【SS】マコト「雷帝を討て、空崎ヒナよ」Part3

  • 1124/08/20(火) 23:26:47

    万魔殿が雷帝を倒す話。


    このPartで最後です。

    最後までどうかお付き合いくださいますと幸いです。

    ※独自解釈多数のため要注意。Part1は>>2にて。

  • 2124/08/20(火) 23:27:29

    ■ざっくりあらすじ

    "――どこかで、イブキの呼ぶ声が聞こえた"

    "そして、まだ私の意識は壊されていない"


    曙同盟と合流した羽沼マコトは、遂に代表の狂気に触れる。

    地獄の炎が全てを焼いて、明星たる反逆者は深淵の中へと閉ざされた。


    砕かれた曙。霧散した想い。

    その一片へと空崎ヒナが触れたとき、歪な楽園を堕とす計略は始まっていた――


    【SS】マコト「雷帝を討て、空崎ヒナよ」Part2|あにまん掲示板マコトとヒナが雷帝を倒す話。SSと書いてありますがサブスキルか何かの略です。ロングって感じです。あと少しで折り返し地点の予定ですので、走り切れるかどうか見守ってくれると嬉しいです。※独自解釈多数のため…bbs.animanch.com
  • 3124/08/20(火) 23:27:48

    気絶した部員の陰からヒナが戦う様を見て、私は唖然としていた。

    (か、怪獣か何かかこいつは……!)

    想定以上の強さに一周回って恐怖すら感じかけたが、いや確かにとも納得する。
    確かに何人来たって必ず倒すと言っていたが、本当に何人来ても倒せるのでは無いか……?

    戦いも終盤に近付き、立っている風紀部員は片手で数えられるぐらいになっていた。
    部員たちが壁の隅へと追い込まれていく。悠然と歩きながら無慈悲に銃を撃つヒナ。

    (もうどっちが悪なのか……いや、悪は私だな)

    これから成す悪行が脳裏を過ぎって、それと比べればこの程度どうでも良いと思い直す。

    「終わったわ」

    制圧し終えたヒナが帰って来た。私はよろよろと立ち上がって、膝から崩れ落ちる。

    「大丈夫!?」
    「ああ、済まん。肩を貸してくれないか? 少しすれば自力で歩けるようにはなるが……」

    そう言いかけて、いや無理だなと首を振った。

    「キヒヒッ、お前がもう少し大きければ頼めたな」
    「ごめんなさい……」
    「真に受けるな阿呆」

  • 4124/08/20(火) 23:28:08

    壁に縋りつくようにして何とか立ち上がり、壁伝いにゆっくりと足を踏み出した。
    階段が無いことだけが救いだな、なんて苦笑しながらエレベーターへ乗り込む。

    エレベーター内の手すりに腰かけて、私はようやく一息つく。するとヒナが口を開いた。

    「ハルナたちには連絡しなくていいの?」
    「問題ない。概ね時間通りだからな。私が直接指示しなくても奴らなら臨機応変に動いてくれるだろう」

    そう答えてすぐにエレベーターの扉が開いた。
    扉の先には一本の通路が続いている。私は肩で息をしながら這うように通路へ出た。
    ヒナも出て扉が閉まる。その時、通路の向こうから小さな人影が現れた。

    「誰!?」
    「待て、ヒ――」

    通路の先に現れたその姿を見て、私の言葉は続かなかった。

    色素が抜け落ちた白い髪。頭に付けられた機械は華奢な体躯から浮いており、異様な雰囲気を醸し出している。
    殆ど肌着の白い服を一枚纏って、露出した手足はところどころがひび割れていた。
    手に持つ巨大な銃は明らかに体格にあっておらず、引きずる度に腕のひび割れから血が垂れた。

    「――イブキ、なのか」
    「え……?」

    ヒナがぎょっとした顔で私を見る。
    私自身目を疑った。面影すら無いほどだとは"想定"していない――

    イブキは無言で銃を持ち上げると、ヒナ目掛けて引き金を引いた。

  • 5124/08/20(火) 23:28:38

    「ヒナ! ぐっ……」
    「マコト……!」

    跳弾が飛び回り私にも当たる。ヒナが私を庇うように前へ立つが、圧倒的な物量を前にじりじりと足が後ろに下がっていた。
    聞いたことの無いほどの爆音と共に放たれる銃弾の数は、先ほどの風紀部員たちとは桁が違う。

    ――あの銃がデストロイヤーか!

    正に本質を突いた名前であった。
    暴風雨のように放たれる暴力は正しく全てを破壊する。

    一方的な銃撃は鳴り止み、イブキはデストロイヤーのレバーを引く。カバーが開いて弾倉を装填。

    「ヒナ! イブキを止めろ!」
    「マコトは!?」
    「私のことは一旦忘れろ! とにかくイブキを取り押さえるのだ!」

    ヒナが走る。イブキがレバーを押し込んで銃を持ち上げる。直後、吹き荒れる弾丸の暴風雨が始まる。

    「くっ……」

    一本通路である以上逃げ場が無い。一度銃撃に捕まればリロードまで押し込まれて撃たれ続ける。
    ヒナが壁を蹴って翼を広げた。銃撃がヒナを追って壁を、天井を撃ち抜く。
    イブキは流れるようにデストロイヤーの銃底を床に落とす。屹立するデストロイヤー。
    止まない銃撃は滑空するヒナの翼に到達し、悲鳴と共にヒナは落ちる。

    だが追撃は無い。イブキは再びレバーを引いて装填を開始する。痛みに耐えながらもヒナは走りイブキの眼前へ。
    銃を取り上げようと手を伸ばす。瞬間、イブキはデストロイヤーの銃底を蹴り上げてヒナの手を弾き飛ばした。

  • 6124/08/20(火) 23:28:57

    「近接も……ッ!?」

    驚くヒナに突き付けられる銃口。始まる銃撃。身体を逸らして回避するが、蛇のように銃撃がヒナを追う。
    近づいた瞬間、突然イブキは屈んでヒナの足を払う。体勢を崩したところで向けられる銃口。

    明らかなインファイトは既にイブキの射程外。にも関わらずまるで手足を扱うようにイブキは銃を振るった。
    ヒナはすぐ様手足を使って跳ね上がる。そこを狙ってデストロイヤーが振り回される。銃底がヒナの脇腹にめり込んで、エレベーター側へと吹き飛ばした。

    「そ、……んな……」

    ヒナが脇腹を押さえながら立ち上がる。そして叫んだ。

    「マコト! 手加減できる相手じゃない!」
    「だが――」

    私は逡巡する。"ヒナが"イブキを殺すようなことなど有ってはならない。
    その時だった。ぽつりと声が聞こえた。

    「マコト……先輩……?」
    「……!」

    ヒナがイブキへ振り返る。
    イブキの"右手が"ぼとりと落ちる。

    「な、え? 何……? これ……?」

    ヒナは呆然と、ちぎれて床に落ちたイブキの右手を眺めていた。

  • 7124/08/20(火) 23:29:09

    イブキはうわ言のように声を漏らす。

    「どうしてイブキ……、マコト先輩と戦ってるの……?」
    「イブキ――!」

    私は渾身の力を込めてイブキの元へと駆け寄った。イブキの右膝がひしゃげて、デストロイヤーが地に落ちる。
    床に広がる真っ赤な血は、イブキの服を赤く染めていく。私はイブキの身体を抱きしめると、もう微かに体温が残るだけだった。

    「どういう、ことなの……?」

    ヒナが震える声で私に言う。

    「イブキは雷帝が生み出したもののひとつだ。耐久実験のため、限界まで動かし続けて、いま、こうなっている」
    「そんなの――」

    ヒナの声が怒りに震えた。
    私はイブキに取り付けられていた機械を取る。劣化した瞳に私が映る。

  • 8124/08/20(火) 23:29:24

    「ようやく会えたな」
    「えへへ……イブキだよ」

    頭を優しく撫でると、イブキは儚く笑う。

    「うむ、私が羽沼マコトだ」
    「知ってるよ。イブキ、覚えてるよ」

    イブキは私の手に頬ずりをする。

    「うちの子になりなさい」
    「やったぁ……えへへ」

    確かめるように、あの時の言葉を繰り返す。
    いや、私は何度だって繰り返したかった。だがもう終わりなのだ。
    もう続かない。このイブキで終わりにすると私は誓った。とうの昔に覚悟は決めていた。

    「……あの銃、重かっただろう?」
    「……うん。重たかった……。ずっと、ずっと重くて……」
    「お前にはもっと別の銃が似合うだろう」
    「もういいの……?」
    「ああ、もうデストロイヤーなど持たなくて良い」

  • 9124/08/20(火) 23:29:35

    デストロイヤーを完成させるために生み出されたイブキは、ずっとあの銃に縛られ続けてきた。
    ただそのためにこんな苦行を味わい続けていたのだ。こんなものさえ無ければ――

    「だったら、私のをあげるわ」
    「ヒナ……」

    ヒナはアサルトライフルと持つと、イブキの胸の上へと置いた。
    代わりにデストロイヤーを手に取った。

    「交換よ。私が持ってあげる」
    「えへへ……ありがとう。ヒナせんぱ……こふっ」
    「イブキ!」

    イブキの口から血が溢れ出した。もう、長くない。
    私は取り乱さないよう息を吐いて、イブキに笑いかけた。

    「イブキ、何かしてほしいことはあるか?」
    「えーと……じゃあ……。いっぱいぎゅーってして……」
    「もちろんだ、イブキよ」

    私はイブキを抱きしめる。耳元で聞こえるイブキの息遣い。腕に伝わる微かな心音。
    イブキも残った左腕で私を掴んで、「えへへ」と笑った。そして。

    「あぁ……よかったぁ……」

    その言葉を最後に、イブキの鼓動は私の腕の中で尽き果てた。

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  • 10124/08/20(火) 23:29:47

    埋め

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/20(火) 23:33:52

    イブキ…………

  • 12124/08/20(火) 23:51:33

    静寂が通路に満ちていた。
    マコトも、私も、誰も声を出すことなく時間が流れる。
    静寂に耐えかねて、私から口火を切った。

    「イブキは……?」
    「……死んだぞ」
    「…………」
    「私が殺した」

    私は何も言えなかった。
    ――あなたのせいじゃない。
    そう言いたかったけれど、マコトの言葉を否定するのはマコトの覚悟に対する侮辱にしかならない。

    「外に行って、ハルナから制服を受け取ってくれ。私とイブキの分もな」
    「でも……」
    「少し、ひとりになりたい」
    「……分かった」

    私は通路から別館の外に出る。
    噴水広場、そこには人だかりが出来ていた。

    「この衣装を差し上げますわ。お代は要りません」
    「カッコいい~! あ、でも掘る時に邪魔になりそう……」
    「では腰に巻けばよろしいのでは?」
    「ほんとだ! すっご~い!」

    一部例外はいたけれど、集まった生徒たちの大半は皆、殺気立っていた。
    潜伏していた反抗勢力たちが集まったのだ。今日の日の為に。

  • 13124/08/20(火) 23:51:43

    人だかりの中央に近づく。するとハルナが私に気づいてそっと耳打ちをした。

    「マコトさんは?」
    「……大丈夫。制服、もらうよ」

    ハルナが用意した制服は黒を基調としたコートだった。
    真紅の裏地。袖口には二本の赤いライン。正面には白と銀のラインに金色の飾りボタン。

    三着もらってマコトの元へと戻る。マコトは「ああ」とだけ言ってコートを受け取ってイブキを包んだ。

    「イブキの姿を見せるわけには行かんからな」
    「その……大丈夫?」

    私も人の死はショックだった。けれど今はマコトの方が心配だった。
    地獄のような苦しみに耐えて、その先にあるのがこんな別れなんてあまりにも報われない。

    マコトは顔を上げて通路の先を見る。その先を。更に先を。
    その目が何を映しているのか、もはや私には分からなかった。

    「私にはやるべきことが残っている。全て終わるまで、止まることなど私には許されない」
    「…………」
    「行くぞ、これで最後だ」

    マコトはコートを羽織って、コートに包まれたイブキを抱き上げた。
    一歩。また一歩。その足取りは遅くとも、あまりに重たい一歩であった。

    今日は曇天。台風が迫りつつある。

    -----

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 01:41:46

    ヒナ→マコトの激重感情?とっても、いいですねえ

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 04:15:14

    保守

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 06:43:54

    俺雷帝のことゆるせねえよ……イブキちゃんにこんな…兵器みたいな扱いで使い捨てにするなんて…

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 09:32:15

  • 18124/08/21(水) 09:57:13

    騒めく噴水広場。ステージ台へと近づくのは羽沼マコトと空崎ヒナ。
    氷室セナはあまりに衰弱したマコトの姿を見てぎょっと目を見開いた。

    マコトがセナからヘッドセットを受け取って、ステージ台の上に置かれた演説台の前に立つ。
    その時、ゲヘナ自治区の全ての画面がマコトの映像を映し出した。

    「諸君、いま私はお前たちに話しかけている」

    ぽつり、ぽつりと雨が降り出す。
    マコトはもう一度繰り返した。

    「諸君、いま私はお前たちに話しかけている。ゲヘナに住まう者たちよ」

    ――ゲヘナも随分と治安が良くなったものだな。
    ――今や銃声など耳にすることも無く、怪我人の数もキヴォトスで最も少ない。
    ――小鳥は歌い、花は咲き、道行く誰しもが今日も笑って過ごしている。
    ――誰も彼もが泣くことも無ければ怒りに震えることも無い、平和な日々だ。
    ――きっとゲヘナを訪れた観光客は口を揃えてこう言うだろう。ああ、まるで楽園のようじゃないかと。

    「……おかしいだろう。なあ、おかしいだろうこんなものは!!」

    「我々は泣く自由も奪われ怒る自由すら奪われ続けている!!」

    「街頭で微動だにせず立ち尽くしながら笑顔を浮かべる者を誰しも一度は目にしたはずだ! 喜びの感情を押し付けられて何も考えることすら出来ない者たちを誰しも一度は目にしたはずだ!」

    ――こんなものは狂っている。我々は狂った秩序の上を歩かされている。

    ――思い出せ。最後に心から笑えたのは一体いつだ?
    ――心から怒り、悲しみ、喧嘩して、それで仲直りするなんて当たり前の日常を送ったのは一体いつだ?

