【エ駄死】エロスは激怒した

  • 1二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 08:22:45

    必ず、かのムチッ♡ボンッ♡キュッ♡なカグヤをハメ潰さねばならぬと決意した。

    エロスにはぶっちゃけ史実とか分からぬ。

    エロスは、田舎の実家でブルアカをしているフリーターである。

    笛を吹き、DMPとも遊んできた。けれども過酷に対しては人一倍敏感であった。

    きょう未明エロスは実家を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此の山海経にやって来た。エロスには乳も、マラも無い。ヘイローも無い。十六の、内気だが変態な妹とあらあらうふふ系の母と何故か顔の映らない父と4人暮しだ。この妹は、ホヨバのとある陽気な機械人を、近々、花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近なのである。エロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる山海経にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。エロスには竹馬の友があった。セリカである。今は此の山海経で、石工のバイトをしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにエロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、学園全体が、やけに寂しい。のんきなエロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、1年前に此の学園に来たときは、ルミがエロくて、性癖どストレートなのじゃロリがいた筈はずだが、と質問した。



    エロスは激怒した

  • 2二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 08:38:05

    オチ用

  • 3二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:11:53

    ドスケベのじゃロリ門主は、首を振って答えなかった。しばらく歩いてシロコに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。シロコは答えなかった。メロスは両手でシロコのからだをゆすぶって質問を重ねた。シロコは、あたりをはばかる低声(CV:小倉唯)で、わずか答えた。
    「私は、先生を襲います。」
    「なぜ襲うのだ。」
    「劣情を抱いている、といいますか、先生はそんな、悪心も持っては居りませぬ。」
    「たくさんの銀行を襲ったのか。」
    「はい、はじめはアビドスを。それから、カイザーを。それから、77を。それから、ゆ○ちょを。それから「おどろいた。ナギサは乱心か。」
    「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な行動をしている者には、補習授業部へ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、ロールケーキをぶち込まれます。きょうは、六人ぶち込まれました。」

  • 4二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:14:54

    風邪引いた時に見る夢

  • 5二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:17:23

    聞いて、エロスは激怒した。
    「呆れた地下生活者だ。生かして置けぬ。」
     エロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ現実と非現実の狭間にはいって行った。たちまち彼は、全裸のハナコに捕縛された。調べられて、エロスの懐中からは短剣が出て来たので、刀身が大きくなってしまった。エロスは、チェリノの前に引き出された。
    「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君チェリノは静かに、けれども威厳を以もって問いつめた。その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
    「赤冬をデモの手から救うのだ。」とエロスは悪びれずに答えた。
    「おまえがか?」マリナは、憫笑した。
    「仕方の無いやつじゃ。おまえには、おいらの孤独がわからぬ。」

  • 6二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:20:06

    結局暴君ディオニス枠は誰なんだ

  • 7二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:23:04

    「言うな!」とエロスは、いきり立って反駁した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。ナギサは、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
    「疑うのが、正当の心構えなのだと、私に教えてくれたのは、あなた方です。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまり。信じては、なりません。」暴君は落ち着いて呟やき(CV:早見沙織)、ほっと溜息ためいきをついた(CV:早見沙織)。「私だって、平和を望んでいるのです。」
    「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはエロスが嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」
    「"黙れ。"」先生は、さっと顔を挙げて報いた。「"口では、どんな清らかな事でも言える。私には、大人の腹綿の奥底が見え透いてならない。おまえだって、いまに、磔になってから、泣いて詫びても聞かないよ。"」

  • 8二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:29:51

    生徒の信ずる気持ちに黙れする先生は初めて見たな…
    新しい概念かもしれない

  • 9二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:35:52

    先生なのかナギサなのかチェリノなのかはっきりしろ

  • 10二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 09:53:33

    「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、エロスは股間に視線を落とし瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私はなんかあっちの方で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」
    「ばかな。」とユウカは、嗄れた声(CV:春花らん)で低く笑った。「とんでもない嘘を言うわね。逃がした小鳥が帰って来るというの。」
    「そうです。帰って来るのです。」エロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この街にセリカという石工のアルバイトがいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を○して下さい。たのむ、そうして下さい。」

