- 1二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:21:56
- 2二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:25:52
お前の友達はけっこう金持ちが多いんだからしゃーない
- 3二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:32:35
- 4二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:33:49
- 5二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:34:00
- 6二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:35:14
アヤベさんとこの布団は色々濡れやすいんだろ
- 7二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:37:28
- 8二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:40:07
- 9二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:45:22
親族のみとは言ってもコーチは呼びますよね??
- 10二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:53:21
せめて布団一式とか、Y○giboとかであってくれ
- 11二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:54:16
- 12二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:55:25
一族全員のケツをなでなでしたい
- 13二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 12:58:59
- 14二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:01:33
引き出物と布団乾燥機をセットで親戚に渡してそう
- 15二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:02:00
オペ ちょっと外れてるけどメモリアルではあるのである範囲
ドトウ 一番正統派、箱は別の人にやってもらおうね
ウララ 贈与税には気をつけよう!別荘建てるほど金持ち同志ならまぁありかも
アヤベさん きでもくるった?
- 16二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:20:01
( ◜ᴗ◝)💦ひぇえ
- 17二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:23:23
- 18二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 13:59:03
- 19二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:17:28
アンタが娶るんだろうが!
- 20二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:20:52
お前さんの席こっちじゃないぞ
- 21二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:24:26
にぶトレーナー!
- 22二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:25:07
多分トップロードはお前さん以外とも結婚出来るだろうけど、トップロードにとっての最良の相手はお前さん以外にいないと思うよ
- 23二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 14:58:35
( ◜ᴗ◝)先生!トップロードが結婚するらしいんですが何を贈ったらいいですか???
- 24二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:01:39
よかった…流石に友人の結婚式にまで自分の銅像を送る頭おかしい覇王なんていなかった(布団乾燥機1年分から目を逸らしながら)
- 25二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:11:21
( ◜ᴗ◝)(トップロードが婚姻届に署名を求めてきた…きっと証人として選んでくれたんだな!)
( ◜ᴗ◝)(トップロードがやたらと結婚式について相談してくる…頼りにされてうれしいなぁ)
( ◜ᴗ◝)(結婚式当日に白いタキシードを着て花嫁姿のトップロードと一緒にバージンロードを歩いてる…きっと相手の元に導く的なアレだな!)
( ◜ᴗ◝)(…なんで神父さんの前で俺が目を伏せたトップロードと向き合っているんだろう) - 26二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:12:05
思ったけど布団乾燥機は最低限2年保証は欲しいの
- 27二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:26:25
死ぬ直前まで足止めしてんじゃねえよお前も生き残って幸せになるんだよ!
- 28二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:26:46
ウララの贈り物は遠い将来トプロの遺産を整理する時にめんどくさいことになりそう(小並感)
- 29二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 15:55:11
( っ'-')つ🎫) ◜ᴗ◝)
↑2人分の航空券 - 30二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:03:49
さて、同期の皆さんからの贈り物の大半はある程度めどが立ちましたが…この布団乾燥機はどうしたものですかね
どっちのご両親にもあげたしポッケちゃんは物珍しさで二つ持っていってくれたけど残った分はいまだに用途不明のままですしメーカーに問い合わせが1番なんでしょうか……
- 31二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:04:55
- 32二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:06:05
- 33二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:07:26
- 34二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:08:47
アヤべさん、さすがに布団乾燥機はなんとかしろ
- 35二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:09:30
一台一台トプロのサインを書いて抽選応募にすればすぐ捌けるぞ
- 36二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:10:16
高知の救い主がニッコニコで「今度お友達が結婚するんだー!でも贈り物を何にするか迷ってるの…」って困り顔になったら高知の人々はウララちゃんに恥をかかせてはならぬと気合を入れた説を推したい
- 37二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:13:33
懸賞の商品って基本的に普通に売っても捌けないからこういう形で特別感を演出してるだけですし、雑誌とかなら漫画家のサインが入ったゆかりのある物を出すからこその価値じゃないですか
では、布団乾燥機を突然抽選し出した私はどうですか?ゆかりが無さすぎて危ない人にしか映りませんよ
- 38二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:16:02
- 39二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:16:24
- 40二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:20:30
- 41二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:21:12
ふわキチはさあ…
- 42二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:23:58
もちろん抜かりはないわ
私は絶対に必要だと思ったのだけれど、あの人が迷惑になってしまうと言って聞かなかったから、お互いに妥協点を話し合ったの
各乾燥機にはそれぞれ使用用途、季節、時間を記載したメモを同梱しておいたわ
それでも不要になった時のために、高額買取をしてくれる店舗もチェックしてあるわ
我が子を手放すようで物悲しいけれど、新たなふわふわに繋がると思えば乗り切れるわね
売って残ったお金は結婚生活用の資金に充ててちょうだい - 43二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:24:34
アヤベさん!!!!
