- 1二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:02:37
池倉マリナと姉妹になった経緯はレッドウィンターでの事件だった。
私、近衛ミナは映画のワンシーンを再現しようと山海経からわざわざレッドウィンターまで足を運んだ。主人公が雪の中、体を温めようと枝を集め、重ねた枝を復讐の相手に見立てて撃ちぬき火を点けるシーンだ。一気に燃え上がる火が復讐の炎となり主人公の心情を表す名シーンである。以前山海経がレッドウィンターを学校を挙げて招待した際に、雪に包まれた地であることは聞いていたため、再現に選んだのは自然な流れであった。
結論から言えば、失敗だった。枝を集めるところまではよかったが、雪のせいで思った以上に水分を含んだ枝は何発撃っても火が点かず、レッドウィンターの寒さを舐めていた私は薄着での極寒に耐え切れず、冷凍マグロのように雪に埋もれて倒れているところを偶然見つけたマリナに運ばれた。
どうやら最初はあまりの冷たさに死体だと思ったらしく、レッドウィンター中に私の死体の話は一瞬で広まってしまった。
すぐに騒ぎは収まったが、最初に勘違いして騒ぎ立てたマリナが責任をもって私の経過観察をすることになった。
私たちは以前の交流会から話す機会が多かったが、2年にして組織の幹部という立場の一致や、互いの失敗談などで完全に意気投合した私たちは、その場でカンポットで姉妹盃を交わした。映画では酒で交わしていたが、学生の身では犯罪になるため仕方がない。
「「このカンポットこそが！姉妹の証だ！！」」 - 2二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:04:07
姉妹と何かする時は専らどちらかの家であった。二人で外を歩いていると、やれ「モデルに興味はありませんか？」とか「一緒にお茶でもどうですか？」なんて声をかけられることが、なぜかやたらと多いからである。
今日は私のオススメの映画を見る日である。『義理人情戦争』シリーズの4作目、私も始めて観る作品ではあるが、このシリーズは全て非常に評価が高い作品であり、私自身お気に入りのシリーズの一つである。
玄関の鈴が鳴り来客を知らせる。私はあらかじめ決めておいた第一声を復唱しながら扉を開けて姉妹を迎え入れる。
「ようこそ我が城へ。盛大に歓迎しよう。」
「邪魔するぞ！」
姉妹の格好を見て、思わずキリリと決めた顔が緩んでしまう。
「懐かしいな。交流会の時にプレゼントしたチーパオか！！また着てくれるとは玄龍門の執行部長として嬉しく思うぞ！！」
「そういえばあの時は感想を聞いていなかったな…どうだ？似合っているか？」
「言うまでもないだろう？」
「それは…似合っているということでいいんだよな？」
姉妹は察しが悪い部分がある。私は門主様の指示の意味を間違えたことなど…いや無いとは言い切れないかもしれないが。
「ああ、非常に可愛らしいぞ。」
それを聞いた姉妹は満面の笑みを浮かべ小躍りしながら我が家の中に入っていった。 - 3二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:05:19
少し世間話をした後、早速本題の映画鑑賞をすることになった。部屋を少し暗くして、二人で長椅子に並んで座りテレビと向き合う。
「その…なんだ。」
姉妹が何か言いたそうにして言い淀む。突撃が基本の姉妹にしては珍しい停滞だ。
「もう少し近くに寄ってもいいか？」
「なんだ？今日はホラーではないから別に怯えなくてもいいぞ？」
「その、もう少し近い方が、映画館の感覚に近くなるだろう？」
肩を寄せ合うほどではないが、ふとした時に肩が触れる程度の距離感。確かに隣の席に誰かが座っている時の映画館と同じ感覚だ。
「さすが姉妹、いいところに気づいたな。てっきり前回のホラー鑑賞会でずっとべったりだったから、トラウマにでもなったのかと思ったぞ？」
「べ、別に私はそこまでホラーが苦手ではない！！」
じゃあなんであんなにずっと引っ付いていたのだと思うのだが、これ以上からかうのも可哀想なので、私はリモコンの操作を始めた。
映画の上映から10分と経たずに私たちはその世界に引き込まれた。演技のレベルの高さや演出のクオリティはもちろん。息も吐かせぬ怒濤の展開やこれ以上なく場面に合ったBGMの数々、私たちの期待を軽々と超える盛大な物語が小さな箱の中で起こっていた。
だが、現実に引き戻される瞬間が唐突にやってきた。 - 4二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:06:13
薄暗がりの個室、ベッドに横たわる二人。演者の露骨な喘ぎ声とベッドの軋む音がテレビの明かりだけに照らされる薄暗い室内に響き渡る。
俗に言う「塗れ場」というやつである。一人で観る分にはそこまで気にならないが、本日は隣に姉妹がいる。
なるべく初見で楽しもうと情報を完全に遮断していたのが仇となった。今までのシリーズではなかったため完全に油断していたところを、意識外からの狙撃。私は大慌てで映像を止めテレビの電源を切るが、これはこれで自身が気にしていることを自白しているようなもので、気まずい空気が場を支配した。
「カンポットを持ってきたんだった。淹れてくるな。」
明らかに空気を変えようと不自然な流れで話を切り出した姉妹は、勢いよく立ち上がろうとしたところ机の脚に脛をしたたかにぶつけて、しばらくうずくまったが、何も言わずに台所まで足を引きずりながら歩いて行った。
私は姉妹が帰ってくる間、姉妹が何を言い出してもいいように、何十通りも返しの言葉を想定しておいた。
──────しかし、二人分のカンポットを机に置いて長椅子に座り直した姉妹の口から出てきたのは、予想だにしない言葉であった。 - 5二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:07:55
「ああいうシーンは再現しようと思ったことはないのか？」
いきなり何を言い出すのか。急な質問に私は顔を逸らしたまま正直に答える他なかった。
「…そもそも相手がいないからな。」
「私ならどうだ？」
そういうと姉妹は私の手を強引に引っ張り、私が姉妹に覆いかぶさるような姿勢に無理やり持っていく。
長椅子からの衝撃が伝わり、机の上のカンポットは零れそうなほど激しく揺れている。
「いいのか？このままでは姉妹でいられなくなってしまうぞ？」
アドリブでは気の利いた返し一つ出てこない。
「私はそれでも構わない。ミナと姉妹でなくなるのは嫌だが、私はもっとミナと一緒になりたい。もっと特別な何かになりたい……ミナは私が相手では嫌か？」
「言うまでもないだろう？」
私はマリナの顎に手を添えて、強引に唇を奪う。カンポットはまた、激しく揺れた。 - 6二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:08:48
バーボンでもキサキなら許します
- 7二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:09:05
こんばんは、バーボンツムギです。このドリンクはサービスですから、これを飲んでまずは落ち着いてください。すみません、またなんです。正直構想自体はかなり前に出来ていたのですが、流石に無理があるのではないかと思って没になっていました。しかし、まさかの公式で絡んだので少し手直しして提供させていただきました。急ごしらえなので粗が多いでしょう。しかし、このスレを開き物語と邂逅した時あなたたちは
──────「ときめき」。…と似たような感覚を持ったと思われます。その感覚を大事にして欲しいのです。
さて、それでは注文を聞きましょう。もちろん、マリミナのエ駄死を個人で作るのも歓迎しております。ワイルドハントはあらゆる創作活動を応援しておりますので。
最期にミナさん、誕生日おめでとうございます。 - 8二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:09:36
やはりあんたか
- 9二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:11:10
- 10バーボンツムギ24/09/09(月) 23:13:31
- 11二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:13:58
- 12二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:15:32
よかった
- 13二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:15:56
マリミナだと！！？僕のデータには無かったがやはり存在していたのか…
- 14二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:18:16
- 15二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:19:18
>>14これが没メニュー??