  • 11二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:17:46

    それを聞いてベアトリーチェは、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの猫を、三日目に○してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの超絶ベリキュート王道ツンデレヒロイン猫耳娘(実は美尻)を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩にうんと見せつけてやりたいものさ。
    「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと○すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
    「なに、何をおっしゃる。」
    「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
     エロスは口惜しく、じだんだ踏んだ。ものも言いたくなくなった。
     竹馬の友、セリカは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は、1年ぶりで相逢うた。エロスは、友に一切の事情を語った。セリカは無言で首肯うなずく訳にはいかず、エロスをひしと抱きしめ〆た。友と友の間は、それでよかった。セリカは、縄打たれた。エロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。

  • 12二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:24:46

     エロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、地元へ到着したのは、翌日の午前、陽は既に高く昇って、ちゃんと職に就いた人たちは野に出て仕事をはじめていた。エロスの十六の妹も、今日は兄の代わりに激しく熱かりしカードバトルをしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
    「なんでも無い。」エロスは無理に笑おうと努めた。「山海経に用事を残して来た。またすぐあそこに行かなければならぬ。明日、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
     妹は頬をあからめた。
    「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、みんなに知らせて来い。結婚式は、明日だと。」
     エロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰ってローソンで買った風紀委員とセナのアクスタを飾り、音動機とドライバディスクを調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。

  • 13二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:31:49

    眼が覚めたのは夜だった。エロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。婿の機械人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、裁判が終わるまで待ってくれ、と答えた。エロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。婿のガンマンも頑強であった。なかなか承諾してくれない。夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた親族たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺え、陽気に歌をうたい、手を拍った。エロスも、満面に喜色を湛たたえ、しばらくは、サクラコ様とのあの約束をさえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。エロスは、一生このままここにいたい、と思った。

  • 14二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:43:07

    この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分のからだで、自分のものでは無い。ままならぬ事である。エロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。明日の日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。エロスほどの男の娘にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然、歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、
    「おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに山海経に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、1番きらいなものは、人を疑う事と、クリアファイルを狩られる事と、🟦🟦🟦🟦🟦🟦🟦🟦🟦🟨と、紫出たかと思いきや既に持ってる恒常だった事と、Normal任務のあの遅延しまくるクソ傘と、ゴズと、エデン条約編のヒエロニムスと、紫素材の渋さと、拠点防衛のスイーパーと、あにまんと、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」
     花嫁は、夢見心地でうなずいた。エロスは、それから花婿の肩をたたいて、
    「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹とヒナ関連のグッズだけだ。他には、何も無い。あげます。全部あげます。もう一つ、エロスの弟になったことを誇ってくれ。」
     花婿は揉み手して、てれていた。エロスは笑って家族たちにも会釈して、宴席から立ち去り、自室にもぐり込んで、死んだように深く眠った。

  • 15二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:52:16

    眼が覚めたのは翌日の薄明の頃である。エロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。エロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、エロスは、ぶるんと▇▇▇を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。
     私は、今宵、○されるっ♡○されるっ♡為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は○されるっ♡若い時から流石に法は守れ。さらば、ふるさと。若いエロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい♡、えい♡と大声挙げて自身を叱りながら走った。地元を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣町に着いた頃には、雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。エロスは額の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌(1位:優しさの記憶 2位:あんなに一緒だったのに 3位:わたしたちのクエスト 4位:青春のアーカイブ 5位:THE SKY'S THE LIMIT)をいい声で歌い出した。

  • 16二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 10:57:27

    スレ主は稀有な文才として評価されるか病院にぶちこまれるべき

    個人の意見としては後者をおすすめする

  • 17二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:00:00

    全力で走った後のTHE SKY'S THE LIMITは肺が死なねぇか?大丈夫?

