【微グロ注意】ここだけモモイのみ別ゲーと化した世界線 Part.4

  • 1二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:10:38

    【あらすじ】
    昇~竜~拳!

  • 2二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:11:16
  • 3二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:29:31
  • 4二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:42:04

    上手く歴代スレが表示されない・・・。
    私の環境だけかな・・・。

  • 5二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 16:51:42

    ???(2):
    「くっ、手強いな。」

    2人目が私と刀で殴り合いながら言う。

    ???(4):
    「そうだね、想像以上かな。」

    巨大なハサミを振り回しながら、4人目が言った。

    ???(1):
    「ぐぇ~、やられた~。」

    ヘッドショットを決められた3人目が、変身を解除して言った。
    ・・・どうやら、もう戦う気は無いみたいだね。

    ???(2):
    「おい!真面目にやれと言っているだろう!」

    ???(4):
    「そうだね。私も真面目にやるべきだと思うよ?」

    ???(3):
    「え?つまり私が本気を出しても───」

    ???(2)&(4):
    「「止めろ!!」」

    ・・・仲良いなぁ・・・。

  • 6二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:09:24

    咄嗟に変身して戦ってるけど、正直どれだけ戦ったら弱体化するのか分からないから、早めに終わらせてしまいたい。
    私は一気にスピードを上げて、一気に3人全員(戦意を失っている1人を除く)を叩いた。
    閃光、轟音、そして耳鳴り───
    私を囲んでいた3人は、建物を貫通して吹き飛び、地面に叩き付けられた。

    ???(3):
    「わー、理不尽な暴力だねぇ。」

    その内の1人、3人目が幼くなった口調で吹き飛んだ先から戻ってきた。
    ・・・これ多分、頭トんでるよね・・・?
    とんでもないスピードで迫ってくる3人目を、私は咄嗟に殴って迎え入れた。
    3人目は空気が破裂するような爆音を響かせる拳で、私の拳を迎撃した。

    衝撃で砕ける周囲のビル群のガラス窓。
    いや、完全にライブスタックじゃん!
    長引かせると良いことないよ、コレ!
    私は地面を割れるほど強く踏みしめると、拳が幾つもに分裂したかのような超スピードの連撃で3人目に殴り掛かった。

    3人目は途中まで同じように拳の連撃で迎撃してきたけど、やがて拳の方が先に砕けて対応できなくなり、私に拳で吹き飛ばされた。

    ???(3):
    「あはは・・・楽しいねぇ・・・。」

    吹き飛び際に そう言って、ビルを数棟貫通する。
    ・・・いや、私の最高速に着いてくるんか~い。
    弱体化してたら危なかったね。

  • 7二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:18:54

    ???:
    「ぐっ・・・。」

    不意に視界の外から何かが吹き飛んできた。
    見れば、変身が解けてボロ雑巾みたいになったリーダーさんが転がっていた。

    ネル:
    「よぉ、チビ・・・。
    そっちも・・・片付いたみてぇだな・・・。」

    横に、ボロボロになったネル先輩が立った。
    結構、キワキワの勝負だったらしい。
    いや、ネル先輩に そこまで迫れるって凄いな・・・。

    リーダーさん:
    「そう・・・だな。
    どうやら我々の敗北のようだ・・・。」

    リーダーさんは とっても悔しそうに言った。

    リーダーさん:
    「だが、失敗をしたワケでは無い。」

    リーダーさん が そう言うと、物陰から何人もの人影がワラワラと集まり始めた。

  • 8二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:30:03

    ネル:
    「・・・チビ。」

    モモイ:
    「うん。」

    私は飛んできたスナイパーライフルの弾を掴んで受け止めた。
    人影達が、私達を包囲する。
    その中から、一人の生徒がリーダーさんに近づいた。

    ???:
    「こちらSNAKE1、これより我々が任務を引き継ぐ。いいな?」

    リーダーさん:
    「・・・あぁ、頼む。」

    上空からバラバラとプロペラの音が聞こえ、ビル群の上からヘリが現れた。
    ヘリから縄梯子が降ろされ、リーダーさんはフラフラとしながらもしっかりと掴まる。

    リーダーさん:
    「次は私が勝つぞ、美甘ネル。」

    リーダーさん は そう捨て台詞を吐いて退場していった。
    よく見れば、他にも4機のヘリが飛んでいる。
    ・・・他の4人の回収かな?

  • 9二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 17:48:52

    リーダーさんに代わって前に立つ生徒は、リーダーさん達と違って黒い仮面を被っていない。
    低めに縛った黒髪と、燃えるような黄金の瞳、そして何より金属のように輝く額の角が やけに印象的だった。
    服装は、リーダーさん達は所属を明かしたくないのか割とラフな格好だったけど、この人を筆頭にした、周りを囲う生徒達はセーラー服にバトル・ドレスが融合したみたいな割とオシャレな格好をしている。

    えっと・・・この格好、どっかで見たことがあったんだけど・・・何だっけな・・・。

    ネル:
    「SRT?」

    あ!そうだ!
    空が赤くなった時に一緒に戦ったミヤコさん達に似てるんだ!
    あ~、すっきりした。

    SNAKE1:
    「・・・我々は それより古い。
    忘れ去られているのは残念だ。
    まぁ、今回に限っては都合が良いかもな。」

    リーダーさんに続く人・・・指揮官さんが手を挙げてハンドサインを送ると、周囲の生徒が一斉に銃を構える。

    SNAKE1:
    「鎮圧しろ。」

    包囲する銃器が一斉に火を吹いた。

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:01:29

    私とネル先輩は、何も言わずジャンプして銃弾を躱した。
    同士討ちを防ぐためか、銃弾の軌道が低く、避けるのは簡単だった。
    そしてそのまま飛び掛かって暴れ始める。

    ???:
    「DOG2、ダウン!」

    ???:
    「DOG1、援護に入る!」

    ???:
    「PUPA小隊、DOG小隊の援護に入る!」

    ???:
    「DOG小隊、了解!」

    ???:
    「BEAR小隊・・・壊滅・・・。(バタッ)」

    ???:
    「了解!SKULL小隊が代わる!」

    ???:
    「BONE小隊、援護する!」

    ???:
    「SKULL小隊、了解!」

  • 11二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:14:04

    ネル:
    「クソッ、キリがねぇ!」

    モモイ:
    「しかも動きが良いし・・・。」

    別々の方向で暴れ始めたはずのネル先輩と私は、いつの間にか背中合わせになって再び追い詰められていた。

    ???:
    「WOLF小隊、合流!」

    ???:
    「CATTLE小隊、合流!」

    ???:
    「IRON小隊、合流!」

    しかも上空から定期的にヘリから小隊規模で降下してくるのでキリも無い。
    ・・・あと何小隊撤退させたら弾切れになるの?
    私は定期的に飛んでくるスナイパーライフルの弾を弾いた。

    指揮官さん:
    「・・・抵抗は無意味だ。
    お前らがどれだけ暴れようと、控えの小隊は まだまだ居る。
    降伏しろ、悪いようにはしない。」

    うわ~ん、リーダーさんと違って冷徹だよぉ~。

  • 12二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:21:53

    今日は ここまで。

  • 13二次元好きの匿名さん24/09/02(月) 18:43:24
  • 14二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 01:24:54

    保守

  • 15二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 01:25:42

    >>13

    上手く行かなかった。

    なんでだろう。

  • 16二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 13:19:08

    保守よ

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 15:52:22

    今日は更新無理そう。

  • 18二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 20:56:51

  • 19二次元好きの匿名さん24/09/03(火) 21:34:38

    保守

  • 20二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 00:02:31

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 07:25:09

    ほす

  • 22二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 08:51:15

    そうだ!
    例の如く、部隊の頭の指揮官さんから狙えば良いのでは?
    そう思ったけど、指揮官さんの冷静な顔を見て、本能が危険だと訴えてきた。
    ・・・多分、リーダーさん以上の近接格闘を見せつけてくる。

    とはいえ亜光速で動けば流石に反応出来ないだろうけど、ライブスタック戦で それを繰り出して以降 弱体化の一途を辿ったことを考えると、容易に出せない。
    しかも、小隊が壊滅しても代わりの小隊が引き継ぐように、指揮官さんを倒しても別の指揮官さんが出てきそう・・・。
    わ~、詰みかな・・・。

    ネル:
    (おい、チビ。)

    モモイ:
    (何?ネル先輩?)

    ネル先輩が小声で話し掛けてきた。

    ネル:
    (このままだとジリ貧だ。
    アンタ、ここはアタシに任せて先に行け。)

    モモイ:
    (!? そんなこと!出来るワケ・・・!)

    ネル:
    (落ち着け、冷静に考えろ。
    逆に2人一緒に暴れ続けて、この状況を打破する未来が見えるか?)

    モモイ:
    (見えない・・・。)

  • 23二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 09:07:26

    ネル:
    (だろ?
    多分、デットマザーのシナリオってヤツ的に、ここはアタシとアンタが別行動するのが用意された最適解だ。
    腹が立つが、今は それしか無い。)

    ネル先輩は、心底悔しそうに言った。
    リーダーさんが言ったように、デットマザーに負け続けているって思ってるのかな・・・?
    それを言ったら私もだし、大人に策謀で勝つって かなり無理難題だと私は思うけど・・・。
    ・・・でもまぁ、それしか無いのも事実。

    モモイ:
    (・・・分かったよ。でも、無理はしないでね?)

