カッコいい宇沢概念 その2(SS続き)

  • 1二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:10:14
  • 2二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:14:21

    建て乙ーん

  • 3二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:14:46

    >>1

    前スレに挙げられた、宇沢レイサのカッコいい場面や概念を集めてSSを作ったら、なんか思ったより壮大なイベストになっちまったなぁ!!!


    そんなスレです。

    前スレを見てから来るのをオススメします~

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:39:27

    たておつ!
    いやマジで普段何考えて生きてたら払わされた神秘を大人のカードでキャッシュバックするとか考えつくのさ......凄すぎるわ

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:45:55

    >>4

    自分でも驚いてたっすね、これは流石に…

    元々、SSは最初の4つのスレで終わるはずなのに、気づけばとんでもない数のネタ回収をすることになるとは思わなんだですよ…

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:47:43

    あとこの世界のナツがとんでもなく聡くて鋭い子になっちゃったんすけど、実際どうなんすかね…?
    割とそういう「こいつさては相当切れ者だな?」っていうイメージが強かったんで、道筋を見抜けるキーパーソンとして組み立てちゃったんよ…

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 07:50:03

    >>5

    あなた……「降りて来てる状態」……ですね……。

    創作やってると似たような事が稀に起こるよね、不思議な事に。


    ナツは特に違和感感じなかったかな。

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:08:04

    >>3

    よし、少し書けた!

    続きを始めます!


    ハッピーエンド目掛けて、駆け抜けるぜ野郎ども!!!

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:09:17

    >>8

    彼女たちから、少し離れたところにて。

    ミネとスズミが抑えていた暴動も、ひとしきり収まり始めたところだった。

    『アウストラリス』から放たれていた攻撃や黒い稲光が、急に勢いを弱めたのだ。

    それを見た住人達も、次第に安心し始めた──まぁ、一部の例外は『救護』されたとして。


    「どうやら・・・うまく言ったのでしょうか」

  • 10二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:09:51

    >>9

    「いえ、油断は禁物。ここで終わるほど、彼女の抱えるものが小さかったとは思えません」


    「スズミさん・・・ここは私のみで充分です」

    「──行っても、よろしいのですか?」

    「暴動も大分鎮静化され、あとは我々救護騎士団のみで対処できるでしょう。これは私の勘ですが──彼女の心の闇を切除するには、あなたもまた必要でしょう」

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:10:16

    >>10

    「・・・そうですか。であれば、止まるわけには行きませんね」


    「・・・あとは、お願いいたします!」

    「委細、承知いたしました。幸運を」

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:11:28

    >>11

    そして、肝心のその場所では。

    たった一人、この世界に流れ着いた星の子を助けるために──手を組んだ者たちがいた。

    「じゃ・・・いくよ」

    カズサの声に、残りの者たちは、目を合わせて頷く。



    大人のカードと、一枚のコイン。

    私たちにとっては、とっくに慣れ切ってる、コインとカードのインサート。

    それをするかのように──倒れて眠る、宇沢レイサの手に。

    その二つを、静かにそっと当てた。

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:11:57

    >>12

    瞬間。

    彼女の体が──ビクッ、と痙攣する。


    「!?」

    「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・」

    「やった・・・息を吹き返したわよ!」

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:12:37

    >>13

    「・・・ここは──」

    「・・・あんたが流れ着いた、終着駅だよ」


    「──ははっ。そうですか、ここが終わり──なら、随分と夢見心地の良い終わりですね──」


    「あぁ、終わりとは言ったけど」

    「・・・?」

    「あんたは今から、その駅を降りて──この世界を、歩き始める。死ぬとかって訳じゃなくて──私たちの世界の、住人になるんだ」

    「──え・・・?」

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:13:36

    >>14

    一瞬、困惑したレイサ──改め、レイサ・スターは──目線をそらし、諦めたように笑う。

    「・・・無理、ですね。その運賃を──私は一枚も持っていませんし。無駄に続けたゲームに、全部使っちゃって。それができるための余裕なんて、もう──」

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:14:13

    >>15

    「いいや、宇沢レイサ。君が続けたそのゲームは、無駄などではない。君は、理不尽なゲームを続けた先に──我々の元にたどり着けたのだ」


    「・・・あなたは確か──ナツさん」

    「覚えていてくれて嬉しい限りだ、マイフレンド。

    今から、君の運賃のためにも──君が不正に搾取された、全てのコインをキャッシュバックする」

    「・・・!?」

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:14:54

    >>16

    「ゲームを続けた事は無駄ではないとは言ったが──君のしたゲームそのものは、はっきり言って君が介入することで、何が変わるわけではなかった。

    残酷だが──君なりの、優しさだ。分かっていて、止まれなかったんだろう」


    「・・・えぇ。大切な人が、黙って死ぬなんて。私には、到底耐えられませんでしたから」

    「全くだ。概念が擬人化した暁には、我々でロールケーキ一か月の刑に処する所だ」

  • 18二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:15:49

    >>17

    「なんで刑のチョイスがそれなのよ!?」

  • 19二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:16:14

    >>18

    「あはは・・・や、レイサちゃん。久しぶりだね」

    「ヨシミさん、アイリさん・・・」

  • 20二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:16:32

    >>19

    「元気して・・・ううん、そうだったら、こうはなっていないものね。

    ・・・大丈夫、私たちを信じて」

  • 21二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:17:06

    >>20

    「・・・一体、どういうことでしょうか」


    「・・・宇沢。私たちは、今からあんたを助ける。

    助けるけど──すんごく辛い目に合う。死ぬ方がマシかも、ってレベルかも。

    それでも、私たちは、あんたを助けたいっていうエゴを押し通す。



    ──恨んでも、構わないから」

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:17:46

    >>21

    「・・・!ま、待ってください!む、無理です・・・耐えられるわけ、ないじゃない、ですか・・・とっくに私はもう、死んでてもおかしくないのに。これ以上、生きてたくないほどに──諦めてたのに」


    「──甘ったれたこと言うなァ!!!」

    「!?」

  • 23二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:18:05

    >>22

    「宇沢ァ!?」

  • 24二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:18:41

    >>23

    「あなたは私、宇沢レイサですよ!?みんなを明るく照らし、世の迷える人々の道標とならん者!

    トリニティのスーパースターなんですよ!?それが何ですか、このありさまは!!!」

    「・・・何が分かるんですか、あなたに・・・!?

    私が、一体、どれだけの世界で失敗して、失敗して、失敗して──みんな死んでしまって。

    同じ状況で、あなたは立てるとでも言えるんですか!?」

  • 25二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:19:09

    >>24

    「無理ですッ!!!」

    「「ハァッ!?」」

  • 26二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:19:49

    >>25

    「いや独りでそんなことできたら、そんなの神様ですよ!?