一気に送るよりも毎年1台ずつ送ったほうがどんどんアップグレードされるからそっちのほうが喜ばれるんじゃない? - 44二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:26:23
ナチュラルによく分からない人さんとくっついてる…
- 45二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:33:10
私の家には布団乾燥機が215台もあるのよ
1台くらいどうってことはないわ - 46二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:46:39
- 47二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:52:49
元同級生の縁でエアグルーヴがおバカたちの暴走を止めてくれることを祈ろう
- 48二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:53:06
かわいい
- 49二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 16:58:03
なんで自分で書いたくせにそのあとすぐ勝手に発狂しそうな祝電送ってるんですかねぇ…
- 50二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:03:27
「1年分」ってだけで個数は書かれてないから…
>>38が言うように1台かもしれないから…
- 51二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:05:30
どこで式挙げたんだろうね〜試しにダイス🎲
結婚式と披露宴
1.結婚式だけやった
2.どちらもやった(同じ会場)
3.どちらもやった(別会場)
dice1d3=3 (3)
披露宴(上で2ならなし)
1.国内
2.海外
dice1d2=1 (1)
結婚式場
1.国内
2.海外
dice1d2=2 (2)
- 52二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:12:01
海外挙式の国内披露宴か…病気や高齢で海外渡航は難しい親戚がいたのかな?
- 53二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:51:42
ラスカルからはなんか送ってくるのかな?
- 54二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 17:55:56
まだ諦めずパフェやってたのかカフェの店…
- 55二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 18:00:47
冠婚葬祭は小規模でと思ってもなんだかんだでご返礼やご挨拶やらで疲れるのだ
- 56二次元好きの匿名さん24/08/11(日) 19:34:58
( っ'-')つ⛪️💍♥💍
- 57二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:43:33
「ただいまぁ~…」
間の抜けた声でふたりがアパートの誰もいない一室に帰宅を告げる。数日前から蓄積された疲れと少しのアルコール、そして重圧からの解放に私はまったくヘロヘロになって、靴を脱ぐと一直線にリビングのソファへと飛び込んだ。体の重心が部屋の床のはるか下まで落ちていく。
「うぅ、すごくすごい疲れたぁ…このまま寝ちゃいたい…」
「はは、そのままだと風邪ひくよ?」
身体をすっかり投げ出してだらしのない姿をさらけ出す私に、優しい声が届く。トレセン学園時代にトレーナーとして私を支え、つい先ほどたくさんの人の前で人生を共に歩んでいくことを誓った、私のいとしい人。まるで手のかかる子どもを扱うような口調は少しだけ不本意だけど、それでも彼の心遣いを受け取ることが出来る喜びに心が満たされていく。
「そうだよね、まだ着替えてもいないし。それに…」
そう言って彼から目線を外し、その向こうを見やる。
「持ってきたそれを少し整理したいですし。」