    ネル:
    (誰に物を言ってんだ?チビ。アンタこそ、デットマザーの罠を踏み潰してこい。気張れよ。)

    モモイ:
    (・・・うん。)

    次の瞬間、私は明後日の方向に駆け出した。
    このままミレニアムの校舎に突入しても、なんか相手は屋内戦の方が得意そうだし、特殊部隊ばりの激しい追撃をされるのは目に見えてる。
    取り敢えず、一回見失わせないと・・・。

    指揮官さん:
    「! フェーズ2だ! 見失うな、追え!」

    ネル:
    「させるかよ!」

    背後で聞こえる銃撃戦の音と爆発音。私は振り返ることなく必死に逃げた。

  • 24二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 09:22:07

    SRTみたいな格好をした生徒:
    「おい、こっちにターゲットが来なかったか?」

    ラフな格好をした黒仮面の生徒:
    「あ?ちょっと待て・・・。(ゾンビが無力化される音)
    ・・・よし。えっと、ターゲットの話だな?少なくとも私は人間を見てないぞ?」

    SRTみたいな格好をした生徒:
    「・・・狩りに夢中で周りを見てなかっただけじゃないのか?」

    ラフな格好をした黒仮面の生徒:
    「失礼だな、むしろ感覚が研ぎ澄まされてるわ。
    今こっちに来たばかりだが、周りで何か動けば感覚で分かる。
    少なくとも、この辺りで動いていたヤツは今のが最後だ。」

    SRTみたいな格好をした生徒:
    「そうか、じゃあ別のところを探すか・・・。」

    ラフな格好をした黒仮面の生徒:
    「何かあったのか?」

    SRTみたいな格好をした生徒:
    「いや、それがな───」

    その言葉を最後に、二人分の足音が離れていった。

  • 25二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 09:34:47

    モモイ:
    「───・・・ふぅ。」

    私は地下下水道で、軽く息を吐いた。
    汚水の臭いが酷いけど、まぁしょうがない。
    ・・・今のでこの辺りはマークが外れたかな。
    正直、地下下水道まで黒仮面の生徒が来た上、SRTっぽい生徒も来たのはビックリしたけど、息を潜めて なんとか やり過ごせたみたいだ。

    変身を解いている私は、一度 肩の力を抜いて下水道の壁に もたれ掛かった。
    バトル・ドレスが汚れるけど、今は そんなことを気にしてられる状況でも無かった。
    ナイフをホルダーに仕舞い、アサルトライフルを壁に立て掛ける。
    ・・・ただし手は離さない。

    少し休もう。
    SRTっぽい生徒達に散々追い掛けられて、息も絶え絶えだ。
    変身中の亜光速移動も撒くのに使わされたし、デットマザーの言葉を借りるなら”神秘”ってヤツを消耗しているかもしれない。

    だから休もう。
    ミドリ達のことも、ネル先輩のことも今だけは忘れて。
    ラスト・ダンジョンは、目と鼻の先にあるのだから。
    そうして私の瞼は閉じていった。

  • 26二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 09:36:44

    小休止。

  • 27二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 15:29:39

    ─────side:指揮官さん─────

    指揮官さん:
    「申し訳ない、先生。
    ターゲットの才羽モモイを見失ってしまった。」

    私は目の前の大人、仕事柄デットマザーと名乗っている私達の先生に頭を下げた。
    とはいえ肝心の先生はエプロンを着て、仲間や同僚達にカレーを配膳しているところなので格好は付かない。

    デットマザー:
    「そうですか、モモイは逃げ切りましたか。
    まぁシナリオ通りです。アナタが謝る必要はありません。
    ・・・おっと、気を付けなさい。こぼれてしまいますよ。」

    先生は お盆を落としかけた仲間の手を掴んで、食べ物が粗末にされることを防いだ。
    兵糧も補給があるとはいえ無限では無いので、大切なことだ。

  • 28二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 15:38:16

    指揮官さん:
    「気を付けろ。そして今日は早く寝ろ、お前。
    ・・・ありがとうございます、先生。」

    デットマザー:
    「よくあることです。
    それよりも、アナタも つまらないことばかり考えていないで、たくさん食べて早く寝なさい。
    今日では無く、明日こそ本番なのですから。」

    心の内を見透かされた私は動揺した。
    元々 才羽モモイは逃がすつもりだったとはいえ、本気で見失ってしまった私は、自粛として今晩の食事と睡眠を抜く予定だったからだ。

    指揮官さん:
    「・・・分かりますか。」

    デットマザー:
    「アナタのようなタイプの人間が考えることは お見通しです。
    私が何人の子供達を見てきたと思っているのですか?」

    私は先生が抱えている生徒の数を思い出した。・・・とてもではないが敵うとは思えない。
    私は脇にある お盆と食器を掴んだ。

    指揮官さん:
    「配給を頂けますか・・・?」

    デットマザー:
    「うむ。」

    色々な大人を見てきた私だが、この先生こそ、最も恐ろしい”大人”だと思う。
    どう恐ろしいのかは、上手く言葉に出来ないけれども。

  • 29二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 15:40:15

    小休止。

  • 30二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 16:22:05

    ─────side:モモイ─────

    ───9日目。

    ・・・目が覚めた。
    何時の間に寝ちゃってたんだろう。
    きっと もう9日目の朝だ。
    もうミドリが死ぬまで24時間も無い。

    ・・・行こう。
    最後の戦いだ。

  • 31二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 16:50:15

    地下下水道から、ミレニアムの敷地内のマンホールで出た。
    ミレニアムの校舎は、9日しか空けていないっていうのに、嘘みたいに静かになってしまってた。
    人っ子一人いやしない。
    私は解毒薬があるだろうミレニアムの備品倉庫に向かった。

    ミレニアムは物が多いから、結構 備品倉庫の類いが多い。
    屋内の使用されていない部屋を備品倉庫としていることが殆どだけど、偶に屋外に倉庫が作られることもあるのが ややこしい。
    情報が綴られた金属板には、備品倉庫以上の情報は無かった。

    となると、よっぽど分かり易い目印があるのか・・・。
    いや、まさかね!
    ・・・そう思っていたら、やけにセキュリティが頑丈そうな備品倉庫を見つけた。
    ミレニアムの部屋に後付けする形で、「ここに怪しい物があります」と言わんばかりに仰々しいセキュリティが組んであった。

    ・・・いや、これ気が付かなかったってホント?
    こんなの工事中に絶対バレるでしょ、いくらミレニアムの敷地が広いといっても・・・。
    気付かれないように工事を済ませたセルブスグループが凄いと思うべきか、気付かなかったミレニアム生が間抜けと思うべきか・・・。

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:01:47

    まぁ考えても仕方が無い。

    私は やけにセキュリティが頑丈そうな備品倉庫を探ってみた。

    ・・・。

    どうやら、セキュリティシステムもセルブス流で、今回はLv.5のセキュリティカードが無いと扉が開かないらしい。


    別に扉を融解させて入ってもいいんだけど・・・まぁ、絶対 対策されてるんだろうな。

    私は一度Lv.5のセキュリティカードを探してみることにした。

    強引にセキュリティを突破することを試すのは、それを探してからでも遅くないはずだ。

    とはいえ、何かヒントは無いかな?


    そう思って、私が更にセキュリティの周辺を探すと、ご丁寧に書き置きがあることに気が付いた。


    <9314号室で待っているよ>


    ・・・えっと、9号館3階の14番室かな?

    結構 遠い・・・っていうか敷地の ほぼ反対側じゃん!?

  • 33二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:06:47

    ・・・ぜぇ、はぁ・・・。
    と、遠い・・・。
    一回 備品倉庫を探させるだけ探させといて、見つけたら見つけたで敷地内の反対側まで歩かされるのは どうかしてるよ・・・。

    きっと このギミックを考えた人間は、とっても性格が悪いに違いない。
    私は9314号室の扉を開けた。

    ???:
    「やぁ、待っていたよ。」

    そこにはクモと人間が融合したような異形が座っていた。
    ・・・。

    モモイ:
    「えっと・・・さっきも会わなかった?」

    アナタ、さっき4人組で襲ってきたばかりだよね!?

  • 34二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:14:19

    まぁ、さっきって言っても昨日のことだけど・・・。

    ???:
    「? すまない、どこかで会ったことがあったのかな? 悪いが記憶に無いようだ。」

    モモイ:
    「あぁ、そう・・・。」

    声までソックリだけど、反応からして本当に別人っぽい。
    でも本当にソックリ。
    これで武器が巨大なハサミだったら どうしよう。
    そう思ったけど、普通に座っている机の横に巨大なハサミが立て掛けてあるのを見つけてしまった。

    デザインは微妙に違うけど、多分使い勝手は同じだろう。
    ・・・前哨戦で推定ラスボスのネタバレはダメじゃない?
    ていうかラスボスならセミナーの執務室で会長の席に座るとかしてよ!
    なんでよりによって、何でも無い教室の、しかも窓際でもなく隅の席でもない微妙な位置の席なの!?

    締まらないなぁ・・・。

  • 35二次元好きの匿名さん24/09/04(水) 17:15:53

    小休止。

  • 36二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 00:43:59

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 03:30:20

    モモイ:
    「Lv.5のセキュリティカードは持ってる?」

    ???:
    「勿論だとも。」

    異形は懐から1枚のカードを取り出して見せた。
    そこには確かにLv.5の文字が刻まれている。

    ???:
    「さて、先に自己紹介させて貰おう。
    私こそがセルブスグループの代表、スターチュ。
    君を襲ったあらゆる悲劇の裏で糸を引いていた黒幕さ。」

    私は反射的にアサルトライフルを発射する。
    だけど簡単に避けられちゃった。

  • 38二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 03:48:55

    スターチュ:
    「・・・危ないね、当たったらどうする気だったんだい?:

    モモイ:
    「別に? その程度じゃ死なないでしょ?」

    スターチュ:
    「フフ・・・それもそうだね。」

    ・・・なんか、余裕ぶった態度が癪に障るね。
    はっ、これがラスボスの余裕って・・・ヤツ?

    スターチュ:
    「さて、才羽モモイ。”折角”ここまで来たんだ。
    聞きたいことがあれば何でも答えようじゃないか。
    ・・・勿論、君が望むなら直ぐに殺し合っても構わないのだがね。」

    じゃあ早く殺し合おうよ。
    そう言おうと思ったけど、確かに”折角”ここまで漕ぎ着けたんだから”会話”は全部拾いたい。
    気付けば私は口を開いていた。

  • 39二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 03:49:21

    小休止。

  • 40二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 12:33:20

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:42:20

    モモイ:
    「解毒薬は本当にあるの?」

    スターチュ:
    「我々は嘘を付かない。
    解毒薬は用意されている。
    ・・・もっとも、君たちが手に入れるのは我々が目的を達した後だがね。」

    モモイ:
    「目的って?」

    スターチュ:
    「このキヴォトスに、”渾沌”を呼び込む『渾沌の華』を咲かせることさ。」

    モモイ:
    「”渾沌”? 『渾沌の華』? 何言ってるの?」

    スターチュ:
    「あぁ、少し難しかったね。一つずつ回答しよう。
    ”渾沌”とは”我々”が還るべき概念だ。君も、私も、そして このキヴォトスでさえ、”渾沌”は飲み込み、我が物とする。
    ”渾沌”から生み出された我々は、その尖兵として、”渾沌”を呼び込む『渾沌の華』を咲かせようとしているワケだ。
    ”色彩”と違って、我らが”渾沌”を筆頭とした”外なる概念”は、このキヴォトスに触媒無しで干渉するのは難しいからね。」

    モモイ:
    「・・・ちょっと何言ってるのか分からない。」

    スターチュ:
    「・・・まぁ、世界を滅ぼそうとしていると思ってくれれば十分だよ。」

    それは大変だ!

  • 42二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 22:50:17

    モモイ:
    「ウイルス兵器の治療薬はあるの?」

    スターチュ:
    「安心したまえ、解毒薬と一緒に件の備品倉庫に置いておいた。
    私さえ倒せれば、君たちのミレニアムで起こっている・・・まぁ、人命に関する諸問題は一つを除いて完全に解決するだろう。」

    モモイ:
    「その一つって?」

    スターチュ:
    「おや、それを君が私に聞くのかい?」

    モモイ:
    「・・・。」

    スターチュ:
    「デットマザーの持ち込んだシナリオを採ったのは私だ。
    その結末を教えよう、モモイ。
    君はミレニアムから消える。



    ───君は・・・死ぬんだ。」

  • 43二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:02:37

    モモイ:
    「・・・先生を襲った武装集団の指示を出していたのはアナタ?」

    スターチュ:
    「おや、動揺しないんだね。」

    モモイ:
    「答えて!」

    スターチュ:
    「否定のしようがない。君たちが先生と呼ぶ存在を襲撃するように指示を出したのは、私だ。
    ・・・というより、むしろ あの存在を 今回のシナリオに登場させないようにすることこそ、私の唯一であり最大の仕事だった。」

    モモイ:
    「どういうこと?」

    スターチュ:
    「きっと私などよりも、君たちの方が よほど深く理解しているだろう。
    シャーレの先生は、シナリオを滅茶苦茶に改ざんしてしまう。
    そう、暗く憂鬱なシナリオを、透き通った青をした青春物語(ブルーアーカイブ)に。
    今回のプロジェクトを実行するにあたって、デットマザーからは口を酸っぱくして「先生を舐めるな」と言われたものさ。

    自由にしてしまえば、そこからシナリオが全て崩壊してしまうと。」

    モモイ:
    「だから、先生を意識不明の重体にしたの?」

    スターチュ:
    「・・・君は・・・いや、生徒達の多くが勘違いしていることだから言ってあげよう。
    アレは活動を停止してなどいない。むしろ、我々の全リソースを動員しても今日一日動きを止めるのが限界だろう。」

  • 44二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:31:08

    アレなんて、まるで人間じゃないみたいな言い方・・・。

    スターチュ:
    「かつてゲマトリアを名乗った連中がそうであったように、アレもまた、このキヴォトスの外から来た存在だ。
    そして、先生という席が、各時間軸で別人であっても許される特異な席であることも相まって、アレが入り込む余地を与えてしまった。
    ・・・私はこの世界の先生が、他の世界のソレのように普通の人間でないことを何度も呪ったよ。」

    モモイ:
    「何が言いたいの!?」

    スターチュ:
    「この世界における、君達が先生と呼ぶ存在は、化け物だ。
    『忘却の祈り手』と呼ばれる姿無きキヴォトスの観測者。
    それを この世界の連邦生徒会長は、肉と役目を与えて呼び込んでしまった。
    「先生が意識不明の重体」? バカバカしい。

    キヴォトスの各地に存在する『シャーレ・スタッフ』、その全員が”先生”だ。”先生”本人だ。
    クロノス報道部の言う”先生”など、"今の先生”・・・シャーレに常駐するが故に『シャーレ』と呼ばれる、最初の『シャーレ・スタッフ』を瀕死に追い込んだだけに過ぎない。
    私の仕事は、ミレニアム・トリニティ・ゲヘナ・百鬼夜行・SRT特殊学園・ヴァルキューレ警察学校・山海経・レッドウィンター・アリウス・・・全てに点在する『シャーレ・スタッフ』を・・・先生を押し留めることだった。

    ・・・その苦労を理解して欲しいとは言わないが、知っておいて欲しいね。



    ───君達が先生と呼ぶ存在が、どれだけ悍ましく、そして恐ろしいかを。」

  • 45二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:50:53

    モモイ:
    「難しいことは分かんないよ!
    そりぁ確かに、先生って明らかに移動時間を考えると複数居るよねって思ったことはあるけど・・・。
    でもそんなの関係ない!
    アナタの言う他の世界に、どんな先生がいるのか知らないけど、この世界の先生は一緒にアリスを取り戻して、一緒に世界も救った、優しくて凄い先生だよ!

    その実態がどれだけ怖くたって、そこは絶対揺るがない!」

    スターチュ:
    「・・・あぁ、本当に眩しいね。
    だからこそ、君が選ばれたのだけど・・・。」

    私はアサルトライフルを再び発砲した。
    やっぱり簡単に避けられちゃうけど、大事なのはそこじゃない。

  • 46二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:51:26

    モモイ:
    「アナタの話は難しい上に長くて退屈だよ!
    もういい、バトルを始めよう!」

    スターチュ:
    「フフ・・・威勢が良いね。」

    スターチュは指先から糸のようなものを飛ばすと、”天井に立った”。
    そんなこと出来たの!?
    前に出てきた4人組のときは、そんなことしなかったのに!
    ・・・いや、あれは別人か・・・。

    スターチュ:
    「そんな君に、面白いものを見せてあげよう。」

    スターチュはパンパンと手を叩いた。

    スターチュ:
    「来なさい、ミドリ。」

    え?ミドリ?
    スターチュの声に導かれるように、教室の入り口からミドリが現れた。
    だけど、その体は変身が出来るようになるまでの私のように、半身が異形と化し始めている。
    そしてその手には、偽物でないことを証明するかのように、ミドリの愛銃であるスナイパーライフル「フレッシュ・インスピレーション」が握られていた。

  • 47二次元好きの匿名さん24/09/05(木) 23:52:00

    小休止。

  • 48二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 07:55:25

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:10:17

    「フレッシュ・インスピレーション」を持っているなら・・・本物のミドリ?
    でも、なんで、そんな姿に・・・。

    スターチュ:
    「我々は嘘を付かないけど・・・意図的に大事なことは言わないものさ。
    モモイ、君の毒は「約10日で死に至らしめる毒」と言われたと思うけど、それは副次的な効果でしかない。
    実際には「約10日で『渾沌の眷族』に造り替える」悍ましき神秘さ。
    あくまで、その過程で魂が死ぬだけに過ぎない。

    あと24時間もしない内に、君の妹は完全に我々の同胞になる。
    渾沌を呼び込まんと蠢く、『渾沌の眷族』にね。
    今はまだ不完全だけど、それでも上位者たる私の言葉は聞くのさ。
    ”ミドリ、モモイを無力化しなさい”。」

    ミドリは私に銃口を向けた。
    その目からは全く意思を感じさせない。
    ・・・いやだよ、ミドリ・・・。
    だけど、その願いも虚しく銃口は火を吹いた。

  • 50二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:18:57

    【才羽ミドリ】

    私はミドリの弾をナイフで弾くと、カウンターでアサルトライフルを斉射した。
    ミドリは銃弾を受けて出血する。
    ・・・やっぱりヘイローの護りが失われてる・・・。
    私と・・・同じように。

    スターチュ:
    「”ミドリ、戦いなさい”。」

    スターチュが そう言うと、ミドリは今度は目にも留まらないスピードで動き始めた。
    完全に以前のミドリの動きじゃない。
    そのスピードでスナイパーライフルで正確に射撃してこないでよ!
    私とミドリは、狭い教室内で高速に動いて戦闘を始めた。

    教室内の机が滅茶苦茶に散乱する。
    そして数分間の戦闘の末に、遂にミドリを気絶させることに成功した。
    万が一にでも起きたときに備えて、そのまま両腕の関節を外してしまう。
    動かれないように、足の骨も折っておこう。・・・ごめんね、ミドリ。

  • 51二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:29:02

    スターチュ:
    「おや、流石に殆ど我らと同じになったとはいえ、意思なき人形では君を追い詰めることは叶わないか。」

    モモイ:
    「そうだよ。
    だから、さっさと降りてきなよ。
    早く、決着を付けよう。」

    スターチュ:
    「フフ・・・そう慌てることは無いよ。
    終盤なのだから、もっとボリュームがあっても良いだろう?
    ”ミドリ、起きなさい”。」

    すると、ミドリは目を覚ました。
    ・・・うそぉ。

  • 52二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:30:01

    スターチュ:
    「『渾沌の眷族』の本体は、内側を流れる『混沌』だからね。
    渾沌に忠実な僕たる微細な虫は、このようなことも出来るのさ。
    ”ミドリ、関節を戻して、足の骨も治しなさい”。」

    ミドリは誰に治療されたワケでも無いのに、その腕関節と足の骨はメキメキといいながら、元の姿に戻っていく。
    ・・・これは、無力化できないね・・・。
    塵も残らないくらい、完全に殺すしかない?
    だけど、そうすればモモイ不在によるベターエンドですらないバットエンドだ。

    どこでフラグを見逃した?
    私はこのイベントを凌ぐアイテムを持っていない。
    もしかしてネル先輩と別行動になったとき?
    あの時点からバットエンド一直線だったって言うの?

    はぁ・・・これはリセマラかな・・・。
    ・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・。
    ん?私 今、何を考えた?

