二人と夏の献立日記【ジェンヴィル・SS】

  • 1二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:36:49

     誰だって、生きていれば嬉しい事もあるし、落ち込む事もある。元気な時もあれば、疲れる時だってある。
     そんな時には、人もウマ娘も心身の癒やしを求めて、ふらりとどこかへ脚を運ぶ。お腹いっぱい美味しいご飯を食べるも良し、ゲームセンターで心ゆくまで遊ぶも良し。
     ウマ娘なら、心の赴くまま走って、暖かい風呂で汗と一緒に疲れをお湯に流すのも良いだろう。

     さて、例えばそれがかつてクラシック期に全てのティアラを戴冠し、トゥインクル・シリーズ史上初めてジャパンカップを連覇して見せた"剛毅なる貴婦人"であれば、その脚は何処へ向かうのだろう。

    「ジェンティル先生、今日は聞いて下さってありがとうございました……また何かあったら、来ても良いですか?」
    「ええ、勿論。その時は、今日よりもずっと強く磨かれた貴方に出会える事を期待していますわ」
    「……ッ! ハイッ! それでは、失礼します。お疲れ様でした!」
    「お疲れ様。しっかり休んで、疲れを取るように」

     嬉しそうに笑みを浮かべ、小さくお辞儀をしながら部屋を後にする生徒を見送ったら、すっかり冷めたコーヒーを飲み干して思考回路をリセット。それから、たった今話していた生徒の担当トレーナーにメールで報告。彼女から見せて貰ったトレーニングの内容に加え、彼女に伝えたアドバイスと、トレーニングについて自身の意見を軽く纏めた資料も添えて。
     それが済んだら、最後に翌日のスケジュールを再確認し、PCをシャットダウン。デスクを片付け、自らも部屋を後にした。

  • 2二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:38:06

     彼女にとっては懐かしい学び舎であるトレセン学園には、今も将来有望なウマ娘が数多く在籍し、北から南までトゥインクル・シリーズの煌めきを大勢のファンに届けている。
     かつては彼女もターフに煌めく一等星であったが、今では指導者として全国から集まる夢の原石を磨く砥石となり、煌めく星々を夢の舞台へと送り出していた。

     そうして彼女の薫陶を受けたウマ娘達は胸の奥に宿した本能そのままに、たった一つの頂点の座を目指してターフを、あるいはダートを駆け抜け、大勢のファンをその輝きで照らしていた。
     勝負服を身に纏ってターフに立てば、割れんばかりの歓声と拍手に包まれる。しかしてそんなスーパースターの正体はと言うと、思春期の女子学生である。
     レースの事、ライバルの事、親友の事、担当トレーナーの事……多感な時期に複雑な悩みを抱える生徒達のメンタルケアも、トレセン学園における彼女の大事な仕事の一つ。

     強く、美しく、誇り高く、頂点の座に相応しい強者としてトゥインクル・シリーズを走り抜いた彼女になら、と自身の胸の内を打ち明けにくる生徒は多い。そして彼女もまた、そんな生徒達に厳しくも優しく寄り添い、目の前の壁を壊せるように背中を押した。
     トレセン学園在籍時代の彼女を知る人、例えば彼女の元トレーナーでさえ口を揃えて"貴婦人"も丸くなった、としみじみ語っていたが、この辺はかつてのライバル兼同居人による影響も大きいだろう。
     そんな井戸端の噂さえも生徒達の評判を呼び、今日もまた彼女の部屋を誰かがノックする。

     そうして頼られる事については彼女も喜ばしく思っていたが、如何せんメンタルに寄り添う仕事というのは想像以上に心身に堪えるモノ。先程の生徒のように担当トレーナーやその他指導者陣に情報を共有できる内容なら良いが、そうでないパターンの方が圧倒的に多いのもそれを後押ししている。
     ターフに出れば東京レース場・芝2400mを初め、様々なコースの走り方を実戦形式で鍛え、部屋に戻れば大勢の生徒に相談を持ちかけられ、彼女のトレセン学園での日々は多忙を極める。

  • 3二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:40:56

     そんな日々を送って尚、彼女は常に自身を律し、生徒にも周囲にも弱音を吐く姿を一切を見せなかった。とは言え、その身体に疲れが蓄積されない訳ではない。
     学園を後にした彼女は、同居人にすぐ帰る旨をLANEで手早く送信すると、全身に纏わり付く疲労感を振り払うように、力強く踏み出した。
     ふと、空を見上げてみる。夕焼け色に染まった夏の空が、なんとも言えず心に染みた。



