- 1二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 09:54:54
- 2二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 09:59:35
新しくスレを建て直した。
不注意で皆に迷惑を掛けてしまった。
数々の助言に感謝と謝罪を。 - 3二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:01:09
- 4二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:07:30
なんか投稿消えた・・・。
- 5二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:08:16
出てきた・・・。
- 6二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:09:53
所用があるので外す。
10スレまで埋めといてくれると嬉しい。 - 7二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:11:27
埋め
- 8二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:14:46
うめ
- 9二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:15:18
埋め
- 10二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:19:02
うめ
- 11二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:38:17
───4日目。
私はバイクで公道を走っていた。
正直、裏道みたいなブラックマーケットの道しか走って無かったから、こんな日の当たる場所を大っぴらに走るのは少しドキドキする。
デットマザーに渡された(恐らく お手製の)チラシには、ブラックマーケットの中でも郊外と言える場所にある研究施設の場所が示されていた。
・・・結構 遠かったから、高速を使うハメになった。
初めての加速帯からの合流は、滅茶苦茶ドキドキして死ぬかと思った。
これを車でやる人が普通って本当なの?
サービスエリアで食事をする。
店員と他の お客さん に滅茶苦茶 怖がられた。
大丈夫だよ、何もしないよ。
本線に戻る時にガソリンスタンドに寄る。
ええと・・・ここから入ればいいの?
分かりづらいなぁ。
あ、ガソリン満タンで。
支払い方法?
現金しか無いよ。
あぁ、そんなに震える手で給油するから溢れちゃったじゃん!
アナタのせいだよ!
・・・え?
何もしないって。
そんな怖がらないで。
零れた部分 拭いてくれれば良いから・・・。 - 12二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:57:06
───十数時間後。
パーキングエリアとかサービスエリアとかを挟みながら、夜まで走った。
流石に眠くなって事故を起こしそうだったから、サービスエリアの宿泊施設に泊まった。
───5日目。
サービスエリアの駐車場から見る朝日が綺麗だった。
高速道路に戻って、目的地まで走る。
朝 起きてから数時間で目的地についた。
まだ朝の段階だ。
研究施設は、勿論 立ち入り禁止だったけど、そんなことは関係ないから、正面から堂々と入出を管理しているセルブスの警備員をブッ飛ばして入った。
警報が鳴り響いて、他の警備員とか警備兵器がワラワラ出てくるけど、ライブスタック直伝の”理不尽な暴力”で薙ぎ払った。
・・・確かに気分イイね、コレ。 - 13二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:17:56
研究施設に入ろうとすると、Lv.1のセキュリティが立ちはだかった。
蹴破るのは容易いけど、そうすると ここに居るであろう幹部が解毒薬の所在情報が刻まれた金属板を消してしまう可能性が高い。
しょうがないので私は薙ぎ倒した警備員の中からLv.1のセキュリティカードを探した。
・・・リーダーっぽいのが持ってた。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
Lv.1のエリアに入ると、そこには研究員が大量に居て、何か良く分かんない薬品を弄り回していた。
締め上げて詳細を聞いてみると、何でも最新の生物兵器を研究しているらしい。
軽く吸い込むだけで十分 効果が見込めるとか。
・・・どうやって確かめたのかは敢えて聞くまい。
締め上げた研究員を放してやって、少し進むと、実験のサンプルだと思えるクリーチャーがゴロゴロとガラス張りの部屋に閉じ込められていた。
肉が盛り上がって、原型を留めていないゾンビみたくなってるけど、何となく人型だし、後頭部と思しき場所の後ろにヘイローあるしで、元々は私と同じように生徒だったことが分かる。 - 14二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:19:49
でも更に少し進むと、今度は普通にリラックスしている、病院服の生徒達を見つけた。
普通に漫画を読んだりゲームしたりしてる。
え、あの最新 対戦ゲームもあるんだ。
対戦相手は・・・動き的に人間だね。
他にもやってる人いるし、内線ネットで対戦してるのかな?
マジックミラーになってるのか、私が外から眺めてても反応が無い。
・・・ていうか普通に良い暮らし してるな。
別室にトイレとか浴室もあるみたいだし。
実験の待機列かな?
そう思ったけど、誰でも見やすいように雑に置かれた資料を見て、認識を改めた。
どうやら更なる実験でクリーチャー状態から回復した生徒達らしい。
経過観察後、記憶処理をして元いた場所に放逐するようだ。
・・・やっぱり攫ってきてたんだ。 - 15二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:21:08
用事があるから、21時くらいまで休止する。
- 16二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:04:21
保守
- 17二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:09:00
ウィーン、ウィーン!
不意にサイレンが鳴った。
観察していた生徒達の部屋が金属製のシャッターで、シャットアウトされる。
そして次の瞬間、爆発でクリーチャーの入っていた部屋が解放された。
うわ~ん!
気持ちの悪いクリーチャー達が中から出てくるよぉ~!
しかも、元生徒だって分かってる上、戻し方もあるって分かってるから、下手に殺すワケにもいかないし・・・。
このセキュリティ考えたヤツ、絶対性格悪いよ!
取り敢えず、私は手近なクリーチャーを軽く殴り飛ばす。
下手な不良生徒 相手だったら確実に気絶させられるくらいのパワーで殴ったけど、キヴォトスの人間特有の頑丈さを感じたし、何より平然と起き上がってくる。
・・・これ、気絶は無理かな・・・。
私は一体ずつ丁寧に手足の関節を外した。
最初は手足を折って対応しようと思ったけど、何か再生することに気が付いたから、体感で知ってる”関節は自力で戻さないと再生しない”を実践することにした。
クリーチャー達は知性が低いようで、案の定 芋虫みたいにしか動けなくなった。 - 18二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:19:26
気持ち悪いけど・・・噛み付かれても痛い程度で ほぼ無力化出来たようなもんだよね。
私は這い寄ってくるクリーチャー達を転がしながら、Lv.2のセキュリティカードを探した。
Lv.1があるってことは、どうせ この先 必要なんでしょ?
探していると、案の定、クリーチャー達が出てきた部屋の奥からLv.2のセキュリティカードが出てきた。
警報が鳴り始めた時の私の位置に対して、一番遠いのもまた性格が悪い。
私はLv.2セキュリティカードを手に取ると、再びクリーチャー達が転がる廊下を戻った。
あ~はいはい。
私は忙しいから、あっち行ってて。
押し寄せてくるクリーチャー達を再び全て転がすと、私は廊下の奥にあったLv.2のセキュリティを突破した。
扉を閉めて、クリーチャー達が入ってこれないようにする。
・・・さて、今度はどんな歓迎をしてくれるかな?
ここまで性格が悪い配置をされると、逆にワクワクする。
次のエリアに進んで私の目に入ってきたのは、明らかに人工物が入り交じるジャングル、植物園だった。 - 19二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 22:20:57
今日は ここまで。
おやすみ。 - 20二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:29:24
保守
- 21二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:53:39
ふーん、植物園ね。
私はそう思いながら、飛んできた弾丸をナイフで弾いた。
見れば、Lv.2のエリアに入ってきたことを歓迎するように、四方八方から弾幕が降り注いでくる。
しかも、肝心の相手は生い茂った植物に邪魔されて、よく見ることが出来ない。
しかし、今更 弾丸は私に効果が薄い。
この体になってから、正直 弾丸は遅く感じてるし、仮に当たっても生半可な勢いの弾丸なら弾くし、直撃しても直ぐに再生してしまう。
とはいえ この量と勢いの弾幕を全て受けきるのは流石に不味いので、自分でも引く くらいの圧倒的機動力を活かして躱す。
でも、私の冷静な部分が、こんな量の弾丸を用意するくらいなら、ナイフの一本でも持った警備員でも置くほうが よっぽど脅威なのに・・・と囁く。
自分で試したので分かっているけど、私の体は他のセルブスグループ関係者の例に漏れず、近接武器の方が良く効く。
さっきも言ったみたいに、アサルトライフルで接射しても、金属音がして弾かれるし、上手くダメージは入っても直ぐに再生してしまう。
だけど、ナイフなら簡単に入るし、血が沢山出るし、何より治りが遅い。
・・・もしかすると、私を殺すことを想定した配置じゃないのかもしれない。
弾丸の雨を躱し、見えざる敵に迫る瞬間、ふと そんなことを思った。 - 22二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:03:28
一瞬の交差。
しかし私は、確実に正体不明の敵を仕留めた。
閃光からの轟音、そして尾を引く耳鳴り。
私が仕留めたのは、スレイブのビルでLv.3のセキュリティカードを守っていた、例の巨大な手の指の先が人型のクリーチャーになっている、クリーチャーの親玉的存在だった。
・・・うぇ、この手のゲームでよくあるボスキャラの使い回しか~・・・。
弾幕が まだ止まないってことは、他にも居るってことでしょ?
雑魚キャラみたいに。
・・・終盤で序盤のボスが雑魚として出てくるのは良くあることだけどさぁ・・・。
まぁ、いいや。
取り敢えず全部仕留めれば、その内あるであろうLv.3のセキュリティカードも出てくるでしょ。
私は熱されて金色に輝く拳を握りしめた。 - 23二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:22:01
・・・全部のクリーチャーを仕留めたら、今度は自動でセキュリティが開いてた。
十数分 探し回った私の苦労を返して欲しい。
取り敢えずLv.3のセキュリティを くぐる。
中に入ると、そこは真っ暗な空間だった。
とはいえ この体に なってから暗闇には強いので、若干 暗闇の中に巨大な生物の影を見て取ることが出来た。
その生物は巨大な虫のようで、しかし どこかメカメカしいシルエットをしている。
何か鎖のようなものに繋がれているようで、こちらに気付いてはいるものの、どうも物理的に手を出せないようだ。
───ヴィーオン、ヴィーオン。
Lv.1のエリアのときより、けたたましいサイレンと共に、赤いランプが危険を知らせるように点灯する。
だけど、くぐってきた扉は、その危険から逃げられないように封鎖される。
・・・結構分厚い扉だったし、完全に融解させて突破しようと思ったら数秒 隙が出来ちゃうかな・・・。
ランプがパッと点灯した。
暗闇だった空間の下には、人が何チームにも分かれて それぞれ好きなスポーツが出来るかのような巨大な空間でも、”ソレ”が十全に活動するにはギリギリの狭さであると思わされるほど巨大なカマキリのような怪物が居た。
ただし その怪物が普通のカマキリと違うのは、脚部を中心とした各部に施された装甲と、肉体を改造する形で取り付けられた機械類。
そして何より、鎌の部分が巨大な機銃に取り換えられていることが印象的だった。
・・・あれ、何ミリの銃口なんだろ。
流石にアレを正面から受けたら・・・意識飛ぶかなぁ。
怪物を抑え込んでいた鎖は既に力を失い、ただ本能のままに向けられる機銃は、怪物の凶暴さ を証明するかのように、私目掛けて火を吹いた。 - 24二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:22:45
小休止。
- 25二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 23:06:13
砲弾のような大きさの弾丸が、電気ノコギリみたいな けたたましい音を立てて連射される。
その様子は、鉄の大瀑布と言っても過言じゃなかった。
避けようはあるけど、衝撃が凄まじくて、足並みが乱れる。
少し回避が覚束ない様子の私を見て、怪物は何を思ったのか、”羽”を広げた。
だけど、その怪物の羽にあたる部分にあるのは、昆虫特有の薄い羽じゃなかった。
鋼鉄で何重にも固定されて連結された、無数の連装式ロケットランチャーだった。
まるで花火が連鎖式に点火されるように、次々と発射される弾頭。
私は合間を縫って回避するけど、機銃の衝撃で乱れていた足並みが、ここに来て弾頭の爆風に巻き込まれるという形で表れた。
空中に巻き上げられる私。
怪物の顔が直ぐそこまで来る。
怪物に噛み付かれでもするのかと思ったけど、怪物は口元をカチカチと鳴らすと、次の瞬間 口から火を吹いた。
いやいや!
口から火を吹くってドラゴンじゃないんだから! - 26二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 23:19:57
冷静に考えたら、機械化された部分の一つに、口内に火炎放射器を仕込まれたってのがあるってことなんだけど、絵面が完全にドラゴンだったから、つい突っ込んでしまった。
・・・まぁ、冷静に考えて、炎は効かないし、このまま自由落下決めるか・・・。
ぬくい炎を通過して、私は地面に着地する。
炎が効かないと見るや、怪物は その図体からは想像もつかないほど機敏な動きで、その前脚の機銃で叩き潰そうとしてくるけど、私からすると、あまりに遅い。
取り敢えず最小限の動きで怪物の叩き潰しを躱し、その叩き下ろされた機銃を駆け上ると、その関節部に力を込めて拳を叩き込んだ。
閃光、轟音・・・そして後を引く耳鳴り。
怪物は この世のものとは思えない、何かが削れ合うような不快な音の絶叫をあげる。
ん?
今まで怪物を正面に捉えていたから気が付かなかったけど、この・・・背っていうか昆虫でいうと中腹?っていうのかな?
その部分に何か背負っていることに気が付いた。
まるで何か”円柱状の細長い物”を格納しているかのような、細長い直方体のソレ。
・・・まぁ、何が入ってるのか知らないけど、取り敢えず頭を潰せば動かなくなるでしょ。
私が そう一瞬の内に判断して拳を怪物の頭部に向けて振り上げた その瞬間。
怪物の背負っていた”ソレ”の口が開いた。
───中には、滅茶苦茶 大きいミサイルが入っていた。
ミレニアムの怪物:
「は?」
私が口を開いた瞬間、待っていたかのようにミサイルは点火し・・・一瞬で爆発した。 - 27二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 23:37:52
・・・いや、効かないけど。
広大な空間の中が爆煙で一杯になって余りある大爆発を起こしたミサイルだったけど、正直、私には効きが悪い。
小柄で耐久力が低かった”モモイ”だった頃に比べて、”モモイ”を辞めたことでセルブスグループの人間特有の”銃火器に強い”っていう特性の恩恵を十全に享受出来てる気がする。
・・・正直、全然嬉しくないけど。
あ~ぁ、爆発の威力が強すぎて、施設の壁が一部 融解してるじゃん。
いや、あの大きさのミサイルの爆発に耐えうる施設の壁の方が凄いのかな?