  • 53二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:41:32

    今、私、ミドリを殺すことを真面目に検討しなかった?
    エンディングに走るために?
    でも何で?
    そんなものの為にどうして私は───

    スターチュ:
    「あぁ、いいね。剥がれてきたようだ。」

    モモイ:
    「・・・何が?」

    スターチュ:
    「君が自分の心を守るために張った、心のフィルターさ。
    君は今まで、この世界を現実では無いゲームだと思うことで自分の心を保ってきた。
    そのフィルターのおかげで、目的までの行動を最適化することが出来た。
    「もしかしたら、~かもしれない」なんて、余計な心配をせずに済んだ。

    現実は複雑怪奇で、予想が難しい。
    でもゲームなら、用意されたフラグとエンディングがある。
    ・・・ようやく気付いたかい、モモイ。
    このゲームに擬態した現実には、バットエンドしか用意されていない。

    命ある限り、どれだけ惨めなバットエンドを迎えたとしても、現実は続いていく。
    リセマラなんて出来ないさ。」

    そうだ。そうだった。
    全部、全部 現実だった。
    私がミレニアムを襲ったのも、みんなの命を現在進行形で危険に晒しているのも、・・・私が偽物とは言え感情を持った偽物を鏖殺したのも。

    私だ。ゲームの主人公なんかじゃない。現実の、私が殺した。

  • 54二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 10:44:37

    小休止。

  • 55二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 21:18:37

    スターチュ:
    「”ミドリ、モモイを殺しなさい”。」

    ミドリは・・・ミドリの中に潜む何かは・・・スターチュの命令に従って、私に銃口を・・・向けてきた。
    ど、どうしよう。
    どうすればミドリを助けられる?
    どうすればミドリを傷つけずに済む?

    発射された弾丸に対して、ほぼ反射で回避行動をとる。
    そして反射的に攻撃もしてしまう。
    でも、その行為もミドリを殺してしまう”かもしれない”。
    私は一体、どうすれば・・・。

    私は悩んだ。
    躊躇した。
    迷った。
    それが最悪の結果を呼び込んだ。

    ブシャッ!
    ミドリの胸部から、光輝く刃物が、大量の出血と共に生えた。

    モモイ:
    「ミドリ!」

    ミドリの瞳の中には、随分 臆病そうなった私の顔が映っていた。

  • 56二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 21:33:57

    ???:
    「”おやすみ、ミドリ”。」

    その言葉に従って、ミドリは ゆっくりと瞼を閉じる。
    その声には腐るほど聞き覚えがあった。

    モモイ:
    「・・・モモイ。」

    倒れ込むミドリの背後には、その胸部に刃部分が光輝く何かで出来ている黒い十字槍を持った、モモイが立っていた。

    モモイ*テラー:
    「2日ぶりかな、バケモノ・・・いや、モモイ。」

    その顔は、全く表情というものを感じさせない。
    ・・・表情筋が死んでるの?

    モモイ:
    「・・・自分が何をしたか分かってるの?アナタはミドリを───」

    モモイ*テラー:
    「そう。モモイの妹を殺した。
    ・・・だけど、私の妹じゃない。
    私の妹は、アナタがミレニアムのゲーム開発部の部室で殺した。」

  • 57二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 21:34:44

    モモイ:
    「だからって・・・!」

    モモイ*テラー:
    「だから、何?
    ・・・私の妹を殺したアナタと、モモイの妹を殺した私。
    何が違うって言うの?」

    ぐぅの音も出ない。
    モモイは間違えたことは言ってない。
    だけど・・・それでも───

    モモイ*テラー:
    「私は・・・アナタを許さない。」

    モモイ:
    「私だって許さないよ!!」

    モモイと私の、輝く黒い槍と大型ナイフが激突して火花を散らした。

  • 58二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 21:46:09

    【モモイ*テラー】

    私は怒りのあまり、変身してモモイに襲いかかる。
    迸る閃光、轟音、そして耳鳴り───
    だけどモモイは、それを平然と受け止めた。
    ・・・やっぱり このモモイは普通じゃない!

    カウンターでアサルトライフルの銃口を向けられる。
    慌てて避けるけど、何発かが体を貫通してしまう。
    なんか、爆発はしなくなったけど、1発1発の銃弾が重い気がする。
    傷口の回復も銃弾にしては明らかに遅い。

    モモイ:
    「ガアァァァァ!!」

    だけど、その痛みを消して余りある”憎悪”。
    モモイを殺したい。
    ミドリを殺した、あのモモイを殺したい。
    そればかりが心を支配する。

    私は亜光速でモモイに襲いかかった。

  • 59二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:36:05

    モモイ*テラー:
    「くっ・・・!」

    モモイ:
    「アァァァ!!」

    このモモイが普通じゃないといっても、流石に亜光速には対応できないらしく、私の拳を耐える形で防御し続けていた。・・・流石に硬い。やっぱり、キヴォトスの人間の防御力は尋常じゃない。
    それを補って余りある素早さがあるとは言っても、弱体化が来るまでに倒しきれるか・・・。

    私がモモイを滅多殴りにしていると、不意に見えない壁に拳を防がれた。
    閃光が走り、糸状の何かが焼け落ちる。・・・これは・・・クモの糸?

    スターチュ:
    「流石に分が悪いよ、モモイ。今は下がって、”仕事”の時を待つんだ。」

    モモイ*テラー:
    「・・・分かった。」

    モモイは焼け焦げた教室から出て行こうとする。

    モモイ:
    「させるか!」

    私はボロボロになったモモイ*テラーの背に、追撃の拳を加えようとする。だけど、再びクモの糸による網に防がれてしまった。

    モモイ:
    「止めないでよ!」

    スターチュ:
    「止めるさ。あのモモイには、まだやって貰うことがあるからね。」

  • 60二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:46:27

    モモイ:
    「やって貰うことって?」

    スターチュ:
    「それは言えないな。企業秘密だよ。」

    空気が、ヒリつく。私の怒りは限界だし、スターチュも隙を見せていない。

    スターチュ:
    「これらかの為に言っておくけど、君の妹は死んではいない。」

    モモイ:
    「え・・・!?」

    それを聞いた私は、怒りを一瞬で霧散させて、横たわるミドリに駆け寄る。
    ・・・。
    確かに胸が上下してる。生きてる・・・!

    スターチュ:
    「あのモモイが持っていた槍は、キヴォトスの南方で回収された特殊な祭具でね。
    ”槍を刺した者”の願いを、”槍を刺された者”の神秘を消費して叶えるんだ。
    ・・・今回あのモモイが願ったのは、”ミドリの眠り”だ。
    些細な願い故にミドリは死に至ることは無かったが・・・祭具の効果により叶えられた”ミドリの眠り”は、上位者である私の命令でも どうにもならない。

    強力な呪いであり、祝福だ。きっと何があっても、”朝まで”ぐっすりだろうね。」

    モモイ:
    「・・・そっか、良かった。」

    私はスヤスヤと眠るミドリの頭を そっと撫でた。

  • 61二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:54:57

    モモイ:
    「場所を変えよっか、スターチュ。」

    スターチュ:
    「おや、ミドリは もういいのかい?」

    モモイ:
    「うん、今はどうにもならないし、アナタを殺すことだけに集中することにするよ。」

    スターチュ:
    「あぁ、素晴らしいね。
    偽られた認識を超えて現実を認識し、一度は完全に憎悪に染まり、ようやく殺人者として完成したようだ。
    約10日にして、人は ここまで変われるんだね。」

    モモイ:
    「誰のせいだと思ってるの・・・?」

    スターチュ:
    「ハハッ、済まないね。
    あぁ、そんな君に敬意を払い、場所を変えることを認めようじゃないか。」

    そう言うと、スターチュは壁に空いた大穴から、腕から糸を出して、引っ張られるようにして飛び出した。

    スターチュ:
    「さぁ、外で殺し合おう!」

    ・・・スパイダーレディ?

  • 62二次元好きの匿名さん24/09/06(金) 22:55:10

    小休止。

  • 63二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 07:50:34

    【セルブスグループ代表、スターチュ】

    スターチュ:
    「ついてこられるかな?」

    スターチュはミレニアムのビル群を縫うように移動する。
    腕から出た糸を使って立体機動する様は、完全にスパイダーレディ・・・。
    つまり、強いってことだね。私はビルの壁面を蹴って、力技で併走する。

    モモイ:
    「やぁっ!」

    私の拳がビル群を貫く。閃光、轟音、そして耳鳴り───

    スターチュ:
    「あぁ、危ないね。真面に食らえば、の話だけどね?」

    モモイ:
    「でも、逃げてばかりじゃ面白くないよ?」

    正直、このまま私の力が空振り続けたら、いつ来るか知れない弱体化が来る。
    そうなれば、勝負になるか怪しい。

    スターチュ:
    「フフ、まだ気付いていないのかい?私は既に仕掛けているよ?」

    モモイ:
    「へ?」

    私は不意に、躰が重くなったことに気が付いた。

  • 64二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 07:57:13

    モモイ:
    「これは・・・。」

    見れば躰に、超細かい糸が何本も纏わり付いている。
    何十にも重なったソレは、容易に引き剥がせそうもない。

    スターチュ:
    「逃げてるように見せかけて、致命的なワナを仕掛ける・・・。シンプルだけど、強力な戦術だよね。」

    モモイ:
    「舐めないで!」

    私はライブスタックがやっていたように、陽炎みたいな気炎を発生させて糸を焼き切る。
    熱じゃない、何か得体の知れない輝きには、セルブス系の耐性は働かない。
    ・・・これが”神秘”ってヤツなのかな?

    スターチュ:
    「へぇ・・・これは・・・興味深い・・・。」

    モモイ:
    「感心してるヒマがあるの?」

    罠に掛かって静止した私に合わせるように空中に留まっていたスターチュに、電光石火の一撃を食らわせる。
    閃光、轟音、耳鳴り───
    スターチュはビル群を数棟貫通して吹き飛んでいった。
    これがライブスタック直伝の、理不尽な暴力だよ!

