ここだけ病弱コハル

  • 1二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 06:57:33

    興奮するとすぐ熱を出す
    季節の変わり目でも風邪で熱を出す
    筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ
    日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱い

    それでも憧れは止められないので正実には入るし、訓練もする(けどやりすぎると熱を出す)
    押収品整理担当なのは体調考慮した結果
    えっちなことに興味があるのは憧れの裏返し(長く生きられるかわからない&母子ともに危険なので子どもは作れないから)

    そんなんでも最終編では火事場の馬鹿力で本編同様避難民を守り抜き、ミカが来てから安心してぶっ倒れてしばらく生死の境をさまよう
    そんなコハルが見たいのですがどこで見れますか?

  • 2二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 06:58:38

    ほら!私たちを守ってくれてた正義実現委員会の子が魔女のせいで倒れたわよ!!

  • 3二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 06:58:55

    君の心の中にいるよ

  • 4二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 06:58:59

    >>1

    当店はセルフサービスとなっております

    ご自分でご執筆ください

  • 5二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:52:52

    まず周りがどれくらい病弱なのかの理解度によっていろいろ変わるな…

  • 6二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:54:48

    ハナコがエ駄死目的で奇行してるのがコハルの命を削ってることを理解してしまう

  • 7二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 08:56:35

    SSが得意な人なんてそうそういないから仕方ないね

  • 8二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 10:23:40

    エッチなのは駄目!死ぬ!
    ってこと…!?

  • 9二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 10:24:46

    病弱コユキ、病弱モモイ、病弱キヴォトスに続いて次は病弱コハルか

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 10:57:21

    流石にナギサもこのコハルを人質にはしないか?
    でもよく考えるとミカとの接点って補習授業部入りが必須ってわけではないな

  • 11124/09/22(日) 12:32:44

    ひぃん……しょうがないから自分で書くよー




    「納得がいきません」

    これで3つ目のパフェを口に放り込みながら、我らが正義実現委員会副委員長は憮然とした表情を隠しもせずに告げた。

    「規則では確かに、いかなる理由があろうとテストの欠席は無得点扱いにはなります。例え体調の悪化が理由でも。……ですが」

    胸の中の憤りがそうさせるのか、一口というには大きすぎるサイズのパフェの欠片が、スプーンで運ばれて口の中へ。いつにもましてハイペースっすねぇ。

    「たった一度の無得点だけで、『補習授業部』なる部活へ移籍になるなどと。あの子の体の弱さは、ナギサ様もご存知のはずなのに」

    「あー、まあまあ。そのへんにしとくっすよハスミ先輩。そんなバカスカパフェを食べたら太……なんでもないっすー、なんでその目はおやめください……」

    「……いえ、私も少し感情的になりすぎていたきらいがあります。申し訳ありません、イチカ」

    一瞬つり上がった眉をもとに戻しながら、ハスミ先輩は謝罪を口にした。普段は冷静に見えて意外と激情家なのが羽川ハスミという生徒だ。

  • 12124/09/22(日) 12:34:06

    「大丈夫っすよ。気持ちはわかりますし、私も、理解はしていても納得はしていませんから」

    少しばかり冷めかけたコーヒーを口に運ぶ。トリニティでは紅茶の需要が圧倒的で、コーヒーを飲む生徒は少ない。だけど、全く需要がないわけじゃない。頭を回したい時なんかは特に。

    「シャーレの先生を顧問にした、成績が悪い生徒を集めた補修クラブ。……ただ、まあ。試験に受かれば問題もないっすし。コハルちゃんも体が弱いだけでオツムはそこまで悪くないっすから」

    「ええそうですね。試験に受かれば何の問題もない。ただ……何か、作為的な物を感じるのは、私だけでしょうか。そもそも、この『補習授業部』というシステムそのものが、あまりにも急に作られすぎています。いくらティーパーティーの権限とはいえ、シャーレも巻き込んでの急な設立です。エデン条約が控えているなか、こんなものを急に作り出すなどと……ナギサ様は、何を考えているのか」

    「成績が悪い生徒への救済措置……だとするなら、コハルちゃんが選ばれるのはおかしいっすからね」

    コハルちゃんは体が弱い。体を動かすことが難しかったからか、あの子は昔から本を読んで過ごしていたようだ。
    結果として、学力自体は比較的高い方で、テストもアクシデントさえなければ高得点を取れる子だ。この前も、うちの後輩たちに勉強を教えてくれと群がられて苦笑していた。

  • 13124/09/22(日) 12:35:19

    「何にせよ、今は様子見するしかないっすね。時期が悪すぎます。こっちもエデン条約でてんてこ舞いっすから、ナギサ様の思惑にはある程度沿うしかなさそうっすね……」

    「……遺憾ですが、致し方ありませんね」

    最後の欠片を口に放り込んで、ハスミ先輩は立ち上がった。マジっすか、あんだけあったパフェがもうないんすけど。

    「愚痴に付き合わせて申し訳ありません、イチカ。私はこのあと先生とコハルを引き合わせなければなりませんので、これで」

    「了解っす。私も、そろそろパトロールの時間っすから」

    エデン条約に、補習授業部、ナギサ様の思惑。色々と暗雲が立ち込めているが、今はとりあえず進むしかなさそうだ。
    0の多い注文伝票を横目で見ながら、私……仲正イチカは人知れずため息をつくのであった。

  • 14124/09/22(日) 12:36:08

    時が移ろい、午後。

    【こんにちわ、ハスミ。忙しい中ごめんね】

    「いえ、大丈夫です。先生。こちらこそお忙しい中来ていただけたことに感謝しています。では行きましょうか」

    シャーレからの来訪者を連れ添い、ハスミは正義実現委員会本部の建物の中を進んでいく。

    「結構奥まで行くんだね……」

    「普段、彼女は押収品管理室にて業務を務めていますので。ですがもうすぐです。……着きました。この扉の先です」

    古めかしいながらも何処か威厳を感じる、両開きの大扉。そのドアノックを鳴らして、ハスミは口を開いた。

    「コハル。私です。入りますよ」

    「あ、ハスミ先輩。どうぞー」

    扉に遮られてかくぐもった返答が聞こえ、ハスミは扉を押し開けた。
    広い部屋には大きな本棚がいくつも置かれており、何冊もの本が収められていた。中央には大きな長テーブルがひとつ。その両脇にいくつか丸椅子が置かれており、まるで図書館のようだ。
    だが、図書館特有のカビ臭さというものはどうにも感じられない。気になるのは静かな機械の駆動音。ふと部屋の隅を見ると、ミレニアムのロゴが入った空気清浄器が控えめに自己主張を続けていた。

  • 15124/09/22(日) 12:38:43

    ホコリ一つ積もっていない長テーブルの奥。整理でもしていたのか、いくつかの本が積み重なった先に、小柄な生徒が1人座っていた。ピンク色の髪に、小さな黒い翼が生えた少女は、こちらを見て柔らかな笑みを浮かべた。

    「紹介します、先生。こちらは下江コハル。押収品の管理や、怪我をした委員会メンバーの救護など、正義実現委員会の裏方を担当しています。
    コハル。こちらはシャーレの先生です。今回の件も含めて、きっとあなたの力になってくれるでしょう」

    「あなたが噂のシャーレの先生……はじめまして、下江コハルといいます。生まれつき体が弱いので、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」

    【はじめまして、シャーレの先生をやっている者です。こちらこそ、トリニティには疎いから、そのあたり上手く協力しあえたらなと思っています。よろしくね」

    手を差し出して来たコハルに合わせて握手をする。体温が低いのか、小さなコハルの手はやけにひんやりしているように感じられた。


    ひぃん、続きはめっちゃあるけどまだ書けてないよー
    需要があったら続けるよー
    コハルちゃんがかなり性格変わってるよーファンの人ごめんね~

  • 16二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:15:28

    ほしゅ

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:20:29

    正実への人質としてこれ以上無いくらい機能しそう

  • 18二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:20:47

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:29:19

    これ、展開によってはクーデター起きるんじゃ?
    ゲヘナでの試験の時にコハルが倒れでもして人質として機能しなくなったら、後に待つのは地獄だけだ。

  • 20二次元好きの匿名さん24/09/22(日) 23:31:55

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 01:58:39

    ハスミが激怒してるうちはまだ平気
    イチカが地獄落ちるっすよしてるうちもまだなんとかなる
    ツルギがガチギレしたらアウト

  • 22二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 06:31:30

    >>21

    >>19になったらツルギブチ切れると思う。

    複雑な状況絡んでるから、

    人質として補習授業部にぶち込むのと試験妨害は無理矢理納得はしそうだけど、

    物理的にコハルに被害出たら間違いなくキレる。


    さすがにそれはわかってるから、

    コハルだけ試験会場別にされてるとかありそうだけど……。

  • 23124/09/23(月) 10:30:26

    「以前にも伝えたので把握しているでしょうが念の為。下江コハル。あなたはしばらくの間正義実現委員会を離れ、補習授業部に移籍することになりました。あなたの体の事情は把握していますが、なにぶんティーパーティーの決定ですので。……私の力不足です」

    声はしっかりしているが、幾らか罪悪感があるのかもしれない。ハスミ先輩は目を伏せて、私に下された決定を改めて伝えてきた。

    「い、いえ。テストを受けられなかった以上、無得点になるのは仕方のないことです。ハスミ先輩のせいではありませんから、どうか気にしないでください」

    「……あなたが一時的にせよ、正義実現委員会から離れるのは大変な損失です。ここに収められた押収品を全て把握しているのはあなただけですから。業務の引き継ぎは終わっていますか?」

    「はい。何人かに分けて、押収品のリストと今後整理すべき物のリストを分割して渡してあります。トリニティの長い歴史の中で、多種多様な物が収められてきました。その全てを、好きでもないのに一人で覚えろと言うのは、さすがに酷ですから……」

    ここの部屋に収められている押収品は、全体のほんの一部でしかない。歴史の長さでも有名なトリニティ総合学園は、代々の治安維持組織が名前を変えつつ、今まで生徒たちから取り上げた禁制の品を長きにわたって受け継いできた。
    ただ、あまりにも歴史が長すぎて、今まで押収してきた品が何処にいくつあるのか、と言った記録がところどころ紛失していたのだ。

  • 24124/09/23(月) 10:31:39

    正義実現委員会に憧れて入部を希望した私は、体の具合を考慮されて、主に押収品の管理を担当することになった。
    前線に立てない役立たずが、少しでも力になれることはと……他の事務作業担当の子達の力も借りつつ、押収品の整理とリストアップを始めることにしたのだ。
    私が正実に入部してからまだ1年経っていないが、周囲の子達が優秀なのもあって整理作業は順調に進んでいた。ただまあ、主にたくさんの本の整理先を全部暗記しろっていうのは、私やシミコ先輩、ウイ先輩くらいしかできないだろうから、私のポカで補習授業部なるクラブに移籍が決まったと聞かされてから、今まで引き継ぎ作業を進めていたのだった。

    「押収品についてはこれで問題ありません。あとは部員の救護についてですが……」

    「そちらに関しては心配する必要はありませんよ、コハル。救護騎士団に話を通し、騎士団員を1人、穴埋めで向かわせてくれるそうです」

    「そうですか……よかった〜」

    心配事の種が一つ減って、私の胸の内はいくらか軽くなった。
    救護騎士団はトリニティでも歴史の長い部活動だ。そこに所属する団員の知識と実力はかなりのもので、多少の怪我なら即座に対応できるだろう。いつも迷惑をかけている私が言うんだから間違いない。

    今までの経験から、人体にある程度詳しい私は、裏方専属なのもあって負傷した部員の治療も行っていた。救護騎士団の人と比べると流石に拙い腕だが、それでも私の神秘の関係もあって、今まで部員に割と感謝されるくらいには働けていた。
    体調がいい時にしか見れないから、そんなに役には立ってないと思うんだけど……使い勝手が悪くても、救護員が1人減るのは割と組織としてダメージがある。メイン業務の押収品管理の引き継ぎで、そちらにまでは対処できなかったんだけど、どうやらハスミ先輩たちはすでに対応してくれていたようだ。流石はハスミ先輩。スマートな手腕だ。

  • 25124/09/23(月) 10:34:23

    ひぃん反応が多くて嬉しいよー
    拙いし遅筆だけどゆっくりでも続きは書いていくよー

    ただ仕事の兼ね合いで平日の昼間
    巻き込みホスト規制で深夜帯は投稿できないからその間誰かスレを落とさないでくれるとありがたいよー

  • 26二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 11:21:37

    性格変わってると言っても、そりゃ同一人物であっても違う道程を歩んできたら別人になるよね
    こういうIFとかはキャラとしての根っこが変わってなけりゃセーフだと思う

  • 27二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 21:20:51

    一応保守させていただきやす

  • 28124/09/23(月) 22:28:59

    「コハル。まずはあなた以外の補習授業部員を集める必要があります。そのうち1人はここ、正義実現委員会建屋内にいますので、今から先生を連れて会いに行きましょう」

    「はい。……? 正義実現委員会から、私以外にも補習授業部員が選ばれているのですか?」

    「そういうわけではないのですが……ともかく、こちらへ」

    先生もついてきてください。そう言ってハスミ先輩は身を翻し……ふと立ち止まって、私に再び正対した。

    「そういえば、今日の体調は大丈夫ですか?コハル。無理してはいけませんよ」

    「あ……大丈夫です。ハスミ先輩、心配していただいてありがとうございます。でも今日は朝から調子がいいので」

    嘘ではない。少なくとも、調子が悪い時に比べて熱がないことは事実だ。朝からこうして押収品の整理をする余裕だってある。
    ハスミ先輩はかがみ込むと(それでも私より背が高いままだ)、私のおでこと自分のおでこ両方に手を当てた。

    「……ふむ。平熱にくらべていささか高い気もしますが……誤差と切り捨てられる範疇ではありますね。いいですかコハル? 再三言いますが決して無理をしてはいけませんよ。容態が急に変わることもありますから。薬と日傘はちゃんと持っていますね?今日は日差しが強いので、日中移動する際はこまめに日陰で休憩を。あとは」