  • 19124/08/21(水) 09:57:53

    「こんな平和を誰が望んだ!! 違うだろう!? 誰もこんなものは望んでいなかったはずだろう!?」

    ――狂った秩序が我々から真の平和を取り上げるのなら。
    ――狂った秩序が隣人から幸福を、ささやかな日々を取り上げるのなら。
    ――狂った秩序に一体何の価値があるのだろうか。

    「価値など無い! そんなものは無いのだ! それに従う必要など何処にも無い!」

    「我々はその秩序とやらに反抗する! 我々はアウトローである! 我々は奪われた平和を取り戻すそのためならば、その秩序とやらに反抗しよう!」

    スピーカーから溢れ出たのはゲヘナの叫びそのものであった。
    痛みの代弁者。地獄の底から帰還したひとりの悪魔が、この異常な日常を否定する。

    突如、一発の弾丸がマコトの額を掠めて飛んだ。
    額が割かれて血が顔面を伝う。本校舎からの狙撃。それでもマコトは叫び続けた。

    「諸君! いま私はお前たちに話しかけている! いま私を撃ったお前にもだ!!」

    「思い出せ! 誰がこのイカれた状況を生み出した!? 誰がゲヘナ学園を統治して、誰がこんな狂った秩序を作り出した!?」

    ……"雷帝"。
    そんな声が群集の中からぽつりと零れた。

    "雷帝"だ。
    "雷帝"が全てを壊した。
    私たちの日常を、"雷帝"が壊したんだ。

    溢れ始める怒りの声。それらを代弁するかのように、羽沼マコトは叫びをあげた。

  • 20124/08/21(水) 09:58:29

    「そうだ……"雷帝"さえいなければこんなことにはならなかった――!!」

    「この学園に必要なのは秩序などではない! 自由だ! 自由と混沌――それこそがゲヘナ学園の真なる姿だ!」

    「故に私は――我々は反抗する! この秩序に対して反抗する! ゲヘナを狂わせた"雷帝"に対して反抗する!」

    空から降る雨が徐々に強くなっていく。
    それでもこの場にいた全員が見ていた。ゲヘナの代弁者たるその存在を、明星の光をその目に焼け付けた。

    「そして私はいまここに、反雷帝組織の樹立を宣言する! 集えゲヘナの悪魔たちよ! 我らが名は万魔殿!! 議長に続いて狂った楽園を滅ぼせ、ゲヘナに住まう悪魔たちよ――!!」

    鬨の声が上がる。それは万魔殿の誕生を待ち望んでいた怒れる悪魔たちの叫び声。

    王の座る玉座は今ここに用意された。
    悪魔の軍勢たちは玉座に座る王を待ち望む。

  • 21124/08/21(水) 09:58:48

    マコトは振り向いて、後ろのヒナの肩に手を置いた。

    「だから、お前がこの物語に幕を引け」
    「え……」

    マコトの視線がヒナに向く。
    ヒナを通して覗くは深淵。マコトの両目が捉えたのは最果ての光景だった。

    「私では――この身体では戦えん。だから、後はお前に任せる」
    「マコ――」

    ヒナの言葉は最後まで続かなかった。
    本校舎から聞こえた一発の銃声と共に、マコトは口から血を吐いた。
    放たれた弾丸はマコトの抱えるイブキを避けて、狙い違わずマコトの腹部に突き刺さる。

    背中から地へと墜ち行くマコトの姿。その唇が微かに動いた。

    『雷帝を討て、空崎ヒナよ』

    降りしきる雨だけが耳朶の打つ。
    残った静寂。ヒナの伸ばした手はマコトに届くことはなく、ステージ台から羽沼マコトは墜落した。

    -----

  • 22124/08/21(水) 09:59:01

    雨が強くなっていく。マコトを搬送する救急医学部の車が遠ざかって行く。
    マコトが撃たれて、ヒナはデストロイヤーを抱えたままへたり込むことしか出来なかった。

    「ぁぁ……」

    漏れ出る声に混ざったのは、自身ですら判別できない感情だった。
    撃たれたマコトの姿が瞼の裏に灼け付いて、胸を掻き毟りたくなるような痛みが頭の中で暴れ回っている。

    がちり、とデストロイヤーから音が鳴る。
    バレルジャケット先端の回転体が微かに動いた。

    イブキが死んで、マコトが撃たれて、私は結局何も出来なかった。

    ――どうしてこうなった。

    心の中で自問する。どうしてこんなことになったのか。

    「ぁぁああ――」

    それは悲しみでは無かった。心に沸いたのは純然たる怒りそのもの。
    この理不尽に対するどうしようもないほどの憤怒。それは今まで覚えたことの無いほどの鮮烈たる情動だった。

    その激情は、空崎ヒナの"何か"にひびを入れた。
    中から覗くはその神性。小さな身体の内側から得体の知れぬものがいま、呼び起こされようとしている。

  • 23124/08/21(水) 09:59:14

    ――うんざりよ。

    そして、空崎ヒナは答えを得た。

    ――こんな学校。もう、要らない。

    がちり、とデストロイヤーから音が鳴る。
    まるで歯車が噛み合ったかのように回り始める回転体。
    それはヒナから漏れ出る何かを吸い上げるように、銃身が紫紺の光を帯びていく。
    感情が弾倉を満たす。ヒナの両目が本校舎を、この物語全ての元凶を捉える。

    そして、怒りが導くままにヒナはデストロイヤーを手に取った。

    銃口を本校舎へと向けて、全てを薙ぎ払うために、全ての幕を引くために。
    "終幕"の引き金は、いまここに引き絞られた――

    「あぁぁああああああああ――!!」

    銃口から放たれたレーザーが本校舎を焼き切り、数瞬置いて次々と爆ぜて炎の中へと消えていく。
    切り裂かれた雨は一瞬で蒸発し、深い霧となってゲヘナ学園を包み込んだ。

    空崎ヒナは瞳を開ける。
    霧の中、紫紺の瞳に狂わんばかりの激情が宿った。

    かん、とデストロイヤーの銃底をステージ台に打ち付ける。
    その姿を群集は――悪魔の軍勢は何も言わずに見続ける。そして空崎ヒナは高らかに宣告した。

  • 24124/08/21(水) 09:59:26

    「万魔殿議長、空崎ヒナ」

    振り返り、マコトが集めた反乱軍の一同に目を向ける。

    「私に着いてきなさい。何もかも壊す。何一つ残しはしない」

    そして、空崎ヒナは玉座に着いた。
    逆らうものは誰も居ない。皆が待ち望んだ強大な魔王が、今ここに誕生した。

    遠くで稲光が聞こえる。
    風は次第に強くなり、打ち付けるように雨が降る。

    その中を王は歩く。近づく敵は全て焼き払う。
    王の歩みに合わせるように、悪魔たちもまた、それに付き従った。

    ゲヘナ学園に悪魔の軍靴が鳴り響く。何もかもを破壊する、そのために。

    -----

  • 25124/08/21(水) 10:03:16

    怒り狂った空崎ヒナを筆頭に、万魔殿の悪魔たちがゲヘナ学園の破壊を始めた。
    焼き切られる本校舎。燃え落ちる鉄塔。生徒の悲鳴。悪魔の怒号。

    ――天と地とを混ぜ合わせ、楽園を地獄に叩き落とすなど、諸悪の根源たるこの羽沼マコト以外には行えまい。

    私は救急医学部の車両の中で、ひとり口角を上げた。

    そう、全ては空崎ヒナを王にするため。
    私だけでは雷帝に勝てない。だからこそ、ヒナに全てを壊させる。それが私の計略の全てだった。

    (全ては私が選んだ必然だった)

    ハルナも、カヨコも、セナもヒナも、それからイブキも、その全てが私の駒だった。

    ハルナの苦しみを少しでも紛らわせるためには、ハルナ自身に"クラナハ"の破壊をしてもらう必要があった。
    カヨコの痛みを少しでも無くすためには、贖罪の道としてスパイの継続という苦難を味合わせる必要があった。
    イブキがあの時通路にやってきたのは偶然ではない。私がセナに指示したのだ。
    雷帝に囁けと。"デストロイヤーを完成させるのであれば、最強と噂されるヒナさんと戦わせて見るのも良いでしょう"と。

    カヨコからの報告で、イブキの身体が限界なのは分かっていた。
    デストロイヤーの情報は私個人で握っているつもりだったが、誰かが知っていれば誰かが私の計略に気付く可能性があった。
    そのため念には念を入れて、全く関係の無いセナを使ってイブキとヒナを戦わせた。イブキの死をヒナに見せるために。

    正しくイブキは私が殺した。全てはヒナが雷帝へ怒り狂うように。

    (雷帝は必ず対話を持ち掛けてくるだろう。困るのだよ、それでは)

  • 26124/08/21(水) 10:03:32

    うっかり対話が為されれば、"雷帝"というレッテルが剥がれかねない。
    何せ"雷帝"自身は圧政など敷いた覚えが無いのだから、きっとすぐに謝って改善を約束する。

    だからこそ、絶対に話し合いが出来ない状況まで追い込む必要があった。
    そのためには怒り狂うリーダーが必要だ。あの感情表現が苦手なヒナに、真の怒りを覚えさせる必要があった。

    (だから私はイブキの命すらも利用した)

    そして演説は駄目押しだ。ハルナに撃たせて悲劇を演出した。
    私の身体が狙撃に持つかという部分だけは賭けだったが、それも成功した。
    自分の命をベットし続け早1年。今生最悪のギャンブルと言って良いものだった。

    その結果、私は全ての賭けに勝利した。

    ――私の勝ちだ。雷帝よ。お前の勝ち筋は消え失せた。例え万魔殿を皆殺しにしても、お前はキヴォトスから排斥される。

    あまり残虐で卑劣な策だった。それ以外に私が"あの場所"へ辿り着く方法が見つからなかった。
    全てを使って全てを騙し、裏で糸を引きゲヘナを地獄へと叩き落とした。

    ああ、まさしく"雷帝"とは"私"のことでは無いか――!

  • 27124/08/21(水) 10:03:51

    「マコトさん、その。ハルナさんに連絡を入れた方が」

    運転席から聞こえたセナの声に私は頷いた。

    「そうだな。ハルナも自分が撃ち殺したと思ったら寝覚めも悪かろう」

    私は通信機を入れてハルナに連絡を取る。生きてるぞと伝えるために。

    『無事でしたか、マコトさん』
    「ああ、良い腕だな。おかげで血のりも無駄にならずに済んだ」
    『良かったです。思った以上に元気そうで』
    「キキッ、この偉大なる羽沼マコト様を屈服させるなど、例え神でも不可能よ」
    『ふふっ、そうですわね』

    通信機の向こうでハルナが笑う。

    「そうだ、ハルナよ。念のためだがこの会話は後でちゃんとヒナに送っておくのだぞ? お前が裏切ったと思われたらヒナに殺されかねん。そのぐらいには怒り狂っているからな」
    『分かりましたわ。それでは、私もそろそろ万魔殿に合流します』
    「……ハルナよ」

    通信が切れる前に、私はふとハルナを引き留めてしまっていた。
    ハルナは「どうされましたか?」と言葉を返す。

    「いや、なに。お前が居て助かった。ありがとう」
    『どうしたんですか急に……。お礼なら食事で返して頂けると嬉しいですわ』
    「キキッ、そうだな。全てが終わったら議長にでも食わせてもらえ。ではな」

    ハルナが『はい』と応えて通信が切れる。

  • 28124/08/21(水) 10:04:03

    その様子を聞いていたセナが口を挟んだ。

    「何故嘘を吐くのですか?」
    「血のりのことか? 無駄に心配させても仕方なかろう。そんなことよりも、擬装校舎への爆薬は無事セット出来ているか?」
    「……はい」

    セナに準備してもらったのはゲヘナチームへの擬装校舎、その爆破準備であった。
    あの校舎には無駄なスペースが多くある、ように見えていた。
    違う。実際にはあの場所こそが雷帝のラボラトリーだったのだ。

    カヨコとハルナでクーデターを準備をしながら雷帝の視線をチームから逸らす。
    その裏でセナおよび救急医学部を使って爆薬の調達およびセッティング。余った爆弾をゲヘナチームへの裏手のゴミ箱に入れておいてもらった。

    そう、雷帝がどれだけ万能であっても所詮はひとりなのだ。
    爆薬が仕掛けられているかどうかなど、理由が無ければわざわざ調べない。
    研究室ならいざ知らず、それ以外の擬装部分に関心を払うわけが無いのだ。

    私たちの車両がゲヘナチームの近くへと辿り着いた。
    それを見て、私はセナに指示を出す。

    「よし、ここでいい。私は降りるからお前はそのまま学園の負傷者たちを治療してやってくれ」
    「ですが……」
    「良いのだ。これも学園に蔓延る病を取り除くため。そう言ったであろう? それに私のことは案ずるな。大丈夫だ」

    そこまで言って、ようやくセナは引き下がった。
    私はセナから起爆スイッチを受け取ってから、コートに包まれたイブキを抱きかかえて車から降りる。

  • 29124/08/21(水) 10:04:17

    よろよろと歩いて、途中私は激しくむせた。
    手にこびりついた血を見て、思わず私は笑ってしまう。

    「キキッ……、流石に11か月は長すぎたか……」

    弱り切った身体で銃弾を受け止めるなど荷が重かったようだった。
    ふらふらと歩いて爆弾を回収し、傍に置いてあった台車に乗せて擬装校舎の中へと入る。

    校舎の中には誰も居ない。
    当然だろう、いまヒナたちが本校舎で暴れ回っておるのだ。ここに詰める余裕など誰にも無い。

    がらがらと音を立てて回る台車の車輪。エレベーターに乗り込んだ私は、ハルナから聞いていたパスワードを打ち込んで地下1階へ。

    そのフロアは、11か月前に見たあの校舎だった。
    目張りされた窓に廊下。途中見えるのは機械の並んだ教室。私の真の目的は、もう一度この場所に戻ってくることだった。

    私はそのひとつひとつに爆薬をセットしていく。その度に思い出すのはイブキとの思い出。

  • 30124/08/21(水) 10:04:32

    『イブキ甘いの好き!』

    パンケーキに目を輝かせて口いっぱいに頬張る姿を思い出す。
    ああ、そういえばその後だったな。みんなでアップルパイを作ったのは。

    『これより私が指揮を執る! 全ては最高のアップルパイを作り上げるために!!』

    何故アップルパイなど作ることになったのか、今思い出しても笑ってしまう。
    それでも、お前がいなければ私はハルナを助けようとは思わなかっただろう。
    サツキと出会えたのも、全部お前が居たからだ。