    人間じゃないですよ!?無理に決まってるでしょうが!!!」

  • 27二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:20:30

    >>26

    「そう、独りなら無理です──独りなら」

    「・・・!」

    「そう、独りで無理なら、2人になれば良い。2人でも無理なら3人。3人で無理なら4人。なんなら──世界中の人々でも」

    「それでも──駄目だったら」


    「そうですね・・・その時は。他の世界とも、タッグを組んじゃいましょう!!!」

    「!?!?」

  • 28二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:21:11

    >>27

    「いえ、大真面目な話です。世界を旅して、ここまでやってきたあなたがいるのなら──別の世界とのコネクションが、できている可能性は大いにあるんです!それを繫げば、良いじゃないですか」


    「・・・そんな、無茶苦茶な、現実的じゃない理想論で変わるなら──」

  • 29二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:21:51

    >>28

    「理想を語らずして、何がヒーローですかァ!!!

    ヒーローっていうのはですね。──泥臭く、醜く、それでも諦めずに、最後まで足掻くものでしょうが!!」

  • 30二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:22:26

    >>29

    「─────ははっ。あなたは──ホント、カッコいいですね」

  • 31二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:22:57

    >>30

    「何を今更。それに──例え、実を結ばなかったとしても。

    例え、彼らが救われずじまいだったとしても──彼らは覚えているはずです。


    たった独りで、救おうと、前に進むkとをやめなかった、孤高に戦ってきたヒーローのことを」


    「・・・え?」

  • 32二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:23:36

    >>31

    「全く──あなたは、私より、ずっとずっと、カッコよく見えてるのに。

    それに本人が気づいてないなんて、とんだお馬鹿さんですね」

  • 33二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:24:58

    >>32

    「ば、馬鹿とは何ですか・・・!?」

    「そんなんだから、こんなところまで独りでやってきちゃったんですよ、ア〇さんマークの引っ越し屋のおっちゃんじゃあるまいし!!!バーカバーカ!!!」

    「・・・この・・・!!!」

  • 34二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:26:14

    >>33

    「やめんか!!!収拾がつかんわ!!!」

    げ ん こ つ

  • 35二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:50:53

    >>34

    「・・・そうですね。その世界の私たちも、きっとあなたの助けを聞きたかったはずです」

    「・・・スズミさん」

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:51:57

    >>35

    「向こうが上手く行きそうだったので、こちらに来ました。恐らく、私が必要になると。」

    「・・・お久しぶりですね」

    「えぇ。随分と長く、走ってこられたようですね。独りで続けたのは、正直怒りたいところですが──ここまで、お疲れさまでした」

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 08:52:20

    >>36

    「・・・あなたほど、上手くはありませんでしたけどね」

    「いえ、立派だと思いますよ。同じ自警団として、こんなに誇らしい人がいること。とても、嬉しいです」

    「・・・ははっ」

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:03:21

    >>37

    「そうだね。・・・うん、心配しないで、レイサ」

    「・・・この世界の先生、ですね」

    「そうだね。でも──これからは、君にとっても先生だ」

  • 39二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:03:53

    >>38

    「・・・ごめんなさい。いくつも、いくつも渡った世界で、最後として──あなたを、守れたことは無かった。私が、不甲斐ないばかりに──」

    「・・・そうだね。

    いいかい、レイサ。確かに、君には欠点が無いとは言えない。

    周りの声に耳を傾けるのに、少し時間がかかったり。逆に、周りに自分の思いを伝えるのが苦手だったり。──実は、かなりナイーブだったりね」


    「・・・手厳しいですね」

  • 40二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:04:32

    >>39

    「先生だからね。叱るところは叱らないといけないから。

    だけど──数多の世界で、救うことは出来なかったというけれど──きっと、それは君がいたから、まだ救いがあったと、僕は信じてるよ。何も、助けられるだけが、救いではないからね」


    「・・・何も、できずに、無駄に終わったとしても・・・?」

    「うん。君は確かに──ありとあらゆる世界の。どこかの誰かにとっては──まぎれもなく、ヒーローだったんだよ」

    「────そう、ですか。・・・先生が、そう仰られるなら。そう、考えることにしましょう」

    「それがいいよ。君というヒーローにも──救いは、必要だ」

  • 41二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:05:07

    >>40

    「・・・分かり、ました。杏山カズサ──信じて、良いんですね・・・?どうなっても、知りませんよ?」

    「うん、信じて。というか、アンタに迷惑かけられるのは、慣れっこだからね」

  • 42二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:05:34

    >>41

    「はは・・・・・・いつも、私がすみませんね」

    「・・・いいよ。あとは、帰ってから続けよう。スイーツでも、食べながらさ」

    「・・・はい」

  • 43二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:06:21

    >>42

    「では、改めて──恥ずかしながら、お願いを聞いて下さい。



    ──どうか、私を助けて下さい。



    私の──ヒーローたち」



    「「「「「「「了解!」」」」」」」

  • 44二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:06:44

    >>43

    そうして、レイサ・スターが目を閉じ、集中し始める。

    彼女の手に持ったカードとコインが光り始める。同時に、黒い星が嘶き始める。

    キャッシュバックが──締結された。

  • 45二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:07:07

    >>44

    「見て、ヘイローの罅が・・・少しずつ修復されて言ってるわよ!?」

    「まずは上々。向こうも、この取引を呑んだようだね」

    「頑張って・・・!」

  • 46二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:07:27

    >>45

    しかし──それは、同時に彼女にとっての、永遠にして一瞬の、地獄の時間の開始を告げる、鐘の音でもあった。


    「あ・・・あ・・・あぁ・・・あああああああああああああっ!!!!!!!」


    黒星のヘイローが、バグったかのように揺れ始める。同時に、彼女が頭を押さえて絶叫を始める。うなされ、泣き叫び、転がりまわる。

  • 47二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:07:46

    >>46

    「いや、いやだいやだ、いやだぁ──杏山カズサ──起きて、起きてくださいッ、また私を置いていくんですか・・・また私は助けられなかったんですか──う、うぁああ、ああああああああああ」

  • 48二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:08:51

    >>47

    「・・・始まったが──思った以上にスピードが、早い・・・!?」

    そうして、ナツがレイサに近寄った。その顔には、明らかに今までとは違う焦りが見えた。


    「ナツ、レイサは!? 今どうなっているんだ!?」

    「キャッシュバックが始まって、神秘の返還は始まったが──長い時間を賭けることなく、ダムの放水の如く

    凄まじい勢いで記憶を送り込んできている!」

    「!?」

  • 49二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:10:14

    >>48

    「せんせ、先生、先生ッ──駄目です、行っちゃ駄目、行かないで、側にいてください、そっちに行っちゃ──あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!なんで、なんでなんでなんでなんで─────」



    「クソッ、容赦がなさすぎるわよ!?こっちの都合なんか知らん、ってこと!?」

    「ひ、酷い・・・」

    「何か、私たちにできないんですか!?ただ、私が苦しむのを、見てるしかないんですか!?」

  • 50二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:10:44

    >>49

    「この試練を乗り越えるためには、彼女一人で歩かなければ。我々が彼女の記憶に介入すれば、脳にダメージが入るだろう。

    かといってここでやめれば──永久に、記憶の牢獄に捕われる」

    「・・・なんて、非情な」

  • 51二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:11:34

    >>50

    「・・・レイサッッッ!!!」

    その時、カズサが彼女の手を握る。


    「記憶に干渉しなければ良いんでしょ!?なら──外から、呼びかけ続ければいい!!!」


    「「「「「!!!」」」」」

  • 52二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:12:05

    >>51

    「宇沢・・・ここに、いるよ。あんたが帰ってくるまで、私たちはここにいる。

    だから──信じて、私たちを!

