【クロス・ネタバレ注意】ペルソナ1〜5クロスオーバー妄想スレ3

  • 1二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:33:31

    ペルソナ1〜5のクロスオーバーを妄想するスレ
    噂現実化現象によって色々あって全キャラ集結した〜って感じで
    掛け合いとか合体コンタクトとかオリペルソナとかオリ合体魔法とか設定とか敵とか
    あらゆる妄想を語り合いたい

    元々は5(無印)をベースに全部クロスのSSを長年考えてたんだけど
    俺の力量じゃまとめきれなくて、そのうち外伝や追加要素がどんどん出てきてお手上げ状態になったので
    書いた設定やネタの供養をしたかった理由。5は無印しかやってないのとやったのが昔なので矛盾があったらごめんね
    レス稼ぎついでに設定とか供養ネタとか理由付けを落としてます。ネタバレ注意

    また落ちちゃったので再再度スレ立て。週末は保守やネタ投下あんまり出来ないです

    現在、供養するだけのつもりが筆が乗って何故かネタ作って落としてる状態です
    ネタが途切れたら整合性が取れてなかったり飛び飛びのシーンも多くなってくると思います

    一言だけでも感想や批評をもらえるととてもうれしい。
    現状ネタはあるのに筆が追いついてないという状態なので、保守にもご協力頂ければ幸い

    5もやったのは無印発売直後、3、4はやったのが5より更に前なのもあってうろ覚え(特に4)で、どうしても描写が少なくなるのと
    追加要素や番外系はやってない作品の方が多いので、その辺の話題や設定、ネタを補ってくれるととても助かります

  • 2二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:34:54
  • 3二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:36:58

    スレ主SS(未完成)の基本的な設定とQ&A

    Q.主人公の名前は?

    初代「藤堂 尚也」2罪「周防 達哉」罰「天野 舞耶」3主「有里 湊」4主「鳴上 悠」5主「来栖 暁」
    あくまでスレ主のSS内の設定なので、その辺は自由で。

    Q.時間軸と舞台は?
    時間軸はは「5」の騒動終了後、主人公帰ってきた後の長期休み。
    1、2(罰)、3、4も事件終了後。

    Q.どうしてこうなった?
    噂の現実化のせい。SNSって便利だよね
    原因の原因はいつものニャルフィレの実験と試練。

    Q.主人公たちのステータス(魅力とか)は?
    全員マックス。

    Q.3主人公は?
    一時的にエリザベスが身代わりになっている状態。
    あと、双子の姉の「奏」がいたけど両親ともども例の事故で亡くなってます。

    Q.ベルベットルームはどうなってる?
    出入り口は一般人には認知されず、疑問も持たれない。
    2仕様で実体があり、ペルソナ使いと一緒なら牧村みたいに一般人も認識できる。
    今回は人数が多いので劇場のホール。住民もエリザベス以外全員揃ってる。

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:41:21

    Q.『罪』メンバーは?

    『罰』達哉以外全員思い出しててペルソナも使える

    達哉だけは『罪』世界から出張してるので『罰』世界の達哉と共存してる状態。


    舞耶「待って。じゃあ世界のリセットも無効になるんじゃ…」

    達哉「リセットの条件は全員が思い出すことだ。一人だけ思い出していない…いや、思い出せない奴がいる」

    うらら「マーヤに、栄吉クンに、リサちゃんに、淳クン、そんで周防弟。これで全員じゃないの?」

    達哉「違う…俺は今回、<向こう側>の身体ごとこっちに来ている。<こちら側>の俺は別にいるんだ」

    リサ「つまり、達哉が二人いるってこと?」

    達哉「ああ。<向こう側>の記憶は俺が全部持ち帰っているから、<こちら側>の俺は何をしようと思い出さない」

    リサ「まっさかぁ。ドッペルゲンガーやシャドウじゃないんだから」

    克也「おっと、すまない。電話だ」

    パオフゥ「こういう時くらい電源切っとけよ…」

    克也「はい、周防です。…達哉!?」

    パオフゥ「(あんまり驚くな。不審がられる)」

    克也「(わ、わかっているから足を踏むな!)い、いや。お前から電話なんて珍しいと…それで、何か用か?」

    うらら「へー、本当みたい…」

    克也「ほう、吉栄くんに勉強を見てもらうのか」

    リサ「むっ」

    栄吉「(おい淳、ギンコ抑えとけ!)」

    淳「え?なんで…」

    克也「それはいい。きちんとお礼を言っておくんだぞ。

       僕は用事でしばらく家を空けるから、戸締りや食事は…なに、泊まる? 吉栄くんの家に?」

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:42:19

    パオフゥ「(芹沢)」
    うらら「(あいよー)」
    克也「待て待てそれは一体どういうことだ!?未成年の男女が一つ屋根の下で過ご(ドスっ)おぉぉぉ!?」
    パオフゥ「少し寝てろ」
    うらら「あー、ごめんごめん。達哉くん? 私よ私。芹沢うらら。…そそ、おにーさんの友達の。
        でさ、お兄さんってば興奮しすぎて気絶しちゃって。あー大丈夫大丈夫。後の処理はやっとくから」
    リサ「待った待ったあいつに達哉は渡さなーーむぐぐ」
    淳「リサ、抑えて!」
    栄吉「向こう側とこっち側のタッちゃんが会ったら面倒だろが…!」
    うらら「おにーさんの方はコッチで説得しとくから、達哉くんは勉強頑張ってねー。じゃ、バァイ」
    達哉「…こういうことだ」

