【閲注?】相澤先生関連のSSを書いていく・3

  • 1124/09/14(土) 21:46:53

    先生関連のSSを書いていく
    スレ主が相澤先生最推しで夢BLNL左右非固定の人間なので何が飛び出てくるかわからねえ、覚悟してくれ

    こんな壁打ちスレが3つも続いてる!
    いつも感想有難うございます!楽しい!
    飽きるまで書き続けます!

  • 2124/09/14(土) 21:47:12
  • 3124/09/14(土) 21:47:39
  • 4二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:47:57

    ありがとう…!!!
    本当に今3度の食事と睡眠と同レベルで大事

  • 5124/09/14(土) 21:48:00
  • 6124/09/14(土) 21:49:13
  • 7二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:50:21

    たておつ

  • 8124/09/14(土) 21:51:57

    3スレ目まで続くとは思わなかった
    皆様にガチで感謝

  • 9124/09/14(土) 21:52:52

    とりあえず10まで

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:53:34

    SSありがとう
    これは書いてる途中にほのぼのエリちゃん挟みたくなるわ…ってなった
    切なすぎるけど相澤の遺志が果たされて本当に良かった
    けど生きてて欲しかったよおおおおお(情緒不安定)

  • 11二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:53:51

    スレ主さまの素晴らしい文才と切ねえ心情描写が苦しくて美しくて最高
    死に際と残された人間の思いほど美しいモンはねえよな

  • 12124/09/14(土) 21:54:38

    今書きたいのはいくつかあって
    ・体調不良の生徒を寮に戻す先生
    ・ポケモンのリオルを拾いマイクと香山のせいで名前が「可愛い」になっちゃった先生
    ・ポケモンバトル(ゲーム)が寮で流行りやりたがったエリちゃんに幾つかの戦術と氷テラスふぶき持ちカイリュー持たせる先生

  • 13二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:55:40

    無理しないで全部書いて欲しいです()

  • 14二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:56:49

    ほのぼの日常回をくださいお願いします

  • 15二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:57:09

    >>12

    体調不良ネタは普通にめちゃみたい

    ポケモンネタよくわからんけどかわいいような気がする

    見たい

  • 16124/09/14(土) 21:57:38

    ワイ対戦大して強くないくせに厨ポケ使いたくない逆張り野郎だから流行りの戦術がわからなくてバトル描写がちょっとできないかもしれんのがネック

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 21:58:16

    氷テラスふぶき持ちカイリューは極悪すぎて草
    先生えりちゃんになんつー恐ろしい戦略を教えてるんだよ

  • 18二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:04:12

    ポケモンやる先生めちゃくちゃ嫌な搦手使ってきそうでものすごく嫌 相手にしたくない(褒め言葉)
    状態異常使いこなしそう

  • 19124/09/14(土) 22:08:29

    >>17

    「これは上鳴さん!」

    「ピカチュウか、上鳴っぽいね(でんきだまとボルテッカー持たせて一番最初に出して退場させるか…」

    「これはデクさん!」

    「ヘラクロスか、目が緑谷っぽいね(自傷技ときあいのタスキ持たせてきしかいせいで一発狙うか」

    「私勝てるかなあ……」

    「大丈夫、これを先生だと思って連れて行って」

    「このドラゴンさん格好いい!」

    で最終的にカイリューが全部倒す

  • 20124/09/14(土) 22:09:49

    因みにカイリューの特性はマルスケ
    あんまり深く考えなくてもちょっと流行り出してランクマガチってない学生相手だったらギリ勝てる

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:11:08

    エリちゃんは『可愛い!!お兄さんたちに似てる!!』って選んでるのに先生の策略が全く可愛くなくて草も生えない

  • 22二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:11:50

    純粋な子どもとすぐにパーティ構築始める大人の差に笑うわこんなん

  • 23124/09/14(土) 22:13:38

    職員寮でポケモンがガチ流行りしてそれなりにポケモンに詳しくなる相澤先生が好きで……
    ポケモンバトルは事前に戦う面子を見せ合うんだけど「エリちゃんは初心者だから俺らはエリちゃんの手持ちは見ないぜ!」ってA組が気遣ってくれる
    なおそのせいでイレイザーって名前の付いたカイリューに全てを薙ぎ払われることになる

  • 24二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:15:25

    心が回復してくのを感じる
    ありがとう

  • 25二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:16:18

    ポケモンが一切わからないのが悔しい
    私ももっとスレ主たちが語ってることの面白さを感じたい

  • 26二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:16:26

    イレイザーって名前ついてる全てを薙ぎ払うカイリュー(氷テラスふぶき持ち)全く可愛くない 怖い 泣いちゃう

  • 27124/09/14(土) 22:16:34

    途中までは「まあエリちゃんの選んだポケモンだからいくら先生の知恵があるって言ってもギリ勝てるっしょ…」って思ってたのに三匹目(ポケモンバトルでは3匹使う)に出てきたのが相澤先生に似ても似つかないカイリューで
    「先生がカイリューはおかしいだろ!」
    「おこがましいですよ!」
    「これは先生の形見のカイリューさんです!」
    「おいこらせめてテラスタイプだけ教えろ!」
    「持ち物と特性も!」
    「うるさいぞお前たち」

  • 28二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:16:53

    ほのぼの対戦でマルスケカイリューは凶悪すぎるぜ先生
    しかもちゃっかり主力のカイリューに自分の名前付けさせてんの草

  • 29124/09/14(土) 22:18:04

    すまないポケモンは人生みたいなもので…
    好きなジャンルではとりあえずポケモンバトルをさせてしまう癖があって…
    ただポケモンバトルを書くだけの頭がないのでいつも挫折をしている

  • 30二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:20:13

    スレ主が楽しそうで嬉しい
    ちなみに持ち物は?

  • 31124/09/14(土) 22:20:25

    >>30

    チョッキ

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:20:27

    私はたまに大人気なくなる相澤消太が大好きなんだ
    ありがとうスレ主

  • 33124/09/14(土) 22:22:24

    >>25

    みんなで楽しくワイワイゲームしてるところに大人げない戦略を教えたエリちゃんを投入して教え子たちを蹂躙していく相澤消太だと思ってもらえれば…

  • 34二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:23:10

    >>31

    こ わ い 

    先生本当に大人気ないな

  • 35二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:25:45

    持ち物までガチガチに固めてくるの本っ当大人気ないぜイレイザー

  • 36ポケモンわかんない人24/09/14(土) 22:29:29

    めんどいだろうけどごめん
    カイリュー(チョッキ付き)の凄さを教えてほしい

  • 37124/09/14(土) 22:29:34

    本当はノーマルテラスしんそくカイリューにしようと思ったけどゴーストに対応できないからこっちにした

    リオル拾う先生はポケモンが普通に存在する世界の先生で
    本当はニャオハを育てようとしてたんだけど群れからはぐれたイロチのリオル(普通の個体と色が違うことをイロチっていうよ)を発見して保護してたら、それを見た香山山田白雲が可愛い可愛いって言いまくったせいで「自分の名前は可愛いなんだ!」ってリオルが勘違いし、そのせいで里子にもだせなくなって結局トレーナーになる相澤先生

  • 38124/09/14(土) 22:34:13

    >>36

    カイリュー、氷テラスタル、ふぶき、チョッキ、マルスケの順に説明してくぜ

    カイリュー→クソ強いポケモン

    氷テラスタル→今作で登場した「テラスタル」というポケモンのタイプをバトル中に変えることができる仕様。カイリューはドラゴンタイプだけど氷テラスを使うと氷タイプになる

    ふぶき→クソ強い技、更にポケモンはポケモンと技のタイプ一緒になるともっと強くなる。ふぶきは氷技なので、氷テラスと合わせるともっと強くなる

    チョッキ→特殊防御と呼ばれる防御力を上げてくれる持ち物。ポケモンバトルは持ち物を一匹につき一つ持たせられる。これのおかげで攻撃も出来るし防御も出来るクソ仕様カイリューが出来上がる

    マルスケ→マルチスケールの略、カイリューの特性。ポケモンは一匹一匹にそれぞれの特性と呼ばれるものが存在する。マルスケの特性はHPが満タン状態の時に攻撃技を受けるとそのダメージを半減するというもの

  • 39ポケモンわかんない人24/09/14(土) 22:35:44

    >>38

    なるほど

    攻撃力クソ高

    防御力クソ高

    防御を貫通して攻撃を入れられたとしても特定条件下でダメージ激減


    なるほど強い

  • 40ポケモンわかんない人24/09/14(土) 22:36:09

    >>38

    丁寧な説明ありがとう!

  • 41124/09/14(土) 22:38:49

    好きなキャラの実際の手持ち(ポケモンが存在する世界の手持ち)と、ゲームでの手持ちは全然違うと思うからそういうのも考えるの楽しい
    大昔ヒロアカにハマりたての頃は先生ブラッキーとか持ってそう~って思ってた

  • 42124/09/14(土) 22:39:22

    >>39

    そんな感じ!

    めちゃくちゃ勝手に盛り上がってるのに話聞いてくれて嬉しいぜ

  • 43二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:40:09

    ポケモン世界の相澤先生めちゃくちゃ見たい
    1匹1匹大事に育てるんだろうな

  • 44124/09/14(土) 22:40:59

    ポケモンの話だけで40も使ってしまった
    申し訳ない
    なんか書いて来る、寂しくなったら話に戻ってくるね

  • 45124/09/14(土) 22:51:31

    ごめん今考えたんだけど相澤先生がいつも捕縛布を投げてるからカイリューさんの技を「なげつける」に勝手に変えちゃってチョッキ投げ捨ててるエリちゃんと滅茶苦茶焦る相澤先生って可愛いなって思った

  • 46二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 22:51:35

    先生にデスカーン持っててほしい 似合うから

  • 47124/09/14(土) 22:54:25

    ダメだ……ワイが普段「カイリューなんぞに頼るのは邪道」とか思ってるから解像度が低すぎる……
    誰かポケモンバトルのプロット練ってクレメンス

  • 48124/09/14(土) 23:43:47

    書けたぜ

  • 49124/09/14(土) 23:44:02

     頭がぐらぐらと揺れる。
     気持ち悪い、吐きそう、きつい。
     重い瞼を開けると、視界がまだ定まっていない。ウチの少し下らへんに上鳴がいて、情けない顔をしてこっちを見ている。「大丈夫か?」「先生、目が覚めました!」って聞こえる。
     ちゃんと聞こえてるのにウチの耳に届いているのかよくわかんなくって。これ耳大丈夫かな。っていうかなんで倒れたんだろ、昨日ちゃんと寝たのに。

  • 50124/09/14(土) 23:44:25

    >>49

    「耳郎、意識あるか?」

    「せん、せ……」

    「大丈夫そうだな、おい上鳴。あんま騒いでやるな、頭に響く」

    「っ、は、はい! すんません!」

    「あの、ウチ……」

     段々と意識がはっきりとしてくる。声を出すとやっぱり耳に届いているのに違和感があって気持ち悪い。先生は「喋らんでいい」と言ってくれた。

     っていうか、ここ、どこだろ。なんで上鳴の声が下の方から聞こえてくんだろ。

  • 51二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:44:25

    ありがとう!

