- 1二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:42:21
- 2二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:44:40
あは、あは、あはははははは
- 3二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:48:15
- 4二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:50:21
公の場で突き放してる分二人っきりのときは甘々だったりしない?
- 5二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:52:55
(そんな都合のいい展開は)無いです
- 6二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 12:55:45
故意にやってるんじゃなくてどうしても勝手に他人行儀の敬語になってしまっているとベネ
心では許しているはずなのにいざ顔を見ると身体が一歩引いてしまう - 7二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 13:31:35
聖園さん、どうかしましたか?
- 8二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 13:48:36
めっきりロールケーキがぶち込まれなくなって、嬉しいはずなのにどうしてかモヤモヤしちゃうミカ
- 9二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 14:00:18
原作が聖人すぎただけでむしろこうなるのが自然
- 10二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 14:25:55
これはいい
- 11二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 14:29:09
これで一番傷付いてるのはミカじゃなくて、ナギサなんだよね。
- 12二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 15:54:48
- 13二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 15:59:33
- 14二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 16:08:24
まぁこれヒフミに同じことされて当然の人間がやってるからアホなんだけどね
狗の道理なのよ - 15二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 16:17:28
これは礼儀にうるさいナギサ様
- 16二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 18:28:09
ここのナギちゃんは多分業務もお茶会も完璧にこなすけど、笑うときも叱責するときもずっと死んだ目してそう
- 17二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 18:39:38
- 18二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:03:54
- 19二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:08:12
ナギちゃん真面目過ぎる
- 20二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:16:07
⛑<桐藤ナギサは自分のした所業を許すなー!
- 21二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:20:01
相手に隔意がある訳じゃ無くて自分如きが親しくするなんて許されないと思ってそう
- 22二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:30:32
ナギサの脳内にはこういうことを言うイマジナリーハナコが常駐しているんだよね
- 23二次元好きの匿名さん24/09/01(日) 19:59:26
- 24二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 00:06:32
正論
- 25二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 09:46:01
阿慈谷さんとのお茶会が終わってヒフミが帰ったあとに一人で泣いてそう
- 26二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 12:08:00
- 27二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 19:25:39
- 28二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 19:47:49
ナギちゃんって昔から空気読めない所あるじゃんね
セイア「(君がそれを言うかい?)」 - 29二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 00:24:39
- 30二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 11:20:37
これは「ティーパーティー」
- 31二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 16:26:40
心閉ざしちゃった......
- 32二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 23:01:11
先生「桐藤様、と呼んでほしいのでしょうか?」とかいうのかな?
- 33二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 08:07:56
毎晩自分の部屋で「……ゔっ……ごめんなさい……ミカさん……っ」とか泣いてるのかもね 誰も気づかないけど
- 34二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 13:13:18
- 35二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 15:45:24
ここはミカさんなのでは
- 36二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:03:30
- 37二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 00:25:10
- 38二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 03:25:26
- 39二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 08:07:05
救護ォ!早く来てくれ!
