【ダイス時々閲覧注意】運び屋傭兵ルビコンeats 12.1

  • 1124/09/18(水) 13:26:30

    以前にも増した速度の即オチでした
    それもこれもすぐ規制されるよわよわ回線と泊まり込みでやってる仕事のせいなんだ

  • 224/09/18(水) 13:32:16
  • 324/09/18(水) 13:33:32


    現在の状況
    レッドガン拠点…ヴォルタ(精神汚染で前線投入不能)
    前線…カタフラクトVSジャガーノートVSレッドガン
    どっかの病院…ミラージュ

  • 424/09/18(水) 13:35:02

    立て直したことだし、現場の戦闘からやっていきましょう

    今回はカタフラクトVSジャガーノートVSレッドガンとかいうスーパー戦車道大会です

    これまでとは色々勝手が違うし頭数も多いので、レッドガン

    ①ミシガン

    ②ナイル、dice1d2=2 (2) (五花海/イグアス)

    ③レッド、↑で外れた方

    の組み分けで基本的に管理していきます

    なお敵がどっちも高機動高火力の要塞なので鈍足のガチタンは欠席である意味正解でしたが、ガチタン欠席によって今度は火力が全体的に不足する罠が発動する模様

  • 524/09/18(水) 13:51:19

    ①ミシガン

    ②ナイル、イグアス

    ③五花海、レッド

    この小隊編成でいきます

    なおヘイト管理が面倒臭いのでデカブツは2体ともレッドガンの排除を優先するものとします

    カタフラクトを優先して倒す為、ミシガンはカタフラクトを正面から殴るアタッカー担当で固定します

    問題はミシガンをカタフラクトの弾幕から守る為の囮役をする筈だった2小隊ですね

    今後の動きとしてはdice1d2=1 (1)

    1=②の小隊がミシガンと協力してカタフラクトを攻略し、もう片方の小隊がジャガーノートを抑える

    2=③の小隊がミシガンと協力してカタフラクトを攻略し、もう片方の小隊がジャガーノートを抑える

  • 624/09/18(水) 14:18:02

    ただ一方的な狩りにする筈だった場に現れた、全く調査が出来ていない大型戦力の乱入

    それでも思考を固めることなく即座に動けたのは日頃の賜物か

    カタフラクトと取っ組み合っていた最中に突如向きを変え突っ込んできた巨体に対し、全員動き出しは早かった

    《散開!》

    副長の声が届くのと同時かそれ以上に早く、全員がその場を飛び退き離脱する

    ヴォルタがACに乗って前線に出られないのは本人に原因があるが、今回ばかりは出撃しなくて正解だったかもしれない

    重装機動砲台ジャガーノート

    ルビコン解放戦線の切り札とも言えるその巨体は、かつて全ての戦線を睥睨し、あらゆる外敵を焼き払っていた

    あの日我々が越えられず多くのものを失った壁の頂上に待ち受けていた、最大の理不尽の象徴

    耐久力と火力の代償に脚が遅いガチタンにとっては最悪の相性とも呼べる、彼にとってはあらゆる意味で因縁の敵だ

    「………」

    《G3、G6に伝達。作戦を変更する》

    「ま、我々でしょうね」

    轟音にかき消されそうになりながらも回線を開き、カタフラクトから放たれるレーザーを避ける

    その背後で乱入してきたジャガーノートの装甲が光線を弾く音がした

    即ちその装甲の厚さを示す音の低さに、既にげんなりしそうだ

    《どういうわけか解放戦線も俺達に用があって来たらしい。見れば分かると思うが重装機動砲台ジャガーノートは正面に強固な装甲を展開しており、カタフラクトとは逆に正面からの攻撃が一切通用しない。こいつに走り回られると後が面倒だ。お前達は一旦カタフラクトから離れ、ジャガーノートを止めろ!その間こちらの攻撃は俺とG5で何とかしておく!》


    五花海dice1d100=94 (94)