  • 52124/09/14(土) 23:44:45

    >>50

    「授業中に倒れてな。恐らく個性の影響だろう。俺が見たときは頭を押さえて倒れていた。素人判断だから断定はできないが、今個性が片側しかないから、その分調整が効かなくなったんじゃないか」

    「……えと」

    「返事もしなくていい。詳しい検査の為に病院に行って診断を貰う。そうしたらすぐにサポート科でアイテムを作って貰え。耳は脳に直結してる。何度もこんなことがあったらしんどいぞ」

     先生の言うことは、うん、間違いないと思う。

     最近個性を使うと変に頭に響く感じがしたし。でもあれ、だからここどこ? 先生の声、どうしてこんなに近くに聞こえてるんだろう。

  • 53124/09/14(土) 23:45:03

    >>52

     目を薄っすら開けると、上鳴がやっぱりこっちを見てる。そういえばアンタと一緒に訓練してたんだもんね、先生呼んでくれてありがとう。

     っていうか上鳴歩いてるな、これ。

     えまって。じゃあウチ、歩いてるってこと? いや全然足に力入ってないけど。ありえないでしょ。つまり誰かが運んでくれて……。

    「っ……!」

    「おい! 急に動くな!」

    「耳郎落ち着けって!」

     ここ、先生の背中じゃん!

     待って待って待っておんぶなんて親父にだってされたの十年以上前なんだけど! 

     あああああ先生捕縛布外してうちの顔に髪かかんないように括ってくれてる待ってごめんなさいそこまでしなくて良いです。

  • 54124/09/14(土) 23:45:27

    >>53

     やだめっちゃ恥ずい、こんな子供みたいなこと、個性の暴走で倒れて男の担任におんぶされるなんて、え、やだ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ。

    「っ……!」

     と、思えてたのはそこまで。

     急に、胃からせり上がる感覚がして、ウチは先生の背中に縋りついた。

    「っ……っ……!」

    「あーもー言わんこっちゃない」

    「耳郎ずっと気持ち悪いつってて、担架で運ぼうとしても気持ち悪すぎて無理つったんだよ、覚えてねえ?」

    「っ……!」

    「なんも言えんか、返事はしなくて良いから」

    「先生なら揺らさず運べるからおんぶしてもらってんだぞ、恥ずかしがんなよな」

  • 55二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:46:45

    体調不良A組概念…ありがとうございます

  • 56124/09/14(土) 23:46:48

    >>54

     そうなんですねすみません先生変なことしちゃって。

     いやでも今それどころじゃない。

     ちょっと動いたせいで今すっごく気持ち悪い、無理かもしれない本当に無理。

     頑張って抑え込もうとするけど、どうしよう耐えられない。上鳴が真っ青な顔で先生のことを呼んでる。お願い先生ウチのこと投げ捨ててください。

    「うぇ……」

    「わー! 耳郎! やべえって!」

     いやほんとにね。

     担任の先生の背中にゲロ吐くなんてマジでヤバイ。死にたい……。

    「上鳴、大声出すな」

    「いやでも」

    「出すな」

    「はい……」

  • 57124/09/14(土) 23:47:46

    >>56

     でも嘔吐感を抑えることが全くできない、次のがまた胃からせり上がって、先生の背中を汚した。申し訳なさで涙が出てきて、ゲロで濡れた背中に自分の顔が付く。

    「上鳴、タオル」

    「えっ、あ、はい!」

    「俺じゃなくて、耳郎の顔と背中に隙間に入れてくれ」

    「わ、わかりました! 耳郎、本当に少しで良いから顔上げられるか?」

     優しい言葉にもっかい死にたくなったけど、これ以上醜態を晒したくなくって頑張って顔を横に動かす。上鳴が撥水加工がされた新品なんだって自慢してくれたタオルをウチの顔の近くに入れて、ゲロに接触しないようにしてくれた。

    「ごめ、なさ……」

    「気にしなくていい。ヒーロースーツなんて消耗品みたいなもんだ。上鳴も、タオルはあとで経費で買い換えられるから気にするなよ」

    「えっ、マジ? 耳郎聞いた? これ実質儲けっしょ」

  • 58124/09/14(土) 23:48:46

    上鳴はアホさで人を救っていてほしいという願望
    あと次郎ちゃんは内面も好きだけどビジュアルがいっちゃん刺さってる

  • 59二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:49:10

    >>57

    優しい上鳴君と先生が沁みる…

  • 60124/09/14(土) 23:49:12

    >>57

     上鳴のアホな言葉が今は救いみたいに響いてくる。

     先生は相変わらず、歩いてるのが全然わからないくらい揺れずにウチを運んでくれる。よく見たら捕縛布で緩く先生の体に括り付けられていた。

     あ、だから力完全に抜けてるのにウチ落ちないんだ。ゲロは捕縛布にもついているけれど、先生はそんなこと全然気にした様子はない。

    「吐きたいなら吐いていいから。それよりも吐しゃ物が逆流したほうが問題だからな」

  • 61124/09/14(土) 23:49:28

    >>60

    「ん……」

    「だから返事はしなくていいって」

     先生は呆れたみたいに笑った。

     情けなくって涙が出て、気持ち悪くて辛くって。

     でも上鳴がずっともうすぐだぞ、病院近いぞって応援してくれて、先生があったかい背中で丁寧に運んでくれるからすっごい気持ちが楽になって。

     もっかい瞼を閉じると、意識が緩やかに落ちてった。

  • 62二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:50:45

    相澤先生優しい

  • 63124/09/14(土) 23:50:54

    >>61

    短いですがこれで終わりです!

    耳郎ちゃんは先生におんぶされたら一番恥ずかしがると思う

    先生はゲロで濡れても基本的に気にしなさそう、上鳴は先生にゲロを…!とは思うけど汚いとは全然思わない、それより心配が勝つ良い奴

  • 64二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:52:59

    リオルの話、チョビみたいだ

  • 65二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:53:19

    ありがとう!!!!!
    今これ

  • 66124/09/14(土) 23:55:33

    >>64

    意識してなかったけど動物のお医者さんは魂に刻まれてるからもしかしたら勝手に魂が参照したのかもしれない

  • 67二次元好きの匿名さん24/09/14(土) 23:58:55

    耳郎ちゃんも可愛いし先生かっこいいし本当にありがとうスレ主

  • 68二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:03:51

    みんなスレ主の話全部好きだと思うけどどれが一番好き?
    俺は一作目にずっと心を囚われてる

  • 69二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:12:04

    >>68

    すごい分かる

    バッシングを一身に受けて海外逃亡したのも好き

    先生+公安系が好き

  • 70二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:13:44

    ジャンルで…せめてジャンルで区切って聞いて…!
    シリアスとかギャグとかほのぼのとか…!

    それらを一緒くたにして一番を決めろなんて…!

  • 71124/09/15(日) 00:17:30

    >>68

    こういうの聞けるのなんか自分が人気者になったみたいで嬉しい

    いっぱい聞きたい


    すまん風呂って寝る!

    明日昼間多分寝てるからもし暇な人がいたら保守してくれると助かる!

    おやすみ!

  • 72二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 00:24:07

    乙!
    おやすみ&お疲れ様!
    今日も最高のSSを提供してくれてありがとう!

  • 73二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 01:01:07

    >>68

    一作目で完全にスレ主に惚れ込んだ人間なので一作目を上げたいけれどエリちゃんの話が見たかった話しすぎて一番って言うならそれかなあって感じ


    別件だけどスレ主これ匿名掲示板に置いとくのマジもったいないから最終的にハーメルンとかにまとめないか?

    全人類に見てほしい…

  • 74二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 03:25:51

    上鳴の言葉が優しい…相澤先生優しい…耳郎ちゃんよかったね…
    ほしゅ

  • 75124/09/15(日) 09:01:05

    バカだと笑って欲しいんだけど夜中に起きてずっとエリちゃん&相澤先生の対戦パーティを考えてた…
    楽しい…今から寝ます…

  • 76124/09/15(日) 13:46:11

    ごめんポケモンの話わからん人も居ると思うけどどうしてもポケモンバトルでカイリュー持たせる相澤先生書きたくなったから書いて来るね
    書きあがれば15時くらいに投げに来ます

  • 77124/09/15(日) 13:54:51

    >>76

    すまん15時は盛った。16時にきます

  • 78二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 14:01:55

    のんびり待ってるよ〜

  • 79二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 14:14:45

    大人げない先生楽しみだ
    ゆっくり待ってるね

  • 80124/09/15(日) 16:02:28

     A組では空前のポケモンバトルブーム!
     発端は一週間前寮で瀬呂がポケットモンスターシリーズのスカーレット、ヴァイオレットを持ってきて「最近対人戦にハマっててさ~」と言い出したことだった。
     ゲームが好きというイメージのない瀬呂が言い出したこともあってクラス内では興味の出た男子が対戦を覗き見し、その奥深さにズルズルと沼へと引きずり込まれていく。
    「ドラゴンタイプってやっぱり強いの?」
    「種族値が高い奴らが多いし使い勝手も良いから強いよ。でもフェアリーには弱い」
    「フェアリー? あ、タイプか。フェアリータイプはドラゴンを無効化出来るんだね」

