- 1二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:15:59
初めて立てるスレになります。
youtubeのスレまとめ動画から興味を持って、初めてながら二次創作のSSを書いたら3万字を越えたので、反応が欲しくなってスレ立てすることにした次第です。(SS自体は書き終わり済み)
現状、スレ主はエデン条約4章までと、アリスクの夏イベを読んだところなので、最終編以降の情報や各キャラのイメージ違いなどがあるかもしれませんので、そこはご了承ください。(先にアビドス海編見るからね、ちょっと待っててくださいね…)
あと、掲示板は初めて使うので、至らぬところがあると思われますが、何卒助力して頂ければ幸いでございます。
SSの内容自体は、ヴェリタスの小塗マキと、アリウススクワッドの槌永ヒヨリをメインとした、ややシリアスよりのイベントストーリーみたいな内容です。
途中、曇らせはあると思いますが、最後には必ず晴れるので、安心して読んで下さればと思います。 - 2二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:22:10
あたしの名前は小塗マキ。ミレニアムサイエンススクールのハッカー集団、ヴェリタスに所属する1年生だ。
普段は他のヴェリタスの先輩でもある、小鈎ハレ、音瀬コタマ、各務チヒロと一緒に活動している。
そしてその一方で、私にはそれとは別に、意欲的に取り組んでる趣味がある。
グラフィティ。壁にスプレーやフェルトペンを使って絵を描く、芸術活動の一つだ。とはいっても、壁の多くは公共施設のものや他者の所有物に該当することから、その活動は違法になることが多い。
以前のあたしは、先生が来るまでは、自由奔放に目についた壁にグラフィティを描いては、ミレニアムの会計のユウカに怒られたりしていた。当時のあたしにとって、そんなことは些細なもので、壁があたしを呼んでいるような気がしてならなかった。
先生と会って、それがいけない事だとわかってからは、そのグラフィティ活動も、無闇矢鱈としなくなった。勿論、完全に辞めたわけじゃ無くて、やる場合はちゃんと先生と相談して、壁の持ち主に許可を貰ったりするようにはしてる。無論、今でも壁を見てると描きたくなってウズウズするのは本音だけど。 - 3二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:23:24
そんなあたしに、ハッキングやシステム関係以外の依頼が入ってきたって聞いた時は、流石に驚いた。
まぁ、あたしも自分のグラフィティには自信があったわけだけど。
これは、その時の話。グラフィティを通じてできた、あたしともう一人の「友達」のお話だ。 - 4二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:28:59
- 5二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:31:29
- 6二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:32:58
- 7二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:33:48
「本当なら、その時間で普段から、ホワイトハッカーとしてちゃんと仕事して欲しいって言いたい所だけど…この件に関しては、マキの功績だから、誇っていいと思うよ」
「うっ、前置きが耳に痛いけど…そっか、あたしのグラフィティが…あはは、嬉しいなぁ!」
「それでどうするの?依頼は受けるの?」
カン、という音と共に、飲み終わった缶をおいたハレ先輩が聞いてきた。 - 8二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:34:24
- 9二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:36:23
後日、依頼主に指名されたステージ近くに行くと、イベントスタッフが待っていてくれた。
「お待ちしておりました、小塗マキさんですね?」
「はい、あたしが小塗マキです!こ、今回はよろしくお願いします!」
「いえいえ、こちらこそ。それでは、まずステージの方をご覧頂ければと」
案内されたステージ付近は、まだ開催一週間前ということもあって、簡易的な設置しかされていない。
そして、肝心の描くための壁は、何故か見当たらなかった。 - 10二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:37:23
「ここは元々開けた広場でしか無く、後日に新たに壁を設置する予定です。マキさんには、その壁の片側に、グラフィティを描いて頂きたいと思います」
「えっ、まだ壁無かったの!?てっきり、すでに用意されてるものかと…」
「描く上で、事前にステージを見てもらった方が、イメージしやすいかと思いまして。また、取り付けた後で描く場合では、ステージの地面などに影響が出る可能性を考慮した結果です」
「一応、下に布を敷いたりして対策出来ないわけではないと思うけど…」
「万が一を考慮した結果ではありますので…とはいえ、逆にいえばマキさんが周囲を気にせず描けるようにセッティングさせて頂ければと思った次第です」 - 11二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:38:59
- 12二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:40:49
そして数時間後。
「うーん…ここはもう少しパステルカラーの方がいいか…いや、それだと薄すぎるし、もうちょっと派手めな色でもいいかも」
流石に描き慣れてることもあり、作業自体は非常に順調だった。迷いながらも、派手めなイベントということもあって筆(という名のスプレー缶)の進みは早かった。
ふと、スプレーの重みが減ったのを感じ、カラカラと振ると、中の塗料がすっからかんになっていた。
「あ、やっば…補充し忘れたんだった。仕方ない、買いに行ってくるとするかぁ…一任されてるおかげで、かなり自由に動けるしね。とりあえず、近くのホームセンターへと…」 - 13二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:41:36
その後、スプレー缶と多少のフェルトペンをホームセンターで購入し、ついでにコンビニで糖分補給用のお菓子をいくつか買って、戻る途中のことだった。
「やばっ、雨が降ってきた。急いで帰らないと」
幸い、簡易設置されたスペースには天井があるので、雨で壁が濡れることは無いだろう。
ただ、自分が濡れた状態で再開するのは、壁の塗料に水滴が垂れてちょっと危ないかもしれない。なるべくリスクは避けたかった。
しかし、降ってきた強い雨の中を走ること10分。あっという間に服や髪から水滴が滴るようになってしまい、これは流石に一旦着替えないとな、と思い始めた時だった。 - 14二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:42:35
途中で通った道の付近の路地裏から、ガラガラという音と共に、「うう…」という呻き声が聞こえてきた。
続いて、ドサッという、鈍く大きい音が聞こえてきたかと思うと、その後はしんと静まり返ってしまった。
「だ、誰かいる…?」
急ぎたいのは山々だが、あたしにとってその好奇心を拒むことはできなかった。路地裏に近づいて、中を除いた時──あたしは、思わず息を呑んだ。 - 15二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:43:55
- 16二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:49:16