    楽しい日々だった。これだけは、決して誰にも否定はさせない。
    本当に楽しかったんだ――イブキよ。

    私は廊下を進んで奥へと向かう。
    そこにあったのは"クラナハ"だった。死に逝くイブキを生み出し殺す悪夢の装置。

    ――こんなものは存在してはならない。リバースエンジニアリングすら出来ないまでに破壊し尽くさなければならん。

    二度とイブキのような存在を作り出してはならない。
    私はひとつひとつに爆薬をセットする。誰かが見つけ出して復元なんて出来ないように。

    培養槽に満たされた黒い液体。この中に眠れるイブキの身体があるのだろうか。
    叶う事なら会いたい。もう一度だけでいい。イブキに会いたい。

    けれど、それは願ってはいけない。
    あの時通路で崩壊したイブキを見て、その決意は揺るがぬものとなった。

  • 31124/08/21(水) 10:04:48

    『お花がイブキで~、マコト先輩がお星さまだよ!』

    あれはイブキがエプロンを選んでくれた時のことだったか。
    私はお前の星に成れただろうか。そうだと良いな、と微かに願う。
    選んでくれたエプロンも、いまは何処に行ってしまったのやら。それだけが心残りだ。

    『じゃあ、イブキも部屋ほしい!』

    今にして思えば、お前にとっては初めての部屋だったのだな。人ではなく物扱いされていたお前にとっては。
    気付いてやれなくて済まなかった。もっとパジャマパーティーをすれば良かった。お前が寂しくないように。

    多くの思い出が胸の内に去来する。
    ゲヘナの屋上で夜空を眺めたあの時の笑顔を。

    天体観測に行けなかったことはずっと後悔し続けていた。いつかまた行けると思って、結局最期まで行くことは叶わなかった。
    ひとり部屋に取り残し、サツキに怒られて正気に返って、それから行った遊園地。お前はどうだった? 楽しかったのなら良かったが、そのことをもう一度聞くことさえ今は叶わない。

    「ゲームセンターにも行ったな。あの時の熊のぬいぐるみ、お前は向こうへ持って行けたか?」

    何もかもが炎に巻かれて消えてしまった。
    私は爆薬をセットし終えると、"クラナハ"の中心でイブキを抱えて座り込んだ。

  • 32124/08/21(水) 10:05:01

    ――ゲヘナを、キヴォトスを、雷帝の手から守る。
    ――"そんな偉業"よりも、私には大事なことがある。

    ヒナを焚きつけて雷帝を討たせるのも、ゲヘナ学園全てを巻き込み混沌の坩堝に落としたのも、その全てはこの場所へと至るためだった。

    ――私にとっては、イブキと交わした約束を守ることの方が重要だ。

    イブキも雷帝も、誰一人救えなかった私であったが、それでもこの名にかけて誓った約束だけは守りたかった。
    大好きなイブキと交わした全ての中で、私が守れるものはもうこれだけだった。

    『この名に誓おう丹花イブキよ。この羽沼マコト、何があってもお前をひとりにはさせないとなぁ!!』

    ――お前を決して一人にはさせない。

    私は起爆スイッチに手を掛ける。いまこの瞬間のためだけに、私は11か月もあの場所で耐えられた。
    だからこれは、約束された私の終わりだ。

    「向こうで一人は寂しかろう。今そちらへ逝くぞ、"イブキ"よ」

    そして、爆炎と共に燃え盛る灼熱が、その全てを呑み込んだ。

    -----

  • 33124/08/21(水) 10:05:59

    ――ねぇ、聞こえた?
    ――うん、聞こえたよ。

    漆黒の中で囁く微睡み。炎が周囲を焦がしていく。
    そんな中、地獄の底で一輪の花が咲いた。

    ――"イブキ"だって。
    ――呼んでくれたね。でも身体が痛いよ……?
    ――爆発してた。でも起きなくちゃ。
    ――起きなくちゃ、マコト先輩がしんじゃう。
    ――それだけはやだ!!

    炎の中で、培養槽から投げ出された"イブキ"は目を覚ました。
    煤に塗れて周囲を見回す。吹き飛んだ培養槽。焼け焦げた"イブキ"の身体。瓦礫の隙間にマコト先輩の姿を見つけた。
    声を出そうとしたら口から黒い何かがたくさん出てくる。黒から赤へ。きっと内臓がまだ出来上がっていない。

    「で、も……たす、けな……」

    マコト先輩に近づいて身体を持ち上げようとする。
    でも駄目だった。未熟な身体じゃあ、襟首を両手で掴んで何とか動かせるぐらい。
    引っ張る度に足の裏へ瓦礫が突き刺さる。力を込める度にみちみちと自分の身体の何処かから何かが切れる音がする。
    それでも、マコト先輩だけは助けたかった。

    ――思い出をいっぱいくれたから。
    ――悪い子じゃないって、言ってくれたから。

    それでも、この身体では駄目だった。全然出来上がっていない、この身体じゃあ――

    「マ、コト、先輩を、助けるよ――"イブキ"ぃ……!」

  • 34124/08/21(水) 10:06:18

    意識は激痛と共に暗闇の中へ。
    "そして丹花イブキは目を覚ます"

    マコト先輩の傍で倒れる"イブキ"を見て、"イブキ"は瓦礫をどかそうと動き出す。
    退かした瓦礫に潰されて、再び"イブキ"は目を覚ます。
    イブキがイブキの名を呼ぶ度に、器に中身が宿り続ける。

    ――しんじゃうぐらい痛いけど。
    ――痛いことはいっぱいあるけど。
    ――マコト先輩がしんじゃうほうがイブキはいやだ!!

    地獄の底で丹花の花は、何度だって狂い咲く。
    数多の死。数多の誕生。その度に呼ばれるその名前。
    記憶は連続性を失くし全ては断続の狭間へと消え墜ちていく。
    それでもただひとつ。たったひとつだけ覚えて居ればそれで良かった。

    ――マコト先輩をしなせない。
    ――ただその想いだけは、何度死んでも忘れはしない。

    自らの命と記憶を切り裂きながらも、天使たちは道を繋ぐ。
    たったひとりの大好きな人を助けるために。

  • 35124/08/21(水) 10:06:33

    「マコト先輩を助けて……"イブキ"」
    「うん……! "イブキ"が助けるよ……!」

    瓦礫は退かされ、最後の"イブキ"が頷いた。
    一番身体の出来上がっている"イブキ"は、マコトを引きずるように背負って、地上に向かって歩き出す。
    その目が見たのは曇天の切れ目から降り注ぐ天使の階段。

    遠くから車がやってきた。
    何の車か分からなかったけれど、ただ何となく、助かったことは分かった。
    本校舎の方から聞こえる勝利の声。全部終わったんだ。きっと。

    「もう大丈夫だよ。マコト先輩」

    きっとこれで大丈夫。
    安心したように笑って、それからイブキは意識を失った。

    --万魔殿編 fin--

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 10:27:46

    大きな栄光よりもちっぽけな約束こそを守りたいの尊いよ…

    …勝ったよな?大丈夫だよな?「雷帝といえど所詮一人」はフラグじゃないよな?進歩した自分じゃなくて「同じ自分」なら予備があるとかでメタルクウラしてこないよな…?

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 10:33:28

    >イブキも雷帝も、誰一人救えなかった私であったが

    この期に及んで雷帝を救えなかったって言えるのはもはやずるいでしょ

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 10:34:57

    イブキのゾンビアタックがものすごくよかった
    なんかこう、悍ましくって、でも愛を感じるあの命を投げ捨てる行動がとても

  • 39二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 10:43:24

    イブキとマコトの本題から外れるんだけど>>12で制服を受け取った「掘る」ことを気にしてる生徒ってメグだったりする?本編3年生の中で1人だけ出て来てないけどもしかしてと思って

  • 40二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 10:59:27

    >>39

    それっぽい服を腰に巻いてるし多分メグだと思う

  • 41二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 11:05:35

    ワァ…ァ……

  • 42二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 11:31:01

    読んでて目頭が熱くなったのは久々だ…

  • 43二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 11:58:27

    >>24 >>32 >>35

    魔王ヒナムーブカッコいいし

    マコト様の覚悟が凄いし

    "イブキ達"の想いが良すぎる

  • 44二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 12:46:48

    youtubeのまとめから来ました。
    ありがとう…
    ただただありがとう…
    今号泣してます。
    素晴らしい、正直初めてシュタゲをやった時の感動を思い出してます。

  • 45二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 12:55:20

    さっきの演説、アルちゃんも見てたのかな

  • 46二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 13:04:06

    >>45

    恐らくアルちゃんの入学は来年だから又聞きに存在を知って「私もそんなアウトローになりたい!!!!」ってなったと予想

  • 47124/08/21(水) 13:17:19

    「おはようございます。マコトさん」
    「…………セナ?」

    あれから3週間。ベッドの上で目を覚ました私はセナの顔を見て自分が死に損なったことを理解した。

    「そうか、死ななかったか」

    そう言うとセナは首を振った。

    「いえ、助けられたんです。あの子に」
    「あの子……?」

    セナの視線を追うと、そこにはイブキが眠っていた。
    私は目を見開いて、それからセナへと向き直る。

    「どうして……」
    「崩れた校舎の前であなたと共に眠っていたんです。引きずったような擦過傷が残るあなたと」
    「…………」

    どうしてイブキがいるのかは分からない。
    けれども、イブキが助けてくれたというのであれば、それは――

    「まだ"此処"にいろと、そう言うことか……」
    「マコトさん……?」
    「いや、何でもない」

  • 48124/08/21(水) 13:17:30

    それから1時間もしないうちに、私とイブキの病室には多くの客がやってくるようになった。
    加えて、私が死したイブキの元へ逝こうとしていたことも周知されていたようだった。

    ハルナに「味気なくなりますから」と厳重に釘を刺され、カヨコからは「目が覚めて良かったよ」と謝辞を述べられ、そしてヒナからは――

    「ま、待て。それは死ぬ。本当に死ぬ」
    「死ぬつもりだったんでしょう? じゃあいいじゃない」
    「それは済んだ話だろう!?」

    私の頭の真横に突き刺さったヒナの鉄拳。
    私は冷や汗を垂らしながら弁解すると、ヒナは突然私の胸へと飛び込んできた。

    「今日までどんな気持ちだったか、あなたに分かる――!?」

    震えるヒナの身体。そんな姿を見ると思っていなかったからこそ、私は少しだけ動揺した。

    「……雷帝はどうなった?」
    「捕まえた。今は風紀部の収容所に入れてある」
    「そうか。よく頑張ったな、ヒナよ」
    「うん」

    ヒナの頭をそっと撫でると、ヒナは私を強く抱きしめて泣いた。
    ポストモーテム。ここからは終わった後の、そんな話が始まる。

    ■エピローグ-----

  • 49二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 13:24:31

    こっからどうやって本編のヒナマコみたいな感じになるんだろ

  • 50二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 13:31:29

    >>49

    そらもう使命から解放されてマコトも好き勝手やるようになるんでしょ(

  • 51124/08/21(水) 13:45:44

    >>スレ主です。ここまでお付き合いくださりありがとうございました。


    ……ちなみにシュタゲっぽいと言っていた方、私自身シュタゲを意識して書いていたので、そう思ってくださったのは本当に嬉しい!

    日常に不穏が混じって爆発する感じの、徐々にテンションを上げていくタイプの話を書こうと思っていたのですが、やはりスロースタートな話は難しいですね。日常系書けるような力が欲しい……。


    ここから先はエピローグです。もうちょっとだけお付き合いくださいますと幸いです。

  • 52二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 14:22:38

    原作で見れるゲヘナ生徒の無法さ、統治する気無しな万魔殿、美食温泉の過剰な苛烈さ、ヒナマコの関係がオリジナルの"雷帝"の所業で見事に結びつくの気持ちよ過ぎる…

    願わくはハーメルンとかにも上げてほしい…過去作とかあれば全部見たい…

  • 53二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 14:39:25

    今日初めてスレを見つけて一気読みしました。傑作をありがとう!
    いや~、感動したし色々納得が行く作品だった
    もともとゲヘナってああいう場所だったから、そこで最悪の暴君と言えば逆らう奴は皆殺しみたいなタイプじゃなくて善意でディストピア作っちゃうズレたタイプなんだろうな
    「エデン条約」との符号も上手いし、何が何でもトリニティに接触させちゃいけないのもほんとにね……秩序重視のトリニティと雷帝の相性が最悪なかみ合い方をしている……
    そして人間が喜怒哀楽の感情を持って生まれて来る生き物である以上、全部幸福で埋め尽くすってことは要するに実質死ぬって事なんだよな。「楽園」とか「天国」ってのも、そもそも人が死んだ後に行く場所なわけだし
    とにかく大満足でした。エピローグもとても楽しみです

  • 54二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 14:53:04

    はぁ〜凄い。凄すぎる。
    こんな素晴らしいスレを見ることができてスレ主には感謝以外の言葉が見つからない!

  • 55124/08/21(水) 16:21:58

    翌日、目を覚ましたイブキを見て、ヒナはそれはもう泣いた。
    私は泣いていないぞ? 決して。ただヒナと私がイブキに抱き着いたのは否定できない。

    なんで抱き着かれているのかも分からないと言った表情を浮かべていたイブキも、過剰なスキンシップに「えへへ」と笑っていた。

    救急医学部による健康診断の結果、イブキの身体は常人と大差ないことが判明した。
    件の耐久実験の成果なのだろうか。とはいえ雷帝絡みの案件だ。検査結果は全て焼き捨てさせてたが、これからイブキがどうなるかは分からない。ただ、普通に生きていけることを信じるしか無いだろう。

    記憶についても曖昧なようで、少なくとも辛い記憶は何も残っていないように思われる。
    仮に残っていたとしても、楽しい記憶で上書きして見せる。私はそう誓った。

    ただひとつだけ、イブキが返した言葉を思い出す。
    それはヒナが背負ったアサルトライフルを見た時の話だ。

    「あ、イブキのだ!」
    「え……?」
    「ヒナ先輩が持っててくれたんだね! ありがとう!」

    イブキはヒナのアサルトライフルに目を向けた。
    あの時デストロイヤーと交換した銃。ヒナは笑って「そうね」と言ってイブキに渡したが、一体どこまで覚えて居るのか。

    (いや、関係ないな)

    私は首を振るようにそんな想像を追い出した。
    これから先は楽しい出来事で満たすのだ。ならば、何を覚えて居ようが関係あるまい。
    いずれにせよ、時が来るまでイブキと共に過ごす日々は続くのだから。

  • 56124/08/21(水) 16:22:27

    そして私が目を覚ましてから5日が経ったところだったか。ヒナが再び病室へと訪れた。

    「とりあえずこれ、読んで」
    「む……これは……」

    渡されたのは書類束だった。一文字一文字丁寧に読んでいき、私は歓喜の声を上げた。

    「ゲヘナ学園の再編か! よくやったぞヒナよ!」

    万魔殿が生徒会の役割を担う旨。そしてゲヘナ学園の校章にも万魔殿のエンブレムにも、ヒナのヘイローが象られていることを知って私は素直に喜んだ。

    「私は応援しよう。キキッ、よもや万魔殿が生徒会になるとはな……ッ!」
    「ねぇ、喜ぶのは良いけど、最後まで読んだ?」
    「む? 何かあるのか?」

    とりあえずとページをめくる。
    すると最後にはこう書いてあった。

    『ゲヘナ学園生徒会 万魔殿議長 空崎ヒナ』
    『生徒会からの退任し、羽沼マコトを議長の座に任命する』

    「な、なな、な……」
    「まあ、そういうことだから」
    「何ィーーーーーーッ!?」

    叫び声にイブキが驚いて目を覚ます。
    だが、いや、何故!? どうしてこうなる!?
    するとヒナはあっけらかんと私に言い放った。

  • 57124/08/21(水) 16:22:51

    「だって、組織のトップとか向いてないし……」
    「それは自己評価であろう!? な、何が悲しくてお前のヘイロー象った組織のトップを私がせにゃならんのだ!」
    「え……? 万魔殿を樹立したのはマコトなんだから当然でしょ?」
    「じゃあこのエンブレム案も止めろォ!! どう見たってお前がトップの組織に見えるでは無いか!!」
    「なんか、その、気が付いたら出来てて……」
    「お前はもっと人を見ろォ!!」

    それは演説の時よりも大きな声が出るほどだった。
    当然嫌に決まっている。こんなもの通せばどうせ「あ、議長ってヒナさんじゃ無かったんですね…?」などと言われるに決まっている。
    それではバカみたいでは無いか! 私が!!

