【閲覧注意】すみませんここにくれば【ホシヒヨ】

[1 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:42:25]

ヒヨリを「記憶を失ったユメ先輩」に見立てて監禁するホシノを見れると聞いてきたのですが
素晴らしいホシヒヨSSは数あれど私が見たい内容としては惜しかったので自分で書きます！
解釈違い？　読みづらい！？　だから何！！？？　次のレスから始めます！！！！！

[2 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:42:49]

閉め忘れていた窓からのそよ風の感触で、ヒヨリは目を覚ます。
ようやく涼しくなってきて、エアコンなしで夜を乗り切れるようになってきた。
目の前で寝息を立てる、自分より一回りも二回りも小さく見える少女の姿が目に映る。
少女の一見ヤワに見える両腕は鎖よりも重く此方を捕らえ、顔を此方の無駄に大きく成長した乳房の中へと服越しに埋めていた。

天涯孤独の身である自分には、どこからか攫ってでも来ない限り有り得ない状況。
しかし、認めたくない現実は、もっと奇なるものだった。
後ろ手に皮の手錠を嵌められ、両足も歩けないよう同じデザインの手錠を嵌められ、それぞれ短い鎖で繋がれている。
更に足を繋ぐ鎖には別の長い鎖が繋げられていて、この家の玄関や窓にたどり着けないよう、鎖の先を部屋の壁に繋げられていた。

――ヒヨリは、この少女に誘拐され、監禁されているのだ。

[3 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:43:02]

暇を持て余して手足の鎖をジャラジャラ鳴らしながら身動ぎしていると、そのうち少女も目を覚ます。
小柄な体格に見合う幼く愛らしい顔立ちが、笑みの形になる。
そのまま抱き寄せられ、唇を重ねられた。


「――ンッ……」


手足を拘束された自分に抗う術はない。膂力には自信があったのだが、見た目からは想像もつかない程、この少女の腕力も強かった。


「……、おはようございます、"ユメ先輩"」


小鳥遊ホシノは、悪戯小僧のような茶目っ気のある笑いを見せ、自分のものでない誰かの名前を呼ぶ。


「……おはよう、"ホシノちゃん"」


もう、呼び名に言葉を詰まらせない程に、この監禁生活は長い時間を経ていた。

[4 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:43:13]

――初めは、可笑しくはあるが割のいいバイトという認識だった。
ただ用意された服を着て写真を撮らせてあげる、それだけでお礼がもらえるというだけの話。
服も卑猥なものではなく、彼女が着ているものと似た制服。
感謝の言葉と共に謝礼を渡され、何かを振り切ろうとしているかのように足早に立ち去ろうとしていた彼女を"呼び止めてしまった"。
貰うものを貰えるのなら、いつでもお願いを聞く……そう言ってしまったのだ。

この奇妙なバイトの意味は、自分が今は亡き彼女の先輩に似ていたが為。
ヒヨリがそれを知ったのは、既に状況は手遅れとなった後の事だった。
お礼にとご馳走されたものに薬を混ぜられていたらしく、目覚めた時には見知らぬ部屋のベッドの上で、手足を縄で縛られ口には猿轡を噛まされ助けを呼べぬようにされていた。
服も寝ている間に着替えさせられたのか、あのバイトの時と同じ……白いシャツに水色のネクタイ、黒のプリーツスカートのアビドス制服を着せられていた。
愛用の武器や通信手段は勿論取り上げられ、処分されたのか以後見かけたことは無い。

[5 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:43:30]

なぜこんな目に合わなければいけないのか――と言わんばかりに涙を流し、呻いて縄を軋ませるヒヨリをホシノは強引に抱き寄せる。


「不自由な思いさせて、ごめんなさい。"ユメ先輩"。わけが分からなくて怖いですよね？　貴女は記憶を失くしてるんです」


黄色と青のオッドアイは、その目に浮かぶ透き通る涙とはかけ離れた濁りを湛えていた。
猿轡を外され、口に詰められていた布を引きずり出されても、その目に射竦められては大声で助けを呼ぼうとすることなど出来なかった。


「貴女の名前は、"梔子ユメ"。私の事は、"ホシノちゃん"って呼んでいました。今日から、形だけでもそうして下さい。思い出せるかもしれませんから。――さあ、呼んでみて下さい」


断るという選択肢など、手足の自由を奪われ生殺与奪を握られたヒヨリにあるわけがない。


「――ほ、ホシノ、ちゃん……」

「――はいっ、ユメ先輩っ！！」

[6 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:44:33]

――以来、「記憶が戻るまで何処にも行かせるわけにはいかないから」という理由で、ヒヨリはホシノの住むこの家の中、犬のように繋がれ飼われるような日々を過ごすことを強制されている。
服装も、囚われた時のアビドス制服以外のものを着ることはできない。クローゼットにはヒヨリの体に合う同じ服が幾つも下がっていて、それ以外の服がそもそも存在しないのだ。
目が覚めて挨拶を交わすと、手錠を前に、足枷の鎖を長いものに繋ぎ直され、歩くことを許される。当然、その鎖も長い別の鎖で部屋の壁に繋がれており、扉や窓に近づけないようにされていることに変わりはない。
手錠をされたまま顔を洗うことにも慣れてしまっていた。そうしてサッパリした後、ジャラジャラと足枷の鎖を引きずって朝食のため居間の椅子を目指す。
拘束されたヒヨリにホシノが家事をさせようとすることはなく、朝夕の食事を用意するのは勿論の事、全ての家事を行いメイドのように甲斐甲斐しく世話をした。

朝食を終えると、ヒヨリはホシノが食器を洗っている間に急いで洗面台に向かい歯を磨く。……歯を磨かないまま「あれ」をされてはたまらないから。

[7 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:44:48]

「ユメ先輩。……すみません、此処に座って口を開けて下さい」


促すホシノが手に取っているのは、黒い棒に頑丈な皮のベルトが金属で繋げられた形状の物体。ビットギャグと称される猿轡だ。
断る事の出来ない立場のヒヨリは言われるままに口を開け、黒い棒を深く噛まされる。そのまま後ろ頭でベルトを締められ鍵をかけられると、自力では外せなくなり声を上げて助けも呼べない状態となった。
続いて、手錠を後ろ手に嵌め直され、更に手袋のようなものを嵌められる。
拘束ミトン。本来は自傷防止のため等の目的で入院患者につけられる拘束具である。
これを嵌められると手袋内部のものしか掴めなくなり、拘束を解くための繊細な作業を行うことなど絶望的となる。


「……それじゃあ、行ってきます、ユメ先輩。なるべく早く帰ってきますから」


ホシノはヒヨリの頬に軽く口づけると、慌ただしく靴を履いて玄関から出て行った。

[8 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:45:16]

「……むぐぅ……」


ホシノが留守にする時、ヒヨリはいつも顎が痺れる程厳しくこのビットギャグで口を封じられる。
ここは人口が流出し衰退したアビドス。
周囲に人の気配は無く、助けを求める声を封じる意味で猿轡を嵌める意味はほとんどない。

そのことを伝え、せめてこの窮屈な猿轡は無くしてもらえるよう懇願してみた事もあったが却下された。
不在の時に舌を噛みちぎられては助けられないから、とホシノは理由を述べる。両手を拘束ミトンで封じるのも同じ自死防止が理由であるとのことだった。
それはつまり、ホシノがヒヨリ……彼女の中のユメに、自死を選ばせるほどの地獄を味わわせていると自覚しているということだ。

[9 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:45:47]

それだけではないのでは、とヒヨリは薄々感じていることがある。
似た人間を同一人物と思い込み監禁する狂人、ホシノはそのような人物に"成りきっている"に過ぎないのではないか。
大切な人の死を受け入れられない弱い自分を騙し、本当は別人のヒヨリだと気づいている自分から、目を逸らし続けているだけなのではないか……。

「……」

そうであったとして、この歪な囚われの姫としての生活から逃げられる術は今のところない。
ヒヨリは塞がれていない鼻からため息をつくと居間に戻り、不自由なミトンに包まれた後ろ手でテレビのリモコンを押そうと試みる。
何とか着いた映像を眺め、ヒヨリは今後の不安から目を逸らし気を紛らわすべく、放送に耳を傾けるのだった。

[10 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 17:46:39]

――以上。
この先はご想像にお任せします。
こんなホシヒヨだとお風呂事情を想像するのも楽しそうですよね（下衆顔
渋でもホシヒヨタグは20件（現在）しか機能してないのが残念でならず、このような暴挙に至りました。

もっとホシヒヨが増えますようにと願い、締めとさせていただきます。大変失礼いたしました。

[11 二次元好きの匿名さん 24/09/29(日) 20:15:11]

素晴らしい、良いものを読ませてもらった

[12 二次元好きの匿名さん 24/09/30(月) 06:58:33]

>>11

ありがとうございます。このSSを書く切欠となったイラストも紹介しておきます。

犯人が執着する知らない誰かに見た目を変えられ拉致監禁されて怯える子、刺さり過ぎて裸より抜けました

#ブルーアーカイブ ヒヨリを拉致してユメ先輩の恰好をさせるホシノ - 乱射ガンマVT@リク募集中のマンガ #漫画 #BlueArchive #ブルアカ - pixiv

[13 二次元好きの匿名さん 24/09/30(月) 14:39:49]

やっぱりホシヒヨは最高ですね～