    【ちょっと待って。そんなに具合が悪いのかい?】

    「あー……その、えっと……悪い時は、悪いです、はい……」

    いけない。初対面の先生を心配させてしまった。これ以上迷惑をかけないよう、私は力こぶを作ってアピールする。

  • 29124/09/23(月) 22:30:18

    「で、でも! 今日はほんとに調子がいい方なので、大丈夫です!ハスミ先輩はちょっとだけ心配性なところがありまして……私が悪いんですが」

    「最初の頃、心配をかけないよう無理を重ねていた子は果たして誰でしょうか?」

    「うっ……すみません」

    そこを突かれると痛い。発作とは違う意味で。
    しゅんとする私に、ハスミ先輩はふっと笑って頭を撫でてきた。

    「少し意地悪な言い方でしたね。ともかく、今日は調子が良さそうなことは確認しました。……先生」

    真剣な表情をしたハスミ先輩は、私を撫でながら先生に声をかけた。

    「コハルと一緒に行動するにあたって、お願いがあります。彼女の様子がおかしかったり、胸を押さえて苦しんだりした場合、彼女のカバンから薬を注射して欲しいのです」

    【注射?】

    「ハスミ先輩。さすがに私が説明します」

    初対面の人に頼むには結構重たいけど、背に腹は代えられない。私はテーブルにおいていた自分のカバンを探って、筒状のプラスチックを取り出した。手のひらサイズのアンプルだ。中では透明な液体が揺れている。

  • 30124/09/23(月) 22:31:14

    「もし私が、その、有り体にいえば発作を起こした時に、これを打ち込んで欲しいんです。場所は首でも肩でも、極論どこでも問題ありません」

    【発作があるの?】

    「そんなに頻度は多くないんですけど……一応は」

    かなり専門的な話になるので詳細は省くが、私は心臓が悪い。このアンプルは強心剤に近いもので、不安定な私の心臓を助けてくれるものだ。発作の時なんかは特に。……あと“発作以外の時も“。もっとも、そういう使い方はあまりしたくないけれど。
    私の状態が想定より悪かったのか、先生は目を白黒させていたが、真剣な顔でうなづいてくれた。

    【わかった。医学には詳しくないのだけど、できる限り血管に打ち込んだほうがいいのかい?】

    「できればで構いません。さっきも言いましたが、極論打って体に吸収できればそれでいいので。いきなりこんな重たいことを頼んでしまってごめんなさい……」

    【大丈夫。謝る必要はないよ。君の体が最優先だから】

    シャーレの先生。噂だと生徒の足を舐めただとか、まことしやかに言ってる層もいたけれど。思った以上に優しい人でよかった。生徒の味方を標榜しているだけはある。

    私と先生の話がまとまったことを確認して、ハスミ先輩は再び声をかけてきた。

    「私も同行しますし、基本的には私が打ちますから大丈夫です。発作も、ここのところ起きていませんし、そう身構えることもありませんよ。……では、そろそろ行きましょうか」

  • 31124/09/23(月) 22:34:06

    このSSは医学知識ゼロのスレ主がお送りしております
    ツッコミどころは多々あると思いますが、創作の話ということでここはひとつ
    ひぃん医学は専門外だよー

    明日から普通に仕事あるから更新頻度はもっと落ちると思うけど、できる限り投稿するよー
    申し訳ないけれど保守よろしくねー

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 22:59:07

    ハナコが過保護になりそうなやーつ
    いやこれ大丈夫?ゲヘナ侵入の時のカーチェイスとかナギサ暗殺阻止とかもそうだけど、みんなで掃除する時も大変じゃない?
    テストの妨害工作に関してもたぶんナギサ暗殺後に正実に知られると思うからその時に母(ハスミ)と父(ツルギ)が暴れない?

  • 33二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:03:50

    面白いからゆっくりでも楽しみに待ってるよ

  • 34二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:42:19

    ハナコが原作よりもナギサに対して当たりが強くなりそうだなこれ…
    ただハスミがゲヘナに対して多少は軟化しそうでもある

  • 35二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 05:21:36

    ハナコとの絡みが気になる

  • 36二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 15:49:02

    深窓の令嬢の生い立ちの本編よろしく熱い正義の心を持ったコハルちゃんですか。素晴らしい

  • 37124/09/24(火) 18:31:14

    正義実現委員会の建屋内を、三人で進んでいく。余談だが、シャーレの先生は背が高く、ハスミ先輩に至っては言わずもがな。
    つまりはこの二人、歩幅も相応に広い。150に満たない上体力もない私では、この2人に合わせるとすぐ息切れしてしまうんだけど、付き合いの長いハスミ先輩は私に歩調を合わせてくれる。意外だったのは先生で、こちらも私とハスミ先輩のゆっくりとした歩みに合わせてくれていた。流石先生と言うべきか、よく周りを見ている人だ。ありがたい。

    結果的に散歩のような速度で建屋内を歩いていると、当然だがちょくちょく正義実現委員会の子たちとすれ違う。

    「あ!コハルちゃんだ!」

    書類の束を抱えた、長い黒髪で目元を隠した子が、私をみて駆け寄ってきた。

    「ハスミ先輩、お疲れ様です。コハルちゃん、管理室から出て来るなんて珍しいね。今日は大丈夫?」

    「うん。今日は朝から調子がいいの。心配してくれてありがとう」

    この子を筆頭に、この建屋にいる子たちは、私の体調がいい時よく仕事を手伝ったり、逆に悪い時、というかしょっちゅう手を貸してくれたりすることもあって仲がいい。
    私の事情も知っていて、こうしてすれ違うと声をかけてくれて、体を気遣ってくれる。

    「そういえば、『保守事業部』?……に移動するんだっけ。頑張りすぎちゃ駄目だよ?コハルちゃんは無茶することがあるから……」

    「だ、大丈夫! 流石に同じ轍は踏まないわ。またテスト受けられませんでしたー、じゃお話にならないもの。あと、『補習授業部』ね」

    「あ、間違えちゃった……その!補習授業部でのこと、戻ってきたら聞かせてね!長く引き止めちゃってごめんね、私はこれで」

    「うん、また今度」

    名残惜しそうに片手を振りながら、もう片手で器用に書類の束を保持して彼女は去っていった。最後にハスミ先輩と隣の先生に頭を下げて。

  • 38124/09/24(火) 18:33:37

    「すみません、おまたせしました」

    「いえ、同僚との会話を邪魔するほど、切羽詰まってはいませんから。大丈夫ですよ」

    【私も気にしてないよ】

    「ありがとうございます……」

    つくづく私は人に恵まれている。



    ひぃんやっぱり仕事があるとなかなか書けないよー
    展開は次々湧き出てくるのに形にするのに時間がかかるよー
    頭の中の展開全部文章にしてくれる機械とかないかなー

    あ、こっから先はエデン条約編もっかい見直さないといけなくなったからちょっと時間かかるよーごめんねー

  • 39二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 23:05:19

    ゆっくり待つよ、よりよい未来があると願いながら…
    コハルが血を吐いたりしないといいなぁ…

  • 40124/09/25(水) 07:47:28

    しばらく触れないからほしゅだよー

  • 41二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 08:03:27

    あたたかそうなスレだ。
    秋の味覚をお食べ・・・

  • 42二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 11:29:15

    ここのコハルは自分のペースでゆっくりやりたいことやって暖かい紅茶飲んでるというのが見えた

  • 43二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 11:51:46

    焼き芋とかお餅とかは喉ひっかけそうで、だけど小さく開いた口でゆっくり食べるから心配ないんだけど正実のみんなは視線をちらちらと向け続けるから、気持ちはありがたいし自分の事はよく知ってるから理解もできる。でもせめてもう少し気持ちを隠してほしいな…って複雑そうにして欲しい

  • 44124/09/25(水) 21:26:48

    ハスミ先輩についてしばらく歩くと、やがてある場所にたどり着いた。
    私の普段の業務の関係上、ほとんど関わりのない場所。されど大多数の正義実現委員会の子たちはしょっちゅう関わる場所。

    【ここは……】

    「いわゆる『牢屋』、ですね。正義実現委員会が確保した被疑者たちはここで拘留されます。コハルはあまり来たことはありませんでしたね」

    大きな両開きの扉が厳しく構えられた正面。その両脇に、おそらく見張りだろう、正義実現委員会の生徒が銃を下げつつ待機していた。
    古書館の記録によれば、かつてトリニティがトリニティになる前の時代。地下牢として作られたこの場所は、比較的軽微な罪を犯した者たちを放り込んでいたそうだ。だからだろうか。入口とはいえ、気温が低いのか少し肌寒さを感じる。

    思わず二の腕を擦った私だったが、不意に暖かいものが私の両肩を覆った。
    見るとそれは、大きな真っ白いコートだった。明らかに大人向けに作られたそれは、連邦生徒会の意匠が凝らされており、つい先程まで目の前で着られていたものだ。

    【寒そうだったからつい。大丈夫かい?】

    「あ……ありがとうございます。あったかいです」

    「……失念していました、申し訳ありませんコハル。先生も。カーディガンの一着くらい事前に用意すべきでした」

    【私は大丈夫だよ】

    「ご心配おかけしてすみませんハスミ先輩。私が変に敏感なのが悪いんです。どうか気にしないでください」

    まさかここに来るとは思ってなかったから、上着は自室においてきてしまった。長い付き合いとはいえ、少しの気温差ですぐ不調を起こすこの体が恨めしい。

  • 45124/09/25(水) 21:28:04

    もう常日頃から上着の一着くらい持ち歩くべきか……そんなことを考えて反省していた私を尻目に、扉の前で警備していた二人の生徒のうち一人が、私たちに気づいて敬礼した。

    「ハスミ副委員長!……と、コハルちゃん? お、お疲れ様です!」

    「お疲れ様です。中の囚人に用があるのですが、連れてきてもらえますか?ティーパーティー命令です」

    「はっ!どなたでしょうか?」

    「B号独房に収監されている浦……」

    その時だ。

    「ふぃ〜、やっととっ捕まえったすよ〜」

    「任務完了です。白洲アズサさん、現行犯で確保しました」

    二人の正義実現委員会生徒が、とある生徒を1人連れてやってきたのだ。

    「……ん? おや? 誰かと思えばコハルちゃんじゃないっすかー! 珍しいっすね、こんなところに来るなんて。ハスミ先輩もお疲れ様っす」

    「コハルさん、ハスミ先輩、お疲れ様です。お体は大丈夫ですか?」

    「イチカ先輩、お疲れ様です。マシロもお疲れさま。体は大丈夫よ。今日は調子が良くて、ハスミ先輩に連れられてここに来たの」

    誰にでも人当たりよく、頼りになる先輩。仲正イチカ。
    正義実現委員会きってのスナイパーで、ハスミ先輩の後継者たり得るすごい子。静山マシロ。
    どちらも正義実現委員会では名のしれた存在だ。特にマシロ。私と同学年なのにものすごい活躍を見せていて、ハスミ先輩からの覚えもめでたい。二年生三年生が引退したあとの正実を率いていく筆頭候補だろう。


    ……私も、もし体が丈夫だったら、彼女のように活躍できただろうか。

  • 46124/09/25(水) 21:28:50

    なんて、そんなのマシロに失礼よね。健康な体に努力を重ねて、今のマシロがあるんだから。

    「……? コハルさん、どうかしましたか? まさか、体調が優れないのですか?」

    「……へ? あ、ううん。なんでもない。ちょっと考えごとしてただけ。だから顔近づけるのはやめておでこくっつけようとしないで近い近い近い!」

    「でもお顔が赤いですよ? 熱があるのでは?」

    「マシロがぐんぐん近づいてくるから恥ずかしくなっただけ!」

    いわゆるガチ恋距離まで近づいてきていたマシロから距離を取る。思わず体調とは関係なく顔が赤くなってしまう。全くもうこの子は、そういうのに全然頓着ないんだから。

    「お話の最中申し訳ありませんが、マシロ。イチカも。今連れているその子をこちらに引き渡してもらえますか?」

    「え? 白洲さんをですか? でもこのあと取り調べをしなくては……」

    「……あーマシロ。その点に関しては大丈夫っす。例の件ですよね?」

    「察しが早くて何よりです」

    今の今まで蚊帳の外だった、イチカ先輩たちに確保された人が話題に出てきて、思わずそちらを見てしまう。

    綺麗な子だった。髪も、背に生えた羽も、どちらも真っ白。私とほとんど変わらない程度の小柄な背丈。まるでシスターフッドの文献で見た天使のようだ。



    「……シューッ……シューッ……」

    何故かガスマスクで顔を覆っている点を除けば。

  • 47124/09/25(水) 21:30:09

    【ええっと……なんで、ガスマスク? というか現行犯って言ってたけど、何をしたの?】

    「えー、校内での暴力行為の疑いで私たちの追跡を受け、逃走先にあった教材用催涙弾の弾薬庫を占拠。およそ1トン近くの催涙弾を爆破、3時間にわたって抵抗を続けて、ついさっきようやく確保したところっすね」

    【……】

    「3時間も……」

    思ってたのよりとんでもない罪状だった。優秀な皆にマシロとイチカ先輩を相手取って3時間抵抗って、凄腕ゲリラ兵かなにか?
    思わず空いた口が塞がらなくなる。

    「……惜しかった。弾丸さえ足りていれば、もう少し道連れにできたのに。もういい。好きにして。ただ、拷問に耐える訓練は受けてるから、私の口を割るのはそう簡単じゃないよ」

    可愛らしい声だけど内容が物騒すぎる。拷問に耐える訓練って、正義実現委員会でもそうはやらないんだけど……そんなものをカリキュラムに組み込んでた組織は、例えばユスティナとか、それはもう一昔は前の話になる。虚勢……いや、嘘は言ってなさそう。態度にブレがない。本当に訓練を受けたか、それに匹敵するレベルの自信があるんだ、この子。

    「あなたの口を割る前に、あなたにはティーパーティーからとある命令が出ています。あなたは今日から【補習授業部】の所属となり、こちらにいらっしゃる先生を顧問にして、勉学に励んでもらいます。詳細は……」

    ピリリリリリッ!