    やれやれ、死ぬ気は置いてきたんですが←50→負けるわけないでしょう、このガラクタに

    レッドdice1d100=2 (2)

    …死んでも押さえます←50→勝てますよ、今の俺達なら

  • 724/09/18(水) 15:03:16

    《AC二機でこの弾幕の中ジャガーノートの討伐!?無理です!》
    距離を置いたジャガーノートからグレネードが放たれるのを、横にズレてやり過ごす
    …搭載していたパルスシールドは、少し前に奇襲気味にこちらを狙ったレーザーからの防御で切ってしまった
    パルスシールドは一度使えば長い冷却時間が待ち受ける
    一人で戦っている時とは訳が違う
    一人なら面倒な攻撃は防ぎ単調な攻撃は無視してしまえば良いだけだが、今は身を守る力を自分だけの為には使えない
    私が守らなくてはならないものは、コアの外にも存在している
    この猛攻の中で盾を手放すに等しい無防備な時間は否が応でも増え、いつも以上に私の神経を刺激していた
    《一度引き、MT部隊の支援を要請することを提言します!ここはより弾幕の厚さを増やした上で勝負を挑むべきです!》
    …その苛立ちに近い尖り方をした神経に、その大声は少しばかり嫌な響き方をする
    「悪い発案ではないですが、無理でしょうね」
    いつもより険を含んでいることを自覚するが、どうにもならない
    即死しかねない攻撃が激しく飛び交う雪原を走り回りながら、背後に庇った後輩の提案を切り捨てた
    「この雪原には連中の足や砲撃を止める遮蔽物がありません。奴等が直線状に走るなら、全パーツを捨てたヘッドブリンガーでも容易に追い抜けてしまうでしょうね。そんな状況で逃げるのも、MT部隊を仮に呼べたとしても火力支援を受けることも現実的ではない」
    《……!》
    「我々が最短でジャガーノートを沈め、カタフラクト討伐の難易度を下げる。その方針で行きましょう。G2、こちらの子守はお任せを」

  • 824/09/18(水) 15:49:38

    《死ぬなよ。家に帰るまでが遠足だ》
    「私は死にませんよ。まだ、その凶兆は見えていないのでね」
    伝えるべきことだけを伝え、通信を素早く切った
    私も副長もACに乗って長くなるが、流石にこの大火力の暴風雨の中でのんびり喋っているだけの余裕はない
    喋るのは、お互い生きている間でなければ出来ない
    だがお互い生きていれば、いつだって話は出来る
    だから今は、目の前のことだけを
    一度深く息を吸い、きっかり三秒かけて吐き出す
    その三秒の間に脳内の情報を一度整理し、優先順位を付け直していく
    警戒すべき攻撃はどれか、無視して良い情報はどれか、今倒すべき敵と、私が組んでいる味方の位置はどこか
    ごちゃついた戦場の全てを把握している必要はない、そうなることを防ぐ為の各個撃破だ
    カタフラクトも総長達のことも、一旦全て忘れて良い
    「ヴォルタ、こちらG3。我々はこれよりジャガーノートの討伐に専念しますが、こちらへの応援は不要です。カタフラクトの方を支援してください」
    《…アンタ一人で全部やろうってのか。俺を気遣ってるつもりなら、》
    「気遣いなど戦場でするほど私はお人好しじゃありませんよ。ただ、少し試したいだけで」
    《試す?》
    「ええ」
    ジャガーノートの履帯近くにバースト射撃を叩き込み、視線を引き寄せた
    虫を払うように振り回された上体がばら撒く地雷の描く放物線を見極め、ハーミットと並んで一つずつ撃ち落としていく
    「我々は、壁を越えられなかった。それは君が一番よく知るところでしょう」
    《……!》
    「しかし一方で、漁夫の利とはいえ壁越えを果たしてみせたレイヴンと渡り合った彼女は、《壁は越えられる》と言った。
    不可能を一つ可能に変え、そして自ら羽根を折った。他でもない君の為に」
    《……》
    「だが彼女は再び戦場に立ち、自分で戦うことを選んだ。
    君だけの為の自分でいることの歪さも、誰かを救えない弱さも認め、その上で新たな戦う理由と強さを自分で見つけてきた。彼女は一度完全に自分に絶望し、そこから変わってみせたんですよ」
    絶望とは、今までの自分を捨てずに否定することだ
    生傷を包丁で抉るようなそれは、ただ負けを受け入れることより遥かに難しい
    だが彼女はそれを越えたから強くなれたのだ
    ――なら、自分達は?

