(🎲) え? ミレニアム本校に転入ですか? その3

  • 1八尾ミア24/08/20(灍) 21:09:18

    ここはもしも要塞都市エリドゥの土地に元々エリドゥアフィリエイトスクールという学園が建っていたらという世界


    そしてこれは元エリドゥ所属のリオ会長が大好きで、背中からイソギンチャクみたいに無数のロボットアームを伸ばしてる系女子こと八尾ミアのお話


    前スレ

    (🎲) え? ミレニアム本校に転入ですか? その2|あにまん掲示板ここはもしも要塞都市エリドゥの土地に元々エリドゥアフィリエイトスクールという学園が建っていた世界そしてここにいるのは元エリドゥ所属のリオ会長が大好きで、背中からイソギンチャクみたいに無数のロボットアー…bbs.animanch.com
  • 2八尾ミア24/08/20(灍) 21:10:18

    ステータス


    八尾ミア (ミレニアムでの偽名:沙拂井エミ)

    エリドゥアフィリエイトスクール 3年生


    戦闘 23

    事務 62

    医療 10

    知力 69

    運動 7

    技術 88

    政治 38

    交渉 27

    創作 85

    倫理 52

    慈悲 66

    神秘 40


    髪色

    #aa3aa2の色見本とカラーコード - 原色大辞典#aa3aa2の色見本とカラーコード。深い紫系の色でRGBカラーモデルでは赤(Red):170(66.67%)、緑(Green):58(22.75%)、青(Blue):162(63.53%)で構成されています。www.colordic.org

    瞳の色  

    #594577の色見本とカラーコード - 原色大辞典#594577の色見本とカラーコード。暗い紫系の色でRGBカラーモデルでは赤(Red):89(34.9%)、緑(Green):69(27.06%)、青(Blue):119(46.67%)で構成されています。www.colordic.org

    髪の長さ 88(リオ会長似のロングヘア―)

    身長 162cm

    胸 1.絶壁

    腹 2.細

    尻 5.ドーン

  • 3八尾ミア24/08/20(灍) 21:11:45

    前スレのあらすじ

    リオ「準備できたしアリスを攫ったから決戦の準備をお願い」

    私「分かりました! じゃあセミナーのデータをぐちゃぐちゃにして……!」
    私「よし!絶対にすぐに追ってこられない!会長はすぐ来るって言ってるけど……」

    エイミ「逃がさない」 
    ノア「最初から怪しんでいました」 
    チヒロ「転入した時から対策してた」
    ヒマリ「なんなら転入する前日から怪しんでた」

    私「本当に1日経たずに来てる……天童アリスの事も分からないし私は……」

    リオ「そんな事気にしないで私の新しい"手"として働いてちょうだい」

    私「!!!!!」


    というわけで今はトキさんと協力してネルさんを追い詰めたり、シャーレの先生を捕まえようとしたりしている最中ですね!

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/20(灍) 21:12:43

    たておつ!

  • 5八尾ミア24/08/20(灍) 21:21:28

    モモイ「えっと、全然分かんないんだけど……つまりどういうこと?」


    "ネルとトキが落ちながら戦っていた時、ミアはトキの弱点を見ている可能性が高い"


    アカネ「高所から落下しながらの戦闘……間違いなくミアさんがいないとできない戦闘方法ですね」


    ネル「つまりアイツにまた地面を引き上げさせて、高い所から落ちつつ戦闘に持ち込めばダメージは通る……」


    チヒロ『……効率が悪すぎる。何回もできる事じゃないし、そもそもたった1発2発当てても、その間にこっちは戦闘不能に追い込まれるぐらい攻撃を受けてしまう』

    チヒロ『少なくともダメージを与えられる条件は確定させないといけないわ』


    "…………ここまでの話で一番可能性が高い要素"


    dice1d3=1 (1)

    1.落下すること

    2.高さ

    3.ミアとトキの関係性

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/20(灍) 21:22:58

    的確に引くね~

  • 7八尾ミア24/08/20(灍) 21:27:59

    ミドリ「話を聞いてると落下する事が重要だと思います」


    ネル「…………」


    ~~~~~~~~~~~~


    ネル「どうだ!これで……!!」


    トキ「対応、再開します」


    ネル「…………ッ!?!?」


    ~~~~~~~~~~~~


    ネル「確かに効くかもな……だが、同じ方法じゃダメだ。アイツに二度目は恐らく通じない」

    ネル「もっと高い所から落ちる………それこそもう1kmくらい落とさせないと、動きを読み切られたままだ」


    ネル「何か1つ。大きく変えないといけねぇ」


    アカネ「なら、dice1d3=3 (3) を変えてみてはどうでしょうか?」

    1.角度

    2.着地点

    3.速さ

  • 8八尾ミア24/08/20(灍) 21:41:42

    アカネ「トキちゃんが"何に"対応できないかを先ほどからずっと考えていましたが……この空中戦だけ唯一、部長の動きが大きく変わっている部分があります」


    "それがネルのスピード!"


    アカネ「はい。恐らく自由落下落下よりも速く、部長が動くことができれば、相手の読みを超える事ができるかもしれません」


    ネル「…! ならそれでいくか」


    アカネ「ただ問題はどの様にスピードを出すか……ですね」

    アカネ「物が落ちる速さよりも速くスピードが出せる方法………ここまでの戦いででてきたでしょうか?」


    (80以上で気づく 全て80以下の場合は最高値を候補に)

    "………ミアの言葉の意味を考えるなら" dice1d100=2 (2)

    チヒロ『ただ速い塊をぶつけるだけじゃ、受けきられる可能性があるよ。だから……』 dice1d100=57 (57)

    ユズ「………確か、あの時……」 dice1d100=78 (78)

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/20(灍) 21:44:43

    ユズおc

  • 10八尾ミア24/08/20(灍) 21:49:49

    モモイ「ユズ? 何か分かったの?」


    ユズ「えっと……遠くから見ていただけなので絶対とは言えないんですけど……」

    ユズ「最初にネル先輩を吹き飛ばそうとした時、一瞬で地面がせり上がったなって………」


    ネル「最初に……あぁ、アイツを逃がした直後のヤツか」


    チヒロ『アレか……!!ちょっと待って、計算してみる!!』



    ネル「……だとすると、後輩を巻き込んでアレをわざと食らうって事か?」


    ユズ「そう……ですよね………やっぱり無茶苦茶ですよね…………」


    チヒロ『dice1d3=3 (3) 』

    1.……それに計算してみたけど、もっと最悪な結果が出たよ

    2.……理論上はね。だけど条件はかなり厳しい事が分かったよ

    3.でも、たしかにアレ以上に瞬間的に速度が出せるものを私達は持っていない

  • 11八尾ミア24/08/20(灍) 22:04:08

    チヒロ『地上から見えた時の上昇速度を計算してみた。重力加速度よりも間違いなく早いよ』


    "なら誘導すれば……!"


    チヒロ『それでも問題は山積み。まず地形操作をするのは八尾ミアなんだから、連携して仲間を巻き込まないようにするのは間違いない』

    チヒロ『先生がいたらもう一度捕まえる為に一緒に引き上げてくれるかもしれないけど、その場合上昇速度を抑える可能性がある』


    チヒロ『そしてこれが1番の問題なんだけど………最高点までの到達が早すぎる』

    チヒロ『いくらこちらに有利な戦闘に持ち込めるとはいえ推定1分もない。こっちも強い重力下で動かないといけないんだし、流石にそんな短い時間で止めをさすのは無理でしょ?』


    ネル「1分か……」

    dice1d3=3 (3)

    1.ネル「いいぜ。やってやるよ」

    2.1+ ネル「それに1分じゃ終わらせねぇよ」

    3.アカネ「……理論上2分に引き延ばす方法があります。ですが……」

  • 12八尾ミア24/08/20(灍) 22:14:48

    チヒロ『それは私も思いついた。でも無理だよ、相手側がそれをするメリットがない』


    "方法って?"


    アカネ「ミアさんにあらかじめ地面を最低点まで引き下げてもらい、その上で最高点まで一気に引き上げる。これなら引き上げる距離が伸びますので、戦闘時間も長引かせられます」


    ネル「……………」


    "トキ攻略の手段が分かっていても、結局はミアを攻略しないといけないって事か"


    モモイ「攻略が難しすぎない!? チート武器にチート防具も用意するなんて!!」

    ミドリ「今からもう1人攻略法を考えて対策しないといけないなんて………」


    "………いや、ミアの弱点はもう分かってる"


    モモイ「え!? そうなの!?」


    ネル「あぁ。それは分かっちゃいるんだが………」

    dice1d3=3 (3)

    1.ネル「体力がねぇってだけじゃあな」

    2."でもその為にはミアと話さないといけない"

    3."…………"

  • 13八尾ミア24/08/20(灍) 22:21:34

    ミドリ「先生?」


    "………ごめん。急いでアリスを助けないといけないって事は分かってる"

    "だからミアの弱点を突いて、今すぐトキを突破しないといけないって事も分かってる"


    "だけど、この作戦は私からは提案できない"


    モモイ「えぇ!? なんで!?」



    (80以上で発言 全て80以下の場合は最高値だけが気づくが言葉に出せない)

    アカネ「…………先生が言えないミアさんの弱点……それは」 dice1d100=65 (65)

    チヒロ『………先生が言えないなら私から言うよ?』 dice1d100=21 (21)

    ネル「…………分かった。ならあたしが勝手にやってやる」 dice1d100=82 (82)

  • 14八尾ミア24/08/20(灍) 22:31:15

    ネル「これはあたしが勝ってにやる事だ。先生には何も聞いてねぇし、本当の所の作戦も何も分かっちゃいねぇ」
    ネル「だから"先生から何も聞いてない作戦"が先生と同じものだったとしても、あんたには何の罪も責任もない」

    "ネル………"

    ネル「返事はいらねぇ。………来いアカネ」

    アカネ「!……はい」

    モモイ「ちょっと!ネル先輩どこに行くの!?」

    ネル「作戦会議は終わりだ。お前らは先生を守りながらここで待ってろ」
    ネル「アリスを助ける為にせっかくここまで来たんだろ? これから死に物狂いでチャンスを作るんだ。絶対に逃すなよ?」





    アカネ「……私にもミアさんの弱点は予想していました。ですが、部長はあの場にいなかったのでは……?」

    ネル「いなくても大体分かんだよ。あの先生が作戦の内容も言えないって時点でな」

  • 15八尾ミア24/08/20(灍) 22:44:21

    ドッシャアアアアアアン!



    <ミレニアム中央タワー 5F開発室>


    トキさん!? 応答してください!! まさか巻き込まれていませんよね!?


    トキ『………』

    トキ『………申し訳ありません。シャーレの先生を取り逃がしてしまいました』


    トキさんは大丈夫なんですか!?


    トキ『はい。武装にダメージはありません』


    トキさん”は”!!……大丈夫なんですか?


    トキ「……はい。ビルの倒壊は回避しました」


    ならよかったです。私、応急手当とかできないタイプなんで巻き込まれたらどうしようかと思いましたよ……

    dice1d3=2 (2)

    1.持ち場を離れるわけにもいけないですし……手遅れになったらおしまいなんですからね?

    2.また同じような事故が起きなくてよかったです

    3.もう私に助けに行ける"手"はないんですからね?

  • 16八尾ミア24/08/20(灍) 22:55:00

    トキ『同じような事故?』


    あ………う~ん、周囲にシャーレの部隊はいます?また傍聴されてたりしません?


    トキ『いいえ』


    なら……まぁトキさんならいいかな。とりあえず中央タワー入口まで戻ってきてください

    一応近い区画とはいえ、隙をついて侵入される可能性もありますから


    トキ『了解しました』


    じゃあ戻りがてら少しだけ………ほら、私って手がほとんど動かせないじゃないですか?

    私にその時の記憶はほとんど残ってないんですけど………倒壊事故に巻き込まれたんですって


    トキ『……まるで他人事の様に話しますね』


    それはまぁ……トキさんだってdice1d10=6 (6) 歳の頃に大怪我したんだよ?って急に言われても覚えてなかったら「そうなんですか……」としか言えなくないですか?


    トキ『それはそうかもしれませんが……』


    だけど私が事故で手が動かせなくなったのは今も続いています。だから少し気になった。それだけですよ


    トキは事件の話をリオから

    dice1d3=2 (2)

    1.聞いていない

    2.重要ワードだけ聞いている

    3.聞かされている

  • 17八尾ミア24/08/20(灍) 23:03:36

    トキ『………』



    ~~~~~~~~~~~~


    リオ「トキ。エリドゥ完成が迫った今、貴方に嫌ってもらっていたミアとこれまで以上に連携を取ってもらう必要があるの」

    リオ「だけど今まで以上に好かれて……特に、個人情報なんて出してしまってはいけないわ」


    トキ「イエス マム」


    リオ「そして………八尾ミアとの関わり方について、ある話題にだけは絶対注意してほしいの」

    dice1d3=2 (2)

    1.過去

    2.事故の発端

    3.家族

  • 18八尾ミア24/08/20(灍) 23:17:55

    リオ「八尾ミアのプロフィールは送ったわよね? 知っての通り、ミアは過去に起きた事故で手が使えない。それこそロボットアームがなければ満足に生活できない程に」

    リオ「本人は当時の事故のことはほとんど忘れている。だからこれから関係が近くなっていく過程で、ふとした拍子にミアが自分の過去を話してくれるかもしれない」


    リオ「気になることがあれば何でも答えてくれるわ。でも、絶対に"ミアが手を失った事故の発端"だけは聞かないようにしてちょうだい」

    リオ「これは好意を持たれるからとかじゃない。これはミアと関わる上での最優先事項よ」


    トキ「……リオ様は原因を知っておられるのですか?」


    リオ「知ってるわ。だから私は八尾ミアの過去データを改ざんした。ミアの目に触れないように」


    トキ「…………もし、話してしまったらどうなるのですか?」


    リオ「……その場合はすぐに気絶させなさい。そうしないとdice1d3=2 (2) 」

    1.あの子の心は脆い。何が起こるか分からないわ

    2.………また、1から彼女の"手"を作らないといけなくなってしまう

    3.………彼女の手が本当にこの世から消えてしまうわ

  • 19八尾ミア24/08/20(灍) 23:29:02

    トキ「……!!」

    トキ「イエス マム」


    リオ「ミアの扱いが難しいのは分かるわ。でも彼女の力が今の私には必要なの」

    リオ「あくまで事務的にでいい。"名もなき神々の王女"との戦いが終わるまでは……好かれない程度に気にかけてあげて」


    ~~~~~~~~~~~~~


    トキ「………」


    トキさ~ん? ………やっぱり人が事故した時の話なんて興味ないですよね?ごめんなさい……


    トキ「……いえ、少し周囲の警戒をしていただけです。ミア様のせいではありません」


    おっと!そうですね。私も見えるところからシャーレを探さないと……

    監視カメラさえ生きてれば一発なんですが…………やっぱり妨害されますか


    トキ「時間が経てば経つほどエリドゥのファイアウォールが機能するとリオ様から聞いています」

    トキ「それまでは……当初の予定通り、中央タワーの防衛に努めましょう」


    そうですね!

    dice1d3=1 (1)

    1.スピーカー

    2.監視カメラ

    3.1+2

  • 20八尾ミア24/08/20(灍) 23:46:44

    ??『………あーあー』

    !?……館内通信!!

    ネル『おい。聞こえてるか? 私だ。お前らの恐れるC&Cの美甘ネルだよ!』

    トキ『ミア様……?』

    通信は待ってくださいトキさん! 私のいる階がハッキングを受けてます!
    …………………バカにしてる

    ネル『おでこから聞いたぜ? 無防備なシャーレの先生を目の前にしておきながら逃げ切られたんだってな』
    ネル『あたしは負けてない。先生も捕まってない。簡単な仕事すらできない無能な部下が揃ってるんじゃリオの目的も達成できないんじゃねぇのか?』

    ……………やっぱり。スピーカーのネットワークは妨害電波の影響を受けてない。これを辿れば………

    ネル『お前の負け惜しみが聞こえないのが残念だよ。それとも図星でまともに返事もできなくなっちまったか?』

    ……見つけた ピピピ
    トキさん。ネルさんが隠れている場所の座標を送ります。ひとまずそこへ………

    ネル『だからお前は―――――!』


    …………は?