    ハスミ先輩の話を遮るように、携帯の着信音が鳴り響く。出どころはハスミ先輩のポケットからだ。
    素早く携帯を取り出したハスミ先輩は、失礼と一言断りを入れてから応答した。

  • 48124/09/25(水) 21:32:51

    「はい、私です。……はい。……わかりました、すぐに向かいます」

    通話を切ったハスミ先輩は、マシロとイチカ先輩に再び声をかけた。

    「二人共、応援要請です。私とともに向かってください。内容は追って説明します。先生、突然で申し訳ありませんが、アズサさんとコハルを除いた残りの補習授業部員のうち一人はここ、地下牢の独房にて勾留されています。話は通っていますので、見張りに連れてきてもらってください。あとは頼みました……コハル」

    ハスミ先輩は私に向き直り、頭を優しく撫でてくれてからこう言った。

    「白洲アズサさんと、これから呼び出されるであろうもう一人の補習授業部員に説明をお願いします。内容はかつて貴方に説明したことと全く同じです。……これから先、不安かもしれませんが、遠く離れていてもあなたは私の大事な後輩です。くれぐれも無茶はせず、自分の体を大事にするのですよ。いいですね?」

    「は、はい!ありがとうございますハスミ先輩。頑張ります!」

    ハスミ先輩はふっと微笑んで、その場から去っていった。
    後を追うようにイチカ先輩とマシロも去る。

    「えーと、コハルちゃん!ファイトっす!」

    「コハルさん。些細なことでも何かあったら言ってくださいね。微力ながら力になりますので。では」

  • 49124/09/25(水) 21:33:33

    3人が去り、急にその場が静まり返る。

    【えーと……とりあえず、もう一人を迎えに行こうか】

    「補習授業部? そんな組織がトリニティにあるとは……初耳だ。流石は3大校、隠蔽能力は侮れないようだな」

    「別に隠してたわけじゃないんだけど……全員揃ってから説明するから、ちょっとまっててね」

    なんというか、独特なところがある人だ。このアズサさんは。天然……なのかな? あとそのガスマスクいつまでつけてるんだろう。

    アズサさんを宥めてるうちに、先生が先程から置いてきぼりを食らっていた見張りの子たちに話しかけていた。

    【というわけで、中にいる子を呼んできてもらえないかな? 『浦和ハナコ』っていう子なんだけど……】





    「その必要はありませんよ。先程から、お話が聞こえてましたから」

  • 50124/09/25(水) 21:34:59

    ひぃん今日はここまでだよー
    いいところで切るのが長寿番組の秘訣って聞いてるよー
    勘のいい人はこのあとの展開を察してるかもしれないけどお口チャックでいてねー

  • 51二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:39:17

    おつ、コハル…強く生きるのです…

  • 52二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:44:00

    さて、どのような姿で登場するのやら…

  • 53二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 06:52:15

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 16:25:43

    コハルちゃん大丈夫かな
    倒れたりしない?

  • 55二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:09:24

    囚人と言えば…あのしましま服をハナコが着ているのだろうか

  • 56二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 18:25:31

    ボディーラインを可能な限り出るように着こなしてそうで怖いな

  • 57124/09/26(木) 19:09:22

    今喋ったのは私ではない。アズサさんでもないし、見張りの子たちでも、勿論先生でもない。
    声のした方向に振り向くと、見張りの子たちが守っていた大きな扉が、今まさに開いたところだった。部屋の明かりに照らされて、扉の内側にいたその姿が露わになる。

    「といっても、詳しい内容までは聞こえなかったのですが。私のことを話されているのはわかりましたので、来てみました」

    目に入るのはまずむき出しになった肩。羨ましいくらい大きな胸。くびれた腰。すらっと長い手足。多すぎる肌色。

    「何か御用でしょうか?」

    暴力的なまでにスタイルのいい美女が、そこに立っていた。



    ……水着姿で。



    もう一度言う。水着姿でだ。

  • 58124/09/26(木) 19:10:08

    「……え?は、え……はぁっ!?」

    【】

    この世に生まれてから今までで一番大きな声が出た気がする。
    いやだってしょうがないでしょ!どこの誰が牢屋から水着姿の人が出てくると思うのよ!制服は何処にやったの!?

    「あら。大人の方。ということは……シャーレの先生ですね。お噂はかねがね。改めまして、こんにちわ。となりますと、もしかして補習授業部の件でしょうか?」

    体を見せつけるような仕草を取りながら、スク水姿の女がこちらに近づいてくる。動くたびに胸の大きな果実が揺れ動く。

    「な、どうやって牢から出たんだ!?鍵はかけておいたはずなのに!」

    「ちょ、その格好で動き回らないでください!というかなんで制服を着ていないんですか!届けたでしょう!」

    見張りの二人が動揺している。先生は目の前の光景が衝撃的すぎて固まっている。アズサさんはというと「?」と状況を理解できていないようだった。

    「あの服装は……潜入用の特殊スーツか?」

    違う。状況を理解してないんじゃなくて水着を知らないだけだこれ。
    じゃなくて!

  • 59124/09/26(木) 19:11:48

    「あああんた!人前でなんて格好してんのよ!公序良俗って言葉を知らないの!?」

    「ふふ。知っていますよ。公の場で性を強調する行為を『公序良俗に反する』と言いますよね。この場合は誤用ですけれど」

    え、そうなの? それは知らなかった……結構本は読んでる方だからそういう誤用とは無縁だと思ってたけど……。
    ってそうじゃない!

    「な、ならTPOと言い換えてもいいわよ!とにかく!なんで水着なのよ!ここをどこだと思ってんの!?」

    「正義実現委員会の地下牢、ですよね? 実は私、少し開放的な気分に浸りたくて散歩をしていたのですが、何故か正義実現委員会の方々に捕らえられてしまって……ありのままの私でいただけですのに」

    「赤裸々に語り過ぎなのよ!そ、そんな……見せびらかすような真似して!目に毒すぎるわ!」

    「あら、もしかして、羨ましいのですか? ……『これ』が?」

    そう言って腕を組む女。それに合わせて、大きなその……メロンが腕の上に乗っかって揺れる。水着姿だから制服よりもボディラインがハッキリしてて、もはや視界への暴力だ。

    「ううう羨ましくなんてないわよ!だから強調するのをやめなさい!破廉恥よ!」

    「あらそうですか?先程から私の胸に視線が釘付けでしたので……ふふ、『目は口ほどに物を言う』、とも言いますから」

    「!?」

    い、いや、確かに見てたけど! しょうがないでしょ!? あんなに強調されて見ない人なんていないわよ! 確かにこのちんちくりんなポンコツボディと比べちゃったけど……

  • 60124/09/26(木) 19:13:16

    「もっと素直になっていいんですよ? どうです? そんなに興味がお有りなら……

    触って、見ますか?」

    ……触る? どこを? も、もしかして、あのおっきなおっp……胸を? あ、あの一部の層の夢とか希望とか色々詰まってそうな胸を? 触る? 誰が? 私が? いや、いやいやいやいや、そんなまさか、こんな、こんなえっちな展開、押収品の本でしか……えっ、えっえっゑっヱっe

    「エッチなのは駄目! 死刑!」

    ぐるぐる。定まらない思考に混乱が頂点に達し、思わず口から理不尽な死刑宣告が飛び出した。聴聞会もビックリのスピード判決を下しちゃった……。

    「ふ――冗――で……」

    興奮しすぎたせいか体が熱い。息が切れる。吸っても吸っても楽にならない。心なしか目の前の女の声もよく聞こえな……あ、れ?

    ぐるぐる。巡る思考。回る視界。眩む世界。



    ド ク ン



    心臓が、大きく跳ねた。……そして止まった。

  • 61二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:45:16

    良かった
    本質的な部分はコハルのままだったか

  • 62二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 19:57:21

    楽しみ

  • 63二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 20:30:28

    ハナコ、気を落とさないでね、一応これでもグッドコミュのはずだから…
    病弱キャラの攻略はランダムで発作イベントが挟まるから怖いぜ

  • 64二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 20:40:03

    大丈夫?ハナコのメンタル死なない??

  • 65124/09/26(木) 21:39:23

    【Warning】この先、ハナコファンにはちょっと辛いかもしれない展開があるよー
    口に合わないとおもったらすぐブラウザバックして忘れてねー






    私が平時の思考を取り戻したのは、情けないことに、コハルが胸を押さえて倒れた時だった。

    【コハル!】

    「っ!コハルちゃん!」

    膝から崩れ落ちた彼女を咄嗟に支えたのは、見張りをしていた生徒の片割れだった。

    「……え?」

    呆然とする水着姿の少女……浦和ハナコを尻目に、支えた彼女はそのままコハルを横たえつつ、呼びかけ続ける。

    「コハルちゃん、しっかりして!」

    「救護騎士団を呼んでくる!お前は薬を!」

    「薬……! いつもなら服のポケットに……!」

    もう片方の子が叫んで部屋を飛び出した。コハルを支えている子は呼びかけつつも、薬を探してかコハルの体を探っている。……そうだ!薬!

    こぼれ落ちたコハルのカバン。そこに駆け寄った私は、中を弄って(生徒の私物を漁るなんて真似、本来したくないけれど仕方がない)先程コハルに見せられたアンプルを一本取り出した。そのままコハルの元へ。

  • 66124/09/26(木) 21:40:26

    【薬を取ってきたよ!射つから支えていて!】

    「助かります!コハルちゃんの首に射ってください!」

    アンプルの先端をパキリと折ると、中から小さな針が飛び出した。それをコハルの首に向け……一瞬躊躇したものの、私はそれを突き刺した。

    小さな針はほとんど抵抗を感じずコハルの首筋に突き刺さる。内部の薬液が揺れ動き、コハルの体に注入されていくのが、透明な外装を通して見える。
    空になったのを確認してアンプルを引き抜いた私は、コハルを支えたままの少女に声をかけた。

    【これで大丈夫なのかい?】

    「基本的には。下手に心臓マッサージをするとかえって良くないと聞いていて……あとは救護騎士団の方が来てくだされば……」

    「あ、あの……」

    震えた声。振り返ると、先程まで蠱惑的だった態度が嘘のように大人しくなった少女が、所在なさげに立っていた。

    「その子は、一体……大丈夫なんです、か?」

    ぎこちない足取りで、コハルに近づこうとする少女……ハナコ。しかし、その歩みは止めざるを得なかった。



    ガチャッ!



    金属音を立てて、銃口がハナコに向けられたからだ。

  • 67124/09/26(木) 21:41:25

    「コハルちゃんに近づかないで!」

    なんの装飾もされていない、黒光りする武骨なフレーム。おそらくサブウェポンとして持っていたのだろう拳銃をハナコに向けた少女は、コハルを掻き抱きながら威嚇していた。

    「貴方がコハルちゃんを変に興奮させたから、こんなことに……! この色情魔! これでコハルちゃんに何かあったら……全部貴方のせいよ!」

    「違……! そんなつもりでは……私……」

    まずい。このままでは取り返しのつかない事態になってもおかしくない。
    焦燥感を覚えた私が行動する前に、すでに動いていた人がいた。

    ガシッと拳銃を握った手が掴まれた。



    「落ち着いて。銃を下ろせ」



    白洲アズサだ。

  • 68124/09/26(木) 21:42:22

    「見たところ、彼女……ハナコに敵意はない。偶発的な事故の可能性が高い。勘違いの憎しみで人を撃てば、あとに残るのは虚しさだけだ。

    𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓽𝓾𝓶 𝓮𝓽 𝓸𝓶𝓷𝓲𝓪 𝓥𝓪𝓷𝓲𝓽𝓪𝓼

    だけどそれは、虚しさを広げていい理由にはならない」

    ばに……? よくわからない言葉が聞こえたが、とりあえずアズサの介入を受けて正実の子は落ち着いたようだ。銃は握ったままだが、銃口は下げてくれた。
    ハナコは……愕然とした様子で、ただただコハルを見つめるだけだった。

    ほどなくして、救護騎士団の子たちが到着し、コハルは彼女たちによって担架に乗せられ運ばれていった。
    その日は説明どころではなくなったため解散とし、後日コハルの容態が良くなったとき、再び集まることになった。
    コハルも心配だが、ハナコも心配だ。かなりショックを受けていたようだが、次に会う時は大丈夫だろうか……

    ともかく、まずはなにも状況をわかっていないだろう最後の補習部員、阿慈谷ヒフミに連絡をしなければ。まさかの顔合せでのトラブルに、頭を抱える私だった。

  • 69124/09/26(木) 21:48:12

    ファウスト「あのー……私の出番は、ないんでしょうか?」

    ひぃんそれどころじゃなくなっちゃったからあなたの出番は後だよー

    一応弁明しておくと1はハナコが嫌いなわけじゃないよーむしろ好きだよー!
    ただ性格を考慮すると初対面でコハルの事情を知らないハナコが、コハルの反応を面白がって調子に乗るだろうからこうなるのが自然かなーって思ったからこうなったよー

    いやそうはならんやろって思った人は、自分で書いてみよー
    私にもこの程度なら書けるから全然いけるよー

  • 70二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:55:51

    解釈に相違なし、ハナコの対人スキル的に一度はミスしそうだもの

  • 71二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 22:11:04

    >>69

    むしろハナコなら確実にやるだろうっていう信頼がある

  • 72二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 00:54:00

    でもこのスレのコハルはコハルでとんでもねぇ痴女との初対面だったとはいえ、自分のせいで見知らぬ誰かを傷つけてしまったと思いそうなんだよな

    少なくともアズサは常識をあまり知らないのは変わらなそうだけどこの一件でハナコとコハルがどういう人物か最低限理解したと思うし、これから補習授業部で長い付き合いもあるから常に気を付けていそうだよね

  • 73二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 03:18:53

    辛かろう、悲しかろう…
    たとえ水着を纏おうとも心の弱さは守れないのだ

  • 74二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 03:45:06

    お互いにすれ違いがあってそれでもゆっくりでもお互いに理解し合う

    それが青春だ

  • 75二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 04:16:36

    これはあれだな
    ピーナッツアレルギー持ちの子にそうとは知らずにピーナッツバター食べさせちゃったとかそういうインシデントだな

  • 76二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:25:58

    おいたわしやハナコ氏

  • 77二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 15:36:49

    勉強面ではハナコが見る必要はないだろうから体のケアメインになりそうね
    死ぬほど過保護になりそうだけど!
    後はわざと悪い点とってるのが判明する辺りでセカンドショックかな…

  • 78二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 16:08:19

    このコハルはトリモブに陰口言われたりしてるんだろうか
    悪意に触れた時、何が起こるのかとても興味深い…クックックッ…

  • 79二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 23:14:00

    興奮で心不全はキヴォトスとの相性最悪過ぎる

  • 80二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 09:25:16

    保守

  • 81124/09/28(土) 10:11:17

    ひぃん1週間が終わったよー
    昨日は難産で作って投稿しようとしたらホスト規制に巻き込まれてたよーごめんねー

    続きは今日の夜にでも更新するよー

  • 82二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 16:04:45

    >>81

    やっぱ規制くらってたのか。楽しみに待ってる👍

  • 83二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 16:37:18

    なんか金曜日って広域規制いつもより1時間以上早くない?