  • 924/09/18(水) 16:10:27

    敵対勢力から斜陽グループと侮られても、実力で何とかしてきた
    自分達はレッドガンのAC乗りだという自負は、何があってもこれまで揺らいでこなかった
    だが、それで今まで何をしてきた?
    壁で部隊が全滅した
    ヴォルタは彼女がいなければ帰れなかった
    解放戦線の捕虜に逃げられた
    副長は彼女が来なければレイヴンの排除に殉じていた
    封鎖機構の介入に押し切られた
    レッドは彼女がエゴを優先しなければ黙って消されていた
    解放戦線の動きを見切れなかった
    我々の誰かは彼女が情報を買ってこなければ死んでいた
    これまで誰が、何を出来た?
    誰も、何も出来ていない
    結果論だとしても、それが現実だった
    「ミラージュ・ストラトス。彼女は、紛れもなくレッドガンにとっての吉兆でした」
    今我々がここまで誰も欠かずに生き延びているのは、どこまでいっても所詮運だ
    ただ自分達の足元に転がって来た幸運の切符を拾っただけ
    ミラージュ・ストラトスが、我々にとって本当に幸運の女神だっただけだ
    「しかし運気とは川の流れ。流れ続ける水は山を削り、やがて流れは変わっていく」
    彼女は選択した
    誰にも恨まれない生き方ではなく、誰かに恨まれてでも自分で理由を選んで戦う生き方を
    彼女はもう、壁の前で足を止めた時の彼女ではない
    既にそれだけの時間が流れ、レッドガンを守っていた運気は遠くなっている
    いい加減、その真実に誰もが向き合わなくてはならない時期が来ていた
    「我々もいい加減に己の立ち位置を認め、そこから変わらなくてはならない。
    だから私は知りたい。私に、彼女と同じように『絶望する才能』があるのかを」

  • 1024/09/18(水) 16:38:39

    なんか視点受け持つことが多いし、ミラージュの善性に脳焼かれた結果レッドガンサイドの隠れ主人公みたいなことになってんなこの詐欺師…

    ジャガーノート戦からキリの良いところまでやってきますか

    ジャガーノートの動きdice1d3=2 (2) 攻撃の精度60+dice1d40=27 (27)

    1=タックル

    2=射撃攻撃

    3=地雷ばら撒き


    G3 五花海70+dice1d30=6 (6)

    G6 レッド65+dice1d35=28 (28)

