- 1二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:26:51
- 2二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:27:40
- 3二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:28:25
1にURLを貼ると画像反映されなくなるよ
- 4>>124/09/18(水) 10:29:24
- 5二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:33:41
たておつ
とはいえ人集まるかな…? - 6二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:35:41
とりあえず時間的に保守するしかないな
前スレのリオヒマリが子で浮かんだけどリオがべったり甘えて来たらって考えると破壊力がすごい - 7二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:38:56
保守
- 8二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 10:54:23
タイミングが悪いな…シフト制で休みの人以外来れないぞ
- 9二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 11:00:48
とりま保守っとく
気が向いたらそのうちまたSSでも書こうか… - 10二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 11:01:25
ほしゅ
- 11二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 14:31:36
まだまだみたいに
- 12二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 14:47:27
ユウカに前世の結婚指輪を渡してほしいな
できれば、再度結婚式も - 13二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 15:36:28
私は今日も今日とて……ひまじろうだからモーマンタイです……この素晴らしい概念を落とす訳にはいかない
- 14二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:07:32
- 15二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 19:41:44
甘えられないなりに、ヒマリオが匿名でユウカにカーネーションを5月のある日に贈る…ってのはどうだろう。それでもユウカにはバレバレで、後でヒマリオを人目につかない所に呼んで2人をギュッとする…ってスチルが頭に浮かんだんだけど、どう?
- 16二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 19:48:15
- 17二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:04:37
ホントに悪魔の発想だがそれはそれとしてあなたは間違いなく天才だ
- 18二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:04:21
俺もこの概念好きになりました
保守しつつ身に来てます - 19二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 23:53:02
- 20二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 00:19:53
渡せなかった結婚指輪を渡してる幻覚を見ました。頑張ってSSにしてきます
- 21二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 00:22:41
そういえばセミナーはともかくヴェリタスとエイミは一連の流れを全部知ったらどういうリアクションするんだろうな
- 22二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 00:54:58
やはり、誕生タイミングにズレがあると言う事は直前の死亡タイミングがズレていると言う事よな……
ただ、過去スレで言及されてる様にキヴォトス内が外より時間の流れ早めなら、年単位で命日ズラす必要は無い気がする。 - 23二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 01:01:52
結局本編通りに対アリス戦を強行、なんなら守るべき『家族』が三人も増えた事により更に覚悟決まってたリオが、
「人を殺めようとする娘なんて存在してはいけない」
と、やっぱり本編通り行方不明になる未来があるんですか?(絶望)
その後最終編、ハッキング勝負で敗勢に追い込まれたヒマリを
『やっと姉らしい事が出来たかしら』
と手伝ってる未来もあるんですか?(希望) - 24二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 04:24:51
前スレ立てた人だけど代わりに立ててくれてごめん
- 25二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:16:57
胎児で両親の記憶ありってピンとこないんだよな
先生には更に辛い目に会わせて悪いんだけど...
双子は産まれてて2、3歳の頃に事故で母子諸共...ってのがしっくりくる。 - 26二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 17:41:03
- 27二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:57:05
- 28二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 01:05:24
一人になると、今でも聞こえて来る。
甲高いゴムの擦れる音、華奢な身体から鳴ったとは思えない、重く弾けるような衝突音。
人が集まっていたような気がする。けれど、音は何も覚えていない。細い首筋から漏れ出る、苦しそうな死前期呼吸だけが鼓膜に残っている。
最愛の人の命が溢れている。その音だけが聞こえる。
それを掻き消すように、病室の扉が勢い良く開かれた。待合室は静かだった。
「……先生?」
入って来たのは白衣の医師、では無かった。最初に担当してくれた初老の男性のそれではない。白衣ではなく黒衣。それが、座っている私よりも少し高い程度の背に纏まれている。
「先生、どうかされました?」
兎にも角にも、事態を把握しなければならない。事態、零れ落ちた、追いつけなかった、間に合わなかったそれを直視する。後悔も誹りも、前後不覚では不相応に過ぎた。
顔を上げれば、菫色と目が合った。
「…先生。疲れてるならそう言ってください。まったく」
肩をすくめて、呆れ混じりの声を溢す。
仕方ないんだから、と続くのは様式美のようなものだった。
ああ、前後不覚は相変わらずだ。
「ぁあ!この栄養ドリンク、先月摘発されたからやめて下さいって言いましたよね!」
彼女はと言えば、小言混じりに戸棚を開けてはふんふんと中身を改めていた。
すでに失われていたはずの声色がそこにある。瞳から消えてしまった光が、宿っている。それを見て目頭が熱くなり、つい目を逸らしてしまうのはこれで何度目だろう。
「ちょっと、目を逸らさないでください!今日という今日はーーー」
===
から始まる先生視点の胃が捩れるパヴァーヌ編はどこで見れますか。
あまりにも好きが溢れる概念だったので… - 29二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 01:09:55
- 30二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 01:12:08
先生にとっても一度最愛の人が死んでるという事実は忘れがたいだろうしなぁ
唐突にフラッシュバックしてユウカに「もう私はどこにも行きませんよ。ずっと、あなたの隣に居ますから」って感じでなぐさめてもらってそう - 31二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 01:26:52
初代スレでお腹の子ども転生概念を最初に出した者なんですけど、今更白状するなら最初子供の転生先は順当にモモミドを想定してたんですよね
はっきりとした記憶があるわけじゃないけどTSCの「ヒロインが転生者で前世の妻で〜」のくだりは前世のユウカと先生の思い出を無意識になぞった結果生まれたシナリオだったとかなんとか
でもリオヒマルートの方が掘り下げ甲斐はある - 32二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 02:36:42
ユウカがゲーム部に廃部の話を持っていった後のあたり。夕方のシャーレにて。
===
「そんなにあの子達に甘くするなら、私たちが知っているゲームの一つ二つ、アイデアを教えてあげればよかったじゃないですか」
いつも良く聞こえるその声は、今日ばかりは三割増しで大きく感じた。腰に手を当てて、とはまさに彼女のためにある表現だろう。実際は書類を叩いているが、可愛げのある誤差だ。
"そのあたりは、私も寛容なつもりだし、そうあろうともしているよ。使えるものは全部使っていいし、その努力は認められるべきだとも思う。それでこそみんなで競えるってものだ"
そこじゃない、と彼女の表情が雄弁に語っている。
そうだ、何より優先されるのはそこではない。
彼女のむっとした眉が天井に届く前に、言葉を続けた。
"けど、モモイ達が欲しいのはミレニアムプライズじゃなくて、みんなでつくる居場所だからね" - 33二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 02:37:15
「だから、すぐそばに居るのに放っておくんですか…?」
"意見出しからぶつかって全部苦労するのが、あの子達にとっては掛け替えのない大切な時間なんだよ。それに、本当に怪我しちゃいそうなら放っておかないからね"
そうですけどー!と、唸るように溢す。それは良いが、背中に顔を埋めながらされると色々こそばゆくて敵わない。
「…でも、ミレニアムプライズまであと3ヶ月も無いんですよ…?」
言いつつ、所在なさげに肩へ置かれた手は、いつものタッチパネルどころかペンすら掴めなさそうな有様だった。
心配ならそう言えば良い、とは言えない。彼女にも責任と立場があった。それと心がいまいち噛み合っていないのがなんとも以前と変わらなくて、掌を包み込むように握ってしまった。
「……あの、まだ、勤務時間内ですよ…?」
困惑する声に我を取り戻した私は、取り繕うように口にした。
"まぁ、今日は当番の生徒もいないからね"
ただ、手を離す気には暫くなれそうになかった。
===
レトロチックロマンより妄想のひとかけら。
ユウカと先生を合法的にイチャつかせる需要がありそうだったので。これで合ってますか…?