  • 84124/09/28(土) 18:51:02

    歪む視界の中。ぼやけた世界の中に映る、女の子が1人。
    こんなはずじゃなかったのにと、表情で語っている、怯えた少女。あんなに大人っぽかったのに、今では私よりも小さな子に見えた。

    違う。違うの。あなたのせいじゃない。私の体が駄目なのがいけないの。人よりも弱い体なのがいけないの。だから……



    そんな顔をしないで。そんな顔をさせたくなくて、私は、正義実現委員会に――

  • 85124/09/28(土) 18:51:42

    「……?」

    意識が戻る。目に映るのはぼやけた世界ではなく、見知った天井。
    明かりが落とされているのか、真っ白い天井も壁も、窓から射す夕日に染まって赤く色づいていた。

    「ここ……救護騎士団の……そっか。私、また……」

    最後に残った記憶と、現在の状況が、私が発作を起こしてここに――救護騎士団の病室に運び込まれたことを示していた。
    体を起こそうと身動ぎして……失敗。一切力が入らない。頭もぼーっとするし、体が熱い。にも関わらず寒気すらも感じる。

    発作を起こした後はいつもこうだ。私の壊れた体は高熱を発して、しばらくはベッドの住人になることを義務付けられる。今までの経験からして、数日はこの有り様だろう。

  • 86124/09/28(土) 18:52:48

    「やっちゃったなぁ……」

    「……何を『やっちゃった』んだ?」

    「はぁ。……興奮しすぎるとこうなるなんてわかってたことなのに。自制できなくて初対面の人の目の前で発作を起こして……はぁ。ふぅ。……あれじゃ自分のせいだって思っちゃう。私が悪いのに。早く謝らな、いと……?」

    横から飛んできた質問に息切れしながらも答えて……アレ?今誰が質問してきたの? そういえば起きてからあまり周りを見れなかったけど、もしかしてこの病室他に誰かいる……?
    どうにか首を動かして声の出どころを向くと、そこにいたのは思いも寄らない人だった。

    長い黒髪。鋭い目つき。血がしたたっているかのような、真っ赤な光輪(ヘイロー)。

    「ツ、ツルギ委員ちょぅモガッ!?」

    「叫ぶな。体に障る」

    正義実現委員会委員長、剣先ツルギがベッドの隣で丸椅子に腰掛けていた。
    突然のビッグネームの出現に驚いて声を出した私だったが、途中でツルギ委員長に口を塞がれてしまった。早い。至近距離にいたのに動き出しがまるで見えなかった。
    思わず黙った私を見て、ツルギ委員長が口から手を離す。憧れのツルギ委員長に触られちゃった……ど、どうしよう。明日から口を洗わないほうがいいのかな……? いやそんなこと言ってる場合じゃない。

  • 87124/09/28(土) 18:53:55

    「ぷはっ! ツルギ委員長、どうしてここにいらっしゃるんですか?」

    「可愛い後輩が倒れたと聞いて様子を見に来ては駄目なのか?」

    「か、かわ……!? い、いえそうではなく! 委員長は今色々とお忙しい時期では?」

    「後輩に会う時間くらいなら作れる。むしろお前は私より自分の心配をしたほうがいいと思うが」

    「うっ……はい。その通りです……」 

    正論すぎて何も言い返せない。言い返す気もないが。
    先程よりもベッドに沈み込んだ私は、思わず目を伏せてしまう。

    「……責めているわけじゃない」

    ツルギ委員長はゆっくりと私の頭に手を伸ばして、触れてきた。おそるおそる、という表現が正しいような、そんなゆっくりした動きでツルギ委員長の手のひらが、私の髪と頭の羽の上を右往左往する。……ちょっとだけ、くすぐったい。

    「当時の状況は見張りの者たちから聞いている。浦和ハナコ……あれはなかなか厄介な人間だが、悪意ある者ではない。これはお前もわかっていることだろうが、ボタンがかけ違えられただけのことだ。浦和ハナコにも、お前にも、責任はない」

    えっと……もしかして、慰めてくれている、のだろうか。私の頭上でフラフラしているツルギ委員長の手を感じながら、私は思った。割れ物注意みたいな感じで触られてるけど、さすがに触れただけで簡単にバラバラになるほど壊れてるわけじゃないんだけどな。
    もしかしてだけど、ツルギ委員長、ちょっと緊張してる?……そんなわけないか。

  • 88124/09/28(土) 18:55:28

    「ありがとう、ございます。……でもやっぱり、謝らないと。あの人……ハナコ、さんは、ずっと引きずってしまう気がするんです。同じ補習授業部としてこれからも迷惑をかけてしまうだろうから……」

    「……コハル。正直に言う」

    立場上声を大にしては言えないが。と前置きして、ツルギ委員長は告げた。

    「私は、お前の補習授業部行きについては反対していた。それは今もだ」

    「……え?」

    ツルギ委員長が、私の補習授業部行きに反対している? それも今も?

  • 89124/09/28(土) 18:56:26

    「もともと、補習授業部はナギサ様――ティーパーティーホスト代行の桐藤ナギサが、ティーパーティーの強権を使い急に作り上げた組織だ。それもわざわざ今の時期に、外部組織のシャーレを巻き込む綱渡りをしたうえで。さらに言えば、お前のような成績不振というにはグレーゾーンな生徒まで何故か入れられている。
    ……明らかに何かがおかしい。何か企ててる可能性が高い。コハル。正直に言ってほしい。補習授業部への移動に納得しているのかどうかを。それによっては、私がナギサ様に直訴する」

    え? ツルギ委員長がナギサ様に直訴って……。とんでもない事態の可能性に、私は息を呑んだ。だってそれは、ティーパーティーの決定に、ティーパーティー統制下の正義実現委員会委員長が楯突くことを意味する。ティーパーティーと正義実現委員会の関係は悪くなるだろうし、何より今の時期にそれが起きれば、トリニティ内部の均衡が変わってしまうことなんて、政治に疎い私にも容易に分かることだ。

  • 90124/09/28(土) 18:57:33

    「な、なんだかすごい話になってきてますけど……うん。ツルギ委員長。私は、補習授業部行きについては納得しています」

    「……」

    「体が原因とはいえ、テストに出席できなかったことは事実ですから。もちろん、ナギサ様に何らかの思惑があることは間違いないと思います。でもそれが、私やみんなに害があることだと決まっているわけではないので。何か、私に補習授業部でやってほしいことがあるのかもしれませんし。――それに、『疑わしきは罰せず』って言いますから」

    ナギサ様が何を考えているのか、政治に疎い私にはわからない。けど、それが『悪いこと』だと最初から決めつけてはいけないと思う。先入観で物事を判断するのは、私には『正義の行い』とは思えないから。

    「……そうか」

    ツルギ先輩は眩しそうに目を細めた。……? 夕日が目に入ったのかな?
    ……というか私、正義実現委員会の委員長相手に何高説垂れてるの!? 私よりも『正義』を熟知してる人に!
    うわーやっちゃった!穴があったら入りたい……。入った後どうせならそのまま荼毘に付してくれないかしら。ほぼ死体みたいなものだし。

  • 91124/09/28(土) 18:58:41

    「……きひ。それがお前の『正義』だというのなら、これ以上私が邪推する必要もない。……補習授業部で、もし今後、上絡みで何かあったらすぐに連絡しろ。私が対応する。お前は自分の体と、テストの点数だけ気にしていればそれでいい」

    発作を起こしたばかりで疲れているところにすまなかった。ゆっくり休め。

    自己嫌悪で固まる私にそう言って、ツルギ委員長は立ち上がり、少し暗く成りかけている病室から去っていった。ゆ、許された……?

    「コハル。お前が無事に戻ってきて、また正義実現委員会として共に活動できることを、私は期待している」

    そう言い残して。

    ……ツルギ委員長。トリニティの戦略兵器とすら称される女傑。今まで話したことは数えるほどしかないけれど、私、ツルギ委員長にここまで期待されてたんだ。前線に立てない役立たずの私が。
    申し訳無さとともに、少しばかりの嬉しさもこみ上げる。

  • 92124/09/28(土) 19:01:35

    「よーし、ツルギ委員長に期待されてるんだもの。大手を振って正義実現委員会に戻れるように、頑張らないと」

    そのためにも、まずはこの体をなんとかして、補習授業部の人たちに、ハナコさんにもう一度会わなければ。
    一つ息を入れて、私は目を閉じた。さっきまではツルギ委員長の衝撃でふっ飛んでいた気だるさがぶり返し、高熱がたちまち意識を奪い去っていった。

    結局、私が再び動けるようになったのは5日ほど経ってからのことだった。




    ひぃんツルギがツルギしてるか自信ないよ―
    ただ奇声を発して暴走するだけのキャラじゃない、むしろ正義実現委員会で一番冷静な可能性のある子だよー
    ただ内面の乙女さは先生相手でもなきゃそうそう見せないからこうなったよー
    違和感感じた場合はスレ主の技量不足だよーごめんねー

    あと明日は用事があってよほど筆が滑らない限り投稿はないよー

  • 93二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:40:57

    ツルギの安定感半端ない
    優秀過ぎて余りイベントに出してもらえない事だけが欠点

  • 94二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 20:45:51

    戦闘で暴走しない限りは信頼できる生徒の一人だし今後も楽しみだ

  • 95二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 07:03:00

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 10:52:13

    コハルが学力が比較的高い方って設定がどう作用するか楽しみだねえ

  • 97二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 11:16:01

    あ~…アズサも吸収力高いし二回目でクリアもあり得るのか…
    ナギサの妨害が強引になるかも知れないねこれ

  • 98二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 11:18:22

    このコハルを補習授業部に入れたら正実が反発するのは目に見えてるのに強行したナギサ様は原作よりメンタルが危なそうなのでそういう意味でも怖い

  • 99二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 12:41:31

    これハナコがだいぶ過保護になると思うんだけど、ナギサ様は“あはは”だけで済むのか?本編の2割増くらいにはなってない?

  • 100二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 13:08:31

    ツルギから上がらみでなにかあったら報告しろって言われてるからコハルがどこまで報告するかで話がかわりそう
    ゲヘナへ行ってテスト、大幅な必要点数アップ、連帯責任での退学、ナギサの暗殺阻止
    初手報告した時点で動きそう…

  • 101二次元好きの匿名さん24/09/29(日) 21:17:46

    雨降って慌てて服を片付けた時に風邪ひいてそう

  • 102124/09/30(月) 06:05:14

    おはようだよー
    今日からまた1週間がんばっていこー
    はやめのほしゅだよー

  • 103二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 13:19:32

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 18:43:20

    >>101

    コハルだけ水着の上から毛布かけられてそう(水着自体は着せる)

  • 105124/09/30(月) 18:53:47

    【Warning】ひぃん此処から先、原作ではあり得ない人間関係が飛び出すよー
    if展開の二次創作の醍醐味だよねってスレ主は思ってるけど、万人に受け入れられるとは思ってないから、読んでていやそうはならんやろ!ってなった人は、こんな落書き帳の内容なんて忘れてブラウザバック推奨だよー



    準備はいーい?
    一日空いたからちょっと長めだよー

  • 106124/09/30(月) 18:54:32

    私――下江コハルの朝は、まず体調の把握から始まる。
    意識を取り戻したら、体に倦怠感があるか確認。ベッドの脇に置いてある体温計に手を伸ばして熱を計る。

    「……36.4。平熱よりちょっと高いわね」

    体が動くようならベッドから抜け出し、コップ一杯の水を飲む。喉を潤したら手すりを伝って洗面台へ移動し、顔を洗って意識をしゃっきりさせる。普段よりも体温が高めだからか、水が冷たく感じてちょっと気持ちがいい。

    あまりウロウロ動きたくないので歯磨きまで済ませ、再びベッドへ。朝食としてゼリー飲料を飲んだあと、いくつもの錠剤を水で流し込む。10種類位あるから毎日飲むのは大変だけど、飲まないと体が持たないから仕方がない。
    ベッドに座って休みながら、ゆっくりと制服に着替える。普通の人はパッパと済ませるんだろうけど、私にとっては結構な重労働だ。言うことを聞かない体を叱咤しつつ、どうにか着替え終えたら少し休憩。あがった息を整えつつ、姿見をつかって身だしなみを確認する。……うん。大丈夫。裏返しになってたりはしないみたい。もう一回着替え直しは体力が持たないわ。

    ベッドに座って待つことしばし。ようやく薬が効いてきたのか体が楽になったので、ベッドから離れて荷物を装備。カバンよし。帽子よし。愛銃よし。日傘も錠剤もアンプルも、"最後の手段"もカバンの中にちゃんと入ってる、よし。
    最後に予備のアンプルを、私の制服に誂えられた専用ポケットに差し込んで、準備完了。

    あとは待つだけ……と思っていたところに、インターホンが鳴り響く。

    「はい。いま出ます」

    だいぶ動かしやすくなった体で玄関を開けると、扉の前には、この寮で一番お世話になっている人物が私に笑みを見せていた。

    「おはよう。コハルちゃん」

    「おはよう、アイリ。いつもありがとう」

  • 107124/09/30(月) 18:55:18

    「この間、発作を起こしたって正実の人たちから聞いたんだけど、大丈夫?」

    「とりあえず症状は収まったから大丈夫。調子が良い、とは言えないけれど……発作のあとはしばらくこうだから。ある意味平常運行よ」

    アイリと二人、並んで通学路を歩く。まだ朝早い時間帯だ。不良はおろか、通行人すらほとんど姿が見えない。
    アイリはさほど戦える子ではないし、私に至っては戦ったら勝ち負けに限らず光輪(ヘイロー)が砕ける可能性がある。なので、下手な諍いに巻き込まれないよう、私とアイリは早朝に学校へ向かうことにしていた。

    「そっかー……無理しないでね、コハルちゃん。私にできることがあったらなんでも言ってね。力になるから」

    「既に随分力になってもらってるけどね。私一人だと学校に行く間に発作が起きたらどうしようもないし……こうして朝早くから付き合ってもらってること、本当に感謝してるの。これ以上を望んだらバチが当たるわ」

