閲注 デクちん

  • 1二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 11:59:20

    カラン

    透き通った鈴の音が店先の扉が開かれると共に軽やかに鳴る。秋風と共に店内には少し乾いた空気が入り込み、ほんの少しだけ室温が下がったような感覚を覚えさせた。

    「おや、今日はお早いですな」
    店主はグラスを拭きながらにこやかに挨拶する。客は秋物のコートを裏返して脇に持つ初老の紳士。その手には古傷が重なり合うように残り、彼の半生の過酷さを物語っている。

    「ジンジャーティーです。温まりますよ。デクさん」
    店主は何を注文されるでもなく、一杯の茶を差し出す。先付けとしてはこの上ない心遣い。デクと呼ばれた老紳士の唇を濡らし、のどを潤し、胃を温めるショウガの香り。

    「ありがとうございます、マスター。それじゃあ・・・」
    「マティーニですかな?」
    「ふふ、叶わないですね」

  • 2二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 11:59:47

    確かな付き合いがあるのだろう。二人の老紳士の間に静かで温かな風が流れているようであった。
    「アレからもう長らく経ちますな。両の指を何度折り返したことか・・・。デクさんもまだまだお元気そうで何よりです。ウチにもデクさんの教え子の方々がいらっしゃるようになりました。月日が経つのは速いものですな」
    「マスターもお変わりないですよ。まるで不老の個性でもあるかのようだ」

    「はは・・・、白髪で飾った不老というのも乙なものかもしれませんな」
    「お互い無個性ですからね、どうしても憧れは捨てられない」

    デクと呼ばれた老人はぽつりとつぶやくと、ふと思い出したように目を細めて店主に告げる。
    「マスター・・・憧れついでに昔話でもしましょうか」
    その言を聞いた店主は驚いたような表情、そして直後には実に嬉しそうな表情へと変わった。まるで英雄譚を心待ちにしている子供のような表情であった。

    「ちんちんのヒーロー、デクさんの昔話・・・値千金でございますな」

  • 3二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 12:07:47

    二人の会話を遠耳で聞いていた一人の若い男。年のほどはビールの味から苦み以外を感じ始めたばかり、といったところか。
    雰囲気のよい老紳士たちの会話に風情を感じ聞き入っていたが、ふと耳なじみのない単語があらわれて思わず割って入ってしまった。

    「じいさんたち、いまなんて・・・」

    酒の肴の小話を蒸し返すのは少々無粋ではあるが、酔いが彼の免罪符になってくれるだろう。二人の老紳士は快く彼を迎える。
    「マスター、彼にも何か・・・」
    「ふふ、マティーニでございますね」

    小さなマッシュルームをあぶりオリーブオイルに漬け込んだ塩味の利いたつまみが差し出されると共に、デクの話は始まった。

    「あれはAFOとの戦いが終わって10年もないあたりだったかな・・・」

  • 4二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 12:12:39

    ポケカテで色々書いてた人?

  • 5二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 12:16:46

    デクがグラスをちん…と音を鳴らしながらカクテルを嗜むからデクちんかと思いきや普通にちんちんだったでござる

  • 6二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 12:35:45

    ちんちんのヒーローって無個性になった後ちんちんを武器にしてた時期があるんです……?

  • 7二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 13:10:39

    「AFO・・・個性を奪う個性ってヤツか・・・」
    「あれからしばらくして、ボクも復帰できたんだ。色んな人の助けでね。本当に色んな人に助けてもらった。本当に。」

    そう言って一口、マティーニを口に含む。強めの酒精は慣れていない者であれば焼け付くように感じるだろう。しかしこの老人は実に感慨深い表情でマティーニのグラスを見つめるばかり。小さな逆三角のグラス。ほんのりと黄色がかった色味のカクテルに老人は何を思うのか、酒杯は何も語りはしない。

    「復帰して少しだったあたりでね、色んなことがあったんだ。異能解放戦線の残党やAFOのシンパたち、すっかり鳴りを潜めていたと思ったらそうじゃなかった。彼らも至ったんだよ。AFOの考えに。」

    学生のころに教科書でさんざんと習った、いや、習わされた個性人類史の汚点。それでいて人類が直視なくてはならない戦い。彼がもう少し勤勉な学生だったなら、このビッグネームに興奮し、さらにこの老人にはとてつもなく恐縮するばかりだろうが、幸か不幸か、彼はそういうタイプではなかった。

  • 8二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 13:19:29

    「AFOの理想、それは人類の未来を阻むこと。それだけだったんだ。そして、残党やシンパの彼らが至った結論もまた同じものだった。そして、それを可能にする個性が彼らにはあった。」

    恐らくこの老人が語っているのは教科書にならなかった戦いなのだろう。若者は指先に小さな火球を灯し、高級そうな葉巻に火をつける。
    バハマシガーの甘い匂いが、控えめに漂う。

    「未来を阻む。それが可能な個性・・・」
    デク老人の眉間にほんの少しだけ皺が入った。

    「ちんちんを奪う個性・・・!」

    BGMのジャズは黒人女性のハイトーンで盛り上がっている。

  • 9二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 13:32:58

    ヴィランめ、こっちでも宇宙猫を増やすつもりか

  • 10二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 14:56:06

    ちんちんで戦ったからじゃなくて皆のちんちんを守ったからちんちんのヒーローだったのか…

  • 11二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 15:32:28

    マスターも無個性かつ老いたデクと古馴染みっぽいんだよな…
    ワンチャン青山君だったりしない?

  • 12二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 15:34:12

    >>10

    フェンちんグで戦う出久とAFO想像して吹いた

    AFOなんて金玉頭だから尚更絵面が酷い

  • 13二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 16:41:02

    ハードボイルドな雰囲気と中身のギャップに風邪ひきそうだぜ

    >>12

    二刀流…ということか

  • 14二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:05:11

    何が何だって!?

  • 15二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:25:07

    おとなしく話を聞いていた男だったが、ここでひとつの疑問がわいてでた。

    「なあ、じいさん、話の腰折ってワリいんだけどよ・・・」
    「おや?なにかな?」

    老紳士はにこやかに応じる。

    「なんでちんちん奪うことと人類の未来阻むなんてことがつながんだ?」
    この若い男にはどうも合点がいかなかった。毎日のように顔を合わせ、ときにはその身を握りしめることも少なくないこの腰の小さな子分が、どうして人類の未来などと大それたものに繋がるのか。甚だ疑問であった。

    しかし、老人は微笑み、そっと顎を撫でる。
    「懐かしいね・・・。ボクも若い頃はそう思っていたよ。でもね。ちんちんはどうして長い棒の形をしているんだと思う?」

    老人の問いかけが若人を悩ますのは古今東西、世の常である。

  • 16二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:34:47

    「なんでって、そりゃあ・・・・・・あれ?なんでだ?」
    「ふふふ」

    店主もにこりと微笑みを崩さない。
    いつのまにか店内には3人以外に客の姿は見えなくなっていた。

    「ソルティドッグでございます」

    マティーニを呑み終えた老人と若者の前に絶妙なタイミングで差し出された二杯目。グラスは先ほどの洗練された逆三角形とは打って変わって武骨な印象を思わせる分厚いガラス。大胆な凹凸が持つ者の指によく馴染む。

    「その理由はね。
    つなぐためなんだ。バトンのように、世代を経て命をつなぐために、あんな形をしているんだ。
    ちょうど聖火のリレーのように培われ、受け継がれた結果が今のボクたちなんだよ。」

    そう言って、ぐいっと大きく酒杯をあおる老人。優し気ながら力強いその眼差しは、きっとここではないどこか遠い昔を見ているのだろう。

    「僕たちの物語は、つないでいくための物語なんだ」

    そう言い残し、妻が待っているからと言って老人は帰っていった。

  • 17二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:36:49

    劣情壊理ちゃんスレかと思った

  • 18二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 17:40:23

    「なあマスター、あのじいさん何者なんだ?与太話にも見えねえし、作り話にしちゃあ手が込みすぎてる・・・ありゃタダモンじゃねえだろ」
    「ふふ、デクさんはヒーローですよ。いまも昔も、私の、私たちのヒーローです」

    店主はそう言って流し台を見つめる。洗練された動作でありながら、それ以外の要素を一切感じさせない。きっと彼もまた無個性なのだろう。なんの根拠もなしに若者はそう確信した。

    「いまも引退はなさっていないのですが、基本的には学園で教鞭を執っておられますよ」
    「なんだ、センセーかよ!?ってことは!」
    「ええ、そうです」

    店主は茶目っ気たっぷりに笑い、続ける。

    「雄英おちんちんアカデミアの開校です」

  • 19二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 20:54:55

    ??・・・・・・・???

  • 20二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:11:55

    おちんちんランド開園…?

  • 21二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:18:36
  • 22二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 21:23:34

    雌雄揃わないと基本的に繁殖できない人間から雄性を奪うことで繁殖できないようにしてじわじわと絶滅させるとかそういう話かと思ったのに……!(

  • 23二次元好きの匿名さん24/09/25(水) 22:01:21

    ポケモンSVだけだと思ってたら他のシリーズにも行ったし、なんなら作品ジャンルすら平然と超えて遅い来るちんちん

  • 24二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 07:53:41

    保守
    楽しみだ

  • 25二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 08:23:11

    >つなぐためなんだ。バトンのように、世代を経て命をつなぐために、あんな形をしているんだ。

    ちょうど聖火のリレーのように培われ、受け継がれた結果が今のボクたちなんだよ。


    やかましいわ

  • 26二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 09:11:51

    この内容でスレ画がにっこり顔なのなんか草
    なんか裏の意味がありそうに思えてくる

  • 27二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 09:57:46

    翌日になっても若い男の脳裏からは昨晩の話が消えることはなかった。
    自身の下腹部にも控えめに揺れるささやかな聖火のバトンがある。これも連綿と紡がれてきた人類史の一端。
    しかし、当の本人にはそんな実感はない。青年はあのデクという老人の話の続きを求めていた。

    翌日も、その翌日もバーに通ったが、あの老人はいない。
    「なんなんだよ!ちんちんって!」
    店主も客も、答えることはない。ただそのまなざしは限りなく優しかった。

    荒れる若者の前が、老人と出会えたのはそれから幾日か経た翌週のことであった。

  • 28二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:24:24

    飲食店でちんちん叫ぶのは普通に警察案件なんよ

  • 29二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:29:16

    「おや、それは悪いことをしたね。マスター、彼に何か一杯を」
    「かしこまりました。では、・・・・モスコミュールでございます」

    さわやかな清涼感が青年の喉を駆け抜ける。身体の芯を冷やされたような錯覚に陥った若者は、黙って老人の話の続きを促すことにした。

    「AFT・・・ここではそう呼ぼうか。複数の個性を組み合わせたような使い方だった。実際には複数人が同時に行動していただけだったんだけど、当時の僕らには情報がなくてね。思い出していたよ。AFO・・・その猛威をね」

    老人の語りはとうとうとして、感情の起伏を感じさせないかと思いきや、明らかに万感の思いがこもっていると感じさせるものであった。

  • 30二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 10:42:54

    「僕らはヒーローチームA組って名前で臨時のチームを組んで、事件にあたることにした。厳しい戦いだったよ。なかなか相手の尻尾をつかめなかった。つかんだと思ったらちんちんだったこともあった。」

    老人の手の中の酒は減らない。弁に熱がこもり、老人の精神はいまやかつての戦いの日々に戻っていることがうかがえる。酒杯の底で控えめに佇むミントの葉も物言わず時を待つのみ。

    「現れては奪い、奪っては隠れる・・・。そんな相手さ。戦闘力は高くなかった。実際、僕らの中で戦闘に長けた者なら負けることはないだろうと確信してた。問題は、奴らが独りではなかったことと標的がヒーローではなく一般市民だったこと。倒す戦いじゃなく、守る戦いこそがヒーローの本分。とはいえ、苦戦したものだよ。」

    今宵のBGMは古めのシャンソン。静かな店内に女性歌手の高音と、氷の解ける音が軽い。

  • 31二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 11:06:48

    「AFOの戦いでは個性を奪われたものは無個性になった。奪われるものによって被害の内容も変わる。男の象徴を奪われた場合、当然女の子になる・・・。筋力も衰え、体は丸くなる・・・。そして、最終的に奴らは触れずに奪うことができるようになったんだ。僕らは色んなテクノロジーで防御ができたけど、ほとんどの男の人は無防備に奪われるしかなかった」
    「女子の身も悪いものではありませんでしたよ、ふふふ」

    店主の言葉に少しだけ微笑むデク老人。しかし話には当然続きがある。

    「全人類の半分。これが男の総数だよ。どのくらいか分かるかな?」
    「な・・・・まさか・・・・」

    「そう。40億のちんちんが奴らの手に渡ったんだ。事実、あの戦いの2年の間、出生数は全世界でゼロだった。未来を阻むのにこれ以上効果的なものはなかったんだ」

  • 32二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 12:25:17

    絵面が最悪で草

  • 33二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 12:33:59

    ちんちんを掴むな

  • 34二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 13:09:26

    「絵面的にも映像に残すべきじゃないってことで、みんな忘れたがっていてね。君たち若い世代が知らないのも無理はないよ。教科書にも載ってないしね。でも当時は、綺麗な女の子だけの世界になって滅びるのも悪くない、なんて言い出す人たちもいたくらいだったんだ。」

    青年は不思議な気分になっていた。
    自らを男たらしめているこの小さな小さな肉の芽のようなものが、そこまで世界の命運を左右するものだとは到底信じられない心持ちであった。

    「そうしてる内に、僕らのチームの中からも防御を突破されてちんちんを奪われる者が出てきた。最初に奪われたのは僕の幼馴染でね。僕をかばって攻撃を食らって・・・それで・・・目を開けたら美少女になってた・・・ふふ」

    きっと当時は大変な衝撃だったのだろう。それをこうして微笑みながら語る老人の胆力に、若者はどこか尊敬の念を感じ始めていた。

  • 35二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 14:12:50

    「それから一人、またひとりって感じだったよ。みんな綺麗だった」

    そう言って老人は少し多めに酒杯をあおった。底に沈んだミントの葉が氷の隙間を通って老人に飛び込み、得も言われぬ清涼感をもたらす。

    「どうぞ」

    絶妙なタイミングでサーブされたプロシュート。付け合わせに小さくカットされた桃や柿が行儀よく並んでいる。
    塩味と甘み、酒と葉巻、老人と若者、昔話とちんちん。
    老人の語りは佳境を迎える。

  • 36二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 17:38:09

    ハムと一緒に果物食べたら甘く感じるよね()

  • 37二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 17:55:16

    かっちゃんのかっちゃんが捥ぎられてしまった!

  • 38二次元好きの匿名さん24/09/26(木) 21:01:09

    「常闇くんは黒髪の美人だった。濡れ鴉が誉め言葉な意味が分かったよ。
    砂藤くんはグラマラスだったなぁ、同い年なのに年上美女って感じで綺麗だった・・・。
    飯田くんはしゃんとしていて、それでいて筋肉質で美しかった
    上鳴くんはロックな感じだったよ。女性ミュージシャンみたいでね、耳郎さんを彷彿とさせるようで・・・。

    尾白くんも綺麗だった。いろいろと豊満で尻尾もすらりとしていて・・・・。葉隠さんがやたらと動揺してたなぁ」
    轟くんはエキゾチックな雰囲気でまた美人でね。なんだか男装の麗人って感じだった。僕も若かったからね、ときめいたよ。
    峰田くんはなぜだか幼稚園児みたいになってたんだけど、あれは身長のせいかな?
    瀬呂くんはスレンダー系でね。おへそがちらちら見えて素晴らしかった・・・

    切島くんは大人の女性って感じの色気がすごかった。むせ返りそうだったよ。
    口田くんはなんだか可愛らしい感じでね、それでいてカッコいい系の美人だったから不思議だった。
    障子くんはね、最高なんだ。生き方も佇まいも最高にカッコいいんだよ。そんな彼が女性になればカッコいい女性になるに決まってる」


    老人は一息で吐ききるように言った。ぶつぶつとつぶやく様は少々不気味であったが、店主は懐かしむようにくすくすと笑い見守っている。

    「ちんちんを奪われたみんなは、本当に綺麗だったんだ」

  • 39二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 07:54:11

    保守
    思ったよりスケール大きかった

  • 40二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 08:12:22

    >>31

    しれっと流されてるけどめちゃくちゃ絶望的状況で笑う

    出生率ゼロが2年て

  • 41二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 12:38:41

    冗談抜きで人類存続の危機で笑えねえわ…

  • 42二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 13:28:27

    「それで、最後に残った僕が戦ったってわけさ。奴らの"ちんちんを奪う個性"はどうやら個性因子に反応しているみたいだったし、僕だけは生き残ったからね。」

    つまり、この老人は女体化の憂き目にあわずに済んだということ。
    それが僥倖だったのか、それとも老人の孤独の一端となったのか、それは誰にも分からない。

    「集まった40億のちんちん。まあ、実際には僕みたいに無個性の人もいるから多少はズレがあるだろうけど、それでも圧巻だった。
    渦巻くちんちんの中に飛び込んでいくのは、なかなか骨が折れたよ」
    「ちんちんなのに?」
    「ふふっ、マスターったら」
    「これは失礼」

    ちゃちゃを入れる店主と笑って戯れる老人。若者の手の中のスクリュードライバーは芳醇に香る。
    BGMはいつの間におだやかなクラシックに替わっていた。

  • 43二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 13:35:46

    「しっかしよぉ、なんでまたそんなデケエ戦いの歴史が隠蔽されてんだ?俺ぁちんちんの戦いなんて聞いたこともねえぞ?」
    若者はかねてからの疑問を投げつける。しかし、返答は意外なほどにシンプルなものだった。

    「ちんちんを人前でさらすわけにはいかないからね。教科書なってもってのほかさ。」

    もっともである。若者は思わず膝を打つ気持ちであった。
    彼はこのデクという老人の若い頃の姿を知らない。聞けば無個性だというから、恐らくはごく一部の達人にしか運用できないと言われる個性再現装甲を使用してのことなのだろうと推測するが、実際のところは分かるはずもない。

    雄々しい鎧に身を包み、暴れ狂うちんちんの渦の中を飛び回る若き英雄。
    そんな姿が想像される。そして、こうして彼が年を重ねているということは、その戦いはヒーローたちの勝利で終わったのだろう。

    人類の未来を肩に背負うとは、一体どんな覚悟なのだろうか。若者は童心を思い出すような憧れを感じていた。

  • 44二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 13:42:26

    「デクさんの勝利によって奪われたちんちんは解放され、それぞれの持ち主の身へと戻っていきました。夕空を彗星のように輝きながら飛ぶ無数のちんちん。私は無個性ながら奪われていたので、当然私のちんちんも空を飛んで帰ってきたのです。

    美しい光景でした。

    今こうして語っているだけで、私は・・・」

    店主の声が震える。その目じりにはほんの少しばかり光る雫があふれていたが、それを指摘するのは野暮の極み。
    自らの身の一部を奪われ、焦燥し、それが帰ってきた安心感とは、いったいどれほどのものなのだろうか。

    「美少女になってた人たちがまたおじさんに戻るのは、ちょっと面白かったけどね」
    老人はそう言っていたずらっぽく笑う。その笑顔は少年のようでいて、聞き手の若者は思わず目を擦るが、そこにいるのは穏やかな老人のみであった。

  • 45二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 13:44:15

    君の名は。みたいなBGMが頭に浮かぶんだが、これ飛んでるの彗星じゃないんだよな

  • 46二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 16:59:20

    渦巻くちんちんってなんだよ
    暴れ狂うちんちんってなんだよ

  • 47二次元好きの匿名さん24/09/27(金) 22:13:37

    >>46

    集められた無数のアレが嵐のように飛び交ってるんでしょ

  • 48二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 08:22:02

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 12:46:16

    冬空の中、月は冴えわたる鋭さをはらみつつ、それでいて温かに地上を見守っている。
    家路を行く若者もまた、その月光の中でただただ歩みを進めていた。

    ちんちんの戦い

    ちんちんの英雄

    老人の話はおそらく誇張もあるのだろう。しかし、それでいて全てが出鱈目というわけではないのだろうということも分かる。彼は戦い、そして勝った。それだけでいい。若者にとってはそれだけで十分敬意の的であった。

    「聖火のように・・・か」

    誰に聞かせるでもなく独りごちる。
    若者は酒場を後にする前、老人に質問した。

  • 50二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 12:54:09

    「ちんちんで繋げるっつってもよ、何をどうすりゃいいのかわかんねえんだ」
    「色んなことができるよ。固くもなるし柔らかくもなる。変化と多様性の象徴みたいなものなんだから」

    「そうはいうけどなぁ・・・なんか具体的な・・・こう、最初の一歩みたいなもん、ねえのかよ?」

    若者がそうつぶやいたところで、デク老人と店主は目を合わせ、くすりと笑う。

    「そうですなぁ・・・デクさん、ここはやはり・・・」
    「そうですね、僕が昔から考えてたことがあるんだ。世代をつなぐのに、最初にやるべきことは・・・」

    茶目っ気たっぷりに微笑んで、老人はこう告げた。

    「遊園地で手をつないで、クレープを半分こ!」

    いつの世も人の世界に悩みは尽きない。それが超常社会であれば言わずもがな。
    しかし、その本質は時代を経ても世代が変わっても変わらない。
    悩みの本質とは「奪われる苦しみ」である。だからこそ、苦しむ人々に寄り添い続けるものはヒーローと呼ばれるのだろう。
    寄り添うことは尊いことなのだから。

    そう、ちんちんのように。

    ~デクちん 完~

  • 51二次元好きの匿名さん24/09/28(土) 12:58:42

    徹頭徹尾100%意味分からんまま終わっていった……

スレッドは9/29 00:58頃に落ちます

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