    舞耶「なるほど…」
    パオフゥ「(記憶を戻して再会させて、別れも辛くさせるってか。相変わらず、趣味の悪い野郎だぜ…!)」


    Q.コミュは?
    5主がところどころ中途半端に終わっている。少なくとも千早コミュが完遂できていない
    ちなみに恋愛については第三の選択肢「考えさせてほしい」を選んでるので、主人公たちは誰ともくっついてない

    Q.ペルソナと主人公たちの強さについて
    数々の困難や戦いを切り抜けた経験から、全員のペルソナが「改」になっています。
    レベルやステータスが上がって、スキルも上位のものに強化されたり新しいものが追加されています
    主人公組の強さ(レベル)も全員クリア後相当

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:52:43

    前スレまでのあらすじ

    離散したペルソナ使い全員集合。占い師JOKERの正体が、コープ未完遂で放置された御船千早であることが判明
    破滅寸前の千早を救いJOKERになるよう唆した偽暁と、死んだはずの湊の姉の奏が敵対者として出現
    ペルソナ使いたちはスマル・プリズンを拠点に活動開始

    次の目標
    運命の教団の本部がある新生セベクビルに怪盗団たちを潜入させて千早を奪還するか偽暁を倒す
    八十稲羽で噂されていた殺人鬼JOKERについて調査する
    噂を集め、有利な噂を広める

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:53:55

    いま流れている主な噂

    『少年院に入れられた前科持ちの転校生』
    『占い師JOKERの力で総理大臣となった、日本初の女性総理大臣』
    『占い師JOKERには槍を持つ親衛隊がいる』
    『辰巳ポートアイランドで運命の教団の布教をしている全身真っ黒な男』
    『探偵、明智が秘密結社と戦って戻ってきた』
    『メジエドの創始者が帰ってきた』
    『蘇った連続殺人鬼JOKER』
    『殺人鬼JOKERと占い師JOKERは繋がっていて、邪魔者を排除するらしい』
    『ハッカー集団メジエドは運命の教団の下位組織』

    『トリッシュは最強であり、誰にも勝てない』

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 22:58:26

    『小話』パソコン集め

    双葉「噂集めに噂流し…やっぱりパソコンが欲しいな」
    暁「でも、過去の噂までは拾えないんじゃないか?」
    尚也「ベルベットルームに行ってみよう。あそこなら…」

    ーーベルベットルーム
    双葉「パソコン置いてあるじゃん!」
    イゴール「いつの間にやら置かれておりましてな…」
    ラヴェンツァ「すみません…ジュスティーヌとカロリーヌが買ってしまったらしく…」
    テオドア「気に病むことはない。私たちも退屈しのぎに使っているのだし」
    マーガレット「文明の利器というのはいいわね」
    悪魔絵師「僕もインスピレーションを得るのに重宝しているよ」
    暁「ネット回線あるんですね…」
    パオフゥ「2017年のネットにはここから繋げるわけだ」
    双葉「でもスペック物足りないな…ウチから少しパーツ持ってくる」
    尚也「イゴール、ここから他の時代にも繋げる?」
    イゴール「ええ、ベルベットルームに時間や空間の概念はありませんので。
         ただ、該当する時代に存在するパソコン以外は使えませんぞ」
    パオフゥ「飛ばされた先で携帯が通じなかったのも、似たような理由か?」
    イゴール「ですな。ついでに言えば、通信機器は同じ時代でなければ通じません」

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 23:01:26

    美鶴「となると…全ての時代のパソコンを買い集める必要があるか…」
    南条「資金のある俺と桐条、天野さんはいいとして…問題は…」
    陽介「俺たちですか…」
    悠「必要経費だし…割り勘で買うか?ジュネスに売ってるだろ」
    陽介「つっても、パソコンだろ? 割り勘でも結構するよな…」
    千枝「あたし今月厳しいんだけど…」
    美鶴「時代の近い私たちが代わりに買ってもいいが…」
    悠「流石にそれは申し訳ないというか…」
    舞耶「大丈夫! とっておきの方法があるわ!」

    「「噂を流す?」」
    舞耶「そう!『ジュネスで特別セールをやっていて、パソコンが格安で買えるらしい』っていう噂を流すの!」
    完二「そんなに上手くいきますかね?」
    パオフゥ「八十稲羽ってのは田舎なんだろ? 田舎は噂の伝達も早い」
    悠「陽介もいるからな」
    雪子「そっか、花村くんが噂を流せば説得力がある…!」
    悠「頼むぞ陽介」
    陽介「マジか…マジでやるのか?」
    パオフゥ「なぁに、興味の引き方くらいは教えてやるよ」
    うらら「店長の息子が『ここだけの秘密だけど…』なーんて言ったら、一発よね」