- 17二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:50:46
- 18二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:51:13
「そ、そうなのかな?…もしかして先生が連絡してた人?いや、いくらなんでも到着が早すぎない!?」
「話は後です、まずはこの子を運びましょう!荷物を取りますので、すみませんがお手伝いをお願いします」
「わ、分かった…って重!?この子、こんな荷物を持ったまま動いてたの!?」
そうして私たちは、彼女を一先ず、先生のいるシャーレに運び込むことになった。途中で合流した先生が衰弱していたその子を抱えてくれたこともあり、無事にシャーレまで辿り着くことができた。 - 19二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:57:03
- 20二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:57:33
- 21二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:58:22
- 22二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 10:58:48
- 23二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:03:07
こういうの待ってました
- 24二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:04:08
「とりあえず無事で良かった、ヒヨリ。こんな状態だったのに、すぐに来られてあげられなくてごめんね」
「い、いえ…先生は悪くないです。それに、お二人もありがとうございます…しゃくしゃく…」
そういい、りんごを頬張りながらそのヒヨリと呼ばれた少女は私たち3人にお礼を言ってくれた。
「ど、どういたしまして…なのかな?先生、なんか面白い子だね…?というか知り合いだったんだ。まぁ、先生の顔の広さならそりゃそっか」 - 25二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:05:33
- 26二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:07:40
「それで、ヒヨリはどうしてあんな所にいたの?」
「じ、実はですね…私、普段は他に姫ちゃ…じゃなくて、2人の仲間と一緒にいるのですが、途中で逸れてしまって…逸れて探している道中で、段々頭がふわふわしてきたんです。
その上雨が降ってきてしまって…気づいたら、体がいうことを聞かなくなってしまってたんです」
「そうでしたか…それは大変でしたね。体調を安定させるために、今日のところは安静にしておいて下さい。シャーレであれば先生もいますし、ここであれば一先ずは安全だと思います」
「は、はい...!わ、分かりました、セリナさん」 - 27二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:09:02
- 28二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:10:01
- 29二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:11:19
- 30二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:12:09
- 31二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:12:48
- 32二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:13:32
- 33二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:14:09
- 34二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:18:14
- 35二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:25:35
- 36二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:26:54
- 37二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 11:27:40
一旦休憩。
また後ほど書きに来ますんで。ではでは。 - 38二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:20:00
- 39二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:21:01
- 40二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:21:33
- 41二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:25:47
- 42二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:26:44
- 43二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:28:04
- 44二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:30:23
- 45二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:38:31
スレ立て初心者みたいだから一応言っておくけど、反応が欲しかったらこんな時間に立てるもんじゃないよ
今は夏休み期間だからマシにはなっているとはいえ、平日の昼間だとかなり人数少ないからね、反応が欲しかったら夜の8時以降に立てるといいんじゃないかな
それはそうと、話が面白かったので頑張って - 46二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 12:43:27
- 47二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:11:50
そろそろ頃合いかな、と見たので、再開していきますよぉ。
場合によっては、スレを立て直した方がいいのかしら…?
~ここまでの大方なあらすじ~
ミレニアムのハッカー集団所属の小塗マキ。グラフィティを趣味としている彼女の元に、ある日DJイベントの背景を描いてほしいという依頼が来る。
早速描き始めたマキだが、描くために必要な道具を補充しなければいけなくなった。その帰り道に、途中で路地裏にて熱を出して倒れているヒヨリをみつけ、一旦シャーレまで連れていくことになった。
ヒヨリは介抱する中で、マキはせっかくだからとヒヨリに、グラフィティの共同制作を提案する。
戸惑うヒヨリだったが、マキは先生の了承を得た上で彼女と一緒に描くことにした。
まずは、マキはヒヨリに紙を何枚か渡し、何でも描いてみてと促すが… - 48二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:14:50
- 49二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:15:02
マキと……ヒヨリ……!?