  • 11二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 17:53:50

    このレスは削除されています

  • 1224/09/18(水) 17:56:04

    「G6、ここからは小隊を解散して二手に分かれますよ」
    ジャガーノートを相手取るのは、たったの二人
    頼るにはあまりにも若く、背中を預けるには弱すぎるその相棒に喝を入れた
    「盾持ちの私が攻撃を引きつけます。その間君は背後を叩いてください」
    《了解…!》
    返ってくる声は固かった
    そりゃそうだ
    火力支援を要請しようという発想に至ったのは、即ち勝算を低いと認識しているせいだ
    レッドガンにとってジャガーノートは因縁の敵であり、同時に彼は自分が弱いことを誰よりも知っている
    自信を持てと言っても無理な話だろう
    だが、それでもやることをやってもらわなければ困る
    既に作戦は土台の部分で崩れており、誰にも余裕なんて最初からない
    全員が生きて帰る確率を上げるには、全員が役目をこなすしかない
    《少し時間を稼いでください、死ぬ気で止めます…!》
    「いいえ、死ぬ気でなど止めなくて結構」
    言うが早いか駆け出したハーミット
    その機体も持った兵装も未だ刻まれた傷は少なく、特にこの星ではまともに前線に出たことなんて指を折って数えきれてしまう
    ただ戦争時代の総長の姿に憧れたまま、英雄の意味も理解しないままここまで来てしまった
    張子の虎である彼は、まだ本物のライガーが何を考えて戦っているのかなんて分かっていない
    彼を本物の虎にする
    それが先に産まれ長く生きてきた私が、この場所ですべきことの一つだ
    「絶望は、それを越えなければ無駄な痛みにしかなりません。直近に自殺の予定もない方が死ぬ覚悟などしなくて結構」
    カメラの死角を狙い大きく迂回して走るハーミットの存在に気付いてしまわないよう意識を引き続ける
    三つ並んだ砲台がこちらを向くが、大きく飛び退くことはしない
    二つを避けて右に飛び、同時に冷却を終えたシールドを即座に起動する
    私を捉えたまま飛んでくる砲弾の爆風を防ぎ、ACSへの負荷を無視して四脚の力で高く跳び上がった
    ジャガーノートの無敵じみた装甲は、あくまで正面だけ
    「必要なのは、ただの『本気』です」
    背面ブースターに照準を合わせた私を狙い打つべくジャガーノートが上を向いたのとほぼ同時、私の眼下でミサイルが炸裂した

  • 1324/09/18(水) 18:18:27

    無関心だったミラージュに気絶してるうちに命を救われ、世話焼いてたG13は後に死神化とろくなもんじゃない対人関係を構築しているぺーぺー枠のレッド君

    その内心やいかにdice1d100=79 (79)

    変わることも、死ぬのも怖い。自分は変われない←50→怖いけど変わりたい、変わらなきゃいけない


    スタッガーを取ったのでちょっとダイス

    ジャガーノートの損傷状況dice1d100=22 (22)

    ~30…まだピンピンしてる

    31~70…ミサイルポッド破損

    71~90…3連装砲の砲身が乙った

    91~…履帯が死んだのでもう動けない


    ミサイルポッドが破壊の場合レッドは爆発から逃げきれるかの判定65+dice1d35=27 (27) (76以上で回避)

    またスタッガーからの復帰時に地雷ばら撒きか突発タックルをするのでその際の判定もします(81以上で回避)

    五花海70+dice1d30=26 (26)

    レッド65+dice1d35=23 (23)

    それと追加で幸運チェック

    五花海dice1d100=52 (52)

    レッドdice1d100=87 (87)

    10未満でカタフラクトのゲロビ(即死もある)が飛んできます

  • 1424/09/18(水) 18:28:16

    追加でダイスです

    コーディネイター絶滅戦争とミシガン達についてレッドが知ってること

    ミシガンdice1d100=90 (90)

    ナイルdice1d100=76 (76)

    戦果の情報はほとんど見当たらない←50→割とがっつり活躍がバレている(盛られてもいる)