     夕焼け色だった空が少しずつ夜の帳を下していくにつれ、晩御飯の香りがあちこちから漂い、家路に就く人達の脚を急がせる。
     灯り始めた地上の星は、そこに息づく人々が一生懸命頑張っている証。今日の頑張りを背負って帰り道を歩く人々を暖かく迎えてくれるのもまた、地上に煌めく星々だ。
     その光の一つの中で、ヴィルシーナはスマホをちらと見ながらてきぱきと手元を動かしていた。

    「さて、次はと……」
     
     鶏のもも肉は一口大にカットして、お鍋に水と生姜、葱、お酒を入れて火にかける。その間に後から加えるお野菜を切り、お鍋に灰汁が浮いてきたら都度取り除く。旨みたっぷりの鶏スープが出来上がったら、生姜と葱を取り出し、お次は薄切りにしたにんにくと、人参を中心にお野菜、後は調味料を加えてコトコト煮込む。
     お鍋のお世話は一旦弱めの中火に任せ、今度は事前に茹でて冷やしておいた豚バラ肉、胡瓜、トマト、オクラ等の夏野菜を食べやすい大きさに切っておき、後は薬味に大葉と茗荷を少々。錦糸卵用に卵を溶いた段階で、一旦時計を確認。
     彼女の同居人から連絡が来たタイミングから逆算して、そろそろ玄関を開ける音がする頃だ。

     トレセン学園を卒業し、彼女がかつてのライバルと共同生活を始めて、はや幾年。拙かった家事にもすっかり慣れ、今ではこうして台所に立つのにも困らなくなった。
     ありがたい事に、実家やかつてのルームメイトから野菜や土地の名産品などを色々送って貰えるので、毎日の献立のバリエーションにも困らなくて助かっている。

     先にお風呂に入って貰う事を考えれば、晩御飯の完成には多少の余裕がありそうだ。

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:41:56

     そう思い至った刹那、ヴィルシーナの口元がふっと綻んだ。

    「随分お疲れみたいだし、ね」

     そう呟くと、ヴィルシーナは溶き卵を熱したフライパンに流し入れる。焦げないよう火加減をこまめに調整しつつ、今まさにここへ向かっている同居人に想いを馳せる。

     妹たちの事もそうだけど、長く一緒に暮らしていると、ちょっとした事から相手の変化に気づけるようになってくる。例えば、おはよう、と言った時の今朝の調子。ただいま、と帰ってきたときの機嫌など、いろいろ。
     それが今や、LANEで送られてきた文章を見ても、その時の調子や機嫌がある程度分かるようになったのだから、随分仲良くなれたものだと思う。普段なら帰ってきたらすぐさまジャージに着替え、夕飯前にひとっ走り……というのがお決まりだけれど、多分今夜はお風呂に直行。
     一応準備はしておいたが、これらの出番は明日の朝に持ち越しになりそうだ。

     綺麗な色に焼きあがった卵をひっくり返し、ふうと一息付いたその時、リビングの奥で玄関が開く音がした。独り言でも、噂をすれば影、と言うものだろうか。
     廊下の足音に顔を上げるより早く、リビングの扉が開く。ヴィルシーナの視線と、キッチンに向いたジェンティルドンナの視線がぴったり重なった。すっかり息も合うようになって、と二人は一瞬心を揃える。
     そして、出迎えたヴィルシーナが、優しく微笑んだ。

    「おかえりなさい。今日は大変だったみたいね?」
    「……お陰様で、ね」

     微笑みと労いの言葉に応えるように、どこか張り詰めていたジェンティルドンナの表情が解け、口角が上がる。それが、努めて弱い所を見せない彼女の、言葉代わり。
     そんな彼女に、ヴィルシーナはふう、と安堵のため息をついた。

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:42:44

    「お疲れ様でした。お風呂沸いてるから、先に入って来てもらえる? 上がったらご飯にしましょう」

     これに対しジェンティルドンナがええ、と頷いたので今夜のランニングは正式にお休みとなった。予想通り、と心で呟きつつヴィルシーナは視線を台所に戻す。
     フライパンの火を止め、レシピを確認しつつ次の行程に移ろうとしたその時、横から伸びてきた腕がヴィルシーナを捉えた。

    「……ちょっと。料理中はやめてって言ってるでしょう」
    「ふふ、お気になさらず。どうぞ続けて?」
    「気にするわよ。火も包丁も使ってるんだから、危ないと言っているの」