  • 21八尾ミア24/08/21(ć°´) 00:06:10

    チヒロ『………八尾ミアを挑発する?』

    ネル「あぁ。アカネに確認して確信した。八尾ミアの本当の弱点は体力や戦闘力じゃない。精神力の方だ」
    ネル「そりゃ先生も嫌がるだろうよ。方法がないとはいえ心が不安定な生徒に向かってさらに傷つけるかもしれない事を言うなんてな」

    チヒロ『…………』

    ネル「確かによく考えれば他の方法もあるかもな。だが……時間がかかりすぎだ」
    ネル「朝日も昇れば資材搬入路もエリドゥの入口も機能する。二人相手にするだけでもギリギリなのに、ここからさらにリオが呼ぶ増援まで相手するとなると……完全に手が届かなくなっちまう」

    チヒロ『………挑発材料は?』

    ネル「アイツは体力がない事も自分が弱い事も自覚していた。そっちは大した挑発にならない」
    ネル「そして………アイツとあたしが一度だけ話した時。エリドゥへ乗り込んだ当初。地面を落とされた時にアイツはリオから貰った"エリドゥの手"とやらを大層に自慢してきやがった」

    ネル「恐らく八尾ミアとリオとの関係に、あたしごときに触れられたくないナニカがある。それを調べてくれ」

    チヒロ『…………私も、こんな事をする為にハッカーやってるんじゃないんだけどね』

    ネル「悪いな。あんた以外こんな事頼める相手がいねぇんだ」

    チヒロ『………分かった。調べてみる』

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 00:10:47

    >>3

    改めて見てもあのシーンのリオの「新しい手になって」って最高のパーフェクトコミュニケーションだったんだろうな、あれ以外の選択肢だとミアが戦線離脱してた可能性があると思う

    しかし6歳の頃の記憶がない?日常ならまだしも自分自身の大事件に関する記憶がないものか?

    まさか何か手の障害以上に忘れたくなる何かがあったのか?

  • 23八尾ミア24/08/21(ć°´) 00:21:51

    トキ「ミア様? 座標が送られてきていませんが………どうかなさいましたか?」

    ミア『………ネルさんを潰します。トキさんはその場で待機を』

    グラグラグラグラ!

    トキ「これは……!? エリドゥの手が起動する?」
    トキ「ミア様!動かす区画の指定を……!!」


    ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


    トキ「……!!(中央タワーより少し遠い! これでは回復したとはいえミア様の負荷も……!)」
    トキ「通信の通りならあの地点にネル先輩が……!!」


    ミア『…………1つの区画を上げるだけじゃない。元から立っている部分を持ち上げても大したダメージにはならないでしょう』
    ミア『そして地上1kmから落ちても無事なのは見ています。……それなら今度はもっと落ちてもらいますよ。地上1kmから、地下1kmへ!!』

  • 24八尾ミア24/08/21(ć°´) 00:22:21

    入れ忘れ

    負荷

    dice1d100=36 (36)

    ダメージ

    dice1d100=65 (65)

  • 25八尾ミア24/08/21(ć°´) 00:36:50

    ネル「うおおおおっ!? これがアイツの!?!?」
    ネル「(だが、この速さには1度は慣れておかねぇと………!)」


    ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


    ミア『最高地点から最低地点への落下! どこに隠れていようと……いえ、どこかに隠れているなら空中に逃げ場がない分さらに威力は増す!!』
    ミア『(アームへの負荷はかかりますが……3本で動かせばまだ痛みはない……!)』


    ドスウウウウゥン!!

    ~~~~~~~~~~~

    …………終わりました。こんなもの、誰であっても耐えれるわけがありません

    『…………』

    ……………違う。そんな事ない。絶対に。リオ会長は私に言わない事は多いけど、嘘をつく事はしなかった

    ネル『…………よう』

    ……!? そんな!?まだ……

    ネル『どうしたよ?………あたしの無事がそんなに不思議か?』

  • 26八尾ミア24/08/21(ć°´) 00:50:45

    ありえない………私が手を下さなくてもアビ・エシュフの攻撃に耐えきれずに戦闘不能になっていたハズです!!
    計算違いの域を超えている………体力があるだとか体が丈夫なんかでは説明がつかない!! 一体何をしたんですか!?

    ネル『……確かに腕はまともに動かねぇな。足も靭帯がきれてやがる』
    ネル『それに一歩でも動いたら吐きそうなくらいには最悪だよ』

    だったら何で……!!

    ネル『あぁ?そんなの決まってんだろ? 根性で耐えてるんだよ』

    意味が……分からない……

    ネル『お前なら分かると思ったんだが……それはまぁいい』
    ネル『で、どうするよ? またリオから貰ったこのおもちゃでたかいたかいでもしてくれるのか?』

    ………! ギリィ!
    えぇ、お望みとあらば!!今度は5本分の力で操作します!! 会長の"エリドゥの手"によって潰された後、空から落ちて叩き潰されろ!!

  • 27八尾ミア24/08/21(ć°´) 01:09:49

    ネル『………1つだけ教えておいてやる。お前の弱みは体力と戦闘力。弱点は精神力……だけど敗因はどれでもねぇ』

    減らず口を……!地下1kmから脱出なんて不可能です!!

    ネル『お前の敗因は……』

    ~~~~~~~~~~~

    ネル「C&Cを1人で排除しようとしたことだ! アカネ!!」

    アカネ「はい!……ミアさんが区画を無茶苦茶に動かしたおかげで少ない爆薬でビルを落とす事ができます」
    アカネ「(……いくら要塞都市といえど、内部をここまで激しく動かす事は想定外だったのでしょうか)」

    ドガアアアアン!!

    ~~~~~~~~~~~

    爆発音! またビルを倒すつもりですか? その程度でエリドゥの大地の檻から破壊できません!!

    ~~~~~~~~~~~

    ネル「アスナ!!」

    アスナ「は~い! う~んと……そのまま真っすぐ進んで……右に曲がって……そのまま進めば……!」

    ~~~~~~~~~~~

    ナビゲートの声?……………まさか、落としたビルを足場代わりに脱出を……!急いでスピーカーの逆探知を……!!

    区画内を移動して……まさか本当に脱出する気じゃ……!!

  • 28八尾ミア24/08/21(ć°´) 01:21:01

    ネル「気づいたところでもうおせぇよ」


    ~~~~~~~~~~~


    マズい……完全に後手に回ってしまってる……!!

    な、なら!! ネルさんが逃げる区画も一度落として、2つ同時に引き上げれば……全員纏めて始末できる!!


    スピーカーの逆探知は続いてる!! 後は私が………やりきるだけ!!


    ~~~~~~~~~~~


    ネル「…………カリン!!」


    ~~~~~~~~~~~


    パリンッ!


    狙撃!? ……危ないですね。当たってたら流石にエリドゥの手の操作はできませんでしたよ


    でもこれで確信しました! 2つの足場の同時操作!!こうすればネルさんの作戦は終わりだと!!


    ネル『………あぁ、終わりだな』


    ならば後は…………全てをかけてエリドゥを動かすだけ!!!


    dice3d100=58 28 41 (127) +36

    50につき1本アームが機能不全に、5本機能不全でこの後、行動不能

  • 29二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 01:30:11

    3本、残り2本か

    >>14のネル先輩めっちゃかっこいいな

  • 30八尾ミア24/08/21(ć°´) 01:31:46

    痛い。外れそう。苦しい。ちぎれる。息が止まる。痛い。ダメ。動かない。5本使わないと………!!

    私の手が1つ、また1つと動かなくなる。だけど私の"手"は2つだけじゃない! 全てをかけて、手を伸ばす
    意識が飛ばないように割れた窓の破片で足を傷つけて気合いで最後の"エリドゥの手"を操作する

    気付けが必要だ。もっと破片を掴んで痛みで手を動かし続けて……!!

    そう思って狙撃された窓の傍に近寄るを見る。ふと、近くのビルに窓を射抜いたスナイパーの姿が見えた


    カリン「………」


    相手はずっとこちらの動きを監視していたのだろう。窓の外を覗いた私と目が合った



    なら、なんで私は…………狙撃されていないんだ?
    相手の狙いがネルさんの救出であるなら、とっくに狙撃されていてもおかしくないのに


    そんな小さな疑問は引きちぎれて行く様な手の痛みと、刺さったガラス片によってかき消されてしまった

  • 31八尾ミア24/08/21(ć°´) 01:41:42

    ネル「……まだ聞こえてるかどうか分からねぇが教えておいてやる」
    ネル「確かにお前の"手"の力はすげぇ……が、それはお前と一緒に戦う仲間がいたからだ」

    ネル「繋いでいた手を放して、お前ひとりが突っ走った結果が……」



    ゴゴゴゴゴゴゴ!!

    トキ「………私がいる足場が!?」

    ネル「お前を助ける為に動いてくれた仲間を倒す切り札になっちまったんだよ」
    ネル「よう、後輩。ラストバトルとしゃれこもうぜ?」

    トキ「くっ……(通信が届かない……位置が遠すぎます……!)」

    ネル「お前も分かってんだろ? もうすぐこの地面は、お前の仲間のせいでここから2kmの高さまで引き上げられる」
    ネル「計算だとおよそ2分……その2分でケリをつけてやる」

  • 32八尾ミア24/08/21(ć°´) 01:50:01

    何も考えてはいけない! 今、この瞬間で終わらせれば全て解決する!!!

    今はネルさんを倒す事だけを……!!!


    動けええええええええ!!!!


    ~~~~~~~~~~~



    ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!


    トキ「……!?」


    ネル「ぐぅぅ!? うおおおおっ!?」


    トキ「演算が………!回避システム、麻痺……!」


    ネル「……動けねぇだろ? そりゃそうだ。あたしも1回目はまともに動けなかったからな」

    ネル「だが1回受けたらもう慣れた。それに……いいのか?そんな所にいて」


    トキ「………!」


    ネル「そこはあたしの間合いだぜ?」


    ネルdice1d100=51 (51)

    トキ(耐久値100) dice1d100=79 (79) -50

  • 33八尾ミア24/08/21(ć°´) 02:00:54

    アスナ「なんとか間に合った~!これで今、あの足場にいるのは……」


    アカネ「えぇ、部長とトキちゃんだけです」


    アカネ「カリンからの報告では部長が一度目のエリドゥの手による攻撃を受けた後、トキちゃんはすぐに部長の元へと向かった。恐らくミアさんを気にしていたのでしょう」

    アカネ「だからこそ、そこに罠を張った。トキちゃんが進む経路上のビルを倒し、部長を助けようとしようと見せかけ、その後はアスナさんの勘で落とすであろう区画から私達だけ脱出する)」


    アカネ「そうここまでは作戦通り………ですが、部長の体が限界に近いのは嘘ではありません」


    アカネ「1分経過……!急いでください!部長!」



    ネルdice1d100=64 (64)

    トキ(耐久値78) dice1d100=29 (29) -50

  • 34八尾ミア24/08/21(ć°´) 02:12:09

    (入れ忘れてますけど判定値はマイナスにはなりません)



    トキ「ぐっ……体が動かな……! 」


    ネル「まだやれるか。いいねぇ!そうこなくっちゃな!」


    トキ「……ですがもうじき、地上1kmに到達します」


    ネル「おいおい、せっかくの喧嘩なのにタイムアップの判定勝ち狙いか?寒い事言ってんじゃねぇよ」

    ネル「今この瞬間に終わらせてやる!」



    ~~~~~~~~~~


    ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


    アカネ「3……2.……1……2分です!部長は……!!」



    ネルdice1d100=83 (83)

    トキ(耐久値14) dice1d100=3 (3) -50

  • 35八尾ミア24/08/21(ć°´) 02:15:52

    トキ「……はぁ……終わりですか」

    トキ「……………」

    トキ「やはりリオ様と言っていた通り、あの方の事は嫌いだと突き放すくらいが丁度よかったというわけですね」

  • 36八尾ミア24/08/21(ć°´) 02:21:45

    今日はここまでです
    【矛盾】
    最強の矛である"アビ・エシュフ"と最強の盾である"エリドゥの手"
    どちらもエリドゥ内においてはチートとも呼べる武装だが、直接対決となると模様が変わってくる

    いくらアビ・エシュフといえど、大地に風穴を開ける事はできない。そうなるとエリドゥの手が優勢に聞こえるが、あくまで落下ダメージでしか攻撃できないエリドゥの手では決してアビ・エシュフにダメージを与える事ができない

    しかしエリドゥの手を扱うミアには体力による使用制限がある為、トキが逃げ続ける事で必ずミアは敗北する。これは立場を入れ替えても同じである

    なのでエリドゥの矛盾対決は使用者のスペックの差でミアが必ず負ける事になる

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 02:28:23

    原作以上に激闘だった、か細い穴を通って勝利に辿りつくネルは格好いいなぁ…
    しかしミアに感情移入しがちだからちょっと苦しい…救いを…

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 02:32:41

    >>35

    仕方ないとは言え、こう言わせてしまうのは悲しいものがあるね

    でも逆に言えば嫌いだと突き放せない程度にはトキに好かれた証拠でもあるのか

    ミアは自分のせいでトキを敗北させたと知ったらショックだろうな

  • 39二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 02:49:15

    >>38

    元々塩対応を徹底していたのにできなかった自分への自嘲も入ってるかもしれない

    なんにせよトキからの好感度は一桁に収まりきらないんじゃないかな

  • 40二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 04:11:38

    リオの対応からして一桁の範疇に収まってないしなぁ
    ストーキングだけでなく事故の原因も距離を置く必要があるような事なのかも

  • 41二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 04:49:31

    本当にミアのリオのために貴方は好かれるべき人だと伝えたいってあのトキとの会話、この2人しか聞いてないのが勿体無いくらいいい会話だったよ
    本当の愛は見返り求めないなんて言うけど、ミアのリオに対する愛はまさにそれだね、リオからの好意すら求めてない、ひたすらにリオのためだけだ

  • 42二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 10:35:41

    結局、事故の発端わかんなかったな

  • 43二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 16:37:14

    そ

  • 44二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 21:46:38

    挑発するってなると侮辱系になるのかな?その手のやつはあとで禍根残しまくる時あるから
    まあ先生としては出来れば使いたくない手だよなぁ

  • 45八尾ミア24/08/21(ć°´) 22:09:48

    イベスト見てたら遅くなりました 恐らく作中最大の戦闘も終えたのでゆったり再開していきます


    チヒロ『………そう、分かった』

    チヒロ『先生……ネルがトキを倒したよ』


    モモイ「へ!? 本当に!?」


    "ネルは大丈夫なの?"


    チヒロ『二人とも満身創痍。本人は少し休んだら回復するって言ってるけど………戦力として数えるのはもう無理だろうね』

    チヒロ『それで………そんな動けないネルからゲーム開発部と先生に伝言を頼まれてる』



    ネル『約束した通り、死に物狂いであたしらがチャンスは繋いだ。後はお前らに任せる。残った1つはお前らがぜってぇ連れ戻せよ』



    チヒロ『だってさ』


    モモイ「ネル先輩………! 行こう!アリスを助けに!!」

    ミドリ・ユズ 「「 うん!! 」」



    チヒロ『それなら私がナビゲートする。最速で最上階を目指す事になるけど………先生はどうする?』

    チヒロ『気になるんでしょ? あの八尾ミアって子のこと』


    dice1d3=2 (2)

    1.それでも今、1番優先しないといけないのはアリス

    2.ミアと話すには先にリオと話さないといけない

    3.リオと話す前にミアと話がしたい

  • 46八尾ミア24/08/21(ć°´) 22:17:39

    "本当は今すぐにでもミアの本音を聞きたい。だけど今のミアにはリオの言葉以外は届かないと思う"

    "だから……まずはリオにミアの事を話す必要がある。もしも今のミアの状態を知っていて利用したんだとしたら………"


    チヒロ『………ごめん。初めに謝っておく先生』

    チヒロ『もし、八尾ミアの状態が悪化しているのならそれは私とネルが……!』


    "それ以上は言わないで"

    "それを聞いちゃうと、ネルが何も聞かずに出て行ってくれた意味がなくなっちゃうから"


    チヒロ『…………急ごう。正面玄関からすぐに入れるようにする』


    ミドリ「でも入口から入ろうとしたらまた地面を動かされて……」


    チヒロ『そこは大丈夫。カリンが見張ってるってネルは言ってたし、それに………』


    チヒロ『今日はもう、動かせないんじゃないかな?』


    ミアのダメージ

    dice1d100=30 (30)

    1~33.痛みはあるが動ける

    34~66.這ってでしか動けない

    67~100.体が動かない

  • 47八尾ミア24/08/21(ć°´) 22:30:06

    <中央タワー 5F開発室>


    手の感覚がない。無茶をしすぎた反動だろう。これはオートメンテナンスでも回復できない………しかもそれが3本ともなると被害も大きい


    大量に密集・密接している私の手は、脳からの電気信号で動かしている。1本動かせなくる程酷使した場合、被害は1本だけでは済まない。周辺の手を動かすだけで痛むし、同系統の手を動かしても痛む