闇は控えめ。(この後に控えるリオ戦の方を見ながら) - 34二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 02:38:52
- 35二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:05:26
早く結婚しちゃえよって呟きに(結婚してましたよ…前世では…)と内心で思ってしまうユウカはいる
- 36二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:19:22
良いんじゃないですかね…?
- 37二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 09:32:18
個人的には……今までの展開をガン無視するんですけど……ノアが娘で…今世では気づか無いうちに……ユウカが母性本能爆発させて幼なじみやってたとか妄想した
発覚は前スレでノアに転生のこと話した時とか他でもよし
本編書き終わったら……モモミド娘とか
ノア娘ルート見てぇなぁ - 38二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 15:21:53
- 39二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 15:32:49
くれ
- 40二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 18:11:55
すぐさま……毎秒……お身体にお気おつけつつ投稿おなしゃす
- 41二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:14:45
小分けになります。パヴァーヌ編より2,3シーン。
===
妙な機械を見つけた。世紀の大発見かもしれないから先生の意見を聞きたい。
そうエンジニア部から依頼され、元気が有り余っているアリスを先頭に解析室へ向かう最中のこと。ゲームのネタになるかもしれないからと着いてきてしまったゲーム開発部の面々は、先程までプレイしていたゲームの話で盛り上がっていた。
『先生とユウカは、他の人と何か違う気がします!アリス、それが何か知りたいです!』
そんないつもの好奇心に応えるべく、ゲーム開発部の部室で急遽開催されたゲーム探索。アリスが心から理解するにはこれが一番だろうと、いわゆる家族をテーマにした作品はこの世界にも存在したので、題材には困らなかった。
「アリス、うまく言語化できません」
「あの人たちは、最後に家族になりました。家族というものは未だよく分からないのですが、あのエンディングを思い出すだけで温度調整が効かなくなって、体温が上がってしまいます」
「わかる!あったかいよねー!泣いちゃうけど、それ以上に心が満たされるんだもん」
「…うん。あのゲームは『人生』…だから」
「家族というのは、あたたかいものなのですか?」
- 42二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:19:25
「…そうね。大変なこともあるけど、一緒にいると暖かくて。その人がいないと駄目かもって思うわ」
答えたのは、ゲーム開発部まで遊びに…ではなく小言を言いに来ていたユウカだった。結局、廃部の可能性を突きつけた負目よりも、思う存分に構い倒すことにしたらしい。
「じゃあ、ユウカはアリスの家族ですか?」
「……え?」
「ユウカだけではありません。モモイやミドリ、ユズと一緒にいると暖かくなります。私はこれを好ましく思っていますし、居なくなってしまうと思うと、感情回路がエラーで動かなくなります。けれど、ユウカと先生は何か違います」
アリスにしては珍しく、言葉に詰まっている様子だった。
「ユウカと先生は暖かいだけではなくて、一緒にいると力が抜けます。とても不思議です」
「なら!家族になればいいんだよ!」
こういう時に一言目を言い出すのは、いつもモモイだった。彼女の目は輝きに溢れていて、その言葉の先にある光景を見つめているようでさえあった。
アリスと、家族。
考えたことがない訳ではなかった。アリスに接する私とユウカは、特に他の生徒の目がないと、ことさらに子供を甘やかす駄目な大人になっていたのは自覚があった。ユウカの反応を見やると、同じようにこちらを窺う彼女と視線が合って苦笑いする。
- 43二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:21:38
いつの間にか、エンジニア部の解析室前に到着していた。アリスを感知した人感センサーによって扉が開き、中の様子が見えるようになる。その近未来的な内装を背景に、振り返ったアリスは言ってくれた。
「アリスは、先生とユウカの…」
「家族になれたら良いなと、そう思います」
溌剌とした、アリスらしい良い笑顔だった。
それに答えようと口を開く、その刹那。
彼女の肩越しに見える、無機質な機械に怪しげな光りが灯った。
『System: Division』
柔らかな空気が一転、緊張が走った。無機質な質感の鉄の塊が、人の意思に反して、歩道を乗り上げて目の前まで迫っているような閉塞感。
アリスは咄嗟に振り返り、その機械を見つめていたが、一方のエンジニア部の面々は立ち上がり、それを観察することよりも他生徒の待避を優先した。
それが意味するところを理解した者から、近場にいる者を引っ張るように、この場を離れようと動き出す。
アリスが平坦な声で言葉の羅列を呟くのに、誰もが気づいていて止められなかった。
故にその先は、衝突音と瓦礫だけがあった。
華奢な身体が鈍い音を立てて宙を舞う。
身体が、思い出したように硬直した。あの日を擦っていた。
私は動けなかった。私の横から飛び出したのは、モモイだったのだ。
菫色から橙色へ。景色が入れ替わる。
私はまた、間に合わなかった。
- 44二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:26:01
病室
ミドリとユズは面会時間が終わり、アリスの様子を見に行った。ユズはもちろん、モモイの妹であるミドリだって、あんなことがあっても友達のアリスを想っている。強い子達だと思うと同時に、守れなかった事実が背に伸し掛かる。
包帯に包まれた頭は、ボブショートだった髪のボリュームが抑えられていつもより小さく見える。眠る顔は静かで、普段の活発さは見る影も無かった。この子は眠っていると、こんなにも大人しくなってしまうのかと思わずにはいられない。この子が起きていないだけで、病室の空気は静かに沈んでいた。
「……私、間違ってたのかな」
最初に溢したのはユウカだった。
厳しいことを言いながらも、休憩のたびにモモイ達を気にかけていた。
アリスが来てからは、何かと理由をつけて部室まで構いに来ていた。
彼女の内心は察するに余りあった。受け入れることが誤りであったのかと、書類に不審な点を見つけた時点で追い出すべきだったのかと。そう頭で考えて、心がそれを認めない。アリス達と過ごした時間がそうさせないのは、私も同じつもりだった。