  • 1524/09/18(水) 18:46:16

    自分に才能なんてものはない
    G6というコールサインを得て暫く経った今でも、その考えは変わっていない
    俺の家は貧しいのに大家族だ…いや、大家族だからこそ貧しかったのかもしれないが
    俺は兄弟の中で長男で、下の子供達を親の代わりに守ることが役目だった
    ただ皆で食い繋ぐ為に割の良い仕事を探して、動けなくなるまで働き続ける
    明日を迎えることに必死で、何の為に生きてるのかとか、将来どんな大人になりたいのかなんて考える暇もなかった
    そんな昨日の延長線上にある今日にしがみつくだけだった日々の中で、ミシガンという英雄を知ったのは本当に偶然でしかなかった
    木星戦争の英雄
    コーディネイター殺し
    ベイラムの歩く地獄
    数多の戦場で暴れ回りその名を轟かせた、ベイラム経済圏のトップスター
    彼を呼ぶ名は多く…最初こそ何かの紙面で見かけただけだったが、その中でも彼を一躍有名にした木星戦争の記録は特に見た
    人より速く走り、人より激しく戦い、人より長く戦う
    それは人という存在が戦いの為の進化を続けた果て
    星よりずっと眩しい極北の光、その強さに憧れた
    この人みたいに、なりたいと思った
    忙しい生活の中から時間を絞り出して、そこに手を届かせる為のことは何だってしてきた
    ACに乗っての土木作業なんかも積極的にやって、少しでも機体に手を慣らしていった
    ベイラムに何か思い入れがあるわけじゃない
    ただミシガン総長のいるところにいたくて、その一心だけでレッドガンの門戸を叩いた
    そして入隊試験に通って、訓練生から始まって…そこからも、憧れに追い付く為なら何だってしてきた
    雑用も、オペレーターも、整備の手伝いも、戦闘も……人を撃つことだって
    けど何をやっても所詮三流止まりで、今一つパッとしない成績だらけ
    死なない程度にはセンスがあったとしても、俺は天才じゃない
    訓練をサボったのがバレて強制連行されたイグアス先輩が欠伸を隠しもせずに撃った弾が全弾命中したのを眺めながら、そう思った

  • 16二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 18:50:04

    少年漫画してるなレッド君

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 19:05:40

    総長の戦功が盛られていく

  • 1824/09/18(水) 19:09:23

    ACや四脚MTを壊すと、時折作戦に貢献したとしてボーナスが入る
    ただでさえ前線を物量任せで使い潰す社風なんだから、ベイラム所属隊員の多くにとってボーナスは喉から手が出るほど欲しい
    ボーナスを貰って使いきった後なら死んでもいい、そう豪語する隊員もいたくらいだ
    だがACを落とせるのなんて同じACに乗った腕利きくらいで、そうなると大体のボーナスは我々レッドガンAC部隊が掻っ攫うのが常になる
    ミシガン総長は滅多に前線に立たないが、たまに出てボーナスを得ると俺達への奢りですぐ使ってしまう
    副長は貯金している
    五花海さんはボーナスを元手に何かビジネスを企んでは、三度に一度くらいの頻度で副長の地雷を踏んで制裁されている
    イグアス先輩とヴォルタ先輩は娯楽の為に使いきる(そして何故かたまに金欠になる)
    そんな風に己の実力の対価を当然のものとして受け取る彼等に、いつか自分も並ぼうと訓練を重ねてきた
    そして俺もそうやって、ボーナスを稼いだ
    当時は今より更にヒヨッコだったから、どんな戦闘だったかなんてほとんどうろ覚えだ
    だが初めてのことだったから、自分が初めて殺した奴のことだけは、今でも鮮明に覚えている
    そして次の給料日に出たボーナスをどうしたのかも覚えている
    ……俺の初めて貰ったボーナスは、今も全額俺の口座に残っている
    仕送りをしているとはいえ稼ぎ頭かつ体力のある俺がいなくなって、実家がどれだけ困窮しているのか
    日頃苦労させていることを詫びる為にも、少しでも金を送ってやらなきゃいけない
    それを知っていて俺は、そのボーナスを実家に送れなかった
    人を殺して稼いだ金で、弟達が食べる肉を買うのか?
    帰るべき家の食卓が、人の血で汚れていく
    そう考えたら、駄目だった
    その日の夜、俺が殺したパイロットの千切れた腕がステーキになって、それを美味そうに弟達が食っている夢を見た
    …ここにいたら人を撃つのが当たり前になることなんて、分かっていた筈だ
    木星戦争の英雄が何故英雄と呼ばれているのか、散々見てきた筈だ
    全部見て、知って、それでも先輩達に憧れて追いつこうとしていた筈だ
    なのに俺はその時になって、皆が俺を褒める理由に共感出来なかった
    被弾しすぎてぐちゃぐちゃになったハーミットのコアから出て、周りの人が急に怖く見えた
    ……俺は、戦場で生きる才能がない
    洗面台に胃の中のものを全部ぶちまけながら、そう思った

