【🎲・閲覧注意】真昼の星をさがして

1二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:50:24

「マグカップ組＆ラウダ・ニールでオリジナルシナリオを、独自ルールで遊んでいく。

　シナリオを進めるキャラとは別にメタ視点の僕たちワイプ組の反応も入るよ。

　今回のシナリオの進行は僕、強化人士4号が務める」

「どうも、主人公ポジションらしい5号ことエランくんでーす」

「兄さんと仲のいいラウダ・ニールだ」

「今回、俺とラウダに血縁関係はないけどな」

「夜に外をうろついているらしいスレッタ・マーキュリーです！」

「普通に不審者」

「…実質NPC宣言されてしまったわけだが、どうしてこう出番が少なくなりがちなんだろうな、俺…」

「本シナリオではCP要素を含まない予定ですが…ダイススレなので何が起きるかわかりません。

　CPが成立したとして左右は明言しませんが、こだわりの強い方や地雷のある方はブラバ推奨ですよ。

　それと展開によっては猟奇的な展開や性癖モロ出しになる可能性がありますのでご注意ください」

2二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:52:45

「私はすごいえらいつよい愛の女神。

　語気の強いレスやレスバはサクッと撃滅しますね。愛の女神なので。

　CPに関する質問や展開への不満も基本的にスルーです。愛の女神なので。

　合わないと感じた方はそっとブラバ＆理想のスレがあるなら自分でレッツスレ立て！ですよ」

「本スレでは独自ルールを採用している。

　広く知られているTRPGとは異なり、ダイスを振った際の成功値は『定められた数値以上の出目』となる。

　探索技能が60％で成功する場合、出目が41以上で成功といった形になるよ。

　今回のシナリオではほとんど成功・失敗の判定がなく、選択肢による状況の変化が多くなる予定。

　キャラのロストに関しては…ノーコメント。

　…他に説明を忘れていることがあれば、都度説明する。

　数字を処理するのはこちらの役割だ。閲覧している人は展開を楽しんでほしい」

3二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:56:30

「今までのもののリンクを…と思ったらテレグラフが貼れないとは。

　とりあえずこっちは前回の単発です。何故か野球したりしてます」

【🎲・閲覧注意】「水星ちゃん！」「大変だよ！」｜あにまん掲示板「dicead3=　1：サスペンス　2：オカルト　3：トンチキ　な事件が！」「何とかしてよ、水星ちゃん！」（最終的に誰と誰がくっついてもいい人向け）（CPの左右は明言しないよ）（選択肢によっては猟奇的…bbs.animanch.com

4二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 21:57:38

「あとこのあたりを貼っておけば、完結したものに関しては見ることができるはず…」

【🎲・閲覧注意】「グエル、大変だ」｜あにまん掲示板「水星ちゃんが…dice1d3=@1 (1)@　1：奇妙な言動をしている　2：男になった　3：記憶喪失になった　らしい。　元に戻す方法はdice1d3=@3 (3)@　1：真実の愛のキス　2：フィック…bbs.animanch.com

5二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:04:06

「…思わぬトラブルがあったけど。本シナリオの登場人物を紹介する」

エラン：「夢を見るんです」

・家族を亡くし、孤児院へやって来た少年。一番の新入り。

ラウダ：「触れられるのは嫌い。触れるのは、もっと」

・他者との関りを拒絶しているが、グエルとは比較的よく話すようだ。

グエル：「この部屋は立ち入り禁止」

・常に厚着をしているが、寒さに震えていることが多い。人懐こい面がある。

スレッタ：「月の光はやさしいから」

・昼間はほとんど部屋にこもり、外に出ようとしない。夜になると孤児院の周囲をうろついているようだ…。

ミオリネ：「先生の言うことは、ちゃんと聞かないと」

・視力に問題があるらしく、常に誰かと行動を共にしたがる。

シャディク：「迎えに来たよ」

・詳細不明。

6二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:06:17

お？久々のすごいえらいつよい愛の女神だ！

7二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:07:49

■プロローグ

空が、青い。

その青の中、影を落とすでも、溶けるでもなく。

ぽつんと、お星さまみたいに輝くもの。

「いつか僕も、連れて行ってくれる？」

あなたの問いかけに頷くように、金色の羽を持つ鳥は碧い瞳を瞬かせた。

8二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:12:24

「プロローグ終了」

「いや短っ」

「何の情報もない」

「鳥が出てきたことしかわからん」

「焼き鳥ですか？おいしいですよね」

「スレッタ？」

「皆、自分のPC情報は知ってるんだよな？」

「ええ、それはもう。ね、ミオリネさん」

「…どうして私を名指しにするのよ」

「さあ～？」

9二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:20:10

■第一章『新天地の憂鬱』

「どうしてこんなこと…」

「殺してからベッドに運んだのか？なんて悪趣味な…」

（救急車の音。大勢の人の声。…朝、見た光景は、全部…）

「…とうさん、かあさん…どうして…？」

「やあ。エラン、で合ってるな？」

「………あ、の」

「無理に話さなくていい。ちょっと聞いてくれ。俺はお前の遠縁でね。孤児院で働いてる。

　…今日から、お前の保護者になるんだ。

　よろしく。俺のことは…そうだな。ケレス先生と呼んでくれ」

10二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:23:43

（…言われるがまま、車に乗って、ずっと――長い時間、移動して。

　あ、そうだ…お葬式。…もう、僕以外に家族はいないのに…何もしてない。

　父さんと母さんは、どうなるんだろう…

　………死んじゃったんだ、本当に…）

「考え事か？今は、何を考えたってつらいだろうな。

　…お前のことは、俺が責任を持って見てやる。

　すぐにとは言わないが、きっと何もかもよくなるさ」

「………」

dice1d2=1 (1)

1：礼を言う

2：何も言わない

11二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:27:57

「…ありがとう」

「構わないさ。家族だろ」

「………ありが、とう…」

「………」

（…オーディオの音が、大きくなった。

　泣いたって、聞かないふりをしてくれるってことだろうか。

　ケレス…先生は、きっと…いい人だ）

12二次元好きの匿名さん24/09/19(木) 22:31:30

「いや暗いが？」

「孤児だからねえ」

「だからって初っ端から事件性の強い死を匂わせて来るんじゃないわよ」

「ミステリですか？ミステリになるんですか？」

「さあ～？」

「………なんか…予想がついた…かもしれない」

「PCの持っている情報からして、うん。

　そうだろうね」

「僕自身何もわからないのに…？」

13二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:31:01

「よお」

「…どーも、ケレス先生。そいつが、例の…」

「ああ。俺から見れば遠縁の…まあ、甥みたいなものだろう。

　悪いが、傷心中の子供をよそに世間話ともいかないんでね。船を出してくれるか」

「ふね…」

「ああ。俺の暮らす…お前がこれから過ごす孤児院は、湖の向こうにある。

　で、こいつはそのための渡し守だ」

「………」

「挨拶くらいしてやれよ。まったく。

　悪いね、エラン。こいつは子供嫌いなんだ」

（…よくわからないけど、女性に睨まれてる…）

dice1d100=22 (22)　※76～

14二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:43:31

「…さっさと降りろ。あーしは向こう岸に戻るから、用があったらまた連絡しろよ」

「ああ。…エラン、孤児院まではあと少しだ。

　ここまで長旅で疲れただろうが…もう少しで休めるからな」

「うん…」

（結局、あの女性とは全く口を利かなかった…

　…話したところで、ちゃんと受け答えできたかわからないけど）

「孤児院にはお前と似た境遇の仲間が四人いる。きっと仲良くできるから、安心しろ」

「…うん…」

（仲間…友達に、お別れもせずに来ちゃった。

　何もかもが、突然で…まだ、現実感がない）

15二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 07:47:22

「ミスした」

「ミスしましたね」

「孤児院にいる仲間の人数は五人だ」

「誰か一人が存在抹消されてるじゃん、草」

「誰の存在を消してたのよ？」

「…四人のままでいいかもしれないね」

「ああ、ですね？

　”似た境遇の仲間”は、ええ、はい」

「あ、あの…不穏な言い方しないでください…」

16二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 13:07:20

誰か一人は仲間じゃないのか
誰なんだろう…？

17二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:10:07

（…あの屋敷、かな。別荘みたいで、綺麗な外観…

　湖を越えた先、森に囲まれた小島…そんな中、開けた場所で陽の光を浴びて…）

「気に入ったか？」

「あ…ええと…」

dice1d2=2 (2)

1：気に入った

2：…家に帰りたい…

18二次元好きの匿名さん24/09/20(金) 19:17:44

「つまらない奴だな」

「え」

「直球過ぎじゃないか？…でも、そうだな。帰りたいなんて、あまり言わない方がいいって俺も思うよ」

（僕と同じくらいの年頃…まだ、ミドルスクールに通っているくらいの…。それなら、彼らが…）

「おかえりなさい、先生。それとようこそ、新しいお友達」

「…皆、早く顔が見たかったみたい。私もそうなんですけど…ちゃんと会えたし、中に戻りましょう」

（日傘…今日、そんなに日差しが強い訳でもないのに？）

「ああ、ただいま。…あいつはまた、一人で本でも読んでるのか？まったく。

　エラン、もう一人会わせたい子がいるんだ。屋敷の中に入ろう」

19二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 02:55:21

楽しみ★

20二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 09:12:18

移動中落ち着いたら葬儀や友達のこと考えてたりお家に帰りたがる5号の姿に泣けてくるな…
さて、１人お出迎え来てないけどどんな第一印象になるかな

21二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:05:06

（屋敷の中も、きれい…。絵画や、調度品…僕の家とは全然、趣味も雰囲気も違って…

　………誰か、ソファーに座ってるのが見える。見覚えのある、髪の色…？）

「ただいま。いい子にしてたか」

「…え」

（あの子、どうして…）

「別に。特に変わりない」

「そうか、ならいい」

「僕に…似て…？」

「…ああ、エラン。驚かせたな。

　この子は…見た通り、俺たちによく似てる。兄弟だと思って、仲良くすればいいさ」

「………」

22二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:15:18

「さ、皆そろったところで挨拶だ」

（そう言って、先生は一人ずつ…子供たちを紹介してくれた）

（ラウダ…。少し、ううん、とても…冷たい印象の子。

　目を合わせないか、睨んでくるかで…ここに来ちゃ、いけなかったのかな、なんて思えてくる。

　先生いわく、『素直じゃないだけ』らしいけど…）

（グエルは…『寒がりで、人懐こい。きっとすぐ仲良くなれる』って。

　本人も…笑顔で挨拶してくれて、握手だってしたけど…とても、手が冷たくて、驚いてしまった）

（スレッタは、俯きがちで内気な印象だけど…挨拶する時は、しっかりこちらを見て笑ってくれた。

　でも、『あまり無理させないでやってくれ』って、どういうこと？）

（ミオリネ…たくさん僕を気遣う言葉をかけてくれて、やさしい子だと思う。

　『目が不自由だから、一人にならないよう気に掛けてほしい』とも言われたけど…

　一見しただけだと、一人で歩いたり、物を掴んだり、難なくやってるように見えるし、見えてないわけじゃないのかな）

（そして…テトラ。僕や先生によく似てる…けど、彼も遠縁ってことなのかな…

　…ここにいるってことは、彼も、家族を…

　………『何かあれば頼ればいい』って、先生は言うけど…彼は、僕のこと…最初に一度見たきり、興味もなさそうなのに…？）

23二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:20:55

このレスは削除されています

24二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:31:39

「ガバです」

「ガバだね」

「まだ脳が寝ているのかもしれません…修正してもう一度投稿します」

「ダイス結果は前レスのものを採用しているよ」

25二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 10:31:58

「最後に紹介するのが…エランだ。

　俺から見れば遠縁の…ま、甥のようなものだと思ってくれ。

　…ここへ来る直前、つらいことがあったばかりなんだ。

　皆、仲良くしてやってくれ」

「はい、ケレス先生」

「皆、いい返事だ。…テトラ以外」

「………」

「やれやれ…。俺はエランの荷物を運びこむから、お前たちは自由にしてていい。

　エランも、早く周りと打ち解けたいだろ？」

「え…で、でも」

（そんな、急に…打ち解けるって言われても、僕は…

　遊んだり、話したりする気分になんて…）

dice1d2=2 (2)

