ど…どうする…?

  • 1二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 21:35:34

    「どうするってキ、キスするんでしょう!?」
    「……じゃあ来てよ」
    「貴女からも来なさいよ…」
    「じゃあ……ん。」
    「っ……。」

    みたいな覚悟完了に時間かかりまくってるファーストキスウンキンはアリと思いませんか?

  • 2二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 21:38:51

    いいぞもっとやれ

  • 3二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:45:49

    >>1

    「……よし」


     大きく深呼吸して、先程から何度目かのよし、を呟く。そして、再び自身を再確認。

     お風呂に入って汗を流し、身体の疲れを落とし、ターフに舞う砂や泥を浴びた髪のケアもした。お風呂上がりには髪と肌の保湿、そして……今夜、部屋にやってくるあの子が好きそうな香りの香水を軽く纏う。

     後は彼女を迎える。何の事はない、泊まりにくるだけだ。ウララさんがライスシャワーさんのお部屋に泊まりに行ったように、今度は私が間も無くここへやってくる彼女を迎える。

     そう、それだけなのに。


    「……まだ、来ないのかしら」


     ほんの十数秒が、とても長い時間に感じる。普段ならウララさんが教えてくれる今日の出来事を聞いているだけで消灯時間になっているというのに。

     そうして再び胸いっぱいの息を吐き出したその時、扉を叩く音がした。思わず胸が高鳴る。


    「どうぞ」


     務めて平静を装い、ノックの音に応える。すると、ゆっくりと扉が開いて、いたずら好きの彼女がそっと顔を覗かせた。


    「どうも、おばんでーす」

    「随分遅かったのね。先に寝てしまおうかと思ったわ」

    「え~? いつも通りだよ」


     にゃはは、といつものように軽い笑みを浮かべ、彼女は私が腰掛けているベッドにピョンと飛び乗った。

     そして、私の側へと身体を寄せる。


    「……今日はよろしくね、キング」

    「……こちらこそ」


     彼女らしからぬ真剣な声色に、こちらも真っ直ぐにその瞳を見つめながら応えた。彼女の頬が、桜色に染まっているのは、気のせいではないだろう。

     恐らくは、私の頬もきっと、今の彼女と同じ色をしている。

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:46:11

    『ね、キング。今日、キングの部屋に泊まりに行って良い?』

     そよ風に当たりながら二人で昼食を摂っていた時の事、彼女が不意にそう言った。私はすぐさま、ウララさんとトランプで夜更かししたりしないなら良いわよ、と返すべく彼女の方へと振り向く。
     そして、彼女の表情を見た瞬間、私の唇は用意していた言葉を発する機会を失った。私やスペシャルウィークさん達と話している時の楽しげな笑顔ではなく、何かを決意した表情。皐月賞、ダービー、菊花賞。レース直前にその表情を何度も見てきた。
     そして、私に秘めた想いを打ち明けた時も、その表情だった。

     彼女が如何なる覚悟をその問いかけに秘めていたのか。流石の私にも分かる。
     だからこそ、私は部屋に泊まりに来る権利をあげる前に、その先の事を言ってしまったのだろう。

    『……今夜、ウララさんはいないわよ。ライスシャワーさんのお部屋に、泊まりに、行くから……』

     彼女の瞳が、大きく見開かれた。驚きの後から、複雑な感情が表情に溢れ出す。
     それから私達がどんなやり取りをして、どのタイミングで教室に戻ったのか。正直よく覚えていない。

    「でね、フラワーが作ってくれたクッキーが絶品だったんだ~」
    「流石はフラワーさんね。私も今度料理を教わろうかしら」
    「おっ、そういう事ならセイちゃんが伝えといてあげる。『キングが是非ともフラワーに弟子入りしたいって頭を下げてた』ってね」
    「ハイハイ、任せるわ」

     彼女がやって来てから、まるで本心を覆い隠すようにとりとめの無い話題を紡いだ。フラワーさんのこと、ウララさんのこと、スペシャルウィークさんを始め、私達の愛すべきライバル達のこと。

    「一度見てみたいなぁ、マンボが凄いスピードで飛ぶとこ」
    「ええ、そうね……」

     しかし、その手の話題というのは何かの拍子に間が空くと、あっという間に次が出て来なくなる。
     そうして、覆い隠していた本心が一気に心から顔を覗かせてくるのだ。

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:46:45

    「……」
    「……」

     ふと、彼女が私の方に顔を上げる。何かに期待するような、なのに目の前にある壁を恐れているような、そんな表情。
     けれど、それでも。彼女は私の瞳を見つめている。私が彼女を見つめるように、真っ直ぐに。

    「……キング」
    「……スカイさん」

     きっとお互いの名を呼んだそれが、合図だったのだ。迷いや葛藤を捨て、覚悟を決めてお互い最初の一歩を踏み出す為の。
     両の手が静かに伸びて、お互いの身体に触れる。そこから一気に熱が全身に広がって、鼓動はあっという間に加速していった。
     頭が真っ白になりそうな、痺れるような感覚がせり上がってくる。何度味わっても、心地良いとは言えない。
     けれど、私達の瞳は変わらず真っ直ぐに目の前の愛しい人を見つめていた。ゆっくりと互いを抱き寄せ、そして────。