  • 1924/09/18(水) 19:34:56

    起用担当として、多くの傭兵を見てきた
    大豊のばら撒き依頼に集ってきた者から、本社に名指しで雇われた者まで
    その多くは、一対一なら俺でも2分以内に殺せる
    だが、たまにそうではない者が現れた
    G13もミラージュも、その「そうではない者」だ
    ガリア多重ダムで突如裏切り、イグアス先輩とヴォルタ先輩を単独で伸した
    壁でキャノンヘッドと殺し合い、一方で壁からキャノンヘッドを連れ戻した
    解放戦線の捕虜を巡って二人が出会い、理不尽と奇跡の応酬が起きた
    最初はこんなことになるとは思ってもみなかった
    彼等は総長曰く「安いおまけ」と「本物の役立たず」だったのだ
    なのに、蓋を開けてみればどうだ?
    彼等は戦場に立つ度に奇跡を起こし、幾つもの死線を潜って生き延びてきた
    戦場に立つ度に変わり続ける彼等に、迷いは見えない
    彼等にとって殺してきた相手は重りではなく、糧になるから
    彼等はそれが出来る人間だ、俺とは違う
    企業のAC乗りが傭兵に侮られるわけにはいかないから、態度には出さないよう意識しているが…それでも、もう見えている
    彼等と戦えば、負けて死ぬのは俺の方だと
    恐らく総長もそれは分かっている、だから俺をなるべくオペレーターにしてきている
    その証拠に俺が出撃するようになったのは、ヴォルタ先輩が出撃出来なくなったからだ
    ただ席を替えただけで、俺が出撃メンバーの座を奪ったわけじゃない
    そんなことが出来るほど、俺は才能なんてない
    そう確信して、それでも俺はここまでそれを黙っていた
    敵を撃っても吐くこともなくなり、普通にボーナスも仕送りが出来るようになってからの数年
    ここまで俺が立っていられたのは、ここに総長がいるからだ
    あの日見た、今も焼き付いて離れない光
    追い付く為に重ねてきた努力、使ってきた時間、家に帰らないことを選んだ当時の自分
    その全てを、捨てられなかった
    その全てが間違っていることを認めるのが怖くて仕方なかった
    「いつかあの人みたいになりたいと思っているG6 レッド」から、俺は一歩も動けなかった

  • 2024/09/18(水) 20:20:18

    今戦う理由、才能のない自分に絶望してなお立ち上がる理由dice1d3=2 (2)

    1=星に追い付きたいんじゃない、その光より上へ

    2=好きだと思えた人達を、自分で守れるようになりたい

    3=才能があるだけの人間を、越えたい

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:40:25

    奇しくもミラージュに似た動機

  • 22二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:42:56

    少年漫画してるよレッド君………!!