何よりも、私には先生としての責任があった。
- 45二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:28:55
"ユウカは、ユウカのやりたいと思うことをやっていいんだ。心に蓋をしようとしなくていい。責任は…"
アリスの所属も、起きてしまったモモイの負傷も、これから起こること全て。咎を負うのは生徒ではなく、本来なら。
"私が負うからね"
その言葉は、溶けた鉛のようにして吐き出された。いつも軽い気持ちで口にしていた訳では決してなかったが、今回は全く容易ではなかった。
「…すっかり先生が板についてしまいましたね」
困ったものを見たような仕草だった。実際困ったものだったのだろう。弱々しくも、確かに微笑みを浮かべて続けてくれた。
「でも、一つ忘れていることがあります」
「私達の責任は私達のもの。何か、優花に言うことは無いですか?」
それは、以前私達が若くして家庭を持つと決意したときに出来た約束事だった。
言いたいことも、無いはずがなかった。けれど、今は果たすべき責任があった。あの日の後悔から逃れるように。
「今の私は、先生だからね」
せめて子供達を不安にさせないよう、私は背を張るのが精一杯だったのだと思う。
===
書きたいところを書きました。後悔はありません。先生だってこれくらい揺れててもいいと思うの。内心だけで外には出さないけど、優花には普通に察されてしまうんだよね(早口)
このあとリオが出て来るってマジ…?
- 46二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:47:42
てぇてぇけどおっも…
- 47二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:15:28
「お初にお目にかかるわ、先生」
ミレニアムサイエンススクール生徒会長、調月リオ。生徒のことはおよそ把握するようにしているが、彼女については名前や略歴以外の個人的な情報が殆ど残っていない。セキュリティ意識が高いのだろう。どう話そうかと難儀していたものだが、それでも当然、大人に守られるべき生徒の一人だ。
「本当はこんな形で会いたくは無かったのだけれど……不思議ね。初めて会った気がしないわ」
首を傾げる。少なくとも、私には以前に会った覚えはない。
しかし、これであれば少しは話すこともできるだろうかと口を開いた。
"挨拶がこんな形になって申し訳ないね。今日はどういった御用向きかな?"
「アリスについてよ」
ぴしゃり、と断言した。同時、すでに彼女の中で結論が出ていることも伝わって来る。
「あなた達の見てきた通り、それは人間の制御を超えた存在よ」
そこからは、彼女のペースで話が進んでしまった。
アリスにこれ以上不本気なことをさせないよう例の機械を遠ざけるという案は、それに当たる人員の負傷と、機械以外の別のトリガーという可能性をもって却下された。
学園外の手を借りると言う案は、それに乗じて降りかかる悪意と天秤にかけ、やはり却下された。
もとより、ミレニアム生徒の安全を守るために澱みなく動いているリオには揺るぎない理がある。その上で、彼女は複数の可能性を既に考慮に入れて来ていた。
しかし、私へ返答する度、リオの声には少し感情が乗るようになっていったことも、私には気がかりだった。ミレニアム生徒の安全の他にも、何か守るものがあるのだろうか。
ユズもミドリも、反論したくても感情に気押されて震えてしまっている。
私は、リオと話をすることしかできなかった。生徒が怪我をするときは絶対に止めなければならない。ましてヘイローの破壊など、あってはならないのだから、その一言は絶対に止めなければならなかった。
- 48二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:19:13
「アリスが、消えるとします」
その言葉を聞いて、諦めたような笑みを見て、胸が軋みをあげた。リオは自身の自立制御ロボットに指示を出す。そこに感情は見えない。動揺も見せてはくれなかった。
私はこれを止めなければならない。しかし、リオという生徒が望み、アリスが受け入れてしまった時点で、これ以上は先生としての責任を逸脱してしまう。生徒の望みを見守るという責任、私が自身に課したその楔が今の私を床に縫い付けていた。
助けを求めることは叶わなかった。私は先生だから、その一線があった。
故に、それを越えて背負ってくれる存在は、扉を破るように飛び入って来た。
「ちょっと待って!いくら生徒会長だからって、ヘイローの破壊まで認めるわけにはいかないわ!」
"…ユウカ"
ここに来るまで余程走り回ったのだろうか。酷く髪が乱れて、肩で息をしている。
「…早瀬ユウカ。あなたの居ない時間を見計らったつもりだったのだけれど、計算が外れたのかしら。予定外の業務でもあったの?」
「部室にアリス達がいないから探し回ったのよ!漸く見つけたわ!」
- 49二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:23:05
「そう、それなら業務外行動ね。居るのはいいけれど、セミナーとして発言する場合は所定の手続きを踏んでちょうだい」
リオの声は、凪いでいた。先ほど私と話していた時と正反対に。まるで、完全に蓋をされてしまったような静謐だった。溢れるものを、押さえつけるような。
「それを言えば会長の行動は職権濫用じゃない!セミナーに報告すれば、直ぐにでも…」
「直ぐにでも可決されるでしょうね。事ここにおいて、セミナーはミレニアム生徒全員の生命を背負っているようなものよ。判断は明白だわ」
直感があった。理路整然とした説明ではない。言葉の枝葉を全て否定して切り落とすような論調。先生として見て来た経験が、リオは感情的になっていると告げている。
「貴女の行動履歴を鑑みれば、確実に止められるのは分かっていたわ。けれど、これは誰かがやらなければならない事なのよ。だから万全を尽くしたつもり。最初に意識を落とすから痛みは生じない。離れた場所を用意しているから、万が一の事故でもミレニアムの生徒に被害が及ぶこともない」
「その上で、不確定要素を排するために貴女の行動もシミュレートしていたのだけれど…私の知らない要素があったのね。それが何かは知らないけれど、今の私はこうするしかないわ。暴走する機械はシャットダウンしなければならない。あなた達も見たのでしょう?なぜそちら側にいるの?」
フラッシュバックする騒音と瓦礫、モモイの包帯塗れの姿に、直ぐに反論できる者はいなかった。彼女を除いて。
「ちょっと、勝手に話を進めないで。確かにモモイは怪我をしたわ。それも私を庇って。けれど、それは私の不注意であってアリス一人の責任ではないでしょう!?あの子達だって、こんな事は望んでないわよ!」
「望む望まないではないの。暴走する機械は確実に止める。被害を生む前に。それがエンジニアとしての責任というもの…よ…」