    そして。

    陽介「ほんとに売ってた。5000円で…」
    双葉「格安ってレベルじゃねえ!?スペックもそこそこだし、普通に売ったら最低5万は行くだろこれ!」
    南条「そんな値段で売って採算は取れるのか?」
    陽介「知らねえっす…」

  • 10二次元好きの匿名さん24/08/14(水) 23:03:24

    小話『フィレモンとニャルラトホテプについて』

    竜司「結局、ヒレモンとナルラトなんたらってなんなんだ?」
    真「フィレモンとニャルラトホテプ、ね」
    双葉「ニャルラトホテプは知ってる。クトゥルフ神話のトリックスターで、無貌の神。創作の定番だ」
    達哉「奴はそう名乗っているに過ぎない。性質は似ているが違うものだ。
       普遍的無意識の負の部分、人間の無意識に潜む闇や影そのもの。それが奴だ」
    竜司「普遍的無意識ィ…?」
    モルガナ「リュージはもう話聞かないほうがいいと思うぞ」
    暁「昔、モルガナがそんなことを言っていたような気がするな…」
    モルガナ「メメントスの時だな。あれはシブヤの人間の普遍的無意識の空間が…」
    竜司「だーッ!うるせえ!これ以上話をややこしくすんなって!」
    舞耶「わかりやすく言えば、あらゆるもののネガティブな部分を全部ひっくるめて一つにした存在」
    ゆかり「つまり…シャドウの親玉?」
    達哉「そのシャドウが有里から聞いた話の通りなら、そうだ」
    克也「とはいえ、そう単純な話でもない。悔しいが、人が人として在るために、奴の存在は間違いなく必要なんだ」
    悠「どういうことです?」
    克也「例えば、憎悪や憤怒は一般的にネガティブな思考として扱われる。つまりニャルラトホテプの領分だ。
       奴を人の心から除いてしまえば、何に対しても憎んだり怒ったりできなくなる」
    竜司「誰も憎まないのは良いことじゃねえの?」
    克也「例えば正義という概念は、何かに対する否定の心…怒りや憎しみがなければ成立しない。
       何も憎まず怒らないということは、いかなるものも全て許容し素通ししてしまうことに等しいんだ」
    真「なるほど…」
    尚也「そんな大物だったのか…危険なペルソナくらいの認識だったな」
    達哉「そしてフィレモンは、ニャルラトホテプの真逆…普遍的無意識の正の部分、いわゆる光そのもの。
       だが、あいつの助力もそれほど期待しない方がいい。両極端の存在であることに変わりないからな」
    双葉「ポジティブも行きすぎると大変ってことか…」


    以上、とりあえず即死回避…

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 09:49:35

    小話?『寝ようぜ』

    モルガナ「おい、どこ行くんだ?」
    湊「夜の探索だけど」
    モルガナ「疲れてんだろ、もう寝ようぜ」
    達哉「これくらい大丈夫だ」
    モルガナ「大丈夫じゃない。明日のためにも、もう寝ようぜ」
    達哉「いや、だから」
    モルガナ「もう寝ようぜ」
    湊「あの…」
    モルガナ「寝ようぜ」
    達哉「暁、どうにかならないか?」
    明「ん?」
    真「もう寝ようとしてる!?」
    杏「しかもちゃっかりソファに陣取って…!」
    暁「モルガナだったらなにを言っても無駄だからもう寝ろ」
    竜司「マジか!?」
    モルガナ「寝ようぜ」
    アイギス「寝ましょう」
    ゆかり「アイギスまで!?」

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 10:04:11

    アイギス「みなさんの健康管理も私の義務です。夜更かしはいけません」
    美鶴「そんな指示を出した覚えはないんだが…」
    湊「モルガナに感化されたかな」
    舞耶「仕方ないわね…」
    杏「舞耶さん?」
    舞耶「さあみんな、枕投げやるわよ!」
    「「は?」」
    克也「あ、天野くん…こんな時に一体」
    舞耶「勝った順に寝床を選ぶ! さあ、いくわよー!」
    南条「馬鹿らしい…こんなことをしている場合では」
    ブラウン「とかなんとか言って、負けんのが怖かったりしてなー?カンちゃん、フタバちゃん、南条を狙えい!」
    完二「う…ウッス!勝負事だしな…恨まないでくださいよ先輩!」
    双葉「わ、私が陽キャの遊びをやっている…!」
    南条「貴様ら…いいだろう、受けて立ってやる!」
    ゆかり「ほら先輩も!良い寝床取られちゃいますよ!動かないと!」
    美鶴「あ、ああ…!」
    栄吉「ちょうどいいぜ…タッちゃん、鳴上、番長頂上決戦といこうじゃねえか!」
    達哉「別に番長を名乗ってるわけでは」
    舞耶「そこにエルミンのスケバン、ユッキーのエントリー!」
    ゆきの「え?」
    悠「これは…負けられないな!」
    うらら「こらそこー!ペルソナは使用禁止よー!あと周防弟はピクシー付けてズルしないように!」

