- 1二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:29:56
ニンゲンが地底世界を去った後、モンスターたちはどう過ごしたのか、という物語を安価で作りたい。
もちろん全部ネタバレ注意。
ただし今回はGルートとNはNでもロードしたらPルートに行けるルート(全員と友達ルート)、
そして、既に通ったルートは除く。
過去スレまとめはこちら。
過去スレ一覧&現在までのエンディングリスト | Writeningアンダイン死亡の追放トリエルエンドから、スパゲッティアンドピースな世界になった1スレ目 https://bbs.animanch.com/board/2864876/ 全員生存のアンダイン裏切られエンドから、ある種の『真実』を知ってし…writening.net - 2二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:30:49
Nルートまとめは以下の表の通り。
(参考元:Undertale Japan Wiki
https://undertale.fandom.com/ja/wiki/Undertale_Japan_Wiki
ライセンス:CC-BY-SA)
今回も、まずどのNルートを経たのかを決める。
このニンゲンはトリエルを殺した?見逃した?
- 3二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:45:47
見逃した
- 4二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:52:31
- 5二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:53:55
無事だ
- 6二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:56:34
- 7二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 21:57:43
殺した
- 8二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:00:33
ここに来て、だ。
ここに来て、8つのルートを辿って、ついに、だ。
ついにニンゲンは、パピルスを、手にかけた。
パピルスの首が、ぼとりと胴体から外れた。
ニンゲンがそれをどんな顔で見ていたのかを知っているのは、パピルスだけだろう。
……スノーフルのモンスター、ロイヤル・ガードたちは無事だろうか?
- 9二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:06:37
無事だ
- 10二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:09:44
どうやらイヌたちは無事のようだ。
ニンゲンはパピルスのチリを払いながら、ウォーターフェルへとやってきた。
アンダインは、もう、パピルスに何か起こったことに気付いているようだ。
ニンゲンはそんなアンダインを……
- 11二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:11:05
このレスは削除されています
- 12二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:12:05
殺した
- 13二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:19:48
ニンゲンは、アンダインを殺した。
彼女はその体をドロドロに溶かし、怨嗟の呻きを上げながら、死んでいった。
彼女は、愛する弟分の仇を取る事は出来なかった。
ウォーターフェルのモンスターたち……シャイレーンやアーロンたちは無事だろうか?
- 14二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:20:11
無事だ
- 15二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:22:47
- 16二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:35:19
殺した
- 17二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:40:49
- 18二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:42:46
全滅した ついでにロイヤルガードとマフェットも殺した
- 19二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:45:57
どうやら中枢部は壊滅状態のようだ。死屍累々とはこのことだろう。
ニンゲンは、チリにまみれた姿で、おしろにたどり着いた。
そして、アズゴア王と対峙した。戦った。
ニンゲンは、アズゴア王を見逃そうとした?それとも……
- 20二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:48:45
見逃そうとした
- 21二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:51:28
ニンゲンは、チリにまみれた両手で、アズゴア王を見逃そうとした。
しかし横から現れたフラウィが、アズゴア王のタマシイを破壊した。
最終的に、6人の人間のタマシイが、ニンゲンを助けた。
いつものように。
ニンゲンは、萎れたフラウィを殺した?見逃した?
- 22二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 22:56:27
見逃した
- 23二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:05:55
ニンゲンは、フラウィを見逃した。
動揺するフラウィを置き去りにして、ニンゲンは、地底を去った。
地底では、トリエル、サンズ、フラウィが生きている。
地底では、パピルス、アンダイン、メタトン、アズゴアが死んでいる。
そしてアルフィーは……
サンズは、ニンゲンの携帯電話に、メッセージを残す事にした。 - 24二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:07:40
女王がリーダーとして戻ってきた事、落ちてきたニンゲンには仲間として接するようにおふれを出した事。
しかし、ニンゲンにアンダインとメタトンとアズゴアが殺され、
6人のニンゲンのタマシイも無くしたモンスターたちには受け入れられなかった事。
モンスターたちは反逆を起こしたが、女王はあっさりそれを受け入れ、遺跡に帰ったこと。
希望の失われた地下世界は、リーダーのいない無政府状態である事。
女王が遺跡に戻った時、サンズ自身も、図書館の本数冊と共に、彼女についていき、共に暮らす事にした事。
「もう一度、あの子に会いたい」
女王が、そう言っている事。
でも、オイラには言えない、と、サンズは言う。
何故なら、女王様がニンゲンを匿ったせいで、「パピルスはニンゲンに殺された」のだから。
最後にサンズは、こう言って電話を切った。
二度と来るな。顔も見たくない――と。
この物語の後日談は、ここから始まる。
まずは誰の目線から、後日談を始めようか?
今日は寝ます。
- 25二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:12:15
ガーソン
- 26二次元好きの匿名さん24/08/15(木) 23:16:12
サンズ
- 27二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 00:13:35
グライド
- 28二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 00:15:55
フロギー
- 29二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 08:57:56
- 30二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 11:29:40
パピルスいないのは辛いな…
- 31二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 19:22:30
パピルスがいないというだけで凄いお先真っ暗感ある
- 32二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 19:31:39
- 33二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 21:31:00
アンダインの葬儀は、しめやかに営まれた。
喪主はガーソンが務める事になり、会場には彼女の家が選ばれた。
ロイヤル・ガードのイヌたちや、生前彼女と親しくしていた者たちが集い、別れの挨拶をし、いかに彼女が強く、勇ましく、優れた戦士だったかを語り合った。
そこに、彼女のチリはなかった。
彼女はニンゲンと戦った。
ニンゲンと戦い、そして、勇敢に散って行った。文字通り。
だからそのチリも風に乗ってどこかへ飛んでいってしまった為、家にあった予備の眼帯を彼女の遺体に見立て、葬儀を行うことにしたのだ。
夜がふけて、ウォーターフェルに静かに虫の声が響き出した頃、参列者たちはぽつぽつと家に帰り出し、最後にガーソンだけが取り残された。
ガーソンは、何のタマシイも宿らない眼帯を、そっと撫でた。
「……いくら勢いがあるからって、年寄りより先に逝くもんがあるか、この大馬鹿モンが……」
吐き出された声は、震え、ひび割れていた。
戦争中も多くのモンスターを見送ったが、あの時も、倒れた端からすぐにニンゲンが押し寄せて、戦没者のチリなど、一握りも残らなかった。
――ニンゲンめ。
ガーソンは、知らず、歯を食いしばった。
その時……
- 34二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:04:53
サンズも来た
- 35二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:05:55
モンスターの子が泣きながら来た
- 36二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:31:57
カビが来た
- 37二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:35:59
あの二人組のロイヤルガードが耐えきれずに泣き出す
- 38二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:39:59
- 39二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 22:44:19
- 40二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 23:17:23
その時、誰かが玄関をノックした。
「……」
ガーソンは杖を握り込みながら、そっと外の気配を探った。……よくわからない。
諦めてため息をつきながら玄関を開けると、
「よお」
と、スケルトンが軽く片手を上げて、挨拶した。サンズだ。
「……お前さんか。……入りなさい」
「どーも」
サンズはきんいろのはなの花束を眼帯に供えると、しばし目を閉じ、黙祷していた。
ややあって、サンズが目を開けた頃、ガーソンが言った。
「……久しぶりじゃの。てっきり、いせきの方に引きこもってるのかと思ったわい」
「そうか?」
返事はそれだけで、それで、言葉は途切れた。
……どんな会話をしたものだろう。
やがて、サンズの方が、口を開いた。
「>>45」
今日は寝ます。
- 41二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 23:25:34
すまない
- 42二次元好きの匿名さん24/08/16(金) 23:26:19
パピルスはよくアンダインの話をしていた
- 43二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 00:05:00
最近のウォーターフェルはどうだい?
- 44二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 06:30:22
俺が殺していればパピルスもアンダインも…
- 45二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 11:00:22
- 46二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 15:55:38
- 47二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 21:52:46
「パピルスは、」
唐突に、サンズが口を開いた。ガーソンは微かに息を飲んで、彼の言葉の先を待った。
「よく、アンダインの話をしてたんだ。
突然ロイヤル・ガードになりたいって言い出したと思ったら、夜通しアンダインんちの前で座り込んでさ。
いざ訓練が始まった時の、あの喜びよう……」
サンズは、そこで言葉を切った。
「……来年には、食えるもんを作れるようになると思ったんだけどなあ」
ぽつりと吐き出された言葉は、微かに震えていた。
「……サンズ……お前さんは、」
そうだ――彼も被害者だ。たった一人の弟を、あのニンゲンに奪われた被害者だ。
一体、何と声をかければいいのだろう。
悩んだガーソンは……
- 48二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 22:02:15
お前さんのせいじゃない
- 49二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 22:02:35
今は休め
- 50二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 22:15:29
お前さんの行いは間違ってない
- 51二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 22:16:50
もう止せ
- 52二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 22:24:23
- 53二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 23:00:23
- 54二次元好きの匿名さん24/08/17(土) 23:37:44
「サンズ。お前さんの行いは、間違っとらんよ」
ガーソンが静かにそう言うと、サンズはガーソンの方を見ずに、
「ああ、そうだな」
と言った。酷く、静かな声だった。
「オレは、間違える事も出来なかったんだ」
それは一体どういう――意味を聞こうとした時、もう、サンズの姿はどこにもなかった。
彼が今ここにいた事を証明するものは、少しだけ増えた、お供えの花だけだった。
あの、静かな声。希望のない声。何もかもを諦めた、諦念の声。
それは何だか、単に弟が死んだ、だけではない「何か」を感じた。
ガーソンは、静かに息を吐き、そして、彼女の安らかな眠りと、彼の明日を思い願った。
次の日……
今日は寝ます。
- 55二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 02:25:22
サンズはグリルビーにいた
- 56二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 10:33:20
メタトンのファンが泣いていた
- 57二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 11:12:24
テミーとボブがウォーターフェルを散歩していた
- 58二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 14:22:24
トリエルはニンゲンが来ないか見回しをしていた
- 59二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 20:21:21
- 60二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 20:41:41
- 61二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 22:18:22
翌日、サンズはグリルビーズにいた。
彼がグリルビーズにいるのはいつものことだが、最近は、様子が色々と変わってしまっていた。
その原因は言わずもがなであり、だからこそ、誰もサンズに声をかけることが出来なかった。
だって、一体何を言えばいい?
愛する弟を、それも、ニンゲンに殺されるという、最悪な失い方をした彼に――
サンズはバーカウンターに突っ伏して、身じろぎもしない。
普段は――つまり、弟が死ぬまでは――飲まないような強い酒を呑んで、ぴくりとも動かない。
傍のバッグには、図書館から持ってきたと思しき新しい本が、何冊か入っていた。
一体どうしようかと他の常連客が考えあぐねた時――
- 62二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 22:27:19
モンスターの子供がきた
- 63二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 22:32:00
グリルビーズの常連になったバガパンが飲んだくれに来る
- 64二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:31:01
王都の方から手紙が届いた
- 65二次元好きの匿名さん24/08/18(日) 23:32:00
>>67まで伸ばして今日は寝ます。
- 66二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 08:51:22
- 67二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 08:53:38
- 68二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 17:49:34
- 69二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 19:46:57
「こ、こんにちは〜……?」
不意にグリルビーズのドアが開き、常連客たちは一斉にそちらを見た。
そこには、思ったよりずっと小さな影……モンスターの子どもがいた。
「おチビちゃん、ここは大人が来るところッス」
(パパやママはどうしたサ?)
イヌッスとイヌッサがしゃがみ込んで、モンスターの子どもと目線を合わせる。
「そ、それは知ってるよ。ただオレはちょっと用事があって……」
モンスターの子どもが、イヌカップルの横から顔を出す。
「あ、いた……おーい、サンズ!」
そして他の客がギョッとするのにも気付かず、サンズの元に走っていった。
「なあ、サンズ……ちょっと、オレ、頼みがあってさ……」
モンスターの子どもの頼みとは……?
- 70二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 21:35:41
知ってることを全部教えてほしい
- 71二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 22:13:09
アンダインを探してほしい
- 72二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 22:57:35
>>75まで伸ばして今日は寝ます。
- 73二次元好きの匿名さん24/08/19(月) 23:25:47
何があったのか、本当のことを教えてほしい
- 74二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 07:16:45
- 75二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 15:23:23
- 76二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 18:57:58
- 77二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 21:38:25
「……どうした?」
サンズがのそっと体を起こす。丸められていた背が少しだけ戻った。
「オレ……その……あ、アンダインの、オハカマイリ?に行きたいんだ……」
オハカマイリ……お墓参り……?
その単語が頭の中で像を結んだのか、サンズの眼窩に光が戻ってきた。
「父ちゃんも母ちゃんも、最近外は危ないから出るなって言うけどさ……でも、オレだって、アンダインに、きちんとお別れを言いたいよ」
モンスターの子どもの表情は真剣だった。
「……前、ひいじいちゃんが“動かなく”なった時、よくわからなかったけど……
でも、今ならわかるよ、アンダインに何があったのか……」
モンスターの子どもの真剣な眼差しに、サンズは……
- 78二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 21:50:33
いいぜ
- 79二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:27:19
じゃあお供え物を買っていくよ
- 80二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:21:12
何も言わずに一緒に墓参りする
- 81二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:35:19
>>83に伸ばして今日は寝ます。
- 82二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:53:11
- 83二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:54:12
- 84二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:01:03
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- 85二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:24:26
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- 86二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:03:15
- 87二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:31:14
「……わかった」
サンズは手元にあったチェイサーを飲み干すと、椅子からゆっくり立ち上がった。
「そんかわり、行くのはアンタとオイラだけじゃないぜ。他に行きたい奴らも、みんな、だ。わかったかい?」
「……う、うん」
「じゃあ……そーだな、あと30分くらいしたら行くから、一緒に行く奴誘っておいで」
サンズの言葉にモンスターの子どもは頷くと、振り返り、一度転び、そしてグリルビーズから出ていった。
「……サンズ、そういうことなら」
(アタシらも……)
「もちろん、そのつもりだぜ」
横で話を聞いていたイヌカップル、それに他のイヌたちも、サンズの方を見た。
「あのおチビは、いい機会を作ってくれたな」
サンズはグリルビーから再びチェイサーを受け取ると飲み干した。
「みんなで、アンダインの墓参りに行こうぜ。……あたりに気をつけながらな」
一方その頃、トリエルは……
- 88二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:54:52
>>93まで引っ張って今日は寝ます。
- 89二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 23:02:31
サンズの帰りを待ちながらパイを黙々と焼いていた
- 90二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 23:16:18
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- 91二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 01:58:48
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- 92二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 07:27:33
- 93二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 15:38:55
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- 94二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 19:48:40
- 95二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 21:59:58
パイ生地を作る。フィリングのバタースコッチを煮詰める。型に詰めて焼く――
トリエルは一人、パイを焼いていた。
サンズは、まだ帰ってこない。
彼は基本的に、いせきで、自分の側にいてくれる。
一緒にパイを焼いたり、本を読んだり、ダジャレを言い合ったり、花に水やりをしたり――
しかし、たまにフラッと、どこかへ姿を消す事がある。
そうして気がついた頃に帰って来ては、微かに酒の匂いをさせているのだ。
一体彼が何をしているのか、トリエルにはわからない。わからないし、それを無理に暴き立てるつもりもなかった。
彼が黙っているということは、きっと、わたしには言いたくない事なのだろうから――
そう思い、今日もトリエルはパイを焼き、サンズの帰りを待っていた。
すると……
- 96二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:16:34
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- 97二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:17:57
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- 98二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:22:28
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- 99二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:24:48
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- 100二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:34:48
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- 101二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:37:37
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- 102二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:39:54
- 103二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:44:46
ふと、トリエルは、何かの声が聞こえた気がして、あたりを見回した。
――どこからか、「あの子」の声が聞こえた気がする。
……家の中にはいないようだ。
まさか、また、地底に落ちてきてしまったのだろうか?