ふと、何かを思い出すように額に手を遣るリオ。目を白黒とさせるその様は、とても平静とは言い難かった。
何か、引っ掛かりがある。リオの選ぶワードに、何処となく既視感を覚える。
- 50二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:32:07
「…っ、この……聞いていれば機械機械って…!」
「…ともかく、これ以上は平行線よ。アリスは許諾した。それが全て。こちらの最大限の尊重よ。……行きましょう」
リオとアリスは、自律機械に囲まれてその場を後にする。
最後に、一度足を止めたリオが遠慮がちに振り返った。
「…あなたが無事で、よかったわ。本当に、そう思っているの」
再び歩き始めた二人の背中は、もう見えなくなっていた。
残された私達は言葉を発することも、追い縋ることも出来ずにいる。
"……"
明確な喪失感と、違和感が残った。
===
リオヒマ子供説って聞いてから筆が滑り続けて今に至ります。二人が既に挨拶していた前スレの方とは少し異なりますが、こう言う世界もあったのではということでここはひとつ。
ところで…ここから入れる保険があるんですか…?
- 51二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:32:48
君が作るんだよ
- 52二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:50:00
なるほどぉ!
- 53二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 21:54:56
すごいSS書き来てるな…
- 54二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:33:20
恐縮すぎる…。お歴々の物書きには遠く及びませんので気楽に読み流していただければ…。
最後のシーンに向けて幕間ができたのでまた小分けに投下します。 - 55二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:36:44
幕間
再起動、してしまった。
一度スリープモードに入ったアリスの意識を、何故か調月リオは目覚めさせていた。
自分は何をやっているのかと、自問自答を繰り返しても答えは出ない。つまり、合理的な理由の無い、咎めるべき行動に他ならなかった。
ぱちぱちと、青い瞳が瞬きをする。
状況を伺うようにきょろきょろと見渡して、リオの姿を認めると目を見開いた。
「…アリスは、まだ終わっていないのですか?」
沈黙が降りる。コンピュータの駆動するジリジリとした音だけの空間。
「……ごめんなさい。どうしてこんな事をしたのか、私にも分からない」
「そうなのですか?」
再び、沈黙。
「あなたは、どうして、私に着いてきたの」
それは、相手を無機質な機械と扱うには血の通い過ぎた質問だった。
そして答えは、澱みなくはっきりと返ってきた。
- 56二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:42:30
「アリスは、先生とユウカがいなくなることを望みません。ユズもモモイもミドリも、みんなです。いなくなると考えるだけで、存在しないはずの痛覚信号が胸の辺りに走ります」
「会えなくなってしまうことは、同じくらい痛いです。けど、みんなが生きていれば怖くないと思いました」
ほぼ、即答。それもまた、リオにとっては胸の澱となった。
「リオ会長。あなたも、そうなのではないですか?」
「…なにを」
「二人に反論する時のリオ会長、とても苦しそうに見えました」
「……そんな表情をした覚えはないわ」
「表情ではありません!知っていますか?ノベルゲームというゲームでは、数少ない表情差分しかない作品でも感情を表現できるんです!」
表情以外の、言葉、状況描写、演出、あらゆるものが感情を揺さぶるのだと、アリスは楽しそうに言葉を続ける。これまでに得てきた大切なものを、両の手いっぱいに広げるように。
「私の感情回路は、リオ会長を見て揺さぶられました。もちろんポジティブばかりではありませんでしたが、ちゃんと届きました」
「リオ会長は、みんなのことが大切で、先生とユウカのことが大好きなんですね!」
「……」
三度目の沈黙は短かった。
「…もし。もしも。これは独り言だけれど。あなたを終わらせずに済んだら、二人はまだ、私を…」
言葉の先は、続かなかった。固く噛み締められた唇が、それを必死に食い止めていた。
それを聞いて、アリスは寂しそうに笑った。
- 57二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:44:55
「独り言はゲーム制作でとても大切なので、アリスも独り言を呟くことにします」
「アリスは、アリスがどうすれば安全になるのか、分かりません。みんなと一緒にいたいですが、それよりもまた同じことが起きるのが怖いです」
「でも、それでリオ会長が二人と一緒にいられないのなら、アリスのお願いとして伝えてください。アリスと3人きりの先生とユウカは、基本なんでも我儘を聞いてくれるのです!今回もきっと聞いてくれます!」
あまりにもあんまりな発言だった。けれどそこに羨望と罪悪感を感じているのは、一体どうしてだろうか。
調月リオは、こんなにも弱かっただろうか。
「…そろそろ、棺に戻ってちょうだい」
「…はい、分かりました!」
アリスは最後まで元気に振る舞っていた。それがリオにとって一番"マシ"だと知っていたから。そう言う間の取り方は、先生とユウカのやり取りから学んできたものだった。
「…ごめんなさい。ひとつだけ、我儘を言います」
「さっき、みんなが生きていれば怖くないって、嘘をついてしまいました。…手を、握っていてもらえませんか?」
「…それは、私で良いのかしら」
「はい。リオ会長からは、先生やユウカと同じ匂いがします。とても、安心して…」
そこで、言葉が途切れた。繋がれた機械には、スリープモードに入った旨が表示されている。強がりは父親譲りだったのだろうか。
「……」
作業を再開したリオは、その手を離すことができそうになかった。
- 58二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:51:09
ここから最後にリオ戦のシーンで一区切りかな。
さて、ハッピーエンドかバッドエンドかは、
に委ねます。
いつも怪訝な顔をされるけど、私自身はハピエン厨です。
個人的な目標は甘え倒すリオと構い倒すユウカ。でも安価は絶対だそうなのだ。
- 59二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:53:14
ksk
- 60二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:53:25
ハッピーエンド一択
- 61二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:55:57
ハッピーエンドだぁ!