    「────ッ」

     触れる。 音も無く、静かに私達の影が重なった。柔らかな感触、伝わる想い。それまでの緊張が、加速した鼓動が、頭が真っ白になりそうな痺れが、全部、全部愛おしさに変わっていく。
     嗚呼、私は愛しているんだ。全部、全部。目の前の貴方を、今までも、これからも、ずっと。

     いったい、いつまでそうしていたのだろう。私達は微かに身体を震わせながら、唇を離し、見つめ合った。
     刹那、力無く笑みを浮かべ、潤んだ瞳に想いが溢れ出す。私達は、ようやく次の一歩を踏み出したのだ。先程まで重なっていた彼女の唇が、ゆっくりと動く。

    「……好きだよ、キング。大好き」

     そう言い切ると同時に、彼女は嬉しそうに笑みを浮かべた。瞳から溢れてこぼれ落ちる想いもそのままに、私を両の手でしっかりと抱きしめる。 私は、迷わずそれに応えた。

    「好きよ、スカイさん……愛しているわ」

     それから消灯時間が迫るその時まで、私達はずっと互いの想いを分かち合った。
     そして、灯りを落として尚互いを抱き寄せ、暖かい想いで包み込む。私達は、想いを結んで初めて一緒に迎える朝陽を心待ちにしつつ、夜の海へと漕ぎ出してゆくのだった。

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:47:11

    以上、スレ主の提示した概念に全力でアリと応えたかったので勝手ながら筆を取らせて頂きました
    素晴らしい概念をありがとうございました

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 22:48:49

    よくやった…

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:04:38

    とんでもない高火力SSお出しされてもはや死ぬしかないじゃない

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:05:45

    助かる🙏

  • 10二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:12:40

    電撃3レス、残りレスを大きく残してこれはセーフティーリード!!
    見事神SSの栄光を手に入れた!!(実況並みの称賛)

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:15:21

    SSスレでやれ(褒め言葉)

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:37:20

    実質初夜だなこれ

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/12(月) 23:40:21

    することの方に一生懸命になって、好きと言うのが後回しになっちゃうとこ初々しくて好き。それでも忘れず欠かさず自然に好きと言うとこ好き

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 00:14:29

    推せる

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 05:42:44

    別に2回目だからって余裕でやれるとかそういう訳じゃないとかだとさらに初々しくてすき

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 05:46:48

    「この間私から行ったんだから今回はキングからがいいな~なんて♪」
    「──っ…わ…わかったわ…いいかしら?」
    「あ…う…うん…」

    ってなる二人……ってコト!?

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 07:29:47

    >>6

    ありがとう…それ以外に言葉が見つからない…

  • 18二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 17:10:42

    夏のウンスキンは清涼剤

  • 19二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 17:36:40

    一応この二人のCPを期待してスレを開いたはいいものの期待を遥かに上回る火力のものをお出しされて脳がバラバラになった

  • 20二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 21:17:36

    これ破壊力高すぎじゃない?
    ウンスキンってこんな尊かったの…??

  • 21二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 21:22:39

    たろう氏的にはどうなんだセイキン

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/13(火) 21:56:21

    >>20

    👺<ウンスキンはアニメ一期からガッツリ尊かった説があるぞ

  • 23二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 08:16:11

    >>22

    やはり公式

  • 24二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 17:10:48

    神概念&神ssじゃん…

  • 25二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 23:20:43

    >>22

    !?

    距離が…近い…!

  • 26二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 05:06:55

    こうして改めて見るとさ……キングとセイちゃんの身長差…いいよね…

  • 27二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 09:50:32

    155と159で4cm差か

  • 28二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:03:44

    同じくらいかなと思っていたけど確かに感じる身長差がいい…

  • 29二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:09:42

    >>26

    キングの方が高いのすごくすごい好き

    抱きしめた時にキングの胸に抱かれやすいのも良いし、キングが屈むんじゃなくてちょっとだけ踵を持ち上げてキングと唇を重ねるセイちゃんがすごくすごい想像できるのがまた良い

  • 30二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:11:24

    >>27

    あと一歩って時に頬を桜色に染めて見つめ合ったままたった4cmの距離が縮められないセイちゃんとキングは夏の疲れに効く

  • 31二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 18:27:11

    キングの肩に寄りかかって甘えやすい身長差なのは学会で発表されたばかりだ

  • 32二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 06:19:22

    >>29

    素敵やん

  • 33二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 06:51:51

    まさに金星の如き輝き…尊い

  • 34二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:09:24

    >>33

    金星はヴィーナスだから女神ともかかってるな

  • 35二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:14:41

    ふとキングとの身長差を意識しはじめちゃうセイちゃんからしか取れない栄養素は確かにある

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 16:37:46

    >>34

    もしかして、フランス語だとヴェニュスちゃん?

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 03:55:52

    >>3

    ありがとう…

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 15:45:14

    この2人のお付き合いはやっぱり隠してる感じなんだろうか
    何人かは感づきそうだけど

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています