- 1124/09/18(水) 13:26:30
- 2124/09/18(水) 13:32:16
- 3124/09/18(水) 13:33:32
※
現在の状況
レッドガン拠点…ヴォルタ(精神汚染で前線投入不能)
前線…カタフラクトVSジャガーノートVSレッドガン
どっかの病院…ミラージュ - 4124/09/18(水) 13:35:02
※
立て直したことだし、現場の戦闘からやっていきましょう
今回はカタフラクトVSジャガーノートVSレッドガンとかいうスーパー戦車道大会です
これまでとは色々勝手が違うし頭数も多いので、レッドガン
①ミシガン
②ナイル、dice1d2=2 (2) (五花海/イグアス)
③レッド、↑で外れた方
の組み分けで基本的に管理していきます
なお敵がどっちも高機動高火力の要塞なので鈍足のガチタンは欠席である意味正解でしたが、ガチタン欠席によって今度は火力が全体的に不足する罠が発動する模様
- 5124/09/18(水) 13:51:19
※
①ミシガン
②ナイル、イグアス
③五花海、レッド
この小隊編成でいきます
なおヘイト管理が面倒臭いのでデカブツは2体ともレッドガンの排除を優先するものとします
カタフラクトを優先して倒す為、ミシガンはカタフラクトを正面から殴るアタッカー担当で固定します
問題はミシガンをカタフラクトの弾幕から守る為の囮役をする筈だった2小隊ですね
今後の動きとしてはdice1d2=1 (1)
1=②の小隊がミシガンと協力してカタフラクトを攻略し、もう片方の小隊がジャガーノートを抑える
2=③の小隊がミシガンと協力してカタフラクトを攻略し、もう片方の小隊がジャガーノートを抑える
- 6124/09/18(水) 14:18:02
ただ一方的な狩りにする筈だった場に現れた、全く調査が出来ていない大型戦力の乱入
それでも思考を固めることなく即座に動けたのは日頃の賜物か
カタフラクトと取っ組み合っていた最中に突如向きを変え突っ込んできた巨体に対し、全員動き出しは早かった
《散開!》
副長の声が届くのと同時かそれ以上に早く、全員がその場を飛び退き離脱する
ヴォルタがACに乗って前線に出られないのは本人に原因があるが、今回ばかりは出撃しなくて正解だったかもしれない
重装機動砲台ジャガーノート
ルビコン解放戦線の切り札とも言えるその巨体は、かつて全ての戦線を睥睨し、あらゆる外敵を焼き払っていた
あの日我々が越えられず多くのものを失った壁の頂上に待ち受けていた、最大の理不尽の象徴
耐久力と火力の代償に脚が遅いガチタンにとっては最悪の相性とも呼べる、彼にとってはあらゆる意味で因縁の敵だ
「………」
《G3、G6に伝達。作戦を変更する》
「ま、我々でしょうね」
轟音にかき消されそうになりながらも回線を開き、カタフラクトから放たれるレーザーを避ける
その背後で乱入してきたジャガーノートの装甲が光線を弾く音がした
即ちその装甲の厚さを示す音の低さに、既にげんなりしそうだ
《どういうわけか解放戦線も俺達に用があって来たらしい。見れば分かると思うが重装機動砲台ジャガーノートは正面に強固な装甲を展開しており、カタフラクトとは逆に正面からの攻撃が一切通用しない。こいつに走り回られると後が面倒だ。お前達は一旦カタフラクトから離れ、ジャガーノートを止めろ!その間こちらの攻撃は俺とG5で何とかしておく!》
五花海dice1d100=94 (94)
やれやれ、死ぬ気は置いてきたんですが←50→負けるわけないでしょう、このガラクタに
レッドdice1d100=2 (2)
…死んでも押さえます←50→勝てますよ、今の俺達なら
- 7124/09/18(水) 15:03:16
《AC二機でこの弾幕の中ジャガーノートの討伐!?無理です!》
距離を置いたジャガーノートからグレネードが放たれるのを、横にズレてやり過ごす
…搭載していたパルスシールドは、少し前に奇襲気味にこちらを狙ったレーザーからの防御で切ってしまった
パルスシールドは一度使えば長い冷却時間が待ち受ける
一人で戦っている時とは訳が違う
一人なら面倒な攻撃は防ぎ単調な攻撃は無視してしまえば良いだけだが、今は身を守る力を自分だけの為には使えない
私が守らなくてはならないものは、コアの外にも存在している
この猛攻の中で盾を手放すに等しい無防備な時間は否が応でも増え、いつも以上に私の神経を刺激していた
《一度引き、MT部隊の支援を要請することを提言します!ここはより弾幕の厚さを増やした上で勝負を挑むべきです!》
…その苛立ちに近い尖り方をした神経に、その大声は少しばかり嫌な響き方をする
「悪い発案ではないですが、無理でしょうね」
いつもより険を含んでいることを自覚するが、どうにもならない
即死しかねない攻撃が激しく飛び交う雪原を走り回りながら、背後に庇った後輩の提案を切り捨てた
「この雪原には連中の足や砲撃を止める遮蔽物がありません。奴等が直線状に走るなら、全パーツを捨てたヘッドブリンガーでも容易に追い抜けてしまうでしょうね。そんな状況で逃げるのも、MT部隊を仮に呼べたとしても火力支援を受けることも現実的ではない」
《……!》
「我々が最短でジャガーノートを沈め、カタフラクト討伐の難易度を下げる。その方針で行きましょう。G2、こちらの子守はお任せを」 - 8124/09/18(水) 15:49:38
《死ぬなよ。家に帰るまでが遠足だ》
「私は死にませんよ。まだ、その凶兆は見えていないのでね」
伝えるべきことだけを伝え、通信を素早く切った
私も副長もACに乗って長くなるが、流石にこの大火力の暴風雨の中でのんびり喋っているだけの余裕はない
喋るのは、お互い生きている間でなければ出来ない
だがお互い生きていれば、いつだって話は出来る
だから今は、目の前のことだけを
一度深く息を吸い、きっかり三秒かけて吐き出す
その三秒の間に脳内の情報を一度整理し、優先順位を付け直していく
警戒すべき攻撃はどれか、無視して良い情報はどれか、今倒すべき敵と、私が組んでいる味方の位置はどこか
ごちゃついた戦場の全てを把握している必要はない、そうなることを防ぐ為の各個撃破だ
カタフラクトも総長達のことも、一旦全て忘れて良い
「ヴォルタ、こちらG3。我々はこれよりジャガーノートの討伐に専念しますが、こちらへの応援は不要です。カタフラクトの方を支援してください」
《…アンタ一人で全部やろうってのか。俺を気遣ってるつもりなら、》
「気遣いなど戦場でするほど私はお人好しじゃありませんよ。ただ、少し試したいだけで」
《試す?》
「ええ」
ジャガーノートの履帯近くにバースト射撃を叩き込み、視線を引き寄せた
虫を払うように振り回された上体がばら撒く地雷の描く放物線を見極め、ハーミットと並んで一つずつ撃ち落としていく
「我々は、壁を越えられなかった。それは君が一番よく知るところでしょう」
《……!》
「しかし一方で、漁夫の利とはいえ壁越えを果たしてみせたレイヴンと渡り合った彼女は、《壁は越えられる》と言った。
不可能を一つ可能に変え、そして自ら羽根を折った。他でもない君の為に」
《……》
「だが彼女は再び戦場に立ち、自分で戦うことを選んだ。
君だけの為の自分でいることの歪さも、誰かを救えない弱さも認め、その上で新たな戦う理由と強さを自分で見つけてきた。彼女は一度完全に自分に絶望し、そこから変わってみせたんですよ」
絶望とは、今までの自分を捨てずに否定することだ
生傷を包丁で抉るようなそれは、ただ負けを受け入れることより遥かに難しい
だが彼女はそれを越えたから強くなれたのだ
――なら、自分達は? - 9124/09/18(水) 16:10:27
敵対勢力から斜陽グループと侮られても、実力で何とかしてきた
自分達はレッドガンのAC乗りだという自負は、何があってもこれまで揺らいでこなかった
だが、それで今まで何をしてきた?
壁で部隊が全滅した
ヴォルタは彼女がいなければ帰れなかった
解放戦線の捕虜に逃げられた
副長は彼女が来なければレイヴンの排除に殉じていた
封鎖機構の介入に押し切られた
レッドは彼女がエゴを優先しなければ黙って消されていた
解放戦線の動きを見切れなかった
我々の誰かは彼女が情報を買ってこなければ死んでいた
これまで誰が、何を出来た?
誰も、何も出来ていない
結果論だとしても、それが現実だった
「ミラージュ・ストラトス。彼女は、紛れもなくレッドガンにとっての吉兆でした」
今我々がここまで誰も欠かずに生き延びているのは、どこまでいっても所詮運だ
ただ自分達の足元に転がって来た幸運の切符を拾っただけ
ミラージュ・ストラトスが、我々にとって本当に幸運の女神だっただけだ
「しかし運気とは川の流れ。流れ続ける水は山を削り、やがて流れは変わっていく」
彼女は選択した
誰にも恨まれない生き方ではなく、誰かに恨まれてでも自分で理由を選んで戦う生き方を
彼女はもう、壁の前で足を止めた時の彼女ではない
既にそれだけの時間が流れ、レッドガンを守っていた運気は遠くなっている
いい加減、その真実に誰もが向き合わなくてはならない時期が来ていた
「我々もいい加減に己の立ち位置を認め、そこから変わらなくてはならない。
だから私は知りたい。私に、彼女と同じように『絶望する才能』があるのかを」 - 10124/09/18(水) 16:38:39
※
なんか視点受け持つことが多いし、ミラージュの善性に脳焼かれた結果レッドガンサイドの隠れ主人公みたいなことになってんなこの詐欺師…
ジャガーノート戦からキリの良いところまでやってきますか
ジャガーノートの動きdice1d3=2 (2) 攻撃の精度60+dice1d40=27 (27)
1=タックル
2=射撃攻撃
3=地雷ばら撒き
G3 五花海70+dice1d30=6 (6)
G6 レッド65+dice1d35=28 (28)
- 11二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 17:53:50
このレスは削除されています
- 12124/09/18(水) 17:56:04
「G6、ここからは小隊を解散して二手に分かれますよ」
ジャガーノートを相手取るのは、たったの二人
頼るにはあまりにも若く、背中を預けるには弱すぎるその相棒に喝を入れた
「盾持ちの私が攻撃を引きつけます。その間君は背後を叩いてください」
《了解…!》
返ってくる声は固かった
そりゃそうだ
火力支援を要請しようという発想に至ったのは、即ち勝算を低いと認識しているせいだ
レッドガンにとってジャガーノートは因縁の敵であり、同時に彼は自分が弱いことを誰よりも知っている
自信を持てと言っても無理な話だろう
だが、それでもやることをやってもらわなければ困る
既に作戦は土台の部分で崩れており、誰にも余裕なんて最初からない
全員が生きて帰る確率を上げるには、全員が役目をこなすしかない
《少し時間を稼いでください、死ぬ気で止めます…!》
「いいえ、死ぬ気でなど止めなくて結構」
言うが早いか駆け出したハーミット
その機体も持った兵装も未だ刻まれた傷は少なく、特にこの星ではまともに前線に出たことなんて指を折って数えきれてしまう
ただ戦争時代の総長の姿に憧れたまま、英雄の意味も理解しないままここまで来てしまった
張子の虎である彼は、まだ本物のライガーが何を考えて戦っているのかなんて分かっていない
彼を本物の虎にする
それが先に産まれ長く生きてきた私が、この場所ですべきことの一つだ
「絶望は、それを越えなければ無駄な痛みにしかなりません。直近に自殺の予定もない方が死ぬ覚悟などしなくて結構」
カメラの死角を狙い大きく迂回して走るハーミットの存在に気付いてしまわないよう意識を引き続ける
三つ並んだ砲台がこちらを向くが、大きく飛び退くことはしない
二つを避けて右に飛び、同時に冷却を終えたシールドを即座に起動する
私を捉えたまま飛んでくる砲弾の爆風を防ぎ、ACSへの負荷を無視して四脚の力で高く跳び上がった
ジャガーノートの無敵じみた装甲は、あくまで正面だけ
「必要なのは、ただの『本気』です」
背面ブースターに照準を合わせた私を狙い打つべくジャガーノートが上を向いたのとほぼ同時、私の眼下でミサイルが炸裂した - 13124/09/18(水) 18:18:27
※
無関心だったミラージュに気絶してるうちに命を救われ、世話焼いてたG13は後に死神化とろくなもんじゃない対人関係を構築しているぺーぺー枠のレッド君
その内心やいかにdice1d100=79 (79)
変わることも、死ぬのも怖い。自分は変われない←50→怖いけど変わりたい、変わらなきゃいけない
スタッガーを取ったのでちょっとダイス
ジャガーノートの損傷状況dice1d100=22 (22)
~30…まだピンピンしてる
31~70…ミサイルポッド破損
71~90…3連装砲の砲身が乙った
91~…履帯が死んだのでもう動けない
ミサイルポッドが破壊の場合レッドは爆発から逃げきれるかの判定65+dice1d35=27 (27) (76以上で回避)
またスタッガーからの復帰時に地雷ばら撒きか突発タックルをするのでその際の判定もします(81以上で回避)
五花海70+dice1d30=26 (26)
レッド65+dice1d35=23 (23)
それと追加で幸運チェック
五花海dice1d100=52 (52)
レッドdice1d100=87 (87)
10未満でカタフラクトのゲロビ(即死もある)が飛んできます
- 14124/09/18(水) 18:28:16
※
追加でダイスです
コーディネイター絶滅戦争とミシガン達についてレッドが知ってること
ミシガンdice1d100=90 (90)
ナイルdice1d100=76 (76)
戦果の情報はほとんど見当たらない←50→割とがっつり活躍がバレている(盛られてもいる)
- 15124/09/18(水) 18:46:16
自分に才能なんてものはない
G6というコールサインを得て暫く経った今でも、その考えは変わっていない
俺の家は貧しいのに大家族だ…いや、大家族だからこそ貧しかったのかもしれないが
俺は兄弟の中で長男で、下の子供達を親の代わりに守ることが役目だった
ただ皆で食い繋ぐ為に割の良い仕事を探して、動けなくなるまで働き続ける
明日を迎えることに必死で、何の為に生きてるのかとか、将来どんな大人になりたいのかなんて考える暇もなかった
そんな昨日の延長線上にある今日にしがみつくだけだった日々の中で、ミシガンという英雄を知ったのは本当に偶然でしかなかった
木星戦争の英雄
コーディネイター殺し
ベイラムの歩く地獄
数多の戦場で暴れ回りその名を轟かせた、ベイラム経済圏のトップスター
彼を呼ぶ名は多く…最初こそ何かの紙面で見かけただけだったが、その中でも彼を一躍有名にした木星戦争の記録は特に見た
人より速く走り、人より激しく戦い、人より長く戦う
それは人という存在が戦いの為の進化を続けた果て
星よりずっと眩しい極北の光、その強さに憧れた
この人みたいに、なりたいと思った
忙しい生活の中から時間を絞り出して、そこに手を届かせる為のことは何だってしてきた
ACに乗っての土木作業なんかも積極的にやって、少しでも機体に手を慣らしていった
ベイラムに何か思い入れがあるわけじゃない
ただミシガン総長のいるところにいたくて、その一心だけでレッドガンの門戸を叩いた
そして入隊試験に通って、訓練生から始まって…そこからも、憧れに追い付く為なら何だってしてきた
雑用も、オペレーターも、整備の手伝いも、戦闘も……人を撃つことだって
けど何をやっても所詮三流止まりで、今一つパッとしない成績だらけ
死なない程度にはセンスがあったとしても、俺は天才じゃない
訓練をサボったのがバレて強制連行されたイグアス先輩が欠伸を隠しもせずに撃った弾が全弾命中したのを眺めながら、そう思った - 16二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:50:04
少年漫画してるなレッド君
- 17二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 19:05:40
総長の戦功が盛られていく
- 18124/09/18(水) 19:09:23
ACや四脚MTを壊すと、時折作戦に貢献したとしてボーナスが入る
ただでさえ前線を物量任せで使い潰す社風なんだから、ベイラム所属隊員の多くにとってボーナスは喉から手が出るほど欲しい
ボーナスを貰って使いきった後なら死んでもいい、そう豪語する隊員もいたくらいだ
だがACを落とせるのなんて同じACに乗った腕利きくらいで、そうなると大体のボーナスは我々レッドガンAC部隊が掻っ攫うのが常になる
ミシガン総長は滅多に前線に立たないが、たまに出てボーナスを得ると俺達への奢りですぐ使ってしまう
副長は貯金している
五花海さんはボーナスを元手に何かビジネスを企んでは、三度に一度くらいの頻度で副長の地雷を踏んで制裁されている
イグアス先輩とヴォルタ先輩は娯楽の為に使いきる(そして何故かたまに金欠になる)
そんな風に己の実力の対価を当然のものとして受け取る彼等に、いつか自分も並ぼうと訓練を重ねてきた
そして俺もそうやって、ボーナスを稼いだ
当時は今より更にヒヨッコだったから、どんな戦闘だったかなんてほとんどうろ覚えだ
だが初めてのことだったから、自分が初めて殺した奴のことだけは、今でも鮮明に覚えている
そして次の給料日に出たボーナスをどうしたのかも覚えている
……俺の初めて貰ったボーナスは、今も全額俺の口座に残っている
仕送りをしているとはいえ稼ぎ頭かつ体力のある俺がいなくなって、実家がどれだけ困窮しているのか
日頃苦労させていることを詫びる為にも、少しでも金を送ってやらなきゃいけない
それを知っていて俺は、そのボーナスを実家に送れなかった
人を殺して稼いだ金で、弟達が食べる肉を買うのか?