そうだとしたら……
トリエルは火を消して、家の外に駆け出した。
すると……
今日は寝ます。
- 104二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:45:53
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- 105二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 06:28:24
遺体しかなかった
- 106二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 11:09:50
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- 107二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 11:10:33
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- 108二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 11:11:15
- 109二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 19:06:50
- 110二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 20:30:11
しかし だれもこなかった。
「…………」
トリエルは一人、花畑に立っていた。
あたりは静かだ。
誰もいない。
子どもの声なんて聞こえるわけがない。
「――あぁ」
トリエルはそっと花畑の中に座り込むと、そっと花弁に触れた。
「……そう、よね。あなたは、もういないんだものね……」
しばらくそうしていたが、ややあって、トリエルは立ち上がった。
“あの子”ではない。あのニンゲンでもない。新しいニンゲンが落ちてきたわけでもない。
なら、それはそれでよかった。少なくともここに囚われてしまうニンゲンはいないのだから。
小さく息を吐くと、トリエルは再び、家に戻る事にした。まだ、パイが焼けていない。
一方その頃、サンズたちは……
- 111二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 20:44:30
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- 112二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 20:46:39
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- 113二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:02:02
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- 114二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:04:03
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- 115二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:07:08
- 116二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:40:17
- 117二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:34:36
「……そーそー。久しぶりにアンダインの墓参りにな。よかったら来いよ」
サンズは色んなモンスターに声をかけ、やがてグリルビーズの前には、
生前彼女を慕っていたモンスターが集まった。
といっても、ほとんどがロイヤル・ガードのイヌたちで、大概のスノーフルの住人の返事はこうだった。
「また今度行く」
と。
「とんだ恩知らずッス。一体誰がこの街を守ったと思ってるッスかね!」
(ホントサ!)
毛を逆立てて怒るイヌカップルをしり目に、サンズは辺りを見回した。
……モンスターの子どもがいない。一体彼はどこに……?
その時……
- 118二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:40:19
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- 119二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:44:16
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- 120二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:55:49
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- 121二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:56:57
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- 122二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:58:05
- 123二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:02:22
- 124二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:51:11
おつ~
- 125二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:00:11
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- 126二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 19:42:08
突然、遠くからバタバタこちらに向かって走ってくる音と、荒い息遣いが聞こえた。
見ると向こうから雪を蹴散らしながら、グレータードッグが走ってくるところだった。
その巨体はあっという間にサンズを押し倒し、尻尾をばったんばったん振りながら、ついでに顔面をべろんべろん舐めた。
「おおっと……へへ、こりゃ随分と暴れんボーン、ってか?」
しばらくして、よろず屋の店主も走ってきた。
「やっぱりイヌは骨が好きなんだねぇ」
どうやらグレータードッグの散歩に付き合っていたらしい。
何とかグレータードッグに骨を渡して這い出すと、サンズは墓参りの話をした。
「そういうことなら、参らせてもらおうかな。アンタも行くでしょ?」
店主の言葉にグレータードッグが骨を齧りながら吠えた。
「ちょいと待っておくれ。お店の方に看板をかけてくるから」
どうやら今の所のメンツは、サンズにイヌカップルにグレータードッグ、いつの間にか合流していたワンボーにレッサードッグ、そして店主……
後はモンスターの子どもだが……
「……あの子遅いッスね。ちょっと様子を見に行くッス」
(あたしも行くサ!)
イヌカップルはふんふんとにおいを嗅ぐと、モンスターの子どもを探して駆け出した。
さて、そのモンスターの子どもは……
- 127二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:00:49
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- 128二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:01:43
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- 129二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:07:18
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- 130二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:23:13
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- 131二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:34:41
- 132二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:44:20
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- 133二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:58:28
- 134二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:24:37
「お待たせ!図書館の人たち誘ってきたんだ!」
そこにいたのは、新聞を作っている、ブロンドの髪のモンスターだった。
「誘ってくれてありがとう。せっかくの機会だから、私も一緒に行くわ」
彼女は以前こそマンガやパズルばかりの新聞を作っていたが、今は状況が違う。
気晴らしなのか、何か得られるものがあると思ったのだろうか。
「他の人は忙しいって言ってた」
「そーか。ご苦労さん。……じゃあ、行くか」
そして皆は、ウォーターフェルのアンダインの家に向かって歩き始めた。
ボートに乗れば早いが、今回は人数が多すぎる。
やがて、皆はアンダインの家にたどり着いた。
アンダインの墓は、家の横にあった。
誇り高きロイヤル・ガード、アンダインここに眠る、と、記されている。
尤も、本当にここに眠っているわけではないことは、皆知っていた。
誰も何も言わずに、アンダインのタマシイの、安らかな眠りを祈った。
一方その頃……
- 135二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:59:20
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- 136二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:00:06
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- 137二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:02:56
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- 138二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:06:06
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- 139二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 00:39:56
- 140二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 09:08:04
- 141二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 17:04:49
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- 142二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:12:37
やにわ外にぞろぞろとした足音を感じ、ガーソンは店の外に出た。
見ると、様々なモンスターたちが、アンダインの家を訪れているところだった。
ロイヤル・ガードのイヌたちに、アンダインを慕っていた子どもに、サンズと……あれは確かスノーフルのモンスターだ。
どうやら墓参りに来たらしい。
「…………」
彼らがアンダインの家の方の道に入っていったのを見送ると、ガーソンは息を吐いて、自分の店の方へと引き返そうとした。
すると……
「ハロー!」
突然店の前に、きんいろのはなが生えた。
しかもそれは、ただのきんいろのはなではなかった。
それには顔があった。それは口を利いていた。
それは――不可思議な存在だった。
「ねえ、おじいさん。ちょっと話があるんだけど、聞いてくれる?」
この花は一体何者なのだろう。そして、どういう用事で、ここへきたのだろう……?
- 143二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:54:12
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- 144二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:54:56
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- 145二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:58:14
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- 146二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 18:59:47
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- 147二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:00:57
- 148二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:42:58
- 149二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 20:40:52
「ほら、さっきお墓参りにいったモンスターの中に、スケルトンがいたでしょ?」
あっちあっちと、花は葉っぱの先で、先ほどまでガーソンがいた方を指し示した。
「……はて、そんな奴いたかの」
ガーソンは目を細め、油断なく喋る花を観察した。
エコーフラワー……ではなさそうだ。花弁の色が違う。それにエコーフラワーには、こんな風な自我などない。
「とぼけないでよ。よく知ってるでしょ?ずーっと長生きして、モンスターたちを見てたんだから。
ねぇ、正義の鉄槌のガーソン?」
そう言って花はくすくす笑った。
――やりにくそうな相手じゃの。
ガーソンは帽子を被り直した。
相手の喋り方はまるで子どものようだが、その奥に老獪な響きを感じる。
まるで、ガーソンが何と答えるか、答える前から理解しているような響きだ。 - 150二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 21:12:11
「あのスケルトンは……あることを隠してる」
花はにやりと厭らしく笑った。
「……何とも大雑把じゃの。そのくらいならワシでも言えるわ」
「その“あること”が、みんなをもっと絶望させる事でも?」
すかさず、花が口を挟む。
「……絶望じゃと?」
「詳しくはアイツから訊きなよ。まあ多分、話してくれないけどさ。でも、話してくれなかったら、ボクの事信じてくれるよね?」
最後に花は、その口元を大きく裂いて、げらげらと嗤った。
「まあ、もう、その事を知っても、どうしようもないけどね!!」
げらげらと笑いながら、花は地面へと潜って行った。
後には、ガーソンだけが取り残された。
ガーソンは……
- 151二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 21:42:16
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- 152二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 21:43:47
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- 153二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 21:46:19
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- 154二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:23:06
ガスターがらみと考え、とりあえず保留
- 155二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:48:15
- 156二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:51:36
- 157二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 23:23:21
今日は寝ます。
- 158二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 23:48:52
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- 159二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 08:40:14
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- 160二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:02:03
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- 161二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 22:38:06
結局、ガーソンは一人、店に帰った。
そして品物を並べ直したり、埃を払ったりしながら、ため息をついた。
「……面倒なことになりそうじゃの」
スケルトン……サンズ。そして、長生き、というフレーズ……
「……となると、やっぱり、あの事かの……」
手に取った品物の一つは、ゴミ捨て場で拾ってきた、白い仮面だった。
その表面を、はたきでなぞって、埃を落とす。
「……のお、……」
その仮面に向かって、ガーソンは呼びかけた。
名前すら曖昧になってしまった“それ”に対して、呼びかけた。 - 162二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 23:06:15
「💣︎☼︎📬︎☝︎☜︎☼︎💧︎⚐︎☠︎」
それは、地底に追放され、インフラも落ち着き始めた、ある日の事だった。
ガーソンはアズゴアにお茶に誘われ、謁見室にいた。
そこに現れたのが、このモンスターだったのだ。
「……な、なんだお前さんか。びっくりさせおって……」
モンスターは直立不動……というにはやや猫背気味になって、ガーソンと目を合わせた。
「✌︎☠︎✌︎❄︎✌︎ ☠︎✋︎ ❄︎✌︎☠︎⚐︎💣︎✋︎☝︎✌︎ ✌︎☼︎✋︎💣︎✌︎💧︎🕆︎」
「……頼みじゃと?ワシに?」
ガーソンが問いかけると、モンスターは頷いた。
「💣︎⚐︎🕆︎💧︎🕆︎☝︎🕆︎ 🕈︎✌︎❄︎✌︎💧︎☟︎✋︎ ☠︎⚐︎ ☪︎✋︎😐︎😐︎☜︎☠︎❄︎✌︎✋︎ ☝︎✌︎ 💧︎⚐︎❄︎⚐︎ ☠︎✋︎ 👎︎☜︎💣︎✌︎💧︎🕆︎」
「……またきな臭い事を言いおるな。それで……ワシに何をしろと言うんじゃ?」
モンスターはしばし黙っていたが、やがて、
「💣︎⚐︎💧︎✋︎ 👎︎☜︎✌︎❄︎❄︎✌︎☼︎✌︎ 👎︎⚐︎🕆︎😐︎✌︎ 😐︎✌︎☼︎☜︎☼︎✌︎🕈︎⚐︎ ❄︎✌︎☠︎⚐︎💣︎✋︎💣︎✌︎💧︎🕆︎」
それだけ伝えて、静かになった。
「…………」
呆気に取られて黙っているガーソンをよそに、彼は白衣を翻して去っていった。
「お、おい!待たぬか!自分のやったことの責任くらい、自分で……!!」
ガーソンは彼を止めようとしたが、無駄だった。
……結局、それが、ガーソンが彼と会った、最後だった。 - 163二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 23:29:13
彼が死んだと知ったのは、それからしばらく経ってからの事だった。
自らの発明品に落ちたらしい。それが事故だったのか、それとも自らの意志なのか、それもわからない。
ただ、彼の意図したことがわかったのは、それから更にしばらく経って、二人組のスケルトンが、店を覗きに来た時だった。
結局彼らは挨拶だけで通り過ぎ、スノーフルに住む事にしたようだが……
それから後に何が起こったかは……今が、まさにそれだ。
「…………そうじゃな、ワシは、任されたんじゃったな……」
しかし、その約束が果たされなかった事は、火を見るよりも明らかだった。
もし約束を果たしていれば、あの墓参りのメンツの中に、背の高く声の大きなスケルトンが、混じっていたはずなのだから。
色々考えあぐねて、ガーソンは、保留することにした。
どうせ、ろくなことにならないのが目に見えている。
そうして彼は、甲羅より重い思いを背負いながら、しがない店主に戻ることにした。
一方その頃……
今日は寝ます。
- 164二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:39:34
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- 165二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:01:11
サンズはトリエルのところに帰っていた
- 166二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 15:43:30
いせきに入り、階段をを一段一段思い足取りで昇るサンズ
パイの匂いが充満するホームで、サンズの帰りを待っていたトリエルが出迎える - 167二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 17:09:21
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- 168二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 18:02:01
- 169二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 19:28:28
- 170二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:33:14
サンズはウォーターフェルからスノーフル、そしていせきへと、ゆっくり歩いていた。
ちかみちを使ってもよかったが、なんだか、そんな気になれなかった。
時々雪が落ち、ばさりと音を立てる針葉樹林を横目に、サンズは雪原を踏み締める。
サンズの後には、楕円で少し毛羽立った足跡が残る。
そうしてあっさり、サンズはいせきにたどり着いた。
解錠の魔法は、もうもらっている。
サンズが扉に手をかざすと、そこはあっさりと開いた。
「……」
サンズは一度振り返る。ただ雪ばかりがある。
サンズは再び扉と向かい合う。そしてようやく、その中へ入った。 - 171二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:57:56
ホールを通り抜け、レンガの廊下を行く度、陰は次第に濃くなる。
それと同時に、微かに甘い香りも漂ってくる。
ほどなくして、階段が見えてくる。
サンズはゆっくり、スリッパを一段、上に持ち上げた。
ほんの数段の階段なのに、今日はなんだか、体が重く感じられた。
――肉抜きされてるスケルトンだってのにな。
そうジョークを思っても、足取りは全く軽くならない。
一段、また一段と、サンズは階段を、ゆっくり昇っていく。
しかし、感傷に浸る暇もなく、玄関ホールの灯りが、サンズを照らした。
「お帰りなさい」
灯りの中に、トリエルが微笑んでいた。 - 172二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 22:53:27
部屋の中は、シナモンとバタースコッチ、それにパイ生地の焼ける、甘くて香ばしい香りが充満していた。
トリエルはサンズをダイニングに誘うと、パイを切り分け振舞った。
「ちょうどいい温度になっててよかったわ」
皿に一切れ乗せられたそれは、いつも通りの、甘くておいしい、バタースコッチシナモンパイだ。
「うん、今日もうまいな」
サンズは一口ほおばって、すぐに彼女とパイの味を褒めた。
「そうやっていつも褒めてくれるわよね。ありがとう」
「いやいや、こっちこそ……うまいパイを、腹いっパイ食べれてうれしいよ」
まあ、とトリエルは頬に手をやった。
パイを食べながら、トリエルと話をしながら、しかし、サンズの気持ちはそぞろだった。
……トリエルは、一体どこまで、現状を認識しているのだろうか。 - 173二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 22:55:53
【お詫び】
時系列を少し変更します。
葬式からお墓参りまで、数週間経っている事にしてください。
……トリエルは、一体どこまで、現状を認識しているのだろうか。
誰が、どのように殺されたか、わかっているのだろうか……
今日は寝ます。
- 174二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 02:08:42
おおよその事は分かっていた
- 175二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 06:53:45
明確には分かっていないが反乱の事から有名モンスターの2人以上は死んでいるとはわかる
- 176二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 14:44:12
あまり良くない事が起きたことは知っている
- 177二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 15:06:50
全く知らずのほほんとしている
- 178二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 17:13:22
- 179二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 20:39:54
- 180二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:56:14
サンズはパイを食べながら、トリエルの様子を観察した。
……彼女は元気そうだ。過不足なく。今日もいつも通りの日々だったのだろう。
落ちてきたニンゲンがいないか見回って、ジョークを考えて、パイを焼いて、そして、サンズを待っていた。
そう、いつも通り。
サンズが来てからの、そして恐らく、それ以前の、一人だった頃の、いつも通りの生活だったのだろう。
――不自然なほどに。
「……サンズ?大丈夫?」
トリエルが尋ねてきて、サンズははっと我に返った。どうやら考え事に没頭しすぎていたようだ。
「……いや?あまりにパイがおいしい“しなもん”だったからさ。“すこっち”ばかり、“バタ”っと倒れそうになったぜ」
あらあら、と、トリエルは口元に手をやって笑った。
サンズは、トリエルにバレないように、まるでパイのおいしさにそうするように、小さくため息をついた。
――確信した。彼女は、もう、何も知らない。 - 181二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:29:31
トリエル女王が数世紀ぶりに国民の前に姿を現したのは、ニンゲンが地底を出てしばらくしてからの事だった。
彼女は紫のローブの裾を翻し、国民の前に立ち、そして、言った。
――落ちてきたニンゲンは、みんな、仲間として扱うように。
しかし、それがまずかった。
そのおふれが知れ渡るや否や、ふざけるな、とモンスターたちが反乱を起こした。
……ここまでは、ニンゲンに話した通りだ。
トリエルはあっさり女王の座を降りた。
しかし、特にホットランドやコアのモンスターたちの遺族の怒りは凄まじかった。
――あなたがニンゲンを生かしたせいで、私の家族は死んだんだ!
威嚇のつもりであっただろう弾幕は、しかし、女王の座を降り、もう戦う気も無くしていたトリエルに、まともに当たってしまった。
サンズは群衆に揉まれながら、くずおれるトリエルに手を伸ばし……気付いた時にはもう、いせきの前にいた。
どうやら、無我夢中でちかみちを使って彼女を逃したらしい。
サンズはなんとか重力操作で彼女を運ぶと、ベッドに横にした。
それから、何度か日が経ち……
目が覚めた時、彼女は、記憶を失っていた。
当たりどころが悪かったのか、それとも、彼女が生かしたニンゲンが、何をしてしまったのかを理解したショックなのかはわからない。
しかし、今の彼女が知っているのは、自分が保護した愛しい子どもは、無事生き延び、地底を出た、という事だけだった。 - 182二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:49:23
そしてサンズは、トリエルと共に暮らす事を選んだ。
だって今の彼女は、何も知らない。
自分が生かした子どもが、一体何をしてしまったかを。そして、自分の行為が、国民達からどう思われているのかさえも。
何より彼女は、自分のくだらないジョークを笑ってくれた。
彼女となら約束をしてもいいと思えた。
だから約束を守ったのだ。
――例え、自分の弟を殺されても。
あらかたパイを食べ終えると、サンズはトリエルに尋ねた。
「それで、トリィ……パイの後は、どうする?」
トリエルの返事は……
今日は寝ます、
- 183二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:53:07
花の世話に行く
- 184二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 08:17:27
いせきの外に出てみたい
- 185二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 14:01:46
最近話を聞かせてくれないけど、おとうとさんは元気?