    あんたは───トリニティのスーパースター、宇沢レイサ!!!



    私の──『友達』でしょ!?」

  • 53二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:12:38

    >>52

    それを見て、他の者たちも彼女の手を握り、声をかける。

    未だ開けない夜空に、独りぼっちの少女を呼ぶ、道標とならん合唱が響き渡る。


    「レイサ!戻ってきなさい、あたしたちが待っているから!!!」

  • 54二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:13:06

    >>53

    「頑張れ、頑張れレイサちゃんッ!!!」

  • 55二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:13:24

    >>54

    「宇沢レイサ。戻って来たまえ、ここが、君の世界だ」

  • 56二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:14:02

    >>55

    「レイサさん、あと少しです!どうか、どうか!」

  • 57二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:14:44

    >>56

    「レイサ、僕らがついてる!大丈夫!信じるんだ!」

  • 58二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:15:03

    >>57

    「宇沢レイサ、あなたは私!!!乗り越えてください、スーパースター!!!」

  • 59二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 09:15:37

    >>58

    「「「「「「「レイサッ!!!!!」」」」」」」


    「う、うぁあ、ああああああああああああ───────ッ」




    そして、舞台は。

    ──彼女の、夢の中へ移る。

  • 60二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:09:52

    >>59

    彼女は──始まりの場所へと至る。

    長い長い、記憶の宇宙の中を、孤独に。

    独りぼっちの探査機はやがて──心の裏側をぐるりと周り──彼らの元へ。


    その星の遥か上空、大気圏よりももっと上の、暗い世界で──宇沢レイサは、目を覚ます。

    「ここは・・・?


    ──あ──」

  • 61二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:10:24

    >>60

    奇跡とは。

    何も、限られた場所だけで起きるものではない。


    予測のつかない場所で、予測がつかない状態で起こるからこそ──それは、奇跡と呼ばれる。


    「杏山カズサ────先生───」

  • 62二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:11:03

    >>61

    彼女が、誰よりも、何よりも。

    会いたかった2人が──そこに、いてくれた。

    その星という『世界』が──最後に見せてくれた、奇跡だった。


    「やっ、宇沢。久しぶり」

    「やぁ、レイサ」

  • 63二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:11:38

    >>62

    「・・・う──うぁ──うわあああぁぁぁぁんッ!!!!」

    その2人に彼女は──親を見つけた、迷子の子供のように──駆け寄り、抱き着く。


    「うあぁ・・・ああ・・・カズ、サ・・・せん、せい・・・・・・ごめん・・・ごめん、なさい・・・・・・私、わた、し・・・い、いっぱい、いっぱい間違え、て・・・失敗して・・・」


    ボロボロと、零れる涙は、止まるところなど知る由もない。

    会いたかった人の胸の中で。腕の中で。

    彼女は嗚咽に胸を詰まらせながら、ひたすら泣きじゃくった。

    そこにいたのは、スーパースターでも、ヒーローでもない。

    ──誰かに甘えたくて仕方がなかった、寂しい寂しい、女の子だった。

  • 64二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:12:09

    >>63

    「・・・はは。そういう、本音がやっといえるようになったんだね、アンタ。

    ──見てたよ、宇沢。カッコよかったよ、ヒーローみたいで」

  • 65二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:12:50

    >>64

    「うん、そうだね。──そして、ごめんね、レイサ。

    私の『お願い』は、いつからか『約束』になって、『呪い』となって──君を、苦しめて、終わりのない旅につかせてしまった。本当に──ごめんね」


    「・・・先生は、わ、悪くないんです・・・わ、私がもっと、で、出来てたらって──そう、思ったら──もう、止まらなくて──止まれなくて」

  • 66二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:13:32

    >>65

    「・・・そうだね。アンタはそういう奴だったしね。でも、良いんだよ。何も悪くないどころか──あんたは確かに、私たちを救ってくれたんだから」


    「────ッ!!!!うぁあ、ああ、あああああああああああ・・・・・・」

    そうして暫く、少女は、大事な人との抱擁を過ごす。

    そう───誰にだって。


    ヒーローは──いるはずなのだ。

  • 67二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:14:23

    >>66

    「──それにしても。綺麗な、夜だね」

    「あぁ、まるで魔法のような夜だ。今この時にレイサとあえて、良かったよ」

    「・・・えぇ。私も、です」


    そうして、散々泣きじゃくった少女は、晴れやかな顔で宇宙を見る。

    さっきまで真っ暗だったその世界に、星々が奇跡の祝福と言わんばかりに、灯りを灯す。


    オーロラと天の川が流れ、流星が願いを叶えに出かけ、月はただ静かに見守る。


    まさに、独り頑張り続けた彼女への──一つの、ご褒美のような贈り物。

    彼女を生んだ星からの、大事な人と共に送るプレゼントだった。

  • 68二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:15:00

    >>67

    「・・・そろそろですね」

    「・・・行くのかい?」

    「えぇ。私を呼んでくれてる、友達と恩師の声がしますから。あの世界の『人間』として、私は生きないといけません」


    「…そっか。まぁ、有り体な言葉だけど──行ってらっしゃい」

    「うん。行っておいで、レイサ」

    「・・・はい!」

  • 69二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:15:41

    >>68

    「──宇沢」

    「・・・なんでしょう?」


    「これから、アンタはアンタの人生を始めるんだ。

    だからさ──私たちのことを、忘れたって良いんだ。あんたが幸せになれるなら、私たちはそれでもいい。

    私たちは、あんたが助けようとしてくれたことを忘れない。


    だから──あんたは、あんたの為に生きなよ。私達の──スーパースター」

  • 70二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:16:14

    >>69

    「そうだね──大丈夫。レイサは、君が思っているよりずっと強い。

    私がよく知ってる。誰もいない道を、独りで歩いてきたんだ──みんなでだって、きっと行けるよ」


    「・・・正直、忘れたくても忘れられないでしょうけど。気持ちだけ、受け取っておきます」

    「でも、無理はもうしません。これからは、ちゃんと皆に助けてもらえる、私になります。だから──見ていてください、2人とも」

  • 71二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:16:35

    >>70

    「分かったよ、ちゃんと見てるよ。アンタが見えなくなっても──ここから、見てるから」

    「それじゃ──バイバイ、宇沢」

    「元気でね、レイサ」


    「・・・はい!宇沢レイサ、行ってきます!」

  • 72二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:17:35

    >>71

    さぁ、それでは。

    醒めない悪夢の、その先の。

    数多の奇跡が集う、最終地点。

    私たちの、ランデブーポイントにて。



    ───彼らの『世界』の話を、続けよう。

  • 73二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:23:37

    凄く良かったです......