  • 65二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:11:59

    スターチュ:
    「・・・やはり、既にタイマンで戦えるような次元に居ないか、君は。」

    ライブスタックがそうしたように、間髪入れずに吹き飛んだ先に先回りした私を見て、スターチュは そう言った。
    私もライブスタックにやられたから分かるけど、吹き飛んだ先に平然と居られるとホラーだよね・・・。

    モモイ:
    「・・・何か、言い残したことある?」

    私はスターチュにトドメを刺さんと拳を振り上げる。

    スターチュ:
    「そうだね、我々の中でも最強だったライブスタックを超えた段階で、次鋒を務めることになったレイヴァの判断は正しかったのだと痛感させられたよ。
    君と真面に勝負しようと思ったら、最初から切り札を切るべきだったのだと。」

    スターチュは最初に私が殺した幹部であるスレイブがそうしたように、懐から炎の玉のような何かを取り出した。
    させるか!
    そう思って亜光速で炎の玉を砕こうとするけど、その瞬間、横からスナイパーライフルの弾が飛んできて、拳の軌道を ずらされた。

    この感覚・・・間違い無い。
    指揮官さん と一緒に出てきた、どこに居るのかすら分からないスナイパーだ!
    私の拳はスターチュの横に突き刺さり、閃光と轟音、そして後を引く耳鳴りを残した。

    スターチュ:
    「これはね、モモイ。
    『渾沌の果実』と呼ばれる宝玉さ。
    一時、身に余る神秘を、その身に宿す・・・まぁ、有り体に言えば怪獣になる強化アイテムさ。」

    スターチュが私の耳元で そう呟いたかと思うと、何か聞き覚えのある砕ける音がした。
    ・・・不味い。私は大慌てで その場を離れた。

  • 66二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:22:49

    【第4眷属、スターチュ】

    スターチュは案の定 巨大化した。
    完全に巨大な足長グモだ・・・。
    なんか、今までの怪獣に比べて、明らかに悍ましい気がする。
    体格も一回りくらい大きいし・・・。

    ていうか あんのスナイパー・・・!
    最悪のタイミングで、最高のスナイピングしちゃって・・・!
    それにスナイパーが居るってことは、指揮官さんも来てるってことじゃん!?
    いや、まぁ、このスターチュの前には出てこないだろうけど。

    今出てきたら部隊が踏み潰されそう・・・。
    そう思ってる間に、怪獣になったスターチュは腹部の先端からクモの糸を撒き散らす。
    それらは どういう原理か、あっという間にミレニアムのビル群を縫ってクモの網状の模様を作り、この近辺を自分の有利なフィールドに変えてしまった。

    ・・・うわぁ、足の踏み場無いよ、コレ。

  • 67二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:36:27

    そうしている間にも、怪獣になったスターチュはカサカサと気持ち悪いくらいのスピードで迫ってくる。
    ・・・いや、ビルより大きい怪物が、ゴキブリ並の素早さってチートじゃない?
    ええい、こんな状況で力のセーブなんてしてられるか!
    私は全ての力を出せる限り、解放するよ!

    モモイ:
    「アガァァァァ!!」

    私は咆吼を上げながら、地面を力一杯叩き付けて揺さぶった。
    すると、スターチュが糸を広げた範囲以上にオレンジ色の亀裂が走り、溶岩の大噴出が起こった。
    溶岩から発せられる輝きは、スターチュの糸を焼き溶かしていく。
    ・・・ネル先輩は耐えれたし、キヴォトスの人間なら これくらい耐えれるでしょ!

    余裕の無い私は、そう思って心の平穏を保つと、足場を失って失速したスターチュの眼前に亜光速で迫る。
    そして、その懐に着地する。
    地面が、轟音を立てて陥没していく。
    だけど、それよりも速く、私の拳が、スターチュの胸部を捉えた。

    ミレニアムが一瞬光に包まれるほどの閃光が走り───



    ───次の瞬間、周囲のビルが倒壊するほどの衝撃と轟音、一帯を包み込むほどの砂煙が舞い上がった。

  • 68二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:39:34

    小休止。

  • 69二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 08:58:43

  • 70二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 16:33:48

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 20:36:01

    はぁ、はぁ・・・。
    さ、流石に仕留めたでしょ・・・。
    私は半壊状態になったミレニアムの敷地内で膝をつく。
    何かを物凄く消費したような脱力感に襲われて、思わず変身を解く。

    ???:
    「・・・やっぱり勝てないか。シナリオ通りとは言え、傷つくね。」

    モモイ:
    「・・・スターチュ。」

    膝を突いた私の前に、もはや立っているのも やっとといった様子のスターチュが立っていた。

    スターチュ:
    「あぁ、勘違いしないで欲しいな。個人としての勝負は君の勝ちだよ。
    私は これ以上戦えない。それに対して、君は もう一暴れくらいなら出来るだろう?」

    ・・・確かにそうだけど。
    それにしては、スターチュには余裕があるように見える。
    そう思ったら、どこからともなく黒仮面の生徒達とSRTみたいな格好をした生徒達が現れた。
    先頭には、あの指揮官さんが立っている。

  • 72二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:39:42

    指揮官さん:
    「代表、総員配置につきました。後は我々に お任せ下さい。」

    スターチュ:
    「あぁ、任せたよ。」

    黒仮面の生徒達とSRTみたいな格好をした生徒達が、スターチュと私の間に壁のように立ちはだかり、全員で銃口を向けてくる。
    ・・・流石に数弾は食らっちゃうかな。

    スターチュ:
    「モモイ、勝負では負けた私だけど、目的を達成するのは私だよ。」

    スターチュは そう言って、懐から何かのスイッチを取り出して押した。
    次の瞬間、ミレニアムの広場の中央に、何か巨大な黒い塔が落ちてきた。
    衝撃で少し地面が揺れる。

    モモイ:
    「・・・これは・・・。」

    スターチュ:
    「『渾沌のサンクトゥム・タワー』・・・。
    君にも分かり易く言えば、このミレニアムに存在する全ての生徒の命を奪う装置さ。」

    モモイ:
    「な、何を言ってるの・・・?」

    私は突然登場したトンデモ兵器に混乱する他なかった。

  • 73二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 21:58:32

    スターチュ:
    「これは私個人の目的なのだがね、私はミレニアムが欲しいのだよ。
    その為にデットマザーに無理を言って、私がミレニアムを手に入れられるフェーズを組み込んで貰った。
    私が生徒の居なくなった真っ新なミレニアムを手に入れようが、手に入れまいが、シナリオには何の影響もない。
    だけど、だからこそ、本気を尽くさせて貰った。」

    真っ新なミレニアム?
    みんなが居ないミレニアムなんて手に入れて、何が嬉しいんだろう?
    そこには文字通り、何にも無いのに・・・。

    スターチュ:
    「モモイ、君がミレニアムの主要なメンバーを落としてくれて、本当に助かったと思っているよ。
    もしエンジニア部が、ヴェリタスが、C&Cが健在であれば、ここまで有利にコトを運べなかっただろう。」

    そんな・・・私のせいで・・・。
    脳裏にミレニアムの皆を傷つけた、罪の記憶が蘇る。

    スターチュ:
    「あの塔は、1輪だけとはいえ『渾沌の華』を咲かせ、このミレニアムに『渾沌』を呼び込むことが出来る、唯一の建造物だ。
    ミレニアムに存在する全ての『崇高』焼き溶かされて定義を失い、骨子を失った『神秘』は『混沌』に還っていく・・・。
    どうだい、素晴らしいと思わないかい?

    今日、この日、ミレニアムは『混沌の苗床』となるのさ!」

    私は、それを恐ろしいとしか思わなかった。

  • 74二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 22:10:33

    モモイ:
    「そんなことさせない!」

    私は変身して、スターチュに殴り掛かろうとする。
    しかし、いつの間にか 懐に入り込んでいた指揮官さんに関節を極められ、動けなくなった。

    モモイ:
    「離して! 分かってるの!? アナタ達も死ぬかもしれないんだよ!?」

    指揮官さん:
    「我々が対策をしていないとでも?」

    そう言う指揮官さんの顔を見ると、前はしていなかったガスマスクのようなものをしていることに気が付いた。

    指揮官さん:
    「『渾沌のサンクトゥム・タワー』が もたらす環境変動の本質は、微細な虫である『混沌』と、その超高温だ。
    黒い仮面をしている連中には そもそも効かない上、我々キヴォトスの人間も微細な虫さえ吸い込まなければ少しの間は耐えれる。
    ・・・もっとも、もはやミレニアムの生徒は助からないだろうがな。
    あぁ、安心しろ。お前は大丈夫だ。」

    そんなことを言われても嬉しくない!
    私が助けたいのは、助からないミレニアムの みんなの方なの!!

  • 75二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 22:21:30

    スターチュ:
    「さぁ、私の目的を達成しよう。」

    モモイ:
    「ダメ!!」

    私は指揮官さんに極められた関節が外れるのも厭わず、駆け出した。

    指揮官さん:
    「チッ!総員、止めろ!!」

    指揮官さんの指揮下にいる生徒達が、一斉に私に群がってくる。
    銃を使わずに、躰の質量で止めに来る。
    それは、私の動きを妨げるには最も有効的な動きだった。

    モモイ:
    「ナメないで!」

    私は生徒達を撥ね除けようとするけど、十数名の生徒を弾き飛ばしたくらいじゃ、直ぐに次の生徒が私に組み付いてくる。

    指揮官さん:
    「諦めろ、お前は 既に消耗を始めている。もはや最高の出力は出せない。」

    モモイ:
    「だからって! 諦めるなんて出来ない!!」

    ???:
    「あぁ、そうだな。」

    ・・・え? ネル・・・先輩?