    「そんなことないよ。コハルちゃんが悪いわけじゃないんだから。……あ、そうだ!」

    ゴソゴソとアイリが何かを探し出す。しばらくの間を置いて彼女が取り出したのは、袋に包まれた……

    「じゃじゃーん! 干し芋! の、チョコミント味だよ! 健康に良いって話題になっててこの前買っておいたの!」

    「へぇー、ありがとう。干し芋のチョ……なんて???」

    「干し芋の、チョコミント味! そのものずばり干し芋にチョコミントを練り込んでるんだって!」

    「あ、ありがとう……」

    あ、ちょっと待ってて。今ちぎるから。

    そう言ってアイリはどぎつい色の干し芋を袋から取り出し、せっせと一口サイズにちぎり始めた。

  • 108124/09/30(月) 18:56:30

    栗村アイリ。所属は『放課後スイーツ部』。トリニティには美味しいスイーツがたくさんあって、名前の通り放課後に集まっては部員たちとスイーツを味わっている。のだけれど……この子、いつからかチョコミントにドハマリしてて、おすすめしてくるスイーツがだいたいチョコミント味なのよね……。
    正直に言うとちょっと味が薬っぽくて好きではないんだけど、せっかくの好意だからといつも断らずにもらっている。

    「おまたせ! はい、どうぞ」

    「ありがと。いただきます」

    喉を詰まらせないようにと細かくちぎられた、空色に近い干し芋の破片を口に含む。……うん、チョコミントだ。食感だけ干し芋。何とも言い難い……。

    「一杯あるから、遠慮せずに食べていいよ!」

    「ありがとね。だけど、さっき朝ごはん食べたばかりだから、申し訳ないけど遠慮しておくわ」

    「そっかー。また食べたくなったらいつでも言ってね」

    ゼリー飲料を飲んだのを朝食というべきかは疑問だけれど、朝から固形物を摂取すると胃が受け付けてくれなくて吐く可能性が高いのは事実だ。でもそれを言うと心配させてしまうから、朝ごはんを食べたことを口実にして少量だけ頂いた。

    話はそのままアイリの近況に移る。放課後にみんなで食べたスイーツについてとか、ミラクル5000が人気すぎてだいたい買えないとか。私はそれに相槌を打ちつつ、時折休憩しながらゆっくりと校舎へ向かう。

  • 109124/09/30(月) 18:57:45

    ――アイリとの出会いは、別に特別なことは何もない。トリニティに入学して間もない頃、体調を崩してうずくまっていた私に、お人好しだったアイリが声をかけてきたのが切っ掛け。
    人に迷惑をかけたくなかった私は、最初強がって助けを断ったらしいんだけど、立ち上がった後倒れてしまったみたい。伝聞系なのは、申し訳ないことに当時のことをほとんど覚えてないから。意識を取り戻したあと、死んじゃうんじゃないかと心配したってアイリに泣かれちゃって大変だった。

    それから、同じクラスだったことも相まって、アイリは私に世話を焼くようになった。こうして早朝から登校に付き合ってくれるのもその一環。おかげさまで調子が悪いとき、発作が起きることを恐れて学校に行けないことも減り、もうアイリには足を向けて寝られない。
    その献身さに報いたいんだけど、この子ったら無欲すぎるのよね……。せめてものお返しとして、『放課後スイーツ部』の設立時には、トリニティの部活創設方法について調べあげて協力したけれど……こんなことで恩を返しきったとはとても言えない。
    受けた恩に報いることは、正義実現委員会の『正義』以前に、人として為すべきことだから。

    「……? コハルちゃん、急に黙り込んだけど大丈夫? 無理してない?」

    「……あ、ごめんなさい。ちょっとボーっとしちゃって。 休憩もとってもらってるし、無理はしてないから大丈夫」

    「そう? ならいいけど……」

    そんな恩人と一緒に歩くことしばし。ちらほらと他の生徒の姿が見えてきた頃に、私たちは校舎にたどり着いた。

  • 110124/09/30(月) 18:58:18

    お嬢様学校らしく、掃除が行き届いたトリニティの教室。朝早く出た私たちだけど、移動時間が長いのもあって、ついた時には既に何人ものクラスメイトたちがそこかしこに散らばっていた。各々、友人と喋ったり、受けるカリキュラムの準備をしたりと思い思いに過ごしている。

    「あ、来た! アイリ、コハル! おはよう!」

    今話しかけてきた子も、そのクラスメイトの一人。

    「おはよう、ヨシミ。みんなも」

    「おはようヨシミちゃん。カズサちゃんにナツちゃんもおはよう」

    「おはよ二人共。朝は一緒に行けなくてごめん。そこのバカが起きてこなくてさ」

    「ふっふっふっ……。浪漫関係なく普通に寝坊してしまった。本当に申し訳ないと思っている」

    「ならもう少し申し訳無さそうにしなよ……」

    金髪に私と同じくらいちっちゃ「ちっちゃいって言うな!」「急にどうしたのヨシミ?」「いつものことだろう。気にしなーい気にしない」……同じくらいの背丈が特徴的なツンデレ系、井原木ヨシミ。

    呆れ顔でナツにツッコミを入れる、猫耳が特徴的な黒髪クール系、杏山カズサ。

    パックのイチゴミルクを飲みながらカズサと漫才を繰り広げる、言動が特徴的な不思議ちゃん系、柚鳥ナツ。

    全員『放課後スイーツ部』に所属しているアイリの仲間で……私の友達だ。

  • 111124/09/30(月) 18:58:49

    「聞いたわよ。数日前にその……"アレ"を起こしたって。大丈夫なの?」

    「別に伏せ字にしなくてもいいのに。発作は起こしたけど、先生に助けられたから大丈夫。心配してくれてありがとう」

    「おー。流石は先生。生徒の危機には必ず駆けつけるその姿、さながらコーヒーについてくるガムシロップのごとく。一人の師として誉れ高いよ。……にひ。ここではあんまりコーヒーは飲まれないけどねー」

    「どこから目線の発言なのそれ……コハル。ちょっと動かないで」

    「?」

    カズサに呼びかけられて、椅子に座った状態で身動きを止める。カズサは見かけ通りの、猫みたいなしなやかな動きで私に近づいて……

    ピトッとおでこを私のおでこにくっつけた。

    「……ひゃわっ!?」

    「大胆だねー」

    「そこうっさい。急にごめんコハル。でもアンタ無理してることもあるから確認しないと怖くて……うん。ちょっとだけど普段より高めかな。薬を飲む時間調整したほうがいいかも」

    「私も同じこと考えてた。お昼前に飲んでおいたほうがいいと思うの。今日はコハルちゃん午後から補習授業部の人たちと顔合せするって聞いてて……だよねコハルちゃん?」

    「ふう、ふう……へ? あ、うん。この前は台無しにしちゃったから、今回は失敗しないようにしないと。今日は早めに薬を飲むことにするわ」

    れ、レベルの高い顔が急に目の前に来たからびっくりした……。カズサってば、ナチュラルにこういうことするからドキッとする。別の意味で心臓が持たないって。

  • 112124/09/30(月) 18:59:15

    ドキドキする胸を押さえ……ると普通に心配されて救護騎士団を呼ばれかねないので代わりに深呼吸を繰り返す。動悸を落ち着かせている間、さりげなくナツが背中を擦ってくれた。こういうところが憎めないのよね、この不思議ちゃんは。

    「放課後はどうするの? コハルを顔合わせの場所に送らなきゃでしょ」

    「あ、それについては補習授業部の部長の人が迎えに来てくれるらしいから、私一人でも大丈夫。みんなは安心して甘いものを楽しんできて」

    「いやアンタを一人にするほうが心配だから。ちゃんと部長さんに引き渡してから行くわ」

    「そ、そんなに私信用ないの?」

    「んーまあ仕方がないね。信用というものはミルクレープの如く積み重ねてこそ。一枚二枚だとほとんど味のしない単なるクレープ生地だからね。コハルはちょくちょくクレープ生地を食べちゃってるから、最早ミルクレープとは言えないのだよ」

    「本当その言い回しわかりづらいわね……言いたいことはわかるけど」

    「ま、まあこれがナツちゃんだから」

    今までの積み重ねがあるからか、悲しいかな、私の健康に関しての発言はあんまり信用されてないようだ。結局補習授業部の部長さんが来るまでみんないてくれることになった。ありがたいけれど、友達の時間を奪っちゃってて申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

  • 113124/09/30(月) 18:59:48

    午前中はカリキュラム通り学習を進めることになる。
    ここキヴォトスではトリニティに限らず、授業というものはなく、BD教育による個人学習が基本なんだけれど、私にとってはこれがありがたい点だ。何と言っても自分のペースで進められるから、体調が良ければ本来の予定よりも……それこそ一学年上の生徒が習うような内容を学習することができ、体調が悪ければ途中で中断することもできる。

    「コハルちゃん、本当に大丈夫?」

    そう、ちょうど今みたいに。

    私は現在教室を退席して、中庭の木陰の下、アイリの膝を枕にして横になっていた。
    といっても、そこまで体調は酷い方ではないのよ? ちょっと休憩しようと思って席を立ったら立ち眩みを起こして、隣のアイリに支えられただけで。発作を起こしたわけでもないのに、さっきまで救護騎士団を呼ばれかけてたから大変だった。こんなことでいちいち呼んでたら騎士団の人が過労死しちゃうって。

    「一瞬ふらついただけだから、大丈夫。こうして横になってればそのうち治るから。……ごめんね、勉強の邪魔した上に膝まで借りちゃって」

    「気にしないで。カリキュラムは後からでも取り返しがつくから。コハルちゃんの体のほうがよっぽど大事だよ。それよりも、今日はどうする? 顔合わせは、また明日以降にしておく?」

    「……いや、今日終わらせておかないとテストのスケジュールが厳しいわ。ただでさえ6日ロスしてるんだもの。今の体調でもマシな方だし、これ以上調子が良くなる日を待ってたら留年しちゃう」

    「そっかー……ならせめて、少しでも休んでおいて、顔合せに備えないとね」

    本当、ままならない体に生まれたものだ。おかげでアイリへ返す恩がまた増えてしまった。せめて、せめて午後からは多少良くなってますように。心の中で祈りながら、私はアイリの好意に甘えて目を閉じた。私の頭の羽を撫でるアイリの手からは、かすかにチョコミントの香りがした。

  • 114124/09/30(月) 19:00:15

    お昼時、今日の分のカリキュラムが終わったらしいみんなが合流して、お昼ごはんを食べ始めた。
    私はと言うとちょっとお昼は入りそうになかったので、持ってきてたゼリー飲料を少し飲み、昼前に飲んだ薬とは別に、ちょっと強めの薬を追加で飲んで横になっていた。この薬、効くんだけど副作用で眠くなるのよね……。
    うつらうつらとアイリの膝の上で船を漕いでいると、スイーツ部のみんながなにやら話しているのが聞こえる。耳をそばだててみるけど、ボーっとしている頭では何を言っているのか咀嚼できない。そのうち眠気がピークに達して、私は一人夢の世界へと旅立った。

  • 115124/09/30(月) 19:01:35

    「アイリ。コハルは寝ちゃった?」

    「うん、ぐっすり。顔合せの間は持たせたいって、いつもより強いのを飲んだから……」

    「……寝てるとこ見るといつも思うけど、なんというか、同じ高校生には見えないわね」

    「ヨシミ。ブーメラン刺さってる」

    「誰がちんちくり「ヨシミちゃん、シーッ」あ……ごめん」

    「それにしても、難儀なものだねー。こうして薬をたくさん飲んでも、日常生活すらままならないなんて」

    「これでもマシな方なんだけどね……本当に具合が悪いときのコハルちゃん、ベッドから起き上がることもできないから」

  • 116124/09/30(月) 19:02:14

    「……なんでここまでして学校に来るんだろう、コハルって」

    「チッチッチ、わかってないなー中学時代に学生生活を投げ捨ててた仔猫ちゃんは」

    殴打音。

    「あんまふざけたこと言ってるとはっ倒すよ?」

    「そ゛れ゛は゛は゛っ゛倒゛す゛前゛に゛言゛う゛セ゛リ゛フ゛……こほん。気を取り直して言うと、学生生活というものは人生で二度とない時間なのだよ、諸君。大人になる前のモラトリアム。盗んだバイクで走り出してもギリ許される期間。余人はそれを、『青春』と呼ぶ。
    その貴重な時間を病院と自宅の往復で不意にするのは、さながらショートケーキのイチゴを食べずに捨てるようなもの。人生一度きりの甘美な瞬間をドブに捨てるのは、少々……かなり……めちゃくちゃもったいないと、私は思う。コハルも、同じ考えなんじゃないかなー?」

    「長い。三行」

    「学生生活は
    浪漫だぜ
    べいべー」

    「雑にまとめたわね……」

    「あ、コハルちゃんが起きた」

    「……ぅぁ」

    「おはようコハルちゃん。ぐっすり眠ってたけど、いい夢は見れた?」

    「……おはよぅ……なんか、狐とお喋りしてた気がする」

    「……狐?」

    「狐じゃなくて猫ならほらここ目の前に待って暴力反対人は話し合いで解決できる生き物でぐえー」

  • 117124/09/30(月) 19:08:46

    ひぃん放課後スイーツ部の掛け合いは書いてて楽しいけど難しいよー特にナツが鬼門すぎるよー
    できる限り誰が喋ってるかわかりやすいように頑張ったけどわからなかったらごめんねーちなみに台本形式では書くつもりないよー

    序盤から結構ヒントは出してたつもりだけど、明言するとここのコハルは人見知りじゃないよーむしろ社交的だよー
    周りに助けられないと行きていけないから仕方ないねー

    ファウスト「あはは……ところで私の出番、まだですか?」

    ……ひぃん次回には出てくる予定だよー(半泣き)

  • 118二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 19:13:54

    何をしてるセクシーフォックス…

  • 119二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 19:40:51

    セクシーフォックスは何吹き込んだんだ……

  • 120二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 00:14:39

    これまでの流れからしてファウストはあと2~3日後になりs…おや?こんな時間に誰かな?

  • 121二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 07:13:19

    ほしゅ

  • 122二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 16:49:58

    ほしゅ

  • 123二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 16:56:03

    今更なんだけど、朝10錠ならともかく、朝だけで10種類はかなりヤバイな。
    普通に考えたら本人が動けるといっても絶対に病院内からは出さないし、中距離の歩行も許したくないぞ。

  • 124二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 16:58:07

    お...思ったより病弱だな...