- 62二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:57:32
世界は救われた
- 63二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 22:59:44
世界救われちゃった…
- 64二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:01:22
おつ!!ないた・・・
- 65二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:08:36
このレスは削除されています
- 66二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:10:28
- 67二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:13:27
ksk
- 68二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:19:18
ksk
- 69二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:21:35
- 70二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:30:32
ここはあえて生まれてるパターンで
いろいろ見たい - 71二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:36:00
生まれてても生後数ヶ月レベルだと良き
- 72二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:43:59
加速!
- 73二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:45:47
双子で今世誕生日速いほうが長女
- 74二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:52:43
多分ヒマリが妹かな…
- 75二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 23:53:46
二人は生まれていて、長女はリオですね!
安価りょーかいです! - 76二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:35:27
いよいよエンディングが近いです。お付き合いいただいて本当にありがとうございます。
===
「アリスはどこ!」
「アリスちゃんを返して!」
勢いよく部屋へ飛び込んだゲーム開発部の面々に続いて、私も部屋へ歩を進める。
「やはり、来てしまったのね」
"ごめんねリオ。止めにきたよ"
「けれど、どうか分かってちょうだい。これが最後のお願いよ。あの子はとても危険な存在なの。ミレニアム生の全員を守るためには他に」
「知らない知らない!そんなの、私たちのゲームよりずぅーっとク◯ゲーだよ!ク◯ゲーオブザイヤー堂々の一位だよ!私たちが納得してなかったら意味ないんだもん!」
互いに譲らない、その時だった。
リオのディスプレイ群が赤く染め上げられる。
『System: Division』
再び、あの文字列が踊った。
「これは…!?」
リオの構築したシステムが、瞬く間に変質して行く。
演算領域を奪取し、それをもって別物に作り変えてしまうシステム。リオの優秀な頭脳はそれを瞬時に理解するも、全ての制御をリモートに頼っているこの状況では打つ手がないこともまた、明瞭に導き出してしまった。
彼女が恐れた遺産、アトラハシースの方舟は、リオの作り上げた防衛都市を材料に、船出の時を迎えつつあると。
- 77二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:37:42
『……まったく、仕方のない人ですね』
逆に言えば、この状況で聞こえる第三者の声は、その制御を一部なり跳ね除けている証拠であった。
その声にいち早く反応したのは、混乱の最中にあったリオであった。
「ヒマリ…?あなた、逃げたんじゃ」
『ええ、逃げましたとも。捕まったらそれは逃げます。そして後輩達を助けに帰ってきました』
『ちょっと会長!まだ話は終わっていないのよ!!先生もそこにいるんでしょ!エリドゥ行きを事実上認めたのは私だけど、結局危ない橋を渡るなんて、帰ったらお説教ですからね!というか今向かってるので覚悟していてください!会長もですよ!!』
"……"
思わず面食らって黙り込んでしまう。
いや、本当に参った。少し見ないうちに、肝っ玉お母さんに磨きがかかっている。
『我々も状況は理解しています。と言うわけでユウカさん。ゲームを止められなくなった子供達のために、お母さんらしく電源を引っこ抜いてしまってください』
『いま電源設備についたところよ。会長、悪いけれど、よく分からないから全部壊すわね!!』
銃撃音。次いで爆発音。それらが止むことなく聞こえてくる。キヴォトス来てから出会ったユウカは、恐ろしいほど銃の早撃ちに慣れていた。一体インカムの向こうではどんな銃弾の嵐が吹き荒れているのだろうか。
少なくとも、彼女を本気で怒らせてはならない。
「ユウカナイス!普段は怖いけど、こう言うときはやっぱりユウカだよね!」
「…うん…!怖いけど頼りになる…!」
『聞こえてるわよ〜!』
こんな状況でもいつも通り、いや、いつもより活発な会話を横目に、私も覚悟を決める。
- 78二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:41:29
Divisionの侵攻を食い止めるためには、制御を奪われたアリスが意識を取り戻す必要がある。説得は心配していない。ゲーム開発部のみんなを信じているし、私も言うべきことの整理をつけるだけの時間があった。心の優しいアリスは、きっと彼女達の思いに応えてくれるだろう。
ただ、Divisionが殺到しているこの状況で、単身電気設備に乗り込んでいるユウカが気掛かりだった。
"リオ、意識ダイブの設備、あるよね?"