とはいえ怪物もまた、どうせセルブスの系譜。
ミサイルの爆発の熱で機械部分は溶けても、生身の部分は残ってる。
・・・うわ、頭の部分 殆ど機械だったんだ。
完全に頭部が吹き飛び、緩やかな再生を続ける怪物の体。
私は取り敢えず、恐らくここだろうという場所のあたりを付けて、怪物に拳を叩き込んだ。
閃光、轟音、耳鳴り。
何か異質なものが蒸発した音がしたかと思うと、怪物は大量のオレンジ色の液体になって消えた。
・・・ホントに何だったんだろう。
武装が完全に、私じゃなくて”キヴォトスの人間”を想定した武装だったけど・・・。 - 28二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:09:29
今日はここまで。
おやすみ。 - 29二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 11:11:34
保守
- 30二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 13:30:11
ガガガガガガガ・・・。
重い金属同士が擦れ合う音と共に、怪物の背後にあった壁の一部が開いた。
中から巨大なモニターが出てくる。
???:
「やぁ、ミレニアムのモンスターちゃん。
私の作品たちを楽しんでくれたかな?」
画面に小柄な大人が映し出される。
顔は黒い仮面に覆われてるから分かんないけど、間違いなく意地の悪い顔をしていると確信出来た。
ミレニアムの怪物:
「・・・まぁね。
でも、私を想定していない武装は つまらなかったかな。」
取り敢えず、悪意には悪意で返す。
クリエイターにとって、アンチコメが一番刺さるはず。
・・・あと!そのミレニアムのモンスターちゃん とかいう ふざけた呼び名を止めて欲しい。
ミレニアムの怪物だって!ホントは納得してないから! - 31二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 13:50:23
???:
「君を想定していないのは仕様だよ。
なにせ今回の私の作品群は、我々の同士討ち の為にあるのではないのだからね!」
ミレニアムの怪物:
「ナチュラルに私を そっち側の人間にしないでくれる?」
???:
「フフフ、私のプランを語る前に自己紹介をしておこう。
私はセルブスグループ幹部、レイヴァ。
名刺はモニターの前に置いといたからね。
以後お見知りおきを。」
私は巨大なモニターの前を見た。
確かに名刺が1枚ポツンと置いてある。
・・・見なかったことにした。 - 32二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 14:01:50
レイヴァ:
「さてミレニアムのモンスターちゃん?
君は私の計画の一端について、デットマザーから聞いてるのでは無いかな?」
ミレニアムの怪物:
「・・・ミレニアムに生物兵器を撒き散らすんでしょ?
でも残念だったね。
研究施設は私が責任を持って粉々にしてあげるから。
安心して、さっさと解毒薬の場所が刻まれてる金属板を渡してよ。」
レイヴァ:
「あぁ、その不良物件の処分を無料でやってくれるのかい?
それなら社会人として認めるワケにはいかないな。
ちゃんと賃金を払いたいから、一応 我々と雇用契約を結んでくれるかい?
連絡先は私の名刺に書いてあるから。
そうだね・・・支払いは日給で───」
ミレニアムの怪物:
「いや、そういうことじゃなくて・・・。」
レイヴァ:
「あぁ、分かっている。
君は”何故 肝であるはずの研究施設を抑えられて慌てふためかないのか”と言いたいんだろう?
違うんだな、これが。
既に我々は完成した生物兵器を研究施設から運び出している。
だからこそ、その施設は用済みなのさ。
残念だったね。」 - 33二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 14:05:32
小休止。
- 34二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 15:03:15
私は脳裏にデットマザーを思い浮かべ、どうしてやろうか と思った。
確かに生物兵器の製造元なので、嘘をついていたとも言えないのが紛らわしいところだ。
レイヴァ:
「どうだい?
騙された・・・と思ってくれたかな?
でもデットマザーは嘘は言っていなかったはずだよ。
”大事なことだけ意図的に言わない”・・・それが大人のやり方さ。」
レイヴァは心底面白そうに言った。
ミレニアムの怪物:
「・・・生物兵器は どこに運ばれたの?
それさえ教えてくれれば、アナタを殺さないでいてあげる。」
レイヴァ:
「おぉ、怖い。
でも守秘義務があるから、教えるワケには・・・なんてね。
いいよ、教えてあげる。
そうしないとシナリオが進まないしね。」
レイヴァはモニターに地図を表示した。
画面に分かり易く、動いている赤点が表示される。 - 35二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 15:23:05
あれは・・・列車?
レイヴァ:
「私は今、列車と共に散布開始地点に向かっている。
列車はいいよね。
流れる景色、体の芯で感じる微振動、若干の重力・・・。
そこに強力な兵器を載せていれば文句ないね。
・・・まぁ、その話は置いといて・・・。
さてミレニアムのモンスターちゃん?
進路の先に青い点があるのが見えるかな?」
私は縮尺が小さくなって広がった地図の先に、確かに青い点を見つけた。
その点は、移動を続ける赤点と対比するように微動だにしなかった。
赤点に対して かなり遠くて・・・ミレニアムに近い。
レイヴァ:
「赤点・・・私が乗ってる列車が その青い点に重なったとき、ミレニアムに向けて生物兵器・・・もといウイルス兵器を散布する無人航空機が発射される。
そうなればゲームセット。
私達の勝ち、君の負けってワケさ。
・・・今回のゲームのルールを理解して貰えたかな?」 - 36二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 15:45:05
・・・赤点は、少なくとも全力でバイクを走らせれば追いつけるくらいの速度で移動しているように見える。
赤点が今から青点に到達するのに2日・・・私が追い付くのに1日ってところかな。
レイヴァ:
「楽しみだよね、ミレニアムに私の作品が溢れる瞬間。
キヴォトスの人間の頑丈さとセルブスの人間の再生能力を備えた作品が大量発生して、更に増殖する様は圧巻だろうね。
君は噛み付かれても何ともなかったかもしれないけど、アレに嚙まれたり傷けられるとゾンビ物では お決まりの感染が発生するっている代物なのさ。
大体のキヴォトスの人間では成功したし、ま、神秘の低い生徒や大人なら何とかなるでしょ。」
ミレニアムの怪物:
「・・・そうはさせないよ。
私が止める。
ミレニアムをアナタの おもちゃ になんてさせない!」
レイヴァ:
「威勢がいいじゃん。
・・・でもね、それでも仕事ってのは必ず達成されなきゃいけないんだ。
そういうもんだから、掛かってきなよ。
君の相手をするのが私の仕事だからね。」
レイヴァは そう言うとモニターを消した。
私も踵を返した。 - 37二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 15:46:10
用事があるので、今日はここまで。
- 38二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:53:27
保守
- 39二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:09:16
ほしゅ
更新楽しみに待ってます - 40二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 13:29:10
───6日目。
結局、私が列車に追いついたのは、日も高くなってきた午後になった。
研究施設の外に停めておいたバイクで、崖の上から列車の屋根に飛び乗る。
結局、研究施設に捕らえられていた生徒達は解放しなかった。
というか、クリーチャー達も元は生徒なことを考えると、あのまま放置して、資料にあった通りに、元に戻す実験後に記憶処理をして解放させた方が面倒が無い気がして・・・つい。
ヴァルキューレに通報くらいはした方が良かったかもしれない。
反省はしてる、後悔はしてない。
私は列車の屋根を叩き割って中を見る。
うわ、警備員がビッシリ・・・。
私は中に入り込んで警備員を走行中の列車から外に叩き出した。
屋根上のバイクを列車内に入れる。
取り敢えず、ここに置いとけば良いでしょ。
私は雑に前の車両へと進む。
・・・また、警備員じゃん。
芸が無いなぁ。 - 41二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 13:46:30
1両、2両、3両・・・。
結構な量の警備員を叩き出したし、結構な量の車両を破壊してる気がする。
そろそろ先頭車両ないし、一番大事な荷物が保管してある貨物車両だよね。
それにしても、どうして こんな無駄に車両と警備員を配置するかね。
私だったらトラップを配置するか、1両ごとに変わり種のモブを配置するとかするのに。
これじゃあ まるで時間稼ぎ───
バンッ。
不意に背後の、車両と車両を繋ぐ扉が開け放たれる音がした。
???:
「あ?
また お前かよ・・・。」
ミレニアムの怪物:
「・・・ネル・・・先輩・・・。」
それがネル先輩だと分かった時、不意に心の中で何かが弛緩し、力が抜けていくのを感じた。
視界が 広くて ぼやけたものから、狭くて鮮明なものに戻る。
そして いつの間にか小さくなった私の手には、アサルトライフルの”リベンジ・パートナー”と大型ナイフの”マーダー・ナイフ”が握られていた。 - 42二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 13:58:26
ネル:
「・・・お前・・・。」
ミレニアムの怪物:
「や、久しぶりだね。
ネル先輩。」
掛ける言葉が見つからなかったので、当たり障りない言葉を返す。
良く見れば、アスナ先輩以外のC&Cのメンバーも居る。
みんな、酷く驚いた顔をしてる。
私が”ミレニアムの怪物”だって知らなかったのかな?
・・・変なところを見られちゃったな。
全く、なんで こんなタイミングで変身が解けるんだか。
どうせなら、ブラックマーケットで解けて欲しかった。
そうすれば、装備の点検が出来たのに。
ネル:
「・・・ちーとばかし問題が発生した。
少し・・・時間をくれ。」
ネル先輩は そう言って通信機の電源を切る。
・・・他にも誰か来てるのかな? - 43二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 13:59:20
小休止。
- 44二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:03:15
ミレニアムの怪物:
「別に通信機を切らなくても良かったのに。
どーせ分かり合えないんだから、さっさと戦おうよ!」
ネル:
「バカか、チビ。
そんなこと出来るワケねぇだろ。
ナメてんのか?」
・・・わー、ネル先輩の物凄い怒気が伝わってくる。
まだ私に怒ってくれるんだね・・・。
ネル:
「・・・何があってミレニアムを襲ったのかは知らねぇが・・・。
もう、取り返しはつかねぇぞ?
分かってんのか?」
ミレニアムの怪物:
「覚悟の上だよ。
私が、皆をハッピーエンドに連れて行く。」 - 45二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:04:12
ネル:
「・・・!
ふざけやがって・・・!」
ネル先輩が、胸倉に掴み掛かってきた。
ネル:
「お前が居ねぇハッピーエンドなんて!
納得できるワケねぇだろうが!」
ミレニアムの怪物:
「!
”私”はもう そっちに居るでしょ!
ほっといてよ!」
私は思わず声を荒げた。
あまりに優しく、熱い言葉に、声を荒げないと流されてしまいそうだった。 - 46二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:24:39
【C&C、美甘ネル】
【C&C、角楯カリン】
【C&C、室笠アカネ】
私はネル先輩の手を撥ね除ける。
そして そのままアサルトライフルを接射した。
ネル:
「チッ!」
ネル先輩が吹き飛ばされていくけど、傷は浅い。
直ぐに戦線に復帰されるだろう。
・・・ここまで来たら、連れ戻されるワケにはいかない。
”モモイ”が幸せなエンディングを迎えるには、私が戻るワケにはいかないんだ。
対物ライフルの弾丸が、超速で飛んでくる。
私は無造作にナイフで弾いた。
カリン:
「今度こそ・・・止める・・・!」
ミレニアムの怪物:
「残念だけど・・・もう遅いんだよカリン先輩。」
私はリロードするカリン先輩の隙をついて、その腹部に蹴撃を食らわせた。
カリン:
「グッ・・・!」
列車の壁を突き抜けて後部車両に飛んでいくカリン先輩。
・・・本当は列車の外に追い出すつもりだったんだけど、着地点をずらされたね・・・。 - 47二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:37:42
アカネ:
「お痛が過ぎますよ?」
その声に振り返ると、アカネ先輩が大量のグレネードを展開しているところだった。
え?
正気?
次の瞬間、私の視界は閃光に包まれる。
・・・閃光グレネードか!
私は かつて自分がスレイブに仕掛けた策に嵌まったことを察した。
ネル:
「・・・捕らえたぜ?」
気が付けばネル先輩が、私がカリン先輩を蹴り飛ばした位置と全く同じ位置に2丁のサブマシンガンを0距離で構えていた。
私は咄嗟に腹部に力を込める。
ガガガガガ・・・!
けたたましい銃声と共に、私は衝撃で前方車両に突っ込む。
しかし私も只では転ばない。
前方車両に突っ込む その瞬間。
私は連結部分に熱線を放って、後部車両を切断した。
追ってこれないように、空中にグレネードも ばらまく。
次の瞬間 発生する大爆発。
閃光の中、急減速する後部車両の音を聞いた。
爆煙が晴れると、そこには途方に暮れるC&Cの面々が居た。
その中で、ネル先輩だけは静かな目で私を見つめていた。 - 48二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:47:01
小休止。
- 49二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 21:18:11
モモイの姿でミレニアムの怪物表記なのグッと来ますね
- 50二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:19:53
・・・バイクは後で回収かな。
C&Cの先輩達に持ってかれてないと良いけど。
さて、後はレイヴァとウイルス兵器を探すだけかな。
そうして、もう時間稼ぎをする意味は無いとでも言わんばかりに無人の車両を前に進む。
コツコツと音がした。
バタン。
前の扉が、開いた。
そこには良く見知った顔が立っていた。
私だ。
私が居た。
ミドリを、ユズを、アリスを奪われた私と、全く同じ顔をした”私”が居た。
モモイ:
「・・・探したよ、バケモノ。」
ミレニアムの怪物:
「・・・分かるんだ、姿形は違うのに。」
モモイ:
「何となくね。
その感じだと、合ってるみたいだね。」
ミレニアムの怪物:
「そうだよ。
私が、アナタの仲間を殺した。」 - 51二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:31:03
【才羽モモイ】
その言葉を聞いた瞬間、”私”・・・いやモモイは銃口を向けてきた。
私の愛銃、”ユニーク・アイディア”と同じタイプのアサルトライフルだ。
・・・でも、可愛い装飾が無い。
無地のアサルトライフルだ。
・・・やっぱり、デットコピーだ。
そう思った瞬間、私の中でも何かが沸騰した。
弾丸を避けて、一瞬でモモイの懐に迫ると、その腹部を銃身で殴った。
モモイ:
「ゲホッ・・・。」
倒れ伏して なお、死体撃ち をするかのように、モモイを銃身で何度も殴った。
何度も何度も、鈍い音が響く。
ミレニアムの怪物:
「弱い、クセに、余計な、コトを、しないでよ!」
フー、フー・・・!
あぁ、また余計に痛めつけちゃった・・・。
もう、この”モモイ”は本物なのに・・・。
ゲーム開発部の皆・・・怒るだろうな。 - 52二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:51:44
予想外の登場に驚いたけど、もう動かないでしょ。
手間かけさせやがって、ケッ!