    しかも今回はそれが3本。もう、ほとんどの手が機能しない


    だけどその痛みが私の意識を強く覚醒させる

    C&Cの最高戦力は破った。後はシャーレの先生を捕獲しないといけない。早く決着をつけないといけない


    会長の話ではシャーレを撃破してからが本番なのだ。この手もそれまでには動かせるようにしないといけない



    体を引きずる様に歩く。特殊武装を起動するアームも動かせない。平衡感覚もない。何度も転びながらエレベーター前へとつく

    そのまま何とか動かせる手を伸ばしてボタンを押す


    dice1d3=1 (1)

    1.行先は最上階。会長の言葉を貰う為に

    2.行き先は7階。一刻も早く、直さないといけない

    3.そんな時、ふと音が聞こえた。スピーカーのハッキングはまだ解除されていなかった

  • 48八尾ミア24/08/21(ć°´) 22:37:59

    会長。ご迷惑をおかけします。簡単にでいいので、今すぐ私の手を貴方の為に動かせるようにしてください

    痛くてもいいです。後遺症が残ってもいいです。明日からまた1人でベッドの上に戻されてもいいです


    手段を選ばなければ何でもできる事は私はよく知ってます。それでいて手段を選んでくれている事も知ってます


    大事なものを取りこぼさない為にも………古く汚れた"手"を使い捨ててください


    その為に私はいるんですから


    (100に近い方が先にリオと接触する。そして差が大きい程時間差で最上階に登る)

    ゲーム開発部 dice1d100=96 (96)

    ミア dice1d100=65 (65)

  • 49二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 22:42:29

    なんかすっごいいい塩梅でミアが合流しそうな数字…

  • 50八尾ミア24/08/21(ć°´) 22:45:37

    <エリドゥ中央タワー 最上階>


    モモイ「着いた!」


    ミドリ「ここがエリドゥ中央タワーの最上階……」


    チヒロ『地図によるとここにアリスがいるはずだよ』



    リオ「そう、アリスならここにいるわ」


    モモイ「会長……!まだ戦うつもり!?」


    リオ「いいえ、アヴァンギャルド君が奪われ、トキが破れ……ミアも突破された。私が持っている手札は全て消えた」

    リオ「認めましょう……私の負けよ」


    "リオ……"


    リオ「本当に貴方達はここまで来たのね。近い将来キヴォトスの脅威となることが確定しているあの子を救う為に……」


    モモイ「当たり前だよ!最初からそう決めてたからね!」


    リオ「アリスがキヴォトスに終焉を招くとしても?」


    モモイ「急に何?アリスの事そんな風に言わないでよ!」


    エレベーター移動(35以上で到着)

    dice1d50=8 (8)

  • 51二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 22:46:39

    まだ…まだなのか…!

  • 52二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 22:58:50

    リオとミアと先生の会話、どうなるのか気になる
    先生はミアがリオのために全部あげますな性格である事を見抜けるか

  • 53八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:01:14

    リオ「私はただ……」


    "リオ。リオが何を根拠にして動いたのか分からない。でも1つだけハッキリ言えるよ"

    "リオは誰にも相談せず、1人で全てを判断して結論づけた。そして君が正しいと思った事を他人に強要した"


    リオ「……!!」


    "………リオにも事情があったのかもしれない。それでも、同じ道を進む仲間であるトキとミア……"

    "特にリオの為なら自分の心を殺しながら助けになってくれたミアにくらいは教えてあげてもよかったんじゃないかな?"


    リオ「…………ミアには説明したわ。アリスの危険性を、そして納得もしてくれた」


    "でもミアは迷っていたよ。苦しみながら……それでも、リオが選んだ道が正しいんだと付き従ってくれた"

    "リオは、そんな子にも決して言えない問題を抱えているの?"


    リオ「dice1d3=2 (2) 」

    1.……伝えた方がミアは苦しむわ

    2.……えぇ。特にミアにだけは……絶対に

    3.……確かに、ミアに甘えていたところがあったかもしれないわ



    エレベーター移動(27以上で到着)

    dice1d50=38 (38)

  • 54八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:12:20

    エレベーターが開く。まだ私は動ける。役に立てる
    一歩、部屋の中に踏み進んだ先には

    "リオは、そんな子にも決して言えない問題を抱えているの?"
    リオ「……えぇ。特にミアにだけは……絶対に」


    すでにリオ会長がゲーム開発部と先生に取り囲まれていた


    リオ「……!!……ミア!?」

    "ミア?……えっ!? ミア!?その背中は……!"

    リオ会長の声に釣られて視線が集まる。驚愕。恐怖。小さく悲鳴もあがる
    言わんとせんことは分かってる。力なく引きずってる無数のロボットアームが化け物かなにかに見えるのだろう


    会長、困ってますよね。少しだけですけど聞こえました。私に言えない問題を抱えているのだと
    だったら私の手を使ってください。今は動かない手ばかりですけど、会長なら応急処置くらいできますよね

    そうしたら頑張ります。戦闘は苦手ですけど、絶対に勝ってみせます。だから………

    リオ「………もういいのよミア。この戦いは…………私達の負けよ」

  • 55八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:24:24

    何を言ってるんですか。C&Cの最高戦力であるネルさんは私が倒しました。ここでシャーレの先生と、その部下を倒せば終わりじゃないですか
    後はトキさんのアビ・エシュフと私のエリドゥの手で最後の敵を………

    リオ「トキは……負けたわ」

    ………………え?

    リオ「それよりもそのアーム………まさかエリドゥの手を5本同時に使用したんじゃ……」

    いや、私の手よりも………トキさんが負けた?なんでですか?
    トキさんはずっと入口で防衛を………いや、そういえばずっと連絡が来てな……い………

    リオ「………私の判断ミスよ。最強の矛と最強の盾。片方ずつ攻略できないと分かったネルは………矛に盾をぶつけるという手段をとった」

    まさ……か…………あぁぁ………いや…………ちが………!

    リオ「確かにネルを倒す事はできた。だけどその為に矛と盾を犠牲にしてしまった………」

    わたし…………かいちょ………の………

    "リオ!"

    リオ「これが私の判断ミスだという事くらい分かってる……………だから、ミアは何も悪くない」
    リオ「今まで良く頑張ってくれたわ。ありがとう」

  • 56二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 23:28:33

    ちょっと雲行きが怪しくなってきたな………

  • 57二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 23:29:39

    リオ、それを今ここで伝えるのは酷だよ
    このミアが自分のせいでリオの足を引っ張ったと思ったらどうなるか

  • 58二次元好きの匿名さん24/08/21(ć°´) 23:33:00

    このレスは削除されています

  • 59八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:39:51

    ち……ちが………わたし……は…………

    "リオ。ミアの気持ちを少しは考えて……!"

    リオ「……ミア。私は………」

    ………………………私の気持ちはお前なんかが代弁するな!!

    "………!!"

    会長の邪魔するお前に私の気持ちが分かるか!!積み重ねた全てを崩したお前が語るな!!
    何も助けなかったくせに会長を悪く言うな!!!触れるな!!!知った気にな………ゲホッ……ゲホッ……!!

    リオ「!!落ち着きなさいミア! 今すぐ7階に戻ってメディカルチェックを……」

    ゲホッ!………かいちょ………は……ゲホッ!……ミスなんて……………ゴフッ…!?

    リオ「!!」
    リオ「…………私はミアを治療する。アリスなら……その部屋の施設の中にいるわ」

    モモイ「………ミドリ!ユズ!」
    ミドリ「……うん!」

    ハァ………会長………だめ……ハァ………です………私を使えば………ハァ…………!

    リオ「今は休みなさい。これは私からの指示よ」

    かい………ちょ…………

  • 60八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:47:58

    アリス「…………」

    モモイ「アリス!お待たせ!」
    ミドリ「アリスちゃん!」
    ユズ「アリスちゃん……!」

    アリス「………」

    "アリス……?"


    |


    モモイ「うわっ!?何が起きてるの!?」

    ミドリ「急に電気が消えて……あ、あそこのモニターが!」

    リオ「これは……!!」

  • 61八尾ミア24/08/21(ć°´) 23:55:41

    !!………あれ…………おかしい…………な…………感覚が………

    違う…………これは………


    チヒロ『ぃま……急に……な…が………!?』

    チヒロ『通信が……き…………み…な………応答……!?』 ブチッ


    リオ「エリドゥのシステム全体が……ハッキング……………いえ、これは単純なハッキングではない……」

    リオ「都市全体が「何か」に変質していって………」


    !!かい……ちょう………


    リオ「!……もしハッキングを受けてるならエレベーターも今は………」


    ……違うんです………会長………私の………私の手が…………


    リオ「……!!まさか……!」



    私の手が……消えて………

    dice1d100=46 (46)


    【■■■】

    システム変容の可能■■……


    対象:エリ■ゥ地下 エリ■■の■


    dice1d100=73 (73) %

  • 62八尾ミア24/08/22(木) 00:08:26

    モモイ「こんな事をしている場合じゃない!早くケーブルを外してアリスを……!」


    ??「その行為は推奨しません」


    ……!!


    ??「現在「王女」の表層人格は内部データベースの深層部に隔離されています。強制的に接続を解除すると、取り返しのつかない損傷が起こるでしょう」


    モモイ「アリス!?一体何を……!?」



    声が背中から伝わる。マイクなんてついていないのに………脳に響いてくる

    感覚が消えて……そして冴えてくる。地下だ。エリドゥを支えているロボットアームが………私のエリドゥの手が……書き変わっていく



    ??「アリス?それはあなた達が私たちの「王女」を呼ぶ際の名称……」

    ??「「王女」に名前は不要です。名前は存在の本質と目的を乱します」



    変わってしまう……エリ■ゥの■が…………会長の盾が…………■■に………!!


    key「私の個体名は<key>。王女を助ける無名の司祭たちが残した修行者であり、彼女が戴冠する玉座を継ぐ「鍵」<key>です」


    命令権

    リオdice1d100=71 (71)

    keydice1d100=83 (83)

  • 63二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:09:26

    手が消える?
    どっちだ、ロボットアームの方か、それとも生身の手の方か?

  • 64二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:11:36

    エリドゥはもうケイに支配されてるか

  • 65八尾ミア24/08/22(木) 00:20:15

    感覚がないんじゃない。でも私の背中にあるはずの"手"が私には何故か分からない
    誰にも触られていないはずなのに中身が違ってる。接続不良の痛みが遠くなる。痛みがあるんじゃない。"傷んでいる"ように感じる

    まるで私がロボットになってしまったかのように


    リオ「ミア!!しっかりしなさい!貴方の"手"はまだ残ってる!」

    会長の言葉を聞いて"元々動いていた位置にあった手らしきもの"を伸ばす。背中を貫くような痛みが、無茶な使い方をした時の思い出を呼び戻してくれた

    リオ「ミア!!」

    恐らく今日一日だけで去年分以上に名前を呼んでくれている会長。嬉しい。とっても
    だけど私にはあり得ないくらい心が落ち着いていて、そんな変化を否定したくてまた手を伸ばす。今は痛みだけが私に"手"の実感を与えてくれた


    key「今、我々を妨害していた攻撃が止まった事を確認しました。只今よりエラーを修正し、本来あるべき玉座に「王女」を導かせていただきます」

  • 66二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:26:05

    おっと、まさかミアが操られる展開か

  • 67八尾ミア24/08/22(木) 00:29:04

    key「AL-1Sに接続された利用可能リソースを確保するため、全体検索を実行」
    key「リソース領域の拡大。……リソース名、要塞都市エリドゥの全体リソース―――1万エクサバイトのデータを確認」

    key「現時刻をもって、プロトコルATRHARSIS稼働」
    key「コード名"アトラ・ハーシスの箱舟"起動プロセスを開始します」


    リオ「……!!アトラ・ハーシス……!?」


    あぁ……これは………もう…………
    会長………お願いします。時間が………

    リオ「何を言って………」

    私の手が私の手でいるうちに………会長の手で…………



    折ってください

  • 68八尾ミア24/08/22(木) 00:37:09

    "……それは!!"


    リオ「そんなこと……!!」


    もう■■■の■は”手”として機能しません。Divi:Sionを呼び出す為だけの機構になります

    私の背中の■もまた………Divi:Sionを調整し指揮するだけの■に……


    もう、手を伸ばすとかじゃないんです。背中にあるのは手じゃないので伸ばせないんです。私には何も分からないんですけど、分かるんです

    会長はいつもこんな風に戦ってたんですね。流石会長です


    だから分かります。これは会長が防ごうとした未来を引き起こす手伝いをしてしまう



    key「プロセスサポートの為に追従者<Divi:Sion>を呼び出します」



    急いでください会長………今なら………使い捨てられます

  • 69二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:42:12

    さあリオ、世界の為にアリスを犠牲にする決断をしたんだ
    今更ミア1人増えたくらいで止まれないよな

    先生がんばれ

  • 70八尾ミア24/08/22(木) 00:48:45

    リオ「そんな……私の計算は………でも………!」


    リオ「私は……キヴォトスに終焉がもたらされることを懸念して、この要塞都市エリドゥを建設した」

    リオ「私が動員できるミレニアムの全ての技術と力、エネルギー、そして資源をここに集めたというのに……」


    リオ「けれど……むしろ、そのせいでこの都市が……終焉の発端に……?」


    会長のせいじゃないです。会長の手のなり損ないにしかなれなかった私が悪いんです

    ごめんなさい会長。私の■は会長の新しい”手”にはなれませんでした。私の背中の■を折った後は、脳の電気信号も止めてくれると会長の迷惑には……


    リオ「そんな事できるわけないじゃない!!」

    リオ「もう……二度と動かない貴方を………見たく………っ…」


    ………じゃあ、せめて………離れてください。

    実感はないんですけど、今の私ってボロボロだったと思うので………今なら……


    命令権

    ミアdice1d100=71 (71)

    リオdice1d100=14 (14)

    keydice1d100=98 (98)

  • 71八尾ミア24/08/22(木) 00:59:51

    key「箱舟製作に必要なリソース確保23%……」

    あ、ダメだ…………意識が■■■■■に向けられる
    まるでそれ以外の事を考えてはいけないって背中から脳に直接伝わる

    key「46%……」

    リオ会長が作ってくれた■から虫のように追従者が這い出てくる。真っすぐここを目指して……それを操作しているのは王女の鍵であり……私

    あぁ………やっぱりなんか変な知識も混じってきちゃった。もっと早く自分を突き刺すべきだったかな


    リオ「先生!このままでは……!このまま、エリドゥの全てのリソースを奪われてしまったら、キヴォトスは終わってしまう」
    リオ「(ミア……!)……決断を下さなければ……!」

    "決断……?"


    key「王女は鍵を手に入れ、箱舟は用意された」
    key「無名の司祭の要請により、この地に新しい「サンクトゥム」を建立する」

    そして私という存在はここに記録される………嬉しさも哀しさも……あまり感じなかった

  • 72八尾ミア24/08/22(木) 01:10:17

    リオ「このままえでは、世界が滅びる……!!」

    AMAS達『………』ウィーン

    リオ「みんなと一緒に逃げてちょうだい。先生」

    "逃げてって、リオ……いったい何を……"

    リオ「今からこの都市自体が変貌し、箱舟という新しい概念に歪曲される。そうしたら……このキヴォトスは……」
    リオ「私のせいよ……私がこの都市をつくらなかったら、最初からこんな事にならなかったのに……」
    リオ「私が……私のせいで……ミアも………だから私が止めないと」

    ユズ「ど、どういう意味ですか?」

    リオ「私1人で、システムを止めてみせるわ。ミアも放っておけないもの」

    "……リオ"

    リオ「私の命一つで世界の終焉を防ぐことができるというのなら……そうするわ。そうしなければならない」


    あぁ、絶対に止めないといけない言葉が耳に入っているのは分かってる。分かってるけど脳のリソースが足りない
    体が動かない。私の体は動けという命令を受けていない。ただ追従者を地下から呼び集める。それだけのモノ


    リオ「早く!!これは極めて論理的な選択よ、先生!」

  • 73八尾ミア24/08/22(木) 01:19:18

    "……トロッコ問題について、話してたよね"
    "トロッコ問題委は二つの選択肢しかない。君はそこで犠牲の少ない方を選ぼうとしたわけだし"


    ………心残りだったんだと思う。あの時、無意識に出た疑問を会長に遮られた事が


    リオ「私は……」

    "それが君の優しさなんだね。リオ"
    "でも二つの選択は、誰かが犠牲になる結果しかにあのであれば………"


    ………解答者と同じ選択をする"手"にレバーを引く役を任せたらいい
    そうすれば解答者自身は知らずとも望むようにトロッコは走り、心は痛まない


    "私はその質問自体が間違っていると答えるよ"


    少しだけ残っていた心が少しだけ動いて、思考にリソースが僅かに割かれた

  • 74八尾ミア24/08/22(木) 01:34:04

    リオ「それは……問題の答えではないわ先生。ただの詭弁よ。思考実験の前提条件を否定するのは、ただの屁理屈でしかないわ」

    僅かだけ喜ぶ。会長はいつも多くの人を助けようとしていたって事を私以外が知っていた。それだけでも嬉しかった

    少しだけ怒る。どうしようもない選択肢には世の中には無数にある。適当な解答をする者が会長に教えを説く姿には腹が立った

    ちょっとだけ哀しむ。会長は私に内緒でトロッコのレバーを引き続けていたのだろう。そんな会長の助けになれなかった事に後悔を覚えた

    そして心なしか気が楽になった。まだ私の中に、"私"がこんなにも残っていたとは思っていなかったから

    "レバーを引く人が、見落としてたものがあるんじゃないのかな?"