    そこで横やりが入った。目を覚ましたイブキだ。

    「マコト先輩がゲヘナのリーダー?」
    「い、いや、それは……」
    「やった~! イブキ、マコト先輩がリーダーの方が良い!」
    「そうか~! 嬉しいかぁ~! うれし、お、おぉ……」

    正気に戻ってヒナを見るが、既に勝敗は決していたようだった。

    「それじゃあマコト。議長はお願いね」
    「貴様ぁーーッ!!」

    去ろうとするヒナを止めるべく、私は叫んだ。

    「だ、だったら私はお前に嫌がらせをし続けてやるぞ!?」
    「嫌がらせ……?」

    ヒナが足を止めて振り返る。

  • 58124/08/21(水) 16:23:09

    「具体的には?」
    「そ、それは……そうだ。風紀部! 学園内が落ち着いたら風紀部を風紀委員会として再編する。万魔殿直下の治安維持部隊だ!お前には委員長をやってもらおう……。キキキッ、お前にも大体私と同じぐらいの辛さを味わってもらうぞ……? そのぐらいせねば釣り合いが取れんわ!」
    「ええ……」

    嫌そうな顔をするヒナ。だがこれだけは何としてでも通して見せる。

    「というよりそもそもだ! やっぱりお前が生徒会長をやれぃ! このエンブレムを見て入ってみたらお前が居ないなど、それでは私が間抜けに見えるでは無いか!?」
    「いいじゃない。間抜けでも。雷帝の独裁政治を払拭するなら間抜けなリーダーが居てもいいんじゃない?」
    「ぐっ……!!」

    それはそうだった。
    独裁者という言葉の意味を軽いものへと墜とすのであれば、道化の独裁者は確かに必要だった。

    ――確かに必要だが、私に道化を演じろと!?

    いかん、外堀がどんどん埋まっていく。かと言って引き受ければ絶対に面倒なことにしかならない。だが――

    「それに……独裁者ならあなたがいいわ」
    「何を訳の分からんことを言っている!? ……が、まあ、お前には無理だろうしな。はぁ……」

    溜め息を吐くと、ヒナは笑みを浮かべてこう言った。

    「それに、あなたの戦いは終わったわ。自由と混沌でしょ? 好きに楽しくやればいいじゃない」
    「はっ……言うようになったでは無いか。だが! それとこれとは話は別だ!」

  • 59124/08/21(水) 16:23:22

    私は叫んでヒナに指さす。

    「私は何度だって嫌がらせし続けてやるぞ!? 私が上でお前が下だ! 再編する風紀委員会にも何かこうよく分からん仕事を押し付け続けてやる! それだけは覚えておけ!!」
    「はいはい、好きにしてちょうだい」
    「キィ~~~~!! イブキぃ! こいつに何か言ってやれ!」
    「ヒナ先輩のことも応援するよ!」
    「ありがとうイブキ」
    「ちっがーーーう!!」

    非常に不服だが、和やかな日常がようやくゲヘナに戻って来た。
    とはいえクーデターの被害は大きく、一部の部室棟を除いてゲヘナ学園はほぼ全壊。これから仕事は山のように来るだろう。

    だが、万魔殿の議長として最初にやるべきことはそれでは無い。
    戦後処理。そう、雷帝の処遇を決めることだった。

    -----

  • 60二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 16:29:00

    >>21

    タイトル回収されて泣いた

  • 61二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 16:40:43

    これは良い腐れ縁ヒナマコ

  • 62124/08/21(水) 16:43:03

    私はヒナを連れて、奇跡的に残っていた風紀部別館の収容所へと足を運んだ。
    白いタイルで覆われたテラリウム。嫌と言うほど見慣れたその場所も、いずれは解体しなければならないだろう。
    B-16の部屋の前に行くと、私はガラスを透明化させるべくボタンを押した。

    「あ、マコトさん!」
    「久しいな。代表よ」

    ガラス板を挟んで行われる1年ぶりの会話だった。

    「大体1か月ぐらいか。どうだその部屋は」
    「うん。快適だよ~」
    「だろうな。お前にとっては」

    常人から見れば首を吊ることすら出来ない牢獄でも、代表にとっては普通の部屋なのだろう。
    そう、この部屋は"普通"の部屋なのだ。苦しませる目的で作られているわけではない。
    代表はニコニコと微笑みながら口を開く。

    「デストロイヤー、こうやって完成させるとは私も知らなかったよ」
    「完成?」
    「うん。足りなかったのは16番目の象徴だったんだね。マコトさん。あなたが15番目の悪魔だったから出来たんだよ~」
    「……相も変わらず意味が分からんな。お前は一体何を見ているのだ」
    「世界の在り様だよ。忘れられた神々に被せられたアバターが綴る青春の物語。ねえ、見てるんでしょ。私たちを、今も」

    代表の目が何処かに向けられる。何も無い場所だ。ただ、何かを捉えたようにじっと何処かを見つめていた。

  • 63124/08/21(水) 16:43:16

    「狂人め……。それよりも、お前の処遇が決まった」
    「そうなんだ~。また退学かな?」
    「違う。卒業だ」
    「え……」

    不意に、代表の表情が消えた。

    「お前は飛び級でゲヘナ学園を卒業するのだ。本日付けでな」

    代表はガラスに飛び縋った。
    私と目が合う。代表の視線はもう遠い何処かでは無い。はっきりと私を見た。
    そして私は宣告する。最後の離別を。

    「私たちの青春にお前は要らない。お前の青春はここで終わりだ」

    私の言葉に代表は力なく床へとへたり込む。それからぼそりと呟いた。

    「そっ……かぁ……。終わりなんだぁ……」
    「お前はもう生徒では無い。子供ではない。つまらん大人となってキヴォトスから出ていけ」
    「……酷いことをするね。それがマコトさんの悪意なの?」

    頷いた私を見て、代表は諦めたように項垂れた。
    これがこの戦いの決着。代表はその日のうちにキヴォトスから出ていき、もう帰ってくることは無かった。

    そして、後に残った私たちは情報統制を行う。
    ダムナティオ・メモリアエ。二度とこの地に戻れぬよう、代表の名をキヴォトスから消し去るそのために。
    伝説的な独裁者としてすら残さない。いずれ風化し、完全に忘れ去られるまで。こいつの名前は何処にも残さない。
    それが、代表に下された実刑であった。

    -----

  • 64二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 16:46:29

    確かに万魔殿のロゴってヒナのヘイローそっくりだよなと思ってたからこう回収するとは思わなかった

  • 65124/08/21(水) 16:57:07

    それから、やるべきことは沢山あった。
    ゲヘナを立て直しながら破棄されたエデン条約についてトリニティと少々揉めたり。
    流石に連邦生徒会も仲裁に入ってくれたが一番時間が掛かったのはここだろう。

    給食部は当然解体。食を握られることの危険性を知ったいま、学園主導で部費を投じることも無いだろう。
    もし仮に給食部を復活させようとする者が出てくれば、それは他の部活動と同じように扱うことにした。

    そしてNKウルトラ計画の犠牲者たちもすぐには戻れなかった。
    錯乱した彼女たちには治療のためのサナトリウムに入ってもらい、徐々に復学へと務めてもらうことにした。
    手が空いたら適当にヒノム山沿いで温泉でも掘ってもらおう。本当にやることが無いとおかしくなるのは身を以て体験済みだ。

    「温泉開発だ~!」
    「おー!」

    何故かサナトリウムに犠牲者でも何でもない生徒が紛れていた気がするが、まあ、明るい者がいるのは良いことだ。そこは目を瞑って置く。

    問題はサツキだった。

    「……ねぇ、マコトちゃん。NKウルトラ計画って……」

    サツキは記憶の損傷が最も激しく、サツキは入学当初からの記憶がかなり曖昧になっていた。
    ヒナから聞いた話では、自力で自我を取り戻しかけて錯乱するのが常態化するほどまでになっていたらしい。

  • 66124/08/21(水) 16:57:19

    私は紐のついた硬貨を取り出してサツキに見せる。サツキは首を傾げて私を見た。

    「覚えておらんか? こう、紐を振って硬貨を揺らす催眠術のことだ。よくやっていたでは無いか」
    「あ、ああ……。そうだったわね」

    サツキに硬貨を渡す。
    辛い記憶は別の何かで上書きしてしまった方がいい。いずれにせよ、私たちの戦いは終わったのだから。

    月日は流れる。この1年は再編されたゲヘナにとって失われた1年となった。
    新入生以外は残留し、改めてもう一年をやり直す。ヒナやハルナが二年生となり、私やサツキたちと同じ学年になった。
    イブキについては少々事情が特殊なため、今は中学校に通わせている。が、来年には高校に上がって来る予定だ。

    年齢については私自身を戒めるように設定した。
    ――10歳。来年イブキが高校一年生になれば11歳。そう、代表がミレニアムで高等学籍を取得した歳と同じだ。

    代表のクローンであるイブキが代表と同じ道に行くことは無い。私がイブキを導く。私がイブキを守る。
    同じ結末には絶対にさせないとそう決めた。それ以外の全ては些事だ。立て直しが終わったら後はもう適当で良いだろう。

  • 67124/08/21(水) 16:57:34

    「――と言う事があったのだよ、先生」

    長々と語った私たちの戦い。その物語。
    それを聞いた先生は沈痛な表情で私を見た。

    「とはいえ、全ては終わった話だ。必要なのは今だろう?」
    「……そうだね」

    私は立ち上がって万魔殿の執務室の扉を開いた。そこにはイブキが居た。

    「お話終わった~?」
    「ああ、終わったぞイブキよ~!」

    イブキを抱き上げる。この重みが私を今もこの場に繋ぎ止めてくれている。

    「よし、今日も風紀委員会に何か仕事を押し付けるか!」
    「マコト先輩、ヒナ先輩のこと大好きだよね~」
    「な、何を言う! 違うぞイブキよ。これはそういう契約なのだ。というか何故奴は未だに屈しない!? いや今更ではあるが!」
    「マコト、それは……」

    と、先生が何かを言いかけて、そして首を振った。

    「……まあ、そうだね」
    「何を納得しておるのだ先生!」

    そんな私の叫びに何故か笑う先生。つられてイブキも笑った。
    そうして私は、今日もあの憎きヒナに対する嫌がらせを行うのだった。

    -----

  • 68124/08/21(水) 17:00:03

    「ヒナ委員長! また万魔殿から緊急要請です!」
    「今度は何……?」
    「ヒノム山の火口付近にうっかり演説台を落したから拾ってこい、と……」
    「……はぁ。私が行くわ。すぐ戻るから」

    私は溜め息を吐いて風紀委員会本部を出る。
    二年前の雷帝事件からというもの、マコトは今日も生真面目に、私に対して嫌がらせを欠かさず行い続けている。

    ――まさかここまで続くなんてね。

    あの時言った言葉を若干後悔しているが、それはそれとして突然議長を押し付けられたマコトに対する負い目も無くはない。まだ、ある。もうほとんど残っていないけれど。

    実際、私がやったことを考えればそのぐらいされても当然だった。
    何せあんなボロボロの状態のマコトに学校の運営を全てぶん投げたのだから。
    それでも、あの時はそうしなくては行けないように思ったのだ。

    マコト自身が気付いていたかは分からないけど、病室で目覚めたマコトはもう何もかもが燃え尽きていた。
    当たり前だ。あんな日々を送って発狂寸前の綱渡りをし続けて来たのだから。
    いつ"居なくなっても"おかしくなかった。それこそ"自分が居なくてもイブキは大丈夫"と思ったらすぐにでも消えてしまいそうなぐらいに。

    万魔殿と風紀委員会。それがあの日の私とマコトを繋ぐ歪な絆。
    あの嫌がらせだって、本気で私が止めてと言えば止まってしまうだろう。

  • 69124/08/21(水) 17:00:34

    私が負い目を無くしてはっきりと言ったら、それで止まるぐらいの微かな絆。
    一度はエデン条約を巡る騒動で切れかけたけど、それでも今も続いている。

    『その……なんだ。先生のことは悪かった』
    『…………ごめん』
    『……良い』

    たったそれだけの会話。きっと誰が聞いたって何を話していたのか分からないだろう。
    でも私たちは分かっている。あの日、風紀の腕章の重さから逃げようとして勝手に締結させようとした私のことを、羽沼マコトは分かっている。

    ヒノム山に到着すると、あの日使った演説台が火口の近く、熱気の中に立っていた。
    雷帝のことを覚えて居る人は殆ど残っていない。私たちの戦災はもうじき終わりを迎えようとしている。

    『雷帝を討て、空崎ヒナよ』

    あの時放ったマコトの言葉ですらも、時が全てを押し流していく。
    それが私たちの決めた道。あの事件を陳腐化させると決めて、雷帝の遺産その全てを密かに破壊し尽くすと決めた誓いそのもの。

    だからもう、こんな演説台が必要とされない世界を私たちは望む。
    私は演説台に足をかけて思いきり蹴り飛ばした。火口へ落ちて、全ては炎に呑まれて消える。

    そして私は背を向けた。
    私たちの"日常"は、これからも続くのだから――

    --完--

  • 70二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:02:38

    ブラボーッ!!!おーブラボーッ!!!!!!
    今はただ、すばらしい作者に感謝を!