  • 74二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:24:30

    >>73

    実は、あとちょっとだけ続くのじゃ

  • 75二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:28:19

    >>74

    やったぜまだ楽しめるのか!

  • 76二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:43:27

    >>72

    「・・・宇沢ッ!」

    ゆっくりと、目を醒ます。顔に浮かんだ、弾のような汗を拭いながら。

    彼女──レイサ・スターは、彼らを──友達と先生の顔を見た。

    「・・・ははッ」

    憑き物が落ちたような顔から、零れた笑顔は。彼らに、彼女の旅路が、無事に終わったことを告げる。


    それと同時に──弾けるような、歓喜の声が上がる。

    抱き合って喜ぶ、ヨシミとアイリ。つられてジト目のまま、万歳をするナツ。『流石私ですね』と言わんばかりの、もう一人の私。優しくこちらを見守るスズミ。同じく、私の側で並んで笑う先生。


    そして──

  • 77二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:44:05

    >>76

    『お帰り、宇沢。待ってたよ』

    そう言って、ほほ笑む、杏山カズサ。

  • 78二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:44:26

    >>77

    「──えぇ。只今、戻りました。宇沢レイサ、帰還いたしました」

    その微笑みと一緒に──私も、屈託のない笑顔で、笑った。

    笑うことが、できたのだった。

  • 79二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:44:38

    >>78

    それから、一週間後の風景。

    今から垣間見るのは、彼らが至った世界の姿である──

  • 80二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:45:20

    >>79

    「居ましたね・・・見つけましたよ、杏山カズサァ!今日という今日こそ、決着をつけてやりますよォ!」

    「だから!あんたは!!いい加減!!!話を聞けって言ってんの宇沢ァ!!!!」


    「さぁ!行きますよ杏山カズサ!あれは開発済みですよね、放課後スイーツ部の偉大なる研究員!」

    「ふむ、勿論。最新鋭の技術を結集させてできた人智の決勝。それがこのドライバーだ」

    「いやどうみてもおもちゃのベルトなんですけど!?」

    「うぉ~~~~変身だぁ!」

  • 81二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:46:00

    >>80

    そんな、どこかの世界でも、繰り広げられていた会話が。

    だけど──その『世界』は、違った。

    真昼の空に──彗星は、人となったのだから。


    「はぁ・・・全く、こっちの私は元気ですねぇ・・・」

  • 82二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:46:26

    >>81

    「あ、やっときたわね!レイス(レイサ・スターの略称らしい)、あんたこいつどうにかしなさいよ!!!」

    「そうですね・・・そんな風に、挑戦状を乱暴に渡しながら、杏山カズサに宣戦布告するものではないですよ──」

  • 83二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:46:56

    >>82

    そうして彼女は、レイサ・スターは、宇沢レイサの肩に、ポンと手を置き──


    懐から、挑戦状を出した。


    「──は?」

  • 84二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:47:28

    このレスは削除されています

  • 85二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:48:25

    >>83

    「相手がちゃんと受諾するまで、待つのが礼儀でしょう。挑戦状は──このように渡すんです」

    そう、レイサ・スターは──この世界の宇沢レイサとは、全く違う様相だった。

    一言で言えば、紳士──ジェントルマンのような風貌。


    黒い燕尾服を鮮やかに着こなし、手には綺麗な白手袋。

    言うなれば──ちょっと男装のそれに近く、人によっては見惚れてしまいそうだ。


    まぁ、今その彼女が挑戦状を懐から出してるわけなのだが。

    「そういうわけで、杏山カズサ──挑戦を受けて頂きましょうか?」

  • 86二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:48:46

    >>85

    「~~~~~~~~~ッ~~~~~」

  • 87二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:49:00

    >>86

    「やっぱこいつ宇沢だわ!!!!!!」

  • 88二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:49:31

    >>87

    「こういう所は、やっぱこいつ変わんないわね…」

  • 89二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:49:51

    >>88

    「ひゃぁ~いつ見ても似合うなぁ」

  • 90二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:50:05

    >>89

    「うむ。男装イケメン女子は、ある者たちにとってはまさにご褒美」

  • 91二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:50:31

    >>90

    「あんたたち!!!

    まとめて!!!!

    後でぶっ飛ばすッ!!!!!」

  • 92二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:51:17

    >>91

    ・・・と。

    もしかしたら、想像とは違ったものになったかもしれないが。


    しかし、彼女は。この世界は。

    恐らくは、もう大丈夫だろう。


    もう彼女は、独りになることはない。

    独りに、なろうとはしない。

    きっとみんなで──この世界という『居場所』を、勝ち取っていくのだろうから。



    そう、つまるところは──

  • 93二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:51:30

    >>92

    「私たちの戦いは、これからだ!!!」

  • 94二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:51:45

    >>93

    「いやナレーションを奪うな!メタいわ!!!」

  • 95二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:52:35

    >>94

    ───それじゃ、バイバイ。

    頑張ってね──レイサ。


    私たちの、スーパースター。

  • 96二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:52:47

    >>95

    Fin...

  • 97二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:53:49
  • 98二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:55:16

    >>97

    ED

    BUMP OF CHICKEN「strawberry」

    ※想像のOP、EDです。歌詞を見ながら、聞いてみてね。とぶぞ。

  • 99二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:56:47

    最高のSS......どころか超大作をありがとう......

  • 100二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:58:05

    ブラボー・・・おお・・・ブラボー・・・

  • 101二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 10:58:41

    ま、また世界を巻き込むタイプの宇沢か・・・

  • 102二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:03:28

    うおおおおおおおおおお!!!!!!(画像略)

  • 103二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:04:06

    ブルアカって割と“解釈”が重要になったりするから、レイサの特性、大人のカードの性質を上手く“解釈”して使ってるのが本当に上手い

  • 104二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:05:45

    最近最後にunwelcome schoolが流れるタイプの長編SS増えてるなぁ
    そういうの大好きです

  • 105二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:21:32

    見てくれてかんしゃぁ(ナツ風)
    圧倒的かんしゃぁ…

    いやほんと、いろんな人が見たいと言ってくれて嬉しかったです!
    おかげで、リアルタイムの文章作成は初めてでしたが、無事に最後までこぎつけられました。
    まずは見てくれた全ての人に、目いっぱいの感謝を。
    どうもありがとう。

    それと、この概念を最初に生み出してくれた、前スレ主にも感謝と拍手を。
    あなたがいなければ、この物語は生まれることはありませんでした。ほんと、マジで。

    そして、これほどまでに書いていて、キャラクターの心理を追うのを楽しませてくれた、ブルーアーカイブ公式にも感謝を。
    いつも、楽しませて頂いております。アリスク夏イベありがとう…

    改めて皆様方、ここまでの応援と閲覧、ありがとうございました!

  • 106二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:22:27

    >>105

    小生、感動しましたぞ!!

  • 107二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:22:49
  • 108二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:24:06

    >>105

    ブラボー!スーパーブラボー!!