「…ある、けれど。まさかアリスの意識に乗り込むつもり?危険よ!そこはもう敵の領域に」
"分かっているよ。けれど、このままだと外にいるユウカ達が危ない"
「……」
"それに、ここだっていつまでも安全じゃない。舗装された歩道を歩いていたって安全とは限らない。根本的には、ちょんと制御できるようにならないといけないんだ"
自分の身体も含めて。
それが、先日の一件でリオとアリスを見送るしかなかった私が、拙いながらも出した結論の一つだった。
「……………………………………」
長い沈黙の後、ため息ひとつ。
長いといっても10秒ほど。リオは結論を急ぐべき状況で、私のような二の足を踏まない。それがとても眩しく見えて、何故だか誇らしかった。
- 79二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 00:44:07
- 80二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:46:57
エピローグ
===
一人になると、今でも聞こえて来る。
甲高いゴムの擦れる音、華奢な身体から鳴ったとは思えない、重く弾けるような衝突音。
人が集まっていたような気がする。けれど、音は何も覚えていない。細い首筋から漏れ出る、苦しそうな死前期呼吸だけが鼓膜に残っている。
最愛の人の命が溢れている。その音だけが聞こえる。
それを掻き消すように、病室の扉が勢い良く開かれた。待合室はーーー。
いや、シャーレの部室は、今日も賑やかだった。
「……先生?」
入って来たのは白衣の医師、では無かった。以前に担当してくれた初老の男性のそれではない。もちろん、白衣ではなく黒衣。それが、座っている私よりも少し高い程度の背に纏まれている。
「先生、どうかされました?」
兎にも角にも、事態を把握しなければならない。アリスの起こした建物の被害と、リオの独断専行への陳謝のための挨拶回り。どこまで進んだのだったか。
顔を上げれば、菫色と目が合った。
「…先生。疲れてるならそう言ってください。まったく」
肩をすくめて、呆れ混じりの声を溢す。
仕方ないんだから、と続くのは様式美のようなものだった。
ああ、前後不覚はようやく晴れた。
- 81二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:48:07
「ぁあ!このロボットのおもちゃ!、先月摘発されたから捨てて下さいって言いましたよね!」
彼女はと言えば、小言混じりに戸棚を開けてはふんふんと中身を改めていた。というか、おもちゃが摘発されるとはどう言うことか。
すでに失われていたはずの声色がそこにある。瞳から消えてしまった光が、宿っている。それを見て目頭が熱くなり、つい目を逸らしてしまうのはこれで何度目だろう。
「ちょっと、目を逸らさないでください!今日という今日はーーー」
「…失礼するわ」
その二人きりの喧騒の中へ、遠慮がちな様子で入ってきたのは、ミレニアムサイエンススクール生徒会長の調月リオだった。
「…その、今日は…」
そう、今日はリオがユウカやゲーム開発部の面々へ改めて謝罪をする場を設定していた。
「あ、会長!よくもうちのモモイを泣かせてくれたわね!他の子達も泣いちゃって大変だったんだから」
「な、泣いてない!泣いてないから!」
ユウカの声に体をびくりと震わせたリオは、体を縮こまらせてしまっている。
"…ユウカ"
と、まぁ謝罪の場とは言ったが、それは文字通りに"設定"でしか無かった。
「…なんてね。意地悪を言ったわ、ごめんなさい」
「いじ…わる…?いえ、私のした事は…」
- 82二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:51:04
能力が高く、先見性もあって、当然感情もあり、罪悪感を引き摺る。
本当に、どうしようもなく強がりで、一人でなんとかしようとする所ばかりは私に似てしまった。他は母親譲りなのに。
以前の記憶については、先生とユウカは聞かれるまで答えない結論を出していた。今ここにいる調月リオを真っ直ぐに見ようと、そう決めていた。
「えぇ。ちょっとだけ一人で先走ってしまったわね。だけど、みんな悪くは思っていないわよ」
「どうしてそんな」
そんなことが言い切れるのか。リオがそう言いかけたところで、シャーレのディスプレイに映像が映し出される。
そこに映っていたのはリオ。そしてアリスの二人だった。
「ちょっとこれ…待ちなさい!」
『待ちません。聞く耳も持ちません。言いたいことがあるなら言えばいいのです。私は聞きませんが、ここには私以外にも人が居ますので』
取りつく島もないとはこの事。声の主は映像の解像度を無駄に上げる処理を施しながら続けた。
『そもそも、あなたの後悔まみれの内心を開示していればそれだけで協力者は増えたのです。飛鳥生トキさんのように盲目的なのも多少問題ではありますが、少なくとも寄り添ってくれる方は有り難いものなのですよ』
いつかのリオとアリスの問答。この映像をヒマリが撮影していなければ、もう少し多方面の説得に難航していたことは間違いなかった。それくらい痛烈だったのだ、リオの迷いは。
- 83二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:53:18
「…ねぇ、リオ。つらかった?」
リオ会長ではなく、そう呼んで問いかけたのは、ユウカだった。リオの方は、その呼び方に反応する余裕もあまり無いようだった。
「一人でずっと、抱え込んでいたんでしょう?」
「…結果が伴わなければ、言い訳にも」
「でもつらかった。迷ったよのね。よく頑張ったわ」
リオは目を見開いてユウカを見た。そこにいたのはユウカであっても、どこか懐かしい女性に見えたのは何故だろうか。
「ほら。みんなリオの迷いを聞いて、頑張ったねって、思ってくれたのよ。結果はもちろん大事だわ。けど、いつも一回でやる必要はないのよ」
そう言って頭を撫でる様があまりにも自然で、つい思い出してしまった。
リオは幼少期の記憶が希薄だった。何をしても難しいと言う事はなく、印象に残らない。それを押して残るこの記憶は、一体いつのものだろう。
『それでは、病弱美少女ハッカーの私はそろそろ事後処理に移ります。また後でお話ししましょう、「お母様」に「お父様」』
…うん?