結婚式は控えめにするということを二人で決めたのは、結婚することが決まってからわりあいすぐのことだった。沢山の人を呼んで盛大に行う式というものもそれはそれで華やかで楽しいものなのだろうけれど、かつて多くの人たちから応援された元スポーツ選手とはいえ、既に競技を引退した私がそのようなことを行うのはいささか分不相応であるかのように思えた。ましてや世間で言えばそんな私の元トレーナーであるだけの「一般人」である彼とその家族を混乱に巻き込む気には到底なれなかった。それでも、私たちにだって一生に一度の思い出を彩りたいというつつましい願望くらいはある。社会的責任とエゴとのせめぎ合いの末に、海外のリゾート地で近しい親族だけのささやかな式を挙げることに決めたのである。大自然に囲まれた常夏の島の片隅で永遠の愛を誓うというシチュエーションはいかにもプラトニックでロマンチックだった。私たちはこのプランに心から満足し、順調にその日を迎えようとしていた。…彼女にこのことを話すあの日までは。 - 58二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:44:18
ある日オペラオーちゃんに会ったときに、何の気なしに結婚式のことを話したのである。式場はずいぶん遠いところにあるし、親しい友人たちには手紙で挙式を報告するにとどめるつもりだった。しかし、誰よりも華やかで大げさなふるまいを好む彼女がそのような扱いを受け入れるはずがなかった。なぜあの時それに気づかなかったのだろう。オペラオーちゃんは不意に立ち上がったかと思うと、朗々と歌うように嘆きを口にした。
「嗚呼なんと情けない!この覇王たるボクが、無二の親友であり永遠のライバルであるトップロードさんの人生の節目に際して何もすることが出来ないなんて!」
「そ、そんなことないですよ!あの人と一緒になれたのはオペラオーちゃんのおかげでもあるし、式に呼ばないからって私がオペラオーちゃんのことをないがしろにしてるわけじゃ…」
「否っ!」
オペラオーちゃんの制止に思わず口をつぐんでしまう。そして彼女は私を諭すように、ゆっくりと口を開いていった。
「トップロードさん、結婚には何が必要かわかるかい?祝福だよ。二人の人生の船出に際して、親しい者たちが思いやりをもって祈りをささげる。それは二人の自由な人生を願うボクたちが、航海の無事のためにしてあげることができる数少ないことなんだ。身の丈に合ったつつましい結婚式、実に素晴らしい!いかにも謙虚で実直なトップロードさんらしいよ。でもね、そんなあなたの人生に関わったボクたちにだって、船出を見届けたい気持ちはあるんだ。ボクは自分自身のことを心から愛している。だからこそ、この歌劇のような人生の中で最も燃えあがった時期を一緒に歩んでくれたトップロードさんに、感謝と航海への激励を伝えたい!そう思うのは野暮だろうか?」
あの時と同じように瞳を燃え上がらせるオペラオーちゃんに私は絶句していた。そうだ。人生の中で最も激しく自分を燃え上がらせた時期は彼女たちと一緒に歩んでいったものだ。もしも自分がそのうちの誰かの人生の節目に立ち会うことがあるのであれば、絶対に何かをしてあげたい。例えそれが本人を恐縮させるとしても、せめて自分の気持ちを伝えたい。そのことを忘れたうえに気遣いのつもりで彼女たちを祝いの場から排除しようとしていた自分が途端にあさましく思えた。頭をたれて絞り出すように言葉を紡ぐ。 - 59二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:45:45
「ごめんなさい、私…」
「いいんだ。トップロードさんの気遣いはとても嬉しいよ。二人が考えた式もとっても素敵さ…よし!トップロードさん、結婚式の代わりに披露宴にみんなを集めようじゃないか!」
「えっ。」
オペラオーちゃんからの突然の提案に思わず顔を上げる。確かにやろうと思っていた式の性格上、披露宴の開催は考えたことがなかった。でも今更そんな大掛かりなイベントをやるなんて…
「その様子じゃ披露宴の予定はなかったんだろう?それなら今から企画すればいいじゃないか。二人が愛を誓いあう神聖な儀式は限られた親族だけに見せる、二人の船出を祝う宴はお世話になった人たちを呼んで盛大に行う!これなら結婚式に行かない人たちも君たちを祝福できるし、最初のプランも尊重できるだろう?」
「で、でも今更そんなこと…それに、私たちの結婚をあんまり大げさにするのも…」
「無論招待するのはトップロードさんが望む人たちだけだ。あんまり見境なしに人を呼ぶと厄介事が増えてしまうからね。それに…」
ふとオペラオーちゃんがいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「ボクの元トレーナー君は少々顔が広いんだ。彼なら衆目にさらされないような会場を押さえることもできるし、その他もろもろのノウハウも彼を経由して身に着けることができるだろう。なにも二人きりで切り盛りする必要はないさ。」
「で、でも…」
私の中にはまだもやもやとしたものが胸につっかえていた。いくら友人とはいえ、私たちの個人的なイベントに第三者をここまで巻き込んでよいのだろうか。そんな私の不安を察してか、オペラオーちゃんが再び口を開く。
「何も遠慮する必要はないよトップロードさん。これはあくまでボクが勝手にやることだ。ボクの人生にこれ以上ないほどの華を添えてくれた君に対する、ボクからのささやかなお礼さ。」