- 186二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 15:37:57
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- 187二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:33:54
- 188二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 16:34:45
何か辛いことでもあった?
- 189二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 19:07:07
- 190二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:25:09
「じゃあ、夕方の水やりに行こうかしら」
「あー……いいな、それ」
トリエルは手早く二人分の皿を洗い、大きな皿に残ったパイは、冷蔵庫に片付けた。
どうやら夕食後のデザートにも食べるつもりらしい。
二人で表に出ると、トリエルは傍らにあったジョウロを手に取り、
「さあ、行きましょうか」
と、もう片手をサンズに伸ばした。
「……ああ」
サンズも、彼女の手を取った。
二人の並んだ様は、その身長差は、あるいは親子のようにすら見えたかもしれない。
だが実際のところ、彼らを繋ぐ絆は、もっと不確かで、危うげなものだった。
しかし手だけは確かに繋いで、二人は遺跡の最奥、きんいろのはなの花畑へとやってきた。
そこで二人を待っていたのは……
- 191二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:12:03
フラウィーだ
- 192二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:12:48
フロギー
- 193二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:13:27
ガスターの幻
- 194二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:14:40
いせきのモンスターたちがトリエルとサンズに先んじて花の世話をしていた
- 195二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:16:05
- 196二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:17:14
- 197二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:24:34
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- 198二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 07:11:25
展開が鬱
- 199二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 17:32:03
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- 200二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 20:11:07
二人が花畑にたどり着くと、そこにはもうフロギーたちがいた。
「ケロケロ!(あ、トリエルだケロ!)」
「ケロケロ!(サンズもいるケロ!)」
「ケロケロ!(こんにちはケロ!)」
揃ってケロケロと鳴く様は、文字通りカエルの合唱だ。
「はい、ごきげんよう」
トリエルは朗らかに微笑んで、彼らの頭を優しく撫でた。
「私たちもお手入れに来たのだけど……」
「ケロ、ケロケロ!(ボクたちもちょうど来たところケロ!)」
「ケロケロケロ!(一緒にやろうケロ!)」
フロギーたちに導かれ、トリエルも花畑に入り、水をやり始めた。
時々フロギーたちにも水をかけてやると、彼らはケロケロ歌って喜んだ。
そしてサンズは……
- 201二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:36:01
トリエルに彼らにもパイを作ってくれないかと言う
- 202二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:45:59
最近どうだ?
- 203二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:46:45
それとなくニンゲンに何かされなかったか聞いてみる
- 204二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 22:01:42
次は肥料も持ってくるぜ
- 205二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 22:02:26
- 206二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 22:13:47
- 207二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 22:33:19
「……次は肥料も持ってくるぜ。そしたら、花ももっと咲くだろうしな」
水を撒くトリエルを見ながら、サンズは呟くように言った。
しかしトリエルは、この囁きを聞き逃さなかった。
「まあ……ありがとう、サンズ。そうね、お水ばっかりだと、お花も飽きちゃうかもしれないものね」
彼女は振り返りながら、微笑み、礼を言った。
「どーいたしまして」
サンズも適当に返す。トリエルは満足したのか、また花に水をやり始めた。
そうしてしばらく遠巻きに眺めていたサンズに、一匹のフロギーがそっと近づいてきて、そして、囁いた。
「ケロ……(あの……)」
フロギーはなんと言ってきた?
- 208二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 22:35:19
何か隠してないかケロイド?
- 209二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:00:37
あのニンゲンはどうしてるケロ?
- 210二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:04:35
そっちがわはどうケロ?
- 211二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:05:29
黄色い花を見たことがないかケロ?
- 212二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:06:55
- 213二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:11:19
- 214二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 23:58:25
「ケロ……ケロケロ?(あのニンゲンはどうしてるケロ?)」
そのフロギーの言葉に、サンズの目元が一瞬引き攣った。
「……なんだって?」
「ケロ、ケロケロ、ケロ……
(あのニンゲンはニンゲンにしては“へいわしゅぎしゃ”だったから、いじめられてないか心配ケロ……)」
サンズの顔が更に引き攣った。
――平和主義者だって?あのニンゲンが?
――あいつは、パピルスを殺したのに?
黙りこくったサンズを見て、フロギーは心配そうに鳴いた。
「ケ、ケロケロ?(だ、大丈夫ケロ?)」
様子のおかしいサンズを見て、トリエルは……
今日は寝ます。
- 215二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 02:27:25
話しかけようとしてやめてしまった
- 216二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 11:08:47
別のニンゲンがいたのだと思う
- 217二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 13:48:48
体調が悪いのかと聞く
- 218二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:30:30
ニンゲンがなにか大変なことをしてしまったのかを聞いた
- 219二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:06:07
- 220二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:57:36
- 221二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 22:46:58
「……サンズ?」
トリエルが心配そうな、というか、怪訝な顔で近づいてきたので、サンズは顔をいつものにやけ顔に切り替えた。
「ああ、いや、なんでもないぜ。ちょっとボーンとしてただけだ」
そう言ってウインクするが、トリエルのひそめられた眉間は戻らない。
「……ねえ、今ニンゲンって……あの子の話をしていたのでしょう?」
フロギーが、バツが悪そうに目を逸らした。
彼らもトリエルの変調については、ある程度は知っている。
ただ、その原因については知らない。
彼らはあのニンゲンが、いせきを出た後、サンズの弟を、ロイヤル・ガードの隊長を、皆のアイドルを手にかけた事を知らない。
「それとも……誰か別のニンゲンの話かしら?」
別のニンゲン、とは、誰だろうか。
かつて彼女が保護したニンゲン……?だが、それらも皆、殺されているはずだ。
だから王宮にはタマシイがあった。
……トリエルの記憶も混乱しているのだろうか。
トリエルの様子は……
- 222二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 22:49:59
奇妙な既視感を憶えていた
- 223二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 23:15:07
>>228まで伸ばして今日は寝ます。
- 224二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 11:04:17
特委おかしくはない
- 225二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 14:52:18
気のせいだと思って深く考えるのをやめるトリエル
- 226二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 14:53:56
急に詳しい記憶が朧気になってしまう
- 227二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 16:55:23
- 228二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 18:07:31
- 229二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:18:39
「……ねえ、サンズ」
トリエルは頭に手をやりながら、どこか困惑したような、腑に落ちないような、そんな様子で言った。
「私……あなたとこうして暮らすの、初めてよね……?」
それは奇妙な問いかけだった。
まるで、2度目や3度目があったかもしれない、というような。
その事を忘却しているかもしれない、と自覚するような。
「わたしは……ずっとこのいせきで暮らしていて……あの子を見送って……そして……あなたと暮らし始めて……」
トリエルは、きんいろのはなを改めて見た。
「……でも、あの子が去った後、一人で暮らしてる時期もあった気がするの。
そこに、あなたが外から遊びに来てくれて……
……いいえ、あなただけじゃない……あれは……あなたの……?」
トリエルの目は、もう、どこか遠くを見ていた。
「…………ねえ、……あなたの、弟さんって……」
彼女の中で、何かが、引っかかっている。そしてその引っ掛かりは、危険な引っかかりだった。
そこからずるずると、面倒な記憶を引き出しかねないような……
サンズは、トリエルに……
- 230二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:35:42
何も答えなかった
- 231二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:36:44
真実を話す
- 232二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:37:55
あいつなら元気だよ
- 233二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:38:53
トリエルの既視感を気のせいだと言う
- 234二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:41:45
- 235二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 21:44:56
- 236二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 22:39:25
――真実を話す。
突然、サンズの頭の中に、そんな考えが浮かんだ。
だが、そんなことをしたら、トリエルはどうなる?
一体何のためにオレはトリエルに隠してきたんだ?
それとも……嘘をつくことこそが、彼女の為にならない、ってことか?
サンズが考えあぐねたその時、何かが起こった。
それは……
今日は寝ます。
- 237二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 23:00:26
向こう側から誰かが来た
- 238二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 02:05:36
あの黄色い花が来た
- 239二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 12:48:36
フラウィがちょっかいをかけにきた
- 240二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 15:55:27
ガスターが現れる
- 241二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 15:57:21
- 242二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 21:19:41
- 243二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 23:43:40
「ハローおばさん!こんなところで何してるの?」
突然、不釣り合いに明るい声が聞こえた。
二人は思わずそちらを見る。
それは、花の中にいた。
それには、顔があった。
それは、笑っていた。
それは、言葉を話す、きんいろのはなだった。
サンズの頭によぎったのは、生前パピルスが話していた事だった。
――兄ちゃん、ボク、今日、おしゃべりするお花ちゃんと会ったよ!
――色んなこと教えてくれて、励ましてくれたんだ!
……それが、この花、なのだろうか。
この花は一体、何を話す……?
今日は寝ます。
- 244二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 00:57:29
外で何があったのか知りたい?
- 245二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 10:14:23
サンズはなにかを隠してる
- 246二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 19:09:37
何か忘れてる事はないかい?
- 247二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 20:11:59
あのニンゲンがなにをしたのか教えてあげよう
- 248二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 20:13:31
- 249二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:09:50
- 250二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 07:48:27
このレスは削除されています
- 251二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 16:58:55
このレスは削除されています
- 252二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 20:33:08
「ねえ、おばさん。知りたくない? あのニンゲンが、何をしたか……」
きんいろのはなが囁くように言う。
瞬間、サンズの背骨を冷たいものが走った。
サンズの左手が翻るのと、花が地面に潜るのは、はたしてどっちが速かっただろうか。
ついさっきまで花がいた場所に、大量の骨が突き出した。
「きゃああっ!?」
トリエルの悲鳴で、サンズはやっと我に返った。
「と、トリィ、オレ、オイラは、」
「へぇ……随分と乱暴な事するんだね。そんなにボクの事を黙らせたかったの?」
震えるトリエルと動揺するサンズの頭上に、花が逆さ向きにぶら下がるように咲いた。
「ボクはあのニンゲンが、旅したい雪だるまのかけらを、
ちゃんと地上に連れていってあげた、って話をしたかっただけなのに」
嘘だ。大嘘だ。アイツはそんなもの持っていなかった。
しかし、何も知らないトリエルにつく嘘としては十分だった。
「それとも……キミは、あのニンゲンについて、何か知ってるのかな?
思わずボクの口を封じたくなるような、おばさんに聞かせたくないような……
そんな、不都合で、悍ましい真実をさ!」
仕込みは上々とでも言うように、花はげらげらと笑うと、再び岸壁の中に姿を消した。
後には、怯えたトリエルと、縮こまって身を寄せ合い、震えるフロギーたちと、そして。
「…………」
疑惑の種を生むだけの暴力を振るってしまった、サンズだけが残された。
さて、次にフラウィは、どこに向かうだろうか……?
- 253二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 20:53:43
ホテル
- 254二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 20:54:39
ホットランド
- 255二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 21:05:17
スノーフル
- 256二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 21:07:12
ひみつのラボ
- 257二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 21:08:29
- 258二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 21:36:57
- 259二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 22:08:01
きんいろのはな――フラウィは、スノーフルに浮上した。
ここは、ちょうど街中の、誰かの家の裏のようだ。
あたりはしんと静まり返っていて、雪の舞う音すら聞こえてきそうだ。
「……フフ、フフフ……」
そこで、フラウィはほくそ笑んだ。
あのゴミやろうの「しまった」って顔は見ものだった。
あの感じだと、ニンゲンがやらかしたことも、全部隠しているのだろう。
もちろんフラウィは、トリエルの記憶が混乱している事も知っている。
だからこそ、サンズを焚き付けた甲斐があったというものだ。
……さて、もう少しあたりを掻き回してやろうか。
フラウィはあたりを見回した。
とにかく何か事件を起こしたかった。
破滅的な結末を迎えれば、あるいはこの世界も、またリセットされるかもしれない。そう思ったのだ。
そして……フラウィはちょうどいい相手を見つけた。
それは……
- 260二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 22:23:52
モンスターの子供
- 261二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 22:25:12
イヌッスとイヌッサ
- 262二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 22:26:30
ゆきだるま
- 263二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 22:32:45
わんぼー
- 264二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 23:32:14
- 265二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 23:43:20
- 266二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 08:33:37
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- 267二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 18:12:45
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- 268二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:04:26
ワンボーなのは好都合だった。奴は動かなければこちらの姿を見ることすら出来ない。
フラウィはワンボーが駐屯所に帰ったのを見計らって、背後にそっと忍び寄った。
そして、声をかけた。
「ねえ、ワンボー」
途端ワンボーは驚いて飛び上がった。
「だ、誰だ!?どこだ、どこから声をかけてやがる!?」
フラウィがすぐ足元で咲いているにも関わらず、ワンボーは鼻をすんすん鳴らしてあちこちを見た。
そのさまがあまりに滑稽だったから、フラウィは動かないように気をつけながら、くすくす嘲った。
「ねえワンボー……」
フラウィは一体何を言って、ワンボーを陥れるつもりだろうか……?
- 269二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:52:17
パピルスがどうなったのか知りたい?
- 270二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:53:29
あのニンゲンがなぜあんなことをしたの知りたい?
- 271二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:54:31
全てをやり直し方法があるよ
- 272二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:55:18
パピルスのあだうちをやらない?
- 273二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:11:07
- 274二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:29:13
- 275二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 09:46:46
このレスは削除されています
- 276二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 18:15:48
ほ
- 277二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 23:48:09
「ねえ、パピルスに会いたい?」
フラウィがことさら優しげな声をかけると、ワンボーは尻尾も耳も垂らして呻いた。
「そりゃ……アイツは確かに声はでかいし騒がしい奴だったけど、でも、おかげですぐ見つけられたし……
ロイヤル・ガードの訓練も頑張ってたしな。料理だけど。
だから……いないと、正直寂しいぜ。会いたいかそうじゃないかって言われたら……会いたい」
もう、不審者が声をかけた事も忘れ、ワンボーはパピルスとの思い出に浸っているようだった。
「……じゃあさ。もし、パピルスにまた会えるって言ったら……どうする?」
フラウィのその囁きに、ワンボーの耳が立った。
「ほ、本当か?だってあいつはもう、この世には……」
「ボクの指示に従ってよ、そうすれば、パピルスに会わせてあげる」
あまりにも虫のいい言葉だったが、ワンボーの尻尾は振られた。
「な、なあ、それって、アンダインにも会えるのか?……王様にも……?」
勝手に想像しているようだったので、フラウィはくすくすと笑った。
「会えるかもね。……じゃあ、取引だ。君の会いたい人たちの命とのね」
さて、どうからかってやろうか。
フラウィは残酷に笑った。
一方その頃、サンズとトリエルは……
今日は寝ます。
- 278二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 00:16:05
トリエルがニンゲンと初めて会った場所に来た
- 279二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 10:31:49
台所にいた
- 280二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 16:03:14
いせきから出てサンズの家に向かう途中だ
- 281二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 16:06:19
あの花について何か知ってるのか問い詰められるサンズ
- 282二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 16:08:07
- 283二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 19:12:13
- 284二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:07:48
サンズたちは、一度家に帰ってきていた。
駆け出したトリエルを追いかけているうちに、家に到着していた、と言う方が正確だろう。
「……ねえ、サンズ……」
いくら取り繕うとしても、トリエルは毛皮越しでも分かるほど顔色が悪かった。
そしてそれは、皮膚も何もないサンズの方も、同じ事だった。
「……サンズ、こっちに来てちょうだい」
トリエルが青い顔のままサンズを誘う。サンズは、黙ってそれに従うしかなかった。
二人は玄関ホールから階段を降りた。レンガ造りの廊下を歩く。陰は次第に濃くなっていく。
たどり着いたそこには、デルタルーンの紋章が描かれたドアがある。
先ほど、帰ってきたサンズが潜ったドアだ。
そして、そこは――
「わたしはここで、あの子と別れたの」
トリエルが、真剣な面持ちで言った。 - 285二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:28:52
「あの子は、外に出ることを、地上に戻ることを、家に帰ることを望んでいたわ。
でも、わたしには、それが怖かった。
また、アズゴアがタマシイを奪うかもしれない。そう思った。
わたしはあの子に言ったわ。わたしを納得させてごらんなさい、戦うか逃げるかしなさいって」
サンズは、黙ってトリエルの話を聞いていた。聞いていることしか出来なかった。
隠していた秘密が、背骨を這いずるようだった。
「……あの子は、戦うことも、逃げることもしなかった。
ただ、わたしをじっと見つめて……わたしは根負けしたわ。
あの子には……強い意志があった。だから、心配だったけど……でも、信じたくなったの。
わたしは、ここであの子を抱きしめた。それが、あの子とのお別れだった……」
トリエルは、大きく息をついた。
そして、改めて、サンズと向かい合った。
「教えて、サンズ。この先で、何があったの。あの子は、ここを出たんでしょう?