- 40二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 12:14:59
だんだん自分を「ティーパーティー」という役者扱いしだすんだ
- 41二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 12:19:46
誰も彼もが裏切ってくるからもう誰とも親しくする事なく、
ティーパーティーというトリニティを動かす為の歯車と化したナギサか……。 - 42二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:31:39
トリニティのティーパーティーを行うロボットのような存在になるんだ
何も知らないトリニティ生徒からは学校が良くなっていると喜ばれるんだ
それを見たミカとヒフミが曇るんだ - 43二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:40:16
かわいそうなナギサ。
そんな泣きそうな顔のまま、これからずっと、自分を騙して生きていくのね - 44二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 00:01:56
自身のありえた末路をまざまざと見せつけられるハナコも内心かなり穏やかではなさそう
- 45二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 07:44:38
- 46二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:48:12
信頼なんてものは1月程度で回復するものじゃないけど、実務の実績はそれよりはすぐ出るしね
- 47二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:50:16
ティーパーティー全体はともかくナギサに関しては同情的な生徒も多そうだしね
- 48二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 11:00:19
このレスは削除されています
- 49二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 11:00:51
- 50二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 13:29:51
驚くほど自然に笑顔を作ることができるんだけど、瞳の奥は重苦しく沈んでるんだよね
- 51二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 23:40:39
ほす
- 52二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 10:36:23
リセだな
- 53二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 10:38:29
ナギサ様は人の心がわからない…
- 54二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:40:21
ほしゅ
- 55二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 08:56:47
ほ
- 56二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 18:30:13
し
- 57二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:43:22
ナギちゃんのこの状態なんとかできないかってSS的なもの書いてみてるけど難しすぎる
- 58二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 08:08:38
保守
- 59二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 18:32:22
- 60二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 20:08:24
「恐い人になっちゃったね」
「なってしまったな。悲しいことに」
学校が終わった後、私はセイアちゃんの部屋にお邪魔していた。
セイアちゃんと私、ティーパーティの(暫定)二大巨頭。トリニティのお偉いさんが集結しているなんてまるで秘密の会談だけど、実際には親しい人ひとり心配して集まっただけというのは、どこか可笑しくもある。
議題の深刻さで、笑う気にはなれないけど。
「セイアちゃんに対しても、こう?」
「取り付く島もないよ。同じティーパーティのよしみですらああだ」
やっぱり。
聖園さん、なんて呼ばれたときには血の気が引いた。その時まではちゃんと友達だと思っていたものだから、余計に。
それでも初めは私だけだったからよかった。私が嫌われただけなら、そんなのは大したことじゃなかった。けれど余波が他の生徒まで届きだせば、セイアちゃんまで「百合園さん」になってしまえば相談せずにいられない。
「なんでこんなことになっちゃったんだろ」
思考がどんどん沈む。原因のひとつ、それも大部分が私のせいなのはわかりきっていて、それが肩にのしかかって泣きそうなくらいに胸の奥が痛む。
「ミカ。落ち着け」
セイアちゃんはそう言って私に顔を上げさせた。言葉はきついけど声色はとても優しい。
一連の騒動が終わってからセイアちゃんの態度は細かい部分がとても変わったように感じる。ナギちゃんとは対照的なくらいに。
「……うん」
たくさんの方向から責められたり助けられたり、まだどこを歩けばいいかわからないけど、とりあえず前は向ける。