  • 109二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:42:39

    >>105

    【おまけ】

    文章内の所々には、ある曲たちの歌詞から着想を得たり、使わせてもらったりしてる箇所があります。(主体は文章なので、大丈夫なはず…)

    こちらも、重ねて感謝を。引用元を辿って、聞いてくれると嬉しいかもです。


    探せ!この世にある名曲の歌詞を、そこに置いてきた!



    BUMP OF CHICKEN「流星群」

    「こんな魔法のような夜に 君と一緒でよかった」

    「その笑顔の向こう側の方から 泣き声が聞こえちゃった」


    BUMP OF CHICKEN「voyager,flyby」

    「応答願う 心の裏側をぐるりと回り戻って来た」

    「バイバイ 忘れても構わない 忘れないから」


    ヒトリエ「ポラリス」

    「その一歩、足を踏み出した あなたはとても強い人」


    wowaka「ローリンガール」

    「ロンリーガールはいつまでも」

    「もう良いかい?もう良いよ。そろそろ君も疲れたろう、ね」

  • 110二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 11:59:58

    作中の誰もナツの異常な知識に触れないのがまたw
    花の魔術師は怖いねぇ

  • 111二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:04:54

    狂言回しに徹しすぎというか源流には触れてないのにナツがいないとお話が進まなさそうなのはまあ気にしないで…

  • 112二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:19:40

    ナツは無自覚に並行世界の自分の遺志でも感じ取ったのかも?
    後から振り返ってみて「なんでそう考えたんだろう?」と自分でも不思議がるパターン。

  • 113二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:41:25

    このレスは削除されています

  • 114二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:46:49

    すみません
    本当にすみません
    それは知ったこっちゃないです

  • 115二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 12:50:05

    まぁ…そりゃ確かにそうっすね…w
    失礼しましたわ

  • 116二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 16:06:59

    書き切った影響でテンションがハイなので、作者はこの辺で
    また何か良い概念見つけたら、書きに行くかもなんで、その時はよろしくです
    ではでは、お疲れ様でした…

  • 117二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 16:09:45

    正真正銘レイサ*スターになったレイサ(AI生成品)
    神秘から恐怖を経て、少女は崇高に至る・・・的な感じで。

  • 118二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 16:45:36

    良きかな・・・・

  • 119二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 19:37:08

    >>117

    美しい......

  • 120二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 20:04:32

    >>117

    あっ…イイ………………………


    それはそれとしてここで終わらせるのはもったいないぜ

    なんせこれは概念スレなんだからな!もっと語ろうぜ!

  • 121二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 20:33:05

    え!?男装レイスが他のモブ生徒の脳を焼いて回ったせいで、モブ生徒が「レイスさん良いよね…」「いい…」って言ってるところ見てなんかモヤッとするカズサがいるって!?

  • 122二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 20:59:17

    >>121

    じぇらしーですなぁ

  • 123二次元好きの匿名さん24/08/24(土) 22:45:09

    >>27でレイサが言ってる他の世界線とのタッグ、

    実はこの世界に辿り着いてからの一連の出来事が、

    これまでレイスが旅してきた世界とのタッグだったのかもね。

    どのキヴォトスは滅びはしたし全員は助けられなかったけど数人生き残りがいて、

    自分達の為に戦ってくれたヒーローが報われる事を願っていた。


    その数人にスイーツ部の誰かが必ず含まれていたから、その祈りが届いてナツは並行世界のレイサだと気付けたし、

    そんな突拍子もない話を他の面々は信じたとか。

  • 124二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 10:36:05

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 10:38:19

    ガチャ獲得時文字
    「では、『世界』というゲームを始めましょうか」

    ガチャ獲得時セリフ
    「宇沢レイサ、見参です。──正確には、レイサ・スターとでも呼ぶのでしょうか。
    『この世界』の…いえ。『私』の、新たなる先生。
    どうか、私の道を、見ていてください。」

  • 126二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:07:29

    神秘に戻った訳ではなく、崇高に進んだレイサ。
    黒服が見たらテンション爆上がりしそうな状態になってるな……。

    神秘だけでは崇高に至れない。
    恐怖に反転しただけでも崇高には至れない。
    どちらにもなった経験から、どちらでもあってどちらでもない崇高に至れたのがレイサ*スターなのかな。

  • 127二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:56:55

    >>121

    あの…私にも挑戦状を下さい!→「失礼!これを渡す相手はただ一人だけですので。」って言われてキャッ~~~!!!ってなるモブちゃんとその光景を本当にたまたま見てしまいッッッ!!!ってなるキャスパリーグは存在する

  • 128二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 13:58:25

    >>127

    尊い......

  • 129二次元好きの匿名さん24/08/25(日) 20:23:03

    この世界線のカズサは少しだけスターに影響されて乙女心が増してるかもしれない

  • 130二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 06:03:00

    >>129

    レイサやレイスは勿論、カズサ本人も気付いてなさそうくらいの変化だとなんとなくいいなって思った

  • 131二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 07:27:22

    並行世界とはいえ同一人物だから、
    レイサも似たような事やっててカズサがドキッとしててほしい。

    スイーツ部の他の面々(アイリ以外)はニヤニヤして見ているものとする。

  • 132二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 07:55:50

    レイスSSができてから、カッコいい(アツい)とは別に
    カッコいい(イケメン)概念ができ始めたわね…(byスレ主)

    いいぞもっとやれ!
    どっちだってカッコいいぞ!

  • 133二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 14:00:14

    街中をスイーツ部が歩いているときにシューティング☆スターの発砲音が聞こえてきて
    アイリ「レイサちゃんかな?レイスちゃんかな?」
    カズサ「リロードから再発射までの間隔がすごい短いから宇沢…レイスでしょ」
    その後へ~~~~ってヨシミナツから生暖かい目で見られるキャスパリーグさん

  • 134二次元好きの匿名さん24/08/26(月) 21:34:51

    >>133

    音だけで判別できるのいいな.....

  • 135二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 06:06:30

  • 136二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 07:15:03

    夜にまた、小話的なSSでも書いてみますか
    ご希望のシーンはあるかな?