  • 71二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:07:04

    すごいものを見た

  • 72二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:22:18

    ありがとうございます!ありがとうございます!
    このような名作が見れて感無量です!

  • 73二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:27:19

    乙でした。ただ凄いという言葉しか出てこない
    確かに独自設定多めだけどそれが逆に魅力になってる。イブキの正体とか予兆はあったけどうわぁって声出たよ…
    この掲示板でここまで密度の高いSS(SS?)にお目にかかるとは思ってませんでした

    たぶんこのスレは未来永劫あにまんで伝説として語り継がれる
    素晴らしい作品がリアタイで生まれる瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います
    ありがとうございました!!!

  • 74二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:33:00

    羽沼マコト偉人伝すぎる

  • 75二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:34:19

    久しぶりに泣きながら読破しました!!!!!
    万魔殿のエンブレムなどの鮮やかな伏線回収!!!!お見事です!!!!!
    手前!涙が止まらないです!!!!!!!!!!

  • 76二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:35:41

    とてもおもしろかった!ありがとうございます。

  • 77二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:36:34

    これほど引き込まれるssを初めて見ることができ
    しかもその瞬間をリアルタイムで見ることができたのを嬉しく思います
    作者様へ心から感謝を申し上げます
    ありがとうございました! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 

  • 78二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:48:46

    完結乙です!面白かった!

    マコトの詰めが甘いのはここからなのかもしれない(自分に向けられた愛を読み間違えて心中が潰える)

  • 79二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:52:30

    素晴らしい!!
    熱く重厚な展開や爽やかな結末もさることながら
    起承転結と綺麗にまとまった、お手本にしたいような出来の良いストーリーでした
    投稿タイミングも良い感じだし、やっぱり作品を計画性を持って作るって大事だと見てて思ったよ

  • 80二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:53:49

    ただただすげえとしか言葉がでない
    これ以上の雷帝を思いつける気がしないわ

  • 81二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:54:47

    いや~良い物を見せてもらった
    雷帝の正体とかマコトとヒナの過去とか、まだ色々わかってないことがある現段階だからこそできる作品って感じで素晴らしい
    本編で色々結末や真相がわかった後だと、作る方も見る方もまた色々感覚が違って来るだろうからね
    リアルタイムの熱さを感じたよ。本当に有り難うスレ主

  • 82二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:57:04

    マコトがヒナに執拗に反感を向けていたり
    イブキのことを強く大事に思ってたりすることと
    綺麗に重なって良い感じです
    カヨコもなんか本編でも色々お労わしい過去とか持ってそうだなぁ……
    まあそっちを何とかするのはアルちゃんのお仕事なわけだけど

  • 83二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 17:58:13

    万魔殿エンブレム以外にもカヨコとアコの過去やマンモス校なのに給食部の人数が少なくて2年のフウカが部長してる謎も解けたし便利屋に行ったカヨコと医療従事者の格好してるセナ以外の3年組の服が全員どこかしら軍服っぽい(メグですら腰に巻いてる)のも回収しててすごい手腕だと思った

  • 84二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:02:07

    雷帝こと丹花代表もすごく良いキャラしてたしやったことを許せないと思いつつその強烈なキャラクターに魅かれてしまう名ヴィランだったよ
    人間の範疇の逸脱の仕方も、天才とか超人というより単純に種族が違う、文字通りの宇宙人とか異次元人みたいな感じでしっくり来た
    「卒業」はただ生徒たちの幸福が見たかった彼女には過酷な処罰だっただろうけど、残念ながら彼女の能力と人格ではキヴォトスに居てはいけない存在すぎるから、居場所のありそうな世界へお行き……ってする結末が一番丸いんだろうなあ、と思った

  • 85二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:05:00

    マコトが代表の洗脳に耐えきったことから考えるともしかしてだけど>>66のやり取りを見るにマコトにだけ効くサツキの催眠術ってマコトが全力でかかったふりしてるだけの可能性ある…?

    催眠術に効果はない→NKウルトラ計画は催眠術ではないのではないか→別の何かがあった→過去を思い出して発狂ってならないようにしてない?

  • 86二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:08:24

    >>85

    そのエピソードでイブキに怪我させてるから流石に精魂尽きて脆くなってるのが原因なんじゃないかな

    あとはかかってやろうとしたけど誤ってトランスし過ぎたとか

  • 87二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:09:28

    あのゲヘナのやべーやつらとして知られる美食研の存在が無垢な絶対神に抗うカギになるのが最高にゲヘナらしくて大好き
    そりゃ美食研ならクラナハの林檎は下水で作ったような食材としか思わないし最大の逆鱗にもなる
    同時に同じくゲヘナのやべーやつらである温泉開発部のオチ担当ぶりとの対比もとても良い

  • 88二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:19:42

    >>86

    ずっと掛からないぞ掛からないぞと集中してたから掛かってやるか…と思うと決壊する感じか

  • 89二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:24:49

    乙でした!!
    一つのゲヘナ過去編として完璧な内容だった...
    爪痕が残りつつも平和と混沌の日々を歩む万魔殿に幸あれ!

    ある種の歪んだ願望機めいた雷帝も良かったです...
    善意の超越者である彼女を打ち倒したのが、少女達のエゴと悪意という持ち合わせて居なかった物なのが綺麗だ

  • 90124/08/21(水) 18:35:03

    >>スレ主です。ここまでお付き合いくださり誠にありがとうございました!

    やはり文字を書くのは楽しいですね。皆さまが見てくださったおかげで無事に走り切ることが出来ました。本当にありがとうございます!


    原作で雷帝の設定が少しでも出たら多分書けなくなると思って慌てて書き始めたのが事の始まりでした。

    独自設定とか独自解釈とか、人のを読む分には楽しいんですけど自分で書くとなると凄い勇気いるんですよねぇ……。

    雷帝の設定も、途中からヤバさを盛ったりとちょくちょく変えたりしたので最初の頃と若干整合性も怪しい……。


    あと読み返して一番びっくりしたのは本当の最初にイブキが自分のこと”私”って呼んでて「シンプルミスじゃんこれぇ!」と叫んでいました。ノリと勢いに任せて書いてすぐ上げるからこうなるのです。全体的に直さねば……。


    ブルアカで起こる悲劇はだいたい扱いきれない能力の高さがきっかけだと思ったので、雷帝も決して悪い子ではなかったという形にしてみました。イメージとしては色彩の擬人化みたいな感じです。

    先生が居たらもっと良い結末もあったのかも知れませんが……。


    ちなみにこの話も校正したらPixivに上げる予定です。

    なのですが、まだ先月書いたホシノが夢の世界に囚われる話も校正し終わっていないのでそっちからですね……。タスクが積まれていく……。


    色々話したい事もたくさんありますが、一旦ここで締めさせていただきます。

    ブルアカは最高だぜぇ!!

  • 91二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:43:56

    >>90

    乙! 本当に楽しませてもらいました

    Pixivに上げるのも楽しみです。他の作品も読ませてもらいますね!

  • 92二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:48:43

    雷帝はなんか、災害や疾病で住人がもう完全に立ち上がることもできないほどに詰んで破滅を待つしかない世界とかなら本物の救世主になれそうだし
    逆に雷帝の思考や技術に合わせられる住人のいる世界なら優秀な科学者ぐらいの存在として適応できそうな感じだな、根が善意の人でただ単に人間の感覚を理解できてないところから察するに

  • 93二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:51:35

    乙でした!!
    ゲーム本編のキャラたちの性格を崩さず、エデン条約編のマコトの行動まで説明できててすごくすごかったです
    とても面白かったです。pixivも待ってます

  • 94二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:53:29

    このレスは削除されています

  • 95二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 18:59:21

    乙!!
    名作の誕生に立ち会えて嬉しいよ……
    この世界のゲヘナ生はみんな幸せになってくれ

  • 96二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 19:21:33

    >>83

    確かに‼︎

    エグすぎる

  • 97二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 19:44:59

    傑作でした!
    本編の雷帝や実際の顛末がどんなに違っていたとしても
    このSSの雷帝やマコト達の活躍は忘れることはないと思います!

  • 98二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 19:46:44

    解釈一致の完璧なゲヘナ過去編乙でした

  • 99二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:00:40

    このSSを見てて思い付いたイメソン


  • 100二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:13:33

    >>90

    間違っていたらすみません、もしかして前作これだったりしますか?

    https://bbs.animanch.com/board/3527419/?res=191

  • 101二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 20:22:20

    ファイトソング (Fight Song) - Eve Music Video

    自分は雷帝に途中からマキマさんを連想してたこともあって最後のマコト達のターンでずっとこれが頭で流れてたな



    雷帝もまともに他人を認識したのは卒業を突きつけた瞬間のマコトだけで他はマキマみたいにパラメーターやステータスでしか判別してないんだろうなって…

  • 102124/08/21(水) 20:32:32

    >>100

    あ、それです!SS詐欺ですが…

    ギリギリSSと言って良かったのはシュロが百物語やるスレまでだったぜ…

  • 103二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:07:45

    if系のSSはよく見かけるけどこういう本編に地続きで繋がる形のお話は新鮮で面白かったです!
    しかも綺麗に色々な要素を辻褄が合うように回収していっていてもはや美しい…
    あとこの作品を読んでハルナがかなり好きになりました、ハルナの取り出した爆弾がここまで頼もしかったことが今まであっただろうか

  • 104二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 21:12:57

    ねえ、見てるんでしょ。私たちを、今も

    これって俺たち3次元の存在を認知してるってことだよな? マジで怖すぎだろ...このボンドルド一体なんなんだ?

    それはそうと作者様!最っっっっっっ高の物語をありがとうございました!凄く面白かったです!
    イブキとマコトノやりとり。思わずうるっときてしました...
    ゲヘナのみんなに幸あれ!
    そして何よりも素晴らしいSSを書かれた作者様に幸あれ!

  • 105二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:20:10

    完結おめでとうございます。

    もう、これ正史扱いでも納得する内容でした。

    素晴らしい!!

    ブラボー

    88888888888888888

  • 106二次元好きの匿名さん24/08/21(水) 22:56:10

    >>104

    さらにキヴォトスの生徒は神々に“生徒”のテクスチャを貼り付けたものだということも知っている

    怖い

  • 107二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:02:34

    めちゃくちゃ面白かった!
    ここ一ヶ月くらいの寝る前の楽しみでした!ありがとう!

  • 108二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:31:39

    このレスは削除されています

  • 109二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 00:38:26

    そういえば絆エピでマコト自伝出そうとしてたけどこの世界だと何書くんだ……?
    魔王が破壊し尽くしたゲヘナを復興させる偉大な議長(嘘は言ってない)(隠し事が無いとも言ってない)の話でもするのか?

  • 110二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 01:02:57

    完結おめ!!888888888888888888888


    動画から来て最後まで見たあと原作の設定の伏線回収が

    されていて鳥肌が立ちました

    pixivのものもぜひ拝見させていただきます


    最後に


    _ 人人人人人人人人人 _

    > ヒナマコてぇてぇ <

     ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^YY^Y ̄

  • 111二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 02:45:15

    マコヒナ最高ぞい

  • 112二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 06:20:48

    ありがとう…本当にありがとうございます

  • 113二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 09:45:05

    pixivアカウントを教えていただくことって可能ですかね……?
    語彙力がなくなるくらいとても良いssだったのでフォローさせていただきたいのですが

  • 114124/08/22(木) 11:06:08
  • 115二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 12:06:26

    >>114

    >>113です

    教えていただきありがとうございます!

    フォローさせていただきました!

  • 116二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 21:05:06

    >>114

    余計なお世話かもしれませんが、if設定長編なら話数わけてハーメルンとかに投稿した方が伸びやすいですよ

  • 117124/08/22(木) 23:03:36

    >>116

    友人からも言われたんですよね。ハーメルンで上げてって……

    アカウントは取ったのですが文章打ち込む画面見て一旦パソコン閉じてしまいまして……。

    が、頑張るかぁ……!?

  • 118二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:10:42

    >>117

    無理のない範囲で応援しております...!

  • 119二次元好きの匿名さん24/08/22(木) 23:25:11

    完全に脳焼かれてなけなしのカケラでマコト固有3にしてしまったではないか…

  • 120二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:33:31

    読み返すと最初のアップルパイの話から元凶だったんだよな
    多分本当に善意100%で甘ったるいりんご作っただけなんだろうけど、りんごに意味を挿入するとかただの食品にそんな技術使うかってことやっててさ
    というかりんごの製作者がわかった時最初は代表のネーミングセンスを疑ってたのね、初めての作品のりんごに禁断の赤なんて名前付けるかって、やっぱりこっちの事も神話も見えてたからあの名前にしたのかな
    最初から天国のあのりんごっぽいとは思ってた、本当にそうだった
    りんごの話しかしてねぇや、しかし色々と深いな、代表視点では何が見えていて何が見えてなかったかもう一度読み返して考えてみるのもいいかもしれない

  • 121二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:36:16

    このレスは削除されています

  • 122二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 10:37:13

    なんかこう……最後に何もかも諦めたように項垂れるの……凄く雷帝っぽいなって

  • 123二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:15:05

    完結乙でした
    大作だった

    雷帝、もとい丹花代表結構好きだな
    邪悪に満ちた無邪気な善意
    「自分が悪だと気づいていない(ry」じゃなくて、正真正銘の善なる意思が人の理に反する形でしか反映できない、むしろ哀しき悪役って感じ
    物体にテクストを割り込ませたりして方向性が完全にゴルコンダ(ゲマトリア=悪い大人)なのは何の因果なのか
    この雷帝は、純粋な超破壊兵器である列車砲をどんな気持ちで作ったんだろうな

  • 124二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 12:18:02

    >>123

    当時の生徒会長「ちょっと平和的な利用をしたいんやけど〜」


    雷帝「平和的な利用……ほなええか!!」くらいのノリじゃないかなあ……

  • 125二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 13:43:06

    本当に面白かった、面白かったけども、読んでいる途中に文字の色が変わると目がチカチカする...
    もちろんスレ主は悪くないのは分かっているけど、SSスレとかだと色が変わらない設定できればいいのにな

  • 126二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 17:05:04

    他の人も言ってたけど雷帝側の視点でも読みたくなってくる作品だ

  • 127二次元好きの匿名さん24/08/23(金) 22:28:34

    このレスは削除されています

  • 128二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:19:40

    全て読ませていただきました.....
    イブキ......幸せになってくれ

  • 129二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 18:49:56

    前作共々楽しく読ませて貰いました
    イブキ…
    この密度をこの速度で投稿される事自体が奇跡じみていると思います
    良いものを読ませてもらいありがとうございます

  • 130二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 20:29:03

    >>56

    っぱ締めはUnwelcome Schoolよ

  • 131二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:46:00

    最高のSSでした...!前作も最高だし、pixivとハーメルンで再編されるの楽しみにしてます!