  • 81124/09/15(日) 16:02:44

    >>80

    「なあなあ! このテラスタルってなんだ?」

    「そいつはバトル中にポケモンのタイプを変更することのできる新要素。例えば水タイプのこいつをいきなりゴーストにすると、かくとうやノーマルの技を無効化出来んだぜ」

    「うおっ、すっげえ!」

    「なあ瀬呂、これタイプは問題ないように思えるんだがどうして効果がないんだ?」

    「ああそれはポケモンの持ってる特性のせいだな」

    「特性」

    「ポケモンには種類ごとに特性が決められてんだ。こいつは『ふゆう』っていう特性を持っているからじめんタイプの技が通用しねえ」

    「特性って言うのはポケモンごとに一つだけなのか?」

    「いんや? 複数割り当てられてる奴もいる。ただ持てる特性は一つだけだから、どの特性を持ってるかは対戦中のお楽しみぃ」

  • 82124/09/15(日) 16:02:58

    >>81

    「なるほど……こいつも複数割り当てられてる奴か?」

    「ドータクンはそうだな。『ふゆう』と『たいねつ』と、あと『ヘヴィメタル』の三種類。『ふゆう』は効果抜群のじめんを無効化して、『たいねつ』は効果抜群のほのおを等倍に変える。『ヘヴィメタル』は自分の重さを二倍にするから重さが関わってくる技で有利になるんだ。で、どれを持ってるかは実際バトルの中で探るって感じだな」

    「そこの読み合いもあるんだな……有難う、勉強になる」

    「いや轟にそう言われると照れるな……」

    「なあ瀬呂~、この持ち物って何?」

    「ポケモンには一つ持ち物を持たせることが出来んだよ、そうすっと技の威力とかが変わったりすんの」

    「この『おまもりこばん』ってやつは?」

    「あー……それはNPCと対戦したときにもらえる金を二倍にするやつで……金策に……」

    「瀬呂カツアゲしてんの!? ゲームで!?」

    「ポケモンの育成にはお金がかかるの!」

  • 83124/09/15(日) 16:03:35

    >>82

     ……と、このように。

     元々個性を使った戦術を得意とするヒーロー志望者たちは次々にのめりこんでいった。勿論、ゲームである以上学業よりは優先順位が圧倒的に低い。結果として、授業や自主練等が終わった放課後のフリータイムがその時間に充てられる。

     今日はちょうど、エリがA組にご飯を食べに来ていた休日の夜だった。

    「ダメだポケモンムズすぎる。タイプ・特性・テラス・持ち物・相手の努力値まで読み切るの無理だって」

    「でも個性での戦闘では絶対に必要になってくる能力だよね、相手が何を考えてこのポケモンを選んだのか、どういう戦術を狙ってるのかっていうのは」

    「うぇ~い。こいつ一体いれば全部オッケーっていうオールマイトみたいなキャラいないの?」

    「環境上位のポケモンはいるけど、結局使うのが上手い人が勝つからな」

    「バカは勝てねえってよ!」

     男子たちがバカ騒ぎをしていると、エリがぽかんとした表情をしている。それにすぐに気づいた緑谷が視線を合わせて「うるさくしてごめんね」と謝った。

  • 84124/09/15(日) 16:03:57

    >>83

     他の男子たちもついていけない話題を出してしまったことに気付いたのか視線をジェスチャーで謝罪する。だがエリは先ほどの会話内容が気になるのか、緑谷の服の裾を引っ張った。

    「デクさん、ポケモンって何?」

    「え、えーと、ゲームのことだよ。自分で育てたモンスターを戦わせるんだ」

    「モンスターを……戦わせる……」

    「対人戦……えーと、人と戦うのはちょっとまだ難しいと思うけど、ポケモンはエリちゃんも好きじゃないかな。先生に頼んで買ってもらおっか?」

    「私も、戦ってみたい!」

    「えっ」

    「私も、みんなと、戦ってみたい!」

     エリは目をキラキラさせてデクにそう言った。

  • 85124/09/15(日) 16:04:11

    >>84

     戦う、という単語がお気に召したのだろう。いつも戦場では置いて行かれるばかりの子供だ。緑谷が助けを求める様に後ろの男子陣を見ると、助け船を出すように瀬呂が口を挟んだ。

    「で、でも最初は簡単に負けちゃってつまらないかもしれないよ?」

    「良いの、でも、ちゃんと戦ってみたい、です!」

    「う、う~ん」

    「良いんじゃねえのか」

     割り込んできたのは今まで黙って聞いていた爆豪だった。早々にご飯を食べ終わり後片付けをしてから右手のリハビリにいそしんでいる彼は、興味なさげに呟く。

    「一回バトってみてえんだろ。来週どうせA組でトーナメントやるし、そん時に参加させりゃ良いじゃねえか」

    「ええ……」

    「相澤先生に色々、教えてもらうから大丈夫です!」

    「先生ポケモンわかんないと思うけどな……」

     出てきた名前に緑谷は苦笑する。

  • 86124/09/15(日) 16:04:31

    >>85

     だが、相澤がエリを参加させるとなればそれなりに知識自体は仕入れてくるだろうし、そこまで酷い結果にはならないだろう。少なくとも「戦って楽しかった」くらいは思えるかもしれない。

     A組の連中に関しても、別にポケモンバトルがすごい上手いわけではなかった。まだ初めて一週間弱、それも学業の片手間に時々、という具合でネットの強い人たちと戦ったら普通に負ける。

    「まあ、でも……先生なら大丈夫かな?」

    「そうだな、先生ならちゃんと色々調べてくれるだろうし……」

    「頑張る! ます!」

     こうして、エリの参戦が決定した。

     相澤にそのことを伝えると地を這うような声で「……わかった」と言われてしまい、A組男子は背筋を震わせるのだった。


     ‡

  • 87124/09/15(日) 16:04:52

    >>86


     やってきた日曜日。

     ほぼ恒例になりつつあるA組ポケモントーナメント戦。エリは相澤と一緒にA組の寮へとやってきた。水色のカーディガンと、白のシャツ、紺のスカート。ポケモンバトルが流行らなかった代わりに女子の間で話題になっている、アニメポケモンのヒロインの格好だった。

    「エリちゃん、今日リコちゃんの格好やんな~、可愛い~!」

    「えへへ、マイク先生がやってくれました!」

    「プレゼント・マイクいい仕事するよね」

    「エリちゃ~ん、写真撮ろ!」

     女子たちに手招きをされるが、エリは立ち止まる。そしていつも以上にキリッとした顔で首を横に振った。

    「きょ、今日、は! バトルに来たので!」

    「お、おお……」

    「トレーナーの顔や~」

    「ほら、お前らどきなさい」

     相澤にしっしと手でどかされて女子勢は観戦ルームへと移動となる。無駄に凝っている対戦仕様は、バトルルームと観戦ルームが分かれている。

     対戦ルームの映像がすでに流れており、今からトーナメントの順番の発表がされるところらしい。

    『それでは、第一回戦は~!』

  • 88124/09/15(日) 16:05:17

    >>87

     瀬呂がボックスの中から紙を引く。

    『対戦者、エリちゃん!』

    『はい!』

    「エリちゃんしょっぱなか~」

    「持っているのかもしれませんわね」

    『続いて~チャレンジャ~』

    「瀬呂君ノリノリやんなあ」

     瀬呂がいつもよりもテンション高くボックスの中を探す。そして、これだ! というタイミングで手を引き上げた。

    『対戦者……げっ』

    「げ?」

     瀬呂の表情が固まっている。

     真っ青になった顔が、恐る恐る紙を全員に見える様に見せた。とたん、観戦ルームと対戦ルームで悲鳴が起こる。

    「爆豪くん!?」

    『一回戦カード、エリちゃんVS爆豪……』

    「ああ、瀬呂くんしわっしわや……」

    「相澤先生の顔が酷いわ」

    「緑谷が変わろうか? って言ってるけど」

    「エリちゃんは嫌がっていますわね……」

  • 89124/09/15(日) 16:09:41

    >>88

    「爆豪くんか~、相澤先生が選んだポケモンがどれくらい通用するんだろ~」

    「先生そもそもあんな忙しいのにポケモンなんてやる暇あったのかな?」

    「本編を殿堂入りさせないと育成が難しいようなので、一通りはやられているはずですけども」

     女子たちがワイワイ言っていると、対戦ルームからくじ引きの終わった男子たちが戻ってくる。瀬呂はしわしわの顔をして半泣きになりながら解説席に着いた。

    「俺明日死ぬかもしれん」

    「だ、大丈夫だって瀬呂くん! ゲームなんだしエリちゃん相手なんだし爆豪くんだって手加減するって!」

    「いや、かっちゃんはしないよ」

    「爆豪はしねえよ」

    「あいつはちゃんと倒すタイプだって」

    「爆豪くんは油断するタイプやないからなあ」

    「針の筵!」

  • 90124/09/15(日) 16:10:42

    >>89

     葉隠が必死にフォローするが誰も賛同者は居ない。葉隠自身も自分で言っていて「これはないな」とは思っていた。

     そうこう言っている間に両者が席に着く。

    「観戦者と対戦者はわけるのに対戦者同士は同じ部屋名の何で?」

    「煽りあい含めてのポケモンバトルだから」

    「先生をバチクソ煽る爆豪くんが見れるのか」

    「まだ煽るって決まってないから!」

    『ボッコボコの三タテ完全勝利決めたらぁ!』

    「あー、さっそく煽ってますねえ。解説の瀬呂さん、三タテってなんですか」

    「ポケモンバトルは三体でやるんですが一体で三体全部倒すことです。実況の耳郎さん」

    「バチバチの煽りやん」

     対するエリはやはり精悍な顔つきで『お願いします!』と頭を下げている。

     ここまでプレイヤーのマナーに差があると、やはりエリの方をどうしても応援したくなってします。

    「さて! もう始まってしまうものは仕方ないのでさくさく解説していきます! 解説は私瀬呂と」

    「実況は耳郎が行ってまいります、よろしくお願いします。瀬呂さん、今日は特別ルールなんですよね?」

  • 91124/09/15(日) 16:11:20

    >>90

    「はい! 普段のゲームのルールは6350……六体のポケモンをお互い見せ合い、その中から三体を選んで戦わせます。戦うとき、どんなに高レベルでも低レベルでもレベル五十に強制的に合わせられるルールです」

    「今日のルールは何が違うんですか?」

    「事前に見せ合うとき、エリちゃんはポケモンを見せなくて良い、という追加ルールですね」

    「それだとどんな利点があるんでしょうか」

     画面の半分を隠した爆豪が自分の手持ちを選択している。一方で、エリたちは特にそのような様子もなく相談をして一体一体を選んでいた。

    「まず、爆豪はエリちゃんの出すポケモンを全く予知できません。これはかなりのアドバンテージです。ポケモンバトルはある程度強くなると使用するポケモンが固定化されていくので、〇〇対策みたいな尖った仕様にする場合が多いんですよね。その対策が全くできないという事なので」