  • 23二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 20:44:22

    しかし見事に年長組と若手のバディになったな
    これは個別面談なのかもしれない

  • 2424/09/18(水) 20:45:36

    今までの全てを失いたくない、だから変わることを恐れてきた
    才能がないことを理由に、自分は強くなれないのだと納得していた
    逃げることも進むことも出来ない、だから足が止まったままだった
    それを憧れの人がいる場に意地で立ち続けていると誤魔化していた
    俺が積み重ねてきたのは努力じゃない
    ただ、何もしない理由を並べてきただけだ
    ヘルメットを脱げないヤドカリ、先輩達の後塵を拝す隠者、獅子に憧れた張子の虎
    俺の本質は痛快なくらい分かりやすく、いつだって変わっていない
    本物達はいつだって、俺みたいな凡才の遥か頭上で、一際強く輝き続けている
    それに目を眩ませている俺は、星にはなれない
    いつまでも地べたに足を付けて動けないままのカカシだ
    (……変わりたい)
    どうやって?
    「死ぬ気で止めます…!」
    本気で死ぬ気なんか、これっぽっちもないくせに?
    (死にたくない…!)
    死の気配を感じる時、いつだって遠くにいる家族の顔が脳裏を過る
    もうずっと声も聴いていない家族の、記憶の中で掠れた顔が蘇る
    それがあるから、俺は死ぬ勇気なんて持てないままだった
    けど、それを捨てる勇気も持てないままだから変わってこられなかった
    俺はどうすればいい?何をすれば変われる?何を変えれば、俺は総長みたいになれる?
    何をするにしても臆病でどっちつかずな俺は、何から捨てるべきなんだ?
    考えて、すぐに結論は出た
    (……無理だ)
    何かを捨てられるなら、最初からこんな悩みはない
    俺が今になって変わりたいと思うのは、それだけ俺が変われない人間だからだ
    …伸びしろという言葉がある通り、人は、成長するのも力の一つだ
    全ての出会いを糧とした彼等にあって、俺にないもの
    変わる力、変わることを迷わない力…新たな自分になる為に、今までの自分を全て分解してしまえる覚悟をする才能
    ……俺には、そんな才能はない

  • 2524/09/18(水) 21:11:30

    己の凡才ぶりに、ほとほと呆れる
    元々のポテンシャルもなく、成長する力もなく、死ぬ気で戦うだけの度胸もない
    俺には、何もない
    こうして飛び交う殺意に肌を焼かれ、目の前の大型に睨まれていると…つくづく、そんな自分の矮小さを突き付けられている気分だった
    俺に何が出来るんだろうか
    もしここにいるのが、俺じゃなくてヴォルタ先輩なら…総長すら超えかねない火力で勝負をすぐに付けてしまうことだって出来る筈だ
    だが実際ここに居るのは俺で…その俺に、何が出来る?
    真っ向から戦う力も、機動と策謀で相手をかき乱す力も、激しい戦闘を耐え抜いて何かを守る力もない俺に
    …正真正銘どうしようもない、空っぽの役立たずの俺に
    本当に俺は…死んでしまったって良いと、何なら死んでしまった方が良いと、ここで開き直れたら楽なのに
    (俺、どうしたら……)
    脳の皴に泥水が沁みていく
    戦場はクリアに見えていて、未だ損傷はないのに…酷く全身が怠くて、重くなっていく心地がした
    この今の心地を、恐らく人は「絶望」と呼ぶんだろう
    どこを見渡しても、答えどころか自分が何を悩んでいるのかすら見えてこない
    八方塞がりでどこにも行けず、ただその場から動かず沈んでいくしかないこの状態を
    自分の中で渦巻く焦りと疑問に、それでも正面から向き合えないまま
    ただいつも通り、何かをどうにかしようとも思わないまま、ただ漫然と銃口を向けて
    《いいえ、死ぬ気でなど止めなくて結構》
    そんな俺のぼんやりした意識に、彼の声が冷や水をぶっかけた
    「……え」
    かつてベイラム経済圏で逮捕されるまで、広域をその舌一つで崩壊に導いていたというパイロット
    彼の“いつも通りの声”とは、感情の読み取れないものだった
    俺からジャガーノートの意識を逸らすべく、マシンガンとミサイルの弾幕が砲身の近くを狙って突っ込んでいく
    《絶望は、それを越えなければ無駄な痛みにしかなりません。直近に自殺の予定もない方が死ぬ覚悟などしなくて結構》
    3連装砲の砲弾を避け、そのうち一つは敢えて本気で避けずに引き寄せる
    向かってくる大口径の砲弾を捉えきっている動きをしながらわざと避けずにいる彼は、しかし冷静なままだった
    慌てることも臆することもなく、ただ正面に見えるものに対し最善のタイミングでベストを尽くす
    淀みない操作でシールドを展開した鯉龍が爆炎に一瞬飲まれ、しかし傷一つないまま空へ舞い上がる

  • 2624/09/18(水) 21:11:41

    《必要なのは、ただの『本気』です》
    「――――」
    死ぬ気ではなく、本気
    その言葉に、頭を侵食していく沼の中から一筋の光が見えた気がした

  • 27124/09/18(水) 21:26:22

    「死ぬ気じゃなくて本気でやれ」理論、ちゃーんと聞いとくべき奴は他にもいるね?