モモイ:
「待ってよ・・・。」
へ?
既に決着はついた と思って前方車両に歩き出していた私は、不意に自分の声に呼び止められて びっくりした。
モモイの耐久力なら、とっくに気絶してるはずだけど?
振り返った先で、私は このモモイのポテンシャルを舐めていたことを察した。
完全に覚悟が決まってる目だ。
これなら余裕で耐えれるだろう。
モモイ:
「もう・・・誰も・・・殺させない。」
ミレニアムの怪物:
「・・・。」
モモイ:
「アナタを・・・殺す・・・!」
何か、世界にノイズが走った。 - 53二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 23:53:23
今日は ここまで。
おやすみ。 - 54二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:24:39
閃光が、走った。
いや、視界が真っ白に染まっただけで、実際は大爆発が起きた。
私は吹き飛ばされ、列車の外に叩きつけられる。
いたた・・・。
な、何が・・・。
全身が焼き爛れたように痛い。
セルブス系が熱に強いことを考えると、あの爆発で発生したのは熱だけ じゃなかったのか。
じゃあ、ホントに何が・・・。
そこまで考えて、不意に爆発の中にユラユラと揺らめく人影を見た。
それは影のように見えて、確かに実体のある何かだった。
形は・・・間違いなく人間だ。
だけど、爛々と輝く目が明らかに人間じゃないし、まるで怨念に囚われた幽霊か何かのようだった。
そして、その幽霊に”モモイ”の面影を見た。
それを認識した瞬間、私の頭は再び沸騰した。
嘘でしょ?
あのモモイ、私みたいに人間やめちゃったじゃん。
じゃあ誰がエンディングのとき、モモイの席に座るの?
空席があったら”大円団”にならないじゃん。
ハッピーエンドにならないじゃん。
・・・。
ふざけないでよ・・・!
私は自分の身体も、再び人間じゃなくなっていくのを感じた。 - 55二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:39:32
【モモイ*テラー】
私は再び大きくなった身体で、人間を辞めたモモイに殴り掛かる。
閃光、轟音、耳鳴り───
だけどモモイは、何食わぬ顔で私の拳を受け止めていた。
コイツ・・・出力が さっきまでとは比べ物にならない・・・!
”モモイ”の何処に こんな力があったっていうの・・・?
モモイはアサルトライフルを構えた。
銃口から、桃色の閃光が覗く。
ゾッとした。
慌てて銃口から顔を逸らす。
次の瞬間、光り輝く弾丸は発射されたかと思うと、次の瞬間 背後で大爆発が起こった。
思わず体が浮かぶ。
しかし射手のモモイはビクともしない。 - 56二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:40:28
小休止。
- 57二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:41:36
爆発音、爆発音、爆発音───
モモイは尋常じゃない速度で桃色の閃光を銃口から放つ。
しかも着弾した端から桃色の大爆発を起こすので、傍から見たら完全に桃色の熱線を放つ怪物だった。
ヘイローも完全に変形し、妖精の羽のような紋様を描いている。
それは鋭く、どこか禍々しかった。
私は桃色の熱線を、ジグザグ走法で避ける。
熱線に見えるとは言っても、私の熱線と同じように、集弾によって そう見えているだけなので、避け方自体は普通のアサルトライフルと変わらない。
ただ一つ違うのは、相手に弾切れの概念が無いこと。
多分 実弾 撃ってない。
私と同じようにエネルギー弾的なものを撃ってる。
・・・私と同じように、1回 熱線 止めたらリロード入るかな・・・。
多分 入らないだろうな・・・。 - 58二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:01:08
限界まで走って近づいた私は、飛び込んでモモイの懐まで入り込む。
走る拳。
閃光、轟音、耳鳴り───
しかしモモイは微動だにせず、それどころか私の拳に反応して見せ、アサルトライフルの銃身で拳を受け止めていた。
・・・1発じゃ話にならないか。
私は反対側の拳も固める。
拳が燃えるように黄金に輝きだす。
モモイが全身から無数の光の蝶のようなものを展開して対応しようとしてくる。
光の蝶は一瞬で爆発し、私を得体の知れないエネルギーで蝕む。
・・・でも、耐えた。
拳がモモイの脇腹に入った。
閃光、轟音、耳鳴り───
モモイ*テラー:
「私が・・・アナタを・・・倒す・・・。
皆の・・・仇を───」
ミレニアムの怪物:
「残念だけど、今回も私の勝ちだよ!」
人間辞めた歴なら私の方が長いんだから!
私の拳が、次々とモモイに入っていく。 - 59二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:05:56
オリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャ───
- 60二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:14:46
オリャァ!
何かが砕ける音がしたかと思うと、モモイは今までの不動さが嘘みたいに簡単に吹っ飛んだ。
・・・ヤバ、ヘイロー砕けちゃった?
私は慌てて吹っ飛んだモモイに駆け寄る。
昔 何かの映画で見たみたいに手首を握って脈をとってみる。
・・・脈が・・・無い!?
そう思ったけど、冷静に胸元に耳を当ててみると普通に心臓の鼓動が聞こえたし、普通に呼吸もしてた。
私が脈とるの下手なだけだった・・・。
モモイの容態は素人目には安定しているように見える。
だけどヘイローは変形したままだし、ヘイローの一部は砕けてるし、何かヘイロー全体が黒ずんでる気がする・・・。
私、こういうの詳しくないんだけど・・・大丈夫だよね。
植物状態にならないよね!?
モモイが植物状態でエンディングとか、ベターエンドも良いとこだよ!? - 61二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:32:57
・・・取り敢えず、このモモイを安全そうなとこに運ぼう。
どんな形であれ、このモモイにはエンディングに居てもらわないと、バットエンド直行だ。
私はモモイを抱き上げると、分かり易いように列車の残骸近くの安全そうな場所に座らせた。
・・・取り敢えず、ヴァルキューレにでも匿名で通報するかな。
あ~、はいはい。
ミレニアム近郊の線路で事故がありまして・・・。
え?
いや私は通りすがりですよ?
しかし何やら生徒が倒れているようでしてね?
私は先を急ぐ身ですから助けられませんが、見捨てるワケにもいきませんので・・・。
・・・えぇ、そうです、はい。
周囲に危険はありませんが、何があるか分かりませんので早めにお願いします。
はい。
はい。
・・・ふぅ。
これで一応、大丈夫でしょ。
その場を動かないように言われたけど、無視しよ。 - 62二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:34:17
予定があるから、今日は ここまで。
- 63二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 21:04:26
保守
- 64二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 03:18:36
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 12:12:43
保守
- 66二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 15:43:34
修正。
キヴォトスの共通通貨は”円”らしいことを知った。
なのでこれからは”円”を銀行から奪う。 - 67二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 15:55:51
モモイを のした私は、バイクも無いので走って列車を追いかけた。
凄いよね、セルブス系の人間。
鈍行とはいえ、列車に追いつけるだけの足があるって。
まぁ、滅茶苦茶疲れるんだけど。
暫くすると列車が見えてきた。
しかし見えてきた列車は、私が最初にバイクで突入したときとは別物になっていた。
勿論、度重なる戦闘で車両が切り離されて短くなったていうのもあるんだけど、先頭近くの車両に、巨大なハチの巣が出来ている。
列車が短いこともあって、見方によってはメッチャ速いカタツムリにも見える。
巨大なハチの巣の周りには、警備をするように、人間台の大きさのハチ型クリーチャーが飛び回っていた。
ザザッ・・・。
不意にキーンという耳障りな音と共に、列車から馬鹿デカ放送が聞こえ始めた。
???:
「・・・あ、あー・・・・聞こえてるかな?
私だよ、私。
レイヴァだよ。
もう喋れないから、録音で失礼するね。」
その放送が聞こえ始めたかというタイミングで、巨大なハチの巣の向こう側から、列車の全長よりも大きい巨大なハチ型の怪獣が現れた。 - 68二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 16:17:42
スレイブの経験から、そのバカデカいハチが、レイヴァの成れの果てだということを、私は察した。
レイヴァ:
「・・・報告書を読んでて、私、思ったんだよね。
何で我が同僚達は、最初から切り札を切らないんだろうって。」
そこで放送は切れた。
言いたいことは それだけらしい。
次の瞬間、列車が速度を上げ始めた。
幾ら今の私が速いからって、全力疾走しないと追いつけないレベルだ。
道中ムダに多く配置されていた警備兵や、C&Cの先輩たち、そして自分から人間を辞めたバカの相手をしていたので、日はスッカリ落ちて夜になっている。
時間から逆算すると、列車がウイルス散布 予定地に到着するまでには、今の調子で速度は上げられると もう幾分も無い。
あんの意味分かんない謎のクリーチャーを作品とかいう失礼クリエイター・・・!
早めに自分の用意したゲームがクリアされそうだからって土壇場でク〇ゲー化させるのは、キヴォトスでも恥ずかしいことなんだよ!
私はゲームボスの形態変化による侘び寂びを解さない効率厨を誅殺すべく、シナリオライターとして全力を超えた怒りの疾走を始めた。 - 69二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 16:20:18
今日は他にやりたいことあるので、ここまで。
- 70二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:23:43
蟻?と蚕と蜂だっけ今までの幹部
モモイすらティンカーべルだからまじで虫だらけだな - 71二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 08:21:05
保守
- 72二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 14:40:52
【セルブスグループ幹部、レイヴァ】
近づいてくる私に気が付いた、レイヴァの配下のハチ型クリーチャー経ちが、弾丸みたいなスピードで突っ込んでくる。
何をするのかと思ったら、下腹部?を前にして その先端にある極太の針を私に突き刺そうとしていた。
いや、あの大きさの針が皮膚に刺さったら痛いどころじゃないでしょ!?
・・・多分、毒も入ってるよね?
まぁ、セルブス系の人間には毒は効かないらしいけど、もしかしたら激痛だけは走るかもしれない。
どの道、あの大きさの針に刺されたくは無い。
私は砲弾のように降り注ぐクリーチャーをジグザグ走法で躱していく。
着弾の衝撃で地面が砕ける。
そうしてクリーチャーの突撃を いなしていると、不意に前を走る列車の方から、金属同士が擦れるような不快な音が聞こえ始めた。
見ると、怪獣と化したレイヴァが何やら指示を飛ばしているように顎を擦り合わせていた。
それを聞いたクリーチャー達は、次の瞬間、ただ突撃をするだけで無く、陣形を組んで私の進路の妨害を始めた。
いわゆる捨て身タックルで私目掛けて飛びついてくる。
いなす為に、結構な体力を使ってキックで薙ぎ倒さなくちゃいけない。
しかも陣形を組んで足止めしてくるクリーチャーに紛れて、今まで通り突撃してくるクリーチャーも突っ込んでくる。
これの回避にも結構な体力を使う。
まだまだ目的の列車まで距離があるのに、このままじゃ私の体力の方が先に尽きるね、これ・・・。 - 73二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 15:10:46
・・・一か八か、やってみよっか!
このままじゃジリ貧だと察した私は、賭けに出てみることにした。
私は力を込めて、足を強く踏み出した。
すると、次の瞬間、地面にオレンジ色の亀裂が走る。
このまま爆発させて!超加速でレイヴァに迫る!
突然と仕掛けたから、クリーチャー達は反応が遅れ、止めることが出来ない。
私は止めようと迫ってきていたクリーチャーを爆発に巻き込みつつ、発射される砲弾のような超加速でレイヴァに迫った。
私は賭け”には”勝った。
だけどレイヴァの方が一枚上手だった。
ジャキン。
私がレイヴァのバカデカい図体を正面から爆散させようと攻撃態勢に入ったとき、不意にレイヴァの下腹部が持ち上がった。
そこには普通のハチのそれとは違い、毒針が下腹部全体にビッシリと生え揃った禍々しいものだった。
それの照準を合わせられた私は、ゲームで射線のクロスを組まれたような錯覚に陥った。
つまるところ、私は罠に引っかかった。 - 74二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 15:40:39
下腹部にビッシリと生え揃った毒針が一瞬引っ込み、次の瞬間には空気が破裂したかのような音を立てて発射された。
剣山が超速で迫ってくる。
もう攻撃態勢に入っていた私は、急に躱すことなんて出来ない。
なんとか無理矢理ヘッドショットは捻って避けたけど、他の毒針で矢達磨になる。
幾らかは弾いたけど、流石に何本かは深く入った。
激痛が走る。
衝撃で吹き飛んだ私は、何バウンドかして地面に叩き付けられる。
・・・痛い。
転がるようにして着地した私は、激痛で軋む全身を鞭打って何とか立ち上がる。
・・・もうボロボロだ。
毒針が何本も杭のように深く入り込んで血が噴き出し、視界を真っ赤に汚す。
片足が当たり所が悪かったのか、上手く動かすことが出来ない。
それなのにレイヴァとウイルス兵器を載せた列車は加速を続けているし、クリーチャーも攻撃の手を緩めてくれない。
群がるように迫りくるクリーチャーの大群を薙ぎ払いながら、私は静かに絶望した。
・・・もう、ここまでなのかな? - 75二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:01:00
そう思った次の瞬間、離れ行く列車が爆発した。
・・・いや、正確には列車の足元が爆発した。
その衝撃で、列車は横転する。
一体、何が・・・。
混乱する私を尻目に、今度は聞き慣れたサブマシンガンの銃声が聞こえ始め、私の周りに屯していたクリーチャー達を薙ぎ払い始めた。
???:
「よう、偉そうなこと言ってた割には苦戦してるみたいじゃねぇか。」
声のした方を振り向くと、ネル先輩が意地の悪い顔をして、私の肩に手を置いた。
今の私の体は男の人の体格をしている上に、かなり大きくなっているはずだけど、その手は やけに大きく感じた。
そして今度は聞き慣れた排気音が聞こえ始めた。
見れば、私が列車の最後尾に置いてきたバイクに跨るカリン先輩と、その後ろでカリン先輩の腰に手を回しながら、片手に起爆装置を握り締めるアカネ先輩の姿があった。
いや、カリン先輩の背なら乗りこなせるだろうけど、この短時間で そんな長年乗ってますけどみたいな雰囲気出せるの凄いな・・・。
これもC&Cが凄腕のエージェント集団と呼ばれる所以なのかな? - 76二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:14:06
ネル:
「どうせ その足じゃ、1人で戦えねぇだろ?