出る前に……一体、何があったの」
サンズは……
- 286二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:51:23
何もおきてないさ
- 287二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:53:01
知らない方がいい
- 288二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:25:53
あいつは俺の弟を殺した
- 289二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:26:47
あいつは変わってしまった
- 290二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:28:29
- 291二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 22:28:28
- 292二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 23:44:20
「……トリィ。悪いけど……知らないほうがいいんだ、こればっかりは」
「ごまかさないで」
トリエルの声は鋭かった。
サンズは、審判を受ける罪人の気持ちとはこんなものだろうか、と思った。
「わたしは知りたいの。外で、何があったのか。わたしはなぜ、ここにいるのか。どうして……あなたが、そばにいてくれるのか……」
トリエルは、一度、深呼吸した。
「――これは、最後の問いかけです。
わたしは、あなたからの回答を、信じることにします。
それ以外は、みんな、嘘だと思うようにします。信じません
後から訂正しようとしても、それは嘘だと思います」
サンズの眼窩の光が、一瞬揺らめいた。
トリエルが、扉の前に立ち塞がる。
「答えてください、スケルトンのサンズ。
――ここを出てから、あの子に、何があったのですか?」
サンズは……
今日は寝ます。
- 293二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 01:38:41
アイツはパピルスとアンダインとメタトンを……
- 294二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 07:41:34
全てを話した
- 295二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 12:58:46
おとうとをころした
- 296二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 13:06:33
あのニンゲンにセーブしてやり直す力がある事だけを伏せて全てを話す
- 297二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 13:12:35
- 298二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 20:14:49
- 299二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 20:27:59
サンズにはもう、隠す事など出来なかった。
トリエルの眼は真剣そのものだった。
彼女はもう、壊れていなかった。あるいは、壊れる事にすら、耐えられなかったのかもしれない。
そして、耐えられなかったのは、サンズも同じだった。
ここまで言われて、もう、口を閉ざす事など出来なかった。
「――何がアイツを、そこまで変えたのかは分からない」
やがて、サンズは口を開いた。
無い喉が震えそうになるのを、歯がカタカタ音を立てそうになるのを、拳を握って耐えた。
「だが、アイツはここを出てから、大勢のモンスターを殺した……その中には、オレの弟もいる」
オレの弟、という単語を口にした時、サンズの脳髄は、すっと冷えるようだった。
「まずはオレの弟、次にロイヤル・ガードの隊長、地底のアイドル、ホットランドの住民や、コアの職員……
みんな、アイツが、殺したんだ――殺したんだよ、あのニンゲンが」
一度口を開いてしまえば、それは堰を切ったように止まらなかった。
「そんなことをしたニンゲンが相手だったんだ。
だから、みんな、アンタがニンゲンと仲良くって言ったから、アンタに……
なあ、思い出したか、トリエル」
サンズの告白を聞いたトリエルは……
- 300二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 20:53:19
唖然とする
- 301二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:06:54
信じられない様子
- 302二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:08:36
困惑するばかりだった
- 303二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:09:24
サンズを信用できずみんなの話も聞いてみたいと言い出すトリエル
- 304二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:12:49
- 305二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:26:49
- 306二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:56:50
「……うそよ」
トリエルの声が震えた。
「だって……あの子が、そんなことするわけないわ……きっと、何かの間違いよ。そうでしょう?」
サンズは歯噛みした。
――答えを信じるって言ったじゃないか。
だがもう、彼女には、自分の言っている事の整合性も取れないらしかった。
「何かの間違いじゃないなら……ないなら……わたし……」
トリエルは、自分で自分の顔を押さえ呻いていたが、不意に、その顔を上げた。
「自分で皆の話を聞きに行くわ」
その顔は、まるで能面のようだった。
そして彼女はサンズが止める間もなく、そのデルタルーンが刻まれたドアを開け、いせきの外へと走り出した。
「待て、トリエル!」
サンズは慌てて彼女を追いかけた。
失敗した。壊れる事にすら耐えられないのなら、それはもう、完全に壊れているようなものじゃないか――
とてつもなく嫌な予感がする。
サンズは走った。
一方その頃、フラウィはワンボーに、ある事を吹き込んでいた。それは……
- 307二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:59:52
これはあかんなぁ……
- 308二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:00:46
全てをやり直す方法がある
- 309二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:05:14
ボスモンスターの魂ならバリアをくぐり抜けられる
- 310二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:08:54
サンズは何かを隠している
- 311二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:27:52
- 312二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:13:12
- 313二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:30:19
このレスは削除されています
- 314二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 10:35:37
このレスは削除されています
- 315二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 17:07:37
このレスは削除されています
- 316二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 21:19:44
「――つまり、サンズは何かを隠してるんだよ」
フラウィの囁きに、ワンボーは確かに、と頷いた。
「アイツ、一歩も動かないのに、突然現れたりするからな……
きっと、なんかすごい事が出来るんだろうな、とは」
「違う違う、それも出来るけど……きっと、もっとすごいことだよ。
そんなのがまだ序の口くらいに思えるほど、すごいことさ」
そうだ。アイツは知っている。セーブの事、ロードの事、そして、リセットの事を。
自分のように実感を持って知っているわけではないようだが、それでも、研究と計算で、それを弾き出した。
だから奴は知っているはずだ。
この時間軸が一度リセットされない限り、つまり、全員何もかも忘れない限り。
あのニンゲンが落ちてきて、1からやり直さない限り――パピルスも、アンダインも、メタトンも、誰の死もなかったことにならないことを。
フラウィがそんなことを考えていると――
- 317二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 21:58:05
そのサンズがどこからかやってきた
- 318二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 21:58:51
イヌッスとイヌッサも来た
- 319二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:00:00
トリエルが来た
- 320二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:03:38
フラウィの背後にキャラの幻影が現れる
- 321二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:04:37
- 322二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:14:46
- 323二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 22:17:32
その時、ワンボーのケータイが鳴った。それはあまりにも凄まじい勢いで振動していた。
ワンボーは慌ててそのブルブル震えるケータイをしっかり握りしめると、やっと電話に出た。
「も、もしもし?」
さっきまでの会話のせいなのか、はたまたケータイを落として無くしてしまうのが怖いのか。
ワンボーは思い切りケータイを握り締め、震える声で電話に応対した。
その相手は……
- 324二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:48:01
>>329まで伸ばして今日は寝ます
- 325二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 06:27:51
サンズ
- 326二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 11:12:34
イヌッスとイヌッサ
- 327二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 13:24:38
出てみると何者かがわんぼーには理解出来ない言葉で話し始めた
- 328二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 13:25:37
- 329二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 13:27:19
- 330二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:02:01
- 331二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:02:48
- 332二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:04:14
アルフィーが見つかった
- 333二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:05:20
近い内にメタトンも含めたホットランドのモンスターの葬儀をするらしい
- 334二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:18:14
ニンゲンにモンスターがたくさん殺されてホットランドが過疎化したのでこちらに住まないかという誘い
- 335二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:19:32
アルフィーの灰が見つかったので改めてそうしきをするようだ
- 336二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 22:31:22
- 337二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:18:22
- 338二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 01:35:36
このレスは削除されています
- 339二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 11:22:06
このレスは削除されています
- 340二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:47:07
ほしゅ
- 341二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:38:40
「も、もしもし? あの、ドクターアルフィーが見つかって……
んで、オレ、ホテルの人にここに連絡しろって言われたんスけど……」
電話から聞こえてきたのは、知らない男の声だった。
聞き覚えがあるかないかで言われれば、無い。あるいは忘れているだけかもしれないが。
だがそれより、もっとわからないことがある。
「……今、何つった? ドクターアルフィー……?」
そうだ、アルフィー博士はずっと行方不明だったはずだ。
それが見つかった。それはわかる。嬉しい事だろう。
ホットランドは壊滅状態だったというのは、ワンボーも聞いている。
しかしワンボーには、その知らせを自分に言え、と言った覚えは全くなかった。
「……え、コレ、あのスケルトンの電話番号じゃないんスか?」
電話の主は砕けた口調で、少し掠れた声で言った。
そうして、しばしの沈黙の後、
「…………ま、間違えました!ごめんなさい!!」
そう叫んだかと思うと、とたんに電話はブツンと切れた。
「……………………は……?」
そうしてワンボーは一人、電話を握り締め、一人取り残された。
――否、一人ではなかった。
「やっぱりあのスケルトンは、何か隠してるみたいだね」
ワンボーの死角から、フラウィが囁いた。
「アルフィーなんて誰もが知る王室直属の天才科学者だよ?
それと関係があるなんて、いかにも怪しいじゃない?ねぇ?」
「……」
ワンボーは、ただ見えない電話を見つめたまま、その切れた後の音だけに、耳を澄ませていた。
そしてそのサンズは……
- 342二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:45:08
先程のホテルマンと改めて話をしていた
- 343二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:02:48
アンダインの家の近くにいた
- 344二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:08:24
あの黄色い花を探していた
- 345二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:14:24
ホテルに来ていた
- 346二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:15:31
- 347二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:40:29
- 348二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 09:40:55
このレスは削除されています
- 349二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 11:25:10
アルフィーが死ぬかはダイスで観測しないとわからんシュレディンガーのアルフィーだからな
- 350二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 19:52:14
サンズはウォーターフェルで、すっかり息を切らしていた。
トリエルの足は速く、どこまでもどこまでも走っていった。
スノーフルの森の中を突っ切り、間にある見張り小屋の前も、街の中すらも通らず、トリエルは走り続けた。
サンズもちかみちを使いながら彼女を追いかけたが、ついに見失ってしまった。
ウォーターフェルもそう広くはないはずだが、先にサンズのスタミナが尽きた、というわけだ。
額に滲む汗を拭きながら、サンズは辺りを見回した。どうやらここは、アンダインの家の近所のようだ。
すると……
- 351二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 20:38:23
そこにはアマルガムと融合したアルフィーがいた
- 352二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 21:46:36
モンスターの子供がいた
- 353二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 21:55:09
またしてもガスターの幻影が現れる
- 354二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 22:01:30
遠くにトリエルが見えた
- 355二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 22:03:28
- 356二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 22:07:00
- 357二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:18:45
改めて辺りを見回すと、藪の向こうにトリエルの頭が見えた。
サンズは、彼女がボスモンスターであること、その体格に感謝しながら、彼女の元に一足飛びでちかみちした。
「――トリエル!」
トリエルが慌てて振り返ったが、もう遅かった。
彼女の半分ほどもないスケルトンの体が、空中に投げ出されている。
トリエルは慌てて手を伸ばして、その体を受け止めた。
「……へへ、ナイスキャッチだな」
やれやれとばかりに首を振るサンズを、トリエルは複雑な顔で見つめていた。
「……わたし……」
やがて、ぽつりと、トリエルが呟いた。
そして……
今日は寝ます。
- 358二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 03:29:54
間違ってたの?
- 359二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 12:10:38
どうすればよかったんだろうと問いかける
- 360二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 17:28:30
自分のせいでみんなが死んだのかと苦悩する
- 361二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 17:32:57
なんでこんなことになったのか分からない
- 362二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 17:45:21
- 363二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 20:58:35
- 364二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 23:17:04
「わたし……ねえ、わたしのせいで、皆、死んだのかしら……」
トリエルの声は、虚ろに響いた。
「わたしはあの子を守った……あの子が無事に地上に帰れることを願った……
でも……ハ……ハハ……! 違った、違ったのよ……!」
サンズは、目を見開いた。
トリエルは笑っていた。ぼろぼろと涙をこぼしながら。壊れたように笑っていた。
「確かにあの子は守られたかもしれない! あの子は地上に帰ったかもしれない!
でも! それは大きな間違いだった!
わたしはあの子と地底の皆を天秤にかけて、そして、皆を突き落としたの!
そしてわたしは、わたしはそのことも忘れて、呑気にパイなんて焼いてたの!
誰もがわたしを憎んでるのに!!」
トリエルの苦悩が、慟哭が、ウォーターフェル中に響き渡った。
トリエルは――恐らく、全てを思い出していた。
あるいは、その全てを、歪んだ形で反芻していた。
己の罪を、その結末を、彼女がそうと信じ込んでいるものを。
「……ねえ、そうなんでしょう? わたしがあの子を取り逃がさなければ……」
――あなたの弟も死ななかったのよね、サンズ?
トリエルの澱み、正気が失われつつある目で見つめられたサンズは……
今日は寝ます。
- 365二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 01:37:41
おばさんのせいじゃない
- 366二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 06:23:04
原因ではあるかもしれないが罪とは言えないだろう
いせきじゃ誰も殺していないんだ - 367二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 15:03:30
もう帰ろう
- 368二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 18:09:28
おばさんに落ち度はないと言うサンズ
- 369二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 18:12:13
- 370二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 20:15:21
- 371二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:28:29
サンズは、そっと両手をトリエルに伸ばした。
手袋をつけた手で、彼女の両頬をそっと包み込み、その毛並みを撫でた。
「……アンタには、落ち度はないよ」
彼女の毛並みの悪さは、手袋越しにでも伝わってくる。長い毛足に隠された頬も、微かに痩せている。
「アンタは、あのニンゲンを助けたかった。その気持ちはわかるぜ。
アンタも……色々、苦労したみたいだしな」
サンズとて、いくらのんびりしてても、モンスターのはしくれだ。
かつて国王とお妃の間にいた、二人の子どもの末路くらい、歴史として知っている。
ただ、そのお妃が目の前の彼女だったと知ったのが、最近だっただけだ。
「……それに、アイツを見逃したのは、オレも同じさ」
――本当なら、あの場でアイツを殺しておくべきだった、とは、言えなかった。
サンズはトリエルが落ち着くまで、低く、優しい声で、彼女に語り掛け続けた。
そして、トリエルは……
- 372二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:31:52
もう遺跡に帰りたいと言う
- 373二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:33:32
サンズの言葉に既視感を覚える
「(前にもこんな会話をしたような……)」 - 374二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:09:20
ようやく落ち着きを取り戻す
- 375二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:10:42
もう少しいせきの外の様子を見てみたいと言う
- 376二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:12:06
- 377二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:21:01
- 378二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:57:12
「……ごめんなさい、サンズ。あなたも、傷ついているのに……
わたしに教えてくれるのにも、きっと、勇気が必要だったのに……」
トリエルは、やっと少し落ち着いたようだった。
片手でサンズを抱きながら、ふわふわの手で、サンズの頭を撫でる。
まるで子どもみたいな恰好だったが、サンズは抵抗しなかった。
「……今ならわかるわ。あなたがわたしをいせきに連れて帰ってくれた理由が。
何もわからなくなってしまったわたしを、皆に会わせるのは危険だと思ったのね。
……同じモンスターを、危険とは思いたくないのだけど。
でも、わたしは、それだけのことをしたから……」
「……トリエル……」
サンズが何か言葉をかけようか、いや、そもそも彼女にかける言葉などあるのか……そう思った時だった。
突然、サンズのケータイが鳴った。 - 379二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:28:47
発信元は……ホテルのフロントからだ。
そういえば、最近あの辺りには全く行っていなかったな……そう思いながら、サンズは電話に出た。
「……もしもし?」
「あ、アンタサンズさんだよな!?」
開口一番聞こえてきた声は、聞き覚えのあるものだった。
「……アンタ、ホテルのバーガー屋か。……ってことは……そういうことか?」
そうだ。もしあの件で進展があれば、こっちに連絡するように頼んでおいたのだ。
途端バーガー屋の青年……バガパンの、安堵に満ちたため息が聞こえてきた。
「よかった、間違えなくてよかった……」
「まちがえ……?」
「……いや、こっちの話ッス」
バガパン青年が、大きく息を吸う音が聞こえた。
「……サンズさん。見つかりましたよ、ドクターアルフィーが」
果たして、アルフィーの様態は……?
今日は寝ます。
- 380二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:41:56
無事だった
- 381二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 09:44:37
アマルガムと融合して自我もなくなっていた
- 382二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 09:52:09
チリと服が発見された
- 383二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 10:57:30
正気を失っている
- 384二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 11:00:35
- 385二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 18:05:45
- 386二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:12:11
電話を切ると、サンズは一息ついた。
「……トリィ、今からいせきまで送るからさ。先、帰っててくれないか?