    そんなこんなで。久しぶりの笑顔を浮かべ遊び終えた一同は、心地よい疲れの中で眠りについた。

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 20:27:23

    学生たちが眠りについてしばらくして、パオフゥと克也が起き上がった。
    「よし、寝たな」
    「スタミナはさすがのペルソナ使いだが、やはり子供だな…」
    「ああ。遊び疲れさせて寝かせるとは、天野も考え…」
    「ぐー」
    「お前まで寝てんじゃねえよ。芹沢もだ」
    うららと一緒に爆睡する舞耶を叩き起こし、パオフゥがモルガナに声をかける
    「おい猫、起きろ」
    「…なんだよ、こんな時間に」
    「静かに。俺らは少し出てくる」
    「もう寝ろよ…お前らも疲れてんだろ」
    「ところが、そうもいかないんだ」
    「夜にだけ得られる情報ってのもある」
    「夜は大人の時間、ってね」
    「…ちゃんと戻って来いよ」
    「当然。だからそれまで、あの子達をお願いね」

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 20:30:11

    「ふ…ワガハイを誰だと思って…ムニャムニャ…」

    半分眠っているような状態だったモルガナが完全に眠ったところで、眠っていたはずの達哉が起き上がった。

    「俺も行く」

    「達哉クン、あなた起きて…」

    「<向こう側>じゃ、熟睡なんてしていられないからな」

    「………」

    現在の<向こう側>の詳細はまだよく聞いていない。

    だが、以前より洗練された動きで戦う達哉の様子からも、相当に過酷な状況が窺い知れた。

    「それなら余計にダメだ。せめて<こちら側>に居る間はしっかり睡眠をとれ」

    「兄さん!」

    「達哉クン、克也さんの気持ちもわかってあげて」

    「大人と子供とか、兄と弟とか関係なくてさ、周防弟が逆の立場だったら止めるでしょ?」

    「それに、お前さんとあいつらはあの野郎に対する切り札だ。こんな所で消耗させたくねえ」

    「…わかった」

    「じゃ、行ってくる」

    大人たちの説得を受け入れた達哉に見送られ、大人たちは夜の闇に消えていった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 07:12:03

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  • 16二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 16:51:29

    パオフゥたちの外出中。眠るペルソナ使いたちの意識はフィレモンのもとに招かれていた。


    『ようこそ。この場においては、私を知らない者の方が多いだろう。私はフィレモン…意識と無意識の狭間に住む者』

    「お前が…」

    「おお…フィレモン様…!」

    「佐倉の言ってた通り、本当に肩幅でけぇんだな…」

    『さて。そうのんびり話している時間もない。まずはこれを見て欲しい』

    そう言ってフィレモンが見せたのは、血管のようなコードがあちらこちらに伸びた、奇妙な形の盃。

    湊はそれに見覚えがあった。

    「何これ、トロフィー?」

    「“聖杯”だ…」

    ゆかりの問いに、湊が答えた。

    『そう、これは"聖杯"。ある悪神の残骸から作られた、願いを集める器だ』

    「悪神って…まさかヤルダバオト?」

    「俺たちが倒したはずだ」

    『その通りだ。しかしその残骸はある者により普遍的無意識の海から引き上げられ…作り変えられた』

    暁と祐介の言葉を受けて答えるフィレモンに、湊は訝しげな視線を向ける。

    『諸君、<向こう側>のことは聞いているかな?』

    フィレモンの問いに、全員が頷く。各々の時代で起きた事件の詳細は(ある程度ぼかしながらも)全員に共有されていた。

    それを聞いて、フィレモンは満足げに頷いた

    『結構だ。この聖杯が<こちら側>の世界を否定する願いで満たされた時、この世界は消滅する』

    「は!?」

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 16:52:40

    『正確には、<向こう側>が破滅する前の時間に巻き戻される。

     元々、君たちの生きる世界は<向こう側>の世界の惨状と悲劇を受け入れることができなかった者達が作り上げた世界だ。

     破滅の前へと時間が巻き戻ってしまえば、この世界が生まれることはない』

    「じゃあ…俺たちはどうなるんだよ?」

    『<こちら側>の影響を受けた全ての存在は消滅し、<向こう側>で新しく生まれ変わることになるだろう』

    「…もしかして、俺たちが生まれなかったり、出会わない可能性もあるのか…?」

    『その通りだ』

    「冗談じゃねえ!」

    「あのコードを切れば、聖杯は願いを集められなくなるはず…聖杯はどこにあるの?」

    『この世界の再生を望むものの手にある。奴はこの世界で様々な手を駆使して、願いを集めるために動くだろう』

    「俺たちに、それを止めろと?」

    『敵は多くの悪魔やシャドウを従えた、強大な存在だ。普通人では太刀打ちできない』

    「あんた自身は動かないのか」

    『私は強く現実に干渉できない。補助することはできるが、それ以上のことは難しい…』

    「………」

    『さあ、時間だ。目を覚ましたまえ…』

  • 18二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:40:08

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 09:41:37

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 09:58:04

    翌日の早朝。戻ってきた大人たちを、数人の少年と少女が出迎えた。
    「おかえりなさい」
    「お疲れ様です」
    「コーヒーを淹れておきました。ゆっくり休んでください」
    「…てめえら、起きてやがったのか?寝ろって言われただろうが」
    暁から差し出されたコーヒーを受け取りながら、パオフゥが渋面を作った。
    「ちゃんと寝ましたよ。でも、その件で…」
    「ありがと、暁クン。でも休んでる時間はなさそうなの」
    「何かあったんですか?」
    「厄介な三つの噂が流れている…とにかく、寝ているみんなを起こして集まってほしい」
    克也の言葉を聞いて、急いで起こしに回った。