1：荷物を運ぶのを手伝うと主張する

2：困惑して立ち尽くす

26二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 11:06:31

（ケレス先生が出て行って…スレッタと、テトラは残っているけど。

　残りの子たちも、外に…）

「エラン！」

「わっ…あ、えと」

「外へ行こう。暗い顔をしてぼーっと立ってるより、体を動かした方がすっきりするから」

「でも…」

「いいから行くぞ、ほら！」

「ま、待って、引っ張らなくても歩けるから…！」

（やっぱり、グエルの手…冷たい）

27二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:26:32

「エランも呼んできたんだ」

「仲間外れはよくないし、早く仲良くなりたいだろ？」

「ふふっ、そうだね」

「よっ、と。…何？お前もやるのか？」

「………」

（木に、登ってたんだ…。…立派な木だな…幹もしっかりしていて、のびのびと枝を伸ばして、葉も青々として…）

「この木、いいところまでは行けるんだけど、誰もてっぺんまでは登れないんだ。

　エランも挑戦してみないか？」

「え…いや、あの、…危ないし…」

「臆病なやつ」

28二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:29:31

「怖がることないって。誰も怪我したことなんてないし」

「で、でも」

「大丈夫だよ。私にだって登れるんだよ？」

（…目が不自由だっていう、ミオリネにも？

　それなら…ううん、でも…もしも…）

「やるかやらないか、答えればいいだけなのにうじうじして。

　…本当、つまらない奴だな、お前」

「う…」

dice1d2=2 (2)

1：挑戦する

2：挑戦しない

29二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 12:41:42

全体的に消極的なダイス…

30二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:27:35

「大丈夫！私たち、応援するよ。

　てっぺんまで行けなくてもね、少しでも上に行けると楽しいんだよ？」

「それ、は…わかる…けど……」

「一度やってみて、怖かったらすぐ降りてもいいんだぞ？」

「………」

（この木に、僕が、登る？

　でも、だって、そんなことしたら…）

「落ちたって、死にはしないだろ」

「…っ」

「あっ。…行っちゃったな」

「ラウダが意地悪言うからよ」

「…あいつが臆病なだけだ」

31二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:37:04

（勢いのまま、屋敷に戻ったけど。

　………帰りたい。父さんと、母さんに、会いたい…どうして、僕一人だけ…）

「あれ？戻って来た…んですか？」

（…誰か、いたのか。…電気もつけず、カーテンも閉め切って…

　確かスレッタと、それから…）

「………」

（テトラ…本、読んでるのに…暗いよね。カーテン、開けないと…）

「…？…あ、待って…！」

「え？」

「う、……うぅっ…！」

32二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:41:36

「…え、え…？」

（スレッタ、走って…二階へ向かってしまったけど。…どうして…？）

「………」

「あ…あの…」

「………」

（テトラは…見向きもしない。

　テーブルの上には、二人分のカップ…お茶を飲んでいたのかな…

　…僕以外とは、普通に話している？それとも、誰にでもこうなの…？）

dice1d2=2 (2)

1：話しかける

2：立ち尽くす　dice1d100=35 (35)　※61～

33二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:46:38

「…いつまでそうしているの」

「え、あの」

（…喋った。こっちに全くの無関心、ってわけじゃない…？）

「こんな場所、来なければよかったのに」

「………そんな、こと…」

「………」

「…そんなこと…僕が一番、思ってるよ…！

　なにも、何も、知らないくせに！」

dice1d2=2 (2)

1：テトラに掴みかかる

2：立ち去る

34二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:49:32

「…っ」

「………」

（…思わず、立ち去ってしまった。

　部屋…もう、いいかな。…疲れた…休みたい。

　………いい夢を見られる気は、しないけど）

「………父さん、母さん…どうして僕だけ、生きてるんだろう…

　どうして…どうして………二人だけ、あんなことに…」

35二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 22:55:52

「…おいおい。新しい仲間が増えた、最初の夕食だろ？

　どうしてこんな空気になってるんだか」

「だって先生。こいつ、スレッタをいじめたみたいで」

「ろくでもないやつ。親の顔が見てみたいな」

「…！」

「下品な煽り」

「は？」

「ラウダさん。…確かに今のは、ひどいよ。私、大丈夫ですから」

（………僕が、悪いの？どうして…だって、何もわからないままで、誰も…）

「ちょっと、やめなよ。エランは来たばっかりなんだから、ここのルールなんて分からないでしょ？

　そうやって責めるんじゃなくて、一緒に生活するコツを教えてあげなきゃ」

36二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:01:14

「さすがだミオリネ」

「！…ふふっ…

　大丈夫だからね、エラン。私たち、今日から仲間なんだから」

「…あ、ありがとう…」

「いいのよ。じゃあ、ここで生活するルールについて私が教えてあげるから――」

「君は少し事を急ぎ過ぎる」

「…どういう意味？」

「まだ、その段階ではないということ」

「んー。確かに、気持ちの整理とか…できてないかもな」

「…そう、ですね。エランさんに何があったのか、詳しく知らないけど…

　ここへ来たってことは…きっと、つらいことがあったんですよね」

37二次元好きの匿名さん24/09/21(土) 23:05:54

「そもそも夕食時だ。もっと楽しい会話で、お互いのことを知るべきだと俺は思うね。

　なあ、テトラ」

「そう思うのなら、そうすればいい。僕は関与しない」

「お前、先生への態度が悪いぞ」

「まあいいじゃないか。多少の生意気はかわいいもんだ。

　さ、改めて…夕食を楽しむとしよう」

（ケレス先生はそう言ったけど…結局、他の子とはほとんど話さないまま、静かな夕食は終わった。

　僕自身、疲れもあるし…彼らにも、新しい仲間への戸惑いがあるんだろうか？

　…もう、よくわからない。早く眠りたい、けど…眠るのが、恐ろしい気もする。

　眠っていて、何も気付かないうちに…何かが起きてしまったらと思うと…）

38二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:30:11

5号ことごとく消極的な選択肢ばかりだな
ダイスの女神の癖（へき）を感じるなぁ

39二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 13:49:47

（新しい部屋…落ち着かない。

　家から持って来たものもあるけど、急だったし…知らない人の部屋みたいで…

　………まだ、皆は起きているのかな。でも、顔を合わせて何か言われるのは…）

「…ん？」

（何か、聞こえたような…窓の外………）

「…あっ」

（確か…スレッタ。すっかり日も沈んで暗いのに、一人で、明かりも持たずに…

　屋敷の周りを、走ってる？

　いつから走っていたんだろう。…何だか、ちょっと、普通じゃない…

　変わってる、というか…異質なものを見たみたいで、少しだけ、こわい…）

dice1d2=1 (1)

1ベッドに潜り込む

2部屋の外に出る

40二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 13:53:34

（…寝よう。寝ないと。嫌なこと、怖いこと、これからのいろいろ…

　起きてる限り、ずっと考えてしまう…

　父さんと、母さんのことも………ん？ノックの音…）

「…だ、誰？」

「私、ミオリネだよ。お邪魔するね」

「え…」

「まだ起きてるってわかったから、ちょっとね。

　眠れないんでしょ。…だったら、ねえ。

　ちょっとだけ、夜更かししちゃおうよ」

「………」

dice1d2=1 (1)

1：誘いを受ける

2：断る

41二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:01:31

「やった！じゃあ、手を繋ごう？夜だし、うっかり段差で転んじゃったら大変」

（明かりがあるから平気だと思うけど…ミオリネなりに、気を遣ってくれてるのかな。

　…手、あたたかい…ちょっとだけ、ほっとする、かも）

「ちゃんと足元を見てね」

「あ、うん」

「一階に降りて、キッチンに行こうよ。行き方、わかる？」

「ううん…どうして、キッチンに？」

「眠れない夜はね、あまーいミルクを飲むのがいいんだって」

dice1d2=1 (1)

1：誰に教えてもらったの？

2：母さんもそんなこと言ってたな…

42二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:03:32

「ふふっ、それはね…」

「夜更かしかい、二人とも。…と言っても、まだ眠ってる子なんていやしないが」

「ケレス先生！」

「あ…あの」

「構わない。そこに座ってろ」

「ありがとう、先生」

43二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:07:35

（先生…キッチンの方へ行ったみたいだ。

　いいのかな、僕ら、座ってるだけで…）

「先生なの」

「え？」

「さっき、聞いてたでしょ。

　ケレス先生がね、眠れない夜は甘いミルクがいいんだって」

「…そう、なんだ」

（先生は…やさしい、とは思うけど。

　ミオリネは先生のこと、大好きなんだろうな…

　こうやって話していると、よくわかる。

　僕が…父さんや母さんを好きなのと、同じなのかな…

　………僕も…父さんや母さんを忘れて、先生を親みたいに思うように、なるのかな…）

「難しいことを考えるのもいいが、まずはこいつを飲むことだ」

「あ…」

44二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:12:30

「いただきます」

「…いただき、ます」

「ああ。召し上がれ」

（…おいしい。ミルク以外に、何か入ってる…？蜂蜜かな…

　甘くて、あたたかくて…

　………ほっとする、かも…）

「…あれ？エラン？」

「……………」

「よっぽど疲れてたのか、眠ったらしいな。

　…ミオリネ、よく気遣ってやってくれたな」

「ふふっ。当然です。だって、新しい仲間なんだもの」

45二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:33:44

落ちている。

「これは夢だ」

わかっていても、恐怖は消えない。

「夢なんだ…早く、早く覚めて…もうあんな…」

目を閉じ、耳を塞ぐ。
それでも消えない、落下の感覚。
体に受ける風も、重力に引き寄せられる感覚も、すべて消えてくれない。

『大丈夫？』

「…え？」

目を開く。耳を塞いだ手を放す。
きらきら、金色の羽を輝かせた鳥が、青い瞳でエランを見ている。

『君を乗せて飛べたらよかったんだけど』

「…僕も、君みたいに飛ぶことができればいいのに」

そうすれば、落ちることだってないのに――

46二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:36:41

「………朝…」

（見慣れない部屋…だけど、ここはもう僕の部屋で…

　…孤児院で、暮らすことになったんだった）

（昨日の夜は、確かリビングで…眠ってしまったのかな。

　ケレス先生が、運んでくれた？）

「…何か、夢を見た気がするんだけど…

　………金色の鳥…」

■To be continued...

47二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 14:41:28

「第一章終了」

「この孤児院本当に大丈夫なやつ？やばいんじゃないの？」

「僕って想像以上に嫌な奴なんだな…」

「PCラウダはそれだけ繊細なんだろう」

「ミオリネさんはやさしいですね！」

「やたら先生に懐いているのを見てるとかゆくなってくるけどね」

「俺、全然出番なし！」

「しょうがないですよ、シナリオの都合です」

48二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 15:26:26

ラウダと同じく嫌な役回りと言われてたけどミオリネ良い子だな
何かをきっかけに態度が豹変するんだろうか…

49二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 16:52:29

鳥さん…ははーん

50二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 21:46:28

■第二章『曇り空の食卓』

（…また、夢を見た気がする。

　よく覚えていないけど、でも…怖い思いを、したような）

「………起きないと」

（あれから三日が経ったけど…僕は未だに、この場所に受け入れられた気がしない。

　…それとも、僕が受け入れようとしてないのかな。

　父さんと母さんのことや…ここで暮らすことを…）

「前は見た方がいい」

「え…あ、ご、ごめん」

（考え事しながら廊下を歩いていて、ぶつかるところだった…）

「………」

（…行ってしまった。

　テトラのことは…孤児院にいる人の中で、一番、よくわからない）

51二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 21:50:47

「…あ、エラン。おはよう！」

「…おはよう」

「聞こえないんだが」

「う…」

（ラウダは、やっぱり…僕のことを嫌っていそう）

「もう、そういうこと言うのやめなよ。おはよう、エラン」

（ミオリネは相変わらず、僕を庇ってくれるけど…嫌にならないのかな。

　…そういえば、今日はリビングのカーテンが開いてる…？）

「おはよう。いい天気だな」

「…曇りですよ？」

「だからこそ、いい天気だ」

52二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 21:56:47

（どういう意味…？…あ、そうか。

　そういえばミオリネが、スレッタは日差しが苦手だって言ってた）

「せっかくだ。こんな日は外で食事するなんてのはどうだ？」

「素敵！この天気ならスレッタも大丈夫じゃないかな？早速準備しようよ」

「え、えーと…でも」

「嫌なのか？俺は楽しいと思うけど」

「あの…ううん、楽しいとは思うんです。でもやっぱり…」

「食事中、日傘をさしっぱなしっていうのも難しいか」

「そう、ですよね…」

（…残念そう。スレッタ、普段は中で過ごしてばかりだけど…

　本当は皆と外で過ごしたいのかな）

53二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:03:19

「さて。俺が何の考えもなしに提案すると思うか？」

「え？えっと…」

「…日焼け止め、とか」

「その程度で対策できるなら、普段から苦労してないんじゃない？」

「………パラソル。倉庫。右奥」

「正解だ。よく覚えてたな、テトラ。取って来てくれるか？」

「構わないけど」

「むぅ…テトラ、何にも興味がないみたいで、何でもよく見てるよね」

「…ですね。私、そんなものがあったなんて初めて知りました」

「そりゃあ、つい先日倉庫に運び込んだところだ。知らなくても無理はない」

54二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:09:22

（…そんなものまで把握してるなんて、テトラは記憶力がいいのかな…）

「じゃあ、昼は外で食べるとして…料理の準備と、食事する場所の準備が必要だ。

　ミオリネに料理を頼むのは危ないし、俺と外で準備をしようか」

「はい」

「残りは…お前たち、誰がどの程度料理ができるんだったかな。

　エラン、お前は料理は得意か？」

「え…えっと」

料理の腕前

エラン：dice1d100=46 (46)

ラウダ：dice1d100=55 (55)

グエル：dice1d100=100 (100)

スレッタ：dice1d100=29 (29)

おまけ

ミオリネ：dice1d70=14 (14)

55二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:12:42

グエルすごい！何でも作れそう

56二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:15:27

「（無言でシナリオを書き留めたノートを閉じる）」

「何その反応」

「おかしいですね、こんなはずでは」

「結局会話の流れで得意下手に関わりなくチームが別れる予定だった。

　クリティカルのせいで進行に迷いが生じている」

「まーたチャート破壊してるのか」

「ははは。まあよくあることだ」

「………dice1d2=1 (1)

　1：予定通り進行する

　2：グエル・ジェタークにも料理チームに入ってもらう」

「おまけにシャディクさんの料理の腕前は…っと。あ、そうそう、テトラさんは確定で100ですので悪しからず」

シャディク：1d100=

57二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:16:20

「ダイスミス…ですね…」

「際限なく飲むから」

「はいごめんなさい」

シャディクの料理の腕前：dice1d100=52 (52)

58二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:23:53

「…そうだな。グエルは料理も得意だし、よく手伝ってもらってるが…

　慣れていないことをするのもいい経験だ。

　エランとスレッタ、二人はテトラが帰って来たら一緒に料理をしてくれ」

「は、はい。…そんなに得意じゃない、ですけど」

「私も…あまり、その」

「大丈夫。テトラがついていればどうにかなる」

（…よっぽど、信頼しているみたい？）

「それに、スレッタは中で作業する方がいいだろ」

「あ…そうですね」

（…そうなると、人数の配分から考えて…

　気難しいラウダが、比較的よく一緒に行動している人たちと同じチームになるようにしたのかな）

「じゃあ任せた。最高の昼食を期待してる。食材は好きに使っていいからな」

59二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 22:59:36

ミオリネに料理を頼むのは危ないってそういう

60二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:02:46

「なんと描写を入れることをすっかり忘れていたんですが…

　ラウダさんは常に手袋をしています。

　どうしてでしょうね？」

「わざわざ言うあたり絶対意味あるじゃん！何！？」

「シナリオを進めればいずれわかる」

61二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:06:27

「グエル、一緒に運ぶの手伝って」

「ああ、いいよ。ラウダは…一人で大丈夫か？」

「………」

「ラウダ？」

「…あ、うん。僕は…」

「試してみるか？」

「先生…？」

「手袋を外してみたらいいんじゃないか。その方が俺も助かる」

「………え、っと」

dice1d2=2 (2)

1：外す

2：外さない

62二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:10:36

「………その…」

「どうした？」

「………」

「ラウダ、顔色が悪いな」

「え」

「やめておいた方がいいんじゃないかな。落ち着くまで木陰ででも休んでるとか…

　ですよね、先生」

「ああ、そうだな。無理をして楽しい食事ができなくなるのは困る」

「は、はい。…ありがとう、グエル」

「…なんだ、やらないの」

63二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:15:30

「あやしい！」

「うるさい」

「ラウダの手袋って何！？あやしいよ！敵？バトる？バトるの？

　…僕以外どうして特に反応してないわけ…？」

「いや、まあ、知ってるし」

「え？」

「元から孤児院にいたPC…ラウダ、グエル、スレッタ、私はお互いの情報をある程度持ってるみたいね」

「どうして孤児院に来たのか…までは知りませんけど」

「………疎外感…！」

「登場すらしてない俺よりまし」

64二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:19:08

「………」

（…む、無言。いや、テトラは時々、料理の指示を出してくれるけど…

　………気まずいのは、僕だけなのかな…

　話しかけたら…返事してくれる、かな）

dice1d3=3 (3)

1：どうして…

2：この前の夜…

3：夢を見て…

65二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:27:42

触ると何かある系なのかなラウダは…

66二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:27:59

「夢、ですか？どんな夢？」

（！…よかった、スレッタは反応してくれた。

　テトラは…興味なんてなさそうに、料理を続けているけど）

「…ええと…そうだな。いつも似たような夢を見て、起きると覚えていなくて。

　けど、その日は少し違っていた気がして…」

「詳しくは覚えてない…ですか？」

（う…確かに、自分から話題を振ったにしては…中身のない話だったかな）

「えっと…鳥…そう。金色の鳥が出てきて…」

「鳥…」

「…そう、鳥が」

「…え、あ、テトラ…！？」

（ち、近い。…目の色、綺麗だな…僕と似てるけど、少し違う…）

エラン：dice1d100=2 (2)

スレッタ：dice1d100=23 (23)

67二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:32:59

「遊びで振ったら色ボケファンブルとはこの女神の目をもってしても」

「余計なことはしないでほしい」

「いやーははは。色ボケファンブルの扱いには通例があるじゃないですか」

「僕のシナリオに色ボケ要素は必要ないと思うけど」

「まあそう言わずに」

「dice1d2=1 (1)

　1：駄目

　2：…色ボケに関しては女神に任せる」

68二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:39:01

（…どうしてだろう、テトラの目を見てると…落ち着く気がする）

「いい夢だった？」

「え？」

「金色の鳥の夢」

「…いつも通り、よくない夢だったかもしれないけど…

　不思議と、いつもに比べると…つらくも悲しくもなかった、かな」

「…そう」

（…笑った？気のせい…？）

「エランさん…そんなに悪い夢ばかり見るんですか？大変ですね…」

「…うん。…内容は、よく覚えていないんだけど」

69二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 09:00:31

まだまだ序盤なのに今回も面白い
続きが楽しみ

70二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 12:35:00

少しずつ馴染んできてていいね

71二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 13:58:10

「無事、準備ができたな。皆、協力ありがとう」

「ふふっ。皆で外でお食事なんて、いつぶりかしら？」

「もしかすると、初めてかもな」

「…気持ちいい風…」

「少し強い気もするけど。テーブルの上の物が飛ばないよう気をつけないと」

（…和やかな雰囲気。こうして、穏やかに食卓を囲んでいると…いろいろ、思い出してしまう

　…母さんのミートパイ、また、食べたい…

　もう、食べられないなんて…。………嘘みたいだ）

「…口に合わなかった？」

「え？…えっと…」

（テトラから話しかけて来るなんて…珍しいな）

dice1d2=1 (1)

1：おいしいよ

2：母さんの料理を思い出して…

72二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 14:09:16

「…テトラ、料理の手際もいいし、味だって…すごくおいしいと思う」

「そう」

（…気に掛けてくれている？どうして急に…

　気付いていないだけで、最初からそうだったのかな…）

「エランとスレッタも手伝ったんだよね。とってもおいしいよ。ありがとう」

「あ…うん。よかった」

「皆さんも、テーブルや椅子の用意、ありがとうございます」

「別に、大したことじゃないよ。俺も外で食べたかったし」

「こんなに風が強くなきゃ、もっと良かったんだけど。…あ」

「…風が強ければ雲は流れる。こうして日差しが出ても不思議はないな」

73二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 14:15:38

「………」

「スレッタ、日差しが嫌だからって暴れたりするなよ」

「ちょっと、そんな言い方よくないよ」

（…そういえば、ここへ来た日にも…

　カーテンを開けたら、その場から逃げ出していたっけ）

「んー…どんどん日差しが強くなるな」

「怪我なんてさせられなきゃいいけど」

「ラウダ！」

「…私、中に戻ってますね！皆はゆっくりしててください！」

（行ってしまった…。微妙な空気。…スレッタ、暴れるくらい日差しが苦手なのかな…？

　何か…難しい病気、なのかな）

74二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 14:21:14

「やれやれ。…お前たち、まだ食べ足りないんじゃないか？

　俺は一旦戻るけど…自由にしていていいからな」

（先生、スレッタを追いかけて行ったのかな。…先生に任せておけば、大丈夫…だと思う）

「なあラウダ、謝りに行こうよ」

「………」

「ラウダがそういう言い方をするのは皆わかってるし、普段は気にしてないかもしれないけど…

　今のはやっぱり、傷ついてたと思うし」

「…知らない」

「あーもう。どこ行くんだよ、ラウダ！」

（…二人は森の方に行ったみたい。…どうすればいいんだろう、僕は…）

「…はあ」

75二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 14:26:50

（お皿の上、まだ料理が残ってる。おいしかったけど…楽しく食べられる気分じゃ、なくなっちゃった。

　…何となく、顔も上げづらい。見ていないからわからないけど、何の音もしないし…

　ミオリネもテトラも、食事の手を止めているみたいだ。…どうしよう…）

「おいしかったね」

「え？」

「君の料理。また食べよう」

「あ…ありがとう。でも、テトラが上手に教えてくれたから…だと思う」

「そう、よかった。…ミオリネ」

（…テトラ、ミオリネの隣の席に移動したけど…？）

「ありがと」

（…食事を、再開した。…忘れがちだけど、ミオリネは目が不自由なんだっけ。

　一人でも食べれるように見えるけど…隣に誰かいた方が、安心なのかな）

76二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 15:44:43

「ごちそうさま。…ねえ、エラン。テトラはやさしいの」

（…突然、何だろう？）

「やさしくて、何でもできちゃう。嫉妬しちゃうな、私」

「…そう。そういうふうに言われると、困る」

「ふふふ。困らせてるのよ。…さて、そろそろ迎えに行こうかな？」

（今の話、何だったんだろう。…単に、友達自慢…？

　ミオリネが見てるのは…森の方？あ…ラウダとグエルか。

　そういえば、まだ戻ってきてない…）

「僕も行く」

「ありがと。…エランは…」

77二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 15:51:15

（一緒に行ってもいいのかもしれないけど…ラウダ、僕がいると余計に拗れそうだ。

　かといって、屋敷に戻っても…そうだ）

「片付け、誰かがしないといけないよね」

「あ…そうだね。ごめんね、一人で任せることになっちゃう。早めに戻れたら一緒に片付けるから」

「行こう、ミオリネ」

「うん」

（…日差しがあたたかくて、気持ちのいい風も吹いていて…

　湖はきらきらしていて綺麗だし、いい場所…

　…だけど、船がないと向こう岸と行き来できないのは不便だな。

　どうしてこんな場所に孤児院を建てたんだろう…？

　それとも、まっすぐ湖を渡るのが早かっただけで陸地が続いている場所もある…？）

「…あ」

（テトラの本、置いてある。いつも同じ本を持ってるみたいだけど…

　…ちょっと、内容が気になるかも。テトラが何を考えているのか、少しでもわかるかもしれないし…）

dice1d2=2 (2)