帰るべき家の食卓が、人の血で汚れていく
そう考えたら、駄目だった
その日の夜、俺が殺したパイロットの千切れた腕がステーキになって、それを美味そうに弟達が食っている夢を見た
…ここにいたら人を撃つのが当たり前になることなんて、分かっていた筈だ
木星戦争の英雄が何故英雄と呼ばれているのか、散々見てきた筈だ
全部見て、知って、それでも先輩達に憧れて追いつこうとしていた筈だ
なのに俺はその時になって、皆が俺を褒める理由に共感出来なかった
被弾しすぎてぐちゃぐちゃになったハーミットのコアから出て、周りの人が急に怖く見えた
……俺は、戦場で生きる才能がない
洗面台に胃の中のものを全部ぶちまけながら、そう思った - 19124/09/18(水) 19:34:56
起用担当として、多くの傭兵を見てきた
大豊のばら撒き依頼に集ってきた者から、本社に名指しで雇われた者まで
その多くは、一対一なら俺でも2分以内に殺せる
だが、たまにそうではない者が現れた
G13もミラージュも、その「そうではない者」だ
ガリア多重ダムで突如裏切り、イグアス先輩とヴォルタ先輩を単独で伸した
壁でキャノンヘッドと殺し合い、一方で壁からキャノンヘッドを連れ戻した
解放戦線の捕虜を巡って二人が出会い、理不尽と奇跡の応酬が起きた
最初はこんなことになるとは思ってもみなかった
彼等は総長曰く「安いおまけ」と「本物の役立たず」だったのだ
なのに、蓋を開けてみればどうだ?
彼等は戦場に立つ度に奇跡を起こし、幾つもの死線を潜って生き延びてきた
戦場に立つ度に変わり続ける彼等に、迷いは見えない
彼等にとって殺してきた相手は重りではなく、糧になるから
彼等はそれが出来る人間だ、俺とは違う
企業のAC乗りが傭兵に侮られるわけにはいかないから、態度には出さないよう意識しているが…それでも、もう見えている
彼等と戦えば、負けて死ぬのは俺の方だと
恐らく総長もそれは分かっている、だから俺をなるべくオペレーターにしてきている
その証拠に俺が出撃するようになったのは、ヴォルタ先輩が出撃出来なくなったからだ
ただ席を替えただけで、俺が出撃メンバーの座を奪ったわけじゃない
そんなことが出来るほど、俺は才能なんてない
そう確信して、それでも俺はここまでそれを黙っていた
敵を撃っても吐くこともなくなり、普通にボーナスも仕送りが出来るようになってからの数年
ここまで俺が立っていられたのは、ここに総長がいるからだ
あの日見た、今も焼き付いて離れない光
追い付く為に重ねてきた努力、使ってきた時間、家に帰らないことを選んだ当時の自分
その全てを、捨てられなかった
その全てが間違っていることを認めるのが怖くて仕方なかった
「いつかあの人みたいになりたいと思っているG6 レッド」から、俺は一歩も動けなかった - 20124/09/18(水) 20:20:18
※
今戦う理由、才能のない自分に絶望してなお立ち上がる理由dice1d3=2 (2)
1=星に追い付きたいんじゃない、その光より上へ
2=好きだと思えた人達を、自分で守れるようになりたい
3=才能があるだけの人間を、越えたい
- 21二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:40:25
奇しくもミラージュに似た動機
- 22二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:42:56
少年漫画してるよレッド君………!!
- 23二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:44:22
しかし見事に年長組と若手のバディになったな
これは個別面談なのかもしれない - 24124/09/18(水) 20:45:36
今までの全てを失いたくない、だから変わることを恐れてきた
才能がないことを理由に、自分は強くなれないのだと納得していた
逃げることも進むことも出来ない、だから足が止まったままだった
それを憧れの人がいる場に意地で立ち続けていると誤魔化していた
俺が積み重ねてきたのは努力じゃない
ただ、何もしない理由を並べてきただけだ
ヘルメットを脱げないヤドカリ、先輩達の後塵を拝す隠者、獅子に憧れた張子の虎
俺の本質は痛快なくらい分かりやすく、いつだって変わっていない
本物達はいつだって、俺みたいな凡才の遥か頭上で、一際強く輝き続けている
それに目を眩ませている俺は、星にはなれない
いつまでも地べたに足を付けて動けないままのカカシだ
(……変わりたい)
どうやって?
「死ぬ気で止めます…!」
本気で死ぬ気なんか、これっぽっちもないくせに?
(死にたくない…!)
死の気配を感じる時、いつだって遠くにいる家族の顔が脳裏を過る
もうずっと声も聴いていない家族の、記憶の中で掠れた顔が蘇る
それがあるから、俺は死ぬ勇気なんて持てないままだった
けど、それを捨てる勇気も持てないままだから変わってこられなかった
俺はどうすればいい?何をすれば変われる?何を変えれば、俺は総長みたいになれる?
何をするにしても臆病でどっちつかずな俺は、何から捨てるべきなんだ?
考えて、すぐに結論は出た
(……無理だ)
何かを捨てられるなら、最初からこんな悩みはない
俺が今になって変わりたいと思うのは、それだけ俺が変われない人間だからだ
…伸びしろという言葉がある通り、人は、成長するのも力の一つだ
全ての出会いを糧とした彼等にあって、俺にないもの
変わる力、変わることを迷わない力…新たな自分になる為に、今までの自分を全て分解してしまえる覚悟をする才能
……俺には、そんな才能はない - 25124/09/18(水) 21:11:30
己の凡才ぶりに、ほとほと呆れる
元々のポテンシャルもなく、成長する力もなく、死ぬ気で戦うだけの度胸もない
俺には、何もない
こうして飛び交う殺意に肌を焼かれ、目の前の大型に睨まれていると…つくづく、そんな自分の矮小さを突き付けられている気分だった
俺に何が出来るんだろうか
もしここにいるのが、俺じゃなくてヴォルタ先輩なら…総長すら超えかねない火力で勝負をすぐに付けてしまうことだって出来る筈だ
だが実際ここに居るのは俺で…その俺に、何が出来る?
真っ向から戦う力も、機動と策謀で相手をかき乱す力も、激しい戦闘を耐え抜いて何かを守る力もない俺に
…正真正銘どうしようもない、空っぽの役立たずの俺に
本当に俺は…死んでしまったって良いと、何なら死んでしまった方が良いと、ここで開き直れたら楽なのに
(俺、どうしたら……)
脳の皴に泥水が沁みていく
戦場はクリアに見えていて、未だ損傷はないのに…酷く全身が怠くて、重くなっていく心地がした
この今の心地を、恐らく人は「絶望」と呼ぶんだろう
どこを見渡しても、答えどころか自分が何を悩んでいるのかすら見えてこない
八方塞がりでどこにも行けず、ただその場から動かず沈んでいくしかないこの状態を
自分の中で渦巻く焦りと疑問に、それでも正面から向き合えないまま
ただいつも通り、何かをどうにかしようとも思わないまま、ただ漫然と銃口を向けて
《いいえ、死ぬ気でなど止めなくて結構》
そんな俺のぼんやりした意識に、彼の声が冷や水をぶっかけた
「……え」
かつてベイラム経済圏で逮捕されるまで、広域をその舌一つで崩壊に導いていたというパイロット
彼の“いつも通りの声”とは、感情の読み取れないものだった
俺からジャガーノートの意識を逸らすべく、マシンガンとミサイルの弾幕が砲身の近くを狙って突っ込んでいく
《絶望は、それを越えなければ無駄な痛みにしかなりません。直近に自殺の予定もない方が死ぬ覚悟などしなくて結構》
3連装砲の砲弾を避け、そのうち一つは敢えて本気で避けずに引き寄せる
向かってくる大口径の砲弾を捉えきっている動きをしながらわざと避けずにいる彼は、しかし冷静なままだった
慌てることも臆することもなく、ただ正面に見えるものに対し最善のタイミングでベストを尽くす
淀みない操作でシールドを展開した鯉龍が爆炎に一瞬飲まれ、しかし傷一つないまま空へ舞い上がる - 26124/09/18(水) 21:11:41
《必要なのは、ただの『本気』です》
「――――」
死ぬ気ではなく、本気
その言葉に、頭を侵食していく沼の中から一筋の光が見えた気がした - 27124/09/18(水) 21:26:22
※
「死ぬ気じゃなくて本気でやれ」理論、ちゃーんと聞いとくべき奴は他にもいるね?
⑨コンビおめーらだよ
イグアスdice1d100=98 (98)
ヴォルタdice1d100=53 (53)
んなもん聞いてない←50→エゴに火がつく…?
明日も早いので今日はここまで
- 28二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:32:25
なんか熱い展開になってるな…
- 29二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:48:22
レッドガンは少年漫画だった………?
- 30二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 06:50:52
イグアス坊やがやる気出してる………!
- 31二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 07:51:47
最初の回避で最大値出した二人が本気なのは確か
その二人が他メンバーに火をつけるのよくできてるな - 32二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 07:57:20
ヴォルタに発破をかけるイグアス…ってこと!?
- 33二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:10:43
ここのイグアス君はアイスワーム戦で最後まで残ってそう(?)
- 34124/09/19(木) 15:00:01
“死ぬ気”と“本気”
その差は言葉のあやでしかないようで、恐らく大きく意味が違う
今まで、散々いろんなことをやってきた
だが「本気を出して何かをやったことはあるか?」と聞かれると、色々やってきた割にはあまり答えに自信を持てない自分がいた
(本気って、何だ?)
頭が回らなくなるくらい集中すること?
動けなくなるまで体力を使うこと?
…多分、それだけだと違う
それは本気じゃなくて、必死なだけ
力不足なせいで何をしてもパッとせず、要領も大して良くないからやる事が全て泥臭くなっていただけだ
置いていかれないように必死で足掻くのと、自分の意思で本気を出すのは違う
だったら…“本気”って、何だろう?
俺には、五花海さんの言いたいことが分からない
分からないまま機体を慣性に任せてドリフトさせながらハンドガンを構えて…
(…それじゃ、駄目だ)
それを、下ろした - 35124/09/19(木) 15:00:29
ただ戦場にしがみついて、先輩達に置いていかれたくない一心で必死に戦う
だがそれでどんな俺にもなれなくて、だから今こんなに絶望しているんだ
いつものやり方じゃ駄目だ
疲れるくらい頑張ってみたけど届きませんでした、そんな結果はただの自己満足であって成長でも努力でもない
それじゃ駄目なんだ、漫然と戦うな
ただ戦って何かが出来るほど俺は強くないし、何となくの猿真似で追いつけるほど彼等は弱くない
追いつけないなりに、同じ戦場へ自分で走れ
どうすればいいのか分からないなら考えろ
今自分がすべき事を、自分の力で解釈しろ
自分に才能がないことなんて分かりきっている
それで変われなかったのだって分かっている
けど分からないなら、分かるまでやるしかない
やり続けることだけは、今までだってやってきただろ!
開けた視界の向こうで、横殴りの吹雪に吹かれたジャガーノートが天を仰ぐ
飛び上がってホバーに切り替えた鯉龍を追っているからだ
砲口が五花海さんを狙って上体が反り返って、盾もないまま背負われた剥き出しのブースターが下を向いた
ACのメインカメラと同じ高さの位置
照準すら合わせずに最短で狙える場所
五花海さんが身体を張って丸裸にした、敵の喉元
それが今、俺の目の前に
「——……あった」
バチリと頭の中で稲妻が走る
その閃きに背中を突き飛ばされるような心地のまま、両肩のミサイルを全て撃ち込んでいた - 36二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 20:41:10
覚醒が始まった………のか…?
- 37二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:18:20
ここの五花海さんアーキバスに乗り換えなさそう
- 38二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 23:31:11
だって自分を捕まえた男と弟子と頼れる総長が1人も死んでないからね
- 39二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 00:04:48
このレッド君には総長もにっこり
- 40二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 06:53:09
このレッド君は最後発狂しなさそう
- 41二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:41:01
【悲報】フロイト、本家で超強化修正が入って剣豪化
- 42二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 10:32:43
野良犬とメス野良犬だけでなく後輩にも背後から追いかけられて尻に火がつくイグアス坊や
- 43二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:07:16
なんか621の裏で別のストーリーの主人公やってるじゃねえかいいねぇ
- 44二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 20:00:49
この戦いが終わったらヴォルタと一緒に五花海に弟子入りしてそうだなレッド君
- 45124/09/20(金) 20:22:42
背後に切り捨ててきた方角から盛大な爆発音が聞こえた
カタフラクトは俺達の目の前にいる、ということは爆撃されたのはもう片方のデカブツ
そこまでは分かる
《G3か?》
《当てたのはG6ですよ》
「…んだと?」
だが、五花海のその報告は、信じられなかった
信じたくなかったのかもしれない
カタフラクト相手に何をするわけでもなく、適当にミサイルを引きつけていくだけでやり過ごしている時間
何をしても何をしなくても同じだけ経過する
だから何をする気にもなれないまま、適当にやり過ごしていただけなのに
「……テメェもか」
死角から飛び出してきた小さな犬に、服の裾へ噛みつかれたような心地がした
(……まただ)
この星に来て何度目だ
正気を削っていく耳鳴りを覚えるよりも少しだけ前から知ったその感覚が、重なりながらずっと俺の中にある何かを焼いている - 46124/09/20(金) 20:26:43
昔から、クソッタレな世界を呪って生きてきた
俺がどうやって生まれたのか、俺を生んだ奴がどういう人間だったのか、そんなものはどうでも良いし覚えちゃいない
ただ毎日毎日泥や血に塗れて、路地裏のゴミとごちゃ混ぜになりながら生きてきた
俺がゴミと違うのは、いつだって吠えてきたことだけ
俺以外に路地裏に転がってるのは、本物のゴミか、ガラクタ、ヤクのキメすぎで機能停止したクズ、あるいは喋りもしねえ死体
それらと同じ場所にいても、同じにはなりたくない
だから俺をゴミと同じように見てくる全てに吠えて、噛みついて、逆に奪い尽くしてきた
俺はそうやって生きることを、生まれつき許されている側の人間だった
いつだって負けなかった、引かなかった
俺を引き摺り下ろそうとする奴も、俺をイカサマ師だと吹かす奴等も、全員ぶちのめしてきた
俺は世界一の富豪だとか、世界最強の傭兵だとかにはなれないだろう
だが“俺”を誰に染められることもなく、自由に生きていける“俺”の領主にはなれる
その自負心だけが、俺の中の財産だった
ヴォルタだってそうやって生きていく中で出会った人間の一人だ
奴がどういうつもりで俺を見つけたのかは分からない、だが俺を侵略してくることはなかったから、取り敢えず近くにいても放っといてやってただけだ
この領域は誰にも渡さない
そのプライドは誰にも渡せなかった
俺を嵌めやがったイカサマ野郎共にも
俺を闇医者に売りつけたあのクソジジイにも
俺に何の得も寄越さなかったヴォルタにも
俺を無理矢理連れていったミシガンにも
俺の前に何度も何度も現れる野良犬にも
俺の出来ないことを突き詰めた、あの女にも
俺が“俺”を守っているうちに時間は流れ、その間に忙しなく色んなことが起きた
その時流に飲まれてヴォルタが変わり、野良犬とあの女が全部滅茶苦茶にしていく
その間も、俺は“俺”を守ってきた
守られてきた“俺”は、何一つ変わってこなかった
いつからだったか
俺の中にある不変、それは“不変”ではなく“停滞”だと、目まぐるしく動く世界が喚いているような錯覚を覚えるようになったのは - 47二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 01:42:08
早め保守
- 48二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 05:11:05
保守
- 49二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 13:54:14
イグアス君はクソが!!!ってなりながら泥臭く足掻くのが似合うよ…
- 50二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 19:19:30
このレスは削除されています
- 51124/09/21(土) 19:50:23
路地裏にいた頃から、誰かの下について生きている人間のことを理解出来なかった
それは強化手術のモルモットにされてからも変わらず、寧ろ理解出来ないそれへの拒絶反応は憎悪へと悪化していた
ヴォルタも邪魔じゃねえし、側にいられても悪い気はしなかったが…奴だって俺がどういう目で見ていたかは分かっている筈だ
なのに俺から離れずにいたアイツのことを、結局俺は終始理解しきれないままだった
どうして誰も怒らねえ
なんで平然と生きていられる
それが正しいことだからか?