彼女の目は先ほどまでの燃えるようなものではなく、こちらを慰めるように柔らかだった。
その後彼と相談をして改めて披露宴の運営のお手伝いをお願いしてから、物事は恐ろしくスムーズに進んでいった。会場の手配から参加者の招待、披露宴の予算管理に至るまでオペラオーちゃんと彼女の元トレーナーさんが面倒を見てくれ、業務の一部を代行してくれる業者まで紹介してくれた。イベント運営の上で生じる肉体的・精神的負担を最小限に抑えたまま、私たちはその日を迎えることができたのである。 - 60二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:46:29
披露宴は考え得る限りで最高のものであった。会場は某高級ホテルの宴会場。大きすぎず小さすぎないそこにお世話になった沢山の人が集まっているのを見るのは自分の人生を振り返るようでもあった。当然ながら出される料理も最高で、単に豪勢なだけではなく本当に価値のあるものを選び抜いて出しているということが素人目にもわかる。最高の条件を用意してくれたオペラオーちゃんと元トレーナーさんにこの上ない感謝を感じる一方で、いったいどんなコネを使えばこれだけの会場を私たちが提示した予算の中で手配することができるのか考えそうになったが、すぐにやめた。私たちのような一般人が考えをめぐらしたところで想像もつかないが、きっとそういうものなのだろう。多分。
そして何よりも素晴らしかったのが、招待された人たちが皆私たちを心から祝福してくれていたことだった。ポッケちゃんと仲間の人たちは出し物として見事なツイストを見せてくれたし、オペラオーちゃんは最後羽交い絞めにされて退場しながらも高らかにオペラを演じてくれた。出し物に限らず、コーチをはじめとしてお世話になった人たちから祝福の言葉をかけられる度に熱いものがこみあげてくる。特にお父さんのスピーチの時には人目もはばからず号泣してしまったが、そんな私ですら参加者の人たちは温かく見守っていた。今までこういう人たちが私の弱い部分を受け入れ、愛してくれていたのだろう。そんな人たちがこの広い会場を埋め尽くしていると思うとますます涙がこみ上げてきた。
祝福と同時に参加者の方々からはたくさんのお祝いの品を頂いたが、中には非常に大きなものもありすべてを持ち帰ることはできない。そういったものを除いたほんの一部を手に携えて今帰宅したのであるが、それでも二人の人間が持ち運べる限界に近い量の荷物に二人はすっかり疲労困憊していた。しかし、それだけの量の品であれば今のできる限り整理しておきたいという気持ちもあった。
「大きいやつとかは預けたけどすごい量だよね。」
私の視線に彼が荷物へ注意を向ける。
「それだけ私たちが祝福されたってことですよ。」
「後でお礼とかしなきゃなぁ。」
そう言いながら彼は祝いの品を詰めた手提げ袋のうちの一つを私の前に置いた。口では未来の仕事のことを言っているが、プレゼントの中身を確認することへの興奮が細められた目と上がりっぱなしの口角から伝わってくる。 - 61二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:47:22
「ま、量が量だし今のうちからできる限り整理しておきたいからね。」
「ですね!」
私も思わず両耳と尻尾が揺れる。二人は子どものように目の前のプレゼントに対峙していた。こらえきれなくなって私はピンと右手を挙げる。
「はい!私から選んでいいですか?」
「いいよ。どれでも選びな。」
「よーし、じゃあ…これ!」
私が手提げ袋の中から取り出したのは持ってきたプレゼントの中でも比較的大きな桐箱である。たしかオペラオーちゃんからのものだったはずだ。
「お、でっかいの選んだね。」
「オペラオーちゃんからですよ。」
「あの子とあの子のトレーナーさんには今回めちゃくちゃお世話になったからなぁ…あんまり高いのじゃないといいけど。」
「ですね…とりあえず一緒に開けましょう!」
よし、と言うと彼は桐箱の蓋に手をかけて私が持っていない方を支える。
「いくよ?せーの…」
彼の合図で蓋を開けると、中には20センチほどの銅像が入っていた。私たちの現役時代をかたどったものである。
「トレーナーさん見てください!銅像ですよ!」
「ホントだ!しかもこれ俺たちだよ!」
「すごいすごい!私の勝負服だ!懐かしい!」
あの時の私たちがそのままブロンズになったかのような精巧さに興奮が止まらない。美術に関しては全くの素人だが、その価値はかなりのものであろう。正直に言うと派手好きなオペラオーちゃんがどんなものを贈ってくれるのか心配していたが、これなら家の中で飾っても問題ない。しばらく興奮のままに感想を言い合っていたが、そのうちにぽつりとトレーナーさんが言葉を紡ぐ。
「こういうのって職人さんっていうか、芸術家の人に作ってもらうんだよね?」