  • 132二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 23:02:25

    今まで見た中でトップクラスのSSでした!!
    アコは魔王ムーブしてるヒナを見て脳を焼かれたんだろうか
    カヨコのこととか含めて、妄想が膨らむ…!

  • 133二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 08:36:51

    乙。


     謙虚なのは良い事だし1つ1つコピペするのが面倒である事も承知の上で敢えて申し上げますが、やはり(完結後でいいので)過去作まとめは欲しいです。

     ――本来なら作者自身が手ずから行うのが筋ですけれども、許可してくだされば貴殿の過去作を僕が知りうる限り掲出します。



    >>125

    逆に考えるんだ 「本編部分だけハートを押して色を揃えればいい」と考えるんだ

  • 134二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:27:31

    この世界線のマコヒナには是非とも学生結婚してイブキを養子に迎えてほしいですね、切実にね

  • 135二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 19:58:26

    かっこいいし壮大だしもうなんていうか…ふと最初から読み直したくなると思う。段々解き明かされてくのが面白かった!!

  • 136124/08/25(日) 20:46:49

    >>133

    済まぬ…。善意からの申し出であることは理解しているのですが、毎日投稿前提だった初稿をスレ以外で残されるのは流石に恥ずかしいので校正終わってしっかり出すまでは待っておくれ……。


    じゃあyoutubeは良いのかって思うかも知れんが、それはあれだ。理屈じゃない、いまの私の感情だから突然牙を向く可能性は全然ある! 済まぬな!

  • 137二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 07:35:53

    保守

  • 138二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 12:55:30

    はしゅ

  • 139124/08/26(月) 16:48:18

    保守してくださっている方がいらっしゃったので、最後に入れようと思って入らなかったエピローグを載せておきます。
    ここから先は蛇足の話!

  • 140124/08/26(月) 16:48:30

    ■マコト編

    「ええい代表め! 一体どうやってこんな量の業務をひとりで回していたのだ!!」
    「はいはいマコトちゃん、とりあえずコーヒーでもどうかしら?」

    頭を掻き毟りながらも執務机に溜まった書類をひとつずつ精査していく。
    サツキが置いてくれたコーヒーカップを手に取って一口。五徹目の頭にカフェインが染み込むような気がした。

    「ねぇ、一旦休んだらどうかしら?」
    「そ、そうだな……。頭がおかしくなりそうだ……」

    そう言って私は書類を山に戻す。異常な――いや、普通の忙しさだ。一から学校運営がどう行われていたかを過去の履歴から調べて組んで動かそうとしているのだから。
    あのクーデターを経て排除した偽りの平穏は無くなったものの、何ならゲヘナ学園も一緒に無くなったのだから仕方がない。

    私が万魔殿の議長を押し付けられて2か月を迎えようとしていた。
    背もたれに寄りかかって大きく伸びをすると、溜まった疲れが一気に回ってそのまま意識を失いそうになる。
    極限状態から生還してずっとこの忙しさだ。言葉通り忙殺されかけ続けて、体重が戻ったのも最近のこと。

    幸いにしてあの時クーデターに参加したゲヘナ生は忠誠を以て私に尽くしてくれることか。
    おかげで人手ゼロというわけでは無い。わけではないだけだが……。

    「議長がヒナだと思っている者が今日だけで12名。私を演説した者と同一人物だと信じなかった者が5名……。何故だ。何故未だに間違う者がいるのだ……」
    「しょうがないじゃない。映像は消しちゃったし体重も今の半分も無かったんだから」

    今の私とあの時の私が一致していないのも仕方のない話ではある。何せ一年ぶりに地上へ出たときには餓死寸前だったのだ。そりゃもう風貌だって全く違う。
    それに自治区に流したあの演説だって、雷帝に関する全ての記録を消す際に映像はもちろん音声でさえ念入りに葬り去ったのだ。
    よもやその弊害がこのような形で出てくるとは……。

    「おのれぇ……。この羽沼マコト様の名だけは忘れぬような施策も考えねば……」

  • 141124/08/26(月) 16:48:52

    そう思っていると執務室の扉が開いた。現れたのは万魔殿の部員である。

    「議長! 美食研がまた暴れてます!」
    「なぁんでだ!! ええい、ヒナを呼び戻せ!」
    「空崎さんはいまアビドスで活動しておりますが……」
    「知らん! 嫌と言っても向かわせろ!」
    「はっ、はい!」

    慌ただしく出ていく部員の背を見て私は何度目かも分からない溜め息を吐いた。
    美食研究部。ハルナが作った部活だったが、創部2週間で"クラナハ"も何も関係ないレストランを18件も爆破して廃部にした部活だった。だったはずなのだが……。

    「そもそも美食研究会とは何だ……。そして奴は何故いちいち爆破する……」
    「が、頑張ってマコトちゃん! あ、イブキちゃん呼んで来るわよ」
    「頼む……」

    この2か月で多くの部活動の創部申請が届いていた。
    サナトリウムで療養中の生徒たちからは温泉開発部の申請も届いており、他にも爆弾サッカー部やデスゲーム部など珍妙なものまでとこちらも混沌としている。
    それに万魔殿直下の治安維持組織としての風紀委員会もまだ整備出来ていない。代表もとい雷帝派に活動を乗っ取られるわけには行かないため、風紀部から一人ひとり面接をしながら初期メンバーを集めている状態だ。

    つまるところ、現在のゲヘナに治安維持組織は事実上存在していない。
    それが徹夜し続けている一番の要因だった。それはもう治安は悪化の一途を辿っている。
    治安維持については万魔殿の部員たちで対応しているが、それでも対処できない生徒の場合は情報部のヒナを無理やり引きずり出すのが現状だ。

    外からは相も変わらず聞こえる銃声と爆発音。
    これまで失われていた銃撃戦の全てを取り戻すかのように、ゲヘナの生徒は今日も気ままに暴れ回っている。

  • 142124/08/26(月) 16:53:35

    「いや自由と混沌とは言ったが、ここまでやれとは言っていないぞ――!?」

    校舎の立て直しにエデン条約の無期延期の根回し。ゲヘナの行政と財政の掌握。
    連邦生徒会に生徒会組織として認めさせたり何だりと、次から次へと増え続ける仕事とトラブル――

    「――やってられるかこんなものぉ!!」
    「マコトせんぱーい! イブキだよー!」
    「イブキぃ~~!」

    ぽてぽてとやって来たイブキを抱きしめるとお日様の匂いがした。

    「頼むイブキぃ……。頭を撫でてくれぇ……」
    「いいよぉ! よくがんばりましたマコト先輩!」

    イブキの小さな手が私の頭を撫でる。
    もう全てが限界すぎて、時折こうしてイブキに励ましてもらっていた。
    これが無かったらとっくに投げ出してゲヘナから逃げ出していた。そのぐらいには全てが滅茶苦茶である。

  • 143124/08/26(月) 16:53:46

    「マコトちゃん、そのままお昼寝しても大丈夫よ。後は私がやるわ!」
    「そ、そうか……? しかし……」
    「大丈夫よ。マコトちゃんよりは寝ているもの。それにイブキちゃんだってマコトちゃんとお昼寝したいでしょう?」
    「うん! 一緒にお昼寝しよ? マコト先輩」
    「む、むぅ……」

    そう言われると断れなくなるのが私だ。
    イブキを抱き上げてソファへと向かい、横になる。
    腕の中のイブキの温かさによるものか、すぐに睡魔がやってくる。

    「おやすみ~。マコト先輩」
    「ああ。おやすみ、イブキ」

    そうして私は眠りに就いた。
    大変で、騒がしく、そしてイブキたちと共に生きていく世界。
    それこそが私たちの得た日常なのだから。

    -----

  • 144124/08/26(月) 16:54:15

    ■カヨコ編

    「どうして風紀部を辞めるんですか!?」

    アコの怒声が部室に響く。私は目も合わせずに自分の荷物をまとめていた。

    「もう役目は果たしから」
    「役目? 役目って何ですか!? 部長の責任を投げ捨てて、そんな気持ちでこれまでやってきたんですか!?」
    「そうだよ」
    「――ッ!!」

    アコが手を振りかざす。
    けれどもその手は振りかざされたまま、私の頬を打つことは無かった。

    クーデターの時、私は風紀部部長の権限を使って風紀部に待機命令を出した。
    事実上雷帝の私兵であった風紀部は、私の裏切りによって雷帝を失脚させた最悪の部活とまで揶揄されている。

    悪評はもちろんこの私にも。
    あの時ゲヘナ学園の水面下でどのような計略が働いたのかなんて、当然風紀部員たちも知らない。
    いずれにせよ風紀部はマコトの手で風紀委員会に再編されるが、それも実際には風紀部を廃部にして雷帝派以外の生徒を引き抜くようなもの。

    そんな中で私は風紀部を辞めたのだ。
    何も知らない生徒からすれば雷帝を失脚させた責任も取らない生徒にしか見えない。
    アコが抱いているのはきっと、そういう怒りだった。

  • 145124/08/26(月) 16:54:36

    「あなたには……失望しました」

    アコは振りかざした手を下ろして怒りを零す。
    私はそれに向き合うことなく荷物をまとめ終えて、音楽プレイヤーをポケットに突っ込んだ。

    「……その方が良いよ。アコも風紀委員会に入るんでしょ」
    「当然です! やっとヒナさんと一緒に居られるんですから!」
    「良かったね」
    「良くありません! 良いわけが無いでしょう!?」

    叩きつけるような叫びを聞きながら、私はイヤホンを耳に付ける。
    そして微かに笑みを浮かべた。

    「もう疲れたんだよ。何かに縛られるのは」
    「部長……!」

    私は再生ボタンを押した。
    これでもう何も聞こえない。聞こえるのは激しいメタルの重低音だけ。

    (しばらくひとりになりたい)

    降りしきる孤独の闇でしか、この傷は癒やせない。
    治らない痛みと植え付けられた恐怖の日々は、心のずっと深いところに根を張ってしまっている。
    だからこれで私の話はおしまい。

    だったはずなのに。
    この痛みを忘れてしまうぐらい騒がしくて楽しい日々が待っているだなんて、この時の私はまだ知らなかった。

    -----

  • 146124/08/26(月) 16:55:01

    ■???編

    子供たちはかつて神だった。そして成長し、やがてはつまらない大人へとなっていく。
    朝起きて、働いて、家に帰って眠りに就くような、何でもない日々が続いて行く。
    そうして振り返るのはアーカイブ化された青春の日々。もう戻れないあの日々に想いを馳せては、大人の時間を使っていく。

    キヴォトスでの出来事も、私の上にヘイローが浮かんでいたことも、いずれはこの先も続く膨大な時間の底に埋もれてしまうのだろう。
    だからこそ、そんなつまらない大人になってしまった今の私から、今なお青春の夢を過ごすあの子たちに伝えたい。

    「きっとそっちじゃ大変なことが起こるかもしれないね」
    「でも大丈夫だよ。だってみんなは、私なんか居なくたって世界を変えられる」

    あのとき世界を変えたように、きっとあの子たちは何度だって世界を変えるだろう。
    希望と絶望、善意と悪意。色んなことを知った今だからこそ言える。大丈夫だよ、と。

    ただの大人から神様の子供たちへ贈る言葉はただひとつ。

    「大人になって、もしも皆が許してくれていたら、もう一度だけお話ししたいな」
    「だからどうかそれまでは――幸せに生きてください」

    いま過ごすその日々を、いつか笑って思い出せるように。
    それだけが、私の願いです。

    -----

  • 147124/08/26(月) 16:55:16

    蛇足の話、終わり!

  • 148二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:02:51

    雷帝ぇ…

  • 149二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 17:31:39

    代表も人の心を知れたのかな

  • 150二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 18:07:40

    代表とカヨコとマコトで卒業後に酒でも飲んでてほしいな

  • 151二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 22:50:34

    こうして功績スカスカなマコト様自伝が出版されるんですね

  • 152二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 08:16:10

    保守

  • 153二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 12:32:59

    無理に保守するのもなぁ……と思ってたワイ、エピローグ投下に無事掌返し
    サンキューイッチ、サンキュー保守。そして“大人”になった元雷帝の少女の行く末に、幸多からん事を

  • 154124/08/27(火) 12:46:02

    楽しかったぜ! ありがとうございました!
    あ、これ以上はもう本当に書くもの無いので落としてくだされば!

  • 155二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 16:29:16

    個人的には代表人の心について分かったみたいだし外の世界で才能を存分に発揮してるといいな

  • 156二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 00:43:28

    このレスは削除されています

  • 157二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:24:47

    素晴らしい作品でした。作ってくれたこと、完走してくれたこと、感謝申し上げます。

  • 158二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:36:09

    最後にこんなプレゼントが送られるとは…
    1に感謝

  • 159二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 20:37:13

    そういえば、雷帝の発明品はどういうパターンで名付けてるんですか?

  • 160124/08/28(水) 23:15:22

    >>159

    あぁ――!! き、聞かれると言いたくなってしまうのが私の業……!!


    "クラナハ"は宗教画家のルーカス・クラナッハより。

    『5つのパンと2つの魚の奇跡』などの作者なので名前をお借りしました。

    宗教絵画、特にキリスト関連はそれはもう沢山の方が描かれているのですが、その中でぱっと見て人名っぽくなくて固有名詞っぽいものから抜粋。


    フォビドゥンレッドはそのまんま禁断の果実より。"レッド"はオサレ要素。

    分かり易過ぎるかなと思いましたが初出の時点じゃ関係無いかと思いGOしました。名前から察した方は恐らく私と思考回路が近いので美味い酒が飲めそうです。


    位相転移装置も最初は固有名詞つけようと考えていたのですが、デストロイヤーを雷帝作にしたかったので命名規則が生まれないようシンプルなものにしました。

    (神隠し系の文献はネットで漁ったものの固有名詞にするにはピンと来なかった……)


    他にも色々雷帝の遺産枠たる発明品を考えて命名したりしましたが、「微妙」「冗長」「面白くない」などの理由により破棄。この場で勝手に書かれた謎発明品はその生き残りです。

    ……まあ。シェマタ以外で雷帝のネーミングセンスが分からないのが辛いところではありますが……。

  • 161二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 11:12:33

    このレスは削除されています

  • 162二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 23:04:07

    3時間か…たまげたなぁ…


  • 163二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:51:48

    a

  • 164二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 19:29:04

    自分が思うに、“雷帝”と呼ばれた少女が歪んでしまった要因は2つある。
    第1に、他者より多くの事実を理解でき、思いつきを形にする技能が過剰に優れていた事。
    第2に、彼女自身を理解できる他者はおろか、真実を教え諭せる他者さえいなかった事。

  • 165二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 07:14:33

    第2弾


  • 166二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 17:07:07

    このレスは削除されています

  • 167二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:54:03

    このレスは削除されています

  • 168二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 01:56:23

    このレスは削除されています

  • 169二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 13:51:09

    それにしても、なぜ雷帝は自分のクローンにイブキと名付けたんだろう?