  • 76二次元好きの匿名さん24/09/07(土) 22:22:25

    小休止。

  • 77二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 08:23:00

  • 78二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 09:54:32

    指揮官さん:
    「お前は・・・。」

    ネル:
    「よぉ、昨日ぶりだな。テメェは後でしばいてやるから待ってな。」

    モモイ:
    「ネ、ネル先輩・・・! 早くしないと みんな死んじゃう・・・!」

    私は躰を指揮官さん配下の生徒達に取り押さえられながらネル先輩に訴えた。

    ネル:
    「慌てんな、見ろ。」

    ネル先輩が顎で示した先を見ると、そこには全く動きをみせない『渾沌のサンクトゥム・タワー』があった。

    スターチュ:
    「これは・・・ハッキングを受けている・・・?」

    スターチュが愕然とした声で言った。

  • 79二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 10:01:51

    ???:
    「にはは! 成功しましたよ、ノア先輩! 敵サンクトゥム・タワーのシステムに侵入成功です!」

    突然、ホログラムでピンク髪の子が表示される。
    ・・・あれは───

    ネル:
    「へっ、コユキのヤツ、やるじゃねぇか。」

    あぁ、あの子が。
    あんまり接点ないから知らなかったけど、あの子がセミナーのコユキちゃんなんだ。
    ・・・ネル先輩すら裏切りの線を捨てきれなかったカス。
    まぁ、今回は違ったのかな?

    ???:
    「今です、マキちゃん!」

    マキ:
    「りょ~かい!」

    次の瞬間、『渾沌のサンクトゥム・タワー』は電源を失ったかのように沈黙した。

  • 80二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 10:02:32

    小休止。

  • 81二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 18:48:55

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:28:37

    スターチュ:
    「・・・そうか、我々のサーバーに不正アクセスして、サンクトゥム・タワーのシステムを強制停止させたのか・・・。」

    マキ:
    「そのと~りだよ。」

    モモイ:
    「マキ!?無事だったの!?」

    マキ:
    「あたしを舐めて貰っちゃ困るね。マーダー・モモ。」

    モモイ:
    「う・・・。」

    そう言われると弱い。
    少なくともマキは、もう一人のモモイから私が偽物のミドリ達を殺したって直接聞いただろうし・・・。

    ノア:
    「モモイちゃんの話は後です。それよりも例のサンクトゥム・タワーを───」

    指揮官さん:
    「破壊はさせない。我々は仕事を全うする。」

  • 83二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:29:27

    ノア:
    「───破壊するのは難しそうでしたので、アナタ方が侵入してきたときに設置していた謎の装置を破壊する方向に舵を切りました♪」

    スターチュ:
    「カオス・アンカーを? 確かにアレを破壊すれば手動による起動も不可能になるが・・・我々の侵攻ルートにランダムに配置したソレを発見できるはず・・・あぁ、そうか。
    完全記憶能力か・・・。」

    ノア:
    「えぇ、ご明察です。」

    スターチュ:
    「・・・何となく、この後の展開は見えたよ。
    だから答え合わせをしても良いかな?」

    ノア:
    「認めましょう。」

    完全にノア先輩が優位に立ってる・・・。

  • 84二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:40:02

    スターチュ:
    「まず、我々が少なく無い資金を投じて築いたセキュリティを突破したのは、黒崎コユキの暗号解読能力だね?」

    ノア:
    「その通りです。」

    コユキ:
    「にっはっは!もっと褒めてくれても良いんですよ?お役に立てましたか?」

    ノア:
    「えぇ、よくやってくれました。コユキちゃん。」

    コユキ:
    「にへへ・・・。」

    スターチュ:
    「・・・続けても?」

    ノア:
    「失礼しました♪どうぞ。」

    スターチュ:
    「そして侵入した先の、我々のサーバーをハックしたのは、小塗マキのクラッキング技術だ。」

    マキ:
    「そうだよ~。」

    ノア:
    「えぇ、その通りです。」

  • 85二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:41:18

    スターチュ:
    「・・・普通なら、ここで十分だと思ってしまうはずだ。
    だけど私は、カオス・アンカーという・・・まぁ分かり易く言うとサンクトゥム・タワーに物理的にエネルギーを供給する装置で保険を設けていた。」

    う~わ、ゲームだったら完全に周回必須のクソ要素じゃん・・・。

    スターチュ:
    「恐らくだが、この要素に気が付いたのは、調月リオなのではないか?」

    ノア:
    「・・・会長?」

    ???:
    「・・・その通りよ。」

    ホログラムに、暫く失踪していたリオ会長が映し出された。

  • 86二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:46:06

    なんだか久しぶりにリオ会長を見た気がする・・・。

    リオ:
    「・・・本来なら こうして前に出るつもりは無かったのだけど・・・。よく気付いたわね。」

    スターチュ:
    「気付くさ、”ビックシスター”。私の裏をかいた作戦を考えたのは君なんだろう?」

    リオ:
    「・・・。」

    スターチュ:
    「おかしいと思っていたんだ。幾ら周到に準備をしたからといって、ここまで有利にコトが運ぶものかと。
    今なら分かるよ、調月リオ。君、ミレニアムの大多数を囮に使ったね?」

    え?どういうこと?

  • 87二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 21:54:18

    スターチュ:
    「私の悪い癖だ。全体の完成度を意識する余り、最も大切な基礎を疎かにしてしまう。
    恐らく、君は私の そのクセに気が付いたんだろう。
    だから、大部分のミレニアム生を君が切り捨てた段階で、私は勝ったと思ってしまった。
    ミレニアムの真髄は、まだ健在だったというのに。

    こんな作戦を考えるのは、ミレニアムでは君くらいだ。あまりに、合理的に過ぎる。」

    リオ:
    「・・・私は、100の内、0か1を残す選択で、1を選択しただけよ。」

    スターチュ:
    「今回は正解だけど、勝率が低くても100を救う選択肢を採れないところが、君の弱点だよ、リオ。」

    リオ:
    「・・・何とでも言って頂戴。」

    う~ん。
    正直、私の立場からリオ会長を責められない。
    私は99を救うために、1を殺した人間だし・・・。

  • 88二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:08:27

    いや、10くらいは殺したようなもんか・・・。

    スターチュ:
    「それでも要領を得ないな。
    君達・・・少なくとも失踪していた調月リオ以外は、私は別々に閉じ込めていたはずだ。
    助けなどあるはずが無いが・・・。」

    ノア:
    「ふふ・・・本当に無いと思いますか?」

    ザザッ・・・。
    次の瞬間、ノア先輩達の声が聞こえるスピーカーから、何かの通信の音声が入り込み始めた。

  • 89二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:09:04

    ???:
    「レイさん、もっと速く走らないとノルマのタイムを切れませんよ?」

    レイ:
    「ぜぇ・・・ぜぇ・・・スミレ先輩・・・。こんなときまでトレーニングを考えるのは どうかと思いますが・・・。」

    スミレ:
    「何を言うんですか。こんなときだからこそ、トレーニングをするんです。
    トレーニングは心・・・メンタルの安定に繋がり───」

    レイ:
    「あーあー、分かりました!分かりましたよ!」

    スミレ:
    「───分かって貰えてなによりです。」

    レイ:
    「(銃声)・・・よし、こっちのルートの装置は全部破壊したかな・・・。」

    スミレ:
    「では、次のコースに行きましょう。今日は走り込みがメインですね。」

    レイ:
    「はぁ・・・はぁ・・・待って下さい。・・・スミレ先輩・・・。」

    うわぁ、声だけでキツそうってのが分かる・・・。

  • 90二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:23:42

    スターチュ:
    「トレーニング部の乙花スミレに・・・同じくトレーニング部の野正レイかな?
    いや、後者は野球部だったか。
    ・・・まさか まだ無事だったとは・・・。」

    あ~、完全にマークから外れてたんだ・・・。

    リオ:
    「・・・。(分かるわ・・・の顔)」

    ノア:
    「彼女達に救助役をお願いしました。」

    スターチュ:
    「そうか、これに関しては完全に盲点だったな。
    認めよう。完全に1本とられたよ。・・・だけど忘れてないかい?
    私自体の兵力はシャーレの先生に、戦闘能力は そこのモモイに奪われたとはいえ、デットマザーから借り受けた兵力が未だ存在する。

    私は彼女達に命令して、君達を順次制圧してから、ゆっくり再度『渾沌のサンクトゥム・タワー』を起動すればいいんだ。・・・この差は、どう覆すんだい?」

    黒仮面の生徒達と、SRTみたいな格好をした生徒達が、存在を示すように銃器を構えた。

    リオ:
    「それについても対策済よ。」

    ミレニアムの物陰から、次々とリオ会長のロボット軍団、AMASが現れ始めた。

  • 91二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:28:25

    スターチュと生徒達を包囲するAMAS。
    ・・・かなりの数だ・・・。

    指揮官さん:
    「・・・。」

    スターチュ:
    「なるほど?数さえ揃えれば鎮圧出来ると?
    私はデットマザーほどじゃないが、この子達の仕事ぶりを信用している。
    この程度では制圧は難しいよ?」

    リオ:
    「・・・分かっているわ。ヒマリ!」

    ヒマリ:
    「えぇ、お任せ下さい。」

    次の瞬間、地響きがしたかと思うと、辺りを極寒の冷気が襲った。

  • 92二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:47:07

    こ、これは・・・う、動けない。

    スターチュ:
    「これは・・・動けないね。」

    ちょっと!同じ反応しないでよ!
    あのヒマリ先輩?私も動けなくなってるよ!
    セルブス系は低温に弱いって、知ってるでしょ!?
    ・・・まぁ、知ってるからやったんだろうけど。

    見れば、黒仮面の生徒達も関節が凍ってしまったかのように動けなくなっていた。
    生徒によっては、死んだ虫みたいに丸まって動かなくなっている。
    ・・・寝てる?冬眠?
    あ、私もちょっと眠いかも・・・。

    スターチュ:
    「明星ヒマリ・・・か。」

    ヒマリ:
    「えぇ、お初にお目に掛かります。そしてきっと、最後になるでしょう。」

  • 93二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 22:48:46

    スターチュ:
    「はは・・・手厳しい・・・ね。
    それよりもこの現象は、君が?」

    ヒマリ:
    「えぇ、以前の虚妄のサンクトゥム攻略戦およびアトラ・ハシースの箱舟占領戦で得られたデータを元に建造された、極度の低温領域を展開する、『ニヴルヘイム・タワー』です。
    リオの作戦をうけて、私が設計しました。・・・業腹ですが。」

    リオ:
    「・・・他に選択肢は無かったわ。」

    ヒマリ:
    「・・・分かっています。代案を示せなかった、私が悪いのですから。
    分かっている・・・つもりなのですが・・・。」

    リオ:
    「・・・。」

    スターチュ:
    「まさか、君達二人が共闘するとはね・・・。」

  • 94二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:00:44

    スターチュ:
    「この現象は・・・ミレニアム校内のみかな?
    それなら異変に気付いた予備戦力がミレニアム自治区中から集まってくるはずだけど?」

    リオ:
    「無論、ミレニアム自治区内の ほぼ全域を、複数の『ニヴルヘイム・タワー』でカバーしているわ。
    今更 被害がどうのなど言ってられないもの。」

    スターチュ:
    「なるほど・・・それなら『渾沌に蠢く者たち』は動けないだろうね。
    だけど、まだ『校区なき学園』の生徒達は動けるようだよ?