     ヴィルシーナは一旦手を止めて口を尖らせたが、対するジェンティルドンナはそうね、と微笑みかけたかと思えばそのまま両の腕でヴィルシーナを包み込んだ。ゆっくりと彼女を抱き寄せ、身体を彼女に預けようとする。

    「それでも"お姉ちゃん"なら、疲れた妹には優しくして下さるものでしょう?」
    「貴方を私の妹にした覚えは無いのだけど」
    「あら、失礼。お酒を飲む度に都度可愛い妹扱いをされるものだから、つい」
    「……それはちゃんと気を付けるから、取り敢えずお風呂に入ってきてくださる?」

     痛いところを突かれたヴィルシーナは、思わず苦い顔。酒の思い出数あれど、姉上戸なる酔い方をするのは恐らくヴィルシーナが最初で最後であろう。それは相手がジェンティルドンナだろうとゴールドシップだろうと変わらず、今やその酒癖は周囲にすっかり知れ渡っていた。

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:43:07

     彼女にとっては少し恥ずかしい一面を弄ったかと思えば、ジェンティルドンナはようやく満足げな笑みを浮かべて両の腕を解き、ご機嫌な様子でリビングを後にした。楽しげに揺れる尻尾を台所から見送り、ヴィルシーナは思わず苦笑い。

    「……これじゃ、まるで本当に妹になったみたいね」

     トレセン学園の生徒だった頃、ヴィブロスは時々甘えたがりを抑えられなくなる『甘えんぼチートデー』なるものを発動していた。私も姉としてよくそれを受け止めていたが、今思えば、自身もそれでメンタル的な充電をしていた一面もあった。
     目まぐるしくバ場の変わる世の中を、スプリンターより早く駆け抜ける今の私達に、そうした充電は尚の事必要不可欠である。
     相も変わらず自身を厳しく律し、心身の疲れを滅多に表に出さない彼女にとって、ああしてちょっかいを出しながら私の事を抱きしめてくるのが彼女なりの『甘えんぼチートデー』なのかもしれない。
     心の拠り所になったこの家に、きっと速足で帰って来た彼女の事を思うと"お姉ちゃん"としては感無量である。本当に、お互い随分変わったものだ。

     感慨深く頷いて、ヴィルシーナは綺麗に焼き上がった薄焼き卵をフライパンから下し、何層かに折り畳む。そしてそれは、まな板の上で奏でるリズムと共に、綺麗な錦糸卵へと仕上がっていった。

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:44:46



    「それで、今日はどんな子が?」
    「新入生からトレーニングの相談3件、トレーナーからの紹介でレースの駆け引きについて相談兼指導を4件、担当トレーナーとの関係について12件。ありがたい事に明日も予約枠は満員御礼ですわ」
    「それはそれは……いつも思うのだけれど、トレーナーとの関係について相談する生徒、多すぎません? トレーナーも玉石混交とは言うけれど、そこまで多いと少し心配になるわ」
    「ご安心なさって。相談の中身は概ねその逆よ」
    「……あぁ、成程」

     テーブルに箸を並べつつどこか遠い目をして告げたジェンティルドンナに対し、ヴィルシーナも納得しつつ苦笑を浮かべる。
     相も変わらず、トレセン学園のトレーナー不足問題は解決に程遠いようだ。つい先日もトレーナーが一人寿退職したらしいが、この分だと今年度中にもう二、三人は固いだろう。

     大勢の生徒を抱えるトレセン学園の日常は、どれだけ話しても話題が尽きることがない。ヴィルシーナにとっても懐かしい学び舎の話をしている内、テーブルの上はあっという間に大きなお皿で彩られていった。

    「それにしても、随分パワフルな量ですこと」
    「夏合宿ももうすぐなんだから、しっかり栄養を付けないと。指導する側が夏バテする訳にはいかないでしょう?」

     ヴィルシーナが得意げに微笑むと、ジェンティルドンナも嬉しそうな笑顔で応えた。

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:45:23

     今日の献立は、暑い夏にぴったりの冷やし中華。トマト、胡瓜、レタス、オクラといった夏野菜に、茹でた豚バラ肉をちょっと多めにトッピング。夏の仕事はいつも以上に体力勝負、たんぱく質に加えビタミンBと鉄分を豊富に含む豚肉は、疲労回復にもうってつけだ。
     お供を務めるのは、鶏もも肉の冷たいスープ。鶏を煮出したスープに野菜と調味料を加えて煮込んだら、氷で冷やして完成。材料を煮込んで冷やすだけなので、割と手間なく作れるのが魅力である。
     どちらも、暑さで食欲の落ちがちなこの時期にさっぱりとお腹いっぱい食べれるメニューだ。