  • 137二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 07:21:27

    レイスがスマートに女の子の相手をするのを見て、「自分もいつかはあんなふうにカッコよく!」と意気込みレイサと、「アンタはそのままでいいから…」と窘めるカズサ

  • 138二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:36:44

    レイスに振り回されるスズミとか
    とにかくイケメンなレイスが見たいです

  • 139二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 10:46:47

    A.R.O.N.Aをプラナって呼ぶ並みの尊厳破壊よねレイス呼ばわり

  • 140二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 17:27:41

    >>139

    レイサ・スターの略だから本人はそこそこ気に入ってそうな気もするけどね

  • 141二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:19:26

    それじゃ、ちょっと書いてみましょうか
    ま、お茶でも片手にラフに読んでってくださいな

    小話
    「『スーパースター』と『エトワール』」

  • 142レイス先生24/08/27(火) 21:20:23

    >>141

    騒動から1週間。

    『トリニティ内に突如として降った彗星、そしてそこから現れた謎の怪物』なんてクロノスの新聞社にとっては随分と美味でもあっただろう騒動は、一先ずは落ち着きを見せていた。

    未だ騒動で荒れた場所に関しては修復が為されているが、民間の地域にはほとんど被害が出なかったこともあり、次第に鳴りを潜めるだろうとのことだ。

    寧ろ、騒動で被害を受けたところから、各企業の不正な取引の契約書や、独自ルートで運び込まれた軍事品なども見つかったものだから、調べるほどにトリニティ内部の犯罪の巣窟に近づく情報が出てきて、調査班は困惑していたらしい。


    そして、彼女はと言えば──

  • 143レイス先生24/08/27(火) 21:22:08

    >>142

    「そういえば、あれからレイスって、どういう扱いになってるんだろ?解決したとはいえ、街を荒らしたのは事実だし、上はよくは思ってないとは思うし・・・」

    ある放課後。

    放課後スイーツ部の4人は、トリニティの都内の公園にて、各々のお気に入りのアイスを頬張りながら話していた。

  • 144レイス先生24/08/27(火) 21:22:56

    >>143

    「あ、そのことなら、レイサちゃんから聞いたよ。何でも、ティーパーティーの人から、退院してすぐ呼ばれたんだって」

    「ティーパーティーから!? トリニティのトップじゃない・・・なんか、処分でも下ったのかしら」

    「それがね・・・呼んだ人が、セイアさんらしいの」

    いつも通りチョコミントアイスを持っているアイリが、驚いたヨシミに答える。

  • 145レイス先生24/08/27(火) 21:23:42

    >>144

    「セイアって・・・百合園セイア?」

    「ふむ、どうやら彼女は、何か感じ取ったのかもしれない。まぁ、真相は挟まれたラングドシャのクリームの如く不明・・・」

    一人だけソフトクリームを楽しんでいるナツが、バックグラウンドを色々考えてるのか、遠くの空をぼーっと見つめる。

  • 146二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:24:11

    スイーツ部が政治のことを気にするのか(困惑)

  • 147レイス先生24/08/27(火) 21:26:24

    >>145

    「ふーん・・・ま、よくは分からないけど…あいつ、大丈夫かな・・・」

    そんなふうに話していた時。


    少し遠くの方から、小規模な爆発音と、散弾銃のような音が聞こえる。

    このキヴォトスなら日常ともいえる音だが、聞き覚えのあるようでやや違う音が混じっていた。

    「あの音って・・・レイサの銃の音よね?」

    「また、自警団頑張ってるんだろうね」

  • 148レイス先生24/08/27(火) 21:28:07

    >>147

    しかし、カズサの耳がそこでぴくりと動く。

    「いや、リロードから再発射までの間隔が、宇沢にしては短い・・・やり合ったから分かる。多分、レイスの方だよ」


    「え、そうなの?」

  • 149レイス先生24/08/27(火) 21:28:25

    >>148

    「・・・ふ~~~ん・・・」

  • 150レイス先生24/08/27(火) 21:28:50

    >>149

    「ほほぉ~~~~・・・」

  • 151レイス先生24/08/27(火) 21:29:45

    >>150

    「な、何・・・その生暖かい目は」

    「別にぃ~~~?あんたがそんなにも宇沢のこと分かってたなんてねぇ~」

    「杏山カズサさんも隅に置けませんなぁ」


    「・・・なんか腹立つわね、あんたら」

  • 152レイス先生24/08/27(火) 21:30:23

    >>151

    「どうする?せっかくだし、行ってみる?私、ちょっと興味あるかも」

    「そうね、上手くやれてる見に行きましょ!」

    「うい、では行くとしますか」

    「はぁ・・・ま、いっか。あいつを助けるって決めたのは私たちだしね」

  • 153レイス先生24/08/27(火) 21:34:02

    >>152

    その少し前。


    「ふぅ・・・別世界では知り合いだったとはいえ、流石にセイアさんと話すのは骨が折れますね・・・」

    そう言いながら、レイサ・スター──通称レイスは、スズミと共に帰宅途中にいた。

    因みに、現在はレイサと同居中らしい。


    「神秘・・・彼女も、そのことを知って?」

    「恐らくは。とはいえど、神秘の形は人によって変わってきます。

    私の場合は、使用回数の限られている消費型だったみたいでしたが、人によって変わってくるみたいです」

  • 154レイス先生24/08/27(火) 21:34:34

    >>153

    「成る程・・・神秘、ですか」

    その答えを聞きながら、スズミは少し頷く。


    「ところで・・・その格好については聞いても?」

  • 155レイス先生24/08/27(火) 21:35:22

    >>154

    そう聞かれて、レイスは自分の格好を見る。

    この世界の宇沢レイサが、カジュアルかつ動きやすい服装をしている点から見ると、非情にフォーマルな格好に近い。


    白いシャツの上にネクタイ、そして執事服のような黒いロングテールコート。下は同じく黒を基調としたズボンと革靴。また、腰に掛けた武器も、色はシックなものとなっている。

    そして、胸元には五つ星のブローチが、光沢を放ちながら付けられていた。

    ──確かに、この世界の宇沢レイサを知っている人からすれば、全く逆の服装ともいえるのだろう。私は少し恥ずかしくなり、照れてしまう。

  • 156レイス先生24/08/27(火) 21:36:47

    >>155

    「これですか・・・ははは。まぁ私の趣味です。先生に『せっかくならこの世界で、思いっきり楽しむことを思い出そう』と言われたので、まずは形からということで」


    「そうでしたか・・・すみません。私の知っているレイサさんとは、大分印象が違って見えるので」

    「いえ、良いんです。こればっかりは仕方ないし、私が好きでやってることですから」

    「はぁ・・・なんというか、元気なレイサさんを知っているだけに、これはこれで頭が混乱しますね」

    「まぁ、でしょうね・・・おや?」

  • 157二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:37:25

    来るのか…レイスズミ…

  • 158レイス先生24/08/27(火) 21:41:45

    >>156

    すると、少し先の方から、何やらもめごとのような声が聞こえる。

    なにかと思えば、硝子の割れるような音なども聞こえ、かなり物騒な印象を受ける。


    「・・・行きますか、スズミさん」

    「そうですね。どうやら、ひと悶着あったようです」

  • 159レイス先生24/08/27(火) 21:45:39

    >>158

    近づいてみると、どうやら時計店の品物を、ヘルメット団が強盗しようと動いていたようだった。

    既に大分運び込まれたらしく、ショーケースの中が大分空になっている。


    「よし、これで全部だな・・・しかし、雇い主の要望とはいえ、これは流石にやばくないか?」

    「いやぁ、仕方ないだろ。この前のイベント開催などで、大幅に資金を使っちまったらしいし。あっちはがっぽり払ってくれるっていうしな!…それに、別の所では銀行強盗とか起きてるって聞くし、大して変わらんだろ」

  • 160レイス先生24/08/27(火) 21:46:28

    >>159

    「でもよ、だったらこれを売り払った方が金になるんじゃないのか?そもそも、そいつって信用できんのか?」

    「さぁな、まぁ上の指示だ。私たちは動いてれば、一先ず晩飯には困らんだろ」


    そんな感じで話しては、せっせと戦車に詰め込んでいる。見た感じ、ブラックマーケットの方から依頼を受けたようだった。

  • 161レイス先生24/08/27(火) 21:46:59

    >>160

    「・・・随分と数が多いですね。どうしますか?」

    「そうですね・・・スズミさん、彼らの帰り道のルートの先回りってできますか?