    SRTみたいな格好をした生徒達が、1発だけ発砲した。
    銃弾が発射されることを確認した生徒達は、再び私達に銃口を向けてくる。
    ・・・『校区なき学園』の生徒達ってのが、こっちかな?
    で、多分、今半分寝てる方の生徒達が『渾沌に蠢く者たち』だね。

    ・・・私も眠い。

  • 95二次元好きの匿名さん24/09/08(日) 23:11:02

    小休止。

  • 96二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 07:29:18

  • 97二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 07:29:44

    ネル:
    「動けるから、何だってんだ?
    テメェら、アタシに勝てんのかよ。それに、援軍だって来ねぇぞ?」

    指揮官さんは、耳元の通信装置に手を当てた。

    指揮官さん:
    「こちらSNEAK1、それぞれの状態を報告せよ。
    ・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・。

    ・・・了解。
    代表、どうやらセルブスグループの補給線が潰されたようです。
    それに、やけに強い二人組と大量のAMASに邪魔されて、こちらに来ることも難しいと報告が。」

    スターチュ:
    「和泉元エイミと飛鳥馬トキか・・・。」

    ノア:
    「ご明察です♪」

  • 98二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 07:30:23

    指揮官さん:
    「戦闘を続行しますか?我々であれば、美甘ネルと十分に戦えますが。」

    ネル:
    「あ?」

    スターチュ:
    「そこまでしなくて大丈夫だよ。
    シナリオに無い私の行動に、これ以上 君達を付き合わせるつもりは無いからね。」

    指揮官さん:
    「・・・。」

    スターチュ:
    「・・・チェックメイトだ。
    私の負けだよ、ミレニアムサイエンススクール。そしてモモイ。
    まさかあの状態から、ここまで引っ繰り返されるとはね。」

    ノア:
    「ご理解いただけましたら、投降をお願いします。」

    スターチュ:
    「いや、それには及ばない。・・・モモイ、先にコレを渡しておこう。」

    そう言って、スターチュは震える手で私にLv.5のセキュリティカードを投げてよこした。
    私も震える手でLv.5のセキュリティカードを受け取る。
    やった、これで みんな助かる───

  • 99二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 07:30:49

    スターチュ:
    「モモイ、”仕事”だ。」

    リオ:
    「! ネル、彼女を止めて!!」

    ネル:
    「あ!? 何でテメェが───」

    指揮官さん:
    「邪魔は、させない。」

    ネル先輩の行方を、『校区なき学園』の生徒達が一斉に阻みに掛かり───

    モモイ*テラー:
    「・・・これが、”仕事”。」

    AMASの間を縫ってきたモモイが、スターチュを輝く刃を持つ黒い十字槍で串刺しにして掲げた。

    スターチュ:
    「蝕みの神よ・・・。
    今こそ憎悪(アディウム)によって、満開の『渾沌の華』を咲き誇らせたまへ・・・。」

    モモイ*テラー:
    「”この世界に、『渾沌』を呼び込め”。」

    次の瞬間、黒い十字槍の穂先が焼け付くような光を放ち始めた。

  • 100二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 07:31:07

    小休止。

  • 101二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 18:06:02

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:40:31

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 10:01:17

    スターチュから、生きた溶岩みたいな謎の生物が誕生する。
    そしてそれは、そのまま私に突っ込んで来た。
    避けたいけど・・・う、動けん・・・!
    ・・・そのまま私は生きた溶岩に巻き付かれ、どんどんと持ち上げられていく。

    これ、外から見たらキレイな球体なんだろうな。
    私の視界は真っ黄色だけど・・・。

    スターチュ?:
    「カワイソウ、カワイソウ。」

    コイツ・・・脳内に直接・・・!?
    ていうかカタコトで喋らないでよ、滅茶苦茶怖いから!

    スターチュ?:
    「ツライ、クルシイ、サミシイ。カワイソウ、カワイソウ。」

    わー!物理的に脳内に入ってきた!!
    変な思考入れてこないでよ!

    スターチュ?:
    「カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ───」

    あ、コレやば・・・。
    次の瞬間、私の意識は炎に包まれた。

  • 104二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 10:44:51

    小休止。

  • 105二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 21:24:13

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 04:01:52

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 14:32:20

    ─────side:ネル─────

    最初から気に入らねぇ話ではあった。
    ミレニアムに戦争仕掛けられたのも、その裏で何かやってるのも気に入らねぇと思ってた。
    ユウカの奴がやられたとき、それは煮えたぎる怒りに変わった。
    チビ達がやられてたと気付いたとき、それは殺意になった。

    変わり果てたチビを見つけたとき、腹が立つを通り越して悲しくなってきた。
    ・・・デットマザーとかいう巫山戯た大人に良いようにしてやられたとき、悔しくて仕方が無かった。
    あの黒仮面のしつこい奴に、「ミレニアム最強」って言われようが、ただ虚しいだけだった。
    アタシは誰も守れてねぇ。

    ユウカも、ゲーム開発部の連中も、ヴェリタスのバカ共も、エンジニア部のアホ共も、C&Cの部下達も、
    ミレニアムそのものでさえ。
    それなのにセルブスの連中は、今度はあのチビを狙いやがった。
    あんだけ血反吐はくような思いしてた奴に、これ以上 何かしようってんのかよ。

    ネル:
    「チビを離しやがれ!」

    アタシはチビに巻き付いた、輝く蛇みてぇな謎生物に2丁のサブマシンガンの弾を叩き込んだ。
    だが、表面が波打つばかりで効いてる気がしねぇ。
    そうしてる間にも、謎生物はチビを中心に、どんどん球体上になっていく。

  • 108二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 14:48:38

    リオ:
    「無駄よ、ネル。あれに銃弾を幾ら浴びせようが、溶岩の塊に銃弾を捨てるようなものよ。」

    ネル:
    「チッ、じゃあどうしろってんだよ!」

    リオ:
    「それは───」

    ???:
    「何もすべきではない。君達はこれから、終わりゆく世界をただ眺めるのだ。」

    声のした方を見ると、そこにはさっき もう一人のチビに指されたはずの奴が立っていた。
    っていうか、あのチビは何処へ行きやがった!

    ???:
    「君にはまだ名乗っていなかったね、美甘ネル。
    私はスターチュ。君達が戦い、そして敗北したセルブスグループの代表だ。」

    コイツが・・・。

  • 109二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 14:49:01

    スターチュ:
    「どうやら我がオリジナルは贄となったようだね。シナリオ通りだ。」

    ネル:
    「オリジナル? 何の話をしてやがる。」

    スターチュ:
    「なに、難しい話では無い。
    我々が天童アリス以外のデットコピーと同じように、セルブスグループ代表のデットコピーだという話さ。
    ・・・もっとも、アレと違って私はオリジナルと同じ意思を持っているがね。」

    つまりオリジナルが死んだときのためのスペアか。
    セルブスグループの連中はイカレてんのか?イカレてんだろうな。

  • 110二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 16:33:14

    小休止。

  • 111二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 19:58:04

    ほしゅ

  • 112二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 01:06:12

    スターチュ:
    「ほら、ご覧。『渾沌の蕾』が開花していくよ。」

    スターチュ?:
    「カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ、カワイソウ───」

    スターチュの奴の声が、重なって聞こえた。・・・ウザってぇ。
    だがそれだけでは終わらず、やがてカワイソウしか言わねぇスターチュの声は、啜り泣く声に変化していった。
    ・・・ゾッとする泣き声だ。

    まるで何人分もの怨嗟が合体したみたいな悍ましさ。
    やがてチビを覆っていた溶岩みてぇな巨大な球体が収束し、その中身が姿を現した。
    それは首の無い黒い巨人だった。樹木みてぇな皮をした、首の無ぇ巨人。

    本来 顔がある部分には、花弁が6つある花みてぇなヘイローがある。
    収束した溶岩の球体が、首の無ぇ巨人に食われる。何かが潰れるような生々しい音が聞こえた。
    次の瞬間、首の無ぇ巨人のヘイローが、焼けるような熱と光を放ち始める。

  • 113二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 01:08:37

    スターチュ:
    「さぁ、満開の『渾沌の華』が咲くよ。是非、その目に焼け付けたまえ。
    ・・・二度と見れるものでも無いのだから。」

    ???:
    「オォォォォォォ───!」

    首無しの巨人が咆吼を上げる。それはどこか悲鳴のようでもあった。

    スターチュ:
    「蝕みの神よ。今こそ憎悪(アディウム)によって、『渾沌の華』となりたまえ。」

    モモイ*アディウム:
    「アァァァァァァ─────!!」

    ヘイローが広がり、巨大な根が、キヴォトスに侵蝕した。



    ───空が、赤く染まる。

  • 114二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 01:34:01

    ここら辺で、どうにかして「歓喜の歌」流して。

  • 115二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 12:20:07

    保守

  • 116二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 13:12:05

    保守

  • 117二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 16:05:41

    ─────side:デットマザー ─────

    モモイ*テラー:
    「・・・これが、約束の?」

    デットマザー:
    「えぇ、『渾沌の泉』です。ここに身を投げれば、アナタは過去に遡ることが出来ます。
    決して平行世界ではありません。正真正銘の時渡りです。」