    『心の怪盗団は運命の教団を支持している』
    『心の怪盗団は誰にも与しない正義の怪盗団』
    『運命の教団に所属すればミフネの力で新世界に旅立てる』

    メンバー全員を(一部は無理やり)起こした後、こう書かれたホワイトボードを背にして克也が口を開いた。
    「これが、僕らの集めた噂だ」

    「なんじゃこりゃ!」
    「正反対の噂が流れてる…これってどういうこと?」
    「噂に反発した奴が流したんだろうな」
    「二つ目の噂流したの三島だろ…」
    「あいつ…」
    怒って良いのか感謝して良いのか。複雑な表情で竜司と暁が顔を見合わせた。

  • 21二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 10:01:41

    「似た例は<向こう側>でもあった。俺たちがテロリストという噂を打ち消すために、正反対の噂を流したんだ」

    「どうなったの?」

    「俺たちとは別に、俺たちのシャドウがテロリストとして出現した」

    真の問いに答えた達哉の言葉に竜司が反応する。

    「ってことは…俺たちのシャドウが出てくるってことか!?」

    「でも、メジエドと同じで私たちの存在はまだ怪盗団と紐付けられてないんじゃ…」

    「そこも調べたぜ。お前ら、政府の高官や公安に顔割れてるだろ」

    「あっ…」

    「あとは公衆の面前で黒幕と戦ったのも原因だろうな。

     確証はなくとも、友人や親類なら気付いてもおかしくない」

    「ど、どーやって調べて…」

    「元検察舐めんな。それに…大人だからこそ使える手もあるんだよ」

    「パオフゥさんって検察官だったんだ…」

    「とてもそうは見えないけどね」

    意味深に笑うパオフゥを見て、信じられないといった風に呟く真にうららが頷く。

    「周防刑事…」

    「心苦しくはあるが、非常事態だ…」

    直斗の言葉を苦々しい顔で受け止める克也だが、すぐに切り替えて三つ目の噂を指した。

    「そして、最後…これが一番重要だ」

    「ミフネ…って、なんですか、それ?」

    「これを読んで」

    疑問を呈する学生たちに、舞耶が鞄から一冊の雑誌を取り出してテーブルに置いた。

    「『メー』?オカルト雑誌じゃない」

    「なになに…『運命の教団の教祖に特別取材…教祖、教団の最終目的を語る』…!?」

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 10:04:58

    「僭越ながら僕が要点を音読しよう。
     『“自分がどれほど運命を正してもこの世の悲劇は消えず、この世界はもはや救えない。ミフネを起動する時が来た”と教祖は語った。
     運命の教団の教祖、占い師JOKERの姓は御船と言う。ノアの方舟が世界中に存在する事実は
     本誌を愛読する読者諸兄もすでにご存じだろうと思う。ミフネとは、日本におけるノアの方舟の名前なのだ』」
    音読を始める克也。時間が経つごとに胡散臭さを増していく内容に、一同の顔がげんなりとしていく。
    「『御船家は代々ミフネを守護する使命を持った一族であり、世界が混沌と絶望に包まれた時
     その当主はミフネを起動し、絶望に満ちた古い世界を滅ぼして教団の人間を希望に満ちた新世界へと導く役割を担っている
     それは奈良時代の遺跡から出土した木簡からも明らかでーー』…読んでいて頭が痛くなってきた。
     要点は言ったから気になる人は自分で読んでくれ」
    克也はそう言って締め、絶妙な沈黙が場を支配する。その中で最初に声を上げたのは竜司だった。
    「うっさんくせえな!なんだよコレ!」
    「『メー』ってそういうものだし…」
    「Naoya、この文末に書いてあるインタビュアー兼執筆者兼編集長の名前…」
    「黒瓜って書いてあるな…」
    「知り合い?」
    「一応…」
    「随分とqualityが落ちていると思ったら、相変わらずデタラメを並べ立てているようですわね…!」
    「あれ、エリー先輩ってオカルト好きなんじゃ…」
    「オカルトとデタラメは違います!」
    「こんなのが噂になってるなんて…」
    「こんなもん、いったい誰が信じるんだ?」
    「『メー』単体なら笑い飛ばされてたでしょうけど、今まで謎の存在だった占い師JOKERが関わっているせいね…
     見出しにこんなのが載ってれば、みんなこぞって読みたがる…」
    真の言葉に、克也が頷いた。
    「その通りだ。そのせいで、『占い師JOKERを取り扱った記事や書籍は必ず売れる』という噂まで流れている」
    「その手の人間しか読まないようなオカルト雑誌がバカ売れすればそうなるよな…」
    「いや他人事じゃないぞ、金のためだったら捏造でも何でもする連中だっているんだ」
    「教祖が奇跡を起こし続けてきたから、デタラメでも信じる人間が増えているんだ…急がないと手遅れになる!」
    「よーし、みんな行くわよ!」
    舞耶が号令し、一同は駆け出した。