「え、まって。ちょっと、まってちょうだい」
- 84二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:55:47
『あなたを「姉」と呼ぶのは業腹ですので、リオで充分ですね』
当のリオはと言えば、目を白黒させて混乱しながらも、ユウカに撫でられるままだった。
一方の先生は、こちらも面食らっていた。既に自立しつつある子供から一歩引いていようという内心は、見破られていたのだろうか。
…いや、母親の聡明さを受け継いだ、かの天才病弱美少女ハッカーにかかれば火を見るよりも明らかだったのかもしれない。
"……あとで陽毬のところにも行こうか、優花"
「…ええ、そうですね」
はにかんだ顔で理央を抱き寄せる優花に、アリス達ゲーム開発部が飛び込んで行く。
シャーレには今日も、暖かな笑顔の花が咲いていた。
『ブルーアーカイブ パヴァーヌ編』
レトロチックロマン、あるいは昔日の想い出
END
- 85二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 02:04:55
完走…しました…!
皆さんの求めるものであったかは分かりませんが、書きたいものは書けました。
完走した感想としましては、内心ぐちゃぐちゃだった先生とお母さんユウカに為されるがままのリオと有能妹ポジで美味しい空気吸ってるヒマリが書けたので我が生涯に一片の悔いはありません。
嘘です次のイベントでロリルミ来るまで生きますというかアリスとヒマリが来てくれてリオ実装されるまでは生きます。早よ。
そしてまた筆が滑ったらモモミド娘ルートとかノア娘ルートとかアリス娘ルートとか書きたい。どれもグロいやんけ…(乗り気)
- 86二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 02:05:42
安価参加と応援コメント、大変ありがとうございました…!
- 87二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 02:05:59
おつ
いいもん読ませてもらいました… - 88二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 03:40:46
モモミド娘概念は…こんな感じの後日談とか良いよねって…
— 2024年11月20日
- 89二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 07:24:12
てぇてぇ…この概念もっと流行れ…
- 90二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:32:37
パーフェクトだ、SS兄貴・・・
いやまじでありがとう - 91二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:02:33
元イラストだと……ただの先輩から受け継いだって感じで先輩後輩愛だなーってなる……このスレの概念を入れると……親譲りの甘さとチョロさが受け継がれてるって感じで……尊とぉぉおおお
- 92二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:29:41
よき・・・
- 93二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:29:56
流行れ…流行れ…
- 94二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 18:53:51
家族の絆いいよな
- 95二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 19:45:22
あのリオがユウカに撫でられるがままというのは新鮮ながらなぜかしっくりくる
- 96二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 20:55:46
親子でみっちり引っ付かれて眠る親子4人・・・
- 97二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 21:34:34
- 98二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:00:45
- 99二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:51:04
概念を守るべし
- 100二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:53:16
傍から見ると爛れた・・・
- 101二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:53:24
4人で寝る時に先生とユウカで2人を挟んでて
起きた時に抱きしめてて「暑い!」ってなってるのもいい - 102二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 10:47:25
- 103二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 18:44:42
いい…
- 104二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 19:58:00
神絵師の降臨待機
- 105二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 20:14:17
「…暑いです」
夏になるたび恒例となる、以前からのやりとり。言われては仕方がないので布団からズレよう。
そう身体を動かそうとして、そこで誤算に気づいた。
以前には無かった新しい変化。つまり、キヴォトスの生徒は先生より強い。
腕がガッチリと固定されている現状、私では物理的に解決困難であることを茹った頭で朧げに思い出す。常識として受け入れていたはずだが、この四人でいるとどうにも空気感が以前と変わらない。
寝室で毎晩共に寝ていた家族との間に、妙な隔たりを感じてしまう。よく知っているはずの彼女たちが、以前と違う事を否応なく実感する。
「…何を考えているのか、当ててあげましょうか」
"……放して貰えたりは"
「しません。朝まで絶対に離さないので安心してください」
まったく仕方がないなぁ、という顔で言われてしまっては反論の余地がなかった。
そもそも全知を自称する陽毬の母親なのだから、その辺りの機微にも気付かない筈がない、と遅まきながら理解する。
「暑いので、もっとくっ付いてください。それなら出来るでしょう?」
矛盾した言い分に意見する以上に、安心させられてしまってはどうしようもなかった。
私は新たに熱中症の心配をしていた。
===
筆が滑りました。
たぶん挟まれてるヒマリは見えない角度でニヤニヤしてるし、リオは安心した顔ですやすや眠ってる。
- 106二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 20:18:05
時間帯は朝のつもりで書いたけど、夜でもいいかもしれない。
- 107二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 01:41:31
あったけぇ…
- 108二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 01:48:45
一度は潰えた概念だと思ってたけど、まさか今になってこんな良SSが投稿されるとはね…
- 109二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 02:09:12
寝る前にss一気読みしてしまった。感謝。
家族で添い寝は微笑ましいが、嫁さん&娘達キヴォトス人程頑丈じゃないから、先生にせめて水飲ませたげて。 - 110二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 02:39:37
- 111二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 02:40:54
ここの先生とユウカはヒマリの体のことどう思ってるのかな…
生まれ変わりとはいえ自分たちの娘が病弱で歩けないって結構辛いものがあると思うけど… - 112二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 02:47:22
悲しみも心配もしてるけど、決してそれを本人に押し付けないで自然に接していると妄想してます。
キヴォトスのヒマリは周りの人に助けられながら成長して、周りを頼って助け合うことができる天才病弱美少女ハッカーとして自分の心で立っているのかなと思うと、やっぱり同情や心配よりも祝福してあげるのが先生とユウカだと思うなどしました。
それはそれとして徹底的に甘やかすと思います。
- 113二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 07:10:46
これ前から思ってたが「カード」でヒマリを・・・って原作でも思いついてなかったの?