  • 18二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:08:20

    ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧わいた災難、エロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫し、濁流滔々と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵に橋桁を跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟は残らず浪に浚われて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。エロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために○されるっ♡のです。」
     濁流は、エロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はエロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、生徒も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠と過酷の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。エロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻きわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍を垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。エロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先を急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。

  • 19二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:22:23

    「待て。」
    「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
    「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
    「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
    「その、いのちが欲しいのだ。」
    トゥンク……♡
    「さ、さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
     山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒のような棒を振り挙げた。エロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥のように飛び上がり身近の一人に襲いかかり、その棍棒をしゃぶって、
    「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を絞り倒し、残る者の怯える隙に、さっさと走って峠を下った。

  • 20二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:33:52

    一気に峠を駈け降りたが、流石さすがに疲労し、折から午後の灼熱の太陽がまともに、かっと照って来て、エロスは幾度となく眩暈を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天、ここまで突破して来たエロスよ♡過酷の賢者、エロスよ♡今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い♡愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて○されるっ♡されなければならぬ♡おまえは、稀代の不信の人間、まさしくナギサの思う壺だぞ♡、と自分を叱ってみるのだが、全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にゴロリと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐れた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精いっぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸をかち割って、真紅の心臓をお目に掛けたい。愛と信実と煩悩の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺いた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。

  • 21二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 11:34:09

    黒見セリカよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとう、セリカ。よくも私を信じてくれた。それはそうと水着姿を思えば、たまらない。胸と胸の間の確かな信実は、この世で一番誇るべき宝なのだからな。セリカ、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを○されるっ♡して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。地上で最も、不名誉の人種だ。セリカよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか? ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。地元には私の実家が在る。ヒナのアクスタも居る。妹夫婦は、まさか私を地元から追い出すような事はしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。互いに争いあって大人に搾取される。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉かな。――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。

  • 22二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 14:45:13

    続きはよ
    オチまで見ないと出版社に送るか病院の予約するか判断できないぞ

  • 23二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 14:48:22

    >>22

    エロス今まどろんでるから………

  • 24二次元好きの匿名さん24/08/30(金) 15:06:29

    誰が誰だか一切安定しないのにセリカだけ固定なのなんなんだよ

  • 25二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 01:31:11

    このレスは削除されています

  • 26二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:29:36

    ふと耳に、潺々、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々と、何か小さく囁きながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにエロスは身をかがめた。水を両手で掬って、一口飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労回復と共に、わずかながら希望が生まれた。サクラコ様別衣装実装の希望である。わが身を○して、名誉を守る希望である。色彩は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。
    走れ! エロス。

  • 27二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:33:34

    私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。おっぱい大きくない方の悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。エロス、おまえの恥ではない(協力:仲間由紀恵)。やはり、おまえは真の賢者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、プレ先よ。私は生まれた時から助平な男であった。助平な男のままにして死なせて下さい。

  • 28二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:42:03

    古典ってすげえんだな(現実逃避)
    こんだけ弄り回されて文章の体裁が残ってる

  • 29二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:43:39

    太宰治に謝れ

  • 30二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:44:37

    路行く人を押しのけ、跳ねとばし、エロスは拠点防衛にてセリナで誘導したツバキのように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人とさっとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの超絶ベリキュー王道ツンデレヒロイン猫耳娘(実は美尻)も、磔にかかっているよ。」ああ、その超絶ベリキュー王道ツンデレヒロイン猫耳娘(実は美尻)、その超絶ベリキュー王道ツンデレヒロイン猫耳娘(実は美尻)のために私は、いまこんなに走っているのだ。その超絶ベリキュー王道ツンデレヒロイン猫耳娘(実は美尻)を死なせてはならない。急げ、エロス。おくれてはならぬ。愛と誠と煩悩の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、最初からないのでどうでもいい。エロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向こうに小さく、山海経が見える。山海経は、現在開催中のイベントによってスポットライトに照らされきらきら光っている。