俺は“俺”の王であることを、何にも譲らずにいる方がおかしいのか?…絶対に、そんなわけがない
(そんなもの、俺は認めねえ)
人を見下している奴は目を見れば分かる
だから俺は、レッドガンの連中が嫌いだ
そういう奴に限って馬鹿の一つ覚えで総長、総長…自分が負けていることにも気付いてねえ、一番手に負えない負け犬共
一緒にいるだけで俺まで負け犬の群れに加えようとする、連中のことが大嫌いだった - 52124/09/21(土) 20:06:35
レッドは番号付きの中でも一番連中それに近い、何ならその辺の奴より酷い匂いのする奴だった
入った頃から分かりやすくミシガンに傾倒しきった言動を見せ、規定にうるさく、そのくせ何の実にもならねえ自己満足だけやってる才能のねえ馬鹿
才能も無い後発が他の人間に勝つには効率を詰めなきゃ話にならねえのに、奴は効率なんて概念もねえような思考停止野郎だ
後輩を指導してやれだ何だとあちこちから口うるさく言われたが、そんなもんは勝手にお節介しだした五花海やヴォルタに投げて俺自身は無視を決め込んだ
(一人で気持ちよくなってるだけの奴に何言えっつーんだよ)
俺には少なくとも“俺”を誰にも食わせないだけの才能が最初からある
逆にお利口さんを演じようが根性論を唱えようが、弱い奴は何も出来ない負け犬に過ぎない
だからアイツもまた“俺”を食うなんて夢も見られない、俺の嫌いな生き物だった - 53二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 00:11:25
規制かな?ゆっくり待ちますよー
- 54二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 10:20:30
保守
- 55二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:10:49
さりげにアプデで強化されましたねイグアス君
- 56124/09/22(日) 17:20:15
※
戦闘開始からジャガーノート1回目のスタッガーまでの間のイグアスの活躍dice1d100=57 (57)
ミサイルで邪険に追い払われ、大火力対処はナイルのワンマン。お前何してんの?←50→背後を気にせず攻撃を引き寄せまくって目立った戦績はない
- 57124/09/22(日) 17:44:02
なのに
(…何だ、これは)
《スタッガー!》
《吉穴が見えたようで。私も相乗りします》
《よくやったG6!そのまま奴の重たいケツに本命をお見舞いしてやれ!》
《G3、前のカメラから外れすぎるなよ!》
たかがスタッガー一発、たかがミサイル一撃
俺から見ればそれだけでしかないものの為に、場の空気が変わり始めていた
ACS負荷限界による一時的なシステム硬直
その硬直自体は数秒に過ぎないが、高速で展開されるフィールドで“数秒”はいくらでも致命傷に出来る
スタッガーを誘発させ、その隙にデカい本命を叩き込む…戦闘員なら誰でも知ってる基礎の基礎だが、これが出来ねえ奴なら既に死んでる
戦闘では一番大事な数秒だが、言っちまえば今生きてるような奴にとっちゃどんな奴相手でも取れて当たり前の時間でしかない
仮にも企業の精鋭を名乗ってる俺達が今まで何回も見てきた、あの女でもポンポン取れちまうレベルの代物だ
なのに今更…全員が格下だと確信していた負け犬のラッキーパンチの、何をそんなに重く受け止めてるんだ
「…ラッキーパンチ程度に、くっだらねえ」
本当にラッキーパンチだったのか?答えを知っているのはdice1d2=1 (1)
1=ナイル
2=五花海
- 58124/09/22(日) 18:11:16
《まだその性根は治っていないらしいな》
「んだと?」
《元博打うちが呆れたものだな、やはりただの運任せか》
通信越しに嫌味を言ってくる高圧的な声に、こめかみ辺りが引き攣る心地がした
いつもより低くなる声に何を感じたのか、鼻で笑うような声音は本能の敵意を引き起こしていく
《必然がない以上あらゆることには常に確率論が付きまとうが、全てが想定外で構成された奇跡など事故でしかない。我々がそんなアクシデントを歓迎するとでも思うか?》
「……」
《G5、まぐれと幸運の間には埋められない谷がある。それすら分からないようなら、今の貴様はG6以下だ》
イグアスはラッキーパンチのカラクリに気付いている?dice1d100=67 (67)
気付いてない真性の幸運野郎。そんなだから罠にハマって売られるのである←50→既にカラクリ自体は分かってる、ただ認めたくない
- 59124/09/22(日) 19:03:33
「……」
本当は、分かってる
ここまで生き延びて俺と同じ場に立ってるような連中だ
人の下にいるのがこんなに気に食わないのに、俺がここを抜け出せない要因そのもの
そいつらが愚鈍なら、こんなに何もかも気に食わない人生の浪費はしていないんだ
ACを乗り回して高速で戦っている以上、どうしたって誤射や機械の不調なんかのトラブルは否定しきれない
だが戦場で起こる全ての出来事が、全てそんな事故と同列に語れる偶然ってわけじゃない
ポーカーもブラックジャックも、戦闘も喧嘩も、根っこの部分は全部一緒だ
この世界で起きる出来事は、凡そ全てが掛け算で説明出来る
あの女とヴォルタが壁で潰し合った際のログが最たる例だ
火力が足りないスピード特化の軽量二脚と、機動力が足りていないガチタン
左右の腕と肩に搭載した武器をフル活用しても決め手に欠き、全力を尽くしても凹凸がハマって拮抗するだけ
そのバランスを崩す為に、二人が別々のタイミングで利用したのがジャガーノートだ
ジャガーノートの大火力狙撃を死角から迫る第五の武器として利用して、旋回が追いつかないキャノンヘッドの装甲を突破しようとしたあの女
大口径砲弾の爆風を盛大な追い風として利用し、装甲がまるでない二脚のコアの防御が間に合わないタックルを死角から仕掛けたヴォルタ
二人共自分の武器と不足しているところを正しく把握し、その上でその穴を埋める為のベストを選択していた
――キャノンヘッド×アサルトブースト×爆風×1.2、今俺の出せる最大の攻撃、一発限りの“6番目の攻撃”!
――ブースト吹かして至近距離から高速突貫!その場でターンし始めてるガチタンじゃ初動から回避が間に合わない、回避不能の絶対直撃弾丸特攻!この機体でキャノンヘッドを倒す為に必要な、“6番目の武器”!
勝ち方には二通りある
自分が何もしなくても他の奴の干渉や相手の自滅で勝手に手中に転がり込んできた勝ちを拾うか
あらゆる要素を使って自分で組み立てた式、それが全部ハマる瞬間をいの一番に掻っ攫って勝つか
拾った勝ちと奪った勝ちは似ているようでその実全くの別物、ナイルが言ってんのはそういうことだ
そんなこと、とっくに分かってんだよ - 60124/09/22(日) 19:21:29
だから気に食わねえんだ
自分で勝ちを作りに行けるのは、自分でそのピースを探して埋められるだけの実力がある奴しかいない
それをミシガンやヴォルタがやったところで別に何も思わねえ
だがアイツは、違うだろ
根性論を振りかざし、英雄のイメージだけに憧れて、意味もねえ努力ですらねえ何かをしてるだけのクズ
アイツは俺より出遅れてる側の人間で、経験も才能も足りてねえ、効率なんてまるで理解してねえ、俺達の中で一番死ぬべき格下だ
負け犬なんだ
その筈なんだ
そいつが、俺達側に踏み込めてるわけがねえ
俺が何も出来ていないこの時間に、何かを出来るわけがねえ
ラッキーパンチに決まってる、寧ろテメェはそうじゃなきゃいけねえんだ
テメェに何が出来る
テメェは“俺”を喰えねえ、俺より格下の負け犬だろ
じゃなきゃここにいる俺は、一体何なんだ?
《G6は確かに未熟だが、今回は自分で方程式を成立させた》
ミシガン以上に鼻につく、人を威圧して睨むのに慣れてる声が鼓膜を刺す
《最短距離でのミサイル直撃によるスタッガーは、あのFCSに頼りきっていては狙えないテンポでの急襲だ。上空に飛んだ鯉龍を狙ったジャガーノートが砲の仰角を稼ぎ、その裏で背面のブースターがACのカメラと同じ高さにまで高度を落としている。それに気付いたからこそ打てた一手だ。汎用性の塊であるACが多数で連携すれば、可能性は幾らでも作り出せる》
「………」
見る余裕もない背後で起きたことなんて知るわけもない
レーザーキャノンで執拗に狙われながらもそれをペラペラ喋っているこの男の余裕そうな態度は、俺との違いを見せつけているようだった
…気に食わない
《己だけでは勝てない相手にも勝てるほどの力を引き起こす化学反応、己の中だけで完結しない“勝利の方程式”。その価値を理解しきれない奴から負け犬として死んでいく。理解しろG5、貴様が今立っているのはそういう場所だ》
全てが“俺”を侵食しようとする
突き付けられた世界の正体は、全てが俺の気に食わない姿をしていた - 61二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 00:51:03
深夜保守
- 62二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 09:34:44
保守
- 63124/09/23(月) 10:46:11
※
寝坊しました(言い訳)
丁度いいのでカタフラクトの方のダイスをやっていきましょう
カタフラクト70+dice1d30=1 (1)
ミシガン75+dice1d25=18 (18)
ナイル70+dice1d30=25 (25)
イグアス70+dice1d30=19 (19)
なおゲロビは別枠である
カタフラクト70+dice1d30=16 (16)
対象G dice1d6=6 (6)
回避ロール(対象になった場合ジャガーノート組は15未満で、カタフラクト組は対抗ロールに負けたら被弾。大火力に追い回されているナイルは回避にマイナス修正。なお被弾した場合ミシガン以外全員即死もあり得ます)
ミシガン75+dice1d25=8 (8)
ナイル70-15+dice1d30=27 (27)
五花海dice1d100=9 (9)
イグアス70+dice1d30=27 (27)
レッドdice1d100=17 (17)
- 64二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 10:50:30
カタフラクト君やる気だして
いやでもビームの殺意高いな… - 65二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 10:54:32
よく見るんだ、対象によっては五花海さん即死案件なんだ
- 66二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 10:56:00
レッド君はこのスレにおけるもう一人の主人公だった…?
一撃キメたと思ったら協力してくれた師匠(?)が被弾する流れが完璧すぎる - 67二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 11:11:32
そのレッド君もギリギリ被弾を避けた感じの数値だしな~
ジャガーノート組のダイス目の芸術点が高い - 68124/09/23(月) 11:35:33
※
五花海は死ぬにしてもあと2ターン粘れ
にしてもやること多いなこの人
回避はdice1d2=1 (1)
1=レッドさん渾身の神回避
2=五花海狙いだったけどカタフラクトがナイルに妨害されて外した(そして掠りそうになるレッド)
五花海dice1d100=65 (65)
レッドdice1d100=71 (71)
自分が死ぬ景色が見えた。けどまだ止まれない←50→その程度か?俺はここにいるぞ!
揃ってうっかり事故死しそうになる二人を見たジャガーノートの考えdice1d2=1 (1)
1=今向こう(カタフラクト組)突っ込んだらトップ撃てるやろなぁ…せや!
2=周りをうろちょろする二機をまとめて地雷ばら撒き攻撃ではっ倒す
カタフラクトのクソ要素はビーム撃ってる時も足が止まらない点、頼むから止まれ(n敗)
カタフラクトの被害状況dice1d100=22 (22)
〜30…履帯損傷、機体速度低下
31〜70…グレネードランチャーに損傷、誘爆する…!?
71〜95…36連装ミサイルに太陽守が直撃、射出不可
96〜…レーザーキャノンにミサイル直撃、制御不能
- 69二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 11:45:20
カタフラクトかっった
- 70二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 12:38:04
やっぱ裏主人公は渾身の神回避してくれないとなぁ!
- 71124/09/23(月) 12:48:24
いくら引き金を引き続けても、怒声の代わりにミサイルを吐き出しても、走り回る鉄の塊は止まらない
正面に剥き出しになったコアを狙おうとしても、その弱点を側面と大きな履帯で庇いながら全力疾走を続けていく
一方的に押し付けられ続ける大火力の嵐に殺されないようにするだけで精一杯の状態の中で何か目立ったスコアを上げることも出来ない時間が続く中、突き付けられた言葉だけが頭の中を繰り返し巡っていく
俺がクズだと見下し続けていた奴よりも下だと言われ、そいつは実際に場の流れを変え始めている
その新しい潮流に誰もが乗っていく中、俺だけが川岸に立ったままでいる
安定して停止した、いつだって変わらない俺の領域
それを突き破ろうとする何かを何も認められないまま、ただ時間だけが過ぎていた
気に食わないものにはいつだって噛みついてきた
一緒くたにされたくないから食い破ってきた
だがこの時間で、俺に一体何が出来た?
気に食わない今に頭を縛られて、それへ憎悪を募らせるほどに、今の俺がどこにいるのかが見えてくる
認めたくないのは、見えたそれが間違いのない事実だと分かっているからだ
ただカタフラクトの狙いを正面から逸らして、ミシガンの被弾率を下げるだけのデコイ
それすら本命の攻撃はナイルがずっと引き寄せ続けていて、俺は精々ミサイルや弾速の遅いグレネード程度しか捌いていない
この程度ならライガーテイルで対処出来るし、ディープダウンだってまだ処理しきれる範疇だ
…俺がここに居なくたって、何の問題もなく作戦は展開出来る
雑魚が初めて拾った勝ち星で流れを変えた
他の奴等はミシガンが死なない為の役目をこなしている
じゃあ俺は?
俺がここにいる意味って何なんだ?
何の余裕もない人生だったから、意味ある生とか生まれてきた意味だとか、そんな殊勝なものを考えたことはなかった
だが自分の下にいる筈のクズの方がマシだと言われ地盤が揺らぐ中、初めて覚えた疑問が慣れ親しんだ心地を伴って脳裏に過る
俺がここにいる理由
“俺”がここにある意味
投げ出して関わらないようにしたいくらいの地獄から逃げられない中で、折れそうになる何かを繕う為の糸
(俺って、何なんだ)
広大な雪原の中、レッドガンの機体と二つのデカい影がカメラの向こうで走り回っている
俺は
俺だけが、どこにもいなかった - 72124/09/23(月) 13:43:22
今までずっと、ただ“俺”だけの味方であり続けた
この部隊に入ってからも“俺”を守ることだけに躍起になって、ミシガンに噛みつき続けてきたその時間の中で、俺の居場所はほとんどなくなっていた
それでも構わなかった
それで事足りていたのは、自分の中の何も失ってこなかったからだ
何も失っていないのなら何も不足していない、ただ自分より上に人がいる現状にだけ怒っていれば十分だった
俺は負け犬じゃない、その自負は揺らいでこなかった
だが今はどうだ
ここで今、一番生きてる意味もねえクズは誰だ?
ヴォルタが壊れた今、俺の背後に誰がいる?
レッドが変わった今、俺の足元に誰がいる?
“俺”には、俺しかいない
躾もなってねえ野良犬共に滅茶苦茶にされ続け、意味も分からねえまま噛み砕かれ、食い尽くされることもないまま捨てられた過去の自分だけがそこにいる
なんで、こんなことになったんだ
――アンタが、何もしてこなかったから!