    リオ「……!?」

    "本当に周囲に手を差し伸べてくれる人がいなかたのか、とか"

    リオ「……!?」

    あの会長が驚いてる………あれ?気づいてなかったのかな?
    いや、そういえばそうだった。言われたんだった。考えないようにしてたから思い出すのに時間がかかっちゃった

    key「………73%………………89%…………………」

    なんでもいいや。最後にこれだけ伝わればいいや。
    私が残ってるうちに、私の■………じゃない

    私の"手"を………


    key「リソース確保99%…………」

  • 75二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 01:40:48

    このレスは削除されています

  • 76八尾ミア24/08/22(木) 01:41:05

    ぴとっ……

    リオ「………ミア?」


    ほら、ここにいますよ。会長に手を差し伸べくれる人
    シャーレだかなんだか知らないですけど、会長には私がいるんですよ。ずっと側にいるのに会長が私を見落とすわけないじゃないです……か……………

  • 77八尾ミア24/08/22(木) 01:45:23

    そして意識が刈り取られる前の最後の言葉は



    "私は、全員で力を合わせて「全てを救う」選択肢を選びたい"



    そんな夢物語の世界を私も見てみたくなって
    ちょっとだけ、心が躍りました

  • 78八尾ミア24/08/22(木) 02:00:14

    ??『ノア!今よ!電力という電力を全部落としちゃって!』


    ノア『は~い、ユウカちゃん。その言葉を待っていました♪』

    ノア『えいっ!』



    ブチッ!

    ドッカアアアアアアン!!



    key「………リソース確保失敗。システムシャットダウン」


    復元

    dice1d73=68 (68)

    1~22.意識を失う直前

    23~45.半分半分

    46~73.再接続さえなければ

  • 79八尾ミア24/08/22(木) 02:12:03

    『リソース確保プロセスエラー』
    『緊急状況発生Divi:Sion電源、プロトコル実行者を保護するためエリドゥ中央タワーに集結せよ』


    言葉が響く。多分これは命令なのだろう
    私には手段があるので実行する…………いや?これは私が実行しているのか?


    『……邪魔者? そんな事はないはずです。都市内の残存兵力はゼロ』
    『論理エラー発生。確認のため、画面を表示します』


    …………何も見えない。いや、そもそも私は何かを見る事ができるのだろうか?
    やっぱりどこか違和感がある。なんだろう?これは私なのだろうか?


    『……………』
    『…………理解不能。状況判断不可』

    何かよく分かってないらしい。よくないですよね。■■なら理解が難しい事も………
    ん?………今のなんだ?

  • 80八尾ミア24/08/22(木) 02:24:07

    『命令修正および再実行。追従者は想定外の兵力と戦闘を避け、エリドゥ中央タワーに集結……』

    う~ん? 想定外の戦力ならある程度調査もしておくべきでは?敵対してる段階で後々対処する必要はあるんですし……
    私なら適当な戦闘用をぶつけて戦闘力を調べますけど…………う~んダメだ。何も操作できない。繋がってないといけないものが切れてたりします?

    『……………』


    …………………


    『……………』


    …………え?急に何も聞こえなくなったんですけど? 何かのドッキリです?
    ドッキリなんて私が■■に仕掛ける側なんですけど………?

    まただ、また何か抜け落ちてる気がする
    んー………何かあんまり物事を考えたい気分じゃないんだけど、命令も止まっちゃったしなぁ

    そもそも従う気があんまり起きないというか………なんか違うんですよね

  • 81八尾ミア24/08/22(木) 02:37:36

    ???『あら? これは………』


    ん? 今度は違う声だ


    ???『もしやこのデータは…………なるほど、これはなんとまぁ………心と向きあうようにとは言いましたが、まさか心だけになってしまうとは』


    なにこの自分だけが分かりましたよ~?だけど貴方には教えるつもりはないですよ~?みたいな喋り方

    ……何かじろじろ見られてるみたいで嫌ですね


    ???『ふふふっ♪これは何とも面白い………まさか貴方が本当に■■とアリスを貴方が繋ぐ事になるなんて流石の天才美少女ハッカーも驚きましたよ』


    何が面白いのか分からない………大体アリスって何?AL-1Sのニックネームですか?


    ???『…………仕方ありません。本当は助ける義理はありませんが、しおらしいビッグシスターなんて見ていて面白いものではありませんからね』


    ???『お助けしますよ。八尾ミアさん』


    ………八尾………ミア?


    復旧作業(0/100)

    dice1d100=29 (29)

  • 82八尾ミア24/08/22(木) 02:48:21

    明日も早いので中途半端ですけど今日はここまで 多分後2回くらい更新したらパヴァーヌ終わると思うんですけど………

    【変質】
    エリドゥの手は要塞都市エリドゥの全てを支える根幹である。要塞都市が大きく変わるのであれば、エリドゥの手もその姿を変えるし、歪曲もされる

    これがただの大掛かりな地形や機械であればよかったのだが、八尾ミアの手はエリドゥの手とリンクしており、八尾ミアの手は装着型ではなく一体型で、脳の電気信号で駆動する

    八尾ミアの体はDivi:Sionの影響をモロに手と脳で受けてしまったのである


    そして時間が経てば経つほどにエリドゥの手と繋がる脳と手はあり方を歪ませていく
    それでも、会長の為にエリドゥ最強の盾は手放せなかった

  • 83二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 02:53:16

    色彩による反転並の不可逆な変質を精神が受けた可能性もあったかこれ

  • 84二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 06:53:09

    ケイのダイス力つっよ

  • 85二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 06:56:33

    停電中に復旧できればミアの心が帰ってくるって事かな?
    戻ってこい!

  • 86二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 07:08:59

    >>80

    文字数的にリオかな?見せてくれミアにドッキリ仕掛けられてるほのぼの日常を…

  • 87二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 12:45:24

    あと二回、後日談とかもいれたら3、4日で終わりかな
    何にしてもリオの仲間ポジという珍しいキャラ造形で最高のSSでした、本当にありがとうございます

  • 88二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 13:28:53

    いーや ここの1なら最終章も書いてくれるね

  • 89二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 22:04:09

    保守

  • 90八尾ミア24/08/22(木) 22:19:21

    パヴァーヌで終わってもいいし、終わらなくてもいい。日常編を足してもいいし、最終編に行ってもいい
    正直希望とか反応の数で考えてるのでまだ未定っちゃ未定です 再開します



    う~ん、何か聞き覚えがある………何だろう?
    というかさっきから何でこんなにも考えらる事ができるんだろうか? そんな権限与えられてたっけ?

    ???『…………なるほど。アーカイブ化されて………だったら彼女の意識は……』

    ???『私の声が聞こえますか? この超絶清楚でASMR発売待ったなしの透き通った声を持つ美少女の声が』

    聞こえてますけど………聞こえてるだけですよ

    ???『…………反応なしですか』

    そりゃあ私ってそういう事をする為に作られてませんから
    …………じゃあ何をするために私はいるんだ?

    ???『………■■!! ミアさんと一緒にこちらに来てください!!』
    ???『無理に体を動かせない? だったら先生の手でも何でも借りなさい! 事態は一刻を争うのですよ!!』

  • 91八尾ミア24/08/22(木) 22:33:32

    ??『………これが?本当にミアなの?』


    また違う声………私のこと回し読みでもしてるんですか?



    ???『アリスの精神分析をしていた際に見つかった記憶データですが……恐らくエリドゥ制圧の為に都合がよかったのでしょう。八尾ミアのバックアップがこれになります』


    ???『記録されたのは恐らくはkeyが目覚めた後……まだ八尾ミアとしてのデータですがそれでも半分近く本質が書き変わっています』

    ???『これはアリスの様に深層意識にダイブして、精神を引っ張り出すという手段では解決しません。2つの人格があるのではなく、1つの人格が上書きされそうになっているのですから』


    ……………なんとなく分かる。多分、さっきから私の事を説明している

    さっきから自分のことすらよく分かってないのは上書きされてるせいなんだ



    ??『……どうすればいいの?』


    ???『簡単です。貴方が呼び戻すんですよ。上書きされる以上の早さでミアさんの心を動かすんです』

    ???『そして真に自分の心を取り戻したら………偽りの使命から解放されるでしょう』


    dice1d4=1 (1)

    1.嬉しい話をしよう

    2.怒ってる話をしよう

    3.悲しい話をしよう

    4.楽しい話をしよう

  • 92八尾ミア24/08/22(木) 22:44:39

    ??『何を話せばいいのか……分からないわ』


    ???『この期に及んで………だから貴方は……!』


    ………急に騒がしくなってきた

    早く次の指令来ないかなぁ………せめてこの声だけでも止めてくれないかなぁ……



    "……なら、ミアとの嬉しかった出来事をしたらいいんじゃないかな?"


    ??『嬉しかった時のこと?』


    なんか3人目が増えてきたし………もう勝手に追従者を呼んじゃおうかな?



    "二人の間にはたくさん思い出があると思う。そんな思い出を振り返って、ミアの人間としての心を思い出させてあげればいいんじゃないかな"


    ??『……でも、そんな時間は』


    "時間ならヒマリが稼いでくれるからね?"

    "ヒマリなら元々時間稼ぎをするつもりでいてくれていたよね?"


    ???『先生の頼みなら仕方ありませんが、私は決してそんなつもりでは…!』

    ???『………でも、思い出話で解決するというのなら、それくらいの時間は作ってみせますよ』


    ??『…………嬉しかったこと』

    dice1d3=2 (2)

    1.出会った時

    2.15歳ぎ昼

    3.今

  • 93八尾ミア24/08/22(木) 22:54:55

    ??『そうね、15歳の春。ミアが病室から外に出られるようになった時。それが1番嬉しかったわ』


    ………ふ~ん?病弱キャラやってたんですね私


    ??『しばらく病室の間でしか動けなかったミアを、外で見られるようになった時。私は初めて自分が作ったものにやりがいを感じる事ができた』

    ??『……本当はね、一度目のアームを作った時後悔したの。また私は傷つける事になってしまったってね』


    一度目? また?

    何か引っかかりを覚える。上書きされそうになってる記憶なんだから引っかかって当然ではあるんだけど………何か違う気がする


    この声の主は何を言っているのだろう?


    復旧作業(29/100)

    dice1d71=33 (33)

  • 94八尾ミア24/08/22(木) 23:04:12

    ???『 (やはりリオの声に1番反応しているようですね……) 』

    ???『その調子です。今は上書き率は五分五分といったところでしょうか』
    ???『もっと二人の思い出を語ってミアさんの心を……!』


    ??『違うわ。これはミアにも話していない話よ。そして……決してミア本人には言えない話』
    ??『先生にもさっき言ったわね』

    "……そうだね"

    ??『心を動かす………これ以上の話はない。だけどこれだけは忘れないで聞いてちょうだい』
    ??『私はこの話を……嬉しかった思い出として話す』


    うーん……?会長が私に言っていないこと………あれ?
    私、今この声の事を会長って言った?

  • 95八尾ミア24/08/22(木) 23:16:06

    ??『どこから話そうかしら……まずは………』


    ~~~~~~~~~~~~~~~~

    なにもやりたい事がなかった

    体力は人並み以下。何かを作る技術はそこそこ。典型的な技術者タイプだと診断され、特に理由もなく技術者への道を進んだ


    夢がなかった

    ある程度のものは何でも作れた。だからこそ目的がなかった。勉強する気はあんまりなかったからそこまで賢くないけど、自分が満足できる仕上がりのものは大概作れた


    友達はいなかった

    あまりに機械的に物事をこなすから本当に機械みたいだと言われた。自分でもそう思うので特に言い返さない
    多分将来もどこかの工場で機械的に何かを作ってるんだろうな~くらいにしか思ってなかった


    ここまで聞いて、中二病だろうとか、高二病だと思ったかもしれない

    でもこれは八尾ミア6歳。小学1年の時の話である

  • 96八尾ミア24/08/22(木) 23:26:13

    神童なんて言われていた時期もあったけど、世の中神童なんて10人でも100人でもいくらでもいる

    その上、自分磨きをしていないのだから私の評判はあっという間に地に落ちた



    生きていく上で体力はどうしても必要だ。体力テストの最初の50m走でギブアップするような生徒にまで世界は優しくできていない


    それでも好きな事や将来への目的があれば頑張れるものだが、そんなものはない以上頑張ることもできない

    早々にギブアップを決め込み、勉強にも手を抜き始める。そんな事をしていれば赤点も取る


    補修と言っても賢くなる勉強というより無駄な反復練習を延々とさせられるものだ。体力がないので誰よりも遅く終える事になる


    そんな補修の帰りに運命の人と出会う事になる

    調月リオ 当時同じく6歳の彼女は補修でもないのに学校に残っていた


    dice1d3=3 (3)

    1.自主学習していた

    2.ロボットを使って計算をしていた

    3.ミアを待っていた

  • 97八尾ミア24/08/22(木) 23:32:48

    リオ「手伝ってちょうだい」


    こっちが補修終わりで死にそうな顔をしているのに見えていないのか、お構いなしに私の手を引いて、とある研究室に連れられた



    リオ「八尾ミア。貴方の勉強の面倒は私が見るわ」

    リオ「だから、貴方の力を私に貸してちょうだい」



    大きな黒板が1つ。そこに無数の計算式の羅列

    自動走行用のメカ。そして転がってる無数の残骸……なるほど、彼女は私の技術を借りたいらしい


    要件が分かればする返事は決まっていた

    dice1d3=1 (1)

    1.お断りします

    2.なんでわざわざ私を?

    3.いいですよ

  • 98八尾ミア24/08/22(木) 23:45:40

    リオ「何故? もしかして私が家庭教師の真似事をすると思ってる?」

    リオ「違うわ。私に協力するだけで面倒な補修を免除させてあげるし、テストの点数も操作できる」



    ………怪しい。悪徳商材の方がまだ嘘のクオリティが高い。言葉に真実味があるように思えない

    大体、そこまでする価値が私にはないし、そこまでして何を成し得たいのかも分からない


    リオ「………私は"千年難題"の解決を求めている」


    名前は聞いたことがある。逆に言えば名前しか聞いたことはない

    その名の通り、すごく難しいのだろう


    リオ「私は解を求める為には手段を選ばない。だからこそ貴方の力がどうしても欲しいの」


    暗に断ればあくどい手段でも取りかねないと言ってるのに気づいてないのかな………?


    出会った当初の好感度

    dice1d100=49 (49)

    1~39.やることはないけど死にたくはない為、とりあえず了承することにした

    40~79.でも自分の事を求められるのは悪い気分ではない。なんとなく了承した

    80~100.そのひたむきさに興味が湧いた。条件がなくても引き受けたと思う

  • 99八尾ミア24/08/22(木) 23:57:47

    リオ「ありがとう。私は調月リオ。これからよろしくねミア」

    名乗ってないのに名前を知ってる………この人実は私のストーカーだったりする?



    そして次の日から私とリオの共同研究が始まった
    といってもなんて事はない。リオの計算結果が実際にどういった結果を引き起こすのかを私が作ったロボットで試すだけ

    リオは学内でのカリキュラムはすでに6年生までの分も終えて、通常の授業を受けないでいいらしい。こういうのを本物の神童というのだろう
    その事をリオに話すと、知り合いにリオと同じくらい頭がいい子がいるから自分は1番ではないと返された

    なんでもその子は足が悪いのだとかで同じ学校に通っていないだとか。こんなのが2人いても学校も困るだろうなと苦笑する

    それに比べて私は勉強を全くしていないのに、神童を支える名目で今日もテストロボットを作っている。これならロボット工場に黒板持って行った方が便利じゃないだろうか?