ひとまず一歩目に口を開いた。
「セイアちゃんはどう思うの」
「どう、とは?」
「ナギちゃんがなんでああなっちゃったのか」
「抽象的にしか言えないが、それでよければ」
うなずいて促す。 - 61二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 20:08:36
「機械になりたいのだろう。ティーパーティという校の最高機関を構成するひとつの機械になってしまおうと、苦しみのないひとつの素子に成り代わってしまおうとしているように、私からは見える」
そこまで言って、急に少し寂しげな表情になった。
「ただ、これは持論だが、人間ほど繊細で脆くて優しい機械は存在しないよ。残念ながら」
ゆっくりとセイアちゃんは口にする。壊れてしまわないかと心を痛めるように、言葉を一つひとつ噛み締めながら。
痛いほどよくわかる。私とセイアちゃんの気持ちは少なくとも一緒だ。
心配だ。ナギちゃんのことが。
「とは言え……決まりきった解決策はないからね、この手の問題は」
セイアちゃんは天井を向いて考え込むように話す。
「本来ならストレス要因などを取り除くのが先決なのだろうが、ナギサが頼れる相手は病弱な狐か医術の長か宗教組織の長、それくらいか。私は身体が駄目だし他二人にも立場があるし……」
そこまで一息に喋って、ふいに黙る。
気詰まりだし手詰まりな静けさ。
「私は馬鹿だね。何も出てこない」
小さく呟いた声が聞こえる。セイアちゃんでバカなら私はこの上ない大バカだ、という反論も声に出す気になれない。
友達だった人に、何もできない二人。もしかすると、そのままずっと押し黙ったままだったかもしれない。
けれど私は口を開いた。
「ねえ」
ひとつだけ、思いついたものがあった。
「したいことがあるの」
考えと言えるほど大したものじゃない。でも、最低限ナギちゃんへ届けたいことが、ひとつだけある。 - 62二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 20:09:05
* *
カタン。硬い封筒が郵便受けに落ちる音を聴いても、ざわつく心のうちは静まらない。
これで三通目だ。受取拒否をすれば私に戻ってくるはずだから、ナギちゃんの手元まで届いていることは間違いない。中の便箋まで呼んでいるかわからないけど。
『手紙?』
『うん。モモトークよりいいかなって。余計なときに通知が鳴っちゃうのは邪魔じゃん?』
拍子抜けしたようなセイアちゃんにそう返したのを思い出す。
メッセージがいつ来ていたとか、通知に載ってしまう冒頭の短いセンテンスとか、そういうものを全部排除して好きなときに好きなように読んでほしい。ただでさえ忙しいナギちゃんの邪魔はしたくなかった。
『それだけで、手紙とはね。およそミカらしくない発想だ』
『だめ?』
『いや、大いに賛同するよ。強硬になにか働くよりよほど心のうちが伝わるだろうから』
セイアちゃんはそう言って賛成してくれた。『うまく行くさ』とも言ってくれた。私の気持ちやしたいことを応援してくれる優しさに守ってもらったような気持ちになる。
小さな隠し事をしたことだけ心に引っかかっている。実は、理由は他にもある。
愚痴を書きたくなかった。けれど私の悪い癖で、モモトークでやり取りしようとすれば多少の愚痴が混じってしまう。それよりも、先日こんなことがありました、これこれを見つけたよ、という他愛もないことを優先して伝えたかった。
要するに、私は元気です、と言いたいだけ。ナギちゃんの友達だったからあなたに伝えたかったのって。
レターセットは自分で選んだ。セイアちゃんやミネ団長(実は可愛いもの好きらしい。先生から聞いた)と一緒に探してもよかったけど、最終的に書いて送るのは自分だから。でも予算の範囲内で探すと大した選択肢はなくて、結局無地のシンプルなレターセットになってしまう。無味乾燥な封書が私から届いて何事かと思えばただの近況報告、となってしまわないかが今でも心配。
まあ、それも今更だ。不安なのは最初から変わらない。これで何かが変わるとは思っていない。昔みたいに仲良くできれば一番だというのは置いといて、せめて近況くらいは伝えたい。私はナギちゃんの友達だった人だから。
思いが届けばよくて、返事なんて最初から期待していない手紙。
卑怯かな、ナギちゃん。 - 63二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:56:28
桐藤ナギサは一度死んだのだ。
友の心を蔑ろにした罪に焼かれて、
己の怯懦に敗れた十字架を背負って、
朋友の乱心を罰として、
そうして、罪人として、再びに生まれ落ちたのだ。
「やり直せるよ、私も頑張る」
「“貴方は”、頑張れるでしょう」
「お願い、もうこんなの嫌だよ」
「私も貴方も、願いを望める無辜ではないでしょう」
「どうしたら、許してくれるの」
「貴方をですか、私をですか」
歪む視界のその中で、かつては鈍色に煌めいていた、大好きな少女の昏い瞳が、嫌にまっすぐに私を見ている。
『魔女は心を奪えるらしい』『ナギサ様は木偶にされた』と、噂されているのに堪えが効かず、そうして生まれた愁嘆場が、かつて共に児戯に耽った小さな部屋である。
「聖園さま、前を向きなさい、幸せになりなさい。貴方は望まれています、遍く幸福を許されるのです。貴方はまだ、振り向けば手を引いてくれる人がいます」
駁することはできなかった。貴方もそうなのだと、世界の全てを敵に回そうと、私が望むと言いたかった。彼女の纏う諦観に、私の決意は揺らいでしまった。躊躇いがちに天井を仰ぎ、力なく首を傾げ、ナギちゃんは棚に飾られていた、小さな桃髪と灰被りの少女の微笑ましい写真を眺める。
「私は全て、棄ててしまいました」
ナギちゃんは、泣いていた。
ただ静かに滴る涙の中に、私が癒せるだけの傷は見つけられなかった。そして悟った。改悛も慚愧も、なにもかもが遅かったことを。殴られたような衝撃が脳裏を巡る。