1：開く

2：開かない

78二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 15:54:56

「…人の物、勝手に見るのはよくないよね。

　片付けだってしないといけないし」

「そこは見るところだろ」

「ダイス結果。仕方ない」

「常識的な行動をしたんだからいいじゃないですか」

「何かありそうなのに絶妙に何もわからないから不安なんだよこっちは！」

「危険が差し迫っているわけでもなし、この選択肢の重要性もそう高くはない。

　気にすることはないよ」

「え～…本当に？」

79二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:24:14

「なあ、ラウダ。いろいろ考えこむ性格なのは知ってるし、想像もしちゃうと思うけど…

　ああいう言い方、よくないよ、やっぱり」

「だってそうじゃないか。…みんな、どうせ…」

「…俺も、そうなのかな」

「………うん」

「そっか。じゃあ、俺たち普通じゃない同士で一緒にいるしかないな！」

「…はあー…。…はは…うん。

　さっきはちょっと…スレッタに八つ当たりした。認めるよ。

　一人で勝手に不安になったり、イライラしたり…駄目だな、僕」

「そうだな。そういうところはあんまりよくない。だから、ちゃんと謝ろう」

「うん…。…ミオリネとテトラ、迎えに来てくれたのか」

「みたいだな。ほら、行こう！」

80二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:28:55

（…結局、ラウダとスレッタは仲直りできたみたいだ。

　それでも夕食の時…まだ少し、ぎこちない空気はあったけど）

「今日も…疲れたな」

（ここに来て、数日…

　まだ、僕は…余所者のまま、かもしれない。

　先生はやさしいし、他の皆…ラウダ以外は、気に掛けてくれていると思うけど。

　それでも、僕は…）

「…寝よう」

（一つだけ、よかったのは…

　孤児院へ来てからはあまり、嫌な気持ちで目覚めなくなったことかな）

81二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:34:33

落ちる。落ちる。落ちる。
また、夢の中だ。

いつまでも終わらない落下から抜け出せないまま、遠ざかり続ける空を見上げる。
金色の影が、近づいて来る。

『どうしてそんなに落ちているの』

金色の羽を持つ鳥が、すぐ傍を飛びながら問いかけた。

「…木登りをしていたんだ」

あの日のことを思い出すのは、怖くて、とても耐えられないと思っていたけれど。
青い瞳を見つめていると、不思議と落ち着いて話すことができた。

「元々得意だったけど、度胸試しだって、いつもよりずっと高い木に登って。
　他の子よりずっと先をいって、いい気になって…それで、ちょっとよそ見したら………」

唇を噛む。地面に体を叩きつけられる感覚を思い出しそうになって、恐ろしさに身震いした。

「死んじゃうかと思ったって、何度も両親に怒られた。僕も、死んじゃうって思った。
　それで、ずっと忘れられなくて…」

手に、何かあたたかいものが触れる。
誰かの手が、添えられている？

「怖がることないよ」

誰の手なのか確かめようとして、しかしその前に、視界が光で包まれた。

82二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:36:54

「…朝…」

（………また、落ちる夢…だったのかな。

　怖いけど、でも…また、あの鳥に会えたような…

　不思議だな。怖いって気持ちが、やわらぐ気がする）

「…不思議な鳥…どこかで、会ったことがあるのかな？

　それとも、何かの物語で見たとか…？」

83二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 16:40:13

「第二章終了」

「微妙に孤児院の仲間たちが不穏なんだけど僕は誰を信用すればいいわけ？」

「さあ…」

「別に誰も疑う必要はないんじゃないか」

「ラウダさん、精神的に不安定なんでしょうか？」

「まあ…孤児院にいるんだもんね。何か過去にあっても不思議じゃないけど」

「出番」

「諦めてください」

84二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 17:34:00

全体的に5号が消極的なのがどう影響してくるか

85二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:30:44

■第三章『不安の影』

（孤児院に来て、一週間…故郷はどうなっているんだろう。

　家は…？父さんと母さんのお葬式やお墓は…

　友達たちは、僕のことを考えてくれているのかな…）

「エラン、ここには慣れたか？」

「あ…先生。…えっと、一応…」

（最初に比べれば、慣れた気がする）

「そうか。それはよかった」

「…ここで暮らすには、皆、それぞれルールや特徴があって」

「ほう。言ってみてくれ」

86二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:34:04

「ラウダは…あんまり近寄ると、嫌がるみたい。それに何より、体に触れようとすると…」

「怒られた？」

「…はい。あんまり、いい気がしないみたいです。

　グエルは寒がりで、何度か手を握ったけど本当に冷たくて。あんまり長い時間触れていたら、僕まで凍えそうで」

「そうだな。いつも着込んでいるけど、本人はあれでもちょっと寒いらしい」

87二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:36:39

「大変、ですね。それと…

　スレッタは、明るいのが苦手。でも、体を動かすのは好きみたい。

　夜になるといつも、雨が降ってたっておかまいなしで、外を走り回ってる」

「ああ、気付いてたのか」

「ミオリネは…自分でも言ってたけど、目が不自由だって。僕にはちゃんと見えてるように思えることもあるけど…

　誰か側に居ないと歩き回ったりしないから、本人は怖いんだろうな」

「なるほど、ちゃんと見てるな。じゃあ、テトラは？」

「テトラは…よくわからない。でも…やさしいと、思います」

「それはよかった。他に、困っていることなんかは？」

「困っていること…」

（悪い夢を見ることは、困っていることかな…。

　でもそういえば、ここに来てからはあまり…悪い夢じゃないことも増えてきて…）

88二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:38:24

「どうした？言いづらいことか」

「あ、えっと…そうじゃなくて。

　…夢を、見るんです」

「へえ…どんな？」

「その…」

（…具体的なことを覚えているわけでもないし、上手く説明できるかわからないけど…

　どうしよう？）

dice1d2=2 (2)

1：詳しく話す

2：やめておく

89二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 19:47:31

「…あの、上手く言えるか、わからなくて」

「焦らずゆっくり話してくれれば、最後まで聞くさ。

　…おっと、電話だ。悪いが続きはまた今度聞かせてくれ」

（…助かった、かも？よく覚えていないことを話すのは難しいし）

「おーい、先生。あれ、エランだけ？

　先生の声が聞こえたと思ったんだけど」

「電話がかかって来て、自分の部屋に戻っちゃった」

「んー…荷物が届いたから、先生に伝えないといけないんだけど」

「荷物？」

「ああ。エランも見に来るか？こっちこっち！」

90二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 20:43:07

（無視するのも悪いし、一緒に外まで来たけど…湖のほとり…

　あのボートの傍にいる人って…）

「………」

（…やっぱり、あの人。ここへ来る時、船を出してくれた…）

「グエル、先生は？」

「忙しそうだし、すぐには来れないだろうな」

「そっか…じゃあ、待っててもらうしかないのかな」

「………あの」

（スレッタ？…そうか。今日、曇りだから…木陰にいたんだ）

「先生が忙しいなら、よければ私、荷物を運ぶの手伝います」

91二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 20:48:04

（あの女の人が荷物を運んできたみたいだけど…

　確か、子供嫌いだって先生が言ってた。

　…素直に受け入れてくれるかな…）

「…運べるのかよ？」

（うわ…大きい箱。何が入ってるんだろう…？）

「皆で運べば何とか…わっ、本当に重いな」

「グエル、危ないよ。先生の大事な荷物、壊しちゃったらどうするの」

「やっぱり先生を待った方がいいかな…。僕たちだけで運べるかどうか。

　テトラだっていないし…」

「…あの、どこに運べばいいですか？」

「え…」

（スレッタ、一人で持ち上げた…！？）

92二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 20:55:31

「スレッタ…」

「大丈夫。私、この程度なら…」

「…バケモノ」

「………あはは…そう、見えますよね…」

（…どういうこと？スレッタ、どうしてあんな軽々と…

　それにバケモノって…スレッタが？）

「…なあ、僕も手伝ってやろうか？特別に」

「っ…！な、何を…」

「ラウダ、そういうことすると、後でケレス先生が困るだろ。

　あんたも、さっさと帰ったらいいんじゃないか。見ての通り、後は俺たちで運んでおける。

　…でないと俺も、うっかり手を滑らせそうだ」

「…クソ…だから嫌なんだ、ここへ来るのは…」

93二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:02:28

（…よくわからないまま、気付けば皆、荷物を運び終えていて。

　あの女性の発言の意味も、スレッタが…人よりずっと力持ちなことも。

　何も理解できていないのは、僕だけみたいな空気で…）

「はあ…一応、先生のお客さんでしょ？

　あんなふうに脅すみたいにして…よかったのかな」

「あの発言を許すなんて、それこそ駄目だろ」

「自分も似たようなこと言うのに？」

「そ…それは今、関係ない…と思う」

「ふふ…良くないと思うけど、怒ってくれたの…ちょっと嬉しいです」

「………あの人…どうしてあんなこと…」

「は？…お前、本当に何も知らないんだな」

dice1d2=2 (2)