- 114二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 13:39:59
ヒマリとリオの血がユウカとも先生ともつながってないから、事情を知る人は、苦笑いしてそうだな
- 115二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:20:20
辞めたげて先生死んじゃう
- 116二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:23:22
- 117二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:50:06
何度でもいいな…てぇてぇから…
- 118二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 20:36:40
- 119二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 00:42:39
- 120二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:48:44
ほ
- 121二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 09:12:59
- 122二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 09:36:14
- 123二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 11:04:31
こごでの流れで……少なくとも先生、娘2人、ノア、チュートリアルメンバーは知ってるはず
- 124二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 11:21:37
あとコユキが写真から推測してバレた
- 125二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 13:49:27
パヴァーヌ編のss含むならゲーム開発部にも。
- 126二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 15:36:19
ヒマリの口調とか性格とかこんなんで良いのだろうか?
- 127二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 16:24:01
- 128二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 16:46:40
いい。良いものだからもっとくれ
- 129二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 16:51:47
- 130二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:05:34
危ないことして欲しくないなぁ…
と思いつつ、自分は無理をする。この二人はそう言うことする(幻覚)
ヒマリとリオが手回してそう… - 131二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 03:51:01
ほ
- 132二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 11:07:55
自分もこの概念のSS思いついてはいるんで……ちょっと煮詰めてきますね
- 133二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 18:28:38
「ちょ、ちょっと待ってよ!……ユウカに前世の記憶があって、しかも先生の前世の妻で子供もいて、しかもその双子の姉妹がリオ会長とヒマリ先輩の前世?」
「そ……そんな母親がヒロインでそれでいて実は前世の妻で、そこに子供の頃に別れたきりの腹違いの友人がタイムリープしてきたみたいな話を急に信じろって言われたって……テイルズ・サガ・クロニクルのシナリオじゃないんだからさ…!」
「………………」
「……最近、ユウカも先生も、あんまりゲーム開発部の部室に来てくれなくなったよね」
「ほんとはね……私、ユウカのこと大好きだった。いつも厳しくてイジワルなことばっかり言うけど、本当は誰よりも私たちのことを気にかけてくれてるってちゃんと分かってたから。私やミドリにとっての大事なお姉ちゃん……ううん、お母さんみたいに思ってた」
「先生のことだって。どんなときでも私たちと真剣に向き合ってくれて、くだらないことだってバカにしないで、同じ目線で向き合って、いつでも私たちを助けてくれた。頼れるお父さんみたいで、大好き、だった」
「……でもさ、ユウカと先生が今まで私たちに優しくしてくれたのって……私とミドリを、前世で離れ離れなったその子たちに重ねてたから?」
「なんで、急に会いに来てくれなくなっちゃったの? 本当の子供と再会できたら、私たちはもう……いらない?」
「……ユウカや、先生にとって、わたし、たちは……ニセモノ、だった、の?」
……てな感じで泣きだしちゃったモモイを先生とユウカが慰める話とかありませんかね? - 134二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:13:55
- 135二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:39:09
- 136二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:42:27
???「部室一帯の人払いは天才病弱美少女ハッカーである私が完璧以上に済ませておきますので、ごゆるりと♡」
- 137二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:57:32
天童アリスは家族の概念はわかるのだろうか?
長い間眠ってたから、よくわかってないかも? - 138二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 04:50:53
- 139二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:43:03
同じことを思ったので、パヴァーヌ編SSではユウカと先生のやり取りを身近に見てもらったあと、ゲームでラーニングしてもらいました。え、タイミング?何のことやら…
- 140二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:44:06
- 141二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:57:36
保守
- 142二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:20:15
- 143二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 01:14:56
- 144二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 02:14:47
- 145二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:14:15
アンダ婆「…地獄の沙汰も銭次第…」
- 146二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 17:21:59
ほす
- 147二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 19:43:55
- 148二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:46:24
ほ
- 149二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 02:44:32
- 150二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 06:59:39
おつほ
- 151二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 08:33:48
てぇてぇ…
- 152二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 18:35:03
おつおつ
- 153二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:37:44
おつ
- 154二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 09:20:10
保守
- 155二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 10:22:29
これ、ユウカはどれくらい先生に付いていくんだろうな
セミナーの仕事とかもあるからつきっきりは無理だろうけど - 156二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 19:45:35
保守
- 157二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:44:10
おつ
- 158二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 06:50:35
- 159二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 17:15:39
保守え
- 160二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 19:20:13
これからはもうずっといっしょだ・・・
- 161二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 22:41:30
ほし
- 162二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 06:39:23
ゲーム部も子供達感覚で大家族・・・
- 163二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 17:57:46
ファミリー増えるよどこまでも
- 164二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 17:58:37
最終的に一つ屋根の下(シャーレ)で暮らす先生とユウカとヒマリとリオとゲーム開発部か
アリでは? - 165二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:37:28
- 166二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 06:48:47
ほす
- 167二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 17:24:53
保守
- 168二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:32:02
SS&絵まちほ
- 169二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 07:39:28
保守
- 170二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 17:06:51
保守
- 171二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:36:57
ほし
- 172二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 08:04:15
あさー
- 173二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 18:32:09
ほす
- 174二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 21:21:33
このレスは削除されています
- 175二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 06:41:20
保守
- 176二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 16:25:29
保守
- 177二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:26:50
ほす
- 178二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:28:02
ユウカが熱出した先生に看病したら後日伝染っちゃって先生が看病する話…
- 179二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 08:41:54
キスして感染る王道のやつ…!
- 180二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 18:14:44
家族全員看病で…
- 181二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:56:12
ほし
- 182二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 07:11:35
- 183二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 14:34:36
- 184二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:04:00
わかる人にはわかると思う
- 185二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:19:08
おつ
- 186二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 08:14:06
おつつつ
- 187二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 18:52:58
素晴らしいSSありがとうございます
- 188二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:00:00
ほし
- 189二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:11:15
おつ!
- 190二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 18:35:56
おつ
- 191二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 06:18:38
早保
- 192二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 15:31:55
ほす
- 193二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 19:49:26
ほ
- 194二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 06:50:02
ほほ
- 195二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 18:36:04
終わりが近い…