    「へー、勉強になるなあ」

     すっかり解説と実況が板についた瀬呂と耳郎の話を聞いてジュースを飲みながら麗日が頷く。画面の中が動き出した。

  • 92124/09/15(日) 16:12:15

    >>91

    「さあ、両者ポケモンを選び終わったようです!」

    「エリちゃん頑張れー!」

    「先生、ファイトですわ!」

    「爆豪! 漢見せろよ! でもエリちゃんは泣かすなよ!」

     観戦ルームの盛り上がりも知らず、画面の向こう側でゲームが始まる。

     真っ白な髪の女の子のアバターと、金パツの男アバターが対峙し、お互いのポケモンを場内へと登場させた。

    「一体目! 爆豪はミミッキュ! 対するエリちゃんは……ピカチュウ!」

    「う、うわー! マジでアイツ三タテする気じゃん!」

    「大人げなし……!」

    「か、かっちゃん……!」

    「えっ、わかんない解説解説!」

     女子が瀬呂に助けを求めると、瀬呂は頭を抱えて机で項垂れながら言葉を絞り出す。

  • 93124/09/15(日) 16:12:55

    >>92

    「……ミミッキュは……上位環境でもかなりつかわれてる強いポケモンで……」

    「え、そ、そうなんだ……ピカチュウは?」

    「……可愛いだけで、正直、ランクマで使われることはほぼないです」

    「そんな絶望的なんか……?」

     男子陣の落ち込みと悲鳴を見ても女子陣は正直あまりピンとこない。どちらも似たような見た目をしているとしか思えないのだ。

     可愛いだけ、と言われているピカチュウにはニックネームが付いており「かみなりさん」と書かれている。

    『この子は上鳴さんです!』

    「エ、エリちゃん……!」

    『なら容赦なくぶっ飛ばせるわ』

    「爆豪ごらぁ! 事故れ事故れ!」

  • 94124/09/15(日) 16:15:04

    こちらピカチュウ

    https://bbs.animanch.com/storage/img/3786072/1


    こちらミミッキュ

  • 95二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:15:20

    このレスは削除されています

  • 96124/09/15(日) 16:15:41

    >>93

     どうやらエリは強さよりも「この人はA組の人に似ている」という基準でポケモンを選んでいるらしい。

    「えーと、エリちゃんのは所謂趣味パってやつですね……強さよりも趣味で選んでる……これまじでボロ負けしちゃうかも」

    「そ、そんな……先生ちゃんと選んでくれなかったってこと……?」

    「それかやっぱわかんなかったんじゃねえか?」

    「エリちゃんポケモン嫌いにならんと良いなあ」

    「ゲームがだめでもアニメがありますわ!」

     最早エリが負けることを前提に話を進める女子陣と、お通夜ムードの男子陣。観戦ルームは祈りのような雰囲気が立ち込めていた。

    「えー、解説を行います!」

    「ヤケクソや」

    「エリちゃんのポケモンはピカチュウ。『でんき』タイプですね。上鳴をイメージしているようです。可愛いですね」

    「爆豪のポケモンは?」

  • 97124/09/15(日) 16:16:13

    >>96

    「ミミッキュと呼ばれる『フェアリー』タイプと『ゴースト』タイプのタイプ混合ポケモンです。ポケモンの技はタイプが一致すると威力が上がるので、『フェアリー』と『ゴースト』の威力を上げて攻撃できます」

    「もうその時点でピカチュウより強いやん」

    「両者最初の技を選択し終えました!」

     耳郎が遮るようにして叫ぶ。どうにか盛り上げていこうという気が感じられるが、観戦ルームはどちらかと言うと死刑執行を見守る人たちの気分だった。

     先手はミミッキュが取り、『つるぎのまい』を選択する。

    「ぎゃー! 積みやがったこいつ!」

    「マジで勝ちに行く気じゃん!」

    「解説の瀬呂さ~ん」

    「は~い」

     爆豪の行った選択に瀬呂は死んだ目で応答する。

    「これは所謂積み技という奴ですね。自分のステータスを上昇させるんですが、『つるぎのまい』は攻撃と特攻を二段階上昇させます」

    「そうなるとどうなるんでしょう?」

    「クソ強くなります」

  • 98124/09/15(日) 16:16:42

    >>97

    ミスった。上げるのは攻撃だけです

    特攻は上がらん

  • 99124/09/15(日) 16:17:12

    >>97

     解説を放棄した解説に、けれども耳郎はすでにいっぱいいっぱいだったので「なるほど」と返答した。

    「続いてピカチュウの攻撃! 『ほっぺすりすり』!」

    「え~? なにそれ可愛い~!」

    「そんな技あるんや!」

    「攻撃が当たってミミッキュが麻痺状態になりました!」

    「なんか『ばけのかわ』が剥がれたって書いてある!」

    「えーと、これはミミッキュの特性? ですかね。瀬呂さん、解説を……瀬呂?」

     急に黙った瀬呂を耳郎は見るが、口元を抑えて彼は固まっている。それどころか室内にいる男子全員、更には対面している爆豪も視線をギラリと光らせた。

    『……へえ、そういうことかよ』

    「どういうこと!?」

    「瀬呂くん! 解説解説!」

    「えっ、あ、おう。えーとな」

     解説者としてのキャラを保つことが出来ず、瀬呂は素で返答する。驚きが顔に出たままで、どうにか言葉をかき集めていた。

  • 100二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:17:18

    >>97

    >クソ強くなります

    雑で草

  • 101124/09/15(日) 16:17:54

    >>99

    「まず、ミミッキュが強いと言われている理由が特性の『ばけのかわ』なんよ。ミミッキュは登場時『ばけのかわ』に守られてて、最初に攻撃を何か当てないとこれが剥がれねんだ」

    「剥がれない状態で攻撃するとどうなるの?」

    「ゼロダメージの攻撃を受けた判定になってダメージが無効化される」

    「ええ!? ひどくない!?」

    「酷い。大体はこの間にさっきやった『つるぎのまい』とか他の先制攻撃される」

    「へえ~。だから強いって言われてるんだ」

     納得している女子の横で、緑谷がぼそりと呟いた。

    「先生は、特性をちゃんと理解してる……」

    「え?」

  • 102124/09/15(日) 16:18:22

    >>101

    「何も知らない状態でピカチュウ出してくるんだったら最初に十万ボルトとか出しちゃうと思うんだけど、でもわざわざ麻痺にする追加効果ありの技を出してきたってことは、先生はミミッキュのことも理解して技を選んでいるってことだ。ポケモンはたぶんエリちゃんの好きな子を選んでいると思うけど、技構成と……多分努力値振り分けとかは全部先生がやってるんじゃ……」

    「また知らない言葉出てきた! 努力値って何?」

     芦戸がついていけずに瀬呂に話を振る。

     男子陣も既に思考フェーズに入っているのかあまり人の話を聞いていないが、瀬呂はきちんと向き直った。

    「ポケモンには種族値、個体値、努力値の三つがあって、ポケモンそれぞれに割り振られてる種族値、一体一体個別に割り振られてる個体値、プレイヤーが勝手に割り振れる努力値を元に攻撃力とかが算出されるんよ」

  • 103124/09/15(日) 16:19:02

    >>102

    「種族値は勿論、個体値はほぼ理想値で固定されてるから実際プレイヤーが考えるのは努力値だけなんだよね」

    「それで変わるの?」

    「変わる。かなり変わる」

     話している傍から、画面の向こうでは技の選択に入る。

     瀬呂の解説は少し早口になった。爆豪は技の選択画面で珍しく長考していた。ちらりと視線がエリを通り越して相澤を見ている。

    「先生のこと見てる……」

    「今の技でだいぶ警戒したからだろうな。麻痺を起こすと素早さが下がってミミッキュは努力値を振り分けたピカチュウよりも足が遅くなるんだ。もし先手を取られると高火力の技を撃たれてかなり削られちまう」

    「あっ! 爆豪くん技選択したよ!」

     爆豪は威力が40と表示されている『かげうち』を選択した。隣にある「威力90」の『じゃれつく』には視線すら送らない

     男子陣は皆頷いている。

    「俺でもそうする」

    「なんで? 一撃で仕留めないといけないんじゃないの?」

  • 104二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:20:29

    初っ端から先生の戦略エゲツなくて草

  • 105124/09/15(日) 16:20:51

    >>103

    「『つるぎのまい』をしたミミッキュなら威力40でもゴースト技でタイプ一致だし防御に努力値振ってないピカチュウを一撃で倒せる。なにより必ず先制できるっていうメリットがあんだ。なにより『じゃれつく』は命中率が90だから外す可能性がある」

    「90なら当たるじゃん」

    「外れんだよ」

     エリも遅れて技を選択し終えた。

     攻撃が始まり、当然先制のミミッキュが『かげうち』を放つ。当然、その威力はすさまじくピカチュウの柔らかい防御力を貫通して戦闘不能に……

    「と、止まった?」

    『あ゛?』


     ならなかった。


     緑のHPバーはギリギリ、赤い部分で止まってしまう。何度見てもそれよりHPが下がることはない。ぽかんとしている一同は置き去りになってしまった。

  • 106124/09/15(日) 16:22:20

    >>105

     そのすぐあと、ピカチュウの攻撃が始まる。

    『いくよエリちゃん』

    『はい! かみなりさん!』

    「はい!」

    「お前じゃないよ」

     峰田の冷静なツッコミが冴えるが、画面の向こうは聞いていない。


    『ターゲットエレクト!』

    「ボルテッカーだ!」


     ピカチュウから放たれた上鳴のターゲットエレクト……ではなくボルテッカーはミミッキュに一直線に向かい、激突する。

     大興奮の瀬呂の絶叫、男子たちの悲鳴、そして女子たちの戸惑い。部屋のボルテージは一気に上がる。

     とんでもない勢いでミミッキュのHPが削られていき、そのまま緑のゲージはあっという間になくなって戦闘不能に陥った。

  • 107124/09/15(日) 16:23:06

    >>106

    『クッソが……!』

    「見たか爆豪! 俺の強さを!」

    「お前じゃないよ」

    「あっ、でも見てください! かみなりさんのHPゲージ! どんどん減っていきますわ!」

    「お、俺ー!」

     ピカチュウはそのまま戦闘不能へと陥る。

     余りの光景に全員が一斉に瀬呂を見た。瀬呂も口元を抑えているが顔を引き締める。

    「……まず、最初のピカチュウの耐え。俺らは素早さに努力値を振ったと思っていたけど、ピカチュウは防御に振っていたんだ」

    「防御力に?」

    「それって駄目なんですの?」

    「駄目ってわけじゃないけど……まあポピュラーではない。ピカチュウって種族値低いから防御上げてもあんま意味なくって……耐えるくらいなら素早さに振って先手取ったほうが良いんだよね」