  • 125124/10/01(火) 19:09:09

    ひぃん鋭いレスがあってちょっとドキッとしたよー
    「キヴォトスでは!!」って言いたいところだけどぶっちゃけ「キヴォトスでも!!」だよー間違ってないよー
    今のところこれ以上は何も言えないよーごめんねー

    あ、今日は筆の乗りが悪かったから更新できるかわからないよー
    22時まで動きがなかったら何もないよー

  • 126二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 22:28:59

    いつまでも待つ

  • 127二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 00:24:43

    お、お労しいってレベルを超えてる…

  • 128二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 07:59:19

    期待保守

  • 129二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 12:08:26

    90代のウチの祖父母でも毎食後6錠とかだぞ……

  • 130二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 12:23:28

    >>129

    身体悪くしてて実感してるんだけど、身体悪くした時の服薬って一回の量より1日の服薬するタイミングが増えてダルいんよな。(朝昼夕食後、薬飲んでから2時間毎、睡眠前…等々)

  • 131124/10/02(水) 18:47:04

    薬の効果と睡眠でようやく体のエンジンがかかった私は、放課後スイーツ部の面々と共に、教室で補習授業部の部長を待っていた。

    「そういえばさ。迎えに来るって話の補習授業部の部長って……誰?」

    「いや知らないわよ。そもそも『補習授業部』なんて部活自体今回が初耳だもの。コハルは何か聞いてたりしない?」

    「ううん。この前の顔合せでは私が倒れちゃったから、会えてないの。あの時会った2人は部長じゃないっぽいし……あ、でも先生曰く【頼りになるいい子だよ】って」

    「その評価、先生から見た大体の生徒に当てはまるんじゃ……?」

    確かに。先生にはあの時あったっきりだけど、生徒に優しそうなぶん、生徒への人物評価もだいぶ甘そうではある。
    ……そういえば、この前助けてもらったお礼、まだ伝えられてなかったな。
    肩にかけたカバンの紐をぎゅっと握る。その中にはクリーニングに出しておいた、あの日借りたまま返せなかった先生のコートが入っている。

  • 132124/10/02(水) 18:47:40

    「……にしても、遅いねー。場所、ほんとにここで合ってる?」

    「間違ってはない、はず……だけど……」

    ナツの疑問につい不安になり、モモトークを開く。ハスミ先輩のモモトークに記された情報には、確かに私の教室まで迎えが行くと書かれていた。
    だが予定の時間から10分ほど経っているのも事実。不安に駆られた私は、誰か教室の外に来ていないかと扉を開けて確認することにした。

    「――ん? 足音……っ! コハル危なっ」

    「え?」

    カズサの声に反応して扉に手をかけたまま動きを止めるのと、その扉が突然開いたのは全く同タイミングだった。



    「すみません遅くなりましわぁっ!?」



    「ひゃあっ!?」

    突然扉の向こうから突撃してきた誰かを、小柄な私が支えられるはずもなく。勢いに負けて押し倒された私は、ゴチンと後頭部を床にぶつけるのだった。

  • 133124/10/02(水) 18:48:20

    「痛たた……ごめんなさい、足を引っかけちゃって……て、大丈夫ですかっ!?」

    し、視界で星が散ってる……。レイサから見た世界ってこんな感じなのかな……?
    トリニティのスーパースターを自称している、この場にいない友人本人が聞いていたら「はい?」と素で返されるような謎の思考を繰り広げている間にも、状況は変化していた。

    「ちょっ! コハル大丈夫!? 思いっきり頭打ってたけど!?」

    「ヨシミちゃん揺らしちゃ駄目! コハルちゃんちょっと帽子取るよ……うん、切ったりはしてないね。気持ち悪かったりはしない?」

    「素晴らしくダイナミックな突入だったねー。10点。……で、私の友達をエアバッグにした感想はいかが?」

    「というか、普通ノックぐらいしない? ……てかアンタ、誰?」

    カオスだった。テンパって私を揺らすヨシミ。それを落ち着かせつつ応急処置をしてくれるアイリ。
    珍しく言葉に棘があるナツ。正論だけど棘しかないカズサ。

    この自慢の友人たちはみんな優しいんだけど、仲間を傷つけられると割と沸点が低くなるところがある。特にアイリとか……あと何故か、私とか。アイリはわかるけど、私、こんな体でも一応は正義実現委員会の人間なんだけどな……。
    ああまずい。カズサが睨んでる。この子ツリ目の美人だから睨むとめっちゃ怖いのよ。この辺で止めないと相手が可哀想だ。

  • 134124/10/02(水) 18:48:45

    「だ……ゲホッゲホッ! ――大丈夫、血も出てないし、ちょっとチカチカしただけだから。すみません、扉が開くとは思ってなくて……」

    「いえいえいえ私が悪いんです! 急いでて扉の前に人がいるか考えてませんでした……本当にごめんなさい! もし怪我してたら言ってくださいね、治療費はお出ししますので……」

    「いやほんとに気にしないでください、そこまですることでは……と、ところでこの教室には何をしに?」

    「あ、そうでした!」と相手が気を取り直したタイミングで、アイリが私の応急処置を終え、初めて相手を見たとき「……あれ?」と首を傾げた。あ、いつの間にか頭の打った部分に保冷剤が当てられてる。冷たくて気持ちいい。

    「ここで待ち合わせをしている人がいまして、正義実現委員会の『下江コハル』さんはいらっしゃいますか?」

    「――ヒフミちゃん?」

    「え?」

    え? 知り合いなの?

  • 135124/10/02(水) 18:49:23

    「えと、この流れで紹介するのもなんだけど……こちらは『阿慈谷ヒフミ』ちゃん。トリニティの2年生で、私のお友達なの。ヒフミちゃん、こっちは前に言ってた私のお友達で、同じ部活の仲間たち」

    「やぁやぁ、はじめまして。私はトリニティ総合学園は一年生の柚鳥ナツと申すもの。浪漫、探してます。見かけたら是非ご一報を。……あ、こっちの警戒してる野良猫みたいなのはキャスは゜っ!?」

    「杏山カズサです。このバカの言うことは無視してください。……先程は先輩と知らず、申し訳ないことをしました。失礼しました」

    「ナツ……アンタそろそろ頭の形変わっちゃうんじゃない? あ、私は井原木ヨシミって言います! いつもアイリがお世話になってます」

    「あ、あはは……ご紹介に預かりました、阿慈谷ヒフミです。取り柄がないのが取り柄な普通の人間ですが……どうぞ、よろしくお願いします」

    そう言って、阿慈谷ヒフミさん――ヒフミ先輩はペコリと腰を深く曲げて頭を下げた。背負ってる、なんか変な鳥?のリュックサックがそれに合わせて揺れる。
    一部生意気といっていい様子の後輩に対して、すごく腰の低い人だ。なんというか、アイリと似たような雰囲気がある。学年の差があるのに友達になれたのも納得というか……

    「……で、ヒフミちゃんが探してる人が、ここにいる下江コハルちゃん。今ちょうどぶつかっちゃった子だね」

    「改めて、はじめまして。正義実現委員会の下江コハルです。よろしくお願いします。――おっとと……ありがと。
    もしかして、迎えに来る補習授業部の部長さんってヒフミ先輩であっていますか?」

    アイリの助けを借りて立ち上がる。さっきまでアイリに抱き起こされて背中を預けた体勢で固まってたせいか、あるいは頭をぶつけたせいか、立ち上がった瞬間ちょっとフラッとしたけれど、目ざといヨシミが支えて補助してくれた。

  • 136124/10/02(水) 18:50:13

    「あう、そのとおりです。さっきまでちょっとティーパーティーに呼び出しを受けてまして、到着が遅くなりました……すみません」

    「大丈夫ですよ。気にしてませんから。無事に合流できて良かったです」

    「そう言っていただけると助かります……。あ、あの、遅れてきた私が言うのも何なんですが……とりあえず、コハルさんにはついてきてもらってもいいですか? もう皆さん集まってまして、コハルさんで全員揃いますので」

    「あ、はい。大丈夫です」

    返事をしながら、皆の方に――ここまで付き合わせてしまった友達の方に振り返る。

    「皆今日はありがとう。色々と助かったわ」

    「気にするようなことじゃないわよ。私たち、友達でしょ?」

    そう言って、ヨシミがウインクする。隣でアイリもうんうんと頷いていた。
    ……本当に、私は人に恵まれている。体には恵まれなかったけれど、この関係だけで十分だ。ちょっと目頭が熱くなった私は、誤魔化すように顔を背けた。

    「……こほん! お待たせしてすみません。もう大丈夫です」

    「では行きましょうか。先生ももう到着して向こうで待ってますので……ではアイリちゃん、皆さんも、コハルさんを連れて行きますね」

    「ヒフミちゃん、コハルちゃんのこと、お願いするね」

    「はい、任されました!」

    「コハルちゃん。念を押すけど、無理しちゃ駄目だからね? 気をつけて行ってきてね!」

    「ありがとアイリ。行ってきます!」

  • 137124/10/02(水) 18:50:58

    あ、事情は聞いてますので、一応車椅子を用意しておいたのですが……使いますか?

    いえ、今日は自力で歩けるので大丈夫です。お気遣いありがとうございます。

    そんなやり取りをしながら、私はヒフミ先輩に連れられて教室を出ていった。扉を閉めるとき、パック飲料を飲みつつ手をひらひらと振るナツにちょっと手を振り返しつつ、心配そうな目で見てくるカズサに「大丈夫」と目で伝えて。

    「……行っちゃったわね。あの子、大丈夫かしら」

    「薬が効いてる間は大丈夫のはずだけど……心配だなあ。後でヒフミちゃんにモモトーク送っとかないと」

    「何を送るの?」

    「コハルちゃんの体の注意点について。補習授業部に移動するって言うから、作っておいたほうがいいかと思ってまとめておいたの」

    「……アイリって、時々凄い行動力があるわよね」

  • 138124/10/02(水) 18:52:07

    友人二人がわいわいと和やかに話をしているのを横目で見ながら、カズサは隣でパック飲料を吸っている友人に声をかけた。

    「……どう思う?」

    「んー……『作って半日経った無添加マフィン』ってとこ」

    「『要警戒』、ね。根拠は?」

    「あの人、重心移動にブレがないね。結構逃げ慣れてる、もしくは追いかけられるのに慣れてるっぽい。ちょっとどんくさそうだけど、どこまでほんとなのか。そういうキャスパリーグさんは、どう?」

    「『匂い』がするのと、ああいう人畜無害そうな奴は割と『裏』にもいて、大体とんでもない奴だったとだけ」

    「んー……」

    ジュゴゴゴゴッと残りの飲料をすべて吸いきったナツは、ストローから口を離して小声で結論付けた。

    「まあ、今は様子見かなー。コハルの様子にだけ注意しとく感じで」

    「了解」

    放課後スイーツ部はお人好しの集まりではない。一部がお人好しなぶん、残りの一部が外部を警戒しているのである。

  • 139124/10/02(水) 18:54:07

    ヒフミ先輩に連れられて歩くことしばし。トリニティ本校舎のとある空き教室にまでやってきた。

    「ここが、私たち補習授業部が借りる教室です」

    ちょっと忘れ物をしたので取ってきます! 先に入っていてください! と、扉を開けてくれたヒフミ先輩に入るよう促され、「失礼します」と声をかけながら入室する。

    空き教室は、少人数で使う分には十分なほどの広さがあった。トリニティらしい清廉さが表れた、控えめな装飾の施された壁。奥には1枚の大きな黒板が設置され、その前に長机が複数と、一つの机につき複数の椅子がセットされていた。特別なことは何もない、ありふれたトリニティの教室だ。

    【久しぶりだね、コハル】

    黒板の前、教卓の上でなにやら本を読んでいた、以前お世話になった大人がこちらに気づいて声をかけてきた。

    「あ……お久しぶりです、先生。この前はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

    【迷惑なんかじゃないよ。コハルが無事でよかった。体は大丈夫かい?】

    「元気です……というと嘘になりますけど、一応は。発作を起こすとしばらく良くないのはいつものことなので、気にしないでください。動けないわけではないので。あ、あと……」

    カバンの中から白いコートを取り出して先生に渡す。クリーニングに出しておいたことを伝えると、先生は【そこまでしなくてもよかったのに……】と、苦笑しながらも受け取ってくれた。

  • 140124/10/02(水) 18:54:56

    【ありがとう】

    「こちらこそ、先日はありがとうございました。先生が薬を打ってくれたおかげで、今の私がありますから。……ところでなんですが」

    ちょいちょいと先生を手招きする。察しのいい先生は、私が何か小声で話したいことがあると悟ったのか、しゃがんで耳を傾けてくれた。そのままお耳を拝借。

    「あの、私の見間違いじゃなければ、他に誰もいなさそうなんですけど……あの日の二人はどちらに?」

    【ああ、それなら……】

    ガチャッという音がして、先程閉めたはずの扉が再び開いた。 

    「長丁場になりそうだから、飲み物を入手してきた。夏場はこまめに水分を取らないと作戦行動に支障が……あ」

    現れたのは白髮白羽の、あの日見た少女だ。以前と違う点は、ゴツいガスマスクをつけていないところか。物騒な事を言っていた少女の顔は、天使のように整っていた。

  • 141124/10/02(水) 18:56:21

    「下江コハルだな。無事だったのか。以前倒れてしまってから会えなくて心配していた。見舞いに行こうかと思ったんだが面会謝絶で、救護騎士団のガードも固くて」

    「ええと、白洲アズサさん……よね? その節はどうもありがとう。あの時、正実の見張りの子を止めてくれたって後から聞いたの。もし止められなかったら、あの子の『正義』はあそこで砕けてたかもしれないから……本当に感謝してる」

    正義実現委員会に所属する人間が、感情に任せて引き金を引いてはいけない。……まあ状況によるし、そんなことを言ってられない事態もあったりするけれど、あの場面ではハナコさんを撃つととてもややこしいことになる可能性があった。
    ハナコさんはただ水着姿で私をからかっただけだ。私が倒れたからといって武力行使するのは、正義実現委員会の人間としては問題になるだろう。ハスミ先輩たちなら小さな問題として処理してくれそうだけど、外部に漏れると、正義実現委員会を快く思わない人たちが騒ぎ出していたかもしれない。それを防いでくれたアズサさんには感謝しなければ。

    「『正義』についてはよくわからないが、あそこで撃たせてはいけないと思った。ただそれだけ。そこまで感謝されるようなことじゃない」

    「ううん、それでもお礼を言わせて。あそこで止めてくれなかったら色々ややこしいことになってたかもしれないから……本当にありがとう。アズサさんは天使みたいね」

  • 142124/10/02(水) 18:57:24

    「天……」

    アズサさんは急に頬を染めて俯いてしまった。あれ、私なんかやらかした?