    恐らく、ブラックマーケット方面に向かうと思うんです」

    「えぇ、できるとは思いますが・・・」

  • 162レイス先生24/08/27(火) 21:47:32

    >>161

    「それなら──私を信じて、向こうで待って下さらないでしょうか。ここは、私一人で行けます」

    「本当ですか?」

    「ええ。私とて、幾つもの戦場を駆け抜けてきましたから。それに──


    今は、あなたという頼れる仲間もいますから」

  • 163レイス先生24/08/27(火) 21:48:42

    >>162

    「・・・!分かりました、では後ほど」

    「えぇ、後ほど」


    離脱したスズミを見送った後、レイスは足元に転がっていた石ころを一つ拾った。それを、指の間を伝って少し転がす。

    丁度目の前では、回収の終わったヘルメット弾が、撤収しようとしていた先にいた生徒たちを、無理やりどかそうとしていたところだった。

    「おら、どけどけ!邪魔だ!」

    「あ、危ない・・・!」


    その一人に、石ころを照準を合わせるように構え──

    ピンッ、と弾いた。

  • 164レイス先生24/08/27(火) 21:51:27

    >>163

    放たれた石ころは、まるで弾丸のように風を切る音を響かせながら飛んでいく。そして、団員の額の部分に、派手な衝撃音を立ててぶち当たった。

    「うごがっ・・・!?」

    当てられた団員は、数歩その場でよろめいた。

    「な、一体誰だ・・・!?」

    「誰だ、と言われたら・・・そうですね、名乗るのがここは礼儀ですね」

  • 165レイス先生24/08/27(火) 21:53:07

    >>164

    そういうと、彼女は隠れていた路地裏から、一歩ずつ足を踏みしめ、姿を現した。

    首元のネクタイをただすように締め直し、革靴を合わせて姿勢を正す。かつてヒーローを夢見ていた少女は、全く違う装いでそこに立っていた。


    「初めまして、私は宇沢レイサ・・・いえ、正しくはレイサ・スターなので、宇沢レイス、と呼びましょうか。して、皆様方はここで何を?」

    「あぁ?なんか随分偉そうなやつが出てきたな・・・何って、ここにあるもんを回収しにきたんだよ!並んでるばかりで、一向に売れる気配がねぇから、俺たちが代わりに貰おうってんだ!」

    「そうそう、こっちは善意でやってるんだ!邪魔するってんなら、あんたが悪者だぜ?」

    「善意・・・ですか。では、あなた方は誰かのために動いている、ということでよろしいのですね?」

  • 166二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 21:53:41

    神秘を生徒が知っているのか……(困惑)

  • 167レイス先生24/08/27(火) 21:55:47

    >>165

    「あぁ、そういうことだ!分かったら、そこをどきな、令嬢さん」

    そうして、彼らは銃を構える。どかないなら、否が応でも無理やり、とでもいうのだろう。


    「・・・はぁ。仕方がありませんね。

    ・・・『人のために動く』というのは、残念ながらあなた方が思っている以上に、遥かに困難で厳しい道です。

    それこそ、その時計を作った職人さん。それを売るために、店を立てた方。彼らに協力し、共に今でも汗を流す者たち。

    ──あなた方は、それを踏みにじっている自覚はおありでしょうか?」


    目を閉じ、笑みは絶やさない。あくまで余裕を保っているその執事風の少女に、彼らは徐々に嫌気が増したのか、指をトリガーに掛けだす。


    「とはいえ、あなた方がそれでも、というのなら。私を乗り越えてみることです。そうですね──」

  • 168レイス先生24/08/27(火) 21:57:20

    >>167

    懐から、懐中時計を取り出す。

    この時代の人間としては、大抵スマホで時間を見るから、時代錯誤にも見えるだろうけど──まぁ、そんなことは気にしないでいい。

    やりたいように楽しくやる。どうせなら──思うままの「カッコよさ」でいこう。

    それが、この世界に繋いでくれた人々への、私なりの応え方だ。


    「1分あげましょう。その間、私は何も攻撃しません。撃つなりとびかかるなり、どうぞご自由に。──その後、私は動きますので」

  • 169レイス先生24/08/27(火) 22:09:13

    >>168

    「~~~~舐めてるぞこいつ!撃て!」

    そういって、銃弾が放たれるが──掠りもしなかった。

    多少身を捩りながら、ある程度の弾丸は銃の側面で弾く。その一連の動作には、ほとんど隙もない。

    まぁ──場数が、文字通り違うのだろう。

    「はぁ!?なんでそれで当たらないんだよ!?」

    「さぁ、何故でしょうね──似た状況を、よく経験したからですかね」

  • 170レイス先生24/08/27(火) 22:10:48

    >>169

    「クソッ!いけ、いけっ!」

    今度は、バットなどを持って、接近してくる。

    大きく振りかぶってくるそれを──やはり、するりと躱す。


    元々、身体は身軽な方だ。かかってくる物騒な物たちを、ひらりはらりと受け流しながら、ふと懐中時計を確認する。


    「──そろそろですね」

    気づけば、1分はあっという間に立ち、残ったのは息をついた団員たちと、その真ん中に佇むレイスだった。

  • 171レイス先生24/08/27(火) 22:12:23

    >>170

    そして、肩に掛けていたショットガンをくるりと回し──正面の者たちに向けて、勢いよく発砲した。

    散弾を食らった者たちは、衝撃で後ろへと吹き飛んでいく。驚いた彼らを前に、彼女は彼らにとってのチャンスタイムが切れたことを告げた。

    そうして、空に佇み、眺められていたその星は──流れを変える。


    「・・・では、時間です。──お覚悟を」

  • 172レイス先生24/08/27(火) 22:16:43

    一旦休憩
    うーむ、やはり難しいけど、でも楽しいなぁ
    出来る限り、書いてもらったシーンは取り入れたいですね

    所々困惑させたのは…まぁ、ごめんなさいね…

  • 173二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:45:04

    かっっっっこよ!!

  • 174二次元好きの匿名さん24/08/27(火) 23:46:12

    正しくスレタイ通りのものがお出しされた喜び

  • 175二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 00:11:39

    レイスかっこよ!!!

  • 176二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 00:21:25

    ごめんこんなことを指摘するのはあれなんだけど、「彼ら」じゃなくて「彼女ら」ではなかろうか…?