    モモイ*テラー:
    「過去に戻れば準備が出来る。・・・みんなを助けられる。」

    デットマザー:
    「その通りです、モモイのデットコピー。
    アナタが過去に行って、オリジナルのモモイを殺せば、歴史が改変され、アナタの仲間は助けられます。」

    モモイ*テラー:
    「分かった。」

  • 118二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 16:07:10

    デットマザー:
    「あぁ、それとモモイ。」

    モモイ*テラー:
    「・・・?」

    デットマザーはモモイ*テラーに耳元に、そっと口元を近づけた。

    デットマザー:
    「────────────────────。」

    モモイ*テラー:
    「・・・!? アナタは───」

    デットマザー:
    「良い旅を。」

    デットマザーはモモイ*テラーを『渾沌の泉』に突き落とした。

  • 119二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:03:55

    ???:
    「良かったのかい?デットマザー。この『渾沌の泉』は、
    過去・現在・未来に渡って存在するという”渾沌”の概念を利用した時間遡行装置だけど、
    今までに一度も歴史の改変を確認出来たことは無いよ?」

    デットマザー:
    「えぇ、スターチュ。問題ありません。
    私は確かに あのモモイに”仲間を取り戻せるかもしれない”とは言いましたが、”取り戻せる”とは断言していません。
    私は機会を与えました。それで十分です。」

    ???:
    「・・・悪意の神と虚妄の神のデットコピー、渾沌から産み落とされた2柱の『渾沌の使徒』、
    『世界を貪る者』と『生命を啜る者』・・・その全てが歴史の改変を起こせなかったっていうのに、
    蝕みの神のデットコピーであれば改変を起こせるとでも?」

    デットマザー:
    「思いません、レイヴァ。だからこそ、私は契約を結び、それを履行したのです。」

    ???:
    「つまり、騙したってワケだ。」

    デットマザー:
    「騙したとは人聞きの悪いですね、ライブスタック。利用しただけですよ、”私自身の”目的の為に。」

    ???:
    「・・・大人がすることとは思えんな。貴様は自分の信用をもっと大切にするべきだ。」

    デットマザー:
    「スレイブ・・・アナタは大人に夢を見過ぎです。大人なんて、長く生きた人間でしかありませんよ。」

  • 120二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:05:05

    スターチュ:
    「はは・・・ともかくデットコピーとはいえ、ここに現行のセルブスグループの幹部が全員揃ったワケだ。
    ・・・それじゃあ、デットマザー。シナリオの仕上げを頼むよ。」

    デットマザー:
    「・・・承知しました。」

    デットマザーは、黒い、輝く刃を持った十字槍・・・モモイ*テラーが持っていた”槍を刺した相手の神秘を消費して、槍を刺した者の願いを叶える槍”を取り出した。

    デットマザー:
    「渾沌によってその神秘を貶められたとはいえ、アナタ方も このキヴォトスに生まれ落ちた人間です。
    ・・・迫り来る渾沌による融解は避けられない。
    だからその前に、せめてその神秘をキヴォトスに還すことによって、渾沌の礎とさせて頂きます。」

    デットマザーはスレイブに黒い槍を刺した。

    デットマザー:
    「”還りなさい、樋目野リンカ”。」

    スレイブ:
    「・・・ようやく終わるのか───」

  • 121二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:05:31

    スレイブはコアが破壊されたときのようにオレンジ色の液体となって消えるのでは無く、
    目の光りが消えたかと思うと急速に膨れ始めた。

    渾沌の眷族1:
    「アァァァァァァ!!」

    デットマザー:
    「・・・まずは一つ。」

    巨大化していくスレイブは、デットマザー達が居る建物を破壊しながら どこかへと消えていった。
    今度はライブスタックに黒い槍を刺す。

    デットマザー:
    「”還りなさい、香我美エナ”。」

    ライブスタック:
    「やっと帰れる───」

  • 122二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:05:58

    ライブスタックもスレイブに続く。

    渾沌の眷属2:
    「オォォォォォォ!!」

    デットマザー:
    「・・・これで2つ。」

    次はレイヴァに刺す。

    デットマザー:
    「”還りなさい、大ヶ生ナゴ”。」

    レイヴァ:
    「退社ぁ───」

  • 123二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:06:27

    レイヴァも、その理性を失う。

    渾沌の眷属3:
    「ガァァァァァァ!!」

    デットマザー:
    「・・・これで3つ。アナタが最後です、スターチュ。」

    スターチュ:
    「いいよ。何でも構わない。私達の望みは既に全て叶ったからね。
    ・・・欲を言えば本当はミレニアムが欲しかったけど、それだけさ。
    このキヴォトスに存在する神秘、その全てが楽になれることを願うよ。」

    デットマザーはスターチュに黒い槍を突き刺した。

    デットマザー:
    「”還りなさい、竜胆カナデ”。」

    スターチュ:
    「さらば、友よ───」

  • 124二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:07:05

    デットマザー:
    「・・・。」

    そして遂に、スターチュも理性を失った。

    渾沌の眷属4:
    「────────────────────!!」

    デットマザー:
    「これで・・・4つ。」

    誰も居なくなったその部屋で、デットマザーはポツリと呟いた。

    デットマザー:
    「・・・始めましょう、アオイ。



    ───私達の狩りを、私達のシナリオを。」

  • 125二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 02:07:45

    小休止。

  • 126二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 11:16:12

    保守

  • 127二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 21:36:38

  • 128二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 03:59:05

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 10:32:49

    ─────side:モモイ─────

    あれ? ここは何処だろう?
    私はいつの間にか見覚えの無い場所に立っていた。
    ただ、殺風景な白い部屋が広がっている。
    目の前には黒い扉があった。

    私は特に何も考えず、黒い扉を開けた。

    ???:
    「・・・? なんだ、お前は?」

    そこには真面目そうな顔をした、1人の生徒が居た。

    モモイ:
    「よく分かんない。 きっと道に迷ったの。 そういうアナタは?」

    ???:
    「そうか。 私は樋目野リンカ。 私も良く覚えていないが、確か帰るとこだったと思う。」

  • 130二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 10:33:23

    小休止。

  • 131二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 16:32:33

    保守

  • 132二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:00:34

    保守

  • 133二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 10:10:46

    保守

  • 134二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 18:44:11

    モモイ:
    「帰る? 一体どこに帰るの?」

    リンカ:
    「・・・さて、どこだったか・・・。 私もよく覚えてないんだ。」

    モモイ:
    「ふーん。」

    特に他に行く場所も見当たらなかったので、私はリンカと名乗る生徒の近くに座った。

    モモイ:
    「じゃぁ・・・どこの学園の人なの?」

    リンカ:
    「確か・・・百鬼夜行連合学園だったはずだ。」

    モモイ:
    「ふーん。 じゃあ、その近くなんじゃない?」

    リンカ:
    「そのはずなんだが・・・何故か、そこには帰りたくないんだ。 ・・・もの凄く懐かしいはずなのに。」

    モモイ:
    「・・・嫌なことでもあったの?」

    リンカ:
    「そんな気がする。 きっと何か嫌なことがあったんだ。 それで───」

  • 135二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 18:44:44

    モモイ:「それで?」

    リンカ:
    「いや、何でも無い。 碌でもないことを思い出すところだった。」

    モモイ:
    「そっか。」

    リンカ:
    「・・・お前は道に迷ったんだろう? それならホラ、きっとあっちだ。」

    リンカが指し示す方を見ると、そこにはまた黒い扉が現れていた。
    ・・・さっきまでは無かったのに。

    リンカ:
    「私はもういかなくちゃいけない。 だからお前も行くと良い。
    ・・・少しだがお前と話せて良かった。」

    モモイ:
    「行くってどこへ?」

    リンカ:
    「ここではない何処か別の場所だ。 ・・・お前は知らなくて良い。」

    モモイ:
    「? 変なの。」

    私は次の部屋へと進んだ。

  • 136二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 02:46:25

    ???:
    「アンタ・・・誰?」

    モモイ:
    「アナタこそ誰?」

    次の部屋には意地悪そうな顔をした生徒がいた。

    ???:
    「私? 私は香我美エナ。 アンタは?」

    モモイ:
    「私はモモイだよ。」

    エナ:
    「モモイねぇ・・・何だか間抜けそうな名前ね。」

    モモイ:
    「いきなり何さ。」

  • 137二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 02:46:54

    エナ:
    「あぁ、ごめんなさい。 古巣の影響か直ぐ毒を吐くクセが。」

    モモイ:
    「古巣? どこかの学園のこと?」

    エナ:
    「えぇ、そうよ。 トリニティ総合学園・・・知ってる?」

    モモイ:
    「知ってるよ。 お嬢様学園でしょ? いいなぁ。」

    エナ:
    「何がいいのよ、あんなとこ。 そういうアンタは何処なの?」

    モモイ:
    「ミレニアムサイエンススクールだけど?」

    エナ:
    「・・・何よ、一番いいとこじゃない。 私もそっちが良かったわ。」

    モモイ:
    「そう?」

  • 138二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 02:47:39

    エナ:
    「そうよ、あんな陰湿なとこより、ミレニアムにみたいなカラッとした学園に居たかったわ。そうすれば───」

    モモイ:
    「そうすれば・・・何?」

    エナ:
    「何でも無いわ。 碌でもないことを思い出しそうになっただけ。」

    モモイ:
    「アナタも同じことを言うんだね。」

    エナ:
    「アナタも? 私は私よ。 ・・・それよりアナタ、どうしてここに?」

    モモイ:
    「分かんない。 でも、きっと道に迷ったんだと思う。」

  • 139二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 02:48:25

    エナ:
    「それならあっちよ。 早く行きなさい。」

    そこには入ってきた時には無かったはずの黒い扉が、また現れていた。

    モモイ:
    「ありがと。 ・・・アナタは?」

    エナ:
    「私? 私は・・・いくべきところがあるのよ、ヒマなアンタと違って。」

    モモイ:
    「失礼しちゃうなぁ。」

    エナ:
    「フン、アンタにはまだ早いのよ。」

    私はドンッとエナに背中を押された。
    黒い扉が開き、次の部屋に躰が滑り込む。

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