  • 23二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 21:09:45

    おまけ
    ゆかり「舞耶さんたち、寝てないって聞きましたけど…大丈夫なんですか?」
    克也「大丈夫さ。仮眠はとったからね」
    舞耶「そうそう!仮眠もできないようなもっと酷い日もあるし!三日…いや四日前の修羅場に比べれば!」
    湊「(あ、地雷踏んだな…)」
    舞耶「カニ缶!カフェイン錠!栄養ドリンク!これがあれば締め切り間際に原稿真っ白でも怖くない!」
    克也「天野くん…」
    美鶴「これが噂に聞く企業戦士というものか…」
    うらら「アレはダメな例。美鶴ちゃんも偉くなったら部下の健康は大事にしてやんなさい」
    順平「大人も大変なんスね…」

  • 24二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 08:04:00

    小話『ペルソナ談義』

    竜司「尚也たちはあそこで何やってんだ?」
    マーク「ペルソナの付け替えだろ」
    竜司「付け替え! そんなことできるのか!」
    南条「俺としては、有里と鳴上と来栖以外できないという方が驚きだ」
    イゴール「ペルソナの入れ替え…我々は降魔と呼んでおりますが、これは誰しも行うことができるはずなのです」
    竜司「ぶ、ブキミだからいきなり出てくんなって…」
    美鶴「なら、何故できない?」
    イゴール「断定はできませんが…覚醒が不完全であるのかもしれませんな」
    美鶴「我々のペルソナは召喚器を使って出しているもので、八十稲羽や東京のペルソナ使いも限られた空間でしかペルソナを行使できない…
       なるほど、普段からペルソナ召喚を行える者とは、少し勝手が違うのかもしれない」
    陽介「でも、いつかは俺たちも使える時が来るかもしれないんだろ?」
    イゴール「そうですな。それが人というもの…可能性です」

    ・ ・ ・

    尚也「…ということがあったので、先輩として解説しようと思う。エリー、お願いしてもいいか?」
    エリー「No Problem! 先程からお話は聞いておりました。僭越ながら、この私がlectureをさせていただきます」

    エリー「personaの素材となるカード…私たちはスペルカードと呼んでいるものです。こちらをご覧ください」
    真「なんだか、タロットカードみたいね」
    エリー「良い着眼点をお持ちですわね。ペルソナはタロットカードのアルカナになぞらえた属性を持ち、それぞれに相性があるのです。
        たとえば私はJUDGEMENT…審判のアルカナに属するPersonaと特に相性が良いということです」

  • 25二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 08:05:13

    エリー「Michele、ホワイトボードなどありませんか?」
    栄吉「(み、みしぇ…?)」
    淳「(ミッシェル…栄吉のことだと思うよ)」
    栄吉「お、おう。あるぜ」
    リサ「なんであんたが動揺してんのよ…」
    エリー「Thank you! では…」

    愚者…全員
    魔術師…綾瀬優香、伊織順平、花村陽介、モルガナ
    女教皇…園村麻希、山岸風花、天城雪子、新島真
    女帝…黛ゆきの、桐条美鶴、奥村春
    皇帝…藤堂尚也、巽完二
    法王…南条圭
    恋人…リサ・シルバーマン、岳羽ゆかり、久慈川りせ
    戦車…稲葉正男、アイギス、里中千枝、坂本竜司
    剛毅…コロマル
    隠者…佐倉双葉
    運命…黒須淳、白鐘直斗
    正義…上杉秀彦、周防克哉、天田乾
    刑死者…パオフゥ
    死神…三科栄吉、有里湊
    節制…不在
    悪魔…城戸玲司
    塔…不在
    星…芹沢うらら、真田明彦、クマ
    月…天野舞耶
    太陽…周防達哉
    審判…桐島英理子、来栖暁
    世界…鳴上悠

  • 26二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 08:10:40

    エリー「…表すなら、このような感じでしょうか。アルカナには相性があって、FOOLは誰とも相性が良く…」
    尚也「人類みな愚か者…か」
    パオフゥ「間違っちゃいねえぜ。バカじゃねえ人間なんて居るもんかよ」
    うらら「まぁたそうやって捻くれた事言っちゃってさ」
    竜司「嘘だろ…ブラウンが正義…?」
    順平「(女帝は納得だな…)」
    モルガナ「…ワガハイが魔術師というのは良いのだが。他がなんかチャラいぞ」
    陽介「チャラくねえよ!?」
    竜司「昔のファッションってのはそういうモンだったんだろ…」
    アヤセ「ちょっとぉ、あんまりムカシムカシ言わないでほしーんだけど」
    湊「………」
    乾「どうしたんですか、リーダー」
    湊「なんでもない」
    美鶴「有里と三科が同じアルカナか。意外だな」
    順平「地味にショック受けてただろ、お前」
    栄吉「まっ、死神って一般的には不吉の象徴だからねェ。気落ちするのもわかるよォ?」
    順平「お前と一緒が嫌なんだろ」
    栄吉「ホォォ!? 何故にホワイ!?この元死神番長ミッシェル栄吉様と同じが嫌だって言うのかいベイビー!?」
    雪子「ぐふっ…!」
    千枝「雪子落ち着いて…」
    舞耶「おかしいわね…」
    エリー「何か?」
    舞耶「悠クンに暁クン、湊クンは何でも降魔できるみたいなのよ」
    悠「それについては、イゴールがワイルドの能力がどうとか言っていました」
    達哉「ワイルド…ワイルドカードか」
    パオフゥ「誰にでも降魔するペルソナのジョーカーに、ペルソナを何でも降魔できる人間のワイルド…ね」
    克也「フィレモンはワイルドカードを与え、ニャルラトホテプはジョーカーを与える…まさに、表裏一体だな」