ふと、胡乱になった頭の中で、頬に誰かの手の温もりを感じる。とても優しげな温もりだった。
「貴方の涙の拭き方も、もはや私には分からないのです」
その手の先にいるのは、きっと、この声の主では無いのだろう。
機械仕掛けの女神様に、血なんて通っていないのだから。 - 64二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 06:38:15
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 15:33:10
う
- 66二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:26:29
ほ
- 67二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 06:37:30
しゅ
- 68二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 09:33:08
これミカはどこに向かえばいいんだ 元に戻れるまでそのままでいるのか、それとも距離詰めるのか離れるのか
- 69二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 13:02:01
- 70二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:11:21
ほし
- 71二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 06:26:49
の
- 72二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 14:01:24
ほ
- 73二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 22:45:30
- 74二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 01:29:06
常に自責の念に駆られてるのがなんともお労しいな、裏切られたのも割り切れないのも自分のせいなのか
- 75二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 06:31:49
他の何かのせいにして開き直れるようなら本編でもあそこまで追い詰められてなさそうだしね…
- 76二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 15:57:45
保守
- 77二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 00:02:23
あ
- 7860~62の人24/09/14(土) 09:17:56
予報どおりの天気になった。
午前中は晴れるが大気が不安定なため午後は天候が崩れる恐れがある──定型文だらけですぐに覚えられてしまうニュースの文面を信じて雨合羽を用意していてよかった。
雨に濡れてまで奉仕作業をするものじゃないとは先生に言われている。けれど雨に濡れた程度で辞める気になれない自分も、また知っている。
しとしとと降る雨の中、石畳の隙間を縫って生える雑草を私は黙ってむしり続けていた。
いっそ気楽だ。これだけ降り込められれば誰かの目につく心配もないから、私を嫌っている生徒に冷やかされることもない。一人ぼっちになってしまうのは仕方ないことだ。ある程度好意的に接してくれる人も中にはいるが、私の反乱未遂以降、表立って話しかけてくれることはほとんどなくなっている。
合羽と雨靴さえあればいいっていうのは、ある意味ずっと気楽なのかもしれない。そんなとりとめもないことを考えながら草をむしっていると、ふと靴音が聞こた気がして私は音のするほうへ顔を向けた。
ナギちゃんだった。
傘を差して立ち止まったまま、じっとこちらを見ている。時間にすれば一秒と少しだろうか、長い沈黙のあとに私とナギちゃんはほとんど同時に口を開いた。
「聖園さ──」
「ひさしぶりだね、こういうのも」
視線を石畳へ戻してまた草をむしる。
後任が決まるまでとはいえ私はまだティーパーティの一員でもあって、出席が必須な茶会には行くし、ナギちゃんとは顔を合わせる。元気だったと尋ねるのはなんだか変な気がして、私は自分のことばかり喋る。
「西側の花壇、コルチカムが咲いてたよ」
ナギちゃんは喋らず、こちらをじっと見ている。
「今年は早いね」
私も目線は向けない。向けられない、のほうが近い。どんな顔をしてこちらを見ているのか、知るのはちょっと怖い。
「雨が多いから、散っちゃわないか心配だね」
もう怖がる意味なんてないのはわかってる。けれど今の私たちはちゃんと目を合わせてお喋りをする仲良しこよしの関係じゃあない。
ナギちゃんと二人になるのは、これで最後になるかもしれない。そう思いながら私は喋る。
「手紙、読んだ?」
「……いえ」
初めて返事をくれた。そのことに、言葉の内容なんて関係なく安堵する。
「そっか」
私の言葉は必要ない、ってことだろうか。他にありうる理由は寂しいことにひとつも思い当たらない。 - 7960~62の人24/09/14(土) 09:18:35
けれどそれでよかった。
もう幸せはいらない。私の一番大切な日々は終わった。
この学校を卒業して、月日が経って、お互いを忘れる頃にまた会えるかもしれない。でも希望なんて抱かない。どこかで誰かと幸せになったナギちゃんをガラス窓越しに眺めながら、よかったと安心できればそれでいい。
「気にしないで」
ナギちゃんのほうを向く。
「無理に友達をしてくれなくても、大丈夫だから」
あなたなしでも、ちゃんと生きていくから。
上手く言えた。少しでも気を抜けば声が震えて、思いの丈を悟られてしまう。軽く手を広げて、少しだけ笑って、そして、ようやく目を合わせた。