嫌でも協力しやがれチビ。」
ネル先輩は、今度はミレニアムに帰れとは言わなかった。
私は自分の足を見る。
・・・くるぶし辺りに毒針が貫通している。
少しずつムリムリと毒針が抜けていっているところを見るに、放っておけば再生するんだろうけど、銃弾判定じゃないのか治りが遅い。
直ぐにでも復帰するのは難しそうだ。
・・・じゃあ、しょうがないか!
私は言い訳が出来たのを これ幸いと、”本気で”周りの人の助けを求めることにした。
ミレニアムの怪物?:
「分かったよ・・・。
C&Cの みんな、力を貸して!」
C&Cの先輩達は、力強く頷いた。 - 77二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:21:11
ネル:
「で?
どうするんだ?
お前、似たようなの何体か倒してんだろ?」
いやネル先輩・・・そんな同じゲームのボス倒したことあるなら新規ボスもいけるみたいな理論回されても・・・。
ミレニアムの怪物?:
「取り敢えず、ネル先輩達が攻撃してもダメージ薄いから、メインアタッカーは私がやる。
・・・カリン先輩、後ろにズレて。
バイクの運転は私がやる。
ネル先輩も乗って。」
私は痛む足でバイクに跨る。
ネル先輩、私、カリン先輩、アカネ先輩の順で乗ると、私はバイクを発進させた。
・・・大きめのバイクにしといて良かった・・・。 - 78二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:29:26
ミレニアムの怪物?:
「ネル先輩!
前から捨て身タックルしてくるクリーチャー、進行先の部分だけで良いから撃ち落として!」
ネル:
「わーってる!」
ミレニアムの怪物?:
「カリン先輩!
3時の方向のアイツ、毒針刺そうと突撃してくる!
撃ち落として!」
カリン:
「了解。」
ミレニアムの怪物?:
「アカネ先輩!
あれ避け切れない!
爆破して吹き飛ばして!」
アカネ:
「お任せを!」
C&Cの助けを借りながら、私は横転している列車へと突き進む。
列車に近くなるごとにクリーチャー達の攻撃は苛烈になるけど、同時にクリーチャー達の動きに慣れ始めたネル先輩達が どんどん手際よくなっていくので、私はバイクの運転にだけ集中することが出来た。
やっぱり今までがおかしかっただけで、仲間の力って凄いよ! - 79二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:43:43
群がるクリーチャー達の隙間から見える列車は、レイヴァが怪獣の身体を器用に動かして、最小限の部分だけ横転から復帰させているところだった。
列車の車輪がレールにハマり、前に進み始める。
ミレニアムの怪物?:
「カリン先輩!
運転代わって!」
カリン:
「!
分かった。」
私はバイクの上に立つと、治りかけの足でバイクから飛び降り、その足で再び爆発による突進を仕掛けた。
再び走るオレンジ色の亀裂、バイクの背後から起こる大爆発。
それに気が付いたレイヴァが再び下腹部を上げようとするけど、残念。
今度は私には頼もしい仲間が付いてるんだ!
ネル:
「させるかよ!」
アカネ:
「やらせません!」
ネル先輩が下腹部と中腹部を繋げる関節を攻撃し、アカネ先輩が爆弾でレイヴァの視界を塞いだ。
幾ら銃弾や爆弾のダメージが薄いとは言っても、関節にダメージを受ければ動きが遅れるし、爆煙が透けて見えるわけでも無いことを、私は身をもって知っている。
そして私の経験通りに動きが遅れたレイヴァが、明後日の方向に針を飛ばしているのを横目に見ながら、拳をレイヴァの顔面に食らわせた。 - 80二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 16:56:16
閃光、轟音、耳鳴り───
列車から吹き飛び、線路上に投げ出されるレイヴァ。
そして巨大なレイヴァの身体に衝突した列車は、内部の燃料に衝撃で引火したのか大爆発を起こした。
燃える、列車だった破片が周囲に飛び散り、辺りが火の海みたいになった。
私は爆風で浮き上がった体を回転させて姿勢を直すと、コアがあるであろう中腹部上の空中に陣取り、一心不乱に拳を叩き込んだ。
オリャリャリャリャリャリャ(以下略
───オリャァ!
集中爆撃のように連続した爆発を起こした後、私は同じ姿勢を保てなくなり、レイヴァの巨体があった場所から少し離れた場所に着地した。
・・・これだけやればコアは破壊出来たでしょ。
ネル:
「やったか!?」
カリン先輩の運転するバイクに乗った状態で横に来たネル先輩が、ピュアに言ってはいけない言葉を口にした。
ネル先輩!
それを言うと、大体生き残ってるんだって!
そしてその理論を肯定するかのように、晴れた爆煙の中からボロボロになったレイヴァの身体が現れた。
もう生物としての原型を保ってないけど、まだオレンジ色の液体になってない。
それはまだ、レイヴァが生きているってことだ。 - 81二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:05:22
怪獣だった肉塊の中腹部から、何かが出てくる。
それはハチのような顔をした、異形の人間だった。
×××:
「あー、幾ら何でも ここまでやるかな。
全く、これだから子供の相手はしたくないんだ。」
恐らくレイヴァなんだろうけど、口調が酷く気怠そうなものに変わっていた。
体躯の小ささもあって、疲れきった子供のようだった。
×××:
「とはいえ、まずは おめでとう。
君たちは私のプランを阻止した。
あー、数か月準備したプランが、この数日でパァだよ・・・。
はぁ、辛い。」
レイヴァはホントに嫌そうに拍手した。
・・・そんなに嫌ならやらなきゃいいのに。
様式美かな?
×××
「───でも、デットマザーのシナリオ通りさ。」
え?
私達の頭上を、何かが高速で通り過ぎた。 - 82二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:14:57
私達の頭上を通り過ぎたソレは、パッと見、飛行機のようだった。
だけど、人が乗っているにしては余りにも小さい。
×××:
「あぁ、あれが無人航空機だよ。
中にはウイルス兵器が積んである。」
ミレニアムの怪物?:
「な、何で?
発射は阻止したはずじゃ・・・。」
×××:
「君たちみたいな子供には分からないかも知れないけど、プランっていうのは計画が頓挫した時に備えて2重3重の予備プランを練っておくものさ。
・・・まぁ、今回そこら辺の仕込みをしたのはデットマザーの方だから、君たちは”私”には勝ったよ。
おめでとう。」
今度はレイヴァは普通に拍手をする。
完全に煽りだった。
そうしている間にも、ミレニアムの校区に向かった次々と別方向から無人航空機が飛んで行って、何かオレンジ色の煙のようなものを散布していく。
×××:
「・・・対空システムを落とす方のプランは しっかり完遂されたようだね。
良かったよ。
あぁ、私の作品が降り注ぐ様を この目で見れるとは感慨深い・・・。」 - 83二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:24:34
ネル:
「・・・やってくれたな。
認めるよ、アタシらの負けだ。
・・・だが、タダで済むと思ってんじゃねぇだろうな。」
×××:
「ところがギッチョン、タダで済むのさ。」
レイヴァは突然、小型のナイフを胸部に突き刺した。
あまりのことに、一瞬、私達の思考に空白が生まれる。
×××:
「・・・私は、これで退勤だからね。」
掠れるような声で、レイヴァが言った。
×××:
「お先に失礼するよ、デットマザー・・・。」
コアが砕ける音、そして弾けるようにオレンジ色の液体に変わっていくレイヴァの身体。
デットマザー:
「えぇ、お疲れ様です。
レイヴァ。」
そして背後から今 最も聞きたくない声が聞こえ───
次の瞬間、C&Cの全員にピンク色の麻酔弾が突き刺さった。 - 84二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:26:23
今日はここまで。
- 85二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 23:10:04
もうやめて……ミレニアムの怪物のライフはゼロよ…!
- 86二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 09:54:27
これ、こっからハッピーエンドまで辿り着けるんだろうか
- 87二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 09:57:23
保守
- 88二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:29:52
C&Cが倒れるのと同時に、私は動いた。
麻酔弾を引き抜き、口で毒を吸う。
私に毒は効かないからノーリスクで、やらないよりはマシのはず・・・!
全員の毒を流れるように、数拍の間で吸い切った私は、麻酔銃を片手に持ったデットマザーを睨め付けた。
ミレニアムの怪物?:
「何で・・・!
何で いっつも こういう時に現れるのさ!?」
デットマザー:
「そういうシナリオですからね。
当たり前じゃないですか。
・・・それより見事な救急措置です。
この毒を使われた場合の、ほぼ最善の行動をしましたね。」
しかしC&Cの先輩達はグッタリとして起き上がらない。
デットマザー:
「まぁ、10日の寿命が20日くらいになっただけですが。
良かったですね、アナタのお陰ですよ?」
ミレニアムの怪物?:
「馬鹿にして・・・!」
デットマザーは吠える私を気に留めることも無く、冷静に指を鳴らした。
すると、あちこちの物陰から、這い出るように黒い仮面を被った生徒達が姿を現した。
それは海岸の岩陰から無数のフナムシが出てきた様子にも似て、ゾッとした。 - 89二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:44:46
デットマザー:
「・・・アナタが泣こうが喚こうが、シナリオは佳境に移りました。
みんなでゲームを楽しみましょう。」
その言葉を合図に、周囲の生徒達が一斉に襲い掛かって来た。
手にはキヴォトスの一般的生徒とは違って、みんなナイフとかハンマーとか近接武器を持っている。
・・・明らかに私を殺しに来てる。
幸い、セルブス系の人間特有の再生能力で怪我は治りかけているから戦えはする。
私は一番早く突貫してきた生徒の頭を掴むと、次に迫ってきていた生徒達に投げつけた。
生徒達は投げつけられた生徒を慌てた様子でキャッチしたので、そのまま纏めて蹴り飛ばす。
そして後ろから迫ってきていた生徒達を、回し蹴りで薙ぎ払った。
周囲を囲む生徒達は、容易に責められないことを悟ったのかヒリついた距離感を保つ。
デットマザー:
「・・・。」
デットマザーは静かに生徒達を見ていた。
特に口出しする気は無いようだ。
???:
「怯むな、考え無しでも良いから攻め続けろ。
疲労すれば嫌でも隙を晒すことになる。」
代わりに生徒達の内の1人が声を上げた。
・・・どうやら彼女がリーダー格みたいだね・・・。
私はリーダーに殴り掛かった。
頭を失えば統率を欠くと考えたからだ。 - 90二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:45:43
???:
「かかったな、アホが!」
しかしリーダーは怯むことなく、むしろ殴り掛かって来た私に対して前に出た。
そして流れるような動きで私の腕を掴むと、そのまま私の懐に入ってきて、気が付けば地面に投げ飛ばされていた。
???:
「頭を潰せば統率を欠くとでも考えたんだろうが・・・。
そんなの誰でも最初に思い付くに決まってるだろ、マヌケ!
敢えて声を上げたんだよ、敢えて!」
リーダーが私に指を指しながら啖呵を切る。
・・・悔しいけど、その通りだった。
群がってくる生徒達をブレイクダンスみたいな動きで蹴とばしながら起き上がる。
今度はリーダーを守るように、生徒達が壁になっていた。
・・・これは一筋縄では いかなそう・・・。 - 91二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:46:54
小休止。
- 92二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:06:39
急にデフレするやん
- 93二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:18:55
バババババッ───
私が攻めあぐねていると、不意に銃声が響き渡った。
???:
「ぐっ・・・!」
リーダーが呻き声を上げる。
どうやら背中に銃弾が当たったらしい。
でも、この中で銃を持っている人間は一人も居ないはず・・・。
じゃあ、一体だれが───
???:
「黒んぼ がよぉ・・・。」
見れば、リーダーの背後で、C&Cの中からネル先輩が立ち上がるところだった。
ネル先輩・・・! - 94二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:19:44
ネル:
「お前の相手は このアタシだろうが。」
???:
「この・・・!
忌々しいクソチビが・・・!」
リーダーは怒りを露わにする。
しかし頭は冷静なのか、私の前に生徒達を配置しつつ、ハンドサインで、ネル先輩を囲むように他の生徒達に指示を出した。
背を向けたリーダーの背中は、明らかに流血している。
キヴォトスの人間なら、そう簡単に銃弾で流血はしないはず・・・。
となると、リーダーはセルブスの人間?
その考えを肯定するように、リーダーの背中から体内に留まった弾丸がカラカラと零れ落ちる。
明らかに再生能力を持っている証拠だった。 - 95二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:28:18
デットマザー:
「・・・ふむ、流石にミレニアム最強ともなると、毒の効きが悪いようです。
イベントムービー中の銃は主人公もとい最強に特攻なのですが・・・まぁ、メタ要素なんて当てにしたコチラのミスですね。」
デットマザーはパンパンと手を鳴らした。
それにリーダーが反応する。
デットマザー:
「アナタは美甘ネルを相手して下さい。
ミレニアムの怪物・・・もといモモイは こちらで相手をします。」
???:
「・・・承知・・・!
いくぞ、お前ら。
今度こそ、あのクソチビをノしてやらないと気が済まない・・・!」
ネル:
「あ?誰がアタシをノすって?」
黒い仮面の生徒達は、近接武器を仕舞い込むと、今度は各々銃器を取り出した。
・・・装備、相手に合わせて変えるんだ・・・。 - 96二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:35:36
銃撃戦を繰り返しながら離れていくネル先輩達を見送りながら、デットマザーがポツリと口を開いた。
デットマザー:
「さて、お久しぶりですね。モモイ。」
ミレニアムの怪物?:
「そうかな?
三日前くらいに会ったばっかだと思うけど?」
デットマザー:
「いえ、その時には既に”ミレニアムの怪物”でしたよ。
今のアナタは随分、人間性を取り戻したように見えます。」
言われてみれば、殺人鬼メンタルをしていた時より、C&Cの先輩達との協力を通して余裕が生まれてる気がする。
・・・もっとも、目の前の大人が全部ぶっ壊したんだけど。
デットマザー:
「フフ、そんなに睨まないで下さい。
仕事、ですからね。
・・・それより今度も良いことを教えてあげましょう。
アナタ、もう”変身”は解いた方が良いですよ?」 - 97二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:58:17
え?
急に?
そしてこの能力、”変身”が正式名称で良いの?