  • 108124/09/15(日) 16:23:52

    >>107

    「でもそうしなかった」

    「……多分だけど、かっちゃんの最初の言葉じゃないかな」

    「最初?」

    「ほら、三タテするって言ってたでしょ? ミミッキュなら『ばけのかわ』で安全に一ターン目積みも出来るし一匹で全部倒すのも結構楽にできるんだよ。だから先生は最初にミミッキュが来ると踏んで、ピカチュウをわざと当てた……?」

    「剣舞したミミッキュの『かげうち』予測して耐えてでんきだま持ちピカチュウのボルテッカー当てたってことか? そんなことできんのかよ」

     観戦ルームは混乱の渦に陥る。

     そんな中、対戦ルームから声が聞こえてきた。

    『このあいだミミッキュの最強レイドがあったからな、楽に育成できる以上こいつを手持ちに入れてくるのは読めてた』

  • 109二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:26:28

    おもしろ
    普通に勉強になる

  • 110124/09/15(日) 16:26:39

    >>108

    「最強レイド?」

    「ゲーム内で開催されてる強いポケモンを皆で捕まえるイベントだよ」

    「僕らは時間が無いからそういうところでクラスのみんなと強いポケモンを集めてるんだ」

    『で、最初の三タテ発言。出してくるなら使いやすいコイツだろうなと思ったよ。単純で助かった』

    「せ、先生煽る~!」

     爆豪の苛立ちがこちらまで伝わってくる。

     だが相澤は素知らぬ顔でエリとハイタッチをしていた。

    『先生! 勝てました!』

    『まずは一勝だね』

    『上等だコラ……! 次のポケモン選べや!』

     対戦ルームの雰囲気は更に険悪になっていく。

     だが比例して、観戦ルームの熱気も上がっていく。もはや先ほどまでのお通夜な雰囲気はどこにもなかった。

    「これわからんぞ……!」

     そして二体目のポケモンが場内に登場した。

     全員が固唾をのんで見守る。

  • 111124/09/15(日) 16:29:31

    >>110

    とりあえずここまで!


    ガチでバトルするなら正直ピンポイントのポケモン狙って種族値振るとかあんまり現実的じゃないので、雄英生でみんなが合間合間に育成してるから予測がしやすい、という設定にした

    あんまりバトルを考える頭がないからおかしいところとかガチ勢から見たら笑えるところとかあるかもしれん

    優しく見てくれると助かる

  • 112二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:31:55

    ド趣味ポケでゆるーくしか対戦やらん俺割と参考になって楽しい ありがとう

  • 113二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:34:13

    >>105

    >>「外れんだよ」

    ここスレ主の恨みが見えて好き

  • 114124/09/15(日) 16:35:41

    >>111

    種族値じゃねえ努力値

  • 115124/09/15(日) 16:36:19

    >>113

    命中90は外れるんですよ

    100も信用できないし必中しか信用してない

  • 116124/09/15(日) 16:36:34

    >>112

    そういう人に楽しんでもらえて嬉しい!

  • 117124/09/15(日) 16:37:29

    ポケモン知らん人でも楽しめる様に出来るだけ解説多めのスポーツ漫画みたいな感じにしたいと思ってる
    なんか知らん競技をやってるA組だと思って楽しんでもらえたら嬉しい

  • 118二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:41:04

    自分の命中90は外すのに相手のさいみんじゅつしっかりかかった時の絶望感半端ない
    相澤先生とか大人げない生徒達は的確にさいみんじゅつ使ってきそう

  • 119二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:41:05

    話が変わるが話せそうなところがここしかないから投げておく(最終回ネタ含む)

    Writeningwritening.net

    パスワード「1108」

  • 120二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 16:46:25

    >>82

    ゲームでカツアゲしてる瀬呂草

  • 121124/09/15(日) 16:52:56

    次は21時くらいに来ます!

  • 122二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 17:05:04

    >>101

    ポケモンやらないからわかんないんだけど1ターンダメージ無効化できるってことなの?ズルじゃん!って声出ちゃった

  • 123二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 17:10:22

    >>122

    めちゃくちゃズルいポケモンなんですよミミッキュ

    こいつが相手にいるだけでめちゃくちゃ戦いづらいし弱点少ない+一回無効化だから本当にズルだろ!!って叫びたくなる

  • 124二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:27:29

    今きたら新作2個も上がってて嬉しい!
    生徒に優しい相澤先生も気にする耳郎ちゃんもアホさで和ませる上鳴もみんなかわいくてほっこりした
    かっちゃんがミミッキュとかのガチポケ使ってくるの想像通りだww

  • 125二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 20:36:54

    >>75

    これ見て本当にスレ主ポケモン好きなんだなあってにっこりしちゃった

    スレ主が楽しそうで嬉しいよ

  • 126124/09/15(日) 21:02:26
  • 127124/09/15(日) 21:03:12

    >>110

     全員が固唾をのんで見守る。

    「爆豪が出してきたのは……アシレーヌ! エリちゃんが出してきたのは……ヘラクロス!」

    「アシレーヌ可愛い~! 爆豪似合わな過ぎ!」

    「またガチなポケモンを……」

     アシレーヌの可愛さに女子がざわめき、男子は気が滅入るような表情をしている。対極な姿に芦戸は首を捻った。

    「そんなに強いのこの子?」

    「強い」

     男子は苦々しい顔で頷いた。

    「まずタイプが強い。アシレーヌは『みず』と『フェアリー』の複合タイプ。『フェアリー』はドラゴンの攻撃を完全に無効化するし、他にも威力が半減する相手が多すぎる。攻撃面もかなり優秀で、特殊攻撃力……特攻もかなり高い。回復技も豊富で耐久面も悪くないし対面だったら引きたくない相手なんだわ」

    「き、聞くだけで強い……!」

    「爆豪は炎タイプ使いそうってイメージがあっから最初こいつを出された時はかなりビビった」

    「エリちゃんのヘラクロスは!?」

    「名前がデクくんだよ!」

    「えっ!? あ、本当だ!」

  • 128124/09/15(日) 21:04:01

    >>127

     どう見てもカブトムシにしか見えないポケモンに自分の名前がついていて緑谷は驚く。「デクさん」と名付けられたヘラクロスは虚無顔で画面の向こうからこちらを見つめていた。

    『今度はデクさんです! お目目がそっくりなんです!』

    「エリちゃん……!」

    「確かににとるかも……!」

    『ぜってーブッ殺 す』

    「かっちゃん……!」

     かみなりの時よりもずっと本気の声音に緑谷は項垂れた。

     瀬呂はヘラクロスのことを携帯で入力して検索し始める。

    「えっ、どうしたの瀬呂?」

    「わり、俺正直このポケモン対面でも見たことないしどんな能力持ってるのかわかんねえんだわ」

    「瀬呂でもそうなんだ……」

     そう言って瀬呂は企業wikiへと行ってヘラクロスの図鑑ページを開く。そこに表示されている内容を見て眉根を顰めた。

  • 129124/09/15(日) 21:04:51

    >>128

    「……タイプ『むし』と『かくとう』か」

    「えっ、ダメなの?」

    「この場だと大分ダメだ。入れ替えないと次のターンで詰んじまう」

    「『フェアリー』は『かくとう』に効果抜群なんだ。アシレーヌの特攻を考えると何も積まなくても『ムーンフォース』っていう『フェアリー』タイプの強い技で一撃で沈んじゃう」

    「そんな」

     解説を受けて女子たちの表情が曇る。

     だが、画面の向こう側のエリと相澤は何も恐れていないようで、平然と技の選択をした。

     両者技の選択をし終える。今度はあまり悩むことはなかったのか早い決断だった。

    「先制はヘラクロス! 『つるぎのまい』!」

    「うっそだろ積んだ!?」

    「この状況で!? もしかして技の選択間違えた……!?」

  • 130124/09/15(日) 21:05:56

    >>129

    ヘラクロスの行動に男子たちは驚きを隠せない。

     女子も、先ほどの説明を聞いた限りでは理解できないという表情だ。だが画面の中の爆豪だけはただひとつの侮りも見せずにゲーム画面を見つめている。

     深い思考をしているときの幼馴染の顔に、緑谷はぞくりとする。

    「続いて後攻! アシレーヌの『ムーンフォース』!」

     フェアリータイプの技がヘラクロスに襲い掛かる。

     こうかはばつぐんだ!