1：だって…

2：黙り込む

94二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:07:38

「つまらないやつ」

「………」

「ああほら、そういうところ！」

「う…うるさい。僕はこういうやつなんだって」

「ラウダさん、行っちゃいましたね。

　…あ。そろそろ、晴れてきそう。私は中に戻ります」

「私、先生に荷物のリストを渡して来ようかな。

　…叱られるかもしれないけど」

（…？ミオリネ、ちょっとふらついて…？）

「ミオリネ、危ないだろ。俺も一緒に行くよ」

（…気のせいかな。もう、普通に歩いてる）

95二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:11:50

「…そうそう、エラン？」

「え…何？」

「エランは、何をしてここに来たんだ」

「………？」

「って、答えられるとは限らないか。

　…ミオリネ、あんまり先に行くなよ」

「だって、早く届けた方がいいかなって」

（…行ってしまった。

　『何をして』って…まるで、『何かした』ことに確信を持っているみたいな…

　………わからない）

「あ…雨。…僕も、中に入ろうかな」

96二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:23:17

「あ、エランさん。晴れたと思ったら雨で、びっくりしましたよね。

　よかったら暖炉で温まってください」

「…ありがとう」

（スレッタ、リビングにいたんだ。

　さっきのこと…気になるけど、話したくないかな…？）

「…エランさん。

　あなたも同じだろうから、不安にさせないよう…言っておくね」

「え？」

「私には…太陽の光は、強すぎるんです」

「…それは、何度か聞いたけど」

「今だって、少し光を浴びただけで、ほら」

（…！？火かき棒が、簡単に曲がって…）

97二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:27:53

「おいおい、新しいのを買わなきゃな」

「…あ！ごめんなさい！」

「構わないさ。来客の対応でいろいろあったっていうから、様子を見に来たんだが…エラン？」

「…うそ、だろ」

「エランさん？」

「うそだ、スレッタ、きみ」

「ああ…エランにはまだ伝えていなかったんだ。

　だが、何となく感じているものはあっただろう。頭のどこかではわかってたんじゃないか」

「………」

「ここに居る子供たちは、みんな、新人類だよ」

98二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:33:35

～この世界のどこかで～

ぱたん、と音を立て、本が閉じられた。

何度も読み返されたであろう、細かな傷の無数についた本。

少年はじっと、何かに思いを馳せるように、本を見つめていた。

「ここには慣れたか」

「ああ、おかげさまで」

暫しの無言があり、少年の手が表紙を撫でる。

「準備はできたか」

「ああ」

女性の問いかけに間髪入れず頷く少年。女性はそっと目を伏せ、強く手を握り込んだ。

「…すまない。若者にだけ、危険と責任を押し付けるような真似を…」

「構わないさ。俺が望んだことだ。むしろ、協力に感謝を」

さて、と言いながら立ち上がり、伸びをする。

金色の髪が、差し込んだ光を反射した。

「行こうか」

99二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:37:47

「第三章終了」

「『新人類　とは』」

「そこの知識すら与えられていなかったのか…」

「道理で不安になっていたわけだ」

「漫画や映画でありがちなアレです、人類が進化と共にパワーを得た…みたいな！」

「いや説明が雑。まあ…最近終わった漫画とか、イメージしてもらうと近いかな？」

「やっと出て来れた」

「よかったですね。

　…ここまで結構サクサクで進んでますね～？

　次とその次は今までよりはボリュームがある気がしますが…

　次のシナリオ制作に取り掛かるべきやも…」

100二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:25:53

「というわけでサクッと次シナリオの根幹部分を決めました。

　進行役は私でいきましょう」

「つまり…色ボケ！」

「そうです」

「そうなんだ…」

「友人スレッタちゃんの実家を訪ねた際、ビビッときてなんかこう…

　ドーン！です」

「何もわからないんだけど」

「ははは」

「何故笑って誤魔化す…？」

101二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:55:41

皆人外なのかなと思ってたら新人類だった…！
シャディク出てきたけど何か危険なこと任されてるっぽい？
エランが『何をして』と聞かれてたのも気になる
続きも次のシナリオも楽しみ〜

102二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:16:34

みんな能力でなんかやらかしちゃってここに来たんかな

103二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:24:11

■第四章『嵐』

これは夢だ。
だって、また、終わらない落下の中にいる。

「大丈夫？」

「落ちたくない、こわいよ、父さん、母さん、助けて――」

ふと、気付いた。

「父さんと母さんは、助けようとして…
　このままだと、君も」

「大丈夫」

一緒なら大丈夫、と繰り返される。
その目を見ていると、本当に大丈夫なんだと思えてきて、そして。

「僕がいるから、大丈夫」

落下していた体が、そして沈んでいた心が、ふわりと舞い上がる感覚。

「君の夢は素敵だね」

104二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:32:15

「………朝…」

（また、金色の鳥の夢…だった気がする）

「起きた？おはよう」

「…ミオリネ」

（昨日、混乱して…ろくに説明も聞かないまま倒れたような…

　…この子も、新人類…

　………『魔女』って呼び方のほうが、よく聞いたけど。

　新人類…進化した人間の姿だって主張する学者もいるらしいけど。

　日々、ニュースで耳にするのは誰かを傷つけたり、時には…殺してしまったり。

　人類にとってのガンみたいなものだって、そう考えている人が大多数。

　だからこそ、魔女と呼ばれ、見つかったら警察に捕まって…そういうものだと思ってたんだけど）

「エラン、大丈夫？」

「………」

dice1d3=1 (1)

1：心配してくれたの？

2：出て行って

3：君は一体…

105二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:39:37

「当然じゃない。だって私たち、仲間だもの」

「仲間…」

（それってつまり、僕も…

　………僕が…魔女…？）

「エランが起きたこと、みんなに伝えて来るね。

　よいしょ、と…」

（…一人で出て行ったけど、大丈夫なのかな。

　…スレッタの…あの異常なまでに強い力。あれが、魔女の力…

　人によって、どんな特性を持っているか、それがいつ発現するかは異なるらしい。

　…確かに、あんな力を持っていれば人を殺めるのも簡単に…

　…スレッタは、そんなことしないって、思いたいけど。

　渡し守の女性が、僕たちを見ていい顔をしなかった理由も…今ならわかる、かも）

「おはよう」

「あ…テトラ」

106二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:44:32

（テトラ…ここにいるってことは、彼もきっと魔女…

　それなのに、やっぱりテトラを見ると安心するのは…どうしてだろう？）

「どうかした？」

（…そもそも、本当に魔女だっていうなら、どうして…）

「どうして…君たち、ここで…無事でいられるの？」

「無事と言えるのかな」

「え？」

「ごめん、怖がらせるだけだね」

107二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:48:55

「君は、新しい人間のこと、どれだけ知っているのかな」

「おそろしい…怪物のようなもの、ってことだけ…」

「………」

（黙り込んでしまった…テトラのことを、怪物だと言ったようなものだから…？

　でも、不思議と…怒っているようには感じないし）

「僕は君にとって、おそろしい怪物？」

「それは…」

dice1d3=1 (1)

1：怖くない

2：少しだけ…

3：むしろ…

108二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:54:18

「…不思議だけど…テトラのことは、怖いとは思わない。

　他の皆も…頭では、わかってる。

　今まで一緒に生活していて、怖いことなんてしないって。

　でも、テトラは…どうしてかな。

　一緒にいると、安心するような…」

「そう。よかった」

「…うん」

（どうしてそう思うんだろう。わからないけど…

　テトラが一緒なら、大丈夫だって気がする）

「よお。お目覚めかい」

「あ…先生」

「………」

109二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 06:58:59

「いろいろと聞きたいこともあるだろうし、傍についててやりたいんだが…

　タイミングの悪いことに、呼び出しを食らってな。

　代わりの先生が派遣されることになった」

「え…」

「…期間は」

「三日ってところか。なんだ、心配か？かわいいじゃないか」

「撫でないで」

「はは、つれないねえ。

　エラン、俺がいない間、仲間たちや代わりの先生と、うまくやれそうか？」

「えっと…」

dice1d2=1 (1)

1：頷く

2：黙っている

110二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 08:40:45

代わりの先生ってシャディク…？いやでも年齢が合わないか

111二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 11:16:56

ケレス先生不在になるのか…どうなってしまうんだ…

112二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:25:04

（よっぽど急ぎなのか、先生はすぐに出掛けてしまった。

　それと入れ替わりに来たのは…）

「こんにちは、皆。初めまして。

　私はニカ。ニカ先生って呼んでね」

「よろしく、ニカ先生」

「よろしくお願いします」

「えと…よろしくお願いします」

「ふふ、まだちょっと緊張してる子もいるのかな？

　大丈夫。私はみんなのこと、かわいい子供で…大事な仲間だって思ってるからね」

（…仲間…それって…）

「…あなたも『そう』なのか？」

「………」

113二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:29:39

「ここへ来たのは急だったから、皆のことまだよく知らなくて。

　三日間も一緒にいるんだから、ちゃんと知りたいな」

「…どういう意味」

「うん？」

「僕たちが…何をしてここへ来たか、知りたいとでも？」

「ああ、ごめんなさい。そういうことじゃないの。

　私が知りたいのは、『何をした』かじゃなくて、『何ができる』か」

「…つまり？」

「………」

（…『何ができる』か…

　魔女として、どんな力を持っているか…？）

114二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:33:52

「ケレス先生はちょっと、のんびりしてたのかな？

　私たちはね、みんなが『ちゃんと』生きられるように教育するのが仕事なの」

「…何だ、それ」

「ちゃんと…生きるって…？」

「…ふーん」

「私、ちゃんとできます」

「すごいね、ミオリネ。嬉しいな」

「ふふっ」

「…ちゃんとするために、どうするの」

「それはね…みんな、自分にできること、あるでしょう。

　他の人にはできなくて、自分にだけできること

　それをね、もっと、『ちゃんと』使えるようにしようか

　…その方がきっと、素敵な大人になれるよ」

115二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:42:33

～森～

「俺はいいと思うけどなあ。何もサボることないだろ」

「…ケレス先生は、あんなふうに考えや生き方を押し付けたりしなかった」

「そうかもしれないけどさ。

　自分の持って生まれたものと向き合って、上手く付き合える方がよくないか」

「そう思うならグエルだけあの人のところへ行けば」

「つれないこと言うなよ。

　…でも、そうだな」

dice1d2=1 (1)

1：残る

2：ニカ先生のところへ行く

116二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:45:24

「よいしょ、と」

「…どうして横に座るの？」

「寒いし」

「…僕も寒くなるんだけど…」

「ケチなこと言うな。寂しがりなラウダに付き合ってやってるんだから」

「別に、僕は…

　………まあ……ありがとう…」

「なんて？」

「…何でもない」

117二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:49:36

「（満足げな顔）」

「仲良しでよかったねえ」

「いつもの兄弟愛重すぎより見てて和むよね」

「僕たちは普段から癒し担当だが？」

「ラウダ、嘘はよくない」

「…残ったんだね」

「いやあ、フラグ立ちましたね」

「まだわからないけど」

「…な、何のフラグですか…？」

「不穏？不穏なやつなの？」

118二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 19:53:10

～リビング～

「一番の問題なのはラウダだと思うんだけど。困ったなあ。

　…それで、エランは何ができるのかな」

「え…あの、知らない、僕、何も…」

「じゃあ一緒に知っていこうか」

「で、でも、僕…本当に知らない。自分が『そう』だなんて…」

「あなたのためでもあるんだよ。大丈夫、私がついてるから」

（…ニカ先生って…）

dice1d3=1 (1)

1：いい人…なのかな

2：…なんだか、怖い

3：………

119二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 21:55:57

（自分でわかっていないだけで、本当に…『そう』だっていうなら。

　誰かを傷つける前に、気付くことができる方が…？

　…そもそも、僕以外の子たちは、どんなことが…）

「…急に言われても、困ると思うけど」

「うん？」

「彼、昨日まで…ここに新人類が集まっていることも知らなかったから」

「ああ、そっか。そういうことなら…エランはもうちょっと、落ち着いてからがいいかな」

「あ…はい」

（テトラ…助けてくれた？）

120二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:01:03

～庭～

「残念。私たち、ある程度自分との付き合い方を知ってるからか…

　他の子を優先して指導するみたいだね」

「うん。…あの人、やさしいのかなと思ってたけど…」

「やさしいでしょ」

「そう、かなあ」

「今だって、遊んできていいって言ってくれたし。

　私たちのこと、笑顔で見てくれるでしょ？」

「うん…」

「でも、外にいたってニカ先生とはお話しできないし…中に戻ろうかな？」

dice1d2=2 (2)