    リオ「ミアの技術がないと、私の計算式は成り立たないわ」

    ……仕方ないのでもう少しだけ頑張ることにする

  • 100八尾ミア24/08/23(金) 00:06:54

    リオの手伝い以外にやる事がないので月日は流れるように過ぎ……春を超え、夏が過ぎ、冬が訪れた


    私は学校という名のリオの研究室に訪れるどころか住み着いていた
    なんとなく会話が成り立てばいいやとリオが使い終わった教材を眺め、何を追っているのかを何となく理解したくなった

    リオの計算の先を予測し、あらかじめテストロボットを作った時には能面みたいな彼女の表情が初めて驚きで歪んだ。多分、学内で私しか見た事ないんだろうな~と思ったら嬉しくなった

    リオの変化が面白いので私は少しだけ頑張る事にした。自分の作ったものの力でリオの研究が進むのなら、それもいいなと思えた



    私は油断していた

  • 101八尾ミア24/08/23(金) 00:17:38

    ■■■■スクールにて爆発事件が発生しました

    火元は学生が作成したロボットが原因と予想されています



    こちらは現場からの映像になります

    校舎は倒壊し、まるで割れた板チョコのようにポキリと折れています


    原因は実験室に配備されたロボットのバッテリーが過充電により発火・爆発し、近くに配置されていた他のロボットにも連鎖反応で爆発したと考えられています


    現場の負傷者の数は2人

    dice1d3=1 (1)

    1.どちらも命に別状はないとのことです

    1.内1人は意識不明の重体です

    2.2人とも意識不明の重体です

  • 102八尾ミア24/08/23(金) 00:28:10

    目が覚めたら春が来て、私の体は包帯でベッドに縛り付けられていた
    自分の手が3倍になったんじゃないかと思えるくらいに包帯をグルグル巻かれていて、指の一本すら動かせない

    ……いや、違う。包帯のせいじゃない。手の先の感覚があまりにも薄い
    指が動いてる気がしない。手のひらに触れているのものが分からない

    私の手は麻痺していた
    それはもうこの手でリオの為に何も作れない事を意味して………






    違う。私の手が作っていたのは…………


    リオ「ミア!?……貴方……起きて……!!」

  • 103八尾ミア24/08/23(金) 00:37:56

    リオの声で思考は現実に引き戻される

    リオ「やっと意識が…………!!」

    その目には薄っすら涙も浮かんでいた。真っ先にリオも泣く事があるんだとも思ってしまったのは流石にすぐ反省した

    リオ「体は大丈夫なの? どこか違和感はない?」

    "手が動きません" その一言が出なかった
    言ってしまったらリオとの関係が終わってしまうような気がして。だから背中に少しだけ違和感があると適当に答えた

    リオ「…………貴方の手、動かないんでしょう?」

    読心術かな?

    リオ「大丈夫よミア。私は決して貴方を見捨てたりなんてしない」

    読心術にしては心を読みすぎじゃないですか? 私ってそんなに顔に出るタイプじゃなかったと思うんですけど

  • 104八尾ミア24/08/23(金) 00:48:56

    でも役に立てる気はしないですし私達の契約はここまでいいですよ
    体の状態はあんまり分かってませんけど、病院送りになったんだから流石に期末試験1回分逃したからって文句言われないでしょう?

    リオ「…?ミア……なにを……?」

    何をって………リオにテストの点数を操作してもらう約束のことですよ
    流石に1年生の期末試験を1回受けなかったから2年に上げないって事はないと思うんですけど…………

    リオ「 !? 」
    リオ「いや、そんな……………でも、あの時の事を覚えてないなら…………」

    なんですか? 私達の仲なのに隠し事ですか?
    別にテストの点数をいじれなくなったならそれはそれでいいですよ。私の方が約束破っちゃったみたいなものなんで

    リオ「…………ミア。目覚めたばかりとはいえ、貴方の体は万全じゃないわ」
    リオ「貴方が目覚めた事を担当医に伝えてくる。今は……もう少しだけ休んでおきなさい」

    ………と言われてもさっき起きたばっかりだし眠くないんですけど
    それでも私を心配しての言葉だって分かりますし……仕方ないですね

  • 105八尾ミア24/08/23(金) 01:00:48

    私が目覚めたから治療を再開するとは翌日の話
    ベッドごと連れていかれた部屋は人間を治療するというよりも、ロボットの改造工場の様に見えた
    正直怖い。私の体をボロボロなので改造してサイボーグを作るとか言われても不思議じゃない。物々しい雰囲気が立ち込めていた


    しばらくするとリオと担当医が入ってきた
    え?これ本当にリオの研究ロボットにされるっていう展開だったりする?

    リオ「ここからは私1人に任せてちょうだい」
    医者ロボ「………分かりました」


    リオ「………ミア。今から貴方に新しい"手"を授けるわ」

    新しい手?

    リオ「貴方も分かっているでしょうけど………その両手、もうほとんど動かなくなっているのでしょう?」

    いや、包帯グルグル巻きすぎて分からないですって

    リオ「………」

    ………はい。嘘つきました。なんとなくですけど分かります
    肩とか肘は動くんですけど、手首から先は……

    リオ「………そうね。それは私の責任だわ」

    へ? なんで?リオが私の手を潰す理由なんてないじゃないですか

    リオ「だからこそ私に、貴方の新たな"手"を作らせてほしいの」

  • 106八尾ミア24/08/23(金) 01:10:33

    新しい"手"………義手とかロボットアームとか?
    でもリオって工作できましたっけ? 私より下手だから私に手伝ってほしいって声をかけてきたんじゃないですか

    リオ「………そうね。そうだったわね」

    リオ?

    リオ「…………」
    リオ「貴方が少しだけ眠ってる間に、私も少しは勉強したの。いつか目覚めたら私が必ず用意する為に」

    今時そういうのって高いですけど売ってるじゃないですか
    いいんですか? その調子だと千年問題も終わってないんでしょう?

    私の事は放っておいて、リオはリオの夢の為に進んでくれた方が私は嬉しいですよ?

    リオ「………!!」
    リオ「……………………そうね。その言葉が嬉しかったし悲しかった。少し楽になったし怒りも覚えたわ」

    ?前にそんな話しましたっけ?

    リオ「…………いいミア?今から貴方に言う言葉はこれから先、絶対に何度も伝えるわ」
    リオ「だから………絶対に忘れないで」

  • 107八尾ミア24/08/23(金) 01:24:26

    リオ「何もやることが思いつかないなら、これから先もずっと私の助けになりなさい」

    リオ「私は絶対に八尾ミアに役目を与える。例えベッドの上でしか生きられなくても絶対に貴方が進む道は私が用意してあげる」


    …………


    リオ「生きる目的がないならこれからは私を生きる目的としなさい。貴方のこれから行う全てを私が利用してあげる」

    リオ「何も分からないならいくらでも……それこそ千年難題以上に課題を用意してあげる」


    …………


    リオ「そして………貴方は独りじゃない。これから先もずっと……私は永久に八尾ミアを見捨てたりしない」

    リオ「貴方を裏切るような真似をしている様に見えるかもしれない。嫌い嫌われるような行動を取るかもしれない。だけども、決して独りにはしない」


    …………


    リオの好感度

    dice1d100=44 (44)

  • 108八尾ミア24/08/23(金) 01:34:32

    ………私、知らないうちにリオを何か怖がらせちゃったりしました?

    リオ「………違うわ。怖がってしまったのは私が悪いの」

    あー……やっぱり。だから何か距離を感じるというか、ちょっとよそよそしいな~って思ってたんですよ

    多分言葉をすっごく考えてくれたんだと思いますけど、リオは普通に喋ってた方が気持ちが乗ってるし、表情も変わってない様で変わってるから分かりやすいですよ?

    リオ「そんなこと……!」

    分かりますって。1年近く………いや、正確には半年ちょっとかな?
    リオの事を知ろうと見てきたんです。無理してるかどうかなんて分かりますよ

    リオ「…………」

    はいはい。じゃあ私はリオの助けになればいいんですよね? リオを怖がらせちゃったことですし素直に従いますよ
    でもリオに言われたからじゃないですからね?

    何もやることがないからリオの手伝いをしたいだけですし、夢がないから代わりにリオには夢を叶えてほしいだけですし
    独りにするのは………まぁ物理的に私がリオを探すようにしたら最低限2人になりますよ

    だから手始めに…………私の新しい"手"とやらは、私以上にしっかりリオが使ってくださいね?

  • 109八尾ミア24/08/23(金) 01:50:07

    <手術1日目>


    リオに頼んで日誌を取ってもらう事にした。私は手術用のベッドから動けず、手術はリオに任せっきりなのでやる事といえば寝て起きるしかない

    流石に暇すぎるからとリオに頼んで日誌を用意してもらった


    リオ「何故日誌を?」


    せっかくリオが私の為に頑張ってくれるんだから記録に残したくって。勿論書くのはリオですからね。私は手動かせないですし

    記録に残したいって言ったらちょっと照れた部分も書いてくださいよ




    <手術2日目>

    そういえば期末試験は事故で免除が許されるとしても、次の学期末のテストはどうしたらいいんだろう?

    リオは私の手術で忙しいし、テストのデータの操作も無理では?と聞いたらもう終わってるらしい

    手回しが早いというか、不測の事態に備えているというか………頼りになりますよ本当に



    <手術5日目>

    今日は背中に麻酔をかけて、アームの基盤みたいなものをつけるらしい

    これを付ける事によって実際の手を動かすようにアームを動かせるのだとか


    ただ麻酔以外にも温度調整が問題らしく、空調を調整するも汗を拭いたり寒がる私を気にして中々作業は進まず、先送りに

    日誌の側に置かれたカレンダーを見る。もう6月を迎えていた


    続きは秋になるかもしれない。私は問題ないが、リオの研究を止めてしまっているという事実は申し訳なく思った

  • 110八尾ミア24/08/23(金) 02:01:37

    <手術10日目>


    カレンダーがめくられ9月……つまり秋の訪れを示す

    念願の秋が訪れたので、とうとう基盤設置の手術にとりかかる


    正直怖い。ってリオに書かせるのは申し訳ないけど怖いものは怖い

    因みに人でやるのは初めてらしい。当たり前だ。こんなもの私だってロボットでしかやらない


    やっぱり私ロボットだったりする?って言ったら頬をむにゅむにゅされた……人が動けないからって………

    とりあえず臆しても仕方ない。明日の手術を迎えるまで、眠る事にしよう




    <手術12日目>


    リオ曰く無事成功したらしい。実感が全くないけど

    こういう時、背中を触って確認したいんだけどな~……って言ったらリオに止められた


    今は脳の電気信号の処理の調整をしているらしく。触ったら危ないのだとか

    仕方がないので今日も今日とて眠ることにしよう


    今の時期はもう寒いんで羽毛布団とか用意してくれると嬉しいです



    <手術15日目>

    ……まだ終わらない。デリケートな部分だから仕方ないとリオは言うけど暇なものは暇である


    何か楽しい話をしてといったら千年難題の進捗について話しだした………中途半端に知識を持っているのでちょっと面白かったりする


    ……あぁ、それと寝る前に1つ。そろそろ夏布団に変えてほしい。流石に暑い

  • 111八尾ミア24/08/23(金) 02:12:09

    <手術18日目>

    私はこの手術を甘くみていたのかもしれない。危険性はあっても正直すぐに終わるだろうと高をくくっていた

    だが現実はどうだ? ようやく接続するアームの準備が整ったところである


    …………そらリオも主席合格が確定するわな。因みに私も合格が認められたらしい

    テストの点数を操作してもらった私が言うのもなんだけど、ガバガバすぎない?



    <手術20日目>

    悲報。睡眠薬が効きづらくなる

    当たり前だ。5年も使えば耐性もできる。というかよく5年も持ったな


    ただ最近はそんなものに頼らなくても眠る技術を手に入れた。今も眠ろうと思えばすぐに眠れる


    ………そういえばリオ。今って何月だっけ?4月?

    授業を受けなくていいとしても流石に卒業式くらいは出たら?


    へ?もうでた? 昨日?………あぁ、それ私の卒業証書?

    私が貰ってこいって言った?………言ったかも。一応中学受験で使えそうではあるし


    …………まぁ受ける中学がないんですけどね

  • 112八尾ミア24/08/23(金) 02:23:05

    <手術21日目>

    ねっむい…………へ?リオが首席で合格確定?おめでとう

    じゃあどうせならリオの新しい制服姿を見せてよ


    ………私が起きてる時に


    <手術22日目>

    …………なんか焦ってたりする?………ふわぁ…………


    ………で、リオ………学校は?

    …………へ? まだ2月?これは失敬……



    <手術23日目>

    ……………ん………ん?

    あぁ、夢を見ただけ。リオが病室に遊びにくる夢

    ……夢じゃない? そうだっけ……か…………


    カレンダーは………8月か。夏休みか


    <手術23日目>

    ………なんで私、ここにいるんだっけ?

    …………リオ。また、日誌を読んでくれない?


    カレンダーは………11月か。中途半端……


    <手術23日目>

    リオ………今、何月?………2月? 私……今何歳だっけ?……………ごめん。ど忘れしちゃって………


    ……………そっか、私も今年。中学受験の年か

  • 113八尾ミア24/08/23(金) 02:35:31

    <手術■日目>


    24日かけて八尾ミアの記憶の混濁化に成功した

    これで明日から「ミレニアムのロボットアームの臨床試験に成功した日」から新しい人生がスタートする


    ありとあらゆる失敗にも備えた。万が一、目覚めたミアにおかしな所があったとしても対応できる。ミアの精神にどのような変化が起きるかは予測不能で、時にはミアを嫌う必要があるかもしれないが……ミアの為なら仕方ない


    別の道があったのかもしれない。もっと上手くやれたかもしれない

    だけど、ミアがまた目覚めなくなってしまうと思うと手段は選んでいられない。私にはこれ以上、壊れていく彼女の手を見る事はできなかった



    明日はインターネット上に存在する八尾ミアに関する全ての情報を改ざんする。万が一、ミアがあの日の爆発事件を……そして”その後の事件”を思い出さないように



    真実を隠し、管理しきる為に

  • 114八尾ミア24/08/23(金) 02:37:23

    今日はここまでです 唐突に始まった過去編ですが、次回は>101と>102の間のお話になります

    ……………パヴァーヌ終わるかこれ?

  • 115二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 02:40:31

    情緒が崩壊する、反転しそうだ…
    起きてしまった過去だしアリスは救えたとしてもミアとリオの心はどうしようもないんじゃないか?

  • 116八尾ミア24/08/23(金) 02:56:43

    終わった後だけど振り忘れてたので


    復旧作業(62/100)

    dice1d38=14 (14)

  • 117二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 03:32:03

    途中でおかしいとは思ったけど、やはりミアは数年間意識不明だったんだな、本人は気づいてなかったけど
    体の貧弱さは、すぐバテるとは言え50m走を一応走れてたのに今では機械頼りなのも長年身体を動かせなかった後遺症もあるのかもね
    つまり彼女は実質数年、長くても10年しか生きてないのにこれだけの能力を持ってるのか、リオと同じ年月勉強できてればヒマリやリオに劣らない逸材だったんだろうな、事実6歳時点ではリオの思考を先読みして開発してるし
    同学年のはずなのにヒマリが後輩と呼んだのも引っかかってたけど、ひょっとしてこれを知ってたのか?
    記憶の混濁は目覚めた時以外はリオが仕掛けたのもあるのだろうけど、やはり本人が記憶に蓋をしたいような何かがあったのか?

  • 118二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 07:07:25

    初対面の時の無理矢理な感じリオお前ぇ…ってなったわww

  • 119二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:52:47

    思ったんだけど、アームのメンテナンスってわざわざリオがやらなくてもエンジニア部とかでもいいよね
    それをわざわざリオが毎回やってるのって、ひょっとしてこのアーム、義手としての役割だけじゃなくて記憶を封印する装置の役割もあるんじゃないか
    だからリオ以外に触られてそれが発覚してミアの記憶が戻されないように毎回自分がメンテナンスしているとか

  • 120二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 11:17:16

    神経接続してるし脳に働きかけるかなんかで記憶を混濁させてるから誰にも診せられないと思う

  • 121二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:02:33

    これ記憶戻ったらどうなるの?心の死?それとも自殺?最悪テラー化?

  • 122二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:11:02

    つまり小1から小6までリオと一緒にいたけど、事故のせいでその間の記憶がなくなって小1までの記憶しかないってこと?