  • 31二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 09:54:07

    「ああ、エロス。」耳が孕むようなイケボ(CV:石上静香)が、風と共に聞こえた。
    「誰だ。」エロスは走りながら尋ねた。
    「友人の黒見セリカの一番弟子錠前サオリだ。よろしく頼む。」その若いアルバイトも、エロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目だ。𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓽𝓾𝓶 𝓮𝓽 𝓸𝓶𝓷𝓲𝓪 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼。もう、彼女を助けることは出来ない。」
    「いや、まだ陽は沈まぬ。」
    「ちょうど今、師匠が死刑になるところだ。ああ、あなたは遅かった。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
    「いや、まだ陽は沈まぬ。」エロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
    「やめろ。走るのは、もうやめるんだ。いまは自分のお命が大事です。黒見セリカは、あなたを信じていた。刑場に引き出されても、平気でいた。マダムが、さんざんあの方をからかっても、エロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子だった。」
    「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! 錠前サオリ。」
    「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」

  • 32二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:00:49

    新たな変態が生まれてしまった…

  • 33二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:02:38

    言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、エロスは走った。エロスの頭は、ほぼからっぽだ。カグヤの横乳以外何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、エロスは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。
    「待て。その人を○して♡はならぬ。エロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれてしわがれた声が幽かすかに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリカは、徐々に釣り上げられてゆく。エロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、
    「私だ、刑吏! ○されるっ♡のは、私だ。エロスだ。彼女を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一杯に叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、かじりついて頬擦りした。群衆は、どよめいた。あっぱれ、ゆるせ、舐めるなら私の足にしろ、と口々にわめいた。セリカの縄は、ほどかれたのである。
    「セリカ。」エロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちからいっぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
     セリカは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場いっぱいに鳴り響くほど音高くメロスの脳天を射撃した。撃ち尽してから優しく微笑み、
    「👎。」

  • 34二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:10:05

    ブチギレられてるの草

  • 35二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:11:23

    怪文書は1レスで済ませるものじゃなかったんですか

  • 36二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:15:38

    エロスは腕に唸りをつけてセリカの尻を叩いた。
    「ありがとう、友よ。」エロスだけそう言い、ひしと抱き、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
     群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。桐藤ナギサは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
    「あなた方の望みは叶いました。お二人は、私の心に勝ったのです。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、私も仲間に入れてくれませんか?どうか、私の願いを聞き入れて、戦術対抗戦メンバーの一人にしてほしいです。」
     どっと群衆の間に、歓声が起った。
    「万歳、シュン水着ハナコツバキカジコ万歳。」
     ひとりの少女が、緋のマントをエロスに捧げた。エロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
    「あんた今裸でしょ!!この娘はエロスの裸を見るのが恥ずかしいって。」
     勇者は、ひどく興奮した。

  • 37二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:21:08

    セリカは平気なんだ…

  • 38二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:54:55

    すごいものを見た、見てしまった気がする

  • 39二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 10:58:34

    なんだこれは、どうすればいいのだ(ピーター)

  • 40二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 11:02:56

    仲間由紀恵はどこから出て来たんだよ!?

  • 41二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 11:27:47

    スレ主さん最後まで書き終えてくれて本当にありがとうございます
    色んなSSがありますがここまで文才に恵まれた作品はないと思いました。本当に素晴らしいです

    それでは週明けの診療楽しみにしておいてくださいね

  • 42二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 14:07:42

    >>40

    お前ら笑うなっ!

  • 43二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 14:53:04

    さらっとビリーが娶られてて草w

  • 44二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 15:12:05

    これはすげぇな…あにまんの歴史にまた一つ残るスレだ…
    それはそれとして

  • 45二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 15:18:14

    このスレをブルアカ迷文学として記憶しておこう

  • 46二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 15:21:47

    何回も日本語と英語の直訳を繰り返した話読んでる気分だ…

  • 47二次元好きの匿名さん24/08/31(土) 20:12:54

    他の作品でもやってほしいような、こんなものはこれっきりにしてほしいような、そんな気持ち

  • 48二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 00:01:15

    屈指の迷スレ

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