デットマザー:
「その力は本来、渾沌に蝕まれた神秘を持つ生徒が使える、一時的に その能力を底上げする・・・いわゆる切り札にあたる能力です。
その姿でいられるのは普通、数分から十数分。
いくら今のアナタが”渾沌の蕾”と化しているからといって、数日間 連日で その形態でいるのは相当な負荷になっているはず・・・。
考えてもみて下さい。
今のアナタの能力は、ライブスタック戦の時から随分スケールダウンしているはずです。
本来なら、レイヴァに苦戦することも、私の手勢に攻めあぐねることも無いはずなのですよ。」
衝撃の新情報。
この姿、ホントは一日中なってるようなもんじゃ無かったんだ・・・。
”渾沌の蕾”っていうのは何を言ってるのか分かんないけど、確かにライブスタックの時は光速クラスの速度が出せたのに、今じゃ全速の列車に追いつけるかも怪しい。
・・・ちょっと不味いかも。
私は全身の力を抜いた。
ゆっくりと身体が小さくなっていく。
見慣れたアサルトライフルと、大型のナイフが姿を現してくる。 - 98二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:58:38
デットマザー:
「・・・そうです、いい子ですね。
せっかく美甘ネルという、毒が効き辛い仲間が居るのですから、今後1日くらい変身は制限した方が良いでしょう。
終盤では、全力の変身が出来ないと攻略は難しいですよ?
ゲームオーバーは嫌でしょう?」
私はデットマザーがペラペラと喋っている間にアサルトライフルとナイフの感覚を取り戻し、二つの得物を構えた。
攻守の隙が無いようにナイフを眼前に構えつつ、万一隙が生まれたときに差し込めるようにアサルトライフルも腰の辺りに握り込む。
デットマザー:
「・・・準備は出来たようですね。
さて、PvPを楽しみましょうか?モモイ。」
そして驚いたことに、デットマザーも眼前にナイフ、腰に背後から取り出した飾り気の無いアサルトライフルを構えた。
・・・奇しくも同じ構えだった。 - 99二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 13:58:58
小休止。
- 100二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 14:32:19
- 101二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 14:39:16
取り敢えず考え無しにナイフで斬りかかっても良いけど、さっきのリーダーさんの例を考えると、何か簡単に捌かれそうな気がする・・・。
・・・取り敢えず、銃弾をばらまいてみよう!
私が様子見でアサルトライフルの弾をばらまくと、やっぱりデットマザーは、リーダーさん以上の滑らかな動きで銃弾を掻い潜って迫ってきた。
流石に同じ手は二度食わないから!
私は迫るデットマザーにナイフを突きつける。
やっぱりそれも避けられちゃうけど、フフン。
残念だったね!
私は懐で温めておいたアサルトライフルをデットマザーの躱した先に突き出す。
アサルトライフルの中からは、1フレーム(約0.016秒)もしない内に熱線が飛び出るよ!
流石にこれは躱せないでしょ! - 102二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 14:48:04
しかしデットマザーは首を横に倒す最低限の動きだけで熱線を躱してしまった。
・・・いや、1フレームの壁を越えないでよ。
うわーん、人間業じゃないよ!
私の全ての策をくぐり抜けたデットマザーは、その手に握ったナイフを当然のように私の喉元に刺した。
ミレニアムの怪物?:
「ゴボッ・・・。」
デットマザー:
「これで一つ。」
デットマザーは私を蹴り飛ばした。
私とデットマザーの間に2~3メートルの距離が出来る。
私は姿勢を起こすと慌てて構え直した。
しかし構え直した頃には、眼前にデットマザーが迫ってきていた。
ナイフが私の胸元、心臓があった・・・今はコアがある場所へと突き刺さる。
デットマザー:
「これで二つ。」
また蹴り飛ばされる。
今度は4~5メートルくらいの距離まで吹き飛んだ。
姿勢を起こして構え直す。
だけど、今度は眼前に銃弾があった。
・・・これは無理。
私は見事にヘッドショットを決められて倒れ込んだ。
デットマザー:
「これで3つ。」 - 103二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 15:04:54
数秒間の意識の空白の後、私は空を見上げていた。
真っ暗だけど、僅かに青みがかり始めている。
・・・もうすぐ、7日目の朝がやってくる。
あと3日、72時間と少しの後、最初にミドリが死んじゃう。
夜になればユズとアリスが、その数日後には私が刺したエンジニア部やヴェリタスの みんなが死ぬ。
アスナ先輩も、死ぬ。
それも大事だけど、今 ミレニアム全域に散布されたウイルス兵器でクリーチャーになっているであろうミレニアムの みんなも治さないと。
どっちも治療薬があることは分かってるから、余計諦められない。
私は ゆっくりと起き上がった。
デットマザーは余裕そうに血の付いたナイフを拭いていた。
デットマザー:
「今の数秒で、トドメを刺すことも出来ました。
・・・いえ、それ以前に、先程の攻防では、神秘の守りが無ければ3回は死んだことになります。
年季の差を 分かって貰えたでしょうか?」
・・・今はこの大人が物凄く大きく見える。
明らかに、今の私のレベルじゃ勝てないボスだ。
パワーのライブスタックとは また別の、圧倒的絶望感を感じる。
デットマザー:
「ライブスタックには、渾沌に自身の神秘を売り渡せば、後は根性で勝てたでしょうが・・・。
私は違います。
私の攻略に必要なのは、シンプルにプレイヤースキル。
どれだけ神秘を売り渡して自分を”変質”させようが、アナタ自身のレベルを上げなければ一生勝てませんよ?」
・・・要するに、レベル差じゃ勝てないってコトかな?
うぇ~、私そういうタイプのボス苦手なんだよ。 - 104二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 15:09:12
今日は予定があるので、ここまで。
- 105二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 20:39:50
単にスタミナの問題や敵も身体いじってるせいかと思ったじゃん
- 106二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:44:42
【変身】
渾沌に蝕まれた神秘を宿す生徒が、普遍的に持つ能力。
男性的なボディラインをした外骨格を生成して身に纏い、一時的に体格・筋力・素早さ・防御力などを1回りも2回りも高める。
変身中の外骨格内部は正しく混沌とした状態にあり、変身前に装備していた武器やバックなどが取り込まれた後、どうなっているのかは誰も知らない。変身を解くと、どういうワケか元に戻る。
効果中は無敵と言っても過言では無いが、数分から十数分で限界が来る。平均的な時間制限は3分。
限界を超えて運用すると、変身した生徒自身の神秘を著しく消費し、変身解除後の身体能力を指数関数的に低下させてしまう。
限界を超えた時間が多ければ多いほど、変身解除後の反動も大きくなり、限界を少し超えただけでも全身がマヒしたような身体能力の鈍化が起こり、続いて全身疲労→筋肉痛→疲労骨折と被害が大きくなっていく。
最悪の場合ヘイローが砕ける自体になる。
普通、数日間の変身など正気の沙汰では無いが、”色彩”や”黄昏”のような巨大なエネルギーと接続されている場合であれば、尋常ならざる運用が可能になる。
そしてそれは、世界にとって極めて危険な状態である。 - 107二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:45:21
説明不足で、ごめんじゃん。
- 108二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 01:56:30
変身の限界時間超過後は、反比例的に身体能力の低下(少なくとも変身前よりは上)を伴う、も追加で。
- 109二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 02:23:15
ネル:
「へぇ、そういうことならアタシも入れて貰おうか。」
そう言って、ネル先輩が私の隣に立った。
・・・傷だらけだけど、ピンピンしてるみたい。
???:
「・・・申し訳ありません。
アルファ・チーム・・・全滅しました。」
デットマザーの横には、例のリーダーさんが立った。
ネル先輩に対して、かなりボロボロだ。
関節が外れたのか、左腕で右腕を抱えている。
デットマザー:
「ふむ、思ったよりは もってくれたようですね。
ご苦労でした、少し休んでいなさい。」 - 110二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 02:24:20
???
「・・・!
私はまだ やれます!
無制限戦闘の許可を下さい!
そうすれば必ず、あの美甘ネルを───」
デットマザー:
「なりません。
最強格に挑むのが今回の目的ではありません。
・・・冷静になりなさい。」
???:
「すみません・・・。」
デットマザーはシュンとするリーダさんから視線を外した。 - 111二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 02:53:34
デットマザー:
「分かれば良いのです。
私はネルとモモイを相手します。
アナタは そこで休憩しながら、アルファ・チームの撤退と、ベータ以下のチームへの指示をお願いします。」
???:
「分かり、ました。」
リーダーさんの答えに頷いたデットマザーが、ふと掻き消えた。
ネル:
「!
チビ、危ねぇ!」
ミレニアムの怪物?:
「へ?」
ネル先輩が私を突き飛ばしたかと思うと、次の瞬間には さっきまで私が居た場所にナイフが通り過ぎた。
・・・今の軌道は喉を潰されるやつじゃん。
ミレニアムの怪物?:
「危ないなぁ!」
私は牽制でアサルトライフルの弾をばらまくけど、デットマザーが無造作に撃った弾丸が、それらを全て相殺してしまった。
私の弾とデットマザーの弾が正面衝突して出来た金属の弾が地面に転がる。 - 112二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 02:57:15
ミレニアムの怪物?:
「うそぉ・・・。」
あまりの絶技に、そう言う他なかった。
ネル:
「感心してる場合かよ!」
ネル先輩は そう言って、デットマザーに2丁のサブマシンガンでインファイトを仕掛ける。
だけど、デットマザーは超高速でナイフを動かし、ネル先輩が放つ弾丸を全て弾くだけで無く、そのまま距離を詰めてネル先輩の間合の更に内側に迫ろうとしていた。
いや、完全に人間業じゃないよ、アレ。
私も横からアサルトライフルの弾をばらまいてネル先輩を援護するけど、デットマザーは私の弾を同じくアサルトライフルの弾で相殺し、金属球を空中に作りだしてしまう。
いや、ナイフで弾きながら やらないでよ・・・。
もはやデットマザーの動きに対して、驚愕よりも恐怖が勝った。
完全に動きが都市伝説の怪異とか その辺りだった。 - 113二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 03:07:55
小休止。
- 114二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:40:48
【セルブスグループ幹部、デットマザー】
ネル:
「クソッ・・・!」
銃が効かないとみるや、ネル先輩は近づいてきたデットマザーにキックを お見舞いした。
デットマザー:
「甘いですよ。」
しかしデットマザーは、熟れた動きでネル先輩の足を掴むと、その状態でネル先輩の鳩尾を肘で一突きし、その上で私の方に投げ飛ばしてきた。
・・・私 知ってる。
これネル先輩を受け止めたら纏めて蹴り飛ばされるヤツだ・・・。
私はネル先輩を ヒョイと躱すと、地面を強く蹴って、今度は私がデットマザーにインファイトを仕掛けた。
ただしナイフで。
デットマザーは突き出されたナイフを絡め取ろうとするけど、私は途中で動きを変えてナイフを投げた。
そしてそのまま、デットマザーに組み付く動きに移行する。
デットマザー:
「まだまだです。」
しかしデットマザーは、飛んできたナイフを、手持ちのナイフで弾き、その上で私の胸部に膝蹴りをヒットさせた。
息が詰まって動きが固まる。 - 115二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:58:52
ネル:
「オラァ!」
しかしネル先輩が後に続いてくれた。
私の背後からデットマザーに迫ったネル先輩は、私を飛び越えて再び2丁のサブマシンガンでインファイトを仕掛ける。
デットマザーは難なく弾丸をナイフで弾いちゃうけど、ネル先輩は気にした様子もなく空中で一回転してデットマザーの背後に着地した。
デットマザーが着地後を狙った弾丸を発射する。
だけどネル先輩は、”今までより”滑らかな動きで銃弾を くぐり抜けたかと思うと、目にも留まらぬ早撃ちで、デットマザーの腹部に1発だけ弾を当てた。
デットマザー:
「・・・。」
デットマザーは何を言うでも無く、私とネル先輩に挟まれた位置だと分が悪いと思ったのか、私ともネル先輩とも距離が取れる、リーダーさんの横へと移動した。
リーダーさん:
「”先生”!!」
え?
”先生”・・・? - 116二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 09:13:11
デットマザーは駆け寄ろうとするリーダーさんを手で制すと、ナイフで弾丸の摘出を始めた。
傷口が深くなるけど、直ぐに弾丸が摘出される。
デットマザー:
「・・・数年ぶりですよ、被弾なんて。
まぁ訓練は積んでいるので問題ありませんが。」
そう言いながら、デットマザーは流血を続ける傷口をハンカチで拭い、今度は懐から注射針を取り出して傷口に刺した。
・・・止血剤かな?
でも、それより気になるのが、”流血が続いている”ことだ。
普通、セルブス系の人間なら銃傷なんて数秒で完治する。
それなのにデットマザーはセルブス系の人間特有の再生能力を見せることなく、流血が続いている。
・・・もしかして、デットマザーはセルブス系の人間じゃ・・・ない?
あの人外じみた動きで?
今までの怪異のような動きが、セルブス系の人間の強みである強化された機動力と動体視力によるものではない、経験と訓練によって形作られた、常人の狂気の産物であることを察した私は戦慄した。
正気度判定 入っちゃうよ! - 117二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 09:27:47
デットマザー:
「美甘ネルが異常なほど戦闘に対する適応が早いことは資料で知っていましたが・・・やはり実際に相手にするのとではワケが違いますね。
アルファ・チームが全滅するワケです。
ミレニアム最強は、伊達では無いということですか。」
デットマザーが一切動じることなく傷口を縫合しながら言う。
うわ~、痛そ~。
ネル:
「まぁな。」
ネル先輩は動かない。
まるで何かを待っているかのようだった。
ネル:
(おい、チビ。
ナイフ拾っておけ。)
ミレニアムの怪物?:
(分かってるけど・・・わざわざ何で?)