    「ええと、ごめんなさい。なにか気に触った?」

    「違う……。天使だなんて、初めて言われたから……。ちょっと、恥ずかしい……。い、今はこっちを見ないで……」

    ……この子、この前凄まじく物騒なこと言ってた子と本当に同一人物? ちょっと自信がなくなってきた。
    ついマジマジと見つめていたら、恥ずかしさが頂点に達したのかアズサさんは手で顔を、羽で体を覆ってしゃがみ込んでしまった。意外と恥ずかしがり屋さんだったようだ。
    モフモフの繭玉と化したアズサさんにごめんねと声をかけていると、不意に何かを落としたような音が聞こえた。

    振り返ると目に入ったのは、床に落ちた飲み物のペットボトル。それを急いで拾い上げようとする、長いピンクの髪が特徴的な女生徒。
    私の視線に気づいた彼女がこちらを振り向いて、私と目が合った。

    「「あ」」

    互いに同じ反応を返し、その女生徒――浦和ハナコさんと私のあいだに、沈黙が舞い降りた。

  • 143124/10/02(水) 19:01:43

    ひぃん過去一キャラの解像度に自信がないよ―
    これじゃない感があったらもろスレ主の技量不足だよーごめんねー

    次回は……正直うまく書けるかわからないよ―、なぜならスレ主の頭以上に頭いいキャラは書くのが難しいからだよー
    あんまり期待しないでおいてねー

  • 144二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:49:33

    健康と引き換えに思慮深さと判断力を手に入れた正義の心据え置きのコハルはいいぞ…

  • 145二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:06:01

    しかし発足から6日目か今?
    …寝たきりの後にいきなりテスト?

  • 146二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 00:02:07

    カズサとナツかっけぇ

  • 147二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 08:07:04

    >>138

    すげぇ.....ファウストを見抜いてる......

  • 148二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 08:23:03

    ハナコからすれば不慮の事故とはいえあやうく○しかけた相手だろうし気まずさマックスだろうな
    たとえるなら不注意で階段から突き落としちゃった感じか 

  • 149二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 17:18:15

  • 150二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 18:38:02

    ハナコ推しとしてどんなことになってるのか怖くもあり楽しみでもあり

  • 151124/10/03(木) 22:29:30

    先日、地下牢で初めて出会った人。浦和ハナコさん。あのときは何故か水着姿で……え、え、えっちな感じのからかい方をしてきた人だ。アレは駄目よ。えっちすぎて思わず死刑を求刑しちゃったわ。逆に私が死ぬところだったけど。

    これは後で聞いた話だけど、ハナコさんが往来で水着姿を披露して正義実現委員会に捕まったのは本当みたい。なんでも、シスターフッドの礼拝の時間に水着姿で参加しようとしたそうな。……あの厳粛な空間に水着で突入するとか、周囲の視線を想像しただけで心臓が止まりそうになる。マリーさんとか当時半泣きになったんじゃないかな……。

    それはさておき、事情聴取でも煙に巻かれるし、反省の弁も特に見られなかったので、しばらく地下牢に入れられていたと。で、どういうわけか牢の鍵が空いてて、私たちのやり取りを聞いてて……私の発作にまで繋がるわけだ。

    さしずめ、露出狂の気があるだけと言ったところか。うん、やっぱり悪いのは私だ。ハナコさんのスタイルの良さも相まって、すんごい、その、……えっち、だったけど。まさかそれで興奮して死にかける奴がいるなんてわかるはずもない。

    今私の目の前にいるハナコさんは、流石に水着姿じゃなかった。トリニティの制服をきちんと着付けている。……そのはずなのに、何故かどことなくえっちさを感じるのは、初対面の印象に引っ張られてるからだと思いたい。わ、私の頭がピンク1色だからとかじゃないよね……? いや物理的にはピンクなんだけど。

    私の頭については割とどうでもいいので置いておくとして、今重要なのはハナコさんの様子だ。
    ハナコさんはペットボトルを拾ったまま、私を見つめて固まっていた。何か言おうとしているのか、ハクハクと口が動いては、考えが纏まらないのか口を閉じるを繰り返している。……なんか金魚みたいでちょっと可愛いかも。
    向こうが会話を始められないのなら、私からアプローチする必要があるだろう。少しばかり息を吸って、口を開く。

    「「あのっ」」

    やっばタイミング被った。最悪だ、やってしまった……。

  • 152124/10/03(木) 22:30:17

    「……お先にどうぞ」

    「……あー、じゃあ失礼して。えっと、この前は本当にごめんなさい!」

    ハナコさんに頭を下げて謝罪する。下を向いてるので見えないが、ハナコさんが息を呑む音が聞こえた。

    「な……何故? あなたが謝る必要はないはずです。むしろ謝らなければならないのはこちらの方で」

    「そんなことないです。私、下手に興奮するとどうなるかなんて分かりきってたのに、あんなに叫んで……普通はちょっとしたからかいですむやりとりが、あんなことになってしまって。全部私の体が悪いんです」

    「そ……それは違います!」

    ハナコさんは声を張り上げた。お、思ってた以上に大きい声を出せるのねこの人。そんな声を荒げる人には見えなかったからちょっとびっくりした。

    「元々非常識な行動を取っていた自覚はあります。その際、周囲の反応を楽しんでいたのも事実です。……それが、誰かを傷つける可能性があることに思い至らなかった。独りよがりの勝手な嗜好で、コハルさん、あなたを殺すところだった! ……罪があるのは、私なんです」

    「そんなこと……確かに、趣味嗜好として片付けるにはちょっと……え、えっち……でした、けど。でも、ハナコさんの言動は、私以外なら笑い話で済む範疇なんです。相手が私じゃなかったら問題なかったんです。初対面のハナコさんに、私の事情なんてわかるはずないですし」



    「いえ、わかります」



    「ですよね、わかるはず……え?」

    今なんて言ったのこの人? 思わず下げてた頭を上げてハナコさんの顔を見つめてしまう。
    ハナコさんは苦虫を100匹噛み潰したような、辛そうな表情を浮かべていた。

  • 153124/10/03(木) 22:32:33

    「下江コハルさん。15歳。トリニティ総合学園一年生。身長148センチ。4月16日生誕。本来は心身ともに健康でなければ所属できない正義実現委員会に、虚弱の身でありながら所属している異例の人。とりわけ心臓が悪く、興奮したり、激しい動きをすると発作を起こす。直近の功績は、救護騎士団との連携強化による正義実現委員会の救急体制強化と、押収品管理の効率化。……と、当時知るだけでもこれだけの情報を、私は把握していました」

    ……。

    「ここに当時の状況を付加すると、あなたが『下江コハル』である可能性は、少し頭を回せば突き詰めることができました。
    まず、地下牢で一人だけ大人用のサイズのコートを羽織っていた点。コートの模様と、隣にいた先生がシャツ1枚だったことから、先生のコートを借りていたのでしょう。地下牢は構造上気温が低くなりがちですが、今の時期的にコートを羽織るほどの体感温度ではない。となると、地下牢を肌寒く感じてしまうような人だということになります。
    正義実現委員会特有の黒い制服を着用している点。背丈はおよそ150に達しているかいないか。これらから、正義実現委員会に所属していて、温度変化に弱く、またそれに対しての対策を自身で講じていないことから、普段は地下牢に来ることはない人物。それも150程度の背丈で。
    これらがすべて当てはまるのは、下江コハルさん。私の知る限り、あなただけなんです」

    ……。

    「ですが私は……! その可能性を考えなかった! 少しでも考えればわかることだったのに、一時の悦楽を優先して、面白がって……その結果がこれです。コハルさんは危うく死ぬところでした。私の考えが至らなかったばかりに……」

    ……えーと。

    「ですので、あなたが私に謝る必要はないんです。むしろ謝るべきなのは私の方。なんなら罰せられて然るべきなのですから。……コハルさん。この度は大変申し訳ありませんでした。謝って許されることではないのは理解していますが、それでも。どうか、この謝罪を受け取っては頂けませんでしょうか」

  • 154124/10/03(木) 22:33:13

    ……うん。なんというか、人って情報の洪水に晒されるとなんにも反応できないのね。一つ勉強になったわ。
    しかしどうしよう。まさかハナコさんがこんなにも理知的で(あまりにも知りすぎててちょっと怖いけど)、私に対してここまでの罪悪感を抱いてるとは思わなかった。でも、やっぱりハナコさんが悪いとはどうしても思えないのよね。
    だってそうだろう。ハナコさんは「少し考えれば分かること」だと言っていたが、普通はそこまで初対面の相手のことを考えることなんてないのだから。でもそれを言っても納得しないだろうし、ただ向こうの謝罪を受け入れるだけだとこの先ハナコさんがずっと引きずってしまいそうだ。うーん。

    ……よし。決めた。

    「ハナコさん。そこまで私に悪いことをしたと思うなら、一つお願いがあります。それを聞いてくれたら、あなたのしたことを許します」

    「……なんでしょう。命を奪いかけたのです。よほどのことでない限り、聞き入れますが」

    すぅっと息を吸って、吐いて……私はハナコさんの近くへ駆け寄った。

  • 155124/10/03(木) 22:33:42

    教室の中から、扉付近までの、なんてことのない距離。しかしそれを駆け抜けた私の体は、間違いなくダメージを負っていた。

    呼吸が乱れる。胸が痛い。体が鉛のように重くなったとさえ感じる。たかがこのくらいの距離を走った程度で弱音を吐くなんて、本当にこの体は……!

    自然と膝に手をつきそうになるのを気合でこらえる。こちらのダメージを察したのか、顔が青くなったハナコさんが心配の言葉を吐くのを手で遮って、私は息を整えた。
    そして、手を差し伸べて、一言。私の願いは……



    「――ハナコさん。どうか、私の友達になってくれませんか?」



    「――」



    ハナコさんは、まるで彫像のように固まって動かなくなってしまった。

  • 156124/10/03(木) 22:34:24

    「――とも、だち?」

    「はい。私と友達になってください。学年も、派閥も、所属する部活も、今までの過去も関係ない、対等なお友達に」

    「……どうして、ですか? 私は、人前で露出して楽しむような、女ですよ? それを友達にしたところで、貴方にメリットは「友達は、メリットがあるからなるものではないですよ」……っ!?」

    「なりたいから、友達になるんです。露出癖があるとかないとか、そんなのは友達になれない理由にはなりません」

    「……。さ、先ほどの話は聞いていましたか……? 私はあなたの個人情報を、どこからともなく知った上記憶していた人間ですよ!? 怖くないんですか!?」

    「怖くないと言ったら嘘になります。正直かなり正確な情報だったのでだいぶびっくりしました。でも、それを使って私に危害を加えようとはしなかったでしょう?」

    あそこまで知っていて、ハナコさんくらい頭も回るなら、いくらでも悪用方法は思いつくはずだ。でも、今日までハナコさんが私に、能動的に悪意を向けたことはなかった。そのことが、ハナコさんの善性を証明している。

    「ここまでのやりとりで確信しました。ハナコさんは、とても優しい人です。自分の行いを悔いることができる、優しい人です。私、そんな優しいハナコさんと、友達になりたいんです。……今さっき、ハナコさんのところに走ってくるだけで、結構辛い思いをしました。足りなければこの前の発作の苦しみも計上させてください。――これで、ハナコさんと私、同じくらいの胸の痛みを味わったと思います。ほら、対等な関係になりましたね」

    言葉がまるで出てこなくなったハナコさんの手を握る。私の手と違って暖かい。体温高めなんだ。

    「もう一度言います。ハナコさん。私と友達になってください。それが、私からのお願いです」

  • 157124/10/03(木) 22:35:52

    さて、これでうまくいかなかったらどうしよう。落ち着かない心臓をなだめながら、私は内心ビクビクしていた。
    正直ハナコさんの罪悪感を解消する方法がまるで思いつかなかったから、友達になって有耶無耶にしよう! なんて作戦とすら呼べない行動に出たわけだが。正直無理やりな流れなのは自覚している。

    でも友達になりたいのは本音なので、あとはハナコさんの反応次第なんだけど……え!?

    「は、ハナコさん……? どうして泣いてるの?」

    「――え?……あ……」

    ポロポロ。そんな擬音が似合うくらい、ハナコさんの目から涙がこぼれていた。

    「あ、す、すみません。目にゴミが……あれ……どうして……」

    誤魔化すように目をこするハナコさんだが、涙が溢れて止まらないようだ。あの、そんなに目を擦ると良くないわよ?

    【……ハナコ】

    ここで、今まで黙って成り行きを見守ってくれてた先生が声をかけてきた。隣にはさっきまで先生によしよしされてた繭玉改めアズサさんがこちらを気にしている。とりあえず大丈夫の意味を込めて笑みを見せた。

    心配そうな顔になった。なんで?

  • 158124/10/03(木) 22:39:00

    【ここではもう、自分をごまかす必要はないよ。素直になっていいんだ。――君を利用しようとする人は、ここには居ないんだから】

    「――ッ!!」

    ハナコさんはうずくまって、本格的に泣き始めた。え、えっと、どういうことか分からないけど……。
    泣いてるハナコさんをあやすように、私はハナコさんを抱きしめた。泣き出しちゃうようなときに、人肌が恋しくなるのは経験上わかっている。

    「よしよし……。ハナコさん、差し支えなければ、答えを聞いてもいい?」

    「……は゛い゛。……私でよければ、喜んで」

    予定より6日遅れた、補習授業部の顔合せ。私はそこで、新しい友達を得たのだった。




    「あ、あのー。……これって、どういう状況なんでしょうか?」

    忘れ物を回収したのか戻ってきた補習授業部部長が、一人流れに取り残されていた。



    ひぃんだいぶ強引な展開になっちゃったよ―でも私の頭ではこれが限界だったよー
    ハナコファンの人期待に応えられなくてごめんよー
    でも裏も何もなくストレートに「友達になってほしい」と言われたらハナコ泣くんじゃないかなって……

  • 159二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:48:22

    これは泣いても仕方ない
    パーフェクトコミュニケーションだよこれ

  • 160二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 22:58:19

    脳の焼かれている音がする

  • 161二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 07:13:12

    パーフェクトコミュニケーションすぎる......
    コハル最強か?