オイラは……あー……ちょっと野暮用で」
「ええ。わかってるわ。あなたには、やるべきことがあるんでしょう」
トリエルは、真剣な顔で頷いた。
「わたしは、いせきで待ってるわ」
だって、そうしなければ危ないのでしょう?――その言葉は飲み込んだ。
サンズもまた、言外の言葉に、静かにうなずいた。
「じゃあ……また後で」
「ええ……また後でね」
そうして、二人の姿が、その場から掻き消えた。 - 387二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:24:53
――アルフィーが発見された。
少なくともそれは、悪いニュースではなかった。そのはずだ。
では何故、サンズはこんな気持ちになっているのだろう。
這いあがったはずの淵を、再び突き落とされたような気持ちになっているのだろう。
決まっている。
それはアルフィーではなく、アルフィー”だったもの“だからだ。
「――は?」
サンズの口から、思わず、素の息が漏れた。
ラボの床に、シートと共に転がされていたのは、チリと、彼女の洋服と、メガネだった。
それは、シミ一つない、水玉のワンピースだった。
バーガー屋の言葉は、単語が抜けていたことを、サンズは思い知った。
見つかったのは、アルフィーではない。アルフィーの、遺品だった。
そして、だからこそ――これは、悪いニュースだった。
これは、サンズを再び、奈落に突き落とすニュースだった。
サンズが呆然としていると……
- 388二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:13:25
ラボの下から唸り声が届いてきた
- 389二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:20:36
背後に視線を感じた
- 390二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:29:08
黄色い花が現れる
- 391二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:32:08
ガスターの幻が現れ、ラボの下を指差す
- 392二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:33:21
- 393二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:46:06
- 394二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 01:22:04
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- 395二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 09:35:44
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- 396二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 20:28:31
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- 397二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 22:49:39
その時、突然サンズは、背骨の中まで響くような、冷たい戦慄を覚えた。
思わず顔をあげ――そこにいたものを見た。
それは、まるで仮面みたいな顔をした、黒衣のモンスターだった。
「……今更出てきて、何をしようっていうんだ」
サンズの口から、押し殺したような声が漏れた。
「オレだって、自分で感じたわけじゃない、覚えてるわけじゃない、でも……最近のは、ちょっと、骨身に染みてるぜ」
そのジョークにすら、もうユーモアの響きはなかった。
「なあ、一体何を考えてるんだ?繰り返してるのはニンゲンか?それともお前の……」
しかし、黒衣のモンスターは、何も答えなかった。
ただ、胴から分離した、大きな穴の開いている手で……そっと、床を示しただけだった。
「……床?……いや、地下か?一体何の意味が……」
しかし、サンズがそれを尋ねた時にはもう、そのモンスターの姿は、影も形もなかった。
サンズはため息とともに頭蓋骨をかきながら、頭の中で座標を計算した。
そして、アルフィーの塵にそっとソートを被せると、いっきにそこにちかみちした。
果たして、ラボの地下でサンズを待っていたものとは――
今日は寝ます。
- 398二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 23:44:53
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- 399二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 06:45:16
何故か捕獲されたフラウィ
- 400二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 15:30:50
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- 401二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 15:32:56
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- 402二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 15:33:56
- 403二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 19:18:09
- 404二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:24:38
そこは、薄暗い部屋だった。
目の前にはランプが取り付けられているドアがあり、その奥にもいくつか、更に深部に続いているであろうドアがいくつかあった。
ポテトチップスの自販機が、微かに唸っている。
そして、その灰色の視界の中に、ひときわ目立つものがあった。
「やあ、久しぶりだね、ゴミやろう」
それは、きんいろのはな――フラウィだった。
フラウィはゆらゆらと頭を揺らしながら、サンズを見ていた。
「ここに一人で来るのは初めて?
キミは、だいたい誰かと一緒に来るもんね」
「……お前は“知ってる”んだな」
サンズのその一言で、フラウィは全てを理解したように笑った。
「そう、知ってる。まあ、あやふやな部分もあるけどね。少なくともキミよりは知ってるつもりさ」
フラウィはそう言って、サンズに背を向けた。
「……まあ、キミにとっちゃ勝手知ったる、って感じだろうけどさ。おいでよ。
キミも知らない事もあるだろうし、説明してあげる」
この誘いに、サンズは……
- 405二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:38:28
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- 406二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:40:18
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- 407二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:40:51
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- 408二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:50:24
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- 409二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:51:23
- 410二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 21:57:25
- 411二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 22:11:51
「……これは、」
サンズの言葉に、フラウィは足を――あるいは根っこというべきか――を止めた。
感覚も感情もとっくに無くしたはずなのに、背後で、氷のような殺意が膨れ上がるのを感じた。
「お前の描いた絵図だったんだな」
あるいはそれは、ナイフのような、あまりにも鋭い殺意だった。
「……それは違う」
フラウィは、首を微かに振った。
「ボクはあのニンゲンの“こうどう”には、一切関わってない。
あのニンゲンが、勝手に選んで、勝手に帰ったんだ。
もう、何度も何度も。
今回、あのおばさんだけ生かす事を選んだのも、あのニンゲンが“ケツイ”したことだよ」
フラウィは、改めてサンズと向かい合った。
「キミには、わかるでしょ。ボクが、一つも嘘ついてないってことが」
そしてそれは、実際、その通りだったらしい。
このスケルトンが、嘘を見抜く観察力に長けている事を、フラウィは知っている。
そして、怠け者を気取りつつ、その実、一度決めたらどこまでも真面目で勤勉で、約束を守るモンスターであることを、フラウィは知っている。 - 412二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 22:25:36
「……まあ、もう、おばさんの方も片付けちゃったみたいだしね。
キミといがみ合う方がダラダラしちゃう。
だから、率直に言うね。
ボクは、この物語にケリをつけたいんだ」
フラウィは、そう言った。
「何か、カタルシスを起こして、そして、解決する。いい方向でも、悪い方法でも。
オチをつける、でもいいよ。
すると……きっとあのニンゲンは、また、振り出しに戻って繰り返すんだ。
もうこの物語は終わった、次に進もう、ってね。
だからオチがつけば、この世界は一旦終わるよ。
パピルスも、アンダインも、メタトンも、アルフィーもいない、この世界はね。
だから、協力してほしいんだ」
サンズは……
- 413二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:03:12
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- 414二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:05:06
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- 415二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:07:47
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- 416二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:10:29
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- 417二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:11:41
- 418二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:26:41
- 419二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:57:29
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- 420二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 08:50:01
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- 421二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:39:30
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- 422二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:43:10
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- 423二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:21:56
「それは――お前が、本当に望んでいることか?」
サンズの目が、フラウィを見下ろしてくる。
「……どういう意味? だって、キミにはわかるでしょ、ボクが」
「ああ、ウソはついてないな」
しかし、サンズの目は鋭い光を帯びたまま、フラウィを見下ろし続けている。
「じゃあ、質問を変えよう」
サンズは小さく息を吸い、そして。
「それを望んでいるのは、本当に、お前の意志か?」
恐ろしいほど静かな、何の感情も感じさせない声で、そう、尋ねた。
「――は?」
一瞬、フラウィの思考が止まった。
そしてすぐに思い直す。
そんなの決まってる。さっさとこの茶番劇を終わらせないと、ニンゲンが帰ってこない。
ニンゲンが帰ってこなければ、リセットされない。
リセットされなければ、世界は陰気なスケルトンと、不安定なおばさんと、その他もろもろのだいぶ少ないモブどもで回すしかなくなってしまう。
なのに、それが、自分の意志か、だと?
「もちろん、当然、笑わせるな、って?」
だがサンズは、その思考を先回りした。
「もちろん、お前は、知ってるよな」
知ってる――知ってる? 何を、
「オレたちは、”干渉“を受けている」 - 424二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:22:31
そのフレーズは――どこかで聞き覚えがあった。
自分の思考も、何者かに、”干渉“されているから、だって――?
「ああ、そうだな。この話を終わらせたいのは、オレも同じだよ。
でもな――お前のやり方では終わらせない。オレは、オレのやり方でやる」
それが誰かの”干渉“の結果でもな。サンズは、陰鬱な笑みを浮かべた。
「……待てよ、お前のやり方って何だよ……おい!」
サンズはフラウィを無視して、ラボの奥の方へと消えていった。
フラウィは歯噛みしたが、ある意味これはチャンスかもしれなかった。
もし奴が何か余計なことをすれば、それをあの犬ッコロに広めてもらえれば――
そしてフラウィは、サンズの後を追いかけた。
一方その頃……
- 425二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:03:02
>>430まで伸ばして今日は寝ます。
- 426二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 03:12:21
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- 427二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 03:16:15
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- 428二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 10:48:53
トリエルはいせきで塞ぎ混んでいた
- 429二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 10:49:56
- 430二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:37:12
- 431二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:38:18
サンズとの会話を思い出し既視感にさいなまれるトリエル
- 432二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:50:08
パピルスがいなくなり活気のなくなったグリルビーの店内
そこにメタトンの最期とホットランドの現状を受け入れられなくなったバガパンがやってきた - 433二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 20:07:35
- 434二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 20:38:58
サンズにいせきに送ってもらった後、トリエルはどっと疲れを感じて、そのままベッドに横になった。
――苦しい。
――タマシイが軋む。
――体が重い。
「……ふ、……う、うぅ……」
両掌で覆われた奥から、押し殺したような嗚咽が漏れる。
わかっている。あの子が無事に地上に帰れたのは――彼と、わたしの、約束のおかげだ。
あの子が、あらゆるモンスターを殺しながら、のうのうと生きてここを脱出したのは――彼と、わたしの、約束のせいだ。
昨日の事のように思い出せる。
あの、いせきとスノーフルのドア越しに、彼に頼んだのだ。どうかニンゲンを守って欲しいと。
そして彼は、忠実に、その約束を守った。
約束嫌いなんだよね、と言いながら、彼は約束を守ってくれたのだ。
――その結果、彼は、彼の弟を殺した相手を、見逃す事になった。
「……ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
トリエルの謝罪は、涙と共にとめどなく流れ溢れた。
それから、しばらく経った後だった。
トリエルの耳に、何かの音が届いた。
それは……
- 435二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 20:47:43
扉の開く音
- 436二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:08:40
何かが落ちてきた音
- 437二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:10:00
何者かのノック音
- 438二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:20:58
アズリエルの声
- 439二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:21:55
- 440二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:41:55
- 441二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:57:48
- 442二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:36:28
サンズだ
- 443二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:37:14
ガーソンから
- 444二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:38:20
ホテルから
- 445二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:38:37
ガスター
- 446二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:39:38
- 447二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:16:56
- 448二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 03:23:47
このレスは削除されています
- 449二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 12:57:47
ホステール
- 450二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 14:48:56
ホシュテール
- 451二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:56:00
「おおよかった、番号変えたりしとらんかったようじゃの」
受話器の向こうから聞こえてきたしゃがれ声に、トリエルは思わず息を呑んだ。
「……ガーソンさん?お、お久しぶりです……」
本当に久しぶりの気持ちだった。
“あの”事件が起こるまで――女王としてみやこにいた頃には、ちょくちょく顔を合わせていた覚えがある。
彼もまた、アズゴアと共にニンゲンと戦った戦士であり、ティーパーティ友達の一人だったからだ。
いせきに篭ってから――あるいは、ある意味正気を失ってからは、外部の者と話をする事もなく、彼と会話することは、二重の久しぶりがあった。
ガーソンは一つ咳払いをすると、亀らしからぬ早口で言った。
「単刀直入に言うぞ。今、そこから出てはならん」
「――え?」
「サンズもそこにおるんじゃろ。そやつにも外に出んように言ってくれんか」
あまりに話が早過ぎてついていけない。
「ま、待って?いせきの外で何が起こってるの……?」
「……それを説明する時間はない。いいか、くれぐれも出るんじゃあない。しっかり鍵もかけておくんじゃ。よいな」
そして、電話は唐突に切れた。
何か……何か、重大な事が起こっているらしい。
しかしその実態がわかる前に、トリエルの元からすり抜けていくようだった。
「……さて……」
電話を切ったガーソンは……
- 452二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:17:44
ラボに向かう
- 453二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:22:11
携帯で次はサンズにかける
- 454二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:27:07
スノーフルのいぬのモンスターたちの中で密かに噂になっている死んだ者に会う方法について真相を確かめに行く
- 455二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:40:43
サンズを追いかける
- 456二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:42:40
- 457二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:20:37
- 458二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:23:30
このレスは削除されています
- 459二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:47:29
保守
- 460二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 17:23:23
このレスは削除されています
- 461二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 20:12:55
電話を切った後、ガーソンはぐっと伸びをして、肩を回した。
そして、立てかけてあった杖を手に取り、柄を握りこんだ。
トリエルの様子からして、彼女は口にはしなかったが、恐らくサンズはもう、いせきにはいないのだろう。
そのトリエルの調子も、多少は戻っていたことを知れたのは僥倖だった。
ガーソンは先ほど、あの二人の会話を聞いていたのだ。
彼の店は、アンダインの家の目と鼻の差だ。聞こえないわけがなかった。
それで多少は落ち着いたこともわかったし、サンズがどこかに呼び出されたこともわかった。
サンズは、ホテルのバーガー屋、と言っていた。
なら目指すべきは、ホテルかもしれないが――その手前には、もっと、重要な場所がある事を、ガーソンは知っている。
「💣︎⚐︎🕆︎💧︎🕆︎☝︎🕆︎ 🕈︎✌︎❄︎✌︎💧︎☟︎✋︎ ☠︎⚐︎ ☪︎✋︎😐︎😐︎☜︎☠︎❄︎✌︎✋︎ ☝︎✌︎ 💧︎⚐︎❄︎⚐︎ ☠︎✋︎ 👎︎☜︎💣︎✌︎💧︎🕆︎」
「💣︎⚐︎💧︎✋︎ 👎︎☜︎✌︎❄︎❄︎✌︎☼︎✌︎ 👎︎⚐︎🕆︎😐︎✌︎ 😐︎✌︎☼︎☜︎☼︎✌︎🕈︎⚐︎ ❄︎✌︎☠︎⚐︎💣︎✋︎💣︎✌︎💧︎🕆︎」
”彼“の声ならぬ声を思い出した。
「やれやれ……じゃあ、”よろしく“しようかの」
そしてガーソンは、ゆっくりと店の外へと這い出した。
目指すは、ホットランドのラボだ。
外に出ると、先ほどからの混乱が未だに続いているようだった。トリエルに出るなと言っておいて正解だった。
――一体何の混乱が起きている?
- 462二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 20:23:52
アズゴアとロイヤルガードのモンスターがいなくなった事の混乱が拡大
- 463二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 20:25:40
死んだものに会う方法があるという噂が広がっているようだ
- 464二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 20:28:42
モンスターの新生児全員がアマルガムの様なめちゃくちゃな姿になって直ぐに死産するという現象が起きている
- 465二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:20:34
スケルトンのような姿の幻影を見るものが増えている
- 466二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:22:29
- 467二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:24:50
- 468二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:29:33
地底はじわじわとした混乱に包まれていた。
突然、スケルトンのような姿の幻覚を見たものが多発したのだ。
集団幻覚にしても、見える者と見えない者、両方いたのがタチが悪かった。
ガーソンも、たまたまこっちに来ていたらしいロイヤル・ガードの一匹が恐慌状態で喚いているのを、
他の二匹がなだめるのを見るまでは、何が起こったかわからなかっただろう。
「動いてないのに!アイツは動いてないのにずっとそこにいるんだ!
止まってるのに何でそこにいるんだ!?」
「お、落ち着くッスワンボー!」
(大丈夫サ、怖いものなんてないサ!)
そんな悲鳴があちこちで響いたのは、サンズたちが姿を消してからすぐ後の事だった。
「何でだ!?何であんなスケルトンみたいな奴が!?……何でだよ!