ネル:
(これはアタシのカンだが・・・あのデットマザーとかいう大人、まだ全力じゃない。)
ミレニアムの怪物?:
「へ?」 - 118二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 09:29:22
小休止。
- 119二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 16:32:52
デットマザーは傷の縫合を終えると、懐から何か機械を取り出し、少し離れた場所に投げた。
ミレニアムの怪物?:
「何?いまの?」
デットマザー:
「ビーコンですよ。
離れた部下に位置情報などを送信できます。
便利なので覚えておくと良いですよ。
あ、この装備を預かって貰えますか?」
デットマザーはアサルトライフルとナイフをリーダーさんに預けた。
デットマザーは今 無手だけど、隙があるようには思えなかった。
少し間を置いて、ビーコンが投げられた位置に何かが衝突した。
地面が抉れて飛び散る。
土煙が晴れると、そこには やけに長い形をした砲弾があった。
デットマザーは砲弾に近づき、本来は火薬あたりが詰まっているであろう場所を開ける。
中から緩衝材が飛び出すけど、デットマザーは意に介することなく両手を突っ込む。
中から、何か細長いものを2つ取り出した。
それは やけに銃身が長い拳銃のような物と、先が二叉に分かれた黒い槍だった。
黒い槍には、麻酔弾にあったように呪詛のような文様がビッシリ刻まれている。
その意図に気が付いたとき、私はゾッとした。
あの槍に、ヘイローの守りは効かない。
例え私のナイフを皮膚で弾いたネル先輩であっても、あの槍の前では死の危険がある。
デットマザー:
「さぁ、再開しましょうか。」 - 120二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 16:39:18
デットマザーは黒い槍と長い拳銃を無造作に構えた。
一見、さっきのガチガチの構えより隙があるように見えるけど、その威圧感は別物のように大きかった。
ミレニアムの怪物?:
「ネル先輩、あの槍───」
ネル:
「あぁ、やべぇな。」
槍の注意点を言おうと思ったけど、ネル先輩はもうカンで分かっているようだった。
私はアサルトライフルのリロードを終えて、ナイフとアサルトライフルを構える。
ネル先輩もサブマシンガン2丁のリロードを終えた。
デットマザー:
「私の狩りをお見せしましょう。」
瞬間、デットマザーの姿が掻き消えた。 - 121二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 16:47:13
保守
- 122二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 16:47:51
【最初の狩人、***】
掻き消えたデットマザーは、直ぐに姿を現した。
・・・私の目の前に。
ネル:
「!、チビ!」
デットマザー:
「遅い。」
ネル先輩が私を助けようとサブマシンガンに火を吹かせるけど、そのよりも早く私に黒い二叉槍が迫った。
私はそれを何とかナイフで受け止める。
・・・これだけは食らったら不味い!
しかし二叉槍を受け止めたと思ったら、意識の外にあった長い拳銃から、”散弾”が飛び出してきた。
はい!?
私は散弾を受けて吹き飛ぶ。
うぇ、散弾が幾らか肉を食い破ってきて気持ち悪い・・・。
デットマザーはサブマシンガンの弾が届くよりも早く、再び掻き消える。
そして吹き飛んで倒れた私の前に、また現れた。
いや、なんで また私!? - 123二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 16:56:54
ネル:
「クソッ、チビばっかり狙いやがって!」
そうだよ、ネル先輩。
言ってやって!
今度は近づいていたネル先輩の、至近距離による発砲は無視できないと踏んだのか、私の前から何をするでも無く掻き消えて、少し離れた場所に再び現れた。
デットマザー:
「これは異な事を。
狩りにおいて弱い獲物から狙うのは定石でしょう?」
あ、ナチュラルに今、私を弱いって言ったね。
まぁ、確かにネル先輩よりは弱いだろうけど・・・。
デットマザー:
「もう、アナタ達を子供と侮りません。
私に弾を当てるは強者。
故に、全力であたります。
・・・そう、例えるなら複数ボスを相手にする時のように。」
あ~、私もやるわ。
複数ボス相手の、弱い者 狙い。
そう言われてみると、何だか卑怯とも思えなくなってくるよ・・・。 - 124二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 17:10:24
とはいえ真面目に戦況を考えると、正直ネル先輩はデットマザーのスピードに着いていくのに手一杯だ。
いや、着いていける時点で凄いんだけど。
ここはセルブス系の人間として、最悪手足を黒い槍で切り落とされても再生出来る私が攻めに転じるしかない!
私は地面を強く蹴って、デットマザーに突貫した。
ネル:
「あ、チビ!テメェ!」
ミレニアムの怪物?:
「合わせてネル先輩!」
デットマザー:
「ほう、向かってきますか?」
私はアサルトライフルを斉射する。
しかしデットマザーは当然のように、黒い槍を短く持つと、私が放った弾丸を全て捌いた。
いや、あの黒い槍が何キロあるのか知らないけど、絶対 重いよね!?
それをナイフと同じ感覚で扱うって、筋力 凄いな・・・。
とはいえ止まるワケには いかない。
私はアサルトライフルから、そのまま熱線を出した。
極太の熱線が、デットマザーを襲う。
しかしデットマザーは、槍をペン回しのように高速で回転させると、盾のように構えて熱線を拡散させた。
どういう原理!? - 125二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 17:26:04
ええい、こうなりゃヤケだ!
私は熱線を打ち止めにして、銃身を持ち、そのままデットマザーに殴り掛かった。
デットマザーは長い拳銃を、振りかぶった銃身に向ける。
そして散弾で吹き飛ばすのかと思ったら、今度は普通に拳銃の弾が出た。
拳銃の弾は、銃身では無く私の手を貫通し、振りかぶった銃身を落とさせる。
その長い拳銃、どうなってんの!?
そう思って硝煙を吐く長い拳銃をよく見てみると、どうやら散弾用の銃身と拳銃用の銃身が くっついた機構になってるっぽい。
何ソレ初めて見た・・・。
撃鉄を引く音がして、デットマザーは今度は散弾用の銃身を私の頭に向けた。
・・・不味い。
流石に避けれないし、今 頭に弾丸を受けて意識が飛んだら、黒い二叉槍で確実にトドメを刺される確信がある。
私は慌ててナイフを構える。
散弾が発射される。
私は死に物狂いで全ての弾を弾いた。
デットマザー:
「・・・ほう。」
デットマザーが感心したかのような声を上げる。
いや これを常人の動体視力でやってるって、どうなってんの!?
セルブス系になって動体視力と素早さが上がった私でもキツイんだけど! - 126二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 17:27:35
小休止。
- 127二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 20:48:34
単発の弾丸なら私でも弾けるけど・・・複数は やっぱり難易度が違う。
次も出来る自信は無い。
だからネル先輩!
後は宜しく!!
ネル:
「チェックメイトだ、クソアマ。」
私が引き付けている間にデットマザーの死角に回っていたネル先輩が、デットマザーの背に至近距離で弾丸をブチ込む。
デットマザー:
「ふむ・・・。」
デットマザーは何食わぬ顔で、背に弾丸を受けた。
ネル先輩が私の横に戻ってくる。
ネル:
「手応えがねぇ・・・。
どうなってんだ?」
デットマザーはジャケットを脱いで、内部の胸部だけ覆った防弾チョッキ擬きを取り出した。
デットマザー:
「子供達に無理やり着させられたコレでしたが・・・どうやら役に立ったようです。」
防弾チョッキ擬きの背から、潰れた弾丸がポロポロと落ちる。
私とネル先輩の渾身の攻防は、阻まれたみたい。
その時、不意にデットマザーが手に掛けたジャケットから着信音が響いた。 - 128二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:07:37
デットマザー:
「・・・失礼。」
デットマザーは そう言うと、黒い二叉槍を地面に突き刺し、ジャケットからスマホを取り出す。
隙だらけに見えるけど、視線は しっかり こっちに向いてるし、実際は隙が無いことが分かる。
デットマザーはスマホを耳元に当てた。
デットマザー:
「はい、デットマザーです。
・・・はい・・・はい・・・了解です。」
デットマザーはスマホの通話を切ると、ジャケットを羽織り直して黒い槍を地面から引き抜いた。
だけど さっきまでと比べて明らかに雰囲気が柔らかい。
デットマザー:
「仕事が終わったようです。
私はこれにて失礼します。」
そう言って、撤収準備を始める。
いつの間にか やってきていたリーダーさん以外の黒仮面の生徒達に黒い槍と長い拳銃を預ける。
そしてリーダーさんから預けていたナイフとアサルトライフルを受け取っていた。
ガラッと変わった雰囲気に、私のネル先輩があっけにとられていると、不意に何かを思いだしたかのようにデットマザーが「あっ。」と声を上げた。 - 129二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:08:16
デットマザー:
「そうでした、モモイ。」
ミレニアムの怪物?:
「な、何?」
突然 近づいてきたデットマザーにビックリする。
さっきまで完全に殺す気だった相手に、急にフレンドリーに接することが出来る その神経が分からない。
デットマザー:
「何、ではありません。
一番大切なものを渡すのを忘れていました。」
デットマザーはそう言うと、ジャケットから2枚の金属板を取り出した。
デットマザー:
「私とレイヴァの分の、解毒薬の情報断片です。
これを今までのものと重ねて見れば、解毒薬が何処にあるのかが見えてくるはずです。」
私はデットマザーから投げ渡された金属板を受け取る。
・・・確かにスレイブやライブスタックが持っていたソレと同じだ。 - 130二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:19:13
ネル:
「待てよ、アンタ。
ウチの連中に毒を撃ち込んでおいて、タダで済むと思ってんのか?」
ネル先輩は、銃口をデットマザーに向ける。
でもネル先輩・・・それ言うとき大体相手、タダで済む手段持ってるヤツ・・・。
私はレイヴァの一件を思い出しながら、そう思った。
デットマザー:
「おや、私の相手をしていても良いのですか?」
ホラね?
ネル:
「・・・どういう意味だ?」
デットマザー:
「そうですね・・・試しに、ミレニアムに通信機で連絡を取ってみたらどうです?」
嫌な予感がした。
ネル先輩が訝しんだ表情をしながら、通信機を取り出して耳を当てる。
そして直ぐに驚愕の表情になった。
ネル:
「通信が・・・通じない?」
それは極端に電波状況が悪いか、さもなくば通信機が壊れているか・・・あるいは通信相手が居なくなってしまったことを示していた。 - 131二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:24:03
デットマザー:
「さきほど私の方に連絡がありました。
どうやら本部の方がミレニアムの制圧を完了したそうです。
・・・それで、もう一度聞きますが、この状況で私の相手をしていても良いのですか?」
デットマザーが、心底不思議そうな声色で尋ねてきた。
良いワケが無い。
ミレニアムの怪物?:
「ネル先輩・・・ここはミレニアムに戻った方が・・・。」
ネル:
「・・・クソッ。」
私が手を引くと、ネル先輩も頭の方では分かっているらしく、心底悔しそうな顔をしながら踵を返した。
ネル:
「次 会ったら覚えとけよ。」
デットマザー:
「えぇ、いつまでもお待ちしておりますよ。」
捨て台詞まで吐いてしまうネル先輩。
大人に良いように あしらわれたのが相当悔しいらしい。 - 132二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:27:13
今日はここまで。
- 133二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 07:22:31
保守!!!!
- 134二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 14:42:40
今日は日中 更新 無理そう。
22時以降に更新する。 - 135二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 19:20:20
- 136二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 22:59:40
───7日目。
私とネル先輩は、カリン先輩とアカネ先輩を、ネル先輩が何処からか持ってきた縄で簀巻きにすると、バイクに括り付けてミレニアムに向かった。
簀巻きにしないと、髪の毛とかタイヤに巻き込まれちゃうからね、仕方ないね。
絵面が絵面だったから、最寄りの病院に預けたけど・・・。
今度はネル先輩を前に乗せて、再度 高速道路を使った。
買ったときは元のモモイの姿に戻れることを想定して無かったから、流石に変身して体格を大きくして乗った。
・・・激しく動かなければ、負荷は激しくないと信じよう。
ETCは無いから、現金が使えるゲートを通った。
受付の人にビビられたけど、気にしてもしょうが無いから脅して多めに現金を握らせて さっさと通った。
・・・ネル先輩に微妙な顔で一連の流れを見られちゃったけど、スムーズにコトを運ぶ為だし許して欲しい。
ミレニアム近郊とはいえ、ここからミレニアムの校舎までは高速を使っても丸一日は掛かる。
・・・7日目は移動時間かな。 - 137二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:02:13
【補足】
”変身”は戦闘行為などの激しい運動をしなければ、いつもより食事量が爆増するくらいしか負荷は掛からない。 - 138二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:11:44
高速のパーキングエリアで休憩を入れた。
流石に変身を解いて、1時間くらい体を休ませる。
・・・いや、変身中に何を消費してるのか知らないけど・・・。
私はバックの中に入れていたスレイブの金属板と、バイクのトランクに入れておいたライブスタック・レイヴァ・デットマザーの金属板を取り出す。
ネル:
「お、それが例のヤツか?」
ネル先輩はパーキングエリアで買ったらしい焼きそばパンを食べながら そう言った。
ミレニアムの怪物?:
「うん、セルブスグループ幹部が分割して持ってたヤツ。
デットマザーいわく、これを重ねて見れば解毒薬の場所が分かるらしいんだけど・・・。」
ネル:
「信用できんのか、それ?」
ミレニアムの怪物?:
「不安に思うのは しょうがないけど、ぶっちゃけ私達にはコレを追う以外の選択肢が無いよ、ネル先輩。」
ネル:
「そーだけどよー。」
ミレニアムの怪物?:
「あれでしょ、ネル先輩。
デットマザーの思い通りになるのが癪なんでしょ。」 - 139二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:19:48
ネル:
「は?
そんなんじゃねぇし・・・。」
ミレニアムの怪物?:
「いや、分かるよネル先輩。
正直、私もメッチャ嫌。
あの大人の思い通りに進んでると思うと虫唾が走る。」
ネル:
「・・・。」
ミレニアムの怪物?:
「でも走り続けなくちゃ。
最初に毒状態になったミドリは、今日あわせて あと3日で死んじゃう。
それを考えたら、止まってるヒマなんて無いよ。
大丈夫、罠があっても踏み潰せば良いんだから!」
ネル:
「・・・お前、その考えで罠を踏み潰せたことねぇだろ。」
ミレニアムの怪物?:
「うっ!」
・・・痛いところを突かれた。 - 140二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:27:54
ネル:
「アタシが知ってる限り・・・まずはゲーム開発部だけで罠の ど真ん中に突っ込んでいって二人ダウン。
次にビルから落とされ、その次はミレニアムを襲わされ、さっきだってアタシらが居なきゃ負け確だっただろ?
・・・アンタ、全部の罠に掛かってるんじゃねぇか?」
ミレニアムの怪物?:
「う・・・うぅ・・・。」
それを言われると痛い。
でも、今更 止まるワケには・・・。
ネル:
「ま、アタシは嫌いじゃないけどな。
トラップ上等なスタンス。」
ミレニアムの怪物?:
「ネ、ネル先輩・・・!」
うわ~、何という光属性。
こ、心が浄化されるぅ~。 - 141二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:40:41
ネル:
「・・・なぁ、アンタ。
もし良かったら、この件が無事 終わったらC&Cに入らねぇか?」
ミレニアムの怪物?:
「ワッツ!?