1：中に戻る

2：外を散歩する

121二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:03:26

「…お散歩しません？ラウダさんとグエルさんも、戻って来る様子がないし…

　二人を探すついでに」

「うーん…まあ、それでもいいけど。

　二人を連れて戻ったら、先生に褒めてもらえるかもしれないし」

「…お天気、曇りでよかった。

　じゃあ、行きましょうか」

「うん。ちゃんと隣にいてね？」

「当然、です！」

122二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:06:00

「………成程」

「何その反応」

「今まで散々いろんなフラグを逃して来たくせ、ここは拾うんですね」

「何！？どういう意味！？」

「いいフラグですか？悪いフラグですか？」

「どうどう。悪いフラグではないと思いますよ、ええ」

「…では、シナリオを進めよう」

123二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:09:15

落ちている。
また、夢の中。

「木の下で転寝して、木から落ちる夢を見るなんて」

『そんな場所にいたんだ』

「あ…また、君？」

金色の鳥が、落ちていくエランの周囲を旋回する。
きらきら、光が踊る。

『やあ。もうすぐ会えると思うんだ』

「いつも夢で会うのに？」

『きっとすぐわかるよ』

「…そうかな」

『それより、そろそろ起きた方がいいんじゃないかな』

「どうして？」

『起きてみればわかるよ』

124二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:13:40

（…冷たい。何か、頬に…いや、体中、あちこち…？）

「…雨？」

（…どころか、強い風も吹いていて…

　どうしよう。少し散歩するつもりでいただけなのに…

　視界が悪くて、どっちに何があったのか…）

「…エラン！」

「あ…グエル？」

「なんだ、みんな森にいたのか？

　ニカ先生、寂しがってるんじゃないか」

「今はそれはどうでもいい。さっさと屋敷の方に戻ろう」

「ですね…」

「…すごい雨と風。嵐、かな？」

（…よかった。皆いるなら、無事に屋敷に戻れそう）

125二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:18:38

「さっさと行こう――わっ！？」

「ラウダ！…大丈夫か？驚いたな、雷なんて…」

「こ…こんな近くで見たの、初めて…」

「うぅ…耳、変になりそう」

「…あ、危ない！木が…」

「………木が、倒れたな。真っ直ぐ屋敷に向かうのは無理、か」

「だな。ああ、もうびしゃびしゃだ。

　本気で凍えそうだ…」

「グエルさん、大丈夫ですか？」

「うーん…誰か、手を握ってくれたら嬉しいけど…

　今はやめといた方がいいか」

126二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:25:13

「…？えっと…僕で良ければ、手を繋ぐけど」

「うん？…気持ちは嬉しいよ、ありがとう。

　でも、さすがにこの状況でエランが凍えると困るかな」

「………うん？」

（よくわからない…）

「ますます雨風が強く…まだ雷の音も聞こえていますし、安全な場所に移動したいですね…」

「早く移動しよう」

「でも…遠回りなんてして、迷っちゃわないかな」

「ここでじっとしてるわけにもいかないだろ」

「屋敷に戻れないにしても、せめて雨風を凌ぎたいよな」

「…あ、そうだ」

127二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:33:53

「スレッタ？」

「さすがに、道を塞いでいる木は大きすぎるけど…

　他にもいくつか、強風で倒れた木がありますよね？

　あの木を集めれば、雨風を凌ぐことはできるかも」

「どうやってそんなもの集めて…」

「昨日、ちょっとだけ話しましたよね。私、光を受けた分…力を貯め込む体質なんです。

　…毎日、夜に走ってる理由も、それです。

　寝る前に力をある程度放出しておかないと、眠っている間や寝起きは制御がうまく利かないから」

「…！」

（そういうこと…じゃあスレッタは、周りを傷つけないためにもああやって、夜に走って…）

「と言ってもな。集めたところで、余程うまく組まないとすぐ崩れる。

　逆に危ないんじゃないか？」

「あ、そっか…」

「そういうことなら、俺が固めてもいいけど」

128二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:39:04

「…固める、って。それが、グエルの…？」

「正確には『すごーく体が冷たい』って感じだな。

　雨で濡れてる状態なら、凍らせることもできると思う」

「なるほど！すごいです、グエルさん」

「…うん。確かにすごい…

　日常生活でも、工夫すれば役立てることができそう」

「そうだろ。…俺の場合、勝手に冷気を生み出して…

　適度に熱を取り込むか冷気を放出するかしないと、死んじゃうらしいけど」

「えっ」

「…グエル、木だけ凍らせるなんて器用なことできたっけ？」

「僕たちまで凍ったらどうする」

「…それもそうだな。よし、やめとこう！」

129二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:43:02

「………」

「…えっと、ラウダとミオリネは…」

「好奇心を出してる場合じゃないだろ。

　あと、ミオリネが集中できないから静かにしろ」

「…？」

「………うん。あっちに…小屋？みたいなのが見えた」

「え？」

「孤児院のものじゃないだろうけど…昔、この辺りに住んでた人のものかな」

「こんな状況ですし、有り難く使わせてもらいましょう」

「そうだな。行こう」

130二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:46:21

「はあ…ちょっと、疲れちゃったな」

「ミオリネ…もしかして、その。

　千里眼…とか、そういうの？」

「ん？違うよ。

　私は…他の人が見ているものが見えるの。

　集中すれば、人間以外の動物の視界も見えるけど…疲れちゃうんだよね」

「………あ、そういうこと」

（誰かと一緒なら、平気で歩けるのも…

　外で食事していた時、テトラが隣に座ると食事を再開したのも…）

「二人とも、早く行きましょう」

「うん」

「わ、わかった」

131二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:51:23

「小屋は見つけたけど…入口に荷物が積まれてるな」

「これは…私が運んでもいいですけど、時間がかかりそう、ですね」

「ごめんね、動物の視界って見づらくて…

　こうなってるのはわからなくて」

「ミオリネは悪くない、けど………どうしよう」

「お前、何かできないのか」

「え？…僕は、何も…」

「…使えない」

「エラン、落ち込まなくていいからな。

　ラウダ、自分が何とかできるのにそういう話の振り方をするのは意地悪だ」

132二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 22:54:53

「え？いや、僕は…」

「…ラウダは、何が…？」

「本当だ。ラウダならこんなのすぐだよね」

「…私は、嫌なら無理にやらなくても…と思います。

　私がやったっていいんですし」

「ラウダの方が早いだろ。…大丈夫だよ、ラウダ」

「………」

「ラウダ…？」

dice1d2=1 (1)