    ⑨コンビおめーらだよ

    イグアスdice1d100=98 (98)

    ヴォルタdice1d100=53 (53)

    んなもん聞いてない←50→エゴに火がつく…?


    明日も早いので今日はここまで

  • 28二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:32:25

    なんか熱い展開になってるな…

  • 29二次元好きの匿名さん24/09/18(水) 21:48:22

    レッドガンは少年漫画だった………?

  • 30二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 06:50:52

    イグアス坊やがやる気出してる………!

  • 31二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 07:51:47

    最初の回避で最大値出した二人が本気なのは確か
    その二人が他メンバーに火をつけるのよくできてるな

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 07:57:20

    ヴォルタに発破をかけるイグアス…ってこと!?

  • 33二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 12:10:43

    ここのイグアス君はアイスワーム戦で最後まで残ってそう(?)

  • 34124/09/19(木) 15:00:01

    “死ぬ気”と“本気”
    その差は言葉のあやでしかないようで、恐らく大きく意味が違う
    今まで、散々いろんなことをやってきた
    だが「本気を出して何かをやったことはあるか?」と聞かれると、色々やってきた割にはあまり答えに自信を持てない自分がいた
    (本気って、何だ?)
    頭が回らなくなるくらい集中すること?
    動けなくなるまで体力を使うこと?
    …多分、それだけだと違う
    それは本気じゃなくて、必死なだけ
    力不足なせいで何をしてもパッとせず、要領も大して良くないからやる事が全て泥臭くなっていただけだ
    置いていかれないように必死で足掻くのと、自分の意思で本気を出すのは違う
    だったら…“本気”って、何だろう?
    俺には、五花海さんの言いたいことが分からない
    分からないまま機体を慣性に任せてドリフトさせながらハンドガンを構えて…
    (…それじゃ、駄目だ)
    それを、下ろした

  • 35124/09/19(木) 15:00:29

    ただ戦場にしがみついて、先輩達に置いていかれたくない一心で必死に戦う
    だがそれでどんな俺にもなれなくて、だから今こんなに絶望しているんだ
    いつものやり方じゃ駄目だ
    疲れるくらい頑張ってみたけど届きませんでした、そんな結果はただの自己満足であって成長でも努力でもない
    それじゃ駄目なんだ、漫然と戦うな
    ただ戦って何かが出来るほど俺は強くないし、何となくの猿真似で追いつけるほど彼等は弱くない
    追いつけないなりに、同じ戦場へ自分で走れ
    どうすればいいのか分からないなら考えろ
    今自分がすべき事を、自分の力で解釈しろ
    自分に才能がないことなんて分かりきっている
    それで変われなかったのだって分かっている
    けど分からないなら、分かるまでやるしかない
    やり続けることだけは、今までだってやってきただろ!
    開けた視界の向こうで、横殴りの吹雪に吹かれたジャガーノートが天を仰ぐ
    飛び上がってホバーに切り替えた鯉龍を追っているからだ
    砲口が五花海さんを狙って上体が反り返って、盾もないまま背負われた剥き出しのブースターが下を向いた
    ACのメインカメラと同じ高さの位置
    照準すら合わせずに最短で狙える場所
    五花海さんが身体を張って丸裸にした、敵の喉元
    それが今、俺の目の前に
    「——……あった」
    バチリと頭の中で稲妻が走る
    その閃きに背中を突き飛ばされるような心地のまま、両肩のミサイルを全て撃ち込んでいた

  • 36二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 20:41:10

    覚醒が始まった………のか…?

スレッドは9/20 08:41頃に落ちます

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