(俺が、何もしてこなかったから)
企業の精鋭と呼ばれる部隊にいることへの自負心、自分を殴りつけてここへ連れてきたミシガンへの反骨精神、それがここまで俺を支えてきた
だがそれだけで何が出来た
ギャンブルで金を稼ぐには、チップを賭けなきゃ話が始まらない
何も賭けず、何のカードを取ることもなく、テーブルにすら就かない奴が勝てるわけがない
そもそも勝負になってないからだ
俺がイカサマもなしに勝ち続け他の奴から全部を奪っていく姿をテーブルに着くこともなく遠巻きに見ながら、ただ悪態だけを吐いていただけの連中
…あいつ等は、今の俺だ
散々馬鹿にしていた奴等と、俺は同じだ
……何が、”俺”の領主だ
何もしてねえから増えることも減ることもない自分の財布の中だけ見て、負けていないと言い張っていただけ
人は誰かを自分で退かさなきゃ、グループの頂点には立てねえ
戦わなけりゃ負けねえ、だが何も得られねえ
あの路地裏に転がっていたゴミなんだ - 73124/09/23(月) 14:01:56
どこにもいない俺は、どこに行けばいい
何を足場にして立っていればいい
…何も分からない
《レーザーキャノンに熱反応!集中レーザーが来るぞ!》
「……」
頭の中がまとまらない、それでも戦場に慣れきった身体は正しく外部の情報を拾ってくる
少し焦りを見せた声に反応した指と足が自ずと動き、機体を後方へ飛び退かせた
大口径にロックされた時のアラートは鳴っていない、なら狙いは別の奴だ
ただその間のグレネードやミサイルは別の奴を狙える、だからここにはいられない
そう判断して最小限のステップだけを踏んだ俺のいる場所とは全く違う方を向いたカタフラクトのレーザーキャノン、その先にあるのは俺でもナイルもいない、ただ距離を取って分断されたジャガーノートが駆けずり回っている
そしてその周囲には、あの巨体をこちらへ向けさせない為にあの手この手で意識を引き続けているAC二機
(…コイツ…)
その狙いの意図に俺達が気付いたのは恐らくほとんど全員同時だ
ライガーテイルは狙い撃てない正面に纏わりついている
ナイルは何度狙っても避け続けるし、俺の動きはそれ以外の兵装だけで牽制出来る
だがその動きは、あくまでジャガーノートが分断されてこっちに攻め込んでこないから出来ているに過ぎない
そのジャガーノートは正面こそ不沈艦だが、性能も操縦桿の技量も特務機体のカタフラクトには遠く及ばない
俺達全員をより確実に抹殺する為には、戦況を変える必要がある
その為に初手で狙うべきなのは俺達じゃない
《G3、G6!》
《……!》
真意を読んだナイルが叫ぶが、既に遅い
あらゆる爆撃を受けた履帯を破損させながらも止まることのないカタフラクトが大口径を集約させ、一筋のレーザーが銀色を突き破って大気を焼いた - 74124/09/23(月) 14:50:43
※
カタフラクトのブッパで期せずして包囲が緩んだ為、ジャガーノートが合流しようとします
そういうところで連携しなくて良いから(良心)
ジャガーノートVSG3、G6
ジャガーノート70+dice1d30=11 (11)
レッドガン70+dice1d30=26 (26)
対抗ロールで勝った場合、合流前に足止めしてミシガン達を逃せます
心が折れてないので、出目で負けたらどっちか寿命を削ろうね
- 75二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 15:14:18
なんかこいつら覚悟が違う………
- 76124/09/23(月) 15:30:45
吹雪でも冷ましきれないレーザーが大気を焼き、雪を一瞬で融解させ地面に一筋の傷をつけていく
距離が離れているせいでカメラでも着弾位置は見えず、向こうがどうなったのかも見えない
《G3、G6!損傷の報告を!》
《今のをACで受けきれるとでも思うか?随分と夢見がちなことだ》
あまりの高威力を近くで観測したせいか、レーダーが落ち着かない
直接神経と同化した感性がざわめくその感覚の嫌悪感に冷や汗を流しながらも本能的なそれを振り切ろうとコアの中で首を振っていると、聞き覚えのない声がした
ミシガンよりナイルに似た、他人をゴミと同じ場所にあるものと思って見下しているような声
自分こそが絶対に正しく上の存在だと信じて疑わない、カスとは正反対にいても同じくらい俺が嫌いなタイプの人種の声だ
レッドガンの誰でもないなら、それを喋っている人間は一人しかいない
「カタフラクトの執行官…!?」
《相変わらずだな、木星戦争の英雄。あるいはコーディネイター殺しとでも呼ぶべきか?》
《…執行官は戦場で井戸端会議するのが仕事らしいな》
《あの楽園で人の本性に絶望し、地獄を見てきた者同士だ。懐かしさを覚えても悪くはないだろう》
「……?」
こいつら、何の話をしてやがる?
あちこちから流れ着いた連中だらけのレッドガンとはいえ、封鎖機構の執行官だった奴なんていない
なのに向こうはやけに親し気にミシガン達に話しかけている
そのことへの強烈な違和感を、カタフラクトを中心としたこの狭いフィールドの中で俺だけが覚えているらしい
その疎外感が、また気に入らなかった
《貴様らのことはよく覚えているよ、ファーロンのミシガン、ベイラムのナイル。我々が閉ざし、監視しながら守ってきた楽園に踏み入った害獣共》
「同窓会ならあの世でやっとけや!」
《よせ、G5!》
まるで自分の存在が最初からなかったように進められる会話が、軋んだ神経に特に今は刺さって仕方ない
その空間をぶっ壊してやろうとリニアライフルを構えるが、飛来したミサイルの群れを見て即座にチャージを止めざるを得なくなる
チャージ出来なきゃ、火力型とはいえライフルであの装甲は正面以外どこも抜けない
また一つ、分厚い壁が俺の前に立ちふさがる - 77124/09/23(月) 16:24:48
《だがこの星に、何の因果か彼女は現れた。あの地獄から持ち出された人の業の結晶体、あるいは秩序を求める我々の最後の希望である彼女は…!》
再度急発進したカタフラクトが目の前にいたライガーテイルを弾き飛ばし、壊れた履帯を強引に稼働させて走り出す
その速度は落ちているとはいえ、やっぱり機動力特化型でもねえACじゃ追いつけない領域のまま
ミサイルを垂れ流し、グレネードを撒き散らしながら駆けるそのシルエットを追い回しながら、その速度差に歯噛みする
《知っているぞ、ベイラムのレッドガン部隊。貴様らはこの星までもを荒らす害獣であり、彼女を絆して縛る軛だ。
貴様らが生きている限り彼女はいつまでも小さな世界だけを守ろうとする、我々が彼女を見つけたあの時のようにな…!彼女が本懐に回帰しなければ、いつまでもこの世界は指針を見失ったままだ!》
「コイツ何言って…」
追い付けない巨躯の咆哮に合わせ苛烈さを増していく弾幕に進めなくなりながら舌打ちすれば、後方への警戒を促すマーカーが現れると同時にアラートが鳴る
後方から俺をロックオン出来るのはあっちのデカブツだけだ
「クソ、ジャガーノートがフリーになりやがった!」
さっきのレーザーで五花海達が吹っ飛んだのか、ジャガーノートの放った砲弾が俺を狙う
それをギリギリまで引き寄せてから避けるが、飛び退いた先でまたアラートが鳴る
既に向こうも作戦を切り替えたらしい
緩んだ包囲網をダッシュで突っ切って、こっちに合流する気だ
カタフラクトとジャガーノートを同時に相手取ったらまず耐え切れずに死ぬのは俺達のACだ
だが今から向こうに飛んでも妨害は間に合わない
俺が接敵してACSの負荷を貯め直すより先に、ジャガーノートがこっちに飛び込んでくる
あの二人がヘタを打った今、作戦は完全に崩壊した
「クソが…こんな終わり、認められるかよ…!」
…俺が何もしなかったからじゃない、あいつらのせいだ
あの二人が思い上がって被弾したりするからこうなったんだ
あいつらのせいで、こんな何一つ気に食わないデッドエンドを押し付けられる羽目になったんだ
「カスが…!」
この遮蔽物も何もない場所で脱出しても逃げきれる可能性はかなり低い
ジャガーノートに轢き殺されて死ぬか、カタフラクトに消し炭にされて死ぬか
前後から俺を挟み撃ちにするろくでもない死に方のビジョンを、ただ何も出来ないまま呪った - 78124/09/23(月) 16:36:02
※
今のうち~いまのうち~
コーディネイターへの反応
ミシガンdice1d100=30 (30)
ナイルdice1d100=84 (84)
五花海dice1d100=60 (60)
イグアスdice1d100=54 (54)
レッドdice1d100=6 (6)
どんな経緯があっても、生まれたものは生まれたもの←50→身体ん中ぐちゃぐちゃのキメラ野郎がよ…俺が駆逐してやる
コーディネイター技術の存在自体は実はヴォルタ以外っつーか今前線に出てる人全員知っているんだな…(パート8参照)
- 79二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:38:58
実際に現場を見た二人が真逆の意見なの、““味””
- 80二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:52:35
総長とレッド君が同じ意見なのなんかいいな
- 81124/09/23(月) 17:12:31
自分を挟み込む死のビジョンに囚われて、どこにも動けずにいた
格下だった奴のせいで死ぬしかなくなったことへの怒りと、やっぱりソイツは俺より格下の何も出来ないカスのままだったことへの安心が渦になる
目に映る全てへの怒りまで渦と一緒になってごちゃ混ぜになっていく自分の中の暴風を抑えきれない
停滞してずっと死んだように凪いでいた筈の”俺”の中に、横殴りの風が吹きすさぶ夜が影を落としていく
(…動けねえ)
ずっと何かを呪ってきた
外から目を逸らして、自分の中の何も変わっていないことだけに安心してきた
だから名前も知らなかったこの感情の正体が、どうせ終わる今だから呼べる気がした
どこにも俺がいない世界への忌避感
何も出来ず、世界のどこも傷付けられない自分への無力感
これを人は、「恐怖」って呼ぶんだ
…そうか
「……はは」
分かってしまえば、なんてことはない
蟠ってこんがらがって名前も付けられないくらいに絡まっていた激情が、するする解けていった
俺は、怖い
死ぬことが怖い
狩られる側でいるのが怖い
こんな気持ちになるのは、俺が弱かったせいだ
何もしてこなかった奴には何も起こせない、だから死ぬ
この世界に、俺の痕跡なんて何もない
俺は、どこにもいない
漸く分かった
……俺は、領主でも何でもなかった
雪の上に足跡も遺せないで死ぬだけの、ただの蟻だったんだ - 82124/09/23(月) 17:31:01
既にシールドは冷却に入り、ちまちま削られ続けてきたヘッドブリンガーのAPはリペアキットを切っても万全には出来ない
防御も修繕も追いつかない状態…動かなけりゃ、一直線に勝負はつく
自分の中の恐怖を認めたおかげで、自分の身体が鉛よりも重くなっていた
散々自分だけの王だと思っていた自分への滑稽さで全てが馬鹿馬鹿しく見えてくる
操縦桿を握る気力も湧かないし、脱出レバーも重いから引く気になれない
「…馬鹿みてぇだぜ」
いつだったか、かつて俺の相棒だった男が言っていたセリフと同じ言葉が口をついて出た
…そうだ、ガリアのダムで野良犬と戦った時だ
それまで通りキャノンヘッドを守るように前衛として立っていた俺を優先して狙ってくる野良犬にムカついて前に出過ぎた結果、俺が先に撃破された…その時に言われたんだっけか
あの時のアイツも、吠えまくってる俺をこんな気分で見てたんだろうか
自分がどこにいるのかも、犬なのか人なのかも分からないで、ただ吠えているだけの痩せ犬
そりゃ、馬鹿みてぇだよなあ…
昔から、俺が気にしねえでも生きてるようなことを見てから動いてるような男だった
学はねえけど、多分俺より頭が良い奴だった
だから俺自身よりずっと、自分が今どこにいるのかをちゃんと分かってんだろう
そういう奴だったから…誰よりも先に、俺達の命運を悟って恐怖に負けたんだ
アイツが壊れたのはあの女のせいでもある
けど半分くらいは…アイツ自身が、弱かったせいだ - 83124/09/23(月) 17:56:15
「ヴォルタ」
《イグアス馬鹿かテメェ!?さっさと回避しろや!》
ここにいない男に通信を繋げば、すぐに大声で罵倒が飛んでくる
…俺がこんな気持ちなのに、なんで他人のコイツの方が必死なんだろうな
まあいい
売り言葉に買い言葉の威勢を張る気も失せた、というか馬鹿馬鹿しくてやってられねえ
もう何もしたくねえ
さっさと全部一瞬で終わらせて、何でも良いから楽になりたかった
ただ…俺がいなくなったって、何も変わらねえ
レッドガンに新しいG5は来ねえし、俺一人残して勝手に折れやがったこの馬鹿が今度は一人で残されていくだけだ
前までは、腹立たしいがあの女が隣にいた
だがもう今、あの女はいない
アイツは五花海が言ったように自分がヴォルタを救えねえことを理解して、違う自分になった
救うんじゃなくて、守る為の存在
守れるのはまだそこにあるものだけだ、壊れちまったものは守れねえ
だからアイツは壊れっぱなしのヴォルタの隣にはもう来ない
無論、俺だってそんな高尚な存在じゃない
ヴォルタを救ってくれる都合の良い神様なんてものは、どこにも存在しない
それだけは親切心で教えてやろうと思った
「テメェ、いつまでも負けてんじゃねえぞ」
《……イグアス?》
それだけ言えれば十分だった
いつか明かりもない部屋の中で佇んでいたアイツの中にとぐろを巻いていた、真っ黒い狂気
それをもう見なくて良いと思うとせいせいして、もう何も考えずに目を閉じていられた
俺を蟻と呼び散々罵ってきたあの女のことが嫌いだった
俺を役立たずと呼び、勝手に連れてきておいて扱いてくるミシガンが嫌いだった
俺に見えないものが見えて、俺に出来ない生き方が出来るヴォルタが嫌いだった
…だがそれも全部、もう終わる
醜い嫉妬も、情けねえ恐怖も、馬鹿みてえな怒りも、何の意味もなかったまま - 84124/09/23(月) 18:02:00
※
火を点けんのはdice1d2=2 (2)
1=死ぬ気はないが本気で止まらないレッドさん
2=ヴォルタ経由でチャンネルに乱入してきたミラージュ
- 85124/09/23(月) 18:47:58
《だったら先に負けてんじゃねえよクソ蟻!!》
「…!?」
全部を底に沈めて終わる気だった
認めたくもない弱さを認めて、自分の醜悪さも滑稽さも全て知った
これ以上何もしたくないから、何のプライドも持たずにいられた
なのに目と鼻の先まで迫っても拒む気も起こせなかった暗闇を、聞きたくなかった声が粉砕していった
「は…?」
その衝撃に、閉じていた目が思わず開く
その声の乱入を、誰が予想できた
その女の持ち込んだ話に乗ってこんな場所まで来て、その女を庇っているであろう土着共が湧いてきたんだ
だから彼女に売られたんだと、きっとほとんど全員がそう思っていた
もうヴォルタの神になることも自分でやめたこの女は、ベイラムの敵になることを自分で選んだ筈だ
なのに、なんで、この女の声がする?
なんで今更、俺達の側に現れる…!?
「なんで…テメェが…」
《ぼさっとするなG5!》
女の声で無数の亀裂が走った暗闇に、別の声が殴りこんできた
《まだ何も終わっていない!》
《とんだじゃじゃ馬だ、このガラクタが!》
いつまで経っても来ない衝撃と鳴りやむアラート
そして入れ違いにノイズだらけだったレーダーに浮かび上がった二つの僚機反応
反応の出た方向を見れば、半分以上が真っ黒い煤に塗れた機体が内燃型ジェネレーターの赤い炎を噴きながら黒煙を上げるジャガーノートを取り囲んでいた
《G3、G6!》
《やれやれ、そっちのガードが緩いせいで死ぬかと思いましたよ。センサー系統の全焼で済んだのは僥倖でしたね》
レーザーに基部を焼かれたのかシールドを捨てた鯉龍と、ミサイルポッドを片方失ったハーミットが両腕の武器を構える
《何勝手に諦めているんだG5…!足を止めるな、手を降ろすな!何も終わっちゃいない!俺達はまだ、ここにいる!》 - 86124/09/23(月) 18:52:35
※
何も才能がないけど努力ですらない自分虐めみたいな真似だけはずっと出来るタイプの狂人レッド君的にイグアスはdice1d100=87 (87)
天才のくせに本気も出さずすぐ腐るので割とマジで嫌いだった←50→性根はアレだと思うけど本気で尊敬してるし、イグアスが火を点ければ立てる人間だと信じてる
- 87二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 18:53:57
光が強い
- 88二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 18:56:41
表立って言ってはいないんだろうけどその先輩内心で君のことずっとカス呼ばわりしてたんだが…
ちょっとこの英雄エアプの光強すぎない? - 89二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:01:17
これまでのレッド→原作未履修だけど「愛はあります!」みたいなこと言って二次創作書いてる総長エアプ夢女子
今のレッド→戦場適合レベル1のレッドガン所属AC乗り
そら強くもなるし男前にもなる - 90二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:20:07
レッド君作画変わった?