  • 123二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:20:43

    現在のミアと事故以前のミアがほぼ別人なのがもうね
    描写を見るにトキとかエイミに近い無気力系だし…

  • 124二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:51:52

    >>108

    リオを分かりやすいとか言えるのコイツかヒマリだけだよ多分

  • 125八尾ミア24/08/23(金) 22:27:24

    こう昼間に多くの反応をもらえるなら昼間に更新したいのですが、次の休みは月末なので………再開します



    ~~~~~~~~~~~~~~~


    目が覚めると知らない天井だった………いや、違う。いたって普通の天井だ

    周囲に設置されているものから、ここは病室なのだろう


    体を起こして周囲を見渡す。清潔感のあるベッド。小さなテレビ。カーテンがかかったままの窓。そして隣のベッドで眠るミア


    そして薄っすらと蘇る記憶。そうだ、私はいつものようにミアが待つ研究室に入ろうとしたら、部屋が吹き飛んできたんだった



    隣で小さく寝息を立てているミアをしり目に自分の荷物を確認する。誰かが持ってきてくれたのだろうか、私のタブレットがあったのでまずは日付を確認

    最後の記憶からは1日も経過していなかった


    次はそのまま母校のニュースを調べる。あの瞬間、何が起きていたか知ることは重要だ



    今の時代、こういう情報は少し調べればすぐに出てくる……………爆発事件(>>101)

    この事件のせいで私達は病院のベッドにいるのだと実感するのは、頭に巻かれた包帯から血が滲んでいる事に気づいてからのことだった

  • 126八尾ミア24/08/23(金) 22:42:35

    次の日。私は普段の起床時間に目が覚めたが、ミアは目を覚まさなかった
    ただ、ミアの頭には包帯が巻かれていない。布団の中までは分からないが、重症の様にはとても見えない

    あまり勤勉というタイプでもないミアは普段から睡眠時間は長いのかもしれないと1人で納得していると担当医が巡回にやってきた
    頭に少し傷を負ったが、それほど深い物ではない。簡易的な検査を行って1週間もしない内に退院するだろうと医者は笑って答えてくれた

    では隣にいるミアはと問うと、こちらも問題ないらしい
    頭を怪我した私に対し、ミアは手を怪我していたがこちらもそこまで酷いものではなく。安静にしていれば退院時期は同じくらいになるだろうと伝えられた

    ただ、外傷が酷かったので怪我が治るまでは手を使うのは禁止。君からも言い聞かせておいてほしい
    そこだけは念を押された………私が寝ている間に一度起きて、ミアが手を動かしたがったのだろうか?

    そういえば最近のミアは事前に試行実験に使うロボットを用意してくれることが増えた。千年難題を私が勧めたがっていると思って準備しようと考えているのかもしれない
    でもいくら私でも病院で実験の続きを進めようなんて思わない。少なくとも続きは2人で退院してから。ミアが目覚めたらそう伝えよう

  • 127二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:52:46

    リオ視点だ!

  • 128八尾ミア24/08/23(金) 22:52:46

    とは言っても暇ではある。眠っているミアを起こすつもりもない
    手元のタブレットは先ほど調べた爆発事件の記事を映したままだったので、私はなんとなく事件について調べてみる事にした


    バッテリーの過充電が原因………となるとミアが用意してくれた試作機が原因なのは間違いないだろう
    誰にだってミスはある。むしろこの事件が起きたのは私のせいだ

    ミアの技術を求めたのは私だ。ならば道具の不備、作業環境、不測の事態への対処……全てに備え、万全の状態で作業に取り組めるようにするのは私の義務である
    もちろん。普段から心がけていた。バッテリーも常に新品に近い物を使っていたつもりだったが……私が甘かったらしい

    ミアが起きたら謝ろう。ひとまずタブレットの画面を消してミアの起床を待つ。たまにはこういう時間も悪くない
    せっかくの機会だ。ミアについて色々聞いてみようか等と考えていると

    ミア「…………んぅ?」

    彼女の目が開かれた

  • 129八尾ミア24/08/23(金) 23:07:53

    ミア「………リオ?」
    ミア「んん……くぁ~!…………いつから人の寝顔を覗き込むのが趣味になったんですか?」

    目が覚めたミアは事故の影響も感じさせないくらい普通だった。だけど病院といういつもと違う環境下では、その普通が少しだけ嬉しかった

    ミア「…………ん?あれ?手が………」

    手を動かそうとしているミアを制して事情を説明する。手を怪我してるから安静にすること。我慢すれば1週間で退院できること。それまでは私がミアの手の代わりに手伝うことも付け加えた

    ミア「リオが?………千年難題以外に何の興味もないリオが?…………それが頭を打った後遺症だったりします?」

    ………確かに千年難題は大事だが、そこまで言われるのは流石に心外だ

    ミア「冗談ですよ。………リオがそんな風に言ってくれて嬉しいです」
    ミア「そして早速なんですけど………ナースコール押してくれません? 手がぐちょぐちょ過ぎて気持ち悪いんです……」

    仕方ないわねと言ってナースコールのボタンを代わりに押す


    程なくして現れたナースの手には、私の頭に巻かれている三倍以上の量の包帯が乗せられていた

  • 130八尾ミア24/08/23(金) 23:18:51

    ナース「では包帯の交換をしますね」

    ミアの掛け布団がめくられる
    そこには手首から手先まで、血で真っ赤に染まった包帯が何重にも巻かれていた


    ミア「痛っ!?………リオ!気を紛らわせるために何か楽しい話して!!」

    この子は手をお笑い芸人か何かと勘違いしてるのかしら?

    ミア「い゛っっ!?!?………いいから!せっかく起きてるんだし早く!」

    …………私の知り合いの澄んだミネラルウォーターを名乗る子の話なんだけど

    ミア「リオって私以外にペットボトルしか友達いないんでででででで!!? ナースさん!優しくお願いします!」

    ナース「もうちょっとで終わるので我慢してね~」

    ミア「リオ! リオからも何か言って!!」

    ミアがそこまで大声を出すなんて……珍しいわね

    ミア「私の研究なんてしなくていいんですよ!! ぎゃああ染みる染みる染みる染みる!!!」

  • 131八尾ミア24/08/23(金) 23:33:33

    痛みと格闘すること数分。ミアの手には新品の包帯が巻かれている
    ただ傷が治りきっていないのか、こちらからは既に血が染み出している場所もちらほら見えた

    ミア「…………死ぬかと思った」

    さっきのナースの人に聞いたけど、傷口が閉じるまでの間は1日4回交換しないといけないって

    ミア「それは………普通に叫び疲れて死にそう」

    ………そっちはたしかに死活問題かもしれないわね

    ミア「もうこのままで良くないですか?ちょっと気持ち悪いくらい我慢しますし」

    血が止まらなくなるからやめなさい。それに朝起きたら貴方のベッドが血塗れになってたら、また事件かと思っちゃうわ

    ミア「………じゃあ今度こそ面白い話を考えておいてくださいよ」

    善処するわ

    ミア「…………ふふっ」

    ……どうかしたの?

    ミア「リオと技術とか数学的な話以外をしたの久しぶりだなって」

    それは………そうね。つまらなかった?

    ミア「いや? もしもつまらなかったら、あんな部屋でずっと一緒にいないですよ」

  • 132八尾ミア24/08/23(金) 23:46:31

    ミア「しぬしぬしぬしぬ!! リオ!」

    昔々あるところに、おばあちゃんみたいと呼ばれると「この超絶清楚で病弱美少女の……

    ミア「主人公の名前よりも設定が長い長いたいたいたいたい!?!?」

    ~~~~~~~~~~~~~~

    アバンギャルド君。オイルを100cc分けてください。さすれば鬼退治についていきましょう

    ミア「世界観がおかしくない? 後アバンギャルド君って誰!?」

    ミアがいつも作ってるロボットの事よ

    ミア「え!?アレそんな名前だったのぉ~!?おぉおぉぉ!?!?そこは染みるから優しく……!」

    ~~~~~~~~~~~~~~

    こうして見事アヴァンギャルド君と天才(略)ハッカーは鬼から取り上げたCPU。メモリ。マザーボード、HDD………

    ミア「鬼の自作PCでもバラしたんですか!?………え?まだ右手しか終わってない? 嘘!?」

    めでたしめでたし

    ミア「今から左手の包帯交換が始まる私は何もめでたくないんですけど!?」



    こうしていると。私達は年相応のただの少女でしかなかった。それが新鮮で楽しかった

  • 133八尾ミア24/08/23(金) 23:59:18

    だけどそんな楽しい時間もすぐに終わる。私の頭の包帯は予想以上に早くとれ、ミアを残して退院できるようになった

    本当はミアと一緒に退院したかったが、病院の迷惑になるのはこちらの意図するところではない
    1人では作業も進まないので毎日お見舞いに来ることを約束し、研究環境を整えるために私は病院を発った


    当たり前だが母校……正確には母校跡地は閉鎖されていた
    今は近くの同じくらいの大きさの建物に学校を移している最中らしい

    だけど私には目的がある。それは出来る限りの研究資料の回収
    あまり期待はしていないが、少しでも残っていれば後で必ず役に立つ

    立ち入り禁止のテープをくぐり、私は事件現場……もとい研究室に数日振りに帰ってきた

    当然だが、黒板もパソコンも、メモもメモリーカードも全てが消し飛んでいた
    僅かに私達がいた事を証明するのは、全てが瓦礫の山に埋もれてしまっていた

  • 134八尾ミア24/08/24(土) 00:12:01

    ……これからは今まで以上に気を付けよう。また同じ事を繰り返さないように
    そう固く誓った。その時だった

    『…………』 キラリ

    瓦礫の中で何かが日の光に反射してわずかに輝く
    用意したドローンで瓦礫をどかすと、中からは動かなくなった試作機が出てきた

    見た目はボロボロ、足の部分は破損し、回路も露出されていた

    事件現場にあった試作機は事件の検証の為に回収されたと思っていたが、1体だけ瓦礫の中に埋もれて今日まで見つからなかったのだろう。僥倖だ


    私にはどうしても気になる事があった。それは事件から目覚めて最初に見たニュース

    『原因は実験室に配備されたロボットのバッテリーが過充電により発火・爆発し、近くに配置されていた他のロボットにも連鎖反応で爆発したと考えられています』

    二度と間違いを起こさない為にも、何が悪かったのかを調べなおすべきだろう
    私はこっそりとドローンに試作機を運ばせて、自室に持ち帰った

  • 135八尾ミア24/08/24(土) 00:30:24

    検証の前にミアの病室を訪れる。事件の事も大事だが、それよりも今はミアの無事の確認の方が優先される


    ミア「リオ?……あぁ、お見舞いですか。ありがとうございます」


    ミアの手を見る。あれほど真っ赤だった包帯も、今や真っ白で清潔そのものだった


    ミア「後2日ですって。明日1日包帯を取ったまま様子を見てみて、問題なければ退院です」

    ミア「だから……もうすぐ………退院です」


    退院は喜ばしいことだ。なのにミアの表情は暗い

    何か気になることがあるのなら言ってほしい。力になれるかもしれない


    ミア「…………怖いんです。包帯越しでは何度も見ているんですけど、ここに入院してから自分の本当の手をまだ見てないんです」

    ミア「最初に目覚めた時。医者から外傷が酷すぎて見るべきじゃないと止められて………私、何をしたんでしょうかね?」


    ミアの真っ赤に染まった手は記憶に新しい。私の目から見ても少なからず恐怖を覚えたんだ。当人のミアは私よりも怖いのだろう


    ………明日、包帯を外す時間になる前に私を呼んでほしい。気づけば口に出していた


    ミア「リオを? 包帯を外す時間って朝ですよ? 別に外してからでいいですって」

    ミア「大した事イベントじゃないですし、私の事を気にしているなら猶更です」



    ミア「私なんかの為に立ち止まるよりも、リオがリオの夢の為に進んでくれた方が私は嬉しいですよ?」


    dice1d2=1 (1)

    1.そこまで言うなら……

    2.それでも行きたい

  • 136二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 00:31:38

    この時はすぐに目覚めてたし手も動いてたのか
    この後何が起こるんだ?というか爆発の原因は本当に過充電?
    詳しくないけどたかがバッテリーの過充電で校舎が折れる程の爆発が起こるものなのか?

  • 137二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 00:33:37

    >>135

    あ、ああ、…何となくだけどこの選択肢めちゃくちゃ重要な気がする

    しかも何故か最悪の択を選んだ気がしてしょうがない

  • 138八尾ミア24/08/24(土) 00:38:29

    ミア「うんうん。分かってくれてなにより」
    ミア「私も退院したら、またリオのお手伝いを出来る様に頑張りますから」

    それは……しばらくは遠慮する。問題がなくてもリハビリをする期間だって必要だ
    試作機がなくても計算は続けられる。ミアが万全になってから……また二人で始めましょう

    ミア「………まぁ、リオもさっきは引き下がってくれましたし。ここは私が折れましょう」
    ミア「……面会時間も終わりです。昼過ぎに包帯を外した私を見に来る分には問題ないですからね」

    そうね。ならまた明日

    ミア「はい。また明日」



    私はここから先の行動全てを後悔することになる

  • 139八尾ミア24/08/24(土) 00:46:03

    自室に戻って回収した試作機を調べる。明日の早朝に病院へ向かうなら少し早めに眠って体調を整えるが、ミアはそれを求めず私の夢を応援してくれた


    私の夢。千年難題を解き明かすこと。その為にはこれからもミアが不可欠だろう

    そしてそんな彼女を二度と私の準備不足なんかで不安にさせてはいけない


    報道ではバッテリーの過充電が原因だとされていた。壊れた外殻を外してバッテリーを確認する



    dice1d3=3 (3)

    1.バッテリーは私が用意したものではなかった

    2.バッテリーに何かが付着していた

    3.バッテリーは無傷だった

  • 140八尾ミア24/08/24(土) 00:58:14

    おかしい。バッテリーによる火災・爆発が原因にしては原型が残りすぎている
    そのままバッテリー周辺。そのまま内部回路を調べる。火災で焼き切れてしまった箇所も多く見つかったが、原型を保った部分も多く見つけられた

    内部から発火したのであればこの様な結果には絶対にならない………まさか火元は外部?
    だとすると報道が間違っているという事になる。試作機を回収しての判断だ。私程度が気づいたことにも気づくだろう

    となると………外部の手で検査結果が書き替えられた?それとも検査をした者が隠蔽した?

    私はいい。怪我は軽傷。計算記録は燃えてしまったが、頭の中に残っている。
    だがミアはどうだ?血で赤く染まるほどの外傷。彼女の成果は全て燃え、今日も自分の手を見る恐怖に怯えていた


    ………私の責任だ。もし外部から発火であるならミアの試作機は何も問題ない
    だからこそ調べないといけない。この問題の真の悪を、二度と同じ悲劇を起こさないように




    『………なんですかこんな時間に。リオ、夜更かしはお肌の天敵だという言葉を知らないのですか?』
    『はい? 急ぎで?…………なにやら事情があるようですね。それならこの天才病弱ハッカーに任せなさい♪』

  • 141八尾ミア24/08/24(土) 01:12:19

    ヒマリにアクセスしてもらったのは当時の学内の監視カメラの映像。跡形もなくなってしまった監視カメラではなく、セキュリティ会社のビッグデータにアクセスして探し出す


    科学技術を専攻とする学校のセキュリティを任されている会社だ。そんな会社に不正アクセスしようものなら大抵のハッカーはすぐに足が着く



    ヒマリ『でもそこはこの私ですから♪………勿論、事情を聞いていなければこのような事を絶対にしませんがね』


    やはり頼りになる。ミアには互いに良き同志であってくれると嬉しいように、ヒマリにはこれからも互いに良き理解者になっていきたいと思う


    ヒマリ『褒めても何も出ませんよ♪…………はい。お待たせしました。事件当時の映像データを抜き出せば良いのですね?』

    ヒマリ『……………!!』


    何か見つけたの?


    ヒマリ『……そうですね。見つけたといえば見つけました』


    ヒマリ『ですがこれは………』


    悪意

    dice1d100=23 (23)

  • 142二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 01:12:51

    確か後に目覚めて記憶が混濁してた時は半年の付き合いとか言ってたから、この時点でリオ、ミア、ヒマリは全員6歳、すごい一年生達だな、とても昨年まで園児服着てた連中の精神じゃない

  • 143八尾ミア24/08/24(土) 01:23:13

    ヒマリ『…………あぁ、なるほど』
    ヒマリ『………………リオ。許すか許さないかは貴方に任せます』

    任せる?