- 16二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:21:18
今ここでどうでしょう？
吐いてもいいんですよ？
いや吐いてくれ！
見たいんだもっと！、 - 17二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:29:59
みんなミナとマリナはエッチじゃないって言ってるけど、俺は信じてたよ
やっぱりエッチじゃないか！！(歓喜) - 18二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:32:26
>>14頑張ってください
- 19二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:40:57
なんかこのマリナ行動の節々から卑しさが溢れてない？さすが趣味が突撃の女、距離感の詰め方が熟練だ
- 20二次元好きの匿名さん24/09/09(月) 23:59:59
無自覚でやってるのだとしたらなお良い。雌マリナはそのうち癌にも効く
- 21二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 10:33:43
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 10:49:42
まさか幻とか伝説とかですら聞いたことの無いCPが、マリミナが存在するとは、これは、実に、実に興味深い、データを端末にインプットしなければならないですね、あと、もう少しサンプルが欲しいですね、保守しますか
- 23二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 11:54:48
この人のスレに毎回ときめきを感じて開いてしまってる、本当に凄いと思う
- 24二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 12:31:36
このレスは削除されています
- 25二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 12:43:49
玄龍門の執行部長ともあろうものが他校の生徒会の一員と個人的に交流しているとは・・・！！しかも、肉体関係まで持っているという噂すらあります！！これが事実ならば糾弾すべき案件！！もう少し情報を集める必要がありますね・・・
- 26二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 12:49:12
- 27二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 16:16:11
- 28二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 16:48:05
- 29二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 16:49:03
導入のミナとマリナがアホムーブしてるからこそ、本編の乙女責めマリナとイケメン受けミナが際立つって訳
・・・いやごめん。改めてマリナのプロフィール見たけど、やっぱりデフォルトでアホの娘ではあるなこの二人
- 30二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 16:59:34
- 31二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 18:08:46
もっとサンプルくれませんか？
- 32二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 19:37:58
- 33二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 21:13:39
姉妹という二人の関係性の揺らぎを、姉妹の証であるカンポットで表現するの美しいな…
- 34二次元好きの匿名さん24/09/10(火) 23:07:14
この作品は大体書けてましたが、他の作品は骨組みだけでまだ具体的な内容が全く書けてないものがほとんどなんですよねぇ
・ミモリ×ツバキ
・イズミ×ジュリ（健全）
・キサキ×ルミ（健全）
とか没ネタはいくらでもあるんですけど、書きたいものが多すぎてそっちまで手が回らないのが現状です。
短い内容にして作品を増やすか、じっくり書いて作品を絞るか、難しいところですよねぇ
- 35二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 07:29:17
- 36二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 11:13:34
👺<判断が遅い
- 37二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 13:21:51
👺「言うまでもないだろう？」
- 38二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 23:03:39
- 39二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 07:28:03
- 40二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 18:17:17
ほす
- 41二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:10:41
ほし
- 42二次元好きの匿名さん24/09/12(木) 23:26:14
チェリノとキサキは全力で二人の関係性を応援してくれそう
見た目だけなら、ちっちゃいものクラブが大人のお姉さんグループの恋愛を補助してるの面白いな - 43二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 07:34:30
公には隠しておこうとか言って、二人とも上司に関係性がバレてないと思ってるけど、実は上司にはバレバレでこっそりフォローしてもらう展開はある
- 44二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 18:45:23
ほす
- 45二次元好きの匿名さん24/09/13(金) 22:46:48
二人の恋愛模様は、見た目はモデル同士な感じだけど、中身は初心な少女の恋愛になりそうで見てて微笑ましい感じになりそう
- 46二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 10:45:23
保守
- 47二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 10:45:40
見てぇ〜
- 48二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:37:45
ほし
- 49二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 02:02:54
保守
- 50二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 12:06:55
保守
- 51二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:31:22
ほすほす