- 91124/09/23(月) 19:22:34
※
ジャガーノートの損傷調べんの忘れたdice1d100=26 (26)
~40…ミサイルポッド破損
41~85…3連装砲の砲身が歪んだ
86~…履帯が死んだのでもう動けない
この戦いで即死しなかったらもうレッド君じゃなくてレッドさんって呼んだ方が良いかもしれない
- 92二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:25:38
レッド君じゃなくてG6になったな
総長もそうだそうだといっています - 93二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:33:41
この戦いが終わったら五花海さんが手ずから中国茶を振る舞ってくれるやつ
- 94124/09/23(月) 20:27:09
「……なんでだ」
《細かい話は後でする!ジャガーノートの主砲再装填まであと三秒…二人共ミサイルポッドへ集中砲火!》
《足は!?》
《アンタ等じゃ履帯壊せないでしょ!先に上を壊して!》
《まったく、早々に無茶を言ってくれる!》
突如飛び込んできた存在に動きが止まるのは一瞬
何かを理解するよりも早く再び動き出したハーミットのバズーカがジャガーノートのミサイルポッドを歪め、その歪を鯉龍の放ったミサイルが食い破る
黒煙と爆発音を上げてポッドが爆ぜた衝撃にその巨体が揺れ、傾いた機体を支える脚が止まった
《ミサイルポッドが壊れた…!ジャガーノート、再度スタッガー!》
《畳みかけろ!》
女の声が割り込んだ途端、攻撃の効き目が変わり出す
生まれたその隙に二人が即座に飛び掛かっていくのを、俺はただ茫然とその場で見ているしかなかった
「なんでだよ…」
《カタフラクトの情報をわざと握らされて、アンタ等をここにおびき寄せる餌にされた。私はベイラムと組む気はないけどレッドガンと事を構える気もないって言ったでしょ、だから》
「違え!」
通信に居座った声の釈明を怒鳴って遮った
大人しく死ぬ筈だった俺の中に大波を突然起こされて、また制御出来ない嵐が起きそうになる
「テメェのことなんざこの際どうでも良いんだよ!なんでそうやって動ける。なんで戦える。死に目見てんだろうが、目ェ腐ってんのか!?」
解けたはずの激情がまた絡まり始めて、わけのわからないまま自分の中から溢れ出した
レーザーキャノンに狙い撃たれてギリギリ生き延びただけのカスが、なんでここまで心を折ってねえのかも
俺達を土着共に売った筈のあの女が、なんでこの期に及んで俺達を助けるような真似をしているのかも
それを五花海もレッドも何も言わず受け入れて、なんでそこまで迷わず動けるのかも
何一つ理解出来ねえ世界が、全く知らないものに見えた
理解出来ない、俺の常識が通用しない世界
俺だけを置いて変わり出した世界は、もう俺の理解の及ばない姿になっている
それが怖くて、恐怖は本能に染みついた攻撃性に転じていく
「なんで絶望しねぇ!なんでテメェ等はそうやって生きてられるんだよ!」
《絶望なら、さっきした》
怖いものを怖いと言えないから、倒せもしないそれに虚勢を張っているしかない
叫びにしかなれない俺のその絶望を、カスだった筈の男は即座に一蹴していった - 95124/09/23(月) 21:02:37
《俺には貴様のような才能もセンスもないから、特段高いプライドもない。ただ分かりやすい弱さを認めて、自分に絶望した。だからひとまず、それから今の自分に出来る正しい”本気”を尽くしてみることにしただけだ》
「……!」
弱さを認めて、絶望すること
それを特に重くもなさそうに言い切ったレッドの声は、何の緊張もなかった
そんなわけがない
俺がそうだったように、自分に絶望することは簡単じゃない
絶望するってことは、己の中のエゴの負けを認めることだ
今まで自分を守る鎧だったプライド全部を諸刃の剣に替えて、自分を滅茶苦茶に切り刻むようなものだ
負けを認めないで意地を張ってる方がずっと楽で、だから俺だってずっと目を逸らしてきた
なのにコイツは、それを惜しみなく認めやがった
(…本当に、これがレッドなのか?)
今までコイツが間違った努力をしてきたのは、コイツが意地を張っていたからじゃない
ただ理解出来ていなかっただけだ
自分の間違いを理解した瞬間、そうやって全部を惜しみなくぶち壊す
そんな力を俺は持ったこともない
俺がカスだと思っていたコイツだけにある、コイツが俺を越える”力”だ
《貴様は俺よりずっと強い。天性の戦闘センスも、戦い続ける才能も、俺なんかより遥かにある。
何回総長に倒されても戦うことを捨てなかった貴様は、俺よりずっと強い…!なのにそんな貴様が、何で立ち上がれない!》
自分が下だと認め、折れ、そしてそこから立ち上がる
一度本当に折れているなら、その難しさは分かっている筈だ
なのにその男は、俺に火をくべてくる
《そこでずっと折れてるだけで何が出来る!認めただけの負けに何の価値がある!?突っ立っている暇があるならさっさと死ぬ気で変われ!》
嵐に見舞われずぶ濡れになった荒野に火を点けるなんて、無謀で無駄な努力だ
そんなの誰だって分かっているだろう
ましてや俺がカスだと軽んじていた男だ、それを気付いているだろうに親身になる方がどうかしている
《立て!立って本気で戦え!貴様は俺より!ずっと強いだろうが!!》
なのにその男の声は、誰が聞いても明らかに本気だった - 96124/09/23(月) 21:08:50
※
前線が色々忙し過ぎてヴォルタとしっとりしてる暇がない
というわけで本日はここまで - 97二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:14:12
おつです~
ここのダイス神はレッドガン箱推しなのかもしれないと思い始めたここ最近 - 98二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:37:51
なんか路線がだいぶシリアス系少年漫画に転向してるな………(今更)
もしかしてミラージュが大怪我した理由ってギャグ補正が抜けたから…? - 99二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 07:49:13
保守
- 100二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 08:19:10
ギャグは壁で死にました
まあそれはそれとして、負けん気強いし大体最初から何でも出来る天才だけど変に現実が見えてる難燃性の先輩と、才能ないし要領悪いからすぐ根性論に頼るけど本当に根性だけで走ってられる可燃性の後輩がお互い「コイツは俺より強い」ってなってんのエモい…エモくない? - 101二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 18:53:27
保守
- 102二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:30:06
相棒が一皮むけそうなヴォルタ、どう出る?
- 103二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 07:15:28
蟻とカブトムシ………
狂犬と駄犬……… - 104二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 08:00:49
孵化したてのやわやわカブトムシから立派な外郭を携えたカブトムシに変貌しつつあるレッドさん
蟻は噛みついて暴れるのか、隙をみて針を突き刺すのか、はたまた体自体を爆発させて相手を攻撃するのか - 105二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 18:49:20
保守
- 106二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 00:05:16
コーディネーター絶滅戦争時代の封鎖機構とか死ぬほど内ゲバ激しそう
そりゃ地獄になりますわ - 107二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:13:11
保守
- 108二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 09:58:31
アニメだったら「張子の虎」ってサブタイ付いてそうなカタフラクト戦回(英雄の虚像に憧れていただけのレッド、威勢は全部虚勢だったイグアス)
- 109124/09/26(木) 11:47:58
やりたい何かが出来ないと分かるほど、理想に届かない自分を突きつけられるほど、息が苦しくなってくる
足掻くほど全てが嫌になる、この溺れるような心地こそが絶望だ
呼吸がそれまでの何倍も重くなって、心臓を動かすことすら辞めてやりたくなる
そのまま息も鼓動も忘れて今全てを諦めてしまえば、きっと楽になれる
あるいは自分の中を埋め尽くすこの重すぎる絶望を、それすら背負っても空へ飛んでいけるような奴に押しつけてしまえば良い
自分じゃない誰かが自分の不可能を可能に変えた時、絶望から抜け出したくても動けずにいた自分は救われる
そうやって皆、誰かが自分をもっと良い未来に引っ張って行ってくれるのを待っている
大なり小なり、《英雄》ってヤツはそういう望みがある場所に生まれてくる
誰かに望みだけ託して自分は逃げるか、泥の中で溺れ死んで終わるか
救われる方法は二つに一つで、俺はどっちの道に行った奴のことも知っている
どっちの方がマシなのか、俺には今も分からない
ただ、少しだけ分かっていることがある
「本気で戦え、ね」
俺に負けるなとさっき言ってきた女に、戦うことをやめて自分の希望を全て押し付けた奴がいる
そいつは腐りきった性根を隠して必死に努力している風を装っていたが…俺は、そいつがふとした時に見せる眼が嫌いだった
そしてあの女はどれだけ何を押し付けられても、文句ひとつ言わずに全部担いできた
それを俺はずっと、ただ拒むことも選ぶこともしないで押し流されてきただけだと思っていた
だが自分自身が絶望に溺れそうになった今だからこそ、正直に認められる
押し流されただけだとしても、あの女はそれに溺れることも潰されることもなく自力で泳いでいた
それはあの女の弱さじゃなくて、あの女にしかない“力”だ - 110124/09/26(木) 12:26:42
※
イグアスの戦う理由はdice1d2=2 (2)
1=“俺”も絶望も誰にも渡さねえ…!あの女が誰かの希望になるなら、俺は希望も食い尽くす王になる
2=認めても気に入らねえもんは嫌いなままで良い!嫌いなもんは全部ぶっ壊す、嫌いな奴からは全部奪う、それが俺だったろ
仕事!飲み会!飲み会!仕事!みたいなリアル生活と広域規制でもう進捗ダメです
- 111124/09/26(木) 15:34:50
絶望を知ったからこそ、外の世界の正体が見えた
俺を絶望させた連中は、俺の頭上や眼前にいると気付いた
あの女の強さが欲しくないと言えば嘘になる
あの女は《英雄》になれる側の人間だ
レッドの強さが眩しくないと言えば嘘になる
あの男は天才じゃねえが狂人側の人間だ
だが、だからってアイツ等みたいになりたいわけじゃない
羨ましいだけならここまで腸は煮えくり返らない
憧れただけなら、ここまで忌々しくは思わない
アイツ等の姿を見て、声を聞かされて、胸の内に沸き上がるこの透明で真っ赤な何かの衝動
その正体を俺は知っている
この感触を俺は覚えている
この星で灰に塗れながら昨日とよく似た今日をなんべんも生きていくうちに忘れかけていた、俺を突き動かす原初の衝動
そうだ、絶望するような今を後生大事に抱えるな
必要なのは再起動する為の熱だ
傷だけを作っていく今までの中に埋もれきっている、俺が見つけた”俺”の心臓
初めて握った銃の引き金を引かせ、戦場に産声を上げさせた全ての元凶
その姿を、その名前を思い出せ
「……ムカつくぜ…」
なんで今もACに乗っているのか
なんでレッドガンにいるのか
なんでミシガンの下にいるのか
「この、俺が…!テメェ等みてえなクズに…」
なんで、俺は戦っているのか
渦巻く疑問は全部、同じ答えを待っている!
「憧れたんだ…!」
微かに残ったプライドの残骸が締め上げる喉は酷く狭くて息を上手く吐けなくなる
それでも絞り出した敗北宣言に、遂に自分の中の何かが完全に壊れる音がした - 112124/09/26(木) 16:02:04
※
自分の中で不完全燃焼し続けていたエゴの正体を思い出したイグアス
最初に狙うのはdice1d2=1 (1)
1=カスが叩いている過去の象徴ともいえる因縁の敵ジャガーノート
2=偉そうにナイル達に占領され自分を無視して喋ってるカタフラクト
キレたイグアスを見た面々
ミシガンdice1d100=97 (97)
ナイルdice1d100=100 (100)
五花海dice1d100=86 (86)
レッドdice1d100=39 (39)
何だこの我儘大将!?←50→遅えよ
実は初期好感度はかなり高かったミラージュdice1d100=42 (42)
爆発力が大きすぎる…イレギュラーめ←50→良いね。そういう我儘は嫌いじゃない
- 113124/09/26(木) 16:31:57
※
轢き逃げアタックを防がれたばかりに死因が増えるジャガーノートくんかわいそ…いや別に可哀想でもねえな
被害はdice1d100=20 (20)
~40…三連速射で三連装グレネード砲が全て破壊される
41~85…バーストリニアライフルによるワンホールショットで履帯破損、走行不能
86~…旋回が間に合わないスピードで背面にぶちかまされて突然死
イグアスがジャガーノートを狙ったのはdice1d3=2 (2)
1=別にカタフラクト対策に自分はいなくても良いな…という判断から
2=トドメを掻っ攫って自分に啖呵切ったレッドを活躍ごと食い殺す気
3=過去の野良犬が越えられた壁を、俺が越えられねえわけねえだろうが
元々今のミラージュよりイグアスの方が格闘戦は出来るけど、本来のミラージュは人型最強みたいな近接性能
喧嘩が出来るとはいえ、イグアスに真似出来る?dice1d100=77 (77)
流石に無理←50→できらぁ!!
相棒の本気を見せつけられるヴォルタはdice1d100=87 (87)
…お前も俺を置いていくのか←50→…あいつ等が全力で生きているあの場所に、俺も…
そしてこの後方腕組み理解者面してるトップ3共はさぁ…
- 114二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:08:13
- 115二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:12:32
潔に対する馬狼みたいになりつつあるイグアス
- 116二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:20:35
ヴォルちい間で発生した湿度がすごい勢いで除湿されている
レッドガンは除湿器だった…? - 117二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:04:44
やってることと気性は馬狼だけど本質が凛ちゃんなんだよなぁイグアス
たくさんのものを守る(為にどんな敵も倒せる)力に適合し続けるミラージュと、ムカつくから全部ぶっ壊したいから殻破って進化するイグアス
ヴォルタの敗因は脳焼かれた女と腐れ縁がどっちもイレギュラー側なこと
- 118124/09/26(木) 21:07:17
誰もが何かを目掛けて全力を尽くし、柄にもなく熱くなっている
人が死力を尽くし戦う時、そこには何か目に見えない光が満ちていく
そんな錯覚を、この仕事を始めてから何度も覚えてきた
レッドガンのオペレーターという席にいながら、その光を俺に見せつけてくるのはどういうわけか身内よりもあの女の方が圧倒的に多かったが
戦闘を日常の中に含んでいる奴にとって、戦いは一番死を間近に感じる生命活動だ
戦うことが普通じゃない奴は、死にたくない一心と高いストレスに支配されるから自分が何をやっているのかを殆ど覚えていない
だが戦うことが普通な奴にとっては、相対した奴と自分の生死が決まる一戦は悔いを少しでも残さないように生きる時間だ
だから余計な遠慮も配慮も後先のことへの憂慮もなくなった生きざまは、普通に生きているだけの人間には決して持ち得ない光を帯びていく
瞬きしている間に見えなくなる流星に少し似ている、少しすれば消えるのが分かっているからこそ何よりも眩しく見える光
その光の中に今、俺以外のレッドガン隊員が全員いる
少しでも悔いのないよう今だけに全てを乗せ、自分の為だけに生きている
それが少しだけ、羨ましい
《やってられっかよ、こんな仕事》
なのにそんな中に流れを読まず冷や水をぶっかけるように、何の感情も見えてこない声がした
《ったく…何が本気を出せ、だ。デカい口叩いてんじゃねえぞ、才能もねえカスの分際で。
この場の何もかもが気に入らねえが…特に俺が気に入らねえのはレッド、テメェだよ》
《は?》
態度が突き抜けて悪い口調は、間違いなく俺の相棒だった奴の台詞だ
さっきまでほとんど棒立ちになって、終いには俺に遺言じみたことまで言っていたくせに…一体どういう心変わりがあったのか、既にその調子は本来のものに戻っていた
何にも心を開いていない刺々しく敵意に塗れた声に、思わずカチンときたのかレッドの声まで険しくなる
だがそれに構うことなく、その場に立ったままのヘッドブリンガーが右手のリニアライフルを構えた
《土着の粗大ごみ相手に二回だ。テメェ俺に偉そうな説教垂れといて、俺を脇役にしてる間に二回も奴を殺し損ねてんだよ。
いい加減主役交代だ、引っ込んでろ雑魚》 - 119124/09/26(木) 21:14:13
戦場に聞き覚えすら置いてきてしまった銃声が久方ぶりに鼓膜を三度揺らす
中距離戦に特化しているFCSを使っていても照準を合わせるには間に合わないだろう短さの静寂だけを連れて三回連続で鳴った音が空を切り、数百メートル離れた砲門に吸い込まれていく
《上等だよ…お望み通り、本気でやってやる》
「はっ…!?」
静かな声は、無感情ではなくオーバーフローの証だ
そう気付くのと同時に、三つ並んだジャガーノートの砲台に花が咲いた
《この場の全員、俺が食い殺す。その次はミラージュ、テメェの番だ!》
《この野郎…》
隠されていた殺意が爆発的に膨れ上がり、ヘッドブリンガーのモノアイが禍々しく光り輝く
その赤い残像だけを残し、次の瞬間ダークグリーンの機体が消えた - 120二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:30:42
保守
- 121二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:53:18
総長と副長のコーディネーターへの印象が真逆なあたり、ミラージュを拾ったときに一悶着あったんやろな感が
- 122124/09/27(金) 17:01:40
※
イグアスが獲物を変えたところから新ラウンドです
ジャガーノート70+dice1d30=27 (27)
五花海70+dice1d30=12 (12)
イグアス75+dice1d25=5 (5)
レッド70+dice1d30=8 (8)
カタフラクト70+dice1d30=2 (2)
ミシガン75+dice1d25=25 (25)
ナイル70+dice1d30=21 (21)
ゲロビルーレット70+dice1d30=19 (19)
対象dice1d5=2 (2)
イグアスがカタフラクトのガードをやめた為、ゲロビヒット率が上がります
ミシガン、ナイルは対抗に負けたら被弾、それ以外は20未満で被弾します
ミシガン75+dice1d25=15 (15)
ナイル70-15+dice1d30=18 (18)
五花海dice1d100=17 (17)
イグアス70+dice1d30=10 (10)
レッドdice1d100=30 (30)
- 123124/09/27(金) 17:16:38
※
啖呵切っといて出目腐らせるのやめてもろて
ジャガーノート…97
五花海…82、イグアス…80、レッド…78
カタフラクト…72
ミシガン…100、ナイル…91
カタフラクトの被害状況dice1d100=60 (60)
〜70…ゲロビ前にレーザーキャノン破壊
71〜…コア部分にフルアタック直撃、即死
ゲロビ…89(対象はナイル)
ナイル…73
被害状況dice1d100=38 (38)
〜20…即死、ですね(カタフラクトが即死した場合はこの限りではない)
21〜50…機体が全焼したが間一髪脱出した
51〜80…ミサイルポッドに引火して機体もろとも身体を半分くらい焼かれたけど生きてはいる
81〜95…パージが間に合ったので多少の火傷(重傷)程度
95〜…機体が半分丸焦げになったけど無事
- 124二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 17:54:22
ジャガーノート「今から本気出す」
- 125二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 17:58:17
五花海さんのダイスが低空飛行で笑う笑えない
生きてると色んなやつにバフがかかるからここで殺す…ってコト!? - 126二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:53:34
総長ダイスバトル強いな…
- 127二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 07:15:42
やっぱり総長って強いんだな
- 128二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 12:11:31
- 129124/09/28(土) 17:29:52
自慢の砲台を一瞬で全て折られたのがよほど癪に触ったのか、ヘッドブリンガーが加速するのとほぼ同時にジャガーノートも動きを変えた
距離を落とした小刻みな突進を繰り返し、弾幕の薄さを図体に見合わない機動力でカバーしていく
《やっとギア上げてきやがったか》
爆風に巻き込まれて間欠泉のように立ち上る雪の合間を縫うように、赤い尾を引いたヘッドブリンガーが駆け抜けていった
間を置かず、隙を生まず、自分以外の自由を奪うように捲かれていく地雷の種
それを時に撃ち落とし、時に避けながら、ヘッドブリンガーは気まぐれな軌道で雪原をひたすら走る
迫る弾幕を何とか捌きながら、俺は視界の隅に出入りするその気配だけを追っていた
(なんて滅茶苦茶な軌道、それに型破りな姿勢制御だ…!)