     その文字と強烈な音と共に、一瞬でヘラクロスの体力が削られていく。緑色のバーは気持ち良いくらいの速さで消えていく。

     だが、最後の最後。

     僅か一を残してゲージが止まる。

    「こっ、これは……!」


    「タスキ耐えだー!」


     瀬呂が思わず大絶叫する。

  • 131124/09/15(日) 21:07:09

    >>130

     ワンテンポ遅れてゲーム画面にも「きあいのタスキでもちこたえた!」の文字が表示される。

    「これは……持ち物の効果?」

    「『きあいのタスキ』っていう持ち物の効果だ! HPが満タンの状態でひんしになる攻撃を食らうと、必ず一で耐える!」

    「じゃ、じゃあ次の技は……」


    「『きしかいせい』!」


     わからぬ女子陣を置いて男性陣が盛り上がる。

     あまりのテンションの高さに引いていると、一歩下がったところで見ていた上鳴が女子陣に耳打ちをした。

  • 132124/09/15(日) 21:08:07

    >>131

    「えーと、タスキ耐えきしかいせいっていうコンボ技があるんだよ」

    「タスキで耐えて『きしかいせい』って技を使うの?」

    「そう。『きしかいせい』はHPが少ないほど強い威力になる『かくとう』タイプの技で、一で耐えてる今なら『つるぎのまい』の効果もあって凄い威力になると思うぜ」

    「アシレーヌとは相性が悪いのに倒せるの?」

    「今ダメ計算してる! ……倒せる! 一確!」

    「翻訳」

    「一撃で確実に倒せる」

     上鳴がしてくれる翻訳に女子陣はやっと頷きを返すことが出来た。

     だが一人、緑谷は浮かない顔をしている。

    「どうしたのデクくん?」

    「いや……そんな簡単な問題じゃないかもしれない」

    「えっ?」

     緑谷は画面の中を注視した。

     そこでは爆豪が真剣に悩みながら技を選択している。

  • 133124/09/15(日) 21:08:58

    >>132

    「かっちゃんの最後のポケモンはラウドボーンっていう『ゴースト』と『ほのお』の複合タイプポケモンなんだけど……『ゴースト』は『かくとう』の効果を無効化するんだ」


    「それが何……あっ! 交代しちゃったら効果がなくなっちゃう!」


     気付いた麗日に、観戦ルームもピリッと緊張感が張り詰める。


    「そっか……そんで、相澤先生たちもそこらへんは警戒してる。向こうは爆豪の手持ち六体を最初に見てるわけだからな」


    「しかもかっちゃんのラウドボーンは特性が『てんねん』って言って、相手の能力変化……この場合はヘラクロスが積んだ『つるぎのまい』効果を無効化しちゃうんだ。相澤先生たちはそれを知らないけど、当然先生なら強いポケモンの特性くらいは頭に入れてるからそこも警戒してるはず」

  • 134124/09/15(日) 21:09:58

    >>133

    「爆豪くんが交代しちゃったら『きしかいせい』は不発、そのあとも上がった攻撃が無効化されちゃうから簡単には倒せないし、寧ろ倒されちゃう可能性の方がずっと高い……」


     全員が悩んでいると「つまり」と瀬呂が言葉を引き継いだ。


    「エリちゃんたちもそこらへんを考えて、別の技を選択してる可能性がある」


    「えっ」


    「『つるぎのまい』をしてタスキ耐えをしてあからさまに『きしかいせい』を狙っているように見せ、その実後ろに居るポケモンにも効く技を選んでいるかもしれない」


    「でもそれってメリットあるの?」


    「たぶん『きしかいせい』を狙って組み込んだポケモンだとは思うけど、作戦がハマらないことは全然あるし、用心で別の技を入れることだって珍しくない」

  • 135124/09/15(日) 21:11:43

    >>134

     二人が別の技を出すか、爆豪が引っ込めるか、二人が『きしかいせい』を出すか、爆豪が受けるか。どうなっても勝負はここが分水嶺のようだった。


    「っ、見て! 二人が技を選び終わったわ!」


     蛙水の言葉に全員が画面を見る。

     エリちゃんに勝ってほしいような、爆豪に負けてほしくないような、相澤先生に裏を掻いてほしいような、そんな複雑な思いが混ざり合って、ターンが始まった。


    「爆豪、交代、しない!」


    『っ、クソ!』

    『はっ、読めてんだわ!』

    「ヘラクロスの『じしん』!」


     三体目として控えていたラウドボーンにとっては効果抜群になる『じめん』タイプの『じしん』を放つ。だが、当然リスクを負わない通常の技の為攻撃力は『きしかいせい』には及ばず、アシレーヌのHPは四分の一ほど残ったところで止まった。

  • 136124/09/15(日) 21:13:33

    >>135

    『クソがぁ! これで終わりだ!』


    「アシレーヌの『クイックターン』! 攻撃をして……爆豪の手持ちに戻っていく!」


     HPを一だけで保っていたヘラクロスは攻撃を受け、あえなく倒れてしまう。

    「『クイックターン』は『みず』タイプの技で、攻撃と交代を一度にできる便利な技なんだ。そして、ここで……ラウドボーンに交代!」

    「エリちゃん相澤先生ペアは残り一体……! 爆豪はHPを削られてるけどアシレーヌと、まだまだ元気なラウドボーンの二体が残ってる!」

     観戦ルームからは悲鳴と感嘆が漏れる。

    「あそこ読み切るのか……爆豪すげえ」

    「俺なら『きしかいせい』絶対来ると思って交代しちまう」

     対戦ルームでは一瞬悔しさをにじませた相澤と、不安そうな顔をしているエリが居る。不安げな顔で見上げてくるエリに相澤は『大丈夫だよ』と言っていた。

  • 137124/09/15(日) 21:15:12

    >>136

    『先生……デクさん倒されちゃった。ごめんなさい』

    『緑谷はそんなことで怒るような奴じゃないから』

    「そうだよ! 怒らないよ!」

     緑谷が必死に訴えるが、こちらの声は届かない。

     エリは不安げな表情のまま、泣きそうになっている。爆豪も空気を読んでいるのかしっかりと黙ったままだ。

    『勝てないのかな……』

    『大丈夫、俺が渡してあげた奴が居るだろう? その子ならこの状況でも絶対に勝ってくれるから、信じて』

    『……っ、はい!』

     エリは泣きそうな表情を押し殺して、もう一度爆豪に向き直る。


    『最後のポケモンは、先生の代わりだと思ってねって言ってもらったポケモンさんです! この子でかっちゃんさんのこと、倒します!』


    『はっ! でけェ口叩きよるわ! 叩き潰してやるぜ!』

  • 138124/09/15(日) 21:17:59

    >>137

    「発言がヴィランなんだよなあ」

    「エリちゃん頑張れ……!」


    「先生の代わり……か。絶対『あく』とか『ゴースト』だよな……うちのトーナメントは準伝説以上禁止だし、マスカーニャとかか?」


    「アニメでリコちゃんが使ってる子の進化系? 先生猫好きだしあり得るかも!」

     上鳴はマスカーニャのことをウェブで検索する。

     出てきた情報には『くさ』タイプと『あく』タイプの両方の記載がされていた。『くさ』タイプは『ほのお』タイプに弱いけれど、『あく』タイプは『ゴースト』に強い。

    「確かに、マスカーニャならワンチャンあるな……! 『ふいうち』しまくれば全然いける! そのあとのアシレーヌにも有利とれるし!」

    「頑張れエリちゃん!」

    「頑張れ!」

  • 139124/09/15(日) 21:19:09

    >>138

     全員の声が一致団結する。

     エリは、気合を入れてAボタンを押した。


    『いけっ! イレイザー!』


     そう言って、出てきたポケモンは。

     ポンッというコミカルな音と共に現れたポケモンに、一同は本日何度目かもわからない絶句をした。

     当然、画面の奥の爆豪も目を点にしている。


    『は?』


    「……え」


    「なにこれ」


    「マスカーニャ?」


    「いや全然違う」

  • 140124/09/15(日) 21:20:28

    >>139

     全体的に黄色いトカゲのようなフォルム、羽の生えたドラゴンらしい姿。上鳴が携帯で調べてくれた猫のポケモンではない。

     暫くの沈黙の後、観戦ルームと対戦ルームでほぼ同時に怒号が起きた。


    「カイリューじゃねえか!」


    『カイリューじゃねえか!』


    『イレイザーです!』


    『どーも。イレイザーです』


    「うっそだろあんまり強くないけど試行錯誤でやってきたのにここにきてガチポケ投入しやがって!」


    「なぁにがカイリューだ! 流石に烏滸がましいぜ先生!」


    『てめえどのツラ下げてカイリュー名乗ってんじゃゴラァ!』


    「そうだそうだ!」

  • 141二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:22:19

    >>140

    こ れ が 見 た か っ た

  • 142124/09/15(日) 21:22:50

    このシーンの為に書き続けてきたと言っても過言ではない

  • 143二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:23:55

    先生、先生きゅるきゅるフォルムのドラゴンガチポケに自分の名前つけてるのは流石に烏滸がましいし大人げないっす先生

  • 144124/09/15(日) 21:24:37

    >>140

    『酷い言い草だ。気にしなくて良いからねエリちゃん』

    『? はい!』

     エリは純粋な顔で頷く。

     その顔を見ると流石の爆豪もこれ以上は言えないのか、それともいうのを諦めたのか口を噤んだ。

    「爆豪! お前そんなんじゃないだろ! もっと暴言吐いてけ! ポケモンバトルは煽ってなんぼだろうが!」

    「先生がガチ調整したカイリューかこれ? うっわ考えたくねえ~」

    「ねえそんなに酷いの?」

    「酷い」

    「この場面で出てきたら俺なら通信切る」※やめましょう

    「そ、そんなに……」

  • 145二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:24:37

    非難轟轟で草
    まあそりゃそうだよな

  • 146二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:25:42

    やめましょう草

  • 147124/09/15(日) 21:26:36

    >>144

     女子陣はやはりよくわからないのか、男子の絶望感に溢れた表情を見て首をかしげる。緑谷が苦笑いをしながら解説に加わった。

    「ええと、カイリューは……どんなシーズンのランクマッチでも必ず使用率ほぼ一位に居るポケモンなんだ」

    「一位!?」

    「攻撃も特攻の高さは勿論、素早さもあって耐久することも出来る。強い技をたくさん覚えるし、特性も強いのが多い。上位陣は大体パーティに一体は入れてるんじゃないかな」

    「そ、そうなんだ……」

    「じゃあ爆豪も使えば良いじゃん」

    「うーん……なんていうか……特性の問題があって……結局別の子で良いよねってなっちゃったんだよね」

    「どゆこと?」

    「おい! 始まるぞ!」

  • 148124/09/15(日) 21:27:45

    >>147

     苛立ちながら選択し終えた爆豪と、鼻息荒く選択したエリ。どんな技が飛び出すのか、と思ってみているとイレイザーと名付けられたカイリューが先制した。

    「カイリューの『なみのり』! おいざっけんな普通に『ほのお』対策してきやがったぞこいつ!」

    「この人最終的にこいつ一体で全部押し切るつもりだっただろ! 誰だハンデ与えたの!」

    「俺らだよ!」

    「男子の悲鳴が凄い……」

     ラウドボーンの体力がオレンジ色のところまで削られる。爆豪は巨大な舌打ちをしたが、事態が好転することはない。

     後攻はラウドボーンの攻撃。

     ……だが。

    「ラウドボーンの『フレアソング』! ……あれ、なにこれ」

    「ほんとにちょびっとしか削れなかったよ?」

    「そういう技なの? せ……瀬呂が頭抱えてる!」

     僅か数ミリしか削れないその光景を初めて見る女子陣は瀬呂に助けを求めるが、うめき声をあげて頭を抱えている彼に体をびくつかせる。

  • 149124/09/15(日) 21:28:39

    >>148

    「えっ、なになに」

    「マルスケ……『マルチスケイル』、カイリューの夢特性」

    「夢特性?」

    「特別な特性のことだよ。かっちゃんのラウドボーンの『てんねん』もそうなんだけど、野生では手に入らないからさっき言ってたレイドとか交換とか……あとはレイドで手に入る特性を変える道具を使わないと手に入らないんだ」

    「カイリューのレイドは人気だし、予定が合わなかったせいで最強レイドも出来なかったし……俺らは作れなかったんだよ」

     恨み節の様に言う男子陣に、芦戸は首をかしげる。

    「結局その『マルチスケイル』ってなに?」

    「HP満タンの時に攻撃を受けたら半減させる」

    「私たちに例えてわかりやすく言って」


    「超元気な円場が一回だけ緑谷の本気殴りを半減させる」


    「コワッ、そんなこと許されていいの?」

    「俺はダメだと思う」

  • 150二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:29:40

    イレイザーの人でなし!!!鬼!!!あくタイプ!!!

