- 1二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:16:34
- 2二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:22:02
栞は左足を動かし、地面から離そうとした。ローファーの裏からネバーッと何かがくっついているのが見えてきた。
栞「や、やっぱりね・・・」
そう、栞はうっかりガムを踏んづけてしまったのだ。
栞「もう誰よ!綺麗な道にガムを吐き捨てるだなんて最低!ちゃんとマナー守りなさいよね!」
とりあえず怒っていても仕方がない。ローファーの裏についたガムを剥がそうとするも、
まだ吐き捨てられて間もないのか粘着力が残っており、こびりついてしまって取りにくくなってしまっていた。
栞「さ、最悪・・・」
栞はとりあえず今すぐ家に帰ろうかと決心した。 - 3二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:28:13
グウゥゥゥ、と腹が鳴った。気付けばもうお昼だった。
今は財布に300円ほどしかない。
栞「ちょっと散歩するだけだから、あまりお金持ってこなかったのよね」
とりあえず近くのコンビニに立ち寄り、栞はエクレアを購入。
近くの公園のベンチに座り、一旦一息つくことにした。
栞「ランチにエクレアはあれだけど仕方ないわ。腹拵えしなくちゃ」
栞はエクレアにカプッとかぶりついた。
その時だった。 - 4二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:36:41
カプッとかぶりついた勢いでエクレアの最後尾の方から中身のカスタードクリームがドロッと漏れて落ち、
栞のハイソックスにベタッとかかってしまった。
栞「うわっ!そんな!」
栞は急いでエクレアを一気に口を入れて飲み込むと、ポケットからハンカチを取り出そうとした。
だがポケットの中には何もない。
栞「しまった!ハンカチ忘れてきちゃった!」
近くの水道の蛇口を捻って水を出そうとするも出てこない。
よく見たら小さい張り紙で「故障中」と書かれていた。
栞「ちゃんと見やすいように書いておきなさいよ!」 - 5二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:43:54
ハンカチを忘れてきてしまった上に水道まで壊れている。
こうなったら急いで家に帰るしか他になかった。
栞「なんて厄日なのかしら今日は・・・」
ガムを踏んでしまってローファーの裏にこびりついてしまうわ、
ハイソックスにカスタードクリームがベタッとかかってしまうわでもう散々だ。
栞は家に向かって走った。とにかく走った。
その途中だった。
栞「うっ!!」
足を止めた栞。彼女の目線の先には、気持ち良さそうに昼寝をしている犬の姿があった。
そのグレーの毛並みの犬はこの周辺をうろついている獰猛な野良犬で、
見つけた人をよく追いかけたり噛みついたりしていた。
栞「(まさかこんな所で・・・)」 - 6二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:45:42
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- 7二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 09:52:08
栞はグッと唾を飲み込むと、うっかり物音を立てて起こしてしまわないよう少し爪先立ててゆっくり歩き始めた。
もし起こしてしまえば、間違いなく怒って追いかけてくるだろう。栞は冷や汗タラタラだ。
突然、寝ぼけた野良犬が両方の前足で栞の足をグッと掴んできた。
栞「(ちょっ!コラ何するのよいきなり!!)」
突然の出来事に栞は思わず心臓が止まりそうになった。
野良犬は前足で栞の足を掴んだまま、ハイソックスをペロリペロリと舐め始めた。
ハイソックスにベッタリついたカスタードクリームの甘い匂いに反応してしまったのだ。
栞「(ちょ、やめて!くすぐったい!)」 - 8二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 10:02:19
あまりのくすぐったささに、栞は笑いが堪えきれなくなってきた。
それで表情が歪み、メガネが外れて地面に落ちカタン!と音を立てた。
その音に野良犬は目を覚ましてしまった。野良犬は栞の姿を見て、グルルルと怒るように唸りだした。
栞「(あ、終わった。これは終わった・・・)」
野良犬はワンワン吠え、栞を追いかけ始めた。
栞「うわあああ!!」
栞は急いで逃げた。必死に、とにかく死に物狂いで逃げた。
・・・・・・・・・・・・
家に着いた頃、栞のハイソックスは縫い目から酷く破けてしまっていた。
野良犬に追いつかれ、ハイソックスを噛みつかれて乱暴にグイーッと引っ張られた挙げ句に破けてしまったのだ。
ローファーはガムがこびりつき、ハイソックスはカスタードでベタベタになり野良犬にペロペロ舐められてヨダレまみれ、
更には噛みつかれて破かれてしまう、そしてメガネは落として紛失してしまった。
もう踏んだり蹴ったりで散々な栞なのであった。
おしまい - 9二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 10:08:20
乙!
- 10二次元好きの匿名さん22/02/16(水) 10:26:01
栞ちゃんドンマイ!って励ましたくなる