やっぱサンズが絡んでるのか!?アイツはヤバい事してたのか!?」
未だ恐慌状態で叫ぶロイヤル・ガードを横目で見ながら、
(――何を企んどるんじゃ)
内心そうため息をつきながら、ガーソンはラボへと歩を進めた。
そして……
- 469二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:31:19
サンズを見つけた
- 470二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:34:58
サンズと同じようにガスターの幻影と出会う
- 471二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:36:50
フラウィーが先回りしていた
- 472二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:37:55
隠された通路を見つける
- 473二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:38:41
- 474二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:41:21
- 475二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:31:13
「ハロー!また会ったね、鉄槌のガーソン」
果たしてそこには、あのきんいろの花がいた。
「結局あの子は、取り返しのつかない逃げ方をしちゃったみたいだね」
花はけらけらと嘲笑いながら、そこにかけられていたシーツをはいだ。
そこにはチリの山と、一着のワンピースがあった。
「ほら、アルフィーの成れの果てだよ。この世界に救いなんてないってわかったんだね。
すぐにみんなも、アルフィーがこうしたって知るはずだよ」
しかしガーソンは、そんな花を無視して、こつこつと杖で辺りを叩いた。
「……お前……まさか」
「お前さんの無駄話に付き合ってなんかおれんわい。さっさとおうちなりどこへなり帰りなさい」
どうやらガーソンには、全く聞く気がないらしい。
その時……
今日は寝ます。
- 476二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:31:47
フラウィーの背後に何者かが現れた
- 477二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:54:17
サンズも来た
- 478二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 16:28:09
アマルガムが現れた
- 479二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 20:14:58
ガスターが現れる
- 480二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 20:19:24
- 481二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 21:07:53
- 482二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:33:48
不意に、甲羅に生暖かい風を感じ、ガーソンは恐る恐る振り返った。
そこには――”何か“がいた。
本当に、”何か“としか言い表しようのないシルエットだ。
それは、巨大な白いドロドロだった。
顔面であろう辺りに大きな穴が開いていて、そこからぼとぼとと何かが垂れ落ちている。
どうやらさっきの生暖かいものは、こいつの吐息だったらしい。
「な――!?」
流石のガーソンも、これには思わず腰を抜かした。杖が派手な音を立てて床を転がる。
それはのしのしとガーソンに歩み寄ると、彼の匂いを嗅ぐように、顔の穴を近づけてきた。
そして今度は転がっていた杖を取ると、それをガーソンに向かってぽいっと投げた。
「……な、なんじゃ一体……」
いぶかしむガーソンをよそに、その謎のドロドロは、尻らしき部位にある、尻尾らしきパーツをばたばたと振り回した。
あたりにびちゃびちゃと謎の液体が飛び散る。
「それ、投げてほしいってさ」
突然そんな声が割り込んできた。 - 483二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:09:35
慌てて声のした方を見ると、そこにはサンズがいた。
「お、おお、サンズか。やはりここにおったんじゃな……」
サンズが一瞬子首を傾げたが、まあいいか、と言わんばかりに肩を竦めた。
「そいつは……あー……アマルガムっていうんだ。モンスターの集合体だよ。
詳しく話すと長くなるけど……アルフィーの置き土産みたいなもんだ」
「端折りすぎててわからん」
しかしガーソンのツッコミも素知らぬ顔で、アマルガムと呼ばれたドロドロは、尻尾を振り回している。
ガーソンはやれやれとばかりに、杖を投げた。
するとアマルガムはドタドタと液体をまき散らしながら走っていく。
「……ところでサンズ」
「何?」
「表がえらいことになっとるぞ」
「……えらいこと?」
そこに杖を咥えたアマルガムが走ってくる。ガーソンは杖を受け取って、また投げた。
「ああ、スケルトンみたいな幻覚を見た奴が出てきおっての……表でロイヤル・ガードの犬が騒いどったわい」
それを聞いたサンズの目に、一瞬、違う光が宿った。
「……みんな見たのか?」
「見える奴見えん奴がいるからややこしいんじゃ。
……あのデカブツも含めて、お前さんも説明を求められるじゃろうて。ちゃんと考えておくことじゃな」
ガーソンがサンズを見据えて言うと、サンズも、
「……そうだな」
と、思うところがあるように返事を返した。
その時だった。
今日は寝ます。
- 484二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:41:51
放置されたフラウィーがかんしゃくを起こして2人に話しかけてきた
- 485二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 03:10:35
なんとアマルガムが喋った
- 486二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 06:40:10
な~んか忘れてないかなとチラチラ見るフラウィ
- 487二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 11:50:42
モニターの電源がついた
- 488二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:39:55
- 489二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 20:40:34
- 490二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:22:47
その時だった。
「……ライ……ちゃん……」
また別の声が聞こえて、ガーソンはそちらの方を見た。
そこには、また違う“アマルガム”が立っていた。
全体的なシルエットは鳥のように見える。
「ライ……ちゃ……」
そしてそれは、口を利いていた。
「……こやつは、」
「そいつも“アマルガム”さ。多分……オワライチョウの奥さんで、母親だ」
サンズがそっと“アマルガム”に近付く。
「それにしても、聞いたか奥さん。オイラ、何だか有名みたいな。“こおり”ゃ参った」
オワライチョウのアマルガムが、掠れた笑い声を上げた。涙が頬を伝う。
ガーソンは呆気に取られて見ていることしか出来なかった。
その間にもイヌっぽい“アマルガム”は尻尾をばたばた振りながら、なお杖を投げるよう迫ってくる。
「……他にも、おるのか」
「ああ」
ガーソンの問いかけに、サンズは何気なく答える。
「…………アズゴアが“動かなくなった”皆を集めるように命じてたのは……」
「……多分、それがこいつらだな」
それが、アルフィーの置き土産、か。
ガーソンは、思わず頭を押さえた。
――一体、あやつらは、何を。
ところで、あの花はどこにいったのだろうか。
- 491二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:33:12
いせきに向かっていた
- 492二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:34:33
ラボのもっと奥に進んでいた
- 493二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:47:11
アマルガムの家族をのもとを訪ねて回っていた
- 494二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:48:26
ホテルにいた
- 495二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:50:07
- 496二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:55:14
- 497二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 00:44:54
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- 498二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 11:39:06
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- 499二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:29:38
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- 500二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:44:36
フラウィがホテルにやってくると、そこにはモンスターたちが集っていた。
誰も彼も不安そうな顔をして、さながら群体のように寄り添いあっている。
「……あのモンスターは……」「幻が……」「スケルトン……」「恐ろしい……」
どうやら、ガーソンがちらっと話していた、幻覚の話をしているらしい。
そっと人々の隙間から様子を伺うと、誰かがその幻覚を描いたらしい模造紙が置いてあった。
それは、仮面のような顔をした、黒衣のモンスターだった。
フラウィは――否。
アズリエル・ドリーマーは、そのモンスターの事を、知っていた。 - 501二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:54:51
それは、確か、王宮直属の科学者だった。つまり、アルフィーの前任者にあたるのだろうか。
父親――あのバカな王様に紹介されたような気がするが、その時は、なんだかブキミだな、って思った記憶がある。
もっとも、記憶はあれど、それはもうずっと昔の、何百周も繰り返す前の記憶だ。
そこにどんな感情が付随していたのかも、今のフラウィには他人事のようだった。
そしてそいつは、もうこの世にはいないはずだった。
(――ウラで動き始めたのか)
フラウィは模造紙に書かれたそれを見ながら考えた。
これは、ある種チャンスだった。
人々はこれを、スケルトンのモンスターだと思っている。
突然現れたこれを恐れている。
ならば、この恐怖を、不安を、一点に集中させてやれば――カタルシスが起きるかもしれない。
そして、その不安を向けるのにちょうどいい相手は、今、ラボにいた。
フラウィは、口を開いた。
今日は寝ます。
- 502二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 02:49:10
みんなメタトンやアルフィーに会いたい?
- 503二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 08:37:58
少し前に起きた『あの事件』の真相を知りたい人はいる?
- 504二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:07:33
サンズが元凶かもしれないよ
- 505二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:30:29
アルフィーには秘密がある
それも墓まで持っていかなきゃならないような、ね - 506二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 19:31:42
- 507二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:39:14
- 508二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:58:09
そうだ、足掛かりはここからがいい。
皆に思い知らせてやるんだ、一体自分たちが、どんな環境で生きてきたのかを――
フラウィは人々の足元にそっと身をひそめながら。皆に聞こえるように、こう言った。
「ねえ……皆が慕ってる王様が、陰でどんな事をしてたのか教えようか?」
途端、人々は一体誰が言ったのかと、落ち着きをなくし始めた。
「誰や、今変な事言うたんは……」「お、オレじゃねえよ」「えー知らなーい」「一体誰が……」
そのざわつきに紛れこみ、フラウィは声色を変えて言った。
「ねえ、一体王様が何をしたの?」
「この状況と、何か関係があるのか?」
フラウィは声色を変えながら、人々に疑惑の種を蒔いていく。
一体何事かと囁きあう人々に混じり、なお囁く。
「それって、あの事かな」「あの事って?」「ほら、“動かなくなった”モンスターを集めさせた……」
一人芝居で囁くフラウィの声に、モンスター何人の顔色が変わった。
一番顕著だったのは、コメディアンのオワライチョウだ。
「……かみさんのことか?なあ、誰かなんか知っとるんか……!?」
さあ、この話をどう展開してやろうか……?
今日は寝ます。
- 509二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 23:02:39
アルフィーはみんなを裏切っていた
- 510二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 02:00:42
アルフィーはマッドサイエンティストだった
- 511二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:33:14
そのひとはまだ生きてる
- 512二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 14:37:50
そのひとに会う方法がある
- 513二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 17:28:29
- 514二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:50:54
- 515二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:50:25
「そのひとは、まだ生きてるよ」
フラウィはそっと、オワライチョウに囁いた。
「だ、誰や!?誰やわけわからんこと言う奴は!?」
オワライチョウは羽毛を逆立てて、周囲のモンスターに嘴を向けた。
フラウィはその様が面白くて、くすくす嘲りながら、また違う声色で言った。
「運び込まれた先にいるんじゃないかな?」
その言葉に、オワライチョウは頭を上げて、出口の方を見た。
「……もしかして……まだ、アルフィー博士のラボにおるんか……?」
「きっとそうだ」「迎えにいってあげなよ」「原因も、そこにいるかもね」
フラウィの言葉に、オワライチョウは操られたように、ふらふらとホテルの外へと出ていく。
それに合わせて、他の人々もそれに続いた。
これは――新しい展開だ。
フラウィはほくそ笑んだ。
大概アルフィーが謝るか、サンズが先んじて教えて手打ちにするのが常の中、今回は、まだ秘密にされているうちに、彼らが見つけることになる。
何故これを隠していたんだ、っていう事態になったら――それは、また面白そうだ。
カタルシスの臭いに、フラウィもまたラボに向かった。
そのラボでは……
今日は寝ます。
- 516二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:53:41
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- 517二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 03:24:40
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- 518二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 10:17:29
中は”空っぽ”だ
- 519二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:09:06
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- 520二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:11:35
- 521二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 20:21:36
- 522二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:14:12
しかし、だれもいなかった。
「――え?」
今度はフラウィが呆気に取られるターンだった。
ガーソンも、サンズも、アマルガム達も、誰もいない。
ラボのロビーは、しんと静まり返っている。
「嘘だろ……?」
フラウィはあちこちに目をやったが、彼らの姿はどこにもなかった。
「くそ、アイツらどこに行ったんだ!?」
恐怖のご対面と言い訳タイムのはずだったのに、これじゃ台無しだ――フラウィは歯噛みして、改めて皆を探す事にした。
そして、そのサンズたちは――
- 523二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:32:51
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- 524二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:33:36
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- 525二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:34:53
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- 526二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:40:18
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- 527二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:41:59
- 528二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 23:31:40
- 529二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 02:56:00
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- 530二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 11:19:51
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- 531二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:29:06
やがて、涙が少し落ち着き、瞼の腫れが引いた頃。
トリエルは、突然、遺跡の奥で、どすん、と大きな音がするのを聞いた。
もう泣いている暇などなかった。
トリエルはわき目もふらずきんいろのはなの花畑まで走り、そして――
「……え?」
自分が今見ているものがなんなのか、信じられなくなった。
まずサンズ。これはわからないことはない。彼はドアも開けずに入ってくることがよくある。
次にガーソン氏。わからない。自分に外に出るなと言った彼が、何故ここにいるのだろうか。
そして、その背後で花を踏みつぶさないようにしながら蠢いている白いドロドロのモンスター。わからない。本当にわからない。
困惑と同時に、懐かしい感情が少し湧き上がってくる。
「……サンズ……」
トリエルの声が震える。垂れた耳が、魔力の高まりに応じてふわりと持ち上がる。
ああ、そうだ、この感情は、あの時に似ている。
子ども達の洋服をお洗濯しようとしたら、ポケットからダンゴムシが3匹くらい出てきた時の、あの感情だ。
「…………説明、してもらいますからね」
トリエルの眼力の前に、サンズも、そしてガーソンすらも、顔を引きつらせ、
「……はい」
と、返事をした。
一方そのころ、他のモンスターたちは……
- 532二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:33:26
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- 533二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:38:40
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- 534二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:39:31
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- 535二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:40:49
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- 536二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:42:50
- 537二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 21:33:22
- 538二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:37:39
人々はこぞってラボに乗り込み――真相の一端を掴んだ。
そこにはシーツに隠された、チリの山と、メガネと、一着のワンピースがあった。
……いうまでもない。それは、アルフィーの持ち物だった。
「……ど、どういうこっちゃ……?なんでアルフィーはんが……」
狼狽するオワライチョウを横目に、一緒についてきたバガパン青年は、思わず口元を押さえた。
確かに、自分はアルフィーが見つかったという報告は聞いた。そしてそれをサンズに伝えた。
そして、その生命の有無までは聞いていなかった。
すっかり力を失い、羽の色つやもなくなったオワライチョウを、他のモンスターたちがそっと支える。
その後も辺りを探したが、やはりアルフィーのものらしきチリ以外、何も見つからなかった。
やがて誰かが、きちんとお葬式をしてあげよう、と言い出した。
事態はそれで、一旦アルフィーをゆっくり眠らせてあげる話で落ち着く……はずだった。 - 539二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:18:20
(……アイツ、逃げたな……自分のタイミングを作るために……!)
フラウィは一人呻いた。アイツには……サンズにはそういうところがある。
奴は常に警戒している。カンが鋭く、読心術も使える。
もしかしたらこうなることを予測していたのかもしれない。
例えば……自分が他のモンスターたちをここに連れてくることとか。
(……くそ!)
フラウィが内心悪態をついたその時だった。
「ぎゃああ!!」
突然、群衆から悲鳴があがった。
一体何事かとフラウィはそちらを見、そして、察した。
そこには、あの黒衣と仮面のモンスターの影が、ぼんやりと立っていた。
さて、次は何が起こる……?
- 540二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:26:08
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- 541二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:27:21
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- 542二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:35:12
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- 543二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:38:47
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- 544二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:39:47
- 545二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 10:29:13
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- 546二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 11:16:23
- 547二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:37:15
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- 548二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:12:12
曖昧な幻覚ではなかった。今このモンスターは、この場にいる全員に見えていた。
もう、誰も悲鳴を上げることなど出来なかった。
皆がそのモンスターの一挙手一投足から、目が離せなかった。
そのモンスターは、体から分離した手のひらを、すっと皆に見せた。手のひらには、穴が空いていた。
そしてその手が、一方を指差した。
そこには、モニターがあった。
一体何を――そう思った瞬間、モニターに、光が灯った。
一体このモンスターは、何を見せたいのだろう……
- 549二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:16:19
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- 550二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:17:16
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- 551二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:19:35
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- 552二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:20:12
Gルートの切り殺されるフラウィ
- 553二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:30:35
- 554二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 23:02:07
- 555二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 00:45:51
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- 556二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 10:46:17
ほしゅてーる
- 557二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 18:28:36
何で消されたんだろう
- 558二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 22:59:13
>>513以降の安価消されちゃったのか
- 559二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 23:12:45
映像はノイズがかっていたが、しかし、誰が何をしているか、というところまで理解するには十分だった。
そこは、実験室のようだった。ストレッチャーが何台も並べられ、そこには“動かなくなった”モンスター達が横たわっている。
例えばそれはイヌたちだったり、アーロンだったり、そして、オワライチョウの妻だったりした。
そしてそこには――アルフィーの姿もあった。
「――それではこれより、実験を開始します。“動かなくなった”モンスターに対する、ケツイの注入実験……
成功すれば、タマシイをキープ出来るようになるはず……」
皆は、アルフィーが一体何を言っているのかわからなかった。――フラウィ以外は。
唐突に映像が乱れたと思うと、先ほどの実験室が映った。
場所こそ一緒だが、様子が変わっている。
先ほどストレッチャーに横たわっていたモンスターたちが、起き上がり、会話している。
その内容もまるでごく一般的な世間話で、とても瀕死の状態だったようには見えなかった。
「かみさん……動いとる……喋っとる……!」
オワライチョウが食い入るように映像を見つめた。
映像の中で彼の妻は、イヌのモンスターと、夫のたわいない話をしながら笑いあっていた。
「……あれ?でもこれ見ると、実験は成功したんとちゃうんか?何で誰も……」
帰ってこないのか、と言おうとした、その時だった。 - 560二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 23:36:16
映像が切り替わる。
モンスターたちの体が――溶けていた。
ぐずぐずに溶けて、色を失い、どろどろになった状態で、実験室を這いずっていた。
否、それだけなら、まだよかったのかもしれない。
イヌのモンスター同士が、お互いを心配するように手を伸ばす。体同士が融合する。
アーロンが慰めるように、シャイレーンの姉を抱き締める。体同士が融合する。
オワライチョウの妻がベジトイドを慰める。体同士が融合する。
溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる、溶ける、混ざる――
そして、映像が唐突に切り替わった。
そこは、もう研究室ですらない。
どこか薄暗い場所に、アルフィーだけがいた。
アルフィーは、シーツの上にあった、あの水玉のワンピースを身に着けていた。
「…………い……」
アルフィーが、小さな声で囁いた。
「……さい……なさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
それは、謝罪の声だった。
そして、アルフィーは、何かをした。己に向かって。カメラに映らない角度で。
だが、彼女が何をしたかは、明白だった。
すぐに彼女の体は、チリになってしまったのだから。
この映像を見た皆は――
今日は寝ます。
ちなみに、私は安価を消していません。消すのは今後こちらの判断で行いますので、やめてください。
- 561二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 00:47:43
真相を知ってそうなモンスターに聞くことにした
- 562二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 01:04:30
- 563二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 04:50:33
急いで皆に伝える
- 564二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 07:25:21
フラウィを疑う
- 565二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 14:24:18
- 566二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 15:08:49
- 567二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 18:55:47
「……と、とにかく、みんなに伝えなきゃ……」
モンスターの誰かが言い出して、やがて皆は緊張感に急かされるように、次々とラボを出ていった。
オワライチョウや他の遺族のモンスターたちは呆然と立ち尽くしていたが、他のモンスターたちが表へと連れ出していく。
ばたばたと足音が響き、遠ざかり、そしてラボには、フラウィだけが残された。
あの黒衣のモンスターも、もういない。
「……アイツ……一体何のつもりだ……?」
フラウィは沈黙したモニターを見上げて呟いた。
その頃、サンズたちは……
- 568二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:20:59
フラウィのすぐ後ろだ
- 569二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:22:12
アマルガムたちの相手をしていた
- 570二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:42:04
異変を感じまたラボへ来ていた
- 571二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:43:32
わんさいぼうとじゃれていた
- 572二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:44:47
- 573二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:47:20
- 574二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 20:29:16
遊んでる場合か!