  • 151124/09/15(日) 21:29:42

    >>149

     そうこうしている間に二発目の『なみのり』が入り、ラウドボーンが倒されていく。一同は皆「可哀想に……」という表情をしていて、先ほどまでの熱は失われていた。

    「ちょっと! 盛り下がらないでよ! まだ最後のアシレーヌが居るじゃん!」

    「いやこれ無理だろ……」

    「たぶんかなり調整されてるってこのカイリュー……さっきのHPの減り方見るに特防に努力値振ってるしチョッキも着せてる」

    「チョッキって?」

    「『とつげきチョッキ』って言う持ち物。特防を1.5倍にする」

    「アシレーヌは特殊攻撃型だからちょっと難しいよな」

    「でも待って!」

     緑谷は何かに気が付いたように声を上げた。

    「どうしたんだよ」

    「……このカイリュー、特殊型だよね。だったら、まだ勝ち目はあるかも」

  • 152124/09/15(日) 21:30:52

    >>151

    「どういうこと?」

    「そっか! 爆豪のアシレーヌが特殊受けの可能性か!」

     俄に男子たちが活気づき始める。

     完全にお通夜ムードだったとは思えない息の吹き返し方に「男って本当に馬鹿」と女子の誰かが言った。誰も反論はしなかった。

    「爆豪って前アシレーヌ使った時チョッキ着せてたよな?」

    「おう。あれのせいで俺が何度苦汁を飲んだことか」

    「男子が楽しそう」

    「まあお通夜よりは良いよ」

    「お茶が入りましたわ」

    「ありがとヤオモモ~」

     テンションの乱高下についていけず、女子は少し遠巻きに見始める。八百万の淹れた紅茶の匂いが部屋の中に充満したが、男子たちのアドレナリンは放出をやめていないようだった。

  • 153124/09/15(日) 21:32:29

    >>152

    「……爆豪が採用してるかわからんが『フェアリー』タイプの『ドレインキッス』を入れてれば効果抜群で回復も出来る!」

    「な、なるほど……!」

    「問題は初ターン……! ここで物理攻撃の『しんそく』を出されたら残りHP的に終わる!」

     アシレーヌは四分の一ほどしかHPが残っていない。オレンジ色のHPバーを男子たちは睨みつける。

     女子は優雅に茶をすすっていた。

    「ケロ。まるであるのが当然みたいな言い方ね」

    「それは必ずカイリューが覚えてるもんなの?」

    「覚えてるもんなの!」

     希望が見えてきた室内で、タイミングよく爆豪が最後のアシレーヌを場に出した。全員が固唾をのんで見守る中、二人の技選択が終わる。

  • 154二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:32:32

    最初エリちゃんサイドだった男子達が完全に爆豪サイドになってて草

  • 155124/09/15(日) 21:34:14

    >>153

     エリは何かを相澤に言っていたようだが、マイクは音を拾うことが出来なかった。

    「さあ、最後の攻撃……!」

    「ああーっと!? これは!?」

     画面の中でキラキラと光ったボールがアシレーヌに投げつけられる。今作から導入された新しい要素……。


    「テラスタルだ!」


    「ここで!?」

     

     戦闘中に一度だけポケモンのタイプを変えることが出来るそれが、カイリューに投げつけられた。

    「なんだ!? 何が来る!? 何が来る!?」

    「ドラゴンか!?」

    「このタイミングでドラゴンはないだろ! 相手フェアリーだぞ! 水こい水!」

    「水をこのタイミングでやるわけないだろ!」

     カイリューに光が集まり、収束し、結晶のように固まり、そして……はじける。

  • 156二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:35:20

    来たな…

  • 157124/09/15(日) 21:35:36

    >>155

     薄水色の雪の結晶が頭に浮かんだカイリューが現れた。室内が歓喜の声に包まれる。


    「氷テラスタル!」


    「ってことは次はふぶきか!? 冷ビか!? 特殊攻撃だよな!?」


    「氷テラスカイリューにふぶき冷ビ覚えさせてんじゃねえよ! だけど今はそれでいい!」


    「効果抜群が消えちまったのは痛いが……でもこれでまだ行ける! ギリ耐えられる!」

  • 158124/09/15(日) 21:36:29

    >>157

     室内の盛り上がりは最高潮だ。

     爆豪も口の端が吊り上がるのを抑えながら、画面を注視する。後ろに居る相澤と女子陣だけが静かだった。


    『いけ、イレイザー!』


     エリが高らかに宣言をする。


    『『しんそく』!』


    『なんでだよ!』

    「なんでだよ!」


     全員のツッコミもむなしく、イレイザーはアシレーヌを蹂躙した。


    『おいなんで今技氷なのにテラスタルした!? 『しんそく』は『ノーマル』技だろうが!』

    『キラキラできれいだったから……一回バトルでやるの見たかったの……』

    『っ……! っ……!』

  • 159124/09/15(日) 21:37:21

    >>158

    「きれいだったからか……」

    「ならしょうがないか……」

     戦闘不能になったアシレーヌに観戦ルームはすっかり落ち込んでしまったが、可愛い笑顔で笑うエリに、「まあ先生に負けたと思えば……」と納得することにしたらしい。


     ‡


     結局あの後、エリはトーナメントを最後まで勝ち上がることはできなかった。あまりにも相澤の助言が無法だったので一人で戦わなければいけなくなったせいだ。

  • 160二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:38:44

    >>159

    残念でもないし当然

  • 161二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:39:01

    絶対にイレイザーとバトルしたくない 怖い ボッコボコにされるぞこんなの

  • 162124/09/15(日) 21:39:04

    >>159

     それでも二回戦目まではどうにか勝ち残り、準決勝でカイリューの対策をガチガチにされて負けてしまった。まだまだ未熟だったが「ポケモンバトル、自分で出来るようになります!」と言っていた彼女の顔は眩しかった。

     そんな、彼女が帰った後の寮で。

    「先生はなんでポケモンできるんですか?」

     瀬呂がエリを送り届けた後後片付けに参加していた相澤に聞いていた。

    「……教員寮でな、流行ってんだよ」

    「えっ、教員寮で!?」

    「最初は息抜きのつもりでな……誰が始めたのかも覚えてないが。そうしたら負けず嫌いの集まりだから、まあ、みんながみんなああなっちまって」

  • 163二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:39:53

    このレスは削除されています

  • 164二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:42:02

    このレスは削除されています

  • 165124/09/15(日) 21:43:37

    >>164

    こちらで以上です!

    楽しかった!満足!


    途中でかっちゃんがヘラクロスのじしん読み切ってアシレーヌで耐えたところ自分でも考えてて天才だな…ってなった

  • 166二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:44:27

    ありがとう!!
    ポケモン知らないけど面白かったです

  • 167二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:46:37

    先生マジであくタイプ……

  • 168二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:47:19

    腹筋死んだ
    面白いw

  • 169124/09/15(日) 21:47:24

    >>162

     それ先生ブーメランですからね。

     瀬呂は思ったけれど口にしなかった。

    「お前たちは正直もう少しやりこんでると思った」

    「あー……カイリューはちょっと、時間合わなくて。みんな使ってないから対策とかもあんまり」

    「俺は実家の妹が子供とやってたらハマったらしくて卵を送りつけられてんだ。いるか?」

    「良いんですか!?」

     相澤はそう言うと収納袋に入れていたゲーム機を取り出して電源を入れる。ほどなくしてレベル一、雌のミニリュウが送られてきた。特性は勿論『ふしぎなうろこ』だ。カイリューの進化前のミニリュウは、特性が『マルチスケイル』ではないのだ。

  • 170124/09/15(日) 21:47:52

    >>169

    「一応5Vまでは粘った奴だ。他の奴にも配ってやれ」

    「良いんすか!?」


    「これで今日のやつはチャラな」


    「あざっす!」

     瀬呂は勢いよく頭を下げて、片付けを終え寮に帰る相澤を見送った。

     後日、カイリューが標準環境になったA組のトーナメントが更に魔境になったのは言うまでもない。

  • 171124/09/15(日) 21:48:28

    ごめんミニリュウの特性そういやふしぎなうろこやんけ!って思い出して直した
    厳選したの遥か昔だから覚えてなかった

  • 172124/09/15(日) 21:48:46

    >>170

    こっちで終わりです!

  • 173二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:49:52

    知ってたとはいえ読んでてカイリュー出てきた時まじかこの人…ってなったわ笑
    教員寮のガチ魔境ポケモンバトルも気になるな
    ミッドナイトとか厨ポケ特攻変態パーティ組んでそう

  • 174二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 21:52:30

    かっちゃんのパーティがミミッキュアシレーヌラウドボーンなのまあまあ怖いな…

  • 175124/09/15(日) 21:55:05

    スレが終わりに近づいてきたからなんか短い奴書くね
    今日中にかけなかったら明日投げるわ

  • 176二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:06:31

    >>175

    楽しみにしとります

  • 177124/09/15(日) 22:08:46

    書いてる間に埋まったらそん時はそん時でまた新しく立てるんでいつも通り適当に話しといてくれ~

  • 178二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 22:23:36

    素直にヘラクロスのところ一発逆転狙ってんの関心したし後続のこと考えて別の技選択したのもすげえ〜ってなった。ポケモンやんないけどなんとなくすげえんだろうなってわかる
    相澤先生、エリちゃんのために一生懸命考えてくれてたんだろうなってのが伝わってきて笑いつつほっこりしてた
    それはそうとポケモンバトルする人ってこんなこといつも考えてんの?