  • 162二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 07:46:15

    素敵だ…実に友情!

    お互いに気持ちを伝えて友達になるってのが実に青春してる

    なんとなくリリなの1期のOPの歌詞が似合いそうなシーンだ

    水樹奈々「innocent starter」MUSIC CLIP


  • 163二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 08:17:33

    原作の30倍くらい過保護になりそうなのでナギちゃんは素直にテストを受けさせたほうがいいと思います

  • 164二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 10:40:23

    ここの正実モブとか先輩方はコハルに脳焼かれてそう

  • 165二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 10:53:56

    ちょっと走るだけで動悸が激しくなるの、階段とか大丈夫ですかね・・・。
    でも押収品整理や通学するくらいには動けるし・・・うーん、これからの展開と同じくらいコハルの容態に興味が湧いてしまう。

  • 166二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 13:07:36

    会場爆破がマジで致命傷になり得るから流石にしないと思いたい

  • 167二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 17:11:55

    ヘイローがあるから爆発とか銃撃には耐性あるだろうけど
    爆発の衝撃で心拍数増加からの発作起こしそう

  • 168二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 17:40:16

    このコハルをゲヘナにダンクシュートするのか
    テンション上がるな ついでにハナコのボルテージも上がるな

  • 169124/10/04(金) 19:22:25

    ひぃん見る限り受け入れてくれてる人が多いみたいでホッとしたよーありがとねー

    こっから先はエデン条約編を通しで見直さないといけなくなったから時間かかるよー
    要するに今日は更新ないよー
    申し訳ないけど気長に待っててねー

  • 170二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 20:11:45

    >>166

    ナギサが温泉開発部のやらかす度合いや、コハルの病弱さを読み間違えたら昏倒ぐらいはしそう。


    >>89>>91のツルギの反応見るに、まだナギサに向けられてないだけで、

    引き金に指が掛かってる状態ではあると思う。

    交友関係広そうだし、コハルが傷付きでもしたら下手すると正実以外も暴れだして内乱状態になりそう。

  • 171二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 20:33:13

    >>170

    コハルのことを大いに理解してる正実

    コハルの身体事情を理解してる騎士団

    この2つは間違いなく銃を持つでしょうねぇ。

    シスターフッドは中立的立場と一先ず争いを止めたいことからナギサ側に付くでしょうけど、あらぬことを言われまくるんでしょうねサクラコ様は……

  • 172二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 23:19:33

    思ったんだけどさ
    ゲヘナに行くまでのカーチェイスの時点でコハル危なくない?
    アプリだとヒフミのバイクの後ろにコハルのってたけどたぶんできないだろうし…、給食部の車に乗ってても爆発とは普通におきてたし…
    むしろゲヘナ行きが決定した時点でハナコ切れて正実に連絡いかない?
    急な範囲の拡大+必要点数上昇+深夜のテスト(コハルの体力的に夜更かし無理そう)

  • 173二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 06:55:37

  • 174二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 09:41:42

    >>172

    ナギサ様へのヘイトがやばすぎるしいっそ別の展開にするとか


    代わりのアイデアが浮かばねえ!!!

  • 175124/10/05(土) 10:32:25

    ひぃん盛り上がってるみたいだけど、一応言っておくと生徒に敵役はいても悪役はいないのがブルーアーカイブだよー
    あ、カイザーは除くよー
    受け入れてもらえるかは分からないけど色々考えてはあるから、そこは心配しなくて大丈夫だよー
    不安にさせてごめんねー

  • 176二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 12:20:46

    >>175

    除かれるカイザーに残当な過去......

  • 177二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 13:29:36

    本編のコハルが警戒心強い猫ならここのコハルは人慣れした猫って感じ
    なんなら足にすり寄って尊死させる感じの
    とりあえず基本表情が良くも悪くも笑顔で脳内再生されてる
    ……ナギサも心配だがミカも心配だな、本編でもああなんだ展開次第じゃミカも脳が焼失して死ぬのでは?

  • 178124/10/05(土) 18:37:02

    「あはは……えっと、色々あったみたいですが、ようやく補習授業部が全員そろいましたので……今日から本格的に活動を始めようと思います。その前に、コハルさんには一応自己紹介をお願いできればなと……」

    「あ、はい。――改めまして、正義実現委員会から来ました、下江コハルです。生まれつき体が弱くて、皆さんにはご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」

    深々と頭を下げる。初対面であんな真似をしちゃったからもうみんな知ってるだろうけど、迷惑をかける立場だからお願いしておかないと。
    パチパチと拍手の音が響く。見ると、先生が軽く手を叩いて歓迎してくれていた。

    「あ、ありがとうございます」

    【コハル。聞いておくんだけれど、補習授業部についてはどこまで知ってる?】

    「えっと、確か三次まである学力試験を、1回でも全員揃って合格できればオッケーって話ですよね?」

    【その通り。幸いコハル自身の学力は何も問題ないってハスミからは聞いているよ。だから、問題は体調面。くれぐれも無理をしないで、キツかったら言ってほしいな。必ず助けるから】

    「!……ありがとうございます。先生」

    先生の気遣いが目に染みる。実際、私の体調が駄目で試験を受けられなかったら、今回の条件――全員揃って合格が達成不可能になる。迷惑ってレベルじゃないから、ほんとに気をつけないと……。最悪"あれ"を使うことも考慮しないといけないかも。反動が酷いからできれば使いたくないけれど。

  • 179124/10/05(土) 18:37:39

    「え、えーと。他の方の自己紹介はもう互いに済ませてあるのですが、コハルさんのために簡単に。部長を任せられました、阿慈谷ヒフミです。コハルさん、困ったことがあったらなんでも言ってくださいね?」

    「白洲アズサだ。今回のミッションはそこまで困難なものじゃない。3回もチャンスがある作戦なんてそうはない。3回と言わず1回でクリアしてみせよう」

    あははと笑う部長さんのヒフミ先輩に、ふんすと頼もしい様子のアズサさん。うん、二人共そこまで成績がヤバそうには見えないから大丈夫そう。

    「……。えっと、ハナコさん。簡単にでいいので、コハルさんに自己紹介を……」

    「……」

    「あ、あれ? ハナコさん?」

    「……え? あ、ご、ごめんなさい! 聞いていませんでした……。し、失礼ですが何のお話でしょうか」

    残るはさっきまで私の胸で泣いていたハナコさん。とりあえず落ち着いたみたいで、私の胸から顔を離してはいるんだけど……。
    なんかさっきから私の服の裾をぎゅっと握って離してくれない。流石にこれは予想外だ。なんかボーっとしてて心ここにあらずみたいだし。大丈夫かな?

  • 180124/10/05(土) 18:38:14

    「あ、あのですね。コハルさんに向けて簡単にでいいので自己紹介を……」

    「あ、自己紹介……。コハルさんに……」

    ハナコさんがこちらを見つめてくるので思わず見返す。……うん、やっぱりすごい美人さんだ。特に瞳。綺麗な緑色をしていて、まるで宝石みたい。こんな人が露出狂の気があるって、世界って広いのね。
    そんなことを考えながらハナコさんの目をみていると……ボッ! という音を立てたかのようにハナコさんの顔が赤くなって、翡翠のような瞳がぐるぐると渦巻き出した。え?

    「あああ、すみません! そういえばまともな自己紹介をしていないのに友だ……! え、えっと……う、浦和ハナコと申します! ……といってももうご存知ですね!? ごめんなさい! え、えーと、えーとえーと……ふ、ふふふっ……」

    大混乱。そんな3文字がピッタリの様子でハナコさんが取り乱している。……え? えええ!? 急にどうしちゃったのハナコさん!? あなたそんなキャラじゃないでしょ!?
    私の困惑をよそに、ハナコさんは暴走したまま言葉を続けた。



    「不束者ですがっ、よろしくお願いしましゅっ!」



    「へ?」←これは私

    「?」←これはアズサさん

    「は、はいぃ!?」←これがヒフミ先輩

    いやいやいやいやいや結婚の挨拶じゃないんだから! しかも噛んでるし! ほんとどうしちゃったのよハナコさん!? さっきまでの底しれない知恵者感は何処にやっちゃったの!?

  • 181124/10/05(土) 18:39:09

    やってしまった。私の脳内はそんな後悔一色で染まっていた。

    生まれてこの方、私、浦和ハナコは友と言える者を得られずに生きてきた。
    『1を知って10を知る』という言葉があるが、私にとってそれは、呼吸をするよりも容易いことだった。様々な知識をスポンジのように吸収し、テストは何時も満点が当たり前。なんなら一年生の時点で飛び級の条件である上級生向けのテストですら満点だった。
    そんな私に対し、周囲は勝手な期待を被せてきた。

    「流石ハナコさんだわ」

    いいえ、貴方方の程度が低いだけです。

    「ハナコさんがいれば我らがシスターフッドの未来も安泰です」

    勝手に人の未来を決めないでいただけますか。

    「貴方ならいずれ、ティーパーティーの代表として、トリニティを背負って頂くことが……」

    …………。

    集まってくるのは甘い言葉でこちらを利用しようとする輩ばかり。表では外面のいいことばかり言って、裏では醜い足の引っ張り合い。まるで出来の悪いままごとのようだ。
    あまりにも吐き気を催すような光景に、気持ち悪くて、バカバカしくなって、私は……この学校という名のお遊戯会から抜け出すことにした。
    往来で水着姿を披露した。そのまま広場を歩き回った。シスターフッドの集会にも参加した。周囲の唖然とした顔は今でも思い返すと滑稽だ。ああ、せいせいした。

  • 182124/10/05(土) 18:40:26

    このままいけば、私はトリニティの品位を乱すとして退学も狙えるだろう。――ただ一つ。一つだけ、心残りがあるとするならば……一度でいい。普通の学生として暮らしてみたかった。
    友達を作って、一緒にバカをやって、やっちゃったねと笑い合う。そんな、普通の学生生活を送りたかった。
    けれど、そんなものはこの箱庭では望めない。



    「どうか、私の友達になってくれませんか?」



    ――初めてだったのだ。
    裏も何もなく。なんなら私が傷つけたというのに、被害者ぶることもなく。
    笑って手を差し伸べてくれたのは。

  • 183124/10/05(土) 18:41:14

    だから、そんなコハルさんに。生まれて初めてできた、何の呵責もない対等な友達に、同接していいかわからないのは仕方のないことですよね? ついテンパってわけのわからないことをほざいても仕方ないですよね?

    ……駄目ですか? いや駄目ですよねどう考えてもこんなのフォローのしようがありませんものね!? 今までの全部独白ですし! かと言ってぶちまけたら重すぎてドン引きされますし! スーパーヘビー級ボクサーの一撃みたいなものですよこんなの! コハルちゃ……コハルさんの体格では木の葉みたいに吹っ飛びますよ! ……何言ってんでしょうね私!?
    いやまず重いとかどうこう以前に言い間違えが酷すぎます! なんですか「不束者ですが」って!? 友達相手にそれは重すぎるでしょう! 結婚の挨拶じゃないんですよ!? しかも噛んでるし!! ああああもう穴があったら入りたい……

    人生で最大級の惨めな思いを現在進行系でしている私は、思わず顔を覆ってへなへなと崩れ落ちてしまった。ううう。生まれ変わったら海藻になりたい……一生を海底で漂っていたい……。

    コハルちゃ……さん。今どんな顔をしているんでしょう。さぞや引いているんでしょうね……水着姿で徘徊したときはあんなにも開放感があって、周囲の様子なんて気にもしなかったのに。今やコハル……さんの顔を見るのがものすごく怖い。
    どうしよう。時って巻き戻せないですかね?  ミレニアムあたりにタイムマシンとかありませんか? ないですかそうですか。……終わった。
    ジメジメとした雰囲気を纏って座り込んでいると……ふふっと可愛らしい笑い声がした。

  • 184124/10/05(土) 18:46:02

    「ハナコさん、そんな顔もするんですね」

    くすくすと笑っているのはコハル……さん。その声に、こちらを嘲笑するような響きは一切なかった。

    「最初はすんごいえっちな人だと思ってたけど、実際はものすごく理路整然とした考え方ができる人で……かと思ったら、混乱するとそんな可愛い顔になる。全部ハナコさんの一面で、ハナコさんの大切な要素なんでしょうけど……私、今みたいなハナコさんも好きですよ」

    「」


    ……鋤? 椙? 隙? ……え? もしかして好き? え? likeですよね? loveではないですよね? え? ゑ? ヱ?

    ……きゅう。

    完全にキャパシティオーバーを起こした私の頭は、人生で初めて機能停止したのだった。

    「え? ちょっとハナコさん!? し、しっかりしてー!?」

    「え、えーと……あはは……どうして一人は必ず倒れるんでしょうね?」

  • 185124/10/05(土) 18:48:16

    生まれて初めてできた友達への接し方がわからなくてテンパって奇行に走る、そんなハナコが存在してもいい。二次創作とはそういうものだ。

    ひぃんそんなことを真っ黒なネゴシエーターさんが言ってたよー
    受け入れられない人は必ずいると思うけど、所詮落書き帳の内容だから真に受けずに忘れて原作の方をみてねーエデン条約編はほんとおすすめだよー
    というかぶっちゃけ原作みたいなハナコのエミュはほんと難しくて作成カロリーがゲフンゲフン

    というか単発概念スレのはずだったのに190が見えてきてもまだ全然話が進んでないよー遅筆でごめんねー
    需要があれば次スレ立てるよー

  • 186二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 19:41:11

    需要しかないので1には健康に気を付けて毎秒スレ立てしてほしい

  • 187二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 19:49:55

    次スレ欲しいっ

  • 188二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 21:26:06

    需要大有り!概念も面白いし何よりハナコが可愛い!

  • 189二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:19:06

    >>185

    素晴らしい.....

    需要しかないので次スレ頼む......

  • 190二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:54:02

    ええなぁ…ええなぁ…最近のあにまんはハナコがテンパって幸せになっていく作品多くで大好きだ…

  • 191124/10/05(土) 23:26:17
  • 192二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:29:59

    次スレ乗りこめー

  • 193二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 01:16:22

    埋め

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