貴様か…会いたかったぞ

  • 1二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 19:44:08

    「名は…悟と言ったか…」
    ガオウは僕の真正面に堂々と構えている。その表情はトラメに押さえつけられてる僕からは窺い知る事はできない。
    「ガオウ様、こんな奴を連れてきてどうするつもりなんだよ。こんなよわっちい奴よりプリキュアの誰かを連れてきた方が良かったんじゃ無いか?」
    トラメはガオウに疑問を投げかける。当然だ、ガオウは何故僕を攫ったりしたんだろう…でも犬飼さんや猫屋敷さんや…みんなの誰かじゃなくて良かった。
    「あのねトラメ!ガオウ様は立派なお考えがあってコイツを連れて来させたんだよ!それもわからないかい!?」
    「ザクロ、そんな物は無い。ただ我はこの者に会ってみたかったのだ」
    何を言っているんだ?何故ガオウが僕を選んだんだ?いや、そんな事どうでも良い!上手くいけばガオウと話し合えるかも知れない!
    「無論、話し合うつもりは無い」
    僕が抱いた僅かな希望は刀の様な言葉に切り伏せられた。
    ガオウは僕の頭に手を乗せた。力は入っていないのは伝わってくる。しかしガオウの放つ存在感がその手が何十倍にも重くのしかかってる様錯覚させた。
    次の瞬間流れてきたのは…狼たちの記憶だった。

  • 2二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 19:48:28

    悟闇堕ちフラグ?

  • 3二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 19:56:31

    楽しげに大地を駆ける狼たち。
    番の為に狩をする狼たち。
    兎を捉える狼たち。
    そのどれもが生き生きとしている。幸せな時間だったと伝わってくる。だがその次に押し寄せてきたのは…熱い火と冷たく重い人の武器の感触だった。
    火で追い立てられ逃げ場を無くした狼たちは人間達が持ち寄った農具や武器でその身体を貫かれ潰され殺されていった。産まれたばかりの子狼も例外なく全て、等しく…悲しく辛い記憶だ。
    「あぁああ!!ぁぁああぁあ!!」
    「おい…何なんだよコイツ!普通だったらとっくにガオガオーンになってるはずだぜ!?ガオウ様!」
    「ガオウ様!?どうかなさったのですか!?ガオウ様!!」
    「…喚くな。あぁそうか…これが貴様の仲間…貴様の記憶か」
    ガオウは僕の頭に乗せていた手を離す。僕の意識はまるで紐で勢いよく引っ張られた様に僕の身体に戻っていく。だけどダメだ、言葉を紡げない。
    「貴様は己の無力さを嘆いていた…しかしそれは違う、貴様という存在…貴様が持ち歩く精神力は群れの支えとなる…」
    褒めているのか…?それとも皮肉なのか…?今の僕にはそれを判別する事は出来ない。
    「決めた、我が群れに下れ。兎山悟」
    「こ…と…わる…」

  • 4二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:07:59

    「貴方達の怒りは最もだ…人の都合で追われ滅ぼされる…許したく無いはずだ…!僕たちもあの時どうしていれば良かったか…その答えを見つけられていない。だけど!今その問題に向き合ってる人達がいます!これ以上悪戯に、勝手な都合で生き物が滅びない為に!だからお願いします!僕達に時間」
    「良い、わかった」
    ガオウは僕の頭を押さえつける。
    「元より答えをなぞ決まっていた。お前達が出すまでもなくな」
    ガオウからとてつもない何かが流れ込んでくる。
    同時に僕自身の何かが消えていく感覚がした。
    まるで崩れる砂の城の様に、ジワジワと。
    どんどん記憶が抜け落ちていく。どんな学校に通っていたのかも何処に住んでいたのかも不鮮明になっていった。
    落ち着け、僕は悟。兎山悟だ…帰ったら大福にご飯をあげなきゃいけない。明日は日曜日だ。猫屋敷さんと…白いネコ…ユキ…。だめだ忘れるな、絶対に忘れちゃいけない人がいたはずだ。あと2人…誰だ。

  • 5二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:19:48

    大福!いろは!誰でもいいからはよ来い!

  • 6二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:20:31

    数日後
    「なにこれぇぇ!!?」
    「ワンダフル!大丈夫!?」
    「ツルと枝を使った罠ね…ガオガオーンがこんな古典的な罠を…フシャー!?」
    「ニャミー!?大丈夫怖くない怖くない…!」
    「きゅ…きゅうりが…落ちてきたわ…!」
    「ほんとだ…なんでだろ。こんな時悟くんがいたらなぁ…」
    「学校にも来てないし家にも帰ってないって…」

    「お前の言った通りだな、プリキュア達罠にかかって動けなくなってやがる!」
    当然だトラメ。それにこの程度まだ序の口だ。
    「マジか!?次はなにをやるんだ?」
    北海道で捕まえてきたヒグマ、これをガオガオーンにしてプリキュアにぶつける。同時に俺たちも戦う。4対3だが罠にかかったプリキュアに対しては勝機があるはずだ。罠の位置は匂いでわかる様にしたからこっちは引っかからない。
    「流石ガオウ様が見込んだだけあるな!頼んだぜサトル!」
    「任せてくれ。今ならなんだって出来そうだ」




    はい

  • 7二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:28:56

    闇堕ちスレじゃねえかぁ!!
    まぁいつか来るとは思ってたよ!!

  • 8二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 20:34:35

    >>7

    そろそろ映画公開されるのでね。タイミング的にはここぐらいしかないかなと思った

  • 9二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 21:00:15

    このSSを見るかぎり【悟くんの前世が実はニホンオオカミだったら?】も入っているのか…

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/11(水) 21:50:14

    >>9

    でも誕生日ネタで実はフクロオオカミだったりして

    (ニホンオオカミとフクロオオカミはだいぶ違うらしいけど)

オススメ

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