  • 179二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:20:08

    それにしてもスレ主筆が早すぎる
    ポケモンの話文字数カウントしたら16,000字くらいあったのに7時間程度で書き上げてる…
    この人もしかして人じゃなくてマシーンなんじゃないのか?

  • 180二次元好きの匿名さん24/09/15(日) 23:22:52

    >>179

    字書きワイ、正直スレ主の筆の速さに感動よりも恐怖を抱いてる(褒めてる

  • 181二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 01:36:49

    スレ主の怖い(凄い)ところって速さもだけどこのペースを淡々と続けてるところだよな
    いきなり燃え尽きて居なくなったりしないでくれ…って祈りながら毎日スレ開いてるよ俺は
    SS書くのがいつかだるくなっても居なくならないでくれ…雑談しに来てくれ…って常に思ってる

  • 182二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 08:47:30

    自分もポケモン好きだからすごい面白かった!
    ポケモントレーナー相澤の方も楽しみだ

  • 183二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 15:20:46

    ほしゅ
    生徒相手に戦闘訓練でも遊びでもなんでも大人げない相澤先生が好きだ

  • 184124/09/16(月) 15:28:29
  • 185124/09/16(月) 15:28:43

    保守有難う!

  • 186124/09/16(月) 15:29:15

     リカバリーガールの治癒が終わると体が軽くなる。はあ、と大きめなため息をつかれて彼女の体が離れて行った。
     相澤は肩が動くことを確認して彼女に頭を下げる。
    「こんな時にすみません」
    「こんな時だからこそだろう、まったく」
    「……今は会いたくないだろうに」
    「仕事だからね。好きとか嫌いとかで優先度を決めたりしないよ」
     こちらに視線を合わせることもなく言われて、頭を掻いた。
    「『好感度が反転する個性』とは聞いているけど、婆さんは今どう言う感じなんだ?」
    「んー……うっすら、なんとなく嫌い、って感じだねえ。私とアンタの関係を推察するに、同僚として信頼はしているが特別好き嫌いってのはないようだし、こんなもんだろう。ま、強いて言うなら婆さんじゃなくてリカバリーガールって呼びなとは思ってるがね」

  • 187124/09/16(月) 15:29:35

    >>186

     リカバリーガールの言葉を聞いて相澤は頷く。何もない殺風景な部屋の天井を見上げた。

    「それにしても厄介な個性の敵だね」

    「この個性のせいでアイドルや俳優に被害が出ていたらしいです。触れた相手に抱かれてる好意を嫌悪に反転させる個性……握手会やハイタッチ会に紛れていたとか」

    「ここ最近ファンに暴行されたアイドルのニュースが流れていたからねえ。あれが反転の結果かい」

    「はい」

    「周りの友達どころか家族だって自分のことを嫌いになるんだろう? 可哀想だね……」

     荷物を片付けながらようやっと彼女は視線をこちらによこした。そして少しだけ気難しい顔をして「人の好意をいじられるってのはこんなに気分が悪いんだね」とぼやく。

    「熱狂的なファンが熱狂的なアンチに変わることもあり、重傷者も出ました。のっぴきならない事態だと判断され、敵の目星をつけ俺が護衛に」

    「アンタアイドルとか興味なさそうだもんねえ」

    「はい。俺はニュースはチェックするけど俳優とかアイドルは全然……って感じなので。フラットに護衛ができるヒーローが集められてた感じですね」

     結果として敵は捕まえた。

     だが、その際『抹消』が途切れてしまい結果として相澤もその個性にかかってしまった。

  • 188124/09/16(月) 15:29:55

    >>187

    「あそこにいたのはほぼ初対面のヒーローだったので問題はなかったんですが……護衛している最中にアイドルから少なからず好意を寄せられていたようで」

    「そんで反転したアイドルに不意打ちで暴行されてその怪我かい」

    「元ヒーローだったんですよ」

    「関係ないね、今は素人だろう」

     リカバリーガールの小言に棘が入る。やはり生理的な嫌悪感程度はあるのだろう。若干の寂しさを感じつつも、この程度で済んで良かったとも思う。

  • 189124/09/16(月) 15:30:11

    >>188

    「一応警察からはしばらく謹慎させろって言われてるし、根津にも言ってあるからね」

    「助かります」

    「どれくらいで戻るんだい」

    「三日から最大一週間。それ以上になることはないので、とりあえず一週間休みます。夏休み中でよかったですよ」

    「新学期から少し遅れて戻ってくるって感じだねえ。ま、おとなしく養生しな」

     そう言ってリカバリーガールが家から出ていく。相澤は何もない部屋のフローリングに寝転んだ。

     そこまで深い関わりのないリカバリーガールでああだったのだから、友人であるマイクや弟子の心操は酷い有様だろう。人に対して嫌悪すること自体が少ない緑谷も危ういかもしれない。

     寮に移るとき、万が一のことを考えて家を解約してないで良かった。何もない殺風景な部屋で寝袋にくるまり相澤は眠りについた。



     一週間後。

  • 190124/09/16(月) 15:30:39

    >>189

     個性の解除が確認された。相澤はまとめるほどもない荷物を持って出勤の準備をする。鏡を見ると疲れた顔の中年がいた。

     先の大戦以降、相澤の心身は少し余裕を取り戻しつつある。なんとなく、いい機会だしと髭を剃った。

     相澤の交友関係は善良な人間が多い。相澤に対して当たり散らした事実がなくとも気まずい思いをしている者は多いだろう。髭を剃ったインパクトがあればそれを忘れてくれるかもしれないと言う打算があった。

     髭を剃り終わると、電話が鳴り響く。着信画面を見れば塚内からだった。

    「はい、相澤」

    『ああイレイザーか!? まだ出勤してないよな!?』

    「これからですが……」

    『落ち着いて聞いて欲しい。個性の副作用が判明した』

    「はあ?」

     それを今言うのか、と思いながら相澤はメッセージアプリを立ち上げて遅刻する旨を校長に伝える。すぐに「聞いているのさ!」と返信が来た。

     根回しがいいことで。

    「で? なんですかその副作用ってのは」

  • 191124/09/16(月) 15:31:19

    >>190

    『……個性は対象に向けられた好意を一律嫌悪に変換するわけだが、戻る時はそうではないんだ』

    「は?」


    『具体的には、嫌悪感情が反転して戻るわけではなく、元々友情や愛情だっだものが、同等の好意に変換され直すだけで……』


    「……具体的に」

     相澤の背筋に嫌な汗が流れる。


    『嫌悪感から好意への差が激しいほど、脳がバグり、恋愛感情に変換され直す可能性がある』


    「はあ!? それ親が自分を恋人として好きになったりするってことですか!?」

     相澤が問い詰めると塚内は電話越しに弁明する。

    『い、いや! 親族に関する愛情は恋愛感情とは遠いところにあるので変換され直しても親族としての愛情にとどまる』

    「そうですか……」

    『だが』

     声が低くなる。怒りや戸惑いといった物ではなく、心底どうすればいいかわからないという感情の声だ。

  • 192124/09/16(月) 15:31:36

    >>191

     相澤は電話を切りたくなる。だが長年の経験からここで逃げると碌なことにならないと自分の勘が訴え、かろうじて電源を切る手を止めた。

     塚内の声が苦しく絞り出される。

    『……元々かなり恋愛感情と境目が曖昧な部分がある好意は、恋愛と誤認するケースが多いらしく』

    「……最悪だ。それ、戻るんですか?」

     相澤の質問に塚内は沈黙を返した。

     それでも粘り強く待っていると、死にそうなくらいか細い声で返答がくる。

    『戻らない。これは個性の影響ではないからな』

    「そう……です、か」

  • 193124/09/16(月) 15:32:09

    >>192

    『ただ、ただ、だ。相手は恋愛の熱に浮かされてるだけで別に性嗜好が変わったわけじゃない。時間が経てば恋に冷めることも多い』

    「そうじゃない場合は?」

     相澤はパニックになりそうな頭を押さえつけて冷静に考える。自分の交友関係は広い方だが、それはヒーローとしての部分だ。誰が該当するかを必死に考えるが、考えつく者がいない。

     だがこう言う時、そんな楽観視が自分を窮地に追い込むのだと相澤は知っている。せめて少しでも情報を、と塚内を問い詰めると彼は最早諦めて普通のトーンで話した。

    『……元々が「恋愛感情に近しいが、人間関係等の維持の問題で友愛や尊敬だと本人が言い聞かせていた感情の場合」なんだが』

    「はい」

    『変換された恋愛感情が「しっくりくる」「心地いい」と感じる場合が多いらしく……』

    「はい」

    『……恋に冷めるのは、絶望的、だそうで』

  • 194124/09/16(月) 15:32:54

    >>193

     相澤は天を仰いだ。

     そうですか、と小さな返事をしていくつかの連絡事項のやり取りをかわして電話を切る。

     校長に念のため連絡をしようとしたが、こんなことどうやって伝えれば良いんだと唸り、結局「片付きました、今から行きます」と連絡をした。

     どれだけ考えても、そんな感情を持っている友人など思いつかない。だが相澤は決して楽観視などはしない性質だった。


    「……マイクと……心操にも相談するか」


     一番信頼できる二人の名前を出して相澤はため息をつく。あとは緑谷やオールマイトだろうか。

     なんにせよ、一人で抱えるのは難しい。今は仲間が欲しかった。


     仲間が敵であることなど、つゆ知らず。

  • 195124/09/16(月) 15:35:42

    >>194

    ここまで!

    これはシリーズで相澤先生が色んな人たちにケツを狙われる話(端的に言えばスケベ)が書きてえな……となった結果

    みんな恋愛感情がうっすらあったけど「こんな気持ちは間違い」「好きなわけがない」「この関係を壊したくない」でしまっといたのに強制的に引きずり出されてしまったやつ

    いろんな話を書く合間にスケベを投げていけたらと思う

  • 196124/09/16(月) 15:36:02

    スレが埋まる!
    立ててきます

  • 197124/09/16(月) 15:42:17
  • 198124/09/16(月) 15:42:42

    こんなスレが4つも立ってる
    狂気

  • 199124/09/16(月) 15:42:56

    これからも付き合ってくれると嬉しい

  • 200二次元好きの匿名さん24/09/16(月) 15:44:11

    スレ主さんの話大好きありがとう

オススメ

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