何 言ってんの!?
そんなの出来るワケないじゃん!
まず私、ゲーム開発部───」
ネル:
「別に兼部は珍しいことじゃねぇ。
ヒマリだってヴェリタスと特異なんちゃら両方の部長だろ?」
うぅ・・・そうだけど・・・。
ネル:
「前のアンタは控えめに言ってザコだったが・・・。」
ミレニアムの怪物?:
「明け透けに言い過ぎじゃない!?」
ネル:
「今のアンタは違う。
覚悟が決まった、れっきとした戦士だ。
C&Cの任務にだって着いてこれる、アタシが保証してやる。
それに───
───危ねぇヤツが居ても問題ねぇトコだしな、C&C。」 - 142二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:45:09
・・・何となく分かった気がする。
きっとネル先輩は、私をミレニアムに繋ぎ止めようとしてくれてるんだ。
ミレニアムの怪物?:
「・・・気持ちは嬉しいけど、ネル先輩。
ミレニアムには もうモモイが居るんだし───」
ネル:
「あぁ、情報が錯綜しててワケ分かんなかったが、やっぱりそういうことなんだな。
モモイが2人居るワケか・・・。」
ミレニアムの怪物?:
「そうそう、だから───」
ネル:
「別に良いんじゃねぇか?
モモイが2人居ても?」
ミレニアムの怪物?:
「・・・え?」 - 143二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:58:04
何を言ってるんだろう。
モモイが2人居て、良いワケないじゃん・・・。
ミレニアムの怪物?:
「む、無理だよ、ネル先輩。
同姓同名で同じ顔の人間が居るなんて不自然だし、何より学籍の問題だってあるじゃん!?」
ネル:
「別に世の中には自分と同じ顔をしたソックリさんが3人居るっていうし、学籍だってセミナーの連中に頼めばいいじゃねぇか。
アタシも口きいてやるよ。
それじゃ不満だってのか?」
う、何で私がワガママ言ってるみたいになってるんだろう。
ミレニアムの怪物?:
「で、でも私・・・私は みんなを傷つけたし・・・それに・・・それに・・・。」
ネル:
「・・・謝れば良いじゃねぇか。
アンタが毒打ち込んだ話なら、その金属片が示す先に解毒薬があるんだろう?
ウイルス兵器は ちと厄介だが・・・アンタの話じゃ、治療実験は成功してたんだ。
ということは、治療薬はセルブスの連中を締め上げれば出てくるワケだ。
なんだ、あとは元凶をブチのめせば解決じゃねぇか。
アタシも一緒に頭下げてやるからよ。
・・・だから・・・な、一緒にミレニアムに帰ろうぜ?」 - 144二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:41:19
・・・そっか。
私、ミレニアムに帰ろうと思えば帰れるワケか。
勿論、希望的観測だし、仮に本当に帰れたとしても、今までの関係性では居られないことなんて分かってる。
だけど、ネル先輩の見たこと無いくらい優しい顔と、その優しい展望は、私を口説き落とすには十分だった。
モモイ:
「うん、そうだね。
帰ろう、ネル先輩。
一緒に、ミレニアムに。」
私はネル先輩の手を取った。
その手は、信じられないくらい温かかった。 - 145二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:42:04
ネル:
「よっしゃ!
C&Cの新メンバーの加入祝いだ!
フードコートで腹一杯食おうぜ!」
モモイ:
「えっ、私C&Cに入るのは確定なの?」
ネル:
「たりめぇだ!
アンタみたいな放っておいたら突っ走っていくようなヤツ、C&C全員で止めねぇといけねぇからな!」
モモイ:
「あはは!
ごめんって!」
私はネル先輩に背中をバシバシ叩かれながら、フードコートまで歩き始めた。
ネル先輩と笑い合っているのが、本当に心地良かった。 - 146二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:42:45
ネル:
「トキのヤツ、喜ぶだろうな。
なんて言ったって、初めての後輩だからな。
・・・可愛がられても、文句言うなよ?」
モモイ:
「言うよ!
まぁ、そんなことは無いと信じてるけど・・・。
・・・そういえばトキって今回、ネル先輩達と一緒に居なかったよね。
なんでなの?」
ネル:
「まぁ、アタシ達はセミナーの依頼で動くけど、トキはリオか先生しか動かせないからな・・・。
一緒に居なかったってよりかは、一緒に居ると問題があるってのが実情なんだが・・・。
・・・まぁ、今回は別口でトキに依頼があったみてぇだ。」
モモイ:
「つまり・・・リオ会長か先生からの依頼ってこと?」
ネル:
「そうなるな。
先生はダウンしてるから・・・今回だとリオだな。」
モモイ:
「え!?
先生どうしたの!?」 - 147二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:43:55
ネル:
「あぁ、そうか。
アンタ知らないのか。
直近のニュースなんだが、SRTの何とか小隊って連中が、意識不明の先生を連邦生徒会に担ぎ込んだらしい。
命に別状は無いらしいが・・・まぁ、今回は巻き込むワケにはいかねぇだろ。」
モモイ:
「そうだね。
早く元気になるといいなぁ、先生。」
ネル:
「あぁ、元気になった先生に、アンタが どれだけ今回 頑張ったか報告して、沢山ホメて貰わねぇとな。」
モモイ:
「ちょっ、ネル先輩。
勘弁してよ・・・!(テレテレ)」
ネル:
「ははっ!
・・・さて、何にしようか。」
気が付けば食券販売機の前に来ていた。 - 148二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:44:37
モモイ:
「あ、私うどん にしよっと。」
ネル:
「アタシは・・・この海鮮ラーメンってのにするか。」
そう言って、ネル先輩は、スマホで決済を済ませようとする。
モモイ:
「あ、いいよネル先輩。
ここは私が払うよ。」
ネル:
「バカ、このキヴォトスの何処に後輩に払わせる先輩がいるんだよ。
払うのはアタシだ。」
モモイ:
「高速代は私持ちだったじゃん。」
ネル:
「アンタのバイクなんだから、別に良いんだよ。」 - 149二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:45:20
モモイ:
「何その理論・・・。
まぁ、実際の話。
この お金、ブラックマーケットの闇銀行とかセルブスの支社ビルから頂戴した お金だから、早めに使い切りたいんだよね。」
ネル:
「アンタ・・・。」
モモイ:
「・・・やめてよ、そんな目で見ないで。
迷惑料だよ、迷惑料。
闇銀行の お金も、向こうが勝手に用意してきた お金だし───」
ネル:
「それ、帰ったら没収な。」
モモイ:
「・・・はい。」
私は先輩の権力の前に膝を屈する他 無かった。 - 150二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 00:45:40
今日は ここまで。
- 151二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:48:46
名前がモモイに戻ってますな
これはいい傾向なのか……? - 152二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 07:40:24
ほ
- 153二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:53:24
倒れた先生と、「先生」と呼ばれていた生徒を率いるデッドマザー
これは単なる偶然か?それとも… - 154二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 18:48:04
ズルズルズル・・・。
私達は席について、それぞれ麺を啜っていた。
ネル:
「・・・なぁアンタ、食い過ぎじゃねぇか?」
モモイ:
「・・・?そう?」
確かに既に うどんは十杯目に到達しようとしているけど、まだまだ お腹は減っている。
結局、今回は支払いは別って話になったし、現金は腐るほどあるんだから、お腹一杯食べたい。
・・・あと、5杯はいけるかな。
ネル:
「・・・で?
結局、金属片は読み解けたのか?」
モモイ:
「あ、忘れてた。」
私は結局、うどんを25杯食べた。 - 155二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:12:24
食いスギィ!
- 156二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:36:13
私は金属片を重ねてみる。
・・・?
特に何も・・・?
ネル:
「・・・順番があるんじゃねぇか?」
モモイ:
「あ、そうかも!
ネル先輩、頭いい!」
私は試しに撃破順に並べてみる。
すると、金属片に刻まれていた線や点の穴が、意味を持った文字に見えてきた。
モモイ:
「え、ウソでしょ!?」
ネル:
「こいつは・・・。」
そこには確かにこう書かれていた。
───ミレニアムサイエンススクール・備品保管倉庫 - 157二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:58:21
モモイ:
「う~ん、これってどういうことだろう。
ミレニアム内に裏切り者が居るってこと?」
ネル:
「良く その発想がスラッと出てくるな・・・。
別に備品倉庫なんて沢山あるし、一つくらいセルブスの連中なら無断で占拠出来るだろ。
ミレニアムの敷地だからって、別に全部 把握してる人間が居るワケじゃねぇんだから。
・・・それに連中にはヘイロー付きの手駒が居るだろ?」
そういえばデットマザーの手勢は、ヘイローがある生徒だったなと今更ながら思った。
モモイ:
「確かに・・・。
デットマザーの手下にミレニアムの制服着せたらバレないかも・・・。
私達だってアリス入れたし・・・。」
こんなところでバチが当たるとは思わなかったケド・・・。 - 158二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 21:58:36
モモイ:
「・・・でも、最低でも備品倉庫ならバレずに占拠できるだろうって思える内通者が居るっていう想定はした方がいいんじゃない?
もしかしたら背中を撃たれるかもしれないし。」
ネル:
「・・・お前、そういうところは頭が回るようになったな・・・。
まぁ、いい。
確かに お前の言うことにも一理ある。
内通者が居るとすれば・・・そうだな、コユキとか有り得そうだな。」
モモイ:
「いや、私 詳しく知らないけどセミナーの子でしょ?
少しは信じてあげようよ・・・。」
ネル:
「いや、アイツならやりかねん。」
ネル先輩に ここまで言わせるって・・・一体どれほどカスなんだ・・・。 - 159二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 01:52:20
まぁいいや。
考えたってしょうが無い。
結局のところ、目的がシンプルになっただけだよね。
ミレニアムサイエンススクールに行って、占拠したセルブス本部の連中を ぶっ飛ばし、解毒薬を手に入れる。
そしたら本部の連中を人質にとって、ウイルス兵器の治療薬を出させよう。
うん、何だか気が楽になった。
内通者の件は・・・まぁ、頭の片隅に置いとけばいっか。
モモイ:
「じゃあ、ネル先輩。
そろそろ行こっか。
ミレニアムを救いに、さ。」
ネル:
「お?
大きく出たな。
ま、C&Cの新メンバーなら そうこなくちゃな。」
私達はフードコートを出た。
駐車場まで着くと、ネル先輩をバイクの前に乗せて、私は変身で体を大きくして跨がる。
よし!
出発進行!
・・・その前にガソリン給油。
あ?現金しか無いよ? - 160二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 01:55:20
今日は ここまで。
- 161二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 11:16:02
保守
- 162二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 18:53:37
───8日目。
結局、7日目は全て移動時間に費やした。
ネル先輩とのドライブは結構楽しかった。
弾薬やグレネードは道すがら買い足した。
そうして辿り着いたミレニアム自治区は、凄惨な状態だった。
モモイ:
「ネル先輩!
そっちにデカいの行ったよ!!」
ネル:
「ちっ、シューティングゲームかよ!」
私達は無数のゾンビに追われていた。
ゾンビっていってもヘイローが付いてるのが そこそこ居て、元々は生徒だったことが分かるのがツラい。
私はバイクで疾走しながら、後ろに ばらまく形でアサルトライフルの弾を乱射する。
命中したゾンビが軽く仰け反るけど、元々がキヴォトスの人間だから効果が薄い。
私は腰からグレネードを取り出して、ピンを抜いて投げた。
ゾンビの先頭集団が吹っ飛ぶ。
・・・これで少しは時間稼ぎになればいいんだけど・・・。
私はネル先輩の方を見る。
そこには何体ものゾンビが合体した巨大ゾンビが、ネル先輩を追いかけている場面があった。 - 163二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:00:57
ネル:
「ちぃ!
コイツ硬ぇ!」
モモイ:
「元は生徒なんだから、当たり前でしょ!」
ネル:
「うるせぇ!
そんなこと分かってらぁ!
それよりグレネードで援護しろ!」
私はグレネードを巨大ゾンビの足元に投げる。
流石に脆く、巨大ゾンビは衝撃で足を止めた。
ネル:
「らぁ!
やってやるぜ!」
ネル先輩が そう言ったかと思うと、ネル先輩は手持ちの2丁のサブマシンガンの銃口から熱線を吐き出した。
巨大ゾンビは熱線で切り刻まれ、被弾した部分が大爆発を起こして吹き飛んだ。
巨大なゾンビは、元の無数のゾンビに戻った。
私はネル先輩を回収して、前に乗せた。
変身するときに装備さえしていなければ、変身後も銃器を扱えると気付いてからは こういうことが出来て便利だ。 - 164二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:04:32
モモイ:
「ネル先輩!
いつの間に そんなこと出来るようになったの!?」
ネル:
「あぁん!?
アンタに出来て、アタシに出来ないことがあってたまるかよ!!」
バイクのエンジン音と走行音が うるさいので、互いに大声で話す。
・・・それにしても凄い。
てっきり熱線は、セルブス系のスキルかと思ってたけど、ミレニアム最強ともなれば撃てるコモンスキルだったんだ・・・。
なんだかキヴォトスの深淵を覗いた気分。 - 165二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:16:25
もうミレニアムの校舎が近くなってくると、私達はバイクを降りて徒歩で向かった。
途中、ゾンビが襲ってきたけど、変身を解いた私とネル先輩で、関節技を仕掛けて無力化した。
流石の再生能力も、関節を戻すのは難しい。
出来るだけ大量のゾンビに襲われないよう、建物の裏路地を通ってきたけど、不意に広い場所に出た。
そこには大柄な生徒が居た。
ヘイローがあるから間違いない。
だけど その顔には黒い仮面を覆っていた。
・・・デットマザーの手下だ。
黒仮面の生徒は、何かを巨大な両手斧で殴りつけていた。
良くみれば、それがゾンビと化した生徒であることが分かった。
ゾンビは暫く抵抗していたが、やがて動かなくなった。
・・・胸は上下してるから、多分生きてる。
???:
「どこもかしこも、怪物ばかりだ。
・・・どうせ、お前らも そうなるのだろう?」
やば、バレてる。
振り返った黒仮面の生徒が、襲いかかって来た。 - 166二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:36:06
【黒仮面の生徒、その1】
黒仮面の生徒は、冷静に両手斧を背中に戻すと、今度は長身の散弾銃を取り出した。
・・・キヴォトスの人間との戦い方を分かってるねぇ。
私が撃つよりも早く、ネル先輩がサブマシンガンの弾をブチ込んだ。
しかし黒仮面の生徒は、弾丸を回避することなく、ネル先輩にショットガンを撃ち返した。
ネル先輩が発射したサブマシンガンの弾は、黒仮面に確かにダメージを与え、”出血”させる。
しかし、直ぐに傷口から弾丸が排出され、再生されてしまった。
やっぱり、リーダーさんのときも思ったけど、黒仮面の生徒はセルブス系だ!