    「それじゃあ、頂きます」
    「頂きます」

     手を合わせ、まずは冷やし中華を一口。かけてあるダレには、もも肉を煮込んで取ったスープをちょっと拝借。この一工夫で味に旨みと深みが増し、飽きがこない仕上がりになる。
     薬味には茗荷と大葉をお好みで。もし味変したくなったら、叩いた梅干しに鰹節と味噌を混ぜた特製梅鰹をプラス。酸味が食欲を呼び、梅干しの酸味がこれまた疲れた身体によく効くこと、請け合い。
     そうして気付いた時には、それなりの量が盛ってあった二人のお皿はすっかり空になっていた。スープも一滴残らず平らげたら、最後に麦茶で喉を潤してふう、と一息。

    「ごちそうさまでした」

     声を揃え、二人は満足げな表情で向き合った。すっかりリラックスしたジェンティルドンナの笑顔を前に、ヴィルシーナは安心したように微笑んだ。

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:45:48



    「……あの、暑いのだけれど」
    「問題ないわ、エアコンがしっかり効いてますもの」

     ぼやくような声に即答し、ジェンティルドンナは変わらずヴィルシーナを両腕で包み込んでいた。ヴィルシーナも両腕の中でもぞもぞ抵抗してみるが、それで離れてくれる相手だったら苦労はしない。
     一通り家事を片付け、そろそろ寝ましょうかとベッドに横になった途端、ジェンティルドンナはヴィルシーナのベッドに潜り込んできた。そのままヴィルシーナが驚きの声を上げる間もなく両腕で身体を包み込み、今に至る。
     灯りを消して視界に乏しいのにも関わらず、魔の前でびっくりするくらい嬉しそうな笑みを浮かべているのがよく分かる。ヴィルシーナは堪らずもう一度声を上げた。

    「私は貴方の抱き枕じゃ……」
    「妹と一緒に寝る様なものでしょう? 遠慮はいらなくてよ」

     楽し気な声と共に、ジェンティルドンナはもう一度両の腕でヴィルシーナをギュっと包み込んだ。こうなっては、ヴィルシーナもびくともしない彼女の両腕を受入れつつ諦めのため息を付く他なかった。

     今尚仕事でもプライベートでも走ったり鍛えたりしているのもあるが、正直彼女の力強さはトレセン学園に居た頃から全く変わってないように思う。以前その話をした時は、流石に衰えましたわ、と一瞬表情に影を浮かべたが、本人にしか分からない変化の類だと思う。
     勿論、だからこそ今尚身体を磨き、トゥインクル・シリーズ現役のウマ娘に自らの脚で指導したりできるとも思うのだが。
     
     しばらく悶々としながら彼女の体温を感じていると、静かな寝息が聞こえてきた。僅かな視界をそっと隣に向ければ、そこに横たわっていたのは穏やかな寝顔。かつて"剛毅なる貴婦人"と謳われた力強い姿からは想像も付かないようなその表情を見ていると、先程までの感情は夜に溶けていった。

     万全の休息こそ牙を研ぐ。故に寝具は一級品を、とかつてジェンティルドンナは語っていたが、今夜に関しては彼女なりの『甘えんぼチートデー』継続につき、そこにヴィルシーナも追加。
     帰って来てすぐの彼女の様子を思えば、それまで悶々としていたヴィルシーナの口元も緩んだ。自身と彼女とを覆うようにタオルケットを引っ張って、そっと囁く。

    「……おやすみなさい。良い夢を」

     そうして、ヴィルシーナもまた瞳を閉じ、意識を宵闇へと溶かしていった。

  • 10二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:46:53

     アラームが鳴るより早く新しい朝を迎えたその時、既にジェンティルドンナの姿は無かった。
     リビングへ向かうと、彼女は既にジャージ姿に着替え、ヴィルシーナを待っていた。

    「おはよう、ヴィルシーナさん。さあ、早く準備なさって」
    「……おはよう。今朝は随分早いのね」
    「ええ、おかげさまで随分身体の調子が良いようですので。昨夜の分も取り戻せそうですわ」

      そうして嬉しそうに笑みを浮かべる姿は、現役時代の彼女を見ているようだった。
     ヴィルシーナにとって、かつては目の前で見せつけられる度に苦しくて仕方なかったその表情が、今となっては活力が湧くような気さえするから、時間の経過とは本当に面白いものである。
     ヴィルシーナは、頬をパンと叩くと、敢えてかつて彼女に向けていた不屈を表情に乗せて応えた。