気がつくと、抱きしめられていた。
ナギちゃんのきれいな髪に、雨粒がだんだん染み込んでいく。傘がない。視界の端に、逆さまになって地面を指す傘が映る。
「……ごめんなさい」
小さく、絞り出すような声が耳元に響く。
駄目だよ。傘を放り出したらずぶ濡れになる。風邪を引いちゃう。私よりずっとずっと大事な体を傷つけちゃ駄目だよ、ナギちゃん。
抱き返すことはできなかった。私じゃだめだ。この人のために優しさをもつ資格なんてない。
それでもナギちゃんは繰り返し、ごめんなさい、ごめんなさいと言い続ける。涙声になっても、嗚咽混じりになっても。
やがて私の肩にたくさんの温かい涙が染み込みはじめ、言葉が出ないほどに泣き出すまで、ずっと、ナギちゃんは謝っていた。
雨音に掻き消されるほど声を抑えた、けれどこらえきれない嗚咽。
私はここまでナギちゃんを追い詰めていたのだと、今更気づいた。 - 80二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 20:01:39
美しいな
- 8160~62の人24/09/14(土) 21:27:16
自分で書いといてアレだけど引くほど読みづらいっすね
というかこれそのまま疎遠になったほうが(お互いしこりは残るかもだけど)ある程度普通に暮らせたんじゃないかな…… - 82二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:31:10
エデン4章で重傷負って帰ってきたらさすものナギサも考えを改める……か?
- 83二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:48:16
なんかもう何やっても自分を追い詰めちゃいそうに見えて……お労しや……
- 84二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:55:14
むしろ自分のせいで…が強くなって一層他人扱いするんだ
- 85二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:04:17
- 86二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 06:09:08
良い…
- 87二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:40:06
ほ
- 88二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:33:20
ただ苗字で呼んでるだけなのにどうしてみんなそんな反応しているのかい?(例のロボ)
- 89二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 07:56:38
し
- 90二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 08:15:31
ただ名字呼びになっただけじゃないから皆こんなに悲しいし心配してんだよ!
- 91二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 19:00:41
の
- 92二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 19:07:16
ほ
- 93二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 01:14:46
- 94二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 10:47:58
とはいえ裏切りが怖かったのも確かだろうしなぁ……
「裏切られたのは自分が至らなかったからだ」みたいな危ない合理化してないといいけど…… - 95二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 12:01:00
- 96二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 22:46:47
正当性がありそうな理由で自分に言い聞かせてるのミカみたいだな
- 97二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:15:53
このレスは削除されています
- 98二次元好きの匿名さん24/09/17(火) 23:16:56
- 99二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 06:46:41
ほ
- 100二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 16:21:56
し
- 101二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 22:48:22
の
- 102二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:06:06
サ
- 103二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 06:37:47
保守
- 104二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 13:43:23
友人など持つ必要はないという結論……
- 105二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 16:22:45
「友人なんて作るからいけなかった」的なアレか……
