
一応、この時点でパヴァーヌ2章が終っていますので……まぁ、時期的には妥当かな?と。
リオ「それじゃあ、頼んでいたモノが届いたから説明をさせてちょうだい」
ナレーション
ヒマリたちが運んできた荷物の中身、スマホに比べると少しゴツい外見をしたタブレット型端末を机の上に出すと、
リオはその1つを手に取ってカナたちへと声をかけた。
リア「作戦目標はカイザーファームのサーバーをハッキングして目的の情報を抜き出すこと。これはいいわね?」
ああ、私たちが潜入して直接?ハッキングしないといけないんだろ?
リア「ええ、だけど潜入の素人である私を連れてカイザーファームへと乗り込むのも、
大きなPC端末を持ち込むのも非効率。だから、私が拠点から子機になるこの端末を通じてハッキングするわ」
アズサ「…なるほど、この端末は差し詰めリアの手脚という訳か」
ナレーション
そう説明されるとアリウスの生徒たちはそれぞれ端末を手に取る。
彼女たちは元兵士である。任務の為にパソコン等の機械を利用したり、罠や時限爆弾等の工作を施したり、
まったく文明の利器に疎い訳ではないが、これが情報戦や電子戦となると丸っきり門外漢だった。
サオリ「………色々と思うところはあるが、リアは私たちに必要な人材らしいな」
ナレーション
アリウスにはそんなことを学べる環境は無かった上、大体物理で何とかした方が手っ取り早かったからだ。
しかし、ここはトリニティ。キヴォトス故に引き金は軽いが、アリウスのそれに比べればかなり重い。
これからは銃激戦以外の戦い方も覚えなければならないことを考えると、リアは頼もしい専門家と言えた。
- 183二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 07:30:35
存在しない姉が生えたミヤコ
- 184二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 12:40:55
リオはビッグシスターだったしSRTは色々と有名だったろうし
無意識に知ってて引用しちゃってそう - 185二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 20:04:12
生徒をかなり記憶してる先生が姉妹だと勘違いするってことはミヤコのデータを元に改竄データ作った可能性あるな
- 186to34mika24/09/07(土) 00:48:37
《某日 トリニティ自治区 カイザーファーム本社前》
警備員「ふぁ~あっ、こんな時間にシフトなんてついてねぇぜ。夜勤手当もねぇしよ」
なら、眠れらせてやるっ!
警備「がっ!?」
ナレーション
奇襲を十八番とするカナが闇夜に紛れ、警備に出てきた兵士へと襲い掛かる。
背後から飛びついたカナの両脚が兵士の首の真横を通り、そのまま肉の鎖となって締め上げた。
警備「ぐぅっ…!」
ナレーション
日頃から銃火器を携帯し、手脚のように扱うキヴォトス人。
その中でも鍛えに鍛え、戦闘に慣れたカナの絞め技の威力は凄まじい。
鉄の身体を持つ兵士の身体が音を立ててへしゃげていき、程なくして兵士は短い呻き声を残して地に伏せた。
よし、終ったぞ
ナレーション
締め落としたカナが地面に降り立ち、合図を返すと闇の中からアリウスの少女たちが現われる。
陰に身を隠し、優れた感覚を以て周囲を把握、あらゆる手札を用いて獲物を刈り取る戦場の狩人たち。
「カイザーファーム」という獲物を得て、その刃は再び抜き放たれた。
- 187茸剣のフィクサー24/09/07(土) 01:09:59
トリップがバグってます!
- 188二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 06:31:52
不味いですよ!
- 189二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:31:57
トリップミス多いなスレ主…
- 190◆uWDvNjj9ac24/09/07(土) 12:17:10
ん、あ、あれ?これでどうだ?
- 191二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 14:22:30
今回は問題なさそうです!
- 192二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:30:37
大丈夫なら良かった
- 193◆uWDvNjj9ac24/09/08(日) 00:39:42
ナレーション
グググッ(締める音)
警備兵B「うぐぅ…」
アズサ「区画Aー3、オールクリア」
よし、行こう
慣れた手口で警備を無力化し、予め入手していた社員証やマップデータを駆使して潜入していくアリウス生たち。
元特殊部隊のサオリたちスクワッド組を初め、闇に紛れての作戦行動に慣れた一同は順調に任務を進めていく。
リア(通信)(ちょっと手慣れすぎじゃないかしら…?)
ヒマリ(通信)(これはこれは…彼女たちの力を借りれば色んな悪戯が出来そうですね!)
ナレーション
通信越しに後方支援に回ったリアや、何故か協力者に立候補したヒマリは内心その手口の鮮やかさに舌を巻く。
リアは恐ろしさに冷汗をかき、ヒマリはよからぬ企みを頭に組み立てる。
…サオリ
サオリ「ああ、上手くいき過ぎている。話に聞いていたような慎重な男が作る拠点とは思えん」
ナレーション
しかし、その快進撃の中心にいた実行隊の面々の表情は厳しい。
敵を過大評価していただけならば、自分たちがバカを見たで済む話。
だが、それを期待出来るほど彼女たちは楽観的では無い。
戦場の理不尽を知る身だからこそ、アリウスの少女たちは臆病なほどに慎重だった。
- 194二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 08:11:26
部外者であるヒマリとの温度差よ
何度先生にガチ説教されても反省も後悔もしない生水は格が違う - 195二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 17:05:25
アンブッシュされるか、碌な情報残ってないか
うーむ、どうなる? - 196二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 20:49:30
なんだろう、罠?
- 197◆uWDvNjj9ac24/09/08(日) 22:56:58
サオリ「…大丈夫…か?」
アズサ「…のようだな。信じ難い杜撰さだ」
ナレーション
そんな不安を他所に、潜入はドンドン順調に進んでいき、とうとう目的のサーバールームへと辿り着いた。
先行する2人が慎重に扉を調べるが罠の1つも無く、一同は嫌な想像を予感を感じながらも部屋へと入って行った。
…Harapeko3
ヒヨリ(通信)『こ、こちら、Harapeko3。エネミーの姿は見えません』
サオリ「…後方支援部隊」
リア(通信)『こちらにも、それらしい情報は無いわ』
ナレーション
近辺のビルから狙撃支援の体制に入っているヒヨリや、拠点から後方支援に回っているリアたちに聞いても、
怪しげな罠や敵の存在は浮かび上がらない。
アリウス自治区の外は…平和な世界とはこんなものなのだろうか?そんな楽観的な想像さえ浮かび上がるような、
不自然なまでの静けさにサオリは銃を握りなおす。彼女にはまだ「何か」があるという確信があった。
ヒマリ(通信)『ここに来るまでに沈黙させた警備や監視カメラの数もそれなりのものです。
もう全ての警備を突破していたと考えても可笑しくないのでは?」
サオリ「だと、いいのだがな」
ナレーション
サオリは心配が杞憂に終わり、バカを見るだけで住むことを願いながら、ハッキング用の端末を取り出した。
- 198二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 05:57:23
次スレ立てもよろしくね
- 199◆uWDvNjj9ac24/09/09(月) 06:40:09
- 200二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 16:36:54
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