- 575二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 20:59:23
ヤバイです
- 576二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 20:59:35
「――状況はだいたいわかりました」
トリエルが額に手をやりながら言う。
「アズゴアもアズゴアなりに、タマシイを奪わない方法も模索していた、ということですね」
だからと言って、失われた6人のニンゲンのタマシイが帰ってくるわけではない。
どこまでも甘く、優しく、しかし責任を放棄する事も出来なかった男だ。
内心、ニンゲンなんかもう来なければいいと、ニンゲンのタマシイを奪いたくないと思っていたのだろう。
そうでなければ、モンスターのタマシイを代用する研究など、そもそも行うはずがない。
だが容赦なくニンゲンは落ちてきた。そしてアズゴアは、彼らのタマシイを奪い続けた。
そして今回は、自分が奪われる側だったというわけだ。
「ま、そういうことだな」
サンズが指の先に骨を出し、それを投げる。
すると、イヌっぽいアマルガム……わんさいぼうが、ばたばたびちゃびちゃ走ってそれを取りに行く。
ドロドロの顔でそれを掴むと、またサンズの元に戻る。もう何十回と繰り返された遊びだった。
「それで……つまり、彼らは、遺族なんじゃろ?」
ガーソンがわんさいぼうの体液に塗れた杖を拭いながら尋ねる。
「これから、どうするつもりじゃ?責任者ももう、この世にはおらんぞ……」
……どうする?
- 577二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 21:15:31
こん姿を遺族に見せられるか?
- 578二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:26:15
本当のことを話そう
- 579二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:28:24
彼等を家に帰すにはまだ早い
- 580二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:35:17
- 581二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:47:07
- 582二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 23:34:38
「アンタは?」
サンズは、寝転がったわんさいぼうのお腹を撫でながら尋ねた。
「ガーソンじいさん、アンタはどう思う?」
サンズに言われて、ガーソンは改めてアマルガムたちを見た。
「ワシは……まだ、家族に会わせるのは早いんじゃないかと思う」
「そうか?オイラは会わせても大丈夫だと思うぜ」
しれっと言うサンズに、ガーソンはレンズ並に目を丸くした。
「……大した胆力じゃの」
「単純に、信じてるだけだぜ。家族の絆って奴をさ」
家族、という言葉に、オワライチョウのアマルガムがもぞもぞと動いた。
「ライ……ちゃん……」
「ああ、家族に会いたいよな。わかるぜ」
涙が頬を伝うオワライチョウの撫でながら、サンズは呟いた。
その時……
今日は寝ます。
- 583二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 23:44:52
おもむろにフロギーがやって来た
- 584二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 08:45:44
またアマルガムがしゃべった
- 585二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 12:09:41
またサンズの携帯が鳴る
- 586二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 18:04:48
フラウィがきた
- 587二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 18:05:42
- 588二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 20:03:59
- 589二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 21:46:10
「お前……よくもやってくれたな、このゴミやろう」
突如、多大に怨嗟を含んだ声が、いせきに響き渡った。
アマルガムたちは一体何事かと怯え、サンズとガーソンは、トリエルを守るように彼女の前後に立った。
もっとも、二人とも、その声の主が誰なのか、うすうす理解していた。
やがて、いせきの天井の隙間から、花が一輪突き出した。
――きんいろのはなだ。
「よお、チョーシどう?」
「お前、わざとこっちにアマルガムたちを逃がしただろ。
皆と感動のご対面をするタイミングを、自分で調節する為に」
きんいろのはな――フラウィは、歯をむき出しにしてサンズを睨みつけた。
「さあ、何のことかな」
「まあ、そのやり方もムダだったけどね!!」
花がにやりと不気味に笑うのを見て、ガーソンは、
「……どういう意味じゃ?」
と尋ねた。
フラウィはひときわゲラゲラと笑った後、恐ろしく冷たい声色で言った。
「もうみんなは、こいつらを知ってる。アルフィーが何をやって、そして、どうやって逃げたかも知ってる」
「――っ」
その言葉に、皆が目を見開いた。 - 590二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:11:34
「“アイツ”が全部教えてくれたよ。ラボの記録映像を再生してくれたんだ。
アマルガムがどうしてこんな姿になったのか、アルフィーの末路はどんなものだったのか……
映像は、ラボに集まったモンスターたち、皆に全てを教えてくれたよ」
フラウィはちらりといせきの出口、スノーフルとの境目の方角を見た。
「今頃そいつらが、洗いざらい他の地区のモンスターたちにも全部教えてるんじゃないかな。
きっと、死んだモンスターたちの家族もすぐに知ることになるよ。
自分の愛した家族が、いったいどんな目に遭わされたのかをね!
おまけに、それをやったアルフィーも、あの世に逃げちゃった。
怒りも恐怖も、アルフィー以外にぶつけるしかなくなるよね」
するりとツタを伸ばし、フラウィはことさらサンズに顔を近づけた。
「さあ、お待ちかねの“カタルシス”がやってくるよ!!」
げらげらげらげらと邪悪な高笑いと共に、フラウィは天井へと消えていった。
後には、サンズとガーソン、そして毛皮越しでもわかるほどに顔色を悪くしたトリエルと、震えるアマルガムたちだけが取り残された。
そして――“それは”起こった。
- 591二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:14:27
地下に大混乱が起きた
- 592二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:16:19
大勢のモンスターたちがいせきにやって来た
- 593二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:19:16
サンズの携帯が鳴った
- 594二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:20:38
アルフィーを責める者と庇う者で大きな対立と混乱が生じた
- 595二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:22:19
- 596二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:36:44
- 597二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:26:43
「サンズ、何なんじゃあの花は。こないだもワシに会いに来おったが」
「この間、いせきにも来た子よね……?」
ガーソンとトリエルがサンズに尋ねた。
一体どこからどこまで説明すればいいんだろうか、などとサンズが考えあぐねていた時だった。
突然、アマルガムたちが、そのとろけた体を震わせ始めた。――怯えていた。
「まあ、どうしたの?大丈夫、怖くない、怖くないわ……」
トリエルが宥めるように撫でるが、効果は薄い。
一体何事かとあたりを見回す――までもなく。
それは、いた。
――それは、黒衣を身に纏い、まるで能面の様な顔をした、一人のモンスターだった。
このモンスターは、何をするつもりなのだろう……?
今日は寝ます。
- 598二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:48:13
サンズたちを招く様にいせきの入り口まで歩きだした
- 599二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 06:32:00
「繰り返しによって世界が壊れ死んだはずの私が蘇っている」
- 600二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 09:10:13
トリエルにソウルレスPルートの光景を見せる
- 601二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 09:28:22
- 602二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 19:06:45
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- 603二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 20:09:09
研究は王から依頼されたこと、アルフィーは依頼を前任者から引き継いでいたということを伝える
- 604二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 20:36:10
- 605二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:17:10
突然、だった。
突然トリエルは、痛いほどの眩しさを感じて、思わず目を閉じた。
彼女の鼻先を、新鮮な草原の香りが掠めた。
――新鮮な草原? この、空気の澱んだ地下に……? それに、この眩しさは……?
トリエルは恐る恐る目を開け――己の正気を疑った。
そこは、地上だった。
「……え?」
いい天気だ。太陽の日差しが降り注いでいる。花が咲いている。小鳥たちも囀っている。
遠くで、ニンゲンとモンスターの子どもが、仲良く追いかけっこをしている。
それを見守りながら、大人のニンゲンとモンスターが、談笑している。
ニンゲンとモンスターが、共存する、地上。
それが今、トリエルの目の前にあった。 - 606二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:52:39
こんな光景――知らない。トリエルは知らない。
少なくとも、モンスターたちが戦争に負けた後は、こんな事、あり得るはずがない。
「どうして……」
トリエルは一人立ち尽くした。しかし、誰もトリエルに気付いていないようだった。
なんせさっき走ってきたモンスターは、自分の体を通り抜けてしまったのだから、
まるで、本当にお化けになってしまったようだった。
しかし、この草花の香りや、頬を撫でるそよ風、暖かい太陽の日差しは、本物のように感じられた。
あるいは、これは白昼夢なのだろうか。
トリエルがそう思いながらあたりを見回した時だった。
「――!!」
子どもの声が、聞こえた。あの子の声だった。あの日、スノーフルの向こうへ見送った、あのニンゲンの子どもの声だ。
その子が、わたしを呼んだ。
トリエルは思わず振り返ったが、ニンゲンの子どもは全く気付かず、トリエルの体を通り抜けて、元気に走っていく。
その背を追うようにそちらを見て、トリエルは、再び呆気に取られた。
そこには、また、トリエルがいた。 - 607二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:20:08
その“トリエル”は、トリエル自身の知っている“トリエル”ではなかった。
あんなワンピースなんて、トリエルは持っていない。麦わら帽子なんて、もうずっと長い間被っていない。
なのにその“トリエル”は、日差しの中でワンピースの裾を舞わせ、
走ってきたニンゲンの子どもを、何の迷いもなく、まるで我が子みたいに抱き締めた。
わたしは――わたしは、何を見ているの?
しかし、トリエルの動揺もよそに、“トリエル”はニンゲンの子どもの頭を撫でて、髪についていた葉っぱを払った。
そして子どもの話を、楽しそうに聞いていた。
何もかも、トリエルの知らない光景だった。
やがて場面が切り替わり、気付くとトリエルは、家の中にいた。知らない家だ。
でも、ここが誰の家なのかはすぐにわかった。
まもなく、“トリエル”とニンゲンの子どもが帰ってきたからだ。
まるで早回しにするかのように、“トリエル”とニンゲンの子どもは、夕方から夜にかけてのルーティンを終えていく。
そして、気付いた時、トリエルは、ニンゲンの子どものベッドルームにいた。
ニンゲンの子どもは、ぐっすり眠っている。
窓の外には星が瞬き、虫の声が聞こえてくる。
不意に、ドアが開いて、“トリエル”が入ってきた。手には、一切れのバタースコッチパイを持っている。
それをそっと床に置くと、“トリエル”は、すっと、ベッドルームを去っていった。
ニンゲンの子どもの目が、真っ赤に光った。
その顔は、その顔は――! - 608二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 23:24:57
「――ィ……トリィ! トリエル! しっかりしろ!」
いせきの床にくずおれて動かないトリエルの体を、サンズは揺さぶった。
「……お前……ずっと、何のつもりなんだ?」
サンズの声は震えていた。何もかもを諦めたはずなのに、今、“何か”が、彼を突き動かしていた。
「オレや、トリエルに、何をした? ……いや、オレたちだけじゃない。
この地底全体を、お前はかき乱してる。ニンゲンや、あの花とは別にな。
お前は、一体、何がしたいんだ?」
しかし、その問いに対する答えが返ってくることはなかった。
何故なら――
今日は寝ます。
- 609二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 01:26:13
既にに煙のように消えてしまったから
- 610二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 11:26:18
サンズにもトリエルに見せた映像を見せられた
- 611二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 17:27:22
サンズはいつの間にか1人でさいごのかいろうに立っていたから
- 612二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 17:29:55
ガスターはその質問に答えなかったから
そして彼はサンズを招くように遺跡の入り口へ向かっていった - 613二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 17:33:19
- 614二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 21:11:29
- 615二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 22:42:33
その時だった。
不意に聞こえてきた物音に、一瞬、二人ともいせきの出口、スノーフルの方を見た。
それはざわめくような、大勢の足音だった。
そして二人が目線を戻した時には、もう、黒衣のモンスターは姿を消していた。
「……アイツは……」
サンズが押し殺したような声を漏らしたが、その間にも奥の方から、
どん、どん、と、ドアをノックする音が響いている。
「……ひとまず、客を迎えた方がよさそうじゃの」
ガーソンが言って、サンズは頷いた。
もう隠す必要もないと、サンズはガーソンと気絶したトリエルごと、トリエルの家へと帰った。
トリエルをベッドに寝かせると、サンズはやっと階段を降り、スノーフルへのドアへと向かった。
ドアを開けると、そこにいたのは誰で、何の用事だろうか……やはりあの事件の事だろうか。それとも……
- 616二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 22:47:41
アマルガムたちの家族だ
- 617二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 22:57:37
たまたま扉の向こう側近くにいたいぬのモンスターたちがサンズとトリエルの声を聞いてやって来た
- 618二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 22:59:02
ホテルのモンスターたちがフラウィを追ってやって来た
- 619二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 23:00:29
ホテルのモンスターたちがここに海女たちがいると聞かされてやって来た
- 620二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 23:20:35
- 621二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 23:40:24
- 622二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 11:23:15
このレスは削除されています
- 623二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 21:33:41
このレスは削除されています
- 624二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:03:19
しかしだれもこなかった。
「……」
ドアの向こうから聞こえていた足音が嘘のように、そこには誰もいなかった。
スノーフルの雪景色と森が続いているだけだ。
パピルスが作ったイミのないゲートが佇んでいる。
「……」
何の勘違いか、と思い、サンズは頭を掻いた。
しかし。
ざく、と、また足音がした。
「……っ!?」
サンズは思わず振り返り、そして、“彼ら”を見た。
それは、ひしゃげたフロギーだった。
それは、羽をむしられ尽くしたオワライチョウだった。
それは、頭部の中身が零れたウォシュアだった。
それは――頭部のないパピルスだった。溶けて這いずるアンダインだった。亡霊になったメタトンだった。
それは、それは、それは―― - 625二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:19:57
「――っ」
サンズは思わずたたらを踏んだ。
今のは――まさか。他の時間軸で、ニンゲンに殺されたモンスター、だろうか……?
だがそれが、何故、自分の前に現れた……?
しかし、その幻も、サンズが動揺している間に、スッと消えてしまった。
後にいたのは――生きているモンスターたちだった。
「さ、サンズ!そこにいるんだろ!?」
そう吠えたのはワンボーだった。
「な、なあ、お前、やっぱ、何か、隠してたのか!?