「そ、そうですね。」
「いったいどうやって依頼するんだろうね。」
「…………」
うん、この話はやめにしよう。暗黙のうちに共通認識を得た私たちはいそいそと銅像をしまい、床の端の方に桐箱を置いた。やがて彼のやけに明るい声が長い沈黙を破る。
「よ、よし!次は俺の番だな!」
「い、いよっ!待ってました!」
「いくぞぉ…これだ!あれっ、これ底の方でつぶれちゃったかな?」
「ああ、それはドトウちゃんからのです。」
出てきたのはドトウちゃんからのプレゼントボックスであった。渡された時にはきれいな四角形だったが、初めから梱包が甘かったのか形が崩れていた。 - 62二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:48:45
「え?俺今めちゃくちゃ失礼なこと言っちゃった?」
「だ、大丈夫ですよ!袋の中結構パンパンだったし、きっと他のプレゼントに押しつぶされちゃったんだと思います。」
「そ、そっか。俺開けていい?」
「あ、お願いします。」
包装紙を丁寧にはがすと紙状の箱が現れ、その中にもう一つ化粧箱のようなものを入れていた。
「なんかアレだね、宝石入れるやつみたいな…」
「ああ、そういえばドトウちゃんのお父さんって宝石商だったような…」
「え、マジ?」
「いやいや!披露宴のプレゼントだし多分そんなことは…それにほら!宝石入れてる割には大きいですし!」
箱の大きさは10センチ四方ほどであった。
「そ、そうだよな!…一緒に開けよ?」
「は、はい!開けましょう!一緒に!せーの…」
二人で箱を開けると、二人の目がぎょっと丸くなる。中に入っていたのは案の定宝石だった。それもただの宝石ではない。手のひらサイズはあろうかという巨大なピンク色のものである。完璧なダイヤモンドカット処理が施されたそれは部屋の照明を受けてキラキラと輝いている。
「な、な、な、なんですかコレ!もしかしてダ…」
「いやいや、さすがにそれはない!色ピンクだし!」
「でもピンクダイヤって聞いたことあるような…」
「とにかくこれはダイヤじゃない!終わり!次!」
彼が私の声を遮った。疑問が生まれる前に素早く化粧箱を閉じる。プレゼントを開ける度に二人の息は荒れ妙に脂っこい汗が出てくるが、当然これはプレゼントに対する期待感によるものではない。
「あ、あはは!最初っから飛ばしすぎちゃいましたね!じゃあ次は控えめなやつ選びましょう!」
「そ、そうだな!いきなり豪華な奴から出しちゃうと後からテンション下がっちゃうもんな!」
「じゃあ選びますよ!これ!あっ、これは封筒ですね。ウララちゃんからもらったやつです。」
「へ、へぇ。お金を入れるには大きすぎるし、いったい何なんだろうな。」
封筒はちょうどA4の紙が入るくらいの大きさで、ウララちゃんの幼い字で「ナリタトップロードさまへ」と書いてある。
「でも、ウララちゃんだしそんな高価なものとかでは…」
「そ、そうだな!じゃあそれ開けてくれるか?」
「えっ」
「えっ」
二人の視線が気まずくまじりあい、沈黙が訪れた。その間私は彼の目を凝視していたが、それに根負けするように彼が口を開く。 - 63二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:49:29
こういう時にどうすればいいか皆目見当がつかないが、とりあえず申し訳なさそうな顔をして二人で封筒の開け口ののりをはがす。中が完全に開け放たれたところでふたりの手が入り込む。中身は一枚の紙と冊子のようだった。再び目を合わせ、紙の方を無言で少しずつ取り出していく。3、4センチほど出したところだろうか、二人の目に次のような文字列が飛び込んできた。
『登記識別情報通知』
それを確認すると、二人はゆっくりとそれを戻していった。封を閉じ直し、袋の中に戻す。二人とも疲れているのだ。そうでなければあんなふうに字を読み違えるはずがない。きっと何かの間違いだ。しばらく二人は黙りこくっていたが、しばらくして彼の方が口を開く。
「プレゼントの整理…明日からにしよっか。」
「…はい。」
「シャワー、先いいかな?」
「どうぞ…私その間に片づけますから。」
「うん、ありがとう。」
言葉少なに彼が浴室へと向かっていく。ドアが閉まるのを確認してから、私は深く息をついた。本当にあの人たちの世界はいったいどうなっているのだろう。私の不完全な常識でも、あれらが普通披露宴の際の御祝い品として常軌を逸していることはすぐにわかる。披露宴自体は私たちの身の丈に合った暖かなものだったが、そのお祝い品はノミに対する東京スカイツリーが如く比較すら難しいものであった。異次元の体験に疲れがどっと肩にのしかかってきた。とはいえ、高価なものをこのまま放置するわけにもいくまい。床に置いていた品をもとの場所に戻す。数が少ないのでそれ自体はすぐに終わったが、袋を閉める直前、ふと妙なものが目に入った。それは他のプレゼントのように包装されておらず、その黒を主体とした外装をそのままにさらけ出している。それを取り出してみると、独特のデザインに「0.01」の文字がはっきりと印刷されている。その用途はすぐに察することができた。披露宴の雰囲気には全く場違いなものがプレゼントの中から出てきたことに目を丸くする。それと同時に私は頭に急速に血が上っていくのを感じた。 - 64二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:50:01
