コハルの双子の妹になりたい

「へへ……お姉ちゃんの事バカにしてた割には、品性ってもんがないし根性もないじゃん、もっと頑張んなよ」

全身ボロボロで傷だらけになってしまった、けど私は後悔してないし苦しいとも思わない。
［正義実現委員会］だけが正しさを追い求めていいなんてルールはない。
お姉ちゃんや聖園ミカ様に、理不尽に石を投げる奴ら、トリニティの品性を貶めて、誇り高い白い制服を黒く染めてしまいそうな悪意を振りまく奴ら。
そんな奴らをみて、血が沸騰するような感覚になって、ミカ様を理不尽に糾弾して私刑を行う奴らと同じだとわかってても、私は私を止めようと思わなかった。
だってそうでしょう、お姉ちゃん。
ミカ様は、法によって裁かれて罪を償うべきであって、不特定多数の奴らが寄って集って石を投げるなんて、あっちゃいけない歪みだから。

「あなた達にいい事を教えてあげる」
「幸せさと賢明さの違いってやつだよ」

私のお姉ちゃんをバカにして、見下して、ミカ様を理不尽に傷つけて、何が裁きだ、何が正義だ。
私の求める正義は、悪を求めて這いずり回るような汚い物じゃない。

「自分が最も幸せだ、って思う時」
「その人間は真に幸福だけれど」

お姉ちゃんは自意識過剰で、エリート気取りで、背伸びしがちで、意地っ張りだけど、優しくて、芯の通った、真っすぐな正しさ、利己的な理由の正義じゃなく、本物の正義を持ってる。

「自らを最も賢明だと思っている時」
「その人間は、最も愚かな人間の事のほうが多いんだよ」

だから私にも、譲れない正義があって、だからこそ、この人たちの語る正義が許せなくて、暴力に頼ってしまった。

「おととい来やがれ、泣き虫共」

>>56

53二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:27:13

あぁ……全身が痛くて動けないかもしれない、少し回復するまで地面に倒れたままかな、はしたないけど、ごめんねお姉ちゃん。
お姉ちゃんみたいに、立派な人になりたいのに、ダメな妹で、ごめんね。

「バカ！バカじゃないの！なんであんな大人数に喧嘩を売るのよ！なんでそんな無茶するのよ！」

お姉ちゃんが泣きそうだ

「でも……お姉ちゃんだって……ミカ様のこと庇って、たでしょ……あれも、無茶だよ」

痛くて上手く喋れない、でも、大怪我とかじゃないし、すぐに治るし、動けるようになったら救護騎士団の人たちに手当してもらえばいいよね。

「そういうことじゃ無い……バカ……こんなにボロボロになって！」

ごめんねお姉ちゃん、私、お姉ちゃんみたいに上手く人に伝えられないから、心に訴えかけたりできないから、ミカ様とお姉ちゃんが危ないって思ったら、我慢できなかったんだ。

「バカで、ごめんね……お姉ちゃん……でも、私、かっこよかった……よね……？お姉ちゃんと一緒にいて、恥ずかしくない、妹に、なれてる……？」

「当たり前よ……！こんな無茶しなくたって、あんたは私の最高の妹なんだから……！」

面と向かって言われると、ちょっと恥ずかしいな。

「ねぇ、大丈夫？私なんかの為に身体張らなくてよかったんだよ？……あの子たちが言ってたことは嘘じゃないしね」

ミカ様が私達を見て、なんだか決まりが悪そうにしている。
違う、違うよミカ様。
確かにミカ様はね、わるいことをしたのかも知れないけど、でも、罪を決めて罰を与えるのは人じゃない、罪人だからっていじめて良いわけじゃない、私達は、誇り高いトリニティの生徒なんだから、感情にまかせて罪人を叩くだけじゃだめなんだ。
お姉ちゃんも私も、そう思ったら、勝手に身体が、動いてただけなんだ。

>>56

54二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:34:25

「気にしないでください、ミカ様はこれから、正しく裁かれて、正しく罪を償わないといけないんです……罪を裁くのは法だから、私も本当は、自分で解決しちゃいけなかったんです」

ボロボロのまま三大派閥の一つのトップに何か物申すのも、失礼かもしれないけど、ミカ様はあまり気にしてないみたいだった。

私だって、間違ってるけれど、でも、私の正義は許しちゃいけないって言ってたから。
救護騎士団の人に担架に乗せられて、運ばれながらミカ様をみると、さっきまでのすて鉢な表情とは違って、なんだか少し、大人びた雰囲気をしていた。

>>56

55二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:36:33

おわり。
戦うお姫様でもいいじゃない。

>>56 >>57

56二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:39:01

見たかったものがこれでもかってくらい詰め込まれてる……ありがてえ……！

57二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 22:40:27

>>55