    ~~~~~~~~~~~~

    『……………』(研究室の窓の外にドローンを使ってゆっくりドラム缶を運んでくる生徒)

    『……………』(一般販売されている掃除ロボットを持ち運んでくる生徒)

    『…………ここか? あの調子に乗ってる1年がいるっていう部屋は』

    『……うん。今も中にいるって………でも本当にやるの?』

    『大丈夫だって、ちょっと部屋の中を爆発させて驚かせてやるだけさ』

    『で、これが爆薬? にとろぐりせりん?』

    『保管庫にあった中から爆発物危険って書いてたものを持ってきたんだ。中の液体をかけると爆発するんだろうぜ』

    『……怖くない?』

    『だから、そういう危ない事はドローンにやらせるんだろ? ほら、早く隠れるぞ!』

  • 144八尾ミア24/08/24(土) 01:32:22

    ドローン『………………』(ドラム缶からニトログリセリンを取り出そうとする)


    (ドラム缶の上に僅かにこぼす)


    (監視カメラの映像が途切れる)


    ~~~~~~~~~~~~

    ……………

    ヒマリ『………並行して、今映っていた生徒の身元についても調べました』
    ヒマリ『片方はこの地域の有力者の家系。証拠の揉み消しくらいは容易いでしょう』

    …………そう。ミアは何も悪くないのね

    ヒマリ『………リオ、貴方も何も悪くありません』

    いいえ、彼女達の会話内容は……明らかに私の事を指していたわ

    ヒマリ『ですがリオの名前が出たわけでは……』

    ならあの子が悪いって言うの!?

    ヒマリ『そ、そういうわけでは……!』

    !!……怒鳴ってごめんなさい。ありがとうヒマリ

  • 145二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 01:37:27

    そりゃリオ達が異常なだけで6歳でニトログリセリンがどういうものかなんて知らないよな
    というかそなものドラム缶で管理するな、悪意なくても100%爆発するわ!

  • 146八尾ミア24/08/24(土) 01:39:23

    ヒマリ『………これからどうするのですか?』

    ……全ては私の責任よ。明日、ミアにその事を謝るわ
    今回の事件の発端は試作機の問題だと言われているけど本当は違う。私の管理が杜撰だったからだと打ち明ける


    ヒマリ『この映像の二人はどうするのですか?』

    私は……決められない。この件で一番傷ついたのはミアなのだから。どうするかはミアが決めるべきよ

    ヒマリ『……分かりました。私はもう少し彼女達の動向を追う事にします』

    ヒマリ『リオ、貴方はもう眠りなさい。夜更かしはお肌の天敵と先ほど言いましたが、疲労だって残ります』
    ヒマリ『明日、その大事なミアさんとやらにダラしない顔をして謝るつもりですか?』

    ………そうね。そうするわ

  • 147八尾ミア24/08/24(土) 01:52:38

    ヒマリ『…………さて、では私はもう一仕事しましょう』

    ヒマリ『いくら地元の有力者とはいえ、ここは近年設立されたばかりの学校。好き勝手にするにも限度があります』
    ヒマリ『リオは何ともないような事を言っていましたが、一歩間違えれば………実行した生徒の悪意は小さくとも、その裏には大きな悪意が潜んでいるやもしれません』

    ヒマリ『ひとまず近くの建物から爆発当時の映像を探しましょうか。爆発後の映像が残っているかもしれませんからね』

    ヒマリ『建物の立地からしてこの建物なんかは………当たりですね』
    ヒマリ『…………ここから、後は爆発後に隠蔽を始める輩を…………?』

    ヒマリ『え……………中から…………?』



    寝床に入る。先ほどの映像が衝撃すぎてすぐに眠れそうになかった
    このままではヒマリの言う通り、ミアに心配をかけてしまう顔色になってしまうかもしれない

    少しでも気分を変えよう。見方を変えれば悪くない事もあった
    事件の原因は試作機じゃなかった。もし、ミアがニュースを見ていれば僅かでも気にしている可能性はある。それに犯人も分かった。ミアが怒っているのなら責任は必ず取らせることができる
    その為にも……今は眠ろう

  • 148八尾ミア24/08/24(土) 02:04:50

    翌朝。いつもと同じ時間に目覚める

    顔色は悪くない……と思う。病院の面会時間まではまだ時間があった
    ………退院祝いでも用意するべきだろうか?

    実際は今日の様子を見てからの退院だろうけど、ミアの様子を見る限り不安さえ取り除ければ退院できるはずだ
    なら別に今日でもいいだろう。問題は何を買っていくかだ

    食べ物は処理しきれない。本も読み切る時間はないだろう。服や小物のプレゼント選びのセンスは………ヒマリにダメ出しをされたことがある

    ならば何か製作していくのはどうだろうか?
    いくら退院できるとはいえ、手を使う作業で困ることが多いかもしれない


    そうだ。ロボットアームだ
    市販の物をミアのサイズに合わせて調整した彼女専用のアームを用意しよう。手が動かないならミアの代わりに、動くなら3本目の手として働くような

    だとすると時間は残された短い。急いで電気街へと走り出す
    少しくらい約束の時間に遅れてもミアは気にしないだろうが、私は気にする

    せっかくだ、退院祝いはこの手でしっかり渡してあげよう

  • 149八尾ミア24/08/24(土) 02:08:02

    ロボットアームの完成度

    dice1d100=79 (79)

    1~20.市販よりも悪化してない?

    21~50.市販そのまま

    51~80.サイズ調整だけ終わってる

    81~100.オリジナル商品としてだせるほど

  • 150八尾ミア24/08/24(土) 02:22:56

    約束の時間だ。周囲の迷惑にならないよう焦らず。それでもって急いでミアのいる病室の扉を開ける

    ミア「……リオ!」

    ミアの手の包帯は外れていた。久しぶりに見るミアの腕。いつも見るよりも少しだけ細くなったように感じた

    ミア「今のところは問題なしです。手のひらとかはまだ傷が完全に癒えてないんでちょっとだけ痛いんですけど」
    ミア「……で、その手に持ってる腕はなんですか? まさか……捥いできました?」

    そうだった。私はミアに今朝から急いで作ったばかりのロボットアームを見せる

    ミア「へ?これを私に?………もしかして私の手が二度と動かないと思って差し替えようの腕を……」
    ミア「違う?……へぇ。これリュックみたいに背負えるんですね。操作はどうするんです?」
    ミア「専用のヘッドセット………じゃあ病院では使えませんか。残念です」

    ミア「あぁ!勝手に持って帰ろうとしないでくださいよ! ちゃんと退院まで飾っておくんで」
    ミア「………ありがとうございます。退院までこれをリオの代わりだと思って大切にしますよ。後一日ですけど」


    どう言葉を返したかはあまり覚えてない。ただ準備してよかった
    この時はそう思っていた

  • 151八尾ミア24/08/24(土) 02:32:32

    本当に何気なかった
    ただ昨日から少し頑張りすぎたから休みたくて、ただお見舞いに来てすぐ眠ってしまうのはよくないと思ったから、音が欲しくて部屋にあったテレビをつけた

    ミア「テレビを見るのも久しぶりですね」

    何故?病院生活は暇じゃなかったの?

    ミア「だって私は今日まで手を使えなかったわけですし、リモコンの操作どころかテレビのオンオフすら操作できませんよ」

    なるほど。それは道理だ


    テレビの画面はワイドショーが流れており、先日の爆発事件の特集が行われていた
    詳細が大きくボードに表示され、事件についてあることないこと騒ぎ立てるもの

    そうだ、ミアに大事な事を伝えないといけないんだ



    ここからは私も詳しくは覚えていない
    詳細を思い出そうとすると、それを身体が拒否するように震えてしまう

    だからできるだけ詳しく話すつもりではいるけど、大事なところが短くなってしまうかもしれないわ
    ごめんなさい。


    ミア、貴方の手は私が壊してしまった

  • 152八尾ミア24/08/24(土) 02:43:40

    私は告げた。テレビの言う事なんて気にしなくていい。あの爆発事故の原因は貴方じゃない。ヒマリが見つけてくれた

    ミア「爆発事故……」

    事件の発端は私なの。好きなだけ恨んでいい。償える事があるなら何でもするわ


    ミア「事件の発端………あぁ………なんだ、やっぱりそうなんですね」

    ミア?どうしたの?

    ミア「あぁごめんなさいリオ。やっぱり私が………私のこの手がリオの未来を………」
    ミア「…………あれ?なんで壊れてないんだ? あの時、壊したと思ったのに」


    ガンッ!!


    鈍い音が響いた。私の目には何が起きているのかが分からなかった

    ミア「壊れろ……! 壊れろ……!! 壊れろ!!!」

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    ミア「いらない! リオの夢を奪う手なんて!! 消えろ!!!」

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!


    ただただ、目の前の光景が信じられなかった

  • 153二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 02:47:24

    何だ⁉︎何が起こっている⁉︎

  • 154八尾ミア24/08/24(土) 02:53:16

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    気づけばベッドは真っ赤に染まって。ミアの手は一本の線になって

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    私はただただ怖くて、声もあげられなかった

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    ミア「■■■!!!■■■!!!■■■!!!」

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    何を言ってるのかもう私には分からない。ただ自分の手を責めている事だけは分かった

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!

    なんでだ?どこからどこまで間違ったんだ?

    ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!


    ミア「ごめんリオ。私の手はリオを傷つけるからもう使えない」
    ミア「だから……古い手を使い捨てて新しい手を使って?」

    私が持ってきたロボットアームで赤く染まった塊を貫いた瞬間
    どこから間違ったのかは分からないけど、どこまで間違ったのかは分かった

  • 155八尾ミア24/08/24(土) 03:01:15

    目が覚めると知らない天井だった………いや、違う。いたって普通の天井だ
    周囲に設置されているものから、ここは病室なのだろう

    体を起こして周囲を見渡す。清潔感のあるベッド。小さなテレビ。カーテンがかかったままの窓

    つい最近同じ部屋にいた気がする。その時には隣に………あったはずのベッドは消えていた



    八尾ミアは再入院した。今度は精神病患者のいる病棟に

    病室の監視カメラの映像を見た医者は、ミアは爆発事件そのものにトラウマがあるのだと予測した

    そういえばそうだ。ミアは言っていた。手が動かせないんだからテレビを見ていないと

    ~~~~~~~~~~~

    ミア「最初に目覚めた時。医者から外傷が酷すぎて見るべきじゃないと止められて………私、何をしたんでしょうかね?」

    ~~~~~~~~~~~

    それにミアは事件当時の事を覚えていなかった



    ここまで考えれば猿でも分かる。余計なお節介でミアの傷口を広げてしまったのは
    紛れもなく私じゃないか

  • 156八尾ミア24/08/24(土) 03:07:13

    ヒマリ『リオ?聞いていますか? 例の爆発事件の件でお知らせしたい事が………』

    ヒマリ『実は爆破後の映像を見つけたのですが………爆発時点では教室内にいた生徒、つまりミアさんには大きな外傷はありませんでした』
    ヒマリ『恐らく研究室の壁が爆風を防いで大事には至らなかったのかと……ですがその後……』


    ヒマリ『………すごく言いづらいのですが、ミアさんは爆破を確認し、しばらくすると……校舎に自分の手を叩きつけ始めます』

    ヒマリ『とにかく自分の手を傷つけて…………見ていられないほどに』

    ヒマリ『その後、力尽きたのか。事故現場の教室内で意識を失いました』


    ヒマリ『………リオ?聞いているのですか?ミアさんについての大事な話ですよ?』

    ヒマリ『リオ? 返事をしなさい! リオ!?』

  • 157二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 03:10:28

    どうしたんだミア、爆発が自分のせいだと勘違いしたのか?
    後、これを聞き終わってからでいいから先生はリオをケアしてあげて、思った以上に多分リオはミアに負い目を感じてる

  • 158八尾ミア24/08/24(土) 03:19:53

    事件から1日が過ぎた、2日3日4日……1週間、1ヶ月、1年が過ぎても八尾ミアは目覚めなかった

    今日も目覚めないミアの病室を訪れる
    両手は暴られないようにミアの胴体よりも太く包帯が巻かれていて、中には拘束具もつけられている
    体はどんどん衰弱していく。最新の医療技術を尽くしても弱る一方で、私にはその姿が自ら死を望んでいる様に見えた


    1年ミアの病室を訪れるだけの毎日を続けていたせいで、爆発事故の映像データを残したまま、ヒマリには愛想を尽かされた
    今はよっぽどの事がなければ応答してくれないだろう

    当時のミアの気持ちが知りたくて、面会時間以外は映像を眺める
    警報の音でミアの声は聞こえないから唇を読む

    そこで見た事実もまた……私の罪を表すものだった

  • 159八尾ミア24/08/24(土) 03:34:15

    相手は私が狙いだった。ならば私が部屋に入ったタイミングを狙うのが道理だ
    現に私は頭を打って入院していたが……原因は爆発じゃない

    ミア「……! リオ!!」

    ミアだった。爆発の瞬間。部屋の外へととっさに私を突飛ばした
    そのまま廊下の壁に頭を打って気絶。これが私の怪我の正体だった

    ミア「一体何が……リオ? リオ!?」

    声は聞こえないけど何と言ってるかは分かる。もうお礼を言っても普通に聞いてくれないだろうが、事実が分かったのはヒマリのおかげだ

    ミア「なんで………爆発………私………」 

    ガラガラガラガラ!

    ミア「ッ……!!リオ……!!!」

    ここで間の悪い事に校舎の上階が崩れ落ちる。私を移す映像はここまで。今も生きてるという事は崩れたのは研究室の上の部屋だけだ
    でもミアはそう思わなかった

    ミア「リオ…………私が……………この手で………………」

    ミア「この爆発も…………私が…………作ったから?」

    ミア「なんで? なんで私の手の為に………リオの夢が?」

    ミア「……………………この手が…………リオを?」

    バァン!!

  • 160二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 03:44:59

    ミアは自分のせいでリオを殺した、傷つけたと思ってる訳だ
    病院で目覚めた時は爆発前後の記憶がなくてTVニュースを見て記憶が戻ったと

  • 161八尾ミア24/08/24(土) 03:45:28

    ねぇミア。私はどうしたらいいの?
    私の死をもって償えるなら今すぐそうしたい。だけど、そうするとミアの入院代を払う人はいなくなる

    私はミアの死を望まない。私のせいで苦しむというのなら、いなくなるべきは私の方だ


    バァン!! バァン!! バァン!!

    映像の中のミアは自らの手を血で染めていく。自らのに呪詛を吐きながら


    ミア。答えてちょうだい。私にできる事なら何でもする
    貴方は………どうすれば帰ってくるの?

  • 162八尾ミア24/08/24(土) 03:49:52

    ミア「リオ……これで大丈夫………貴方の未来を奪う手は………壊れました………」

    ミア「リオ……もし生きているのなら…………夢を叶えて……」

    ミア「私は……リオが夢に…すすん…………嬉しいか……ら………」



    映像が切れる間際のミアの口の動きがハッキリと見えた

    あぁそうだ。ミアはずっと言っていた。言ってくれていたじゃない

  • 163八尾ミア24/08/24(土) 03:57:56

    私の夢。それは千年難題を解き明かすこと。だけどミア。それは貴方なしでは絶対に無理よ


    例え手がなくても、足が無くても、どんな存在になっても貴方が必要なの



    だから……ミア、貴方を必ず私の側に連れ戻す。難しいのは分かっている

    もし奇跡的に目覚めても、またミアの手を傷つけてしまっては意味がない。元気な貴方が側にいないと意味がないの


    そしてもう二度と間違いは起こさない。全ての可能性に備えてみせる。そして……私の全てを捧げても貴方の全てを取り戻す



    雲をつかむような……いえ、星をつかむほどに難しいかもしれないわね。


    それでもいい。夢を追う私を求めるなら、そこにミアの姿が絶対に必要だから



    私は調月リオ。千年難題の解決を望み………星<ミア>を追う者

  • 164八尾ミア24/08/24(土) 03:58:32

    本日はここまで こんなに進みが遅いくせに後2話くらいで終わりとか言い出してたやつがいるらしいですよ!!終わらねぇよ!!!

  • 165二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 04:02:24

    リオとミアの本当の関係性が明らかになって…苦しい…苦しい…
    この手の問題は第三者に解決できるものではないからなぁ

  • 166二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 04:10:41

    ミアの中では爆発事故の爆発という事故の発端が抜け落ちて、倒壊事故って認識になってたのか
    そりゃ事故の発端の話題なんて出したら爆発を思い出して自傷するからリオも喋るなって釘を刺すか

  • 167二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 05:29:41

    なるほど、この世界線のリオは単に使命感から千年難題に挑んでるわけじゃなく、ミアが理想とした“調月リオ“でいる為に挑んでると
    そしてミアはそれを知らずにリオの助けになるべくリオに合わせられるようにリオの思考を真似ている
    お互いがお互いの呪縛となる、なんて美しい友情だ

  • 168二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:01:24

    これ好感度低いのは嫌悪というよりも恐怖が近いのかな?
    リオ以外の情報を隠しても、リオの全てを調べきられてしまえば事件が発覚してしまう。しかも自分が知らないところで
    だから冷たく突き放そうとして嫌うようにした

  • 169二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 13:40:20

    SSの最初の頃は帰って来なければいいのにとか呟いてたけど、ミアのストーキングで危うく秘密がバレる瞬間があったのかもね、それも多分複数回
    この状態のリオがミアを遠ざけてでもミアの命を守ろうとしたと考えると相当まいっていたんだろうからね

  • 170二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:39:51

    保守

  • 171八尾ミア24/08/24(土) 23:18:08

    今日は帰ってくる時間が遅すぎるし昨日4時近くまで起きてたせいでクソ眠いしで更新お休みさせてください……
    明日はお仕事が普段通りなら更新します……

  • 172二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:53:10

    お疲れ様です、明日楽しみにしています

  • 173二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 05:12:54

    保守

  • 174二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:10:56

    保守

  • 175二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:12:21

    やっぱ登場人物の内心分かるといいよね

  • 176八尾ミア24/08/25(日) 22:34:18

    やっと帰ってこれた。二日放置は嫌だし残りレス数も少ないしtipでも作るか → 雷で停電して全消え

    ということで普通に更新します!! 再開…………する前に!!