- 106二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:34:53
- 107二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 06:47:42
ほ
- 108二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 17:04:35
し
- 109トリカス24/09/20(金) 17:12:48
ナギサ様が魔女どころかセイア様やシャーレの先生にも冷たくあしらってるってことはわたしたちが魔女に何をしたって無いものにするって認めてくださったことですわ。
では私達はナギサ様の要望通りトリニティから魔女がいなくなるまで魔女に凄惨なる裁きを続けましょう!! - 110二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 17:23:54
こういう苛烈な精神状態の奴を無闇に刺激したら後々まで痛い目を見るぞ なにせ信じられるのが友情や人間関係じゃなく規則や法だし、それに従っているからだと合理化して厳罰を与えるようになる可能性もある
よく考えたら革命期フランスの恐怖政治で見たなこれ - 111二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:48:59
ほ
- 112二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:50:01
しゅ
- 113二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:06:39
う
- 114二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:10:50
こういう過激なのに対しても毅然と対応するからミカの情緒はぐちゃぐちゃにされるんだよね
法に則った正当な行動をナギサが取るほど、守られたはずのミカは、幼馴染心が失われていっているのを実感するんだ
- 115二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:41:19
ぬるぽ
- 116二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 19:37:27
ガッ
- 11760~62の人24/09/22(日) 20:25:33
聖園ミカという人を思い出すとき、浮かぶのは大抵が笑顔だ。
天真爛漫という熟語を辞書で引いてそのまま当てはめたような少女だった。幼い日から今まで、私が見てきた限りは、全て。
多くの人に親しげに囲まれながら、羨ましいくらいにあっけらかんと笑うのが聖園ミカで、それを素敵だと思いながら自分へ笑顔が向くのをじっと待っているのが桐藤ナギサ。昔はそうだった。
学年が上がるにつれて変わる立場を踏まえれば、彼女との距離が変わらなかったのは幸運だった。彼女の嘘に気づくことができなかったのは、ひとえにその幸運にすら気づけなかったから。もう確かめることのできない過去への推論が立って、彼女の反乱という事実がその証左になっていた。
だからと私は決めた。
もう手放す時期だ──友達という幸運に、幸せな時間に浸るのをやめるべきだと決意しながら、それでも守りたいという意思だけは捨てられず、突き放すように彼女から手を離した。
けれど、
『無理に友達をしてくれなくても、大丈夫だから』
それでは駄目なんだと、どうして気づかなかったのか。
笑顔だった。しかし私が慕った笑顔ではない。ただ目の前にいる元友達を傷つけまいとする笑顔なんて、私の好きだった笑顔じゃない。 - 11860~62の人24/09/22(日) 20:26:01
彼女と別れてすぐに私は自室へ足を運んだ。
まだ手遅れにはならないはずだ。手遅れにならないでほしい。叫びたいくらいに願いながら扉を開け、抽斗を引き、封がされたままの手紙を取り出す。
彼女が送ってくれた言葉の束はずっと軽かった。一、二枚の便箋しか入っていないだろう風のように軽い手紙。その重さすら、私は無視していたのか。
一通目。「急ぎじゃないよ!」と隅に書かれたそれを、緊張で胸が張り裂けそうになりながら封を開けた。
『ナギちゃんへ
初めて手紙を送ります。慣れてないから緊張しちゃうね。
元気かな。……お茶会で会ってるのに尋ねるのはおかしいけど、これくらいしか手紙の書き出しを知らなくて。
どうして手紙? って思ったよね。送ったことないし。
深い意味はないの。普通に連絡を取って話したかったんだけど、大した用事じゃないのにモモトークの通知を鳴らすのは申し訳ないな、って思っただけだから。ホストの仕事が多いのもわかってるし、本当に時間のあるときにだけ読んでほしかった。本当にそれだけ。
ともかく私は元気です。ボランティアで学校のまわりを掃除したり、あんまり変わりなく生きてる。先生とも会うよ。トリニティはひとまず大丈夫って、代表できる立場じゃないけど言っちゃった。ちゃんとした事情はナギちゃんのほうが沢山知ってるはずだから、ナギちゃんからもきちんと聞いてね、とは言ってあります。
伝えたいのは、それくらいかな。私のことが嫌なのにわざわざ読んでくれたんだとしたら、ありがとう。迷惑をかけてごめんなさい。
また手紙を送ります。忙しいだろうから、返事はいらないよ。聖園ミカ』 - 11960~62の人24/09/22(日) 20:26:20
二通目。これほど長く彼女の思いを放っていたと後悔しながら封を開けた。
『ナギちゃんへ
初めてミネ団長とお茶をしてきた。今までのお詫びとお礼を含めて色々と話さなきゃって思ってたから。
ついでだし、あのアップルパイが美味しいお店がちょうど季節限定ケーキを出してたから行ってきた。美味しかったよ。食べたいなら再来週の土曜日までだから気をつけて!