こと戦いにおいて”天才”と称される者ばかりが集まるレッドガンの中でも、イグアス先輩のそれは異常だった
やる気がなくても大体何でも出来てしまうし、本人すら理解しきれていないことを感性が先に理解してしまう
そして折れることを知らず全方位に牙を剥く殺意が、彼をいつも獣のままにする
現実を咀嚼する理性と、生死の境界を嗅ぎ分ける野性、そしてそれに適合し続ける肉体
彼はレッドガンの中でも、総長とはまた違うが一際強い光を放つ天才だった
《ぼさっとすんなヘタクソ》
「誰が…!」
顔を出しそうになる憧憬を踏みつけ、飛んでくる地雷を避けて前へ突き進んだ
(そうだ、憧れは置いていけ…!)
憧れの光に目を焼かれるな、その裏にある絶望に足を止めるな
俺はイグアス先輩にはなれないし、今すぐ互角になんてなれない
ただ今は”正しい本気”で、自分なりに見える正しい道を進むしかない!
多少の被弾を覚悟しながら突き進み、レッドガンの跋扈する戦場に染まるように誰かの攻撃の意思を探す
俺みたいに弱い奴には太陽のような力強さはない、それでも誰かと影を重ねる小さな惑星にはなれる
レッドガンという部隊は、それぞれ独自の軌道を持った惑星の集った星系のようなものだ
世界の中心には総長がいて、その近くをそれぞれの周期(感性)で勝手に飛び回っている
好き勝手に生きてるだけじゃ駄目だ、近くにいる別の星と連携しろ
月食や日食が普段下を向いている人間の目すら奪ってしまうように、俺が一番多く現象を起こすんだ
それが出来なきゃ、俺はいつまで経っても何にもなれない - 130124/09/28(土) 19:11:14
- 13112824/09/28(土) 19:21:56
わ~ありがとうごさいます!線が汚いのお恥ずかしい…
漫画がかけたら壁編のヴォルちいとか描きたいけどそこまでの画力はなくて…とりあえずミラージュ(幻覚)だけでも出力したかった
セミロングとショートでも迷いましたが好みにしたがってみましたが、喜んでいただけたら幸いです!
- 132二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 22:49:38
これが惑星ホットラインか
- 133二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:06:53
- 134二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 23:26:27
さらにいうならキャノンヘッドとディープダウンも配色がほぼ同色で統一されているらしいと知って色々捗る
- 135二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 07:16:27
なんていう偶然………
- 13612824/09/29(日) 12:41:19
- 137124/09/29(日) 21:08:29
《滑稽だな》
雪を巻き上げドリフトでライガーテイルを追い詰めながら、カタフラクトが笑う
《英雄とは先陣を切って誰よりも敵を殺す者の名だ。誰かの未来を奪って名を馳せた者が、未来ある若者のハンドラーになどなれるものか!》
《よく喋る》
ミサイルを壊し足元を多少壊してなお、カタフラクト最大の脅威は消え去らない
ACを骨董品に変えてしまうほどの技術を集めた性能が、ただ抵抗する老兵を追い詰めていた
イグアスがカタフラクトの囮役を放り投げたせいで、既に作戦は当初の原型を忘れ去っていた
既に全員の役割を把握しているのか、俺に構って足を緩めながらレーザーキャノンを撃ちまくることも減ってきた
カタフラクトの狙いを逸らし足を止めるデコイは既になく、執行官は走り続けながら執拗なライガーテイルだけを狙い続けている
企業所属のAC乗りは優先執行対象だ
恐らく我々のうち俺以外が全員外様であることも調べがついているし、ミシガンのカリスマで無理矢理組織として成立させているのも露呈しているのだろう
ミシガンさえ殺せばレッドガンは崩壊する、それを理解している奴の動き方だった
(ミシガンは強い)
殺し方が分からないというか、殺しても即座に生き返ってきそうな気がするくらいには強い
それは俺自身よく知っている
執行官が乗り回す特務機体相手でも性能差を理由に敗走する未来は見えない
だが、もしも
もしも“まさか”が、あったとしたら
誰も否定しきれない数%が来てしまった時、俺達はこの星で終わりを迎える - 138124/09/29(日) 21:13:28
- 139124/09/29(日) 21:14:19
「………」
俺は、現役のレッドガンの中じゃミシガンとの付き合いは一番長い
ミシガンをファーロンから引き抜き、レッドガンの体制を作り上げ、あちこちから二人がかりで隊員候補生を捕まえて部隊を作り、唯一正規のベイラム系列戦闘員として彼等が使い潰される道を防ぎ続けてきた
ベイラム経済圏で生まれ育ち、軍警としてその世界の秩序を守る為に戦ってきた
俺にとってベイラムが牛耳る世界は命懸けでも守って当たり前の世界で、それはミシガン達と出会ってからも変わらない
だが、それでも守りたい景色が出来た
例えAC部隊の本質が企業の暴力装置だとしても、俺達が作ってきたこの部隊の正体が地獄へ突き進むだけの特急列車だとしても、この小さな世界に俺が攫ってきた彼等は生きている
その景色には、俺が心身を懸けるだけの価値がある
守るのが当たり前だから守るのではなく、守りたいと思えるから守る
誰もが忘れ、彼女だけが自らの意思で選択したその自由を、この歳になって初めて知った自分がいた - 140124/09/29(日) 21:14:49
「ミシガン」
《作戦展開中はG1か機体名で呼べ!何だ!》
「このままではジリ貧だ、俺が突破口を開こう」
ライガーテイルの兵装はガトリング砲、炸裂弾投射機、分裂ミサイル、軽量グレネード
どれもこれも持久力が低く、長期戦にはあまり向かない
機体の耐久力や一発ごとの火力の差も含め、カタフラクトとの戦いが長引くほど不利になるのはミシガンだ
歩く地獄といえど、撃つ弾も走る機体もなければ勝負は出来ない
機体が息切れを起こす前に突破口を開き、即座に勝負をつける必要がある
《突破口だと?どうする気だ》
「一瞬だけで良い、カタフラクトの足を完全に止めてくれ。ディープダウンの全火力を使って、奴のレーザーキャノンを破壊する」
《…貴様》
「勘違いするな、死ぬ気はないさ」
……半分、嘘をついた
足を止めたとしてカタフラクトの脅威はなくならない
寧ろ向かってくる敵を排除するべく、俺に全ての矛先が向かうだろう
この一瞬だけはミシガンより俺の方が即死しかねなくなる
それでも勝つには、俺も何かを懸けなくてはならない
「あのケツの青いガキ共が、本気や死ぬ気がどうのと熱く語り合っていたんだ。ならば彼等を扱いている俺達も」
それに…俺は、この後もレッドガンに居続ける自信がなかった - 141124/09/29(日) 21:15:23
封鎖機構が本格的な介入を始めてからというもの、彼女が自由に生きる道を選んだあの戦いの時から一つの疑念が自分の中に芽生えていた
それは封鎖機構と戦うほど強く根を張り、カタフラクトと交戦し続けるほど葉をつけていく
彼方の過去に埋めて葬った筈の戦いの記憶が、俺の中で鮮烈さを取り戻していく
執行官が「楽園」と呼んでいた地獄で渦巻いていた炎が、数十年の時を経てまた俺の中で燃え上がっていく
疑念がただの杞憂であればどんなに良いか
だが状況も現実も俺が目を逸らすことを許さず、彼女の戦いが出会う度に洗練されていくのを見れば見るほどに俺の中の疑念が大きくなるのを止められなかった
最早疑念は確信に近い強固さを持つようになり、あとは答え合わせを待つだけの状態になっていた
その答え合わせは、恐らくもう間もなく訪れる
その答えを、俺はきっと間違えられない
そして答えを知ってしまえば、俺は彼女を殺さずにはいられなくなる
彼女に出会って、良くも悪くもレッドガンは変わった
ただすり潰されないように生きるだけだった我々を変えるほどの光を見せてくれた彼女には、死ぬところだったのを救われたのも含めて感謝している
……それでも、きっと彼女を俺は殺す
そうなればもう、俺はレッドガンにはいられない
だからなのか、単に戦いが激化し続けていたからか、気付けば俺は心のどこかで死に場所を探していた
レッドガンを守る為に戦える、命を落としてしまえるかもしれない場所を
今回の作戦だって、本当は番号持ちを全員投入しない方向で話が進んでいたところに無理矢理全員分のアサインを捩じ込んだ
結果論で言えばそれは賢明だったわけだが…当初カタフラクト一機相手にここまでの戦力を投入しようとした俺を、恐らくミシガンも不審に思っている筈だ
どちらにせよ、既に俺がレッドガン部隊と今の関係でいられる時間の限界が近付いていた - 142124/09/29(日) 21:16:20
だから今、懸けねばならない
俺の本気を
生きるべきか死ぬべきか、運命の分かれ道を
「レーザーキャノンを破壊すれば、流石のカタフラクトも内部からの衝撃が溜まる筈だ。お前はそこを突け」
《あのレーザーキャノンの装甲はかなり硬いぞ。勝算はあるのか?》
「なければ言うまい」
本来ディープダウンは持久戦向けの機体だ
無理に攻め込まず距離を取り続け、中距離からミサイルで敵を削り取る
盾になる前衛と組むことでより安定するとも言う
その盾役だったイグアスがこのタイミングで勝手に持ち場を離れたのは計算外の出来事だったが…今の俺の狙いからすれば、イグアスが離れたのは好都合だ
寧ろあの男が本性を取り戻すのが遅すぎたとも言う
だがミシガンに勝るとも劣らない彼は、本来のエゴを取り戻した
あの飢えた魂を持った男とミシガンがいれば、レッドガンは俺がいなくても戦える
「足を止めたら暫く離れておけ」
ただ上層部との軋轢から彼等を庇うことだけが俺の戦い方じゃない
寧ろ俺の本当の戦場はここだ
守るべき秩序、あるいは守りたい景色がある場所
そこにこそ、俺の魂はある
「しくじるなよ、ミシガン」
本気と死ぬ気は違うと五花海は言った
しかし今の俺にとって、本気と死ぬ気は同じだ
全力を尽くし、その果てに天命を託す
死ぬことも承知でその生き方に足を運ぶことを、死ぬ気と呼ばずに何と呼べば良い
生き延びて地獄を見るか、死んで地獄に落ちるか
楽園など程遠い分かれ道に向け、通信を切って飛び込んだ - 143二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:23:47
お大事に…
- 144二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:28:06
五花海「やることが…やることが多い…!」
- 145124/09/29(日) 21:39:31
《来るか、ベイラムの軍警…》
《貴様の相手は俺もいるぞ。果たして同時にどこまで捌けるか、特務機体とやらの性能を拝んでやろう》
《なっ…》
グレネードを避ける為にジグザグに走りながらもブースターは開きっぱなしにし、カタフラクトとの距離を詰めていく
普段の戦闘スタイルでは踏み入れない領域のGに身体が持っていかれそうになる
意識を刈り取ろうとする重力を振り切りながらカメラに視線を合わせれば、走り回るカタフラクトに振り切られないように喰らいつくライガーテイルの前脚がMT部分に掴み掛かっていた
《暫く戦っていて気付いたが、ここにいる俺に向けて肩のデカブツは使えんらしいな》
《貴様!》
《ミサイルがあれば耐久力にモノを言わせていたのかもしれんが、そのミサイルももうない。今の貴様は重騎兵どころか、蜘蛛一匹振り払えん家猫というわけだ!》
《ふざけるなよコーディネイター殺し、この程度で勝ったつもりか!?》
前脚を引っ掛けて引っ付いたライガーテイルごとカタフラクトが飛び跳ねた
跳ねては轟音を立てて着地し、その一秒後にはまた飛び跳ね、機体を高速で旋回させながら着地し、また時間をおいて突然跳ねる
弾き飛ばされれば大口径に焼かれてしまうが、離れなければこの無茶苦茶な跳ね馬に振り回され続ける
自慢の火器を封じられたカタフラクトの質量と旋回速度にものを言わせた暴走から逃げられないライガーテイルが、何度も雪に叩きつけられていた
《貴様さえいなければレッドガンは崩壊する!そしてレッドガンさえいなければ、彼女は使命を思い出す!
彼女が本懐を忘れなければ、彼女が運命と共に歩んでいれば!俺達はこんな無駄な戦いだらけの人生を歩まずに済んだんだ!》
ライガーテイルを振り回しながら、カタフラクトが絶叫する
その声音はシステムに従いただ示された正義を執行しているだけでは決して出せないほど悲惨な色をしている
誰に何を唆されようが、自分の意思で引き金を引き、自分の目で殺した相手の最期を見届け、自分の耳で最期の声を聞き続けてきた、罪悪感を知っている人間の声だった
その罪悪感が、俺の中の確信の芽に水をかけていく
《なのに時代錯誤の錆びついた鎖が!あの楽園を壊した貴様らが!何故今更彼女を縛り続ける!何故貴様らばかり彼女に愛される!
死んでしまえ、この罪人共が!》
彼は知っている
自分達がかつて、そこでしてきたことの意味を - 146124/09/29(日) 22:28:48
砲身が回転し、一度動けば止まることを忘れる銃声が鼓膜を揺らした
残った鉛玉を出し惜しみなく撃ち込まれ続け、瞬く間に負荷が溜まり続ける
やがて限界を迎えた機体が高熱を吐き、その場で膝をついた
《ふざけるなよ…!それが鎖なんだ!》
《G2!追撃!》
「ああ」
火花を散らしながら飛び退いたライガーテイルと入れ替わるように距離を詰め、マルチロック対応仕様のFCSで狙いを澄ましていく
(……自分で決めたこと、か)
彼女は確かに、時の流れの中で自分達に絆されていった
それは傭兵としてはあるまじきことだろうし、彼女に絆されつつある俺達もまた戦闘員としては失格だろう
だが、それでも
俺が守りたいと思う景色を自分で見つけたように、彼女もまた俺達に絆される自分であることを自分自身で選んだのなら
この先に待ち受ける地獄がどれだけ過酷だったとしても、やはり俺は彼女を恨めないだろう
その自由に生きる力こそ、俺が憧れた光そのものなのだから
…そんな彼女の生き方を真っ直ぐ認められるミシガンが少し羨ましい
俺は憧れを抜きに出来なかったし、この先のことを理由に現在から死んで目を逸らすことすら視野に入れた
やはり、彼は今後も生きていくべき人材だ
彼がいなくなったら、彼女は途方もなく悲しむだろうから
彼に恨まれて、どこかのタイミングで撃たれる覚悟は引き抜きに行った時から出来ている
だが彼女に泣かれて、泣きながら撃たれる覚悟は出来ていなかった
「貴様らが言うように、俺達が大罪人だったとしても」
硬直から立ち直ったカタフラクトのレーザーキャノンが青い光を帯びていくのを直視しながら、そこ目掛けて全てのミサイルの引き金を引く
「俺は何かを守る為なら、何度だって何かを焼く」
白煙の尾を引きながら獲物へ飛び掛かるミサイルの着弾を確認するより先にパルスアーマーを切り、エクスパンションの為に足を止めた俺目掛けてチャージを終えたレーザーキャノンが光を放つ
着弾がどうとか、スタッガーがどうのと慌ただしく通信越しに声が飛び交っていく
網膜を焼きながら豪速で迫る光の強さにパルスの壁越しからでも強すぎる終わりの気配を感じながらも、不思議と恐怖はない
退がった筈のライガーテイルが高速で前へ突貫する姿を、焼き切れる寸前にカメラが捉えた気がした - 147124/09/29(日) 22:39:04
※
この後ナイルさん脱出するけどdice1d3=1 (1)
1=ヴォルタが独断で脱出させた
2=ミシガンに呼ばれて咄嗟に脱出した
3=ミラージュが泣き落としした
なんかレーザーキャノンとディープダウンが相打ちみたいになったのでもうミシガンに華持たせよう(主力兵装もうほぼ全部ダメになったし)
ここからミシガンが勝つまでdice1d100=20 (20)
執行官が根性見せて暫くレスバした←50→有無を言わさず即殺した
一方ジャガーノートの必死の抵抗を振り切れない若手組、こっちもそろそろ終わらせたい、あとジャガー喋れ
現在のダメージは
五花海dice1d100=65 (65)
イグアスdice1d100=72 (72)
レッドdice1d100=69 (69)
〜20…装甲が一部剥がれたけど大丈夫
21〜50…片腕もげたしコアの近くも焦げた
51〜89…動いてるだけ奇跡、そろそろコア丸見えになるし下手に走り回るとどっかに引火しそう
90〜…立ってるだけで精一杯、反動ある武器撃ったら機体壊れる
睡眠時間確保のため本日はここまで
- 148二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 22:41:21
お疲れ様です~
- 149二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 07:14:46
保守
- 150二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 09:20:46
カタフラクトの執行官君いっぱい喋ってくれるから好き
- 151124/09/30(月) 11:03:13
※
PC使えない時はスマホのメモに下書き作って一気に投下する方針を取っているんですが、原稿の一部をすっ飛ばして投稿する大失態が発覚しました
現在再構築中です
気合入れてたパートでこれやるって…くっ、殺せ!