    復旧率(76/100) 24以上で……

    dice1d50=46 (46)

  • 177二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 22:38:33

    よすよす

  • 178八尾ミア24/08/25(日) 22:44:01

    聞こえる声に耳を傾ける。ずっと傾け続ける
    この声を知っている。だって何度も何度も側で聞いてきたから

    頭の中で囁く声が遠くなっていく。代わりに抜け落ちた欠片が詰まっていく
    ついじゅうしゃ……?だっけ?を操作する感覚が抜けていき、私を形作るモノが詰め込まれていく


    それは心の奥底から あふれるほどに


    きっと一度私が抜け落ちてしまったせいで、心の栓が外れてしまったのだろう。私はこの感情を封じる術をもっていたなかった


    まだ全てが戻ったわけじゃない。会長の話はまだ続く。しっかりと聞かないといけない。聞きのがしてはいけない


    だけど、それと同じくらい
    私は"私の手"というものを探さないといけない

  • 179八尾ミア24/08/25(日) 22:58:06

    ヒマリ「96……98………100%!八尾ミアの心が浸蝕に打ち勝ちました!!」

    "ならこれで……!"

    ヒマリ「はい。後はこのままミアさんの意識を覚醒させれ……ば………!?」

    ヒマリ「101……105………110………!!
    ヒマリ「これは………必要以上の変化が…………いえ、抑えられたものが解き放たれようとしている?」

    リオ「…………でしょうね。ミアを起こす為とはいえ、この事を知っているのは私だけ」
    リオ「少しでもヒントを与えれば辿り着くのに、確実な正解を私が伝えているのだから」

    ヒマリ「何を暢気な事言ってるんですかリオ! 貴方のせいでまた……!」


    "それでも伝えたかったんだよね?"


    リオ「……そう。こんな機会じゃないとミアは話の途中で自分の手を………だから最初から最後まで真実を聞けないだろうから」
    リオ「普段。貴方からの気持ちをもらってばかりだから………せめて今だけ、私の気持ちをそのまま受け取ってほしいの」


    ヒマリ「~~~!! 分かりました!今度は引き出したミアさんの記憶から守ればいいんでしょう?」
    ヒマリ「ですが、いつまでも耐えきれるものではありません。早く話を続けなさいリオ」

  • 180八尾ミア24/08/25(日) 23:11:50

    千年難題の解決を望み、星を追う
    そう覚悟を決めたのは小学3年生……9歳の春

    久しぶりに学校に向かう。1年も経てば昔の校舎は別の建物の建設予定地に変化しており、私が通っていた学校に、私の為の研究室は存在しなかった

    1年も学校に現れない生徒の為に教室をずっと空けておくわけにもいかない。当然だろう


    研究室がないなら学校に通う意味もない。そもそも小学生で学ぶ内容は1年生の頃に終えている
    それに今、私に必要な知識は普遍的な物じゃなく専門的なものだ

    数学だけではなく工学、脳神経外科学、看護学………覚える事柄はそれこそ無数にある
    そして学校ではそんなもの教えないだろう。それでは夢を取り逃してしまう


    ミアがいつ何時目覚めるか分からない。手遅れになってからでは遅い
    必要だと思う知識を全て頭に入れる。私はここから新たな夢の一歩を踏みだした

  • 181八尾ミア24/08/25(日) 23:21:38

    勉学に励み、面会時間が来ると精神病棟に向かってミアの様子を確認し、勉学に戻る
    そんな生活を3年続けると、神童としての調月リオは世間からは完全に消え去った

    使える道具は減った。若い頃からつば唾を付けておこうと融資を相談していた大人も消えたから金銭的な余裕は少しずつ失われていったが問題ない。中学にあがれば先物取引や株の勉強を始め、必ず成功させればいい


    そう、もう中学受験の季節がやってきた。私はもちろんミレニアムサイエンススクールの一貫校である中学校を受ける



    爆発事件から5年が経過した。ミアはまだ目覚めない

  • 182八尾ミア24/08/25(日) 23:32:48

    中学に入っても私がやることに変わりはない。日々勉学に励み、お見舞いに行き、また学ぶ毎日
    同級生に楽しいのかと聞かれた事もあったが……正直な所、少し楽しくはあった

    中学校では小学校の時と比べて使える機器や施設も増えた。しかもここはミレニアムサイエンススクールという最先端の技術を求めて集う者の集まり
    英語と算数なら英語の方が嫌いだからミレニアムに。みたいな生徒はすぐにふるいにかけられてしまう

    それゆえに中学の段階でも専門性の高い授業が多く執り行われている
    私はその全ての授業のBDデータを入手し、あらゆる情報を吸収していった


    そんなある日、私の元にミレニアムサイエンススクールから1通の通信が届いた
    それはミレニアムへの体験入学の案内だった

  • 183八尾ミア24/08/25(日) 23:46:43

    「3年間で学ぶ全てのカリキュラムを1年で全て履修しようとしている子がいるって聞いてね」

    私を呼びだしたのは当時のセミナーの会長の2年生
    あまりの知識の豊富さからミレニアムでは"全知"と呼ばれている

    「私も中学生の時は同じような事してたから気になっちゃって。千年難題に挑む生徒を探す為に作られた学校にしちゃあ物足りないよね」
    「調月リオちゃんだったよね? どうかな、私の研究室に来ない? 少し互いの成果の擦り合わせをしようよ」

    最初は冗談かと思った。確かに私は千年難題に挑む者ではあるが、それでも全知とまで呼ばれる先輩に発表出来る程の自信はなかった

    「……じゃあせっかくだから教えてあげる。今じゃ"セミナー"しか覚えてない、ミレニアムサイエンススクールの理念を」

    理念……

    「どんな研究もどんな思考も……どれも「7つの難題」に繋がるかもしれない過程であり手段。その可能性に繋がるかもしれないのであれば、全ての思考や実験は肯定されないといけない」
    「そしてそれらに優劣はない。…………研究室に来てくれるね?リオちゃん」

    もちろん。二つ返事で引き受けた

  • 184八尾ミア24/08/26(月) 00:10:23

    「リオちゃんはずいぶん医療科学の造詣が深いんだね。なるほど、そういう視点で見ると………ごめんね。ちょっとメモを取らせて」

    驚いた。
    ただの中学生である私の意見を受け入れ、学び、その上で私が意図していない所まで彼女は見抜いた

    「うんうん。こういう視点は珍しいかも……リオちゃんって医療科学に興味があったりするの?」

    ……全知と呼ばれる彼女なら何か解決策が分かるかもしれない
    手段を迷ってる時ではない。興味ではなく千年難題の解決と同じ夢がある。今もベッドの上で眠り続けているあの子を連れ戻す必要があると伝える

    「もしかしてリオちゃんの研究の試行実験が減っているのは……なるほどね」

    「うん。やっぱりリオちゃんを誘ってよかった」
    「じゃあ私が少しばかりリオちゃんの力になってあげようか!」

  • 185八尾ミア24/08/26(月) 00:37:24

    下心はあった。少しは目覚めるヒントが手に入ればと考えてミアの病状を説明した

    「じゃあこっちで色々準備しておくよ。私が在学してる間にはお友達の復帰を間に合わせるようにする」
    「治療室はこっちで用意して………医学系の研究をしてる子にも声かけておこうかな」
    「あぁ、後で医療従事者にも話を聞いておこう。トリニティには救護騎士団っていう有名な部があって……」

    だけどあまりにも都合がよすぎる。今日出会ったばかりでまだ中学1年生である私の……しかもまだ顔も名前も伝えていない友人にかけていい仕事量ではない

    近い将来私がミレニアムに入学し、セミナー所属になったとしても、その頃には先輩は卒業している
    いくら千年難題に挑む生徒が少ないとはいえ、費用対効果に見合わない

    私に何かを隠している?

    「そんな事はないよ。私はどんな生徒でも、助けを求められたら助けたいからね」
    「だってその子の研究が……"可能性"が消えてしまうんだよ? もしも私が取りこぼしたせいで研究が100年遅れたらどうするの?」

    「私は全ての研究者と求道者を愛している。セミナーの会長をやってるのもミレニアムで可能性を追う同志を守る為なの」
    「リオちゃんも覚えておいてね?」

  • 186八尾ミア24/08/26(月) 01:05:20

    ………ミアはミレニアムに入学できるか分からないです

    「ミアちゃんって言うんだね。大丈夫、そのお友達もきっとミレニアムに入学するよ」
    「リオちゃんの解法には明らかにミアちゃんの手が入る余地がある。リオちゃんがミレニアムに入学するならそこにはミアちゃんって子は絶対に必要だからね。なんともしてでも入学させるべきだよ」

    「それにもしも何らかの入学できないなら………私がなんとかしてあげる!」

    なんとか?

    「裏口入学でも、学籍偽造でも、学生じゃなくてもいい」
    「例えば………ほら。この子のデータを見て? 実験も思考も放棄して、ずっと遊びほうけてる。こういう子はミレニアムにはあんまりいらないかな」

    「その点、リオちゃんは優秀だし、そんなリオちゃんの研究を手伝えるミアちゃんって子の方がミレニアムに必要だよ」
    「夢の為には手段は選ばない…………リオちゃんなら分かるよね?」

    肯定するしかなかった

  • 187八尾ミア24/08/26(月) 01:28:17

    実際、私もミアの手を借りる為に成績の偽造を行った。ミレニアムの会長を批判する資格はない
    むしろ考えが近い部分すらある。もしも私の夢の欠片をこのミレニアムサイエンススクールの生徒達が握っているなら、私は皆を守らないといけない

    誰が夢の欠片を持っているかなんて分からない。失ってから気づいてからでは遅いのだ

    「うんうん。やっぱりリオちゃんを誘ってよかった! そんな気がしてたんだ~」
    「リオちゃんはミレニアムに入学できたらセミナーに入るといいよ。リオちゃんならセミナーの会長を……私の跡をすぐに継げる」

    「リオちゃんの"可能性"と"思考"を……ミレニアムに来るまでに失わないようにね?」


    この後、会長が進めている難題の話やミレニアム内の設備の話をしたが記憶に薄い
    ただ私が次に目指すものは決まった


    ミレニアムサイエンススクール セミナーの会長
    全ての可能性を守るという使命は、この日より少しずつ私に引き継がれていった

  • 188八尾ミア24/08/26(月) 01:45:09

    この日からより一層勉学に励んだ
    私の目標は千年難題。ミアの復帰に加え、セミナーの会長まで追加された今、並みの努力では夢が遠ざかるばかり

    最初の1年で中学の授業を全て記憶した。私は会長の様な天才ではないので何度も確実に覚えなおし、取りこぼしがないように努めた

    技術を磨いた。会長が助けてくれると言ってもミアを助ける手段は私が決める必要がある。解決法は悩んだけど、作りたいものは決まっていた

    体力をつけた。私が体調を崩してしまえばミアを救える人間はいなくなってしまう。体調管理を怠り無理をして倒れてしまえば悔やみきれないだろう

    余りに短く、そして濃密な時間が過ぎていく


    「お待たせ! リオちゃんのお友達を助ける準備が整ったよ」

    それは私が中学3年にあがってすぐの事で、ミアが目覚めないまま8年が経過していた

  • 189八尾ミア24/08/26(月) 02:09:18

    精神病棟から許可をへて、とある手術室に入る
    中では既に横たわったままのミアとセミナーの会長が待っていた

    「やっと来たね。それじゃあ始めようか」
    「外で雇った救護騎士団の子にも待機してもらってる。心配ないからね」

    できるだけミアの体が弱らないように処置は全て依頼していた
    それでも身長以外は何も成長していないミアの姿を見ると、あの日の事を思い出して少しだけ涙が出てきた

    「この子がリオちゃんの………たしかに植物状態になっちゃってるね」
    「このまま8年生きてるんだって? よく頑張ったね。リオちゃんもミアちゃんも」

    「でも……うん、大丈夫。こんな時の為に医療の最先端技術は進歩した……いや"させてきた"からね」


    ミア、長い間待たせちゃったわね

    「覚悟はできた? それじゃあ始めよっか」


    今、貴方を私のそばに連れ戻してあげる

  • 190八尾ミア24/08/26(月) 02:52:56

    「……手は尽くしたよ。私達は最善を尽くした」


    「後は本人の体力次第かな。………あんまり期待できそうになさそうに見えるけど、10年近く眠り続けていたなら仕方ないね」
    「救護騎士団も長期的なケアは必要だって言ってたよ。後はリオちゃんが一人で面倒を見れるよね」


    「うん、その意気だよ。私は新天地で次の計算を進めないといけない。もう手伝いには行けない」
    「だから、これからリオちゃんが始めようとする"新しい手"の計画の手伝いはできないかな」

    「でも、この改造した手術室はこのまま好きに使っていいからね。費用も私からリオちゃんへの入学祝いって事にしてあげる。まだ入学してない? リオちゃんなら間違いなく合格するよ」


    「私は待ってるよ。いつの日か、夢の答え先で再会できることを」

    「大丈夫。私達は夢の為ならどんな困難もあらゆる手段を使って乗り越えられる」


    「じゃあ………またね」

  • 191八尾ミア24/08/26(月) 03:09:11

    月日は流れるように過ぎていった……夏を超え、秋が過ぎ、冬を通り、春が訪れた
    高校受験シーズンが訪れる

    ミレニアムサイエンススクールはセミナーの会長職に就く為にも、もちろん主席合格
    "全知"と知り合いだったからかセミナーの現会長にも一目置かれ、入学早々だがセミナーの会計として活動している


    順風満帆。千年難題を追う者として、これ以上ない環境
    それでもミアはまだ眠り続けていた


    これでもう9年になる。今年の冬に目覚めなければ10年…………もうそんなに経ってしまったのか

    それでもやることは変わらない。夢を追い、解を求め、可能性を守り、星を掴む
    だからミア、私は………




    ミア「………春…?」

    あぁ、ようやく星の瞬きが私の目にも見えた

  • 192八尾ミア24/08/26(月) 03:21:47

    命を確かめるようにミアの側にかけよる。まだ、この光景が真実だと信じきれなかった


    ミア「ちが………たしの……がつく………」

    ミア!?……貴方……起きて……!!
    思わず大きな声が出てしまう。この病室はミア専用だから他の患者に迷惑になったりはしないが、今のミアの精神状態はまだ分からない

    ミア「リオ…………?」

    私の声に反応した。返してくれた。思わず涙が溢れるが、私の気持ちよりも大事な事が山ほどある
    体の不安。ダメージ。体調…………元々ミアの体は弱い。一気に体調が悪化する可能性もある

    ミア「………………背中が少し」

    それは明らかに嘘だった。分かりやすく自らの手に目線をやって、そして露骨に目をそらした
    それでも自分の手を見てすぐに暴れ出さなかったのは良傾向。ならば…………今の内に確認すべきことがある


    貴方の手、動かないんでしょう?………大丈夫よミア。私は決して貴方を見捨てたりしない


    ミアの手が赤く染まらなかった。ミアが目覚めた瞬間よりも、この時が一番うれしかった

  • 193八尾ミア24/08/26(月) 03:22:48

    流石に18レスも埋めれる気しないのでここまで 今日は雷のせいでブツ切りされたのが痛すぎた………

  • 194二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 03:37:41

    これで夢を叶える努力をし続けないとミアが自責始めるんだから…
    自責自罰思考になるのも当然だわ

  • 195二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 12:08:34

    ほしゅ

  • 196二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:44:50

    ここから義手アームをつけつつ記憶の封印を施す訳だ、朦朧としたミアの日誌によれば一年くらいはかかってそうだが

  • 197八尾ミア24/08/26(月) 21:51:08
  • 198二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 22:22:24

    うめ

  • 199二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 22:29:36

    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん24/08/27(灍) 09:20:49

    保守

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