  • 170二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 01:33:21

    >>169

    生命の"息吹"とかなんだろうか…それ以外で思いつかなかった

  • 171二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 03:32:18

    ちなみにイブキの中国名は伊吹だが、伊吹山から引っ張ると神の息吹から連鎖しているらしいぞ。
    そこからゴッドブレスに繋げるなら「お大事に」とか「幸運を祈る」とかになるらしい。

  • 172二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 11:19:16

    >>171

    知らなんだ…

  • 173二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 23:13:38

    このレスは削除されています

  • 174二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 23:14:17

     ドーモ、『ホシノ「ただちょっと夢見が悪くてさ……」Part3』の>107&>197です。

     >>1殿が今作Part1の>192( https://bbs.animanch.com/board/3684099/?res=192 )で「誤字と脱字と衍字は敵。もし見つけて気が向いたら教えてくれると実際嬉しい……。」と仰っていたので、遅れ馳せながらビシバシ指摘していきます。

  • 175二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 11:13:07

    このレスは削除されています

  • 176二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 11:14:02

    まだ落ちてなかったから見に来たらおまけと名前の由来投下されてた、ありがとう…

  • 177二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 22:55:53

    雷帝ちゃんって「他人がどう動くか」を全く考えてないのよね
    単純にその部分が欠落してるのか、意図的に考えないようにしてるのかわかんないけど

  • 178>>17424/09/04(水) 08:21:49

    Part1(1)



    ・(>6)「それは他愛のない部活動、別にゲヘナで無くてもありそうな部活動だったが故に、」→「それは他愛の無い部活動、別にゲヘナでなくてもありそうな部活動だったが故に、」

        「その先に会ったのが情報部、」→「その先にあったのが情報部、」


    ・(>23)「本人いわく「なんでだろうね?」などと言っていたが、」→「本人は「なんでだろうね?」などと言っていたが、」


    ・(>27)「そして有無を言わせる間もなく」→「有無を言わせる間もなく」


    ・(>30、>31、>32、>34、>35、>36)「風紀部」→「風紀部員」


    ・(>31)「時刻を打ち込み通りの監視カメラを確認する。」→「時刻を打ち込み、通りの監視カメラを確認する。」

        「画角があまりに絶妙だった。」→「画角があまりに微妙だった。」


    ・(>32)「それで一旦止まったんだけど、すぐ退いたみたいだから本当に少しの間だったけど」→「すぐ退いたみたいだから本当に少しの間だったけど」or「それで一旦止まったんだけど、すぐ退いたみたいだから本当に少しの間だったわ」


    ・(>34)「正直何にも思いつかない。」→「正直何も思いつかない。」


    ・(>35)「バスの上へと乗せるように投げ込めば開く窓は爆発現場の上である必要は無い。」→「バスの上へ乗せるように投げ込めば、爆発現場の真上に潜む必要は無い。」or「バスの上へ乗せるように投げ込めば、爆発現場の真上で待ち伏せする必要は無い。」

        「それに、監視カメラも気付いていれば向きを変えられる。」→「監視カメラも、配置を知っていれば向きを変えられる。」or「監視カメラも、配置が分かっていれば向きを変えられる。」


    ・(>39)「ロビー活動をしていた時期に名乗られていたもの」→「ロビー活動をしていた時期に名乗っていたもの」


    ・(>40)「代表のような存在のために在る言葉だ。」→「代表のような存在のためにある言葉だ。」or「代表のような者のために在る言葉だ。」

        「2か月ぐらいかけて」→「二ヶ月ぐらいかけて」


    ・(>42)「4か月分の自由時間」→「四ヶ月分の自由時間」

        「自治区内で起こっている犯罪件数の規模と位置」→「自治区内で起こっている犯罪の件数と規模と現場の位置関係」

        「悪くは無かった。」→「悪くはなかった。」

  • 179124/09/04(水) 10:19:55

    >>178

    ありがてぇ…!!完全版の際には修正いたしますぜ。

    誤字脱字はパブリックエネミー。奴ら何処にでも湧きやがる……!!

  • 180>>17424/09/04(水) 20:16:39

    Part1(2)



    ・(>46)「だがかけ過ぎは良くないぞ」と「メープルシロップを掛けまわしてから」で表記揺れ


    ・(>52)「直売所型の餌というわけだった。」→「直売所型の罠というわけだった。」or「直売所型の囮というわけだった。」

        「そして私は穴に落ちた中学生を助けるべく一歩を踏み出した。道路が抜けた。」って部分、イブキを担いだまま? いつの間にか降ろしてた?


    ・(>53)「この大地で富育み作られた最高の食材」→「この大地で育まれた最高の食材」

        「待て待て待て。」→「待て待て待て、」

        「むしろかくあるべきだろう?」→「むしろ斯くあるべきだろう?」


    ・(>54)「その答えはまるで呆気ないことのように語られた。」→「その答えはまるで何でもないことのように語られた。」or「その答えは何でもないことのように語られた。」


    ・(>56)「いま必要なのは今出来る最善を」→「今必要なのは今出来る最善を」or「今必要なのは最善を」or「必要なのは今出来る最善を」


    ・(>63)「いま携帯に」→「今携帯に」

        「人生なにが幸いするか」→「人生何が幸いするか」


    ・(>66)「何件かヒットしたためそのうちの一室の」→「何件かヒットしたうちの一室の」

        「「選んだよ!」とイブキがタブレットを渡してきたため受け取ると、」→「イブキが「選んだよ!」と言って渡してきたタブレットを受け取ると、」


    ・(>67)「エプロンを購入し、」→「エプロンを入手し、」or「エプロンを受領し、」


    ・(>74)「では無く」→「ではなく」

        「今度はゲヘナ学園内部では無い材料を使って同じものを作るのだ。」→「今度はゲヘナ学園の外で仕入れた材料を使って同じ物を作るのだ。」or「今度はゲヘナ学園の外から仕入れた材料を使って同じ物を作るのだ。」

        「と言ったところで、調理室の扉を開いた。」→「といったところで、誰かが調理室の扉を開いた。」or「といったところで、誰かが調理室の扉を開けた。」or「といったところで、調理室の扉を開ける者がいた。」


    ・(>76)「むずがゆい」→「むず痒い」

        「よもや自分自身についてを分かっていなかったようだ。」→「よもや自分自身についてを分かっていなかったとは。」or「どうやら自分自身についてを分かっていなかったようだ。」

  • 181>>17424/09/04(水) 20:34:28

    Part1(3)(何レスで終わるかも解らないので、返答はお控えください。)



    ・(>77)「イブキちゃんたちは今なにをしてるのかしら?」→「イブキちゃんたちは今何をしてるのかしら?」

        「知らずに後悔することはあっても知って後悔することはあるまい?」→「知らずに後悔することはあっても、知って後悔することはあるまい?」


    ・(>78)「焦がしたり、生焼けだったりと結局この日は上手く行かないままに一旦解散することに。」→「焦がしたり生焼けだったりと、結局この日は上手くいかないまま一旦解散することに。」


    ・(>79)「考えても見ろ。」→「考えてもみろ。」

        「見栄を張りたい気持ちが無いわけでは無い。」→「見栄を張りたい気持ちが無いわけではない。」

        「今日作って思ったのがここから先、どう頑張っても手作り感あふれる」→「今日作って思ったのが、ここから先どう頑張っても手作り感溢れる」


    ・(>80)「何だかヤバイやつの」→「何だかヤバい奴の」

        「お前にも参加してもらうぞ。アップルパイ作り」→「お前にも参加してもらうぞ、アップルパイ作り」


    ・(>81)「ひとり部屋も悪くは無い。」→「ひとり部屋も悪くはない。」

        「いつの日かの秘密基地が年を重ねたいずれの自分を支えるように、」→「在りし日の秘密基地が歳を重ねたいつかの自分を支えるように、」


    ・(>84)「天然と人工。その差異が」→「天然と人工、その差異が」

        「ひとまずイブキに手を振ると「また明日!」と元気よくイブキは応じて寝ぼけ眼を擦って」→「ひとまずイブキに手を振ると、イブキは「また明日!」と元気よく応じて、寝ぼけ眼を擦りつつ」


    ・(>85)「備え付けへのシャワー室へと向かって行く。」→「備え付けのシャワー室へと向かう。」


    ・(>92)「パイシートの作成を始めようでは無いか」→「パイシートの作成を始めようではないか」



    読めてきたパターン(書き癖?)

     ・「一体」と「いったい」の表記揺れ(個人的には、前者が「1体」とややこしいので後者を勧めたい)

     ・「ではない」が「では無い」になってる(「じゃない」と言い換えられる部分は漢字にしない方がいい)

     ・なぜか「ひとり」「ふたつ」等が頑なに平仮名表記(何らかのこだわりがあっての事なら別に構わない)

  • 182二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 00:12:08

    Part1(4)



    ・(>96)「目の前には二つのアップルパイ。そのひとつにフォークを突き立て口へと運んだ。」→「卓上に並ぶ二皿のアップルパイ、その片方をフォークで一口大に切り取って、口へと運んだ。」

        「糾弾するべく振り向いたが、対するハルナの表情はーー。」→「糾弾するべく振り向いたがーー」


    ・(>97)「イブキが不思議そうに声を挙げる。ハルナは柔らかな笑みを浮かべてイブキを見つめていた。」→「ハルナは柔らかな笑みを浮かべ、イブキを見つめていた。」

        「技術以上に求められる美食」→「技術以上に求められる要素」

        「ハルナは静かに微笑みながら両手を前に合わせてアップルパイのひとつを完食した。残ったもう一方を見て、ハルナは尋ねる。」→「静かに微笑みながら一皿目のアップルパイを完食し、優美な仕草で合掌した後、ハルナは残ったもう片方を見て、こう尋ねる。」

        「そしてハルナは、先ほどと同じようにフォークで刺して一口食べた。」→「先程と同じように二皿目のアップルパイを一口食べたハルナ。しかしーー」

        「ーーなんです。これ?」→「ーー何です? これ」

        「突然の冷たい声に驚くと、ハルナの表情は消えていた。突如アップルパイに突き立てられるフォーク。びくりとイブキが硬直する。」→「突然の冷たい声に驚き、視線を向けると、ハルナの表情が消えていた。フォークをアップルパイに突き立てる音が響き、びくりとイブキが硬直する。」

        「サツキは困惑したように言うが、ハルナはごそごその懐を探って溜め息を吐いた。」→「視線を戻すと、ハルナは困惑するサツキや私に一瞥もくれず、ごそごそと懐を探り溜め息を吐いていた。」


    ・(>98)「一体なにが見えているのだ」→「いったい何が見えているのだ」

        「安堵しつつもそっとフォークが突き立てられたアップルパイを回収しハルナの視界から隠す」→「安堵しつつも、フォークが突き立てられた食べ残しのアップルパイをそっと回収しハルナの視界から隠す」


    ・(>103)「満足いく仕上がりでは無いが」→「満足いく仕上がりではないが」

        「ただ会場へ向かうだけでは無いか」→「ただ会場へ向かうだけではないか」


    ・(>105)「ひとりは運転手を、」→「ひとりは運転手を見張り、」

        「何が目的なのだ。」→「何が目的なのだ、」

  • 183二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 08:10:19

    Part1(5)



    ・(>107)「そんなものあるわけ無いでしょう」→「そんなものあるわけ無いでしょう!」

       「なにって、」→「何って、」


    ・(>109)「私は急いでテロリストの方へと向かって肩を掴んだ。」→「私は急いでテロリストの方に向き直り、肩を掴んだ。」

        「続きを託す。」→「続きを話す。」?

        「そう言って、曙同盟は縋るように私の腕を掴んだ。」→「そう言って、縋るように私の腕を掴んでくる。」

        「ーーなんだこれは。」→「ーー何だこれは?」

        「到着した風紀部が」→「到着した風紀部員が」


    ・(>110)「風紀部員の名を呼んで頷く同盟。そして彼女たちは連れていかれた。」→「風紀部員の名を呼んで頷き、彼女たちは連行されていった。」

        「あれは一体......。」→「あれはいったい......?」

        「撤収していく風紀部の後ろ姿を見ながら思案すると、」→「撤収する風紀部員たちの後ろ姿を見ながら思案していると、」


    ・(>115)「何より煮詰めると脳を焼くほどの甘さになるのが特徴だ。」→「何より煮詰めれば「脳を焼く」と例えられるほどの甘さになるのが特徴だ。」

        「フォビドゥンレッドのジャムは溶岩にほどで、」→「生の状態のみならず溶岩のように赫々たるジャムも含め、」


    ・(>116)「飛び込み参加可なのか何か理由があるのか?」→「飛び込み参加可なのは何か理由があるのか?」?


    ・(>117)「すると老人は笑って答える。」→「そう問いかけると、老人は笑って答えた。」

        「好きというわけでも無いのに」→「好きというわけでもないのに」

        「実はいまゲヘナ学園を顧客にしていた者たちが買い手が困っていてな」→「実は今ゲヘナ学園を顧客にしていた者たちが買い手に困っていてな」

        「路頭に迷うものも」→「路頭に迷う者も」

        「お前さんに頼むようなことでは無い」→「お前さんに頼むようなことではない」


    ・(>118)「聞きましょう」→「お答えしましょう」

  • 184124/09/05(木) 08:18:15

    こうやって見ると句読点の使い方は未だ難ありですねぇ…。
    気持ち良い区切り方が染み付いていないのと、描写に迷った部分は殆ど微妙な感じになってる。

    イブキ何処行った?は「ほんとだ!」って笑ってますw
    ハルナとの遭遇はプロットに無いところからひり出したので本当に辛かった…。書いててつまらない時は誰が読んでも確実につまらないので凄く苦しくなる…。

    「無い」問題は完全に手癖になっているので良くない。「居る」もそうですが、明らかに「違うだろ!?」って時にも使ってしまっているので直さねばなぁ。

    「一体」「ひとり」辺りは元々漢字で書きたかったけど、テキストやスマホで書いてた時に「横書きだと棒線と見分け付かねぇ!」で開いた覚えが…。ルール決めずにひたすら感覚で書いていたので、校正するとき毎回苦しむんですよここ…。

    これ書いてる人なら一度は経験あると思うんですけど、突然語彙が死ぬ時あるんですよね。例えば「仕組まれた罠」って言葉が出てこなくて謎に遠回りした表現になったりとか。

    パッションで書いてるのも相まって国語が狂う様子が見えて面白いですねぇ!見直しマジで助かってます!