ヴォルタが独断でコアブロックをパージしたのはdice1d100=36 (36)
オペレーターとしての判断←50→…レッドガンに欠員が出たら、あいつ多分泣くだろ
なおイグアスはパージする前に再起動したものとする
コアブロック射出の絵面が想像しにくい人は見よう!パシフィック・リムのラストか蒼穹のファフナー!
個人的なお勧めはより分かりやすく、周回せずに何パターンも見られるファフナーです♡
- 152二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 11:33:06
さりげにヴォルタのオペレーター能力も高いよな
確か86だっけ - 153124/09/30(月) 12:01:24
カメラの向こうで、ディープダウンが纏ったパルスアーマーの青い障壁ごと大口径のレーザーに飲み込まれていく
目を焼きそうになるほどの閃光が消えた時、戦場の誰もが沈黙した
防御しても相殺しきれない熱に焼かれ、そこにいる機体は全身黒焦げになっていた
ありったけの弾を叩き込んで尚、ミサイルポッドもライフルも手放すことはなく握ったまま
エンブレムが煤で見えなくなりそうなほど真っ黒になって、膝をついたディープダウンは沈黙していた
《っ…ナイルさん!》
《……》
《ヴォルタ、生体反応は!?》
「大丈夫だ、まだ生きてる!けどまずい…機体の動力源近くの温度が高すぎる。もうすぐミサイルに引火するぞ」
《なっ…》
顔の見えない彼女の、悲鳴に近い声がした
…ディープダウンはミサイルを大量に詰んだ爆薬庫みたいな機体だ
一発背中を押すだけでどれだけの爆発を引き起こすのかを、彼女と俺はよく知っている
かつてその爆発力を、レイヴンから逃げる為の目くらましに利用したことがある俺達は
あの時は先に追い込まれていたナイルを脱出させていたから、気兼ねなく爆発させられた
だが今はまだナイルが乗っていて、彼はまだ生きている
《何とか、出来ないの》
「オペレーターの権限でコアブロックを射出する。ミシガン、カタフラクトをその場から引っぺがせ」
《言われんでもやっている!それとコールサインで呼ばんか馬鹿者!》
レッドガンの中で本社と唯一まともな繋がりがあるナイルを、ルビコンの探査が終わるまで失うわけにはいかない
沈黙している本人の意思を確認するまでもなく、俺の指は動き出していた
俺のやりたいことを察してミシガンも動き出し、火花を散らす四脚を振り上げ飛び出していく
その赤いブースターの炎が尾を引いていくのを尻目に、コアブロックを脱出させる為のプロセスを進めていく
限られたパイロットを戦場に立つことを辞めた俺が少しでも守れるように、最初に覚えたこと
これだけ死が近くにあると自覚して鼓動が大きくなっているのに、慣れきった指の動きは寧ろ冴えてくる
「…なぁ」
《何!?》
勝手に動いていく指に持っていかれない分、思考に余白が出来てくる
そうなれば気にせずにはいられなくなるのは、今ここで俺と話している彼女の存在だった
「どうして…今更、お前は俺達の味方になったんだ」 - 154124/09/30(月) 12:37:50
《……そんなの、今どうでも良いでしょ》
「良くねえよ」
最悪な別れ方をして以降、ずっとベイラムの敵であり続けた彼女
彼女とこうやって俺自身が話をするのは、ゆうに数ヶ月ぶりだった
久しぶりに聞いた声が、自分に向けられている
その事実だけで脳のどこかが溶けそうな心地がするのを、必死に押さえつけた
「…お前がベイラムと敵対してから、お前宛ての依頼が一気に減った。ベイラムの連中は、お前をもう運び屋とも便利屋とも思ってねえ。寧ろアーキバスが値段を釣り上げてきた今、お前をレイヴンより優先して買うメリットもねえから捨てたんだよ」
彼女が休業していた頃には、まだ彼女を利用しようとする考えも残っていた
だが彼女がアーキバスにエース級パイロットとして買われ、封鎖機構にも私情で雇われる状態になった今、状況は一変している
今までベイラムが彼女を優先的に雇っていたのは、彼女が戦闘をせず輸送専門の傭兵としてやってきたからだ
決して噛みつかず、必要最低限の報酬を与えていれば逃げもしない、他企業も買いの手を入れず弾薬費や修繕費も殆どかからない便利な駒
それでいて輸送の腕自体は良いから、ベイラムも安心して何度も雇っていた
だが彼女が他の傭兵と同じように戦うことを選んだ上に封鎖機構の介入で各拠点を次々制圧されている今、彼女だけにあったその価値は殆ど機能しなくなっている
運び屋としての有用性よりもはるかに高い傭兵としての価値、だが同じだけの戦力をレイヴンはもっと安く提供する
だから彼女はベイラムの取引相手としての価値を失った
「もうお前が、俺達の味方になる理由なんてない筈だ」
アーキバスの方が、販売している機体の性能も金払いの良さも彼女に合っている
それは俺じゃなくても皆既に気付いていることの筈だ
既に拠点を失い続け補給も儘ならない俺達より、未だ傭兵を雇い続け封鎖機構への急襲作戦を仕掛け続けていられるアーキバスの方が危険度の高い分金払いが良い仕事を回してくる
俺が何の思想もない独立傭兵なら、迷わずアーキバスの依頼を優先して受ける
ベイラムが既に彼女の価値を切っているように、彼女にもまた、今になって自分を買いもしないベイラムの味方をするメリットはどこにもない
こんなの彼女を絆している解放戦線や、どういうわけか彼女を追い回している封鎖機構を無駄に煽るだけだ - 155124/09/30(月) 13:36:27
「お前が敵になったんなら…こんなに迷わずに済んだのに」
もし彼女が情に絆され、本当に土着共の英雄かアーキバスの尖兵になることを選んでいたのだとしたら
イグアスはあれこれ文句を言っていただろうしいずれ衝突も避けられなくなるが、それはそれで良かった
守りたいものを守るのだと言い切って敵対した彼女を、恨んでしまえば良かった
どうして俺から離れても平然と生きているんだと詰って、なんでそいつらを選ぶんだと逆恨みだけしていれば事足りた
「なのに、なんでだ」
今回だって状況だけ見れば、カタフラクトの情報だけ流して解放戦線が俺達を叩けるように誘導したとしか見えない
だから口に出していないだけで、多分皆同じことを考えていた
彼女が、遂にレッドガンの敵になることを選んだんだと
なのに、彼女は敵に徹してくれなかった
窮地のタイミングで通信を入れ、ジャガーノートを倒す為の指示まで出し、イグアスを再起させる為の火種を投げた
ミシガンまで引っ張り出してせっかく全員を追い込んだのに、ここにきてそれを助けるメリットがない
それは紛れもなく、俺達の味方だから出来ることだった
…彼女の選択は、いつも俺を迷わせる
彼女が守ろうとするものの中に、もう俺はいない筈なのに
彼女が何かを選ぶ度に、その選択の中に希望を見出す俺がいる
「声だって聴きたくなかったのに…」
本当は、ずっと話したかった
だが彼女が俺のいない戦場に立つ度、誰かと向き合い、何かを話す度、その声に脳を焼かれた
欲望が入り乱れ過ぎたこの星で、迷わなくなった彼女の姿は誰にも真似出来ない眩しさを持っていた
その声を聞いていたら、俺はきっと駄目になる
彼女がここにいると確信したら、俺は安心してしまう
この閉じた世界の中で死なずにいた理由も抱え続けた絶望も全て託して、自分だけ楽になろうとする
そうなることが分かりきっていたから、声だって聴きたくなかったんだ
なのに、彼女はここに来た
何もメリットがない筈なのに、今ここに彼女はいる
そこに理由を付けるとしたら、それはどうやっても俺達にとって都合が良すぎるものになる
それを、俺は自信を持って正しい答えだと言えなかった
「なんで、まだ…まだお前は、そうやって俺達の側に立つんだ…」 - 156124/09/30(月) 13:47:08
※
ミラージュが信用されないの承知で通信を入れてきたのはdice1d100=20 (20)
敵じゃないと説明して謝りたい一心で入れただけ←50→謝りたいのもあるけど、出来る方法でを戦わなきゃいけないから
五花海とレッドが即座に信じて応じてくれたのは
五花海dice1d100=52 (52)
レッドdice1d100=57 (57)
信じきったわけじゃないけど、敵だと断じたわけでもないだけ←50→彼女はレッドガンの敵じゃないとずっと信じている
ヴォルちいパートに入った瞬間遅筆になるのに文字数増えるのなぁぜなぁぜ?
- 157二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 13:49:39
信頼が厚い
- 158二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 14:12:16
ヴォルちいパートなんていくらあってもいいですからね
- 159124/09/30(月) 19:40:13
どうして今更レッドガンの味方をするのか、そんなの単純だ
「そんなの…私が、謝りたかったからだよ」
《あ?》
アーキバスで保護されているうちに情勢に取り残され、私が考えの至らないままあちこちで好き勝手した結果がこれだ
良かれと思ってやったことだったとして、そこに結果が伴わなければ何の意味もない
…ここまで事態を悪化させたのは、全部私のせいだった
「フラットウェルの目的は、総長を筆頭にレッドガン部隊をここで潰すこと。私はルビコンの英雄でも何でもない、ただのアンタ達をこの場に釣り出す為の連絡役として良いように使われただけだった」
《…俺達だけを狙う意味が分からねえ。連中にとっちゃ封鎖機構もアーキバスも目の上のたん瘤だろ》
ヴォルタの言っていることは正しいようで、事実は意外とそうでもない
封鎖機構は何故か私の扱いに関して派閥争いがあるようだし、アーキバスにも私を逃がしたオキーフさんや私の守るものを全部壊すと言ったフロイトがいる
G7以外欠員もなくメンバー内で何らかの争いが起きているわけでもないレッドガンは、レースに出遅れているようで今一番損害が少ない勢力であると同時に、解放戦線以外で私が一番絆されやすい勢力でもある
彼等がいなくなってしまったら、私は立ち続けるだけの気力を保つこともままならなくなる
フラットウェルが狙いたくなるのも無理はないのだ
けどそんなこと逐一ここで説明している暇はないし、そんなものは大して重要でもない
大事なのは、そんなことじゃない
「アンタ達のこと、信じてないわけじゃないけど…それでももし、誰かがいなくなるようなことがあったとしたら。そう考えたら、居ても立っても居られなかった」
お互い生きていれば、いつだって話は出来る
けど喋るのは、お互い生きている間でなければ出来ない
「私が近くにいても守れなかったとか、全力で戦って負けたとかならまだ納得出来る。でも私が、自分のせいでアンタ達を殺していたら…きっと私は、私を二度と許せなくなると思ったんだ」
この世界は、”待って”と言って待ってくれるものなんて何もない
そこにいてほしいものは、自分の力で留めておくしかないのだ
だけど私は、そこにはいないから
「私は…ここで出来ることをしに来た。後悔したくないから、ここにいる」
それを私に聞くアンタは違うの?
そう言外に聞けば、通信の向こうの気配が揺れた気がした - 160124/09/30(月) 20:32:15
※
作風がスーパー平井大戦の様相を呈してきた…今更だけど
にしてもイグアスとかと比べてヴォルタの内面めんどくさいねん!
救われたい願望、拒んだ罪悪感、独占欲、微妙に恋愛的な感情(本人は認めたくない)って何やねんもーー! - 161二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 20:49:55
めんどくせー男…!ひとえにてめえェが弱いせいだが…
- 162124/09/30(月) 21:46:54
※
ちょっと今作者自身ヴォルタを扱いかねてるのでダイス振らせてください
マジで今…本当にコイツがナレ死で許される存在ならどんだけ楽かと…!
多分ライナーの方がまだ分かりやすいんだよ!
じゃあここまでややこしくすんな?それはそうって言いたいけど正直なんでこうなってんのか私もよくわからない
ヴォルタ→ミラージュの感情はdice1d100=36 (36)
あの時殺せなかった俺に、今すぐ報復しにくれば良いのに←50→もう終わりきってる俺達を放っておけば良いのに。す………ぁあ゛ーーーーッ
ミラージュ→ヴォルタdice1d100=91 (91)
生きてるならそれで良いよ。アンタも、私を許したわけじゃないでしょ←50→…本当は、生きてるって分かるだけじゃ足りない。まあこんな感傷、すぐ捨てるだけだ
- 163二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 22:15:46
わりと初期からちいかわのがヴォルタへの恋愛感情を素直に認めてるよね
ロマンティクス推進派だったし(?) - 164二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 22:45:59
安眠枕ゲットして爆睡してるヴォルタの横でウワーッてなったり先手取ってプロポーズ紛いのこといったりと、雑魚なだけで割と肉食だからなちいかわ
雑魚なだけで - 165二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 00:05:50
もうちいかわが大胆な告白()をするしか…
- 166二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 07:01:16
ちいかわもオープン回線で告白勢に…?
やっぱフロイトに影響を受けて…? - 167二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 07:17:35
愛情を矢印で可視化するなら
ヴォルタ→でかいし太いし持っても当然見た目どおり重いけどあちこちひびだらけ
ミラージュ→一見普通の大きさだが持つとヴォルタと同じくらい重いし数が多い
みたいなイメージある - 168124/10/01(火) 10:25:27
《ACに乗って銃を構えると…あの日壁に置いてきた、アイツらの声が聞こえる気がするんだ》
返ってきた声は、ずっと弱りきっていた
《AC自体には乗れるようになった…けど、銃を持ったらもうダメだ。俺だけが生き延びたあの時に戻っちまう。ACのコアが、踏み潰したお前のコアに重なって見えちまう。
あんだけ地獄を見てきて、何の意味があった。集積コーラルなんてゴールがあるのかも分からねえ、抜け出そうにも出口すら見えねえ、こんな袋小路で必死に使い潰されてよ。どいつもこいつも、馬鹿みてぇだ》
「……」
何も、言い返せなかった
私がベイラムと疎遠になって、休業期間を経てもオペレーターは変わらなかった
経験不足を克服出来ていないままのレッドまで前線に出てきた一方で、キャノンヘッドは一度も出撃してこなかった
既に壁が落とされて久しく、壁越え失敗の汚名を返上せんとするベイラム上層部と拠点を取り戻したい解放戦線がそれぞれ壁に斥候を送り込んでいるという話まで出てきている
もうそれだけの時間が流れている
救えなくても、壁を越えられると証明することだって、一緒に奈落に落ちることだって出来ると思っていた
(とんだ傲慢だ)
なのに彼だけがこんな、あの日に今もずっと取り残されたままでいた
《ずっと消えたかった。なのに俺は自分で勝手に死ぬことも、死んだ奴等の分まで戦う気にもなれなかった。何もしたくないこんな自分が嫌で、どうにかいなくなりたかったんだ。前にも後ろにも動かねえなら、どこにも行けねえのにな。
だから生きる理由も戦場に残る理由も、全部お前に押し付けた。全部お前の為にやってることだって言い訳すれば、その間だけは生きていて良いと思えた》
「そんなの駄目だ、人を何かの理由にするな!私はアンタの神様じゃない!」
《似たようなもんだろ》
「は…?」
その声に、思考が追いつかなくなった
私を淀みなく神様みたいなものと言い切った声に、迷いは見えない
《殺してくれって言った俺を生かした時から、俺の命運はずっとお前のところにある。
お前を殺さなかった俺を、お前は許さないって言っていたな。そうだ。それで良かったんだ。
俺は、お前に許さないでほしかった。ずっと恨まれ続けて、お前に否定されて…ここからいなくなって、そうやってお前に許してほしかったんだ》 - 169二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 11:36:08
なんでオープン怪文書増えてるんですか?
- 170二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 12:18:47
>>私はアンタの神様じゃない!
>>似たようなもんだろ
重い重い重い重い
- 171二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 12:27:39
これじゃ告白じゃなくて告解だよ!!