  • 27二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 19:21:38

    ⭐︎『間違えた』
    エリー「Yukino…ずっと言おうと思っていたのですが」
    ゆきの「何さ?」
    エリー「…Kanadeのペルソナの外見…あれはタナトスではなくヒュプノスでは…」
    アヤセ「霧島、よくそーいうの覚えてんねー」
    ゆきの「ふ、雰囲気似てたし…」
    ブラウン「人間の時のが強烈な連中だったし、無理もねーっしょ」
    湊「じゃあ、俺の姉さんのペルソナはヒュプノスなのか?」
    淳「そうとも限らない。同じ名前でも、人や時代によってペルソナの見た目は変わるようだから」
    順平「…なんで俺見ながら言うの?」

    ごめん素で間違えてた。なぜか「異聞録」ヒュプノスをもう少しマッシブにした感じのイメージだった

  • 28二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 05:59:07

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  • 29二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 17:34:42

    小話『声』

    マーク「にしても、お前ら本当に声似てるよな。親戚とかじゃねーんだろ?」
    栄吉「ノォウ!?冗談だろう!?このアゴヒゲ侍とミッシェェェェル栄吉様の声が似てるなんて!」
    順平「誰がアゴヒゲ侍だこの八頭身ジャックフロスト」
    陽介「いやフツーに似てるだろ」
    尚也「わかる」
    湊「そっくりだ」
    順平「お前も藤堂と声そっくりじゃねーか」
    湊「そう?」
    尚也「なかなか自分じゃ気付かないよな………」
    マーク「いま交渉に使えるって思ったろ」

  • 30二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 02:22:52

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  • 31二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 13:04:32

    ーー新宿、ニューセベクビル改め運命の教団本部
    新宿では、実験の余波によるものか地面の至る所に亀裂が走っていた。
    「ひでぇな…」
    「みんな平然としてるのはどういうこと…?」
    「認知の力だろうな…『こんなオカルトは起こり得ない』とみんなが認識してるんだ」
    陽動のメンバーには、達哉と玲司、南条が志願した。
    彼らと怪盗団は近くの物陰に集合し、声を潜めて最後の確認をする
    「(意外と外側の警備は緩そうだな…警備員が二人だけだ)」
    「(さて、準備はいいか?)」
    「(モルガナ、一度猫になって、あの茂みに隠れていろ)」
    「(お?おう…)」
    達哉がビルの周囲にある街路樹の低木をを指さす。
    「(突入メンバーだぞ、何をさせるつもりだ)」
    「(必要なことだ)」
    「(必要って…おい、周防!)」
    竜司の静止を振り切り、日本刀を片手に達哉がビルの前に躍り出て、守衛に切り掛かった。
    「な、何だお前…ぐああっ!」
    「警備室、警備しーーぐわっ!」
    達哉は瞬く間に守衛二人を制圧し、二人の衣服を漁って何かを回収した。
    それを捨てるフリをして、低木に隠れていた猫ーーモルガナ目掛けて投げる。
    「おのれ、背教者め!」
    「来い、相手をしてやる」
    すぐにやって来た大勢の警備員達を相手に、達哉がニヤリと笑った。

  • 32二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 13:20:58

    「マジかよアイツ…!」
    「アキラ!」
    警備員たちを挑発して挑み掛かる達哉に一同が戦慄する中
    達哉の投げたカードキーと社員証を咥えた猫状態のモルガナが戻って来た。
    「あいつ、このためにあんな無茶を…」
    「俺好みのやり方だな…行くぜ、南条」
    「まったく、呆れた男だ…城戸、俺は仲介に入るが殴るなよ」
    玲司が達哉に加勢するのを確認して、南条も善意の市民を装ってそれに乱入する。
    「やめたまえ、二人とも!」

    「タツヤ達が引き付けてるうちに急いで入ろうぜ!」
    警備員達の注意が完全に逸れたところを見計らい、怪盗団も動き出す。
    「ああ!みんな、ショウタイムだ!」
    全員が怪盗服に着替え、達哉たちが警備員と乱闘しているうちに素早く社内へと潜入した。

    ニューセベクビルの一階は閑散としていた。
    「受付みたいだけど…誰もいないわね」
    床には物が散乱しており、表の騒ぎを見て慌てて逃げ出したようだった。
    「みんな逃げたようだな」
    「そっちの方が都合が良いけどね。あ、エレベーター止められてる…」