去年の冬、あそこも一緒に行ったっけ。懐かしいな。二人でカフェ巡りをするの、けっこう楽しみでした。
……ちょっと脱線したから本題に戻ります。
お喋りしていたらいつの間にか話題がナギちゃんのことになっていた。ほら、共通の知り合いもそんなにいないし。
シチュエーションも相まって懐かしくなったから色々話し込んじゃった。お店からすればケーキセットひとつで二時間以上居座るいやなお客さんだったかもしれないけど、気が乗っちゃったんだから仕方ない。
忙しいかもしれないけど、たまには友達とお茶でもしてきてね。
月をまたいだ頃にまた送ります。聖園ミカ』 - 12060~62の人24/09/22(日) 20:27:31
三通目。熱くなる目頭をこらえながら封を開けた。
『ナギちゃんへ
もうすぐ秋の花がたくさん咲く時期になるね。
今朝もノコンギクがひとかたまり、塀の下に咲いてた。本当は雑草として取らないといけないけど、綺麗だったから許してください。
よく生えてる白いノコンギクじゃなくてこの子は薄く紫がかった色をしてた。スミレとかリンドウみたいなはっきりした色じゃないけど、こういう色も好き。ナギちゃんの髪に差したらとっても綺麗だと思う。
そうだ。写真、一緒に入れておきます。南東側の日当たりがいいところだよ。探せばすぐ見つかると思う。
気が向いたら、探しに行ってみて。
またしばらく経ったら送ります。聖園ミカ』
また一緒に遊ぼうね、とはどこにもなかった。
友達を失った事実がどうしても悲しくて、あれほど泣いた後なのにまだ涙が出る。泣く資格なんて私にあるはずがないのに。
あの笑顔は私のせいだ、という推論が正しいのか間違いなのかは考えたくない。私は裏切られながら裏切った。ただ一人守れるだけの力を得るためだけに信頼の目を取り戻さねばと躍起になって、果たして私は隣人たちを遠ざけることでしか力を得られなかった。後始末も考えずに突き進んで、気づけば周囲すべてをティーパーティの衝立越しに見ることしかできなくなっている。
愚かだ。いくら愚かだと後悔しても今更全てを取り返せすことはできない。取り返そうとすることを許さない人すらいるだろう。
しかし私は彼女が好きだった。彼女を必要としていた。なにより、私は彼女の友達だった。
だから、せめてその一人だけでも。
私はペンをとった。
『聖園ミカ様
明後日、伺います。お話させてください』 - 121二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:47:04
なんとか好転して欲しいな……
- 122二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 10:05:25
曇らせは晴らすのもセットだから良いんだ
- 123二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:51:37
k
- 124二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:33:35
保守
- 125二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 10:35:04
う
- 126二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 21:42:39
じ
- 127二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 05:35:06
ぎ
- 128二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 12:49:10
よ
- 12960~62の人24/09/25(水) 19:00:04
「もう一度、友達になってくださいませんか」
嫌味なくらいよく晴れた。
ナギちゃんを泣かせたあの日と同じ時間、同じ場所に私は呼び出されて、彼女のお願いを聞いている。
信じられないお願いで、嘘みたいな「もう一度」。どんな顔をして会えばいいかわからないと思っていた数分前が馬鹿みたいだ。私が今どんな顔をしているかわからないんだから。
ともかく、と私は言葉を継ぐ。
「なれるかな。私、酷いことしたよ?」
「はい、酷いことをされました。悲しかったし、怖くもありました」