となると効くのは・・・。
私はナイフで黒仮面の生徒に斬りかかった。
しかし、すんでのところでショットガンの銃身でナイフを受け止められてしまう。
???:
「ほう・・・貴公、我らとの戦い方を知っていると見える。」
私は弾き飛ばされる。
そして、目にも留まらないスピードで背中にあった両手斧を取って振られ、私は真面に受けて吹き飛んだ。
・・・いてて、内臓グチャグチャになったじゃん。
ネル:
「チビ!」
???:
「匂い立つなぁ。
堪らぬ血で誘うものだ。
・・・えづくじゃないか。」 - 167二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 19:37:04
小休止。
- 168二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 23:23:55
ほ
- 169二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 00:44:25
・・・近接攻撃のダメージだから、治りが遅い。
でも、手足は動く。
再生能力の限界でも無い限り、致命傷を受けても動けるのがセルブス系の強みだ。
モモイ:
「ゲホッ、ネル先輩、合わせて!」
ネル:
「!おう!」
私は立ち上がり、地面を強く蹴って黒仮面の生徒に迫る。
ネル先輩が背後に回る。
黒仮面の生徒が、片手で両手斧を振り回して私に対応しようとし、片手で長身の散弾銃をネル先輩に向けて対応しようとする。
でも、そのスピードはデットマザーほど滅茶苦茶じゃない。
私は黒仮面の生徒の手を撃ち抜き、両手斧を落とさせた。
???:
「む。」
黒仮面の生徒がネル先輩の方に散弾を撃って牽制しながら、私に今度は蹴りを放つ。
でも、私は その足を掴むと黒仮面の生徒の脇腹に肘の一撃を繰り出した。
・・・デットマザーの動きも参考になるね。
???:
「ぐっ・・・。」
モモイ:
「今だよ!」
一瞬動きの止まった黒仮面の生徒の頭に、ネル先輩のサブマシンガンの弾が命中した。 - 170二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 00:57:03
よし!これで数秒は意識が飛ぶはず───
???:
「ガァァァァァァァ!!」
!?
ヤバッ!
私は慌てて黒仮面の生徒から距離をとる。
次の瞬間、黒仮面の生徒は、見覚えのある黒い巨体に”変身”した。
私のソレと違って横幅があってフィジカル強そう!
???:
「ウォォオオオオ!!」
さっきまでとは違って低い声で吠えると、滅茶苦茶な動きで暴れ出した。
・・・下手に意識を奪わない方が良かったかな?
とりあえずアサルトライフルで牽制してみるけど、銃弾が金属の装甲にぶつかったみたいに弾かれる。
そして、目にも留まらないスピードで迫られ、とてつもない怪力で地面に叩き付けられる。
ぐぇ。
変身後って、こんなに理不尽な戦闘力だったんだ。
相手にしてみて初めて分かる大変さ。
今までセルブスグループの大人は、よくコレと勝負になる算段をつけれたね・・・。
まぁだから何が凄いってワケじゃないけど。
私は黒仮面の生徒の相手に抗するべく、自らも変身した。 - 171二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:04:58
モモイ:
「らぁ!」
大きくなった体と、低くなった声。
変身した私は、光り輝く拳で黒仮面の生徒を殴った。
閃光、轟音、耳鳴り───
黒仮面の生徒は吹き飛び、建物の壁を幾つも貫いて叩き付けられた。
???:
「ウォォオオオオ!!」
だけど黒仮面の生徒は元気だ。
正直、変身をあまり長く使って弱体化することは避けたい私は、さっさと決着をつけたい。
だから───
モモイ:
「ネル先輩!」
ネル:
「任せろ。」
───任せたよ、ネル先輩。
私に最大限の警戒を向けていた黒仮面の生徒は、死角でサブマシンガンを2丁構えるネル先輩に気付かなかった。
そしてネル先輩の銃口から熱線が放たれ───
───黒仮面の生徒は熱線をモロに受けて爆発した。 - 172二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:16:32
よし!これで───
???:
「驚いた。」
げ!?普通に意識保ってる!?
私の視界の先には、既に熱線を受けた部分の再生が始まった黒仮面の生徒がいた。
???:
「熱や爆発であれば、我らに効果は薄いはずだが・・・その光線は効く。
熱以上に、光輝くほどの神秘が詰まっていると見える。
・・・それに・・・貴公、我らの同胞だったか。
なるほど、なるほど。面白い組み合わせだ。
さて、それでは続きを───」
そのとき、どこからか2人目の黒仮面の生徒が現れた。
???(2):
「・・・。」
???:
「む?お前か。
少し待ってろ。私は今、最高の狩りを楽しんで───
え、何?
コイツらが例の?
あぁ、そう・・・。」
黒仮面の生徒は変身を解いた。
・・・良く分かんないけど、私も解こう。
もう戦闘の意思は無さそうだし。 - 173二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:24:38
???:
「失礼。
貴公らがミレニアムの才羽モモイと美甘ネルとは知らなかった。
狩り・・・いや、勝負の行方は今回お預けにしよう。」
???(2):
「・・・。
(軽く頭を下げる黒仮面の生徒その2)」
???:
「そうだな・・・。
次の機会があれば、今度は素顔で相まみえよう。
そのときは才羽モモイ、貴公を我が”部活”に誘いたいものだ。」
???(2):
「・・・。
(何かを取り出す黒仮面の生徒その2)」
黒仮面の生徒その2が、懐から何か割符のようなものを取り出したかと思うと それを破り捨て、次の瞬間 2人の姿は蜃気楼のように掻き消えた。
・・・セルブス系の生徒は、妙な物を持ってるね。 - 174二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:26:50
今日はここまで。
- 175二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 08:21:03
ほ
- 176二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 08:31:14
ネル:
「何だったんだ?アイツら。」
モモイ:
「さぁ・・・?
でも、先に進めるのは良いことだよ。
・・・多分、通報はされてるだろうけど・・・。」
ネル:
「そうだな。
・・・なぁ、チビ。
アタシ、嫌な予感がするんだが・・・。」
モモイ:
「奇遇だね、ネル先輩。
私も嫌な予感がする。」
何だかんだ、あの黒仮面の生徒その1には時間を稼がれてしまった。
・・・もし、黒仮面の生徒その2が、戦闘開始直後あたりに既に気付いていたとしたら───
───この先に、敵が待ち構えていることになる。 - 177二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 08:41:55
???:
「また会ったな、才羽モモイ。
それに・・・美甘ネル。」
路地裏を抜けてミレニアム校舎の近くに出ると、そこには案の定 敵・・・もといリーダーさん が待ち構えていた。
ネル:
「またアンタかよ・・・。」
ネル先輩は少しウンザリした顔をしている。
多分、私が一人で戦ってる裏で、散々デットマザー率いるリーダーさん と その他に邪魔されてきたんだろうな・・・。
リーダーさん:
「あ?二人掛かりじゃないと先生と勝負にもならないザコは黙ってろ。」
ネル:
「あ?テメェ・・・今、なんつった?」
リーダーさん:
「ザコは黙ってろと言ったんだ、このチビ。」
ネル:
「・・・死にてぇみたいだな。」
うわ、この二人相性わるぅ・・・。 - 178二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 08:52:08
ネル:
「大体テメェ、アタシに散々1対多でノされてきたじゃねぇか。
何がザコだ。ザコはテメェだ。」
リーダーさん:
「そうだ。私は お前に負け続けてきた。
だから今度は1対1で お前を・・・ミレニアム最強を超える。
そうすれば、私はザコ以下じゃなくなる。」
ネル:
「・・・なんだ、分かってるじゃねぇか。」
リーダーさん:
「分かってないのは お前だ。」
ネル:
「あ?」
リーダーさん:
「私が負け続けた お前を超えてザコ以下じゃないと証明したいのと同じように、お前は先生を超えない限り、ずっとザコだ。
・・・本当は分かってるんだろう?
お前は先生に終始負け続けてきたと。」
ネル:
「・・・。」
デットマザーに翻弄されて捨て台詞まで吐いていたネル先輩は黙り込んだ。 - 179二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 09:03:54
リーダーさん:
「・・・前回は制限下での戦闘だったが・・・今回は違う。
無制限戦闘が許可されている。
先生の教えを受けた私を完全に倒して初めて、お前は先生に挑戦することが出来るんだ!」
ネル:
「・・・変な理屈 捏ねやがって・・・。
だが、いいぜ。ノってやろうじゃねぇか。
その くっだらねぇ戦いに!」
リーダーさん:
「・・・お前達は才羽モモイの相手をしろ。私は美甘ネルに挑む。
だが、才羽モモイも今や十分に強い。気を付けるんだな。」
リーダーさん は背後の4人に声を掛けた。
???(1):
「は~い、了解したよ~。」
???(2):
「おい、真面目にやれ!」
???(3):
「え~、面倒よ。気楽にやりましょ?」
???(4):
「君たち・・・もう少し緊張感を持ってだな・・・。」
・・・何人か、聞き覚えのある声がした。 - 180二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 09:48:37
小休止。
- 181二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:22:51
ネル:
「おい、チビ。
テメェは、そっちの相手しろ。
アタシは こっちのバカを片付ける。」
ネル先輩が、ブチ切れの表情で言った。
モモイ:
「あ、うん。」
リーダーさんが、やっぱりメキメキと変身する。
何かデフォルトに近い感じの、細マッチョの怪物になる。
武装はシンプルに素手らしく、徒手空拳みたいな構えをとった。
リーダーさん:
「お前をッ・・・超えるッ・・・!」
ネル:
「やってみろ!黒んぼが!!」
地の底から響くような低い声に、ネル先輩の怒声が重なる。
二人は銃撃戦と取っ組み合いを繰り返しながら、ミレニアムのビル群に消えていった。
・・・。
で、こっち何だけど・・・。 - 182二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:32:17
???(2):
「さて、私達も戦闘を開始しよう。」
・・・完全にスレイブの第3形態の声にソックリだった。
モモイ:
「スレイブ?」
???(2):
「スレイブ?誰だ、それは?」
???(3):
「アンタ知らないの?セルブスグループの幹部の名前よ?」
こっちはこっちで完全にライブスタックの声だし・・・。 - 183二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:32:41
???(2):
「あぁ、そういえば居たな、そんなの。」
???(1):
「・・・取引先の幹部くらい覚えてよ、はぁ・・・。」
レイヴァの声だぁ。
???(2):
「う・・・。す、すまん。」
???(4):
「しっかりしてくれたまえよ、ホント。」
・・・この人は誰だろ。聞き覚えないな・・・。 - 184二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:34:41
【補足】
「黒仮面の生徒、その1」戦の最後に登場した「???(2)」と、現在会話に参加している「???(2)」は別人。 - 185二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:40:41
モモイ:
「えっと・・・とりあえず、みんな はセルブスグループの幹部じゃないんだね?」
???(1):
「何の話?」
???(2):
「私達は まだ学生だが・・・?」
???(3):
「良く分かんないけど、他人の空似にじゃない?」
???(4):
「そんなことより、私は うどん が食べたいな。」
・・・一人 フリーダムな子が居るね。
それはともかく、セルブスグループの幹部に雰囲気はソックリなんだけど、みんな別人なんだ・・・。
ネル先輩が世の中には自分に良く似たソックリさんが3人は居るものって言ってたけど、途端に現実味を帯びてきたね・・・。 - 186二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:42:46
今日は ここまで。
- 187二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 20:22:35
ほ
- 188二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 06:11:30
保守
- 189二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 15:24:15
モモイ:
「じゃ・・・戦おっか。」
???(1)~(4):
「「・・・。」」
次の瞬間、ズアッと目の前の4人が黒い怪人に変身した。
1人目はハチと人間が混ざったような異形に。
2人目はアリと人間が混ざったような異形に。
3人目はカイコと人間が混ざったような異形に。
そして4人目はクモと人間が混ざったような異形に姿を変えた。
いやっ、他人の空似と言うには似すぎじゃない!?
変身後の形態が、完全にセルブスグループ幹部の第1形態じゃん!?
・・・4人目は、やっぱり ちょっと見覚えないけど・・・。
遠い親戚とか何かかな? - 190二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 15:32:53
???(2):
「いざ、参る。」
2人目が いつの間にか地面に刺してあった2振りの刀を握って、こっちに突貫してきた。
変身時に装備さえしてなければ、変身後も武器振れるからね、しょうがないね。
・・・いや、動きまでスレイブ・・・。
私は2人目の踏み込み以上のスピードで、飛び膝蹴りをカマして吹き飛ばした。
???(3):
「いい動きね。」
いつの間にか背後に迫ってきていた3人目。
4本の腕に、それぞれレイピアを持っている。
・・・ライブスタックだねぇ。
本気になったら、素手になり始めないよね?
私は背後に迫ってきていた3人目を、肘打ちで動きを止め、振り向き様に殴り飛ばした。 - 191二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 15:40:46
唐突に飛んできた矢を掴み取る。
???(1):
「あ~、見切られちゃったか。」
見れば、一人目が弓を構えていた。
・・・もしかして、弓も近接判定で私に効くの?
ちょっとズルくない?
私は矢を投げ返した。
ヘッドショットが決まり、1人目は少し動かなくなる。
・・・やっぱり効くんだ。
───っと、危ない。
私は またも背後に迫ってきていた一撃を躱す。
私の頭上を巨大なハサミのような何かが通りすぎた。
???(4):
「惜しいね。もう少しで首を両断出来たのだが・・・。」
背後には、人の背丈以上もある巨大なハサミのような何かを持った4人目が居た。
・・・これまた独特だね。
私は4人目に昇竜拳を決めた。 - 192二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:42:44
- 193二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:44:11
やっぱり上手くスレが表示されない・・・。
それはそうと、あとは埋めておいてくれると嬉しい。 - 194二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:39:48
うめ〜
- 195二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:41:13
- 196二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:41:58
上手くいった。
「?res=4」の部分があるから、いけないらしい。 - 197二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 20:34:40
埋め
- 198二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 21:48:40
埋め埋め
- 199二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 21:49:11
埋め立て
- 200二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 21:49:26
次スレに続く