実を言うと、私と彼は未だ「そういう行為」に及んだことがない。もちろんハグやキスなどといったスキンシップは人並みに行ってきたと思うが、最後の一線だけは彼の方から頑として超えようとしてこなかったのだ。彼の実直さと誠実さは知っていたから、私の方からも「そういう行為」を提案したことはないし、結婚式の夜でさえ静かな夜を過ごしたのであるが、結婚式も披露宴も済んだ今夜はいわゆる「初夜」である。いよいよ軛が外される時が来たのだ。
「あがったよー。」
ぼーっとした頭に彼の声が飛び込んでくる。その瞬間にびくりと体を震わせ、とっさに手の箱を袋にしまう。後ろを振り返ると薄着の彼がタオルを手に私の前にたたずんでいた。何百回と見たはずのその姿が今の私の心を大きく揺り動かしている。
「あ、片づけといてくれたんだ。ありがとう。」
「ふえっ!?いや、はい!分かりました!私もお風呂いただきます!」
「?」
私の挙動不審な様子に彼は首こそかしげていたが、直前まで何を扱っていたのかまでを察していた様子はなかった。
支度を整えて浴室へと入ると赤色の蛇口をひねる。さっきまで彼が入っていたからかすぐに出てきたお湯を浴びながら、私はあの箱について考えを巡らせていた。あんなものを一体誰が入れたのだろう。単純にいたずらなのか、よほど下世話な人がいたのか。どちらかははっきりしないが、いずれにせよこちらとしてはいい迷惑である。ただ、結婚を迎えるような関係性の男女が披露宴まで体を交えないは、実際現代においてはむしろ不健全といえるかもしれない。もしや彼は私に性的欲求を抱いていないのではあるまいかとすら思えてくる。
ふと、自分の体を見回してみる。現役時代に比べれば多少ゆるみは出てきたものの、一般的に見ればスタイルはそこそこいい方だと思う。少なくとも一般的な男性を興奮させる程度のポテンシャルは持ち合わせているだろう。しかし、今欲しいのは「一般男性」ではなく紛れもない「彼自身」のリビドーである。今までの生活態度を鑑みるとどうも彼が私に対してそういう類の欲求を抱いているとは見受けられない。あるいは私の前ではそれを隠しているのかもしれないが、その根拠はとうとう見つけることができなかった。 - 65二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:51:25
いつの間に私は寝間着に身を包みリビングに立っていた。彼の姿は既になく、寝室に移動していることが察せられる。プレゼントが入っている袋の中からあの箱を探すと、シャワーを浴びる前に確認した位置にある。彼がこれを見つけたとは考えづらい。私は箱を手に取ると、彼がいるであろう寝室へと歩みを進めていた。
扉の前に立つと、私は深く深呼吸をする。現役時代、レース直前にいつもやっていたやり方である。これから私は文字通り「勝負」をするのだ。レースの時とは違い未知の動悸が止まらないが、今となってはもう後戻りできない。今日こそ私は彼と本懐を遂げるのだ。逆に言えば、今日をおいては最後の一線を越えることができる日はない。今までの人生分の勇気を振り絞ってゆっくりとドアを開けた。
ドアの向こうで横になっている彼から反応はない。ベッドの上の彼はぐっすり眠っていた。体を放り出して、一切の思案や逡巡をかなぐり捨てるかのように滔々と寝息を立てている。近づいて見てみると、その寝顔は小さい子どものようである。私の淡い希望はあっさりと打ち砕かれた。しかし、彼の寝顔を見ても私に怒りや屈辱の情念は湧いてこなかった。
思えばここ数日の彼は働きづめであった。いくらオペラオーちゃんと元トレーナーさんの力を借りていたとはいえ、披露宴に関する最終的な調整は彼が行っていた。おそらくまともに睡眠すらとれていなかったのだろう。当日も来客一人一人に挨拶をするなど多忙を極め、おまけに披露宴後に親しい友人で打ち上げを行っていたのだからすべてが終わった後に何かをする余裕など到底ない。現役時代と同じように、私は彼に全てを背負わせてしまっていたのだ。