- 50二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:18:32
- 51二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:20:35
「…っ!」
そうだ──この絵だって、最後には朽ちていって、何も無くなってしまう。
ましてや、紙に書かれたものなんて燃えてしまえば終わりなんだ。
なら、何を描いたところで同じだ。
最後にはきっと──虚しいだけ。
──でも。
でも──どうせ同じなら。
いっそのこと、思いついたまま、がむしゃらに、貪欲に──ただただ、手の動くままに描いてしまっても、良いんじゃないだろうか。 - 52二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:22:04
そう思いついた私は、用意されたスプレー缶を、手当たり次第につかむ。
目についた色のスプレーを、直感のままに紙に描きつける。
赤、青、黄、緑、黒、白、数多の色が、独特なシンナー臭と共に、紙に吹き付けられていく。
それを繰り返しては描きつけた結果、出来上がったのは──
ありとあらゆる色が混じり合った、カオスそのものだった。 - 53二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:23:43
「…へへ…そりゃ、そうですよね…」
その絵に、自分なんてものはどこにも見当たらないように見えた。
いや、そもそも自分の中に中身なんてなかったのだろう。
いつだって、アリウススクワッドのみんなと一緒にいて。リーダーの後をついていって、いつもみんなから貰ってばかりだった私には、自分で生み出したものなんて何一つ無かったのかもしれない。
あえて言うなら──虚空。絶え間なく、全てを呑み込む暗闇。
貰ってばかり、奪ってばかりの自分。
「彼女」が私たちを搾取したように、その子供である私も、結局は搾取する側に成り下がってしまうのだろうか。
誰かから奪うばかりだから──最後には、全部奪われるのだろうか。
そんな考えを持った時には、心の中は、痛くて、苦しくて──とても、虚しかった。 - 54二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:26:44
- 55二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:28:14
- 56二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:29:17
- 57二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:29:55
- 58二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:30:48
「まさか最初から、何の躊躇もなくこんなにも大胆に描くなんて!どこかヤケにも見えるけど、それも味があって魅力的!ん〜、懐かしいなぁ!」
マキちゃんが浮かべた笑顔に──疑いの欠片は、どうしてだか全く見えなかった。
「…マ、マキちゃん」
「ん?どうしたの、ヒヨリ?」
「へ、下手くそとか、大雑把だとか…何を伝えたいか分からないとか…そんな風には、思わないんですか?」
恐る恐る、そう聞いてみたら。 - 59二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:32:21
- 60二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:32:54
- 61二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:33:51
- 62二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:34:28
- 63二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:35:10
- 64二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:37:39
- 65二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:41:05
初書きとは思えん……名作の予感
- 66二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 20:45:50
一先ずPART1として、ここで〆ましょうかね…
21時くらいに、PART2のスレを立てておきますので、続きはそちらへ書こうかなと - 67二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 21:00:52
- 68二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 21:15:15
それじゃあここからはここまでの感想ということで……いいのかな?
- 69二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 21:30:21
そうですね…
ここから下は、ご自由にご感想などがありましたら、書いてくださってOKです(なのかな?) - 70二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:00:49
- 71二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:28:03
1スレ埋まり切らずに感想スレに移行して、次スレ立てて続き書いちゃったから見るところ2倍に増えて見づらいとか、
次スレで早々に指摘された時点で早々に次スレを爆破(削除)してこっちで続きかいてほしかったとか
掲示板の扱いで言いたいことはメチャクチャあってモヤモヤするけど
それはそれとしてSSの内容は面白くて好き。 - 72二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:16:40
スレ主です。
皆様、まずはここまでのSSを見てくださってありがとうございます。
面白いと言ってくださった方々もおり、非常に嬉しい限りです。二次創作でSSを書くのは初めてだったため、イメージを損なってないだろうかと不安になってましたが、少しほっとしております。
一方で、掲示板の使い方に対してはかなり指摘があった点に関しては、弁解の余地もございません。真に申し訳ありませんでした。
特に、次スレを早々に立ててしまった件については、「新しくスレッドを立てれば、新着の欄から見てくれる人が増えるだろう」という承認欲求から来た、浅はかで自分勝手な所があったと思っております。
また、「早々に指摘された時点で削除しておく」という手段も、そのまま書き進めてしまった自分の考え不足からなるものでした。
読んでくださった方々に様々な負担を強いてしまい、本当にすみませんでした。
現状、次に立てたスレッドに関してはかなり書いてしまったため、これを消すと更に負担を強いることになりかねないと判断し、このまま次スレッドで限界まで書ききる予定にしております。
嬉しい反応も、的確なご指摘も、できる限り受け止めたうえで、それでもSSは最後まで乗せ切りたいと今は考えております。ご期待に沿える物でありたいと、今は切に願っております。
思慮不足で至らぬところばかりではありますが、何卒よろしくお願いいたします。 - 73二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:34:30