    「準備は良い?」
    「ええ、いつでも」

     一緒に暮らし始めてから随分長い時間が経ったけど、朝食前のランニングは今でも続けている。トゥインクル・シリーズを去り、ドリームトロフィーリーグから去っても、走ることからは離れなかった。
     風を切り、朝陽を浴びて彼女と一緒に走るのは、一日の中でも結構好きな時間だったりする。今朝の走るペースから察するに、調子はすっかり絶好調と言ったところだ。『甘えんぼチートデー』やはり効果覿面である。
     そうして街を駆け抜け、シャワーで汗を流した後の朝食の味はまた格別。表に裏に忙しい彼女の為、今朝の朝食も気合を入れないといけないだろう。

     さて、今朝の献立は何にしましょうか。

     頭の片隅で30分後にお腹を満たす準備を始めつつ、ペースを少し上げたジェンティルドンナに続く。一瞬振返ったジェンティルドンナの楽し気な笑顔に答えるように、ヴィルシーナもまた口角を上げた。

     始まりを告げる爽やかな朝陽を浴びながら、そうして今日も二人は河川敷を駆け抜けていくのだった。

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:47:56

    以上です、ありがとうございました。祝・ジェンティルドンナ実装!
    思ってたよりずっとヴィルシーナの事気にしてたり可愛いと思ってたり曇って折れかけたら発破かけたり併走の予定がヴィルシーナの名前で埋まってたりと、良き場面たっぷりで大満足でございました。この情熱はDNAに素早く届く。
    早いとこヴィルシーナも実装してほしいのですが、貯金箱が爆発四散したので石のやりくりが怖い今日この頃です。

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:50:21

    良いものを見せてもらった ありがとう

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:51:21

    ジェンヴィル助かる…

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:51:33

    前に見かけた話の続編じゃー!
    こんな時間なのに読んでてお腹空いちゃったわ…

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 22:52:24

    描写が丁寧で惹き込まれた!
    関係性の表現上手くて雰囲気が伝わってくる…良き…

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/28(水) 23:38:22

    ヴィルシーナに甘えてイチャつく貴婦人からしか摂取出来ない栄養素がある

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 07:07:07

    朝からいいジェンヴィルを摂取出来て助かる
    これで週の後半も乗り切れるわ

  • 18二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 11:47:57

    地味にフライパンの火(=錦糸卵焼いてるので下手するとすぐ焦げる)を止めてからシーナに抱き着きに来てるドンナ好き
    甘えに行っていいタイミングちゃんと見計らってると思うとすごくすごい捗る

  • 19二次元好きの匿名さん24/08/29(木) 18:58:45

    ジェンティルさんのメンタルケアメニューにお料理が追加されている…
    これでまだ結婚していないんですか?

  • 20124/08/29(木) 21:35:39

    皆様、読んで頂きありがとうございます。


    >>12

    良いとのお言葉、ありがとうございます。お楽しみ頂けて何よりです。


    >>13

    ジェンヴィルはいくらあっても困りませんからね……


    >>14

    料理やお菓子が登場する時は美味しそうになるよう描写を頑張っておりますので、そう言って頂けて嬉しく思います。


    >>15

    嬉しいお言葉、ありがとうございます。

    これからも二人の良き雰囲気を描けるよう精進したいと思います。

  • 21124/08/29(木) 21:36:09

    >>16

    ヴィルシーナでメンタル充電する貴婦人は頑張りたい夏の活力になる


    >>17

    ありがとうございます、夏バテに気を付けつつジェンヴィルを摂取しましょう。


    >>18

    仰る通り、卵の火を止めて後は余熱だけでOK、というタイミングで甘えに行っています。

    その分今は行けると思ったら遠慮無く行ってると大変良きです。


    >>19

    お互い通じ合ってるし相手の好みもしっかり把握してるので実際殆ど夫婦。

    尚、「お姉ちゃんとジェンちルさん、もう夫婦みたいだね」とヴィブロスに言って貰うパターンも考えましたが、諸般の事情でお蔵入りになりました。

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 01:12:45

    料理のシーン見ててちょくちょく後ろから抱きしめつつシーナの手元を眺めてるドンナを幻視した
    シーナも慣れてるので時々スプーンを後ろにやってドンナに味見して貰ってたりすると良い

  • 23124/08/30(金) 07:23:03

    >>22

    すごくすごい大人のカップル感があって素敵なシーンですね!

    「料理中はやめてって言ってるでしょ」「お気になさらず」のやり取りを軽くした後はそのまま完成まで見てたり肩から顔を出したドンナに味見の一口を運んだりして欲しいです!

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