彼の体に布団をかけ、そのまま同じベッドに入っていく。彼の首に手をまわして包むように抱きしめた。自分を責めてばかりもいられない。「自責」をして「反省」したところで、その行為自体は彼の背負うものを減らすことにはならない。彼のために私ができることは同じものを背負えるようになることであり、それ以前に傷ついた彼を包み込むことである。体を交えるということは単に傷口を包み込むことではなく、同じ傷口どうしをすり合わせるであるのだ。いつか同じ傷を負った時には彼と一緒になれるのだろう。まだ包み込むことしかできない今はこうするほかないが、私は心から彼の傷を包んでいたい。それが彼の傷を知るということだからだ。 - 66二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:51:47
夜はいよいよ深くなる。これで彼と同じ大人になれるのだろうか。得体のしれぬ痛みの中で、いつの間にか私は意識を手放していた。
- 67二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 01:53:44
- 68二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 02:00:54
- 69二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 02:21:30
悪い意味ではないことを事前に告げておく
圧が……圧がすごく凄い…… - 70二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 02:33:46
高知に一等地なんてあるわけないんだよなぁ(地元民)
- 71二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 04:33:45
余計なお世話かもしれんが複数レスに分ける場合は視認性とかも含めてこれ↓つかったほうがいいかもしれん
Writening テキストページを一瞬で作成ユーザー登録不要。テキストを入力すると、共有可能な専用URLが即座に発行されるテキスト共有サービスです。writening.net - 72二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 05:53:56
全く知らないです…こんなssらしくないss書く人他にいるんですか!?
- 73二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 05:54:35
深夜テンションだったもので…
- 74二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 05:55:10
完全に忘れてた…申し訳ナス!
- 75二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 06:22:25
ガッシャンガッシャン
- 76二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 07:16:48
- 77二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 07:23:01
でも俺は白タキシードのトプトレがウェディングドレスのトプロをお姫様抱っこしているところが見たいよ
- 78二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 09:04:17
- 79二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 13:07:46
- 80二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 13:18:10
最後気づけてえらい
- 81二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 20:27:15
クソボケトプトレ概念は万病に効く
- 82二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 21:20:41
ウエディングプランナーと化した先生
- 83二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 21:23:20
目を離した隙に大作が投稿されてる…!
- 84二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 08:12:09
みんな可愛いねぇ
- 85二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 15:55:05
このスレまだ落ちてなかったんか
- 86二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 18:40:42
いつの間にか神SSが