    「警備員はみんな周防たちが引き受けてるってことだろ…大丈夫か?」
    「信じるしかない。敵の相手をしている時間も惜しい…見つからないように気をつけよう」
    「ひそかに、そして大胆に…ってやつだな!」
    敵の気配に気をつけながら、怪盗団たちはビルの階段を駆け上がっていった。

  • 33二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:07:27

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 08:51:09

    小話『狭い世界』

    真「あの、周防さん、新島という警察官をご存知ですか?」
    克也「どの新島さんかはわからないが…署に新島という人はいる。親しくさせてもらっているよ」
    達哉「知ってるのか」
    克也「ああ。最近、東京から珠閒瑠に赴任してきたんだ。娘が二人いて…」
    真「冴と真の二人姉妹、ですよね…私、妹の真です」
    克也「君が真ちゃん!?」
    真「はい。姉ともども子供の頃にお世話になったようで…」
    克也「待ってくれ、人違いという可能性は…」
    真「…カレーが好きな癖に辛いものが苦手、猫が好きな癖に猫アレルギー。
      見た目に反して趣味はお菓子作りで、よく私たちへのお土産に手作りのお菓子を持たせてくれた」
    達哉「…間違いなく兄さんだな」
    克也「君が、あの真ちゃんとは…少し妙な感覚だな…よく覚えていたね」
    真「達哉お兄ちゃんと克也お兄ちゃんのことを、お姉ちゃんはいつも嬉しそうに話してたんです」
    克也「達哉も一緒に居たのか!」
    真「はい。よく遊んでくれて、面白いお兄ちゃんだったと…」
    克也「そうか…世の中は狭いな…」

    双葉「パオじろーもそーじろーとなんか関係あるんじゃないか?」
    パオフゥ「…ずっと気になってたんだがな、そのそーじろーってのは、もしかして佐倉惣治郎か?」
    双葉「言ってなかった?」
    パオフゥ「聞いてねえよ!…で、お前の親は…」
    双葉「父親はわかんないけど、お母さんは知ってる。一色若葉っていう名前…」
    パオフゥ「…なるほどな。その惣治郎ってのは今何してる?」
    双葉「へ?四軒茶屋でルブランって喫茶店開いてる…ってパオじろー?」
    パオフゥ「ちょっと行ってくる。…ほんと、狭い世界だ」

  • 35二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 19:51:54

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  • 36二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 07:05:38

    小話『ルブランにて』

    惣治郎「美人が来るのは歓迎だが、せっかくの休みをこんな所で潰して良いのかい?」
    冴「良いんです。来栖くんや双葉さんから見た真の話にも興味がありますから」
    惣治郎「いらっしゃい」

    うらら「…パオ。あんた今喋った?」
    パオフゥ「いいや。そこにいるマスターと俺の声が似てるだけだ。そうだろ、ソウちゃん」
    惣治郎「お、お前…嵯峨か…!?」
    パオフゥ「おう。ちっと訳アリでな」

    事情説明中…

    惣治郎「…てことは何か、お前は十年以上前の世界から飛ばされてきたってのか」
    パオフゥ「そういうことだ。…んで、聞きたいことは山ほどあるが、まずは双葉のことだ」
    惣治郎「あいつも絡んでんのか…懲りたと思ったのに、誰に似たんだか」

    ・ ・ ・

    パオフゥ「若葉の娘か…なるほど、似てるはずだ」
    うらら「…その、若葉…さん?は」
    惣治郎「消されたよ…」
    うらら「消さ…!?」
    パオフゥ「うるせェぞ芹沢」

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 07:12:07

    惣治郎「お前は驚かないんだな」
    パオフゥ「人のこと言えねえってのもあるが…あいつもそういう性格だったと思ってよ」
    惣治郎「過ぎたことだ。ただ…あいつの前では触れないでやってくれ」
    うらら「…と、ところでさ、二人ともどうやって知り合ったの?」
    パオフゥ「昔の飲み仲間だよ。一人で酒飲んでる時に、この佐倉と一緒にいた若葉…双葉の母親に声をかけられたのさ」
    惣治郎「若葉の奴が、俺とこいつの声が異常に似てるって騒いで、それからの縁さ」
    パオフゥ「…最近、調子はどうだ?」
    惣治郎「ロクでもない事も多いが、それなりに元気にやってるよ。手のかかるガキどもも居るからな。お前はどうだ?」
    パオフゥ「似たようなもんだ。面倒も多いが、ちょっとは良い事もある…」
    惣治郎「そいつはいい」

    うらら「ところで、ソウちゃんってなんなの?」
    惣治郎「若い頃のあだ名だよ。ちなみにそいつはかおるちゃんだ」
    パオフゥ「あ、てめぇ!」
    うらら「ぷっ、その顔でかおるちゃんって…」
    パオフゥ「だから言いたくなかったってのに…!」

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 18:46:22

    このレスは削除されています

  • 39二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 00:46:23

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 08:42:57

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  • 41二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 19:26:17

    保守

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