あのモンスターは、お前の知り合いか!? あ、アルフィーの事だって、お前、お前……!」
ワンボーは尻尾を丸め、それでも吠えていた。
サンズは……
今日は寝ます。
- 626二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 03:05:47
骨を投げてひとまず落ち着かせる
- 627二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 12:22:36
最近変な幻を見たことはないか?と訊ねる
- 628二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 14:11:56
真実を話す
- 629二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:53:21
教える代わりにあの花に何か言われたのか効いてみる
- 630二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:53:56
- 631二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 18:28:26
- 632二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:55:13
「……ああ、わかった。教えるよ。みんなも混乱してるだろうしな」
サンズは肩をすくめた。
「でもその代わりに……なんでオイラが怪しいって思ったのか教えてくれるか?」
途端、ワンボーの顔が引き攣った。
「それは…………わ、わからねえ。だって、アイツ、全然動かなかったから……
声だけが言ったんだよ。サンズがなんか企んでるって……
そこに、あの幻覚やら、この騒動やらが来て……」
ワンボーはバツの悪そうな顔をして、尻尾を丸めた。
ワンボーが動くものしか見えないことを知っていて、かつ、サンズが怪しいと誘導できるもの……
あの花の仕業だろう、とサンズは確信した。
恐らくもっと段階を踏んで疑惑を深めていくつもりが、アルフィーの件で発見が早まったのが今なのだろう。
「……あのラボから連れ出した。今は……このいせきの奥にいる。
あの薄暗い中じゃ、よく見えないと思ってな。少なくとも、いせきの方がまだ明るい」
サンズはゆっくりと、いせきの奥に向かって歩き出した。
「ああでも、出来れば少人数で来てくれ。トリエル……元女王の家を通るからな」
元女王、という言葉に、一部モンスターの顔が険しく歪んだ。
「言っておくが、今回の件は、トリエルは一切関係ない。
実験にしろなんにしろ、全てはトリエルが出て行った後に起こったことだからな」
そして遺族の何名かは、変わり果てた姿の家族と再会したが……
- 633二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:03:15
現実を受け入れられない者もいた
- 634二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:07:04
黄色い花のせいではないかという論調になった
- 635二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:33:18
多くの遺族が気が触れてしまった
- 636二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:39:08
元に戻す術はないと聞かされ絶望
- 637二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:37:25
- 638二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:41:51
- 639二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 02:10:27
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- 640二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 12:31:27
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- 641二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:02:30
オワライチョウが、イヌたちが、揃って目を見開いた。
いせきの中の、長々とした廊下。そこに、アマルガムたちはいた。
彼らは、戸惑うように蠢きながら、やってきた家族たちを出迎えた。
「……な、なあ……お、オレの目がおかしくなったわけじゃねえよな……」
ワンボーが己の目をこすって、つばを飲み込んだ。
「あそこで……う、ウネウネ動いてる奴……動いてるんだよな……?ずっと……?」
「だ、大丈夫っスよ……」
(ウ、ウチらにも見えてるサ……)
イヌたちは顔を見合わせ、鼻を鳴らした。
「……で、でもこのニオイは……」
やがて後ろにいたグレータードッグが近付き、わんさいぼうのお尻をくんくん嗅いだ。
するとわんさいぼうもずるずる動き、グレータードッグのお尻のニオイを嗅ぐ。
「……父ちゃんや母ちゃんのニオイッス……」
イヌッスが、ある種観念したように呟いた。
彼らにとっては、それで、十分すぎるほどの証明だった。 - 642二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:31:23
「……お前……」
オワライチョウがおずおずと歩み寄る。アマルガムが、そちらの方に体をゆっくりと向ける。
「……ライ……ちゃ……」
それで、オワライチョウは全てを理解した。
「……ああ……せがれも元気や……」
そっと、崩れそうな妻の体を抱きしめる。
「…………あな……た……?」
「……かんにん……かんにんなぁ……かんにんなぁ……!!」
そのドロドロの胸元に顔を埋め、オワライチョウは、久しぶりに泣いた。
「……サンズ」
ややあってから、イヌッスが言った。
「その……こんな事訊くのも、アレなんスけど……」
(元に戻す方法は、ないのサ……?)
二人はサンズを見つめた。
サンズは――サンズは、答えられなかった。
だって、それを成したアルフィーはもう、この世にいない。
仮に自分がやったところで、何年かかるかわからない。
そもそも――元に戻す前に、世界はまた、リセットされるだろう。
「……」
サンズは、静かに首を振る事しか出来なかった。
「……そんな……!」
(本当に、どうしようもないサ……!?)
「……そうか……そう、なんか……」
そうだ。ここで、出来る、なんて言ったら、それはもう、約束ですらない。
それは、ただの、嘘だ。
そして、これをきっかけに、地底は……
- 643二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:35:17
自棄になったものや絶望に怒り狂った者達で溢れかえった
- 644二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:36:23
現実を受け入れ始めた
- 645二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:40:44
黄色い花を探し狙い始めた
- 646二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:48:42
人間への憎しみで再び集まろうとしたがリーダーが決まらない
- 647二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:50:26
- 648二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 23:30:45
- 649二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 09:08:05
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- 650二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 18:22:04
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- 651二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 22:31:02
地底は――静かになった。
混乱もない。闘争もない。
ただただ、深海の如き深い絶望。それが、今の地底だった。
モンスターのタマシイの実験、それによって造られてしまったアマルガム、それを行ったアルフィーの死……
王がニンゲンのタマシイを奪わない方法も模索していたらしいという噂は、状況証拠と共に、さざなみのように広まっていった。
――王は実は報復すら望んでいなかったというのか。
一部の口さないモンスターがそんなことを言ったが、彼らももう、誰かを憎むことに疲れていた。
アマルガムの家族たちはひっそりと静かに暮らしていたが、やがて人々も、その存在を受け入れ始めた。
もっともそれも、「戻らないなら仕方ない」という、諦念から来るものだった。
地底は静かになった。ゆっくり、ゆっくり、摩耗しながら、絶望していった。
彼らはもう、全てを諦めていた。
そして、この状況の中、トリエルは――
- 652二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 22:39:56
同じように全てを受け入れ始めた
- 653二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 22:42:55
どうすれば皆が立ち直るのか考えていたが何も思い浮かばなかった
- 654二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:09:26
自分のせいなのかと未だに苦悩していた
- 655二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:10:32
皆を元気づけるために各地を廻っていた
- 656二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:11:31
- 657二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:31:03
- 658二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:20:41
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- 659二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 16:38:39
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- 660二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:33:21
トリエルも、また、この全てを包み込み沈んでいくような絶望を、受け入れていた。
もちろん、地底全体がこんな調子だから、というのもある。
しかし、トリエルの場合――
その日もトリエルは、いせきを見回っていた。
もし、また、ニンゲンの子どもが落ちてきたら……その存在が、新たな“希望”になってしまったら……
今度こそ、地底が、あるいはその子が、どうなってしまうかわからない。
ならばこそ、保護しなければいけない。そう思った。
しかし、頭ではそう思っていても、彼女の気はそぞろだった。
うっかりフロギーを踏みつぶしかけた時、ようやく彼女は、自分がぼうっとしていた事に気付いた。
怯えたフロギーに何度も詫びながら、トリエルはいせきの更に奥へと向かった。
きんいろのはなの花畑だ。
落ちてくる陽光の中で、花は相変わらず芳しい香りを放っている。
トリエルは花に水をやり終わると、その傍に座り込んだ。
目を閉じて思い出すのは、あのニンゲンの子どもと――最初に落ちてきた、あのニンゲンの子どもの事だ。
トリエルは小さく、その名を呼んだ。
今はもう、誰も知らないかもしれない、でも、きっとトリエルは、一生忘れない名前だった。
「……ねえ……あなたは……わたしたちの事も…………嫌い、だったのかしら」
嫌い、と口にした時、トリエルの吐息が微かに乱れた。 - 661二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:55:47
夢の中に出てきた、あの子――あれは間違いなく、最初のニンゲンの子どもだった。
かつて自分がアズゴアやアズリエルと一緒に慈しんだ、あのニンゲンの子どもだった。
いや、初めは、最近落ちてきたあの子だったのだ。モンスターをたくさん殺したあの子だ。
その子が、何故か、ニンゲンと共存する未来に生きている夢を見た。
だが、眠っていたあの子が目覚めた時――その顔が、最初のニンゲンの子どものそれに変わったのだ。
その夢が何を意味するのか、トリエルにはわからない。
ただその時、トリエルのタマシイは、強烈な感情を感じた。
敵意。探究心。殺意。――決意。
それが、もし、あの子たちが抱いていたものなのなら。
仮にあの子たちが、地上にモンスターたちを導いたとしても、あの感情を抱いていたのなら、それは――
トリエルは、ゆっくりと、息を吐いた。
――モンスターたちは、地上に出ない方が、幸せなのかもしれない。
うっすらと、そんなことを思いながら、彼女は花を撫でた。
花びらは淡く輝きながら、はらりと落ちた。
そして、サンズは――
今日は寝ます。
- 662二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:03:33
グリルビーにいた
- 663二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 03:18:15
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- 664二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 10:34:05
アルフィーやアンダインの葬式に来ていた
- 665二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 11:05:11
フラウィを探していた
- 666二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 13:48:54
- 667二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 21:20:14
- 668二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:25:49
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- 669二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:29:43
サンズは、グリルビーズにいた。
客は、サンズ以外誰もいない。
サンズの前には、空のグラスが数個、そして、ケチャップのこびりついた皿があった。
グリルビーは、カウンターに頭を預けたサンズを、静かに見ていた。
静かな夜だ。外にも誰もいない。皆、本当に心を許せる人たちとだけ、共にいる。
皆、どうせ沈んでしまうなら、愛する人と共に沈む事を選んだのだろう。
では、サンズは――
グリルビーは、静かにガラスを磨いた。
客の心情を慮る事は出来るかもしれない。しかし、グリルビーは、サンズがそれを望まないことを知っている。
ややあってサンズが目覚めると、グリルビーは静かに会釈した。
「……ああ、ごめんよ。こんな所でボーンと昼寝してたら、パピルスに叱られるな」
サンズは伸びをすると、ふと、棚にあるボトルに目をやった。
「グリルビー、アレを一本くれ」
グリルビーは静かに頷くと、そのボトルをサンズに手渡した。
「ありがとな」
いつの間にかグリルビーの前には、きっちり今日の飲食分とボトルの分のゴールドが置かれていた。
サンズはもう、ドアを開ける事もなく、どこかへとその姿を眩ませていた。
グリルビーは、その金貨を手の中に握り締めた。
「――サンズ」
そして、去っていった客の名を――あるいは、友の名を、静かに呟いた。 - 670二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:54:21
「よお、アンダイン。それに……アルフィー」
サンズはボトルを携え、二人の墓前に来ていた。
アルフィーは、アンダインの隣で眠らせてあげよう――誰ともなくそう言って、そして、実際にそうなった。
もっとも、アンダインの墓に、彼女のチリはない。
それでも、墓をこうして二つ並べてやりたかったのは、一体誰の意志だっただろうか。
まあいいか、と、サンズは二人の墓前に瓶を供えた。
「これ、ほら。覚えてるか?前、アンタがグリルビーズに遊びに来た時にさ。
イヌたちの分全部おごって、自分も呑むっつって。
みんなあんまり呑むもんだから、パピルスが怒ってさ。
んで、アンタはこのボトルの形を気に入って……いつか二人で吞みたいって言ってたよな」
それは、まるで恐竜みたいな形をしているボトルだった。
「あの時、アンタはその相手って奴を言わなかったけどさ。
……へへ、おせっかいだったか?でも、もう誰も邪魔しないだろうし……二人でのんびりやってくれ」
サンズは立ち上がると、
「じゃあ――またな」
と、墓から去っていった。 - 671二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:04:21
「――ただいま、パピルス」
サンズは、誰もいない、スポーツカー型のベッドに呼びかけた。
そこには、赤いスカーフが一枚、まるで横たわるように置かれている。
サンズはそのスカーフを踏まないように、そっとその横に寝そべった。
その手には、絵本が一冊あった。
「……ふわふわうさちゃんと、いないいないばあ……」
サンズは静かに、その絵本を読み始めた。
ふわふわうさちゃんが、皆にいないいないばあをしながらお散歩をする絵本だ。
そして、ああ――最後のページだ。
「……そして君にも……いないいない、ばぁ!」
最後のページには、うさちゃんの大きな顔が描いてある。
皆にいないいないばあをして回ったうさちゃんは、最後に、この本の読者に向かって、いないいないばあをするのだ。
パピルスはオチをわかっていても、前のページの「いないいない……」で溜めているシーンでちょっとびくびくしていた。
そして「ばあっ!」と元気に読んでやると、何度目でもドキッとした様子で肩がびくっと跳ねていた。
その様子がかわいくて、愛おしくて、サンズは寝る前の絵本を欠かしたことがなかった。
パピルスはもういない。 - 672二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:29:34
「……何、泣いてるの?」
突然背後から声がかかって、サンズは窓の方を振り向いた。
フラウィが、窓から顔を覗かせていた。
「ああ、先に言っとくけど……今のボクに当たるのはお角違いだからね。
そりゃ色々ひっかきまわしはしたけどさ。少なくとも今回ボクは誰も殺してない。
パピルスを殺したのは、あのニンゲンだよ。そこは間違いないのは、キミだって知って」
骨が生え窓が割れ、ガラス片がフラウィを襲った。
「って危な!えぇ……?そういうことやるかなあ普通」
「黙れ」
サンズがベッドから立ち上がる。怠け骨のニヤケ顔など、どこにもなかった。
「……キミもさ、わかってるでしょ?この世界は」
「もうすぐ終わる。でも……いや、だから、かな。……お前に八つ当たりしたって、いいだろ?」
「皆絶望に沈み、女王は引きこもり、花は喋り、審判が私情を丸出しにって?」
はは、と、フラウィは乾いた笑みを浮かべた。
「それは――なんてサイアクの終末だろうね!」 - 673二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:32:05
その時。
ベッドの上で、サンズのケータイが鳴った。
そして。
誰も触れてさえいないのに――電話は、確かに繋がった。 - 674二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:32:27
「⚐︎⬥︎♋︎❒︎♓︎♎︎♋︎」
- 675二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:33:27
▦▦▦▦▦▦▦
▦▦▦▦▦▦▦
▦▦▦▦▦▦▦
▦▦▦▦▦▦▦ - 676二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:36:41
むかしむかし ちきゅうには
ニンゲンと モンスターという
―――
――
―
Exiled Queen Ending(hopeless anarchy,non-Papyrus,non-Mettaton)→Sinking despair Ending
そしてニンゲンは、次のNルートを周回する事にした。 - 677二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:49:58
おつおつ
- 678二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:52:06
🌼<……なんだろうね
🌼<アルフィーが いきてたら もっと ちがうはなしに なったのかな?
🌼<でもキミたちは アルフィーの し を のぞんだんだ
🌼<……
🌼<ニンゲンは また くりかえすみたい だね
🌼<あたらしい ばしょが よういされるまで ここにいるよ
🌼<きょうは もう ねるけどね…… - 679二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:54:07
パピルスがいなくなったのも大きいな
- 680二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 07:16:56
というか他のモンスターはともかくサンズはパピルスの有無だけですべて変わってる気がするな
てか実質これリーダーレスじゃねえか - 681二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 11:30:02
ハロー!偶々このスレを見つけて最初から読み返してみたけど、やっと追いついた!
いやぁ、えげつないことになってるね……
まあここまで来たんだ
ニンゲンのやる気がある限り、行き着くとこまで付き合うとしよう - 682二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 17:54:03
ガスターの目的はやっぱり研究の完成なんだろうか
- 683二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 19:35:27
今回一番悪いEDじゃないか?
アマルガムの問題も解決してないしドリエルの心も晴れないし住民も全てを諦めたような感じで誰も幸せになってない - 684二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 20:46:53
- 685二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:02:20
神を気取っておいて知らないんか~い
- 686二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:21:03
ガスターは本当に死んだんだろうか
- 687二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:32:52
🌼<ハロー! ……なんて ボクのマネ?
🌼<それとも あのバカなおうさま……?
🌼<へえ…… キミも つきあってくれるの?
🌼<あのニンゲンが したことを 「えげつない」って わかりながら?
🌼<それも じゅうぶん…… えげつないと おもうけどね!
🌼<ボクが しるわけないでしょ?
🌼<アイツ…… なにかんがえてるか さっぱり わからないし。
🌼<くやしいけど アイツとあったのは このすがたになる ずっとまえのことだし。
🌼<だから…… よみきれない。
🌼<トリエル ね。
🌼<……それは ともかく。
🌼<ひょうを みてよ。
🌼<たしかに いままでで いちばんわるい おわりかただったかも しれないけど……
🌼<スタートちてんが こんかいより わるいやつも もっと のこってる。
🌼<……みんなを しあわせにするか ふこうにするか……キミたちの“かんしょう”にも かかってるんだからね。
🌼<それを わすれちゃ ダメだよ。
- 688二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:34:29
というかガスター意味ありげに出てる割にはなんかアクションをしてはいないというか
ただの出たがりかもしれんフラウィと同じで - 689二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:35:09
フラウィ君なんか影薄いよね やっと生きてと思ったらガスターに暗躍ポジ持ってかれたし
- 690二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:36:24
- 691二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:37:57
命を落としたというのはもしかしてそのままタマシイが落下したという意味かもしれん
- 692二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:45:05
- 693二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:47:20
- 694二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:51:06
🌼<そのヒトを バカにしたようなかお やめろって!!
- 695二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:51:41