  • 177レイス先生24/08/28(水) 00:27:31

    >>176

    うぉっと、確かにそうだわ!これは失敬

    指摘ありがとです、次から気をつけとくね

  • 178二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 07:39:02

    保守

  • 179二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 08:58:14

    一般の人からは「どちらも正義感が強いけど、紳士的な姉と元気いっぱいな妹の双子姉妹」くらいの認識になるのかね
    なおその双子姉妹から挑戦状を投げつけられる光景が目撃されるキャスパリーグさんへの視線

  • 180二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 13:01:29

    背丈とかはどんな感じなんだろうね、シロコテラーよろしくある程度伸びてたり大人びてたりするのかしら

  • 181レイス先生24/08/28(水) 20:13:16

    >>172

    続きを書いていきます~

    けど、そろそろ次スレになりそうかな?

  • 182レイス先生24/08/28(水) 20:14:30

    >>181

    そうして──そこから先は、彼女のターンが始まった。


    この世界の宇沢レイサの戦闘スタイルは、軽快に動き、先陣を駆け巡る、フランカーに近いような戦い方だ。

    しかし、彼女の動きは──それとは逆。かかる火の粉を、さっさと振り払うように。或いは、火の粉同士がぶつかって自壊するかのように。

    つまり、その場所の地形、人、物、状況を逆手に使いながら、自身の体力消費を極力避ける、余裕を持たせるやり方──即ち、カウンタースタイルだ。

  • 183レイス先生24/08/28(水) 20:20:17

    >>182

    飛んできた弾丸を避け、その奥にいた別の団員にその弾丸が当たるように誘導する。

    大きく弧を描いたバットを銃で受け止め、その勢いを受け流す。

    よろめいた体に、ショットガンの弾丸を2発。体を吹き飛ばしそうな程の反動を使って別の攻撃を避けつつ、別の敵にそのまま近づく。振り返りざまに、また2発。

    他の弾丸は、近くにあった机を立て代わりにした後、それを蹴り飛ばして敵の不意を作る。

    それをまともに食らった敵に近づき、再び2発。

    飛んできた手榴弾はその場で掴み、逆に敵に投げ返す。慌てふためいたところを、見逃がさずに接近──


    これを繰り返しながら、敵同士の同仕打ちや自滅を誘い、できた不意を見逃さずに撃っていく。

  • 184レイス先生24/08/28(水) 20:21:59

    >>183

    それと、彼女の使う「シューティング⭐︎スター」改め「インプレグナブル・コメット」は、かなり特殊な形状のダブルバレル式ショットガンだ。

    グリップより後ろからマガジン7発、チャンバー1発の8発×2の計16発を込められる、ショットガンの中でもかなり多めの装弾数を持つ。


    逆にいうと、リロードの時間がネックとも言えるが──そこはもう、慣れた手つきである。空になった弾倉に散弾を込めながら、彼女は大元の戦車に、手の白手袋をはめ直しながら、近づいていく。


    「さて──では、次のダンスのお相手は?」

  • 185レイス先生24/08/28(水) 20:23:10

    >>184

    「ひっ…なんだこいつ!? チッ、ほら急げ!撤収だ撤収!」


    残された彼女らは、戦車を慌てて運転しながら一目散に逃げていく。

    だが、それを無理に追おうとはせず、レイスは電話をかけ始めた。


    「もしもし、スズミさん。予定通り、そちらにいきましたよ。

    あと、そうですね。せっかくですし、彼女にも連絡を」

  • 186レイス先生24/08/28(水) 20:24:03

    >>185

    その後、ヘルメット団の戦車と残党は、ブラックマーケットへ向かう道中の、かなり大きめの橋の上を渡っていた。

    「急げ、ここから先はトリニティの管轄外だ!」

    しかし──布陣は既に組まれていた。

    突如、彼らの前に、1発の手榴弾が投げ込まれ──

    目を潰す程の、瞬い閃光を放った。

  • 187レイス先生24/08/28(水) 20:24:47

    >>186

    「これは、閃光弾…!?」

    「…あ、ぐぇっ…!?」

    「がはっ!?」


    そうして、彼女らが再び視界を取り戻した時には──一部倒れた団員と、その奥に立つ2人の人物がいた。


    「レイスさんの言う通りでしたね、やはりここを通りましたか」

  • 188レイス先生24/08/28(水) 20:26:03

    >>187

    「しかも橋のど真ん中!どこにも逃げ場などありませんよ!」

    前もって来ていた守月スズミと、連絡を受けてきていた宇沢レイサである。


    「クソッ…まさかひょっとして誘い込まれたか!?各なる上は──」

    すると、戦車の中からひょっこりと出てきた団員が、手榴弾を片手に、重たそうに抱えたケースを見せつけてきた。

    「いいのか!?私たちを戦車ごと倒そうとすれば、こいつらも一緒に──」

  • 189二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 20:26:53

    このレスは削除されています

  • 190レイス先生24/08/28(水) 20:29:23

    >>188

    だが、その箱は──突如差した黒い影と一緒に、瞬く間に消えた。


    「失礼、隣が空いていたもので」

    「なっ…!?」


    ボスと思わしき女が、箱の消えた手元をあっけらかんと見つめた先には、時計の入った箱を回収し、中身を確認するレイスの姿があった。


    「確かに物品回収っと…2人とも、待機して下さって感謝します」

    「いえ、こちらこそ。おかげで、制圧しやすい人数になっていました」

    「急に呼ばれた時は驚きましたけどね!まぁ、活躍の舞台と思えば、寧ろ好機ですから」

  • 191レイス先生24/08/28(水) 20:30:11

    >>190

    そうして、3人が集合した前で、例のヘルメット団はといえば、全くのノーマークだった謎の集団に計画を阻止されたことで、完全に狼狽えていた。

    「な、なんだお前ら...! 正義実行委員会でも、救護騎士団でもないぞ…!誰なんだいったい!?」


    「ん?あの方、何か言ってますよ?」

    「我々が誰かと聞いてるようです」

    「成る程、であれば──」

  • 192レイス先生24/08/28(水) 20:31:03

    >>191

    そこで3人は、各々のポーズを取る。


    宇沢レイサは、自分を親指でさしながら、胸を張るように。

    守月スズミは、銃を構えながら、警戒を続けるように。

    宇沢レイスは、手を胸と背中に当て、少し会釈するように。


    彼女達は、あえてそう名乗った。


    「「「私たちは、トリニティ自警団です(!)」」」

  • 193レイス先生24/08/28(水) 20:33:33

    きりがいいので、ここらで次スレへ

    「彼ら」でよく文章を書くから癖になっちゃってんなぁ!
    一ヵ所直し忘れてたぜ!ごめんね!

  • 194二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:17:24

    >>117、メモリアルロビーっぽいなぁ

  • 195二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 21:29:40

    このレスは削除されています

  • 196レイス先生24/08/28(水) 22:14:04

    >>193

    すみません…なんかうまく立てられなかったようで…

    誰かスレ立てをお願いしても良いでしょうか…?

    本当にすまない…

  • 197二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:24:28
  • 198二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:25:18

    ないす

  • 199レイス先生24/08/28(水) 22:28:31

    >>197

    ありがとうございます、助かりました…!

  • 200二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:31:06

    >>199

    どういたしまして!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています