- 1二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:49:17
- 2二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:50:48
よそ者に厳しい土地に人見知りを放り込むな
- 3二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:50:51
ぼっちで他校に行かされるとか可哀想
- 4二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:51:39
伝統ある山海経にこんな者を受け入れるとは門主様は何を考えてるのか…
- 5二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:51:40
チーパオ宇沢くらい描いてみせろ
- 6二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:52:34
やってみせろよスーパースター
- 7二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:52:43
- 8二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:53:04
梅花園ならわんちゃん
ココナちゃんに勉強教えてもらおう - 9二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:53:42
騙されて薬の密輸とかやらされそう
- 10二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:54:49
京劇見せられた時の宇沢の反応気になる
- 11二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:55:38
あへー……きょうやまかずさぁ
- 12二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:56:04
カズサや先生にしょっちゅう電話してそう
- 13二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:56:10
言うて宇沢が馴染めそうな学校てないよな、ないよな?
- 14二次元好きの匿名さん24/09/23(月) 23:56:34
アビドスならワンチャン
- 15二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 00:30:26
留学前に「トリニティと山海経の間で外交問題を起こさないよう、トリニティ生として相応しくある事を心がけるように」と、ティーパーティーのホストであるナギサから直々に言い含められていたレイサ
歓迎会と称した宴席で早々に一服盛られてしまうも、一部の卑怯な悪党の所為で、そして罠に嵌まった自分自身の所為で両校の関係悪化を招くまいと、一服盛られた事を隠し通す事を決意。不自由になった身で山海経での生活を開始
それでも目の前で悪事が起これば自警団員として見逃せず、病身を押して銃を手に取り、人を傷付ける悪党を撃退して市民を助けるレイサ。トリニティ生が山海経の生徒を見捨てて逃げれば非難の対象になる……というのは勿論だが、何より自警団として放っておけないからだ
しかし余所者であるレイサには賞賛ではなく罵声が浴びせられる。今正に理不尽な暴力から助けた被害者が、『加害者とはいえ同じ山海経の同朋』を撃った事を詰りながら石を投げてくる。観衆も同様だ。余所者の味方は一人もおらず、山海経の法に当てても犯罪者である悪党の側に誰もが味方する
『トリニティから来た留学生が山海経の生徒に暴力を振るった』という歪められた噂は瞬く間に広まり、レイサの釈明は悉く無視された。それでいて、キサキなど玄龍門上層部を含むトリニティへ配慮してくれそうな人々への情報連携は不自然なほど封鎖されている。何者かがトリニティとの関係悪化を、山海経の孤立を――外界からの影響の排除を望んでいるかのように
レイサは今や完全に孤立した。いやひょっとしたら、探せば手を差し伸べてくれる生徒も居たかもしれないが……レイサはそれをこそ恐れた。心優しい市民が、この流れを作った何者かの不都合となり排除される可能性。それを恐れ、レイサは敢えて味方を探そうとはせず、自ら孤立する道を選んだ
それでもレイサは決してめげない、挫けない。レイサはレイサの正義を貫くだけだ。トリニティのスーパースターが悪事を見過ごすなんて有ってはならないから。今日も明日も明後日も、レイサはトリニティでやっていたのと同じように自警団の精神で活動する
困っている人を助け、悪党を懲らしめる。誰からも望まれなくても。被害者からも加害者からも無関係の他者からも銃口を向けられても。どれだけ傷付き血反吐を吐こうと。宇沢レイサは、トリニティの騎士は立ち続ける
- 16二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 00:34:18
チーパオ着たままいつもみたいに無防備に寝て丸出しになってる宇沢はいますか?
- 17二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:10:04
留学期間が終わり、宇沢レイサがトリニティに戻ってくる日。杏山カズサは久々に聞く事になるだろうレイサの喧しい挨拶を想像し、うんざりしたような――或いは少し嬉しそうな表情でそわそわと待っていた。
「いや別に宇沢が戻ってくるのが嬉しい訳じゃ無くて……宇沢に頼んでたお土産の山海経の名菓が楽しみなだけだし」
と誰に言い訳するでも無い独り言を呟きながら、カズサは山海経との校境でレイサの帰還をうずうずと待ちかねていた――が。
「う、ざわ……?」
現れたのは、服がズタボロに破れて体中傷だらけな、満身創痍の宇沢レイサ。顔色も不自然なほど青白い。
「宇沢!! 何があったの宇沢!?」
「……あ、この、匂い……きょうやま、かずさ……? そこに、居るんですか……?」
抱き留めれば力無く倒れ込んだレイサ。虫の息、弱々しい声。もはや目も見えておらず声も聞こえていない事に気付かされる。
「あなたが、居る……なら……ああ、私。トリニティに、帰れたんですね……まだ、生きてる。山海経から、無事に……戻れた」
「無事!? 無事じゃないでしょ!? 誰がっ、どうしてこんなッ……」
彼女の耳は聞こえていないだろうと分かっていながら、尋ねずにはいられない。激情を募らせるカズサとは対照的に、レイサは冷静だった。いっそ安堵の表情すら浮かべていた。
「かずさ、お願い、が、あります」
「分かった、分かったから! 何でも聞くから! だから無理しないで! 今すぐ病院に……!」
救護騎士団へ連絡を入れながら宇沢を抱きしめるカズサ。彼女ならきっと聞いてくれるはずと信じて、レイサは己の願いを口にした。
「ティーパーティーに……ナギサさまに、伝えて、下さい。私、宇沢レイサは……『何事も無く、留学を終え……帰還した』、と」
- 18二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:14:02
「何言ってんの!? 何事も無い訳――!」
「『宇沢レイサは、山海経との諍いを、望んでいない』と。誰かの、悪意に……踊らされちゃ、ダメです。トリニティと、山海経の、関係が……悪化したら。もしも、戦争になったら。……悪党共の、思うツボです。どうか、冷静な判断を」
激昂しかけたカズサを窘めるかのように、レイサは一方的に語り続ける。口から血を垂れ流しながら。
「少なくとも……門主さんは、悪く無いです。私が、留学した……同じ頃に、門主さんの……暗殺未遂が、起きて……皆さん、ずっとそっちに……かかりっきりで……私の応対は、一部の幹部の人が……『責任を持って』……任された、と……多分、そいつが……黒幕……門主さんの事件も……ゴホッ」
「宇沢!? 喋っちゃダメ! すぐに救護騎士団が来るから! 安静に……!」
長話の所為か、喀血するレイサ。カズサは止めようとするが、レイサは語り続ける。語らねばならない。……息絶える前に、伝えねばならない。
「全部……仕組まれて……。これは、罠……トリニティを利用して、山海経と……門主さん達と、争い合わせて……共倒れを……。悪いのは、黒幕で……他の人達は、利用された、だけ、だから……」
ぜひー、ぜひーと明らかに異常な呼吸を繰り返しながら、宇沢は言葉を搾り出し続ける。悪党の思い通りにさせない為に。トリニティと山海経の市民を守る為に。
「『宇沢レイサは、生きて……トリニティに、帰った』……その事実があれば、きっと……政治の話は、よく分かりませんが……多分、ナギサさまが、何とかして、くれるから……だから、お願い、します。伝えて、ください。山海経と、門主さんと。争わないで、って。仲良く、して……ください、って」
虚ろな瞳で虚空を見つめながらも、決意と使命感に満ちた眼差しで。ただトリニティと山海経の間に戦乱を起こさない為だけに、あらゆる仕打ちを耐え続けて生きたまま校境に辿り着いたトリニティの騎士が、懇願する。
「『私の意志を……頑張りを、無駄にしないで、ください』って。『私は……報復も復讐も、望みません』って。――『両校の、平和と、友好を……望んで、います』……って」
「う、ざわ……」
どこにそんな力が残っていたのか……或いは、蝋燭の灯が消える前の最後の――。とにかく意外なほど力強く、カズサの手を握りしめるレイサ。 - 19二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:14:40
山海経に馴染む宇沢見てみたい(届かぬ思い)
- 20二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:22:34
レイサの必死な様子に一瞬揺らいだ、カズサの瞳の中の激情。それに気付いた訳でも無かろうに、レイサは優しく……か細くなる一方の声で語りかける。
「かずさ、いいですか。私は、復讐なんて、望んで無いです。ただ……皆が、平和で……平穏に、過ごせれば……それで……。だから、かずさ、キャスパリーグ。暴れちゃ、めっ、ですよ。ちゃんと、封印、された……まま……」
「――ッ!」
ハッとして唇を噛む。心の片隅で、頭の中のどこかで……カズサの中の魔獣が、復讐の為に爪と牙を研いでいた。自分自身ですら自覚していなかったそれを、キャスパリーグのライバルであったレイサは直感で気付いて、窘めたのだった。
「……ああ、忘れる……とこでした。最後に、これだけ……あなたに……渡さ、なきゃ……」
「っ、これって……!」
もう聞き取れるかどうかも怪しい声量で囁き、レイサが取り出したのは……留学前、カズサが所望していた名菓。
「えへ、へ……ちゃんと、買って……来ました、よ……。スイーツ部の、皆さんで、分け、て…………ああ、でも。私の分、は……食べれ、そうに、無いから……かずさ、に、あげます。…………とくべつです、よ? あなただけ……かずさ、だけ、とくべ、つ……………………」
「うざわ……? 宇沢ッッ!!!」
瞳を閉じ、スゥと息を吸ったきり、意識を失う。力が抜けてパタリと落ちる手。カズサはその手を握り返してやることもできず、ただ呆然と血色の悪いレイサの顔を見つめる。
「救護ッ!」
声と共に、救護騎士団の団長が降臨する。彼女はカズサの腕の中に抱かれるレイサを見るなり血相を変えて、「事態は一刻を争うようです。失礼します」とだけ口早に告げると、カズサから奪うようにしてレイサを抱えて最速で病院へと去って行った。
放心していたカズサはその背中が見えなくなるまで見送った後、暫くその場で固まっていたが……「宇沢」と一言呟いてから、漸く涙を拭って陽炎のようにゆらりと立ち上がる。
「そう、だね……宇沢の、伝言。ちゃんと、伝えなきゃ」
そしてカズサは、受け継いだ決意と共にティーパーティーへと向かう。カズサの為に贈られた、山海経の名菓を携えて。
トリニティのスーパースターがその身を砕かれてもなお遺した星屑の煌めきは、未だ絶えていない。その正義の光は、カズサの瞳の中で輝いていた。 - 21二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:27:07
- 22二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 04:28:11
素晴らしい
- 23二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 14:53:44
やっぱりスーパースターには逆境が似合うってそれ一番言われてるから
後遺症、残ってるんでしょ? - 24二次元好きの匿名さん24/09/24(火) 14:56:42
美しい…もっと負荷をかければもっと輝くのではなかろうか