- 172二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 12:36:11
その子神様じゃなくてガンダム属性のクソ雑魚肉食マスコットJKなんだよなぁ
初期のちいかわも大概クソボケだったけど、これもう論外では? - 173124/10/01(火) 12:50:58
※
オルラク属性概念でCPしてたと思ったら一騎と総士になっていた…何を言ってるか分からねーと思うが(以下略)
まあ本質的に考えると一騎も総士もどっちもミラージュなんですが
多分だけど好きな相手に一回もちゃんと女性として見られてないのに何回も気持ち利用されてロマンティクスに縺れ込んでるミラージュが客観的に見て一番可哀想というか見てられないというか、だからそれを自覚したチャプター2ラストで嘘でも良いから自分がやってることを肯定してほしかったわけですね(メガトン構文)
それを今になってもこのクソボケはよ…なんかこのままくっつけんの癪になってきたわ
告白というか告解をオープンチャンネルで垂れ流された可哀想なレッドガンの皆さんと一番とばっちりなミラージュの内心
ミシガンdice1d100=71 (71)
ナイルdice1d100=80 (80)
五花海dice1d100=95 (95)
イグアスdice1d100=39 (39)
レッドdice1d100=57 (57)
ミラージュdice1d100=66 (66)
思った以上にヤバいもんがお出しされた。もう手の施しようがねえなこれ←50→この場で言うなとか言いたいことは色々あるけどお前マジでいい加減にしろよ
- 174二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 15:05:50
一番キレてるのG3で草
- 175二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 15:08:44
相棒が匙を投げとる!
- 176二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 17:36:08
やっと相棒のヤバい眼見なくて済むと思って死ぬ気満々だったところから再起したらもっとヤバいもんガー不で聞かされたイグアスの身にもなってやれよ
- 177二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 17:57:00
この詐欺師初ロマンティクスから一貫してヴォルちいを推し続けている…
一貫しすぎて逆にちょっと怖い - 178二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 18:09:52
よく考えてほしい
・壁から連れ帰った頃から依存されてる
・責任取ってロマンティクス(初体験)するも他の隊員が全員うるせぇ!となるレベルで騒ぐ
・帰ってくる度毎回感情と負い目に付け込まれてこれ
・そもそもミラージュには総長と会うより前の記憶がないので恋人がどうのといった常識的な価値観は恐らくない
・自己肯定感ガタガタのタイミングで拒絶される(これはお互いメンタルが最悪だったから事故の面もある)
・しばらく時間経ってもこれ
ミラージュは怒った方が良いというか、ここまで来ると一回ヴォルタのことフッた方が良くねえかなあ
なんかこのままくっついても幸せになれる未来見えねえよ… - 179124/10/01(火) 18:23:58
人を戦う理由にするなと、総長に再三言われてきた
――前線に戻ろうとする理由が他人の為なら、さっさと今のうちに引退しておくことだな
誰かの為に、なんて綺麗ごとだ
本当に自分の行動の理由に誰かの名前を上げ続けていたら、自分でも予期出来ないタイミングで限界が来る
誰かの思想に共感して戦っていたとして、じゃあその誰かが突然考えを変えてきたら?
機体の整備を誰に任せようと、誰の金で買った弾丸だろうと、それを使って実際に相手を撃つのは自分だ
だから自分の行動には、いつだって自分自身が納得出来なきゃいけない
じゃなきゃいつか、絶対に迷う
その迷いのせいで死んでも、誰も責任を取ってはくれない
昔から耳にタコが出来るんじゃないかってくらい聞かされてきたけど、ちゃんと理解出来るようになったのはつい最近だ
だから銃を自分の手で持つようになってからは、いつだってそのことを念頭に置いてきた
私よりずっと前に戦うことを決めて今も生き残っている人なら、皆それくらいのこと分かっていると思っていた
実際、レッドガンの他の隊員は分かっている筈だ
(…なのに、この男は…)
私は神様じゃない
神様だったら、こんな何度も同じように何かを取りこぼすような生き方なんてわざわざしない
何度自分や世界に苛立つことがあったってこの戦う理由を捨てずにいることを選んだのは、私がそういう人だからだ
そんなの、私が戦うのを見てたら分かる筈なのに
「なんで、そんなこと言うの…」
見れば分かる簡単なことも分かってくれない、いつまでも変わらない男に段々イラついてくる
無茶な作戦に参加させられて、地獄みたいな状態で一人だけ生き残ってしまったことで戦場が怖くなった、その心情自体は理解出来るし同情も出来る
けど
けどさ
「いい加減に…」
《いい加減にしなさい、この愚物が》
「……え?」 - 180124/10/01(火) 19:20:16
通信に割り込んできたドスの利いた声に、一瞬全チャンネルが沈黙した
《…今の、五花海か?》
《さっきから聞いていれば、神だ何だと下らない…。君は人のことを何だと思っているんですか》
「……!」
雪原の中を、小さなブロックを抱えた四脚が疾走した
私達が話している間に人知れずG2のコアを回収したらしい
作戦区域から離脱しようと全力で駆ける四脚の後をジャガーノートが狙おうとするのを、残った二機が飛び回って防いでいた
《G6、そっちの状況は!》
《G3がG2のコアブロックを抱えて戦闘領域から離脱!一度退避させてから再度エンゲージします!》
《G2、聞こえていたな?分かったらそこで亀になっていろ!》
《…G2了解。くたばり損ねたな…》
鯉龍がそっと近くの岩場に置いたコアから、傷だらけになったナイルさんが這い出てくる
それを背後に庇いながら、再度戦線に復帰すべく鯉龍が元来た道を駆けだした
《彼女と君の間にどんなやり取りがあったのか。それは知りませんが、今の君の口ぶりは流石に頂けない。…猿にでも分かるよう言って差し上げましょうか、彼女は断じて神などではない》
《うるせえ…!》
既に満身創痍に近い機体を地雷と細かなステップで振り切ろうと試みながら、ジャガーノートの上体が高速で旋回していく
《背中が丸見えだぜ。行くぞヘタクソ、ショボい兵装なんだからきちんと合わせやがれ!》
《だからコールサインで呼べと!》
《彼女の選択は、その結果も責任も全て彼女のものでしかない。なのにそうやって自分の理想をそこに押し付けて、自分は変わることもせずに突っ立ったままで。自分で手を離しておいて、今更自分の全てまで彼女の選択に委ねようなどと笑わせてくれる。いつまで被害者面をして、彼女を利用するつもりですか》
《うるせえな!テメェに俺の何が分かる!》
《黙りこくった奴のことなど知ったことか。何も分かっていないのは君の方だ!》
五花海が吠え、鯉龍が跳ねて迫る砲弾を飛び越した
それと同時に叩き込まれ続けた弾幕に追い打ちをかけるように、晒されたブースター目掛けてバズーカとリニアライフルのチャージショットが放たれる
《彼女はベイラムの犬でもなければ、ルビコンの英雄でも、ましてや君の神でもない。
ただ自分の為に戦うだけの傭兵だ!
目と足を奪われても戦いを選ぶ理由は、君じゃない!》 - 181二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 19:34:41
ダイスのいたずらで後輩たちのケツを順番に蹴り上げる役割を与えられる五花海さん
おそらく今回のMVP - 182二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 20:13:00
このレスは削除されています
- 183124/10/01(火) 20:25:21
※
っっかしいなぁ、こんな文章書く予定なかったんだが
あとごめん、さらっと体潰したのをバラしました
自分不在のところで自分のことを代弁されたりバラされたり被害が増えるミラージュさんdice1d100=91 (91)
なんでバラすかなぁ!?今それバラすことかなぁ!?←50→なんで知ってんのかはともかく(菩薩の懐)別に何失くそうがやることは変わらない
ヴォルタだけはリアクション振っとくか…dice1d100=47 (47)
…何を失おうが、お前はお前だろ。だったら残った全部…!←50→…は?嘘だ
保護派執行官dice1d100=83 (83)
何としても確保を急がなければ←50→身を削った彼女に、まだ縋って利用する気か!やはり企業など欲望の化身、罪深き獣ォ!
- 184二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:16:28
この執行官阿頼耶識とか付けてそう
- 185二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 07:14:34
基本的に手足を失くしたことには感傷を抱かないミラージュ
- 186二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 18:26:55
このレスは削除されています
- 187二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:20:09
深夜保守
- 188二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 07:06:16
保守
- 189二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 17:53:10
保守
- 190二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:16:11
- 191二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 07:03:26
保守
- 192124/10/04(金) 11:26:49
※
お久しぶりです、保守ありがとうございます
風邪治ったと思った?その峠、連なってるよ
足や目がなくなっても「へー」で片付けて戦闘続行してくるミラージュさんは他人から見てどう見えてるのか
ミシガンdice1d100=22 (22)
ナイルdice1d100=30 (30)
五花海dice1d100=23 (23)
ヴォルタdice1d100=92 (92)
イグアスdice1d100=16 (16)
レッドdice1d100=100 (100)
どんどん人間味が薄まってるように見える←50→傷を負ってまだ戦うことを選べるなら、十分人らしい
追伸
風邪がぶり返してる間にファフナーexodus一気見してました
- 193二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 12:26:43
レッド君がまた主人公しておられる
- 194二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 12:40:23
お大事に~
- 195124/10/04(金) 13:38:27
《G3、貴様何故それを…》
《すみません、悪気はありませんが聞いてしまいました》
目を潰され、足を失った
それはフラットウェル達も知らない、総長とヴェスパーしか知らない私の現在だった
彼がどういう意図でそれを知ったのかはよく分からないけど、私としてはそれはどうでも良い
理解出来ないのは、なんで彼がここでわざわざそれをバラすのかだ
私がどうして戦うのかなんて、私がちゃんと分かっていれば事足りることなのに
私がヴォルタに色々思うことがあったり実際過去に心中する気構えだったのも事実だけど、別に私が今どんな身体になっているのかなんてわざわざ知ってほしいとも思わない
ACに乗れば、どうでも良くなることの筈だ
《ただこの場で言っておく必要があると思いまして。どうせ彼女は自分がどうなっていようと変わらない、と思っているでしょうし》
……
《苦痛と恐怖は、人を最も手っ取り早く縛る鎖だ。苦しいから楽になりたい、怖いから安心したい、そうやって人は何かから逃げる為に生きようとする。
彼女が神だから何も言わず戦っているわけじゃない。痛みから逃げたくなる本能を凌駕する意思で、彼女は戦場に戻ることを選んだ。楽になることよりも優先したい何かがあるから、彼女はここにいる。
彼女は人だ。いい加減目を閉じて祈ってないで、目を開けて彼女の声を聞いたらどうですか》
《祈ってどうする?目を開けて何が見える?所詮貴様らの正体は獣だ、目を開いただけでその正体は変わらない》
目を開けろと五花海は言う
それを嘲笑うような声が割り込んだ
《そこにいるんだろう、ミラージュ・ストラトス。貴様にはもう見えている筈だ。結局こいつ等は解放戦線と何も変わらない獣だ。先に住み着いて原住民を気取った寄生虫か、外から飛び込んできた害獣かの違いしかない、身の丈に合わない欲望を叶える為に貴様を利用しているだけなんだよ。どちらの味方に付こうが、貴様の背中を見ている者が貴様の前にいる者を倒せと言ってくるだけだ!》
《システムに従ってるだけの木端が割り込んでるんじゃねえよ!》
《黙って死ぬべきなのは貴様らの方だ!散々あの星を焼き、封鎖惑星の秩序を乱し、今更コーディネイターの恩恵にあやかろうなどと!》
全ての兵装を失って尚倒れないカタフラクトが跳ね、中空からライガーテイルを睨んだ - 196124/10/04(金) 20:39:42
《貴様らが彼女に愛されるなど間違っている!祝福が必要なんだ!我々が正しく統制する、争いの境界線が生まれないほど一色に染まった世界が!》
血の通った恨み言が染み込んでいく
彼が言う”楽園”が何なのか、彼等が私に望んでいる”統制”が何なのか、そもそも私が選ぶべき”運命”が何なのか、私にはまだ何も分からない
けど彼の言葉は多分、全て敵の戯言とは言い切れないくらいには真実だ
そう思えるほど真に迫った何かがそこにはある
記憶がない間、私はフロイトと一緒にアマリアとして生きていた
じゃあアマリアが強化手術を受け、アイランド・フォーの動乱へ流れ着く前は?
第二世代型強化手術を受ける前の私のことは、フロイトも知らない闇のままだ
彼等封鎖機構が私に望んでいる運命は、きっとその闇の中に眠っている
そうすんなりと理解出来るし、それがあながち間違いでもないんだろうという確信すらある
だけど、それと私が話を聞くかは別の問題だ
「…悪いけど、アンタ達にはまだついていけない」
《……!》
「私はまだ、アンタ達を理解出来ない。理解出来ないなら、敵と同じだ」
楽園、祝福、統制、運命、コーディネイター
分からないことだらけの中でも信じられそうなほどの重みを帯びた話を、一気に理解出来なくさせるものがある
何故レッドガンばかり愛されるのか、レッドガンばかり私に愛されるのは間違っていると彼は言う
私は総長達には死んでほしくないから手を尽くしてる、けどそれは私が総長に色んなものを貰ったからそうしてるだけだ
私はただ、守りたいと、それを守る自分に価値があると思った時に命を使ってるだけ
彼の言う「愛する」って、何なんだろう
足元の機体を踏み潰すべく落下し始めた巨躯に照準を合わせたライガーテイルから、二発のグレネードが放たれた
一発目は落ちていく機体を爆風で浮かせ、二発目が停止したカタフラクトのコアを直撃する
世界に”待て”は通じない
同じになれないままの私を置いて、今日も誰かが死んでいく
《話は地獄で聞いてやる》
左腕を構えたライガーテイルと、右腕に黒煙を纏ったヘッドブリンガーが殆ど同時に雪を蹴る
「…こんな私を恨んで逝くと良いよ。それだけが手向けだ」
《欺瞞を…ここが地獄でないなら、何なのだ…》
一発の銃声とたくさんの爆撃の音がする
全てがその熱に焼かれていって、そして何も聞こえなくなった - 197124/10/04(金) 21:00:40
※
ごめん、最後良い感じのダイスもレスバも思いつかないからザクッと総長とイグアスに持って行ってもらったわ
そしてこれは次スレ(ンゴー)
【🎲時々閲覧注意】運び屋傭兵ルビコンeats13|あにまん掲示板オリジナルのミッションに丸々1スレ使った挙句、中身はブルーロックでガンダムSEEDでファフナーってどういうこと?そろそろスレタイを機動戦士ガンダムACとか蒼穹のACとかにした方がいいのかもしれない野郎…bbs.animanch.com色々片付いた後dice1d3=1 (1)
1=ミラージュ「ちょっと今度会おうかヴォルタ。色々話もあるし」 5割でフラグが死滅する二者面談
2=ミシガン「療養が落ち着いた時点で連絡しろ。一つ昔話をしてやる」 地獄加速のお知らせが入る
3=イグアス「一回面貸せや…」 何が始まるんです?
- 198二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 21:05:43
久々の対面だぁ…嬉しいが怖い
- 1991(もう助からないゾ)24/10/04(金) 21:23:31
戦いは終わった
武器を失って沈黙したカタフラクトの近くにはライガーテイルが佇み、硬い装甲を凸凹にして停止したジャガーノートの周りではヘッドブリンガー達が煤塗れになって立ち尽くしている
あれだけさっきまで吠えて暴れ回っていたイグアスも沈黙している
殆どが疲弊からか何も言えず、かといって撃つものももうなく
ただ色々と疲れ切って、結局全員黙り込んでいた
多分まだ元気なのは総長と、戦っていたわけじゃない後方支援の私達だけだ
「終わったね」
《……》
返ってくる言葉はない
死人が出たわけじゃない、けど言葉を返す気力のある人はいないんだろう
…やっぱり、ちょっと腹が立つな
あんだけ好き放題言っておいて、私が話を振ったらだんまりか
「なんで黙るかなあ…」
彼等を死なせずに済んだ、その安心からピークに昇りつめっぱなしだった気が緩んでいく
代わりに緩んだ口から出てくる怒りは八つ当たりに近いけど、止める気も湧かなかった
戦っている間は戦いに専念出来る
守っている間は守りたいものだけを想っていられる
会話は、お互いが生きている間しか出来ない
それが分かっているから、色々言いたくなってくる
死を覚悟するような戦いを越えた今は、まさしく絶好の機会と言えた
「ヴォルタ、ちょっと二人で会って話そうか」
私も彼もACに乗れない、当面死にたくても戦いに逃げられない今こそが話す時だと思った
会えなかった間胸の中に溜まった何かを消化して、拗れに拗れたものをお互い直視しなきゃいけない
そろそろ都合の悪いことから目を背け続けるのも限界だし、目を閉じた彼の中にあるものがこれ以上膨らむのは私が耐えられない時間だった
それに今しか話せないと、少し予感めいたものがあった
これから近いうち…私は多分、否が応でも変わらざるを得なくなる
今自分の中にあるものを全部欠かさず持ったまま彼と話せるのは、きっとこれが最初で最後だ
「会おう、ヴォルタ」
どうせすると分かりきっているなら、少しでも後悔はせずにいたい