言いながらナギちゃんは自分を抱くように右手で左の袖を握る。
「私もたくさんの人に酷いことをしました。貴方の行いが糾弾されるのなら、ともに糾弾されるべき人間です」
だから今度は正しくなろうとした。正しく確かに動く機械になろうとした。
「今でも……まだ、少し怖いです。何をしていても、それが本当に正しいのかと問われたら答えられません。
ですが、貴方を責め立てるためにティーパーティの座にしがみついている訳ではなかったのです。結果として、そうなってしまいましたが」
ずっと一緒にいたから本音かそうじゃないかなんてひと目でわかる。言葉を丸めて私に受け取りやすいボールにするやり方だって変わらない。そのボールの触感──丸い言葉に押し込んだ棘のありかも、手で探れる。
「それが嫌だと……手遅れですが、気づいたのです」
自分の過ちのために私を蔑ろにして後悔している。そう伝えるために尽くした言葉は、やっぱりナギちゃんらしいものばかりだった。そう思ってしまえるほどの自分の記憶と想像力とその他諸々が、ほとほと嫌になる。 - 13060~62の人24/09/25(水) 19:00:28
「だとしても、無理に友達なんてやらなくていいのに。辛いだけだよ」
魔女がそばにいるのに聖女を守ろうとしない市民なんていやしないのも知っている。魔女を守れば聖女だろうが石を投げられるのも知っている。石が魔女だけに当たる魔法なんてないのも、よく知っている。
だから、まかり間違っても聖女に石なんか当たらないくらい離れようとしていた。ナギちゃんのそばからも思想や理想からも離れて、ようやく誰かを頼りながらでも自分の足で生きることに慣れてきた。
なのに、今更。
「そんなに私に良くしたって、ナギちゃんにいいことあるの?」
だって、そうでしょ?
ナギちゃんの未来に何ひとつ悪いことなんて起こらなくていいように、私を遠ざけたんじゃないの。それでよかったんだよ。それ以上なんていらなかったよ。
私は恨みがましい目をナギちゃんに向ける。逃げるなら今だ。恨まないから。何もしないから。そう念じて、私にできる最大限の攻撃を向ける。
けれどナギちゃんは、
・・・・
「ミカさん」
ナギちゃんは、笑った。とてもぎこちなく。 - 13160~62の人24/09/25(水) 19:00:56
「また、あの喫茶店にも行きましょう。期間限定ケーキは、もう終わってしまいましたが」
心細さでかすれた声は聞き取りにくくて、耳より先に心のほうへ届く。
「花も見に行きましょう。昨日探したのですが、見つけられなかったのです」
目も潤んで、涙になりかけた水滴がまつ毛を飾っている。
「そうして、全て、時間を取り返せたら、また」
ナギちゃんは、これ以上ないくらいに綺麗な姿を不安で縮こまらせていた。
「友達だと、言ってもいいですか」
多分、よくない。
あんなにぎこちなく笑う人じゃなかった。もっと綺麗に、とても楽しそうに笑っていた。奪ったきっかけは、紛れもなく私だ。
きっと私はまたナギちゃんを傷つける。その時には私を責めてほしいって願ってるけれど、きっと叶わない。ナギちゃんはまた自分の罪に目を向けて自分の行いを悔いて、そして私のことなんか簡単に許す。それを、私は許せない。
それでも友達と願っていいのか。昔のようにナギちゃんと笑えるのか。全部ひっくるめたこれから先のことなんて一切合切わからない。
ひとつだけ確かなのは、
「駄目なんて言うわけないじゃん」
今度は私が泣く番だった、ということだけだった。
ナギちゃんを抱き締めて、私は声をあげて泣いた。 - 13260~62の人24/09/25(水) 19:01:23
終わりです スレ占拠してすまぬ
- 133二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:18:14
乙
素晴らしいものをありがとう - 134二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:38:35
とても良いSSだった、ありがとう
- 135二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 17:38:33
いいね!
- 13660~62の人24/09/26(木) 19:54:27
お褒めいただき嬉しいです
余談だけど実は花言葉も考えて入れてます
長々とスレ占拠しちゃいまして重ね重ねごめんなさい