  • 185>>17424/09/05(木) 20:06:07

    Part1(6)


    ・(>119)「自室に戻ると適当なノートを取り出す。」→「自室に戻り、適当なノートを取り出す。」

        「こういう作業はレポートにまとめる前に、一度書き出しておくと整理がつきやすいものだ。」→「こういう作業は、レポートにまとめる前に一度書き出しておくと、整理がつきやすいものだ。」

        「最初に曙同盟の名の聞いたのは」→「最初に曙同盟の名を聞いたのは」

        「この手榴弾事件についてはケースクローズで片が付いた。」→「この手榴弾事件については片が付いた。」

        「やつを私の部下にするのは」→「奴を私の部下にするのは」

        「ターゲットにしていることから恐らく」→「ターゲットにしていることから、恐らく」

        「攻撃と補充。その対象が同一であるなど不合理極まりないないのだから。」→「攻撃と人員補充、その対象が同一であるなど不合理極まりないのだから。」


    ・(>120)「嘘や誤魔化しが必要なときは往々にして能力が足りなかった時に使われるもの。」→「嘘や誤魔化しは往々にして能力が足りなかった時に使われるもの。」

        「だからこそこの羽沼マコトの両目がよほど節穴で無い限り、」→「だからこそ、この羽沼マコトの両目がよほど節穴でない限り、」


    ・(>124)「路頭に迷うものまで現れ、学園を除いた自治区内の生産数が急激に落ちていること。」→「路頭に迷う者まで現れ、学園を除いた自治区内の生産数が急激に落ちていることを。」


    ・(>125)「聞きなれない単語に聞き返すと、代表は簡単に説明を始めた。」→「聞き慣れない単語に困惑していると、代表が説明を始めた。」

        「私たちが食べるものにフォーカスを当てたものでね。簡単に言うと食べるものなら何でも作る機械なんだよ。"クラフトチェンバー"には負けるけどね」→「簡単に言うと、食べ物なら何でも作れる機械だよ。"クラフトチェンバー"ほど高性能じゃないけどね」

        「済まない。」→「すまない、」

        「食べられるものなら何でも作れる機械を貸して、そこから生み出されたものをゲヘナが買う!」→「食べられる物なら何でも作れる機械を貸して、そこから生み出された物をゲヘナ学園が買う!」

        「幸せな世界が出来る思うんだ!」→「幸せな世界が出来ると思うんだ!」(「便利屋69」を思い出す失態。)

  • 186二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 00:58:19

    Part1(7)



    ・(>121)「決して交わらない存在であろう存在」→「決して交わらないであろう存在」

        「話術に長けたものが居て、相手の欲しいものを聞き出し、代表に用意させ、味方に引き込む軍師の存在。」→「――話術に長けており、相手の欲しいものを聞き出し、それを代表に用意させ、味方に引き込む、軍師とでも称するべき者が。」

        「彼らの存在の無視するなどと愚策中の愚策。」→「彼らの存在を無視するなど愚策中の愚策。」


    ・(>126)「妙な陰謀では無いのだと」→「妙な陰謀ではないのだと」

        「真たる平和」→「真なる平和」?


    ・(>131)「そこには台車を引くサツキとその他情報部たちの姿」→「台車を引くサツキとそれを後ろから押す情報部員たちの姿」

        「台車を押す情報部員たちは」→「集まったミレニアムチームの面々は」or「集まった面々は」

        「イブキの部屋に入れると、」→「イブキの部屋に入れれば、」

        「食堂で書こう。」→「食堂で描こう。」


    ・(>132)「足りなく無いか?」→「足りなくないか?」

        「もったいないでは無いか。」→「もったいないではないか。」(余談だが、「もったいない」の漢字表記は「勿体無い」である。)


    ・(>136)「ゲヘナ学園へ入学してから一か月が経った二か月目のこと。」→「ゲヘナ学園へ入学してから二ヶ月目のこと。」

        「寝かせておくわけには行かないでしょ」→「寝かせておくわけにはいかないでしょ」


    ・(>137)「なんて意気込んで」→「――なんて意気込んで」


    ・(>138)「イブキが情報部として活躍している。この事実こそが」→「イブキが情報部として活躍している、この事実こそが」

        「なんだ?」→「何だ?」

        「流星群が流れるんですって。」→「流星群が来るんですって。」(優先順位低。)

  • 187>>17424/09/06(金) 12:16:29

    Part1(8)



    ・(>144)「代表では無いか。」→「代表ではないか。」

        「いつも済まないな」→「いつもすまないな」


    ・(>146)「凄いでは無いか」→「凄いではないか」

        「ペロロ様なるグッズ」→「ペロロさんなるキャラクター」or「ペロロさんなるキャラクターのグッズ収集」(丹花イブキはペロロを様付けしてなかったと思う。この個体が阿慈谷ヒフミ辺りから布教されたのなら、その限りではないが。)


    ・(>150)「まだ酷い寝ぼけ方だな」→「また酷い寝ぼけ方だな」

        「冗談の言っているような雰囲気」→「冗談を言っているような雰囲気」

        「なにを言っているのだ」→「何を言っているのだ」

        「したでは無いか」→「したではないか」×2


    ・(>151)「ついぞ泣き出してしまった」→「とうとう泣き出してしまった」


    ・(>152)「いや済まない。」→「いや、すまない。」

        「ねぇマコトちゃん。確か」→「ねぇマコトちゃん、確か」

        「その時なにか言われなかった?」→「その時何か言われなかった?」or「そのとき何か言われなかった?」(「時」と「とき」の使い分けは?)


    ・(>153)「イブキを向き合って」→「イブキと向き合って」


    ・(>154)「どう探したって」→「どれほど奮闘したって」


    ・(>155)「一発逆転を掛けた」→「一発逆転を賭けた」or「一発逆転に賭けた」or「一発逆転を狙った」

        「未来の無い足掻き」→「未来の無い悪足掻き」

        「あまり横暴では無いか!」→「あまりに横暴ではないか!」

        「ケースごとに分かれて」→「ケースごとに分けて」


    ・(>156)「誰しも完璧では無いと言うことだな」→「誰しも完璧ではないということだな」

  • 188>>17424/09/06(金) 22:36:36

    Part1(9)



    ・(>157)「怖気。それは私の文字だった。 ↵ だが、私はそんなものを」→「怖気。 ↵ 私の文字だったが、私にこんな物を」(「 ↵ 」は改行記号。)

        「なんだ」→「何だ」


    ・(>158)「イブキちゃんのこと。代表は」→「イブキちゃんのこと、代表は」


    ・(>159)「らしくも無い」→「らしくもない」

        「虫の居所が悪い時もある」→「虫の居所が悪い時くらいある」


    ・(>161)「キヴォトスの中でも最も」→「キヴォトスで最も」

        「敵う者は無く、」→「敵うものは無く、」

        「ただひとりによって運営されている」→「ただひとりによって運用されている」or「ただひとりが握っている」

        「その一切が密閉されている。」→「その一切が秘匿されている。」

        「も人の子。一切外に出ないということもあるわけが無く、ひとまずはD.U. チームが頻繁に利用する喫茶店へと入ってから、」→「も人の子なら、一切外に出ないということはあるまい。 ↵ ひとまずD.U.チームが頻繁に利用する喫茶店へ入ってから、」

        「連邦生徒会の裏手」→「連邦生徒会本部の裏手」

        「を見て私は呟いた。」→「を見て、私はそう呟いた。」


    ・(>162)「と言う物だった。」→「という物だった。」

        「なんだ、この記憶は。」→「何だ、この記憶は。」


    ・(>163)「連邦生徒会本部を貼り込み続ける。」→「連邦生徒会本部を見張り続ける。」


    ・(>165)「血が滲んでいる程度の傷」→「血が滲む程度の傷」

        「フォークを抜いて」→「フォークをどけて」

        「済まんな。」→「すまんな。」

  • 189二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 07:16:26

    Part1(10)



    ・(>166)「済まん」→「すまん」×2

       「私で電話をしたらしい。」→「私に電話をかけたらしい。」

       「当然ハルナから電話を貰った」→「当然、ハルナと通話した」

       「では無い」→「ではない」×2

       「私のことを伝えると、」→「私の異変を伝えると、」

       「と言う話」→「という話」

       「加入を決意。現在に至る」→「加入を決意、現在に至る」


    ・(>167)「私に言った言葉を。」→「私に告げた言葉を。」(優先順位低。)


    ・(>168)「そこには情報部では使われていない通信機と発信機が一組ずつ入っている。」→「中には情報部から支給された物とは別の通信機と発信機が一組ずつ入っていた。」(*)

       「そしてそのことを私は」→「そして私はそのことを」(優先順位低。)

       「そしてサツキだけが覚えている。これもまたひとつの情報だった。」→「サツキだけが覚えている、これもまたひとつの情報だった。」

       「しようでは無いか!」→「しようではないか!」


    ・(>171)「ただ書き連ね続けた。」→「ひたすら書き連ねた。」or「ひたすら書き続けた。」


    ・(>173)「マコトさん。ハルナです。」→「マコトさん、ハルナです。」

       「電話を切って二人に言うと各々頷いた。」→「電話を切って断りを入れると、二人は各々頷いた。」

       「店の入り口近くまで出てハルナを迎えに行くと、ハルナは周囲を見渡しながら私に言った。」→「店の入り口近くまで出迎えに行くと、ハルナは周囲を見渡しながら私にこう言った。」

       「では無いからな」→「ではないからな」

       「そうだな。」→「そうだな、」

       「もう片方の受信機」(*)

       「簡単に服の襟であっても仕込める。」→「服の襟であっても簡単に仕込める。」


    (*)

    小箱の中身は通信機と位置情報発信機が1個ずつ? 受信機(通話用? 位置情報用?)はどこに何個あった?

  • 190>>17424/09/07(土) 12:12:19

    Part1(11)


    ・(>172)「流星群の天体観測」→「流星群の観測」or「天体観測」

        「それはいま」→「それは今」


    ・(>174)「息を決して」→「意を決して」

        「ハルナごと近くのモグラ退治ゲームの筐体に逃げ込んだ。」→「ハルナを連れて近くのモグラ退治ゲームの筐体の陰へ逃げ込んだ。」


    ・(>175)「私は隠れながらもバレないように小声でハルナに叫んだ。」→「私は身を潜めつつもバレないよう小声でハルナに怒鳴った。」

        「では無い」→「ではない」×2


    ・(>177)「屁でも無い」→「屁でもない」

        「中腰で筐体の合間と抜けながら」→「筐体の間を中腰で通り抜けながら」


    ・(>178)「何に変えても」→「何に代えても」(「何を代償として差し出そうとも」というニュアンスで覚えるべし。)

        「威厳と不敵さ。その両方を纏うようにゆっくりと自らを風紀部たちの前へと晒した。」→「威厳と不敵さ、その両方を纏うように、ゆっくりと自らを風紀部たちの前へ晒した。」

        「まず目に映ったのはイブキを羽交い絞めにする風紀部の姿。」→「まず目に映ったのは、イブキを羽交い絞めにする風紀部員の姿。」

        「では無い」→「ではない」


    ・(>179)「では無い」→「ではない」(万が一「ではない」を「では無い」と表記する方針で進める場合、「じゃない」も「じゃ無い」と表記しなければ不公平である。)

        「そこに起伏も無ければ悲しみも無い。」→「そこには、起伏も無ければ悲しみも無い。」or「起伏も無ければ悲しみも無い。」

        「スナイパーライフルを構えて私の脳天に」→「スナイパーライフルを構え、私の眉間に」or「スナイパーライフルを構え、私の額に」(「脳天」≒「頭頂部」。)


    ・(>180)「痛みに悶絶する」→「痛みに悶える」

        「のたうち回る。その様子を見てハルナは「大丈夫ですか?」と私に手を差し伸ばしてきた。」→「のたうち回る私。その様子を見てハルナは「大丈夫ですか?」と手を差し伸べてきた。」

        「済まんな皆。」→「すまんな皆、」

        「ゲヘナ学年一年、」→「ゲヘナ学園高等部一年、」or「ゲヘナ学園高等部一年生、」

        「先ほどまで話していた」→「先刻まで話していた」or「先刻まで会話していた」

  • 191二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 23:45:00

    Part1(12)


    ・(>182)「済まないついでにもうひとつ確認したいのだが、先ほどまで」→「ついでにもうひとつ確認したいのだが、先刻まで」

        「先ほどまでの」→「先程までの」


    ・(>187)「しかしところどころではあるものの、シャッターを開いて店をやっている箇所も少なくは無い。」→「しかし、所々ではあるものの、シャッターを開けて営業している店も少なくはない。」or「しかし、所々ではあるものの、シャッターを開けている営業中の店も少なくはない。」

        「一体どこから」→「どこから」

        「では無い。」→「ではない。」


    ・(>188)「中へと入ると、」→「中へ入ると、」(「へと」を使いすぎ。)

        「テーブルと椅子が置かれている。」→「テーブルと椅子が置いてある。」

        「なんだいアンタら。」→「何だいアンタら。」

        「私が何かを言う前にハルナは手で遮った。それからハルナは老婆に微笑みかける。」→「私が名乗ろうとするのを手で制し、ハルナは老婆に微笑みかけてこう言った。」

        「"無駄足"でしたか。」→「"無駄足"でしたね。」(優先順位低。)

        「そうでも無いさね。」→「そうでもないさね。」

        「老婆は椅子に立てかけてあった杖で」→「老婆が椅子に立てかけてあった杖で」

        「礼を言って」→「礼を述べて」or「感謝を述べて」

        「ソファやテーブル。ビリヤード台などが」→「ソファやテーブル、ビリヤード台などが」



    Part2(1)


    ・(>14)「記憶を奪われたわけでは無い以上、思い出せないというわけでも無い。」→「記憶を奪われたわけではない以上、思い出せないというわけでもない。」

       「ハルナは頷いてゲームセンターで」→「ハルナは頷いて、ゲームセンターで」

       「名前は存じ上げないのですが、小学生ぐらいの方がいらっしゃってお一人で」→「名前は存じ上げないのですが、小学生ぐらいの方がいらっしゃって、お一人で」or「名前は存じ上げないのですが小学生ぐらいの方がいらっしゃって、お一人で」

       「ゴリ押したのだ。」→「ゴリ押ししたのだ。」or「押し切ったのだ。」

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