1：やる

2：やらない

133二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:00:45

「………全員、絶対、動くなよ」

「？…う、うん」

（そういえばラウダ、いつも手袋をしてるけど…どうして今、外したりして…）

「…大丈夫…大丈夫…できる…」

「………」

「…えっ」

（荷物、消えた…？ラウダが、触れた瞬間に？）

「…見た通り、僕は…触れたものを視線の先に移動させる。

　だからこうして、手袋を外すことができない」

「生き物とか、地面に根を張っている植物、家、視界に収まりきらないほど巨大なものなんかは無理らしい」

「…あまり…いいものじゃないんだ、これは。

　………使えるように、なった時…いろいろ、あったから」

134二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:03:31

（荷物は…いつの間にか、離れた地面に置かれてる。

　すごい力だけど…ラウダ、何があったんだろう）

「今は役に立っただろ。おかげで助かったよ、ありがとう」

「…いいから、早く中に入ろう」

「だね。もうびしょ濡れ…最悪」

「そろそろ、日も暮れる頃で…お腹も空いて来ちゃいましたね」

「…たしかに」

135二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:06:00

～リビング～

「すごい雨と風…皆、戻って来ないね」

「…そうだね」

「心配？」

「………うん」

「そうだよね、心配だよね。じゃあ、迎えに行かないと」

「…僕も行く」

「ふふ…わかった。お友達のために、力を貸してね」

136二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:08:08

「ねえ、テトラ。

　…私の顔を見ないまま聞いてね」

「何」

「私、あなたのことをよく知ってるんだ」

「………」

「金色の、鳥のことも」

「………ああ、そうか。君は」

137二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:11:43

「『君は』何！？」

「うるさい」

「ろこつにあやしい」

「そうですか？」

「ここまでエランとテトラの能力がわからないままなのが少し怖いな…」

「まさかのテトラさん敵対なんて…ないですよね？」

「さあ～？」

138二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:26:26

これ途中で戻ったりしてみんなが分断されていたらどうなっていたんかな

139二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 02:18:04

ミオリネの能力は視界ジャックみたいなものか

140二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 06:44:06

「あ」

落ちている。いつまでも、どこまでも。
恐ろしくてたまらないが、その恐怖にさえ耐えれば、無事に目覚めることができる。
いつも通りなら、そうだ。

「エラン」

「…テトラ？」

テトラが、落ちている。
ぶわりと嫌な汗が噴き出した。

「ど、どうしよう、テトラ、このままだと」

「大丈夫」

「でも…でも！」

大丈夫じゃない。
大丈夫じゃ、なかったんだ。

141二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 06:45:23

「どうしよう、どうしよう」

「落ち着いて」

落ち着くことなんてできるはずがなかった。
このままテトラが、恐ろしい目に遭うのを見ることになるのだから。
父さんと母さんのように。

「こわい、怖いよ。…雨と風まで…」

叩きつけるような雨粒に襲われ、きゅっと目を瞑る。
どうしよう、地面があと、ほんの数メートルまで迫っていたら…？

「じゃあ、この雨で海ができればクッションになるかもしれないね」

「え？」

いつの間にか、体がぐっしょりと濡れている。
目を開けると、底の見えない水たまり…あるいは、海の上に浮かんでいた。

「た、助かった…」

胸をなでおろし、ぷかぷかと浮かぶテトラを見る。
青い目が、見つめ返す。

「やっぱり、君は何だってできるね、エラン」

142二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 06:50:53

「う……ん？」

（…いい夢を、見たような…）

「こんな状況でのんきに居眠りか？」

「あー寒い…俺、本気で死ぬかもしれない…」

「ええっ！？」

「エラン、声が大きいよ…雨と風の音もすごいけど」

「小屋へ入ってすぐの頃よりは、勢いが弱まったかもしれませんけど…

　………あれ、何か、物音が」

「…野犬か何かじゃないだろうな」

（…扉が開いた…！？）

「みんな、もう大丈夫！」

143二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 16:22:44

グエルの能力デメリットがでかいな
周りに被害出る可能性があるのに加えて自分が常に寒さ感じる上に死ぬ可能性もあるのはなかなかにきつそうだ

144二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:35:42

（ニカ先生…外はまだ嵐が過ぎてない。

　先生も、全身びっしょり濡れて、風で服も髪もぐしゃぐしゃで…）

「見つけられて本当によかった！こんな小屋があったなんて…」

「電気は通っていないみたいだけど」

「テトラ！」

「心配だからって、一緒に探してくれて…テトラのおかげで助かったよ。

　まだ外を歩くと危ないから、もう少しここにいようか」

「明かりも食料もないのに？」

「食料ならここに」

「わ、ご飯、持ってきてくれたんですね。…えっと、明かりは？」

「ニカ先生、おっちょこちょいなんだな…テトラも忘れてたっていうのは意外だけど」

145二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:42:03

「ふふ…」

「…？…えっ、あれ」

「光…？ニカ先生の、手のひらの上…」

「…あったかい。震えが止まった」

「皆、もうちょっと寄っておいで。

　服を乾かさないと、風邪を引いちゃうから」

「…すごい…」

（ニカ先生も、やっぱり…

　でも…あたたかくて、きれいで、穏やかな光。『魔女』っていうより、…『天使』とか、そんな感じだ）

「…うん、いい感じ。服が乾いたらご飯にしよう？

　それと、皆がどんなふうにここへたどり着いたか、聞かせてほしいな」

「………」

146二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:46:42

「そっか…そんなことが。

　大変だったね。万が一のことがあったらと思うと、怖いけど…

　でも、皆で協力してここへ来れたんだ」

「ラウダが手袋を外したのは激レアだったな」

「…からかってる？」

「いいもの見れたってことだよ」

「あのな…」

「ラウダ。あなたのその力で、皆を助けてくれたんだよね。

　本当にありがとう。大人の私が助けられるのが一番だけど…

　自分の力で自分も、周りも助けられるのはすごいことだよ」

「…は、はい」

「照れてる」

「うるさい」

147二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:51:02

「他の皆も…自分の力をどう使えばいいか、一生懸命考えてくれたんだよね。

　嬉しいな…。そうやって、いい方向に使えないかな？って、普段から考えてほしくて」

「…そうだね」

「テトラさん…珍しいですね。

　あんまり、こういう話題は好きじゃないと思ってましたけど」

「時が来たということ」

「…またテトラのよく分からない話が始まっちゃった？」

「ふふ…。エランは、どう？」

「え？」

「あなたは…自分に何ができるか、見つけられた？」

「………いいえ」

148二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:55:10

「そう。…でもね、ここへ来たってことは…

　あなたには、必ず何かの力があるはずなの」

「…力…」

「わからないよね。不安だよね。…私にもそういう時期はあったから。

　でもね…きちんと向き合えば。目を逸らさず、見つめることができれば…

　上手く付き合う道は、きっと見つかるから」

「…はい」

（このあたたかい光のおかげなのか、それともニカ先生自身の人柄なのか…

　本当に、そんな気がしてきた。

　きっと…何とかなるって）

「…そういえば、外が静かになったな。雨が上がったのかも」

「風の音も聞こえないし…外に出てみる？」

「そうだね、行ってみようか」

149二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:01:08

「わあ…！」

「…きれいな星、だね」

「雨上がりの空は綺麗だっていうけど、本当だな」

「こんなふうに夜空を見たの…いつぶりだろう」

「本当に…きれい。

　ねえ、皆。嵐が来たのは大変だったけど、すごくいい経験ができたかなって、そう思うんだ」

「…そうだね。ねえ、エラン」

「うん？」

「君は…気付いていないかもしれない。でも…

　本当は、何だってできるんだよ。だからこそ、使い方を間違えないで」

「…うん…？」

（テトラの言葉はよくわからないけど…帰り道、皆でおしゃべりしたり、ニカ先生と歌を歌って…

　その日は、夢も見ず…穏やかに眠ることができた）

150二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:05:32

（三日が過ぎるのは、あっという間だった。

　皆、ニカ先生のことがすっかり好きになって…

　一緒に、自分の能力との付き合い方を考えたりして）

（…テトラは、参加していなかったけど。

　そういえばテトラは、どんなことができるんだろう？

　気になって周りに聞いても、皆知らないみたいだった）

「皆と離れるの…寂しいなあ。でも、もうケレス先生が帰って来ちゃうし、行かないとね」

「二人ともいてくれたっていいのにな」

「…確かに」

「あはは！そう言ってもらえるのは嬉しいけど…」

「…ニカ先生、お元気で」

「また、ここに来てくれる…？」

151二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:07:53

「それは…どうだろう。でも…」

「…また会える」

「…そうだね。みんな、またね」

「………」

「エラン。…大丈夫。

　きっとあなたにも、明るい未来が待ってるから」

「…はい！」

152二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:14:37

（ニカ先生と入れ替わりに、ケレス先生が…

　あの渡し守の船で帰って来て。

　全員に出迎えられたケレス先生は、笑顔で一人ひとりにお土産を渡してくれた。

　そうして、騒がしくも楽しい夜を迎え…）

「さて。誰と誰が過ごすのかダイスの時間です」

「数値の近い者同士が過ごすことにしよう」

「でもこれ、先生含め七人だよね？一人余るじゃん」

「…適当に調整するので…」

エラン：dice1d100=48 (48)

ラウダ：dice1d100=10 (10)

グエル：dice1d100=66 (66)

スレッタ：dice1d100=94 (94)

ミオリネ：dice1d100=20 (20)

テトラ：dice1d100=30 (30)

ケレス先生：dice1d100=23 (23)

153二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:19:06

「とりあえず低い順に組むと…

　『ラウダ・ミオリネ』『ケレス先生・テトラ』『エラン・グエル』そして余った私…となるわけです」

「一人だけ90代叩き出してるスレッタさあ」

「そのダイス運、継続させてよね」

「そんな無茶な…ところで余った私はどうなるんです？」

「…それでは、こうしよう」

ダイスで当たった組に混ざる

dice1d3=2 (2)

1：『ラウダ・ミオリネ』

2：『ケレス先生・テトラ』

3：『エラン・グエル』

154二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:20:39

「よりにもよって！！！！！」

「はい！？」

「すみません、取り乱しました。

　…いやー…まあ、いいですが」

「………すごい引きだと、思ったけど。そうか、こうなるのか…」

155二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:29:00

～リビング～

「…ケレス先生がいると、やっぱり落ち着くな」

「ニカ先生が出て行く時、あんなに寂しそうだったのに」

「…ミオリネもだろ」

「ふふっ。…うん、寂しかった。

　ニカ先生…いい人だったね」

「…そうだね。おかげで僕も…

　少しだけ、自分のことを前向きに考えられた気がする」

dice1d3=1 (1)

1：ラウダ「そういえばミオリネは…」

2：ミオリネ「ラウダが悪いんじゃない」

3：ミオリネ「…ケレス先生って…」　dice1d100=2 (2)　61以上のみ

156二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:35:01

「うん？」

「…どうしてここに来たのかな、って。

　僕みたいに…誰かを傷つけることはないと思うのに」

「………」

「ミオリネ？」

dice1d100=73 (73)　+30

「突然の謎ダイスやめろ」

「高いほど心を開いてくれるんじゃないでしょうか」

「二人はそれなりに仲が良いから…補正で+30かな」

157二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:41:06

「…人ってね…物理的な傷だけ、じゃないの。

　情報が…人を殺してしまうこともあるんだよ」

「………ごめん、無神経だった」

「ううん、いいよ。…ラウダには、むしろ聞いてほしい。

　その方が…なんだか、すっきりするっていうか…」

「僕でいいなら、話して」

「うん。…昔の私、自分に見えてるものと、他人の目で見えてるものの区別が、あまり…ついてなくて。

　知っていてはいけないことを、知っていて当然だと思って話してしまったの」

「………それで…」

「お母さん、死んじゃったんだ。…お父さんに、…そう、お父さんが…

　…私のせいで…」

「………」

dice1d2=1 (1)

1：話す　2：話さない

158二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:48:28

「…君にだけ話させるのも、不公平かな。僕は…」

「…ああ…ごめんなさい、ラウダ。…知ってるの、私…」

「え？」

「資料…見たから。…先生の視界に入るものも、見えちゃうんだ。だから…

　どうせ隠せないだろうからって、先生にね、お願いされてたの。

　皆が同じ間違いをしないか、見てるように。

　私…頼られて、舞い上がってた。自分だけ特別みたいに思って…でも…」

「いいよ、もう。…ありがとう、僕を信頼して話してくれて」

「…うん。ラウダこそ…ありがとう」

（ミオリネは…僕だって同じ立場なら、力をいいことに役立てられるならって張り切るだろう。

　だから…それはいい。でも、先生は…僕たちを監視していたってことか？

　…それも、ミオリネのことをスパイみたいに扱って…？）

「…さすがに…考えすぎかな」

「？」

159二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 02:38:56

ラウダの杞憂と思いたいが果たして

160二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 06:30:13

～グエルの部屋～

「さむっ…！？」

「エランが気になるって言ったんだろ？俺はやめとけば、って言ったのに」

「で、でも、こんな…こんなに寒いとは…！」

「まあ、俺が普段からいるわけだし…寝てる間とか、冷気が放出されてるんだろうな」

「さ、寒くないの？」

「寒いけど…これくらいならまだ平気かな」

（グエル…大変なんだな…）

dice1d3=2 (2)

1：エラン「つらくないの…？」

2：グエル「次はエランの部屋に行こう！」

3：グエル「そういえば…」　dice1d100=50 (50)　61以上のみ

161二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 06:37:25

「え…大したものはないけど」

「でも気になるし。嫌なら無理にとは言わないけど」

「…嫌じゃないよ」

（ずっとここにいるのも寒いし…）

「じゃあ、お邪魔しまーす」

「どうぞ。…別に、おもしろいものなんてないでしょ」

「いや、他人の部屋ってだけでおもしろい」

dice1d3=2 (2)

1：エラン（聞いてもいいのかな…）

2：グエル「それにしても…」

3：グエル「…アレ、やるか！」

162二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 06:43:41

「エランは何ができるのか、わからないままだな。

　これから先、ずっと何の影響もないなら…それでもいいんだろうけど」

「うん…」

「それとも何か、思い当たることでもあるか？」

「思い当たること…」

「ここへ来ることになった、その直前。

　どんなことがあったとか…

　…皆、だいたいはそうなんだ。ミオリネとテトラはよく知らないけど…

　俺とラウダ、スレッタは、ここへ来る直前に何かがあった」

「…そう、なんだ」

「二人のことは勝手に話せないけど、俺のことなら話せるよ。

　簡単に言うと…ちょっと川を凍らせてしまって。凍った部分はすぐ流れたし、寒くて死にかけたことの方が大事件だったけど」

dice1d2=1 (1)

1：詳しく聞きたい

2：僕は…

163二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 06:54:34

「詳しくって言っても…大したことじゃない。

　学校帰り、友達が川に荷物を落としたから、拾いに行ったらそうなったってだけだよ。

　…帰ったら服は濡れてるし、一部は凍ってるしで、友達にも家族にも心配されて大騒ぎだった。

　で、『魔女』ってバレたら大変だって言われてビクビクしてたら、ケレス先生が迎えに来て…

　親は悩んでたけど、普通に生活するのは大変だろうからって、ここへ来るのを決めたんだ」

「自分で…？」

「まあ、そうなるな。あのまま家にいても、家族も困るだろうし。

　…誰かに通報されて投獄されたり、私刑に遭うよりはマシだから」

「グエル、すごいね。自分で決めて、自分で選んで…」

「いや…ラウダやスレッタの話を聞いてると、俺は恵まれてるだけって気がするけど。

　でも、誉め言葉は素直に嬉しいよ。ありがとう」

（…恵まれてる…確かに、そうなのかもしれない。

　だって、『魔女』が意図せず誰かを傷つけるって言うなら…

　まさか、父さんと母さんが死んだのは、僕のせい…？）

164二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:24:38

「…さて」

「どうしたものでしょうね」

「…私、ですか？」

「とりあえず、ダイスを振りましょうか」

dice1d3=2 (2)

1：日課のランニング中

2：先生と仲良くお話

3：テトラとお話

165二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 17:12:21

アレやるかのアレって何だったんだろ

>>166

166二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:29:34

>>165

「恋バナです」

「急に…？」

「エランさんは『故郷の友人』『孤児院の仲間』『先生たち』の誰を恋愛的に意識しているかダイスを振ることになっていました」

「俺は？」

「エランさんに話を振られると『先生たちみたいな大人って素敵だよな～』とはぐらかします」

167二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:34:56

～庭～

「スレッタ、一人で天体観測か？」

「ケレス先生。…はい。

　今日は星が綺麗だから…」

「ああ、確かに。

　ところで…俺がいない間、どうだった？」

「どう、って？」

「ニカ先生は、どんな人だった」

dice1d3=2 (2)

1：とてもやさしくていい人でした

2：私たちの力について、熱心に考えてくれて…

3：素敵な力を持っていて…

dice1d100=59 (59)　51以上

168二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:39:15

「すごく、熱心な人で」

「へえ。俺より？」

「え？ええと、あの、そうじゃなくて！

　ただ、私たちの――」

「スレッタ」

「あ…テトラさん？」

「ニカ先生の話？」

「ああ、そうだ。テトラから見た彼女はどうだった？」

「別に。特に変わったところはなかった」

「へえ、そうかい。それはよかった」

169二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:43:17

「えっと…」

「スレッタ。あまり外にいると冷える。中に戻ろう」

「ああ、それがいい。ホットミルクでも作ってやろうか？」

「…はい」

（テトラさん…私の話を、遮るみたいに出て来た…ような？）

170二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:26:50

テトラはケレス先生にニカ先生の情報与えたくない感じ…？
ニカ先生が金色の鳥知ってるって言ってたのが関係してるんだろうか

171二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:37:57

落ちる。

「いやだ」

落ちる。

「こわい」

落ちる。

「たすけて…！」

目を瞑ると、瞼の裏に浮かぶ光景。

――エラン、エラン！大丈夫…大丈夫だから、手を伸ばすんだ！
――こっちよ、父さんと母さんの手を取って、エラン！

「父さん、母さ――」

ぐしゃり。

「あ」

目を開ける。
赤。白。
知っているはずのものが、見たこともない姿に変わって…

172二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:41:56

「う、あぁ…っ！…はあ、…はあっ…」

（何だ…？すごく、とてつもなく…嫌な夢を見たような…

　…大丈夫。落ち着け、夢だ。夢なんて、怖がることないんだ…）

「………眠れない」

（ニカ先生は、きっと大丈夫だって何度も言ってくれた。

　でも…結局僕には、何ができるんだろう。

　気付かないうちに、誰かを傷つけてしまうようなことがあったら…

　…駄目だ。考えないでいようとしても、どうしたって考えてしまう。

　水でも飲んで…気分を変えたいな。リビングへ行こう）

173二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:46:07

～リビング～

「エラン、眠れないのか？」

「あ…ケレス先生」

「特製ホットミルクの出番かな。…何か悩んでるのか？暗い顔だ。

　ニカ先生がいなくなったのが寂しい…ってわけでもないだろうな」

「…夢を、見るんです。よく覚えていないけど、きっと、落ちる夢…」

「へえ。もうずっと見てるのか？」

「はい。…あ、でも…」

「うん？」

「ここへ来てからは…金色の鳥の夢を見ることもあって。そんな朝は、不思議と気分が良くて…」

「へえ。…俺も見てみたいね、その夢」

174二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:49:34

「第四章終了」

「僕の夢ってつまり…つまり…？」

「わかったようでわからないでいたい、そんな葛藤を感じる…」

「ケレス先生、ろこつにあやしい」

「突然ヒャッハーしちゃうんですか？」

「それは…キャラ崩壊もいいところじゃない…？」

「で、でばん」

「いやあ、次回最終章ですね！シャディクさんもやっとまともに出て来るんじゃないですか？」

「え、マジ？やったあ」

175二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:08:52

「次回のシナリオ準備中ですが、進行中に頭がこんがらがってしまいそうなので…

　地図なり表なりを作らないとですね」

「ファイトです私」

「割と自由度の高めな…指輪やマンションに近いシステムになると思います！」

「用意は大変なものの、即興でシナリオを作り続けていくのでやってる本人は楽しいです。

　こういうタイプのシナリオの方が向いている説…？」

176二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:48:08

■第五章『さよならを君に』

「ああ」

落ちていく青年が、溜め息をひとつ。

「こいつは、とんでもない」

だめ、早くなんとかしなきゃ！

「そうか、そういうわけか。道理で…」

でも、どうやって？

「ベッドの上で、何かが落ちた痕跡もないのに、トマトみたいに潰れた死体…
　理解したよ」

だめだ、このままだと、また。

「ハズレを引いちまった」

いけない、ぶつかる！

「先生、ごめんなさい、先生…！」

177二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:52:36

～リビング～

「………うーん？エランも先生も、今朝は起きてくるのが遅い…あ」

「おはよう」

「おはよう、先生。エランが起きて来なくて…起こしに行った方がいい？」

「いや？」

「？でも、そろそろ朝ごはんの時間で…」

「昨日の夜遅かったなら、ギリギリまで寝かせてやってもいいかもしれないけど…」

「あー…。言いにくいことなんだが、言うしかないな。

　みんな、お友達にさようならだ。できるよな」

「………」

178二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:56:25

「え…？えっと、エラン…ここを出ていくの？」

「…そうじゃない」

「テトラ？」

「エランを、処分すると。そう言っているんだね」

「し…！？な、何を…」

「そう心配することはない。なあに、苦しめず楽にしてやれるさ」

「え…先生、冗談、ですよね…？」

「大真面目だよ。…なあ、これはエランのためでもあるんだ。

　よく考えてやってくれ。エラン自身が苦しんでいるとは思わないか」

179二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 23:02:07

「何のことだ…？突然すぎて、何もわからないんだけど」

「ああ…そうだな。ちゃんと話そうか。エランの持っている力が何か、わかった。

　あれは…『夢を現実にする』能力だ」

「夢を…？」

「そう。皆には言ってなかったが…エランの両親は、不審死を遂げている。

　ベッドで眠っていただけのはずなのに…ベッドの上で、高所から飛び降りたような状態で見つかったんだ」

「…それって…」

「そしてエランは、落ちる夢を見続けていると言っていた。

　さらには…親しい誰かを、夢に招いてしまうことがあるらしい。

　かわいそうじゃないか？ただ眠りにつくだけで、親しい誰かを殺してしまうなんて」

「………」

「だから、このまま…何も知らないまま、眠っているうちに終わらせてやるのがエランのためだろ」

180二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 23:11:47

「今はとりあえず、眠らせる薬を使ってるんだが…

　上に許可を取って、始末をつけないとな」

「………せ、先生。本当に、その…」

「ああ…かわいいお前たちに危険が及ぶと困るだろ？だから仕方ないんだ。

　悲しいよな。でもエランのためでもあるって、納得してやってくれ。

　俺は電話してくるから、お前たちはいつも通り過ごしてくれればいい」

「い、行っちゃった。…本当に、本当…？」

「彼はやると言えばやる」

「…知った風な、言い方をするんだな」

「知っているから」

「………どうする？」

「え？」

181二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 05:22:18

やっぱり自分の能力で殺しちゃってたのか…辛いなエラン
先生がエラン処分しようと動くのは仕方ないのかもしれないけどどうなるか
というか先生どうやって死ぬの回避したんだろ？

182二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:25:30

「先生には、悪いけどさ…

　電話してる間に、エランを逃がしてやれるかも…」

「そ、そんなこと！…だって、そんなことして、被害が出たら…」

「…ど、どうしよう…でも私、エランさんに…その…

　生きててほしい…です」

「私だってそうだけど！でも…！」

「…選択肢が、ないんだよな」

「ラウダ？」

「僕は…僕ですら、なんとかなるだろうって言ってもらえたのに、あいつにはそれすらないなんて」

「…そうだね。彼は、あの子がどんなにすごいのか、気付いていない」

183二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:30:10

「すごいって…どういう意味ですか？」

「…ゆっくり話していていいのかな。

　電話が終わるまで…そう長い時間がかかるとは思えない」

「う…で、でも…」

「私は…」

「俺は…できれば助けてやりたいけどな」

「………」

184二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:39:18

「さっさと皆で脱出だ。どうもきな臭くなってきたし」

「ついでに先生を軽く締めといていいんじゃないの？」

「それはかわいそうな気もしますけど、全員で脱出には賛成です！」

「…被害云々はどうするんです？」

「テトラが何か知ってそうだし…」

「助けてから考えればいいさ」

「…決めるのはダイスで、君たちではないけど」

「というわけでダイスの時間です。数値が高いほど助ける気があり、低いと先生側。

　本来ミオリネさんはマイナス補正がつくんですが、前回のラウダさんとの会話もありましたし…補正はなしです。

　テトラさんはダイス不要で助ける側ですよ。そして…意思決定に3ターン以上かかると、ふふふ」

ラウダ：dice1d100=83 (83)　+20

グエル：dice1d100=91 (91)　+30

スレッタ：dice1d100=3 (3)　+10

ミオリネ：dice1d100=58 (58)

185二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:44:22

「スレッタ。」

「ごめんなさい」

「ミオリネさんもどちらかと言えば助けたいものの…という数値です。

　ではラウダさん、グエルさん、説得頑張りましょう」

（早くしないと手遅れに…で、でも…本当にいいのかな。

　助けたことで、他の誰かが被害に遭ったら…？）

「…やっぱり…危険、なんじゃないかな」

「スレッタ？」

「だって…夢なんて、自分でコントロールできるものなんでしょうか…？」

「それは…」

186二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:49:09

「では1ターン目の説得効果ですが…

　私VSラウダさん・グエルさんという形になります。

　出目が大きいほどミオリネさんの心を揺さぶることができますよ！」

「テトラは説得に参加してくれないのか」

「先生の動向を気に掛けているので、説得には参加していない…と思って」

「水星女を懐柔する方法はないのか？」

「ダイスで50以上上回れば確定で助けたいという意欲をアップさせます。

　ファイトです」

説得

スレッタ：dice1d100=13 (13)

ラウダ・グエル：dice2d100=68 25 (93)

187二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 06:55:30

「…僕だって、手が触れれば意思とは関係なく物を動かしてしまう。

　それでも、その力を抑え込める手袋を貰って、普通に生活できているんだ。

　エランだって同じかもしれない」

「でも…」

「先生は『夢が現実になる』って言ったよな。

　それって使いようによっては…すごいことじゃないか？

　夢の中での怪我が現実になるなら、夢の中で怪我を治しても現実になりそうだ」

「………」

説得効果

スレッタ：13+ dice1d100=40 (40)

ミオリネ：58+ dice1d100=99 (99)

188二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:08:11

「出目が極端すぎる」

「…え～…2ターン目で無事に決着となりそうですね」

「露骨に残念そうにするんじゃない」

「そう、だよね。きっと…どんな力も、向き合って使いこなせれば…」

「ミオリネさん？」

「…ニカ先生が言ってたじゃない。私…エランのこと信じるよ」

「ミオリネ…！」

「うん。それに…何かあっても、俺たちが助けてやればいい」

説得

ラウダ・グエル・ミオリネ：dice3d100=21 4 40 (65)

189二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:10:52

「一人説得ファンブルしてる件」

「（笑）」

「…あくまで合算した値を使用するから、ファンブルは関係ないけど」

「よ…よかった…」

「では、説得の効果を出しましょう。合計値で70は欲しいところですが…」

説得効果

スレッタ：53+　dice1d100=59 (59)

190二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 14:32:53

よかった～

191二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:29:27

「…そう、ですよね。

　私だって、力をある程度制御する方法があるんだから…」

「そして…その力を役立てることもできる」

「うん。…やっぱりこのまま、エランを死なせちゃいけない」

「よし、そうと決まれば…エランを逃がすか、先生を説得するかだな」

「…説得を止めはしないけど。

　誰か一人は、エランを逃がすために動いた方がいいと思う」

「…？じゃあ…」

dice1d4=4 (4)

1：全員でエランを逃がす

2：二人組と三人組にわかれて行動する

3：一人がエランの部屋に向かい、残りが先生を説得する

4：やっぱり全員で先生を説得しよう

192二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:31:38

「………」

「だ…だってダイスが…」

「5ターン以内に何とかしてね」

「えっ」

「では、先生との会話に移りましょうか」

193二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:35:18

～1ターン目～

「…ん？どうしたお前たち。

　自由に遊んでていいって言ったろ？」

「そ、その…」

「あの、先生…」

「エランさんのこと、なんですけど…」

「ああ…大丈夫だ。お前たちを危険な目には遭わせない」

「そうじゃなくて…その、もっと他の方法はないのかなって」

「………」

「…可能性に、目を向けてもいいと思うけど」

dice1d100=26 (26)

クリティカルのみ

50以下の場合…

194二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:39:26

アカン(アカン)

195二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:48:10

「次だよ」

「無事に終われるのかどうか…楽しみですね！」

「誰か僕を助けて…」

【🎲・閲覧注意】真昼の星をさがしてpart2｜あにまん掲示板「マグカップ組＆ラウダ・ニールでオリジナルシナリオを、独自ルールで遊んでいく。　シナリオを進めるキャラとは別にメタ視点の僕たちワイプ組の反応も入るよ。　現在は最終章に入ったところだね」https://…bbs.animanch.com

196二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:49:42

たておつです
どうなっちゃうんだ…

197二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:51:08

「金曜の夜ということで、今日も結構飲んだので…

　起きていられるか一抹の不安があります」

「おバカ」

「てへぺろ」

198二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:53:38

「…今のルート、既定路線の一つではあるので…」

「そうだね。想定していた道の一つではある」

「まあ、はい。今回はそれなりに…それなりの展開も考えていたということです」

199二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:55:28

「まああまり身構えず、素直に物語を楽しんでいただければ幸いかと」

「誰かがロストするのは嫌なんだけど…」

「ははは」

「否定しないのか…」

「………」

200二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:56:17

「…希望のない終わりにはしないつもりです。

　ダイスがふるわなければ、まあ、はい。

　悲しい終わりになるかもしれませんが」